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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】内服液
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/39 20060101AFI20220412BHJP
   A61K 38/01 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 31/4415 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 36/062 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20220412BHJP
   A61P 39/02 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A61K38/39
A61K38/01
A61K31/728
A61K31/4415
A61K36/062
A61K38/06
A61K9/08
A61P43/00 121
A61P17/00
A61P17/16
A61P17/18
A61P19/08
A61P1/00
A61P37/04
A61P27/12
A61P39/06
A61P39/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018016108
(22)【出願日】2018-02-01
(65)【公開番号】P2019131517
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000102496
【氏名又は名称】エスエス製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 美奈
(72)【発明者】
【氏名】大澤 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】吉村 理
(72)【発明者】
【氏名】大澤 良一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 実
【審査官】参鍋 祐子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/054525(WO,A1)
【文献】特開2003-325149(JP,A)
【文献】特開2008-150326(JP,A)
【文献】特開2002-097153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 47/00
A61K 9/00
A61K 31/00
A61K 38/00
A61K 36/00
A23L 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸:1~5mg/mL、コラーゲンペプチド:10~30mg/mL、システインペプチド含有酵母エキス:0.10~0.50mg/mL及びビタミンB6:0.1~0.5mg/mLを含有し、システインペプチドの含有割合が酵母エキス中18%以上である内服液。
【請求項2】
内服液に、ヒアルロン酸、コラーゲンペプチド、システインペプチド含有酵母エキス及びビタミンB6を、ヒアルロン酸濃度:1~5mg/mL、コラーゲンペプチド濃度:10~30mg/mL、システインペプチド含有酵母エキス濃度:0.10~0.50mg/mL及びビタミンB6濃度:0.1~0.5mg/mLとなるように配合することを特徴とする内服液の不快な味及び臭いを隠ぺいする方法であって、システインペプチド含有酵母エキスとして、システインペプチドの含有割合が酵母エキス中18%以上のシステインペプチド含有酵母エキスを用いる、方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不快な味と臭いが隠ぺいされた内服液に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸、コラーゲン等に代表される機能性の素材は、それぞれを配合し、食品、健康食品、特定栄養食品、機能性食品、医薬部外品、新医薬部外品、医薬品として内服液の形態で用いられている。これらの成分は、それぞれ、苦味、渋味やエグ味、べとつき感、喉越しの悪さなどの不快な味や食感を呈し、そのままでは服用することはできない。また、コラーゲン臭、魚臭、獣臭、システイン臭、ピリドキシン臭といった非常に不快な臭気やその物質の固有な不快臭があるため、服用時に不快感を与えてしまう。特に、ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド、ビタミンB6などの機能性の素材をそれぞれ含有する内服液として用いる場合には不快な味が強くなり、服用しにくいという欠点があった。そこで、服用時の口腔内での不快な味や臭いを隠ぺい・低減させ、服用し易くするために、従来から様々な方法が試みられている。
【0003】
例えば、特定量のイノシトールを含有させることでヒアルロン酸含有飲料の酸味の切れを向上させる方法(特許文献1)、シカマメ抽出物を添加することで、ヒアルロン酸を飲み易くする方法(特許文献2)が開示されている。
フルクトース、マルトースなどの還元糖を含有することで不快な風味を抑制したコラーゲン飲料組成物(特許文献3)、二層の液剤とすることで、コラーゲン、ヒアルロン酸などの機能性素材の不快臭味を抑える方法(特許文献4)が提案さている。また、コラーゲンの不快臭や味を抑える方法として、茶葉の半発酵物(特許文献5)、生姜抽出物(特許文献6)、穀物やなどの種子などの焙煎物から抽出した香料(特許文献7)、無脂乳固形分(特許文献8)、L-乳酸(特許文献9)、デキストリン由来の食物繊維(特許文献10)を添加する方法が試みられている。
システインペプチドでは、固形化した後コーティングを施して飲料などに添加する方法(特許文献11)が試みられている。
ビタミンB6では、フルーツ系香料、アセスルファムカリウムおよびステビア抽出物を配合する方法(特許文献12)、電解質を電気分解して得られる電解還元水を用いる方法(特許文献13)、転化型液糖を添加して苦味を低減する方法(特許文献14)、糖、アミノ酸及びアップル香料を添加する方法(特許文献15)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-029011号公報
【文献】特開2010-63390号公報
【文献】特開2016-7200号公報
【文献】特開2016-165251号公報
【文献】特開2009-112303号公報
【文献】特開2013-51976号公報
【文献】特開2013-215205号公報
【文献】特開2014-117254号公報
【文献】特開2013-42667号公報
【文献】特開2010-104338号公報
【文献】特開2002-97153号公報
【文献】特開2003-231647号公報
【文献】特開2002-338498号公報
【文献】特開2002-322062号公報
【文献】特開平5-4921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの素材に対して、それぞれ、単独で不快な味や臭いのマスキング効果はあっても、有効性を確保するために、複数の素材を組み合わせたり、素材の添加量を増やしたりすると、味や臭い及び服用感の低減効果は十分ではなく、さらに、安定性も低下することがあった。
したがって、本発明の課題は、新規な不快な味と臭いの低減方法および不快な味と臭いが低減された安定で優れた効力を発揮できる内服液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者らは、内服液の不快な味と臭いを低減すべく種々検討した結果、それぞれ単独では、不快な味・臭い・食感を有するヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6の4種を内服液で同時に含有させることにより、それぞれの素材が持つ不快な味、臭い、及び、食感を同時に効果的に低減させることを見出した。さらに、その内服液が安定で、優れた効力(生理活性)を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔4〕を提供するものである。
【0008】
〔1〕ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6を含有する内服液。
〔2〕ヒアルロン酸の濃度が1~5mg/mL、コラーゲンの濃度が10~30mg/mL、システインペプチドの濃度が0.1~1mg/mL、ビタミンB6の濃度が0.1~0.5mg/mLである〔1〕記載の内服液。
〔3〕内服液に、ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6を配合することを特徴とする内服液の不快な味及び臭いを隠ぺいする方法。
〔4〕ヒアルロン酸の濃度を1~5mg/mL、コラーゲンの濃度を10~30mg/mL、システインペプチドの濃度を0.1~1mg/mL、ビタミンB6の濃度を0.1~0.5mg/mLとする〔3〕記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の内服液は、ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6を含有し、これらの成分による不快な味及び臭いが隠ぺいされ、服用感も良好であり、かつ長期保存安定性も良好で優れた効力(生理活性)も有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の内服液は、ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6の4種を含有することを特徴とする。
【0011】
ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸が結合した二糖単位が繰り返される直鎖状の構造をしている。極めて高分子量であり、分子量は100万以上になることもある。ヒアルロン酸は生体内では水素イオンが外れて、ポリアニオンの形で存在するため、ヒアルロナンとも呼ばれ、酸性ムコ多糖に分類され、水溶液に粘性があるのが特徴の一つとなっている。全ての脊椎動物と一部の微生物に存在し、生体内では皮膚、靭帯、大動脈、健、心臓弁、関節液などあらゆる臓器や結合組織に存在している。特に皮膚に多く存在し、その量は体全体に含まれる量の50%を占める。皮膚中のヒアルロン酸は、年齢を重ねるにつれ減少するため、加齢に伴う皮膚の弾力やみずみずしさの低下、シワの増加といった現象には、皮膚におけるヒアルロン酸の減少が関わっていると考えられている。体内に含まれる約3分の1のヒアルロン酸が毎日ターンオーバーし、その合成量は加齢とともに減少していくため、皮膚症状の改善のために積極的にヒアルロン酸を摂取することは望ましいとされる。動物実験では、経口摂取したヒアルロン酸の一部は最終的に皮膚へ移行し利用されていることが示唆されている。さらに、慢性的に乾燥肌や肌荒れに悩む男女に24mg/日のヒアルロン酸を摂取すると、3週間目以降有意な水分量の増加が認められていることから、美肌効果を期待してヒアルロン酸が内服液などの内服剤に添加されている。
【0012】
本発明内服液では、このヒアルロン酸を1日量24mg以上用いることが望ましい。更に好ましくは、100mg/日以上が好ましく、特に150mg/日が好ましい。
さらに、本発明内服液では、他の素材と組み合わせて味・臭い・食感が不快にならないためには、ヒアルロン酸の濃度が一定の範囲であるのが好ましく、その濃度は、0.5~30mg/mLであることが好ましく、更に1~5mg/mLであることが好ましく、特に3mg/mLであることが最も好ましい。また、本発明内服液に用いるヒアルロン酸分子量は、0.1万~300万であることが好ましく、0.5万~100万であることが好ましく、20万~50万であることが特に好ましい。
【0013】
コラーゲンは皮膚、骨、軟骨、腱をはじめ、各種臓器の結合組織を構成し、ヒトの全タンパク質の25%を占める。コラーゲンを摂取した効果として、皮膚の水分保持力の向上、骨密度の改善、胃粘膜の保護、腸管吸収の向上、免疫賦活等が挙げられ、これらの効果を期待され、食品、機能性食品、化粧品、カプセル、医療用材料など広い範囲で利用されている。近年、化粧品や機能性食品としてのコラーゲンが認知され、ゼラチンを酵素または酸で加水分解した低分子のコラーゲンをコラーゲンペプチドとして用いている。コラーゲンの主原料は、主にブタ皮であるが、牛海綿状脳症(BSE)、口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群などの流行により、家畜動物以外の水生動物を由来とする原料を用いた魚皮、魚鱗、魚骨、魚軟骨、浮き袋などが利用されている。水生動物由来コラーゲンの特徴として、プロリンやヒドロキシプロリンの含量が少なく、変性温度が低い。下等動物では、酸性アミノ酸のグルタミン酸とアスパラギン酸が多い。
本発明内服液では、コラーゲンとしてコラーゲンペプチドを用いることが好ましく、さらに、海洋魚由来のマリンコラーゲンペプチド用いることが好ましい。
【0014】
本発明内服液では、このコラーゲンを1日量50mg以上用いることが望ましい。更に好ましくは、100mg/日以上が好ましく、特に1200mg/日以上が好ましい。
さらに、本発明内服液では、他の素材と組み合わせて味・臭い・食感が不快にならないためには、コラーゲンの濃度が一定の範囲であるのが好ましく、その濃度はコラーゲンペプチドとして、5~60mg/mLであることが好ましく、更に10~30mg/mLであることが好ましく、特に24mg/mLであることが最も好ましい。また、本発明内服液に用いるコラーゲンの分子量は、コラーゲンペプチドの平均分子量4000以下のものを用い得るが、3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、分子量900~1500である平均分子量1000以下の海洋魚由来のタンパク含量85%以下のコラーゲンペプチドを用いることが特に好ましい。
【0015】
システインペプチド(グルタチオン)は、グルタミン酸、システイン、グリシン3つのアミノ酸から成るトリペプチドで、菌界、植物界、動物界に広く分布する。システインペプチドは、システイン残基のSH基に由来する還元性による生体の酸化ストレスからの防御機能(肌老化の予防)、医薬品や外来異物の排除および毒性低下機能、白内障治療薬や薬物中毒・重金属中毒の解毒剤などとして用いられる医薬品、SH基含有酵素タンパク質との混合ジスルフィド形成による酵素活性調節機能、メラニン形成に関与(美白)などの含硫アミノ酸代謝に関係する栄養生理学的な機能などを有し、食品や医薬品に利用されている。
本発明内服液では、システインペプチドは、システインペプチド含有酵母エキスを用いることが望ましい。その酵母エキス中のシステインペプチドは、8%以上が好ましく、さらに12%以上が好ましく、特に18%以上であることが酵母固有の風味を抑えるうえで好ましい。
【0016】
本発明内服液では、このシステインペプチドをシステインペプチド含有酵母エキスとして、1日量1~100mg用いることが望ましい。更に好ましくは、2~20mg/日が好ましく、特に10mg/日が好ましい。
さらに、本発明内服液では、他の素材と組み合わせて味・臭い・食感が不快にならないためには、システインペプチドの濃度が一定の範囲であるのが好ましく、その濃度は、0.05~5mg/mLであることが好ましく、更に0.1~1mg/mLであることが好ましく、特に0.2mg/mLとすることが最も好ましい。
【0017】
ビタミンB6は、ビタミンB群の一種で、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝の補酵素、神経伝達物質である生理活性アミンの代謝の補酵素、ホルモン調節因子などとして作用し、たんぱく質の分解・合成を助け、皮膚や粘膜の健康を維持し、精神状態を安定させ、ホルモンのバランスを整えている。本発明内服液のビタミンB6としては、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシンリン酸塩、ピリドキサールリン酸塩、リン酸ピリドキサミン及びおよびその塩並びにその誘導体を挙げることができる。これらのなかでも、本発明内服液では、ピリドキシンを用いることが好ましく、ピリドキシン塩酸塩を用いることが好ましい。
【0018】
本発明内服液では、このビタミンB6をピリドキシンとして1日量1~100mg用いることが望ましい。更に好ましくは、5~20mg/日が好ましく、特に10mg/日が好ましい。
さらに、本発明内服液では、他の素材と組み合わせて味・臭い・食感が不快にならないためには、ピリドキシンの濃度が一定の範囲であるのが好ましく、その濃度はピリドキシンとして、0.05~1mg/mLであることが好ましく、更に0.1~0.5mg/mLであることが好ましく、特に0.2~0.3mg/mLであることが好ましい。
【0019】
また、本発明の内服服液には、ヒアルロン酸、コラーゲン、システイン類及びビタミンB6の他にも、通常の内服液に配合可能な成分、例えば、ビタミンB1、B2、B12、C、E等のビタミン類、タウリン、塩化カルニチン、バリン、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸類、エリオシトリン、カテキン等のポリフェノール類、生薬及び生薬抽出物、ハーブおよびハーブエキス、カフェイン、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、鉄、カルシウム等のミネラル類、コンドロイチン、グルコサミン、γ-オリザノール、イノシトール、α-リポ酸、ビオチン、葉酸、ウルソデスオキシコール酸、ローヤルゼリー、アスパラギン酸ナトリウム、グルクロノラクトン、添加剤を所望に応じて配合できる。
【0020】
添加剤としては、矯味剤、甘味剤、安定(化)剤、増粘剤、溶解補助剤、pH調節剤、消泡剤、着色剤、香料等が挙げられる。
矯味剤としては、例えば、ポビドン、メントール、グリチルリチン酸二カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、酢酸、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸、ケエン酸ナトリウム、グルコノラクトン、塩化ナトリウム等が挙げられる。
甘味剤としては、ショ糖、果糖、ブドウ糖、乳糖、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、スクラロース、還元パラチノース、ハチミツ、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、アスパルテーム、アセスルフアムカリウム、黒砂糖、ソーマチン、カンゾウ等が挙げられる。
安定(化)剤としては、例えばポビドン、グリセリン、エリソルビン酸及びその塩、エデト酸及びその塩、ペクチン、メタリン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばカルメロースナトリウム、寒天、ポビドン、ポリビニルアルコール、キサンタンガム等が挙げられる。
溶解補助剤としては、ポリソルベート、マタロゴール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポビドン、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
pH調節剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、水酸化ナトリウム、乳酸、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、コハク酸、コハタ酸ナトリウム、酢酸、グルコン酸、リン酸等が拳られる。
消泡剤としては、ミネラルオイル系消泡剤、非シリコン系消泡剤、シリコン系消泡剤等が挙げられる。
着色剤としては、例えばカラメル、クチナシ色素、マリーゴールド色素、カロテン色素、アントシアニン色素、果汁色素、野菜色素、タール色素、三二酸化鉄等が挙げられる。
香料としては、例えばアップルティーフレーバー、アプリコットティーフレーバー、ローズティーフレーバー、コウチャフレーバー、アップルフレーバー、キウイフレーバー、マスカットフレーバー、パイナップルフレーバー、ベルガモットフレーバー等が挙げられる。
【0021】
本発明の内服液は、常法の内服液の製造方法に従い、製造することができる。本発明の内服液のpHはpH2~5の範囲が好ましく、pH2.5~3.5の範囲がさらに好ましい。pH調整は、従来公知の方法により酸や塩基の添加により行うことができる。
【0022】
また、内服液に、ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6を配合すれば、当該内服液の不快な味及び臭いが隠ぺいできる。
【0023】
本発明の内服液は、通常の液剤と同様に服用することができる。
【実施例
【0024】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6とを含有する内服液及び比較内服液の製造:
表1の濃度に調整した内服液(実施例1~9、比較例1~14)を調整した。ヒアルロン酸は分子量20万~50万のヒアルロン酸を、コラーゲンは平均分子量1000以下(分子量900~1500)のマリンコラーゲンペプチドを、システイン類はシステインペプチド含有酵母エキスを、ビタミンB6はピリドキシン塩酸塩を用い、常法により所定の濃度で精製水に溶解し、この液を洗浄した褐色ガラスビンに充填し、キャッピングしたものを内服液とした。
【0026】
試験例1
7名の健常被験者が、実施例1~9の本発明の内服液剤及び比較例1~14の比較内服液剤の約5mLを口に含み、飲み込まないように注意しながら舌に行き渡らせ、約15秒後に吐き出した。このときの不快な臭い(発酵臭、生臭さ、固有の臭みなど)の程度、不快な味の程度(苦味、渋味、エグ味、酸味、収れん性、塩味など)、服用感(まとわりつき、ぬめぬめ感、後味の残留感など)の程度を下記に示す5段階で評価した。
【0027】
その結果を表1に合わせて示した。
【0028】
臭い
5:非常に不快な臭いを感じる
4:不快な臭いを感じる
3:少し不快な臭いを感じる
2:不快な臭いを感じるような気がする
1:何も感じない

5:非常に不快な味を感じる
4:不快な味を感じる
3:少し不快な味を感じる
2:不快な味を感じるような気がする
1:何も感じない
服用感
5:非常に不快な服用感を感じる
4:不快な服用感を感じる
3:少し不快な服用感を感じる
2:不快な服用感を感じるような気がする
1:何も感じない
【0029】
【表1】
【0030】
実施例2
ヒアルロン酸、コラーゲン、システインペプチド及びビタミンB6とを含有する内服液の製造:
ヒアルロン酸(分子量20万~50万)450g、を、マリンコラーゲンオリゴMD(平均分子量1000以下(分子量900~1500))3795g(コラーゲンペプチドとして3606g)、システインペプチド含有酵母エキス30g、ビリドキシン塩酸塩36.3g(ビリドキシンとして30g)、エリスリトール10.5kg、スクラロース8.1g、還元パラチノース18.9g、アセスルファムK24g、リン酸(85%)510g、クエン酸300g、DL-リンゴ酸300gペクチン510g、及び香料222.9gを常法により全量が150Lになるように精製水で溶解し、この液を50mLになるように洗浄した褐色ガラスビンに充填したのち、キャッピングし、本発明の内服液(実施例10)約3000本を得た。実施例10の内服液は、50mL中にヒアルロン酸150mg、コラーゲンペプチド1202mg、システインペプチド含有酵母エキス10mg、ビタミンB6(ピリドキシンとして)10mgを含み、pH3.0である。
【0031】
試験例2
12名の健常被験者が、実施例10の本発明の内服液剤の約5mLを口に含み、飲み込まないように注意しながら舌に行き渡らせ、約15秒後に吐き出した。このときの不快な臭い(発酵臭、生臭さ、固有の臭みなど)の程度、不快な味の程度(苦味、渋味、エグ味、酸味、収れん性、塩味など)、服用感(まとわりつき、ぬめぬめ感、後味の残留感など)の程度を試験例1と同様に5段階で評価した。
【0032】
その結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】
試験例3
12名(女性6名、男性6名)の健常被験者が、実施例10の本発明の内服液1瓶を1日1回2週間服用した。1)肌の状態、2)気分・気持ちの状態、3)睡眠の状態、4)頭(頭痛・頭重の有無など)の状態、5)呼吸器(鼻・のど・気管・肺など)の状態、6)肩・腰・首その他関節の状態、7)循環器(血圧・心臓・動悸など)の状態、8)むくみ(浮腫)の状態(まったく無い場合⇒5:とても良い、むくみがひどい場合⇒1:とても悪い)、9)視覚(視力・見え方など)の状態、.9)視覚(視力・見え方など)の状態、10)聴覚(聞こえ方・耳鳴りの有無など)の状態、11)味覚(味の感じやすさなど)の状態、12)嗅覚(においの感じやすさなど)の状態、13)疲労感・全身倦怠感の状態、14)記憶力に関する状態、15-1)<女性のみ>女性ホルモン(生理痛や生理周期のズレの有無など)に関する状態、15-2)<男性のみ>男性ホルモン(排尿障害やEDの有無など)に関する状態を5段階(5:とても良い、4:良い、3:ふつう、2:悪い、1:とても悪い)で評価した。
【0035】
14日後の評価値を表3に示した。多くの項目で3以上の値となり、服用後2週間という短い期間であっても本発明の内服液はすぐれた効果を示した。
【0036】
【表3】
【0037】
試験例4
実施例10の本発明の内服液を40℃4か月保存し、そのビタミンB6の含有量を微生物定量法(使用菌株:Saccharomyces cerevisiae(S.uvarum)ATCC 9080)で測定した。
【0038】
その結果を表4に示した。
【0039】
【表4】