(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20220412BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220412BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
G03B5/00 J
H04N5/225 400
H04N5/232 480
(21)【出願番号】P 2018093731
(22)【出願日】2018-05-15
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-72657(JP,A)
【文献】特開2017-215550(JP,A)
【文献】特開2015-82072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00 - 5/06
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学モジュールを備える可動体と、
固定体と、
前記固定体に対して前記可動体を前記光学モジュールの光軸周りに回転可能に支持するローリング支持機構と、
前記可動体を前記光軸周りに回動させるローリング駆動機構と、を備え、
前記ローリング支持機構は、前記光軸と交差する方向における前記可動体と前記固定体との間の位置であって前記光軸周りにおける複数箇所に配置され、前記可動体を光軸周りに回転可能に支持する弾性部材を備える、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載された光学ユニットにおいて、
前記弾性部材は、前記光軸周りにおいて等分割された位置に配置されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された光学ユニットにおいて、
前記弾性部材は、前記光軸周りにおいて少なくとも3か所に配置されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記弾性部材は、光軸周りに撓み変形する板バネで構成され、
前記板バネは、
一端部が前記固定体側の第1被固定部に固定され、他端部が前記光学モジュール側の第2被固定部に固定されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載された光学ユニットにおいて、
前記板バネは、前記固定された状態において板厚の方向が前記光学モジュールの前記光軸周りの回転方向を向いている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された光学ユニットにおいて、
前記板バネは、前記光軸に沿う方向の第1長さが前記光軸と交差する半径方向の第2長さより大きい、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記板バネは、前記一端部と他端部の間の部分はU字形状に形成されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記可動体と前記固定体の間に前記可動体のローリング方向の移動を許容した状態で両者を接続する中間枠体が設けられ、
前記板バネの一端部は、前記中間枠体に形成される第1被固定部に固定され、
前記板バネの他端部は、前記光学モジュールを保持して光学モジュールと一体に移動するホルダ枠に形成される第2被固定部に固定されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記ローリング駆動機構は、コイルと磁石の対で構成され、
前記コイルと磁石の一方が前記固定体側に配置され、他方が前記可動体側に配置されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記光学モジュールの光軸方向と交差する第1軸線周りに揺動可能に前記可動体を支持する第1支持部を備えるとともに、前記光軸方向及び前記第1軸線方向と交差する第2軸線周りに前記固定体側の部材に揺動可能に支持される第2支持部を備えるジンバル機構と、
前記可動体を前記第1軸線周り及び前記第2軸線周りに駆動する振れ補正用駆動機構と、を備え、
前記ジンバル機構は、
前記光学モジュールの被写体側と被写体の反対側の内の一方側に配置されるジンバルフレーム部と、
前記ジンバルフレーム部から前記光軸方向に延設されて前記第1支持部を有する第1支持部用延設部と、
前記ジンバルフレーム部から前記光軸方向に延設されて前記第2支持部を有する第2支持部用延設部と、を備える、
ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載された光学ユニットにおいて、
前記ジンバルフレーム部は板状である、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項12】
請求項11に記載された光学ユニットにおいて、
前記第1支持部用延設部と前記第2支持部用延設部の少なくとも一方は板状である、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記第1支持部は、前記第1支持部用延設部の前記可動体に対向する内側に固定され、前記可動体側の部材と接触して支持する部分は凸曲面であり、
前記第2支持部は、前記第2支持部用延設部の前記固定体に対向する外側に固定され、前記固定体側の部材と接触して支持される部分は凸曲面である、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記第1支持部用延設部は、前記ジンバルフレーム部に対する延設角度が前記可動体側の部材に弾性接触するよう内側に変位した角度に設定されており、
前記第2支持部用延設部は、前記ジンバルフレーム部に対する延設角度が前記固定体側の部材に弾性接触するよう外側に変位した角度に設定されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記ジンバルフレーム部は、前記光軸を中心にして前記第1軸線方向に延在する第1延在部と、前記第2軸線方向に延在する第2延在部によってX字状に形成されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項16】
請求項15に記載された光学ユニットにおいて、
前記ジンバル機構は、金属板で形成され、X字状のジンバルフレーム部の第1延在部と第2延在部を折り曲げることによって前記第1支持部用延設部及び前記第2支持部用延設部が形成されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項17】
請求項15又は16に記載された光学ユニットにおいて、
前記ジンバルフレーム部は、前記第2延在部と前記可動体の隙間は、前記第1延在部と前記可動体の隙間よりも大きい、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項18】
請求項10から17のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記ジンバルフレーム部は、
前記光学モジュールの被写体側に配置され、
前記光学モジュールの入光部側のジンバルフレーム部の中央部には開口部が形成されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項19】
請求項10から18のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記振れ補正用駆動機構は、コイルと磁石の対で構成され、
前記コイルと磁石の一方が前記固定体側に配置され、他方が前記可動体側に配置されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【請求項20】
請求項10から19のいずれか一項に記載された光学ユニットにおいて、
前記可動体と前記固定体の間に前記可動体のローリング方向の移動を許容した状態で両者を接続する中間枠体が設けられ、
前記可動体は、前記光学モジュールを保持すると共にピッチング、ヨーイング及びローリングの検出用及び補正用の磁石を取り付けるホルダ枠を備え、
前記固定体は、
外部ケーシングと、
前記外部ケーシング内に内嵌されると共にピッチング、ヨーイング及びローリングの補正用のコイルを取り付けるコイル取付けフレームと、
前記外部ケーシングの第2軸線方向のコーナー部の内面に取り付けられ、前記ジンバル機構の前記第2支持部が支持される第2軸受部材と、を備え、
前記中間枠体は、前記ジンバル機構の前記第1支持部が支持される第1軸受け部材を備え、
前記弾性部材は、前記ホルダ枠と前記中間枠体との間に配置されている、ことを特徴とする光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付き携帯電話機等に搭載される振れ補正機能付きの光学ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の振れ補正機能付きの光学ユニットとして、特許文献1に記載されている光学ユニットが挙げられる。この光学ユニットは、ピッチング(縦振れ)やヨーイング(横振れ)に加えて、ローリング(光軸回りの振れ)の補正を行う機能を備えている。
具体的には、ローリングの補正を行う機構として、その
図2等に記載されているように、可動体100の外側に可動体100を光軸L周りに回転可能に支持する第1支持機構80と、可動体100を光軸L周りに回転させるローリング用磁気駆動機構600とを備えている。第1支持機構80は、ボールベアリング81によって可動体100を光軸L周りに回転可能に支持し、更に可動体100が固定体60に弾性をもって支持された状態とする機械的バネ85を含んでいる。ローリングによって可動体100がローリング用磁気駆動機構600から回転力を受けて前記ローリングを補正する方向に回転した後、前記回転力が解除されると可動体100は機械的バネ85のバネ力によって初期位置に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の上記光学ユニットは、ローリング補正を行う機構としての第1支持機構は、ボールベアリングと機械的バネの二つの部材を光学モジュールの背面側に配置する構造である。そのため光学ユニットの光軸方向(背面側)の小型化の妨げとなるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ローリングの補正を行う機構を備える光学ユニットの小型化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の光学ユニットは、光学モジュールを備える可動体と、固定体と、前記固定体に対して前記可動体を前記光学モジュールの光軸周りに回転可能に支持するローリング支持機構と、前記可動体を前記光軸周りに回動させるローリング駆動機構と、を備え、前記ローリング支持機構は、前記光軸と交差する方向における前記可動体と前記固定体との間の位置であって前記光軸周りにおける複数箇所に配置され、前記可動体を光軸周りに回転可能に支持する弾性部材を備えることを特徴とする。
【0007】
本態様によれば、ローリング支持機構は、前記光軸と交差する方向における前記可動体と前記固定体との間の位置であって前記光軸周りにおける複数箇所に配置され、前記可動体を光軸周りに回転可能に支持する弾性部材を備える。即ち、本態様の弾性部材は、その一部材で前記可動体を光軸周りに回転可能に支持する支持部材としての機能と、ローリング補正で回転した可動体を初期位置に戻すバネ部材としての二つの機能を併せ持っている。そのため、従来のようなベアリング等の軸受を使う必要がない。従って、ローリングの補正を行う機構を備える光学ユニットの小型化を容易に実現することができる。特に、光軸方向における小型化を実現することができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様の光学ユニットにおいて、前記弾性部材は、前記光軸周りにおいて等分割された位置に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、弾性部材は、前記光軸周りにおいて等分割された位置に配置されている。これにより、前記可動体を前記光軸周りにおいて均等に支持することができ、可動体が光軸周りに回転する際にバランスの取れた回転を実現することができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様の光学ユニットにおいて、前記弾性部材は、前記光軸周りにおいて少なくとも3か所に配置されていることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記弾性部材は、前記光軸周りにおいて少なくとも3か所に配置されている。これにより、従来のようなベアリング等の軸受を使うことなく可動体の回転方向を規定することができる。加えて、第1の態様や第2の態様の効果をコンパクトな構造で得ることができる。
【0012】
本発明の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記弾性部材は、光軸周りに撓み変形する板バネで構成され、前記板バネは、一端部が前記固定体側の第1被固定部に固定され、他端部が前記光学モジュール側の第2被固定部に固定されていることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、弾性部材は光軸周りに撓み変形する板バネで構成されるので、光軸周りに複数の板バネを配置することでローリング支持機構をコンパクトに構成することが可能となる。
また、板バネは、一端部が前記固定体側の第1被固定部に固定され、他端部が前記光学モジュール側の第2被固定部に固定されているので、前記光軸周りの回転方向に安定して弾性変形することができる。
【0014】
本発明の第5の態様は、第4の態様の光学ユニットにおいて、前記板バネは、前記固定された状態において板厚の方向が前記可動体の前記光軸周りの回転方向を向いていることを特徴とする。
【0015】
ここで、「板厚の方向が前記光学モジュールの前記光軸周りの回転方向を向いている」における「回転方向を向いている」とは、本明細書では、厳密に回転方向を向いていることは要しない意味で使われている。即ち、前記光学モジュールを光軸周りに回転可能に支持する機能が不安定にならない範囲でその向きには幅がある。
【0016】
本態様によれば、前記板バネは、前記固定された状態において板厚の方向が前記可動体の前記光軸周りの回転方向を向いている。別の言い方をすると、前記板バネの板面の方向は前記光軸に向かう方向である。これにより、弾性部材を成す板バネは、前記可動体を前記回転方向と異なる光軸方向や光軸と交差する方向に対しては不用意に変位しないようにしっかり支持した状態で、前記光軸周りの回転方向には円滑に変形することが可能となる。従って、前記可動体が光軸周りに回転する際に円滑でバランスの取れた回転を実現することができる。
【0017】
本発明の第6の態様は、第4の態様又は第5の態様の光学ユニットにおいて、前記板バネは、前記光軸に沿う方向の第1長さが前記光軸と交差する半径方向の第2長さより大きいことを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記板バネは、前記光軸に沿う方向の第1長さが前記光軸と交差する半径方向の第2長さより大きい。これにより、板バネは、前記光軸周りの回転方向に安定して弾性変形することができる。
【0019】
本発明の第7の態様は、第4の態様から第6の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記板バネは、前記一端部と他端部の間の部分はU字形状に形成されていることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記板バネは、前記一端部と他端部の間の部分はU字形状に形成されているので、第4の態様から第6の態様のいずれか一つの態様の効果を効果的に得ることができる。
【0021】
本発明の第8の態様は、第4の態様から第7の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記可動体と固定体の間に可動体のローリング方向の移動を許容した状態で両者を接続する中間枠体が設けられており、前記板バネの一端部は、前記中間枠体に形成される第1被固定部に固定され、前記板バネの他端部は、前記光学モジュールを保持して光学モジュールと一体に移動するホルダ枠に形成される第2被固定部に固定されている、ことを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、可動体と固定体の間に中間枠体を設けることでローリング方向の振れだけでなくピッチング方向の振れやヨ―イング方向の振れも検出できるようになり、ピッチング、ヨ―イング、ローリングの異なる方向の複数の補正に対応できるようになる。
【0023】
本発明の第9の態様は、第1の態様から第8の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記ローリング磁気駆動機構は、コイルと磁石の対で構成され、前記コイルと磁石の一方が前記固定体側に配置され、他方が前記可動体側に配置されていることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、前記ローリング磁気駆動機構は、コイルと磁石の対で構成され、前記コイルと磁石の一方が前記固定体側に配置され、他方が前記可動体側に配置されている。これにより、光軸方向における小型化を実現することができる。
【0025】
本発明の第10の態様は、第1の態様から第9の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記光学モジュールの光軸方向と交差する第1軸線周りに揺動可能に前記可動体を支持する第1支持部を備えるとともに、前記光軸方向及び前記第1軸線方向と交差する第2軸線周りに前記固定体側の部材に揺動可能に支持される第2支持部を備えるジンバル機構と、前記可動体を前記第1軸線周り及び第2軸線周りに駆動する振れ補正用駆動機構と、を備え、前記ジンバル機構は、前記光学モジュールの被写体側と被写体の反対側の内の一方側に配置されるジンバルフレーム部と、前記ジンバルフレーム部から前記光軸方向に延設されて前記第1支持部を有する第1支持部用延設部と、前記ジンバルフレーム部から前記光軸方向に延設されて前記第2支持部を有する第2支持部用延設部と、を備える、ことを特徴とする。
【0026】
本態様によれば、前記ジンバルフレーム部は、前記光学モジュールの被写体側と被写体の反対側の内の一方側に配置される。即ち、ジンバル機構は光学モジュールを備える可動体の側面周囲の全体を囲わないので、側面周囲に存在するのは前記第1支持部用延設部と前記第2支持部用延設部である。従って、従来のジンバル機構より光軸方向と交差する方向(側面側)の小型化を実現できる。
また、前記ジンバル機構は、前記第1軸線周りに揺動可能に前記可動体を支持する第1支持部を備え、前記光軸方向及び前記第1軸線方向と交差する第2軸線周りに前記固定体側の部材に揺動可能に支持される第2支持部を備える構造である。この支持構造によって、前記小型化を図れることに加えて、可動体を前記第1軸線周り及び第2軸線周りに駆動する振れ補正用駆動機構の配置の自由度が増し、全体のサイズを大型化せずに磁気回路を大きくすることが可能となり、以って駆動トルクの向上や消費電力の低減を図ることができる。
【0027】
本発明の第11の態様は、第10の態様の光学ユニットにおいて、前記ジンバルフレーム部は板状である、ことを特徴とする。
【0028】
本態様によれば、ジンバルフレーム部は板状であるので、光軸方向についても小型化を図れる。
【0029】
本発明の第12の態様は、第11の態様の光学ユニットにおいて、前記第1支持部用延設部と前記第2支持部用延設部の少なくとも一方は板状である、ことを特徴とする。
【0030】
本態様によれば、前記第1支持部用延設部と前記第2支持部用延設部の少なくとも一方は板状であるので、光軸方向と交差する方向(側面側)の一層の小型化を実現できる。
【0031】
本発明の第13の態様は、第10の態様から第12の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記第1支持部は、前記第1支持部用延設部の前記可動体に対向する内側に固定され、前記可動体側の部材と接触して支持する部分は凸曲面であり、前記第2支持部は、前記第2支持部用延設部の前記固定体に対向する外側に固定され、前記固定体側の部材と接触して支持される部分は凸曲面である、ことを特徴とする。
【0032】
本態様によれば、ジンバル機構の第1支持部及び第2支持部は前記凸曲面によって形成されているので、ジンバル機構と可動体側の部材及び固定体側の部材との組付けが容易である。
【0033】
本発明の第14の態様は、第10の態様から第13の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記第1支持部用延設部は、前記ジンバルフレーム部に対する延設角度が前記可動体側の部材に弾性接触するよう内側に変位した角度に設定されており、前記第2支持部用延設部は、前記ジンバルフレーム部に対する延設角度が前記固定体側の部材に弾性接触するよう外側に変位した角度に設定されている、ことを特徴とする。
【0034】
本態様によれば、前記第1支持部用延設部位及び第2支持部用延設部は、前記延設角度により、弾性的に可動体側の部材と固定体側の部材に接触するので、第1支持部材と第2支持部材の強固な支持とジンバル機構の円滑な揺動とを容易に実現することができる。
【0035】
本発明の第15の態様は、第1の態様から第14の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記ジンバルフレーム部は、前記光軸を中心にして前記第1軸線方向に延在する第1延在部と、前記第2軸線方向に延在する第2延在部によってX字状に形成されている、ことを特徴とする。
【0036】
本態様によれば、前記シンバルフレーム部は、前記光軸を中心にして前記第1軸線方向に延在する第1延在部と、前記第2軸線方向に延在する第2延在部によってX字状に形成されている。このようにジンバルフレーム部がX字状であるので、第1軸線周り及び第2軸線周りのジンバル機構の揺動を円滑に行える。
【0037】
本発明の第16の態様は、第15の態様の光学ユニットにおいて、前記ジンバル機構は、金属板で形成され、X字状のジンバルフレーム部の第1延在部と第2延在部を折り曲げることによって前記第1支持部用延設部及び前記第2支持部用延設部が形成されている、ことを特徴とする。
【0038】
本態様によれば、前記ジンバル機構は、金属板で形成され、更にX字状のジンバルフレーム部の第1延在部と第2延在部を折り曲げることによって前記第1支持部用延設部及び前記第2支持部用延設部が形成されているので、ジンバル機構の製造が容易である。
【0039】
本発明の第17の態様は、第15の態様又は第16の態様の光学ユニットにおいて、前記ジンバルフレーム部は、前記第2延在部と前記可動体の隙間は、前記第1延在部と前記可動体の隙間よりも大きい、ことを特徴とする。
別の言い方をすると、前記ジンバルフレーム部は、前記第1延在部の先端部の光軸方向の高さが前記第2延在部の先端部の光軸方向の高さより低くて前記可動体に対して近い位置となるように形成されていることを特徴とする。
【0040】
本態様によれば、第1延在部の先端部は第2延在部の先端部より可動体に対して近い位置に位置しており、第1延在部の光軸方向の被写体側あるいは被写体の反対側の内の一方側の可動領域(可動ギャップ)が広くなっている。またこれに伴い、第1延在部の先端部は第2延在部の先端部より光軸方向の低い位置に位置していて、ジンバルフレーム部は折り曲げられた形状を有しているため、可動体に対して面一な形状ではない。この位置の違いにより、光軸方向における可動体の可動ギャップを容易に設けることができ、光軸方向の一層の小型化を実現できる。
【0041】
本発明の第18の態様は、第10の態様から第17の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記ジンバルフレーム部は、前記光学モジュールの被写体側に配置され、前記光学モジュールの入光部側の該ジンバルフレーム部の中央部には開口部が形成されている、ことを特徴とする。
【0042】
本態様によれば、前記ジンバルフレーム部は、開口部を有して前記光学モジュールの被写体側に配置されている。これにより、ジンバル機構を固定体側に取り付けた状態で、前記開口部と反対側から光学モジュールを備える可動体を組み付けることが可能となり、以って、組付け作業が容易になる。
また、前記振れ補正用駆動機構は駆動用の電力供給のための配線を有するが、この配線を被写体と反対側から引き出す構造にすることが可能となり、配線の引き回しがシンプルになる。
【0043】
本発明の第19の態様は、第10の態様から第18の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記振れ補正用駆動機構は、コイルと磁石の対で構成され、前記コイルと磁石の一方が前記固定体側に配置され、他方が前記可動体側に配置されている、ことを特徴とする。
【0044】
本態様によれば、前記振れ補正用駆動機構は、コイルと磁石の対で構成され、前記コイルと磁石の一方が前記固定体側に配置され、他方が前記可動体側に配置されている。これにより、光軸方向における小型化を実現することができる。
【0045】
本発明の第20の態様は、第10の態様から第19の態様のいずれか一つの態様の光学ユニットにおいて、前記可動体と前記固定体の間に前記可動体のローリング方向の移動を許容した状態で両者を接続する中間枠体が設けられ、前記可動体は、前記光学モジュールを保持すると共にピッチング、ヨーイング及びローリングの検出用及び補正用の磁石を取り付けるホルダ枠を備え、前記固定体は、外部ケーシングと、前記外部ケーシング内に内嵌されると共にピッチング、ヨーイング及びローリングの補正用のコイルを取り付けるコイル取付けフレームと、前記外部ケーシングの第2軸線方向のコーナー部の内面に取り付けられ、前記ジンバル機構の前記第2支持部が支持される第2軸受部材と、を備え、前記中間枠体は、前記ジンバル機構の前記第1支持部が支持される第1軸受け部材を備え、前記弾性部材は、前記ホルダ枠と前記中間枠体との間に配置されていることを特徴とする。
【0046】
本態様によれば、光学モジュールのピッチングの補正とヨーイングの補正とローリングの補正を行うことができる光学ユニットを、効率的な部品の配置と、新規なジンバル機構と弾性部材の採用によってコンパクトかつ容易に製造することが可能になる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、ローリングの補正を行う機構を備える光学ユニットの小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットの外部ケーシングを透過して表す斜視図。
【
図2】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットの外部ケーシングを透過して表す正面図。
【
図3】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットの外部ケーシングを透過して表す
図2中のA矢視図。
【
図4】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットの外部ケーシングを透過して表す
図2中のB矢視図。
【
図5】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニット全体を分解して示す斜視図。
【
図6】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットを固定体とジンバル機構と可動体に分解して表す斜視図。
【
図7】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットを固定体とジンバル機構及び中間枠体の組とに分解して表す斜め後方からの斜視図。
【
図8】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットのジンバル機構、中間枠体、第1軸受部、第2軸受部及び弾性部材を表す斜視図。
【
図9】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットのジンバル機構、中間枠体、第1軸受部、第2軸受部及び弾性部材を表す
図2中のB矢視図。
【
図10】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットのジンバル機構、中間枠体、第1軸受部、第2軸受部及び弾性部材を表す
図2中のA矢視図。
【
図11】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットの中間枠体、ホルダ枠、弾性部材及び第1軸受部を表す斜め後方からの斜視図。
【
図12】本発明の実施形態1を示す図で、光学ユニットの中間枠体、ホルダ枠、弾性部材及び第1軸受部を表す斜め後方からの分解斜視図。
【
図13】本発明の実施形態2を示す図で、光学ユニットの外部ケーシングを透過して表す斜視図。
【
図14】本発明の実施形態2を示す図で、光学ユニットの外部ケーシングを透過して表す正面図。
【
図15】本発明の実施形態2を示す図で、光学ユニット全体を分解して表す斜視図。
【
図16】本発明の実施形態2を示す図で、光学ユニットを固定体と可動体とジンバル機構とに分解して表す斜視図。
【
図17】本発明の実施形態2を示す図で、光学ユニットの固定体と可動体を分解して表す斜め後方からの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の光学ユニットを
図1~
図12に表す実施形態1と
図13~
図17に表す実施形態2の二つの実施形態を例にとって、これらの図面に基づいて詳細に説明する。
尚、以下の説明では最初に
図1~
図7に基づいて実施形態1を例にとって光学ユニットの全体構成の概略について説明する。次に、
図8~
図12に基づいて本発明の実施形態に係る光学ユニットの具体的構成について詳細に説明する。
【0050】
続いて、本発明の実施形態1に係る光学ユニットの作動態様をピッチング及びヨーイングの補正とローリングの補正に分けて説明し、本発明の実施形態1に係る光学ユニットの作用、効果に言及する。
次に、
図13~
図17に基づいて本発明の実施形態2に係る光学ユニットの具体的構成を前記実施形態1との相違点を中心に説明し、本発明の実施形態2に係る光学ユニットの作動態様と作用、効果に言及する。
更に、これら二つの実施形態とは部分的構成を異にする本発明の他の実施形態について言及する。
【0051】
[実施形態1]
(1)光学ユニットの全体構成の概略(
図1~
図12参照)
本発明に係る実施形態1の光学ユニット1は、光学モジュール3を備える可動体5と、可動体5を少なくともローリング(光軸周りの振れ)方向Rに変位可能な状態で保持する固定体7と、固定体7に対して可動体5を光学モジュール3の光軸L周りに回転可能に支持するローリング支持機構9(
図5、
図8)と、可動体5を光軸L周りに回動させるローリング駆動機構11(
図2、
図5)と、を備えている。
また、ローリング支持機構9は、光軸Lと交差する方向X、Yにおける可動体5と固定体7との間であって光軸L周りにおける所定半径の円周C(
図8)上の複数箇所に配置され、可動体5を光軸L周りに回転可能に支持する弾性部材13を備えることによって構成されている。
【0052】
また、本実施形態1では
図8に表したように、弾性部材13は、光軸L周りに撓み変形する板バネ13(弾性部材と同じ符号を用いる)によって構成されている。また、本実施形態では可動体5と固定体7の間に可動体5のローリング方向Rの移動(回転)を許容した状態で両者を接続する中間枠体15Aが設けられている。
そして、板バネ13の一端部13aは、中間枠体15Aに形成される第1被固定部16に固定されている。板バネ13の他端部13bは、光学モジュール3を保持して光学モジュール3と一体に移動するホルダ枠17に形成される第2被固定部18に固定されている。尚、板バネ13の第1被固定部16及び第2被固定部18への固定は、両者の接着、嵌合、係止等によって行われている。
【0053】
また、本実施形態1では、光学モジュール3の光軸方向Zと交差する第1軸線L1周りに揺動可能に可動体5を支持する第1支持部19を備えると共に、光軸方向Z及び第1軸線L1方向と交差する第2軸線L2周りに固定体7側の部材に揺動可能に支持される第2支持部20を備えるジンバル機構21Aと、可動体5を第1軸線L1周り及び第2軸線L2周りに駆動する振れ補正用駆動機構23と、を備えている。
そして、ジンバル機構21Aは、光学モジュール3の被写体側+Zと被写体の反対側-Zの内の一方側に配置されるジンバルフレーム部25Aと、ジンバルフレーム部25Aから光軸方向Zに延設されて第1支持部19を有する第1支持部用延設部27と、ジンバルフレーム部25Aから光軸方向Zに延設されて第2支持部20を有する第2支持部用延設部29と、を備えている。
【0054】
また、本実施形態1では、ジンバルフレーム部25Aは、光学モジュール3の被写体側の+Zに配置され、光学モジュール3の入光部側のジンバルフレーム部25Aの中央部には開口部30が形成されている。
この他、本実施形態1ではローリング駆動機構11と振れ補正用駆動機構23は、コイル31A,31B,31Cと磁石33A,33B,33Cの対で構成されており、コイル31A,31B,31Cを取り付けるためのコイル取付けフレーム35が設けられている。また、磁石33A,33B,33Cは、ホルダ枠17に取り付けられている(
図5、
図6)。
更に、本実施形態1では、第1支持部19を受け入れて係合する第1軸受部材37が中間枠体15Aに対して設けられている。更に、第2支持部20を受け入れて係合する第2軸受け部材38が固定体7の外部ケーシング39の一対のコーナー部の内面側に設けられている。
【0055】
(2)光学ユニットの具体的構成(
図8~
図12参照)
本実施形態1に係る光学ユニット1Aは、光学モジュール3のピッチング(縦振れ)、ヨーイング(横振れ)及びローリング(光軸L周りの振れ)の補正機能を備えた光学ユニットである。光学モジュール3は、例えばカメラ付携帯電話機やタブレット型PC等に搭載される薄型カメラ等として用いられる。光学モジュール3を保持して光学モジュール3に生じたピッチング方向Y、ヨーイング方向X及びローリング方向Rの補正を行うアクチュエーター部分が光学ユニット1Aの主要な構成になっている。以下、光学ユニット1Aの具体的構成について詳述する。
【0056】
<可動体>
可動体5は、
図5及び
図6に表したように、光学モジュール3と、光学モジュール3を保持すると共にピッチング、ヨーイング及びローリングの検出用及び補正用の三組の磁石33A、33B、33Cを取り付けるホルダ枠17と、を備えることによって一例として構成されている。
光学モジュール3は、被写体側+Zにレンズ3aを備え、矩形筐体状のハウジング3bの内部に撮像を行うための光学機器等が内蔵されている。ホルダ枠17は、光学モジュール3のレンズ3aが設けられる前面と、反対側の後面を除く、残りの4面を取り囲むように設けられる矩形枠状の部材である。ホルダ枠17の3面を利用してピッチング及びヨーイング検出用及び補正用の二組の磁石33A、33Bと、ローリング検出用及び補正用の一組の磁石33Cがこれらの外面側に取り付けられている。
【0057】
<固定体>
固定体7は、
図5及び
図6に表したように、外部ケーシング39と、外部ケーシング39内に組付けらされると共に、ピッチング、ヨーイング及びローリングの補正用の三組のコイル31A、31B、31Cを取り付けるコイル取付け用フレーム35と、外部ケーシング39の第2軸線L2方向のコーナー部の内面に取付けられる第2軸受け部材38と、を備えることによって一例として構成されている。
外部ケーシング39は、被写体側+Zとなる前面に窓部41を有し、被写体と反対側-Zとなる後面が開放されている構造であり、光学モジュール3より一回り大きな矩形容器状の部材である。
【0058】
<コイル取付けフレーム>
コイル取付けフレーム35は、被写体側+Zに中央部が開口された矩形枠状の平板部43を有し、該平板部43の3辺に光軸方向Zに沿うよう、被写体と反対側-Zの90°折り曲げた3枚のコイル取付け板44を形成することによって構成されている。
これら3枚のコイル取付け板44の内面には、ピッチング補正用及びヨーイング補正用の二組のコイル31A、31Bと、ローリング補正用の一組のコイル31Cが取り付けられている。
【0059】
<振れ補正用駆動機構、ローリング駆動機構>
振れ補正用駆動機構23は、可動体5の姿勢を補正するための、補正用コイル31Aと磁石33Aの対、及び補正用コイル31Bと磁石33Bとの対により構成されている。これらの補正用コイル31A,31Bと磁石33A,33Bの対により可動体5のピッチングとヨーイングの補正が行われる。
ローリング駆動機構11は、ローリングの補正用コイル31Cとローリング検出用及び補正用の磁石33Cとの対により構成されている。
光学ユニット1Aの後述する振れの検出結果に基づいて、振れ補正用駆動機構23及びローリング駆動機構11がその振れを補正するように作用する。即ち、光学ユニット1Aの前記振れを打ち消す方向に可動体5を動かすように各コイル31A、31B、31Cに電流が流される。
【0060】
本実施形態1ではコイル31A、31B、31Cとしてコイルをパターンとして基板配線内に取り込んだパターン基板(コイル基板)を採用している。尚、コイル31A、31B、31Cとしては、このようなパターン基板に代えて巻線コイルを使用することも可能である。
【0061】
<光学ユニットの振れの検出>
また、三組のコイル31A、31B、31Cの近傍には、磁束密度の変化を検出する3つの磁気センサー(ホール素子)45A、45B、45Cが格別に設けられている。
この磁気センサー(ホール素子)45A、45B、45Cは、ピッチング、ヨーイング及びローリングの検出用及び補正用の磁石33A、33B、33Cとの各対により、その磁束密度の変化から、光学ユニットにおける光学モジュールを備える可動体5の振れを検出する。この検出結果に基づいて振れ補正用駆動機構23及びローリング駆動機構11がその振れを補正するように作用する。
【0062】
このうちコイル31Aの近傍に設けられる磁気センサー45Aの近くにはコイル31Aの温度変化を検出し、検出した温度変化に基づいて各磁気センサー45A、45B、45Cの検出値の補正に利用するサーミスター47が設けられている。
また、第2軸受部材38は、光軸方向Zに長い台形断面のブロック状の部材で、その内面には、第2支持部20を受け入れて係合する凹部38aが形成されている。
【0063】
<中間枠体>
中間枠体15Aは、ホルダ枠17を被写体側+Zから包むように設けられる金属製の平板を折り曲げて形成される部材である(
図6)。
中間枠体15Aは、被写体側+Zに中央部が矩形状に大きく開口された開口部50を有する矩形枠状の平板部49Aを有する。中間枠体15Aは、平板部49Aのコーナー部に光軸方向Zに沿うよう被写体と反対側-Zに90°折り曲げた4枚の側板部51を設けた構造である。
【0064】
また、4枚の側板部51の先端の一部は矩形状に切り欠かれており、組み付けられた状態でこれらの切欠き部53と対向するホルダ枠17の部位にも切欠き部55が形成されている。
そして、中間枠体15Aの4枚の側板部51の先端に形成されている4つの切欠き部53が第1被固定部16になっており、ホルダ枠17の対応する4つの切欠き部55が第2被固定部18になっている。従って、板バネによって構成される弾性部材13の一端部13aが切欠き部53に係止され固定されるように構成されている。
尚、本実施形態1では、弾性部材13の一端部13aと他端部13bは、一例として矩形板状に形成されているが、この他、円板状、球体状、棒状等、他の種々の形状に形成することが可能である。
【0065】
また、4枚の側板部51のうち、第1軸線L1方向に位置する側板部51の外面には、一例として矩形平板状の第1軸受部材37が取り付けられている。第1軸受部材37の更に外面には、第1支持部19を受け入れて係合する凹部37aが形成されている。
この他、中間枠体15Aの平板部49Aにおける四方のコーナー部から4枚の側板部51の付け根にかけての部分にも切欠き部57が設けられている。この切欠き部57は、後述するジンバル機構21Aの第1軸線L1周りと第2軸線L2周りの必要な揺動角度(一例として±6°~10°)を確保するために設けられている。
【0066】
<弾性部材>
弾性部材13は、光軸Lを中心とする所定半径の円周C(
図8)を等分割した少なくとも3か所に配置されている。本実施形態では、
図5と
図11に表したように、光軸Lを中心とする円周Cを90°ずつ4分割した4か所に一例として金属製の板バネによって構成した弾性部材13を4つ設けている。
ここで、等分割とは厳密に等しく分割されていることまでは要しないで、ほぼ等分割でもよい意味で使われている。
また、板バネ13は、第1被固定部16と第2被固定部18に固定されて中間枠体15Aとホルダ枠17の間に組み付けられた状態で板厚の方向が可動体5の光軸L周りの回転方向、即ちローリング方向Rに向くように配置されている。
【0067】
ここで、「板厚の方向が光学モジュール3の光軸L周りの回転方向、即ちローリング方向Rに向く」における「ローリング方向Rに向く」とは、本明細書では厳密に時々刻々変化するローリング方向Rを正確に向いていることを要しない。具体的には、光学モジュール3を光軸L周りに回転可能に支持する機能が不安定にならない範囲で、その向きには幅があり、その幅の範囲で多少、板厚の方向がローリング方向Rから傾いていても構わない。
【0068】
また、
図6から
図10に表したように、板バネ13は、光軸に沿う方向Zの第1長さAが光軸Lと交差する半径方向の第2長さBより大きくなるように形成されている。図示の実施形態では、第1長さAを第2長さBの3~4倍の長さに設定されている。
また、本実施形態1では板バネ13の一端部13aと他端部13bの間の自由撓み部13cを一例としてU字形状に形成しており、その第1長さAを前述のように長くとって、板バネ13の円滑な撓み変形を可能にすると共に、光軸方向Zの動きに対する剛性を高くしている。
【0069】
また、板バネ13の第2長さBも、板バネ13の板厚に比べて幅広に設定しており、バネ幅方向となる半径方向の動きに対する剛性を高くしている。
尚、板バネ13の自由撓み部13cの形状は、図示の実施形態のようなU字形状の他、V字形状、I字形状あるいはN字形状等、他の形状であっても構わない。I字形状及びN字形状の場合は、一端部13aと他端部13bの位置が光軸の沿う方向(第1長さAの方向)において反対側に位置することになる。
【0070】
<ジンバル機構>
図6から
図10に表したように、ジンバル機構21Aは、金属製平板材料を折り曲げることによって形成されるバネ性を兼ね備えた機構である。具体的には、ジンバル機構21Aは、
図9及び
図10に表したように、一例として被写体側+Zに設けられるジンバルフレーム部25Aと、ジンバルフレーム部25Aの四方のコーナー部から光軸方向Zに90°折り曲げられて形成される第1支持部用延設部27と、第2支持部用延設部29と、を備えることによって構成されている。
尚、第1支持部用延設部27と第2支持部用延設部29については、必ずしもその全部が板状でなくてもよく、その一部のみを板状に形成してバネ性を発揮させるようにしてもよい。また、第1支持部用延設部27と第2支持部用延設部29の一方を板状以外の他の形状(例えばロッド形状等)にすることも可能である。
【0071】
また、第1支持部用延設部27の可動体5に対向する内側の面に第1支持部19が設けられている。第1支持部19は、可動体5側の部材となる第1軸受部材37の凹球面状の凹部37aと接触して支持する部分が凸曲面に形成されている金属製の部材によって構成されている。第1支持部19は、一例として第1支持部用延設部27にプレス等で凸部が形成されている。または、第1支持部用延設部27に直接、溶接することによって取り付けられている。
また、第2支持部用延設部29の固定体7に対向する外側の面に第2支持部20が設けられている。第2支持部20は、固定体7側の部材となる第2軸受部材38の凹球面状の凹部38aと接触して支持する部分が凸曲面に形成されている金属製の部材によって構成されている。第2支持部20は、一例として第2支持部用延設部29にプレス等で凸部が形成されている。または、第1支持部用延設部27に直接、溶接することによって取り付けられている。
【0072】
また、
図9及び
図10に表したように、ジンバルフレーム部25A単体の状態で、本実施形態1では、第1支持部用延設部27は、ジンバルフレーム部25Aに対する延設角度αが可動体5側の部材となる第1軸受部材37に弾性接触する内側に変位した角度(α<90°)に設定されている。
また、ジンバルフレーム部25A単体の状態で、本実施形態1では、第2支持部用延設部29は、ジンバルフレーム部25Aに対する延設角度αが固定体7側の部材となる第2軸受部材30に弾性接触するよう外側に変位した角度(α>90°)に設定されている。
これにより、第1支持部19は第1軸受部材37と弾性的に接触し、第2支持部20は第2軸受部材38と弾性的に接触するので、即ちいずれも弾性的に接触するので、両者の接点部に与圧が掛かって脱落の虞の少ない強固な支持と円滑な揺動とが可能になっている。
【0073】
ジンバルフレーム部25Aは、中央に円形の開口部30が形成された矩形枠状のベースフレーム24Aと、ベースフレーム24Aの四方のコーナー部から光軸Lを中心にして第1軸線L1方向に延在する第1延在部26と、第2軸線L2方向に延在する第2延在部28と、を備えてX字状に形成されている。
また、ジンバル機構21Aは、本実施形態1では金属板によって形成されており、X字状のジンバルフレーム部25Aの第1延在部26と第2延在部28を延設方向に長くに形成して、これらの先端部を折り曲げることによって第1支持部用延設部27と第2支持部用延設部29が形成されている。
【0074】
また、
図6及び
図8に表したように、ジンバルフレーム部25Aは、第2延在部28と可動体5の隙間は、第1延在部26と可動体5の隙間よりも大きく形成されている。言い換えると、ジンバルフレーム部25Aは、折れ線D、Eで折り曲げることによって第1延在部26の先端部の光軸方向Zの高さH1が第2延在部28の先端部の光軸方向Zの高さH2より低くなるように、即ち、可動体5に対して近い位置になるように形成されている。
これにより、第1延在部26先端に形成される光軸方向Zにおける被写体側+Zの可動領域(可動ギャップ)が広くなり、光軸方向Zにおける可動体5の可動ギャップを容易に設けることが可能になっている。
【0075】
本実施形態1に係る光学ユニット1Aの構造は上記の通りであるが、その具合的な構成を整理して以下に記載する。
可動体5と固定体7の間に可動体5のローリング方向の移動を許容した状態で両者を接続する中間枠体15が設けられている。
可動体5は、光学モジュール3を保持すると共にピッチング、ヨーイング及びローリングの検出用及び補正用の磁石33A、33B、33Cを取り付けるホルダ枠17を備えている。
固定体7は、外部ケーシング39と、外部ケーシング39内に組付けらされると共にピッチング、ヨーイング及びローリングの補正用のコイル31A、31B、31Cを取り付けるコイル取付けフレーム35と、外部ケーシング39の第2軸線L2方向のコーナー部の内面に取り付けられ、ジンバル機構21の第2支持部20が支持される第2軸受部材38とを備える。
中間枠体15は、ジンバル機構21の第1支持部19が支持される第1軸受け部材37を備える。
コイル取付けフレーム35は、ピッチング、ヨーイング及びローリングの検出用及び補正用の磁石33A、33B、33Cとの各対により、その磁束密度の変化から、光学ユニット1Aの手振れを検出する磁気センサー(ホール素子)45A、45B、45Cを備える。
そして、弾性部材13は、ホルダ枠17と中間枠体15との間に配置されている。
【0076】
本構造によれば、光学モジュール3のピッチングの補正とヨーイングの補正とローリングの補正を行うことができる光学ユニット1Aを、効率的な部品の配置と、新規なジンバル機構21と弾性部材13の採用によってコンパクトかつ容易に製造することが可能になる。
【0077】
(3)光学ユニットの作動態様
次に、このようにして構成される本実施形態1に係る光学ユニット1Aの作動態様をピッチング及びヨーイングの補正とローリングの補正に分けて説明する。
【0078】
(A)ピッチング及びヨーイングの補正
光学ユニット1Aにピッチング方向Yとヨーイング方向Xの両方向又はいずれか一方向に振れが発生すると、図示しない振れ検出センサ(ジャイロスコープ)によって振れを検出し、その結果に基づいて振れ補正用駆動機構23を駆動させる。或いは、磁気センサー(ホール素子)45A、45Bとピッチング及びヨーイングの検出用及び補正用の磁石33A、33Bとの各対により、その磁束密度の変化から、光学ユニット1Aの振れを検出してもよい。
この振れの検出結果に基づいて、振れ補正用駆動機構23がその振れを補正するように作用する。即ち、光学ユニット1Aの前記振れを打ち消す方向に可動体5を動かすように各コイル31A、31Bに電流が流され、これにより振れが補正される。
【0079】
(B)ローリングの補正
光学ユニット1AにローリングR方向に振れが発生すると、磁気センサー(ホール素子)45Cとローリング検出用及び補正用の磁石33Cとの対により、その磁束密度の変化から、光学ユニット1AのローリングR方向の振れが検出される。
この振れの検出結果に基づいて、ローリング駆動機構11がその振れを補正するように作用する。即ち、光学ユニット1Aの前記振れを打ち消す方向に可動体5を動かすように各コイル31Cに電流が流され、これによりローリングR方向の振れが補正される。
【0080】
振れを補正する動作のための駆動源としては、振れ補正用駆動機構23及びローリング駆動機構のようなコイル31A、31B、31Cと磁石33A、33B、33Cとの各対により構成されるボイスコイルモーターに限定されない。他の駆動源としてステッピングモーターやピエゾ素子等を利用したものを使用することも可能である。
ピッチング方向Y、ヨーイング方向X、ローリング方向Rの振れ補正後、駆動源への電力の提供が停止されと、磁気バネによる姿勢復帰機構と、弾性部材13のバネ性によりそれぞれ振れ補正が解除された初期位置の状態に戻る。
ここで姿勢復帰機構は、図示は省くが、固定体7側と可動体5側に別々に配設された磁性体と磁石の間に生じる磁気吸引力を利用する構造である。前記振れのない初期位置の姿勢にあるとき、前記磁気吸引力はその初期位置の姿勢を保持するように作用し、前記振れにより初期位置からずれると前記磁気吸引力は、元の初期位置の姿勢に戻す方向に働くように前記磁性体と前記磁石が配置されている。
【0081】
このようにして構成される本実施形態1に係る光学ユニット1Aによれば、弾性部材13による支持構造により、従来、光学モジュール3の被写体の反対側-Zに設けられていた高価なベアリングのような支持部材の使用を省略することができる。また、ベアリングが設けられていた分のスペースが節約できるから、光学ユニット1Aの光軸方向Zの小型化が図れるようになる。
また、平板材料を折り曲げて形成したジンバル機構21Aの採用により光学モジュール3と外部ケーシング39間のスペースを小さくすることができるので、光学ユニット1Aの光軸と交差する方向X、Yの小型化が図れるようになる。
【0082】
更に、本実施形態1の場合には、光学モジュール3とホルダ枠17を固定体7から取り外す際、被写体と反対側-Zに、これらの取り外しを妨げる部材が存在していないから、そのまま被写体と反対側-Zに光学モジュール3とホルダ枠17のみを引き抜くことができる。従って、メンテナンス性にも優れている。
【0083】
また、ジンバル機構21Aのジンバルフレーム部25Aの第1延在部26と第1支持部用延設部27との折り曲げ構造部分、及び第2延在部28と第2支持部用延設部29との折り曲げ構造部分の弾力構造によって、光学モジュール3を光軸方向Zの外部衝撃(落下、衝突等)から守り、被写体と反対側-Zからの光学モジュール3の脱落の虞を低減させるという作用、効果が得られる。更に、中間枠体15Aの平板部49Aの存在も光学モジュール3を外部衝撃から守る作用している。
【0084】
[実施形態2]
(1)光学ユニットの具体的構成(
図13~
図17参照)
本発明の実施形態2に係る光学ユニット1Bは、ジンバル機構21Bのジンバルフレーム部25Bを光軸方向Zにおける被写体と反対側-Zに配置した実施形態である。これに伴い、中間枠体15Bの平板部49Bも光軸方向Zにおける被写体と反対側-Zに配置されている。
尚、その他の構成については基本的に実施形態1に係る光学ユニット1Aと同様である。従って、以下の説明では実施形態1と同様の構成については説明を省略し、実施形態1と異なるジンバル機構21Bと中間枠体15Bの構成と配置を中心に説明する。
【0085】
即ち、本実施形態2では、ジンバル機構21Bは実施形態1と同様、金属製平板材料を折り曲げることによって形成されている。即ち、被写体と反対側-Zに設けられるジンバルフレーム部25Bと、ジンバルフレーム部25Bの四方のコーナー部から光軸方向Zに90°折り曲げて形成される第1支持部用延設部27と第2支持部用延設部29と、を備えることによって構成されている。
尚、本実施形態2のジンバルフレーム部25Bには、実施形態1のジンバルフレーム部25Aに設けられていた開口部30は設けられていない。実施形態1に比べてベースフレーム24Bの大きさが小さく、第1延在部26と第2延在部28の長さが長いジンバルフレーム部25Bになっている。
【0086】
また、本実施形態2では中間枠体15Bは、実施形態1と同様、金属製平板材料を折り曲げることによって形成されており、被写体の反対側-Zに設けられる平板部49Bと、平板部49Bの四方のコーナー部から光軸方向Zに90°折り曲げられて形成される4枚の側板部51と、を備えることによって構成されている。
尚、本実施形態2の中間枠体15Bの平板部49Bには、中央部にジンバルフレーム部25Bのベースフレーム24Bより一回り大きな矩形状の開口部50Bが形成されている。平板部49Bの四方のコーナー部には光軸Lを中心に半径方向に延びる延在部59が形成されていて、延在部59の先端から被写体側+Zに向けて4枚の側板部51が延びるように形成されている。
【0087】
そして、ジンバル機構21Bと中間枠体15Bのこのような配置に伴って、本実施形態2ではホルダ枠17に形成される切欠き部55と、中間枠体15Bの側板部51の先端に形成される切欠き部53は、被写体側+Zに位置しており、弾性部材13の一端部13aと他端部13bが被写体側+Zに位置する状態で取り付けられている。
【0088】
(2)光学ユニットの作動態様
このようにして構成される本実施形態2に係る光学ユニット1Bの作動態様は、実施形態1に係る光学ユニット1Aの作動態様と基本的に同様である。光学モジュール3と一体に移動するホルダ枠17に取り付けられるピッチングとヨーイングの検出用及び補正用の二組の磁石33A、33Bと、固定状態で設けられるコイル取付けフレーム35に取り付けられるピッチングとヨーイング補正用の二組のコイル31A、31Bと、の相対位置の変化に基づいてピッチング方向Yとヨーイング方向Xの振れの補正が実行される。
同様に、ホルダ枠17に取り付けられるローリング検出用及び補正用の一組の磁石33Cと、コイル取付けフレーム35に取り付けられるローリング補正用の一組のコイル31Cと、の相対位置の変化に基づいてローリング方向Rの振れの補正が実行される。
【0089】
そして、ピッチング方向Yとヨーイング方向Xの振れの補正後、駆動源への電力の供給が停止されると、前記姿勢復帰機構の磁気吸引力によって元の初期位置の状態に戻る。
また、ローリング方向Rの振れの補正後、駆動源への電力の供給が停止されると、弾性部材13の自由撓み部13cのバネ性が発揮されて弾性部材13も元の状態に戻る。
【0090】
そして、このようにして構成される本実施形態に係る光学ユニット1Bによっても実施形態1の光学ユニット1Aと同様の作用、効果が発揮されて光学ユニット1Bの光軸方向Zと光軸と交差する方向X、Yの小型化が図れるようになる。
【0091】
また、ジンバル機構21Bのジンバルフレーム部25Bの第1延在部26と第1支持部用延設部27との折り曲げ構造部分、及び第2延在部28と第2支持部用延設部29との折り曲げ構造部分の弾力構造によって、光学モジュール3を光軸方向Zの外部衝撃(落下、衝突等)から守り、被写体と反対側-Zからの光学モジュール3の脱落の虞を低減させるという作用、効果が得られる。更に、中間枠体15Bの平板部49Bの存在も光学モジュール3を外部衝撃から守る作用している。
【0092】
[他の実施形態]
本発明に係る光学ユニット1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
【0093】
例えば、弾性部材13の数は、実施形態1及び実施形態2では90°間隔で4つ設けたが、120°間隔で3つ配置してもよいし、72°間隔で5つ配置する等、弾性部材13を5つ以上の数、配置することも可能である。また、弾性部材13として板厚の薄い板バネを使用する場合には、板バネを複数枚重ねて使用することで必要な弾性力を確保するようにすることも可能である。そして、この場合には重ね合わせる板バネの向きを光軸方向Zに互い違いにして板バネの固定(係止)位置を光軸方向Zの被写体側+Zと被写体と反対側-Zとに分散させるように配置すれば、ホルダ枠17と中間枠体15に捩じれのない、より均等な光軸L周りの力が作用するようになる。
【0094】
また、光学モジュール3としては、実施形態で述べたカメラモジュールに限らず、レーザー照射モジュールや光センサーモジュール等、他のモジュールであってもよい。また、光学モジュール3が円筒形状等、他の形状である場合には、ホルダ枠17とコイル取付けフレーム35等の形状を光学モジュール3の形状に合わせた形状にすることが可能である。
また、ジンバル機構21の揺動方向は、実施形態1及び実施形態2ではジンバルフレーム部25の対向するコーナー部を通る+45°に傾いた第1軸線L1周りの揺動と、-45°に傾いた第2軸線L2周りの揺動とに設定したが、ピッチング方向Yとなる±0°の垂直方向と、ヨーイング方向Xとなる±90°の水平方向に第1軸線L1と第2軸線L2を設定することも可能である。
【0095】
また、実施形態1及び実施形態2では、光学ユニット1Aの振れは、磁気センサー(ホール素子)45A、45B、45Cと磁石33A、33B、33Cとの各対により、その磁束密度の変化から検出する構成であるが、この構成に限定されない。例えば、特許文献1に記載されているジャイロスコープ(振れ検出センサ)によって検出する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…光学ユニット、3…光学モジュール、3a…レンズ、3b…ハウジング、
5…可動体、7…固定体、9…ローリング支持機構、11…ローリング駆動機構、
13…弾性部材、13a…一端部、13b…他端部、13c…自由撓み部、
15…中間枠体、16…第1被固定部、17…ホルダ枠、18…第2被固定部、
19…第1支持部、20…第2支持部、21…ジンバル機構、
23…振れ補正用駆動機構、24…ベースフレーム、25A…ジンバルフレーム部、
25B…ジンバルフレーム部、26…第1延在部、27…第1支持部用延設部、
28…第2延在部、29…第2支持部用延設部、30…開口部、
31A…補正用のコイル、31B…補正用のコイル、
31C…ローリング補正用のコイル、33A…磁石、33B…磁石、
33C…ローリング検出用及び補正用の磁石、
35…コイル取付けフレーム、37…第1軸受部材、37a…凹部、
38…第2軸受部材、38a…凹部、39…外部ケーシング、41…窓部、
43…平板部、44…コイル取付け板、
45A、45B、45C…磁気センサー(ホール素子)、47…サーミスター、
49…平板部、50…開口部、51…側板部、53…切欠き部、55…切欠き部、
57…切欠き部、59…延在部、
L…光軸、X…ヨーイング方向(横振れ方向)、Y…ピッチング方向(縦振れ方向)、
R…ローリング方向(光軸周りの振れの方向)、Z…光軸(に沿う)方向、
X、Y…光軸と交差する方向、C…円周、L1…第1軸線、L2…第2軸線、
A…第1長さ、B…第2長さ、α…延設角度、D…折れ線、E…折れ線、H…高さ