(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】キャップ付きディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/30 20060101AFI20220412BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20220412BHJP
B65D 83/20 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
B65D83/30 100
B05B9/04
B65D83/20
(21)【出願番号】P 2019518033
(86)(22)【出願日】2017-10-16
(86)【国際出願番号】 US2017056737
(87)【国際公開番号】W WO2018075381
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-09
(32)【優先日】2016-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アール・シュレーヤー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エス・ブラック
(72)【発明者】
【氏名】チャド・ヴィ・シュエッテ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェイ・シラー
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-507412(JP,A)
【文献】特表2006-521972(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009018528(DE,A1)
【文献】特表2014-510680(JP,A)
【文献】実開昭62-118077(JP,U)
【文献】米国特許第03777947(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/30
B05B 9/04
B65D 83/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶(10)および分配装置(100)を備える物品であって、
前記缶は、対向する頂端(12)および底端(14)を有し、バルブステム(20)が、前記頂端から外に延在し
ており、
前記分配装置は、
(a)前記缶に取り付けられたキャップ(30)であって、前記缶の前記頂端上に嵌合し、前記バルブステムを被覆し、前記
キャップは、前記バルブステムへのアクセスを提供するアクセススロット(35)を内部に画定している、
前記キャップ(30)と、
(b)対向する入口端(42)および出口端(44)を有する中空管(40)であって、前記入口端と、前記出口端に近接した1つ以上の穴(48)とを含む、前記中空管を通って延在する中空管流路(46)を画定し、前記中空管の前記入口端は、前記バルブステムを通って前記流路内に流体連通するように、前記缶の前記バルブステムに取り外し可能に取り付けられ、前記中空管は、前記キャップ内の前記アクセススロットを通って延在する、
前記中空管(40)と、
(c)前記中空管の一部上に延在するスリーブ(50)であって、前記スリーブは、下端(52)と、前記中空管の前記出口端に近接した対向する分配端(54)とを有し、前記スリーブは、前記分配端に近接した穴を画定し、前記スリーブは、前記中空管上を可逆的に摺動することができる、
前記スリーブ(50)と、
(d)スリーブ端(62)と、前記スリーブ端とトリガー端との間で前記キャップにヒンジで取り付けられた対向するトリガー端(64)とを有するレバー(60)であって、前記スリーブ端は、前記レバーの前記トリガー端が前記缶に向かって変位したときに、前記スリーブを
前記入口端から前記出口端への方向に移動させ、前記バルブステムを傾斜させるように、前記スリーブと動作可能に係合し、前記トリガー端は、前記缶の長さの少なくとも一部に沿って延在する、
前記レバー(60)と、
(e)前記スリーブが
前記入口端から前記出口端への方向に移動されるときに、前記スリーブに力を提供するかまたは力を加えさせる弾性特性(70)であって、前記力は、前記中空管の前記入口端に向かって前記スリーブを移動させようとする方向にある、
前記弾性特性(70)と、
(f)前記中空管と前記スリーブとの間の前記中空管の外側の周り
にありかつ前記中空管の前記出口端と前記入口端との間に位置する密封ガスケット(80)であって、前記密封ガスケットは、前記中空管と前記スリーブとの間の前記密封ガスケットを通過する流体連通を防止する、
前記密封ガスケット(80)と
を備えており、
前記スリーブ
が閉位置にあるとき、前記スリーブは、前記中空管の前記出口端に近接した前記中空管の前記流路から流体が流出するのを防げるように、前記中空管の前記出口端に近接した前記穴を密封し、前記レバーの前記トリガー端は、前記缶の隣に延在しているが、前記缶から離間しており、ただし、前記スリーブ
が開位置にあるとき、前記スリーブは、
前記入口端から前記出口端への方向に変位され、前記中空管の前記出口端に近接した前記穴を開封し、それによって、前記中空管の前記流路から前記中空管の前記出口端に近接した前記穴を通る流体の流れを可能にし、
前記スリーブが閉位置にあるとき、前記レバーの前記トリガー端を前記缶に向かって変位させるように前記レバーを押すという1回の動作で、前記スリーブを開位置に移動させ、かつ前記バルブステムを傾斜させて、それによって前記缶を開き、前記レバーの前記トリガー端上の圧力を解放するという1回の動作で、前記スリーブは、前記中空管を密封する閉位置に移動し、前記バルブステムは、前記缶を閉じる非傾斜位置に戻る、
前記物品。
【請求項2】
前記弾性特性が、
i.対向する端を有し、前記中空管の周りに巻かれ、一端が、前記スリーブに連結され、
前記対
向する端が、前記缶、前記バルブステム、前記中空管、および前記キャップの少なくとも1つに連結されている、ばねと、
ii.前記レバーと前記缶および前記キャップの少なくとも一方との間にあり、前記レバーが前記缶にヒンジで取り付けられている場所の前記トリガー端側に位置決めされた、圧縮可能な弾性パッドまたはばねと、
iii.前記スリーブの前記下端に近接した前記スリーブ上の1つ以上の突起、および前記スリーブの前記缶側の前記中空管上の1つ以上の突起の周りにあり、それによって、前記スリーブを前記スリーブの前記下端に近接する前記中空管に弾性的に連結する、1つ以上の弾性バンドと、
iv.前記スリーブを、前記中空管の前記下端に近接して前記中空管に連結する弾性テザーと
からなる群から選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記レバ
ーの前記トリガー端が、前記缶の前記長さの少なくとも半分に沿って延在する、請求項
1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記中空管は、
前記中空管
の前記出口端に近接してより小さい外径
となるようにテーパ状になっており、
前記スリーブは、前記中空管の前記出口端に近接し
てより小さい内径
となるようにテーパ状になっている、請求項
1~3のいずれかに記載の物品。
【請求項5】
前記中空管は、その出口端に穴を有し、前記スリーブは、その分配端で前記スリーブ内に延在する突起(500)を有し、これにより、前記分配装置が閉位置にあるとき、前記突起が前記中空管の前記出口端
の前記穴を密封し、それによって、前記中空管の前記出口
端の前記穴から流体が流出するのを防止し、前記分配装置が開位置にあるとき、前記突起は、前記穴から離れており、流体は、前記中空管の前記出口端
の前記穴から流体が流出することができる、請求項
1~4のいずれかに記載の物品。
【請求項6】
前記中空管は、前記中空管の前記出口端に近接した外径において狭くなるテーパ状中空管部を有し、前記出口端に近接しているが前記出口端上には形成されていない穴を前記テーパ状中空管部を通して画定しており、前記スリーブは、前記分配端に近接した内径において狭くなるテーパ状スリーブ部を有し、これにより、前記スリーブが閉位置にあるとき、前記中空管の前記出口端が前記スリーブを押圧して、前記中空管の前記出口端に近接した穴からの、前記中空管と前記スリーブとの間の、ならびに前記分配端から外への流体の流れを妨げる、前記中空管の周りのシールを形成するが、前記スリーブが開位置にあるとき、前記中空管の前記出口端が、前記中空管の前記出口端に近接した穴から前記スリーブの前記分配端を通って流体が流出することを可能にするように、前記スリーブから変位するようになる、請求項1
~4のいずれかに記載の物品。
【請求項7】
前記中空管、前記スリーブ、または前記中空管および前記スリーブの両方が、一緒に取り付けられた複数の部品を備えている、請求項
1~6のいずれかに記載の物品。
【請求項8】
前記中空管は、前記分配装置が前記閉位置にあるとき、前記缶の前記バルブステムと同一直線上に延在する、請求項
1~7のいずれかに記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶と缶に取り付けられた分配装置とを備える物品に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者による分配のために、多数の製品が加圧缶で入手可能である。そのような製品には、ホイップトッピングおよびフロスティングなどの食品、ならびにスプレーフォームシーラントなどの建築材料が含まれる。そのような加圧缶用の分配装置は、缶のバルブステムに取り付けられた単純なチューブまたはバルブステムの一部から精巧なトリガー作動式装置まで様々である。現在入手可能な多数の分配装置にもかかわらず、望ましい特性および/または性能の組み合わせを提供する分配装置を開発する必要がある。
【0003】
改善が必要な分野の1つは、人間工学の分野である。しばしば、分配は、前腕に対してある角度で自分の手首を曲げて容器をその頂部近くで保持することを必要とする。容器をその頂部近くで保持することは、容器の重量の大部分が自分の手の下になり、分配角度を変えるために手首を曲げるときに手首に過度のトルクがかかる。さらに、容器を保持して内容物を容器から分配するために手首を曲げなければならないという単なる事実は、手首が、容器内容物を分配するために前腕に沿うその中立位置から緊張していることを意味する。手首の緊張を回避するために、容器をその平衡の中心で、かつ自分の手首を中立位置で、容器を保持することを可能にする、圧縮容器の内容物のための分配手段を発見することが望ましい。
【0004】
改良を必要とする別の分野は、容器を購入または保管した後に圧縮容器の内容物を分配するのに必要な工程を減らすことである。加圧容器は通常は、容器のバルブステム上のキャップを伴って出荷および保管される。キャップは、容器の内容物を缶から放出させてしまう誤ってぶつかることからバルブステムを保護する。使用者は通常は、バルブステムにアクセスして容器の内容物を分配するためにキャップを取り外さなければならない。出荷および保管中にキャップが容器のバルブステムを保護するが、同時にキャップの取り外しを必要とせずに分配目的でバルブステムにアクセスできるように、キャップを定位置に残す方法を特定することが望ましい。
【0005】
さらに、ディスペンサからの滴りを防止するために、缶から内容物を分配しないときに分配管を密封することが望ましい。さらに一層望ましいのは、1回の動作で片手で缶およびディスペンサを開けること、および内容物を缶から分配することの両方ができ、次に片手の1回の動作で缶を閉じてディスペンサの分配管を密封することの両方ができることである。したがって、分配装置の開封および缶の内容物の分配、ならびに缶の内容物の分配完了時の分配管の密封は、1回の動作で結び付けられる。
【0006】
缶の重心の近くで手の前腕に対して軸方向に缶を保持することによって、使用者が片手で缶とディスペンサを保持し操作することを可能にする分配装置を提供し、手の届きにくい場所、アクセスするのに長い距離が必要な場所へのアクセスを可能にし、かつ分配をより快適にし、使用者の疲労を軽減することが望ましい。同時に、分配装置はコンパクトであり加圧缶で容易に包装されることが望ましい。さらに、分配装置は、片手で加圧缶からの分配を開始および停止する能力を使用者に提供し、閉位置にあるときにディスペンサが滴るのを自動的に密封することが望ましい。分配装置は、向きに関係なく動作可能であることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、使用者が缶から分配するときに缶の上にキャップを残すことを可能にし、それによって分配装置を缶のバルブステムに取り付けるためにキャップを取り外す必要性を排除しながらも缶の出荷、保管および使用中にバルブステムを保護するキャップを提供する分配装置を提供する。本発明はさらに、使用者が片手で缶の重心の近くで手の前腕に対して軸方向において、缶を保持し操作することを可能にする分配装置を提供し、手の届きにくい場所、アクセスするのに長い距離が必要な場所へのアクセスを可能にし、かつ分配をより快適にし、使用者の疲労を軽減する。同時に、分配装置は、コンパクトであり加圧缶で容易に包装され、片手で加圧缶からの分配の開始および停止する能力を使用者に提供し、閉位置にあるときディスペンサが滴るのを自動的に密封し、向きに関係なく動作可能である。
【0008】
缶(10)および分配装置(100)を備える物品であって、缶は頂端から外に延在するバルブステム(20)を有する対向する頂端(12)および底端(14)を有し、分配装置は、(a)缶に取り付けられたキャップ(30)であって、缶の頂端上に嵌合し、バルブステムを被覆し、バルブステムへのアクセスを提供するアクセススロット(35)をキャップがその中に画定した、キャップ(30)と、(b)対向する入口端(42)および出口端(44)を有する中空管(40)であり、入口端と出口端に近接した1つ以上の穴(48)とを含む中空管を通って延在する中空管流路(46)を画定する、中空管(40)であって、中空管の入口端は、バルブステムを通って流路内に流体連通するように、缶のバルブステムに取り外し可能に取り付けられ、中空管はキャップ内のアクセススロットを通って延在する、中空管(40)と、(c)中空管の一部上に延在するスリーブ(50)であって、スリーブは、下端(52)と、中空管の出口端に近接した対向する分配端(54)とを有し、スリーブは分配端に近接した穴を画定し、スリーブは中空管上を可逆的に摺動することができる、スリーブ(50)と、(d)スリーブ端(62)と、スリーブ端とトリガー端との間でキャップにヒンジで取り付けられた対向するトリガー端(64)とを有するレバー(60)であって、スリーブ端は、レバーのトリガー端が缶に向かって変位したときに、スリーブを中空管の出口端に向かって移動させバルブステムを傾斜させるように、スリーブと動作可能に係合し、トリガー端は缶の長さの少なくとも一部に沿って延在する、レバー(60)と、(e)スリーブが中空管の出口端に向かって移動されるときに、スリーブに力を提供するかまたは力を加えさせる弾性特性(70)であって、力は、中空管の入口端に向かってスリーブを移動させようとする方向にある、弾性特性(70)と、(f)中空管とスリーブとの間の中空管の外側の周りで、中空管の出口端と入口端との間に位置する密封ガスケット(80)であって、密封ガスケットは、中空管とスリーブとの間の密封ガスケットを通過する流体連通を防止する、密封ガスケット(80)と、を備えており、ここで、スリーブが閉位置にあるとき、スリーブは、中空管の出口端に近接した中空管の流路から流体が流出するのを防げるように、中空管の出口端に近接した穴を密封し、レバーのトリガー端は缶の隣に延在しているが缶から離間しており、ただし、スリーブが開位置にあるとき、スリーブは中空管の出口端に向かって変位され、中空管の出口端に近接した穴を開封し、それによって中空管の流路から中空管の出口端に近接した穴を通る流体の流れを可能にし、ここで、スリーブが閉位置にあるとき、レバーのトリガー端を缶に向かって変位させるようにレバーを押すという1回の動作で、スリーブを開位置に移動させバルブステムを傾斜させて、それによって缶を開き、レバーのトリガー端上の圧力を解放するという1回の動作で、スリーブは中空管を密封する閉位置に移動し、バルブステムは缶を閉じる非傾斜位置に戻る。
【0009】
本発明は、缶の端から延在するバルブステムを有する加圧缶から内容物を分配するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明で使用するのに好適な缶の側面図である。
【
図2】本発明の物品の説明図である。(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は(b)の視線Bに沿った断面図を示す。(d)は図(c)の一部の拡大図である。
【
図3】本発明の物品の説明図である。(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は(b)の表示線Bに沿った断面図を示す。(d)は図(c)の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「および/または」は「および、または代替的に」を意味する。特に記載がない限り、すべての範囲にエンドポイントが含まれる。「複数」とは1つより多くを意味する。「流体」とは、一定の形状を有さず、外圧に負ける物質を指し、気体、液体、および気体または液体の連続配合物を含む。必ずしもそうとは限らないが、通常は、流体は液体および液体連続配合物を指す。
【0012】
「に近接した」は「に近い」を意味し、「上に直接位置する」を含む。対向位置を有する位置に「に近接した」と記載されている場合、位置関係は対向位置よりも規定位置に近いことを意味する。例えば、対向する端「A」および端「B」を有する物品の端「A」に近接して物体が位置する場合、最も広い意味では、物体は端「B」より端「A」に近く位置し、物体は端「A」上に直接位置することができる。
【0013】
本発明の物品は、
図1に示す缶(10)のような缶を含む。缶は対向する頂端(12)および底端(14)を有する。一般に、缶は円筒形である。缶は、頂端と下端が缶の長さで区切られている長さ(L)を有する。バルブステム(20)は缶の頂端から外へ延在している。缶は、流体材料で充填され、バルブステムが圧縮されるかまたは傾斜されるときに加圧されてもよく、それによってバルブステムの少なくとも一部が缶内に圧縮されて缶が開かれ、加圧された内容物がバルブステムを通って缶を出ることができる。
【0014】
本発明の実施形態は
図2および
図3に示されており、分配装置の異なる要素の実施形態を示している。本発明の最も広い範囲において、1つの要素の任意の実施形態は他の任意の要素の任意の実施形態と組み合わせることができる。
図2および
図3における組み合わせは、各要素のいくつかの異なる実施形態、およびそれらをどのように組み合わせて本発明の実施形態を形成することができるかを示す。以下の参照番号は、特定の要素の実施形態の説明のために
図2および
図3を参照する。図中の要素および物品は、要素または発明の最も広い範囲を定義することを意図していない。
【0015】
本発明は缶に取り付けられた分配装置(100)を含む。分配装置は、使用者が缶の内容物を分配している間、使用者の前腕に対して軸方向に延在する缶の長さで缶を保持することを可能にする。さらに、分配装置の設計により、使用者は、片手でも一本指でも分配装置を開き、同時に、バルブステムを作動させて缶の加圧内容物が、用途のためバルブステムおよび分配装置を通って望ましい表面上に流れるようにすることが可能である。同様に、分配装置の設計により、使用者は、片手でも一本の指でも分配装置を閉じて密封し、同時に、缶からの内容物の流れを止めると共に滴りを防止するため分配装置を密封するためにバルブステムを非作動にすることが可能である。同時に、分配装置は、本発明の物品が使用されているときと使用されていないときの両方で、バルブステムを被覆することによって、缶のバルブステムの保護を提供するにもかかわらず、分配装置をバルブステムに取り付けるために缶のバルブステムにアクセスするためにキャップを取り外す必要はなく、それによって、出荷、保管、および使用中にバルブステムを確実に保護することができ、缶の中身を分配する準備をするときにキャップを取り外す必要がなくなる。
【0016】
分配装置は缶に取り付けられたキャップ(30)を含む。キャップは缶の頂端上に嵌合し、バルブステムを被覆する。キャップは、バルブステムへのアクセスを可能にするアクセススロット(35)を画定する。アクセススロットは、中空管がアクセススロットを通って延在してバルブステムに取り付けられたときに傾斜することを可能にするのに十分に広い(以下に記載されるように)。キャップが意図せずに缶の内容物を分配する可能性がある偶発的な接触からバルブステムを保護することを可能にするように、アクセススロットは、キャップの幅よりも狭いことが望ましい。また、アクセススロットがキャップの全直径よりも短い長さで延在してバルブステムへのアクセシビリティを最小にし、それによってバルブステムを偶発的な接触からさらに保護することも望ましい。
【0017】
分配装置は、対向する入口端(42)および出口端(44)を有する中空管(40)をさらに備える。中空管は、中空管を通って(入口端を通って、および出口端に近接した1つ以上の穴(48)を通って等)ずっと延在する中空管流路(46)を画定する。
図2は、中空管の出口端に単一の穴(48)がある本発明の一実施形態を示す。
図3は、中空管の出口端に近接しているが直接その上にはない複数の穴(48)がある本発明のおよび実施形態を示す。本発明はまた、中空管の出口端に複数の穴が画定されている実施形態、ならびに中空管の出口端に近接しているが直接その上にはない単一の穴を有する実施形態も含む。
【0018】
中空管の入口端は、バルブステムを通って中空管流路内への流体連通を提供するように、缶のバルブステムに取り外し可能に取り付けられている。最も広い範囲では、中空管は、バルブステム上に摩擦嵌合すること、または入口端で中空管流路内に延在する中空管にねじ切りを有し、それがバルブステムのねじ切りと噛み合うことを含む、任意の考えられる方法でバルブステムに取り付けることができる。「取り外し可能に取り付けられた」とは、繰り返し取り付けることおよび取り外すことができることを意味する。中空管はキャップ内のアクセススロットを通って延在する。
【0019】
分配装置は、下端(52)と対向する分配端(54)とを有するスリーブ(50)をさらに備える。スリーブは、中空管の少なくとも一部上に延在するように位置決めされ、中空管の少なくとも一部の上を可逆的に摺動することができる。スリーブの分配端は、中空管の出口端に近接している。スリーブは、分配端に近接して、好ましくはその上に、スリーブを通る穴(56)を画定する。
【0020】
分配装置は、スリーブ端(62)と対向するトリガー端(64)とを有するレバー(60)を備える。レバーは、スリーブ端とトリガー端との間でキャップにヒンジで連結されている。レバーのトリガー端は、缶の長さの少なくとも一部に沿って延在し、缶の長さの少なくとも半分まで延在することができる。缶をその重心で保持する操作者がレバーのトリガー端を容易に握ることができるように、レバーのトリガー端が缶の重心を越えて延在することが望ましい。
【0021】
レバーのトリガー端が缶に向かって変位したときに、スリーブを中空管の出口端に向かって中空管の上を摺動させるように、レバーのスリーブ端をスリーブと動作可能に係合させる。動作可能な係合は、最も広い範囲で、定義された動作を達成する任意の種類の係合であり得る。レバーのスリーブ端をスリーブに動作可能に係合させる好適な形態の例には、以下のものが含まれる:(a)レバーをスリーブにヒンジで取り付ける。(b)レバーをスリーブに固定的に取り付ける(スリーブおよびレバーは単一の材料片とすることができ、剛性アタッチメントで取り付けてもよい)。(c)レバーのトリガー端を変位させるとレバーのスリーブ端が突起を押すように、レバーのスリーブ端(またはその一部)をスリーブ上の突起の入口端側に位置決めする。(d)レバーのトリガー端を変位させるとレバーのスリーブ端がスリーブ上の突起を押すように、一方の突起はレバーのスリーブ端の入口端側にあり、別の突起はレバーのスリーブ端の出口端側にある状態で、レバーのスリーブ端(またはその一部、例えばピン状突起のような1つ以上の突起)をスリーブ上の突起間(または溝の側面が突起と同等に作用するスリーブ内に画定された溝内)に位置決めする。
【0022】
レバーは、例えば、スリーブから延在する突起の周りでレバーにおいて穴またはスロットを位置決めすることによって(またはレバーから延在する突起の周りでレバーの穴またはスロットを位置決めすることによって)スリーブにヒンジで取り付けることができる。代替的に、別の例として、レバーから延在する突起の周りでスリーブにおいて穴またはスロットを位置決めする(またはレバーから延在する突起の周りでスリーブにおいて穴またはスロットを位置決めする)。
【0023】
レバーは任意の考えられる方法によってスリーブに固定的に取り付けることができる。例えば、レバーおよびスリーブは単一の材料片とすることができる。代替的な例として、レバーは、スリーブに堅固に取り付けられるように、スリーブの周りに(好ましくはスリーブの周りの溝内に)嵌合することができる。
【0024】
レバーは、スリーブ内の1つ以上の突起の下に延在することによってスリーブに動作可能に取り付けることができる。「下」は缶により近接していることを意味する。これに関して、レバーのスリーブ端またはその一部は、スリーブの隣に延在す、かつ、スリーブから延在する1つ以上の突起(例えば、材料のリッジまたはリング)の下に延在することができる。レバーはまた、中空管およびスリーブが通って延在する穴を画定することができ、スリーブは、その外側、および穴またはスロットを通り抜けないレバーのスリーブ端の上方(缶にはより近接していない)に1つ以上の突起を有する。
【0025】
スリーブおよびレバーは、一方の取付具の突起によって溝内に、または他方の突起の間に動作可能に係合することができる。例えば、レバーのスリーブ端上のピン状突起は、
図2に示すようにスリーブ上に画定された溝内に嵌合することができる。
【0026】
レバーおよびスリーブの動作可能な係合は、スリーブを中空管の出口端に向かって両方摺動させ、レバーのトリガー端が缶に向かって変位するとき、レバーに缶の頂部に対してバルブステムを傾斜させる。結果として、レバーのトリガー端を缶に向かって変位させる単一の動きで、操作者は、中空管の1つ以上の穴(48)を開封すること、およびバルブステムを傾斜させることによって缶を開くことの両方ができる。
【0027】
弾性特性(70)は、スリーブを中空管の入口端に向かって移動させようとする力をスリーブに加えるか、または力を加えさせる。例えば、レバーのトリガー端が缶に向かって変位し、それによってスリーブを中空管の出口端に向かって移動させるとき、弾性特性の力は、分配装置を閉位置に戻すために、スリーブを中空管の入口端に向かって移動させようとする方向にある。弾性特性は、本発明の最も広い範囲において、弾性特性について記載された力を提供する任意の特性であり得る。好適な弾性特性の例には、以下のものが含まれる:(a)対向する端を有し、中空管の周りに巻かれ、一端がスリーブに連結され、対向する端が缶、バルブステム、中空管(好ましくはスリーブの下、スリーブの下端の缶側を意味する)およびキャップの少なくとも1つに連結されている、ばね;(b)レバーと缶およびキャップの少なくとも一方との間にあり、レバーが缶にヒンジで取り付けられている場所のトリガー端側に位置決めされた、圧縮可能な弾性パッドまたはばね(例えば、コイルばね、板ばね、または弾性材料の湾曲したまたはループ状のバンド);(c)スリーブの下端に近接したスリーブ上の1つ以上の突起、およびスリーブの缶側の中空管上の1つ以上の突起の周りにあり、それによって、スリーブをスリーブの下端に近接して中空管に弾性的に連結する、1つ以上の弾性バンド;および(d)スリーブを、中空管の下端に近接して中空管に連結する弾性テザー(例えばスプリングテザーまたは他の弾性コネクタ)。
【0028】
弾性特性がスリーブに直接接触し、伸張または圧縮されると、弾性特性は「スリーブに力を加える」。弾性特性は、弾性特性がスリーブに直接接触するのではなく、直接的または間接的にスリーブに接触するレバーなどの別の要素に直接接触するときに「スリーブに力を加える」ので、他の要素に力が加えられるとき、力はスリーブに伝達される。例えば、弾性要素が缶とレバーとの間のばねである場合、次にレバーのトリガー部分を缶に向かって変位させると弾性要素が圧縮され、それが次にレバーのトリガー端に力を加える。それが次に、スリーブとの動作可能な係合を通じてスリーブに力を加える。すなわち、弾性要素はレバーのトリガー端に力を加えてレバーのトリガー端を缶から離れる方向に押し、レバーのトリガー端が缶から離れるとレバーのスリーブ端がスリーブに力を加えて、スリーブを中空管の入口(閉位置に)に向かって引く。
【0029】
分配装置は、スリーブを中空管に沿って摺動させることによって、開位置と閉位置との間で可逆的に移動することができる。分配装置が閉位置にあるとき、スリーブ(スリーブの一部のみを意味し得る)は、中空管の出口端に近接した1つ以上の穴のすべてを密封し、それによって中空管内側から(すなわち、中空管流路から)1つ以上の穴のうちのいずれかを通って中空管の外側に至る流体連通を防止する。分配装置が開位置にあるとき、スリーブは中空管の出口端に近接した1つ以上の穴を密封せず、それによって中空管の内側から中空管の出口端に近接した1つ以上の穴を通して中空管の外側への流体連通が可能になる。分配装置が閉位置にあるとき、スリーブを中空管に沿って中空管の出口端に向かって摺動させると、スリーブは中空管の出口端に近接した1つ以上の穴を開封し、それによって分配装置を開位置に移動させることに対応する。分配装置が開位置にあるとき、中空管に沿って中空基部に向かってスリーブを摺動させると、スリーブは、中空管の出口端に近接した1つ以上の穴を密封し、それによって分配装置を閉位置に位置決めすることに対応する。分配装置が閉位置にあるとき、スリーブは、閉位置にあると考えられ、逆もまた同様である。同様に、分配装置が開位置にあるとき、スリーブは、開位置にあると考えられ、逆もまた同様である。
【0030】
レバーのトリガー端は、缶の長さに沿って延在するが、分配装置が閉位置にあるときには、缶から離間している。レバーアームのトリガー端を缶に向かって変位させてスリーブを中空管の出口端に向かって移動させ、分配装置を開位置内に移動させることができる。
【0031】
本発明の有利な特性は、操作者が缶をその重心に近接して保持し、1回の動作で中空管を開封して缶のバルブステムを傾斜させて、レバーのトリガー端を缶に向かって変位させることによって、分配装置を通る缶内容物の流れを生じさせることができる。さらに、操作者は、続いて中空管を密封し、レバーのトリガー端への圧力を解放し、弾性特性がスリーブを閉位置に移動させることによって、バルブステムを閉位置に戻すことができる。したがって、中空管の開封および缶からの分配の両方、ならびにその後の中空管の密封および缶の閉鎖の両方を、缶をその重心に近接して保持しながら1回の動作で達成することができる。
【0032】
中空管は、均一な外径を有することができ、または好ましくは、中空管の出口端に近接してより小さな外径にテーパ状になることができる。同様に、中空管の出口端に近接して中空管上に延在するスリーブの部分は、内径を均一とすることができる。代替的に、中空管が、中空管の出口端に近接してより小さな外径にテーパ状になる場合、好ましくは、分配装置が閉位置にあるとき、中空管のテーパ状端の外側がスリーブの内側に対して嵌合するように、中空管の出口端に近接して中空管上に延在するスリーブの部分もまた中空管の出口端に近接してより小さな内径にテーパ状になり得る。
【0033】
中空管および/またはスリーブは、独立して単一の部品であるか、または一緒に取り付けられた複数の部品を備えることができる。例えば、中空管がテーパ状端を有する場合、中空管の残りの部分を含む第1の部分から離間したテーパ状先端部分を準備することが有利であり得、ここで、第1の部分は、中空管の入口端を含み、先端部分は、中空管の出口端、ならびに中空管の出口端に近接した1つ以上の穴を含む。先端部分は、テーパ状先端が中空のテーパ状端を含むように中空管の第1の部分に取り付けることができる。別々の部品は任意の方法で互いに取り付けることができる。例えば、部品は、1つの部品のリング(または他の突起)が別の部品内の溝(または他のくぼみもしくは穴)と噛み合う構成にスナップ留めする、噛み合いリングおよび溝を含むことができる。
【0034】
本発明の最も広い範囲において、分配装置が任意の考えられる手段によって閉じられたとき、スリーブは、中空管の端に近接した1つ以上の穴を密封することができる。例えば、スリーブは、分配装置が閉位置に置かれたときに中空管の1つ以上の穴の中に摺動するが、分配装置が開位置に移動したときには、1つ以上の穴から外へ摺動する突起を画定することができる。
図2は、スリーブ(50)が中空管(40)に向かって内方に延在する突起(500)を備え、これが出口端に穴(48)を画定する、本実施形態の一変形を示す。分配装置が閉じられると、突起(500)は、穴(48)を密封するように穴(48)に対して押し付けるかまたは穴(48)内に押し込まれ、穴(48)を通る中空管流路からの流体連通を妨げる。分配装置が開位置にあるとき、突起(500)は、流体が中空管の流路から穴(48)を通って流れることが可能にするように穴(48)から離れている。
【0035】
1つ以上の穴(48)が中空管の出口端に近接しているが、その上にはない場合、次にその、分配装置が閉位置にあるときに流体の流れを妨げることが可能な追加の構成がある。例えば、中空管の閉じた出口端は、スリーブに対して押圧して中空管の周りにシールを形成して、スリーブの分配端から出る1つ以上の穴からの中空管とスリーブとの間の流体の流れを妨げることができる。同時に、ガスケットは、中空管の入口端への中空管とスリーブとの間の流体の流れを妨げる。これは、中空管(40)の出口端(44)がスリーブ(50)に対して密封し、出口端(44)がスリーブ(50)に対して密封する場所と密封ガスケット(80)との間に穴(48)が存在する状態で閉位置にある分配装置を示す
図3の構成の状況である。
図3では、スリーブの内径および中空管の外径の両方が、それぞれ分配端および出口端に近接したより小さな径にテーパ状になっている。開位置にあるとき、スリーブは中空管の閉じた出口端から変位され、それによって出口端に近接した中空管の1つまたは複数の穴からのおよびスリーブの分配端から出る流体の流れを可能にする。追加的にまたは代替的に、スリーブは、閉じたときに、中空管の入口端に近接した1つ以上の穴を直接密封するように、1つ以上の穴(48)の周りで中空管を押し付ける、および/または突起を穴(48)に延ばすことができる。スリーブは、開位置にあるときに、1つ以上の穴からずれてもよい。これらの構成のいずれにおいても、中空管は、中空管の出口端に近接したより狭い外径にテーパ状になり、スリーブは、スリーブの分配端に近接したより狭い内径にテーパ状になることが望ましい。テーパ形状は、中空管がスリーブの狭められた内径にあるときに閉位置での分配装置の密封を容易にするが、開位置においては、中空管の出口端がスリーブのより大きい内径に存在し、それによって、中空管の1つ以上の穴からの、中空管の出口端の周りおよびスリーブの分配端を通って外への流れを容易にする。
【0036】
密封ガスケット(80)は、中空管とスリーブとの間のガスケットを通過する流体の流れを防止するため、ガスケットが中空管およびスリーブの両方に接触するように、中空管とスリーブとの間の中空管の外側に存在する。望ましくは、密封ガスケットは中空管の周りにずっと延在している。密封ガスケット(80)は、1つ以上の穴(48)と中空管の入口端(42)との間に、好ましくは1つ以上の穴(48)に近接して位置する。密封ガスケットは、中空管とスリーブとの間の中空管の外側に沿って流体が密封ガスケットを通過するのを防止するように、中空管の壁およびスリーブの両方に接触する。密封ガスケットは、流体が密封ガスケットを通過して中空管とスリーブとの間を進むのを防止する障壁として作用し、その代わりに流体をスリーブの分配端から排出させる。密封ガスケットは、望ましくは、中空管の外側(例えば、中空管の周りの材料のリング)の周りをすべて包む。密封ガスケットは、中空管の壁の外側またはスリーブの内側のいずれかに取り付けるか、またはその一部(すなわち一体型)にすることができる。おそらく、密封ガスケットは、中空管にもスリーブにも取り付けることができず、むしろ、中空管の上を摺動し、次いでスリーブがOリング上を摺動する弾性材料の「Oリング」など、中空管とスリーブとの間に摩擦的に保持することができる。任意選択的に、密封ガスケットは、スリーブまたは中空管の溝内に存在することができる。密封ガスケットは、剛性プラスチックのような剛性材料とすることができるが、開位置と閉位置との間でスリーブが中空管に沿って摺動しても密封ガスケットが中空管およびスリーブの両方に適合して流体不透過性シールを形成できるように、中空管およびスリーブの一方または両方と接触する弾性材料であることが好ましい。好適な弾性密封ガスケット材料の例には、ニトリルなどのゴム材料およびエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)が含まれる。
【0037】
中空管は、バルブステムに取り付けられているときと閉位置にあるときに、缶のバルブステムに対して同一直線上に延在することが望ましい。そのような構成では、本発明の物品は、片手で手の前腕に対して軸方向に容易に操作可能であり、それによって、手の届きにくい場所、アクセスするのに長い距離が必要な場所へのアクセスを可能にし、かつ分配をより快適にし、使用者の疲労を軽減することが可能である。
【0038】
図2は、弾性コネクタ(70)が、対向する端を有し中空管(40)の周りに巻かれたばねである、本発明の一形態を示す。ばねの端の一方はスリーブ(50)の下端(52)に接続され、ばねの対向する端はスリーブの下の中空管に取り付けられている。分配装置を開位置内に位置決めするために、スリーブが中空管に沿って缶から離れる方向に摺動すると、ばねが復元力を加えてスリーブを缶に向かって引き戻す。
図2はまた、レバーがスリーブの両側に延在し、スリーブに向かって延在し、かつスリーブの外側に画定されたリッジ(51)間の溝内に延在するピン状突起(61)を画定する方法によって、スリーブ(50)に動作可能に取り付けられたレバー(60)を示す。
【0039】
図3は、弾性コネクタ(70)が、缶と、レバーが缶にヒンジで取り付けられている場所のトリガー端側のレバーとの間の弾性材料の湾曲バンドの形態の弾性ばねである、本発明の一形態を示す。
図3はまた、スリーブの周りの溝内に延在するレバーの半円形の突起を用いてスリーブの周りにスナップ留めすることによってスリーブ(50)に堅固に連結されたレバー(60)を示す。
【0040】
分配装置は、分配装置が開位置にあるのか閉位置にあるのかの視覚的表示を提供する位置表示器を備えるか、または備えないことができる。位置表示器の一例は、中空管の一部を露出させる分配端に近接したスリーブの側面内の穴であり、分配装置が閉じられたときに穴を通して分かる中空管の部分は一色であり、分配装置が開けられるときは、別の色となる。