(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】消音装置及び圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20220412BHJP
F04C 29/06 20060101ALI20220412BHJP
F04B 39/16 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
F04B39/00 101Z
F04C29/06 A
F04B39/16 K
(21)【出願番号】P 2020573191
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2020072592
(87)【国際公開番号】W WO2020168876
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】201910125399.9
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518056542
【氏名又は名称】安徽美芝制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI MEIZHI COMPRESSOR CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.418 Caihong Road,Hefei High and New Technical Development District,Hefei,Anhui 230031,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】陳新杰
(72)【発明者】
【氏名】黄剛
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207989256(CN,U)
【文献】特開平02-301696(JP,A)
【文献】特開2013-083225(JP,A)
【文献】実開平05-069381(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04C 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に気流通路が設けられた筐体であって、前記気流通路により連通される吸気口及び排気口が設けられている筐体と、
前記筐体に設けられ、前記筐体内の油を排出する油孔と、
前記筐体に設けられ、且つ前記筐体の外側に位置する油ガイド部であって、油が前記油孔から前記油ガイド部まで流れた後に滴下するように、油の滴下方向に沿って前記油孔の下方に設けられた油ガイド部と
、を備え
、
前記油孔は、前記吸気口を介して前記気流通路に流入した冷媒ガスの流れ方向上に位置する、
消音装置。
【請求項2】
前記油孔は、前記筐体の側壁に設けられ、
前記油ガイド部は、前記筐体の底壁に位置する請求項1に記載の消音装置。
【請求項3】
前記筐体は、吸気パイプと、排気パイプとを備え、
前記吸気口は前記吸気パイプに設けられ、前記吸気パイプにより前記気流通路と連通されており、
前記排気口は前記排気パイプにより前記気流通路と連通されており、
前記油孔は、前記吸気パイプの吸気方向に沿った延在方向上に設けられている請求項1に記載の消音装置。
【請求項4】
前記筐体に設けられ、前記油孔の周辺側に位置する油バッフルをさらに備える請求項1
から請求項3の何れか一項に記載の消音装置。
【請求項5】
前記油バッフルは、弧状であり、前記油孔の周方向に沿って設けられ、
前記油バッフルには開口が設けられ、前記開口は前記油ガイド部に向かって設けられる請求項4に記載の消音装置。
【請求項6】
前記油孔の数は、少なくとも1つであり、
前記油ガイド部の数は、少なくとも1つであり、
前記油孔は、前記油ガイド部と1対1で対応するように設けられる請求項1から請求項5の何れか一項に記載の消音装置。
【請求項7】
前記油ガイド部の形状は、直方体、柱体、錐台、錐体の何れか1つである請求項1から請求項
6の何れか一項に記載の消音装置。
【請求項8】
前記油ガイド部は、直方体であり、
前記直方体の油の滴下方向に沿う長さが、前記直方体の横断面の幅に等しい請求項7に記載の消音装置。
【請求項9】
前記油ガイド部は、錐台であり、
前記錐台の横断面積は、油の滴下方向に沿って徐々に減少する請求項7に記載の消音装置。
【請求項10】
前記錐台の油の滴下方向に沿う高さが、2mm以上3mm以下である、及び/又は
前記錐台は円錐台であり、前記円錐台の一方の底面の直径は1mm以上2mm以下であり、他方の底面の直径は0.5mm以上1mm以下である、及び/又は
前記錐台のドラフト角度は、10°以上30°以下である請求項9に記載の消音装置。
【請求項11】
前記筐体と前記油ガイド部は、一体構造又は分割構造である請求項1から請求項
10の何れか一項に記載の消音装置。
【請求項12】
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられた請求項1から請求項11の何れか一項に記載の消音装置と
、を備えた圧縮機であって、
前記消音装置から滴下した油が前記圧縮機の油プール内に落下することができる圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年02月20日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910125399.9であり、発明の名称が「消音装置及び圧縮機」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本願は、圧縮機の技術分野に関し、具体的には、消音装置及び圧縮機に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、圧縮機の小型化及び高効率化がトレンドになっているが、一連の問題、例えば吸気効率の低下、ノイズの増加、油吐出量の増加などの問題がもたらされている。しかし、性能、ノイズ、及び油吐出量は、常に圧縮機を評価するための重要なパラメーターである。ノイズが大きいと、圧縮機の品質と評判に影響を与え、油吐出量が多いと、圧縮機の性能に影響を与えるとともに、「氷の詰まり」を引き起こすことさえある。関連技術では、消音器の入口から消音室に入ったガスが消音空間へ放出される途中において、冷媒ガスの流速が低下して、一部の冷凍油の分離を実行することができるが、ほとんどの冷媒ガスは依然として圧縮室に入る。従来の吸気消音器は、内部形状を維持したまま小型化を図っているため、十分な消音量が得られず、脈動音を減衰することができないと同時に、冷凍油を多く含む冷媒ガスが圧縮され、圧縮性能が悪くなる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、従来技術又は関連技術における技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【0005】
そのため、本願の第1の態様は、消音装置を提供する。
【0006】
本願の第2の態様は、圧縮機をさらに提供する。
【0007】
これに鑑みて、本願の第1の態様は、消音装置を提供し、該消音装置は、内部に気流通路が設けられた筐体であって、気流通路により連通される吸気口及び排気口が設けられている筐体と、筐体に設けられ、筐体内の油を排出する油孔と、筐体に設けられ、且つ筐体の外側に位置する油ガイド部であって、油が油孔から油ガイド部まで流れた後に滴下するように、油の滴下方向に沿って油孔の下方に設けられた油ガイド部とを備える。
【0008】
本願にて提供される消音装置は、筐体と、筐体に設けられた油孔と、筐体に設けられた油ガイド部とを備え、筐体には吸気口と排気口が設けられている。冷媒ガスは、吸気口から入り、気流通路を通過し、且つ気流通路内で油とガスとに分離され、その後、排気口から流出し、分離された油が油孔から流出する。油ガイド部は筐体の外側に設けられ、且つ油孔の下方に位置するため、油が油孔から流出した後、油ガイド部に流れる。油ガイド部は油の表面吸着力を増加させ、油をよりよく集まるようにさせ、集まった油滴が一定の重力に達すると、圧縮機の筐体の底部に素早く滴下することができ、圧縮機の油吐出量を効果的に低下し、内部の油循環の安定性が保証され、圧縮機のノイズを低下するのに有利である。
【0009】
さらに、筐体からの油の流出を容易にするために、油孔は筐体の下部に設けられ、且つ気流通路内の気流の下流部分に位置する。
【0010】
本願にて提供される上記消音装置によれば、以下のような付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0011】
上記技術的手段において、さらに、油孔は、筐体の側壁に設けられ、油ガイド部は、筐体の底壁に位置する。
【0012】
当該技術的手段において、油孔は筐体の側壁に設けられ、筐体内の油の流出に便利である。油ガイド部は筐体の底壁に設けられ、油が油孔から流出した後、筐体の側壁に沿って筐体の底壁まで流れる。油ガイド部を筐体の底壁に設置することは、油に対する凝集作用を発揮するのにより有利であり、油を素早く滴下させ、さらに圧縮機の油吐出量を低下させる。勿論、油孔を筐体の底壁に設置してもよい。
【0013】
上記何れかの技術的手段において、さらに、筐体は、吸気パイプと、排気パイプとを備え、吸気口は吸気パイプに設けられ、吸気パイプにより気流通路と連通されており、排気口は排気パイプにより気流通路と連通されており、油孔は、吸気パイプの吸気方向に沿った延在方向上に設けられている。
【0014】
当該技術的手段において、筐体は、吸気パイプと、排気パイプとを備え、油孔は、吸気パイプの吸気方向に沿った延在方向上に設けられ、即ち、油孔が冷媒ガスの流れ方向に設けられる。冷媒ガスは、吸気口から入り、吸気パイプを介して気流通路へ流れるので、油孔をガスの流れ方向に設置することは、筐体内の油を排出するのにより有利である。
【0015】
上記何れかの技術的手段において、さらに、消音装置は、筐体に設けられ、油孔の周辺側に位置する油バッフルをさらに備える。
【0016】
当該技術的手段において、消音装置は、油孔の周辺側に位置する油バッフルをさらに備える。油が油孔から流出した後、油孔の近くに付着したり、ほかの場所に流れたりするので、筐体から排出された油が再び筐体に吸い込まれることを回避するために、油孔の周辺側に油バッフルを設置する。これにより、油が再び筐体内に吸い込まれることを防止する一方、油に対しバリアとして機能し、油を油ガイド部の方向に流れるようにさせる。
【0017】
上記何れかの技術的手段において、さらに、油バッフルは、弧状であり、油孔の周方向に沿って設けられ、油バッフルには開口が設けられ、開口は油ガイド部に向かって設けられる。
【0018】
当該技術的手段において、油バッフルは弧状であり、油孔の周方向に沿って設けられ、これにより油孔から流出した油に対しバリアとしての機能を最大限に発揮し、油が開口により油ガイド部に流れて油ガイド部の凝集下で素早く滴下する。勿論、油バッフルは、他の形状であってもよい。
【0019】
上記何れかの技術的手段において、さらに、油孔の数は、少なくとも1つであり、油ガイド部の数は、少なくとも1つであり、油孔は、油ガイド部と1対1で対応するように設けられる。
【0020】
当該技術的手段において、油孔の数は少なくとも1つであり、油ガイド部は油孔に対応しており、その数も少なくとも1つであり、これにより筐体内の油の流出を加速し、油の滴下も加速し、圧縮機の油吐出量をさらに減小する。
【0021】
さらに、油ガイド部は、リブ又は溝であってもよい。
【0022】
上記何れかの技術的手段において、さらに、油ガイド部の形状は、直方体、柱体、錐台、錐体の何れか1つである。
【0023】
当該技術的手段において、油ガイド部の形状は様々であってもよく、例えば直方体、柱体、錐台、錐体であり、いずれも優れた凝集効果を奏し、油を素早く滴下させることができる。
【0024】
さらに、油ガイド部の形状は、直方体又は円柱体である。
【0025】
上記何れかの技術的手段において、さらに、油ガイド部は、直方体であり、直方体の油の滴下方向に沿う長さが、直方体の横断面の幅に等しい。
【0026】
当該技術的手段において、油ガイド部は、直方体であり、且つ直方体の高さと幅が同じである場合、油ガイド部の油ガイド効果はよりよく、即ち、油ガイド部の油ガイド効果が向上し、さらに圧縮機の油吐出量が低下する。
【0027】
さらに、油ガイド部の形状は、立方体である。
【0028】
上記何れかの技術的手段において、さらに、油ガイド部は、錐台であり、錐台の横断面積は、油の滴下方向に沿って徐々に減少する。
【0029】
当該技術的手段において、油ガイド部が錐台である場合、錐台の横断面積は油の滴下方向に沿って徐々に減少するため、油は油ガイド部に流れた後、面積の大きい一端から面積の小さい一端に集まって、油がよりよく凝集されてより速く滴下する。これにより、当該技術的手段を圧縮機内に適用する時、圧縮機の油吐出量を低下させる。
【0030】
上記何れかの技術的手段において、さらに、錐台の油の滴下方向に沿う高さが、2mm以上3mm以下である。
【0031】
当該技術的手段において、錐台の高さは、高すぎてはならず、高すぎると油に対する凝集効果が低下し、全体の高さとコストも増加する。また、錐台の高さは、低すぎてはならず、低すぎると油に対してよい凝集作用を奏することができないので、錐台の高さを2mm以上3mm以下に限定する。これにより、生産コストを低下するとともに、油に対する凝集作用を向上する。
【0032】
上記何れかの技術的手段において、さらに、錐台は円錐台であり、円錐台の一方の底面の直径は1mm以上2mm以下であり、他方の底面の直径は0.5mm以上1mm以下である。
【0033】
当該技術的手段において、錐台は、円錐台であり、円錐台の小さい底面の直径は、0.5mm以上1mm以下であり、円錐台の大きい底面の直径は、1mm以上2mm以下であり、これにより油に対する錐台の凝集効果が保証されるとともに、生産コストも低下される。
【0034】
上記何れかの技術的手段において、さらに、錐台のドラフト角度は、10°以上30°以下である。
【0035】
当該技術的手段において、錐台は、金型により製造することができ、錐台のドラフト角度は、10°以上30°以下であり、錐台の型抜きに有利である。
【0036】
上記何れかの技術的手段において、さらに、筐体と油ガイド部は、一体構造又は分割構造である。
【0037】
当該技術的手段において、筐体と油ガイド部は、一体構造又は分割構造であってもよい。筐体と油ガイド部が一体構造である場合、一体構造の力学性能がよく、接続が確実であり、これにより油ガイド部と筐体との接続がより確実になり、筐体と油ガイド部を一緒に製造することができ、さらに生産製造にも便利であり、生産コストが低下される。筐体と油ガイド部が分割構造である場合、油ガイド部と筐体の取り外しに便利である。
【0038】
本願の第2の態様によれば、さらに圧縮機を提供し、該圧縮機は、ハウジングと、ハウジング内に設けられた上記何れかの技術的手段に記載の消音装置とを備え、消音装置から滴下した油が圧縮機の油プール内に落下することができる。
【0039】
本願の第2の態様にて提供される圧縮機は、上記何れかの技術的手段に記載の消音装置を備えるので、前記消音装置の全ての有益な効果を有する。
【0040】
具体的には、圧縮機は、往復式の圧縮機である。
【0041】
本願の付加的な態様及び利点は以下の説明によって明確になり、又は本願を実施することで理解できる。
【0042】
本願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、以下の図面を結合した実施例の説明から明確になり、容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、本願に係る一実施例の消音装置の断面図を示す。
【
図2】
図2は、本願に係る一実施例の消音装置のもう1つの断面図を示す。
【
図3】
図3は、本願に係る一実施例の消音装置の構造概念図を示す。
【
図4】
図4は、本願に係る一実施例の消音装置のもう1つの構造概念図を示す。
【
図5】
図5は、本願に係る一実施例の消音装置のさらに別の構造概念図を示す。
【
図6】
図6は、本願に係る一実施例の消音装置のさらに他の構造概念図を示す。
【
図7】
図7は、本願に係る一実施例の消音装置のさらに他の構造概念図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解できるように、以下、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本願についてさらに詳しく説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例における特徴を組み合せることができる。
【0045】
本願を十分に理解するように、以下の説明で多くの具体的な詳細を説明するが、本願はここで説明する形態と異なる形態で実施することもできるので、本願の保護範囲は以下で開示する具体的な実施例に限定されない。
【0046】
以下
図1から
図7を参照しながら、本願のいくつかの実施例に記載の消音装置及び圧縮機を説明する。
【0047】
本願の第1の態様の一実施例によれば、本願にて提出される消音装置は、気流通路14により連通される吸気口10と排気口12が設けられ、内部には気流通路14が設けられた筐体1と、筐体1に設けられ、筐体1内の油を排出する油孔2と、筐体1に設けられ、且つ筐体1の外側に位置し、油が油孔2から油ガイド部3まで流れた後に滴下するように、油の滴下方向に沿って油孔2の下方に設けられた油ガイド部3とを備える。
【0048】
図1から
図7に示すように、本願にて提供される消音装置は、筐体1と、筐体1に設けられた油孔2と、筐体1に設けられた油ガイド部3とを備え、筐体1には吸気口10と排気口12が設けられている。冷媒ガスは、吸気口10から入り、気流通路14を通過し、且つ気流通路14内に油とガスを分離し、その後、排気口12から流出し、分離された油が油孔2から流出する。油ガイド部3は、筐体1の外側に設けられ、油孔2の下方に位置するため、油が油孔2から流出した後、油ガイド部3に流れる。油ガイド部3は、油の表面吸着力を増加し、油をよりよく集まるようにさせ、集まった油滴が一定の重力に達すると、圧縮機の筐体1の底部に素早く滴入することができ、圧縮機の油吐出量を効果的に低下し、内部の油循環の安定性が保証され、圧縮機のノイズを低下するのに有利である。
【0049】
さらに、筐体1からの油の流出を便利にするために、油孔2は筐体1の下部に設けられ、且つ気流通路14内の気流の下流部分に位置する。
【0050】
上記実施例において、さらに、油孔2は、筐体1の側壁に設けられ、油ガイド部3は、筐体1の底壁に位置する。
【0051】
図3から
図6に示すように、当該実施例において、油孔2は筐体1の側壁に設けられ、筐体1内の油の流出に便利である。また、油ガイド部3は、筐体1の底壁に設けられ、油が油孔2から流出した後、筐体1の側壁に沿って筐体1の底壁まで流れる。油ガイド部3を筐体1の底壁に設置することは、油に対する凝集作用を発揮するのにより有利であり、油を素早く滴下させ、さらに圧縮機の油吐出量を低下させる。勿論、油孔2を筐体1の底壁に設置してもよい。
【0052】
上記何れかの実施例において、さらに、筐体1は、吸気パイプ16と、排気パイプ18とを備え、吸気口10は吸気パイプ16に設けられ、吸気パイプ16により気流通路14と連通されており、排気口12は排気パイプ18により気流通路14と連通されており、油孔2は、吸気パイプ16の吸気方向に沿った延在方向上に設けられる。
【0053】
図1及び
図2に示すように、当該実施例において、筐体1は、吸気パイプ16と、排気パイプ18とを備え、油孔2は、吸気パイプ16の吸気方向に沿った延在方向上に設けられ、即ち、油孔2が冷媒ガスの流れ方向に設けられる。冷媒ガスは、吸気口10から入り、吸気パイプ16を介して気流通路14へ流れるので、油孔2をガスの流れ方向に設置することは、筐体1内の油を排出するのにより有利である。
【0054】
上記何れかの実施例において、さらに、消音装置は、筐体1に設けられ、油孔2の周辺側に位置する油バッフル4をさらに備える。
【0055】
図3から
図7に示すように、当該実施例において、油孔2の周辺側に位置する油バッフル4をさらに備え、油は油孔2から流出した後、油孔2の近くに付着したり、ほかの場所に流れたりするので、筐体1から排出された油が再び筐体1に吸い込まれることを回避するために、油孔2の周辺側に油バッフル4を設置する。これにより、油が再び筐体1内に吸い込まれることを防止する一方、油に対しバリアとして機能し、油が油ガイド部3の方向に流れるようにさせる。
【0056】
上記何れかの実施例において、さらに、油バッフル4は、弧状であり、油孔2の周方向に沿って設けられ、油バッフル4には開口が設けられ、開口は油ガイド部3に向かって設けられる。
【0057】
図3から
図6に示すように、当該実施例において、油バッフル4は、弧状であり、油孔2の周方向に沿って設けられ、これにより油孔2から流出した油に対しバリアとしての機能を最大限に発揮し、油が開口により油ガイド部3に流れて油ガイド部3の凝集下で素早く滴下することができる。勿論、油バッフル4は、他の形状であってもよい。
【0058】
上記何れかの実施例において、さらに、油孔2の数は少なくとも1つであり、油ガイド部3の数は少なくとも1つであり、油孔2は、油ガイド部3と1対1で対応するように設けられる。
【0059】
当該実施例において、油孔2の数は少なくとも1つであり、油ガイド部3は油孔2に対応しており、その数も少なくとも1つであり、これにより筐体1内の油の流出を加速し、油の滴下も加速し、圧縮機の油吐出量をさらに減小する。
【0060】
さらに、油ガイド部3は、リブ又は溝であってもよい。
【0061】
上記何れかの実施例において、さらに、油ガイド部3の形状は、直方体、柱体、錐台、錐体の何れか1つである。
【0062】
図4から
図6に示すように、当該実施例において、油ガイド部3の形状は様々であってもよく、例えば直方体、柱体、錐台、錐体であり、いずれも優れた凝集効果を奏し、油を素早く滴下させることができる。
【0063】
さらに、油ガイド部3の形状は、直方体又は円柱体である。
【0064】
上記何れかの実施例において、さらに、油ガイド部3は、直方体であり、直方体は、油の滴下方向に沿う長さが、直方体の横断面の幅に等しい。
【0065】
当該実施例において、油ガイド部3は、直方体であり、且つ直方体の高さと幅が同じである場合、油ガイド部3の油ガイド効果がよりよく、即ち、油ガイド部3の油ガイド効果が向上され、圧縮機の油吐出量がさらに低下される。
【0066】
さらに、油ガイド部3の形状は、立方体である。
【0067】
上記何れかの実施例において、さらに、油ガイド部3は、錐台であり、錐台の横断面積は、油の滴下方向に沿って徐々に減少する。
【0068】
図5及び
図6に示すように、当該実施例において、油ガイド部3が錐台である場合、錐台の横断面積は油の滴下方向に沿って徐々に減少するため、油は油ガイド部3に流れた後、面積の大きい一端から面積の小さい一端に集まって、油がより良く凝集されてより速く滴下する。これにより、それを圧縮機内に適用する時、圧縮機の油吐出量を低下することができる。
【0069】
上記何れかの実施例において、さらに、錐台は、油の滴下方向に沿う高さが、2mm以上3mm以下である。
【0070】
当該実施例において、錐台の高さは、高すぎてはならなく、高すぎると油に対する凝集効果が低下し、全体の高さとコストも増加する。また、錐台の高さは、低すぎてはならなく、低すぎると油に対してよい凝集作用を奏することができないので、錐台の高さを2mm以上3mm以下に限定する。これにより、生産コストを低下するとともに、油に対する凝集作用を向上することができる。
【0071】
上記何れかの実施例において、さらに、錐台は、円錐台であり、円錐台の一方の底面の直径は、1mm以上2mm以下であり、他方の底面の直径は0.5mm以上1mm以下である。
【0072】
当該実施例において、錐台は、円錐台であり、円錐台の小さい底面の直径は、0.5mm以上1mm以下であり、円錐台の大きい底面の直径は、1mm以上2mm以下であり、これにより油に対する錐台の凝集効果が保証されるとともに、生産コストも低下される。
【0073】
上記何れかの実施例において、さらに、錐台のドラフト角度は、10°以上30°以下である。
【0074】
当該実施例において、錐台は、金型により製造することができ、錐台のドラフト角度は、10°以上30°以下であり、錐台の脱型に有利である。
【0075】
上記何れかの実施例において、さらに、筐体1と油ガイド部3は、一体構造又は分割構造であってもよい。
【0076】
当該実施例において、筐体1と油ガイド部3は、一体構造又は分割構造であってもよい。筐体1と油ガイド部3が一体構造である場合、一体構造の力学性能がよく、接続が確実であり、これにより油ガイド部3と筐体1との接続がより確実になり、筐体1と油ガイド部3を一緒に製造することができ、さらに生産製造にも便利であり、生産コストが低下される。筐体1と油ガイド部3が分割構造である場合、油ガイド部3と筐体1の着脱に便利である。
【0077】
本願の第2の態様によれば、圧縮機(図示略)を提供し、該圧縮機は、ハウジングと、ハウジング内に設けられた上記何れかの実施例に記載の消音装置とを備え、消音装置から滴下した油が圧縮機の油プール内に落下することができる。
【0078】
本願の第2の態様にて提供される圧縮機は、上記何れか1つの実施例に記載の消音装置を備えるので、消音装置の全ての有益な効果を有する。
【0079】
具体的には、圧縮機は、往復式の圧縮機である。
【0080】
本願において、特に断らない限り、用語「複数」は2つ又は2つ以上である。「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語はいずれも広義に理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定的に接続されてもよいし、着脱可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよい。「連結」は、直接連結されてもよいし、中間媒介を介して間接的に接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて本願における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0081】
本明細書の説明において、用語である「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的な例示」などの記述は、当該実施例又は例示に記載された具体的な特徴、構造、材料又は特点を参照して本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意図する。本明細書において、上記用語の例示的な記述は同一の実施例又は例示を必ずしも意味しない。さらに、記載された具体的な特徴、構造、材料又は特長はいずれかの1つ又は複数の実施例又は例示において適当な方式で組み合わせることができる。
【0082】
以上は、本願の好適な実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。当業者であれば、本願に様々な修正や変更が可能である。本願の趣旨及び原則を逸脱しない範囲でなされたすべての修正、均等置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0083】
なお、
図1から
図7における符号と部材名称との対応関係は、以下の通りである。
【符号の説明】
【0084】
1 筐体
10 吸気口
12 排気口
14 気流通路
16 吸気パイプ
18 排気パイプ
2 油孔
3 油ガイド部
4 油バッフル