(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】ホーンアンテナ及びホーンアンテナアレイ
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/02 20060101AFI20220412BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H01Q13/02
H01Q21/08
(21)【出願番号】P 2021033739
(22)【出願日】2021-03-03
(62)【分割の表示】P 2017080395の分割
【原出願日】2017-04-14
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】菅野 真行
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】特表平06-503930(JP,A)
【文献】米国特許第02461005(US,A)
【文献】特開2017-059907(JP,A)
【文献】特開2017-028550(JP,A)
【文献】特開2004-125746(JP,A)
【文献】中国実用新案第2896561(CN,Y)
【文献】米国特許第05568160(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0025726(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0066349(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/02
H01Q 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形導波管の狭壁面に形成された窓に接続する
ホーン構造を備えるホーンアンテナであって、
前記ホーン構造は、
(a)前記窓に接続する矩形の接続口、及び前記接続口の面積より大きい面積を持ち電磁波を送受信する矩形の開口を有し、前記開口の面と前記接続口の面とが平行であり、前記開口の面に垂直な方向から見た時に、前記開口の中心と前記接続口の中心とがずれて
いるように非対象に窄んだ形状であること、
(b)前記接続口が前記方形導波管の前記窓に直に接続されていること、且つ
(c)前記開口の面に垂直な方向から見た時に、前記方形導波管の中心軸が前記接続口の中心に対して前記開口の中心と反対側にあるように
、前記方形導波管
に対してずれて接続され
ていることを特徴とするホーンアンテナ。
【請求項2】
前記ホーン構造は、
前記開口の面に垂直な方向から見た時に、前記開口の向かい合う二組の辺のいずれか一方の中心線上に前記接続口の中心があることを特徴とする請求項1に記載のホーンアンテナ。
【請求項3】
前記ホーン構造は、
前記開口の面に垂直な方向から見た時に、前記接続口の一辺が前記開口の一辺に
重なって見える、あるいは前記開口の中心に対して前記開口の一辺より遠方にあるようにずれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のホーンアンテナ。
【請求項4】
前記
方形導波管は、前記窓に対面する狭壁面に段差が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のホーンアンテナ。
【請求項5】
前記ホーン構造は、前記開口と前記接続口とを接続するホーン面が階段状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のホーンアンテナ。
【請求項6】
前記ホーン構造は、前記開口と前記接続口とが前記電磁波の波長の0.8倍以上離れていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のホーンアンテナ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の複数のホーンアンテナを、前記接続口の中心と前記開口の中心とを結ぶ全ての直線が平行となるように並列させたホーンアンテナアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広角に目標物の存在及び方位を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
広角に目標物の存在を検知する技術が、特許文献1~4に開示されている。特許文献1では、基板平面に形成される平面アンテナを用いて、正面方向の目標物の存在を検知し、基板側面に形成される電磁波反射面を用いて、側面方向の目標物の存在を検知する。特許文献2では、基板平面に形成される平面アンテナを用いて、正面方向の目標物の存在を検知し、基板側面の近傍の基板平面の端部に形成されるアンテナパターンを用いて、側面方向の目標物の存在を検知する。特許文献3では、基板平面に形成される平面アンテナを用いて、正面方向の目標物の存在を検知し、基板側面の近傍の基板平面の端部に形成されるダイポールアンテナを用いて、側面方向の目標物の存在を検知する。特許文献4では、基板側面にホーンアンテナを配置し、水平方向のモノパルス測角方式を可能とした構造が開示される。
図1は特許文献4に記載される広角方位検知システムの構成を説明する図である。
【0003】
図1の広角方位検知システムSは、誘電体基板1及び金属部材2から構成される。誘電体基板1は、基板内部において基板平面と平行方向に導波路11、12、13の導波部(
図3を参照。)が形成され、基板側面において導波路11、12、13の開口部(
図3を参照。)が形成され、基板平面において基板平面アンテナ14が形成される。金属部材2は、ホーン構造21、22、23が形成され、導波路11、12、13の開口部(
図3を参照。)とホーン構造21、22、23の接続部がそれぞれ接続されるように、誘電体基板1に接続される。
【0004】
ホーン構造21、22は、受信用のものであり、ホーン構造23は、送信用のものである。基板平面アンテナ14は、受信用のもの及び送信用のものを、様々な監視方式に応じて、高い自由度で配置する。以下の説明では、誘電体基板1の厚さ方向と平行方向を「水平方向」と定義し、誘電体基板1の厚さ方向と垂直方向を「垂直方向」と定義する。また、基板平面アンテナ14が配置されている面を「正面」、ホーン構造21、22、23が形成された面を「側面」とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-049691号公報
【文献】特許5464152号公報
【文献】特許5609772号公報
【文献】特開2017-059907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、送信装置や受信装置内で電磁波を任意位置へ伝搬するために導波管が用いられることは多い。しかし、特許文献4では、基板平面と平行な方向(側面に向いた方向)に形成された導波路にホーンを配置することは記載するが、正面方向に向いた面に構成された導波管にホーン構造を配置することは記載されない。そこで、本発明は、正面方向からずれた方向にある目標物の存在及び方位を検知できるようにアンテナ指向性ビームを正面方向からずれた方向に向けることができるホーンアンテナ及びホーンアンテナアレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るホーンアンテナは、ホーンの中心軸がホーンの開口の面に対して垂直でない構造のホーンを導波管にずらして接続することとした。本発明に係るホーンアンテナは、導波管の先端にホーンを配置する第1構造と導波管の狭壁面にホーンを配置する第2構造がある。
【0008】
第1構造について説明する。本発明に係るホーンアンテナは、方形導波管の接続端に接続する矩形の接続口、及び前記接続口の面積より大きい面積を持ち電磁波を送受信する矩形の開口を有するホーンアンテナであって、
前記方形導波管の中心軸と前記開口の面との交点と前記開口の中心とがずれており、前記接続口の中心から前記開口の面へ下した垂線の足の位置が前記交点と前記開口の中心を結ぶ線分上にあるようなホーン構造を備えることを特徴とする。
【0009】
続いて第2構造について説明する。本発明に係るホーンアンテナは、方形導波管の狭壁面に形成された窓に接続する矩形の接続口、及び前記接続口の面積より大きい面積を持ち電磁波を送受信する矩形の開口を有するホーンアンテナであって、
前記開口の面に垂直な方向から見た時に、前記開口の中心と前記接続口の中心とがずれており、前記方形導波管の中心軸が、前記開口の中心と前記接続口の中心とを結ぶ直線に垂直となるように、且つ前記接続口の中心に対して前記開口の中心と反対側にあるように前記方形導波管が接続されたホーン構造を備えることを特徴とする。
【0010】
いずれの構造もホーンの中心軸がホーンの開口の面に対して垂直でなく、さらに導波管との接続もずらしているので、ビーム方向を傾斜させることができる。ビーム方向はホーン形状と導波管との接続状態で調整することができる。従って、このホーンアンテナを基板正面に2つ配置し、ビーム方向を調整してモノパルス測角方式を採用すれば広角に目標物の存在及び方位を検知することができる。つまり、本発明は、正面方向からずれた方向にある目標物の存在及び方位を検知できるようにアンテナ指向性ビームを正面方向からずれた方向に向けることができるホーンアンテナを提供することができる。
【0011】
具体的なホーン構造は次の通りである。
前記ホーン構造は、前記開口の面に垂直な方向から見た時に、前記開口の向かい合う二組の辺のいずれか一方の中心線上に前記接続口の中心があることを特徴とする。
前記ホーン構造は、前記開口の面に垂直な方向から見た時に、前記接続口の一辺が前記開口の一辺に接触あるいは前記開口の中心に対して前記開口の一辺より遠方にあるようにずれていることを特徴とする。
前記導波管は、前記窓に対面する狭壁面に段差が形成されていることを特徴とする。
前記ホーン構造は、前記開口と前記接続口とを接続するホーン面が階段状であることを特徴とする。
【0012】
前記ホーン構造は、前記開口と前記接続口とが前記電磁波の波長の0.8倍以上離れていることを特徴とする。ビーム方向を所望方向へ調整するためには開口と接続口との距離(ホーンの長さ)が電磁波の波長の0.8倍以上である必要がある。
【0013】
本発明に係るホーンアンテナアレイは、複数の前記ホーンアンテナを、前記接続口の中心と前記開口の中心とを結ぶ全ての直線が平行となるように並列させたことを特徴とする。本ホーンアンテナアレイにてビームフォーミング方式を利用することで電磁波の指向性を制御することができる。
【0014】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、正面方向からずれた方向にある目標物の存在及び方位を検知できるようにアンテナ指向性ビームを正面方向からずれた方向に向けることができるホーンアンテナ及びホーンアンテナアレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に関連する広角方位検知システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示のモノパルス測角方式の原理を示す図である。
【
図3】本発明に関連する広角方位検知システムの構造を説明する図である。
【
図4】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図5】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図6】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図7】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図8】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図9】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図10】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図11】本発明に係るホーンアンテナの構造を説明する図である。
【
図12】本発明に係るホーンアンテナの効果を説明する図である。
【
図13】本発明に係るホーンアンテナの効果を説明する図である。
【
図14】本発明に係るホーンアンテナアレイの構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0018】
(実施形態1)
図4は、本実施形態のホーンアンテナ101を説明する図である。ホーンアンテナ101は導波管の先端にホーンを配置する第1構造である。
図4(C)は、ホーンアンテナ101の等角投影図である。また、
図4(C)のAの方向から見た側面図を
図4(A)、Bの方向から見た正面図を
図4(B)に示す。
【0019】
ホーンアンテナ101は、方形導波管70の接続端に接続する矩形の接続口41、及び接続口41の面積より大きい面積を持ち電磁波を送受信する矩形の開口42を有するホーンアンテナであって、
方形導波管70の中心軸71と開口42の面との交点Aと開口42の中心Bとがずれており、接続口41の中心C1から開口42の面へ下した垂線の足C2の位置が交点Aと開口の中心Bを結ぶ線分上にあるようなホーン構造を備える。
【0020】
導波管70は
図4(A)の左側から供給される電磁波をホーン部40まで伝搬する。また、導波管70はホーン部40が受信した電磁波を
図4(A)の左側へ伝搬する。ホーン部40は接続口41と開口42を有し、これらを上底と下底とする錐台の構造である。この錐台は対称ではなく、開口42に対して接続口41がY方向にずれている(
図6(B)を参照。)。また、ホーン部40は開口42に対して接続口41がX方向とY方向にずれていてもよい(
図6(A)を参照。)。
【0021】
ホーン部40は接続口41において導波管70の端部に接続されるが、接続口41の中心C1と導波管70の中心軸71とがずれた状態で接続される。
図4(B)はホーン部40と導波管70とのずれた状態を説明する図である。「A」は中心軸71と開口42との交点であり、開口42の面上における導波管70の中心位置である。「B」は開口42の中心である。「C2」は接続口41の中心C1から開口42の面へ下した垂線の足であり、開口42の面上における接続口41の中心位置である。
【0022】
図6(B)のようなホーン部40の形状とし、
図4のようにホーン部40と導波管70とを接続することでビーム方向はZ方向からY方向へ傾き、点C1と点Bとを結ぶ直線状に形成されることになる。
【0023】
(実施形態2)
図5は、本実施形態のホーンアンテナ102を説明する図である。ホーンアンテナ102は導波管の狭壁面にホーンを配置する第2構造である。
図5(C)は、ホーンアンテナ102の等角投影図である。また、
図5(C)のAの方向から見た側面図を
図5(A)、Bの方向から見た正面図を
図5(B)に示す。
【0024】
ホーンアンテナ102は、方形導波管70の狭壁面に形成された窓72に接続する矩形の接続口41、及び接続口41の面積より大きい面積を持ち電磁波を送受信する矩形の開口42を有するホーンアンテナであって、
開口42の面に垂直な方向から見た時に、開口42の中心Bと接続口41の中心C1とがずれており、方形導波管70の中心軸71が、開口42の中心Bと接続口41の中心C1とを結ぶ直線に垂直となるように、且つ接続口41の中心C1に対して開口42の中心Bと反対側にあるように方形導波管70が接続されたホーン構造を備える。
【0025】
導波管70は
図5(B)の右側から供給される電磁波をホーン部40まで伝搬する。また、導波管70はホーン部40が受信した電磁波を
図5(B)の右側へ伝搬する。ホーン部40の形状についてはホーンアンテナ101の説明と同様である。
【0026】
ホーン部40は接続口41において導波管70の窓72に接続されるが、Z方向から見た時に接続口41の中心C1と導波管70の中心軸71とがずれた状態で接続される。
図5(B)はホーン部40と導波管70とのずれた状態を説明する図である。「B」は開口42の中心である。「C2」は接続口41の中心C1から開口42の面へ下した垂線の足であり、開口42の面上における接続口41の中心位置である。開口42の面上において点Bと点C2とを結ぶ直線と中心線71とは垂直であり、中心線71が点C2に対して開口42の中心Bと反対側にあるように接続される。
【0027】
図6(B)のようなホーン部40の形状とし、
図5のようにホーン部40と導波管70とを接続することでビーム方向はZ方向からY方向へ傾き、点C1と点Bとを結ぶ直線状に形成されることになる。
【0028】
(ホーン部の形状)
図7及び
図8はホーン部40の他の形状を説明する図である。前記ホーン構造は、開口42の面に垂直な方向から見た時に、接続口41の一辺が開口42の一辺に接触あるいは開口42の中心Bに対して開口42の一辺より遠方にあるようにずれていることを特徴とする。
図7は、錐台の側面の一つがZ方向に平行である形状のホーン部40を説明する図である。
図8は、錐台の側面の一つが接続口41から見た時にオーバーハングしている形状のホーン部40を説明する図である。所望のビーム方向を形成するために
図7や
図8のような形状のホーン部40を導波管70に接続してもよい。
【0029】
図9はホーン部40の他の形状を説明する図である。
図9(C)は、ホーンアンテナ101の等角投影図である。また、
図9(C)のAの方向から見た側面図を
図9(A)、Bの方向から見た正面図を
図9(B)に示す。前記ホーン構造は、開口42と接続口41とを接続するホーン面が階段状であることを特徴とする。
図4から
図8まではホーン部40の形状が錐台である場合を説明した。ホーン部40の形状は錐台に限らない。ホーン部40の形状は、
図9のようにホーン面が階段状に形成されていてもよい。
図9では、ホーン面の一つがZ方向に平行であり、他の3面に段差がある形状のホーン部40を説明する。ただし、段差はZ方向に平行のホーン面以外のホーン面全てに形成する必要はない。
【0030】
(導波管の構造)
図10は導波管70の構造を説明する図である。
図10(B)は、ホーンアンテナ102の等角投影図である。
図10(A)はホーンアンテナ102を導波管70の中心線を含むZ方向に平行な面で切断した切断面を説明する図である。ホーンアンテナ102の場合、導波管70は、窓72に対面する狭壁面に段差73が形成されていることを特徴とする。ホーンアンテナ102は、導波管70内の電磁波の伝搬方向とホーン部40の開口42に形成されるビーム方向とが大きく異なる。このため、導波管70の窓72に対向する位置に段差73を形成することでリターンロスを低減することができる。
【0031】
(実施例1)
図11のようなホーンアンテナ101を作成し、導波管70とホーン部40とのずれ量Δによってビーム方向がどのように変化するかの検証を行った。
図11(A)は、ホーンアンテナ101の等角投影図である。
図11(B)はホーンアンテナ101をY方向から見た図である。ホーンアンテナ101の開口42の大きさはX方向の長さが2.1λ、Y方向の長さが1.5λである。λは電磁波の波長である。また、ホーン部40の高さ(開口42と接続口41との距離)は0.8λとした。
【0032】
検証結果を
図12及び
図13に示す。
図12と
図13はビーム方向を説明している。
図12(A)と
図13は、Z方向を0度としたときのビーム方向のX方向への傾きを示している。
図12(B)は、Z方向を0度としたときのビーム方向のY方向への傾きを示している。
図12(B)のようにビーム方向はY方向への傾きはほとんどない。一方、
図12(A)のようにビーム方向はX方向へ約30度の傾きを持つことがわかる。
【0033】
図13は、ずれ量Δに対するビーム方向の変化を説明している。ビーム方向は、Δ=0λのときX方向へ約25度傾き、Δ=0.1λのときX方向へ約30度傾き、Δ=0.2λのときX方向へ約36度傾く。このように、導波管70とホーン部40とのずれ量を調整することで所望の方向へビームを形成することができる。同様に、ホーン部40の開口42の中心と接続口41の中心のずれ量を調整することでも所望の方向へビームを形成することができる。
【0034】
以上の検証より、本発明に係るホーンアンテナは、ホーン部40の形状と導波管70とホーン部40とのずれ量を調整することで所望の方向へビームを形成することができる。具体的には、ビーム方向をエレベーション方向へはセンターに保ちつつアジマス方向へは30度傾斜させることが可能である。このようなホーンアンテナを2つ使用することで
図2で説明したモノパルス測角方式を採用して広角に目標物の存在及び方位を検知することができる。
【0035】
(実施例2)
指向性を高めるためにホーンアンテナ101又はホーンアンテナ102を複数並列させ、ビームフォーミング方式を適用してもよい。
図14は、本実施例のホーンアンテナアレイ201を説明する図である。ホーンアンテナアレイ201は、ホーンアンテナ102を、接続口41の中心と開口42の中心とを結ぶ全ての直線が平行となるように並列させている。つまり、ホーンアンテナアレイ201は、ビーム方向を揃えて複数のホーンアンテナ102を一列に配列させた構造である。本実施例ではホーンアンテナ102を配列させているが、ホーンアンテナ101を配列させてもよい。
【0036】
(他の実施例)
上記各発明の構造は、可能な限り組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0037】
S:広角方位検知システム
1:誘電体基板
2:金属部材
11、12、13:導波路
14:基板平面アンテナ
21、22、23:ホーン構造
24:筐体面
25、26:筐体角
27:回折構造
31、32、33:レドーム部材
31’、32’、33’:フィルム部材
40:ホーン部
41:接続口
42:開口
70:導波管
71:中心線
72:窓
73:段差