(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/52 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
H01Q1/52
(21)【出願番号】P 2019525337
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(86)【国際出願番号】 JP2018021559
(87)【国際公開番号】W WO2018235593
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2017123260
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 真木
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-094440(JP,A)
【文献】国際公開第2013/145623(WO,A1)
【文献】特開2013-211797(JP,A)
【文献】特開2018-152797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/52
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2面を有する第1誘電体基板と、
前記第1誘電体基板の第1面に設けられた第1および第2アンテナ素子と、
前記第1誘電体基板の第2面に設けられた接地導体と、
前記第1および第2アンテナ素子の間に設けられたアイソレーション構造部とを備え、
前記アイソレーション構造部は、
前記第1誘電体基板の第1面において、前記第1および第2アンテナ素子の間に設けられた第1導体と、
前記第1誘電体基板を貫通して前記第1導体と前記接地導体とを電気的に接続する、複数の第1ビア導体とを備え、
前記第1誘電体基板の比誘電率は、ε
rであり、
前記第1アンテナ素子は、波長λ1(mm)の信号を送信する送信アンテナであり、
前記複数の第1ビア導体は、平面視で、前記第1および第2アンテナ素子が並ぶ方向である第1方向と垂直をなす第2方向において、所定ピッチで配置されており、かつ、それぞれ高さh1(mm)を有し、
前記第1導体は、前記第1方向において、前記第1ビア導体の中心から前記第1アンテナ素子の側に、長さd1(mm)、突き出ており、
(d1×2+h1)/(λ1/√ε
r)の値が、0.40以上で0.60以下の範囲にある
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置において、
第1面および第2面を有し、第2面が前記第1誘電体基板の第1面に接している第2誘電体基板を備え、
前記アイソレーション構造部は、
前記第2誘電体基板の第1面に設けられた第2導体と、
前記第2誘電体基板を貫通して前記第2導体と前記第1導体とを電気的に接続する、複数の第2ビア導体とを備える
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項2記載のアンテナ装置において、
前記第2導体は、平面視で、前記第1方向において前記第1ビア導体の中心から前記第1アンテナ素子の側に、前記第1導体と同じ長さ、突き出ている
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項2記載のアンテナ装置において、
前記複数の第2ビア導体は、平面視で、前記第2方向において所定ピッチで配置されており、かつ、前記第1方向において、前記第1ビア導体と異なる位置に配置されている
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項4記載のアンテナ装置において、
前記第2導体は、平面視で、前記第1方向において前記第1ビア導体の中心から前記第1アンテナ素子の側に突き出ている長さが、前記第1導体よりも短い
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項記載のアンテナ装置において、
前記複数の第1ビア導体の前記第2方向における配置ピッチは、λ1/√ε
rの0.1倍以下である
ことを特徴とするアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ素子間のアイソレーションを改善するためのアイソレーション構造部を備えたアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、EBG(Electromagnetic Band Gap)構造を備えたアンテナ装置において、全体のサイズを大きくすることなく、アンテナ素子間のアイソレーションを向上させる構成が開示されている。このEBG構造は、アンテナが形成された誘電体基板の面に形成された第1のパッチ導体と、この第1のパッチ導体の上方に形成された第2パッチ導体と、第1および第2パッチ導体を互いに電気的に接続する複数のビア導体とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図10はアンテナ間アイソレーションの説明図である。
図10の構成では、誘電体基板100の面に送信アンテナTXおよび受信アンテナRXが配置されている。この構成において、アイソレーションとは、送信アンテナTXから受信アンテナRXまでの通過損失となる。このアイソレーションを阻害する要因としては、
図10に破線で示すとおり、(1)空中を伝わる直接波、(2)誘電体を伝わる直接波、(3)誘電体を伝わる反射波、(4)送信アンテナTXからの放射によってGNDプレーン101に電流が励起され、それがGNDプレーン101の端で放射する放射波、がある。
【0005】
特許文献1のEBG構造を配置したエリアはGNDプレーンを流れる電流に対して高インピーダンスとなるため、
図10の(4)GNDプレーン101の端での放射波、に対する対策となっている。ところが、他の要因に対しては、十分な対策にはなっていない。
【0006】
本開示は、アンテナ装置について、アイソレーションを効果的に改善することができるアイソレーション構造部を備えた構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様では、アンテナ装置は、第1および第2面を有する第1誘電体基板と、前記第1誘電体基板の第1面に設けられた第1および第2アンテナ素子と、前記第1誘電体基板の第2面に設けられた接地導体と、前記第1および第2アンテナ素子の間に設けられたアイソレーション構造部とを備え、前記アイソレーション構造部は、前記第1誘電体基板の第1面において、前記第1および第2アンテナ素子の間に設けられた第1導体と、前記第1誘電体基板を貫通して前記第1導体と前記接地導体とを電気的に接続する、複数の第1ビア導体とを備え、前記第1誘電体基板の比誘電率は、εrであり、前記第1アンテナ素子は、自由空間において波長λ1(mm)となる信号を送信する送信アンテナであり、前記複数の第1ビア導体は、平面視で、前記第1および第2アンテナ素子が並ぶ方向である第1方向と垂直をなす第2方向において、所定ピッチで配置されており、かつ、それぞれ高さh1(mm)を有し、前記第1導体は、前記第1方向において、前記第1ビア導体の中心から前記第1アンテナ素子の側に、長さd1(mm)、突き出ており、(d1×2+h1)/(λ1/√εr)の値が、0.40以上で0.60以下の範囲にある。
【0008】
この態様によると、アイソレーション構造部によるアイソレーションの改善効果が大きくなる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によると、アンテナ装置において、アイソレーション構造部によりアイソレーションを効果的に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す斜視図
【
図2】(a)は
図1のアンテナ装置の平面図、(b)は
図1のアンテナ装置の断面図
【
図4】(a)~(c)は
図3の構成によるシミュレーション結果を示すグラフ
【
図5】アイソレーション構造の他の構成例を示す断面図
【
図6】(a)~(c)は
図5の構成例によるシミュレーション結果を示すグラフ
【
図7】アイソレーション構造の他の構成例を示す断面図
【
図8】(a)~(c)は
図7の構成例によるシミュレーション結果を示すグラフ
【
図9】(a),(b)はビア導体のピッチを変えた場合のシミュレーション結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す斜視図である。
図2(a)は
図1のアンテナ装置の平面図、
図2(b)は
図1のアンテナ装置の断面図である。
【0013】
図1および
図2に示すアンテナ装置は、誘電体基板1と、誘電体基板1の上面(第1面に相当する)に設けられた第1および第2アンテナ素子2,3と、誘電体基板1の下面(第2面に相当する)に設けられた接地導体4と、第1および第2アンテナ素子2,3の間に設けられたアイソレーション構造部10とを備えている。ここでは、第1アンテナ素子2は送信アンテナであり、第2アンテナ素子3は受信アンテナである。アイソレーション構造部10は、誘電体基板1の上面において、第1および第2アンテナ素子2,3の間に設けられた導体11と、誘電体基板1を貫通して導体11と接地導体4とを電気的に接続する、複数のビア導体12とを備える。
【0014】
図1では、第1および第2アンテナ素子2,3が並ぶ方向をX方向とし(第1方向に相当する)、平面視でX方向と垂直をなす方向をY方向とし(第2方向に相当する)、基板面に垂直な方向をZ方向としている。
図2(b)はX方向に沿った、第1および第2アンテナ素子2,3およびビア導体12を通る断面を示している。導体11の平面形状は、Y方向に延びる帯状である。複数のビア導体12は、ここでは円柱形状を有しており、平面視で、Y方向において所定ピッチP1で配置されている。また、アンテナ素子2,3の平面形状は、ほぼ正方形状になっている。ただし、アンテナ素子2,3の平面形状はこれに限られるものではない。
【0015】
アイソレーション構造部10は、アンテナ装置のアイソレーションを改善する機能を有する。すなわち、誘電体基板1を伝播する電波信号に対して、導体11は電気的な屋根の役割を持ち、複数のビア導体12は電気的な壁の役割を持つ。このため、
図2(b)に破線で示すように、誘電体基板1の内部において、第1アンテナ素子2から出力された電波信号に関して、アイソレーション構造部10の奥の壁で反射した信号成分と、アイソレーション構造部10の中へ進入あるいはアイソレーション構造部10を回折しようとする信号成分とが、位相が半波長分ずれていると、互いに打ち消し合う。これによって、アンテナ装置のアイソレーションが改善するものと推定される。
【0016】
図3は本実施形態におけるアイソレーション構造部の構成例を示す断面図である。
図3に示すように、導体11は、X方向において、ビア導体12の中心から第1アンテナ素子2の側に、長さd1(mm)、突き出ているものとする。また、ビア導体12はそれぞれ高さh1(mm)を有するものとする。そして、第1アンテナ素子2は、波長λ1(mm)の信号を送信するものとし、誘導体基板1の比誘電率はε
rであるものとする。このとき、誘電体基板1を伝播する信号の波長(実効波長)λ
εは、λ1/√ε
rである。
【0017】
本願発明者による検討の結果、次のような知見が得られた。すなわち、この場合において、
図3の一点鎖線の長さをLとすると、
L=d1×2+h1
となる。この長さLを実効波長λεで正規化した値、すなわち、
L/λ
ε
=(d1×2+h1)/(λ1/√ε
r)
の値が、0.40以上で0.60以下の範囲にあるとき、アイソレーションの改善効果が大きい。
【0018】
本願発明者は、次のようなシミュレーションモデルを用いた。第1および第2アンテナ素子2,3のアンテナサイズは、送信周波数および誘電体基板1の比誘電率で最適化するものとした。第1および第2アンテナ素子2,3の中心間距離は、送信信号の波長λ1に相当する長さとし、誘電体基板1の厚さは送信信号の波長λ1の0.05倍とした。そして送信周波数として、20GHz、60GHz、80GHzの3パターンについてシミュレーションを行った。なお、誘電体基板1の比誘電率εrは通常、2.0~5.0の範囲であるため、比誘電率εr=3.0とした。
【0019】
図4はシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)は送信周波数20GHz、(b)は送信周波数60GHz、(c)は送信周波数80GHzの場合である。各グラフにおいて、横軸は上述したL/λ
εの値、縦軸はアイソレーション(単位はdB)である。また、横直線C1~C3はアイソレーション構造部10を設けない場合のアイソレーションの値を示している。
【0020】
図4から分かるとおり、送信周波数20GHz、60GHz、80GHzのいずれにおいても、L/λ
εの値が0.50の近傍において、アイソレーションがピークを有している。すなわち、Lの長さが送信信号の実効波長λ
εのほぼ1/2程度の場合に、アイソレーションが最も改善されている。この結果は、上述した推定内容と整合している。そして、L/λ
εの値が0.40~0.60の範囲にあるとき、アイソレーションが大きく改善されている。さらに、L/λ
εの値が0.45~0.55の範囲にあるとき、アイソレーションがより改善されている。なお、誘電体基板1の比誘電率ε
rを2.0または5.0とした場合についてもシミュレーションを行ったが、
図4と同様の特性が得られている。
【0021】
図4のシミュレーション結果から、
図3のアイソレーション構造部10は、L/λ
εの値が0.40以上で0.60以下の範囲にあるとき、アイソレーションの改善効果が大きくなる。このアイソレーションの改善効果は、少なくとも送信周波数が10~100GHzの範囲において、得られるものと考えられる。
【0022】
(他の構成例1)
図5はアイソレーション構造部の他の構成例である。
図5の構成では、第1誘電体基板としての誘電体基板1の上に、第2誘電体基板としての誘電体基板6が設けられている。誘電体基板6の下面(第2面に相当する)は誘電体基板1の上面に接している。そして、アイソレーション構造部20は、第1導体としての導体11および第1ビア導体としてのビア導体12に加えて、誘電体基板6の上面(第1面に相当する)に設けられた第2導体としての導体21と、誘電体基板6を貫通して導体21と導体11とを電気的に接続する、複数の第2ビア導体としてのビア導体22とを備える。なお、図示は省略するが、導体21の平面形状は、導体11と同様に、Y方向に延びる帯状になっている。また、複数のビア導体22は、複数のビア導体12と同様に、円柱形状を有しており、Y方向において所定ピッチP1で配置されている。また、複数のビア導体22は、X方向における配置位置がビア導体12と同じ位置になっている。
【0023】
本願発明者は、
図5の構成についてもシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、導体21は、X方向において、ビア導体12の中心から第1アンテナ素子2の側に、導体11と同じ長さすなわち長さd1(mm)、突き出ているものとした。その他の条件は上述したシミュレーションと同じである。
【0024】
図6はシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)は送信周波数20GHz、(b)は送信周波数60GHz、(c)は送信周波数80GHzである。各グラフにおいて、横軸は上述したL/λ
εの値、縦軸はアイソレーション(単位はdB)である。また、横直線C1~C3はアイソレーション構造部20を設けない場合のアイソレーションの値を示している。
【0025】
図6から分かるとおり、
図4のグラフと同様のシミュレーション結果が得られている。すなわち、送信周波数20GHz、60GHz、80GHzのいずれにおいても、L/λ
εの値が0.50の近傍において、アイソレーションがピークを有している。そして、L/λ
εの値が0.40~0.60の範囲にあるとき、アイソレーションが大きく改善されている。さらに、L/λ
εの値が0.45~0.55の範囲にあるとき、アイソレーションがより改善されている。なお、誘電体基板1の比誘電率ε
rを2.0または5.0とした場合についてもシミュレーションを行ったが、
図6と同様の特性が得られている。
【0026】
図6のシミュレーション結果から、
図5のアイソレーション構造部20は、L/λ
εの値が0.40以上で0.60以下の範囲にあるとき、アイソレーションの改善効果が大きくなる。このアイソレーションの改善効果は、少なくとも送信周波数が10~100GHzの範囲において、得られるものと考えられる。
【0027】
(他の構成例2)
図7はアイソレーション構造部の他の構成例である。
図7のアイソレーション構造部20Aの構成は、
図5のアイソレーション構造部20とほぼ同様である。ただし、アイソレーション構造部20Aでは、ビア導体22は、X方向における配置位置が、ビア導体12と異なる位置になっている。これは、アンテナ装置の製造上、ビア導体12とビア導体22の配置位置は、平面視で所定間隔以上ずれている方が好ましい場合があるためである。
【0028】
また、
図7の構成では、導体21は、X方向において、ビア導体12の中心から第1アンテナ素子2の側に突き出ている長さが、導体11よりも短い。
【0029】
本願発明者は、
図7の構成について、導体21と導体11のX方向における端部位置の差をg1(mm)とし、このg1とアイソレーション改善効果との関係について、シミュレーションを行った。なおここでは、L/λ
εの値は、
図4のシミュレーションでアイソレーションが最も改善されたときの値に設定した。その他の条件は上述したシミュレーションと同じである。
【0030】
図8はシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)は送信周波数20GHz、(b)は送信周波数60GHz、(c)は送信周波数80GHzである。各グラフにおいて、横軸はg1/λ
εの値、縦軸はアイソレーション(単位はdB)である。縦直線G1~G3はg1=0、すなわち、導体21と導体11のX方向における端部位置が同じ場合である。縦直線G1~G3よりも右側は、導体21が、導体11よりも第1アンテナ素子2側に突き出ている範囲である。また、横直線C1~C3はアイソレーション構造部を設けない場合のアイソレーションの値を示している。
【0031】
図8から分かるとおり、いずれの送信周波数においても、導体21が導体11よりも第1アンテナ素子2側に突き出ると、アイソレーション改善の効果が弱まっていることが分かる。言い換えると、導体21の第1アンテナ素子2側への突き出し長さが導体11よりも短いとき、L/λ
εを最適化したことによるアイソレーション改善の効果が保たれているといえる。
【0032】
(ビア導体のピッチ)
また、本願発明者は、ビア導体のピッチとアイソレーション改善効果との関係についてシミュレーションを行った。送信周波数は60GHz、誘電体基板の比誘電率εr=3.0とし、L/λεの値は、上述したシミュレーションでアイソレーションが最も改善されたときの値に設定した。その他の条件は上述したシミュレーションと同じである。
【0033】
図9はシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)は
図3の構成によるもの、(b)は
図5の構成によるものである。各グラフにおいて、横軸はp1/λ
εの値、縦軸はアイソレーション(単位はdB)である。横直線C2はアイソレーション構造部10,20を設けない場合のアイソレーションの値を示している。
【0034】
図9から分かるように、p1/λ
εの値が0.1以下のとき、アイソレーション構造部10,20によるアイソレーション改善の効果が十分に得られている。すなわち、ビア導体12,22のY方向におけるピッチp1は、誘電体基板1,6を伝播する電波の波長λ
ε(=λ1/√ε
r)の0.1倍以下であればよいといえる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本開示では、アイソレーション構造部によるアイソレーションの改善効果が大きくなるので、例えば、アンテナ装置の性能向上に有用である。
【符号の説明】
【0036】
1 誘電体基板(第1誘電体基板)
2 第1アンテナ素子
3 第2アンテナ素子
4 接地導体
6 誘電体基板(第2誘電体基板)
10 アイソレーション構造部
11 導体(第1導体)
12 ビア導体(第1ビア導体)
20,20A アイソレーション構造部
21 導体(第2導体)
22 ビア導体(第2ビア導体)