(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】広告評価システム、広告評価方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220413BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
(21)【出願番号】P 2021200045
(22)【出願日】2021-12-09
【審査請求日】2021-12-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515239711
【氏名又は名称】BHI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】日昔 靖裕
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004050(JP,A)
【文献】特開2003-016335(JP,A)
【文献】特開2009-289183(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0172540(US,A1)
【文献】特開2020-181580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0105508(US,A1)
【文献】特許第6954707(JP,B1)
【文献】特表2019-501475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画のジャンルを特定する情報を含む掲載情報を取得する掲載情報取得部と、
前記動画配信サービスからユーザを宛先とした第1の電子メールであって、前記動画配信サービスから前記ユーザに対してお勧めされる動画が含まれる前記第1の電子メール、及び商品の販売者から前記ユーザを宛先とした第2の電子メールを取得する電子メール取得部と、
前記第2の電子メールを解析して前記商品を含む取引データを抽出する取引データ抽出部と、
複数の前記ユーザのそれぞれについて、前記第1の電子メールに含まれている前記動画に基づいて前記ユーザが視聴した前記動画の前記ジャンルを推定する視聴履歴取得部と、
前記掲載情報により特定される
前記ジャンル
の前記動画を視聴した
と推定された前記ユーザに対応する前記取引データに、前記広告対象商品が含まれているか否かに応じて、前記広告の効果を評価する広告評価部と、
を備えることを特徴とする広告評価システム。
【請求項2】
請求項1記載の広告評価システムであって、
前記取引データには前記商品の購入日が含まれ、
前記広告評価部は、前記取引データのうち、前記購入日が、視聴日から所定期間内であるものに前記広告対象商品が含まれるか否かに応じて、前記広告の効果を評価すること、
を特徴とする広告評価システム。
【請求項3】
広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画のジャンルを特定する情報を含む掲載情報を取得するステップと、
前記動画配信サービスからユーザを宛先とした第1の電子メールであって、前記動画配信サービスから前記ユーザに対してお勧めされる動画が含まれる前記第1の電子メール、及び商品の販売者から前記ユーザを宛先とした第2の電子メールを取得するステップと、
前記第2の電子メールを解析して前記商品を含む取引データを抽出するステップと、
複数の前記ユーザのそれぞれについて、前記第1の電子メールに含まれている前記動画に基づいて前記ユーザが視聴した前記動画の前記ジャンルを推定するステップと、
前記掲載情報により特定される
前記ジャンル
の前記動画を視聴した
と推定された前記ユーザに対応する前記取引データに、前記広告対象商品が含まれているか否かに応じて、前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする広告評価方法。
【請求項4】
広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画
のジャンルを特定する情報を含む掲載情報を取得するステップと、
前記動画配信サービスからユーザを宛先とした第1の電子メールであって、前記動画配信サービスから前記ユーザに対してお勧めされる動画が含まれる前記第1の電子メール、及び商品の販売者から前記ユーザを宛先とした第2の電子メールを取得するステップと、
前記第2の電子メールを解析して前記商品を含む取引データを抽出するステップと、
複数の前記ユーザのそれぞれについて、前記第1の電子メールに含まれている前記動画に基づいて前記ユーザが視聴した前記動画の前記ジャンルを推定するステップと、
前記掲載情報により特定される
前記ジャンル
前記動画を視聴した
と推定された前記ユーザに対応する前記取引データに、前記広告対象商品が含まれているか否かに応じて、前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告評価システム、広告評価方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバージョンレポートを提供することで広告の効果を検証することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンバージョンを測定することは難しい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、広告を評価することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、広告評価システムであって、広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画を特定する情報を含む掲載情報を取得する掲載情報取得部と、ユーザによる前記動画配信サービスの視聴履歴を取得する視聴履歴取得部と、前記ユーザを宛先とした電子メールを取得する電子メール取得部と、前記電子メールを解析して購入商品を含む取引データを抽出する取引データ抽出部と、前記掲載情報により特定される前記動画を視聴した前記ユーザに対応する前記取引データに、前記広告対象商品が含まれているか否かに応じて、前記広告の効果を評価する広告評価部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広告を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る広告評価システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の広告評価システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画を特定する情報を含む掲載情報を取得する掲載情報取得部と、
ユーザによる前記動画配信サービスの視聴履歴を取得する視聴履歴取得部と、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得する電子メール取得部と、
前記電子メールを解析して購入商品を含む取引データを抽出する取引データ抽出部と、
前記掲載情報により特定される前記動画を視聴した前記ユーザに対応する前記取引データに、前記広告対象商品が含まれているか否かに応じて、前記広告の効果を評価する広告評価部と、
を備えることを特徴とする広告評価システム。
[項目2]
項目1に記載の広告評価システムであって、
前記広告評価部は、前記動画ごとに、前記広告対象商品が前記取引データに含まれているか否かに応じて前記広告の効果を評価すること、
を特徴とする広告評価システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の広告評価システムであって、
前記取引データには前記商品の購入日が含まれ、
前記広告評価部は、前記取引データのうち、前記購入日が、前記視聴履歴の視聴日から所定期間内であるものに前記広告対象商品が含まれるか否かに応じて、前記広告の効果を評価すること、
を特徴とする広告評価システム。
[項目4]
広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画を特定する情報を含む掲載情報を取得するステップと、
ユーザによる前記動画配信サービスの視聴履歴を取得するステップと、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得するステップと、
前記電子メールを解析して購入商品を含む取引データを抽出するステップと、
前記掲載情報により特定される前記動画を視聴した前記ユーザに対応する前記取引データに、前記広告対象商品が含まれているか否かに応じて、前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする広告評価方法。
[項目4]
広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画を特定する情報を含む掲載情報を取得するステップと、
ユーザによる前記動画配信サービスの視聴履歴を取得するステップと、
前記ユーザを宛先とした電子メールを取得するステップと、
前記電子メールを解析して購入商品を含む取引データを抽出するステップと、
前記掲載情報により特定される前記動画を視聴した前記ユーザに対応する前記取引データに、前記広告対象商品が含まれているか否かに応じて、前記広告の効果を評価するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る広告評価システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の広告評価システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1、電子メールサーバ3、及び動画配信サーバ4と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
動画配信サーバ4は、動画を配信する動画配信サービスを提供するコンピュータである。動画配信サーバ4は、複数台のコンピュータにより実現されていてもよい。動画配信サービスは、いわゆるオンデマンドでの配信であってもよいし、放送時刻をしていしたリニア配信であってもよい。リニア配信の場合に、動画は「番組」とも呼ばれる。
【0013】
電子メールサーバ3は、電子メールを管理するコンピュータである。電子メールサーバ3は、いわゆるMRA(Mail Retrieval Agent)であり、メールボックスを備え、例えば、IMAPやPOPなどのプロトコルによりメールボックスに配送されている電子メールを提供することができる。
【0014】
ユーザ端末1は、動画配信サービスによる動画を閲覧するユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末1はまた、例えば、Webブラウザの機能を備え、ユーザはユーザ端末1においてWebブラウザを操作することにより、オンラインショッピングにより商品を購入することもできる。また、ユーザ端末1は、通信ネットワークに接続されるテレビ受像機、いわゆるコネクテッドTVであってもよい。
【0015】
管理サーバ2は、広告の評価を行うコンピュータである。本実施形態の広告評価システムでは、動画配信サーバ4が配信している動画に含めて配信した広告を評価しようとするものであり、管理サーバ2は、ユーザがどの広告を視聴したかを特定し、当該ユーザが当該広告の対象としていた商品(サービスを含む。以下同じ。)を購入したか否かを判定し、広告対象の商品が購入されたか否かに応じて、広告の効果を評価するようにしている。
【0016】
ユーザはユーザ端末1を操作して動画配信サーバ4が配信する動画を視聴することができる。管理サーバ2は、動画配信サーバ4にアクセスしてユーザによる動画の視聴履歴を取得することができる。動画の視聴履歴は、例えば、動画配信サーバ4が提供するAPIをい呼び出して取得するようにしてもよいし、ユーザが視聴履歴を確認するWebページから、スクレイピング等の処理により抽出するようにしてもよい。管理サーバ2は、広告の提供された動画を特定するための情報(以下、掲載情報という。)を取得して、ユーザの視聴履歴と突合させることにより、ユーザがどの広告を視聴したかを特定することができる。
【0017】
管理サーバ2はユーザの電子メールを取得して、例えば、ユーザが商品を購入した場合に店舗から送信される場合などの電子メールから商取引に関する情報(以下、取引データという。)を抽出することができる。
【0018】
管理サーバ2は、動画配信サーバ4から配信された動画に提供された広告のうち、ユーザにより閲覧されたものについて、広告対象の商品が当該ユーザにより購入されたか否かを判定することができる。また、管理サーバ2は、広告された商品が、その広告を視聴したユーザにより購入されたか否かにより、広告の効果を評価することが可能となる。
【0019】
<管理サーバ2>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0020】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、視聴履歴取得部211、電子メール取得部212、取引データ抽出部213、掲載情報取得部214、広告評価部215、視聴履歴記憶部230、広告記憶部231、掲載情報記憶部232、ユーザ情報記憶部233、評価情報記憶部234、取引データ記憶部235、を備える。
【0021】
視聴履歴記憶部230は、動画配信サービスにおいてユーザが視聴した動画に関する情報(視聴履歴)を記憶する。視聴履歴には、ユーザを特定するユーザID、ユーザが動画を視聴した日時、及び視聴した動画を示す動画IDが含まれ得る。
【0022】
広告記憶部231は、広告に関する情報(以下、広告情報という。)を記憶する。広告情報には、広告を特定する広告IDに対応付けて、当隊広告に関連する商品(サービスを含む。以下同じ。)を含めることができる。また、広告情報には、広告の掲載期間を含めることができる。
【0023】
掲載情報記憶部232は、広告の掲載に関する情報(以下、掲載情報という。)を記憶する。掲載情報には、広告を特定する広告ID、当該広告に関連する商品、当該広告を当該メディアに掲載した日時(掲載日時あるいは配信日時)、及び当該広告を提供した動画を特定する情報(動画ID)を含めることができる。なお、掲載日時は、時間情報を含めずに掲載日(あるいは配信日)としてもよい。また、商品を含めずに、広告IDから特定される広告情報の商品を取得するようにしてもよい。
【0024】
ユーザ情報記憶部233は、ユーザに関する情報(以下、ユーザ情報という。)を記憶する。ユーザ情報には、例えば、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザの属性とを含めることができる。ユーザの属性には、住所や性別、年齢、趣味、好きな商品、好きな商品のジャンルなど任意の属性を含めることができる。ジャンルは、例えば、商品のカテゴリとしてもよいし、ターゲティング広告に用いられる興味対象としてもよい。
【0025】
評価情報記憶部234は、広告の評価に関する情報(以下、評価情報という。)を記憶する。評価情報には、広告を特定する広告IDと、当該広告に関する商品を購入したユーザの数と、商品の購入金額とを含めることができる。
【0026】
取引データ記憶部235は、商取引に関する情報(以下、取引データという。)を記憶する。取引データには、取引を行ったユーザを示すユーザID、取引日(日時であってもよい。)、商品の提供管理者及び提供者、商品に対する支払金額、商品の送料、利用されたクーポン、利用されたポイント、取引金額、決済手段、商品の名称(商品名)などが含まれうる。提供者は商品の販売者とすることができ、提供管理者は、商品の販売者を管理する管理者とすることができる。例えば、提供者は、商品を販売する店舗とし、提供管理者は、店舗が所属するECサイトとすることができる。取引金額は、支払金額に送料を加算し、ポイントや手数料その他に応じた加算減算を行った後の最終金額であり、決済の対象となる決済金額となる。決済手段は、クレジットカードやポイント、プリペイドカード、QRコード(登録商標)決済など、各種の決済手段のうちどの決済手段により決済されたかを示す。
【0027】
視聴履歴取得部211は、動画配信サーバ4からユーザによる動画の視聴履歴を取得する。視聴履歴取得部211は、例えば、動画配信サーバ4が提供するAPIにユーザIDを与えて呼び出すことにより、当該ユーザによる動画の視聴履歴を取得することができる。また、視聴履歴取得部211は、例えば、ユーザの認証情報(ユーザID及びパスワード等)を予め受け付けておき(認証情報をメモリ202や記憶装置203に格納しておいてもよい。)、当該認証情報を用いて動画配信サーバ4にログインし、ユーザの視聴履歴を含むWebページを取得して、Webページから視聴履歴を抽出(スクレイピング)するようにしてもよい。
【0028】
電子メール取得部212は、ユーザ宛ての電子メールデータを取得する。電子メール取得部212は、電子メールサーバ3にアクセスして、POP(Post Office Protocol)、IMAP(Internet Message Access Protocol)などのプロトコルに従って、ユーザのメールボックスから電子メールデータを取得することができる。管理サーバ2は、アクセスするメールサーバをユーザIDに対応付けて管理するメールサーバ記憶部を備えるようにし、電子メール取得部212は、メールサーバ記憶部に登録されている全てのメールサーバにアクセスして、電子メールデータを収集するようにすることもできる。
【0029】
取引データ抽出部213は、電子メールデータを解析して取引データを抽出する。電子メールデータのうち、商取引に関連するものには、取引に関連する情報(取引データ)が含まれている。取引データ抽出部213は、事前に設定されたルールに従って電子メールデータから取引データを抽出することができる。本実施形態では、商取引は商品の購入を想定するが、商品の予約、サービスを受けること、ホテルの予約などのサービスの予約などであってもよい。管理サーバ2は、例えば、送信元(店舗等)の電子メールアドレスのパターンに対応付けてルールを記憶するルール記憶部を備えるようにすることもできる。取引データ抽出部213は、電子メールデータに含まれている送信元のアドレスがマッチするアドレスパターンに対応するルールをこのルール記憶部から読み出して、読み出したルールに基づいて電子メールデータから取引データを抽出することもできる。また、取引データ抽出部213は、ルール記憶部に記憶されている全てのルールを適用して、取引データの抽出に成功したものを使用するようにしてもよく、この場合には、成功したルールに対応する店舗等を特定することができる。
【0030】
掲載情報取得部214は、提供された広告に関する情報(掲載情報)を取得する。掲載情報取得部214は、例えば、広告主や広告代理店、広告配信者などから掲載情報を取得することができる。広告には、交通機関において配信された広告、例えば、タクシーや電車、航空機などの車内広告が含まれうる。本実施形態において掲載情報取得部214は、交通機関において配信された広告に関する掲載情報を取得することができる。掲載情報取得部214は、取得した掲載情報を掲載情報記憶部232に登録することができる。
【0031】
広告評価部215は、広告効果を評価する。広告評価部215は、広告対象の商品が取引データに含まれているか否か(すなわち、広告対象の商品を、広告を視聴したユーザが購入したか否か)に応じて、広告の効果を評価することができる。また、広告評価部215は、例えば、特定の広告を閲覧したユーザのうち、当該広告の対象商品を購入した数や割合に応じて広告の効果を評価するようにしてもよい。
【0032】
広告評価部215は、例えば、ある広告情報について、視聴履歴のうち、日時が広告情報の掲載期間に含まれ、かつ、動画IDが広告IDに対応する掲載情報の動画IDに一致するものを特定し、特定した視聴履歴のユーザIDをカウントして広告の視聴人数を算出するとともに、特定した視聴履歴のユーザIDに対応する取引データのうち、広告情報の商品に対応するものに含まれるユーザIDの数をカウントして、当該商品を購入したユーザの数を求め、広告を視聴したユーザのうち、広告対象の商品を購入した割合を算出し、当該割合に応じて広告効果を評価することができる。
【0033】
広告評価部215はまた、視聴してから所与の期間内に広告対象商品を購入したユーザ数をカウントするようにしてもよい。例えば、広告評価部215は、上記特定した視聴履歴のユーザIDに対応する取引データのうち、視聴履歴の日時から所与の期間(例えば、1日や1週間等任意に設定することができる。)以内の取引日であり、かつ、広告情報の商品に対応するものに含まれるユーザIDの数をカウントすることができる。
【0034】
<動作>
図4は、本実施形態の広告評価システムの動作を説明する図である。
【0035】
管理サーバ2は、動画配信サーバ4からユーザによる動画の視聴履歴を取得し(S301)、広告の掲載情報を取得し(S302)、ユーザの電子メールを解析して商品の購入に関する取引データを取得する(S303)。
【0036】
管理サーバ2は、特定の広告情報について、掲載情報と視聴履歴とを突合させ、広告を視聴したユーザの数(視聴ユーザ数)をカウントする(S304)。例えば、管理サーバ2は、広告情報の指定を受け付けて、指定された広告情報の広告IDに対応する掲載情報を掲載情報記憶部232から特定し、特定した掲載情報の動画IDを含む視聴履歴を視聴履歴記憶部230から特定し、特定した視聴履歴に含まれているユーザIDの数(重複なしとしてもよい。)をカウントすることができる。
【0037】
管理サーバ2はまた、広告情報を視聴したユーザのうち、広告の対象商品を購入したユーザの数(購入ユーザ数)をカウントする(S305)。例えば、管理サーバ2は、上記特定した視聴履歴に含まれるユーザIDに対応する取引データのうち、上記指定された広告情報に含まれる商品に対応するもの(例えば、商品名が一致するもの)を特定し、特定した取引データに含まれるユーザIDの数(重複なしとしてもよい。)をカウントすることができる。
【0038】
管理サーバ2は、視聴ユーザ数に対する購入ユーザ数の割合を算出して、当該割合に応じて広告の効果を評価することができる(S306)。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る広告評価システムによれば、動画配信サービスに提供された広告の効果を、商取引に用いられる電子メールを解析することにより容易に測定することができる。
【0040】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、ユーザによる視聴履歴は動画配信サーバ4から取得するものとしたが、動画配信サービスに関して送信される電子メールから推測するようにしてもよい。
【0041】
視聴履歴取得部211は、例えば、ユーザの興味対象であるジャンル等の動画のグループを特定して、当該グループの動画を視聴したものと推測することができる。また、掲載情報には、広告を出稿した動画のグループ(ジャンル等)を含めるようにし、広告評価部215は、広告情報に対応する掲載情報のグループを含む視聴履歴のうち、特定したグループを含むものを特定するようにすることができる。例えば、全ユーザのうち動画を閲覧する標準的な確率を設定しておき、広告評価部215は、この確率をカウントしたユーザ数(視聴ユーザ数)に乗じて補正するようにしてもよい。
【0042】
==登録メール・ウェルカムメール==
例えば、動画配信サービスに登録したときには、登録メールやウェルカムメールなどとして、動画配信サービスに登録された旨を連絡する電子メールが送信されることがある。登録メールやウェルカムメールには、ユーザの興味対象となる動画又は動画のジャンルなどが含まれ得る。この場合、視聴履歴取得部211は、登録メールやウェルカムメールに含まれるジャンルを取得することができる。
【0043】
また、登録メールやウェルカムメールにお勧めの動画が含まれている場合には、視聴履歴取得部211は、ユーザがお勧めの動画を視聴する標準的な確率(メールのCTRを用いてもよい。)を予め設定しておき、この確率を用いて、当該ユーザがお勧めされた動画を視聴したか否かを推測し、視聴したと推測した場合には、当該動画を示す動画IDを含む視聴履歴を作成するようにすることもできる。なお、視聴履歴記憶部230とは別に、推測した視聴履歴を格納する推測視聴履歴記憶部を視聴履歴記憶部230とは別に設け、視聴履歴記憶部230及び推測視聴履歴記憶部から視聴履歴を検索するようにしてもよい。
【0044】
==コネクテッドTVの登録時==
また、例えば、ユーザがコネクテッドTVを登録した時に、例えば、コネクテッドTVと連携するアプリをユーザ端末1にインストールした時には、アプリがダウンロードされたことを示す電子メールがユーザに届くことがある。このような電子メールにおいても、ユーザの興味対象となるジャンル等のグループが含まれることがある。この場合、視聴履歴取得部211は、当該電子メールに含まれる当該グループの動画を視聴したものと推測することができる。また、掲載情報には、広告を出稿した動画のグループ(ジャンル等)を含めるようにし、広告評価部215は、広告情報に対応する掲載情報のグループを含む視聴履歴のうち、特定したグループを含むものを特定するようにすることができる。例えば、全ユーザのうち動画を閲覧する標準的な確率を設定しておき、広告評価部215は、この確率をカウントした視聴ユーザ数に乗じて補正するようにしてもよい。視聴履歴取得部211は、推測したグループ(ユーザが視聴したであろう動画が属するジャンル等)を記憶する推測視聴履歴記憶部を視聴履歴記憶部230とは別に設け、視聴履歴記憶部230及び推測視聴履歴記憶部から視聴履歴を検索するようにしてもよい。
【0045】
==プロモーションメール(継続維持メール・メールマガジン)==
動画配信サービスでは、プロモーションのためにユーザに送信する電子メール(プロモーションメール)には、ユーザが視聴した視聴履歴が含まれていることがある。この場合、視聴履歴取得部211は、プロモーションメールを解析して、電子メールに含まれている視聴履歴を取得するようにすることができる。
【0046】
また、動画配信サービスからのプロモーションメールには、ユーザが視聴を途中でやめた動画が含まれていることがある。この場合、視聴履歴取得部211は、プロモーションメールを解析して、電子メールに含まれている途中で視聴をやめた動画を抽出し、当該動画を含む視聴履歴を作成して視聴履歴記憶部230に登録することができる。
【0047】
また、動画配信サービスからのプロモーションメールには、ユーザに対するお勧めの動画が含まれることがある。この場合に、視聴履歴取得部211は、お勧めされた動画に基づいて、ユーザが視聴した動画を推測することができる。この場合、例えば、動画に関連する属性(ジャンル、出演者、長さ、配信時間帯等)を特徴量とし、視聴した動画を教師データとして機械学習により学習モデルを作成し、当該学習モデルに、プロモーションメールから抽出したお勧めの動画の属性を与えることにより、ユーザが視聴した動画を推測することができる。また、あるい動画に類似する動画を管理する類似動画記憶部を設けるようにし、この類似動画記憶部から視聴したデータを推定するようにしてもよい。視聴履歴取得部211は、推測した動画を示す動画IDを含む視聴履歴を視聴履歴記憶部230に登録してもよいし、推測した視聴履歴を記憶する推測視聴履歴記憶部を視聴履歴記憶部230とは別に設け、視聴履歴記憶部230及び推測視聴履歴記憶部から視聴履歴を検索するようにしてもよい。
【0048】
また、視聴履歴取得部211は、例えば、プロモーションメールに含まれるお勧めされた動画が共通して所属するジャンル等のグループを特定し、当該グループに係る動画を視聴したことを推測することができる。この場合、上述した登録メールやウェルカムメールと同様に、推測したグループに含まれる動画に対応する視聴履歴を検索して、掲載情報と突合させ、視聴ユーザ数や購入ユーザ数をカウントするようにすることができる。
【0049】
<第3実施形態>
また、管理サーバ2は、広告配信者及び動画配信者と連携して、ユーザがクーポン等の広告を取得したことを把握することができる。
【0050】
例えば、動画配信サービスで配信された広告の中で又は広告の直後に、特定のクーポン(広告)の発行ページに誘導することができる。例えば、クーポンの配布サイトへのリンクを符号化したQRコード(登録商標)を広告の中又は後に表示するようにし、当該配布サイトにアクセスしたユーザ端末1に対してクーポンを発行することができる。配布サイトは、例えば、管理サーバ2がWebサーバとして機能することで実現するようにしてもよいし、管理サーバ2とは別のWebサーバで実現するようにしてもよい。配布サイトでは、クーポンの発行には、ユーザの電子メールアドレスが登録されている必要があるという制限事項を設け、ユーザの電子メールのアドレスを登録させ、登録された電子メールにクーポンを送信するようにすることができる。管理サーバ2は、電子メールを解析することにより、ユーザに対してクーポンが発行されたことを検出することができる。クーポンが含まれる電子メールを受信したユーザが広告を視聴したユーザとなるため、視聴ユーザ数を容易に算出することができる。
【0051】
なお、動画配信以外で、例えば、立て看板やポスター等の、現実世界に物理的にQRコード(登録商標)を設定した広告を配布する場合であっても、クーポンの配布サイトにアクセスしたユーザの数を視聴ユーザ数として用いることができる。この場合には、現実世界で看板等の広告を掲示した場所を特定することができる。したがって、広告評価部215は、特定に場所に関連するユーザ(すなわち、特定の場所のQRコード(登録商標)から配布サイトにアクセスしたユーザ)について広告対象の商品を購入した割合を計算することができる。
【0052】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0053】
例えば、本実施形態では、掲載情報は管理サーバ2が記憶するものとしたが、これに限らず、例えば、広告配信サーバが管理し、管理サーバ2は広告配信サーバが管理する当該掲載情報にアクセスするようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、動画配信サーバ4が提供するAPI又はスクレイピングにより、ユーザの視聴履歴を取得するものとしたが、これに限らず、ユーザ端末1で動画配信サーバ4からダウンロードした視聴履歴を管理サーバ2にアップロードするようにすることもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 電子メールサーバ
4 動画配信サーバ
【要約】
【課題】広告を評価することができるようにする。
【解決手段】広告評価システムであって、広告対象商品の広告の配信対象となった動画配信サービスの動画を特定する情報を含む掲載情報を取得する掲載情報取得部と、ユーザによる動画配信サービスの視聴履歴を取得する視聴履歴取得部と、ユーザを宛先とした電子メールを取得する電子メール取得部と、電子メールを解析して購入商品を含む取引データを抽出する取引データ抽出部と、掲載情報により特定される動画を視聴したユーザに対応する取引データに、広告対象商品が含まれているか否かに応じて、広告の効果を評価する広告評価部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1