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特許7057617パーティション組み立てキットおよびパーティション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】パーティション組み立てキットおよびパーティション
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
E04B2/74 561J
E04B2/74 561H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020137872
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034195
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2020-08-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 頒布日:令和2年7月21日 刊行物:パーティション組み立てキットの商品案内 公開者:有限会社勝倉樹脂工業 説明日:令和2年8月12日 場 所:江戸川区役所 健康部 医療保険課(東京都江戸川区中央1丁目4-1) 公開者:有限会社勝倉樹脂工業
(73)【特許権者】
【識別番号】520312935
【氏名又は名称】有限会社勝倉樹脂工業
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】早丸 敦
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-045725(JP,A)
【文献】特開平08-109689(JP,A)
【文献】特開2016-089396(JP,A)
【文献】特開2006-316499(JP,A)
【文献】加藤金型@フィルムラップパーティション販売中 @kato_kanagata わかりやすい、動画できました みてください,Twitter [online] [video],2020年08月08日,インターネット<https://twitter.com/kato_kanagata/status/1292096906139561984>,[2021年10月29日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部を備えた基礎部と、
前記基礎部に取り付け可能な枠部とを備え、
前記枠部は、一対の柱部材と、前記一対の柱部材間に配置される上側桟部材と中間桟部材とを有し、
前記一対の柱部材は前記基礎部にそれぞれ挿し込まれ、
前記上側桟部材は一対の上側連結部材によって前記一対の柱部材の上端部に連結され、
前記中間桟部材は一対の中間連結部材によって前記一対の柱部材の中間部に連結され、
前記枠部には、ウエブ状仕切り部材が取り付けられることを特徴とするパーティション組み立てキット。
【請求項2】
前記一対の柱部材は、それぞれ上側柱部分と下側柱部分とを有し、
前記上側柱部分と下側柱部分とは、前記中間連結部材によって連結されていることを特徴とする請求項に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項3】
前記中間桟部材と前記上側柱部分と前記下側柱部分とは、同一の形状且つ同一のサイズを有する部材であることを特徴とする請求項に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項4】
前記上側桟部材は、前記一対の上側連結部材によって回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項5】
前記ウエブ状仕切り部材は、前記載置部に載置されたラップフィルムのロールから前記上側桟部材まで巻き出された前記ラップフィルムであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項6】
前記上側桟部材まで巻き出された前記ラップフィルムの端部は、前記上側桟部材に巻き付き固定されることを特徴とする請求項に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項7】
前記枠部に設置された前記ラップフィルムの両側と前記一対の柱部材とのそれぞれの隙間を塞ぐために取り付け可能な部材を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項8】
前記基礎部は、連結される一対の基礎部分からなり、
前記一対の基礎部分はそれぞれ、前記一対の柱部材のそれぞれが挿し込まれる差し込み部と、相互に連結されることにより前記載置部が組み立てられる平面部とを有することを特徴とする請求項から7の何れか一項に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項9】
前記一対の基礎部分はそれぞれ、回転させて前記各基礎部分から突出させることにより、組み立てられた前記パーティション組み立てキットの転倒を防止する転倒防止部材を備えていることを特徴とする請求項8に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項10】
前記一対の基礎部分はそれぞれ、前記載置部に載置された前記ラップフィルムのロールの上方への移動を規制するための第1のストッパと、前記載置部に載置された前記ラップフィルムのロールの前後方向への移動を規制するための第2のストッパとを有することを特徴とする請求項8または9に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項11】
所定の連結部材を用いて複数が連結可能であることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載のパーティション組み立てキット。
【請求項12】
載置部を備えた基礎部と、
前記基礎部に取り付けられた枠部とを備え、
前記枠部は、前記基礎部にそれぞれ挿し込まれた一対の柱部材と、前記一対の柱部材の上端部に連結された上側桟部材と、前記一対の柱部材の中間部に連結された中間桟部材とを有し、
前記枠部には、ウエブ状仕切り部材が取り付けられることを特徴とするパーティション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーティション組み立てキットおよびパーティションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床面に設置し、室内空間を区切るための様々なパーティションが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1には、枠体に布製の間仕切り袋を被せて構成され、軽量且つ比較的簡易な構造で、レイアウト変更時等の移動や収納が容易なパーティションが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-316499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、ウイルス等の飛沫感染の予防対策の1つとして、人と人との間にアクリル板等を用いたパーティションが設置されている。例えば学校等の机、飲食店のカウンター或いはテーブル、役所等の受付窓口等にこのようなパーティションを設置し、隣り合う人同士または対面する人同士におけるウイルス等の飛沫感染リスクを低減している。
特許文献1のパーティションは軽量な構造ではあるが、床に設置することを前提としており、カウンターや机の上に置くことはできない。また、学校やオフィスでのウイルス等の飛沫感染予防を考えるとき、同じ室内においても、授業や会議の形態によって机に着席する人数や形態は様々であるため、パーティションも都度位置を変更する必要がある。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ウイルス等の飛沫感染予防対策に用いることができ、携行性に優れ、所望の設置場所に容易に設置可能なパーティション組み立てキットおよびパーティションを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るパーティション組み立てキットは、
載置部を備えた基礎部と、
前記基礎部に取り付け可能な枠部とを備え、
前記枠部は、一対の柱部材と、前記一対の柱部材間に配置される上側桟部材と中間桟部材とを有し、
前記一対の柱部材は前記基礎部にそれぞれ挿し込まれ、
前記上側桟部材は一対の上側連結部材によって前記一対の柱部材の上端部に連結され、
前記中間桟部材は一対の中間連結部材によって前記一対の柱部材の中間部に連結され、
前記枠部には、ウエブ状仕切り部材が取り付けられることを特徴とする。
また、本発明に係るパーティションは、
載置部を備えた基礎部と、
前記基礎部に取り付けられた枠部とを備え、
前記枠部は、前記基礎部にそれぞれ挿し込まれた一対の柱部材と、前記一対の柱部材の上端部に連結された上側桟部材と、前記一対の柱部材の中間部に連結された中間桟部材とを有し、
前記枠部には、ウエブ状仕切り部材が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ウイルス等の飛沫感染予防対策に用いることができ、携行性に優れ、所望の設置場所に容易に設置可能なパーティション組み立てキットおよびパーティションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るパーティション組み立てキットを組み立てた状態の外観図である。
図2】第1実施形態に係るパーテイション組み立てキットの分解図である。
図3】基礎部の平面図である。
図4】中間連結部材近傍の拡大図である。
図5】上側連結部材の拡大図である。
図6】組み立てられたパーテイション組み立てキットの枠部への仕切り材の設置方法を示す図であり、図6(a)は載置部に食品用ラップフィルムのロールが収容されている箱が載置された状態を示し、図6(b)は食品用ラップフィルムを箱から引き出している状態を示し、図6(c)は食品用ラップフィルムを上側桟部材に巻き付けている状態を示し、図6(d)は仕切り材の設置が完了した状態を示している。
図7】第1実施形態の変形例に係るパーティション組み立てキットを組み立てた状態の外観図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るパーティション組み立てキットを組み立てた状態の外観図である。
図9】組み立てられた第1実施形態に係るパーティション組み立てキットと組み立てられた第2実施形態に係るパーティション組み立てキットとを連結した状態を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るパーティション組み立てキットを、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパーティション組み立てキットを組み立てた状態の外観図である。
図2は、第1実施形態に係るパーティション組み立てキットの分解図である。
図3は、基礎部の平面図である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係るパーティション組み立てキット1は、左右方向に所定の長さを有する基礎部3と、基礎部3に取り付けられた枠部5とを備えている。本実施形態に係るパーティション組み立てキット1は、基礎部3も枠部5も合成樹脂で形成されている。なお、以下の説明においては「パーティション組み立てキット1」を単に「パーティション1」ともいう。後述する変形例および第2実施形態においても同様とする。
【0011】
基礎部3は、図2および図3に示すように、右側基礎部分7Rと左側基礎部分7Lとが連結されて構成されている。右側基礎部分7Rと左側基礎部分7Lとは、対を成している。右側基礎部分7Rは、後述する枠部5の右側柱部21Rを支持する右側支持部9Rと、右側支持部9Rの下部から左方に向けて突出する略長方形の平面部11Rとを備えている。右側支持部9Rは、左側面13Rが平面部11Rと同じ幅を有する垂直な平面をなし、左側面13Rと平面部11Rとは直角をなして連続している。右側支持部9Rの底部には、長方形の板部材15Rが水平方向に回転可能に取り付けられている。板部材15Rは略90°回転させることにより右側支持部9Rの前方に突出させることができる。また、図1、2には示していないが、右側支持部9Rの底部には、板部材15Rと対を成し、略90°回転させることにより右側支持部9Rの後方に突出させることができる板部材が取り付けられている。これにより組み立てられたパーティション1の転倒が防止され、組み立てられたパーティション1を安定して設置することができる。平面部11Rの左方側先端部には、左方に向けて突出する突出部17Rと、右方に向けて凹んだ凹部19Rとが形成されている。
【0012】
左側基礎部分7Lは、右側基礎部分7Rと同じ構成を有し、右側基礎部分7Rとは左右の向きが反対に配置される。したがって左側基礎部分7Lは、後述する枠部5の左側柱部21Lを支持する左側支持部9Lと、左側支持部9Lの下部から右方に向けて突出する略長方形の平面部11Lと、転倒防止用の板部材15Lと、を備え、左側支持部9Lの右側面13Lが平面部11Lと同じ幅を有する垂直な平面をなし、平面部11Lの右方側先端部には、右方に向けて突出する突出部17Lと、左方に向けて凹んだ凹部19Lとが形成されている。
【0013】
右側基礎部分7Rの平面部11Rの突出部17Rおよび凹部19Rが、それぞれ左側基礎部分7Lの平面部11Lの凹部19Lおよび突出部17Rと係合することにより、右側基礎部分7Rと左側基礎部分7Lとが一体に連結され、パーティション1の基礎部3が構成される。なお、右側基礎部分7Rと左側基礎部分7Lとは、連結と分離とが自在となっている。
【0014】
枠部5は、基礎部3の右側支持部9Rに垂直に支持される右側柱部21Rと、基礎部3の左側支持部9Lに垂直に支持される左側柱部21Lと、右側柱部21Rと左側柱部21Lとを連結して配置された上側桟部材23と中間桟部材25とを有している。右側柱部21Rと左側柱部21Lとは対を成している。右側柱部21Rは、右側支持部9Rに取り付けられる下側柱部分27Rと、下側柱部分27Rの上端に連結される上側柱部分29Rとからなる。下側柱部分27Rと上側柱部分29Rとは、中間連結部材31Rを介して連結されている。下側柱部分27Rは、その下端部が右側支持部9Rの頂部に設けられた穴33Rに挿し込まれることにより右側支持部9Rに支持されている。
【0015】
下側柱部分27Rと上側柱部分29Rとは同一形状且つ同一サイズの部材である。下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rは、断面が円形の円柱状部材または断面が十字の棒部材とすることができる。下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rを断面が円形の円柱状部材とするときは、下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rを押し出し成形部材とすることができる。また、下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rを断面が十字の棒部材とするときは、下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rを射出成形部材とすることができる。本実施形態においては、下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rは、断面が十字の棒部材である。
【0016】
中間連結部材31Rは、図2に示すように、上方に向けて突出する突出部34Rと、下方に向けて突出する突出部35Rと、左方に向けて突出する突出部36Rとを有している。図4は、中間連結部材31R近傍の拡大図である。下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rはそれぞれ、図4に示すように、両端部に同様の形状の円筒部38が形成されている。下側柱部分27Rの上端の円筒部38が中間連結部材31Rの下方への突出部35Rに連結され、上側柱部分29Rの下端の円筒部38が中間連結部材31Rの上方への突出部34Rに連結されることにより、下側柱部分27Rと上側柱部分29Rとが連結され、右側柱部21Rが構成される。なお、右側柱部21Rの下側柱部分27Rと中間連結部材31Rと上側柱部分29Rとは、連結と分離とが自在となっている。
【0017】
左側柱部21Lは、右側柱部21Rと同じ構成を有し、右側柱部21Rとは左右の向きが反対に配置される。したがって左側柱部21Lは、左側支持部9Lに取り付けられる下側柱部分27Lと、中間連結部材31Lによって下側柱部分27Lの上端に連結される上側柱部分29Lとからなり、下側柱部分27Lは、その下端部が左側支持部9Lの頂部に設けられた穴33Lに挿し込まれることにより左側支持部9Lに支持されている。また、中間連結部材31Lは、上方、下方および右方に向けてそれぞれ突出している突出部34L、35L、36Lを有している(図2を参照)。なお、左側柱部21Lの下側柱部分27Lと中間連結部材31Lと上側柱部分29Lとは、連結と分離とが自在となっている。
【0018】
右側の中間連結部材31Rと左側の中間連結部材31Lとによって、中間桟部材25が支持されている。中間桟部材25は、右側柱部21Rの下側柱部分27Rおよび上側柱部分29Rと同一形状且つ同一サイズの部材である。すなわち右側柱部21Rの下側柱部分27Rと上側柱部分29R、左側柱部21Lの下側柱部分27Lと上側柱部分29L、および中間桟部材25は、全て同一形状且つ同一サイズの部材である。中間桟部材25は、右側端部の円筒部38が右側の中間連結部材31Rの左方への突出部36Rに連結され、左側端部の円筒部38が左側の中間連結部材31Lの右方への突出部36Lに連結されている。これにより、右側柱部21Rと左側柱部21Lとは、それぞれの中間部分が、中間桟部材25によって連結されている。なお、中間桟部材25と左右の中間連結部材31R、31Lとは、連結と分離とが自在となっている。
【0019】
右側柱部21Rの上側柱部分29Rの上端部には、上側連結部材41Rが連結されている。図5は上側連結部材41Rの拡大図である。上側連結部材41Rは、図2、5に示すように、下方に向けて突出する突出部43Rと、左方に向けて突出する円筒状の突出部45Rとを有する略L字状の部材である。上側連結部材41Rは、下方への突出部43Rが上側柱部分29Rの上端部の円筒部38に連結されている。上側連結部材41Rの左方への突出部45Rの内周側には、中央部にフランジ47Rが形成された円柱状部材49Rが回転可能に係合されている。詳細には、円柱状部材49Rは、フランジ47Rよりも右側の部分が上側連結部材41Rの突出部45Rに係合されている。フランジ47Rの外周部にはローレット加工が施されている。なお、上側連結部材41Rと円柱状部材49Rと上側柱部分29Rとは、連結と分離とが自在となっている。
【0020】
左側柱部21Lの上側柱部分29Lの上端部には、右側柱部21R側と同じ構成の上側連結部材41Lが連結されている。左側柱部21Lの上側連結部材41Lは、右側柱部21Rの上側連結部材41Rとは左右の向きが反対に配置されている。したがって上側連結部材41Lは、図2に示すように、下方に向けて突出する突出部43Lと、右方に向けて突出する円筒状の突出部45Lとを有し、下方への突出部43Lが上側柱部分29Lの上端部の円筒部38に連結されている。また、上側連結部材41Lの右方への突出部45Lの内周側には、中央部にフランジ47Lが形成された円柱状部材49Lが回転可能に係合されている。フランジ47Lの外周部にはローレット加工が施されている。なお、上側連結部材41Lと円柱状部材49Lと上側柱部分29Lは、連結と分離とが自在となっている。
【0021】
右側の上側連結部材41Rと左側の上側連結部材41Lとによって、上側桟部材23が回転可能に支持されている。上側桟部材23は、円筒状の部材である。上側桟部材23は、その右側端部が右側柱部21Rの上側連結部材41Rの円柱状部材49Rに連結されている。詳細には、上側桟部材23の右側端部は、フランジ47Rよりも左側の円柱状部材49Rの部分に連結されている。同様に、上側桟部材23の左側端部は、左側柱部21Lの上側連結部材41Lの円柱状部材49Lの、フランジ47Lよりも右側の部分に連結されている。これにより上側桟部材23は、右側および左側の円柱状部材49R、49Lとともに、右側および左側の上側連結部材41R、41Lに回転可能に支持されている。フランジ47R、47Lは、上側桟部材21を回転させる際の操作部として機能する。
【0022】
本実施形態のパーティション組み立てキット1は、上記に説明したように、基礎部3および枠部5は、それぞれ構成部品同士が連結と分離とが自在にできる構成となっている。また、同一の形状の部品も多く、容易に組み立ておよび分解をすることができる。したがって本実施形態のパーティション組み立てキット1は、分解してコンパクトな状態にして持ち運びができ、且つ所望の場所で容易に組み立てることができる。また、基礎部3も枠部5も合成樹脂で形成されているので軽量であり、組み立てた状態であっても容易に移動させることができる。
【0023】
本実施形態のパーティション1は、枠部5にウエブ状仕切り部材が取り付けられる。本実施形態においては、枠部5に取り付けられるウエブ状仕切り材として、ラップフィルムを用いている。本実施形態において用いるラップフィルムは、箱に入ったロール状のものであって使用する分を箱から引き出すことができるようになっているものが好ましい。また、引き出した分を箱に備えられた刃で切断することができるようになっていても良い。したがって本実施形態のパーティション1は、仕切り材として、一般に市販されている業務用或いは家庭用の箱に収容された食品用ラップフィルムのロールを、箱に入った状態のまま用いることができる。
【0024】
本実施形態のパーティション1は、右側基礎部分7Rの平面部11Rおよび右側支持部9Rの左側面13Rと、左側基礎部分7Lの平面部11Lおよび左側支持部9Lの右側面13Lとが、食品用ラップフィルムのロールが収納された箱が載せ置かれる載置部を形成している。なお、本実施形態においては、載置部は、市販の30センチメートル幅の食品用ラップフィルムのロールが収容された箱に対応する大きさとなっている。右側基礎部分7Rには、右側支持部9Rの左側面13Rと平面部11Rとの連続部の前方側および後方側に、載置部に載置された食品用ラップフィルムの箱の前後方向への移動を規制するストッパ51Rが形成されている。また、右側基礎部分7Rの平面部11Rの前方側淵部および後方側淵部には、それぞれ左右方向に延在する凸条53Rが形成されている。これらの凸条53Rは食品用ラップフィルムの箱の前後方向への移動を規制するストッパとして機能する。左側基礎部分7Lにも、同様の構成および機能のストッパ51Lおよび凸条53Lが形成されている。
【0025】
また、図2に示すように、右側柱部21Rの下側柱部分27Rの下端部には、下側柱部分27Rを中心に水平方向に回転可能に板状のストッパ55Rが取り付けられている。左側柱部21Lの下側柱部分27Lの下端部にも、同様のストッパ55Lが取り付けられている。これらのストッパ55R、55Lは、回転して載置部に載置された食品用ラップフィルムの箱の上方へ配置されることにより、食品用ラップフィルムの箱の上方への移動を規制している。
【0026】
次に、本実施形態の組み立てられたパーティション1の枠部5への仕切り材の設置方法について説明する。枠部5への仕切り材の設置は、基礎部3および枠部5を組み立て、所望の場所に組み立てた状態の基礎部3および枠部5が設置された状態で行う。本実施形態においては、仕切り材は、一般に市販されている30センチメートル幅の食品用ラップフィルムのロールが箱に入っているものを用いている。
【0027】
図6は、本実施形態の組み立てられたパーティション1の枠部5への仕切り材の設置方法を示す図であり、図6(a)は載置部に食品用ラップフィルムのロールが収容されている箱が載置された状態を示し、図6(b)は食品用ラップフィルムを箱から引き出している状態を示し、図6(c)は食品用ラップフィルムを上側桟部材に巻き付けている状態を示し、図6(d)は仕切り材の設置が完了した状態を示している。
【0028】
まず、図6(a)に示すように、基礎部3の載置部に、食品用ラップフィルム57のロールが収容された箱59を載置する。このとき箱59に備えられた刃60が上になるように箱59を置く。次に、図6(b)に示すように、食品用ラップフィルム57のロールから巻き出された食品用ラップフィルム57の端部を、箱59から上方に引き出す。箱59から引き出された食品用ラップフィルム57を、食品用ラップフィルム57のロールから巻き出しつつ上側桟部材23よりも少し上方まで引き上げたら、図6(c)に示すように、引き上げた食品用ラップフィルム57の端部を上側桟部材23に巻き付け固定する。このとき左右の円柱状部材49R、49Lのフランジ47R、47Lを回転させて上側桟部材23を回転させると、食品用ラップフィルム57を容易に上側桟部材23に巻き付けることができる。引き上げた食品用ラップフィルム57の上端部を上側桟部材23に巻き付け固定したら、図6(d)に示すように右側および左側柱部21R、21Lの下部のストッパ55R、55Lを回転させ、食品用ラップフィルム57の箱59を載置部に固定する。以上で本実施形態の組み立てられたパーティション1の枠部5への仕切り材の設置が完了する。このように本実施形態のパーティション1は、食品用ラップフィルム57のロールから巻き出された食品用ラップフィルム57の部分を仕切り材としている。
【0029】
組み立てられたパーティション1の枠部5から食品用ラップフィルム57を外す際は、左右の円柱状部材49R、49Lから上側桟部材23を取り外し、食品用ラップフィルム57から上側桟部材23を引き抜く。仕切り材として使用した分の食品用ラップフィルム57は、箱59に備えられた刃60によって切断し、廃棄することができる。したがって本実施形態のパーティション組み立てキット1は、組み立てるごとに枠部5に新しい仕切り材を設置することとなり、衛生的である。
【0030】
以上説明したように、本実施形態のパーティション組み立てキット1は、容易に組み立ておよび分解をすることができるので、分解してコンパクトな状態にして持ち運びができ、且つ所望の場所で容易に組み立てることができる。また、仕切り材として食品用ラップフィルム57を用いるため、仕切り材も容易に設置することができる。また、一般に市販されている箱入りの食品用ラップフィルムのロールを用いるため、コストを低く抑えることができる。このように本実施形態によれば、ウイルス等の飛沫感染予防対策に用いることができ、携行性に優れ、所望の設置場所に容易に設置可能なパーティション組み立てキット1を提供することができる。
【0031】
(変形例)
次に第1実施形態の変形例に係るパーティション組み立てキットについて説明する。
第1実施形態の変形例に係るパーティション組み立てキットは、第1実施形態のパーティション組み立てキット1と同様の構成であるが、第1実施形態のパーティション組み立てキット1の飛沫感染予防効果を向上させたものである。以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については図1~6を援用して第1実施形態と同じ符号を用い、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0032】
図7は、第1実施形態の変形例に係るパーティション組み立てキット101を組み立てた状態の外観図である。
上記第1実施形態において、枠部5に仕切り材として食品用ラップフィルム57を設置すると、図6(c)に示すように、設置された食品用ラップフィルム57と、右側柱部21Rおよび左側柱部21Lとの間に、それぞれ僅かな隙間61R、61Lが形成される。そこでこれらの隙間61R、61Lを塞ぐために、変形例に係るパーティション101は、図7に示すように、右側柱部21Rの上端部、詳細には上側連結部材41Rの下部に隣接して、左方に突出するリボン取り付け部63Rが取り付けられている。リボン取り付け部63Rは5~8センチ程度の長さを有している。同様の構成のリボン取り付け部63Rが、右側柱部21Rの下端部にも取り付けられている。また、左側柱部21Lの上端部および下端部にも同様の構成のリボン取り付け部63Lがそれぞれ取り付けられている。
【0033】
右側柱部21Rの上端部のリボン取り付け部63Rおよび下端部のリボン取り付け部63Rに、リボン65(一部を図示)を1~2巻き程度巻き付けることにより、食品用ラップフィルム57と右側柱部21Rとの隙間61Rを塞ぐことができる。同様に、左側柱部21Lの上端部のリボン取り付け部63Lおよび下端部のリボン取り付け部63Lに、リボン65(一部を図示)を1~2巻き程度巻き付けることにより、食品用ラップフィルム57と左側柱部21Lとの隙間61Lを塞ぐことができる。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0034】
このように、本変形例によれば、第1実施形態のパーティション組み立てキット1の飛沫感染予防効果をさらに向上させることができる。なお、リボン65に代えて、帯状の布、帯状の紙、或いは帯状のビニール等を用いることもできる。
【0035】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態に係るパーティション組み立てキットについて説明する。第2実施形態に係るパーティション組み立てキットは、第1実施形態のパーティション組み立てキット1と略同様であるが、幅の広い食品用ラップフィルムに対応するものである。以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については図1~6を援用して第1実施形態と同じ符号を用い、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0036】
図8は、本発明の第2実施形態に係るパーティション組み立てキット201を組み立てた状態の外観図である。
本実施形態の組み立てられたパーティション201は、図8に示すように、右側基礎部分7Rと左側基礎部分7Lとの間に、スペーサ67が連結されている。スペーサ67の底部には、前方および後方にそれぞれ突出する突出部69が設けられている。これにより組み立てられたパーティション201の転倒を防ぎ、組み立てられたパーティション201を安定して設置することができる。
【0037】
本実施形態のパーティション組み立てキット201は、スペーサ67を連結することにより基礎部3の左右方向の長さが増大し、載置部は市販の45センチメートル幅の食品用ラップフィルムが収容された箱(図示省略)に対応する大きさとなっている。また、本実施形態のパーティション組み立てキット201は、基礎部3の左右方向の長さの増大に対応して、中間桟部材25にも延長部材71を連結している。また、上側桟部材223は、基礎部3の左右方向の長さの増大に対応する長さの物を用いている。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0038】
本実施形態によれば、第1実施形態のパーティション組み立てキット1よりも広い幅で食品用ラップ部材すなわち仕切り材を設置することができる。また、本実施形態においても、第1実施形態の変形例と同様に、リボン取り付け部63R、63Lを取り付けることができる。
【0039】
以上説明した本発明の上記各実施形態および変形例によれば、ウイルス等の飛沫感染予防対策に用いることができ、携行性に優れ、所望の設置場所に容易に設置可能なパーティション組み立てキットを提供することができる。
【0040】
なお、本願発明は、上記各実施形態および変形例に限定されず、変形が可能である。例えば、仕切り材として、食品用ラップフィルム57に代えて、ビニール袋を用いることができる。この場合、大きめのビニール袋(図示省略)を枠部5全体に被せることができる。或いは、基礎部3と左右の下側柱部分27R、27Lと中間桟部材25まで組み立てた状態で、中間連結部材31R、31Lから下の部分に1つ目のビニール袋(図示省略)を被せ、その後左右の上側柱部分29R、29Lと上側桟部材23を組み立て、上側桟部材23から中間桟部材25までカバーできる2つ目のビニール袋(図示省略)を被せることもできる。ビニール袋は組み立てられたパーティション1、101、201の使用環境によって、透明なものでも良いし、半透明或いは不透明なものでも良い。なお、食品用ラップフィルム57を用いない場合は、基礎部3の載置部に重しを置くことが好ましい。例えば、飲料の入ったペットボトル(図示省略)は、載置部に置くのに適した形状を有している。
【0041】
また、基礎部3および枠部5は、軽量の金属部材で形成することもできる。この場合基礎部3および枠部5の剛性が高くなり、より安定した状態で組み立てられたパーティション1、101、201を設置することができる。
【0042】
また、組み立てられた第1実施形態に係るパーティション組み立てキット1同士、組み立てられた第2実施形態に係るパーティション201組み立てキット同士、或いは組み立てられた第1実施形態に係るパーティション組み立てキット1と組み立てられた第2実施形態に係るパーティション組み立てキット201とを左右方向に連結して用いることもできる。図9は、組み立てられた第1実施形態に係るパーティション1と組み立てられた第2実施形態に係るパーティション201とを連結した状態を示す外観図である。
【0043】
図9においては、組み立てられた第1実施形態に係るパーティション1の右側柱部21Rと、組み立てられた第2実施形態に係るパーティション201の左側柱部21Lとが、上側、中間部および下側の3ヶ所で連結部材73によって連結されている。連結部材73は左右方向に所定の長さを有し、両端に上下方向の貫通孔(図示省略)が形成されている。これら貫通孔にそれぞれ、第1実施形態のパーティション1の右側柱部21Rと第2実施形態のパーティション201の左側柱部21Lとが回転可能に挿通されている。このような構成により、組み立てられた第1実施形態のパーティション1と組み立てられた第2実施形態のパーティション201とは、所望の角度を成すように配置することができる。また、この場合においても、第1実施形態の変形例と同様に、各パーティション1、201にリボン取り付け部63R、63Lを取り付けることができる。さらに、上側の連結部材73および下側の連結部材73にリボン(図示省略)を巻き付けることにより、組み立てられたパーティション1、201間の隙間を塞ぐことができる。なお、このような連結部材73を用いれば、多数のパーティション1、201を連結することができる。
【符号の説明】
【0044】
1、101、201 パーティション組み立てキット
3 基礎部
5 枠部
7R 右側基礎部分
7L 左側基礎部分
9R 右側支持部
9L 左側支持部
11R、11L 平面部
21R 右側柱部
21L 左側柱部
23 上側桟部材
25 中間桟部材
57 食品用ラップフィルム
63R、63L リボン取り付け部
65 リボン
73 連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9