(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20220413BHJP
H05B 3/48 20060101ALI20220413BHJP
H05B 3/10 20060101ALI20220413BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20220413BHJP
【FI】
A24F40/46
H05B3/48
H05B3/10 Z
A24F40/51
(21)【出願番号】P 2020553532
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(86)【国際出願番号】 KR2019004181
(87)【国際公開番号】W WO2019199010
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0041003
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0040840
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504394744
【氏名又は名称】アモセンス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AMOSENSE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Cheonan the fourth Local Industrial Complex) 19-1 Block, 90, 4sandan 5-gil, jiksan-eup, Seobuk-gu Cheonan-si, Chungcheongnam-do 31040, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オー チャン ウー
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104799438(CN,A)
【文献】特表2018-505696(JP,A)
【文献】国際公開第2016/156213(WO,A1)
【文献】特開2016-085864(JP,A)
【文献】特開平10-214675(JP,A)
【文献】特開2017-163975(JP,A)
【文献】特表2018-504130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0325510(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
H05B 3/48
H05B 3/10
A24F 40/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部の長さが巻きタバコの内部に挿入される巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターとして、
セラミック材質からなり、前記巻きタバコの内部に食い込むように一端部が尖って形成される本体と、
熱を発生させ、前記巻きタバコの内部を加熱できるように、前記本体の周面を覆うように配置される発熱部と、
前記本体の内部に長さ方向に沿って形成される配置孔と、
前記発熱部の発熱温度を測定できるように、前記配置孔に配置される温度感知部と、を含
み、
前記温度感知部は、所定の長さを有するステム部と、
前記ステム部の端部から前記ステム部の長さ方向に沿って複数回巻回する巻線部と、
前記巻線部の端部から延長され、前記配置孔の外部に一定の長さに突出する延長部と、を含み、
前記延長部は、前記発熱部の温度に応じて一方向にしなうか、または元の状態に復帰し、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターの外部面に形成された接触端子と接触するか、または非接触する
巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター。
【請求項2】
前記本体は、前記配置孔が形成された中空型のロッド部と前記ロッド部の一端部に尖って形成されるチップ部を含み、
前記発熱部は、前記ロッド部の周方向に囲む配置される請求項1に記載の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター。
【請求項3】
前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターは、熱伝導性を備え、前記配置孔の内部に充填される充填材をさらに含み、
前記充填材は、前記配置孔に挿入された温度感知部の位置を固定する請求項1に記載の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター。
【請求項4】
前記発熱部は、
セラミック材質からなった支持体と、
熱を発生させ、前記巻きタバコの内部を加熱できるように、前記支持体の一面にパターン形成されるヒーターパターンと、
絶縁性を備え、前記ヒーターパターンを覆うカバー層と、を含む請求項1に記載の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター。
【請求項5】
前記発熱部は、前記支持体がセラミックグリーンシートの状態で前記本体の周面を覆うように巻いた後に焼結される請求項
4に記載の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコ装置用発熱ヒーターに関するものであって、より具体的には、巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ装置は、貯蔵所(Storage)、加熱または気化装置およびバッテリー(Battery)を含む。このとき、前記貯蔵所は、ニコチンが含有された葉タバコ(Leaf Tobacco)の加工物(Processed Material)や抽出物(Extract)、無ニコチン液体物質(Nicotine-Free Liquid Material)などを含む。
【0003】
このような電子タバコ装置は、内部に貯蔵された葉タバコ加工物、葉タバコ抽出物、無ニコチン液体物質などを加熱または気化させてエアロゾル(Aerosol)を生成する。これにより、使用者は、電子タバコ装置を手でつかんだ状態で電子タバコ装置の吸入口(Intake)を介して電子タバコ装置の内部で生成したエアロゾルを吸入することができる。これにより、使用者は、吸入されたエアロゾルを通じて実際にタバコを吸うのと同様な感覚を得られる。
【0004】
しかし、従来の電子タバコ装置は、ニコチン原液と液状を別々に購入して混合する液状型の方式である。これにより、従来の電子タバコ装置は、使用者がニコチン原液を喫煙ではなく、爆破事故などの他の誤った用途で誤使用するおそれがあった。
【0005】
これを解決するために、タバコの葉で作られた巻きタバコを挿入して加熱する薫蒸方式の巻きタバコ型電子タバコ装置が提案された。このような巻きタバコ型電子タバコ装置は、発熱ヒーターを介して巻きタバコを加熱し、喫煙用蒸気を発生させる方式であるため、液状のニコチン原液の誤使用の問題を解決しながらも従来のタバコと同様の味を感じられる長所がある。
【0006】
しかし、従来の巻きタバコ型電子タバコ装置は、発熱ヒーターの周面に配置された薄膜型の温度センサーを用いて発熱ヒーターの発熱温度を制御した。これらの薄膜型の温度センサーは、抵抗値に基づいて温度を感知する方式であるため、正確な温度を測定するためには、コントロールしようとする温度に合わせてセンサーパターンが正確に設計される必要がある難しさがある。
【0007】
これにより、センサーパターンが正確に設計されていない場合、薄膜型の温度センサータイプの巻きタバコ型電子タバコ装置は、発熱ヒーターの温度を均一に制御できない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記のような点を勘案して案出したものであって、発熱ヒーターの内部に埋め込まれた温度感知部を介して発熱ヒーターの発熱温度を測定することにより、均一な発熱温度を具現することができる巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を果たすために、本発明は、少なくとも一部の長さが巻きタバコの内部に挿入されるものであって、セラミック材質からなり、前記巻きタバコの内部に食い込むように、一端部が尖って形成される本体と、熱を発生させ、前記巻きタバコの内部を加熱できるように、前記本体の周面を覆うように配置される発熱部と、前記本体の内部に長さ方向に沿って形成される配置孔と、前記発熱部の発熱温度を測定できるように、前記配置孔に配置される温度感知部と、を含む巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターを提供する。
【0010】
また、前記本体は、前記配置孔が形成された中空型のロッド部と前記ロッド部の一端部に尖って形成されるチップ部を含み得、前記発熱部は、前記ロッド部の周方向に囲むように配置され得る。
【0011】
一例として、前記温度感知部は、サーモカップル(Thermocouple)であり得る。
代案として、前記温度感知部は、螺旋状のバイメタルであり得る。このような場合に、前記螺旋状のバイメタルは、所定の長さを有するステム部と、前記ステム部の端部から前記ステム部の長さ方向に沿って複数回巻回する巻線部と、前記巻線部の端部から延長され、前記配置孔の外部に一定の長さに突出する延長部と、を含み得、前記延長部は、前記発熱部の温度に応じて一方向にしなうか、または元の状態に復帰し、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターの外部面に形成された接触端子と接触するか、または非接触し得る。
【0012】
また、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターは、熱伝導性を備え、前記配置孔の内部に充填される充填材をさらに含み得、前記充填材は、前記配置孔に挿入された温度感知部の位置を固定し得る。
【0013】
また、前記発熱部は、セラミック材質からなった支持体と、熱を発生させ、前記巻きタバコの内部を加熱できるように、前記支持体の一面にパターン形成されるヒーターパターンと、絶縁性を備え、前記ヒーターパターンを覆うカバー層と、を含み得る。
【0014】
また、前記発熱部は、前記支持体がセラミックグリーンシートの状態で前記本体の周面を覆うように巻いた後に焼結され得る。
一方、本発明は、少なくとも一部の長さが巻きタバコの内部に挿入されるものであって、前記巻きタバコの内部に食い込むように、一端部が尖った板状に形成され、前記巻きタバコの内部を加熱できるように、熱を発生させるヒーターパターンを含む発熱部と、前記発熱部の内部に長さ方向に沿って形成される配置孔と、前記発熱部の発熱温度を測定できるように、前記配置孔に配置される温度感知部と、を含む巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターを提供する。
【0015】
このような場合に、前記発熱部は、セラミック材質からなった支持体と、熱を発生させ、前記巻きタバコの内部を加熱できるように、前記支持体の一面にパターン形成されるヒーターパターンと、絶縁性を備え、前記ヒーターパターンを覆うカバー層と、外部の露出面に形成され、前記ヒーターパターンの直上部の領域と残りの領域との温度偏差を改善させるように、放熱性フィラーを含む放熱コーティング層と、を含み得、前記配置孔は、前記支持体に形成され得る。
【0016】
一方、前述した巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターは、巻きタバコ型電子タバコ装置として具現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、発熱ヒーターの内部に長さ方向に沿って埋め込まれる温度感知部を介して発熱ヒーターの発熱温度を測定することにより、均一な発熱温度を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターを示した図面
【
図3】本発明の他の実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターを示した図面
【
図4】
図3における温度感知部が分離された状態を示した図面
【
図6】本発明のまた他の実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターを示した図面 m
【
図8】本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターに適用できる発熱部の詳細構成を概略的に示した図面
【
図9】
図7における発熱部の詳細構成を具体的に示した図面
【
図10】本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーターの使用状態図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されていない。図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については、同一の参照符号を付加する。
【0020】
本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、
図10に示すように、巻きタバコ型電子タバコ装置の挿入口20側に設置され得、前記巻きタバコ型電子タバコ装置に内蔵されたバッテリーから電源が供給され得る。ここで、前記巻きタバコ10は、前記挿入口20に挿入され得、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300から熱の提供が受けられる。
【0021】
これにより、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100は、前記挿入口20に巻きタバコ10が挿入された状態で電源が印加されると、熱を発生させて前記挿入口20に挿入された巻きタバコ10を加熱し得、喫煙のための蒸気が前記巻きタバコ10から生成され得る。これにより、使用者は、前記巻きタバコ10から生成された蒸気を吸入することにより、喫煙することができる。
【0022】
このとき、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、一端部が巻きタバコ10の内側に容易にめり込むように形成され得、前記発熱ヒーター100、200、300の発熱温度を測定するための温度感知部130、230を含み得る。
【0023】
一例として、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、
図1ないし
図5に示すように、所定の長さを有するニードル型に具現することができ、
図6および
図7に示すように、板状のプレート型に具現することができる。
【0024】
具体的な一例として、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、
図1ないし
図5に示すように、本体110および発熱部120、220を含み得る。
【0025】
このとき、前記本体110は、一端部が前記巻きタバコ10の内部に容易に食い込むように尖った針状に形成され得、前記発熱部120は、前記本体110の周面を覆うように配置され得る。
【0026】
これにより、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、巻きタバコ10の内部にめりこんでいる部分を介して熱を提供して巻きタバコ10の内部を加熱し得、前記巻きタバコ10は、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200から提供される熱を用いて喫煙のための蒸気を生成し得る。
【0027】
ここで、前記本体110は、前記発熱部120を支持するように、所定の長さを有するロッド部111と、前記巻きタバコ10の内部に容易に食い込むように、前記ロッド部111の端部側に尖って形成されたチップ部112を含み得る。
【0028】
このとき、前記本体110は、セラミック材質からなり得る。一例として、前記本体110は、アルミナ、ZrO2、MgO、Si3N4、SiC、AIN、ZTAのようなセラミック材質であり得るが、これに限定するものではなく、公知のセラミック材質がすべて適用できる。
【0029】
これにより、前記本体110は、前記発熱部120から発生した熱を速く拡散させ得、昇温と冷却が繰り返しに行われる運転条件でも信頼性を向上させ、製品の寿命周期を延ばし得る。
【0030】
このような場合に、前記発熱部120は、前記本体110の外部面を覆うように配置され得る。一例として、前記発熱部120は、前記本体110のロッド部111の周りを囲むように配置され得る。これにより、電源の印加時に前記発熱部120を介して発生した熱は、前記本体110側に移動し得る。
【0031】
他の例として、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター300は、
図6および
図7に示すように、発熱部220が板状の形であるように具現することができる。
【0032】
このような場合に、前記発熱部220は、一端部が尖って形成され得る。
すなわち、本実施例の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター300は、前述した実施例の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200とは異なり、前記発熱部220が板状であるように具現されることにより、前述した本体110が省略され得る。
【0033】
また、前述した実施例の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、発熱部120が本体110の周りを囲む形で説明したが、これに限定するものではなく、
図1ないし
図5に示した巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、
図6および
図7に示した巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター300と同様に、本体110を除いてニードル型に形成された発熱部120のみで構成できる。
【0034】
このような場合に、前記発熱部120の一端部は、
図6および
図7に示した巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター300の発熱部220と同様に、巻きタバコ10の内部に容易にめり込むように尖って形成され得る。
【0035】
前記発熱部120、220は、電源の印加時に熱を発生させる発熱源の役割を果たすことができる。
このために、前記発熱部120、220は、
図8に示すように、支持体121、ヒーターパターン122およびカバー層123を含み得る。
【0036】
具体的に、前記支持体121は、前記ヒーターパターン122の発熱時に100℃以上の高温に耐えられるように、耐熱性を有するセラミック材質からなり得る。非制限的な一例として、前記支持体121は、アルミナ、ZrO2、MgO、Si3N4、SiC、AIN、ZTAのようなセラミック材質であり得るが、これに限定するものではなく、公知のセラミック材質がすべて適用できる。
【0037】
また、前記ヒーターパターン122およびカバー層123は、前記支持体121の一面に配置され得る。このために、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、所定の面積を有する支持体121の一面にヒーターパターン122とカバー層123を順次に形成し得る。
【0038】
これにより、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、電源の印加時に前記ヒーターパターン122から発生した熱が支持体121を経て本体110側に移動し得る。
【0039】
これにより、前記発熱ヒーター100、200、300は、発熱面積が広がるとともに、全体的に均等な加熱が行われ得る。また、前記発熱ヒーター100、200、300は、前記支持体121および本体110がセラミック材質からなることにより、昇温と冷却が繰り返しに行われる運転条件でも信頼性を向上させ、製品の寿命周期を延ばし得る。
【0040】
一方、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200が
図1ないし
図5に示すように、ニードル型に具現される場合に、前記支持体121は、セラミックグリーンシートが焼結したものであり得、前記ヒーターパターン122およびカバー層123は、前記支持体121がセラミックグリーンシートの状態で前記セラミックグリーンシートの一面に順次に形成され得る。
【0041】
これにより、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、前記支持体121が焼結前のセラミックグリーンシートの状態で前記本体110のロッド部111の周方向に沿って巻かれることにより、前記発熱部120が前記本体110のロッド部111を覆うように配置され得る。
【0042】
これにより、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、前記発熱部120が前記ロッド部111を覆うように配置する作業が非常に容易に行われ得、前記発熱部120は、焼結後に前記本体110と一体化できる。
【0043】
前記ヒーターパターン122は、電源の印加時に熱を発生させる発熱体の役割を果たすことができる。これらのヒーターパターン122は、前述したように、前記支持体121の一面にパターン形成され得る。
【0044】
このとき、前記ヒーターパターン122は、導電性ペーストを介して形成された印刷パターンであり得、導電性部材が前記支持体121の一面に付着した状態でエッチングや食刻を通じて形成されたものであり得る。また、前記ヒーターパターン122は、打抜きのような形状加工を通じて所定のパターンに形成された導電性部材が前記支持体121の一面に付着したものであり得る。
【0045】
非制限的な例として、前記導電性ペーストおよび/または導電性部材は、Au、Pt、Ag、タングステン、モリブデン、マンガンのうちに選択されたいずれか1つであるか、またはこれらが1種以上相互に組み合わされた成分であり得る。しかし、前記導電性ペーストの材料をこれに限定するものではなく、通常的に使用される電極材料のうち、電源の印加時に要求される発熱温度を具現するために適切に選択された公知の電極材料がすべて使用できることを明らかにしておく。
【0046】
これらのヒーターパターン122は、前述したように、前記支持体121の一面に形成され得、前記支持体121が焼結されていないセラミックグリーンシート状態で形成され得る。
【0047】
また、前記ヒーターパターン122は、両端部側に他の部品(一例として、メイン基板)との電気的な接続のための2つのターミナル端子122a、122bがそれぞれ形成され得、所定の長さを有するパターン部122cが前記2つのターミナル端子122a、122bを接続し得る。
【0048】
このとき、前記パターン部122cは、前記セラミックグリーンシートの全体面積に対して均等に配置されるようにジグザグ方式で折曲された形態であり得る。これにより、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、前記パターン部122cを介して前記支持体121の全体面積に対して発熱できることにより、面状ヒーターとして具現することができる。
【0049】
しかし、前記ヒーターパターン122の形状をこれに限定するものではなく、前記パターン部122cの形状は、設計条件に応じて適切に変更できる。
また、前記ヒーターパターン122は、直列または並列方式で形成され得、直、並列が混合した形態に形成され得る。
【0050】
前記カバー層123は、前記ヒーターパターン122のパターン部122cを覆うように前記支持体121の一面に形成され得る。これにより、前記カバー層123は、前記パターン部122cが外部に露出されることを防止できる。
【0051】
このとき、前記カバー層123は、前記ヒーターパターン122が他の部品とショートすることを防止するように、絶縁性を有する材質からなり得る。また、前記カバー層123は、前記ヒーターパターン122から発生した熱による破壊が防止されるように、耐熱性および熱硬化性を有する材質からなり得る。
【0052】
一例として、前記カバー層123は、絶縁性、熱硬化性および耐熱性を有する樹脂からなり得、前記支持体121の一面に所定の厚さに塗布されるコーティング層であり得る。
【0053】
具体的な一例として、前記カバー層123は、液状のポリイミドまたはポリアミドイミドからなったコーティング層であり得るが、これに限定するものではなく、絶縁性、熱硬化性および耐熱性を有する材質であれば、公知のすべての材質を使用できる。
【0054】
一方、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、
図2、
図5および
図7に示すように、前記発熱部120、220の発熱温度を測定するための温度感知部130、230を含み得る。
【0055】
これらの温度感知部130、230は、前記発熱ヒーター100、200、300の長さ方向に沿って内部に埋め込まれるように配置され得る。
このために、前記発熱ヒーター100、200、300は、長さ方向に沿って前記温度感知部130、230を配置するための配置孔140が形成され得る。
【0056】
一例として、前記発熱ヒーター100、200が本体110を含む場合に、前記本体110は、
図2および
図5に示すように、チップ部112を除いたロッド部111が中空型に形成され得る。このような場合に、前記ロッド部111の中空部は、前記配置孔140の役割を果たすことができる。
【0057】
代案として、前記発熱ヒーター300が板状に形成された発熱部220として具現される場合に、前記配置孔140は、
図7に示すように、前記発熱部220の内部に長さ方向に沿って形成され得る。
【0058】
このような場合に、前記配置孔140は、
図9に示すように、前記発熱部220を構成する支持体221の内部に長さ方向に沿って形成され得る。
これにより、前記温度感知部130、230は、前記配置孔140に挿入され、前記発熱ヒーター100、200、300の内部に長さ方向に沿って配置され得、前記発熱部120、220の発熱温度を測定できる。
【0059】
これにより、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、前記温度感知部130、230で測定された発熱温度についての情報に基づいて電源を供給するか、または遮断することにより、前記発熱部120、220の発熱温度を均一に制御できる。
【0060】
一例として、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、前記発熱部120、220の発熱温度を280℃に均一に維持できるが、前記発熱部120、220の発熱温度をこれに限定するものではなく、設計条件に応じて前記発熱部120、220の発熱温度を適切に調節できる。
【0061】
具体的な一例として、前記温度感知部130は、
図2および
図7に示すように、サーモカップル(Thermocouple)であり得る。このような場合に、前記サーモカップルは、一端が前記配置孔140の密閉された端部側に位置するように、前記配置孔140の内部に挿入され得、他端が外部のメイン基板(図示せず)と連結され得る。
【0062】
また、前記配置孔140は、内部に熱伝導性を有する充填材150が満たされ得、前記充填材150は、前記配置孔140に挿入されたサーモカップルの位置を固定し得る。
【0063】
一例として、前記充填材150は、セラミックやガラス(Glass)が含まれた熱伝導性の接着剤であり得る。しかし、前記充填材150をこれに限定するものではなく、前記サーモカップルの固定が可能でありながらも、熱伝導性を有する材質であれば、制限なしに使用できる。
【0064】
これにより、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、300は、前記メイン基板に備えられた回路部の制御を通じて前記発熱部120、220側に電源が供給されるか、または遮断されることにより、前記発熱部120、220が均一な温度に発熱できる。
【0065】
すなわち、前記回路部は、前記サーモカップルで測定される温度に基づいて前記発熱部120、220側に供給される電源を遮断するか、または許容することにより、前記発熱部120、220の発熱温度を制御できる。
【0066】
ここで、前記サーモカップルは、Jタイプ、Kタイプなどの公知のサーモカップルがすべて適用できる。
代案として、前記温度感知部230は、
図5に示すように、螺旋状のバイメタルであり得る。ここで、前記螺旋状のバイメタルは、所定の長さを有するステム部231と、前記ステム部231の端部から前記ステム部231を囲む巻線部232を含み得る。このとき、前記ステム部231および巻線部232は、すべてバイメタルからなり得る。これにより、前記螺旋状のバイメタルは、ステム部231および巻線部232がすべて前記発熱部120の発熱温度を測定できる。
【0067】
このような場合に、前記温度感知部230は、前記巻線部232の端部から延長され、前記配置孔140の外部に一定の長さが突出する延長部232aを含み得、前記延長部232aは、前記配置孔140に配置されたステム部231および巻線部232の温度による膨張および収縮を通じて一方向にしなうか、または元の状態に復帰し得る。
【0068】
これにより、前記延長部232aは、前記巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター200の外部面に形成された接触端子170と接触するか、または非接触し得る。ここで、前記接触端子170は、外部のメイン基板と電気的に接続され得、後述するストッパー160の外面に形成され得る。しかし、前記接触端子170の位置をこれに限定するものではなく、設計条件に応じて適切な位置に形成され得ることを明らかにしておく。
【0069】
これにより、前記延長部232aは、前記発熱部120の温度に応じて前記接触端子170と接触した状態を維持するか、または接触した状態が解除されることにより、スイッチの役割を果たすことができる。
【0070】
非制限的な一例として、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター200は、前記巻線部232およびステム部231で測定された発熱部120の温度が設定温度以下であれば、前記延長部232aは、前記接触端子170と接触することにより、前記発熱部120側に電源が供給されることを許容し得る。
【0071】
また、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター200は、前記巻線部232およびステム部231で測定された発熱部120の温度が設定温度以上であれば、前記延長部232aは、前記接触端子170から分離し、非接触の状態を維持することにより、前記発熱部120側に電源が供給されることを遮断できる。これにより、前記発熱部120は、発熱温度を均一に維持できる。
【0072】
このような場合に、前記配置孔140は、内部に熱伝導性を有する充填材150が満たされ得、前記充填材150は、前記配置孔140に挿入された螺旋状のバイメタルの位置を固定し得る。
【0073】
一例として、前記充填材150は、セラミックやガラス(Glass)が含まれた熱伝導性の接着剤であり得る。しかし、前記充填材150をこれに限定するものではなく、前記螺旋状のバイメタルの固定が可能でありながらも、熱伝導性を有する材質であれば、制限なしに使用できる。
【0074】
一方、図面には、前記螺旋状のバイメタルがニードル型の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター200に適用されるものと図示したが、これに限定するものではなく、
図6および
図7に示した板状の巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター300にも適用できる。
【0075】
このように、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、前記発熱部120、220の発熱温度を測定するための温度感知部130、230がサーモカップルまたは螺旋状のバイメタルに備えられ、前記発熱ヒーター100、200、300の内部に長さ方向に沿って埋め立てられ得る。これにより、前記温度感知部130、230は、前記発熱部120、220の発熱温度を直接的に感知できる。
【0076】
これにより、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、前記温度感知部130、230を介して発熱部120、220の発熱温度を正確に測定でき、前記温度感知部130、230で測定された発熱温度に基づいて前記発熱部120、220が均一な温度に発熱されるように制御できる。
【0077】
一方、本発明の一実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、前記発熱部120、220の発熱時に、熱放射率を高められるように放熱コーティング層180が形成され得る。このような放熱コーティング層180は、外部に露出される前記発熱部120、220の露出面に形成され得る。
【0078】
これにより、電源の印加時に前記発熱部120、220から発生した熱は、前記放熱コーティング層180を介して前記発熱ヒーター100、200、300の全体面積に円滑に伝達されることにより、発熱面積を最大化できる。
【0079】
一例として、前記放熱コーティング層180は、放熱性フィラーが含まれたコーティング層であり得、前記放熱コーティング層180は、セラミックナノコーティング層であり得る。ここで、前記放熱性フィラーは、熱放射性とともに熱伝導性を有するフィラーであり得る。非制限的な例として、前記放熱コーティング層は、グラファイトやCNTのようなカーボン系フィラー、AIN、BN、MgO、アルミナのようなセラミックフィラーが混合した形態であり得る。
【0080】
これらの放熱コーティング層180は、前記放熱性フィラーを介してヒーターパターン122の直上部の領域と残りの領域との温度偏差を改善させ得、前記放熱コーティング層180を介して熱放射性を改善させ得る。
【0081】
これにより、本実施例による巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200、300は、全体面積で均等な加熱または昇温が行われ得、短時間でより高い温度に昇温し得る。
【0082】
一方、前述した巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200は、一端部側に周方向に沿って外側に突出するストッパー160をさらに含み得る。これらのストッパー160は、前述した巻きタバコ型電子タバコ装置用発熱ヒーター100、200を巻きタバコ型電子タバコ装置に装着する過程において、前記巻きタバコ型電子タバコ装置との結合のための結合具または固定具の役割を果たすことができる。
【0083】
一例として、前記ストッパー160は、中央部に貫通口が形成されたリング形状であり得、前記発熱ヒーター100、200の一端部側が前記貫通口に挿入された後に接着層を媒介にして固定され得る。
【0084】
このような場合に、前記ストッパー160は、前記2つのターミナル端子122a、122bが形成された部分を除いた位置で前記発熱ヒーター200の周面を覆うように配置され得る。
【0085】
すなわち、
図2に基づいて前記パターン部122cは、前記ストッパー160の左側に位置するように配置され得、前記2つのターミナル端子122a、122bは、前記ストッパー160の右側に位置するように配置され得る。
【0086】
これにより、本実施例による発熱ヒーターは、前記ロッド部111の全体の長さのうち、前記ストッパー160の左側に配置される一部の長さが巻きタバコ10を加熱するための発熱領域に構成できる。
【0087】
ここで、前記ストッパー160は、昇温と冷却が繰り返しに行われる運転条件でも信頼性を向上させ、製品の寿命周期を延ばすように、アルミナ、ZrO2、MgO、Si3N4、SiC、AIN、ZTAのようなセラミック材質からなり得る。
【0088】
一方、前述した説明と図面では、発熱ヒーター100、200、300の内部に配置孔140を形成した後に、前記配置孔140側に温度感知部130、230を配置することにより、前記発熱部120、220の発熱温度の均一化を具現するものと図示して説明したが、本発明をこれに限定するものではなく、他の方式を通じて前記発熱部120、220の発熱温度の均一化を具現することができる。
【0089】
一例として、前記発熱部120、220を構成する支持体121の種類、ヒーターパターン122の材料および発熱ヒーターの全体の発熱面積などを適切に決定することにより、均一な発熱温度を具現することができる。また、前記ヒーターパターン122の材料は、ヒーターパターンを形成するために使用される電極の材料、電極の材料として使用される組成物の含量の割合、ヒーターパターンの抵抗線の設計などが適切に考慮され得る。
【0090】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は、本明細書に提示される実施例に限定されず、本発明の思想を理解する当業者は、同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるが、これも本発明の思想の範囲内に入ると言える。