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  • 特許-直流き電線の高抵抗地絡検出装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】直流き電線の高抵抗地絡検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20220413BHJP
   H02H 3/16 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
G01R31/52
H02H3/16 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018101970
(22)【出願日】2018-05-29
(65)【公開番号】P2019207130
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 進
(72)【発明者】
【氏名】小貫 素彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀康
(72)【発明者】
【氏名】七海 光一
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-247155(JP,A)
【文献】特開2017-190996(JP,A)
【文献】特開2004-245709(JP,A)
【文献】特開平07-270467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/52
H02H 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を供給する変電所の整流器から出力される直流電流を直流き電線へ供給する給電線に対応して設けられた電流検出手段と、前記電流検出手段によって測定されたデータに基づいて高抵抗地絡の有無を判定する演算処理手段とを備えた高抵抗地絡検出装置であって、
前記演算処理手段は、
前記電流検出手段によって電流増加時に測定されたデータを周波数解析する周波数解析手段と、
前記周波数解析手段によって変換されたデータの中から所定の周波数範囲のスペクトルレベルを抽出するスペクトルレベル抽出手段と、
前記スペクトルレベル抽出手段によって抽出されたスペクトルレベルに基づいて高抵抗地絡を判定する判定手段と、
を備え
前記周波数解析手段は、高速フーリエ変換を実行可能であり、
前記整流器はn個のダイオードを有するブリッジ回路で構成され、
前記スペクトルレベル抽出手段は、前記変電所に入力される3相交流電圧の周波数がf0である場合に、前記高速フーリエ変換により算出されたスペクトルから、周波数がn×f0と2n×f0との間または2n×f0と3n×f0との間または3n×f0と4n×f0との間のスペクトルレベルを抽出する機能を有し、
前記判定手段は、前記スペクトルレベル抽出手段によって抽出されたスペクトルレベルと予め設定されたしきい値とを比較して高抵抗地絡の発生の有無を判定することを特徴とする直流き電線の高抵抗地絡検出装置。
【請求項2】
前記電流検出手段は、交流変流器であることを特徴とする請求項1に記載の直流き電線の高抵抗地絡検出装置。
【請求項3】
アラームを出力可能な報知手段を備え、
前記演算処理手段は、
前記判定手段が高抵抗地絡の発生を判定した場合に、前記報知手段を制御してアラームを出力させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の直流き電線の高抵抗地絡検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気鉄道におけるき電線の地絡検出装置に関し、特に直流き電線における高抵抗地絡の検出に利用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気鉄道における直流電化区間のき電線には、数1000Vの直流の高電圧が印加されており、支持柱から延設されたビームやブラケットにより碍子等の絶縁体を介して大地から絶縁された状態で吊架されている。かかるき電線においては、碍子が破損するなどしてき電線が垂下して支持柱や大地に接触し、地絡電流が大地へ流れることがある。かかる地絡事故が発生した場合、通常は変電所に設けられている遮断器が地絡電流を検出してき電線へ流す電流を遮断することができる。
【0003】
しかし、高抵抗地絡と呼ばれる地絡が発生したような場合には、電気車への供給電流よりも小さな地絡電流しか流れないことがあるため、遮断器が地絡を検出できないことがある。特に、変電所間に複数の電気車が走行することにより大きな電流が流れる区間においては、遮断器の遮断電流が比較的大きな値に設定されるため、地絡事故の状況によっては、遮断器が地絡電流を検出してき電線へ流す電流を遮断することができないという課題があることが分かった。
なお、従来、高抵抗地絡の検出システムや検出装置、検出方法に関する発明としては、例えば特許文献1、2および3が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-247155号公報
【文献】特開2016-577号公報
【文献】特開2018-36054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている発明は、電気鉄道用変電所の構内において、整流器に接続されている全ての高圧側直流き電ケーブルを流れる電流の高調波成分と整流器に接続されている全ての帰線側直流き電ケーブルを流れる電流の高調波成分との差電流をサーチコイルで検出することによって、高圧側直流き電ケーブルの高抵抗地絡を検出するというものである。
しかしながら、一般的な電気鉄道用変電所構内においては、全ての高圧側直流き電ケーブルと全ての帰線側直流き電ケーブルが同一配線ルート上にあるわけではないため、高圧側と帰線側ケーブルすべてを囲むようにしてサーチコイルを配置することは困難である。また、上記発明は、変電所構内の高抵抗地絡をターゲットにしたものであり、変電所外で発生した高抵抗地絡を検出することが困難であるという課題がある。
【0006】
また、特許文献2や3に記載されている発明は、いずれも地絡電流が流れることで生じる電圧や電位差を検出する方式であるため、前述したように、変電所間に複数の電気車が走行することで大きな電流が流れている区間においては、高抵抗地絡が発生した際の地絡電流と電気車への供給電流とを区別することが困難であるという課題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、電流検出器の配設が容易であるとともに、変電所外で発生した直流き電線の高抵抗地絡を検出することができる高抵抗地絡検出装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、高抵抗地絡が発生した際の地絡電流と電気車への供給電流とを区別して確実に直流き電線の高抵抗地絡を検出することができる高抵抗地絡検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明は、
直流電力を供給する変電所の整流器から出力される直流電流を直流き電線へ供給する給電線に対応して設けられた電流検出手段と、前記電流検出手段によって測定されたデータに基づいて高抵抗地絡の有無を判定する演算処理手段とを備えた高抵抗地絡検出装置において、
前記演算処理手段は、
前記電流検出手段によって電流増加時に測定されたデータを周波数解析する周波数解析手段と、
前記周波数解析手段によって変換されたデータの中から所定の周波数範囲のスペクトルレベルを抽出するスペクトルレベル抽出手段と、
前記スペクトルレベル抽出手段によって抽出されたスペクトルレベルに基づいて高抵抗地絡を判定する判定手段と、を備え
前記周波数解析手段は、高速フーリエ変換を実行可能であり、
前記整流器はn個のダイオードを有するブリッジ回路で構成され、
前記スペクトルレベル抽出手段は、前記変電所に入力される3相交流電圧の周波数がf0である場合に、前記高速フーリエ変換により算出されたスペクトルから、周波数がn×f0と2n×f0との間または2n×f0と3n×f0との間または3n×f0と4n×f0との間のスペクトルレベルを抽出する機能を有し、
前記判定手段は、前記スペクトルレベル抽出手段によって抽出されたスペクトルレベルと予め設定されたしきい値とを比較して高抵抗地絡の発生の有無を判定するように構成したものである。
【0009】
上記のような構成を有する高抵抗地絡検出装置によれば、電流検出器の配設が容易であるとともに、変電所外で発生した直流き電線の高抵抗地絡を検出することができる。また、高抵抗地絡が発生した際の地絡電流と電気車への供給電流とを区別して確実に直流き電線の高抵抗地絡を検出することができる。
また、より精度よく確実に直流き電線の高抵抗地絡を検出することができる。
【0010】
ここで、望ましくは、前記電流検出手段は交流変流器とする。そして、前記スペクトルレベル抽出手段は、数10ミリ秒間に数マイクロ秒周期で電流値をサンプリング可能に構成する。
【0011】
さらに、望ましくは、アラームを出力可能な報知手段を備え、
前記演算処理手段は、前記判定手段が高抵抗地絡の発生を判定した場合に、前記報知手段を制御してアラームを出力させるように構成する。
かかる構成によれば、保全担当者に高抵抗地絡が検出されたことを認知させ、保全担当者が、高抵抗地絡が検出されたき電線へ直流電力を供給する変電所の遮断器をオフにすることで、地絡電流が流れ続けるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電流検出器の配設が容易であるとともに、変電所外で発生した直流き電線の高抵抗地絡を検出することができる。また、高抵抗地絡が発生した際の地絡電流と電気車への供給電流とを区別して確実に直流き電線の高抵抗地絡を検出することができる高抵抗地絡検出装置を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る高抵抗地絡検出装置が適用された地絡検出システムの概略構成を示すシステム構成図である。
図2】実施形態の高抵抗地絡検出装置の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態の高抵抗地絡検出装置により測定された高抵抗地絡発生時の電流値を高速フーリエ変換して得られた周波数特性の一例を示す概略図である。
図4】実施形態の高抵抗地絡検出装置を使用して試験的に地絡検出を行なった試験対象システムの概略構成を示すシステム構成図である。
図5】実施形態の高抵抗地絡検出装置における高抵抗地絡検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る高抵抗地絡検出装置および検出方法の一実施形態について詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る高抵抗地絡検出装置を適用した地絡検出システムの概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る地絡検出システムは、直流き電線10には変電区間の両端に位置する変電所20A,20Bから直流電力が供給される。変電所20A,20Bは、発電所や電力会社等から供給される数万ボルトの電圧を電車線の直流き電線に適した数千ボルトの電圧に変換する変圧器21や交流を直流に変換する整流器22などを備える。整流器22は、例えば6個のダイオードをブリッジ接続してなる3相交流電圧(例えば50Hz)を直流電圧に変換する3相ダイオード整流器(ブリッジ回路)により構成される。
【0016】
本実施形態においては、各変電所20A,20Bの整流器22から直流き電線10へ直流電力を供給する給電線23の途中に、直流き電線10へ流される直流電流に含まれる交流成分を測定する交流用CT(変流器)24が設けられ、交流用CT24によって測定されたデータを解析して高抵抗地絡を検出する検出装置25が設けられている。
地絡事故に伴いアークや火花が発生すると直流き電線10に流れる直流電流に電流変動が含まれると考えられる。そこで、本発明者らは、直流電流に含まれる電流変動(交流成分)を交流用CT24によって測定し、測定データをFFT(高速フーリエ変換)処理による周波数解析を行なって周波数の特徴を抽出して高抵抗地絡を検出することとした。
【0017】
検出装置25は、例えば図2に示すように、マイクロプロセッサ(MPU)のようなプログラム方式の演算処理装置51およびROM(読出し専用メモリ)52やRAM(随時読出し書込み可能なメモリ)53のような記憶手段と、ユーザインタフェース(ユーザI/F)54と、キーボードやマウスなどの入力装置55と、液晶表示パネルのような表示装置56などを備えた一般的なコンピュータ装置により構成することができる。ROM52内には演算処理装置51が実行するデータ解析用プログラムが格納されており、演算処理装置51とデータ解析用プログラムとによってデータ解析手段が構成される。
【0018】
図3には、交流用CT24によって測定されたデータを検出装置25によってFFT解析した結果を示す。図3の横軸は周波数、縦軸はスペクトルレベルである。なお、解析対象の測定データには、1μs(マイクロ秒)の周期で65ms(ミリ秒)間測定して得られたデータを使用した。なお、測定は、図4のように、M変電所とT変電所に挟まれた変電区間を試験対象に選択して、各変電所に交流用CT24および検出装置25を設け、対象変電区間の中間にあるA変電所の近傍で人工的に高抵抗地絡を発生させて行なった。
【0019】
図3において、B1は対象変電所区間における通常き電時(列車走行時)に列車の力行開始直後にA変電所(正確にはき電区分所)の検出装置25で検出されたデータを周波数解析して得られたスペクトルを示したもの、B2はM変電所の検出装置25で検出されたデータを周波数解析して得られたスペクトルを示したもの、B3はA変電所の検出装置25で検出されたデータを周波数解析して得られたスペクトルを示したもの、B4はT変電所の検出装置25で検出されたデータを周波数解析して得られたスペクトルを示したものである。
【0020】
なお、「き電区分所」は、主に電圧低下対策を考慮し設置される施設であり、き電回線を母線で接続し電気を融通し高負荷時の電圧降下を軽減させるもので、変圧器や整流器も無く電源供給能力を有していないが、本発明は変電所がき電区分所である場合にも適用できるので、本実施形態では、より一般的な構成である変電所として記載している。
図3より、0Hzと300Hzと600Hzと900Hzの近傍にそれぞれスペクトルレベルが山のように上昇した部位があることが分かる。本発明者は、これらの山が生じる原因について考察を行なった。その結果、B1における0Hz近傍のスペクトルレベルの山は力行走行している列車へ流される電流に基づくもの、300Hz近傍の山と600Hz近傍の山は、変電所内の整流器22の動作に基づくものであることを見出した。
【0021】
また、図3より、高抵抗地絡を生じさせると300Hz近傍の山が大きくなるとともに、スペクトルレベルが、通常き電時よりも高抵抗地絡を生じさせた時の方が全体的に大きくなっている。特に、300Hzと600Hzとの間のスペクトルレベルと600Hzと900Hzとの間のスペクトルレベルは、明確に通常き電時よりも大きくなっていることが分かる。
本発明者は、上記の知見に基づいて、以下に説明するような高抵抗地絡検出方法を考案し、出願することとした。以下、本発明に係る高抵抗地絡検出方法について説明する。
【0022】
図5は、本発明に係る高抵抗地絡検出方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートに従った以下の処理は、高抵抗地絡検出装置15のROM52に格納されているプログラムを演算処理装置51が実行することによって行われる。なお、高抵抗地絡の継続時間は一定ではないので、図5の一連の処理からなる検出フローは、例えば100ms(ミリ秒)のような周期で、繰返し実行するように構成すると良い。
図5の高抵抗地絡検出処理が開始されると、演算処理装置51は、先ず交流用CT24の測定値を例えば数μs周期で数10ms間サンプリングしてRAM53に記憶する(ステップS1)。続いて、サンプリングして記憶した測定データをRAM53から読み出してFFT処理を行い、図3に示すようなデータを算出する(ステップS2)。
【0023】
次に、演算処理装置51は、FFT処理により得られたフーリエスペクトル(周波数スペクトル)から300Hzと600Hzとの間のスペクトルレベルを抽出して平均値を算出する(ステップS3)。なお、平均値を算出する代わりに、中点のスペクトルレベルを選択しても良い。
続いて、平均値が予め設定したしきい値よりも高いか否か判定する(ステップS4)。そして、スペクトルレベルの平均値がしきい値よりも低い(No)と判定すると、処理を終了する。一方、ステップS4で、スペクトルレベルの平均値がしきい値よりも高い(Yes)と判定すると、ステップS5へ進んでアラームを出力して保全担当者へ知らせる。
【0024】
アラームは、表示装置56の画面に高抵抗地絡の発生を文字等で表示するものや警報ランプでも良いし、図示しないスピーカやブザーなどの音声出力手段によりアラーム音を出力するものであってもよい。
これにより、保全担当者は、高抵抗地絡が検出されたことを認知し、例えば高抵抗地絡が検出されたき電線へ直流電力を供給する変電所の遮断器をオフにすることで、地絡電流が流れ続けるのを防止することができる。
なお、演算処理装置51は、アラームを出力する代わりに、遮断器をオフにする信号を生成して出力するように構成しても良い。
【0025】
なお、上記実施例では、FFT処理により得られたデータの300Hzと600Hzとの間のスペクトルレベルがしきい値よりも高いか否かを判定して高抵抗地絡の検出を行なっているが、そのような判定に限定されるものでない。例えば、図3より、通常き電時(B1)においては、300Hzのスペクトルレベルの山よりも600Hzの山の方が大きいのに対し、高抵抗地絡発生時(B2,B3,B4)においては、300Hzの山の方が600Hzの山よりも大きいので、300Hzの山と600Hzの山を比較して高抵抗地絡の発生の有無を判定するようにしてもよい。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、変電所の整流器が6個のダイオードを有するブリッジ回路で構成されている場合の検出方法を例にとって説明したが、整流器が12個のダイオードを有するブリッジ回路で構成されている場合には、フーリエスペクトルの分布において600Hzと900Hzと1.2kHzの近傍に大きな山がみられるので、600Hzと900Hzとの間のスペクトルレベルの平均値や900Hzと1.2kHzとの間のスペクトルレベルがしきい値よりも高いか否かを判定して高抵抗地絡の検出を行なうようにしても良い。
【0027】
なお、上記実施例は、変電所に入力される交流電圧が50Hzの場合について説明したものであり、入力交流電圧が60Hzの場合には、フーリエスペクトルの360Hz、720Hz、1080Hz、1440Hzにスペクトルレベルの山が現れるので、それらの周波数における山に着目して上記と同様な検出を行えば良い。さらに、整流器には12個のダイオードを有するブリッジ回路で構成されているものがあるので、その場合には、上記周波数の2倍の周波数におけるスペクトルレベルの山に着目して上記と同様な検出を行うと良い。
また、上記実施形態では、電流測定器として交流用CTを使用しているが直流用CTを使用するようにしても良い。CTの測定値の周波数解析において、高速フーリエ変換の代わりにウェーブレット変換を行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0028】
10 直流き電線
20A,20B 変電所
21 変圧器
22 整流器
24 交流用CT(変流器)
25 検出装置
50 高抵抗地絡検出部
51 演算処理装置
図1
図2
図3
図4
図5