(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】太陽電池パネル
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20220413BHJP
【FI】
H01L31/04 570
(21)【出願番号】P 2018529582
(86)(22)【出願日】2017-03-20
(86)【国際出願番号】 KR2017002972
(87)【国際公開番号】W WO2017171287
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-05
(31)【優先権主張番号】10-2016-0036715
(32)【優先日】2016-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0164404
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジュンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク,サンウク
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/011426(WO,A1)
【文献】特開2009-054981(JP,A)
【文献】特開2016-012724(JP,A)
【文献】特開平07-335922(JP,A)
【文献】特開2012-129359(JP,A)
【文献】特開2005-159173(JP,A)
【文献】特開2002-076398(JP,A)
【文献】特開2005-217148(JP,A)
【文献】国際公開第2014/192408(WO,A1)
【文献】特開平11-284216(JP,A)
【文献】特開2012-169355(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0301560(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/078
H01L 51/42-51/48
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルであって、
第1太陽電池及び第2太陽電池を備える複数の太陽電池と、
前記第1太陽電池と前記第2太陽電池を接続する複数の配線材と、を備えてなり、
前記第1太陽電池及び前記第2太陽電池の各々は、
半導体基板と、
前記半導体基板の前面上に位置する第1パッシベーション膜と、
前記半導体基板の後面上に位置する第2パッシベーション膜と、
前記半導体基板の前面の方向で前記第1パッシベーション膜の上に位置する第1導電型の領域と、
前記半導体基板の後面の方向で前記第2パッシベーション膜の上に位置する第2導電型の領域と、
前記第1導電型の領域に電気的に接続され、第1方向に延びる複数の第1フィンガーライン及び前記第1方向と交差する第2方向に位置する複数の第1バスバーを備える第1金属電極層を備えた第1電極と、
前記第2導電型の領域に電気的に接続され、前記第2方向に位置する複数の第2バスバーを備える第2金属電極層を備えた第2電極と、を備えてなり、
前記半導体基板は結晶質構造を有してなり、
前記第1導電型の領域と前記第2導電型の領域からなる群から選択される少なくとも一つが非晶質構造を有してなり、
前記複数の配線材は、それぞれ100μm乃至500μmの直径又は幅を有してなり、前記太陽電池の一面の方向で6個以上配置され、
前記複数の配線材それぞれは、
コア層と、
前記コア層の表面に全体的にコーティングされるはんだ層と、を備え、
前記複数の配線材は、それぞれ、前記はんだ層によって、前記第1太陽電池の前記複数の第1バスバーと前記第2太陽電池の前記複数の第2バスバーとを接続し、
前記はんだ層は、前記第1電極又は前記第2電極と隣接する部分で、前記第1電極又は前記第2電極に向かいながら幅が徐々に大きくなる部分を
含み、
前記複数の第1バスバー又は前記複数の第2バスバーは、前記はんだ層より広い幅を有するパッド部を備え、
前記複数のパッド部は、前記複数の第1バスバー又は前記複数の第2バスバーの両端に隣接して配置される複数の第1パッドと、前記複数の第1パッドと離隔される複数の第2パッドと、を備え、
前記複数の第1パッドそれぞれの前記第2方向の長さは、前記複数の第2パッドそれぞれの第2方向の長さより大きい、太陽電池パネル。
【請求項2】
前記第1導電型の領域は、前記半導体基板と同じ導電型を有し、前記半導体基板より高いドーピング濃度を有する前面電界領域を含んでなり、
前記第2導電型の領域は、前記半導体基板と反対になる導電型を有するエミッタ領域を含んでなる、請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項3】
前記はんだ層は、前記パッド部の前記半導体基板の反対面に位置する面にのみに形成され、前記パッド部の側面には形成されない、請求項1又は2に記載の太陽電池パネル。
【請求項4】
前記第1金属電極層及び前記第2金属電極層の内の少なくとも一つは、金属と架橋樹脂を含んでなる、請求項1~3の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
【請求項5】
前記金属は、前記架橋樹脂より更に多く含まれる、請求項4に記載の太陽電池パネル。
【請求項6】
前記第1金属電極層及び前記第2金属電極層の内の少なくとも一つは、ガラスフリットを含まない、請求項4又は5に記載の太陽電池パネル。
【請求項7】
前記金属が互いに異なる形状の、第1形状粒子と第2形状粒子を含んでなり、
前記第2形状粒子の少なくとも一部のサイズは、前記はんだ層の厚さより大きいものである、請求項
4に記載の太陽電池パネル。
【請求項8】
前記金属は、互いに異なる形状の、第1形状粒子と第2形状粒子を含んでなり、
前記第1形状粒子の粒径が0.1μm~5μmである球形形状を有し、
前記第2形状粒子の長軸が2μm~10μmであり、
前記第2形状粒子の厚さが0.2μm~5μmであるフレーク形状を有する、請求項
4に記載の太陽電池パネル。
【請求項9】
前記金属は、互いに異なるサイズの、第1粒子及び第2粒子を含んでなる、請求項4に記載の太陽電池パネル。
【請求項10】
前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の空隙率(porosity)が、前記はんだ層の空隙率より高いものである、請求項1~9の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
【請求項11】
前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の上に位置し、
前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層より高い金属含有量を有する、バリア電極部を更に備える、請求項1~10の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
【請求項12】
前記第1電極及び前記第2電極の内の少なくとも一つは、
前記第1導電型の領域又は前記第2導電型の領域と、
前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層との間に位置する透明電極層と、を更に備え、
前記バリア電極部は、
前記透明電極層に対向する前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の第1面;
前記第1面と反対の前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の第2面;及び
前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の側面;の内の少なくとも一つに位置し、
前記バリア電極部が層形態又は粒子形態で存在する、請求項11に記載の太陽電池パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルに関し、さらに詳細には、電気的に接続された複数の太陽電池を含む太陽電池パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
最近石油や石炭のような既存エネルギー資源の枯渇が予測されながらこれらを取り替える代替エネルギーに対する関心が高くなり続いている。その中でも、太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換させる次世代電池として脚光を浴びている。
【0003】
このような太陽電池は、複数個がリボンによって直列または並列に接続され、複数の太陽電池を保護するためのパッケージング(packaging)工程によって太陽電池パネルの形態で製造される。
【0004】
一般的に、1.5mm程度の大きな幅を有するリボンを使用して、太陽電池を接続した。それでは、リボンの大幅によって光損失などが発生することがあるので、太陽電池に配置されるリボンの数が少なければならない。例えば、リボンの数が3個程度であった。このようにリボンの数が少なければ、光電変換によって形成されたキャリアがリボンまで移動したときの移動経路が大きくなるので、太陽電池パネルの出力を向上させるには限界がある。
【0005】
一方、リボンは、様々な方法で取り付けることができる。一例として、太陽電池の電極とリボンの間に伝導性接着フィルムを位置させて熱圧着することにより太陽電池にリボンを取り付けることができる。しかし、伝導性接着フィルムは、価格が高価でリボンのそれぞれに付着工程を行わなければならないため付着工程が複雑になる問題があった。特に、光の損失などを考慮して、従来より小さい幅を有し、多くの数で付着されるインターコネクタを使用する場合には、伝導性接着フィルムを使用する場合に工程のコストと時間が大幅に増加することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、出力を向上させることができ、簡単な工程によって製造することができる太陽電池パネルを提供することにある。
〔本発明の一の態様〕
〔1〕 太陽電池パネルであって、
第1太陽電池及び第2太陽電池を含む複数の太陽電池と、
前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池を接続する複数の配線材とを備えてなり、
前記第1太陽電池及び前記第2太陽電池の各々は、
半導体基板と、
前記半導体基板の前面上に位置する第1パッシベーション膜と、
前記半導体基板の後面上に位置する第2パッシベーション膜と、
前記半導体基板の前面の方向で前記第1パッシベーション膜の上に位置する第1導電型の領域と、
前記半導体基板の後面の方向で前記第2パッシベーション膜の上に位置する第2導電型の領域と、
前記第1導電型の領域に電気的に接続され、第1方向に延びる第1フィンガーラインと前記第1方向と交差する第2方向に位置する第1バスバーを備える第1金属電極層を備えた第1電極と、
前記第2導電型の領域に電気的に接続され、前記第2方向に位置する第2バスバーを備える第2金属電極層を備えた第2電極と、を備えてなり、
前記複数の配線材は、それぞれ100μm乃至500μmの直径又は幅を有してなり、前記太陽電池の一面の方向で6個以上配置され、
前記複数の配線材は、それぞれはんだ層によって、前記第1太陽電池の前記第1バスバー及び前記第2太陽電池の前記第2バスバーに接続されてなる、太陽電池パネル。
〔2〕 前記第1導電型の領域が、前記半導体基板と同じ導電型を有し、前記半導体基板より高いドーピング濃度を有する前面電界領域を含んでなり、
前記第2導電型の領域が、前記半導体基板と反対になる導電型を有するエミッタ領域を含んでなる、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔3〕 前記はんだ層は、前記第1電極又は第2電極に隣接する部分で、前記第1電極又は前記第2電極に向かいながら幅が徐々に大きくなる部分を備えてなる、〔1〕又は〔2〕に記載の太陽電池パネル。
〔4〕 前記はんだ層は、前記第1電極又は前記第2電極に隣接する部分において、前記太陽電池の外部に対して凹の形状を有する部分を備えてなる、〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔5〕 前記複数の第1バスバー又は前記複数の第2バスバーは、前記はんだ層より広い幅を有するパッド部を備えてなり、
前記はんだ層は、前記パッド部の前記半導体基板の反対面に位置する面にのみに形成され、前記パッド部の側面には形成されない、〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔6〕 前記第1金属電極層及び第2金属電極層からなる群から選択されてなる少なくとも一つが、金属と架橋樹脂を含んでなる、〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔7〕 前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層は、前記金属が、前記架橋樹脂よりさらに多く含まれてなる、〔6〕に記載の太陽電池パネル。
〔8〕 前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層内において、前記金属と前記架橋樹脂の合計を100重量部として、
前記金属が80~95重量部で含まれてなり、
前記架橋樹脂が5~20重量部で含まれてなる、〔7〕に記載の太陽電池パネル。
〔9〕 前記第1金属電極層又は第2金属電極層はガラスフリットを含まない、〔6〕~〔8〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔10〕 前記架橋樹脂はフェノキシ系樹脂、エポキシ系樹脂、及びセルロース系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる、〔6〕~〔9〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔11〕 前記金属が互いに異なる形状の、第1形状粒子と第2形状粒子を含んでなる、〔6〕~〔10〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔12〕 前記第1形状粒子が球形の形状を有し、
前記第2形状粒子が非球形の形状を有し、
前記第1形状粒子が前記第2形状粒子より多く含まれてなる、〔11〕に記載の太陽電池パネル。
〔13〕 前記第2形状粒子の少なくとも一部のサイズが前記はんだ層の厚さより大きいものである、〔11〕又は〔12〕に記載の太陽電池パネル。
〔14〕 前記第1形状粒子の粒径が0.1~5μmである球形形状を有し、
前記第2形状粒子の長軸が2~10μmであり、前記第2形状粒子の厚さが0.2~5μmであるフレーク形状を有する、〔1〕~〔13〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔15〕 前記金属が、互いに異なるサイズの第1粒子及び第2粒子を含んでなる、〔6〕~〔14〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔16〕 前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の空隙率(porosity)が、前記はんだ層の空隙率より高いものである、〔1〕~〔15〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔17〕 前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の上に位置し、前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層より高い金属含有量を有するバリア電極部をさらに備えてなる、〔1〕~〔16〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔18〕 前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも何れか一つが、前記第1導電型の領域又は前記第2導電型の領域と、前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層との間に位置する透明電極層をさらに備えてなり、
前記バリア電極部が前記透明電極層に対向する前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の第1面、前記第1面と反対の前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の第2面、及び前記第1金属電極層又は前記第2金属電極層の側面からなる群から選択される少なくとも一つに位置し、
前記バリア電極部が層形態又は粒子形態で存在する、〔17〕に記載の太陽電池パネル。
〔19〕 前記半導体基板が結晶質構造を有し、
前記第1導電型の領域と前記第2導電型の領域からなる群から選択される少なくとも一つが非晶質構造を有する、〔1〕~〔18〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
〔20〕
前記第1導電型の領域と前記第2導電型の領域がそれぞれ非晶質シリコンを含んでなり、
前記第1パッシベーション膜及び前記第2パッシベーション膜がそれぞれ真性非晶質シリコンを含んでなる、〔1〕~〔19〕の何れか一項に記載の太陽電池パネル。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルは、第1太陽電池及び第2太陽電池を含む複数の太陽電池と前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池を接続する複数の配線材を含む。前記第1及び第2太陽電池の各々は、半導体基板と前記半導体基板の前面上に位置する第1パッシベーション膜と前記半導体基板の後面上に位置する第2パッシベーション膜と前記半導体基板の前面の方から前記第1パッシベーション膜の上に位置する第1導電型の領域と前記半導体基板の後面の方向で第2パッシベーション膜の上に位置する第2導電型の領域と前記第1導電型の領域に電気的に接続され、第1方向に延びる第1フィンガーラインと前記第1方向と交差する第2方向に位置する第1バスバー備える第1金属電極層を含む第1電極と、前記第2導電型の領域に電気的に接続され、前記第2方向に位置する第2バスバーを備える第2金属電極層を含む第2電極を含む。前記複数の配線材は、それぞれ100μm乃至500μmの直径または幅を有し、前記太陽電池の一面の方から6個以上配置される。そして、前記複数の配線材は、それぞれはんだ層によって前記第1太陽電池の前記第1電極と前記第2太陽電池の前記第2電極に接続される。
【発明の効果】
【0008】
本実施の形態に係ると、薄い幅を有する配線材を多く数に含みから、キャリアの移動経路を減らすことによって、太陽電池パネルの出力を向上させることができる。そして配線材が円形の断面を有し乱反射によって光損失を最小化して出力をさらに向上させることができる。このような配線材を半導体基板と他の結晶構造を有する導電型領域を備える太陽電池に適用して、薄い幅を有する配線材のアライメントミスなどが発生する場合でも、安定的に太陽電池に電気的に接続されるようにすることができる。
【0009】
このとき、配線材は、はんだ層によって付着されて簡単な構造と工程によって付着することができる。このとき、第1及び第2金属電極層の内、少なくとも1つが、金属粒子と架橋樹脂を含みからはんだ層が第1及び第2金属電極層の内、少なくとも一つで浸透して発生することができる問題を防止して、太陽電池パネルの信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルを示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II線に沿って切断して見た断面図である。
【
図3】
図1に示した太陽電池パネルに含まれ配線材によって接続される第1太陽電池と第2太陽電池を概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図3のIV-IV線に沿って切断して見た断面図である。
【
図5】
図1に示した太陽電池パネルに含まれる太陽電池と、これに形成された配線材を示す部分断面図である。
【
図6】
図1の太陽電池パネルに含まれた太陽電池を示す平面図である。
【
図7】
図1の太陽電池パネルに含まれた太陽電池と、これに接続された配線材を示す平面図である。
【
図8】本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部を示した部分拡大断面図である。
【
図9】本発明の一変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部を示した部分拡大断面図である。
【
図10】本発明の他の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部を示した部分拡大断面図である。
【
図11】本発明のまた別の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部を示した部分拡大断面図である。
【
図12】本発明のまた別の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部を示した部分拡大断面図である。
【
図13】本発明のまた別の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部を示した部分拡大断面図である。
【
図14】実験例1において吹き付着された金属電極層と配線材の断面写真である。
【
図15】比較例1で配線材にテビン工程を行ったが、配線材が付着されずに剥離された状態を撮影した写真である。
【
図16】実験例7で配線材を剥離した後、太陽電池を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【
図17】比較例1で配線材を剥離した後、太陽電池を撮影した走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルは、第1太陽電池及び第2太陽電池を含む複数の太陽電池と、前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池を接続する複数の配線材を含む。前記第1及び第2太陽電池の各々は、半導体基板と前記半導体基板の前面上に位置する第1パッシベーション膜と前記半導体基板の後面上に位置する第2パッシベーション膜と前記半導体基板の前面の方から前記第1パッシベーション膜の上に位置する第1導電型の領域と前記半導体基板の後面の方向で第2パッシベーション膜の上に位置する第2導電型の領域と前記第1導電型の領域に電気的に接続され、第1方向に延びる第1フィンガーラインと前記第1方向と交差する第2方向に位置する第1バスバー備える第1金属電極層を含む第1電極と、前記第2導電型の領域に電気的に接続され、前記第2方向に位置する第2バスバーを備える第2金属電極層を含む第2電極を含む。前記複数の配線材は、それぞれ100μm乃至500μmの直径または幅を有し、前記太陽電池の一面の方から6個以上配置される。そして、前記複数の配線材は、それぞれはんだ層によって前記第1太陽電池の前記第1電極と前記第2太陽電池の前記第2電極に接続される。
【実施例】
【0012】
以下においては、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0013】
図では、本発明を明確かつ簡略に説明するために 実施の形態と関係ない部分の図示を省略したし、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分に対しては、同一の図面参照符号を使用する。そして、図においては、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図面に示されたところに限定されない。
【0014】
そして、明細書全体においてどのような部分が他の部分を“含む”とするとき、特に反対される記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“上に”あるとする時、これは他の部分“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分“真上に”あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0015】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルを詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルを示す斜視図であり、
図2は、
図1のII-II線に沿って切断して見た断面図である。
【0017】
図1及び
図2を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150と、複数の太陽電池150を電気的に接続する配線材142を含む。そして、太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150と、これを接続する配線材142を囲んで密封するシール材130と、シール材130の上に太陽電池150の前面に位置する前面基板110と、シール材130の上に太陽電池150の後面に位置する後面基板120を含む。これをさらに詳細に説明する。
【0018】
本実施の形態において、複数の太陽電池150は、配線材142によって電気的に直列、並列または直並列に接続することができる。配線材142と太陽電池150に対しては、後でさらに詳細に説明する。
【0019】
そして、バスリボン145は、配線材142によって接続されて1つの列を形成する太陽電池150(つまり、太陽電池ストリング)の配線材142の両端を交互に接続する。バスリボン145は、太陽電池ストリングの端部で、これと交差する方向に配置されることができる。このようなバスリボン145は、互いに隣接する太陽電池ストリングを接続したり、太陽電池ストリングまたは太陽電池ストリングを電流の逆流を防止するジャンクションボックスに接続することができる。バスリボン145の物質、形状、接続構造などは多様に変形することができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0020】
シール材130は、配線材142によって接続された太陽電池150の前面に位置する第1シール材131と、太陽電池150の後面に位置する第2シール材132を含むことができる。第1シール材131と第2シール材132は、水分と酸素の流入を防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2シール材(131、132)は、透光性と接着性を有する絶縁物質で構成されることができる。一例として、第1シール材131と第2シール材132でエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral)、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などが使用されることができる。第1及び第2シール材(131、132)を用いたラミネート工程等により、後面基板120、第2シール材132、太陽電池150、第1シール材131、前面基板110が一体化されて、太陽電池パネル100を構成することができる。
【0021】
前面基板110は、第1シール材131上に位置して太陽電池パネル100の前面を構成し、後面基板120は、第2シール材132上に位置して太陽電池150の後面を構成する。前面基板110と後面基板120は、それぞれ、外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池150を保護することができる絶縁物質で構成されることができる。そして、前面基板110は、光が透過することができる透光性物質で構成され、後面基板120は、透光性物質、非透光性物質、または反射物質などで構成されるシートで構成されることができる。一例として、前面基板110が、ガラス基板などで構成することができ、後面基板120がTPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプを有するか、またはベースフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride、PVDF)樹脂層を含むことができる。
【0022】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、 第1及び第2シール材(131、132)、前面基板110、または後面基板120が、前述した説明以外の様々な物質を含むことができ、様々な形態を有することができる。例えば、前面基板110または後面基板120が、様々な形(例えば、基板、フィルム、シートなど)または物質を有することができる。
【0023】
図3~
図7を参照して、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池と配線材をさらに詳細に説明する。
【0024】
図3は
図1に示した太陽電池パネル100に含まれ、配線材142によって接続される第1太陽電池151と第2太陽電池152を概略的に示した斜視図であり、
図4は、
図3のIV-IV線に沿って切断して見た断面図である。
図5は、
図1に示した太陽電池パネル100に含まれる太陽電池150と、これに形成された配線材142を示した部分断面図である。簡略で明確な図示のために
図3及び
図4は、第1及び第2太陽電池(151、152)に対しては、半導体基板160と電極(42、44)を本位に概略的にのみ示した。
【0025】
図3~
図5を参照すると、複数の太陽電池150の中で、互いに隣接した二つの太陽電池150(一例として、第1太陽電池151と第2太陽電池152)が配線材142によって接続することができる。このとき、配線材142は、第1太陽電池151の前面に位置する第1電極42と、第1太陽電池151の一側(図の左側下部)に位置する第2太陽電池152 の後面に位置した第2電極44を接続する。そして、他の配線材1420aが、第1太陽電池151の後面に位置した第2電極44と、第1太陽電池151の他の一側(図の右側)に位置する他の太陽電池の前面に位置した第1電極42を接続する。そしてまた他の配線材1420bが第2太陽電池152の前面に位置した第1電極42と第2太陽電池152の一側(図の左側)に位置するまた他の太陽電池の後面に位置した第2電極44を接続する。これにより、複数の太陽電池150が配線材(142、1420a、1420b)によって互いに1つの列をなすように接続することができる。以下で配線材142の説明は、互いに隣接した二つの太陽電池150を接続するすべての配線材(142、1420a、1420b)にそれぞれ適用することができる。
【0026】
配線材142が第1太陽電池151の第1電極42が位置した領域で第1太陽電池151を横切った後、第2太陽電池152の第2電極44が位置した領域で第2太陽電池152を横切断して配置することができる。このように配線材142が、第1及び第2太陽電池(151、152)より小さい幅(W1)で(一例として、第1または第2電極(42、44)のバスバー(
図6の参照符号423))に対応する小さな面積で)第1及び第2太陽電池(151、152)を効果的に接続することができる。
【0027】
各太陽電池150の一面を基準に見るとき配線材142は、複数備えて隣接した太陽電池150の電気的接続特性を向上させることができる。特に、本実施の形態においては、配線材142が、既存に使用された相対的に広い幅(例えば、1mm乃至2mm)を有するリボンより小さい幅(W1)を有しながら長く続く線で構成されて、各太陽電池150の一面基準で、既存のリボンの数(例えば、2つ乃至5つ)より多くの数の配線材142を使用する。
【0028】
一例として、配線材142は、金属からなるコア層142aと、コア層142aの表面に薄い厚さでコーティングされ、はんだ物質を含む電極(42、44)とはんだ付けが可能なようにするはんだ層142bを含むことができる。一例として、コア層142aは、Ni、Cu、Ag、Alを主要物質(一例として、50wt%以上含まれる物質、さらに具体的に90wt%以上含まれる物質)で含むことができる。はんだ層142bは、錫、鉛、銀、ビスマス、インジウムの内、少なくとも一つを含む合金で構成されることができる。一例として、はんだ層142bがPb、Sn、SnIn、SnBi、SnBiPb、SnPb、SnPbAg、SnCuAg、SnCuなどで構成されることができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、コア層142aとはんだ層142bが、様々な物質を含むことができる。
【0029】
このように、従来のリボンより小さい幅(W1)を有するワイヤを配線材142で使用すると、物質コストを大幅に削減することができる。そして配線材142がリボンより小さい幅(W1)を有するので配線材142を十分な数で備え、キャリアの移動距離を最小化することにより、太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。
【0030】
また、本実施の形態に係る配線材142を構成するワイヤは、ラウンドされた部分を含むことができる。つまり、配線材142を構成するワイヤが円形、楕円形、または曲線からなる断面またはラウンドされた断面を有することができる。これにより、配線材142が反射または乱反射を誘導することができる。これにより、配線材142を構成するワイヤのラウンドされた面で反射された光が太陽電池150の前面または後面に位置した前面基板110または後面基板120などに反射または全反射されて太陽電池150に再入射されるようにすることができる。これにより、太陽電池パネル100の出力を効果的に向上させることができる。そして、このような形状の配線材142を容易に製造することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。したがって配線材142を構成するワイヤが方形などの多角形の形状を有することができ、その他の様々な形状を有することができる。
【0031】
本実施の形態において配線材142は、幅(または直径)(W1)が100μm 内500μmで有り得る。本明細書で配線材142の幅(W1)とするのは、配線材142の中心を通りながら、太陽電池150の厚さ方向と垂直な面で配線材142またはコア層142aの幅または直径を意味することができる。参考で、配線材142が電極(42、44)に付着された後には、コア層142aの中心に位置した部分ではんだ層142bが非常に薄い厚さを有するので、はんだ層142bが配線材142の幅(W1)に大きな意味を有さない。
【0032】
このような幅(W1)を有するワイヤの形態の配線材142によって太陽電池150から生成された電流を外部回路(例えば、バスリボンまたはジャンクションボックスのバイパスダイオード)または別の太陽電池150に効率的に伝達することができる。配線材142の幅(W1)が100μm未満であれば、配線材142の強度が十分ではないことができ、電極(42、44)の接続面積が非常に少なくて、電気的接続特性がよくない付着力が低いことがある。配線材142の幅(W1)が500μmを超えると、配線材142のコストが増加して配線材142が、太陽電池150の前面に入射する光の入射を妨害して光損失(shading loss)が増加することができる。また、配線材142で電極(42、44)と離隔される方向に加わる力が大きくなり、配線材142と電極(42、44)との間の付着力が低いことがあり、電極(42、44)または半導体基板160に亀裂等の問題を発生させることができる。付着力などをさらに考慮して配線材142の幅(W1)を250μm 内500μm とすることができる。このような範囲で電極(42、44)との付着力を高めながら、出力を向上させることができる。
【0033】
本実施の形態においては、配線材142が、別の層、フィルムなどに挿入されたり覆われてない状態で、太陽電池150の電極(42、44)の上にはんだ層142bによってそれぞれ個別に付着されて固定することができる。これにより、配線材142を電極(42、44)に付着した後、電極(42、44)の上に位置するはんだ層142bが特定の形状を有するようになるが、これについては後で詳細に説明する。
【0034】
このとき、配線材142の幅(W1)は、フィンガーライン427のピッチより小さいことがあり、フィンガーライン427の幅より大きいことができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0035】
複数の配線材142が一定の間隔で配置され、配線材142の数が、太陽電池150の一面に基づいて6つ乃至38個(一例として、11個~30個)で有り得る。配線材142の数が6つ未満では、出力の向上を大きく期待するのは難しいことがある。そして配線材142の数が一定数を超えても、太陽電池パネル100の出力がこれ以上増加することが困難することができ配線材142の数が多くなると、太陽電池150に負担を与えることができる。これを考慮して配線材142の数が38個以下で有り得る。このとき、太陽電池パネル100の出力をさらに向上するために配線材142の数が11個以上で有り得、配線材142による負担を軽減できるように配線材142が30個以下で有り得る。
【0036】
図5を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池150は、ベース領域10を含む半導体基板160と、半導体基板160の前面上に形成される第1パッシベーション膜52と、半導体基板160の後面上に形成される第2パッシベーション膜54と、半導体基板160の前面の方向で第1パッシベーション膜52上に形成される第1導電型領域20と、半導体基板160の後面の方向で第2パッシベーション膜54上に形成される第2導電型領域30と、第1導電型領域20に電気的に接続される第1電極42と、第2導電型領域30に電気的に接続される第2電極44を含むことができる。これをさらに詳細に説明する。
【0037】
半導体基板160は、ベースドーパントである第1または第2導電型ドーパントが低いドーピング濃度でドーピングされて、第1または第2導電型を有する結晶質構造の半導体で構成されることができる。一例として、半導体基板160は、単結晶または多結晶半導体(一例として、単結晶または多結晶シリコン)で構成されることができる。特に、半導体基板160は、単結晶半導体(例えば、単結晶半導体ウェハ、さらに具体的には、単結晶シリコンウエハ)で構成されることができる。このように、高い結晶性を有し、欠陥の少ない半導体基板160に基づいているため、太陽電池150が優れた電気的特性を有することができる。このとき、本実施の形態においては、半導体基板160は、付加的なドーピング等により形成されるドーピング領域を備えないベース領域10だけで構成されることができる。これにより、ドーピング領域による半導体基板160のパッシベーション特性の低下を防止または減少することができる。
【0038】
半導体基板160の前面及び/または後面は、反射を防止することができるようにテクスチャリング(texturing)による凹凸を有することができる。一例として、凹凸は、特定の結晶面で構成されることができる。たとえば111面である4つの外面によって形成されるおおよそのピラミッド形状を有することができる。半導体基板160の表面にテクスチャリングによる凹凸が形成されると半導体基板160に入射する光の反射を防止することができ、光の損失を効果的に減少することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、半導体基板160の表面に凹凸が形成されないこともある。
【0039】
半導体基板160の前面の上には第1パッシベーション膜52が形成(一例として、接触)され、半導体基板160の後面の上には第2パッシベーション膜54が形成(一例として、接触)される。これによりパッシベーション特性を向上することができる。このとき、第1及び第2パッシベーション膜(52、54)は、半導体基板160の前面と後面にそれぞれ全体的に形成されることができる。これにより、優れたパッシベーション特性を有しながら、別のパターニングなしに容易に形成することができる。キャリアが第1または第2パッシベーション膜(52、54)を通過して、第1または第2導電型の領域(20、30)に伝達されるので、第1及び第2パッシベーション膜(52、54)のそれぞれの厚さは、第1導電型領域20及び第2導電型領域30のそれぞれの厚さより小さいことができる。
【0040】
一例として、第1及び第2パッシベーション膜(52、54)が真性非晶質半導体(例えば、真性非晶質シリコン(i-a-Si))層で行われることができる。それでは、第1及び第2パッシベーション膜(52、54)が、半導体基板160と同じ半導体物質を含み類似な特性を有するため、パッシベーション特性をさらに効果的に向上させることができる。これによりパッシベーション特性を大きく向上することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。したがって、第1及び/または第2パッシベーション膜(52、54)が真性非晶質シリコン炭化物(i-a-SiCx)層または真性非晶質シリコン酸化物(i-a-SiOx)層を含むこともできる。これによれば、広いエネルギーバンドギャップによる効果が向上することができるが、パッシベーション特性は真性非晶質シリコン(i-a-Si)層を含む場合より多少低いことがある。
【0041】
第1パッシベーション膜52の上には第1導電型ドーパントを含むか、第1導電型を有し、半導体基板160より高いドーピング濃度を有する第1導電型領域20が位置(一例として、接触)することができる。そして第2パッシベーション膜54の上には第1導電型と反対の第2導電型を有する第2導電型ドーパントを含むか、または第2導電型を有する第2導電型領域30が位置(一例として、接触)することができる。第1及び第2パッシベーション膜(52、54)がそれぞれ第1及び第2導電型領域(20、30)に接触すると、キャリア伝達経路を短縮し、構造を簡素化することができる。
【0042】
第1導電型領域20及び第2導電型領域30が半導体基板160とは別に形成されるので、半導体基板160上で容易に形成することができるように、半導体基板160と、他の物質及び/または結晶質構造を有することができる。
【0043】
例えば、第1導電型領域20及び第2導電型領域30のそれぞれは、蒸着などの様々な方法によって容易に製造することができる非晶質構造の半導体等に第1または第2導電型ドーパントをドーピングして形成することができる。それでは第1導電型領域20及び第2導電型領域30が、単純な工程によって容易に形成することができる。
【0044】
このとき、半導体基板160が第1導電型を有することができる。それでは、第1導電型領域20が半導体基板160と同じ導電型を有しながら高いドーピング濃度を有する前面電界領域を構成し、第2導電型領域30が半導体基板160と反対される導電型を有してエミッタ領域を構成することができる。それでは、エミッタ領域である第2導電型領域30が半導体基板110の後面に位置して前面への光吸収を妨害しながらも、位置するため、相対的に厚く形成することができる。そして、前面電界領域である第1導電型領域20は、半導体基板110の前面に位置して前面への光の吸収に関係されるため、相対的薄く形成することができる。これにより、第1導電型領域20による光の損失を最小化することができる。
【0045】
第1または第2導電型ドーパントとして使用されるp型ドーパントとしては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を挙げることができ、n型ドーパントとしては、りん(P)、砒素(As)、美済ます(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を挙げることができる。この他にも、様々なドーパントが第1または第2導電型ドーパントとして使用することができる。
【0046】
一例として、半導体基板160と、第1導電型領域20がn型を有することができ、第2導電型領域30がp型を有することができる。これによれば、半導体基板160がn型を有してキャリアの寿命(life time)が優れることができる。一例として、半導体基板160と第1導電型領域20がn型ドーパントとしてリン(P)を含むことができ、第2導電型領域30がp型ドーパントとしてボロン(B)を含むすることができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型で有り得ることもある。
【0047】
本実施の形態において、第1導電型領域20及び第2導電型領域30は、それぞれ非晶質シリコン(a-Si)層、非晶質シリコン酸化物(a-SiOx)層、非晶質シリコン炭化物(a-SiCx)層、インジウム - ガリウム - 亜鉛酸化物(indiμm -galliμm -zinc oxide、IGZO)層、チタン酸化物(TiOx)層及びモリブデン酸化物(MoOx)層の内、少なくとも一つを含むことができる。このとき、非晶質シリコン(a-Si)層、非晶質シリコン酸化物(a-SiOx)層、非晶質シリコン炭化物(a-SiCx)層は、第1または第2導電型ドーパントとしてドーピングすることができる。インジウム - ガリウム - 亜鉛酸化物層、チタン酸化物層及びモリブデン酸化物層は、ドーパントの必要せずに、それ自体で、電子または正孔を選択的に収集し、n型またはp型領域と同じ役割を実行することができる。一例として、第1及び第2導電型領域(20、30)が非晶質シリコン層を含むことができる。これによれば、第1及び第2導電型領域(20、30)が、半導体基板160と同じ半導体物質(すなわち、シリコン)を含みから半導体基板160と類似な特性を有することができる。これにより、キャリアの移動がさらに効果的に行われて安定した構造を実現することができる。
【0048】
第1導電型領域20の上には、これに電気的に接続される第1電極42が位置(一例として、接触)し、第2導電型領域30の上には、これに電気的に接続される第2電極44が位置(一例として、接触)する。
【0049】
第1電極42は、配線材142またははんだ層142bが接合される第1金属電極層421を含み、第1導電型領域20と第1金属電極層421の間に位置する第1透明電極層420をさらに含むことができる。
【0050】
ここで、第1透明電極層420は、第1導電型領域20の上で全体的に形成(一例として、接触)することができる。全体的に形成されるということは、空スペースまたは空領域なしで第1導電型領域20の全体を覆うだけでなく、避けられないように一部の部分が形成されない場合を含むことができる。このように、第1透明電極層420が第1導電型領域20の上に全体的に形成されると、キャリアが第1透明電極層420を介して容易に第1金属電極層421まで達することがあり、水平方向での抵抗を低減することができる。非晶質半導体層などで構成される第1導電型領域20の結晶性が相対的に低く、キャリアの移動度(mobility)が低いことがあるので、第1透明電極層420を備え、キャリアが水平方向に移動する時の抵抗を低下させるものである。
【0051】
このように、第1透明電極層420が第1導電型領域20の上で全体的に形成されるので、光を透過することができる物質(透過性物質)で構成されることができる。一例として、第1透明電極層420は、インジウム - スズ酸化物(indiμm tin oxide、ITO)、アルミニウム - 亜鉛酸化物(alμm inμm zinc oxide、AZO)、ボロン - 亜鉛酸化物(boron zinc oxide、BZO)、インジウム - タングステン酸化物(indiμm tungsten oxide、IWO)及びインジウム - セシウム酸化物(indiμm cesiμm oxide、ICO)の内、少なくとも一つを含むことができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、第1透明電極層420その他の様々な物質を含むことができる。
【0052】
このとき、本実施の形態の第1透明電極層420は、前述した物質を主要物質としながら、水素を含むことができる。このように、第1透明電極層420が、水素を含むと、電子または正孔の移動度(mobility)が改善されることがあり、透過度が向上することができる。
【0053】
一例として、第1透明電極層420が第1導電型領域20(又は第2導電型領域30)と同じか、それより大きな厚さを有することができる。特に、第1透明電極層420が第1導電型領域20(又は第2導電型領域30)より大きい厚さを有することができる。これにより、第1透明電極層420を介してキャリアがさらにスムーズに移動することができる。
【0054】
本実施の形態においては、第1透明電極層420の上にパターンを有する第1金属電極層421が形成されることができる。一例として、第1金属電極層421は、第1透明電極層420に接触形成され、第1電極42の構造を単純化することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0055】
第1透明電極層420上に位置し、配線材142が接続される第1金属電極層421は、金属と架橋樹脂を含むことができる。第1金属電極層421は、金属を含みからキャリア収集効率、抵抗低減などの特性を向上させることができる。
【0056】
このように第1金属電極層421は、金属を含みから光の入射を妨害することがあるので、シェーディング損失(shading loss)を最小化することができるよう、一定のパターンを有することができる。これにより、第1金属電極層421が形成されない部分に光が入射することができるようにする。第1金属電極層421の平面形状は、
図6を参照して、後でさらに詳細に説明する。
【0057】
第2電極44は、配線材142が接続される第2金属電極441を含み、第2導電型領域30と第2金属電極441との間に位置する第2透明電極層440を含むことができる。第2電極44が第2導電型領域30の上に位置する点を除外しては、第2電極44の第2透明電極層440及び第2金属電極441の役割、物質、形状などが第1電極42の第1透明電極層420及び第1金属電極層421の役割、物質、形状などと同様であるため、これに対する説明がそのまま適用されることができる。
【0058】
このとき、本実施の形態において配線材142またははんだ層142bに接合される第1及び第2金属電極層(421、441)は、はんだ層142bの浸透を防止しつつ、低温焼成(一例として、300℃以下の工程温度の焼成)によって焼成することができる物質で構成されることができる。一例として、第1及び第2金属電極層(421、441)は、一定の金属化合物(一例として、酸素を含む酸化物、炭素を含む炭化物、黄を含む硫化物)などで構成されるガラスフリット(glass frit )を備えていなくてもよいし、金属の粒子4214と架橋樹脂4216を含み、そのほか他の樹脂(一例として、硬化剤、添加剤)だけを含むことができる。
【0059】
本実施の形態においては、第1及び第2金属電極層(421、441)がそれぞれ第1及び第2透明電極層(420、440)に接触して形成されるので、絶縁膜などを貫通するファイヤースルー(fire-through )が要求されない。これにより、第1及び第2金属電極層(421、441)が、ガラスフリットを除去した低温焼成ペーストを塗布(一例として、印刷)した後、これを熱処理して形成することができる。このように、低温焼成ペーストまたは第1及び第2金属電極層(421、441)が、ガラスフリットを備えなければ、第1及び第2金属電極層(421、441)の金属粒4214が焼結(sintering)されるものではなく、互いに接触して凝集(aggregation)されて、単純に硬化(curing)されることにより、伝導性を有するようになる。
【0060】
このように、単純に硬化されることにより形成された第1及び第2金属電極層(421、441)は、金属粒4214との間の一部を架橋樹脂4216が満たし、残りの一部に空隙(v)が残存することができる。これにより、第1及び第2金属電極層(421、441)は、空隙(v)を備えないはんだ層142bより高い空隙率を有することができる。これらの空隙率の違いから、第1及び第2金属電極層(421、441)が架橋樹脂4216を含み、ガラスフリットを含まないことを知ることができる。
【0061】
金属粒4214は、伝導性を提供する様々な物質を含むことができる。一例として、金属粒子は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、または銀または錫(Sn)のコーティングされた銀、アルミニウム、銅粒子を単独で、または二つ以上混合して使用することができる。
【0062】
架橋樹脂4216では、金属間の架橋(cross linking)を実行して、はんだ層142bが第1及び第2金属電極層(421、441)の内部に浸透することを防止する物質を含むことができる。本実施の形態とは異なり、架橋樹脂4216を含まなければ、はんだ層142bが第1及び第2金属電極層(421、441)の内部に浸透して脆性(brittle)を有するようにされ、第1及び第2金属電極層(421、441)が、小さな衝撃などによって容易に割れることができる。本実施の形態では、架橋樹脂4216が、金属粒4214との間を満たしてはんだ層142bの浸透を防止することが予測される。一例として、架橋樹脂4216がフェノキシ系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂などを含むことができる。これらは架橋特性に優れ、かつ、電極の特性を変化させないからである。特に、エポキシ系樹脂を使用し、優れた架橋特性を有することができる。そのほかにも、第1及び第2金属電極層(421、441)は、硬化剤をさらに含むことができる。硬化剤としては、アミン系硬化剤を使用することができる。アミン系硬化剤の一例として、無水フタル酸(phthalic anhydride)、ジエチルアミノプロピルアミン(diethylamino propylamine)、ジエチルトリアミン(diethylene triamine)などを挙げることができる。そのほかに添加剤などを含むことができる。
【0063】
そして、第1及び第2金属電極層(421、441)を形成するための低温ペーストには、溶媒が含まれるが、熱処理時、溶媒は、揮発され、第1及び第2金属電極層(421、441)では含まれないか、または非常に微量で含まれることができる。溶媒としては、有機溶媒を使用することができるが、一例として、ブチルカルビトールアセテート(butyl carbitol acetate、BCA)、セルロースアセテート(cellulose acetate、CA)などを使用することがあるが、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0064】
このとき、第1または第2金属電極層(421、441)で金属または金属粒4214が架橋樹脂4216よりさらに多く含まれることができる。これにより、第1または第2金属電極層(421、441)が、十分な伝導性を有することができる。一例として、金属粒4214及び架橋樹脂4216の合を100重量部とするとき、金属粒4214が80~95重量部、架橋樹脂4216が5~20重量部で含まれ、硬化剤が0.1~5重量部で含まれることができる。溶媒は、熱処理前には金属粒4214と架橋樹脂4216の合を100重量ブラするとき、3~10重量部で含まれることがあるが、熱処理後には揮発されて存在しないか、または微量のみ存在するようになる。熱処理後、硬化剤などの他の物質の含有量は、大きくないため、第1または第2金属電極層(421、441)で金属または金属粒4214の重量部が80~95重量部で有り得る。
【0065】
金属粒4214の重量部80未満であるか、架橋樹脂4216の重量部20を超えると、金属粒4214による伝導性が十分ではないことがある。金属粒4214の重量部が95を超えるか架橋樹脂4216の重量部が5未満では、架橋樹脂4216が十分でなくて架橋樹脂4216によるはんだ層142bの浸透防止効果が十分でないことがある。硬化剤は、低温ペーストの特性を低下させずに、十分な硬化が行われるようにする量で含まれるものであり、溶媒は、様々な物質を均一に混合し、熱処理時に揮発され、電気的特性を低下しない量で含まれたものである。しかし、本発明の実施の形態は、これらの数値に限定されるものではない。
【0066】
本実施の形態において、金属粒4214が、互いに異なる形状の第1形状粒子4211と第2形状粒子4213を含むことができる。これによれば、金属粒4214の充填率を向上させ、はんだ層142bが第1及び第2金属電極層(421、441)に浸透することを効果的に防止することができる。一例として、第1形状粒子4211が球形形状を有し、第2形状粒子4213が非球面形状(一例として、フレーク状)を有することができる。それでは、第1形状粒子4211によって充填率を高めながら、第2形状粒子4213によってはんだ層142bが浸透することを防ぐことができる。このとき、第1形状粒子4211が第2形状粒子4213より多く含まれることができる。球状粒子である第1形状粒子4211が多く含まれて優れた電気伝導度を実現し、第2形状粒子4213は、はんだ層142bの浸透を防止する程度で含まれるとよいからである。一例として、金属粒4214全体100重量部に対して、第1形状粒子4211が70~99重量部で含まれ、第2形状粒子4213が1~30重量部で含まれることができる。このような範囲は、優れた電気伝導度を実現しながら、はんだ層142bの浸透を効果的に防止することができる範囲に限られたことであるが、本発明の実施の形態が、このような数値に限定されるものではない。また、第2形状粒子4213せずに、第1形状粒子4211だけを備えることもできる。
【0067】
このとき、第1形状粒子4211のサイズ(一例として、粒径、さらに具体的には、平均粒径)が第2形状粒子4213の長軸(一例として、平均長軸)より小さいことができ、第2形状粒子4213の厚さ(一例として、平均厚さ)と同じかそれより小さいことができる。または、第1形状粒子4211のサイズ(一例として、平均サイズ)が0.1~5μm であり、第2形状粒子4213の長軸(一例として、平均長軸)が2~10μm であり、厚さ(一例として、平均長軸)が0.2~5μm ことができる。このように、第1形状粒子4211と第2形状粒子4213を一緒に含むときに密に金属粒4214が満たされて、第2形状粒子4213によってはんだ層142bの浸透を防止することができる。このとき、第2形状粒子4213の内、少なくとも一部のサイズ(一例として、長軸)がはんだ層142bより厚い厚さを有することができる。それでは、はんだ層142bの浸透をさらに防止することができる。そして、金属粒4214又は第1形状粒子4211は、第1サイズを有し、球形形状を有する第1粒子4211aと第1サイズとは異なる第2サイズを有し球形形状を有する第2粒子4211b を含むことができる。このように、第1形状粒子4211が互いに異なるサイズを有する第1粒子4211aと第2粒子4211b を含むと、金属電極層(421、422)内の空隙(v)を最小化することができる。一例として、第1粒子4211aのサイズが0.2~1μmで有り得、第2粒子4211b のサイズが2~3μmで有り得る。このとき、第2粒子4211b が、第1粒子4211aより少なく含むことができる。サイズが小さい第1粒子4211aをさらに多く含むと空隙(v)を減らすことができるからである。一例として、第1形状粒子4211の全体100重量部に対して、第1粒子4211aが60~95重量部、第2粒子4211b が5~40重量部で含まれることができる。このような範囲は、空隙(v)を最小化することができる範囲に限られたものであるが、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0068】
参考として、第1形状粒子4211のサイズは、粒度分析器または走査電子顕微鏡(SEM)で測定または判断することができ、第2形状粒子4213の長軸と厚さは、走査電子顕微鏡(SEM )で測定または判断されることができる。
【0069】
このように本実施の形態において、第1及び第2金属電極層(421、441)は、それぞれ、金属粒4214と一緒に架橋樹脂4216を含むので、金属からなるはんだ層142bの金属含有量が第1及び第2金属電極層(421、441)の金属含有量より高い。はんだ層142bは、高い金属含有量を有し、はんだ付け特性を向上させ、第1及び第2金属層(421、441)は、架橋樹脂4216によってはんだ層142bの浸透を防止することができる。一例として、はんだ層142b全体100重量部に対して、金属が99重量部以上で含まれることができる。一方、先に説明したように、第1または第2金属電極層(421、441)全体100重量部には、金属(または金属粒4214)が、80~95重量部で含まれることができる。
【0070】
前述した第1及び第2電極(42、44)の第1及び第2金属電極層(421、441)の形状と、これに接合される配線材142及び/またははんだ層142bの形状を
図5と共に
図6及び
図7を参照して、さらに詳細に説明する。
【0071】
図6は、
図1の太陽電池パネル100に含まれる太陽電池150を示す平面図である。
図7は、
図1の太陽電池パネル100に含まれる太陽電池150と、これに接続された配線材142を示す平面図である。
図6及び
図7においては、半導体基板160と、第1及び第2電極(42、44)の第1及び第2金属電極層(421、441)を中心に示した。以下では、第1電極42の第1金属層421を中心にして説明するが、後述する説明は、第2電極44の第2金属層441にもそのまま適用することができる。
【0072】
図6及び
図7を参照すると、本実施の形態において、第1金属電極層421は、それぞれ、第1方向(図面の横方向)に延長され、互いに平行に位置する複数のフィンガーライン427を含む。そして、第1方向と交差(一例として、直交)する第2方向(図面の縦方向)に延長されて配線材142が接続または取り付けられるバスバー423をさらに含むことができる。バスバー423は、配線材142に一対一対応して配置されることができるので、バスバー423の数、ピッチ等については配線材142の数、ピッチ等の説明がそのまま適用されることができる。本実施の形態では配線材142が、太陽電池150の一面を基準に複数本(一例として、6個以上)備えるので、バスバー423もこれに対応するように複数本(一例として、6個以上)備えられている。一例として、配線材142と、バスバー423(一例として、パッド部424)の接合強度が0.5~2Nで有り得る。このような接合強度によって配線材142がバスバー423(一例として、パッド部424)に安定的に付着されるので、外力によって剥離されるなどの問題が発生しないようにすることができる。
【0073】
複数のフィンガーライン427は、均一な幅及びピッチを有しながら互いに離隔されることもある。図では、フィンガーライン427が第1方向に互いに並行するように形成されて 太陽電池150のメインエッジと平行したものを例示したが、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0074】
一例として、バスバー423と配線材142が互いに接続または付着する部分でバスバー423は、はんだ層142bより広い幅(W2)を有するパッド部424を含むすることができる。パッド部424は、相対的に広い幅(W2)を有し配線材142が安定的に付着されるようにして接触抵抗を低減することができる。パッド部424は、各配線材142に対応して一定の間隔をおいて互いに離隔した複数のパッド部(424a、424b)で構成されることができる。一例として、複数のパッド部(424a、424b)は、バスバー423の両端部の方向にそれぞれ隣接して位置する第1パッド424aと、第1パッド(424a以外の第2パッド424bを含むことができる。第1パッド424aは、配線材142を太陽電池150から分離する方向に力が多く作用することができる部分に位置するので、第2パッド424bより大きい長さまたは幅を有することができる。そして、第1方向で測定されるパッド部424の幅(W2)は、第1方向で測定されたライン部425の幅と第2方向で測定されたフィンガーライン427の幅よりそれぞれ大きくすることができる。
【0075】
ここで、はんだ層142bの厚さがコア層142aの幅または直径の20%以下(一例として、20μm 以下、例えば、2μm 乃至20μm 、一例として5μm 乃至20μm )で小さいほうである。このとき、はんだ層142bの厚さが2μm 未満であるとテビン工程が円滑に行われないことがある。そしてはんだ層142bの厚さが20μmを超えると、材料コストが増加し、コア層142aの幅が小さくなって配線材142の強度が低下することができる。一例として、コア層142aの幅または直径とはんだ層142bの厚さの比率が1:0.01~1:0.04で有り得る。ここで、テビンによってバスバー423に取り付けた部分においてはんだ層142bの厚さは、位置に応じて、異なる値を有することができる。これにより、はんだ層142bの厚さは、テビンがされない部分(例えば、第1太陽電池151と第2太陽電池152の間に位置する部分)の厚さを意味することができる。参照で、第1及び第2金属電極層(421、441)の厚さがはんだ層142bの厚さより大きいことができる。一例として、第1及び第2金属電極層(421、441)の厚さが20~40μmで有り得る。これにより、第1及び第2金属電極層(421、441)の抵抗を低減して配線材142が安定的に第1及び第2金属電極層(421、441)に取り付けられるようにすることができる。
【0076】
このとき、各配線材142のはんだ層142bは、他の配線材142またははんだ層142bと、個別に位置することになる。テビン工程によって配線材142が、太陽電池150に付着されると、各はんだ層142bが第1または第2電極(42、44)(さらに具体的に、パッド部424)の方向に全体的に流れて降り各パッド部424に隣接した部分またはパッド部424とコア層142aとの間に位置する部分ではんだ層142bの幅がパッド部424を向けながら徐々に大きくなることができる。一例として、はんだ層142bにおいてパッド部424に隣接し部分は、コア層142aの直径(W1)と同じか、それより大きな幅(W3)を有することができる。さらに具体的に、はんだ層1423は、コア層142aの上部からコア層142aの形状に応じて、太陽電池150の外部に向かって突出した形状を有するものの、コア層142bの下部またはパッド部424に隣接部分には、太陽電池150の外部に対して凹の形状を有する部分を含む。これにより、はんだ層142bの側面においては、曲率が変わる変曲点(CP)が位置することになる。はんだ層142bのこのような形状から配線材142が、別の層、フィルムなどに挿入されたり覆われていない状態で、はんだ層142bによってそれぞれ個別に取り付けられて固定されたことが分かる。別の層、フィルムなどの使用なしではんだ層142bによって配線材142を固定して、単純な構造と工程によって太陽電池150と配線材142を接続することができる。特に、本実施の形態のように、狭い幅とラウンドされた形状を有する配線材142を、別の層、フィルム(一例として、樹脂と伝導性物質を含む伝導性接着フィルム)などを使用せずに取り付けることができ、配線材142の工程のコストと時間を最小化することができる。
【0077】
一方、テビン工程の後の場合も二つの太陽電池150の間に位置する配線材142の部分は、テビン工程以前と同一又は類似の形状をそのまま維持することができる。
【0078】
このように、はんだ層142bの幅(W3)がパッド部424の幅(W2)と同じか、それより小さいので、はんだ層142bは、パッド部424から半導体基板160の反対面に位置する面(
図5の拡大円から上部面)にのみに形成され、パッド部424の側面には、形成されない。これとは異なりパッド部424の側面にもはんだ層142bが位置するようになると、透明電極層(420、440)を損傷させたり、第1及び第2透明電極層(420、440)と、第1及び第2金属電極層(421、441)の間に入り込んで、第1及び第2透明電極層(420、440)と、第1及び第2金属電極層(421、441)の接合特性を低下させることができる。
【0079】
一例として、配線材142の幅(W1):パッド部424に隣接する部分においてはんだ層142bの幅(W3)の割合(W1:W3)が1:1~1:3.33で有り得る。そしてパッド部424に隣接する部分のはんだ層142bの幅(W3):パッド部424の幅(W2)の比(W3:W2)が1:1~1:4.5(一例として、 1:1.1~1:4.5)で有り得る。前記比(W3:W2)が1:1未満であれば、配線材142とパッド部424の接着特性に優れないことがある。前記比(W3:W2)が1:4.5を超えると、パッド部424の面積が大きくなって光の損失が増加し、製造コストが増加することができる。前記比(W3:W2)が1:1.1以上であれば、パッド部424に隣接するはんだ層142bの幅(W3)がパッド部424の幅(W2)より小さくて、はんだ層142bがパッド部424の側面に流れないでパッド部424の上で安定的に位置することができる。
【0080】
しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。配線材142の幅(W1)、パッド部424の幅(W2)及びはんだ層142bの幅(W3)が、さまざまな値を有することができる。
【0081】
そして、バスバー423は、パッド部424との間を接続し、パッド部424より小さい幅を有するライン部425を含むことができる。ライン部425によってバスバー423が後を絶たなく、連続的に形成することができる。狭い幅のライン部425によって太陽電池150に入射する光を防ぐ面積を最小化することができる。
【0082】
本実施の形態において配線材142に対応するように、バスバー423のライン部425が備えられることを例示した。さらに具体的には、従来は配線材142に対応してフィンガーライン427より非常に大きな幅を有するバスバー電極が位置したが、本実施の形態においては、幅がバスバーより非常に小さいバスバー423のライン部425が位置する。本実施の形態においてライン部425は、複数のフィンガーライン427を接続して、一部フィンガーライン427が断線した場合、キャリアが迂回することができる経路を提供することができる。
【0083】
本明細書において、バスバー電極は、リボンに対応するようにフィンガーラインに交差する方向に形成され、フィンガーラインの幅の12倍以上(通常は15倍以上)の幅を有する電極部を指す。バスバー電極は、相対的に大きな幅を有するので、通常2~3つ程度の数に形成される。そして、本実施の形態においての、バスバー423のライン部425は、配線材142に対応するようにフィンガーライン427と交差する方向に形成され、フィンガーライン427の幅の10倍以下の幅を有する電極部を指すことができる。
【0084】
一例として、ライン部425の幅がフィンガーライン427の幅の0.5倍~10倍(一例として、2倍~5倍)で有り得る。前記比率が0.5倍未満であれば、ライン部425の幅が少なくなりライン部425による効果が十分でないことがある。前記比率が10倍を超えると、ライン部425の幅が大きくなって光の損失が大きくなることができる。特に、本実施の形態においては、配線材142を多く数に備えので、ライン部425また、多くの数に備えられて光損失がさらに大きくなることができる。さらに具体的には、電気的接続特性と光損失がさらに考慮すると、ライン部425の幅がフィンガーライン427の幅の2倍乃至5倍で有り得る。このような範囲で、太陽電池150の効率を大きく向上することができる。
【0085】
または、ライン部425の幅が配線材142の幅(W1)と同じか、それより小さいことができる。配線材142が円形、楕円形、またはラウンドされた形状を有する場合に配線材142の下部からライン部425に接触する幅または面積が大きくないので、ライン部425の幅を配線材142の幅(W1)と同じか、それより小さくすることができるからである。このようにライン部425の幅を相対的に小さくすると、第1電極42の面積を減らして、第1電極42の材料コストを削減することができる。
【0086】
または、ライン部425の幅が50μm 乃至500μmで有り得る。ライン部425の幅が50μm未満であれば、ライン部425の幅が少なすぎて、電気的特性などが低下することができる。ライン部425の幅が500μmを超えると、ライン部425との接触特性などを大きく向上しないで、第1電極42の面積だけ増やし光損失の増加、材料費の増加などの問題がある。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。したがって、ライン部425の幅は、光電変換によって生成された電流を効果的に伝達しながらも、シェーディング損失を最小化する範囲内で種々の変形が可能である。
【0087】
そして、パッド部424の幅(W2)は、ライン部425の幅より大きく、配線材142の幅(W1)と同じか、それより大きいことができる。パッド部424は、配線材142との接触面積を増やして配線材142との付着力を向上させるための部分なので、ライン部425より大きい幅を有し配線材142の幅(W1)と同じかこれより大きい幅を有するものである。
【0088】
または、一例として、パッド部424の幅(W2)が0.2mm乃至2.5mm(一例として、0.2mm乃至2.0mm)で有り得る。パッド部424の幅(W2)が0.2mm未満であると、配線材142との接触面積が十分ではなくてパッド部424と配線材142の付着力が十分ではないことができる。パッド部424の幅(W2)が2.5mmを超えると、パッド部424によって光が損実される面積が増えシェーディング損失が大きくなることがある。一例として、パッド部424の幅(W2)が0.8mm乃至1.5mmで有り得る。
【0089】
そして、パッド部424の長さは、フィンガーライン427の幅より大きいことができる。例えば、パッド部424の長さが1mm乃至5mmで有り得る。パッド部424の長さが1mm未満であると、配線材142との接触面積が十分ではなくてパッド部424と配線材142の付着力が十分ではないことがある。パッド部424の長さが5mmを超えると、パッド部424によって光が損実される面積が増えシェーディング損失が大きくなることがある。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなくパッド部424の幅と長さは多様に変形することができる。また、互いに別の幅を有するパッド部424とライン部425の全てを備えないで、バスバー423が同じ幅を有するライン部425またはパッド部424にのみで構成することもできる。
【0090】
他の例として、ライン部425とパッド部424を別途備えず、ライン部425またはパッド部424で、全体的に形成されることも可能である。
【0091】
一例として、本実施の形態においては、フィンガーライン427と、バスバー423の厚さが10μm以上で有り得る。フィンガーライン427と、バスバー423の厚さが10μm 未満の場合には、電気的特性が低下することができる。特に、本実施の形態においては、フィンガーライン427、バスバー423、配線材142などが薄い幅を有するため、厚さが一定のレベルに確保されるべきである。一例として、フィンガーライン427の厚さが10μm 乃至40μm(具体的には、15μm 乃至30μm )で有り得、バスバー423の厚さが10μm 乃至50μm で有り得る。このような範囲内で電極材料(一例として、銀)の使用量に応じたコストを削減しながらも、十分な電気的特性を実現することができる。このとき、バスバー423の厚さがフィンガーライン427の厚さと同じか、それより大きいことができる。特に、バスバー423の厚さがフィンガーライン427の厚さより大きくして電気的特性をもっと向上させることができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0092】
前述した説明においては、
図5の拡大円と
図6及び
図7を参照して、第1電極42の第1金属電極層422を中心にして説明した。第1金属電極層421のフィンガーライン427と、バスバー423にそれぞれ対応するように第2金属電極441もフィンガーライン及びバスバーを備えることができる。このとき、第1金属電極層421のフィンガーライン427と、バスバー423の幅及びピッチ等は、第2金属電極441のフィンガーラインとバスバーの幅、ピッチなどのような値を有することでき、互いに異なる値を有することができる。一例として、光の損失を考慮して、第1金属電極層421のフィンガーライン427と、バスバー423の幅が第2金属電極441のフィンガーライン及びバスバーの幅より小さく、及び/又は第1金属電極層421のフィンガーライン427のピッチが第2金属電極441のフィンガーラインのピッチより大きくすることができる。この場合にも、第1電極42のバスバー423の数及びピッチはそれぞれ第2電極44のバスバーの数及びピッチと同じであることができる。または、第1及び第2金属電極層(421、441)の平面形状が互いに異なることも可能である。例えば、第2金属電極441が、半導体基板160の後面に全体的に形成されることも可能である。その様々な変形が可能である。
【0093】
このように本実施の形態においては、太陽電池150の第1及び第2電極(42、44)の中、不透明なまたは金属を含む第1及び第2金属電極層(421、441)が一定のパターンを有し、半導体基板160の前面と後面に光が入射することができる両面受光型(bi-facial)構造を有する。これにより、太陽電池150で使用される光量を増加させて、太陽電池150の効率向上に寄与することができる。
【0094】
本実施の形態に係ると、ワイヤの形態の配線材142を使用して乱反射等により光損失を最小化することができ、配線材142の数を増やし配線材142のピッチを減らし、キャリアの移動経路を減らすことができる。これにより、太陽電池150の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。はんだ層142bによって配線材142を取り付けて、簡単な構造と工程で配線材142の取付けが可能である。また、第1及び第2金属電極層(421、441)が金属粒4214と架橋樹脂4216を含みはんだ層142bが第1及び第2金属電極層(421、441)に浸透して発生することができる問題を防止して信頼性を向上することができる。
【0095】
本実施の形態においては、前述した構造の太陽電池150に100μm 乃至500μm の幅を有する配線材142を適用して配線材142が、第1または第2透明電極層(420、440)上に取り付けか、置かれる場合にも電気的な接続が行われるようにすることができる。そして、第1または第2金属電極層(421、441)が、ガラスフリットを含まない低温ペーストで形成されるので、はんだ付けによるインターラプション(grid interruption caused by soldering、GICS)が発生しない。具体的には、ファイヤースルーのために、ガラスフリットを含むペーストを使用すると、金属電極層を形成するとはんだ付け時にフィンガーライン427が断線されるなどの問題によりGICSが発生することがあるが、本実施の形態においては、ガラスフリットを含まない低温ペーストを含み、これらの問題を防止することができる。そして意図せずにフィンガーライン427が断線されるなどの問題が発生しても、第1または第2透明電極層(420、440)によって電気的な接続はそのまま維持されることができる。また、バスバー423が位置しない領域(一例として、
図7においてバスバー423の下端部と太陽電池150の端との間)でおいても配線材142が、第1または第2透明電極層(420、440)に接続されて、キャリアを収集することができるので、電流の損失を防止することができる。一方、本実施の形態とは異なり、第1または第2透明電極層(420、440)を備えなく導電型領域の上に絶縁膜、反射防止膜などを備えた場合には、バスバー423が位置しない領域に配線材142が位置すると配線材142が絶縁膜、反射防止膜の上に位置するようになるので、キャリアを収集することができなくて電流が損実されることがある。
【0096】
すなわち、本実施の形態に係れば、薄い幅の配線材142を適用する場合にアラインミスなどが発生しても配線材142を安定的に第1または第2電極(42、44)に電気的に接続して、電流収集効率を向上することができ、太陽電池150に損傷を与えないことができる。
【0097】
本実施の形態においては、はんだ層142bの配線材142のコア層142aの表面に全体的に塗布された状態で存在し、配線材142を太陽電池150上に位置する状態で熱と圧力を加えて、コア層142aにコーティングされたはんだ層142bを溶かし配線材142を太陽電池150に付着する。これによって付着工程を単純化することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。したがって、はんだ層142bが配線材142とは別に形成されて配線材142の付着工程時の太陽電池150と配線材142の間に置かれてなって熱と圧力により太陽電池150と配線材142を取り付けることもできる。この場合には、はんだ層142bが太陽電池150と配線材142の間に置かれたはんだ付けペーストで有り得る。その他の様々な変形が可能である。
【0098】
以下、添付した図面を参照して、本発明の他の実施の形態に係る太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルを詳細に説明する。前述した説明と同一又は極めて類似の部分に対しては、前述した説明がそのまま適用されることがあるので、詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。そして、前述した実施の形態またはこれを変形した例と下の実施の形態またはこれを変形した例を、互いに結合したものもまた、本発明の範囲に属する。以下の図では、第1電極42を例示として図示及び説明したが、後述する実施の形態またはこれを変形した例は、第1電極42及び第2電極44の内、少なくとも一つに適用されると足りる。
【0099】
図8は、本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部を示した部分拡大断面図である。明確で簡略な図面のために、
図8においては、
図5の拡大円に対応する部分だけを示した。
【0100】
図8を参照すると、本実施の形態においては、第1金属電極層421(さらに具体的には、少なくともパッド部424)の表面上にバリア電極部428が形成される。バリア電極部428は、導電性物質(一例として、金属)を含むことができる。このとき、バリア電極部428は、少なくともはんだ層142bに隣接したパッド部424の上面(すなわち、パッド部424とはんだ層142bの間に位置したパッド部424の面)に形成され、パッド部424の側面にさらに形成されることができる。そしてライン部425の表面には、バリア電極部428が形成されることもあり、形成されないこともある。
【0101】
図8においては、バリア電極部428が第1金属電極層421の上面と側面に形成されたことを示したが、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。バリア電極部428が第1金属電極層421の側面には、形成されず、第1金属電極層421の上面にのみ位置することもある。
【0102】
このようなバリア電極部428は、はんだ層142bの浸透経路を防ぎ、はんだ層142bの浸透を効果的に防止することができる。特に、本実施の形態のように、第1透明電極層420を含む場合には、配線材142を付着する工程またはそれ以降にはんだ層142bが第1透明電極層420と第1金属電極層421の間に浸透して、第1透明電極層420と第1金属電極層421との間の接着特性が低下することができる。これにより、配線材142のテビン時またはテビン後に第1金属電極層421が第1透明電極層420から剥離することができるが、本実施の形態においては、バリア電極部428によって、このような現象を防止することがことができる。そしてバリア電極部428を形成する単純な工程によってはんだ層142bの浸透を防止することができ、バリア電極部428が伝導性を有するので、第1電極42の電気的特性もまた低下しない。一例として、バリア電極部428が金属を含み第1透明電極層420より高い電気伝導度を有することもできる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0103】
本実施の形態においては、バリア電極部428が第1金属電極層421の上面と側面で全体的に形成される層の形状を有することを例示した。これにより、はんだ層142bに隣接した部分でバリア電極部428を全体的に位置させてはんだ層142bによる浸透を効果的に防止することができる。
【0104】
このような形状のバリア電極部428は、メッキによって容易に形成することができる。メッキによると、第1金属電極層421が形成された部分のみに選択的にバリア電極部428が形成されることができ、別のマスクなしでバリア電極部428を所望する形状に形成することができる。それでは、架橋樹脂を含まないことで第1金属電極層421より高い金属含有量を有しこれより低い空隙率を有することができる。一例として、バリア電極部428は、銀、チタン、ニッケル、銅、ニッケル‐バナジウム(NiV)合金、チタン‐バナジウム(TiN)合金、チタン‐タングステン(TiW)合金、またはこれらの合金を含むことができ、金属が99重量部以上で含まれることができる。
【0105】
しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、スパッタリング、スピンコーティング、スプレーコーティングなどの様々な方法によってバリア電極部428を形成することができる。バリア電極部428の形成方法としては、その他の様々な方法が適用されることができる。スピンコーティングまたはスプレーコーティングなどによる場合には、バリア電極部428が樹脂の内部に金属粒子が分散された形態で有り得る。この場合に、樹脂としては、エポキシ系樹脂を使用することができ、金属粒子としては、銀粒子、チタン粒子、ニッケル粒子、銅粒子、銀コーティングされた銅粒子、ニッケル‐バナジウム(NiV)合金粒子、チタン‐バナジウム(TiN)合金粒子、チタン‐タングステン(TiW)合金粒子、またはこれらの合金粒子などを使用することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなくバリア電極部428が導電性を有しながら、はんだ層142bの浸透を防止することができる様々な物質を含むことができる。バリア電極部428の金属含有量は、第1金属電極層421と同じであることもあり、それより高いか低いこともある。一例として、バリア電極部428の金属含有量は、第1金属電極層421より高くて優れた伝導性を有するようにすることができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0106】
そしてバリア電極部428の厚さは、第1金属電極層421の厚さと同じか、それより小さいことができる。さらに具体的には、バリア電極部428の厚さは、第1金属電極層421の厚さより小さいことができる。これはバリア電極部428は、はんだ層142aの浸透を防止する役割だけを実行すると、されるため、相対的に薄い厚さで形成され、第1金属電極層421は、十分な電気的特性のために、相対的に厚く形成されるためある。または、バリア電極部428の厚さが5nm乃至40μmであり、第1金属電極層421の厚さが10μm乃至40μmで有り得る。バリア電極部428の厚さが5nm未満であれば効果が十分ではないことがあり、40μmを超えると材料コスト、工程時間などが増加することができる。第1金属電極層421の厚さは、電気伝導性、材料コスト、工程時間などをすべて考慮して、限られたものである。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなくバリア電極部428の厚さと第1金属電極層421が厚さはさまざまな値を有することができる。
【0107】
一方、バリア電極部428は、第1金属電極層421及び第2金属電極441の内、少なくとも一つのパッド部424の表面上に形成されることができる。一例として、配線材142の付着工程時、第1及び第2金属電極層(421、441)の内、いずれか1つの温度が他のいずれか1つの温度よりさらに高くなることがあるが、高い温度の方に位置してはんだ層142aの浸透にさらに脆弱したパッド部424にのみバリア電極部428を形成し、他方のパッド部424には、バリア電極部428を形成しないことがある。例えば、配線材142の付着工程時、第1金属電極層421の温度が第2金属電極441の温度より高い場合には、第1金属電極層421のパッド部424の上にのみバリア電極部428を形成し、第2金属電極441のパッド部424の上にはバリア電極部428を形成しないことがある。
【0108】
バリア電極部428の形状、位置などは、前述したところに限定されず多様に変形することができる。これを
図9~
図13を参照して、詳細に説明する。
図9は、本発明の一変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部の様々な例を示す部分拡大断面図である。明確で簡略な図面のために、
図9は
図5または
図8の拡大円に対応する部分だけを示した。
【0109】
図9を参照すると、本変形例においては、バリア電極部428は、第1透明電極層420と第1金属電極層421との間に層形状に形成される。これによれば、スパッタリング、スピンコーティング、スプレーコーティングなどのような簡単な方法によってバリア電極部428を形成した後、その上に第1金属電極層421を形成することができる。バリア電極部428の幅は、第1金属電極層421の幅(さらに具体的には、パッド部424が位置した部分でパッド部424の幅)と同じか、それより大きいことができる。これにより、はんだ層142bが位置する第1金属電極層421のパッド部424が、全体的にバリア電極部428の上に位置するようにして、はんだ層142bの浸透を効果的に防止することができる。
【0110】
このようなバリア電極部428は、
図8で説明したような様々な方法によって形成することができる。
【0111】
図10は、本発明の他の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部の様々な例を示す部分拡大断面図である。明確で簡略な図面のために、
図10においては
図5または
図8の拡大円に対応する部分だけを示した。
【0112】
図10を参照すると、本変形例においては、バリア電極部428が第1透明電極層420と第1金属電極層421との間に位置する第1部分428a及び第1透明電極層420と反対される第1金属電極層421の面(図の上面)に位置する第2部分428bを含み、第1金属電極層421の側面に位置する第3部分428cをさらに含むことができる。第3部分428cは、必須的なものではなく形成されることもあり形成されないこともある。これによれば、はんだ層142bの浸透を防止するバリア電極部428が第1金属電極層421の両面に、すべて形成されて、はんだ層142bの浸透による問題を効果的に防止することができる。
【0113】
このとき、第1部分428aと第2部分428bが互いに別個の工程で形成されることができる。これにより、第1部分428aの厚さ、物質、組成、形成方法などが第2部分428bの厚さ、物質、組成、形成方法などと異なる場合があります。これにより、第1部分428aと第2部分428bが所望の特性を有するように形成して、はんだ層142bの浸透防止効果を最大化することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、第1部分428aと第2部分428bが同じ厚さ、物質、組成及び形成方法で形成することができる。それでは、第1部分428aと第2部分428bを同一の工程条件によって形成することができ、製造工程を単純化することができる。このとき、第3部分428cは、第2部分428bと同じ工程で形成されて、第3部分428cの厚さ、物質、組成、形成方法などが第2部分428bの厚さ、物質、組成、形成方法など同じであることができる。
【0114】
一例として、第1部分428aの幅が第1金属電極層421の幅と同じか、それより大きく第2部分428bは、第1金属電極層421の上面と側面に位置しながら、第1部分428aに接触して位置することができる。これによれば、第1金属電極層421が、全体的にバリア電極部428によって覆われるようになる。
【0115】
このようなバリア電極部428は、
図8で説明したような様々な方法によって形成することができる。
【0116】
前述した図面と説明においては、バリア電極部428が層状に形成されることを例示した。これにより、はんだ層142aによる浸透経路を効果的に遮断して、はんだ層142aの浸透を効果的に防止することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。他の変形例を
図11~
図13を参照して説明する。
【0117】
図11は、本発明のまた別の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部の様々な例を示す部分拡大断面図である。明確で簡略な図面のために、
図11においては
図5または
図8の拡大円に対応する部分だけを示した。
【0118】
図11を参照すると、本変形例においては、バリア電極部428が、複数の金属粒子428dで構成することもできる。金属粒子428dは、少なくとも一部同士互いに隣接して接し、残りは離隔されることもあり、または金属粒子428dのすべてが離隔して位置することもできる。このような金属粒子428dで構成されたバリア電極部428は、一例として、少量の樹脂に金属粒子428dを分散させた後、スプレーコーティング、スピンコーティング等により所望する位置に塗布した後、樹脂を除去(例えば、熱処理によって樹脂を揮発)することにより、形成することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、さまざまな方法でこれらの形態のバリア電極部428を形成することができる。
【0119】
金属粒子428dは、マイクロメートルレベルまたはナノメートルレベルのサイズ(または直径)(一例として、1nm以上、1mm以下のサイズ)を有することができる。さらに具体的に、金属粒子428dは、ナノ粒子レベルのサイズ(一例として、1nm以上、1μm 以下のサイズ)を有することができる。これによれば材料コストを減らすことができ、金属粒子428dが認識されず、光の経路を妨害することもない。
【0120】
金属粒子428dが分散された形態のバリア電極部428が第1金属電極層421の上面と側面に位置することができる。このとき、金属粒子428dが第1金属電極層421が形成された部分だけでなく、第1金属電極層421が位置しない第1透明電極層420上で全体的に位置することができる。前述したように、金属粒子428dが小さいサイズを有するので、第1透明電極層420上に位置しても認識されたり光の経路を妨害しないからである。それでは、別のパターニングなしに金属粒子428dを全体的に位置させることによりバリア電極部428を形成することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。したがって、金属粒子428dが第1金属電極層421が形成される部分に対応して部分的に形成されることができ、金属粒子428dが第1金属電極層421の側面に形成されることもあり形成されないこともある。
【0121】
図12は、本発明のまた別の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部の様々な例を示す部分拡大断面図である。明確で簡略な図面のために、
図12においては
図5または
図8の拡大円に対応する部分だけを示した。
【0122】
図12を参照すると、金属粒子428dが分散された形態のバリア電極部428が第1金属電極層421と、第1透明電極層420との間に位置することができる。このとき、金属粒子428dが第1金属電極層421が形成された部分だけでなく、第1金属電極層421が位置しない第1透明電極層420上で全体的に位置することができる。そうすると、別のパターニングなしに金属粒子428bを全体的に位置させることによりバリア電極部428を形成することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。したがって、金属粒子428dが第1金属電極層421が形成される部分に対応して部分的に形成されることができる。
【0123】
図13は、本発明のまた別の変形例に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池の一部の様々な例を示す部分拡大断面図である。明確で簡略な図面のために、
図13においては
図5または
図8の拡大円に対応する部分だけを示した。
【0124】
図13を参照すると、金属粒子428dが分散された形態のバリア電極部428が第1金属電極層421と、第1透明電極層420との間、それと第1金属電極層421の上面と側面に位置することができる。第1金属電極層421と、第1透明電極層420の間に位置する金属粒子428dと第1金属電極層421の上面(すなわち、第1金属電極層421と配線材142の間に位置した金属粒子428dは、互いに異なる物質、形状、粒径などを有することもあり、互いに同じ物質、形状、粒径などを有することもできる。
【0125】
このとき、金属粒子428dが第1金属電極層421が形成された部分だけでなく、第1金属電極層421が位置しない第1透明電極層420上で全体的に位置することができる。そうすると、別のパターニングなしに金属粒子428bを全体的に位置させることによりバリア電極部428を形成することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。したがって、金属粒子428dが第1金属電極層421が形成される部分に対応して部分的に形成されることができ、金属粒子428dが第1金属電極層421の側面に形成されないこともある。
【0126】
また、
図8~
図13に示した例を互いに結合することもでき、これも本発明の範囲に属する。例えば、第1金属電極層421と、第1透明電極層420との間に層形状のバリア電極部428が位置し、第1金属電極層421の上面及び/または側面に金属粒子428dで構成されたバリア電極部428が位置することができる。これと反対に、第1金属電極層421と、第1透明電極層420との間に金属粒子428dで構成されたバリア電極部428が配置され、第1金属電極層421の上面及び/または側面に層の形状に構成されたバリア電極部428が位置することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0127】
本実施の形態においては、バリア電極部428は、第1電極42または第2電極44に全体的に形成されることもできる。または、第1または第2電極(42、44)のバスバー423全体に選択的に備えられることができる。または、第1または第2電極(42、44)のフィンガーライン全体に選択的に備えられることもできる。これにより、バリア電極部428の効果を最大化することができる。しかし、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではなく、バリア電極部428が第1電極42または第2電極44の一部でのみ形成され、他の一部には形成されないことがある。そして、第1電極42に含まれるバリア電極部428の物質、厚さ、形状などは、第2電極44に含まれるバリア電極部428の物質、厚さ、形状などと同じか異なることができる。その他の様々な変形が可能である。
【0128】
以下、本発明の実験例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。以下の本発明の実験例は、一例として提示したものにすぎず、本発明の実施の形態が、これに限定されるものではない。
【0129】
実験例1
【0130】
0.1~5μmのサイズを有する球形形状の粒子と長軸が2~10μm であり、厚さが0.2~5μm であるフレーク状粒子を含む金属粒子、架橋樹脂、硬化剤、及び溶媒を含む低温ペーストを塗布した後、熱処理して金属電極層を形成した。このとき、金属粒子100重量部に対して球形形状の粒子が80重量部で含まれ、プレートの形状の粒子が20重量部で含まれた。架橋樹脂としては、エポキシ系樹脂を使用し、硬化剤としては、アミン系硬化剤を使用し、溶媒としては、ブチルカルビトールアセテートを使用した。そして、金属粒子と架橋樹脂の合を100重量部とするとき、金属粒子が80、架橋樹脂が20重量部、硬化剤が2重量部、溶媒が10重量部含まれた。
【0131】
金属電極層の上に銅からなるコア層とSnPbAgを含む第1はんだ層を含む配線材に熱と圧力を加えるテビン工程を実行して、金属電極層の上に配線材を付着した後、引抜強度(pull strength)を測定した。
【0132】
実験例2
【0133】
SnBiを含む第2はんだ層を含む配線材をテビン工程で付着したという点を除外しては、実験例1と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0134】
実験例3
【0135】
SnInを含む第3はんだ層を含む配線材をテビン工程で付着したという点を除外しては、実験例1と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0136】
実験例4
【0137】
金属粒子でプレートの形状の粒子を使用せずに0.1~5μm のサイズを有する球形形状の粒子を100重量部で含む低温ペーストを使用した点を除外しては、実験例1と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0138】
実験例5
【0139】
SnBiを含む第2はんだ層を含む配線材をテビン工程で付着したという点を除外しては、実験例4と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0140】
実験例6
【0141】
SnInを含む第3はんだ層を含む配線材をテビン工程で付着したという点を除外しては、実験例4と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0142】
比較例1
【0143】
金属粒子でプレートの形状の粒子を使用せずに、10~20μmのサイズを有する球形形状の粒子を100重量部で含む低温ペーストを使用した点を除外しては、実験例1と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0144】
比較例2
【0145】
SnBiを含む第2はんだ層を含む配線材をテビン工程で付着したという点を除外しては、比較例1と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0146】
比較例3
【0147】
SnInを含む第3はんだ層を含む配線材をテビン工程で付着したという点を除外しては、比較例1と同様の方法で引抜強度を測定した。
【0148】
実験例1~6、比較例1~3によって測定された引抜強度の相対値を表1に示した。実験例1~6は、互いに異なる粒子を含むものの、比較例1~3は、1つのサイズ(大きいサイズ)だけを有する球状粒子を含む。参考として引抜強度は、複数回数で測定され、表1では、その平均値を記載した。そして実験例1で付着された金属電極層と配線材の断面写真を撮影して
図14に示し、比較例1で配線材にテビン工程を行ったが、配線材が付着されずに剥離された写真を
図15に示した。
【0149】
【0150】
表1を参照すると、実験例1~6においては、テビン工程の後に配線材が金属電極層に安定的に付着していることがわかる。つまり、実験例1~3を参照すると球形形状の粒子とフレーク状粒子を一緒に使用した場合に、優れた付着力を有することが分かり、実験例4~6を参照すると5μm以下の球形形状の粒子だけを使用した場合でも、優れた付着力を有することが分かる。はんだ層の物質に応じて多少の差があるが、球形形状の粒子とフレーク状粒子を一緒に使用した実験例1と3で高い付着力を有することがわかる。そして、
図14を参照すると、はんだ層が金属電極層が位置した部分から外部に向かって凹形状を有する部分を含むことが分かる。
【0151】
反面、表1及び
図15を参照するとサイズが大きい球状粒子のみを使用した比較例1~3は、テビン工程を実行しても、配線材が金属電極層に安定的に付着されず、ほとんど力を加えなくても、配線材及び、これに接触する金属電極層が容易に剥離されることがわかる。つまり5μm 以上のサイズを有する球形形状の粒子のみを使用する金属電極層は、配線材との付着特性が十分でないことが分かる。
【0152】
実験例7
【0153】
たとえ表1に含まれていなかったが、実験例7においては、金属電極層の上面と側面の上にメッキによって、チタンで構成される層形状のバリア電極部を形成した後、テビン工程を実行したという点を除外しては、実験例1と同様の方法で電極を形成し、配線材を取り付けた。
【0154】
実験例7において配線材を剥離した後、太陽電池の走査電子顕微鏡(SEM)の写真を撮影して、これを
図16に添付し、比較例1で配線材を剥離した後、太陽電池の走査電子顕微鏡写真を撮影して、これを
図17に添付した。
図16を参照すると、実験例7においては、半導体基板のテクスチャリング構造上に、銀(Ag)ペースト残渣だけが見えただけで針状の形状のはんだ層物質がほとんど検出されなかった。一方、
図17を参照すると、比較例1では、半導体基板のテクスチャリング構造上に針状形状のはんだ層物質が多く位置することがわかる。このことから、バリア電極部を形成するとはんだ層の物質が、金属電極層内に浸透することを効果的に防止することができることが分かる。
【0155】
前述したところに従った特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれ、必ずしも一つの実施の形態のみに限定されるものではない。さらに、各実施の形態において例示された特徴、構造、効果などは、実施の形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施の形態に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。