(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】清掃材保持ヘッド、清掃具及び清掃方法
(51)【国際特許分類】
A47L 13/254 20060101AFI20220413BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20220413BHJP
A47L 13/24 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
A47L13/254
A47L13/20 A
A47L13/24 A
(21)【出願番号】P 2019139993
(22)【出願日】2019-07-30
(62)【分割の表示】P 2014169961の分割
【原出願日】2014-08-22
【審査請求日】2019-08-01
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】長澤 博之
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】西中村 健一
【審判官】金澤 俊郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-78872(JP,A)
【文献】登録実用新案第3018275(JP,U)
【文献】登録実用新案第3037707(JP,U)
【文献】特開2013-13633(JP,A)
【文献】特開平9-224896(JP,A)
【文献】特開2012-147958(JP,A)
【文献】特開平10-52391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L13/20
A47L13/24
A47L13/254
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の拭部を有する拭材を、拭部が底面側に位置するように保持し、底面側に位置する拭部により対象物を拭いて清掃を行うための清掃材保持ヘッドであって、
前記清掃材保持ヘッドの底面側に、下向きに起立し
た多数の起立薄片が設けられて起立薄片群を構成しており、
前記多数の起立薄片は、前記清掃材保持ヘッドに作用する下方押圧力に応じて、それぞれ厚さ方向に弾性的に撓み得るものであり、
下向き突出の弾性材料からなる押圧用突条部
であって、清掃材保持ヘッドの主な拭き方向である第1方向に直交する方向である第2方向のものを
、前記清掃材保持ヘッドの底面側の前記第1方向における中央部に有し、
その押圧用突条部は
、前記起立薄片群を構成する起立薄片よりも撓み難いものであり、
前記清掃材保持ヘッドに下方押圧力が作用しない状態において、前記押圧用突条部の下端位置は、前記起立薄片群を構成する起立薄片の下端位置よりも上方であり、
前記清掃材保持ヘッドに下方押圧力が作用する状態において、前記起立薄片群を構成する起立薄片が前記清掃材保持ヘッドに作用する下方押圧力に応じて厚さ方向に弾性的に撓むことにより、前記押圧用突条部の下端位置は、前記起立薄片群を構成する起立薄片の下端位置よりも上方の位置又は前記起立薄片群を構成する起立薄片の下端位置と同等の位置となり得ることを特徴とする清掃材保持ヘッド。
【請求項2】
上記起立薄片群における多数の起立薄片が、上記厚さ方向が清掃材保持ヘッドの主な拭き方向である第1方向の成分を有するように設けられている請求項1記載の清掃材保持ヘッド。
【請求項3】
可撓性の基盤と上記多数の起立薄片と押圧用突条部を一体的に形成した拭材支持体を、剛性基体の下側に保持したものである請求項1又は2記載の清掃材保持ヘッド。
【請求項4】
上記
清掃材保持ヘッドの底面側の、上記第1方向における端部に、下向き突出の弾性材料からなる上記第2方向の押圧用突条部を
有し、
前記清掃材保持ヘッドに下方押圧力が作用しない状態において、上記第1方向における中央部に有する押圧用突条部の下端位置が、前記第1方向における端部に有する押圧用突条部の下端位置よりも下方である請求項
1乃至3の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッド。
【請求項5】
上記清掃材保持ヘッドの底面側の、上記第1方向における両端部に、下向き突出の弾性材料からなる上記第2方向の押圧用突条部を
それぞれ有し、
前記清掃材保持ヘッドに下方押圧力が作用しない状態において、上記
第1方向における中央部に有する押圧用突条部の下端位置が、
前記第1方向における両端部に有する押圧用突条部の下端位置よりも下方である請求項
1乃至3の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッド。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッドを備えた清掃具。
【請求項7】
上記清掃材保持ヘッドの上側中央部に、何れの向きにも何れの傾斜角にも傾倒し得るように基部において支持された操作用の柄体を有する請求項6記載の清掃具。
【請求項8】
請求項1乃至
5の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッドに、シート状の拭部を有する拭材を、拭部が底面側に位置するように保持し、底面側に位置する拭部により対象物を拭いて清掃を行う清掃方法であって、
上記起立薄片群を構成する起立薄片が厚さ方向に撓みつつ拭部を対象物に押圧する状態で対象物を拭くことと、上記清掃材保持ヘッドの底面側を対象物に比較的強く押圧して前記起立薄片群を構成する起立薄片をその厚さ方向に十分に撓ませることにより、より撓み難い
前記清掃材保持ヘッドの底面側の上記第1方向における中央部に有する押圧用突条部によって、拭部を対象物に比較的強く押圧する状態で対象物を拭くことを、選択的に行うことを特徴とする清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の拭部を有する拭材を、拭部が底面側に位置するように保持し、底面側に位置する拭部により対象物を拭いて清掃を行うための清掃材保持ヘッド及びその清掃材保持ヘッドを備えた清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第2607207号公報には、ハンドルを有する基台部の底面に拭き布を取り付けるとともに、被清掃面に対して前記拭き布を擦過させて拭き掃除を行う拭き掃除具において、剛体により形成された基台部と、前記基台部の底面の略全面に立設され、所定の押圧力が付加されたときに弾性変形して屈曲するとともに、所定の押圧力が解除されたときに弾性変形して伸張する複数の弾性突起と、前記複数の弾性突起を被覆するようにして、前記基台部の前記底面に取り付けられた拭き布とを有することを特徴とする拭き掃除具が開示されている。
【0003】
この拭き掃除具によれば、次のような効果を奏するものとされている。
「基台部の進行方向および基台部を被清掃面に対して押圧するハンドルの被清掃面に対する角度に応じて、基台部の底面に立設された複数の弾性突起の一部が、ハンドルからの押圧力と被清掃面からの反力により押圧されて弾性変形して屈曲されることになるため、弾性変形して屈曲した弾性突起部位を被覆している拭き布部位のみが、被清掃面に対して当接されることになり、この部位のみにより被清掃面を擦過することができるようになる。
【0004】
即ち、ハンドルからの押圧力を受けて、拭き布が被清掃面を擦過するために被清掃面と接触する接地面積を小さくすることができるとともに、弾性突起の弾発力によっても拭き布を被清掃面に押し付けることができるようになるため、単位面積あたりの拭き布の接地面圧を著しく向上することができるようになり、被清掃面にこびりついた汚れなども、拭き残すことなく容易に拭き取ることができるようになる。
【0005】
また、被清掃面に凹凸が存在した場合には、被清掃面に押圧されて弾性変形して屈曲した弾性突起は、こうした凹凸に追従してさらに弾性変形し、伸張・屈曲を繰り返すことができるものである。このため、弾性変形して屈曲した弾性突起部位を被覆している拭き布部位は、被清掃面の凹凸に沿って確実に被清掃面を擦過することができるようになり、被清掃面にたとえ凹凸が存在していても、被清掃面を拭き残すことのない拭き掃除を行うことができるようになる。
【0006】
従って、本発明の拭き掃除具によれば、拭き布の単位面積あたりの接地面圧を増大することができるとともに、被清掃面の凹凸の状態に追従させて拭き布を擦過することができるようになるので、拭き残しの発生が防止され、清掃能力を著しく向上させることができるものである。」
【0007】
しかしながら、上記特許第2607207号公報記載の拭き掃除具は、基台部の底面の略全面に立設され、所定の押圧力が付加されたときに弾性変形して屈曲するとともに、所定の押圧力が解除されたときに弾性変形して伸張する複数の弾性突起は、基台部の底面に取り付けた拭き布を弾性的に押圧することにより、拭き布のうち弾性突起群が存在する部分の外周縁部付近のみにおいて塵埃拭き取り効果を高めるものであって、基台部の底面の拭き布の拭き取り能力を十分に活かし切れないという課題を有することが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部を全体として効率的に利用して対象物を効果的に清掃することができる清掃材保持ヘッド及びその清掃材保持ヘッドを備えた清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の清掃材保持ヘッド及び清掃具は、次のように表すことができる。
【0011】
(1) シート状の拭部を有する拭材を、拭部が底面側に位置するように保持し、底面側に位置する拭部により対象物を拭いて清掃を行うための清掃材保持ヘッドであって、
前記清掃材保持ヘッドの底面側に、下向きに起立してそれぞれ厚さ方向に弾性的に撓み得る多数の起立薄片が、前記厚さ方向が清掃材保持ヘッドの主な拭き方向である第1方向の成分を有するように設けられて起立薄片群を構成しており、
前記起立薄片群における起立薄片は、
前記第1方向において、数枚以上が間隔おきに配置されると共に、
前記第1方向に直交する方向である第2方向において数枚以上が間隔おきに配置されており、
前記起立薄片群においては、
任意の第1方向線上に少なくとも1枚の起立薄片の一部が位置し、且つ、
前記第1方向の一端部から他端部に向かって、当該他端部に至らない範囲で、起立薄片が配置されていない凹入部を有し、その凹入部の前記第2方向両側には、それぞれ第1方向に間隔おきに2枚以上の起立薄片が配置されていることを特徴とする清掃材保持ヘッド。
【0012】
清掃材保持ヘッドの底面側に、下向きに起立してそれぞれ厚さ方向に弾性的に撓み得る多数の起立薄片が、前記厚さ方向が清掃材保持ヘッドの主な拭き方向である第1方向の成分を有するように多数設けられて起立薄片群を構成している。
【0013】
シート状の拭部を有する拭材を、拭部が底面側に位置するように清掃材保持ヘッドに保持し、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部により清掃を行う場合、清掃材保持ヘッドを対象物に対しほぼ第1方向に移動させつつ対象物を拭くことにより、起立薄片群を構成する起立薄片が厚さ方向に撓みつつ拭部を対象物に押圧する状態で対象物を拭くことができる。
【0014】
起立薄片群を構成する各起立薄片は、それぞれ厚さ方向に弾性的に撓み得るため、対象物の凹凸等に良好に対応して拭部を対象物に押圧しつつ清掃を行うことができる。
【0015】
起立薄片群における起立薄片は、第1方向において、数枚以上が間隔おきに配置されると共に、第1方向に直交する第2方向において数枚以上が間隔おきに配置されており、起立薄片群においては、任意の第1方向線上に少なくとも1枚の起立薄片の一部が位置する。
【0016】
そのため、清掃材保持ヘッドを対象物に対しほぼ第1方向に移動させつつ対象物を拭くことにより、起立薄片群を構成する何れかの起立薄片により、拭部を対象物に押圧しつつ対象物を拭くことができる。
【0017】
第1方向の一端部から他端部に向かって、当該他端部に至らない範囲で、起立薄片が配置されていない凹入部を有し、その凹入部の第2方向両側には、それぞれ第1方向に間隔おきに2枚以上の起立薄片が配置されている。
【0018】
清掃材保持ヘッドを対象物に対しほぼ第1方向に移動させつつ対象物を拭いた場合、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部のうち、移動方向(第1方向)の前方側の凹入部に対応する部分は、起立薄片により押圧されないため、対象物上の塵埃が拭部に捕捉され易くなる。そのため、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部を全体として効率的に利用して対象物を効果的に清掃することができる。
【0019】
(2) 上記凹入部を、第2方向における間隔おきに複数有する上記(1)記載の清掃材保持ヘッド。
【0020】
(3) 上記凹入部の第2方向幅が第1方向の一端部から他端部に向かって漸次縮小する上記(1)又は(2)記載の清掃材保持ヘッド。
【0021】
清掃材保持ヘッドを対象物に対しほぼ第1方向に移動させつつ対象物を拭いた場合、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部のうち、移動方向(第1方向)の前方側の特定の凹入部に対応する部分は、起立薄片により押圧されず、且つ、奥側に向かうほど第2方向両側の起立薄片による押圧部分が次第に内方に至るため、対象物上の塵埃が拭部に捕捉され易い。
【0022】
(4) 一部の凹入部の上記第2方向幅が、第1方向の一端部から他端部に向かって漸次縮小する上記(2)記載の清掃材保持ヘッド。
【0023】
清掃材保持ヘッドを対象物に対しほぼ第1方向に移動させつつ対象物を拭いた場合、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部のうち、移動方向(第1方向)の前方側の特定の凹入部に対応する部分は、起立薄片により押圧されず、また、第2方向幅が第1方向の一端部から他端部に向かって漸次縮小する凹入部においては奥側に向かうほど第2方向両側の起立薄片による押圧部分が次第に内方に至るため、対象物上の塵埃が拭部に捕捉され易い。
【0024】
(5) 清掃材保持ヘッドが、平面視において長手方向と短手方向を有し、短手方向が第1方向である上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッド。
【0025】
(6) 起立薄片の全部又は一部が略平板状をなす上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッド。
【0026】
(7) 起立薄片の全部又は一部が、略平板状をなすと共にその厚さ方向が上記第1方向である上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッド。
【0027】
(8) 起立薄片が、第2方向の所定直線に沿って間隔おきに並んでいる上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッド。
【0028】
(9) 清掃材保持ヘッドの底面側に、下向き突出の弾性材料からなる押圧用突条部を1又は2以上有し、
その押圧用突条部の下端位置は、前記起立薄片群を構成する起立薄片の下端位置よりも上方であり、前記起立薄片群を構成する起立薄片の厚さ方向よりも撓み難い上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッド。
【0029】
シート状の拭部が底面側に位置する状態で拭材を保持した清掃材保持ヘッドの底面側を対象物に比較的強く押圧して起立薄片群を構成する起立薄片をその厚さ方向に十分に撓ませることにより、より撓み難い押圧用突条部により、拭部を対象物に比較的強く押圧することができ、それにより、対象物におけるこびりついた塵芥や汚れの除去等を効果的に行うことができる。
【0030】
(10) 上記(1)乃至(9)の何れか1項に記載の清掃材保持ヘッドを備えた清掃具。
【発明の効果】
【0031】
本発明の清掃材保持ヘッド及び清掃具によれば、清掃材保持ヘッドを対象物に対しほぼ第1方向に移動させつつ対象物を拭いた場合、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部のうち、移動方向(第1方向)の前方側の凹入部に対応する部分は、起立薄片により押圧されないため、対象物上の塵埃が拭部に捕捉され易くなる。そのため、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部を全体として効率的に利用して対象物を効果的に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【発明を実施するための形態】
【0033】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0034】
図面は何れも本発明の実施の形態の一例としての清掃具及び清掃材保持ヘッドに関するものである。
【0035】
(1) この清掃具Aは、
図3に鎖線で示すように、拭部B1を有する不織布製の方形シート状の拭材Bを、その拭部B1が底面側に位置するように保持し、底面側に位置する拭部B1により対象物を拭いて清掃を行うための清掃材保持ヘッドCを備える。
【0036】
清掃材保持ヘッドCは、平面視長方形状をなし、平面視長方形状の金属製の基体Dを主体とする。清掃材保持ヘッドCの主な拭き方向である第1方向Sは、平面視における短手方向であり、第2方向Tは、第1方向Sに直交する方向である。
【0037】
基体Dの外周部及び下側に、合成ゴム製の拭材支持体Eが保持されている。
【0038】
基体Dの上側中央部には、使用者が清掃材保持ヘッドCを操作するための柄体Pを、柄体Pが何れの向きにも何れの傾斜角にも傾倒し得るように基部において支持することができる自在支持部D1を備える。自在支持部D1は、水平方向の第1回動軸D1aと、その第1回動軸D1aの回動軸線に対しねじれの位置において垂直な回動軸線を有する第2回動軸D1bを有する。
【0039】
基体Dの第2方向Tの両側のそれぞれには、底面側を覆って清掃材保持ヘッドCの上側に折り返した拭材Bの相対する両辺の近傍部B2を清掃材保持ヘッドCの上面との間に押圧保持するための一対の拭材押圧保持体D2を第1方向Sにおいて背中合わせ状に有する。
【0040】
(2) 基体Dは、
図3に示すように、長方形状の平板の第1方向Sの両側縁部が、上下に突出したフランジ部D3に形成され、第1方向Sの中央部に、第2方向Tに連続する下向きの直立板部D4を有する。
【0041】
(3) 平面視長方形状をなす合成ゴム製の拭材支持体Eは、
平面視長方形状をなし、第1方向Sにおいて中央部から両側に向かって上向きに傾斜する可撓性の基盤E1と、
基盤E1の第1方向Sの両側部に上向きに突設され、基体Dの第1方向Sの両側のフランジ部D3が嵌合している内方開口のT字状断面の空洞部を有する外側上突条部E2と、
基盤E1の第1方向Sの中央部に上向きに突設され、基体Dの第1方向Sの中央部における下向きの直立板部D4が嵌合している上方開口の嵌合溝を有する中央上突条部E3と、
基盤E1の第2方向Tの両端部において上方に立ち上げられて上端部にそれぞれ内向板部E4aが設けられ、その内向板部E4aの下面がそれぞれ基体Dの第2方向Tの両端部の上面に接している端部保持部E4と、
基盤E1の第1方向Sにおける中央部に下向きに突設された第2方向Tの中央押圧用突条部E5と、
基盤E1の第1方向Sにおける両端部にそれぞれ下向きに突設された第2方向Tの外側押圧用突条部E6と、
基盤E1のうち中央押圧用突条部E5と両端部の外側押圧用突条部E6の間の2箇所に、中央押圧用突条部E5に対し対称状にそれぞれ設けられた起立薄片群F・Gが一体的に形成されてなるものである。
【0042】
拭材支持体Eにおける可撓性の基盤E1は、両外側上突条部E2、両端部保持部E4及び中央上突条部E3において基体Dに保持され、可撓性の基盤E1のうち両端部保持部E4の間における両外側上突条部E2と中央上突条部E3の間の部分は、基体Dとの間に空間を有するので上方に弾性的に撓み得る。
【0043】
両外側押圧用突条部E6の下端位置は等しく、中央押圧用突条部E5の下端位置は両外側押圧用突条部E6の下端位置よりも低い。また、両外側押圧用突条部E6及び中央押圧用突条部E5の下端位置は、起立薄片群F・Gを構成する起立薄片f・gの下端位置よりも上方である。
【0044】
中央押圧用突条部E5及び両外側押圧用突条部E6は、起立薄片f・gの厚さの数倍の厚さであるため、起立薄片f・gの厚さ方向に比し数倍以上撓み難い。
【0045】
(4) 起立薄片群Gは、中央押圧用突条部E5に対し起立薄片群Fと対称状をなす。起立薄片群Fは次の通りである。
【0046】
起立薄片群Fを構成する多数の起立薄片fは、清掃材保持ヘッドCの底面側において基盤E1から下向きに起立し、それぞれ厚さ方向に弾性的に撓み得る。この起立薄片fは、両面が平面状をなす略平板状をなし、下方に向かって厚さが漸減する。起立薄片fの厚さ方向は第1方向Sであり、その正面視(最も投影面積が大きい方向)の形状は方形状である。
【0047】
起立薄片群Fは、多数の起立薄片fが第2方向Tの直線に沿って等間隔に並んだ起立薄片列が、第1方向Sに等間隔に5列並列してなる。以下、第1方向S外側から内方に向かって第1列F1乃至第5列F5とする。
【0048】
清掃材保持ヘッドCを平面上に載置した場合、その平面上に全ての起立薄片fの下端縁部が接する。基盤E1は第1方向Sにおいて中央部から両側に向かって上向きに傾斜するので、起立薄片fの高さは、第1列のものが最も高く、第5列に向かって次第に低くなる。
【0049】
第1列F1、第2列F2、第3列F3及び第5列F5は、それぞれにおいて起立薄片fの横幅(起立薄片fの正面視における水平方向幅)が一定であり、起立薄片fの数及び横幅方向中央の第2方向Tにおける位置は、各列において同一である。
【0050】
第1列F1の起立薄片fの横幅を1とすると、第1列F1における起立薄片f同士の間隔は約1.2であり、第1方向Sの各列の間隔は約1.5である。
【0051】
第2列F2における起立薄片fの横幅は約1.45、起立薄片f同士の間隔は約0.75である。
【0052】
第3列F3及び第5列F5における起立薄片fの横幅は約1.9、起立薄片f同士の間隔は約0.3である。
【0053】
第4列F4は、両端位置を除いて、横幅が約0.7の起立薄片fが他の列の起立薄片fの横幅方向中央の第2方向Tにおける位置と同じ位置に設けられると共に、横幅が1の起立薄片fが横幅方向中央の第2方向Tにおける位置が他の列における起立薄片f同士の間の横幅方向中央の第2方向Tにおける位置となるように設けられており、各起立薄片f同士の間隔は約0.25、両端の起立薄片fの横幅は、それぞれ約1.25である。
【0054】
(5) 起立薄片群Fにおいては、任意の第1方向線上に少なくとも1枚の起立薄片fの一部が位置する。第1列F1と第4列F4の起立薄片fが重なる第1方向線においては、第1列F1から第5列F5までの起立薄片fが重なる。また、第4列F4の起立薄片fのみが存在する第1方向線がある他、第2、第3及び第5の各列の起立薄片fが重なる第1方向線、第3列F3、第4列F4及び第5列F5の起立薄片fが重なる第1方向線も存在する。
【0055】
(6) 第2方向Tにおける一定間隔おきに、第1方向Sの一端部から他端部に向かって、当該他端部に至らない範囲で、すなわち、第2方向Tにおける第1列F1の起立薄片f同士の間毎に、第1列F1における起立薄片f同士の間から第3列F3における起立薄片f同士の間を経て第4列F4の起立薄片fの外側面まで、起立薄片fが配置されていない凹入部Hを有する。
【0056】
これら全ての凹入部Hは、第2方向Tの幅が、第1列F1の起立薄片f同士の間から第4列F4の起立薄片fの外側面まで、二等辺三角形状(第2方向Tにおいて対称状)に縮小し、凹入部Hの第2方向Tの両側には、それぞれ第1方向Sに間隔おきに第1列F1から第3列F3までの3枚の起立薄片fが配置されている。
【0057】
(7) 方形シート状の拭材Bにより清掃材保持ヘッドCの底面側を覆い、拭材Bの相対する辺に沿う部分を清掃材保持ヘッドCの第1方向Sの上側に折り返し、両折り返し部分を第2方向Tの両側のそれぞれに有する一対の拭材押圧保持体D2により押圧して拭材Bを清掃材保持ヘッドCに保持することにより、清掃材保持ヘッドCの底面側に位置する拭部B1により清掃を行うことができる。
【0058】
その場合、清掃材保持ヘッドCを対象物に対しほぼ第1方向Sに移動させつつ対象物を拭くことにより、第1方向Sにおいて中央押圧用突条部E5に対し対称状に設けられた起立薄片群F及びGをそれぞれ構成する起立薄片f及びgが厚さ方向である第1方向Sに撓みつつ拭部B1を対象物に押圧する状態で対象物を拭くことができる。
【0059】
以下、両起立薄片群を代表して起立薄片群Fについて説明する。
【0060】
起立薄片群Fを起立薄片群Fを構成する各起立薄片fは、それぞれ厚さ方向である第1方向Sに弾性的に撓み得るため、対象物の凹凸等に良好に対応して拭部B1を対象物に押圧しつつ清掃を行うことができる。
【0061】
起立薄片群Fは、多数の起立薄片fが第2方向Tの直線に沿って等間隔に並んだ起立薄片列が、第1方向Sに等間隔に5列並列してなるものであり、起立薄片群Fにおける任意の第1方向線上に少なくとも1枚の起立薄片fの一部が位置する。
【0062】
そのため、清掃材保持ヘッドCを対象物に対しほぼ第1方向Sに移動させつつ対象物を拭くことにより、起立薄片群Fを構成する何れかの起立薄片fにより、拭部B1を対象物に押圧しつつ対象物を拭くことができる。
【0063】
また、第2方向Tにおける第1列F1の起立薄片f同士の間毎に、第1列F1における起立薄片f同士の間から第3列F3における起立薄片f同士の間を経て第4列F4の起立薄片fの外側面まで、起立薄片fが配置されていない凹入部Hを有する。
【0064】
清掃材保持ヘッドCを対象物に対しほぼ第1方向Sに移動させつつ対象物を拭いた場合、清掃材保持ヘッドCの底面側に位置する拭部B1のうち、移動方向(第1方向S)の前方側(
図1及び2における手前側、
図3における左側、
図4における上側)の起立薄片群Fの凹入部Hに対応する部分は、起立薄片fにより押圧されないため、凹入部Hの第1列F1における起立薄片f同士の間から第3列F3における起立薄片f同士の間を経て第4列F4の起立薄片fの外側面まで、対象物上の塵埃が拭部B1に捕捉され易くなる。そのため、清掃材保持ヘッドCの底面側に位置する拭部B1を全体として効率的に利用して対象物を効果的に清掃することができる。
【0065】
更に、全ての凹入部Hは、第2方向Tの幅が、第1列F1の起立薄片f同士の間から第4列F4の起立薄片fの外側面まで、二等辺三角形状に縮小し、凹入部Hの第2方向Tの両側には、それぞれ第1方向Sに間隔おきに3枚(3列)の起立薄片fが配置されているので、奥側に向かうほど第2方向Tの両側の起立薄片fによる押圧部分が次第に内方に至る。そのため対象物上の塵埃が拭部B1に捕捉され易い。
【0066】
また、拭材Bを保持した清掃材保持ヘッドCの底面側を対象物に比較的強く押圧して起立薄片群Fを構成する起立薄片fをその厚さ方向に十分に撓ませることにより、より撓み難い中央押圧用突条部E5や外側押圧用突条部E6により、拭部B1を対象物に比較的強く押圧することができ、それにより、対象物におけるこびりついた塵芥や汚れの除去等を効果的に行うことができる。
【0067】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0068】
(1) 本発明の清掃具は、シート状の拭部を有する拭材を、拭部が底面側に位置するように保持し、底面側に位置する拭部により対象物を拭いて清掃を行うための清掃材保持ヘッドを備える。
【0069】
清掃材保持ヘッドは、合成樹脂、金属、その他の材料を単独で又は組み合わせてなる変形し難い基体を主体とする。
【0070】
また清掃材保持ヘッドは、操作用の柄が連結されたものとすることや、操作用の把手を備えるものとすることができる。
【0071】
拭材は、シート状の拭部を有する。拭材全体がシート状であってもよく、拭材の一部がシート状の拭部であってもよい。拭材は、清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部以外は必ずしもシート状であることを要しない。シート状の拭材又は拭材のうちシート状をなす部分は、不織布、織布、その他の布又はその他のシート状材料からなる。
【0072】
拭材を清掃材保持ヘッドに保持するには、例えば、清掃材保持ヘッドの底面側を方形状の拭材の拭部により覆った状態で、拭材の相対する辺の近傍部をそれぞれ清掃材保持ヘッドの上部に折り返して押圧部又は挟持部等の拭材固定部により着脱可能に固定することにより行うことができる。清掃材保持ヘッドによる拭材の保持は、これらに限るものではなく、例えば、清掃材保持ヘッドと拭材にそれぞれ面ファスナの一方部及び他方部を設けることにより、或いはスナップの一方及び他方を設けることにより、拭材の所定箇所を清掃材保持ヘッドに対し着脱可能に固定することにより行うことができる。
【0073】
(2) 清掃材保持ヘッドの平面視形状は、特定のものであることを要しない。清掃材保持ヘッドの形状としては、例えば、平面視において長手方向と短手方向を有するものとすることができる(特に、短手方向の両端縁部又は一方の端縁部は、長手方向の直線状であることが好ましい。)。清掃材保持ヘッドの主な拭き方向である第1方向は、例えば、清掃材保持ヘッドの平面視形状等に応じ、清掃効率が良い方向とすることができるが、前記のように平面視において長手方向と短手方向を有するものの場合の清掃材保持ヘッドの主な拭き方向である第1方向は、一般には短手方向である。第2方向は、第1方向に直交する方向である。
【0074】
(3) 清掃材保持ヘッドの底面側には起立薄片群を有する。起立薄片群は、1つでもよく2以上でもよい。例えば、清掃材保持ヘッドの第1方向における中間位置を挟んで両側にそれぞれ起立薄片群を有するものとすることができ、両起立薄片群は、例えば第1方向における中間位置に対し対称状に設けることができるが、これに限るものではない。
【0075】
(4) 起立薄片群を構成する多数の起立薄片は、清掃材保持ヘッドの底面側に下向きに起立し、それぞれ厚さ方向に弾性的に撓み得るものである。起立薄片の構成材料としては、例えば、合成ゴム等のゴム状弾性を有する材料を用いることができる。
【0076】
各起立薄片は、略平板状であることが好ましいが、必ずしもこれに限るものではない。各起立薄片の肉厚は、一定とすることができるほか、例えば、下方に向かって次第に肉厚が減少するものとすることや、両側端縁部及び下端縁部の肉厚が、それぞれ端部に向かうほど減少するものとすることができる。
【0077】
各起立薄片の正面視(最も投影面積が大きい方向)の形状は、例えば、長方形又は正方形等の方形状、上底よりも下底の方が短い(又はその逆の)等脚台形状などとすることができる、各起立薄片の下端縁部は水平直線状とすることができるが、これらに限られるものではない。
【0078】
起立薄片は、横幅(起立薄片の正面視における水平方向幅)において例えば3乃至50mm(好ましくは4乃至30mm、より好ましくは5乃至25mm)とすることができ、厚さにおいて例えば0.3乃至3mm(好ましくは0.5乃至2mm)とすることができ、高さにおいて例えば3乃至50mm(好ましくは4乃至30mm、より好ましくは5乃至25mm)とすることができる。
【0079】
(5) 起立薄片群を構成する多数の起立薄片は、清掃材保持ヘッドを平面上に載置した場合に、その平面上に全ての起立薄片の下端縁部が接するものとすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0080】
起立薄片群を構成する多数の起立薄片は、全て同一であるものとすることができる他、例えば、高さや幅や厚さ等が異なる複数種の起立薄片が規則的に又は不規則に配置されたものとすることができる。起立薄片群を構成する起立薄片が厚さ方向に撓みつつ清掃材保持ヘッドの底面側に位置する拭部を対象物に押圧する状態で対象物を拭く場合に、その起立薄片群が高さや幅や厚さ等が異なる複数種の起立薄片からなるならば、拭部を対象物に押圧する強さや撓み易さ等が起立薄片の高さや幅や厚さ等によって異なるので、対象物の凹凸や対象物上の塵埃の存否や大きさや種類等に対応し得る。
【0081】
(6) 起立薄片群を構成する多数の起立薄片は、厚さ方向が第1方向の成分を有するものである。望ましくは、厚さ方向が第1方向である起立薄片である。シート状の拭部を有する拭材を、拭部が底面側に位置するように保持した清掃材保持ヘッドを、対象物に対しほぼ第1方向に移動させつつ対象物を拭くことにより、起立薄片群を構成する起立薄片が厚さ方向に撓みつつ拭部を対象物に押圧する状態で対象物を拭く上で、全てが第1方向であるものが好ましいが、必ずしもこれに限るものではない。なお、起立薄片群を構成する起立薄片の他に、厚さ方向が第1方向の成分を有しない起立薄片を清掃材保持ヘッドの底面側に有するものであっても本発明を逸脱するものではない。
【0082】
(7) 下向きに起立してそれぞれ厚さ方向に弾性的に撓み得る多数の起立薄片からなる起立薄片群は、例えば、可撓性の基盤から下向きに多数の起立薄片が起立する状態で、その基盤と多数の起立薄片がゴム状弾性を有する材料(例えば合成ゴム)等により一体的に形成された拭材支持体の一部として得ることが可能である。
【0083】
起立薄片群における各起立薄片は、実質上互いに独立的に厚さ方向に弾性的に撓み得るものとすることができる。可撓性の基盤から下向きに多数の起立薄片が起立する状態でその基盤と多数の起立薄片が一体的に形成された拭材支持体においても、各起立薄片の厚さ方向の撓み易さや可撓性の基盤の変形し難さ等を適切に設定することにより、各起立薄片が厚さ方向に撓んだ場合に、可撓性の基盤を介して隣接する起立薄片の位置や姿勢に実質的な影響が及ばないものとすることができる。但し、起立薄片群における各起立薄片が、隣接する起立薄片にある程度連動して厚さ方向に弾性的に撓み得るものであっても本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0084】
(8) 清掃材保持ヘッドは、例えば、前記拭材支持体における基盤側を剛性基体(拭材支持体との関係で剛性とみなし得る基体)の下側に保持することにより構成することができる。
【0085】
この場合、前記拭材支持体における可撓性の基盤が、その一部(例えば、外周部或いは外周部及び内方部の一部。)において基体に保持され、基体に保持されていない部分と基体との間に空間を有するものとすることができる。前記外周部及び内方部の一部としては、清掃材保持ヘッドが平面視において長手方向と短手方向を有するものの場合、例えば外周部と長手方向の中心線に沿った部分を挙げることができ、清掃材保持ヘッドが平面視において長方形である場合は、例えば外周部と対角線に沿った部分を挙げることができる。
【0086】
また、拭材支持体における可撓性の基盤が、その一部において基体に保持され、基体に保持されていない部分と基体との間に可撓性の基盤が弾性的に撓み得る空間を有するものとした前記清掃材保持ヘッドの場合、可撓性の基盤の上方への弾性的な撓みにより、起立薄片により拭部を対象物に押圧する場合の対象物の凹凸や対象物上の塵埃の存否や大きさや種類等に対応し得るものとすることができる。
【0087】
(9) 起立薄片群における起立薄片は、第1方向において、数枚以上が、間隔おきに配置されると共に、第1方向に直交する方向である第2方向において数枚以上(例えば、5乃至6枚又はそれ以上の多数)が間隔おきに配置されている。
【0088】
前記数枚以上というのは、例えば、5乃至6枚又はそれ以上の多数を意味する。
【0089】
前記間隔おきというのは、例えば起立薄片の横幅の1/10乃至5倍、好ましくは1/5乃至2倍の間隔おきを意味する。
【0090】
前記起立薄片は、第1方向において各起立薄片の横幅方向中心位置が所定直線上に整列していることを要しない。
【0091】
また前記起立薄片は、第2方向の所定直線に沿って間隔おきに並んでいるものとすることができるが、必ずしも第2方向の所定直線上に並ぶことを要しない。
【0092】
(10) 起立薄片群においては、任意の第1方向線上に少なくとも1枚の起立薄片の一部が位置し、且つ、第2方向における間隔おきに(例えば、一定間隔おきに、又は一定の規則に従った間隔おきに)、第1方向の一端部から他端部に向かって、当該他端部に至らない範囲で、起立薄片が配置されていない凹入部を好ましくは複数有し、その凹入部の前記第2方向両側には、それぞれ第1方向に間隔おきに2枚以上の起立薄片が配置されている。
【0093】
起立薄片群においては、任意の第1方向線上において少なくとも1枚の起立薄片の一部が位置する。凹入部内には起立薄片が存在しないが、凹入部の任意の第1方向線上における他端部側に少なくとも1枚の起立薄片の一部が位置する。
【0094】
起立薄片群は、第1方向の一端部から他端部に向かう凹入部を1又は複数(好ましくは3乃至4以上、より好ましくは満遍なく)有するものとすることができ、更に、第1方向の他端部から一端部に向かう凹入部を1又は複数有するものとすることができる。
【0095】
起立薄片群における全ての凹入部又は一部の凹入部の第2方向幅は、第1方向の一端部(入り口側)から他端部に向かって漸次縮小(好ましくは第2方向において対称状[例えば等脚台形状又は二等辺三角形状]に縮小)するものとすることが好ましい。なお、起立薄片群における全ての凹入部又は一部の凹入部の第2方向幅は、これに限るものではなく、例えば、第1方向の一端部(入り口側)から他端部に向かって変化しないものとすることや、入り口側では変化せず奥側で縮小するものとすることもできる。
【0096】
凹入部の第2方向幅は、例えば3乃至50mm(好ましくは4乃至30mm、より好ましくは5乃至20mm)であるものとすることができる。
【0097】
凹入部の第1方向深さは、例えば、10乃至100mm(好ましくは10乃至60mm、より好ましくは15乃至40mm)であるものとすることができる。
【0098】
(11) 清掃材保持ヘッドの底面側に、下向き突出の弾性材料からなる押圧用突条部を1又は2以上有し、その押圧用突条部の下端位置は、起立薄片群を構成する起立薄片の下端位置よりも上方であり、起立薄片群を構成する起立薄片の厚さ方向よりも撓み難いものとすることができる。
【0099】
このような押圧用突条部は、例えば、起立薄片と同一材料からなり、厚さを例えば起立薄片の厚さの数倍乃至数十倍又はそれ以上とすることにより、起立薄片の厚さ方向に比し数倍乃至数十倍又はそれ以上撓み難いものとすることができる。
【0100】
押圧用突条部は、清掃材保持ヘッドの底面側における起立薄片群内および/または起立薄片群の外側(好ましくは起立薄片群の外側近傍部)に位置するものとすることができる。
【0101】
押圧用突条部の方向は、主な拭き方向である第1方向に直交する方向である第2方向であることが好ましいが、これに限るものではない。
【0102】
清掃材保持ヘッドの底面側に押圧用突条部を有するものの好適な例としては、第1方向における中央部及び両端部に、それぞれ第2方向の押圧用突条部を有するものを挙げることができる。この場合の押圧用突条部の高さは、例えば、両端部の押圧用突条部が同じ高さで中央部の押圧用突条部はそれらよりも高いものとすることができる。
【0103】
また、可撓性の基盤と多数の起立薄片と1又は2以上の押圧用突条部を一体的に形成した拭材支持体を剛性基体の下側に保持して清掃材保持ヘッドを構成することができる。
【符号の説明】
【0104】
A 清掃具
B 拭材
B1 拭部
B2 近傍部
C 清掃材保持ヘッド
D 基体
D1 自在支持部
D1a 第1回動軸
D1b 第2回動軸
D2 拭材押圧保持体
D3 フランジ部
D4 直立板部
E 拭材支持体
E1 基盤
E2 外側上突条部
E3 中央上突条部
E4 端部保持部
E4a 内向板部
E5 中央押圧用突条部
E6 外側押圧用突条部
f 起立薄片
F 起立薄片群
F1 第1列
F2 第2列
F3 第3列
F4 第4列
F5 第5列
g 起立薄片
G 起立薄片群
H 凹入部
P 柄体
S 第1方向
T 第2方向