(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】密閉型電動機冷却システム
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20220413BHJP
F25B 1/04 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
H02K9/19 A
F25B1/04 J
(21)【出願番号】P 2020520500
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 US2018055271
(87)【国際公開番号】W WO2019075105
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-06-04
(32)【優先日】2017-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010511
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】クリスマン,ケイトリン・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】キャスパー,イアン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドショー,デービッド・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヘイジー,マシュー・リー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルゲムス,タイラー・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】スネル,ポール・ウィリアム
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-533284(JP,A)
【文献】特開2006-006047(JP,A)
【文献】特開2009-201217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0024020(US,A1)
【文献】特表2013-529452(JP,A)
【文献】特表2015-509696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/19
F25B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉型電動機を冷却するシステムであって、
冷媒を、冷媒ループに沿って配置された凝縮器から密閉型電動機へと、そして前記密閉型電動機から前記冷媒ループへと戻すように導くように構成された、電動機冷却冷媒流路と、
前記電動機冷却冷媒流路に沿って配置され、前記凝縮器から前記冷媒を受け取るように構成された、前記密閉型電動機のハウジングであって、前記密閉型電動機の前記ハウジングは、
前記ハウジング内に形成され、前記密閉型電動機の固定子の少なくとも一部を取り囲む環状部を備え、
前記ハウジングは、前記冷媒を前記環状部の中に導くように構成された、ハウジングと、
前記固定子と前記ハウジングとの間に配置されたスリーブであって、前記
スリーブは、
前記スリーブ内に形成された複数の開口部を備え、前記複数の開口部は、前記冷媒を、
前記環状部から、前記固定子に向けて、そして前記密閉型電動機の前記ハウジングの空洞の中に導くように構成された
、スリーブと、を備えるシステム。
【請求項2】
前記密閉型電動機の前記ハウジングは追加環状部を備え、前記環状部は前記密閉型電動機の駆動端部に配置され、前記追加環状部は前記密閉型電動機の前記駆動端部の反対側にある駆動端部に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記
システムは、前記凝縮器と蒸発器との間の圧力差を介して
、前記電動機冷却冷媒流路に沿って
前記冷媒を導くように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電動機冷却冷媒流路に沿って前記冷媒を導くように構成された流れ生成装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記密閉型電動機の前記ハウジングは、前記冷媒を、前記ハウジングの前記空洞から、前記冷媒ループに沿って配置された蒸発器に向けて導くように構成された出口を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の開口部は、
前記ステータの周囲に均一に間隔を置いている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の開口部
のそれぞれは、前記環状部から
前記スリーブを通って延びており、
前記複数の開口部は、前記冷媒が前記固定子
に接触するように
、前記冷媒を前記ステータに直接導くように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電動機冷却冷媒流路は、前記密閉型電動機の前記空洞内で、前記密閉型電動機の回転子、前記密閉型電動機の軸受、前記密閉型電動機の別の構成要素、又はそれらの組み合わせと接触するように
前記冷媒を導くように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)のためのシステムであって、前記システムは、
冷媒ループ、
前記冷媒ループ内に配置され、冷媒を前記冷媒ループ内で循環させるように構成された圧縮機、
前記冷媒ループに沿って、前記冷媒ループ内の前記冷媒の流れに対して前記圧縮機の下流に配置された凝縮器、
前記冷媒ループに沿って、前記冷媒ループ内の前記冷媒の前記流れに対して前記凝縮器の下流に配置された蒸発器、
前記圧縮機を駆動するように構成された密閉型電動機、及び、
電動機冷却システムであって、
冷媒を、前記凝縮器から前記密閉型電動機へと、そして前記密閉型電動機から前記蒸発器へと導くように構成された、電動機冷却冷媒流路と、
前記電動機冷却冷媒流路に沿って配置され、前記凝縮器から前記冷媒を受け取るように構成された、前記密閉型電動機のハウジングであって、前記密閉型電動機の前記ハウジングは、
前記ハウジング内に形成され、前記密閉型電動機の固定子の少なくとも一部を取り囲む環状部を備え、
前記ハウジングは、前記冷媒を前記環状部の中に導くように構成された、ハウジングと、
前記固定子と前記ハウジングとの間に配置されたスリーブであって、前記
スリーブは、
前記スリーブ内に形成された複数の開口部を備え、前記複数の開口部は、前記冷媒を、
前記環状部から、前記固定子に向けて、そして前記密閉型電動機の前記ハウジングの空洞の中に導くように構成された
、スリーブとを備える電動機冷却システム、を備えるシステム。
【請求項10】
前記密閉型電動機の前記ハウジングは、前記冷媒を、前記ハウジングの前記空洞から前記蒸発器に向けて導くように構成された出口を備える、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記密閉型電動機の前記ハウジングは追加環状部を備え、前記環状部は前記密閉型電動機の駆動端部に配置され、前記追加環状部は前記密閉型電動機の前記駆動端部の反対側にある駆動端部に配置されている、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記密閉型電動機の前記ハウジングは、前記密閉型電動機の前記駆動端部の前記環状部に結合された第1の入口と、前記密閉型電動機の前記駆動端部の反対側にある駆動端部の前記追加環状部に結合された第2の入口とを備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の開口部は、
前記ステータの周囲に均一に間隔を置いている、請求項
9に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の開口部
のそれぞれは、前記環状部から
前記スリーブを通って延びており、
前記複数の開口部は、前記冷媒が前記固定子
に接触するように
、前記冷媒を前記ステータに直接導くように構成されている、請求項
9に記載のシステム。
【請求項15】
密閉型電動機を冷却する方法であって、
冷媒ループ内の凝縮器から出る冷媒流の部分を、電動機冷却冷媒経路に向けて進路変更させることと、
前記冷媒流の前記部分を、前記電動機冷却冷媒経路に沿って、前記冷媒ループに沿って配置された圧縮機を駆動するように構成された密閉型電動機のハウジングの中に導くことと、
前記冷媒流の前記部分を、前記密閉型電動機の前記ハウジング内に形成され
、前記密閉型電動機の固定子の少なくとも一部を取り囲む環状部を通して導くことと、
前記冷媒流の前記部分を、
前記ハウジングと前記固定子との間に配置された前記密閉型電動機のスリーブ内に形成された複数の開口部を通して導き、それにより、
前記複数の開口部が、前記冷媒流の前記部分を、
前記環状部から、前記固定子に向けて、そして前記密閉型電動機の前記ハウジングの空洞の中に
導くことと、
前記冷媒流の前記部分を、前記密閉型電動機の前記ハウジングの前記空洞から、前記冷媒ループに向けて戻すように導くことと、を含む方法。
【請求項16】
前記冷媒ループ内の前記凝縮器を出る前記冷媒流の前記部分を、前記電動機冷却冷媒経路に向けて進路変更させることは、前記密閉型電動機内に配置された温度センサからのフィードバックに基づいて、前記電動機冷却冷媒経路に沿って配置された弁を調整することを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記冷媒流の前記部分を、前記電動機冷却冷媒経路に沿って前記密閉型電動機の前記ハウジングの中に導くことは、前記冷媒流の前記部分を前記密閉型電動機の駆動端部にある入口の中に導くことを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記冷媒流の前記部分を、前記密閉型電動機の前記ハウジングの前記空洞から前記冷媒ループに向けて戻すように導くことは、前記冷媒流の前記部分を、前記密閉型電動機の前記ハウジングの前記空洞から、前記冷媒ループに沿って配置された蒸発器に導くことを含む、請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月10日に出願された「HERMETIC MOTOR COOLING SYSTEM」と題する米国仮特許出願第62/570,535号明細書、2017年12月27日に出願された「HERMETIC MOTOR COOLING SYSTEM」と題する米国仮特許出願第62/610,782号明細書、及び2017年12月28日に出願された「HERMETIC MOTOR COOLING SYSTEM」と題する米国仮特許出願第62/611,358号明細書の優先権と利益を主張し、これらはあらゆる目的で全体を本明細書に参照として組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、冷凍システムに関する。具体的には、本開示は、密閉型電動機冷却アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
冷凍サイクルの圧縮機は、電気電動機によって回転され得るシャフトによって駆動される。シャフトに結合された回転子の回転を駆動する固定子を形成する一連の巻線を電流が通過するにつれて、熱(例えば、熱エネルギー)が生成される場合がある。回転子と固定子は電動機ハウジング内に収容されており、電動機の動作中に熱が発生するにつれて温度が上昇する場合がある。一部の圧縮機では、回転子は電磁軸受によって支持される場合があり、電磁軸受が熱を発生させ、電動機ハウジング内の温度を更に上昇させる場合もある。それに応じて、冷却システムを介して冷却流体を電動機に供給して、熱を除去し、過熱により生じる電動機の性能低下又は運転停止を回避することができる。残念なことに、冷凍サイクルの電動機用の一部の冷却システムでは、冷凍サイクルにおいて低圧冷媒が利用された場合に、大きな圧力降下及び/又は冷却流体の流量低下が生じる場合がある。既存の電動機冷却システムの動作限界により、圧縮機及び/又は冷凍システムの全動作範囲が影響を受ける場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の一態様による、改善された冷却システムを利用し得る密閉型電動機を有する暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムの実施形態の概略図である。
【
図2】本開示の一態様による、改善された冷却システムを含む
図1のHVAC&Rシステムの密閉型電動機の実施形態の断面図である。
【
図3】本開示の一態様による、
図2の密閉型電動機用の冷却システムの入口の実施形態の部分断面図である。
【
図4】本開示の一態様による、
図3の冷却システムの環状部における開口部の実施形態の部分断面図である。
【
図5】本開示の一態様による、改善された冷却システムの実施形態を含む
図1のHVAC&Rシステムの密閉型電動機の実施形態の断面図である。
【
図6】本開示の一態様による、
図5の密閉型電動機用の冷却システムの入口の実施形態の部分断面図である。
【
図7】本開示の一態様による、
図1のHVAC&Rシステムの密閉型電動機用の冷却システムの追加の冷却機能の実施形態の断面図である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、密閉型電動機用の冷却システムは、冷媒を、冷媒ループに沿って配置された凝縮器から密閉型電動機へと、そして密閉型電動機から戻って冷媒ループへと導くように構成された電動機冷却冷媒流路と、電動機冷却冷媒流路に沿って配置され、凝縮器から冷媒を受け取るように構成された、密閉型電動機のハウジングであって、密閉型電動機のハウジングは、密閉型電動機の固定子の少なくとも一部を取り囲む環状部を備え、環状部は、冷媒を、固定子に向けて、そして密閉型電動機のハウジングの空洞の中に導くように構成された複数の開口部を備える、ハウジングと、を含む。
【0006】
一実施形態では、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムは、冷媒ループと、冷媒ループに沿って配置され、冷媒を冷媒ループ内で循環させるように構成された圧縮機と、冷媒ループに沿って、冷媒ループ内の冷媒の流れに対して圧縮機の下流に配置された凝縮器と、冷媒ループに沿って、冷媒ループ内の冷媒の流れに対して凝縮器の下流に配置された蒸発器と、圧縮機を駆動するように構成された密閉型電動機と、電動機冷却システムと、を含む。電動機冷却システムは、冷媒を、凝縮器から密閉型電動機へと、そして密閉型電動機から蒸発器へと導くように構成された電動機冷却冷媒流路と、電動機冷却冷媒流路に沿って配置され、電動機冷却冷媒流路から冷媒を受け取るように構成された、密閉型電動機のハウジングであって、密閉型電動機のハウジングは、密閉型電動機の固定子の少なくとも一部を取り囲む環状部を備え、環状部は、冷媒を、固定子に向けて、そして密閉型電動機のハウジングの空洞の中に導くように構成された複数の開口部を備える、ハウジングと、を含む。
【0007】
一実施形態では、密閉型電動機を冷却する方法は、冷媒ループ内の凝縮器から出る冷媒流の部分を、電動機冷却冷媒経路に向けて進路変更させることと、冷媒流の部分を、電動機冷却冷媒経路に沿って、冷媒ループに沿って配置された圧縮機を駆動するように構成された密閉型電動機のハウジングの中に導くことと、冷媒流の部分を、密閉型電動機のハウジング内に形成された環状部を通して導くことと、冷媒流の部分を、環状部の複数の開口部を通して導き、それにより、冷媒を、密閉型電動機の固定子に向けて、そして密閉型電動機のハウジングの空洞の中に流すことと、冷媒流の部分を、密閉型電動機のハウジングの空洞から、冷媒ループに向けて戻すように導くことと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
電動機(例えば、密閉型電動機)を利用して、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムの圧縮機を駆動し得る。電動機は、巻線抵抗と、電動機に供給される電流による渦電流損失との結果として、動作中に熱を生成する。電動機によって生成された熱は、熱エネルギーを電動機ハウジングに伝達し、それにより電動機の温度を上昇させる。それに応じて、熱エネルギーを吸収し、電動機の温度を低下させる(例えば、電動機を冷却する)ために、冷却システムの少なくとも一部は電動機ハウジング内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、冷却システムは、HVAC&Rシステムの冷媒ループから電動機ハウジングの中に冷媒を循環させて、電動機ハウジング内の熱エネルギーを吸収する。例えば、冷媒(例えば、冷却システムの冷却流体)が、HVAC&Rシステムの凝縮器から電動機ハウジングの中に導かれて、電動機の動作中に発生した熱エネルギーを吸収する。次いで、冷媒は電動機からHVAC&Rシステムの冷媒ループに戻るように導かれ得る。場合によっては、冷媒は膨張装置から電動機に導かれ、そこで冷媒は液体状態から膨張して、蒸気状態又は液体と蒸気との混合物になる。
【0009】
電動機(例えば密閉型電動機)用のいくつかの冷却システムは、冷媒が電動機ハウジング内を流れるための比較的制限された流路を含む。例えば、冷却システムはヘリカルコイルを有してもよく、ヘリカルコイルは、冷媒を流し、電動機ジャケットの周囲に巻き付けられて、冷媒を電動機の構成要素(例えば、回転子、固定子、及び/又は軸受)と熱交換する関係に置くように構成される。冷媒は、比較的小さい直径と比較的長い長さを有し得るヘリカルコイルを通って流れる。冷媒は、ヘリカルコイルを通る際に大きな圧力降下を受け、流量が小さくなり、それにより、冷媒はヘリカルコイル内で蒸発する場合がある。更に、ヘリカルコイルは、電動機ジャケットの外側表面への冷媒の露出を制限し、それにより、冷媒と電動機構成要素との間の熱エネルギー伝達の量を低減させる。例えば、電動機ジャケットの周囲においてヘリカルコイルのターンの間に間隙が形成されてもよく、及び/又はヘリカルコイルは、電動機ジャケットの外側表面の表面領域を十分に覆うために電動機ジャケットの周囲でそれ自体と重なり合っていなくてもよい。従って、ヘリカルコイル冷却システムは、低圧冷媒を使用するシステムに、十分な熱エネルギー伝達をもたらさない場合がある。本明細書で使用する場合、低圧冷媒は、1気圧の圧力において、摂氏約19度(華氏66度)の標準沸点を有する冷媒を含み得る。本明細書で使用する場合、「標準沸点」は、1気圧の圧力で測定した沸点温度を指し得る。
【0010】
本開示は、HVAC&Rシステムにおいて低圧冷媒が効果的に利用され得るように、圧力降下を低減させ、電動機ハウジング内で冷媒と電動機構成要素との間の熱エネルギー伝達量を増加させる改善された密閉型電動機冷却システムに関する。いくつかの実施形態では、冷却システムは、電動機の固定子の巻線を取り囲む電動機ハウジング内に形成された環状部を含む。HVAC&Rシステムからの冷媒は、環状部の周囲に間隔を置いた複数の開口部を通って排出される前に、環状部を充填し得る。次いで、排出された冷媒は、固定子の少なくとも一部に直接接触して、固定子から熱エネルギーを吸収し、電動機ハウジングを冷却し得る。冷却システムの環状部は、冷媒を固定子の一部に一様に分配させて、電動機ハウジング内で生じる熱伝達の量を増加させる。更に、環状部を通る冷媒の流路が、既存の冷却システム(例えば、ヘリカルコイル)を通る冷媒の流路と比較すると比較的短いので、環状部は、電動機ハウジングを通る冷媒の圧力降下を低減させることを可能にする。このように、本明細書に開示されるHVAC&Rシステムの実施形態は、電動機の効率を改善し、圧縮機及び/又は冷凍システムの動作範囲を拡大させ得る。
【0011】
本実施形態がシステム内で使用され得る方法を示すのを手助けするために、
図1は、電動機14(例えば、密閉型電動機、電気電動機、油圧電動機、空気圧電動機など)によって駆動される圧縮機12を含む、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム10の概略図である。
図1に図示する実施形態に示すように、圧縮機12は、冷媒ループ16内に配置され、圧縮機12は、冷媒を冷媒ループ16内で循環させるように構成されている。圧縮機12を出る冷媒は、凝縮器18が受け取る。いくつかの実施形態では、凝縮器18は空冷式凝縮器であり、よって、空気が凝縮器18のコイルの上に導かれて、コイルを通って流れる冷媒から熱エネルギー(例えば、熱)を吸収する。他の実施形態では、凝縮器18は、冷媒を冷却流体(例えば、水)との熱交換関係に置く多管式熱交換器であってもよい。いずれにせよ、冷媒は、熱エネルギーを凝縮器18の作動流体(例えば、空気、水、又は別の好適な冷却流体)に伝達し、それにより、凝縮器18を出る冷媒の温度を低下させる。
【0012】
凝縮器18を出る冷媒は、冷媒ループ16に沿って引き続き膨張装置20に向かい得る。膨張装置20は、冷媒の圧力を低下させるように構成され、また、冷媒の温度を更に低下させる。次いで冷媒は、冷媒ループ16に沿って配置された蒸発器22に入る。蒸発器22を通って流れる冷媒は、作動流体(例えば、水及び/又は空気)から熱エネルギー(例えば、熱)を吸収する。いくつかの実施形態では、蒸発器22は、冷媒を冷却流体(例えば、水)との熱交換関係に置く多管式熱交換器である。他の実施形態では、蒸発器22は、冷媒を空気との熱交換関係に置く。蒸発器22の作動流体(例えば、水、空気、又は別の好適な流体)は、建物、部屋、家、又は別の空調された空間などの負荷を冷却するように構成され得る。次いで、蒸発器22を出る冷媒は、圧縮機12に再び入ることによって冷媒ループ16を完了する。
【0013】
図1に図示する実施形態に示すように、凝縮器18を出る冷媒の部分は、T継手26(例えば、第1のT継手及び/又は第1の三方弁)を介して電動機冷却ループ24に進路変更され得る。弁28(例えば、ボール弁、蝶形弁、ゲート弁、グローブ弁、ダイヤフラム弁、及び/又は別の好適な弁)が、電動機冷却ループ24に沿って、電動機冷却ループ24を通る冷媒の流れに対してT継手26の下流に配置され得る。弁28は、冷媒ループ16から第1の電動機冷却ループ24に進路変更される冷媒の量を調整するように構成され得る。いくつかの実施形態では、弁28はコントローラ30に結合されており、コントローラ30は、例えば、センサ29(例えば、温度センサ)によってモニタされる電動機14の温度に基づいて弁28の位置を調整して、電動機冷却ループ24を通る冷媒の流れを制御する。電動機冷却ループ24を通って流れる冷媒は、電動機14のハウジング(例えば、
図2を参照)の中に導かれて、冷媒を電動機14の構成要素(例えば、固定子、回転子、及び/又は軸受)との熱交換関係に置く。それに応じて、冷媒は、電動機14から熱エネルギー(例えば、熱)を吸収して、電動機14の温度を低下させる。次いで、冷媒は電動機14から冷媒ループ16に向かって戻るように導かれ、そこで冷媒は蒸発器に流入する。いくつかの実施形態では、電動機冷却ループ24は、ポンプ、エダクタ、圧縮機、又は電動機冷却ループ24を通る冷媒の流れを促進する別の好適な装置などの流れ生成デバイスを含む。他の実施形態では、冷媒は、電動機14の上流と電動機14の下流の冷媒の圧力差を介して、電動機冷却ループ24を通って流れる(例えば、膨張装置20によって引き起こされる圧力降下ゆえに、凝縮器18を出る冷媒の圧力は、蒸発器22に入る冷媒の圧力よりも大きい)。
【0014】
図2は、電動機14を通る電動機冷却ループ24内の冷媒の流路を示す電動機14の断面図である。
図2に図示する実施形態に示すように、電動機14は、ハウジング60、並びに、ハウジング60内に配置された固定子62、シャフト65に結合された回転子64、及び軸受(例えば、玉軸受、滑り軸受、磁気軸受、又は他の好適な軸受)を含む。電動機冷却ループ24は、冷媒を、第1の入口68及び/又は第2の入口70を介してハウジング60の中に導くことができる。いくつかの実施形態では、第1の入口68は、電動機14の第1の端部78(例えば、駆動端部)において固定子62を取り囲む第1の環状部76の中に冷媒を導く。同様に、第2の入口70は、電動機14の第2の端部82(例えば、反対側の駆動端部)において固定子62を取り囲む第2の環状部80の中に冷媒を導く。
【0015】
いくつかの実施形態では、冷媒は、環状部76及び80を通って流れ、最終的には環状部76及び80を充填する。次いで冷媒は、環状部76及び80の各々の周囲に間隔を置いた開口部(例えば、
図4を参照)を通して排出され、それにより、冷媒は固定子62の巻線と接触するようになる。例えば、巻線の比較的高温を有する部分(例えば、巻線の根元)に冷媒が直接接触するように、開口部が固定子62の巻線に向かって半径方向内向きに冷媒を導いてもよい。次いで、固定子62に接触した冷媒は、冷媒ループ16に向かって戻るように排出される前に、ハウジング60の空洞83を通って流れてもよい。上述のように、電動機冷却ループ24内を流れる冷媒は、凝縮器18を出る冷媒であってもよい。それに応じて、第1の電動機冷却ループ24内の冷媒は冷媒液である。いくつかの実施形態では、環状部76及び80から排出された冷媒の第1の部分は、固定子62から大量の熱を吸収し、蒸発して冷媒蒸気になり得る。それに応じて、電動機ハウジング60は、冷媒蒸気85が蒸発器22に流れることを可能にするベント84を含む。
【0016】
加えて又は代替として、冷媒の第2の部分は、冷媒液のまま残ってもよい。電動機ハウジング60はまた、冷媒液87が冷媒ループ16に戻ることを可能にする排液管86を含む。更に、電動機ハウジング60は、冷媒を受け取り電動機14の更なる冷却をもたらす固定子冷却経路107(例えば、電動機ハウジング60とスリーブ90との間に形成された空洞)を含んでもよい。例えば、冷媒は、入口89を介して固定子冷却経路107に流入し、出口91を介して固定子冷却経路107から流出してもよい。それに応じて、冷媒は、固定子冷却経路107内を流れて、軸受、回転子64、及び/又は他の好適な構成要素などの電動機14の構成要素を冷却する。
【0017】
図2に図示する実施形態に示すように、固定子62(例えば、巻線)を冷却する冷媒は、冷媒が最終的に蒸発器22に流れて戻るように、ベント84及び/又は排液管86に向けて導かれてもよい。冷媒が固定子62からベント84及び/又は排液管86に向かって流れるにつれて、冷媒はまた、電動機ハウジング60内の回転子64及び/又は軸受に接触し、そこから熱(例えば、熱エネルギー)を吸収し得る。
【0018】
更になお、電動機ハウジング60は、電動機ハウジング60内の空洞95を冷却するための冷媒を受け入れるポート93を含み得る。空洞95は、電動機のディフューザプレートに近接し、従って、ディフューザプレートから熱エネルギー(例えば、熱)を吸収し得る。従って、冷媒は、固定子62及び回転子64に加えてディフューザプレートを冷却することができ、従って、電動機ハウジング60を更に冷却することができる。
【0019】
電動機14の固定子62も、やはり電動機ハウジング60内に配置されるスリーブ90内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、環状部76及び80は、環状部76及び80が固定子62を取り囲むように、スリーブ90に近接するハウジング60内に形成されてもよい。スリーブ90は、既存の電動機14と比較すると、環状部76及び80を収容するために延長されてもよい。例えば、環状部76及び80は、入口68、70、72、及び74に対応する、電動機14の長さ92に沿った場所に置かれてもよく、電動機14の第1の端部78(例えば、駆動端部)(例えば、入口68及び72)、及び電動機14の第2の端部82(例えば、反対側の駆動端部)(例えば、入口70及び74)に置かれてもよい。このように、スリーブ90は、第1の端部78と第2の端部82との間の長さに対応する長さ98を含むように延長される。
【0020】
図3は、入口68の実施形態の拡大断面図である。
図3に図示する実施形態に示すように、入口68は、電動機14の第1の端部78(例えば、駆動端部)において固定子62を取り囲む環状部76の中に冷媒を導く。いくつかの実施形態では、環状部は、圧力降下を低減させながら、電動機14を冷却するための冷媒の適切な流れを可能にする流れ領域を含む。環状部の流れ領域は、電動機14のサイズ及び/又は容量に基づいて修正され(例えば、拡大縮小され)てもよいことを理解されたい。このように、より大きな容量を有する、より大きな電動機は、低減された容量を有する、より小さい電動機よりも、大きい流れ領域を有する環状部76を含み得る。環状部76は、冷媒が流れるための比較的狭い通路を形成するが、環状部76の長さは、固定子62の周長と実質的に同じである。加えて、第1の入口68及び第3の入口72の両方が環状部76に結合している結果として、冷媒が固定子62の全周にわたって流れる前に、冷媒は環状部76から排出される。それに応じて、密閉型電動機(例えば、ヘリカルコイル)用の既存の冷却システムと比較すると、冷却システム内の冷媒の流路はより短いので、環状部76に流入する冷媒によって生じる圧力降下は低減される。
【0021】
図3に図示する実施形態に示すように、環状部76は、シール106を使用して、スリーブ90と電動機ハウジング60の表面104との間で密閉される。このように、冷媒が、入口68から環状部76に流入する前に、漏れて空洞83又は固定子冷却経路107の中に入ることが阻止され得る。いくつかの実施形態では、シール106は、冷媒が入口68において環状部76から漏れ出ることを阻止する、Oリング、シリコーン、及び/又は、別の好適な封止剤を含む。上述のように、環状部76及び80はそれぞれ、環状部76及び80の周りに間隔を置いた複数の開口部120を含んで、冷媒を固定子62に向けて導き、固定子62から熱を吸収する。
【0022】
例えば、
図4は、冷媒を固定子62に向けて導く複数の開口部120のうちの開口部120の拡大斜視図である。
図4に図示する実施形態に示すように、開口部120は、固定子62に向かって半径方向内向きに向けられている。換言すれば、開口部120は、冷媒が環状部76から固定子62へと直接流れることを可能にする方向122に冷媒を導く。
図4に図示する実施形態に示すように、開口部120は、環状部76からスリーブ90を通って固定子62の中まで延びる。このように、入口68、70、72、及び74を介してハウジング60に流入する冷媒は、固定子62に直接接触して固定子の巻線を冷却し、それによりハウジング60内の温度を低下させ得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数の開口部120は、環状部76及び80の周りに実質的に均一に間隔を置いている(例えば、固定子62の周囲の周り均等に間隔を置いている)。他の実施形態では、複数の開口部120は、環状部76及び80の周りに不均一に間隔を置いている。加えて、環状部76及び80のそれぞれは、冷媒が固定子62(及び/又は回転子64及び電動機14の軸受)を所定温度に十分に冷却することを可能にする好適な数の開口部120を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、環状部76及び80のそれぞれは、5個、10個、15個、20個、25個、又はそれ以上の開口部120を含む。加えて、環状部76及び80のそれぞれに含まれる開口部120の数は、電動機14のサイズ及び/又は容量に基づいて予め定められ得る。従って、電動機のサイズ及び容量が増加するにつれて、環状部76及び80のそれぞれに含まれる開口部120の数も増加し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、スリーブ90(例えば、固定子スリーブ)の長さ98により、シール106を環状部76の周りに配置することが可能になり、冷媒の流れが空洞83又は固定子冷却経路107に入ること又は流入することが阻止される。更に、
図5は、スリーブ90内に形成された開口部120を含むスリーブ90の実施形態を示す。スリーブ90の長さ98により、開口部120を形成することが可能になり、更に、電動機ハウジング60への熱エネルギー伝達量が減少する。例えば、スリーブ90内の開口部120は、冷媒を固定子62の露出した巻線に導く。場合によっては、固定子62は、露出した巻線(例えば、絶縁材料で覆われていない巻線)、及び絶縁巻線(例えば、絶縁材料で覆われた巻線)を含む。露出した巻線は、スリーブ90のスロット入口132に置かれてもよい。本明細書で使用する場合、スロット入口132は、巻線を受け入れる、固定子62の1つ以上のスロットを指す。巻線からハウジング60への熱伝達を低減させるために、巻線は1つ以上のスロットの外側において絶縁されている。しかし、場合によっては、固定子62内に配置された巻線の実質的に全てが露出される(例えば、絶縁されていない)ことを確実にするために、巻線の一部がスロット入口132の外側において露出されてもよい。
【0025】
このように、スリーブ90を通る開口部120により、冷媒が露出した巻線と熱エネルギーを交換し、巻線から電動機ハウジング60へと伝達される熱の量を低減させることが可能になる。露出された巻線は、絶縁された巻線と比較すると、比較的大量の熱エネルギー(例えば、熱)を電動機ハウジング60に伝達し得ることを理解すべきである。それに応じて、露出された巻線から開口部120を通って流れる冷媒に熱エネルギーを伝達させることにより、最終的に電動機ハウジング60に伝達される熱エネルギーの量が低減される。
【0026】
図6は、スリーブ90の実施形態の部分断面図であり、スリーブ90内には開口部120が形成されている。
図6に図示する実施形態に示すように、開口部120は、冷媒を環状部76からスロット入口132に向かって導き、そこで冷媒は、スロット入口132内(又は隣接)に配置された露出された巻線140から熱エネルギー(例えば、熱)を吸収し得る。更に、シール106は、環状部76のいずれの側にも配置されて、冷媒が空洞83又は固定子冷却経路107に入ること又は流入することを阻止する。
図6に図示する実施形態に示すように、シール106は開口部120の両側に配置されて、冷媒が開口部120を通って流れることを可能にするが、冷媒が空洞83又は固定子冷却経路107に入ること又は流入することを阻止する。
【0027】
図6に図示する実施形態は、開口部120を、環状部76からスロット入口132まで延びる実質的に円筒形のチャネルとして示しているが、他の実施形態では、開口部120は、環状部76からスロット入口132に冷媒を導く、放射状スロット、軸方向スロット、別の好適な形状のチャネル、又は任意の好適な開口部であってもよいことに留意されたい。更に、上記の
図2~
図6の実施形態では、環状部76を、固定子62の周囲を完全に取り囲むものとして論じている。しかし、他の実施形態では、環状部76(及び/又は環状部80)は、固定子62の円周の半分、固定子62の円周の4分の1、又は固定子62の円周の他の任意の好適な量を取り囲んで、固定子62から十分な熱エネルギーを吸収して、電動機14の温度を所定温度に維持してもよい。
【0028】
図7は、回転子64から吸収される熱エネルギー(例えば、熱)の量を増加させるように構成された追加の冷却機能を有する電動機14の実施形態の断面図である。
図7に図示する実施形態に示すように、冷却システムは、冷媒を受け取り、固定子62の中央部分152を通して冷媒を導くように構成されたベントスロット150を含む。いくつかの実施形態では、冷媒は、固定子冷却経路107からベントスロット150の中に導かれる。他の実施形態では、冷媒は、スリーブ90を通って延びる複数の開口部153(例えば、ドリル穴、半径方向スロット、又は軸方向スロット)を介してベントスロット150の中に導かれる。
【0029】
いずれにせよ、固定子62は、回転子64が電動機ハウジング60内で回転する際に、電磁場の生成を介して回転子64の移動を容易にするように構成された積層スタック154を含み得る。ベントスロット150は、積層スタック154の中心を通して置かれて、積層スタック154の対称性を維持し、従って電動機14の効率を維持し得る。ベントスロット150は、冷媒が、スリーブ90から、固定子62と回転子64との間に形成された間隙156(例えば、空隙)へと流れるためのチャネルを形成する。このように、冷媒は間隙156の中に導かれ、その結果、冷媒は固定子62及び回転子64の両方から熱エネルギーを吸収し得る。従って、ベントスロット150は電動機ハウジング60内の温度を低下させ、これにより電動機14の効率が更に向上し得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、スリーブ90は金属材料から形成される。具体的には、スリーブ90は、アルミニウム又は別の好適な非磁性金属を含み得る。スリーブ90をアルミニウム又は非磁性金属から形成することにより、回転子64がハウジング60内で回転する際に渦電流によって生じる損失を低減させることによって、電動機14の効率が更に向上し得る。スリーブ90を実質的に非磁性の材料から形成することにより、スリーブ90と、回転子64がハウジング60内で回転する際に回転子64と固定子62との間に生成される電磁場との間の干渉が低減される。
【0031】
本開示の特定の特徴及び実施形態のみを図示及び説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された発明の主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正及び変更(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値(例えば、温度、圧力など)、取り付け構成、材料の使用、色、向きなどにおける変形形態)を想到し得る。任意のプロセス又は方法ステップの順番又は順序は、代替的な実施形態に従って変更又は再順序付けされ得る。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨の範囲内にあるものとして、そのような全ての修正及び変更を包含することが意図されていることを理解されたい。更に、例示的な実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実現形態の全ての特徴が説明されていない場合がある(すなわち、現在企図される実施形態を実施する最良の形態に関係しないもの、又は主張する実施形態を実現するのに関係しないものが説明されていない場合がある)。いかなるそのような実際の実現形態の開発においても、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトにおけるように、実現形態に固有の多数の決定が行われ得ることを理解されたい。そのような開発努力は、複雑で時間がかかる場合があるが、それにもかかわらず、本開示の便宜を受ける当業者にとっては、過度の実験を伴わない設計、製作、及び製造における日常業務であろう。