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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-12
(45)【発行日】2022-04-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 602D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021101443
(22)【出願日】2021-06-18
(62)【分割の表示】P 2016174949の分割
【原出願日】2016-09-07
(65)【公開番号】P2021151538
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特許第6586033(JP,B2)
【文献】特開2015-008876(JP,A)
【文献】特開2005-312676(JP,A)
【文献】特開2015-163112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技機において、
第1制御手段と、
前記第1制御手段から受信した制御情報に応じて制御を行う第2制御手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、
遊技に関連する情報を記憶する記憶手段と
起動時に、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定することが可能な設定変更状態に移行させることが可能な設定変更状態移行手段と、
前記設定変更状態に移行することに伴って、遊技に関連する情報を初期化する初期化手段と、
一定間隔毎に定期処理を実行する定期処理実行手段と、
前記定期処理において前記記憶手段に格納されている出力情報に基づく出力制御を行う出力制御手段と、
制御情報を生成し、制御情報格納領域に格納する制御情報生成手段と、
前記制御情報格納領域に格納された制御情報を前記第2制御手段に対して送信する制御情報送信手段と、
を含み、
前記初期化手段は、前記設定変更状態に移行する場合に前記定期処理が実行されるまでに前記記憶手段に記憶されている出力情報を含む遊技に関連する情報を初期化し、
前記制御情報生成手段は、1単位の遊技である単位遊技における第1タイミングと第2タイミングを含む複数のタイミング毎に前記第1制御手段の制御状態を特定可能な複数種類の状態制御情報を生成する状態制御情報生成手段を含み、
前記状態制御情報生成手段が一のタイミングにおいて生成する複数種類の状態制御情報は、一の単位遊技と他の単位遊技で変化し得る制御状態であって、一の単位遊技における第1タイミングと第2タイミングで変化しない制御状態を特定可能な第1状態制御情報と、一の単位遊技における第1タイミングと第2タイミングで変化し得る制御状態を特定可能な第2状態制御情報と、を含み、
前記状態制御情報生成手段は、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいても、共通する複数種類の状態制御情報を、共通の制御にて生成する、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機においては、遊技の制御を行う遊技制御手段と、遊技制御手段からのコマンドの受信に応じて演出の制御を行う演出制御手段と、を備えるとともに、遊技制御手段から演出制御手段に対して遊技制御手段側の制御状態を示すコマンドを送信することで、演出制御手段側で遊技制御手段側の制御状態を特定できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-186708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような遊技機において、他方の制御手段が一方の制御手段の制御状態を詳細に把握するためには、一方の制御手段の制御状態が変化する毎に変化した制御状態に応じたコマンドをその都度送信する必要があり、コマンドの送信に係るプログラム容量が増大してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、第2の制御手段側で第1の制御手段の制御状態を把握しつつ、第1の制御手段が制御情報を送信する際のプログラム容量を削減することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A) 遊技を行う遊技機において、
第1制御手段と、
前記第1制御手段から受信した制御情報に応じて制御を行う第2制御手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、
遊技に関連する情報を記憶する記憶手段(RAM1c)と
起動時に、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定することが可能な設定変更状態に移行させることが可能な設定変更状態移行手段と、
前記設定変更状態に移行することに伴って、遊技に関連する情報を初期化する初期化手段と、
一定間隔毎に定期処理(タイマ割込処理(メイン))を実行する定期処理実行手段と、
前記定期処理において前記記憶手段(RAM1c)に格納されている出力情報(出力データ)に基づく出力制御を行う出力制御手段と、
制御情報を生成し、制御情報格納領域に格納する制御情報生成手段と、
前記制御情報格納領域に格納された制御情報を前記第2制御手段に対して送信する制御情報送信手段と、
を含み、
前記初期化手段は、前記設定変更状態に移行する場合に前記定期処理が実行されるまでに前記記憶手段(RAM1c)に記憶されている出力情報(出力データ)を含む遊技に関連する情報を初期化し、
前記制御情報生成手段は、1単位の遊技である単位遊技における第1タイミングと第2タイミングを含む複数のタイミング毎に前記第1制御手段の制御状態を特定可能な複数種類の状態制御情報を生成する状態制御情報生成手段を含み、
前記状態制御情報生成手段が一のタイミングにおいて生成する複数種類の状態制御情報は、一の単位遊技と他の単位遊技で変化し得る制御状態であって、一の単位遊技における第1タイミングと第2タイミングで変化しない制御状態を特定可能な第1状態制御情報と、一の単位遊技における第1タイミングと第2タイミングで変化し得る制御状態を特定可能な第2状態制御情報と、を含み、
前記状態制御情報生成手段は、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいても、共通する複数種類の状態制御情報を、共通の制御にて生成する。
手段1の遊技機は、
遊技を行う遊技機において、
起動時に、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値(設定値1~6)を設定することが可能な設定変更状態に移行させることが可能な設定変更状態移行手段と、
設定変更状態において選択中の設定値(設定値1~6)を設定値表示部(設定値表示器24)に表示させる制御を行う設定値表示制御手段と、
設定変更状態において更新操作(リセット/設定スイッチ38の操作)がされることで選択中の設定値を更新(設定値レジスタの値を設定値1~6の範囲で更新)する設定値更新手段と、
設定変更状態において決定操作(スタートスイッチ7の操作)がされることで選択中の設定値を設定(設定値レジスタの値をRAM41cに設定)する設定値設定手段と、
設定変更状態において決定操作がされることで設定変更状態を終了させて遊技の進行が可能な状態に移行させる設定変更状態終了手段と、
設定値が正常な値か否かを判定する設定値判定手段(設定値異常判定処理)と、
前記設定値判定手段により設定値が正常な値でないと判定した場合に、遊技の進行が不能なエラー状態に制御するエラー状態制御手段と、
設定変更状態に移行したことを条件にエラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、
設定変更状態において設定値が正常な値でない場合に前記設定値表示部(設定値表示器24)を設定値の表示態様とは異なる特定態様(「C」を表示する表示態様)となるように制御する特定表示制御手段と、
を備え、
前記設定値更新手段は、設定値が正常な値でない場合に、更新操作(リセット/設定スイッチ38の操作)がされることでいずれかの設定値を選択中の設定値(設定値1~6)として更新し、
前記設定値表示制御手段は、設定値が正常な値でなく前記設定値表示部(設定値表示器24)の表示態様が特定態様(「C」を表示する表示態様)である場合に、更新操作がされて選択中の設定値が更新されることにより更新後の設定値(設定値1)を設定値表示部(設定値表示器24)に表示させる制御を行い、
前記設定変更状態終了手段は、設定変更状態において前記設定値表示部(設定値表示器24)に選択中の設定値(設定値1~6)が表示されていることを条件に、決定操作(スタートスイッチ7の操作)がされることで設定変更状態を終了させて遊技の進行が可能な状態に移行させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定値が正常な値でないと判定された場合に、遊技の進行が不能なエラー状態に制御されるようになっており、このエラー状態は、設定変更状態に移行するまで終了することがないようになっている。また、設定変更状態では、設定値が正常な値でない場合に、設定値表示部の表示態様が設定値の表示態様とは異なる特定態様となるように制御されるようになっており、更新操作がされて選択中の設定値が更新され、設定値表示部に設定値が表示されるまで、すなわち遊技店の店員により設定値を選択する操作がされるまでは設定変更状態が終了せず、遊技の進行が可能な状態に移行することがないので、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0007】
本発明の手段2の遊技機は、
遊技を行う遊技機において、
起動時に、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値(設定値1~6)を設定することが可能な設定変更状態に移行させることが可能な設定変更状態移行手段と、
設定変更状態において選択中の設定値(設定値1~6)を設定値表示部(設定値表示器24)に表示させる制御を行う設定値表示制御手段と、
設定変更状態において更新操作(リセット/設定スイッチ38の操作)がされることで選択中の設定値を更新(設定値レジスタの値を設定値1~6の範囲で更新)する設定値更新手段と、
設定変更状態において決定操作(スタートスイッチ7の操作)がされることで選択中の設定値を設定(設定値レジスタの値をRAM41cに設定)する設定値設定手段と、
設定変更状態において決定操作がされることで設定変更状態を終了させて遊技の進行が可能な状態に移行させる設定変更状態終了手段と、
設定値が正常な値か否かを判定する設定値判定手段(設定値異常判定処理)と、
前記設定値判定手段により設定値が正常な値でないと判定した場合に、遊技の進行が不能なエラー状態に制御するエラー状態制御手段と、
設定変更状態に移行したことを条件にエラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、
設定変更状態において設定値が正常な値でない場合に前記設定値表示部(設定値表示器24)を設定値の表示態様とは異なる特定態様(「C」を表示する表示態様)となるように制御する特定表示制御手段と、
を備え、
前記設定値更新手段は、設定値が正常な値でない場合に、更新操作(リセット/設定スイッチ38の操作)がされることでいずれかの設定値を選択中の設定値(設定値1~6)として更新し、
前記設定値表示制御手段は、設定値が正常な値でなく前記設定値表示部(設定値表示器24)の表示態様が特定態様(「C」を表示する表示態様)である場合に、更新操作がされて選択中の設定値が更新されることにより更新後の設定値(設定値1)を設定値表示部(設定値表示器24)に表示させる制御を行い、
前記設定変更状態終了手段は、設定値が正常な値でなく前記設定値表示部(設定値表示器24)の表示態様が特定態様(「C」を表示する表示態様)のまま決定操作(スタートスイッチ7の操作)がされた場合に、前記設定値設定手段により設定値が設定(設定値レジスタの値をRAM41cに設定)されることなく設定変更状態を終了させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定値が正常な値でないと判定された場合に、遊技の進行が不能なエラー状態に制御されるようになっており、このエラー状態は、設定変更状態に移行するまで終了することがないようになっている。また、設定変更状態では、設定値が正常な値でない場合に、設定値表示部の表示態様が設定値の表示態様とは異なる特定態様となるように制御されるようになっており、更新操作がされることなく、すなわち遊技店の店員により設定値を選択する操作がされることなく、設定値表示部が特定態様のまま設定変更状態を終了させた場合には、設定値の値が異常のままとなり、すぐにエラー状態に制御されることとなるため、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0008】
尚、手段1、2において遊技機とは、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機である。
また、手段1、2において設定値の表示態様とは異なる特定態様とは、設定値表示部に正常な設定値を表示するときの表示態様と異なる態様であり、例えば、設定値表示部の表示を点滅させる態様、設定値表示部の表示を非表示とする態様、設定値表示部の表示の色彩を正常な設定値を表示するときの色彩と異ならせる態様等である。
【0009】
本発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記設定値更新手段は、設定値が正常な値でない場合に、更新操作(リセット/設定スイッチ38の操作)がされることで、選択中の設定値(設定値1~6)として、設定値のうち遊技者にとって有利度が最も低い段階の設定値に更新する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定値が正常な値でない場合に、更新操作がされることで、遊技者にとって有利度が最も低い段階の設定値に更新するので、設定値が正常な値でない場合に、遊技店の店員により意図せずに、遊技者にとって有利度の高い設定値が設定されてしまうことを防止できる。
【0010】
本発明の手段4の遊技機は、手段1~3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定表示制御手段は、設定変更状態において設定値が正常な値でない場合に、特定態様(「C」を表示する表示態様)として、設定値表示部(設定値表示器24)に特定の文字、数字または記号(「C」の表示)を表示させる制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定値が正常な値でない場合に、特定態様として設定値表示部に特定の文字、数字または記号を表示させるので、設定値表示部が特定態様に制御されていることを、容易に認識させることができる。
【0011】
本発明の手段5の遊技機は、手段1~4のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技に関連する情報を記憶する記憶手段(RAM1c)と
設定変更状態に移行することに伴って、遊技に関連する情報を初期化する初期化手段と、
一定間隔毎に定期処理(タイマ割込処理(メイン))を実行する定期処理実行手段と、
定期処理において前記記憶手段(RAM1c)に格納されている出力情報(出力データ)に基づく出力制御を行う出力制御手段と、
を備え、
前記初期化手段は、設定変更状態に移行する場合に定期処理が実行されるまでに前記記憶手段(RAM1c)に記憶されている出力情報(出力データ)を含む遊技に関連する情報を初期化する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、初期化手段は、設定変更状態に移行する場合に定期処理が実行されるまでに、記憶手段に格納されている出力情報を初期化するので、設定変更状態に移行した後に、初期化されるべき出力情報に基づいて出力制御手段により出力制御が行われることが防止できる。
【0012】
本発明の手段6の遊技機は、手段1~5のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技に関連する情報を記憶する記憶手段(RAM1c)と
一定間隔毎に定期処理(タイマ割込処理(メイン))を実行する定期処理実行手段と、
定期処理において前記記憶手段(RAM1c)に格納されている出力情報(出力データ)に基づく出力制御を行う出力制御手段と、
前記記憶手段(RAM1c)に出力情報(出力データ)を設定する出力情報設定手段と、
を備え、
前記出力情報設定手段は、設定変更状態に移行する場合に定期処理が実行されるまでに、設定変更状態への移行に関連して出力制御を行わせる出力情報(出力データ)を前記記憶手段(RAM1c)に設定する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、出力情報設定手段は、設定変更状態に移行する場合に定期処理が実行されるまでに、設定変更状態への移行に関連して出力制御を行わせる出力情報を記憶手段に設定するので、設定変更状態に移行した後の定期処理において速やかに出力制御手段により当該出力情報に基づく出力制御を行わせることができる。
【0013】
本発明の手段7の遊技機は、手段1~6のいずれかに記載の遊技機であって、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であり、
遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された制御情報(コマンド)に基づいて演出を行う演出制御手段(サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段(ナビ報知、ナビ演出)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果毎に各々異なる数値(当選番号)を設定する数値設定手段と、
前記数値設定手段により設定された数値(当選番号)に応じて所定制御(内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等)を行う所定制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が報知(ナビ報知)の対象となる報知対象結果(報知対象役)となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様が(遊技者にとって有利な停止順)報知される報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御する報知状態制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に関する特定制御情報(第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド)を前記演出制御手段に対して送信する特定制御情報送信手段と、
を含み、
前記報知対象結果(報知対象役)となったときに前記数値設定手段により設定される数値(当選番号)として、所定の数値範囲(2~19、23~34)からなる連続する数値が割り当てられており、
前記特定制御情報送信手段は、前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御されているか否かに関わらず、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記報知対象結果(報知対象役)となったときに、前記報知対象結果となった旨は特定できるが前記有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)を特定できない前記特定制御情報(第2の内部当選コマンド)を前記演出制御手段に対して送信するとともに、
少なくとも前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)以外の状態において、前記数値設定手段により設定された数値(当選番号)が、前記所定の数値範囲(2~19、23~34)であるときに、前記報知対象結果(報知対象役)となった旨は特定できるが前記有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)を特定できない前記特定制御情報(第2の内部当選コマンド)を前記演出制御手段(サブ制御部91)に対して送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技制御手段と演出制御手段とを備え、遊技制御手段から送信された特定制御情報から事前決定手段の決定結果に関する情報が特定される構成において、遊技制御手段側で操作手順報知手段により遊技者にとって有利な有利操作手順が報知される報知状態に制御するとともに、遊技制御手段は、報知状態に制御されているか否かに関わらず、事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったとき、及び少なくとも報知状態以外の状態において事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったときに、報知対象結果となった旨は特定できるが有利操作態様を特定できない特定制御情報を演出制御手段に対して送信するので、遊技制御手段側で報知状態に制御しているか否かに関わらず、特定制御情報から事前決定手段の決定結果に応じた有利操作手順が特定されることはないため、特定制御情報の送信に係る処理を簡素化できるとともに、演出制御手段側に不正がなされても報知状態に制御されていない状態で有利操作態様が報知されてしまうことを防止できる。また、報知対象結果となったときに数値設定手段により設定される数値として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられているとともに、遊技制御手段は、報知対象結果であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる数値が報知対象結果に対して割り当てられた所定の数値範囲であるか否かにより判定できるため、特定制御情報を送信する際の処理を簡素化できる。
【0014】
尚、手段7において導出操作手段の操作態様は、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様等が該当する。
【0015】
本発明の手段8の遊技機は、手段1~7のいずれかに記載の遊技機であって、
第1の制御手段(メイン制御部41)と、
前記第1の制御手段から受信した制御情報に応じて制御を行う第2の制御手段(サブ制御部91)と、
を備え、
前記第1の制御手段(メイン制御部41)は、1単位の遊技(ゲーム)における第1のタイミング(ゲームの開始時)と第2のタイミング(ゲームの終了時)を含む複数のタイミング毎に前記第1の制御手段(メイン制御部41)の制御状態を特定可能な複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)を前記第2の制御手段(サブ制御部91)に対して送信する状態制御情報送信手段を含み、
前記状態制御情報送信手段が一のタイミングにおいて送信する複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)は、第1のタイミング(ゲームの開始時)と第2のタイミング(ゲームの終了時)で変化しない制御状態(例えば、遊技者にとって有利な停止順等)を特定可能な第1の状態制御情報(制御状態コマンド2)と、第1のタイミング(ゲームの開始時)と第2のタイミング(ゲームの終了時)で変化し得る制御状態(例えば、遊技状態等)を特定可能な第2の状態制御情報(制御状態コマンド1)と、を含み、
前記状態制御情報送信手段(制御状態コマンド一括設定処理)は、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいても共通の制御にて複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)を送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、1単位の遊技における第1のタイミングと第2のタイミングで変化しない制御状態を特定可能な第1の状態制御情報と、1単位の遊技における第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態を特定可能な第2の状態制御情報と、を含む複数種類の状態制御情報を、1単位の遊技における第1のタイミングと第2のタイミングを含む複数のタイミング毎に送信する構成において、いずれのタイミングにおいても共通の制御にてこれら複数種類の状態制御情報を送信するので、第2の制御手段側で第1の制御手段の制御状態を詳細に把握しつつ、第1の制御手段が状態制御情報を送信する際のプログラム容量を削減することができる。
【0016】
尚、手段8において第1の制御手段は、遊技の制御を行う制御手段であっても良いし、遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段であっても良い。また、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、例えば、第1の制御手段が遊技の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出の制御を行う制御手段を第2の制御手段としても良いし、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を第2の制御手段としても良い。
【0017】
本発明の手段9の遊技機は、手段1~8のいずれかに記載の遊技機であって、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であり、
遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された制御情報(コマンド)に基づいて演出を行う演出制御手段(サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
報知を行うことが可能な報知手段(遊技補助表示器12)と、
を備え、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示が開始した後、有効化条件が成立したときに前記導出操作手段の操作(停止操作)を有効化する導出操作有効化手段と、
前記報知手段(遊技補助表示器12)にて前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作態様を識別可能な操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を行うことが可能な報知制御手段と、
を含み、
前記導出操作有効化手段は、前記導出操作手段の操作(停止操作)が有効化された状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、電力供給の再開後に改めて有効化条件が成立するまで前記導出操作手段の操作(停止操作)を有効化せず、
前記報知制御手段は、前記導出操作手段の操作が有効化された状態、かつ前記報知手段(遊技補助表示器12)にて操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、前記導出操作手段の操作が有効化されるよりも早いタイミングで前記報知手段(遊技補助表示器12)にて操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を再開する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、導出操作手段の操作が有効化された状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、電力供給の再開後に改めて有効化条件が成立するまでの期間において導出操作手段の操作を有効化しないので、電力供給が再開した後、正常回転であるかが不明な状況において表示結果が導出されてしまうことを防止できる。
【0018】
また、導出操作手段の操作が有効化された状態、かつ報知手段にて操作態様情報を報知させる制御を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、導出操作手段の操作が有効化されるよりも早いタイミングで報知手段にて操作態様情報を報知させる制御を再開させるので、遊技者が操作態様情報が報知されていることを知らずに誤って操作態様情報により識別される操作態様以外の操作態様にて導出操作手段を操作してしまうことを防止できる。
【0019】
尚、手段9において導出操作手段の操作態様は、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様等が該当する。
また、手段9において前記可変表示部の変動表示が開始した後、前記導出操作手段の操作が有効化される有効化条件と、電力供給の再開後に前記導出操作手段の操作が有効化される有効化条件と、は同一の条件であっても良いし、異なる条件であっても良い。
【0020】
本発明の手段10の遊技機は、手段1~9のいずれかに記載の遊技機であって、
信号(各種スイッチ類の検出信号)を入力する入力手段(パラレル入力ポート511)と、
一定間隔毎に定期処理(タイマ割込処理(メイン))を実行する定期処理実行手段と、
定期処理において前記入力手段(パラレル入力ポート511)から信号(各種スイッチ類の検出信号)の入力状況(入力データ)を取得する入力状況取得処理(ポート入力処理)を実行する入力状況取得処理実行手段と、
n(n≧2)回(実施例では2回)の入力状況取得処理(ポート入力処理)により取得した入力状況(入力データ)により信号(各種スイッチ類の検出信号)の入力の有無(ONの状態/OFFの状態)を特定可能な入力データ(確定データ)を作成する入力データ作成手段と、
を備え、
電力供給の開始後、最初に定期処理(タイマ割込処理(メイン))が実行されるまでに入力状況取得処理(ポート入力処理)をn-1回(実施例では2回)実行する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、定期処理において入力状況取得処理が実行されるとともに、n(n≧2)回の入力状況取得処理により取得した入力状況により信号の入力の有無を特定可能な入力データが作成される構成において、電力供給の開始後、最初に定期処理が実行されるまでに入力状況取得処理がn-1回実行されるようになっており、電力供給開始後の定期処理では、最初に定期処理が実行されるまでに実行された入力状況取得処理及び当該定期処理における入力状況取得処理において取得した入力状況、すなわち電力供給開始後に取得した入力状況に基づいて入力データが作成されるので、意図しない入力状況が特定されてしまうことを防止できる。
【0021】
本発明の手段11の遊技機は、手段1~10のいずれかに記載の遊技機であって、
信号(各種スイッチ類の検出信号)を入力する入力手段(パラレル入力ポート511)と、
一定間隔毎に定期処理(タイマ割込処理(メイン))を実行する定期処理実行手段と、
定期処理において前記入力手段(パラレル入力ポート511)から信号(各種スイッチ類の検出信号)の入力状況(入力データ)を取得する入力状況取得処理(ポート入力処理)を実行する入力状況取得処理実行手段と、
n(n≧2)回(実施例では2回)の入力状況取得処理(ポート入力処理)により取得した入力状況(入力データ)により信号(各種スイッチ類の検出信号)の入力の有無(ONの状態/OFFの状態)を特定可能な入力データ(確定データ)を作成する入力データ作成手段と、
電力供給が開始されたときに特定の信号(設定キースイッチ37の検出信号)が入力されているか否かを判定する特定信号判定手段と、
前記特定信号判定手段により特定の信号(設定キースイッチ37の検出信号)が入力されていると判定されたときに、遊技者にとっての有利度(設定値1~6)を設定可能な設定状態(設定変更状態)に移行させる設定状態移行手段と、
を備え、
電力供給の開始後、設定状態(設定変更状態)に移行する場合において最初に定期処理(タイマ割込処理(メイン))が実行されるまでに入力状況取得処理(ポート入力処理)をn-1回(実施例では2回)実行する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、定期処理において入力状況取得処理が実行されるとともに、n(n≧2)回の入力状況取得処理により取得した入力状況により信号の入力の有無を特定可能な入力データが作成される構成において、電力供給が開始されたときに特定の信号が入力されており、電力供給の開始後、遊技者にとっての有利度を設定可能な設定状態に移行する場合において最初に定期処理が実行されるまでに入力状況取得処理がn-1回実行されるようになっており、電力供給開始後に設定状態に移行する場合の定期処理では、最初に定期処理が実行されるまでに実行された入力状況取得処理及び当該定期処理における入力状況取得処理において取得した入力状況、すなわち電力供給開始後に取得した入力状況に基づいて入力データが作成されるので、意図しない入力状況が特定されることで遊技者にとっての有利度に影響してしまうことを防止できる。
【0022】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。
図3】リールの図柄配列を示す図である。
図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図5】メイン制御部の構成を示すブロック図である。
図6】電断前後における遊技補助表示器の表示態様の切替タイミングについて説明 するための図である。
図7】メイン制御部が備えるポート入力バッファの構成について説明するための図 である。
図8】ポート入力バッファ0の格納データについて説明するための図である。
図9】ポート入力バッファ1の格納データについて説明するための図である。
図10】ポート入力バッファ2の格納データについて説明するための図である。
図11】メイン制御部が実行する初期設定処理の制御内容を示すフローチャートで ある。
図12】メイン制御部が実行する設定値異常判定処理の制御内容を示すフローチャ ートである。
図13】メイン制御部が実行するポート入力処理の制御内容を示すフローチャート である。
図14】メイン制御部が実行するデータ格納処理の制御内容を示すフローチャート である。
図15】メイン制御部が実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートで ある。
図16】メイン制御部が実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフロ ーチャートである。
図17】メイン制御部が実行する電断処理(メイン)の制御内容を示すフローチャ ートである。
図18】ポート入力処理によりポート入力データが更新される流れについて説明す るためのタイミングチャートである。
図19】初期設定処理及び設定変更処理において実行されるポート入力処理により ポート入力データが更新される流れについて説明するためのタイミングチャートであ る。
図20】設定値表示器の表示態様の切り替えに関する制御について制御の流れを説 明するための図である。
図21】設定値表示器の表示態様の切り替えに関する制御について制御の流れを説 明するための図である。
図22】メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する制御状態コマンドに ついて説明するための図である。
図23】メイン制御部41が実行するゲーム開始時送信コマンド設定処理の制御内 容を示すフロー図である。
図24】メイン制御部41が実行する制御状態コマンド一括設定処理の制御内容を 示すフロー図である。
図25】メイン制御部41が実行するコマンド設定処理の制御内容を示すフロー図 である。
図26】メイン制御部41が実行するゲーム終了時送信コマンド設定処理の制御内 容を示すフロー図である。
図27】サブ制御部のRAMに含まれるデータ領域について説明するための図であ る。
図28】サブ制御部が実行する起動処理(サブ)の制御内容を示すフロー図である 。
図29】サブ制御部が実行するコマンド履歴記録処理の制御内容を示すフロー図で ある。
図30】サブ制御部が実行するエラー履歴記録処理の制御内容を示すフロー図であ る。
図31】サブ制御部が履歴表示制御における詳細履歴表示及び簡易履歴表示におい て表示させるエラー等の種類について説明する図である。
図32】第1の履歴表示条件が成立した際に、サブ制御部がエラー履歴表示制御に おいて液晶表示器にエラー履歴等を表示させる際の表示位置及びエラー履歴表示制御 における履歴表示選択画面について説明する図である。
図33】エラー履歴表示制御における簡易履歴表示画面について説明する図である 。
図34】エラー履歴表示制御における詳細履歴表示画面について説明する図である 。
図35】エラー履歴表示制御におけるコマンド履歴表示画面について説明する図で ある。
図36】第2の履歴表示条件が成立した際に、サブ制御部がエラー履歴表示制御に おいて表示させる履歴表示選択画面及び簡易履歴表示画面について説明する図である 。
図37】サブ制御部91が特別役の入賞時に行う特別役入賞演出の演出態様につい て説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例
【0025】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0026】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0027】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0028】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0029】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0030】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
【0031】
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0032】
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0033】
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0034】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図4参照)が設けられている。
【0035】
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31a~c、投入メダルセンサ31a~cの上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
【0036】
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c、34d(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0037】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
【0038】
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0039】
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされて、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
【0040】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0041】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0042】
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1~4を設定している。無効ラインLM1~4は、これら無効ラインLM1~4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1~4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル‐ベル‐ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
【0043】
本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
【0044】
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル‐スイカ‐チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1~LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ‐スイカ‐スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1~LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1~LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
【0045】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0046】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了して、入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0047】
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0048】
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
【0049】
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0050】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0051】
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0052】
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
【0053】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられている。遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成されて各部に供給される。
【0054】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、34d、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0055】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31a、31b、31c、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、34d、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0056】
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うとともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、制御用クロックを生成する制御用クロック生成回路42と、乱数用クロックを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
【0057】
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)41a、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41c等を備えて構成される。
【0058】
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
【0059】
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
【0060】
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
【0061】
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0062】
メイン制御部41が実行するプログラムは、プログラム全体の進行を管理するメインルーチンと、他のプログラムの実行中に呼び出されるサブルーチンと、を含む。また、メイン制御部41にプログラム/データ領域に格納されたプログラムを実行させる命令として、CALL命令を含む。
【0063】
CALL命令は、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行させる命令であり、通常のCALL命令と、特殊なCALL命令であるCALLF命令と、を含む。通常のCALL命令は、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定して指定された上位アドレス及び下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出すことが可能で、命令自体を含めて3バイトでサブルーチンを呼び出す命令であるのに対して、CALLF命令は、下位アドレスのみ指定することで、ROM41bのCALLF領域に予め設定された上位アドレス及び指定された下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出すことが可能で、命令自体を含めて2バイトでサブルーチンを呼び出す命令であり、通常のCALL命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能となる。
【0064】
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。また、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0065】
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定して、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
【0066】
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93a~eと、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、その他の回路等、が搭載されている。
【0067】
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、ROM91bに記憶されている演出制御用のプログラム等に従って演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0068】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行して、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0069】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0070】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新される(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。また、メイン制御部41は、設定変更状態に移行することに伴いRAM41cを初期化することとなるため、設定値を変更する操作は、メイン制御部41の制御状態を初期化する操作としても機能することとなる。
【0071】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了されて、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0072】
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
【0073】
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定して、RAM異常フラグをRAM41cにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
【0074】
また、メイン制御部41は、後述の内部抽選において読み出した設定値が正常な値(1~6の範囲の値)か否かを判定し、正常な値でないと判定した場合に、設定値異常フラグをRAM41cに設定して設定値異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
【0075】
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含む。RAM異常エラー状態や設定値異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態や設定値異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行して新たな設定値が設定されるまで、解除されることがない。
【0076】
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
【0077】
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0078】
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0079】
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
【0080】
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
【0081】
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされて、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0082】
次に、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、先ず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0~65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
【0083】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0084】
そして、内部抽選の結果を示す当選番号をRAM41cに設定する。当選番号は、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等に用いられる。
【0085】
また、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選番号に基づいて当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域で構成されている。格納領域のうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、特別役格納ワーク及び一般役格納ワークをクリアする。
【0086】
また、内部抽選では、後述するATに制御されていない状態においてATに制御するか否かが決定されるとともに、ATに制御されている状態において当該ATの残りゲーム数を上乗せするか否かが決定される。内部抽選でATが当選した場合には、その後ATに制御され、ATの残りゲーム数の上乗せが当選した場合には、当選したゲーム数がATの残りゲーム数に加算されることとなる。
【0087】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、当選番号及びROM41bに格納されているテーブルインデックス、テーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0088】
本実施例では、滑りコマ数として0~4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含めて、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0089】
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われる。入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
【0090】
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
【0091】
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定して、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定して、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
【0092】
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時する。1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定されて、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
【0093】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
【0094】
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、制御状態コマンド、内部当選コマンド、押し順特定コマンド、リール加速情報コマンド、加速完了コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞番号コマンド、払出枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0095】
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0096】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0097】
制御状態コマンドは、ゲームに関連する制御状態を特定可能なコマンドあり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信前、及びリールの第3停止の操作が行われたときであって、第3停止に関する停止コマンドの送信後に送信される。制御状態コマンドは、当該ゲームの開始時と終了時とで内容が変化することがある制御状態を特定可能な複数の制御状態コマンド1と、当該ゲームの開始時と終了時とで内容が変化しない制御状態を特定可能な複数を制御状態コマンド2とを含み、制御状態コマンド1が送信された後に制御状態コマンド2が送信される。
【0098】
押し順特定コマンドは、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドであり、リールの第1停止及び第2停止の停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、停止コマンドが送信された後に送信される。尚、後述のナビ報知が実行されるゲームにおいては、ゲームの開始時に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な停止順データを含むコマンド(上述の制御状態コマンド)が送信され、リールの第1停止及び第2停止の停止操作時に、有利な停止順を特定可能な停止順データを含む押し順特定コマンドが送信される一方で、ナビ報知が実行されないゲームにおいては、有利な停止順が確定する前であるゲーム開始時には、有利な停止順を特定不能な停止順データを含むコマンド(上述の制御状態コマンド)が送信され、有利な停止順が確定したとき以降の第1停止及び第2停止の停止操作時には、有利な停止順データを含む押し順特定コマンドが送信される。
【0099】
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。
【0100】
加速完了コマンドは、遊技の開始に伴うリールの加速が完了した旨を特定可能なコマンドであり、遊技が開始された際にリール2L、2C、2Rの回転が開始させた後、最初に全てのリール2L、2C、2Rが定速回転となったときに送信される。
【0101】
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
【0102】
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
【0103】
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
【0104】
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
【0105】
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
【0106】
入賞番号コマンドは、入賞の有無、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せを特定可能な入賞番号を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
【0107】
払出枚数コマンドは、入賞の種類またははずれに応じて払出されるメダルの枚数を特定可能なコマンドであり、入賞番号コマンドの送信後に送信される。
【0108】
遊技終了コマンド、入賞判定コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
【0109】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0110】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0111】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0112】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0113】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
【0114】
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0115】
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
【0116】
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、及びドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
【0117】
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
【0118】
これらコマンドのうち操作検出コマンド以外のコマンドは、メイン処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
【0119】
一方、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
【0120】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0121】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0122】
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0123】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
【0124】
本実施例におけるスロットマシン1では、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
【0125】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、当選したナビ対象役の当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を報知するとともに、当該当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を特定可能な押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0126】
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、内部抽選結果として特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、当該コマンドをサブ制御部91に対して送信可能である。内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように、一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定するようになっている。このため、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることなく、ATに制御されているか否かに関わらず、共通の第2の内部当選コマンドを送信するので、第2の内部当選コマンドの送信に係る処理を簡素化できるとともに、サブ制御部91側に不正がなされても、ATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
【0127】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、内部当選により当選した報知対象役に応じて遊技者にとって有利なリール2L、2C、2Rの停止順をナビ報知により報知する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知により、複数の異なる操作タイミングのうちのいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちのいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様を、ナビ報知により報知する構成であっても良く、このような構成においても、メイン制御部41は、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な操作態様を特定することができないように第2の内部当選コマンドを設定することで、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な操作態様がサブ制御部91側で特定されることがない。
【0128】
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と、第2の報知対象役とを含み、メイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当該報知対象役が第1の報知対象役であるか第2の報知対象役であるかを特定できるように第2の内部当選コマンドを設定して、サブ制御部91に対して送信するので、内部抽選結果が報知対象役となったときに、サブ制御部91側で報知対象役が第1の報知対象役であるか第2の報知対象役であるかを特定でき、サブ制御部91は、報知対象役の種類に応じて異なる演出を行うことも可能となる。
【0129】
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に、ATの制御を行っており、ナビ報知が実行される状態において、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する停止順データ設定処理を実行し、停止順データを含むコマンドを上述のゲーム開始時送信コマンド設定処理にて設定してサブ制御部91に対して送信させるので、ナビ報知が実行される状態においてサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順を報知するナビ演出を行うことができる。
【0130】
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と第2の報知対象役とを含み、メイン制御部41は、停止順データ設定処理において、ナビ報知が実行される状態で内部抽選結果が第1の報知対象役となったときにも、第2の報知対象役となったときにも、すなわちナビ報知が実行される状態において内部抽選にて当選した報知対象役が異なる種類であっても、遊技者にとって有利な停止順が共通の場合に、該遊技者にとって有利な停止順を特定できる共通のナビ番号を含む停止順データを設定するので、停止順データの種類を削減することができる。
【0131】
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に、当該ゲームの制御状況に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する停止順データ設定処理を実行し、当該停止順データ設定処理において、ナビ報知が実行される状態では、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データを設定する一方で、ナビ報知が実行される状態以外の状態では、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(例えば、左第1停止)を特定できる停止順データを設定するので、ナビ報知が実行される状態であるか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、停止順データを設定する処理を共通化することができる。
【0132】
また、本実施例のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が行われる毎に該当するリール2L、2C、2Rを段階的に停止させる構成であり、遊技者にとって有利な停止順は、全てのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作、すなわち第3停止の操作が完了するよりも前に確定するようになっており、メイン制御部41は、遊技者にとって有利な停止順が確定したときに、確定した有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを設定する押し順特定コマンド設定処理を実行し、設定した押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信させる。押し順特定コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態以外の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順が確定した段階、すなわち第1停止、第2停止の操作が行われたとき以降に、内部当選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できる押し順特定コマンドを設定して送信するので、サブ制御部91に不正が施されても遊技者にとって有利な停止順が特定されることを防止しつつ、内部抽選結果が報知対象役となったときにサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順で操作されたか否かに応じた演出を行うことができる。
【0133】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、押し順特定コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態以外の状態において、報知対象役が当選した場合に、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定したと判定されたときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを設定し、当該押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定した後に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドは、押し順特定コマンドとは別のコマンドでもあっても良く、例えば、内部抽選にて当選した報知対象役の種類を特定可能な別のコマンドを送信することで、当選した報知対象役の種類に基づいて遊技者にとって有利な停止順を特定可能とする構成であっても良いし、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な別途コマンドを設ける構成であっても良い。このような構成においては、メイン制御部41は、停止する役が確定したときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドを設定する処理を行う構成とすることで、メイン制御部41による遊技者にとって有利な停止順を特定可能な別途コマンド等の送信に係る負荷を削減することができる。
【0134】
また、本実施例では、メイン制御部41は、内部抽選が行われたとき、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、停止順データ設定処理を実行して、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、停止する役が確定した後には、押し順特定コマンド設定処理を実行する毎に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、停止する役が確定した後に遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドは、少なくとも停止する役が確定したときに一度送信される構成であれば良く、停止する役が確定して、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを送信した後には、押し順特定コマンド設定処理を実行しない構成であっても良い。このような構成とすることで、メイン制御部41による押し順特定コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
【0135】
また、本実施例では、メイン制御部41は、ナビ報知を行う状態において、内部抽選が行われたときに停止順データ設定処理を実行し、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、押し順特定コマンド設定処理を実行する構成であるが、ナビ報知を行う状態である場合には、内部抽選が行われたときに、停止順データ設定処理のみを実行する構成であっても良い。このような構成とすることで、ナビ報知を行う状態である場合に、メイン制御部41による押し順特定コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
【0136】
本実施例のメイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、内部抽選を行い、内部抽選結果に応じて内部抽選結果毎に各々異なる当選番号をRAM41cに設定し、設定された当選番号に応じて内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等を行うとともに、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、設定された当該コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、内部当選結果として報知対象役が当選したときの当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられており、内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されていてナビ報知が実行される状態以外の状態において、RAM41cに設定された当選番号が、当該所定の数値範囲であるときに、報知対象役となった旨は特定できるが遊技者にとって有利な停止順を特定できない第2の内部当選コマンドを設定し、設定された第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっている。これにより、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされてもATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
【0137】
また、内部抽選結果が報知対象役となったときに設定される当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値を割り当て、メイン制御部41が、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定することで、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
【0138】
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と、第1の報知対象役と、を含み、内部抽選結果が第1の報知対象役となったときの当選番号として、第1の数値範囲の連続する数値を割り当て、内部抽選結果が第2の報知対象役となったときの当選番号として、第2の数値範囲の連続する数値を割り当て、メイン制御部41が、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当選番号が第1の数値範囲であるか、第2の数値範囲であるかに応じて、内部抽選結果が第1の報知対象役であるか、第2の報知対象役であるかを判定することで、内部当選コマンド設定処理において第2の内部当選コマンドを設定する処理を簡素化できる。
【0139】
また、本実施例のメイン制御部41が、第1の状態及び第2の状態を含む複数の遊技状態に制御することが可能であり、各遊技状態で内部抽選において決定される報知対象役の種類が異なる構成とした場合に、遊技状態が第1の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときの当選番号、及び遊技状態が第2の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときの当選番号が、いずれも共通の数値範囲に割り当てられてられることで、内部当選コマンド設定処理において、第1の状態においても第2の状態においても内部抽選結果が報知対象役であるか否かを判定するための処理を共通化できる。
【0140】
また、本実施例のメイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、ATに制御していない状態において内部抽選結果が、報知対象役以外の役またははずれであるときには、該内部抽選結果に応じた当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定し、内部抽選結果が報知対象役であるときには、第1の数値範囲に含まれる一の当選番号を含み、内部抽選結果が報知対象役であるときには、第2の数値範囲に含まれる一の当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定することで、ATに制御していない状態において、内部抽選結果が、報知対象役であっても報知対象役以外の役またははずれであっても、内部抽選結果に対応する当選番号を含む第2の内部当選コマンドを送信することが可能となるので、内部抽選結果が報知対象役であるか否かかかわらず、第2の内部当選コマンドを作成して送信する処理を共通化することができる。
【0141】
尚、ATに制御されている状態でないときには、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定する一方で、ATに制御されている状態であるときには、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当選した報知対象役の種類に応じた当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定することで、ATに制御されている状態であるときには、当選した報知対象役の種類を特定可能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であっても良い。このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、報知対象役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できるので、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができる。また、このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から内部抽選における抽選対象役の当選番号を特定できるので、内部当選した抽選対象役に含まれる入賞役の種類に応じた演出を行うことができる。
【0142】
また、このような構成では、メイン制御部41は、停止順データ設定処理を実行せず、遊技者にとって有利な有利停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドを送信しない構成としても良く、このような構成とすることで、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、報知対象役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定でき、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができるとともに、メイン制御部41による遊技者にとって有利な有利停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
【0143】
尚、第1の報知対象役の当選番号と第2の報知対象役の当選番号とは、それぞれが連続する数値範囲に設定されている構成であれば、第1の報知対象役の当選番号が設定される第1の数値範囲と第2の報知対象役の当選番号が設定される第2の数値範囲とが連続する構成であっても良い。このような構成であっても、メイン制御部41は、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できるため、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
【0144】
また、内部当選コマンド送信処理において、同じ送信用当選番号が設定される報知対象役のグループは、少なくとも、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないようにすれば良く、一の遊技状態において抽選対象となる同じ種類の報知対象役のグループについては、一のグループ毎に遊技者にとって有利な役が一ずつ含まれるように複数のグループに分けて、分けられたグループ毎に異なる送信用当選番号を設定する構成としても良い。これにより、サブ制御部91側で複数のグループのうちいずれかのグループに属する報知対象役が当選したかを特定し、特定したグループに応じた演出を実行することが可能となる。
【0145】
次に、本実施例のメイン制御部41がナビ報知を実行しているときに電力供給が停止され、その後、電力供給が再開された際のナビ報知に関する制御について、図6に基づいて説明する。
【0146】
本実施例のメイン制御部41は、前述のように遊技補助表示器12にナビ番号を表示させて、遊技者にとって有利となる停止操作態様を報知するナビ報知を行うことが可能である。遊技補助表示器12は複数のセグメントを点灯/消灯可能な表示器であり、遊技制御基板40上には、遊技補助表示器12の各セグメントに対応する出力バッファが設けられている。当該出力バッファに所定の点灯態様データが格納されることで、当該点灯態様データに基づいて、LED駆動回路47により遊技補助表示器12の各セグメントが駆動されて、遊技補助表示器12の表示内容がナビ番号に応じた番号または記号等となる所定の点灯態様での点灯または消灯に制御されるようになっている。また、出力バッファに格納されるデータの初期値は、遊技補助表示器12を消灯させた状態すなわちいずれのナビ番号等も表示させない非表示の点灯態様となるデータになっており、出力バッファが初期化された後からナビ番号等の点灯態様データが設定されるまでの期間では、遊技補助表示器12の表示内容が非表示となるようになっている。
【0147】
また、メイン制御部41のRAM41cは、スロットマシン1への電力供給が停止された場合であっても、バックアップ電源により電力が供給されることで記憶内容を保持することが可能であり、スロットマシン1への電力供給が停止されて、電断検出回路48の出力に基づいて電断が検出される場合には、RAM41cに設定されているメイン制御部41での制御状態を、電断から復帰する際に復帰させることができるように電断処理を行って、その後、スロットマシン1への電力供給が開始されたときには、電断が検出されたときの制御状態で制御を開始することができるようになっている。
【0148】
図6に示すように、メイン制御部41は、ゲームの進行に伴い少なくとも1つ以上のリールを回転制御しており、かつ遊技補助表示器12にナビ報知を行っている場合に、電断が検出されたときには、電断に関連する制御を行って、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御するとともに、回転制御を行っているリールのリールモータの励磁パターン、励磁制御のステップ数やナビ番号等を含む制御状態をスロットマシン1への電力供給が再開された際に、電断が検出されたときの内容で復帰させることができるように電断処理(メイン)を行う(図17参照)。
【0149】
その後、スロットマシン1への電力供給が再開されることで、メイン制御部41での制御状態を電断前の制御状態に復帰させる際には、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていた制御状態に基づいて電断前の制御状態に復帰させるが、制御状態のうち全てのストップスイッチによる停止操作の受け付け状態については、無効に変更して設定する。これにより、メイン制御部41は、全てのストップスイッチによる停止操作の受け付けが無効化されている状態で復帰することになる。
【0150】
また、メイン制御部41は、制御状態を電断前の状態に復帰させる際に、ナビ番号、各リールのリールモータの励磁パターン及びステップ数については、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていたままの内容で復帰させる。そして、復帰した際には、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示す復帰コマンド、及びナビ番号を特定可能な押し順特定コマンドを含むメイン制御部41側での制御状態を特定可能な各種コマンドをサブ制御部91に対して送信する。その後は、前述のゲーム開始時と共通の制御を実行して、RAM41cに設定されている制御状態に基づいてゲームを進行させるための制御を行うことで、RAM41cに設定されているナビ番号に基づいてナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開させるように制御した後、RAM41cに設定されているリールモータの励磁パターンすなわち定速パターンに基づいて、電断前に回転制御していたリールのリールモータを電断が検出された時の励磁パターンのステップ数から励磁して、該当するリールを再び所定の定速回転で回転させるように制御し、当該リールが所定の定速回転となった場合に、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する制御を行う。
【0151】
この際、該当するリールを再び所定の定速回転で回転させる制御においては、電断が検出された時点で設定されている励磁パターンとして定速パターンに基づいて、該当するリールモータの回転制御を開始させることとなり、このような場合には、該当するリールの状態(回転状態または停止状態)によって、該当するリールが正常に回転される場合もあれば、リールモータのトルクが足りず、正常に回転されない場合もあり、正常に回転されない場合には、該当するリールについて正常に回転させるために、再始動制御を行い、リールモータの励磁パターンを始動パターンに再度設定して、始動パターンの最初からリールモータの励磁状態を変化させることで、リールの回転を再始動させる。そして、正常に回転される場合及び正常に回転されない場合であって再始動制御により正常に回転されるようになった場合に、当該リールが所定の定速回転となったときに、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する。
【0152】
これに対して、サブ制御部91は、電断から復帰して、復帰コマンドを受信した後、押し順特定コマンドを受信することで、押し順特定コマンドにより特定されるナビ番号に基づいて、メイン制御部41側においてナビ報知が行われることが特定さえる場合には、ナビ番号に基づく遊技者にとって有利な有利操作態様を特定可能なナビ演出を再開させる。その後、ゲームの進行に応じて受信される各種コマンドに基づいて演出の制御を行うこととなる。これにより、メイン制御部41では、電断から復帰し、押し順特定コマンド等を送信した後、リールの回転制御を再開して、該当するリールが定速回転となることで、ストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化するのに対して、サブ制御部91では、電断からの復帰後、押し順特定コマンドを受信したときに、ナビ演出を再開させるので、サブ制御部91は、メイン制御部41側において停止操作が有効化されるときには、既にナビ演出を行っている状態とすることとができるようになっている。
【0153】
メイン制御部41は、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化した後、後述のポート入力バッファに格納されている各ストップスイッチ8L、8C、8Rのonエッジデータに基づいて、受け付けが有効化されたストップスイッチの操作が行われたことが特定されるまで待機する。この状態で、各リールについて停止操作が行われて、該当するストップスイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化したときには、タイマ割込(メイン)のポート入力処理により、ポート入力バッファに該当するストップスイッチについてのonエッジデータが設定されることとなり、メイン制御部41は、当該onエッジデータが設定されたことに基づいて、該当するリールの停止操作が行われたことを特定し、該当するリールの回転を停止させる停止制御を開始させる。
【0154】
また、第3停止リールの停止制御を行う際には、ポート入力バッファに格納されている第3停止操作のストップスイッチのoffエッジデータに基づいて、当該ストップスイッチが離される操作が行われたか否かを判定する。該ストップスイッチが離されることで、検出状態がONの状態からOFFの状態に変化したときには、タイマ割込(メイン)のポート入力処理により、ポート入力バッファに該当するストップスイッチについてのoffエッジデータが設定されることとなり、メイン制御部41は、当該offエッジデータが設定されたことに基づいて、第3停止操作のストップスイッチが離されて操作が終了されたことを特定する。そして、第3停止操作が終了されたことが特定された後に、いずれかの役の入賞が発生している場合には、当該入賞に応じたメダルの払出や再遊技の設定に関する処理を開始させて、当該処理の終了をもってゲームの処理を終了させる一方で、いずれかの役の入賞も発生していない場合には、ゲームの処理を終了させる。
【0155】
このように、本実施例のメイン制御部41は、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12を非表示に制御するので、電断が検出されたときから、スロットマシン1への電力供給が完全に停止するまでの期間において、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがないようになっている。また、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化し、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、出力バッファにナビ報知表示データを再設定するように制御するので、電力供給が再開されたときからメイン制御部41が復帰するときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがないようになっている。
【0156】
また、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを再設定し、その後、電断が検出された時に回転制御を行っていたリールを再び所定の定速回転で回転させる制御を行って、該当するリールが定速回転となった場合に、当該リールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化するように制御するので、スロットマシン1への電力供給が再開された際には、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号の表示を開始させた後に、ストップスイッチによる停止操作の受け付けが有効化されるようになっており、ナビ番号の表示が既に行われている状態で、停止操作の受け付けが有効化されるようになっている。
【0157】
また、メイン制御部41は、リールの回転制御を行っているときに電断が検出され、その後、電断から復帰したときには、ゲーム開始時と共通の処理を実行して、復帰時に設定された制御状態に基づいてゲームの進行を制御するようになっている。
【0158】
また、メイン制御部41は、第1~3停止操作が行われた際に、ポート入力バッファに該当するストップスイッチのonエッジデータが設定されたことに基づいて、該当するストップスイッチがon状態となったと判定して、該当するリールの回転を停止させる停止制御を行うようになっており、ポート入力バッファを参照して、該当するスイッチ類の検出状態を特定することで、当該停止操作が開始されたときに、停止制御を開始させることができるようになっている。
【0159】
また、メイン制御部41は、第3停止操作が行われた際に、ポート入力バッファに該当するストップスイッチのoffエッジデータが設定されたことに基づいて、当該ストップスイッチがOFFの状態となったと判定して、その後のゲームの進行等の処理を行うようになっており、ポート入力バッファを参照して、該当するスイッチ類の検出状態を特定することで、当該停止操作が終了されたときに、その後の処理を開始させることができるようになっている。
【0160】
このように、本実施例のスロットマシン1は、遊技の制御を行うメイン制御部41と、演出の制御を行うサブ制御部91と、を備え、メイン制御部41は、メイン制御部41側が制御する遊技補助表示器12で、遊技者にとって有利な操作態様を報知するナビ報知を行うことが可能な構成である。
【0161】
このような構成では、遊技補助表示器12でナビ報知を行っている状態で、電断が発生した場合に、電断復帰後もナビ報知が行われることとなるが、電断復帰後に、ナビ報知が復帰する前に停止操作を有効化する構成とすると、報知される有利な操作態様とは異なる操作態様で停止操作がされてしまう虞がある。
【0162】
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、メイン制御部41側が制御する遊技補助表示器12にて、遊技者にとって有利な操作態様を報知するナビ報知を行うことが可能な構成であり、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始した後、所定の有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付ける一方で、所定の有効化条件が成立した状態かつナビ報知を行っている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときには、RAM41cに設定されているナビ番号に基づいて遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開させるように制御する一方で、電力供給が再開されてから所定の有効化条件が成立するまでの期間において、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付けず、遊技補助表示器12にてナビ報知を再開し、所定の有効化条件が成立した後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付けるので、所定の有効化条件が成立した状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、電力供給が再開されてから有効化条件が成立するまでの期間においてストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作が受け付けられないこととなり、電力供給が再開した後、正常回転であるかが不明な状況においてリール2L、2C、2Rが停止されてしまうことを防止できる。また、所定の有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、所定の有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が再開されることとなるので、ナビ報知が行われることで遊技者が有利操作態様が報知されることを知らずに、誤って有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
【0163】
また、本実施例のメイン制御部41は、メイン制御部41が制御する遊技補助表示器12に、所定内容として、小役の入賞に伴い払い出されるメダルの払出枚数と、発生しているエラーの内容を示すエラーコードとを表示させることが可能であり、また、遊技補助表示器12に、所定内容とは異なる表示内容として、遊技者にとって有利な有利操作態様を識別可能なナビ番号を表示させることが可能であるので、メイン制御部41側が直接制御する遊技補助表示器12でナビ番号を表示させる場合に、所定内容を表示させる表示手段を利用してナビ番号を表示させることにより新たな表示手段を設けることなく、所定内容もナビ番号も表示することができる。
【0164】
また、本実施例のメイン制御部41は、所定の有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、電力供給が再開されて、メイン制御部41が電断前の状態に復帰したときに、ナビ報知を再開した後、スロットマシン1への電力供給が停止された際に回転制御を行っていたリールについて、リールの回転制御を再開する構成であり、電力供給が再開された後には、リールの停止状態に関わらず、電力供給が停止されたときと共通の表示態様にて遊技補助表示器12にナビ番号を表示させて、有利操作態様を報知するので、ナビ報知により有利操作態様を報知させる制御の再開に係る制御を簡素化することができる。
【0165】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利操作態様として、複数の異なる操作タイミング(「青7」、「赤7」、「白7」、「BAR」を入賞ラインLNに停止させるタイミング)のうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順(例えば、左中右、左右中の操作順等)のうちいずれかの操作順で操作する操作態様を、ナビ報知により報知する構成であるが、これらの組合せによる操作態様等を報知する構成であっても良い。
【0166】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始したときに、遊技者にとって有利な有利操作態様を報知するナビ報知を開始した後、所定の有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付けるので、ゲームの開始後、所定の有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が開始されることとなり、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
【0167】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始したときに、遊技者にとって有利な有利操作態様を報知するナビ報知を開始した後、所定の有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付ける構成であるが、ゲームの開始後、所定の有効化条件が成立するまでに、ナビ報知を開始する構成であれば良く、例えば、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときに、ナビ報知を開始する構成であっても良いし、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときから、所定の有効化条件が成立するときまでの期間内のいずれかのタイミングでナビ報知を開始する構成であっても良い。このような構成においても、ゲームの開始後、所定の有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が開始されることで、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
【0168】
本実施例のメイン制御部41は、所定の有効化条件が成立した後、リールの回転状態に異常が検出されたときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けを無効化し、再び所定の有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けを有効化する一方で、ナビ報知を開始した後は、リールの回転状態に異常が検出されたときでも、ナビ報知による有利操作態様の報知を継続するので、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
【0169】
本実施例のメイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利操作態様を特定可能な押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であるのに対して、サブ制御部91は、押し順特定コマンドに基づいて有利操作態様を特定可能なナビ演出を実行可能であり、メイン制御部41側でナビ報知が行われる場合に、サブ制御部91側で制御する液晶表示器51を用いて有利操作態様を報知することが可能であるので、有利操作態様を報知する際の演出効果を高めることができる。
【0170】
本実施例のメイン制御部41は、有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、電力供給が再開されて、メイン制御部41が電断前の状態に復帰したときに、ナビ報知を再開させるとともに、押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信し、その後、リールの回転制御を開始して、所定の有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けを有効化するので、有効化条件が成立するよりも早いタイミングで有利操作態様を特定可能な押し順特定コマンドがサブ制御部91に対して送信されることとなり、サブ制御部91側において、スロットマシン1への電力供給が再開されたときにストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作が有効となる前にナビ演出を開始させることが可能となり、有利操作態様が報知されていることを遊技者が知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
【0171】
次に、スイッチ類の検出状態に関するデータが格納されるポート入力バッファの構成、及びメイン制御部41より行われるポート入力バッファのデータの更新に関連する制御について、図7図19に基づいて説明する。
【0172】
メイン制御部41が備えるパラレル入力ポート511は、所定のスイッチ類の検出信号が入力される入力ポート0~2を有し、入力ポート0には、リールセンサ33L、33C、33R、払出センサ34c、34d、投入メダルセンサ31a~cの検出信号が入力され、ポート1には、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、満タンセンサ35a、電断検出回路48、ドア開放検出スイッチ25の検出信号が入力され、ポート2には、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、MAXBETスイッチ6、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、スタートスイッチ7の検出信号が入力されるようになっている。また、メイン制御部41のRAM41cの所定領域には、各スイッチ類について検出信号に基づいて特定される検出状態を特定可能な入力データと、該当するスイッチ類について今回と前回の入力データが同じ状態であることを示す確定データと、該当するスイッチ類について今回と前回の確定データが異なる状態であることを示すエッジデータとを格納可能なポート入力バッファが設定されている。メイン制御部41は、後述する所定のタイミングでパラレル入力ポート511を参照して、検出信号に基づいて特定される各スイッチ類の検出状態を入力データとして取得し、当該取得した入力データに基づいてポート入力バッファに格納されている入力データ、確定データ、エッジデータを更新するようになっている。
【0173】
図7に示すように、ポート入力バッファとして、RAM41cのメモリ領域のうち連続する9バイト分の領域が設定されており、当該9バイト分の領域を構成する1ビット毎の領域に、予め定められたスイッチ類に対応する入力データ、確定データ、エッジデータが格納されるようになっている。また、当該9バイト分の領域には、所定の初期値と当該初期値に1ずつ加算して得られる連続する値からなるアドレスが1バイト毎に割り振られており、ポート入力バッファを構成する1バイト毎の領域をアドレスに基づいて特定可能となっている。また、ポート入力バッファを構成するメモリ領域において、1バイト目~3バイト目までの3バイトの領域は、ポート入力バッファ0、4バイト目~6バイト目の3バイトの領域は、ポート入力バッファ1、7バイト目~9バイト目の3バイトの領域は、ポート入力バッファ2として設定されている。
【0174】
図8図10に示すように、ポート入力バッファを構成する各1ビットの領域には、所定のスイッチ類の入力データ、確定データ、エッジデータが格納される領域として割り当てられている。
【0175】
図8に示すように、ポート入力バッファ0の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+1で特定される領域の各1ビットの領域には、左中右リールセンサ33L、33C、33R、払出センサ34c、34d(図8では、払出センサ1、2)、投入メダルセンサ31a~c(投入メダルセンサ1~3)の検出信号に関する入力データが格納されるようになっている。また、ポート入力バッファ0の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+2で特定される領域の各1ビットの領域には、これらのセンサの検出信号に関する確定データが格納されるようになっている。
【0176】
図9に示すように、ポート入力バッファ1の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+3で特定される領域の各1ビットの領域には、スタートスイッチ7、設定キースイッチ37、ストップスイッチ8L、8C、8R、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25の検出信号、及び電断検出回路48の電圧低下信号に関する入力データが格納されるようになっている。また、ポート入力バッファ1の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+4で特定される領域の各1ビットの領域には、これらのスイッチ及びセンサの検出信号及び電断検出回路48の電圧低下信号に関する確定データが格納されるようになっている。また、ポート入力バッファ1の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+5で特定される領域の各1ビットの領域には、これらのスイッチ及びセンサの検出信号及び電断検出回路48の電圧低下信号に関して、確定データがon状態からoff状態に変化したことを示すoffエッジデータが格納されるようになっている。
【0177】
図10に示すように、ポート入力バッファ2の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+6で特定される領域の各1ビットの領域には、左中右ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、MAXBETスイッチ6、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、スタートスイッチ7の検出信号に関する入力データが格納されるようになっている。また、ポート入力バッファ2の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+7で特定される領域の各1ビットの領域には、これらのスイッチの検出信号に関する確定データが格納されるようになっている。また、ポート入力バッファ2の領域であって、ポート入力バッファのアドレスとして初期値+8で特定される領域の各1ビットの領域には、これらのスイッチの検出信号に関して、確定データがoff状態からon状態に変化したことを示すonエッジデータが格納されるようになっている。
【0178】
以上のように、本実施例のメイン制御部41が備えるシリアルポート311のうち入力ポート0には、第1の検出手段としてリールセンサ33L、33C、33R、払出センサ34c、34d、投入メダルセンサ31a~cの検出信号が入力され、シリアルポート311のうち入力ポート1、2には、第2の検出手段としてスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、満タンセンサ35a、電断検出回路48、ドア開放検出スイッチ25、精算スイッチ10、MAXBETスイッチ6、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の検出信号が入力されるようになっている。これら第1の検出手段は、メイン制御部41による遊技等の制御において、確定データを用いて検出状況が判断されるスイッチ類である。
【0179】
また、シリアルポート311のうち入力ポート1には、第2の検出手段のうちスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、満タンセンサ35a、電断検出回路48、ドア開放検出スイッチ25の検出信号が入力され、入力ポート2には、第2の検出手段のうちスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、MAXBETスイッチ6、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の検出信号が入力されるようになっている。入力ポート1に検出信号が入力される第2の検出手段は、メイン制御部41による遊技等の制御において、エッジデータのうちoffエッジデータを用いて検出状況が判断されるスイッチ類であり、入力ポート2に検出信号が入力される第2の検出手段は、メイン制御部41による遊技等の制御において、エッジデータのうちonエッジデータを用いて検出状況が判断されるスイッチ類である。
【0180】
このように、シリアルポート311のうち入力ポート1には、検出状況の判定に確定データが用いられる第1の検出手段の検出信号が入力され、入力ポート1には、第2の検出手段のうち検出状況の判定にoffエッジデータが用いられる検出手段の検出信号が入力され、入力ポート2には、第2の検出手段のうち検出状況の判定にonエッジデータが用いられる検出手段の検出信号が入力されるようになっており、シリアルポート311のうち各入力ポート0~2には、検出状況の判定に用いられるデータの態様に応じた検出手段の種類ごとに検出信号が入力されるようになっている。
【0181】
また、シリアルポート311の各ポートは、入力ポート0~2として番号が割り当てられており、入力ポート0~2には、検出状況の判定に用いられるデータの態様に応じた検出手段の種類ごとに該当する検出手段の検出信号が入力可能である。これにより、検出手段の種類ごとに各検出手段の検出信号が入力されるようになっている。
【0182】
本実施例のメイン制御部41が備えるポート入力バッファ0~2のうちポート入力バッファ0には、第1の検出手段の確定データが格納され、ポート入力バッファ0~2のうちポート入力バッファ1、2には、第2の検出手段のエッジデータが格納されるようになっている。また、ポート入力バッファ1、2のうちポート入力バッファ1には、エッジデータのうちoffエッジデータが格納され、ポート入力バッファ1、2のうちポート入力バッファ2には、エッジデータのうちonエッジデータが格納されるようになっている。このように、ポート入力バッファ0~2では、検出状況の判定に用いられるデータの態様に応じた検出手段の種類ごとに確定データやエッジデータが格納されるようになっている。
【0183】
また、各ポート入力バッファ0~2における1バイトごとの領域には、特定のアドレスとして初期値+1~8で構成されるアドレスが割り当てられており、各ポート入力バッファ0~2に該当する検出手段の入力データ、確定データ、offエッジデータ、onエッジデータのいずれかを各アドレスにより特定可能な1バイト領域に格納可能である。これにより、データの態様の種類ごとに、特定のアドレスの領域に検出状況の判定に用いられるデータが格納されるようになっている。
【0184】
また、ポート入力バッファ0には、確定データが格納される一方でエッジデータが格納されず、ポート入力バッファ1、2には、確定データ及びエッジデータが格納されるようになっており、ポート入力バッファ0とポート入力バッファ1、2には、異なる態様のデータが格納されるようになっている。
【0185】
また、ポート入力バッファ1には、エッジデータのうちoffエッジデータが格納される一方でonエッジデータが格納されず、ポート入力バッファ2には、エッジデータのうちonエッジデータが格納される一方でoffエッジデータが格納されないようになっており、ポート入力バッファ1とポート入力バッファ2には、異なる態様のエッジデータが格納されるようになっている。
【0186】
次いで、メイン制御部41が行う制御について、図11図26に基づいて説明する。
【0187】
本実施例におけるメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されて起動した後、最初に行う初期設定処理、設定キースイッチ37がONの状態で起動された場合に行う設定変更処理、当該初期設定処理や設定変更処理が終了された後に行うタイマ割込処理(メイン)において、ポート入力処理及びデータ格納処理を行って、パラレル入力ポート511を介して入力される各種スイッチ類の検出信号等に基づいてポート入力バッファのデータを更新する。
【0188】
メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が再開されてリセットの発生により起動すると起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、メイン制御部41の各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理を開始する。
【0189】
図11に示すように、初期設定処理では、先ず、割込を禁止に設定した後(Sd1)、初期処理を実行して(Sd2)、RAMの初期化データのセット、各出力ポートの初期化、及び内蔵レジスタの設定、割込ベクタの上位アドレスのセットなどの各種初期設定を行うとともに、電源電圧が正常になるまで待機させる。その後、RAM41cの破壊判定処理を実行して、RAM41cのパリティ及び電断時に設定された破壊診断用データに基づいてRAM41cの記憶内容が破壊されていないか否かを判定する。
【0190】
次いで、RAM41cの所定領域に設定されている設定値が所定の範囲内(1~6)にあるか否かを判定する設定値異常判定処理を行う(Sd4)。設定値異常判定処理では、図12に示すように、RAM41cの所定領域に設定されている設定値を読み出し(Se1)、当該設定値が所定の範囲内(1~6)にあるか否かを判定する(Se2)。そして、当該設定値が所定の範囲内(1~6)にない場合には、設定値に異常が生じている旨を示す設定値異常フラグをRAM41cの所定領域に設定し(Se3)、当該設定値が所定の範囲内(1~6)にある場合には、当該設定値異常フラグを設定することなく、設定値異常判定処理を終了する。
【0191】
尚、本実施例では、設定値異常判定処理を、初期設定処理が開始されたとき及び内部抽選を行うときに実行する。内部抽選では、RAM41cの所定領域に設定されている設定値を用いて入賞を許容する役を決定するようになっており、内部抽選を行うときに設定値異常判定処理を行うことで、内部抽選で用いる設定値に異常が生じている場合には、エラー状態に移行させて、内部抽選を行わせない一方で、内部抽選で設定値に異常が生じていない場合に、内部抽選を行わせようになっている。
【0192】
また、設定値異常判定処理では、初期設定処理が開始されたときまたは内部抽選を行うときに設定値異常判定処理が行われて設定値異常フラグが設定されている状態で、当該設定値異常判定処理が行われた場合には、当該設定値判定処理の判定結果にかかわらず、RAM41cの所定領域に設定されている設定値異常フラグを維持するようになっている。
【0193】
尚、本実施例では、初期設定処理において、設定値異常フラグが設定されているか否かにかかわらず、設定値異常判定処理を行う構成であるが、初期設定処理が開始される際に、設定値異常フラグが既にRAM41cの所定領域に設定されている場合には、当該設定値異常判定処理を行わず、RAM41cに設定されている設定値異常フラグに基づいて、その後の各種処理を行う構成でも良い。
【0194】
Sd4のステップにおいて設定値異常判定処理を行った後は、パラレル入力ポート511を参照して、設定キースイッチ37の検出信号により特定される検出状態に基づいて、設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定し(Sd5)、設定キースイッチ37がONの状態であると判定された場合に、設定変更処理に移行させる。一方、設定キースイッチ37がOFF状態の場合には、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sd6)。Sd6のステップでは、RAM異常フラグが設定されているか否か、Sd3のステップにおける破壊診断処理での判定結果に基づきRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する。RAM41cの記憶内容が破壊されている場合には、RAM異常フラグをRAM41cの所定領域に設定して(Sd13)、エラー処理に移行させる。尚、エラー処理では、遊技の進行が不能化される。また、RAM異常フラグが設定されて移行したエラー状態では、設定キースイッチ37をON状態にして電源スイッチ39をONにすることによって、設定変更処理に移行させて、設定変更処理において特別ワークを含む使用可能領域の全てのRAM領域が初期化されることにより、RAM41cのデータに異常を確実に解消して、エラー状態を解除することができるようになっている。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチ39をONにした場合には、RAM異常フラグが設定されたままであり、再びエラー状態となる。また、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、RAM異常フラグがセットされておらず、かつ破壊診断処理においてRAMパリティが0であり、破壊診断用データが正しいと判定された場合である。
【0195】
Sd6のステップにおいてRAM41cの記憶内容が破壊されていないと判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定値異常フラグが設定されているか否かを判定し(Sd7)、設定値異常フラグが設定されている場合には、RAM41cの記憶内容が破壊されている場合と同様に、エラー処理に移行させる一方で、設定値異常フラグが設定されていない場合には、復帰コマンドをサブ制御部91に送信する(Sd8)尚、設定値異常フラグが設定されて移行したエラー状態では、設定キースイッチ37をON状態にして電源スイッチ39をONにすることによって、後述する設定変更処理に移行させて、設定変更処理において新たに設定値が設定されることにより、設定値異常フラグが消去されて、設定値の異常を解消して、エラー状態を解除することができるようになっている。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチ39をONにした場合、設定変更処理において新たに設定値が設定されることなく当該設定変更処理が終了される場合(例えば、設定変更処理が行われている状態でスロットマシン1への電力供給が停止される場合等)には、RAM41cに設定値が異常な状態のまま保持されることにより、初期設定処理の設定値異常判定処理により再び設定値異常フラグが設定されて、エラー状態に移行されることとなる。これにより、一旦、設定値異常が検出された場合には、設定キースイッチ37をON状態として、電源スイッチ39をONにして、設定変更状態に移行させ、所定の設定変更操作として、リセット/設定スイッチ38が少なくとも1度操作された後、スタートスイッチ7が操作されることにより、新たな設定値が設定されるまで、遊技が可能な状態に復帰することがないようになっている。
【0196】
Sd8のステップの後、全レジスタを復帰し(Sd9)、前述のCALLF命令を用いて、ポート入力処理のサブルーチンを呼び出してポート入力バッファのデータを更新する処理を連続して2回実行する(Sd10、11)。
【0197】
図13に示すように、ポート入力処理では、先ず、ポート入力バッファの先頭アドレスすなわち初期値を設定した後(Sf1)、パラレル入力ポート511の入力ポート0に入力される各スイッチ類の検出状態(on状態またはoff状態)を読み出し、検出状態を示すデータ(入力データ)を所定のレジスタに書き込む(Sf2)。その後、データ格納処理を実行して(Sf3)、ポート入力バッファ0のデータを更新する処理を行う。
【0198】
図14に示すように、データ格納処理では、先ず、ポート入力処理のSf1のステップで設定したアドレスを1加算して進める(Sg1)。その後、ポート入力処理のSf2のステップによりレジスタに書き込まれている入力データを、Sg1のステップにおいて進めされたアドレスの領域すなわちポート入力バッファ0の2バイト目に格納することで、ポート入力バッファ0の入力データを更新する(Sg2)。そして、Sg1のステップと同様にアドレスを1加算して進める(Sg3)。
【0199】
その後、現在のアドレスの領域すなわちポート入力バッファ0の3バイト目に格納されている確定データ(前回データ)を、Sg2のステップにて更新した入力データ(今回データ)とビット単位で比較して、各スイッチ類について前回の確定データと今回の入力データが同じ検出状態を示すものであるか否かを判定し、同じ検出状態を示す場合には、今回の入力データにより特定される検出状態を示すデータを新たな確定データとし、異なる検出状態を示す場合には、確定データを前回の検出状態を示すデータのまま維持することで、各スイッチ類について今回の確定データを作成する(Sg4)。そして、ポート入力バッファ0の3バイト目に格納されている確定データを、所定のレジスタに退避させた後、Sg4のステップで作成した今回の確定データに更新する(Sg5)。
【0200】
また、データ格納処理では、後述するようにonエッジデータ及びoffエッジデータを作成する(Sg6、7)。その後、Sc1のステップと同様にアドレスを1加算して進めて(Sg8)、データ格納処理を終了させ、ポート入力処理に戻る。尚、ポート入力バッファ0については、onエッジデータ及びoffエッジデータを作成するが格納はしない。onエッジデータ及びoffエッジデータの作成手順については、後述する。
【0201】
図13に示すように、データ格納処理を終了させてポート入力処理に戻った後には、データ格納処理のSg8のステップで進めたアドレスを1減算した後(Sf4)、パラレル入力ポート511の入力ポート1に入力される各スイッチ類の検出状態(on状態またはoff状態)を読み出し、検出状態を示すデータ(入力データ)を所定のレジスタに書き込む(Sf5)。その後、データ格納処理を実行して(Sf6)、ポート入力バッファ1のデータを更新する処理を行う。
【0202】
Sf6のステップのデータ格納処理では、Sf3のステップのデータ格納処理と同様にして、ポート入力バッファ1に格納するデータとして該当するスイッチ類の入力データ及び確定データを更新する。その後、Sg5のステップでレジスタに読み出した確定データ(前回データ)と、Sg6のステップで更新した新たな確定データ(今回データ)とをビット単位で比較して、各スイッチ類について前回と今回の確定データがoff状態からon状態に変化しているか否かを判定し、該当するスイッチ類については、onエッジデータを作成する(Sg7)。また、各スイッチ類について前回と今回の確定データがon状態からoff状態に変化しているか否かを判定し、該当するスイッチ類については、offエッジデータを作成する(Sg8)。その後、アドレスを1加算して進めて(Sg9)、データ格納処理を終了させ、ポート入力処理に戻る。
【0203】
Sf7のステップのデータ格納処理を終了させて再びポート入力処理に戻った後には、ポート入力バッファ1の3バイト目に格納されているエッジデータを、データ格納処理のSg8のステップで作成したoffエッジデータに更新する(Sf7)。
【0204】
そして、パラレル入力ポート511の入力ポート2に入力される各スイッチ類の検出状態(on状態またはoff状態)を読み出し、検出状態を示すデータを所定のレジスタに書き込み(Sf8)、データ格納処理を実行して(Sf9)、ポート入力バッファ2に格納するデータとして該当するスイッチ類の入力データ及び確定データを更新するとともに、onエッジデータ及びoffエッジデータを作成する。その後、ポート入力バッファ2の3バイト目に格納されているエッジデータを、データ格納処理のSg7のステップで作成したonエッジデータに更新する(Sf10)。Sf10のステップでポート入力バッファ2のonエッジデータを更新した後は、ポート入力処理を終了させて、初期設定処理に戻る。
【0205】
図11に示すように、初期設定処理では、Sd10及びSd11のステップで2回連続してポート入力処理を行った後には、タイマ割込を許可に設定して(Sd12)、初期設定処理を終了させて、タイマ割込処理(メイン)に移行させて、スロットマシン1への電力供給が停止される前に実行していた処理に復帰する。尚、タイマ割込処理(メイン)に移行された際には、スロットマシン1への電力供給が停止される前に実行していた処理として、後述するタイマ割込処理(メイン)のSi3のステップに復帰することで、その後、Si4のステップでポート入力処理が行われることとなる。
【0206】
このように、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始された後、最初に行う初期設定処理を行うようになっており、初期設定処理では、先ず、タイマ割込を禁止の状態に設定し、その状態で、ポート入力処理を2回連続して行う。そして、ポート入力処理を含む各種処理が終了した後に、タイマ割込を禁止の状態を解除して、初期設定処理を終了させ、タイマ割込処理(メイン)を行わせるようになっている。すなわち、スロットマシン1への電力供給が開始された後、最初のタイマ割込処理(メイン)を行うまでの期間において、ポート入力処理を複数回連続して行うようになっている。
【0207】
また、初期設定処理では、設定変更処理に移行させるか否かを判定する際に、設定キースイッチ37がon状態であるか否かを判定するときには、ポート入力バッファを参照せずに、パラレル入力ポート511を参照して、設定キースイッチ37の検出状態を直接特定して、設定キースイッチ37がon状態であるか否かを判定するようになっている。尚、スイッチ類により検出される対象の状況が比較的長い時間にわたり維持されることが一般なスイッチ類、例えば、設定キースイッチ37や満タンセンサ35a等、に関する入力状況の判定に関する処理では、パラレル入力ポート511を参照して検出状態を直接特定することで、ポート入力バッファが更新されるタイマ割込が行われるのを待つことなく、該当するスイッチ類の検出状態を特定することができる。
【0208】
また、ポート入力処理を行う際には、CALLF命令を用いてポート入力処理のサブルーチンを呼び出して、当該ポート入力処理を行うようになっている。
【0209】
また、ポート入力処理では、パラレル入力ポート511の種類ごとすなわち入力ポート0~2ごとにデータ格納処理を行う。そして、データ格納処理では、該当する入力ポート0~2を参照して、当該入力ポートに入力される検出信号の検出状態に基づいて入力データ、確定データ、エッジデータを作成する。これにより、ポート入力処理では、入力ポートに対応するスイッチ類の種類ごとに所定のデータを作成するようになっている。
【0210】
また、ポート入力処理では、各種スイッチ類のエッジデータをポート入力バッファに格納する際には、ポート入力バッファのうちポート入力バッファ1にはoffエッジデータを格納する一方で、ポート入力バッファ2にはonエッジデータを格納することで、ポート入力バッファが参照された際に、当該ポート入力バッファのポート(本実施例では、バッファ0~2)に応じて異なる入力状況を特定できるようになっている。
【0211】
また、ポート入力処理において行われるデータ格納処理では、該当する入力ポートに入力される検出信号の検出状態に基づいて入力データ、確定データ、エッジデータを作成する際に、入力データ、確定データを該当するポート入力バッファに格納するので、ポート入力処理において、共通のデータ格納処理を行うことで、スイッチ類の種類によらず、検出状況の判定が行われるために最低限必要なデータをポート入力バッファ0~2に格納することができるようになっている。尚、本実施例では、入力ポート0に対応するスイッチ類については、確定データが作成され、入力ポート1、2に対応するスイッチ類については、確定データ及びエッジデータが作成される構成であり、入力データは、確定データを作成するために必要なデータであり、確定データは、エッジデータを作成するために必要なデータであるので、入力データ及び確定データが、スイッチ類の種類によらず、検出状況の判定が行われるために最低限必要なデータとなる。
【0212】
また、ポート入力処理では、入力ポート0についてデータ格納処理を行うことで作成されたエッジデータをポート入力バッファ0に格納しない一方で、入力ポート1についてデータ格納処理を行うことで作成されたエッジデータのうちoffエッジデータをポート入力バッファ1に格納し、入力ポート2についてデータ格納処理を行うことで作成されたエッジデータのうちonエッジデータをポート入力バッファ2に格納するようになっており、メイン制御部41での各種スイッチ類の検出状況の判定に用いられることのない入力ポート0についてのエッジデータ、入力ポート1についてのonエッジデータ、入力ポート2についてのoffエッジデータをポート入力バッファ0~2に格納しないようになっている。
【0213】
また、データ格納処理では、ポート入力処理により設定された入力ポートを参照し、当該入力ボートに入力される検出信号の検出状態に基づいて所定のデータを作成して、ポート入力処理により設定された初期値に基づいて特定されるアドレスのポート入力バッファに、作成したデータを格納するようになっており、所定のデータとして、確定データ、offエッジデータ、onエッジデータ、すなわちメイン制御部41においてスイッチ類の検出状況の判定に用いられることがあるすべての態様のデータを作成するので、ポート入力処理では、入力ポートとポート入力バッファのアドレスを設定することで、各入力ポートのスイッチ類について所定のデータを作成する処理を、共通のデータ格納処理により行うことができるようになっている。
【0214】
また、ポート入力処理では、各種スイッチ類のエッジデータをポート入力バッファに格納する際には、ポート入力バッファのうちポート入力バッファ1にはoffエッジデータを格納する一方で、ポート入力バッファ2にはonエッジデータを格納することで、ポート入力バッファが参照された際に、当該ポート入力バッファのポート(本実施例では、バッファ0~2)に応じて異なる入力状況を特定できるようになっている。
【0215】
また、前述のようにパラレル入力ポート511の各入力ポート0~2には、スイッチ類の検出信号が第1の検出手段及び第2の検出手段の種類ごとに対応して入力されるようになっているとともに、ポート入力バッファ0~2の格納領域には、第1の検出手段の検出情報である確定データ及び第2の検出手段であるエッジデータの種類ごとに対応する特定のアドレスが割り当てられているので、ポート入力処理及びデータ格納処理では、入力ポートの種類ごとに各スイッチ類の検出状態を読み込んで所定のデータを作成する処理を行うことで、第1の検出手段及び第2の検出手段の種類ごとに所定のデータを作成することが可能となるとともに、特定のアドレスごとに所定のデータを格納する処理を行うことで、第1の検出手段及び第2の検出手段の種類及びデータの態様の種類ごとに所定のデータを格納することが可能となる。
【0216】
尚、本実施例では、入力ポート毎に所定のアドレス(本実施例では、0~2)を割り当てるとともに、ポート入力バッファに検出情報の種類毎に特定のアドレス(本実施例では、0~2)を割り当て、ポート入力処理において、入力ポート毎に検出信号に基づいて作成する所定のデータ(確定データ、エッジデータ)を特定のポート入力バッファに格納する格納処理を、入力ポートのアドレスの順番で行い、入力ポートのアドレスの順番に対応するアドレスのポート入力バッファに格納する構成であるが、各入力ポートとポート入力バッファについてそれぞれ個別にアドレスを割り当てる構成であれば良く、各入力ポートのアドレスの順番とポート入力バッファのアドレスの順番とが一致する構成でも良いし、各入力ポートのアドレスの順番とポート入力バッファのアドレスの順番とが異なる構成でも良い。このように、各入力ポートとポート入力バッファについてそれぞれ個別にアドレスを割り当て、格納処理を入力ポート毎に行う構成とすることで、当該格納処理を、入力ポートのアドレスの順番に係わらず、入力ポート毎に格納処理を行っても、検出情報の種類毎に所定のデータをポート入力バッファに格納することができるので、各入力ポートに接続することが可能なスイッチ類の種類に制約があり、入力ポートに接続されるスイッチ類の種類が固定されるような場合でも、ポート入力処理において検出情報をその種類毎にポート入力バッファに格納することができ、処理上の取り扱いを容易にできる。
【0217】
次に、初期設定処理のSd4のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であると判定された場合に移行させる設定変更処理について、図15に基づいて説明する。
【0218】
図15に示すように、設定変更処理では、先ず、RAM初期化処理を実行してRAM41cの所定領域を初期化する(Sh1)。RAM初期化処理において初期化されるRAM41cの所定領域には、遊技に関する情報が記憶されている。また、遊技に関する情報には、パラレル出力ポート513から出力信号を出力させるための出力データ、例えば、設定値表示器24や遊技補助表示器12等の表示器を所定の表示態様で表示させるための出力信号を出力するためのデータ、外部出力基板1000から外部出力信号を出力するためのデータが含まれ、RAM初期化処理において初期化されるRAM41cの所定領域には、出力データが記憶される出力バッファ等が含まれる。一方、RAM初期化処理において初期化されるRAM41cの所定領域に記憶される遊技に関連する情報には、遊技に関連する情報のうち比較的重要度が高い情報、例えば、設定値、異常が発生している旨を示す前述のRAM異常フラグ、設定値異常フラグ等が含まれず、これらの情報がRAM初期化処理により初期化されることがないようになっている。
【0219】
次いで、Sh1のステップにおいてRAM41cの所定領域を初期化した後は、設定変更状態の開始を示す設定コマンド(開始)をコマンドキューに設定し(Sh2)、前述のCALLF命令を用いてポート入力処理を2回連続で呼び出し(Sh3、4)、ポート入力バッファに格納されているデータを、パラレル入力ポートから取得される新たに入力データに基づいて、2回連続で更新する。
【0220】
Sh3及びSh4のステップで2回連続してポート入力処理を行った後には、RAM41cの所定領域に設定値異常フラグが設定されているか否かを判定し(Sh5)、当該設定値異常フラグが設定されていないと判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されている設定値を読み出して(Sh6)、設定値レジスタに設定する(Sh7)。その後、RAM41cに設定されており、設定値表示器24を所定の表示態様で表示させるための設定値表示用の出力バッファに、設定値レジスタの値すなわちRAM41cに設定されている設定値を示す値(1~6)を表示するための出力データを設定する(Sh8)。一方、Sh7のステップにおいて、設定値異常フラグが設定されていると判定した場合には、設定値異常がある旨を示す「7」を設定値レジスタに設定し(Sh9)、設定値異常がある旨を示す「C」を表示するための出力データを設定値表示用の出力バッファに設定する(Sh10)。
【0221】
Sh8またはSh10のステップにより、設定値表示用の出力バッファに出力データを設定することで、その後行われるタイマ割込処理(メイン)では、当該出力バッファを参照し、設定されている出力データに応じた表示態様で設定値表示器24を表示させるように、パラレル出力ポート513から設定値表示器24に対して出力信号を出力する。例えば、設定値レジスタに正常な範囲内の設定値(1~6)の値が設定され、当該設定値レジスタに設定されている設定値を表示させるための出力データが、設定値表示用の出力バッファに設定されている場合には、タイマ割込処理(メイン)が行われることにより、出力バッファに設定されている出力データに基づく出力信号が、パラレル出力ポート513からLED駆動回路47を介して設定値表示器24に対して出力されて、設定値レジスタに設定されている設定値の値が設定値表示器24に表示されることとなる。また、設定値レジスタに設定値異常がある旨を示す「7」が設定されており、設定値表示用の出力バッファに、設定値異常がある旨を示す「C」を表示させるための出力データが設定されている場合には、タイマ割込処理(メイン)が行われることにより、設定値異常がある旨を示す特定態様の表示(本実施例では、「C」(図21(b)参照))が設定値表示器24に表示されることとなる。
【0222】
Sh8またはSh10のステップにおいて設定値表示用の出力バッファの設定を行った後は、タイマ割込を許可に設定し(Sh11)、タイマ割込が1回行われるまで待機する割込1回待ち処理を行う(Sh12)。Sh12のステップで、タイマ割込処理(メイン)が行われることで、後述するタイマ割込処理(メイン)のSi4のステップでポート入力処理が行われて、ポート入力バッファのデータが、その時点でのスイッチ類の検出信号に基づいて確実に更新されるようになっている。
【0223】
次いで、Sh12のステップでタイマ割込処理(メイン)が行われた後には、リセット/設定スイッチ38がOFFからONに変化したか否かを、ポート入力処理で更新されたポート入力バッファのデータであり、ポート入力バッファ2に格納されているリセット/設定スイッチのonエッジデータに基づいて判定する(Sh13)。
【0224】
そして、リセット/設定スイッチ38がOFFからONに変化したと判定した場合には、設定値レジスタの値に1を加算した後(Sh14)、当該設定値レジスタの値が「6」より大きいか否か、すなわち設定値レジスタの値が所定の範囲内(1~6)にあるか否かを判定する(Sh15)。そして、Sh15のステップにおいて設定値レジスタの値が「6」より大きいと判定した場合には、設定値レジスタの値を「1」に設定することで補正した後(Sh16)、Sh13のステップに戻る。一方、Sh15のステップにおいて設定値レジスタの値が「6」より大きくないと判定した場合には、当該設定値レジスタの値を保持して、Sh13のステップに戻る。このように、Sh13~Sh16のステップが繰り返し行われることで、リセット/設定スイッチ38の操作に応じて、設定値レジスタの値が、「1→2→3→4→5→6→1…」の順で更新されることとなる。また、Sh10のステップにより設定値レジスタに設定値の異常を示す「7」が設定されている場合には、Sh13~Sh16のステップの処理が行われることで、設定値レジスタの値は、「1」すなわち最も遊技者に対する有利度の低い設定値を示す値に更新されることとなる。
【0225】
一方、リセット/設定スイッチ38が変化しなかったと判定した場合には、ポート入力バッファ2に格納されているスタートスイッチのonエッジデータに基づいて、スタートスイッチ7がOFFからONに変化したか否かを判定する(Sh18)。スタートスイッチ7が変化しなかったと判定した場合には、Sh13のステップに戻り、Sh13~Sh18のステップを繰り返して、スタートスイッチ7が変化したと判定されるまで待機する。
【0226】
その後、スタートスイッチ7がOFFからONに変化したと判定した場合には、設定値レジスタを参照して、当該設定値レジスタの値が設定値の異常を示す「7」であるか否かを判定する(Sh19)。そして、Sh19のステップにおいて、設定値レジスタの値が「7」であると判定した場合、すなわち設定値異常が生じている場合であって、リセット/設定スイッチ38による設定値の再設定操作が行われずに、スタートスイッチ7が操作された場合には、Sh13のステップに戻り、設定値の再設定操作が行われた後にスタートスイッチ7が操作されるまで待機する一方で、Sh19のステップにおいて設定値レジスタの値が「7」でないと判定した場合には、割込1回待ち処理を行う(Sh20)。
【0227】
Sh20のステップにおいて割込1回待ち処理を行った後は、ポート入力バッファ2に格納されている設定キースイッチの確定データに基づいて、設定キースイッチ37がOFF状態か否かを判定する(Sh21)。そして、設定キースイッチ37がOFF状態でないと判定した場合には、設定キースイッチ37がOFF状態であると判定されるまで待機し、設定キースイッチ37がOFF状態であると判定した場合には、設定値レジスタに格納されている設定値のデータをRAM41cの所定領域に格納する(Sh22)。
【0228】
その後、RAM41cの所定領域にRAM異常フラグまたは設定値異常フラグが設定されているか否かを判定し(Sh23)、RAM異常フラグまたは設定値異常フラグのいずれかまたは両方が設定されている場合には、設定されているRAM異常フラグ、設定値異常フラグを消去する(Sh24)。次いで、設定変更状態の終了を示す設定コマンド(終了)をサブ制御部91に送信して(Sh25)、ゲームの進行に応じた処理を行うメイン処理に移行させる。
【0229】
このように、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、設定キースイッチ37がONの状態である場合には、設定変更処理を行うようになっている。設定変更処理では、初期設定処理の開始時に設定されたタイマ割込の禁止状態を維持して、その状態で、ポート入力処理を2回連続して行う。そして、割込1回待ち処理によりタイマ割込処理を行わせた後に、リセット/設定スイッチ38やスタートスイッチ7の入力状況の判定に関する処理等を行うようになっている。すなわち、初期設定処理から設定変更処理に移行された場合でも、前述のように設定変更処理に移行されずに初期設定処理が行われる場合と同様に、スロットマシン1への電力供給が開始された後、最初のタイマ割込処理(メイン)を行うまでの期間において、ポート入力処理を複数回連続して行うようになっている。
【0230】
また、設定変更処理では、リセット/設定スイッチ38の入力状況に応じて所定のレジスタに格納されている設定値を更新する際に、ポート入力バッファに格納されているリセット/設定スイッチ38のonエッジデータに基づいて、リセット/設定スイッチ38の入力状況がONの状態となったことが特定されるときに、レジスタの設定値を更新するようになっている。尚、遊技者等が触れることが可能であり、意図されずに検出状態が変化してしまうことがあり得るスイッチ類、例えば、スタートスイッチ7やリセット/設定スイッチ38等、に関する入力状況の判定に関する処理では、ポート入力バッファを参照して、該当するスイッチ類の検出状態を特定することで、意図されずに検出状態が変化してしまったときの検出状態で入力状況を判定してしまうことを防止できる。
【0231】
次に、メイン制御部41が所定のタイミングで行うタイマ割込処理(メイン)について、図16に基づいて説明する。
【0232】
図16に示すように、タイマ割込処理(メイン)では、先ず、使用中のレジスタのデータをスタック領域に退避する(Si1)。次いで、停電判定処理を行う(Si2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定して、電圧低下信号が入力されていれば、前回のタイマ割込処理における停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には、スロットマシン1への電力供給が停止されて停電が発生していると判定して、その旨を示す電断フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
【0233】
Si2のステップにおける停電判定処理の後、RAM41cの所定領域に電断フラグが設定されているか否かを判定し(Si3)、電断フラグが設定されていれば、後述する電断時コマンド送信処理を行って所定のコマンドをサブ制御部91に対して送信した後、電断処理(メイン)に移行する一方で、電断フラグが設定されていなければ、メイン処理により制御されるゲームの進行段階に応じて各種制御を行うための処理(例えば、カウンタの更新に関する処理、ポート入力バッファの更新に関する処理、スイッチ類の入力判定に関する処理、リールモータの位相信号の更新に関する処理、コマンドの送信に関する処理等)を順次実行する。
【0234】
タイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理の一つとして、前述のポート入力処理を1回実行する(Si4)。ポート入力処理は、前述の初期設定処理及び設定変更処理において呼び出される場合と同様に、CALLF命令を用いて呼び出される。ポート入力処理が呼び出されて実行されることで、該タイマ割込処理(メイン)が行われた時点でパラレル入力ポート511を介して得られる各種スイッチ類の検出信号等に基づいて、ポート入力バッファに格納されている各種スイッチ類の入力データ、確定データ、エッジデータが更新されることとなる。更新されたポート入力バッファのデータは、その後、タイマ割込処理(メイン)で行われるスイッチ入力判定処理、メイン処理における各種スイッチ類の入力の判定に関する処理(Si5)等で参照されて、スイッチ類の入力状況に応じてゲームの進行に関する処理が行われることとなる。
【0235】
そして、タイマ割込処理(メイン)では、後述する通常時コマンド送信処理(Si6)や各種出力信号を出力する制御を行う出力信号処理等を含む複数の処理を行う。タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理として、例えば、出力信号処理では、RAM41cの出力バッファに設定されている値に基づいてパラレル出力ポート513から外部出力基板1000を介して外部出力信号を出力させる制御、及びRAM41cの出力バッファに設定されている値に基づいてパラレル出力ポート513から各種表示器(設定値表示器24、遊技補助表示器12等)に対して出力信号を出力することで各種表示器をダイナミック点灯させる制御を行うようになっている。タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理が全て終了した後には、Si1のステップにおいてスタック領域に退避したデータをレジスタに復帰させて(Si8)、当該処理を終了させ、タイマ割込処理(メイン)が実行される前のメイン処理における処理に戻る。
【0236】
次に、スロットマシン1への電力供給が停止されて停電が発生している場合に、メイン制御部41が行う電断処理(メイン)について、図17に基づいて説明する。
【0237】
図17に示すように、電断処理(メイン)では、先ず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sj1)。
【0238】
次いで、破壊診断用データ1を遊技RAM領域に、破壊診断用データ2を非遊技RAM領域に、破壊診断用データ3をスタック領域に、それぞれセットする(Sj2)。破壊診断用データは、いずれも5A(H)である。そして、コマンドを出力するパラレル出力ポート513を含む全ての出力ポートを初期化する(Sj3)。これにより電断時コマンド送信処理により最後に出力されたコマンドに対応する出力ポートの出力状態が初期化される。次いで、遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域3を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ1を計算して遊技RAM領域にセットし、非遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域4を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ2を計算して非遊技RAM領域にセットし、スタック領域の全ての領域(未使用スタック領域及び使用中スタック領域)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ3を計算してスタック領域にセットし(Sj4)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sj5)。その後、電圧が低下してメイン制御部41のCPU41aが停止して待機状態に移行する。そして、この待機状態のまま電圧が低下することで、メイン制御部41は、内部的に動作停止状態になり、電断の際に確実に動作停止する。
【0239】
以上の処理によって、AC100Vの電力供給が停止される場合には、電断処理が実行されて、破壊診断用データ1~3及びRAMパリティ調整用データ1~3がバックアップRAMへ記録され、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされる。
【0240】
このように本実施例では、電断を検出したときに実行する電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティ調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティを算出する処理、電源投入時にRAMパリティに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域に分けて行うため、これらの処理を設計するうえで必要なデータの記憶領域を容易に特定することができる。
【0241】
尚、本実施例では、電断処理において対象となる領域の演算結果が特定の値(本実施例では0)となるように調整用データを対象となる領域に設定し、起動処理において対象となる領域の演算結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定しているが、電断処理において対象となる領域の演算結果と、起動処理において対象となる領域の演算結果と、が一致するか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成としても良い。また、演算方法は、排他的論理和に限らず、他の演算方法(例えば、総和)を用いても良い。
【0242】
以上のように、本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されて起動した後、メイン処理を繰り返しループさせて行い、所定の時間間隔毎に当処理に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を行う。そして、タイマ割込処理(メイン)では、ポート入力処理を行うことで、パラレル入力ポート511を介して入力される各種スイッチ類の検出状態に関する入力データ、確定データ、エッジデータを更新して、ポート入力バッファに格納するようになっている。
【0243】
例えば、図18(a)に示すように、パラレル入力ポート511に接続されている一のスイッチについて、遊技者等により操作が行われておらず検出状態がOFFの状態であった当該スイッチが押下されることで、当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化し、所定の期間にわたりONの状態で維持されるような場合には、タイマ割込処理(メイン)毎にポート入力処理が行われることにより、ポート入力バッファに格納されている当該スイッチの入力データは、タイマ割込が行われてポート入力処理が行われた時点での当該スイッチの検出状態を示すデータに更新されるので、当該スイッチが押下された後の最初のタイマ割込が行われるときまでは、検出状態がOFFの状態であることを示す「0」が入力データとして設定され、ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に格納される。そして、当該スイッチが押下されて最初のタイマ割込が行われたとき以降では、検出状態がONの状態であることを示す「1」が入力データとして該当するビット領域に格納される。
【0244】
また、確定データにつて、ポート入力処理では、ポート入力処理が行われた時点で更新された入力データ(今回のデータ)と更新前の入力データ(前回のデータ)を比較して、両データが一致する場合には、今回の入力データにより特定される検出状態に設定し、両データが一致しない場合には、前回の確定データにより特定される検出状態に設定するように更新するので、当該スイッチの確定データについては、当該スイッチが押下されたことで入力データが「1」に更新されたタイマ割込までは、検出状態がOFFの状態であることを示す「0」が設定され、ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に格納される。そして、当該スイッチが押下されたことで入力データが「1」に更新された次のタイマ割込からは、検出状態がONの状態であることを示す「1」が確定データとして該当するビット領域に格納される。
【0245】
また、エッジデータについて、ポート入力処理では、ポート入力処理が行われた時点で更新された確定データ(今回のデータ)と更新前の確定データ(前回のデータ)を比較して、両データが一致する場合には、検出状態が変化していないことを示すエッジデータを作成し、両データが一致しない場合であって、OFFの状態からONの状態に変化している場合には、onエッジデータを作成し、ONの状態からOFFの状態に変化している場合には、offエッジデータを作成して、作成したonエッジデータ、offエッジデータに更新するので、当該スイッチのエッジデータについては、当該スイッチが押下されたことで入力データが「1」に更新された次のタイマ割込において、確定データが「0」から「1」に更新されたときに、検出状態が変化したことを示すエッジデータとして「1」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチのonエッジデータに該当するビット領域に格納される。一方、当該onエッジデータが「1」に設定されたタイマ割込以外のタイマ割込では、検出状態が変化していないことを示すエッジデータとして「0」が、当該スイッチのonエッジデータのビット領域に格納される。尚、特に図示しないが、offエッジデータについては、各タイマ割込において検出状態が変化していないことを示すエッジデータとして「0」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチのoffエッジデータのビット領域に格納される。
【0246】
また、例えば、図18(b)に示すように、一のスイッチについて、遊技者等により押下が行われており検出状態がONの状態であった当該スイッチが離されることで、当該スイッチの検出状態がONの状態からOFFの状態に変化し、所定の期間にわたりOFFの状態で維持されるような場合にも、前述のように当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化する場合と同様に、タイマ割込処理(メイン)毎にポート入力処理が行われることにより、ポート入力処理が行われた時点での当該スイッチの検出状態に応じたデータが入力データとして設定され、ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に格納される。
【0247】
また、確定データについても、前述のように当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化する場合と同様に、前回と今回の入力データが一致している場合には、今回の入力データにより特定される検出状態を示す値に設定される一方で、前回と今回の入力データが一致していない場合には、前回の確定データにより特定される検出状態を示す値に設定されて、ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に格納される。
【0248】
また、前述のように当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化する場合と同様に、前回と今回の確定データが一致している場合には、検出状態が変化していないことを示すエッジデータを作成し、両データが一致しない場合であって、OFFの状態からONの状態に変化している場合には、onエッジデータを作成し、ONの状態からOFFの状態に変化している場合には、offエッジデータを作成して、作成したonエッジデータ、offエッジデータに更新する。これにより、当該スイッチのエッジデータについては、当該スイッチが離されたことで入力データが「0」に更新された次のタイマ割込において、確定データが「1」から「0」に更新されたときに、検出状態が変化したことを示すエッジデータとして「1」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチのoffエッジデータに該当するビット領域に格納される。一方、当該offエッジデータが「1」に設定されたタイマ割込以外のタイマ割込では、検出状態が変化していないことを示すエッジデータとして「0」が、当該スイッチのoffエッジデータのビット領域に格納される。尚、特に図示しないが、onエッジデータについては、各タイマ割込において検出状態が変化していないことを示すエッジデータとして「0」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチのonエッジデータのビット領域に格納されることとなる。
【0249】
このように、メイン制御部41は、ポート入力処理を行ってポート入力バッファのデータを更新することで、例えば、図18(c)に示すように、何らかの原因でスイッチ類の検出信号が、1回のタイマ割込のみで検出される程度の短時間で変化されるような場合(例えば、静電気などによるノイズが発生した場合や当該スイッチに誤って触れてしまった場合等)には、入力データは当該検出信号の変化に追従して検出状態に応じた値に変更されることとなるが、確定データは、2タイマ割込分以上の期間にわたり同じ検出状態が継続されないと、今回の入力データの検出状態に更新されないようになっている。これにより、スイッチ類の検出状態が一定期間(最低でも約2.24ms)以上継続して検知されたことを条件に、当該当該スイッチについて有効な操作等が検出されるようになっており、何らかの原因、例えば、静電気などのノイズ等によって検出状態が誤って検出されてしまうことを防止できる。
【0250】
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されて起動した際に初期設定処理を実行し、最初にタイマ割込を禁止した状態とした後の初期設定処理または、その後に当該初期設定処理から移行された設定変更処理において、ポート入力処理を連続して2回行って、電力供給が開始された後の各スイッチ類の検出状態に基づいて、ポート入力バッファのデータを更新し、その後、初期設定処理または設定変更処理が終了される際に、タイマ割込の禁止状態を解除して、タイマ割込処理(メイン)を行わせる。
【0251】
図19(a)に示すように、仮に、メイン制御部41が、初期設定処理または当該初期設定処理から移行された設定変更処理において、ポート入力処理を2回行うことがなく、電力供給が開始された際には、初期設定処理または設定変更処理が終了された後の最初のタイマ割込処理(メイン)において、最初のポート入力処理が行われることとなる構成では、当該ポート入力処理において確定データが作成される際に、電力供給が停止される前にポート入力バッファに格納された入力データと、電力供給が開始された後、ポート入力処理が行われたときに取得された入力データと、に基づいて、確定データが作成されることとなる。そして、電力供給が開始されたときにスイッチ類の検出状態が、電力供給が停止されるときのスイッチ類の検出状態と異なる場合、例えば、電力供給が開始されたときに検出状態がOFFの状態である一方で、電力供給の停止されたときの検出状態がONの状態であるような場合には、電力供給が開始されポート入力処理が行われたときの、検出状態がOFFの状態であるにも関わらず、ONの状態を示す確定データが設定されることとなり、ポート入力処理が行われたときの検出状態とポート入力バッファに設定される確定データにより特定される検出状態とに不整合が生じてしまう。
【0252】
そして、エッジデータについても、確定データに不整合が生じたために、当該ポート入力処理においてエッジデータが作成される際に、不整合が生じてしまうことがある。例えば、電力供給が開始されたときに検出状態がOFFの状態である一方で、電力供給の停止されたときの検出状態がONの状態であるような場合には、電力供給が開始された後の最初のポート入力処理が行われたときには、検出状態がOFFの状態であるにも関わらず、ONの状態を示す確定データが設定され、その後のポート入力処理で実際の検出状態と一致するOFFの状態の確定データが設定されるので、これらの確定データに基づいてONの状態からOFFの状態に変化したことを示すエッジデータが設定されて、エッジデータと実際の検出状態とに不整合が生じてしまう。
【0253】
これに対して、図19(b)に示すように、本実施例のメイン制御部41は、電力供給が開始された後、最初にタイマ割込処理(メイン)を行うまでの期間の初期設定処理または設定変更処理において、ポート入力処理を連続して2回行うことにより、電力供給が開始された後の入力データに基づいて確定データを作成してポート入力バッファに設定することができ、初期設定処理または設定変更処理が終了された後、最初に行われるタイマ割込処理(メイン)でのポート入力処理において、当該電力供給が開始された後に作成された確定データに基づいてエッジデータを作成することができ、電力供給が開始された後のスイッチ類の検出状態と整合する確定データ及びエッジデータを用いてその後のゲームに関する処理を行わせることができる。
【0254】
従来のスロットマシンは、遊技の進行に関する処理を行うメイン制御部を備え、メイン制御部は、メイン処理として、各種スイッチ類の入力状況の変化に応じて段階的に移行する処理を繰り返し実行し、定期的に割込処理を実行することが可能であり、複数回の割込処理にて取得した入力ポートの状態から各種スイッチ類の信号の入力状況を特定することで、ノイズなどの影響を排除するようにしたものがある。
【0255】
このような構成では、スロットマシンへの電力供給が停止される電断が生じた後、電力供給が再開されて電断から復帰した際に、各種スイッチ類の信号の入力状況を特定する複数回の割込処理が、電断の前後に跨ることとなった場合に、電断前の信号の入力状況と電断から復帰した後の信号の入力状況との相違によって意図しない入力状況が特定されることで誤作動する虞がある。
【0256】
これに対して、本実施例のスロットマシン1は、遊技の進行に関する処理を行うメイン制御部41を備え、メイン制御部41は、各種スイッチ類の入力状況の変化に応じて段階的に移行するメイン処理を繰り返し行うとともに、一定時間間隔毎にタイマ割込処理(メイン)を行うことが可能であり、タイマ割込処理(メイン)において行うポート入力処理により、パラレル入力ポート511を介して入力される各スイッチ類の検出信号に基づいて、各スイッチ類の検出状態を特定して入力データとして取得し、連続する2回のポート入力処理により取得した入力データに基づいて、各スイッチ類の検出状態を特定可能な確定データを作成し、さらに連続する2回分の確定データに基づいて、各スイッチ類の検出状態が変化したか否かを特定可能なエッジデータを作成する構成であり、電力供給が開始された後、最初にタイマ割込処理(メイン)を行うまでの期間に、ポート入力処理を、エッジデータを作成するために必要な確定データを作成するのに要する回数よりも1回少ない回数(本実施例では、3回分の入力データにより2回分の確定データが作成され、2回分の確定データにより一のエッジデータを作成するので、一のエッジデータを作成するために要する3回よりも1回少ない2回)実行するので、電力供給が開始された後、最初のタイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)が行われるまでに実行されたポート入力処理と当該タイマ割込処理(メイン)におけるポート入力処理とで取得された入力データ、すなわち電力供給開始後に取得された入力データに基づいて、確定データが作成されるとともに、当該確定データに基づいてエッジデータが作成されることとなり、エッジデータを作成するためのデータとして、電断前に取得された入力データ及び電断前に作成された確定データが用いられることがなく、意図しない検出状態が特定されてしまうことを防止できる。
【0257】
また、本実施例のスロットマシン1は、メイン制御部41を備え、メイン処理を繰り返し行うとともにタイマ割込処理(メイン)を行うことが可能であり、タイマ割込処理(メイン)において行うポート入力処理により、各スイッチ類の入力データを取得して、確定データ、エッジデータを作成する構成であるとともに、電力供給が開始された際に、設定キースイッチ37の検出状態がONの状態である場合には、遊技者にとっての有利度を示す設定値を変更可能な設定変更処理に移行する構成であり、電力供給が開始されて設定変更処理に移行した後、最初にタイマ割込処理(メイン)を行うまでの期間に、ポート入力処理を、エッジデータを作成するために必要な確定データを作成するのに要する回数よりも1回少ない回数(本実施例では、3回分の入力データにより2回分の確定データが作成され、2回分の確定データにより一のエッジデータを作成するので、一のエッジデータを作成するために要する3回よりも1回少ない2回)実行するので、電力供給が開始された後、設定変更処理に移行する場合の最初のタイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)が行われるまでに実行されたポート入力処理と当該タイマ割込処理(メイン)におけるポート入力処理とで取得された入力データ、すなわち電力供給開始後に取得された入力データに基づいて、確定データが作成されるとともに、当該確定データに基づいてエッジデータが作成されることとなり、エッジデータを作成するためのデータとして、電断前に取得された入力データ及び電断前に作成された確定データが用いられることがなく、設定値を変更する際に操作されるスイッチ類について、意図しない検出状態が特定されてしまうことで、遊技者にとっての有利度に影響してしまうことを防止できる。
【0258】
また、本実施例のスロットマシン1は、電力供給が開始された後、最初にタイマ割込処理(メイン)を行うまでの期間に、ポート入力処理を、エッジデータを作成するために必要な確定データを作成するのに要する回数よりも1回少ない回数(本実施例では、3回分の入力データにより2回分の確定データが作成され、2回分の確定データにより一のエッジデータを作成するので、一のエッジデータを作成するために要する3回よりも1回少ない2回)実行するので、電力供給が開始された後の最初のタイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)が行われるまでに実行されたポート入力処理と当該タイマ割込処理(メイン)におけるポート入力処理とで取得された入力データ、すなわち電力供給開始後に取得された入力データに基づいて、確定データが作成されることとなり、確定データを作成するためのデータとして、電断前に取得された入力データが用いられることがなく、意図しない検出状態が特定されてしまうことを防止できる。
【0259】
尚、本実施例では、電力供給が開始されて設定変更処理に移行した後、最初にタイマ割込処理(メイン)を行うまでの期間に、ポート入力処理を、エッジデータを作成するために必要な確定データを作成するのに要する回数よりも1回少ない回数として2回行う構成であるが、メイン制御部41は、当該期間においてポート入力処理を少なくとも1回実行する構成とすることで、最初のタイマ割込処理(メイン)において、電力供給の停止前に取得された入力データが用いられることがなく、電力供給開始後に取得された入力データのみに基づいて、確定データを作成させることができ、意図しない検出状態が確定データに基づいて特定されてしまうことを防止できる。
【0260】
本実施例のメイン制御部41は、パラレル入力ポート511を介して入力される各スイッチ類の検出信号に基づいて入力データを取得し、確定データ及びエッジデータを作成する構成であり、パラレル入力ポート511には、複数のスイッチ類、例えば、スタートスイッチ7やリセット/設定スイッチ38等が接続されており、ポート入力処理では、パラレル入力ポート511に接続されている複数のスイッチ類について、検出信号に基づいて入力データを取得可能であるので、スロットマシン1への電力供給が開始された後、最初にタイマ割込処理(メイン)が行われるまでの期間において、ポート入力処理を、エッジデータを作成するために必要な確定データを作成するのに要する回数よりも1回少ない回数実行するだけで、複数のスイッチ類全てについて電力供給開始後の検出状態に更新することができる。
【0261】
本実施例のメイン制御部41は、ポート入力処理によりエッジデータを作成可能な構成であり、エッジデータとして、該当するスイッチ類がOFFの状態からONの状態に変化したことを示すonエッジデータ、または該当するスイッチ類がONの状態からOFFの状態に変化したことを示すoffエッジデータを作成可能であり、RAM41cに設けられたポート入力バッファの第1の所定領域(本実施例では、ポート入力バッファ1)に、offエッジデータを格納し、ポート入力バッファの第2の所定領域(本実施例では、ポート入力バッファ2)に、onエッジデータを格納することで、ポート入力バッファの領域毎に所定の異なる種類のエッジデータを格納するので、ポート入力バッファの領域に応じて異なる種類のエッジデータを特定することができる。
【0262】
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、メイン処理を行う前に各種初期設定を実行する初期設定処理を行う構成であり、当該初期設定処理において、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、パラレル入力ポート511を参照して設定キースイッチ37の検出状態を直接取得し、当該スイッチの検出状態がONの状態であるか否かを判定するので、電力供給が開始された後にポート入力処理が実行されるのを待つことなく、電力供給が供給された時点で設定キースイッチ37の検出状態がONの状態であるか否かを判断することができる。
【0263】
本実施例のメイン制御部41は、プログラムを実行することでメイン処理やタイマ割込処理等の各処理を実行することが可能であり、ROM41bに記憶されている所定のプログラムを呼び出して実行させるCALL命令と、当該CALL命令よりも少ないプログラム容量で所定のプログラムを呼び出すことが可能なCALLF命令とを含む各種命令を用いてプログラムを実行させることが可能な構成であり、電力供給開始後に複数回(本実施例では、2回)呼び出されるポート入力処理を、CALLF命令を用いて呼び出して実行するので、電力供給開始時に実行する初期設定処理、設定変更処理を構成するプログラムの容量を削減できる。
【0264】
本実施例のメイン制御部41は、設定変更処理において、スタートスイッチ7が操作されることで、当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化したか否かを判定する際に、ポート入力処理により更新されたonエッジデータに基づいて当該スイッチの検出状態を判定して、判定結果に応じてその後の処理を行うので、スタートスイッチ7が操作されていないにも関わらず、静電気などによるノイズが発生したこと等が原因で、意図しない状況で、その後の処理を実行してしまうことを防止できる。
【0265】
本実施例のメイン制御部41は、リールの停止制御に関する処理において、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化したか否かを判定する際に、ポート入力処理により更新されたonエッジデータに基づいて当該スイッチの検出状態を判定して、判定結果に応じてその後の処理として該当するリールについての停止制御を行うので、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されていないにも関わらず、静電気などによるノイズが発生したこと等が原因で、意図しない状況で、その後の処理を実行してしまうことを防止できる。
【0266】
本実施例のメイン制御部41は、リールの停止制御に関する処理において、第3停止操作のストップスイッチが離されて、当該スイッチの検出状態がONの状態からOFFの状態に変化したか否かを判定する際に、ポート入力処理により更新されたoffエッジデータに基づいて当該スイッチの検出状態を判定して、判定結果に応じてその後の処理を行うので、当該ストップスイッチが離されていないにも関わらず、静電気などによるノイズが発生したこと等が原因で、意図しない状況で、その後の処理を実行してしまうことを防止できる。
【0267】
メイン制御部41が行う設定値表示器24の表示態様の切り替えに関する制御について、図20及び図21に基づいて説明する。
【0268】
メイン制御部41は、上述の設定変更処理において設定値レジスタに設定されている選択中の設定値を示す出力データを、RAM41cの所定領域に設けられた設定値表示用の出力バッファに設定することで、その後、タイマ割込処理(メイン)における出力信号処理により、当該出力バッファに設定されている出力データに基づいてパラレル出力ポート513から設定値表示器24に対して出力信号を出力させて、設定値表示器24を構成するLEDを出力データに応じた点灯態様で点灯させるように制御し、設定値表示器24に選択中の設定値等を認識可能に表示させる。
【0269】
図20に示すように、設定キースイッチ37をON状態としてスロットマシン1への電力供給が開始されると、メイン制御部41は、上述の初期設定処理を開始して、まず、タイマ割込みを禁止し、タイマ割込みを禁止した状態で設定変更処理に移行する。
【0270】
そして、設定変更処理に移行した後は、設定値表示用の出力バッファを含むRAM41cの所定領域を初期化し、設定値異常フラグに基づいて設定値異常が生じていることが判定されない場合には、当該初期化される所定領域外に設定されている設定値(本実施例では、「2」)を読み出して、設定値レジスタ及び設定値出力用の出力バッファに設定して、タイマ割込みを許可する。これにより、設定値表示器24の表示態様は、設定変更処理が開始されたときには、タイマ割込処理(メイン)が行われないことにより非表示となる。そして、タイマ割込みが許可される前に、設定値レジスタ及び設定値出力用の出力バッファに設定値の出力データが設定され、その後、タイマ割込みが許可されることで、設定変更処理が開始された後の最初のタイマ割込処理(メイン)における出力信号処理により、設定値出力用の出力バッファに設定されている出力データに基づいて設定値表示器24に選択中の設定値が表示されることとなる。
【0271】
このように、設定変更処理では、タイマ割込みが許可される前に、RAM初期化処理を行って、RAM41cの所定領域に設定されている設定値表示用の出力バッファを初期化するので、設定値の異常が生じており設定値異常フラグが設定されている場合に、初期化されるべき設定値表示用の出力バッファに記憶されている出力データに基づいて設定値表示器24に設定値を表示することがないようになっている。
【0272】
また、設定変更処理を開始したことに伴って設定値レジスタに設定された設定値(1~6)を、タイマ割込みが許可される前に、設定値表示用の出力バッファに設定するので、設定変更処理の開始後、最初のタイマ割込処理(メイン)において、当該出力バッファが参照され、設定変更処理を開始したことに伴って設定された設定値(1~6)を表示するための出力データを用いて設定値表示器24の表示が行われることとなるので、設定変更処理の開始に伴い移行した設定変更状態において、速やかに設定値表示器24の表示を行うことができるようになっている。
【0273】
また、図20に示すように、設定変更処理では、タイマ割込みが許可された後、選択中の設定値が設定値表示器24に表示されている状態で、設定操作としてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されることで、設定値レジスタ及び設定値表示用の出力バッファの出力データを所定の順序(本実施例では、1→2→3→4→5→6→1の順)に従って更新する。そして、タイマ割込処理(メイン)が行われることで、設定値表示用の出力バッファの出力データに基づいて設定値表示器24の表示態様が更新されることとなる。
【0274】
そして、設定値表示器24に選択中の設定値として所定範囲内(1~6)の値が表示されている状態で、決定操作としてスタートスイッチ7の操作が検出されることで、設定値レジスタに設定されている選択中の設定値を、RAM41cの所定領域に決定された設定値として設定する。その後、設定変更処理が終了されるときに、設定値レジスタ及び設定値表示用の出力バッファが初期化されて、設定値表示器24の表示態様が非表示とされる。
【0275】
このように、設定変更処理では、初期設定処理の開始時または内部抽選が行われる時に実行される設定値異常判定処理により設定値異常フラグが設定されていない場合、すなわち、RAM41cの所定領域に設定されている設定値が所定の範囲内(1~6)にあり、設定値に異常が生じていない場合には、設定値表示器24の表示態様を選択中の設定値を示す所定の範囲内(1~6)の値に制御する。
【0276】
これに対して、設定変更処理では、初期設定処理の開始時または内部抽選が行われる時に実行される設定値異常判定処理により設定値異常フラグが設定されている場合、すなわち、RAM41cの所定領域に設定されている設定値が所定の範囲内(1~6)になく、設定値に異常が生じている場合には、設定値表示器24の表示態様を選択中の設定値を示す所定の範囲内(1~6)の値以外の特定態様に制御する。
【0277】
具体的には、図21(a)に示すように、設定変更処理では、設定値表示用の出力バッファを含むRAM41cの所定領域を初期化した後、設定値異常フラグに基づいて設定値異常が生じていることが判定される場合には、設定値レジスタ及び設定値出力用の出力バッファに、設定値異常が生じている旨を示す特定態様として「C」を表示するための出力データを設定して、タイマ割込みを許可する。これにより、設定変更処理が開始された後の最初のタイマ割込処理(メイン)が行われることで、特定態様の出力データに基づいて出力信号が出力されることとなり、設定値表示器24に特定態様である「C」が表示される。設定値に異常が生じている場合に、設定値表示器24を特定態様で表示させることにより、設定値の異常が生じている旨を容易に認識させることができるようになっている。
【0278】
尚、本実施例では、設定値の異常が生じている旨を示す特定態様は、「C」の表示であるが、特定態様は、正常な設定値が表示される表示態様以外の態様であれば良く、例えば、「1」~「6」以外の数字や英字(例えば、「E」等)、記号を設定値表示器24に表示させる構成や、設定値表示器24を非表示とする構成でも、本実施例と同様に、設定値表示器24の表示態様により設定値の異常が生じている旨を認識させることができる。
【0279】
そして、図21(a)に示すように、設定値表示器24が特定態様に制御されている状態で、設定操作としてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されることで、設定値レジスタの値を、設定値の所定の範囲内(1~6)の値のうち遊技者に対しての有利度が最も低い段階の設定値(本実施例では、1)を示す値に設定し、当該値を表示させる出力データを設定値表示用の出力バッファに設定して、当該出力データに基づいて設定値レジスタに設定されている選択中の設定値を設定値表示器24に表示させる。
【0280】
その後は、上述の設定値に異常が生じていない場合と同様に、設定操作が検出される場合には、設定値レジスタの値及び設定値表示用の出力バッファの出力データを所定の順序(本実施例では、1→2→3→4→5→6→1の順)に従って更新して、設定値表示器24の表示態様を更新させる。また、決定操作としてスタートスイッチ7の操作が検出される場合には、設定値レジスタに設定されている選択中の設定値を、RAM41cの所定領域に決定された設定値として設定する。そして、設定変更処理が終了されるときに、設定値レジスタ及び設定値表示用の出力バッファが初期化されて、設定値表示器24の表示態様を非表示とする。
【0281】
これにより、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことがなく、遊技店の意図する設定値が設定されている状態で、スロットマシン1における遊技を行わせることができるようになっている。
【0282】
また、設定値の異常が生じている場合には、設定値を変更するためのリセット/設定スイッチ38の操作が検出されることで、設定値レジスタの値を最も遊技者に対する有利度の低い段階の値(1)に設定するようになっており、スロットマシン1の設置される店舗の店員等により有利度の高い設定値が設定されることを防止することができるようになっている。
【0283】
また、図21(b)に示すように、設定値表示器24が特定態様(本実施例では、「C」を表示する態様)に制御されている状態で、決定操作としてスタートスイッチ7の操作が検出される場合には、設定値レジスタに設定されている値を設定値としてRAM41cに設定することなく、RAM41cに元々設定されている設定値、すなわち所定の範囲内(1~6)ない異常な設定値を保持する。また、設定値レジスタ及び設定値表示用の出力バッファを更新せずに、設定値表示器24を特定態様とする制御を継続する。これにより、設定値に異常が生じている状態で、設定変更処理が開始された後には、設定操作としてリセット/設定スイッチ38の操作が行われて、選択中の設定値として所定の範囲内(1~6)の設定値が設定されていない状態では、設定値変更処理を終了させて、遊技の進行が可能な状態に移行することがないようになっており、スロットマシン1の設置される遊技店の意図しない設定値(正常な設定値の範囲(1~6)以外の値)が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0284】
尚、設定値変更処理が行われており、設定値表示器24が特定態様(本実施例では、「C」を表示する態様)に制御されている状態では、決定操作が行われた場合でも、RAM41cの所定領域に設定値を新たに設定することなく、異常な設定値を保持するので、スロットマシン1への電力供給が停止される場合には、再びスロットマシン1への電力供給が開始されて上述の初期設定処理が開始されたときに設定値異常判定処理が行われて、保持されている異常な設定値に基づいてエラー状態に制御されることとなり、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0285】
また、設定値変更処理が行われており、設定値表示器24が特定態様(本実施例では、「C」を表示する態様)に制御されている状態では、決定操作が行われた場合でも、RAM41cの所定領域に設定値を新たに設定することなく、異常な設定値を保持するので、設定キースイッチ37をOFF状態とされる場合には、その後、メイン処理において内部抽選が行われるとき等に設定値異常判定処理が行われて、保持されている異常な設定値に基づいてエラー状態に制御されることとなり、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0286】
また、本実施例では、設定値変更処理が行われており、設定値表示器24が特定態様(本実施例では、「C」を表示する態様)に制御されている状態では、決定操作が行われた場合でも、RAM41cの所定領域に設定値を新たに設定することなく、設定値変更処理を終了させずに、設定操作が検出されるまで待機する構成であるが、設定値変更処理において、設定値表示器24を特定態様に制御している状態で決定操作が行われた場合には、設定変更処理を終了させて、遊技の進行の制御に移行する構成でも良く、このような構成では、設定値表示器24を特定態様に制御している状態で決定操作が行われた場合に、RAM41cの所定領域に設定値を新たに設定することなく、異常な設定値を保持して、設定変更処理を終了させ、遊技の進行の制御における所定の契機、例えば、設定変更処理から遊技の進行の制御に移行したとき、遊技の進行の制御として内部抽選を行うとき、予め定められた所定時間(例えば、4秒)が経過する毎、タイマ割込処理(メイン)を行う毎等に設定値異常判定処理を行い、RAM41cに異常な設定値が設定されていることによりエラー状態に移行する構成とすることで、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0287】
従来の遊技機では、遊技者にとっての有利度の異なる設定値を設定可能であり、設定値の異常が検知された場合に、設定変更状態に移行させて新たに設定値が設定されるまで遊技の進行が不能化される構成のものがある。
【0288】
このような構成では、設定値の異常が検知され、遊技の進行が不能化された場合に、設定変更状態に移行するだけで、遊技店が設定値を選択する操作を行うことなく設定値が特定の設定値に自動的に補正されるようになっており、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまう虞がある。
【0289】
これに対して、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、遊技の制御を行うメイン制御部41を備え、メイン制御部41は、起動時に、遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値(設定値1~6)を設定することが可能な設定変更状態に移行させることが可能であり、設定変更状態において、選択中の設定値を設定値表示器24に表示させる制御を行うとともに、設定値の更新操作として、リセット/設定スイッチ38の操作がされる毎に、選択中の設定値が設定される設定値レジスタの値を設定値1~6の範囲で更新して、設定値の決定操作としてスタートスイッチ7の操作がされることで、設定値レジスタに設定されている値を選択された設定値としてRAM41cの所定領域に設定した後、設定変更状態を終了させて遊技の進行が可能な状態に移行させることが可能であり、設定値が正常な値か否かを判定する設定値異常判定処理を行って、設定値が正常な値でないと判定した場合に、遊技の進行が不能な設定値異常エラー状態に制御し、設定変更状態に移行したことを条件に設定値異常エラー状態を終了させる。そして、設定変更状態では、設定値が正常な値でない場合には、設定値を表示する設定値表示器24の出力バッファに設定値異常がある旨を示す特定態様で表示するための出力データを設定することで、設定値表示器24の表示態様が正常な設定値を表示するときの表示態様とは異なる特定態様(「C」を表示する表示態様)となるように制御する構成である。そして、メイン制御部41は、設定変更状態において、設定値が正常な値でない場合に、更新操作としてリセット/設定スイッチ38の操作がされることでいずれかの設定値を選択中の設定値として更新するとともに、設定値が正常な値でなく設定値表示器24の表示態様が特定態様(「C」を表示する表示態様)である場合に、更新操作がされて選択中の設定値が更新されることにより更新後の設定値を設定値表示器24に表示させる制御を行い、設定値表示器24に選択中の設定値の値(1~6)が表示されていることを条件に、決定操作としてスタートスイッチ7の操作がされることで、設定値レジスタの値をRAM41cに設定すること、すなわち設定値を設定して、設定変更状態を終了させて遊技の進行が可能な状態に移行させるようになっている。このように、設定値が正常な値でないと判定された場合に、遊技の進行が不能なエラー状態に制御されるようになっており、このエラー状態は、設定変更状態に移行するまで終了することがないようになっている。また、設定変更状態では、設定値が正常な値でない場合に、設定値表示器24の表示態様が正常な設定値の表示態様とは異なる特定態様となるように制御されるようになっており、更新操作がされて選択中の設定値が更新され、設定値表示器24に設定値が表示されるまで、すなわち遊技店の店員により設定値を選択する操作がされるまでは設定変更状態が終了せず、遊技の進行が可能な状態に移行することがないので、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0290】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、設定値が正常な値か否かを判定する設定値異常判定処理を、スロットマシン1への電力供給の開始時、内部抽選を行う時に行う構成であるが、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給の開始時、内部抽選を行う時以外のタイミングで設定値異常判定処理を行う構成でも良く、例えば、タイマ割込処理(メイン)毎や一定時間が経過する毎に設定値異常判定処理を行う構成、例えば、スロットマシン1への電力供給の開始時、内部抽選を行う時、タイマ割込処理(メイン)毎や一定時間が経過する毎のいずれかまたは組合せたタイミングで設定値異常判定処理を行う構成でも良く、このような構成でも、設定値が正常な値でないと判定された場合に、遊技の進行が不能なエラー状態に制御することができ、設定変更状態に移行することで、遊技店の店員により設定値を選択する操作がされるまでは設定変更状態が終了せず、遊技の進行が可能な状態に移行することがないので、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0291】
また、本実施例では、メイン制御部41は、設定変更状態において、設定値表示器24に選択中の設定値の値(1~6)が表示されていることを条件に、決定操作としてスタートスイッチ7の操作がされることで、設定変更状態を終了させて遊技の進行が可能な状態に移行させる構成であるが、メイン制御部41は、設定値が正常な値でない場合に、更新操作としてリセット/設定スイッチ38の操作がされることでいずれかの設定値を選択中の設定値として更新するとともに、設定値が正常な値でなく設定値表示器24の表示態様が特定態様(「C」を表示する表示態様)である場合に、更新操作がされて選択中の設定値が更新されることにより更新後の設定値を設定値表示器24に表示させる制御を行い、設定値が正常な値でなく設定値表示器24の表示態様が特定態様(「C」を表示する表示態様)のまま決定操作としてスタートスイッチ7の操作がされた場合に、設定値レジスタの値をRAM41cに設定すること、すなわち設定値を設定することなく設定変更状態を終了させる構成でも良い。
【0292】
このような構成とすることで、設定変更状態では、設定値が正常な値でない場合に、設定値表示器24の表示態様が設定値の表示態様とは異なる特定態様となるように制御されるようになっており、更新操作がされることなく、すなわち遊技店の店員により設定値を選択する操作がされることなく、設定値表示器24が特定態様のまま設定変更状態を終了させた場合には、設定値が異常な状態で維持され、その後、設定値異常判定処理が行われて、設定値が正常な値でないと判定されることにより、遊技の進行が不能な設定値異常エラー状態にすぐに制御されることとなるため、遊技店の意図しない設定値が設定されて遊技が行われてしまうことを防止できる。
【0293】
また、本実施例では、メイン制御部41は、設定値が正常でない場合には、設定値表示器24の表示態様を正常な設定値を表示するときの表示態様とは異なる特定態様として、「C」を表示する表示態様に制御する構成であるが、特定態様として、設定値表示器24に正常な設定値を表示するときの表示態様と異なる態様に制御する構成、例えば、設定値表示部の表示を点滅させる態様に制御する構成、設定値表示部の表示を非表示とする態様に制御する構成、設定値表示部の表示の色彩を正常な設定値を表示するときの色彩と異ならせる態様に制御する構成等でも良い。
【0294】
本実施例のメイン制御部41は、設定変更状態において、設定値が正常な値でない場合に、更新操作としてリセット/設定スイッチ38の操作がされることで、選択中の設定値(設定値1~6)として、設定値のうち遊技者にとって有利度が最も低い段階の設定値(1)に更新するので、設定値が正常な値でない場合に、遊技店の店員により意図せずに、遊技者にとって有利度の高い設定値が設定されてしまうことを防止できる。
【0295】
本実施例のメイン制御部41は、設定変更状態において、設定値が正常な値でない場合に、設定値表示器24の表示態様を特定態様として、特定の文字(本実施例では、「C」)を表示させる制御を行うので、設定値表示器24が特定態様に制御されていることを、容易に認識させることができる。
【0296】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、設定変更状態において設定値が正常な値でない場合に、設定値表示器24の表示態様を特定態様として、特定の文字「C」を表示させる構成であるが、特定態様として、特定の文字「C」以外の文字(例えば、「E」等)、特定の数字(設定値1~6以外の数字)または特定の記号を適用する構成でも良く、このような構成でも、設定値表示器24が特定態様に制御されていることを、容易に認識させることができる。
【0297】
本実施例のメイン制御部41は、RAM1cの所定領域に遊技に関連する情報を記憶し、設定変更状態に移行することに伴って、RAM1cに記憶されている遊技に関連する情報を初期化することが可能であり、一定間隔毎にタイマ割込処理(メイン)を実行して、当該タイマ割込処理(メイン)においてRAM1cに格納されている遊技に関連する情報に含まれる出力データに基づいてパラレル出力ポート513から出力信号を出力する制御を行うことが可能な構成であって、設定変更状態に移行する場合にタイマ割込処理(メイン)が実行されるまでにRAM1cに記憶されている出力データを含む遊技に関連する情報を初期化するので、設定変更状態に移行した後に、初期化されるべき出力データに基づいてパラレル出力ポート513から出力信号を出力する制御が行われることを防止できる。
【0298】
本実施例のメイン制御部41は、RAM1cの所定領域に遊技に関連する情報を記憶し、一定間隔毎にタイマ割込処理(メイン)を実行して、当該タイマ割込処理(メイン)においてRAM1cに記憶されている出力データに基づいてパラレル出力ポート513から出力信号を出力する制御を行うことが可能な構成であり、設定変更状態に移行する場合にタイマ割込処理(メイン)が実行されるまでに、設定変更状態への移行に関連して出力制御を行わせる出力データとして、設定値表示器24に設定値を表示させるためのデータ、設定変更状態である旨を示す外部出力信号を出力させるためのデータを、RAM41cの所定領域に設定されている出力バッファに設定するので、設定変更状態に移行した後のタイマ割込処理(メイン)において速やかにパラレル出力ポート513から出力データに基づいて出力信号を出力する制御を行わせることができる。
【0299】
次に、本実施例のメイン制御部41がコマンドを送信するための処理について、図22図27に基づいて説明する。
【0300】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時においては、当該ゲームの開始に伴い各種の制御状態(例えば、遊技状態やナビ報知が実行される状態か否か等)を更新し、更新された制御状態に基づいてゲームに関する制御(例えば、内部抽選やナビ報知、遊技者にとって有利な有利状態に関する抽選等)を行い、当該ゲームの終了時においては、当該ゲームの結果(例えば、各リールに停止した図柄の組合せ、有利状態に関する抽選の結果)に応じて各種の制御状態を維持または更新する。また、ゲームの開始時及び終了時に、その時点における各種の制御状態を特定可能な制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信する。尚、制御状態には、スロットマシン1の機種毎の遊技性や設計思想等に応じて固有に設定される複数種類の状態が含まれており、制御状態コマンドの個数は、当該制御状態の種類数に応じて設定されるようになっている。
【0301】
図22に示すように、制御状態を特定可能な制御状態コマンドは、制御状態のうち、一単位のゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化し得る制御状態を特定可能な制御状態コマンド1と、当該ゲームに固有であり、ゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化することのない制御状態を特定可能な制御状態コマンド2と、を含む。
【0302】
制御状態コマンド1には、メイン制御部41での遊技状態に関連する制御状態を特定可能な複数の遊技状態関連コマンドと、AT中すなわち遊技者にとって有利な有利状態としてATの制御が行われていることに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドAと、非AT中すなわちATの制御が行われていないことに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドBと、が含まれ、制御状態コマンド2には、当該ゲームに固有な制御状態を特定可能な複数のゲーム内固有情報コマンドが、含まれる。
【0303】
また、遊技状態関連コマンドには、例えば、メイン制御部41での遊技状態を特定可能なコマンド、遊技状態が所定数のゲームが行われることに伴い移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、遊技状態が所定の枚数のメダルが払出されることで移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
【0304】
また、AT関連コマンドAには、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利の数を特定可能なコマンド、当該ゲームで制御されているATの制御が継続される残りのゲーム数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
【0305】
AT関連コマンドBには、例えば、前のATの制御が終了された後からATの制御が行われていない通常状態で行われる通常ゲームの累積数を特定可能なコマンド、通常状態行われた通常ゲーム数が所定ゲーム数に達することで遊技者にとって有利な有利状態に制御される場合に、有利状態に制御されるまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、ATに制御される権利が付与され当該ATの制御が開始されるまでの残りゲーム数の等が、含まれる。
【0306】
ゲーム内固有情報コマンド群には、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利を付与するか否かを決定するAT抽選の当選状況を特定可能なコマンド、ATに制御されるゲーム数の上乗せ状況を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選の結果に応じて決定される遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選結果に応じて決定される演出(例えば、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態、当該フリーズ状態においてリールを用いて行うリール演出、内部抽選結果を示唆する演出等)の種類を特定可能なコマンド、含まれる。
【0307】
本実施例のメイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する一のコマンドは、2バイト(1バイトの通信データ2つで1組)で構成され、1バイト目(MODE)はコマンドの分類を表し、2バイト目(EXT)はコマンドの内容を表すようになっている。制御状態コマンドに含まれる各コマンドについても、他のコマンドと同様に2バイトで構成されており、特に、図22に示すように、制御状態コマンドに含まれる一連の各コマンドのMODEは、送信される順番に対応する連続した数値(本実施例では、B0~CF)に設定されている。
【0308】
尚、本実施例で示すコマンドの形態(1バイトの通信データ2つで1組のコマンドをなす形態)は一例であって、他のデータ形態、例えば、一の通信データを2バイト以上とする形態、1つまたは3つ以上の通信データで一のコマンドを構成する形態、これらの形態の組合せた形態等、を用いても良い。また、本実施例では、制御状態コマンドに含まれる各コマンドのMODEは、初期値(B0)から順次加算処理(1を加算する処理)により得られる連続した数値であるが、加算処理以外の他の演算処理(四則演算等)により得られる数値であっても良い。
【0309】
また、制御状態コマンドに含まれる各コマンドにおいてEXTとしてサブ制御部91に送信されることとなる具体的なコマンドの内容を示すデータは、上述のメイン処理及びタイマ割込処理(メイン)において実行される各種処理により、各データに対応するRAM41cの所定のデータアドレスの領域に設定されるようになっており、各データのデータアドレスは、MODEの値と同様に、送信される順番に対応する連続する数値となるように設定されており、初期値(制御状態コマンドのうち最初に送信されるコマンドのデータアドレス)から順次加算処理(1を加算する処理)を行うことにより得られるようになっている。尚、制御状態コマンドに含まれる各コマンドのデータアドレスにより特定されるRAM41cの所定領域には、コマンドの内容を示すデータが記憶され、当該データアドレスの領域を参照することで該当するデータを直接的に読み出すことができる構成であっても良いし、当該データアドレスを参照することで間接的に該当するデータを読み出せる構成、例えば、当該データアドレスにRAM41cの所定領域を示す第2のアドレスが記憶されており、第2のアドレスに従って所定領域をさらに参照することで、該当するデータを読み出すことができるような構成や、当該データアドレスを参照することで、該当するデータを演算することが可能となっており、演算の結果として当該データが得られる構成等であっても良い。当該データアドレスを参照することで間接的に該当するデータを読み出せる構成とすることで、例えば、連続する数値のデータアドレスの領域に当該データが記憶されない構成であっても、初期値に対する所定の演算処理(例えば、加算処理)により該当するデータを読み出すことが可能である。
【0310】
次に、本実施例のメイン制御部41が実行するコマンドを送信するための処理であって、ゲームの開始時に実行するゲーム開始時送信コマンド設定処理について、図23図25に基づいて説明する。
【0311】
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作が行われたときに、当選番号設定処理を実行し、内部抽選の結果に応じて内部抽選の当選状況を特定可能な当選番号をRAM41cの所定領域に設定した後、停止順データ設定処理を実行して、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データまたは遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(例えば、左第1停止)を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する。その後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を実行して、当該ゲームの開始時における制御状態を特定可能な制御状態コマンド、内部抽選結果を特定可能な当選番号を含む内部当選コマンドを、サブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定する。
【0312】
図23に示すように、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、まず、ゲームが開始されることに伴って複数の制御状態のうち該当する制御状態を更新する制御状態更新処理を実行する(Sk1)。制御状態更新処理では、制御状態のうち、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数等、前回のゲームの結果により定められている制御状態については、更新することなく維持する。また、例えば、ATに制御される権利の数、ATに制御される残りゲーム数等、ゲームの開始に伴って所定の条件が成立することで変化し得る制御状態については、所定の条件の成立状況に応じて更新する。また、例えば、AT抽選の当選状況、遊技者にとって有利な停止順、演出の種類等、ゲームの開始に伴って新たに決定される制御状態については、新たに設定する。
【0313】
Sk1のステップにおいて制御状態更新処理を実行した後には、各制御状態を特定可能な制御状態コマンドに含まれる上述のコマンド群を一括してコマンドキューに設定する制御状態コマンド一括設定処理を実行する(Sk2)。
【0314】
図24に示すように、制御状態コマンド一括設定処理では、RAM41cの所定領域に設定されているMODEの値を、初期値(本実施例では、制御状態コマンドに含まれる遊技状態関連コマンドのMODEであるB0)に設定する(Sl1)。また、RAM41cの所定領域に設定されているデータアドレスの値を、初期値(遊技状態関連コマンドのデータが記憶されている領域のアドレスの値)に設定する(Sl2)。また、RAM41cの所定領域に設定されている処理回数の値を、制御状態コマンド群に含まれるコマンドの個数に設定する(Sl3)。
【0315】
その後、タイマ割込を禁止に設定して(Sl4)、タイマ割込を禁止した状態で、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定する(Sl5)。そして、データアドレスの値に対応するアドレスのRAM41cの領域に記憶されているデータを取得し、RAM41cの所定領域にEXTとして設定して(Sl6)、当該EXTをコマンドキューに設定する(Sl7)。
【0316】
その後、タイマ割込待ち処理を実行する(Sl8)。タイマ割込待ち処理では、タイマ割込を許可に設定して、タイマ割込処理(メイン)が行われるまで待機し、タイマ割込処理(メイン)が終了した後に呼び出し元の処理に戻る。タイマ割込処理(メイン)では、後述するように、スロットマシン1への電力供給が停止することが検出されない場合に、当該タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に通常時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているデータ(コマンドを構成するMODE及びEXT)を1バイトずつサブ制御部91に対して送信するようになっている。よって、Sl8のステップにおいてタイマ割込待ち処理が実行されることで、通常コマンド送信処理が実行されることとなり、Sl5及びSl7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち先に設定されたMODEが、コマンドの1バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0317】
Sl8のステップにおけるタイマ割込待ち処理が終了した後には、再びタイマ割込待ち処理を実行する(Sl9)。これにより、タイマ割込処理(メイン)において実行される通常コマンド送信処理により、Sl5及びSl7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち後に設定されたEXTが、コマンドの2バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなり、Sl8及びSl9のステップによる2回のタイマ割込待ち処理が実行されることにより、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTがサブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0318】
その後、RAM41cの所定領域のMODEの値に1加算し(Sl10)、RAM41cの所定領域のデータアドレスの値に1加算する(Sl11)。そして、RAM41cの所定領域の処理回数の値を1減算し(Sl12)、減算後の残りの処理回数の値が0であるか否かを判定して(Sl13)、制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定したか否かを判定する。
【0319】
Sl13のステップにおいて残りの処理回数の値が0でないと判定した場合、すなわち制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定しておらず、未だコマンドキューに設定していないコマンドが残っている場合には、Sl4のステップに戻り、再びタイマ割込を禁止に設定した状態で、Sl5~Sl7のステップの処理を行った後にSl10及びSl11のステップの処理を実行することで、未だコマンドキューに設定していないコマンドのMODE及びEXTをコマンドキューに順次設定する処理を繰り返し行う。
【0320】
そして、Sl13のステップにおいて残りの処理回数が0であると判定した場合、すなわち制御状態コマンド群に含まれる全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した場合には、制御状態コマンド一括設定処理を終了させて、呼び出し元のゲーム開始時コマンド送信処理に戻る。
【0321】
ゲーム開始時コマンド送信処理では、Sk2のステップにおける制御状態コマンド一括設定処理が終了した後に、内部当選コマンド設定処理(第1の内部当選コマンド)を実行して(Sk3)、内部抽選結果に基づいて特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定するコマンド送信処理を実行する(Sk4)。
【0322】
コマンド設定処理では、図25に示すように、タイマ割込を禁止に設定し(Sm1)、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定した後、RAM41cの所定領域のEXTをコマンドキューに設定する(Sm2)。そして、Sm1のステップにおいて設定したタイマ割込の禁止を解除し(Sm3)、当該コマンド設定処理を終了して、ゲーム開始時送信コマンド設定処理に戻る。コマンド設定処理では、制御状態コマンド一括設定処理のように、一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後にタイマ割込待ち処理を実行しないが、Sm3のステップにおいてタイマ割込の禁止が解除されることで、その後割込の行われる所定のタイミングでタイマ割込処理(メイン)が行われるので、コマンド設定処理のSm2のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTは、Sm3のステップ後の所定のタイミングのタイマ割込処理(メイン)において通常コマンド送信処理が実行されることで、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0323】
Sk4のステップにおけるコマンド設定処理が終了した後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)を実行して(Sk5)、内部抽選結果に基づいて一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、コマンド送信処理を実行し(Sk6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。Sk6のステップのコマンド設定処理においてコマンドキューに設定された第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTは、Sk4におけるコマンド設定処理の場合と同様に、その後割込の行われる所定のタイミングでタイマ割込処理(メイン)において通常コマンド送信処理が実行されることで、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0324】
Sk6のステップにおいて内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)に対応するコマンド設定処理を実行した後、当該コマンド設定処理を終了させ、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、スタート操作が行われたことに伴いリール2L、2C、2Rの回転制御を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
【0325】
このように、本実施例のメイン制御部41は、第1のタイミングとしてスタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始時に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるようになっている。
【0326】
また、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、割込み禁止した状態で一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が1回行われるまで待機するタイマ割込待ち処理を2回連続して実行することで、2回続けてタイマ割込み処理(メイン)を実行させて、コマンドキューのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信させることで、一のコマンドを構成する1組の単位データ(各1バイトのMODE及びEXT)を2つ続けて送信させるようになっている。
【0327】
また、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、一のコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後にタイマ割込待ち処理を2回実行して、1組の単位データを送信させた後に、他の一のコマンドについて同様にMODE及びEXTをコマンドキューに設定してタイマ割込待ち処理を2回の実行する処理を行うことで、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、一のコマンドずつコマンドキューに設定して送信させるようになっている。
【0328】
また、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドの各MODEは、初期値から1ずつ加算処理することで得られる連続する数値に設定されている。そして、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際に、初期値から1ずつ加算処理した値を制御状態コマンドの各コマンドのMODEとしてコマンドキューに設定することで、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドは、MODEとして設定されている連続する数値の順番で、サブ制御部91に対して送信されるようになっている。
【0329】
また、メイン制御部41は、ゲーム開始時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、内部当選コマンド設定処理を実行してスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信される内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、共通の内部当選コマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通の内部当選コマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行われることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
【0330】
次に、本実施例のメイン制御部41がゲームの終了時に所定のコマンドを送信するための処理について、図26に基づいて説明する。
【0331】
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作に伴い回転制御が開始されたリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき(第3停止の操作のストップスイッチが離されたとき)、すなわちゲームの終了時に、上述の制御状態コマンド及びゲームの結果に関連するコマンドをサブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定するゲーム終了時送信コマンド設定処理を実行する。
【0332】
図26に示すように、ゲーム終了時送信コマンド設定処理では、まず、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に基づいてドアコマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sn1)、コマンド送信処理を実行して(Sn2)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。
【0333】
その後、制御状態更新処理を実行して(Sn3)、ゲームが終了すること及びゲームの結果に基づいて該当する制御状態を更新する。制御状態更新処理では、制御状態のうち、リール2L、2C、2Rに停止した図柄の組合せ、すなわちゲームの結果に応じて変化し得る制御状態、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、ATに制御される権利の数等については、当該ゲームの結果に応じて更新または維持し、所定の状態においてゲームが行われたことに伴い変化する制御状態、例えば、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数、ATに制御される残りゲーム数等については、該当する状態でゲームが行われたことに応じて1減算させるように更新または減算させることなく維持し、ゲームの結果や所定の状態でゲームが行われたことに関わらず変化することがない制御状態、例えば、AT抽選の当選状況、遊技者にとって有利な停止順、演出の種類等については変更することなく維持するように制御する。
【0334】
Sn3のステップにおいて制御状態更新処理を行った後は、上述の制御状態コマンド一括設定処理を行い(Sn4)、Sn3のステップにおいて更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンド1及び制御状態コマンド2をサブ制御部91に対して送信させる。
【0335】
その後、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せに基づいてRAM41cの所定領域に設定された入賞番号を取得し、当該入賞番号に基づいて入賞番号コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sn5)、コマンド送信処理を実行して(Sn6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。その後、Sn5及びSn6のステップにおいて入賞番号コマンドをコマンドキューに設定するのと同様にして、ゲームの終了に伴い送信する所定のコマンド(例えば、払出枚数コマンド、遊技終了コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、エラーコマンド等)について、MODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後に、コマンド送信処理を実行して、MODE及びEXTをコマンドキューに設定する。そして、ゲームの終了に伴い送信する全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後には、当該ゲーム終了時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、ゲームの結果に応じてメダルの払出しや再遊技の設定を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
【0336】
このように、本実施例のメイン制御部41は、第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了時に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるようになっている。
【0337】
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態更新処理を実行して、ゲームの終了に伴い変化し得る制御状態を更新または維持する制御を行った後に、制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンド一括設定処理では制御状態更新処理により更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンドを送信させるようになっている。
【0338】
また、メイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、入賞番号コマンド等のスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信されるコマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、入賞番号コマンド等の共通のコマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通のコマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行われることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
【0339】
次に、本実施例のメイン制御部41がタイマ割込処理(メイン)において実行する通常次コマンド送信処理及び電断時コマンド送信処理について、図16に基づいて説明する。
【0340】
図27に示すように、タイマ割込処理(メイン)のSi3のステップにおいて、RAM41cの所定領域に電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていないと判定した場合には、メイン処理により制御されるゲームの進行段階に応じて各種制御を行うための処理(例えば、カウンタの更新に関する処理、スイッチ類の入力判定に関する処理、リールモータの位相信号の更新に関する処理、コマンドの送信に関する処理等)を順次実行する。
【0341】
タイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理の一つとして、コマンドキューに設定された各種コマンドをサブ制御部91に送信する通常時コマンド送信処理を実行する(Si6)。通常時コマンド送信処理では、コマンドキューに設定されているコマンドを構成する1バイトのMODEまたは1バイトのEXTであって、未送信のMODEまたはEXTのうち最初に設定されたものをコマンドキューの送信ポインタ値に基づいて特定して、特定したMODEまたはEXTを出力ポートから出力させた後、MODEまたはEXTを出力した旨をサブ制御部91に通知するためのストローブ信号を所定時間(本実施例では、10μs)出力させる。そして、送信ポインタ値を次の未送信のMODEまたはEXTを示す値に更新して、当該通常時コマンド送信処理を終了させる。これにより、タイマ割込処理(メイン)が行われる毎に、コマンドキューに設定されているMODEおよびEXTが1バイトずつサブ制御部91に対して送信されて、コマンドキューに残された未送信のMODEおよびEXTは、次回以降のタイマ割込処理(メイン)において送信されることとなる。
【0342】
また、Si3のステップにおいて、RAM41cの所定領域に電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていると判定した場合には、電断処理前にコマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信する電断時コマンド送信処理を実行する(Si8)。
【0343】
電断時コマンド送信処理では、コマンドキューの送信ポインタ値に基づいて、未送信のMODEまたはEXTのうち最初に設定されたものを特定し、特定したMODEまたはEXTを出力ポートから出力させた後、ストローブ信号を出力させ、送信ポインタ値を次の未送信のMODEまたはEXTを示す値に更新する処理を繰り返し行って、停電判定処理において電断が検出された時点においてコマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTを1バイトずつ順次、サブ制御部91に対して送信させる。
【0344】
そして、Si8のステップにおける電断時コマンド送信処理により、コマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTを送信させた後には、電断処理(メイン)を実行して、スロットマシン1への電力供給が再開されたときに電断前の制御状態に復帰可能とするための処理を行って、その後のゲームに関する制御等のメイン制御部41での処理を不能化する。
【0345】
このように、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において、電断が検出されない場合には、通常時コマンド送信処理を実行する一方で、電断が検出される場合には、電断時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信するようになっている。
【0346】
また、通常時コマンド送信処理では、コマンドキューに最初に設定された一のMODEまたはEXTのみがサブ制御部91に対して送信され、未送信のMODE及びEXTは、次回以降のタイマ割込処理(メイン)において送信されるのに対して、電断時コマンド送信処理では、コマンドキューに格納された未送信の全てのMODE及びEXTがサブ制御部91に対して送信され、未送信のMODE及びEXTが残ることがないようになっている。
【0347】
本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの制御を行うことが可能であり、ゲームの制御状態を示す制御状態コマンドを含む複数のコマンドを送信することが可能であり、これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドの受信に応じてメイン制御部41側での制御状態を特定して、演出の制御を行うことが可能である。
【0348】
このような構成では、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させるために、メイン制御部41側において制御状態が変化する毎に変化した制御状態を示す制御状態をその都度送信するような構成とすると、メイン制御部41がコマンドの送信に係るプログラム容量が増大してしまうという問題がある。
【0349】
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミングとしてスタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始時と、第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了時とに、メイン制御部41側でのゲームの制御状態を特定可能な複数種類のコマンドを含む制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であり、制御状態コマンドには、第1のタイミングと第2のタイミングで変化しない制御状態、すなわち1単位のゲームのうち複数のタイミングにおいて変化することがない制御状態を特定可能な第1の制御状態コマンドとしての制御状態コマンド2と、第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態、すなわち1単位のゲームのうち複数のタイミングにおいて変化することがある制御状態を特定可能な第2の制御状態コマンドとしての制御状態コマンド1と、を含んでおり、メイン制御部41は、第1のタイミングにおいても第2のタイミングにおいても共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンドに含まれる全てのコマンドを送信させるので、制御状態コマンドに基づいてサブ制御部91側でメイン制御部41側での制御状態を詳細に把握させつつ、メイン制御部41が制御状態コマンドを送信する際の処理を行うためのプログラム容量を削減することができる。
【0350】
尚、本実施例では、第1の制御手段として遊技の制御を行うメイン制御部41が、第2の制御手段として演出の制御を行うサブ制御部91に対してコマンドを送信可能な構成であるが、第1の制御手段は、第2の制御手段に対してコマンド等の制御情報を送信する制御手段であり、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、第1の制御手段として遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段を適用し、第2の制御手段として、例えば、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を適用しても良い。
【0351】
また、本実施例では、メイン制御部41は、第1のタイミングとしてゲームの開始時と、第2のタイミングとしてゲームの終了時とに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、1単位ゲームにおける複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であるが、メイン制御部41は、少なくとも1単位ゲームにおいて制御状態が変化する前後のタイミングを含む複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であれば良く、ゲームの開始時以外や終了時以外の複数のタイミングを含む構成であっても良いし、ゲームの開始時及び終了時とその他のタイミングを含む構成、3つ以上の複数のタイミングを含む構成であっても良い。このような構成とすることで、サブ制御部91に対して制御状態が変化したことをより詳細に把握させられる。
【0352】
また、本実施例では、制御状態の一種類である遊技者にとって有利な有利状態としてATの制御を適用しているが、遊技者にとって有利な有利状態として他の制御、例えば、ATに制御される権利を付与するか否かを決定する抽選に当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、ATに制御されるゲーム数を上乗せするか否かを決定する抽選に当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、内部抽選にて再遊技役が当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、内部抽選にて小役が当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態を適用しても良く、このような構成においても、各有利状態に関する制御状態を、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドとしてメイン制御部41からサブ制御部91に対して送信する構成とすることで、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させることができる。
【0353】
本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングにおいて制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、1単位ゲームにおける複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であり、第1のタイミングは、スタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始に伴うタイミングであり、第2のタイミングは、リール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了に伴うタイミングであるので、第2の制御手段であるサブ制御部91側でゲームの最初と最後に第1の制御手段であるメイン制御部41の制御状態を把握させることができる。
【0354】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの開始に伴うタイミングである第1のタイミングとして、スタートスイッチ7の操作がされたときに、制御状態コマンド一括設定処理を実行して制御状態コマンドを送信させる構成であるが、第1のタイミングは、ゲームの開始時であれば良く、第1のタイミングとして、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rの回転制御が開始されたタイミング、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rが定速状態となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けが有効化されたタイミング、ゲームの開始に伴って行われた内部抽選の当選状況を特定可能な内部当選コマンドを送信した後のタイミング等のタイミングを適用しても良い。
【0355】
また、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの終了に伴う第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき(第3停止のストップスイッチが押下された後、離されたとき)に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して制御状態コマンドを送信させる構成であるが、第2のタイミングは、ゲームの終了時であれば良く、第2のタイミングとして、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rの回転制御が開始されたタイミングや、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が開始されたタイミング(第3停止のストップスイッチが押下されたとき)、ゲームの終了に伴い全てのリール2L、2C、2Rの停止制御が終了したタイミング、ゲームの終了に伴い全てのリール2L、2C、2Rが停止状態となったタイミング、リール2L、2C、2Rの第3停止の操作が行われてから次のゲームのスタート操作が行われるまでの間のタイミング(例えば、払出しが行われるタイミング、再遊技の設定または賭数の設定が行われるタイミング等)等のタイミングを適用しても良い。
【0356】
本実施例のメイン制御部41は、所定の条件が成立することで遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御することが可能であるとともに、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能な構成であって、制御状態コマンドには、第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態を特定可能な制御状態コマンド1が含まれ、当該制御状態コマンド1には、有利状態としてATに制御されている状態では1単位のゲーム毎に変化し得る一方で有利状態としてATに制御されている状態以外では1単位のゲーム毎に変化しない制御状態を特定可能なAT関連コマンドAを含んでおり、当該AT関連コマンドAについても共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドとして送信するので、第2の制御手段としてのサブ制御部91側で第1の制御手段としてのメイン制御部41の制御状態を詳細に把握しつつ、第1の制御手段としてのメイン制御部41が制御状態コマンドを送信する際のプログラム容量を削減することができる。
【0357】
本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態を特定可能な複数種類のコマンド含む制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能な構成であって、制御状態コマンドに含まれる各コマンドは、当該コマンドを構成するデータでありコマンドの分類を表すMODEとして、種類別に連続する番号が付されており、メイン制御部41は、一のタイミングで実行される制御状態コマンド一括設定処理において、MODEとして付されている連続する番号の順番で、制御状態コマンドに含まれる各コマンドをコマンドキューに設定して送信させるので、第2の制御手段としてのサブ制御部91側で制御状態コマンドが送信された順序が正常であるかを把握することができる。
【0358】
本実施例のメイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる各コマンドを送信させる際に、初期値または初期値から各コマンドを送信させる毎に1加算処理して得られた値を、コマンドを構成するMODEとして設定するので、複数種類の制御状態コマンドを作成するためにデータテーブルのような比較的大きなデータを必要とせずに、初期値と加算用値のみで済むので、制御状態コマンドを作成するためのデータ容量を削減することができる。また、このような構成では、一般的にスロットマシン1の設計においては、スロットマシン1の機種等によってサブ制御部91に把握させる制御状態の種類の数が増減することとなるが、制御状態の種類の数に関わらず、制御状態コマンド一括設定処理において、初期値と加算用値のみで制御状態コマンドに含まれる各コマンドを作成することができる。
【0359】
本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの制御を行うことが可能であり、ゲームの制御状態を示す制御状態コマンドを含む複数のコマンドを送信することが可能であり、これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドの受信に応じてメイン制御部41側での制御状態を特定して、演出の制御を行うことが可能な構成であり、メイン制御部41は、ゲームの進行に応じてコマンドを生成してコマンドキューに格納し、タイマ割込により定期的に実行される通常時コマンド送信処理においてコマンドキューに格納されたコマンドをサブ制御部91に対して送信する構成である。
【0360】
このような構成では、例えば、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させるために、メイン制御部41側において制御状態が変化する毎に変化した制御状態を示す複数種類の制御状態コマンドをその都度送信しようとすると、複数のコマンドが短期間に集中して生成されることとなり、コマンドキューがオーバーフローしてしまうことにより全てのコマンドを送信できなくなる虞がある。
【0361】
これに対して、本実施例では、メイン制御部41が送信する一のコマンドは、1バイトのMODE及び1バイトのEXTから構成されており、メイン制御部41は、ゲームの進行に応じてコマンドのMODE及びEXTを作成してコマンドキューに設定し、その後、定期的にタイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、コマンドキューに設定されているMODE及びEXTを1バイトずつサブ制御部91に対して送信する構成であり、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるための制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを送信させる際に、当該コマンドのMODE及びEXTを作成してコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が実行されるまで待機する割込待ち処理を2回実行することで、コマンドキューに設定されている当該コマンドのMODE及びEXTが送信されるのに要する期間にわたり制御の進行を待機させることで、当該コマンドのMOED及びEXTがサブ制御部91に対して送信されていない状態で、新たに他の一のコマンドがコマンドキューに設定されることを防止するため、新たに作成されたコマンドのMODE、EXTによってコマンドキューがオーバーフローすることがなく、制御状態コマンドをサブ制御部91に対して確実に送信することができる。
【0362】
尚、本実施例では、第1の制御手段として遊技の制御を行うメイン制御部41が、第2の制御手段として演出の制御を行うサブ制御部91に対してコマンドを送信可能な構成であるが、第1の制御手段は、第2の制御手段に対してコマンド等の制御情報を送信する制御手段であり、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、第1の制御手段として遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段を適用し、第2の制御手段として、例えば、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を適用しても良い。
【0363】
また、本実施例では、メイン制御部41は、定期的にタイマ割込処理(メイン)を実行して、コマンドキューに設定されているMODE、EXTを1バイトずつサブ制御部91に対して送信する構成であるが、コマンドキューに設定されているMODE、EXT等のデータが、所定周期毎に送信される構成であれば、メイン制御部41による割込処理等のプログラム(ソフトウェア)により送信する構成でも良いし、メイン制御部41以外の送信回路等の制御手段を設けて、コマンドキューに設定されているデータを所定周期毎に当該制御手段(ハードウェア)により送信する構成でも良い。
【0364】
また、本実施例では、メイン制御部41は、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるための制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれるコマンドをコマンドキューに設定した後に、割込待ち処理を2回実行することで、コマンドキューに設定したMODE及びEXTが送信されるのに要する期間にわたり制御の進行を待機させる構成であるが、制御状態コマンドに含まれるコマンドをコマンドキューに設定した後には、コマンドキューに設定したMODE及びEXTが送信されるのに要する所定の期間以上の期間にわたり制御の進行を待機させる構成であれば良く、例えば、割込待ち処理を3回以上実行することで、所定の期間以上の時間にわたり制御の進行を待機させる構成、コマンドキューに一のコマンドを設定した後からの経過時間を計時するタイマを設けて、当該タイマによりタイマ割込処理(メイン)が2回行われるのに要する所定時間以上の時間が計時されたときに、新たな一のコマンドをコマンドキューに設定する構成等とすることで、一のコマンドが送信されるのに要する所定の期間以上の期間にわたり制御の進行を待機させることができる。
【0365】
本実施例では、メイン制御部41が送信するコマンドは、MODE及びEXTから構成される2バイトのコマンドであり、タイマ割込処理(メイン)では、コマンドキューに設定されているMODE及びEXTを1バイトずつサブ制御部91に対して送信する構成であるが、タイマ割込処理(メイン)では、所定周期毎にコマンドキューに設定されているコマンドを、コマンドを構成するデータの総容量よりも少ない容量ずつ第2の制御手段としてのサブ制御部91に対して送信する構成において、第1の制御手段としてのメイン制御部41は、コマンドを構成する全てのデータをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)により一のコマンドを構成する全てのデータが送信されるために要する期間にわたり制御の進行を待機する構成であっても良く、このような構成においても、本実施例の構成と同様の効果を奏することができる。
【0366】
本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、スロットマシン1への電力供給が停止されるか否かを判定し、スロットマシン1への電力供給が停止されると判定した場合には、ゲームの制御の進行を不能化する構成であって、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、スロットマシン1への電力供給が停止されないと判定した場合には、通常時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTの1つを第2の制御手段としてのサブ制御部91に対して送信し、スロットマシン1への電力供給が停止されると判定した場合には、通常時コマンド送信処理を実行せずに、ゲームの制御の進行を不能化する前に、電断時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されている全てのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信するので、コマンドを構成するMODE及びEXTの送信中にゲームの制御の進行が不能化されてしまうことがない。また、コマンドキューに格納されている一のコマンドを構成するMODE及びEXTの一部が送信された後、スロットマシン1への電力供給が停止される場合であっても、一のコマンドを構成するMODE及びEXTの全て送信させることができる。
【0367】
本実施例のメイン制御部41は、内部当選コマンドやドアコマアンドなど制御状態コマンド以外の一のコマンドを送信する第1の送信契機においては、コマンド設定処理を実行してコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定し、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドを送信する第2の送信契機においては、制御状態コマンド一括設定処理を実行してコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定する構成であり、第2の送信契機である制御状態コマンド一括設定処理においては、一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が実行されるまで待機する割込待ち処理を実行して、ゲームの制御の進行を待機させるので、短期間に複数のコマンドを構成するMODE及びEXTがコマンドキューに設定される場合でもコマンドキューがオーバーフローしてしまうことを防止できる。
【0368】
本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)においてコマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTを1バイトずつ送信する構成であって、制御状態コマンド一括設定処理では、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が1回実行されるまで待機する割込待ち処理を2回実行することで、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTが送信するのに要する期間にわたりゲームの制御の進行を待機させるので、制御状態コマンド一括設定処理以外の他の処理においても使用される共通の割込待ち処理を複数回実行することで、ゲーム制御の進行を待機させるので待機に係るプログラム容量を削減できる。
【0369】
また、本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において、タイマ割込処理(メイン)においてコマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTを1バイトずつ送信するとともに、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなどのスイッチ類の出力状態を更新し、その後のメイン処理において該当するスイッチの出力状態を参照し、当該出力状態に基づいてゲームの進行を制御する構成であって、メイン処理においてゲームの進行を制御する際に、タイマ割込処理(メイン)が1回実行されるまで待機する割込待ち処理を実行した後に、各スイッチ類の出力状態を参照する構成であり、メイン処理において実行する制御状態コマンド一括設定処理では、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が1回実行されるまで待機する割込待ち処理を2回実行することで、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTが送信するのに要する期間にわたりゲームの制御の進行を待機させるので、制御状態コマンド一括設定処理以外の他の処理としてスイッチ類の操作を検出する処理においても使用される共通の割込待ち処理を複数回実行することで、ゲーム制御の進行を待機させるので待機に係るプログラム容量を削減できる。
【0370】
本実施例のメイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理においてタイマ割込みを禁止に設定した後、タイマ割込みが禁止に設定されている状態で、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定し、その後、タイマ割込待ち処理を実行して、タイマ割込処理(メイン)を実行させることで、一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定する処理が完了される前にコマンドが送信されてしまうことを防止できる。
【0371】
次いで、本実施例のサブ制御部91のRAM91cに記憶されるデータ及び当該データに基づいてサブ制御部91がエラー等の発生の履歴を液晶表示器51に表示させるエラー履歴表示制御について、図27図36に基づいて説明する。
【0372】
図27に示すように、本実施例のサブ制御部91のRAM91cには、サブ制御部91が受信した各種コマンドに基づいて特定されるメイン制御部41側の制御の状態及びサブ制御部91における演出等の制御の状態に関する制御状態データが記憶される制御状態データ領域と、メイン制御部41及びサブ制御部91の診断に関する診断用データが記憶される診断用データ領域とが含まれる。診断用データ領域には、サブ制御部91が受信したコマンドの履歴に関するコマンド履歴データが記憶されるコマンド履歴データ領域と、サブ制御部91がコマンドに基づいて特定したメイン制御部41側でのエラー等やサブ制御部91が検出したエラー等に関するエラー履歴データが記憶されるエラー履歴データ領域とが含まれる。
【0373】
制御状態データ領域は、後述するサブ制御部91の起動処理(サブ)における初期化条件の成立時の初期化対象であり、初期化条件として、設定コマンドに基づいて、設定変更状態が開始されることが検出されたとき(設定変更検出時)、及びサブ制御部91のRAM91cの異常が検出されたとき(サブRAM異常時)、のいずれかの条件が成立することで初期化される。また、制御状態データ領域は、エラーコマンドに基づいてメイン制御部41側におけるRAM41cの異常が検出されたとき(メインRAM異常時)に、直接的には初期化されることはないが、メイン制御部41のRAM41cの異常時には、サブ制御部91によりエラー報知が行われて設定変更操作が行われるように促され、設定変更の操作が行われることで、設定変更状態が開始されることが検出されて、間接的に初期化される。また、制御状態データ領域は、復帰コマンドに基づいてメイン制御部41の正常な復帰が検出されるとき及びその後(メイン復帰検出時)には、初期化対象ではなく、初期化されない。一方で、診断用データ領域は、制御状態データ領域の初期化条件(設定変更検出時、サブRAM異常時、メインRAM異常時、メイン復帰検出時)のいずれの条件の成立時にも、初期化対象とはならず、診断用データ領域に含まれるコマンド履歴データ領域及びエラー履歴データ領域は、サブ制御部91により初期化されることはない。
【0374】
また、制御状態データ領域、診断用データ領域に含まれるコマンド履歴データ領域及びエラー履歴データ領域は、スロットマシン1への電力供給が停止される場合(電断時)のバックアップ対象であり、電断検出回路98からの電圧低下信号が検出される場合に、制御状態データ領域に記憶されている制御状態データ、診断用データ領域に記憶されているコマンド履歴データ及びエラー履歴データは、サブ制御部91によりバックアップRAM61の記憶領域に複製され、バックアップデータとして保持される。
【0375】
また、制御状態データは、バックアップRAM61にバックアップされているバックアップデータが正常であるか否かを判定する破壊判定の対象であり、後述する起動処理(サブ)において実行される破壊判定にてバックアップデータ内の制御状態データが参照される一方で、コマンド履歴データ及びエラー履歴データは、バックアップデータの破壊判定の対象でなく、破壊判定においてバックアップデータ内のコマンド履歴データ及びエラー履歴データが参照されることはない。
【0376】
また、コマンド履歴データ領域は、少なくとも1ゲームにおいてメイン制御部41からサブ制御部91に送信され得る最大個数より多い個数(本実施例では、100個)のコマンドを記録可能な容量が設定されており、エラー履歴データ領域は、少なくとも1日以上の営業期間においてメイン制御部41及びサブ制御部91において発生する可能性があるエラー等の数よりも多い個数(本実施例では、3日程度の営業期間において想定され得る100個)のエラー等を記録可能な容量が設定されている。
【0377】
次に、サブ制御部91が実行する起動処理(サブ)について図28に基づいて説明する。
【0378】
図28に示すように、サブ制御部91は、リセット回路95からリセット信号が入力されることで起動すると、起動処理(サブ)を実行して、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化する(Sp1)。その後、RAM91cへのアクセスを許可し(Sp2)、RAM91cの使用可能領域の全ての領域を初期化する(Sp3)。
【0379】
そして、バックアップRAM61の所定領域を参照して、バックアップRAM61に記憶されているバックアップデータに含まれる制御状態データのチェックサムを計算する(Sp4)。その後、バックアップデータに含まれる破壊判定用の破壊判定データを取得して、Sp4でのチェックサムの計算結果が破壊判定データと一致するか否かを比較し(Sp5)、当該比較結果が一致するか否かを判定する(Sp6)。
【0380】
Sp6のステップにおいて、バックアップデータに含まれる制御状態データのチェックサムの計算結果が破壊判定データと一致すると判定した場合、すなわちバックアップデータが破壊されておらず正常であると判定した場合には、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に複製して設定して(Sp7)、RAM91cの制御状態データ領域を電断の前の状態に復帰させる。
【0381】
そして、Sp7のステップにおいてバックアップデータの制御状態データをRAM91cに設定した後、または、Sp6のステップにおいてチェックサムの計算結果が破壊判定データと一致しないと判定した場合には、バックアップRAM61のバックアップデータに含まれるコマンド履歴データをRAM91cのコマンド履歴データ領域に複製するとともにバックアップデータに含まれるエラー履歴データをRAM91cのエラー履歴データ領域に複製することで、バックアップデータに含まれる診断用データをRAM91cの診断データ領域に設定して(Sp8)、RAM91cの診断用データ領域を電断の前の状態に復帰させる。
【0382】
その後、バックアップRAM61のバックアップデータを全て初期化し(Sp9)、エラーコマンド、設定コマンド(開始)、復帰コマンドのいずれかのコマンドをメイン制御部41から受信するか(Sp10~12)、起動処理(サブ)を開始してから所定時間が経過するまで待機する(Sp13)。
【0383】
Sp10のステップにてエラーコマンドを受信したと判定した場合には、Sp17のステップに進み、各演出装置の制御パターンとして、メイン制御部41側においてエラー状態の制御が行われている旨を報知するエラー中報知パターンをRAM91cの所定領域に設定した後、Sp18のステップに進む。
【0384】
Sp11のステップにて設定コマンド(開始)を受信したと判定した場合には、Sp15のステップに進み、メイン制御部41側において設定変更に伴いRAM41cが初期化されることに対応してRAM91cの制御状態データ領域を初期化した後(Sp15)、各演出装置の制御パターンとして、メイン制御部41側において設定変更状態の制御が行われている旨を報知する設定変更中報知パターンをRAM91cの所定領域に設定する(Sp16)。そして、Sp18のステップに進む。
【0385】
Sp12のステップにて復帰コマンドを受信したと判定した場合には、RAM91cの記憶内容を、Sp3~Sp8のステップにより設定された記憶内容のまま維持して、すなわち各演出装置の制御パターンを電断時に設定されていた制御パターンで維持して、Sp18のステップに進む。
【0386】
Sp18のステップでは、RAM91cの制御状態データに基づいて各演出装置の制御を再開させる復帰処理を実行して、Sp3~Sp8、Sp16、Sp17のステップにより設定された制御パターンでの各演出装置の出力を開始させる。また、復帰処理では、後述のエラー履歴記録処理を実行して、スロットマシン1への電力供給が開始された旨すなわち電源がオンにされた旨をエラー履歴データに加える処理を行う。その後は、メイン制御部41から受信したコマンド等に基づいてゲームの進行状況等に応じた演出の制御を行う。
【0387】
Sp10~Sp12のステップにおいてエラーコマンド、設定コマンド(開始)、復帰コマンドのいずれのコマンドを受信したと判定されることがなく、Sp13のステップにおいて、起動処理(サブ)を開始してから所定時間が経過したと判定した場合には、Sp14のステップに進み、検査モードに移行して、上述のように、CGROM基板99に搭載されたCGROM99a~cの記憶内容を検査するための簡易チェックの制御を開始する。簡易チェックの制御の開始後には、再度起動されることで起動処理(サブ)を最初から実行することとなる。
【0388】
このように、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてRAM91cの全ての領域を初期化した後、バックアップデータが正常であると判定した場合には、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に設定することで、バックアップデータが正常である場合には、電断からの復帰後も電断前の制御状態データを保持することが可能である。一方、バックアップデータが正常でないと判定した場合には、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に設定せずにバックアップデータの全てを初期化することで、バックアップデータが正常でない場合には、電断からの復帰後には、電断前の制御状態データを保持しないようになっている。
【0389】
また、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてバックアップデータが正常であると判定し、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に設定した後、バックアップデータを全て初期化し、その後、設定コマンド(開始)を受信した場合には、RAM91cの制御状態データ領域を初期化することで、メイン制御部41側にて設定変更に伴いRAM41cの記憶内容が初期化される場合に、電断前の制御状態データを保持しないようになっている。
【0390】
また、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてRAM91cの全ての領域を初期化した後、バックアップデータが正常であるか否かにかかわらず、バックアップデータに含まれる診断用データをRAM91cの診断用データ領域に設定した後、バックアップデータを全て初期化することで、バックアップデータが正常であるか否かにかかわらず、電断からの復帰後も電断前の診断用データ、すなわちコマンド履歴データ及びエラー履歴データを保持するようになっている。
【0391】
また、サブ制御部91は、起動処理(サブ)において、RAM91cの初期化条件として設定コマンド(開始)を受信した場合には、RAM91cの制御状態データ領域のみを初期化し、診断用データ領域を初期化しないことで、メイン制御部41側にて設定変更に伴いRAM41cの記憶内容が初期化されるか否かにかかわらず、電断からの復帰後も電断前の診断用データ、すなわちコマンド履歴データ及びエラー履歴データを保持するようになっている。
【0392】
次に、サブ制御部91がコマンド履歴データを作成するためにコマンド受信する毎に実行するコマンド履歴記録処理について図29に基づいて説明する。
【0393】
サブ制御部91は、上述のようにタイマ割込処理(サブ)によりコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行し、コマンド受信割込処理においてコマンド履歴記録処理を実行して、コマンド履歴データをRAM91cのコマンド履歴データ領域に作成する。
【0394】
図29に示すように、コマンド履歴記録処理では、コマンドを受信したことを判定した場合に(Sq1)、RAM91cの診断用データ領域内の所定領域を参照して、コマンド履歴データ領域内の領域であって、新たに受信したコマンドの情報を記録する領域を特定可能な記録用アドレス1を取得する(Sq2)。
【0395】
そして、Sq2のステップにおいて取得した記録用アドレス1に基づいて、コマンド履歴データ領域内の所定領域(当該記録用アドレス1の領域)を指定して、新たに受信したコマンド(種類及び内容を含む)を記録させる(Sq3)。その後、Sq2のステップにおいて参照した診断用データ領域内の記録用アドレス1を1つ分だけ次のアドレスに更新し(Sq4)、診断用データ領域内の更新後の記録用アドレス1がコマンド履歴データ領域の最終値であるか否かを判定し(Sq5)、更新後の記録用アドレス1が最終値である場合には、当該記録用アドレス1を初期値としてコマンド履歴データ領域の最初の値に設定し(Sq6)、コマンド履歴記録処理を終了させてコマンド受信割込処理に戻る。
【0396】
一方で、Sq5のステップにおいて更新後の記録用アドレス1が最終値に達していないと判定した場合には、更新後の記録用アドレス1をそそまま維持し、コマンド履歴記録処理を終了させてコマンド受信割込処理に戻る。
【0397】
このように、サブ制御部91は、コマンドを受信する毎にコマンド履歴記録処理を実行して、コマンド履歴データ領域に受信したコマンドを記録することで、コマンド履歴データを作成する。
【0398】
また、サブ制御部91は、コマンド履歴記録処理において、記録用アドレス1を順次更新しつつ、当該記録用アドレス1により指定されるコマンド履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域に、受信したコマンドを記録することでコマンド履歴データを作成するようになっており、コマンド履歴データ領域、すなわち当該コマンド履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域は、1ゲームにおいて受信し得る個数以上の個数(本実施例では、100個)のコマンドを記録可能な容量が設定されているので、コマンド履歴記録処理が実行されることで、当該コマンド履歴記録処理が実行される際に受信したコマンドから、それよりも前に受信した100個のコマンドがコマンド履歴データとして記録される。
【0399】
また、サブ制御部91は、コマンド履歴記録処理において、記録用アドレス1を順次更新し、更新後の記録用アドレス1がコマンド履歴データ領域の最終値に達する場合には、記録用アドレス1を初期値としてコマンド履歴データ領域の最初の値に設定して、当該記録用アドレス1により指定される領域に、受信したコマンドを記録してコマンド履歴データを作成するとともに、コマンド履歴データの記録用アドレス1を診断用データ領域に記憶することで、当該記録用アドレス1に基づいて、コマンド履歴データに記録されたコマンドの受信順序を特定すること、すなわち記録用アドレス1に基づいて最後に記録された最新のコマンド(記録用アドレス1の1つ前のアドレスのコマンド)を特定することや、記録用アドレス1よりも前のアドレスを1つずつ参照すること(コマンド履歴データ領域の最初のアドレスに達した場合には、最後のアドレスの1つ前のアドレスから1つずつ参照すること)で過去に受信したコマンドを、受信した順番に遡って特定することができるようになっている。
【0400】
尚、受信したコマンドと受信番号(例えば、0~99までの範囲で順次更新される値)を1組として特定可能に記録することで、コマンド履歴データに記録されたコマンドの受信順序を特定することが可能な構成であっても良い。
【0401】
次に、サブ制御部91がエラー履歴データを作成するためにタイマ割込処理(サブ)において実行するエラー履歴記録処理について図30に基づいて説明する。
【0402】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)、起動処理(サブ)における復帰処理、電断処理(サブ)においてエラー履歴記録処理を実行して、コマンド履歴データをRAM91cのエラー履歴データ領域に作成する。
【0403】
図30に示すように、エラー履歴記録処理では、メイン制御部41からエラーコマンドを受信したか否か(Sr1)、設定コマンド(開始)を受信したか否か(Sr2)、ドアコマンドに基づいて前面扉1bが開放されたことまたは閉鎖されたことを検出したか否か(Sr3)、サブ制御部91のRAM91cの異常やコマンドの受信異常(通信エラー)等のサブエラーをサブ制御部91が検出したか否か(Sr4)、後述する遊技履歴クリア操作によりサブ制御部91により保持している遊技履歴がクリアされたか否か(Sr5)、電源オン時すなわち起動処理(サブ)の実行中であるか否か(Sr6)、電源オフ時すなわち電断処理(サブ)の実行中であるか否か(Sr7)を判定する。
【0404】
Sr1~Sr7のステップにおいて、これらに該当する事象を検出したと判定した場合には、Sr8のステップに進み、RAM91cの診断用データ領域内の所定領域を参照して、エラー履歴データ領域内の領域であって、新たに検出されたエラー等の情報を記録する領域を特定可能な記録用アドレス2を取得し、時計装置97の出力に基づいて現在の時間情報(年月日及び時刻を含む情報)を取得する(Sr9)。そして、Sr8のステップにおいて取得した記録用アドレス2に基づいて、エラー履歴データ領域内の所定領域(当該記録用アドレス2の領域)を指定して、Sr9のステップで取得した現在の時間情報を記録させるとともに、Sr1~Sr7のステップにおいて新たに検出されたエラー等の種類(図31参照)を記録させる(Sr10)。
【0405】
Sr10においてエラー履歴データ領域に新たに検出されたエラー等の種類を記録させた後は、Sq8のステップにおいて参照した診断用データ領域内の記録用アドレス2を1つ分だけ次のアドレスに更新し(Sr11)、診断用データ領域内の更新後の記録用アドレス2がエラー履歴データ領域の最終値であるか否かを判定し(Sr12)、更新後の記録用アドレス2が最終値である場合には、当該記録用アドレス2を初期値としてエラー履歴データ領域の最初の値に設定し(Sr13)、エラー履歴記録処理を終了させて呼び出し元の処理に戻る。一方で、Sr12のステップにおいて更新後の記録用アドレス2が最終値に達していないと判定した場合には、更新後の記録用アドレス2をそそまま維持し、エラー履歴記録処理を終了させて呼び出し元の処理に戻る。
【0406】
Sr9のステップにおいてRAM91cに記録させるエラー等の種類は、図20に示すように、オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリア、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフを含む。
【0407】
そして、Sr1のステップにおいて、エラーコマンドを受信したと判定した場合には、エラー等の種類として、受信したエラーコマンドに基づき特定されるエラーに該当するオーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除のいずれかがRAM91cに設定される。また、Sr2のステップにおいて設定コマンド(開始)を受信したと判定した場合には、エラー等の種類として、RAMクリア(設定変更)がRAM91cに設定される。また、Sr3のステップにおいてドアコマンドに基づいて前面扉1bが開放されたことまたは閉鎖されたことを検出したと判定した場合であって、前面扉1bが開放されたことを検出した場合には、エラー等の種類としてドア開放を記録させる一方、前面扉1bが閉鎖されたことを検出した場合には、エラー等の種類としてドア閉鎖を記録させる。また、Sr4のステップにおいてサブエラーが検出されていると判定した場合には、エラー等の種類として、サブ制御部91により検出されているサブエラーの種類に該当する通信エラー(サブ制御部91でのコマンドの受信エラー)、サブ制御部エラー(RAM91cに関するエラー)、バックアップエラー(バックアップRAM61に関するエラー)を記録させる。また、Sr5のステップにおいて、遊技履歴がクリアされたと判定した場合には、エラー等の種類として、遊技履歴クリアを記録させる。また、Sr6のステップにおいて電源オン時であると判定した場合には、エラー等の種類として、電源オンを記録させる。また、Sr7のステップにおいて電源オフ時であると判定した場合には、エラー等の種類として、電源オフを記録させるようになっている。
【0408】
このように、サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)、起動処理(サブ)における復帰処理、電断処理(サブ)においてエラー履歴記録処理を実行して、各処理のタイミングにおいて該当するエラー等が発生している場合には、RAM91cのエラー履歴データ領域に該当するエラー等の種類を記録させることで、エラー履歴データを作成する。
【0409】
また、サブ制御部91は、エラー履歴記録処理において、記録用アドレス2を順次更新しつつ、当該記録用アドレス2により指定されるエラー履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域に、該当するエラー等の種類を記録することでエラー履歴データを作成するようになっており、エラー履歴データ領域、すなわち当該エラー履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域は、所定の営業期間においてメイン制御部41及びサブ制御部91において発生する可能性があるエラー等の数よりも多い個数(本実施例では、3日程度の営業期間において想定され得る100個)のエラー等を記録可能な容量が設定されているので、エラー履歴記録処理が実行されることで、当該エラー履歴記録処理が実行される際に、発生したエラー等から、それよりも前に発生した100個のエラー等がエラー履歴データとして記録される。
【0410】
また、サブ制御部91は、エラー履歴記録処理において、記録用アドレス2を順次更新し、更新後の記録用アドレス2がエラー履歴データ領域の最終値に達する場合には、記録用アドレス2を初期値としてエラー履歴データ領域の最初の値に設定して、当該記録用アドレス2により指定される領域に、エラー等の種類を記録してエラー履歴データを作成するとともに、エラー履歴データの記録用アドレス2を診断用データ領域に記憶することで、当該記録用アドレス2に基づいて、エラー履歴データに記録されたエラー等の順序を特定すること、すなわち記録用アドレス2に基づいて最後に記録された最新のエラー等(記録用アドレス2の1つ前のアドレスのエラー等)を特定することや、記録用アドレス2よりも前のアドレスを1つずつ参照すること(エラー履歴データ領域の最初のアドレスに達した場合には、最後のアドレスの1つ前のアドレスから1つずつ参照すること)で過去に発生したエラー等を、発生した順番に遡って特定することができるようになっている。
【0411】
また、サブ制御部1は、エラー履歴記録処理において、記録用アドレス2により指定するエラー履歴データ領域にエラー等の種類を記録させる際に、時計装置97により取得した現在の時間情報を同領域に合わせて記録させることで、エラー履歴データに記録された各エラー等について発生した時間を特定できるようになっている。
【0412】
次に、サブ制御部91が所定の出力条件の成立時にコマンド履歴データ及びエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる履歴表示制御について、図31図36に基づいて説明する。
【0413】
サブ制御部91は、メイン制御部41側においてゲーム中の制御が行われているか否かを、コマンドの受信状況に基づいて判定し、メイン制御部41側においてゲーム中の制御が行われていない、すなわちゲーム中でないと判定した場合には、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、設定キースイッチ37のオン状態が検出されたこと)または第2の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、演出用スイッチ56のオン状態が所定時間(本実施例では、5秒間)にわたりに検出されたこと)が成立した場合に、履歴表示制御を開始する。尚、第1の履歴表示条件及び第2の履歴表示条件におけるエラー状態中とは、メイン制御部41側においてエラー状態の制御が開始されてから、当該エラー状態の制御が終了されるまでの期間であり、エラー状態後とは、メイン制御部41側においてエラー状態の制御が終了されてから前面扉1bが少なくとも1度閉鎖されるまでの期間である。また、ゲーム中とは、所定の賭数(本実施例では、3枚または2枚)の設定操作が行われ、スタートスイッチ7の操作が行われたときから、第3停止の操作が行われて全てのリール2L、2C、2Rが停止したときまでの期間である。尚、第3停止の操作が行われて全てのリール2L、2C、2Rが停止したときに、再遊技役の組合せが停止したことで再遊技が付与される場合には、全てのリール2L、2C、2Rが停止した後からスタートスイッチ7の操作が行われるまでの期間においては、所定の出力条件が成立しているか否かを判定せず、履歴表示制御を実行しない構成であっても良いし、所定の出力条件が成立しているか否かを判定して、履歴表示制御を実行し得る構成であっても良い。
【0414】
履歴表示制御では、履歴表示制御が開始された後に検出される操作態様に応じて、上述のエラー履歴データに含まれる全ての内容を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示、上述のエラー履歴データのうち一部の特定の内容のみを液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示、上述のコマンド履歴データに含まれる全ての内容を液晶表示器51に表示させるコマンド履歴表示、サブ制御部91がRAM91cに記録している遊技履歴情報(RB、BB、ATの当選回数、RB、BB、AT後のゲーム数、払出しメダル数など遊技に関する情報の履歴)を削除する遊技履歴クリアを行うことが可能である。
【0415】
図31に示すように、詳細履歴表示では、液晶表示器51に表示させる情報として、エラー履歴データに含まれるオーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリア、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフに関する情報、及び各エラー等の記録した時間情報を含む。一方、簡易履歴表示では、液晶表示器51に表示させる情報として、エラー履歴データに含まれる内容のうち、オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、リール回転エラー(E6)、エラー解除、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフに関する情報、及び各エラー等の記録した時間情報を含み、その他のメダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリアに関する情報は、液晶表示器51に表示させる情報から除かれている。
【0416】
図32に示すように、サブ制御部91は、第1の履歴表示条件が成立した際、すなわちメイン制御部41がエラー状態の制御を行っている期間及びエラー状態の制御を開始してから、当該エラー状態の制御を終了した後に前面扉1bが閉鎖されるまでの期間以外の期間において、前面扉1bが開放状態とされて、設定キースイッチ37がオン状態とされたことで、履歴表示制御を開始した際には、液晶表示器51の表示領域51aのうちリール2L、2C、2Rの透視窓3の上方側に設けられた履歴等表示領域(図32(a)参照)に、所定の操作態様(演出ボタンの長押し及び短押し)に応じて、上述の詳細履歴表示、簡易履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアを行うことが可能である旨を示唆する履歴表示選択画面1(図32(b)参照)を表示させる。第1の履歴表示条件が成立した際に実行する履歴表示制御では、所定の操作態様による操作により、詳細履歴表示、簡易履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアのいずれも行うことが可能である。
【0417】
図33(a)に示すように、履歴表示制御では、第1の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面1が表示されているときに、演出用スイッチ56を短押し(本実施例では、1未満の押下)の操作態様で操作することで、簡易履歴表示が選択されている状態(本実施例では、図33(a)に示すよう三角画像が当該簡易履歴表示の左右に位置する状態)で、演出用スイッチ56を長押し(本実施例では、1秒以上にわたる押下)の操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面1を簡易履歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0418】
図33(b)に示すように、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示を簡易履歴表示画面に切り替えた後は、RAM91cのエラー履歴データを参照し、簡易履歴表示に対応するエラー等(図31参照)及び当該エラー等に対応する時間情報を、当該エラー等が記録された順序を特定可能に所定個数(本実施例では、10組)ずつ簡易履歴表示画面上に順次表示させる。また、時計装置97の出力に基づいて特定される現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)を簡易履歴表示画面上に表示させる。この状態で、演出用スイッチ56が長押しされたことが検出された場合には、簡易履歴表示画面を履歴表示選択画面1に切り替える(メニューに戻る)ように制御する一方、演出用スイッチ56が短押しされたことが検出された場合には、表示しているエラー等及び時間情報を次の所定個数の内容に切り替える(ページ送り)ように制御する。
【0419】
図34(a)に示すように、履歴表示制御では、第1の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面1が表示されているときに、演出用スイッチ56を短押しの操作態様で操作することで、詳細履歴表示が選択されている状態(本実施例では、図34(a)に示すよう三角画像が当該詳細履歴表示の左右に位置する状態)で、演出用スイッチ56を長押しの操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面1を詳細履歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0420】
図34(b)に示すように、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示を詳細履歴表示画面に切り替えた後は、RAM91cのエラー履歴データを参照し、詳細履歴表示に対応するエラー等(図31参照)及び当該エラー等に対応する時間情報を、当該エラー等が記録された順序を特定可能に所定個数(本実施例では、15組)ずつ詳細履歴表示画面上に順次表示させる。また、時計装置97の出力に基づいて特定される現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)を詳細履歴表示画面上に表示させる。この状態で、演出用スイッチ56が長押しされたことが検出された場合には、詳細履歴表示画面を履歴表示選択画面1に切り替える(メニューに戻る)ように制御する一方、演出用スイッチ56が短押しされたことが検出された場合には、表示しているエラー等及び時間情報を次の所定個数の内容に切り替える(ページ送り)ように制御する。
【0421】
図35(a)に示すように、履歴表示制御では、第1の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面1が表示されているときに、演出用スイッチ56を短押しの操作態様で操作することで、コマンド履歴表示が選択されている状態(本実施例では、図35(a)に示すよう三角画像が当該コマンド履歴表示の左右に位置する状態)で、演出用スイッチ56を長押しの操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面1をコマンド歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0422】
図35(b)に示すように、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示をコマンド履歴表示画面に切り替えた後は、RAM91cのコマンド履歴データを参照し、記録されている全てのコマンドを、当該コマンドが記録された順序を特定可能にコマンド履歴表示画面上に表示させる。また、時計装置97の出力に基づいて特定される現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)をコマンド履歴表示画面上に表示させる。また、コマンド履歴データに記録されている全てのコマンドを当該コマンドが記録された順序とともに特定可能な2次元コードをコマンド履歴表示画面上に表示させる。
【0423】
図36に示すように、サブ制御部91は、第2の履歴表示条件が成立した際、すなわちメイン制御部41がエラー状態の制御を行っている期間及びエラー状態の制御を開始してから、当該エラー状態の制御を終了した後に前面扉1bが閉鎖されるまでの期間以外の期間において、前面扉1bが開放状態とされて、演出用スイッチ56が所定時間にわたり長押しの操作態様(本実施例では5秒間にわたりオン状態に押下する態様)で操作されたことで、履歴表示制御を開始した際には、液晶表示器51の履歴等表示領域(図32(a)参照)に、所定の操作態様(演出ボタンの長押し)により、上述の簡易履歴表示を行うことが可能である旨を示唆する履歴表示選択画面2(図36(a)参照)を表示させる。第2の履歴表示条件が成立した際に実行する履歴表示制御では、所定の操作態様による操作により、簡易履歴表示のみを行うことが可能である。履歴表示選択画面2では、履歴表示制御として行うことができない詳細履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアの表示態様は、簡易履歴表示の表示態様と異なる態様(本実施例では、文字の色を反転させて表示させる態様)で表示させることにより、これらの詳細履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアを選択して行わせることが不可能な旨を示唆する。
【0424】
図36(a)に示すように、第2の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面2が表示されているときに、演出用スイッチ56を長押し(本実施例では、1秒以上にわたる押下)の操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面を簡易履歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0425】
図36(b)に示すように、サブ制御部91は、履歴表示選択画面2から簡易履歴表示画面に切り替えた後は、履歴表示選択画面2から簡易履歴表示画面に切り替えた場合と同様に、簡易履歴表示に対応するエラー等(図31参照)及び当該エラー等に対応する時間情報、現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)を簡易履歴表示画面上に表示させるように制御する。
【0426】
このように、サブ制御部91は、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、設定キースイッチ37のオン状態が検出されたこと)が成立した場合に、履歴表示制御を実行することで、受信したコマンドの履歴を液晶表示器51に表示させることが可能である。
【0427】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立した場合に、RAM91cのコマンド履歴データ領域に記録されているコマンド履歴データを含むコマンド履歴表示画面を液晶表示器51に表示させることが可能であり、コマンド履歴表示画面では、コマンド履歴データとして記録されている全てのコマンドを、当該コマンド当該コマンドが記録された順序すなわちコマンドを受信した順序を特定可能に表示させる。
【0428】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立した場合に、RAM91cのコマンド履歴データ領域に記録されているコマンド履歴データを含むコマンド履歴表示画面を、液晶表示器51の表示領域51aのうちリール2L、2C、2Rの透視窓3の上方側の領域すなわち透過領域51b以外の領域に表示させる。
【0429】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、設定キースイッチ37のオン状態が検出されたこと)または第2の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、演出用スイッチ56のオン状態が所定時間(本実施例では、5秒間)にわたりに検出されたこと)が成立した場合に、履歴表示制御を実行することで、スロットマシン1において発生したエラー等の履歴を液晶表示器51に表示させることが可能である。
【0430】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件が成立した場合には、履歴表示制御を実行することで、詳細履歴表示画面を表示させることが可能であり、詳細履歴表示画面ではエラー履歴データに含まれる第1の事象(オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリア、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフ)を含めて表示させる一方で、第2の履歴表示条件が成立した場合には、履歴表示制御を実行することで、簡易履歴表示画面を表示させることが可能であり、簡易履歴表示画面ではエラー履歴データに含まれる第2の事象(オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、リール回転エラー(E6)、エラー解除、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフ)を含めて表示させる。
【0431】
本実施例のメイン制御部41では、設定キースイッチ37を特定のキーにより操作することで設定変更状態に移行させることが可能であり、一般にスロットマシン1が設置される店舗等では、当該特定のキーを所持する店員等の者のみが当該設定キースイッチ37を操作可能であり、その他の者は設定キースイッチ37を操作することができないようになっている。このような構成において、仮に、履歴表示制御において簡易履歴表示画面または詳細履歴表示画面において、設定キースイッチ37を操作するために関連する情報、例えば、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖等が表示されると、特定のキーを所持する店員等の者のみしか行うことができない設定変更が行われた可能性があることや設定キースイッチ37を操作した可能性があることを推測可能となってしまう。これに対して、サブ制御部91は、第2の履歴表示条件が成立した場合、すなわち設定キースイッチ37を操作することなくエラー履歴データを表示させる場合には、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖に関する情報を、液晶表示器51に表示させる情報から除いている。
【0432】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドの受信に応じて演出の制御を行うことが可能であり、演出の制御に用いるデータ及びコマンドを受信した履歴を含むデータを保持して、所定の出力条件が成立したときには、コマンドの受信履歴を液晶表示器51に表示させる構成である。
【0433】
このような構成では、サブ制御部91が演出の制御に用いるデータに異常が検出された場合に、サブ制御部91が保持するデータを初期化する構成とすると、コマンドの受信に伴い生じた異常を特定できなくなってしまうこととなる。
【0434】
これに対して、本実施例のサブ制御部91は、演出の制御に用いるデータである制御状態データ及びコマンドを受信した履歴のデータであるコマンド履歴データを記憶可能なRAM91cを備えており、RAM91cには、第1の記憶領域として、制御状態データを記憶可能な制御状態データ領域と、第2の記憶領域として、コマンド履歴データを記憶可能なコマンド履歴データ領域とが設けられており、所定の出力条件が成立することでコマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、第1の記憶領域に記憶されている制御状態データ及び第2の記憶領域に記憶されているコマンド履歴データを、電力供給が停止しても記憶データを保持することが可能なバックアップRAM61により保持させ、その後、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期化条件が成立しているか否かを判定し、初期化条件が成立していると判定したときに、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データを初期化する一方でコマンド履歴データは初期化せずに保持するので、初期化条件が成立してバックアップRAM61により保持されているデータが初期化された場合でも、初期化条件が成立する前のコマンドの受信状況を特定することができる。
【0435】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、遊技の制御を行う一方で、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに応じて演出の制御を行う構成であるが、所定の制御を行う第1の制御手段がコマンド等の指示を送信し、当該コマンド等を受信した第2の制御手段が当該コマンド等に基づいて所定の制御を行う構成であっても良く、例えば、第1の制御手段としてのメイン制御部41が遊技及び演出の制御を行って、第2の制御手段としてのサブ制御部91が、第1の制御手段から送信されたコマンドに基づいて何らかの制御を行うである構成であっても良い。このような構成においては、第2の制御手段が制御に用いるデータ及び第1の制御手段からのコマンドの履歴データを、電力供給が停止しても記憶データを保持することが可能な保持手段により保持させ、初期化条件が成立していると判定したときに、保持手段により保持されているデータのうち第2の制御手段が制御に用いるデータを初期化する一方でコマンド履歴データは初期化せずに保持する構成とすることで、初期化条件が成立し、保持手段により保持されているデータが初期化される場合であっても、初期化条件が成立する前のコマンドの受信状況を特定することができる。
【0436】
また、本実施例では、サブ制御部91は、該サブ制御部91が備えるRAM91cとは別個の記憶手段であってスロットマシン1への電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に、RAM91cの記憶されているデータを保持させることが可能な構成であるが、RAM91c自体を、スロットマシン1への電力供給が停止しても記憶しているデータを保持可能な構成としても良い。
【0437】
また、本実施例では、サブ制御部91は、RAM91cとは別個に電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に対して、RAM91cに記憶されているデータを保存することでRAM91cに記憶されているデータを保持させる構成であり、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製せずに初期化することで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であるが、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製及び初期化しないことで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であっても良い。
【0438】
また、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで、コマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示する構成であり、コマンド履歴データの内容を文字列及び2次元コード化した画像を表示する構成であるが、コマンド履歴データの内容を外部機器で特定可能な電磁気的な信号等により出力する構成でも良い。
【0439】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで、コマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示する構成であり、コマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示する際には、コマンド履歴データに含まれるコマンドを受信した順序に従って表示させるので、液晶表示器51に表示された内容からサブ制御部91がコマンドを受信した順番を特定することができる。
【0440】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41からコマンドを受信する毎にコマンド履歴記録処理を実行し、受信したコマンドの履歴をRAM91cのコマンド履歴データ領域に記録する構成であり、コマンド履歴データ領域は、少なくとも1単位のゲームにおいてメイン制御部41からサブ制御部91に送信され得る最大個数より多い個数(本実施例では、100個)のコマンドを記録可能な容量が設定されているので、1単位以上のゲームにわたりメイン制御部41から受信したコマンドの受信状況を特定することができる。
【0441】
本実施例のサブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときにバックアップRAM61により保持されているデータが正常か否かを判定する破壊判定を実行可能であり、破壊判定では、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データに基づいて、すなわちコマンド履歴データを除くデータに基づいてバックアップRAM61により保持されているデータが正常か否かを判定し、バックアップRAM61により保持されているデータが正常でないと判定した場合に、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データを初期化するので、破壊判定において、バックアップRAM61により保持されているデータのうちサブ制御部91が演出の制御に用いる制御状態データ以外のデータが正常でないことにより、バックアップRAM61により保持されているデータが正常でないと判定してしまう不要な判定を行わずに済む。
【0442】
本実施例のメイン制御部41及びRAM91cが搭載された演出制御基板90には、バックアップRAM61及びバックアップ電池62が搭載されており、バックアップRAM61は、当該バックアップ電池62から供給される電力によって該バックアップRAM61に記憶しているデータを保持することが可能であるので、演出制御基板90をスロットマシン1本体から取り外した状態であっても、バックアップRAM61に記憶されているデータを保持することができる。
【0443】
尚、本実施例では、RAM91cの記憶内容を、当該RAM91cとは別個のスロットマシン1への電力供給が停止しても記憶するバックアップRAM61により保持可能な構成であるが、RAM91c自体を、スロットマシン1への電力供給が停止しても記憶しているデータを保持可能な構成としても良く、このような構成においては、例えば、RAM91cに電力を供給することが可能なバックアップ電池を演出制御基板90に設けることで、演出制御基板90をスロットマシン1本体から取り外した状態であっても、RAM91c自体に記憶されているデータを保持することができる。
【0444】
本実施例のバックアップRAM61は、バックアップ電池62から供給される電力によって記憶しているデータを保持可能な構成であるので、電池以外の逐電手段、例えばキャパシタ等から供給される電力によって記憶しているデータを保持可能な構成と比較して、長時間にわたり大容量のデータを保持し続けることができる。
【0445】
尚、本実施例では、バックアップRAM61は、バックアップ電池62から供給される電力によって保持可能な構成であるが、バックアップRAM61に電力を供給する手段は、電池以外のキャパシタ等の逐電手段であっても良い。
【0446】
また、本実施例では、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、バックアップデータを保持する記憶手段として、バックアップ電池62から電力が供給されることで記憶内容を保持可能なバックアップRAM61を用いる構成であるが、記憶手段として、EEPROM等の不揮発性の記憶手段を用いる構成であっても良く、このような構成とすることで、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、記憶手段に対して電力を供給するための電力供給手段を用いることなく、アックアップデータを保持することができる。
【0447】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することでRAM91cのコマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、コマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる際には、液晶表示器51における透過領域51b以外の表示領域51aに、コマンド履歴データの内容を表示させるので、液晶表示器51に表示されたコマンド履歴データの内容の視認性を確保することができる。
【0448】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで、エラーや前面扉1bの開閉状態等のスロットマシン1に関する事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させることが可能な構成である。
【0449】
このような構成では、スロットマシン1に関する所定の事象の発生履歴を表示する場合に、例えば、設定変更に関わる事象など、事象の種類によっては閲覧を一部の者に制限する必要があるが、全ての事象について閲覧を制限すると、相対的に重要度の低い事象の発生履歴を表示させる場合でも面倒な操作が必要となってしまうこととなる。
【0450】
これに対して、本実施例のサブ制御部91は、RAM91cにスロットマシン1に関する複数種類の事象の発生履歴をエラー履歴データとして記憶させ、所定の出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、第1の操作として、設定キースイッチ37の操作がされたことを含む所定の出力条件が成立したときに、RAM91cに記憶されているエラー履歴データのうち第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示を実行する一方、第2の操作として、演出用スイッチ56が長押しの操作態様で操作されたことを含む所定の出力条件が成立したときに、RAM91cに記憶されているエラー履歴データのうち第2種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示を実行し、第1種類の事象は、第2種類の事象に含まれるいずれの事象よりも重要な事象を含むようになっているので、第2種類の事象に含まれるいずれの事象よりも重要な事象を含む第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示を実行させる場合には、第2種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示を実行させる際の第2の操作ではなく第1の操作が必要となるため、相対的に重要ではない第2種類の事象については簡易な操作で閲覧可能とすることができる一方で、相対的に重要な事象を含む第1種類の事象については簡易履歴表示では表示されないので閲覧を制限することができる。
【0451】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を文字列の表示態様により液晶表示器51に表示させる構成であるが、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる際には、2次元コードなどにコード化した画像を表示する構成でも良い。
【0452】
また、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる構成であるが、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を外部機器で特定可能な電磁気的な信号等により出力する構成でも良い。
【0453】
また、本実施例では、サブ制御部91は、エラー履歴データのうち第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示において、第2種類の事象に含まれるいずれの事象よりも重要な事象として、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリアに関する情報を含めて表示させる構成であるが、重要な事象は、第2種類の事象に比較して重要度が相対的に高い事象であれば良い。
【0454】
第1種類の事象は、重要な事象として、第1の操作に関連する操作等が行われたことを推測可能な情報(例えば、遊技者にとっての有利度の変更、電源のON/OFF、扉の開放などの事象)や、不正に関する事象の発生の可能性を示唆する事象(メダルセレクタ29に関するエラー、通信エラー等の情報)等を含むとともに、これらの事象にくらべて第2種類の事象に含まれる重要度が相対的に低い事象等、その他の事象を含むものであっても良い。
【0455】
また、本実施例では、サブ制御部91は、第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示では、エラー履歴データの内容の全てを表示させる一方で、第2種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示では、第1種類の事象に含まれる事象のうち重要な事象については表示を制限して、相対的に重要な事象でない一部の事象についてのみを表示させる構成であり、詳細履歴表示において表示される第1種類の事象と、簡易履歴表示において表示される第2種類の事象とは、一部が重複する構成であるが、第1種類の事象と第2種類の事象が重複しない構成でも良い。
【0456】
本実施例のメイン制御部41は、設定キースイッチ37の操作により遊技者にとっての有利度である設定値を設定可能であり、サブ制御部91は、簡易履歴表示において、重要な事象として、有利度の設定が変更されたことを特定または推測可能な、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖を含まない第2種類の事象の発生履歴を表示するので、遊技者にとっての有利度の設定が変更されたことを特定または推測可能な事象の閲覧を制限することができる。
【0457】
本実施例のサブ制御部91は、第1の操作として、設定キースイッチ37の操作がされたことを含む所定の出力条件が成立したときに詳細履歴表示を実行する一方、第2の操作として、演出用スイッチ56が長押しの操作態様で操作されたことを含む所定の出力条件が成立したときに簡易履歴表示を実行する構成であり、第1の操作としての設定キースイッチ37の操作は、所定の設定キーを所持している有利度を設定する権限を有する者が行える操作であり、第2の操作としての演出用スイッチ56の長押しの操作態様での操作は、有利度を設定する権限を有する者か否かに関わらず行える操作であるので、有利度の設定が変更されたことを特定または推測可能な事象の閲覧を、設定キーを所持しており設定キースイッチ37の操作を行うことが可能な者、すなわち有利度を設定する権限を有する者に制限することができる。
【0458】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、第1の操作として、設定キースイッチ37の操作がされたことを含む所定の出力条件が成立したときに詳細履歴表示を実行する構成であるが、第1の操作は、有利度を設定する権限を有する者が行うことが可能な操作であれば良く、有利度を設定する権限を有する者のみが知り得る所定の暗証番号や暗号等の入力や所定の操作順での所定スイッチ類の操作、所定の外部機器の接続操作などであっても良い。
【0459】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで詳細履歴表示画面または簡易履歴表示画面を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、詳細履歴表示画面及び簡易履歴表示画面では、所定の事象の発生日時を表示させるとともに、当該履歴表示画面に、時計装置97により取得した現在日時も表示させるので、履歴表示画面上で所定の事象の発生日時と現在日時とを比較しつつ事象の発生状況を確認できる。
【0460】
本実施例のサブ制御部91は、演出の制御に用いるデータである制御状態データ及びスロットマシン1に関する所定の事象の発生履歴のデータであるエラー履歴データを記憶可能なRAM91cを備えており、RAM91cには、第1の記憶領域として、制御状態データを記憶可能な制御状態データ領域と、第2の記憶領域として、エラー履歴データを記憶可能なエラー履歴データ領域とが設けられており、所定の出力条件が成立することでエラー履歴データ領域に記憶されているエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、第1の記憶領域に記憶されている制御状態データ及び第2の記憶領域に記憶されているエラー履歴データを、電力供給が停止しても記憶データを保持することが可能なバックアップRAM61により保持させること、及びスロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期化条件が成立しているか否かを判定し、初期化条件が成立していると判定したときに、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データを初期化する一方でエラー履歴データは初期化せずに保持するので、初期化条件が成立してバックアップRAM61により保持されているデータが初期化された場合でも、初期化条件が成立する前の所定の事象の発生履歴を特定することができる。
【0461】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、該サブ制御部91が備えるRAM91cとは別個の記憶手段であってスロットマシン1への電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に、RAM91cの記憶されているデータを保持させることが可能な構成であるが、RAM91c自体を、スロットマシン1への電力供給が停止しても記憶しているデータを保持可能な構成としても良い。
【0462】
また、本実施例では、サブ制御部91は、RAM91cとは別個に電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に対して、RAM91cに記憶されているデータを保存することでRAM91cに記憶されているデータを保持させる構成であり、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製せずに初期化することで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であるが、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製及び初期化しないことで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であっても良い。
【0463】
本実施例のサブ制御部91は、前面扉1bを開いた状態において所定の操作がされることにより、エラー等、スロットマシン1に関する所定の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させることが可能な構成である。
【0464】
このような構成では、本来遊技場の店員がこれらの事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させて確認するものであるが、例えば、遊技者が遊技を行っている状況でエラーを解消するために前面扉1bを開放した場合にも、誤って所定の操作がされることでスロットマシン1に関する事象の発生履歴が表示されてしまう虞がある。
【0465】
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1に関する所定のエラーが検出されることでエラー状態に制御することが可能であり、エラー状態は、エラーの原因を除去するのに前面扉1bの開放を必要とするエラー状態を含む構成であり、サブ制御部91は、サブ制御部91は、RAM91cにスロットマシン1に関する複数種類の事象の発生履歴をエラー履歴データとして記憶させ、所定の出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、所定の出力条件として、前面扉1bが開放状態であること及び所定の操作がされたことを含み、メイン制御部41側においてエラー状態に制御された後、該エラー状態が解除される前に、前面扉1bが開放状態である場合には、所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させないので、エラーの原因を除去するために前面扉1bが開放されている状況では、その間に所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示されることがないため、遊技者が遊技を行っている状況でスロットマシン1に関連する所定の事象の発生履歴が誤って出力されてしまうことを防止できる。
【0466】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を文字列の表示態様により液晶表示器51に表示させる構成であるが、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる際には、2次元コードなどにコード化した画像を表示する構成でも良い。
【0467】
また、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる構成であるが、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を外部機器で特定可能な電磁気的な信号等により出力する構成でも良い。
【0468】
本実施例のサブ制御部91は、サブ制御部91は、RAM91cにエラー履歴データを記憶させ、所定の出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、所定の出力条件として、前面扉1bが開放状態であること及び所定の操作がされたことを含み、メイン制御部41側においてエラー状態に制御された後、該エラー状態が解除される前に、前面扉1bが開放状態となった場合には、その後、エラー状態が解除された場合に、前面扉1bが閉鎖状態となる前に、所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示されないので、エラーの原因を除去するために前面扉1bが開放された状況では、その間に所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示されることがないため、遊技者が遊技を行っている状況でスロットマシン1に関連する所定の事象の発生履歴が誤って出力されてしまうことを防止できる。
【0469】
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1に関する所定のエラーとして、例えば、オーバーフロータンクが満タンとなったことやホッパーのメダルが不足することが検出されることでエラー状態に制御することが可能であり、これらのエラー状態は、エラーの原因を除去するのに前面扉1bの開放を必要とする構成であり、サブ制御部91は、RAM91cにスロットマシン1に関する所定のエラーを含む複数種類の事象の発生履歴をエラー履歴データとして記憶させ、所定の操作を含む出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、所定の操作は、所定のエラーとして、例えば、オーバーフロータンクが満タンとなったことやホッパーのメダルが不足することを解除すための操作とは、異なる演出用スイッチ56の長押し操作態様での操作であるので、エラー状態の解除操作と同様の流れで、エラー履歴データの内容が液晶表示器51に表示されてしまうことを防止できる。
【0470】
本実施例では、メイン制御部41が行う内部抽選において、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役が単独で当選する場合と、一般役の入賞を許容する抽選結果と重複して当選する場合がある。
【0471】
特別役と重複して当選する一般役の抽選結果は、図37(a)に示すように、一般役A(強)、一般役A(弱)、一般役B(強)、一般役B(弱)、一般役C、一般役Dを含む。
【0472】
一般役A(強)は、「赤7-リプレイa-赤7/白7/BAR」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで入賞する一般役A-1と「赤7-リプレイa-ベル」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで入賞する一般役A-2の双方が当選する抽選結果であり、一般役(弱)は、一般役A-2のみ当選する抽選結果である。
【0473】
一般役A(強)、一般役A(弱)の当選時には、ともに左リールの中段に「赤7」または「BAR」、すなわち下段に「チェリーa」が停止する位置に停止することで、中リール、右リールの停止タイミングに関わらず入賞することとなるが、この際、一般役A(強)の当選時には、右リールの中段に「赤7」、「白7」、「BAR」を引込可能なタイミングで停止操作がされたときに、右リールの中段に「赤7」、「白7」、「BAR」が停止し、右リールの中段に「赤7」、「白7」、「BAR」を引込可能なタイミング以外で停止操作がされたときに、右リールの中段に「ベル」が停止する一方で、一般役A(弱)の当選時には、右リールの操作タイミングに関わらず必ず右リールの中段に「ベル」が停止することとなる。
【0474】
このため、左リールの下段に「チェリーa」が停止することで、一般役A(強)または一般役B(弱)の当選を特定することが可能となり、右リールの中段に「赤7」、「白7」、「BAR」を引込可能なタイミングで停止操作を行った結果、右リールの中段に「赤7」、「白7」、「BAR」が停止したか否かによって一般役A(強)が当選したか、一般役A(弱)が当選したか、を特定することが可能となる。尚、右リールの中段に「赤7」、「白7」、「BAR」を引込可能なタイミング以外で停止操作を行った場合には、必ず右リールの中段に「ベル」が停止することから一般役A(強)が当選したか、一般役A(弱)が当選したか、を特定することはできない。
【0475】
一般役B(強)、一般役B(弱)は、いずれも「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで入賞する一般役B-1と「ベル-スイカ-チェリーb」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで入賞し、この際、無効ラインLM3に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが揃う一般役B-2の双方が当選する抽選結果であるが、一般役B(強)は、さらに停止制御を区別するための制御役も当選する。
【0476】
一般役(強)、一般役B(弱)の当選時には、一般役B-1も一般役B-2も入賞させることは可能であるが、一般役(強)の当選時には、一般役B-1を構成する表示結果(例えば、左リールの中段に「スイカ」または「青7」が停止する表示結果)のみを引込可能なタイミング、または一般役B-1を構成する表示結果と一般役B-2を構成する表示結果(例えば、左リールの上段に「スイカ」または「青7」が停止する表示結果)の双方を引込可能なタイミングで停止操作がされた場合には、一般役B-1を構成する表示結果が停止し、一般役B-2を構成する表示結果のみを引込可能なタイミングで停止操作がされた場合には、一般役B-2を構成する表示結果が停止することとなる。
【0477】
このため、入賞ラインLNまたは無効ラインLM3に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが揃うことで、一般役A(強)または一般役B(弱)の当選を特定することが可能となり、「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが入賞ラインLNにも無効ラインLM3にも引込可能なタイミングで停止操作を行った結果、「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが入賞ラインLNに揃うか、無効ラインLM3に揃うか、によって一般役B(強)が当選したか、一般役B(弱)が当選したか、を特定することが可能となる。尚、一般役B-1を構成する表示結果のみを引込可能なタイミングまたは一般役B-2を構成する表示結果のみを引込可能なタイミングで停止操作を行った場合には、一般役B(強)が当選したか、一般役B(弱)が当選したか、を特定することはできない。
【0478】
一般役Cは、「ベル-ベル-ベル」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで入賞する一般役Cが当選する抽選結果である。一般役Dは、「白7-チェリーa-BAR」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで入賞する一般役Dが当選する抽選結果である。尚、一般役Dの当選時には、無効ラインLM3に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せがテンパイするが、最終的に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが揃わないようになっている。また、無効ラインLM3に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せがテンパイし、最終的に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが揃わないのは、一般役Dの当選時だけであり、無効ラインLM3に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せがテンパイし、最終的に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが揃わないことで、一般役Dの当選を特定することが可能である。
【0479】
本実施例では、上述のように特別役と重複して当選する一般役の抽選結果として、入賞時の停止態様は類似するが、抽選結果の違いを特定可能な強一般役と弱一般役を備える(例えば、ともに左リールの下段に「チェリーa」が停止する一般役A(強)と一般役A(弱)、ともに入賞ラインLNまたは無効ラインLM3に「青7/スイカ-スイカ-スイカ」の組合せが停止する一般役B(強)と一般役B(弱))。
【0480】
さらに強一般役は、弱一般役よりも特別役と重複して当選する比率が高く設定されているので、強一般役または弱一般役のいずれかの当選を示唆する停止態様となったときに、強一般役の当選が特定されることで、弱一般役の当選が特定された場合よりも特別役の当選に対して期待することができる。
【0481】
尚、本実施例では、強一般役の当選時にも弱一般役の当選時にも共通の停止態様となり得る構成であるが、強一般役の当選時に停止し得る停止態様と、弱一般役の当選時に停止し得る停止態様と、が重複しない構成であっても良い。
【0482】
本実施例では、特別役の当選契機毎の当選確率が設定値に関わらず共通なものと、設定値に応じて異なるもの(設定差が設けられたもの)と、を有する。具体的には、図37(a)に示すように、特別役の単独当選、一般役A(強)との重複当選、一般役B(強)との重複当選、一般役Cとの重複当選については、その当選確率が設定値に関わらず共通であるが、一般役A(弱)との重複当選、一般役B(弱)との重複当選、一般役Dとの重複当選については、その当選確率が設定値に応じて少なくとも一部異なるように設定されている。特に、一般役Dとの重複当選については、特定の設定値(例えば、相対的に有利度の高い設定値)のみ特別役と重複当選し得るように設定されており、一般役Dと特別役が重複当選した場合には、特定の設定値が確定することとなる。
【0483】
このため、設定差が設けられた当選契機の回数を計数することでそのスロットマシンの設定値をある程度推測することができるようになっている。
【0484】
また、本実施例では、サブ制御部91が特別役の入賞時、すなわち特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信したときに、特別役に入賞した旨を報知する特別役入賞演出を実行するようになっている。
【0485】
特別役入賞演出では、図37(b)に示すように、液晶表示器51に「BIG BONUS」のメッセージとキャラクタが表示されることで特別役に入賞した旨が報知される。また、メッセージの文字色は、「白」、「赤」、「緑」、「黄」、「紫」の5種類からなり、キャラクタは1人、2人の2種類からなり、背景は、通常、特殊、特別の3種類からなり、これらの要素が、当該特別役の当選時に受信した内部当選コマンドから特定される当該特別役の当選契機に応じて選択されるようになっている。
【0486】
メッセージの文字色は、単独当選の場合に「白」が選択され、一般役A(強)または一般役A(弱)の場合に「赤」が選択され、一般役B(強)または一般役B(弱)の場合に「緑」が選択され、一般役Cの場合に「黄」が選択され、一般役Dの場合に「紫」が選択されるようになっており、文字色の違いによって、特別役の当選契機が単独当選か、一般役A(強)または一般役A(弱)か、一般役B(強)または一般役B(弱)か、一般役Cか、一般役Dか、を特定できるようになっている。
【0487】
キャラクタは、特に一般役A(弱)、一般役B(弱)の場合に1人が選択され、一般役A(強)、一般役B(強)の場合に2人が選択されるようになっており、キャラクタの人数によって強一般役か、弱一般役か、を特定できるようになっている。
【0488】
背景は、設定差のない一般役A(強)、一般役B(強)、一般役Cの場合に通常が選択され、設定差の設けられた単独当選、一般役A(弱)、一般役B(弱)、一般役Dのうち単独当選、一般役A(弱)、一般役B(弱)の場合に特殊が選択され、特定の設定値が確定する一般役Dの場合に特別が選択されるようになっており、背景の違いによって設定差が設けられた当選契機であるか、特定の設定値が確定する当選契機であるか、を特定できるようになっている。
【0489】
本実施例では、前述のように特別役と重複して当選する一般役の抽選結果として、入賞時の停止態様は類似するが、抽選結果の違いを特定可能な強一般役と弱一般役を備えるが、強一般役と弱一般役は、停止態様が類似しているため、その違いを見分けることが困難である。
【0490】
このため、本実施例では、強一般役または弱一般役と重複して特別役が当選した場合に、当該特別役の入賞時に実行される特別役入賞演出の演出態様の違い(キャラクタの人数)によって、当該特別役の当選契機となった一般役が強一般役であるか、弱一般役であるか、を特定できるようになっており、特別役の当選時において強一般役が重複して当選したか弱一般役が重複して当選したか、を見分けられなかった場合でも、特別役入賞演出の演出態様の違いから、当該特別役の当選契機となった一般役が強一般役であるか、弱一般役であるか、を容易に認識させることができる。
【0491】
また、本実施例では、特別役の当選契機となった一般役が弱一般役である場合のみ設定差が設けられているため、特別役入賞演出の演出態様の違いから、当該特別役の当選契機となった一般役が弱一般役であることを特定できることにより設定値を推測することが可能となる。
【0492】
尚、本実施例では、キャラクタの人数の違い、すなわち液晶表示器51の表示態様の違いにより特別役の当選契機となった一般役が強一般役であるか、弱一般役であるか、を特定可能となる構成であるが、特別役入賞演出に伴う音声の出力態様の違い、LED等の点灯態様の違いによって特別役の当選契機となった一般役が強一般役であるか、弱一般役であるか、を特定可能となる構成であっても良い。
【0493】
また、本実施例では、前述のように特別役の当選契機毎の当選確率が設定値に関わらず共通なものと、設定値に応じて異なるもの(設定差が設けられたもの)と、を有するが、当該スロットマシンに詳しい遊技者でなければ、設定差が設けられた当選契機であるか否かを特定することが困難である。
【0494】
このため、本実施例では、特別役入賞演出の演出態様(背景)の違いから、設定値に関わらず当選確率が共通の当選契機にて当選した特別役であるか、設定差の設けられた当選契機にて当選した特別役であるか、を特定できるようになっており、特別役入賞演出の演出態様の違いから、設定差の設けられた当選契機にて当選した特別役を容易に認識できるようになっており、これらの当選契機を計数することで当該スロットマシンの設定値を推測することができるようになっている。
【0495】
また、本実施例では、特に遊技者にとって有利な設定値など、特定の設定値のみ当選契機となり得る特定の当選契機にて特別役が当選した場合には、他の当選契機では選択されない特別な演出態様(特別な背景)にて特別入賞演出が実行されるようになっており、特別な演出態様にて特別入賞演出が実行されることで、特定の設定値であることが示唆されるので、遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0496】
尚、特定の設定値のみ当選契機となり得る特定の当選契機にて特別役が当選した場合に、特別な演出態様にて特別入賞演出が実行されるものに限らず、特定の設定値において当選契機となる確率が他の当選契機よりも高く設定された特定の当選契機にて特別役が当選した場合に、特別な演出態様にて特別入賞演出が実行される場合でも、特別な演出態様にて特別入賞演出が実行されることで、特定の設定値である可能性が高いことが示唆されるので、遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0497】
尚、本実施例では、背景の違い、すなわち液晶表示器51の表示態様の違いにより設定値に関わらず当選確率が共通の当選契機にて当選した特別役であるか、設定差の設けられた当選契機にて当選した特別役であるか、を特定可能となる構成であるが、特別役入賞演出に伴う音声の出力態様の違い、LED等の点灯態様の違いによって設定値に関わらず当選確率が共通の当選契機にて当選した特別役であるか、設定差の設けられた当選契機にて当選した特別役であるか、を特定可能となる構成であっても良い。
【0498】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0499】
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0500】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【0501】
また、前記実施例では、本発明が遊技機の一例であるスロットマシン1に適用された例が示されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明を遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用しても良く、特に、パチンコ遊技機において、タイマ割込処理により行われ、例えば、遊技球を検出するスイッチ類、パチンコ遊技機に設けられた可動物の移動状態を検出するスイッチ類、遊技者等が操作可能な操作手段の操作状態を検出するスイッチ類等について検出信号に基づいて入力状況を特定可能なデータを作成する入力処理を、パチンコ遊技機への電力供給が開始された後、最初にタイマ割込が行われるまでの期間に複数回行う構成として本発明を適用しても良い。
【符号の説明】
【0502】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
91 サブ制御部
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