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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】ヘラ体付着シーラ除去装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20220414BHJP
   B08B 1/00 20060101ALI20220414BHJP
   B05C 11/04 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
B05C11/10
B08B1/00
B05C11/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018139167
(22)【出願日】2018-07-25
(65)【公開番号】P2020014998
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】596002767
【氏名又は名称】トヨタ自動車九州株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】393011038
【氏名又は名称】リョーエイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】山本 和志
(72)【発明者】
【氏名】藤嶋 千也
(72)【発明者】
【氏名】綾香 和巳
(72)【発明者】
【氏名】松永 怜也
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-091026(JP,A)
【文献】特開2006-000846(JP,A)
【文献】国際公開第2009/020059(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/049840(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3112813(JP,U)
【文献】米国特許第8950033(US,B1)
【文献】米国特許第6357851(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 11/00 - 11/10
B08B 1/00 - 1/04
A47L 17/00 - 17/10
B41J 2/165
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降自在の昇降プレート上に搭載した前後方形枠体と、
前後方形枠体間に架設した前後方向のカムシャフトと、
カムシャフトの前後端部にガイドレールと該レールに沿って左右摺動自在の摺動子を介して連動連設した左右こすり刃と、
前後方形枠体の間に介在し、下方に向かって左右間隔を漸次幅狭に形成した左右ガイド縦長孔を有するカムガイド板と、
左右こすり刃の中間上方で対向した刃体を支持したヘラ支持体と、
より構成し、
しかも、カムガイド板のガイド縦長孔に挿貫したカムシャフトは、昇降プレートの昇降作動に伴いガイド縦長孔を介して近接離反し、それに連動して左右こすり刃も近接離反作動してヘラ体の付着シーラを除去すべく構成したヘラ体付着シーラ除去装置。
【請求項2】
ヘラ支持体は回転自在の円盤周縁に複数配設し、円盤下方の一箇所にはカムシャフトとカムガイド板を介して近接離反作動する少なくとも一対の左右こすり刃を配設し、円盤回転により順次周縁のヘラ支持体に支持した刃体を左右こすり刃でシーラ除去すべく構成したことを特徴とする請求項1に記載のヘラ体付着シーラ除去装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のドアやフードなどを構成する部材同士の接合部に塗布されたシーラなどの粘性材料の余剰分をヘラにより除去した場合における、ヘラ体付着シーラ除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のドアやフードなどを構成する部材同士の接合部には、錆や腐食の原因となる水などの侵入を防止する目的で、粘性材料であるシーラ(シーラント)が塗布されている。シーラの塗布には、例えば、シーラを吐出させるノズルを有する塗布ガンなどのシーラ塗布装置が使用されている。
【0003】
そして、前記接合部に塗布されたシーラは、ヘラにより均しながら押圧されて、接合部の隙間に押し込まれて隙間を塞ぐと共に、シーラの余剰分はヘラにより掻き取られて、回収される。
【0004】
シーラの塗布後のヘラを用いた仕上げ作業は、従来手作業により行われており、特許文献1には、シーラの仕上げを行うためのヘラに付着したシーラを除去し、回収する清掃装置に関する技術が開示されている。特許文献1に開示された清掃装置は、ヘラに付着したシーラを掻き落として除去するクリーニング部材と、除去したシーラを回収する回収箱とを備えている。
【0005】
また、シーラ塗布後の仕上げ作業を、人手を使用しないで、自動的に行う装置に関する技術が、特許文献2及び特許文献3に開示されている。特許文献2に開示された粘性材料回収装置は、所定の部位に塗布したシーラの余剰分を掻取部によって回収し、掻取後のシーラを吸収して回収する機構を備えている。
【0006】
特許文献3に開示されたシーラント整形装置及びシーラント塗布製品の製造方法は、シーラントの塗布作業を容易に実施可能とするために、ワークに塗布されたシーラントを整形するためのヘラと、整形後にヘラに付着したシーラント剤を除去するキャッチャを備え、該キャッチャに形成したスリットにヘラを当接摺動することで、余剰シーラント剤を回収する機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-039636号公報
【文献】特開2017-039090号公報
【文献】特開2017-006885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された清掃装置は、塗布後のシーラの仕上げ作業を手作業により行った後、ヘラに付着したシーラを回収箱の仕上げ面清掃部に接触清掃するものである。しかし、作業者は、所定の部位に塗布したシーラの余剰分の掻取作業を中断してヘラの清掃作業を行わなければならないため、作業効率の面で好ましくないという問題がある。
【0009】
特許文献2に開示された装置を用いて、所定の部位に塗布したシーラの余剰分を掻取部によって回収する場合において、シーラを塗布した部位が狭くて奥まっている場合などには、掻取部が当該部位に当接することができないために、余剰のシーラを回収できず、当該部位については、別途ヘラを用いて人手で除去しなければならないという問題がある。
【0010】
特許文献3に開示された装置又は方法を用いて、所定の部位に塗布したシーラントの余剰分を回収する場合において、特許文献2に開示された装置と同様に、シーラントを塗布した部位が狭くて奥まっている場合などには、キャッチャが邪魔になってヘラが当該部位に当接することができないために、余剰のシーラントを回収することができず、当該部位については、別途ヘラを用いて人手で除去しなければならないという問題がある。
【0011】
また、キャッチャを駆動させることによって、ヘラに付着したシーラントを容器の面のへりに擦り付けて、ヘラからシーラントを除去するのに要する時間もタクトタイムに含まれるため、作業時間が長くかかり生産性が良くないという問題がある。
【0012】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、自動車のドアやフードなどを構成する部材同士の接合部(以下、「ワーク」という。)に塗布されたシーラなどの粘性材料の余剰分の除去作業に使用したヘラに付着したシーラの除去作業を、人手によらないで行うことができると共に、本来作業であるワークに塗布された粘性材料の余剰分の除去作業と分離して行うことができるため、本来作業のタクトタイムを短縮し、生産性の向上と、コスト低減を実現することができるヘラ体付着シーラ除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のヘラ体付着シーラ除去装置は、昇降自在の昇降プレート上に搭載した前後方形枠体と、前後方形枠体間に架設した前後方向のカムシャフトと、カムシャフトの前後端部にガイドレールと該レールに沿って左右摺動自在の摺動子を介して連動連設した左右こすり刃と、前後方形枠体の間に介在し、下方に向かって左右間隔を漸次幅狭に形成した左右ガイド縦長孔を有するカムガイド板と、左右こすり刃の中間上方で対向した刃体を支持したヘラ支持体と、より構成し、しかも、カムガイド板のガイド縦長孔に挿貫したカムシャフトは、昇降プレートの昇降作動に伴いガイド縦長孔を介して近接離反し、それに連動して左右こすり刃も近接離反作動してヘラ体の付着シーラを除去すべく構成したものである。
【0014】
また、前記ヘラ支持体は回転自在の円盤周縁に複数配設し、円盤下方の一箇所にはカムシャフトとカムガイド板を介して近接離反作動する少なくとも一対の左右こすり刃を配設し、円盤回転により順次周縁のヘラ支持体に支持した刃体を左右こすり刃でシーラ除去すべく構成したものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、昇降自在の昇降プレート上に搭載した前後方形枠体と、前後方形枠体間に架設した前後方向のカムシャフトと、カムシャフトの前後端部にガイドレールと該レールに沿って左右摺動自在の摺動子と、を介して連動連設した左右こすり刃と、前後方形枠体の間に介在し、下方に向かって左右間隔を漸次幅狭に形成した左右ガイド縦長孔を有するカムガイド板と、左右こすり刃の中間上方で対向した刃体を支持したヘラ支持体と、より構成し、しかも、カムガイド板のガイド縦長孔に挿貫したカムシャフトは、昇降プレートの昇降作動に伴いガイド縦長孔を介して近接離反し、それに連動して左右こすり刃も近接離反作動してヘラ体の付着シーラを除去すべく構成したことにより、こすり刃に連動連設したカムシャフトは当該ガイド縦長孔の形状に沿って動くため、当該形状に応じて、左右のこすり刃の近接離反作動をさせることができ、刃体の形状やシーラの特性に応じた最適な除去作動をすることができ、左右のこすり刃が近接しながら、ヘラ体の付着シーラを昇降プレートの昇降作動に従って上方から下方に沿ってこすり取るため、刃体に付着したシーラなどの粘性材料の除去を確実に行うことができる。
【0016】
しかも、ヘラ体付着のシーラ除去作業時間の短縮と自動化を実現すると共に、本来作業であるワークに塗布されたシーラの均し及び余剰分の除去作業に含まれていたヘラ体付着のシーラ除去作業が、別工程となり、本来作業のタクトタイムから分離除外されるため、本来作業のタクトタイムを短縮し、生産性の向上と、コスト低減を実現することができる効果を奏する。
【0017】
請求項2の発明によれば、ヘラ支持体は回転自在の円盤周縁に複数配設し、円盤下方の一箇所にはカムシャフトとカムガイド板を介して近接離反作動する少なくとも一対の左右こすり刃を配設し、円盤回転により順次周縁のヘラ支持体に支持した刃体を左右こすり刃でシーラ除去すべく構成したことにより、少なくとも左右こすり刃を円盤周縁下方に設けることによりヘラ支持体を支持するためのブラケットへの装着作動、シーラ除去作動を円盤回転に同期して順次行うことが可能となり、次々とシーラが除去されたヘラ体と取り替えながら、ワークに塗布されたシーラの余剰分の除去作業を連続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一の実施の形態に係る装置の斜視図である。
図2】本発明の第一の実施の形態に係る装置の昇降プレートの構成を示す正面図である。
図3】本発明の第一の実施の形態に係る装置の構成を示す側面図である。
図4】本発明の第一の実施の形態に係る装置の構成を示す平面図である。
図5】本発明の第一の実施の形態に係る装置の固定プレートの構成を示す正面図である。
図6図4のA-A方向視断面図である。
図7】本発明の実施の形態におけるヘラ体の斜視図であり、(a)は、外側の斜視図、(b)は、内側の斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係るブラケットの斜視図である。
図9】本発明の第一の実施の形態に係る装置の動作説明図であり、(a)は、こすり刃が刃体を挟持する前の状態図、(b)は、こすり刃が刃体を挟持した状態図、(c)は、こすり刃が刃体をこすり、シーラを除去する状態図、(d)は、シーラの除去が終了した状態図である。
図10】本発明の第一の実施の形態に係る装置を外枠フレームに組み込んだ構成を示す斜視図である。
図11図10のB部を示す拡大斜視図である。
図12】本発明の第二の実施の形態に係る装置の構成を示す拡大斜視図である。
図13】本発明の第三の実施の形態に係る装置の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第一の実施の形態について図面に基づき説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係るヘラ体付着シーラ除去装置1を示す斜視図である。本図により、ヘラ体付着シーラ除去装置1の構成の概要について説明する。
【0020】
ヘラ体付着シーラ除去装置1は、基礎部分となる基台10と、基台10上に立設したシリンダ11を介して昇降自在に搭載した昇降プレート200と、昇降自在の昇降プレート200上に搭載した前後方形枠体43、44と、前後方形枠体43、44間に架設した前後方向のカムシャフト54、54と、カムシャフト54、54の前後端部にガイドレール55、55と該レール55、55に沿って左右摺動自在の摺動子56、56とを介して連動連設した左右こすり刃51、51と、前後方形枠体43、44の間に介在し、下方に向かって左右間隔を漸次幅狭に形成した左右ガイド縦長孔22、22を有するカムガイド板21、21と、左右こすり刃51、51の中間上方で対向した刃体81を支持したヘラ支持体82と、より構成し、しかも、カムガイド板21、21の左右ガイド縦長孔22、22に挿貫したカムシャフト54、54は、昇降プレート200の昇降作動に伴い左右ガイド縦長孔22、22を介して近接離反し、それに連動して左右こすり刃51、51も近接離反作動してヘラ体80の付着シーラを除去すべく構成している。
【0021】
以下構成について詳説する。図1に示すように、ヘラ体付着シーラ除去装置1は基台10上にシリンダ11を介して昇降プレート200を昇降自在に配設しており、シリンダ11の前後位置には、基台10と昇降プレート200との間に支柱ロッド12を介設し、昇降プレート200の昇降をガイドしている。
【0022】
昇降プレート200上には、図2図3に示すように、前後方形枠体43、44を対向立設している。各前後方形枠体43、44の上縁部にはそれぞれガイドレール55、55を敷設しており、各前後のガイドレール55、55には、摺動子56、56を左右に摺動自在、すなわち近接離反自在に遊嵌している。従って、各摺動子56、56は前後方形枠体43、44の左右に合わせて4個設けられている。
【0023】
各方形枠体43、44上縁部に左右摺動自在に設けた各摺動子56、56間には、図3図4に示すようにブラケット52、52を介してカムシャフト54、54を架設し、各摺動子56、56の左右摺動に伴い左右に変位可能としている。
【0024】
図5図6に示すように、カムシャフト54、54の近接離反作動を行うためのカムガイド板21、21等は、側板23、23を介して後述する架設フレーム63に固設されている。
【0025】
すなわち、前後方形枠体43、44の間にはカムガイド板21、21が介設されており、左右のカムガイド板21、21のそれぞれの中央には、互いに上部から下方に向けて狭幅状となるカーブを有した左右ガイド縦長孔22を穿設しており、この左右ガイド縦長孔22、22中にカムシャフト54、54を挿貫している。
【0026】
従って、図6に示すように、架設フレーム63に固設されたカムガイド板21、21における左右ガイド縦長孔22、22の中を昇降プレート200の昇降に伴いカムシャフト54、54が昇降移動する。その際に昇降プレート200の左右ガイド縦長孔22、22が下方に向かって左右漸次近接して配設されているために、カムシャフト54、54は昇降プレート200の下降に伴い左右ガイド縦長孔22、22を介して近接していく。その近接変位作動を左右こすり刃51、51に連動している。
【0027】
従って、カムシャフト54、54に連動連設した前後方形枠体43、44の前後左右の摺動子56、56やブラケット52、52等も近接し、カムシャフト54、54が、左右ガイド縦長孔22、22のカーブに沿って下方に変位する程、すなわち、昇降プレート200が下降作動に伴い左右のカムシャフト54、54は近接変位することになる。このようにカムシャフト54、54の近接変位に伴い、刃支持板50、50を介して左右のこすり刃51、51が近接して、刃間に挿入されたヘラ体80の刃体81に付着したシーラなどをこすり取る。
【0028】
すなわち、図2乃至図4に示すように、カムシャフト54の前後端部には、それぞれ前後のブラケット52、52を介して刃支持板50の前後下端部を連設しており、刃支持板50の上端縁には内方を向いた略L字状のこすり刃51を連設している。他方のカムシャフト54にも同様に前後のブラケット52、52を介して刃支持板50にこすり刃51をそれぞれ連設している。
【0029】
したがって、左右のカムシャフト54、54にはそれぞれ左右のこすり刃51、51が連動連設されていることになる。しかも、各こすり刃51、51は、図2に示すように、それぞれ略逆L字状に形成して刃本体が互いに対向した状態となる。
【0030】
上記のように昇降プレート200上に対向して立設された前後方形枠体43、44と、これにガイドレール55、55と、摺動子56、56とを介して連動連設された左右のカムシャフト54、54等は昇降プレート200に垂設したシリンダ11を介して昇降自在に構成されている。
【0031】
また、図5図6に示すように、カムガイド板21の下方に配設し架設フレーム63と一体とした固定プレート100の上面中央には、略方形状のシーラ回収箱34が配設され、シーラ回収箱34の上部は上方に延伸し、その上面に略長方形のシーラ回収口33を開口している。シーラ回収口33は、刃体81から前記こすり刃51、51でこすり取ったシーラを吸引する吸引口である。また、前記左右のこすり刃51、51の刃の下面の形状は、シーラ回収口33の当接面と密着性を確保するよう形成することにより、除去したシーラを確実に吸い込むよう構成している。
【0032】
シーラ回収口33から吸引されたシーラは、図5に示すように、シーラ回収箱34に回収され、シーラ回収箱34から前方に突設した円筒形のシーラ排出管35と、これに連結したシーラ排出チューブ36を介して排出される。シーラの吸引排出は、シーラ排出チューブ36の終端に接続された図示しない吸引回収装置により行われる。
【0033】
吸引回収装置は、圧縮空気を動力源として吸引力を発生させる。このため、ヘラ体付着シーラ除去装置1は、吸引回収装置に圧縮空気を供給するための、例えばコンプレッサやエアポンプなどの圧縮エア源を備えている。もちろん工場内の共用のエア源を使用することも可能である。
【0034】
ヘラ体80は、図7(a)、(b)に示すように、樹脂製で可撓性を有する断面逆三角形の刃体81と、刃体81の上部を挿入して支持したヘラ支持体82よりなり、ヘラ支持体82の背面には、ピン挿入孔83、83を設け、図8に示すように、ピン挿入孔83、83に略L字状のブラケット71から突出したピン74、74を挿入することによりヘラ支持体82をブラケット71に支持している。
【0035】
そして、こすり刃51、51の上方に、ヘラ支持体82を保持するために機体フレーム60に連設したブラケット71が取り付けられている。すなわち、ブラケット71は、図11に示すように、機体フレーム60頂部に配設したブラケット支持板65に固設されている。
【0036】
基台10及び昇降プレート200に搭載された一対のこすり刃51、51を近接離反させる作動機構は、上記のように構成されており、かかるこすり刃近接離反作動機構を有するヘラ体付着シーラ除去装置1は、図10図11に示すように、その周囲に構成した機体フレーム60に一体に連設して設置される。
【0037】
機体フレーム60は、前後左右に立設した方形状の左右外枠フレーム61と、左右外枠フレーム61間で左右に架設した架設フレーム63間に、橋渡し状に基台10を搭載した連結フレーム62と、連結フレーム62の中途に立設して上端間に架設したブラケット支持板65とよりなる。なお、こすり刃51、51は、縦板状の刃支持板の上縁部に互いに対向して突設した先端部を尖鋭状に構成している。そして、ブラケット71が、ヘラ体80を保持したときに、図6に示すように、左右のこすり刃51、51間に挿入されたヘラ体80の刃体81の付着物をこすり取れるように構成している。
【0038】
次に、シーラの除去動作について、具体的に説明する。
図9(a)は、昇降プレート200がシリンダ11の伸張により上昇して上死点に到達し、こすり刃51、51が最も離反した状態において、ヘラ支持体82をブラケット71に装着した状態の図である。すなわち、刃体81をこすり刃51、51間に挿入し、これを挟持する前の状態図である。
【0039】
まず、図9(a)に示す初期状態に至る動作について説明する。シリンダ11が伸張することで昇降プレート200上に搭載した前後方形枠体43、44が上昇する。これに伴い、カムシャフト54、54は左右ガイド縦長孔22、22を介して上昇しながら離反していく。
【0040】
すなわち、左右ガイド縦長孔22、22は、下方から上方に向かって左右間隔を漸次幅広に形成しているため、カムガイド板21、21の左右ガイド縦長孔22、22に挿貫した左右のカムシャフト54、54は、昇降プレート200の上昇作動に伴い摺動子56、56を介して互いに離反作動し、それに連動連設されたブラケット52、52が離反作動することにより、左右こすり刃51、51も離反作動する。
【0041】
昇降プレート200がさらに上昇を続けて上死点に達したとき上昇が停止し、このときに左右こすり刃51、51の間は最も離反する。この状態において、ヘラ体80の刃体81が、前記左右のこすり刃51、51間に挿入されると共に、ブラケット71に装着される。以上により刃体81に付着した付着物がこすり取られる状態になる。
【0042】
次に、図9(b)に示すように、シリンダ11の収縮により昇降プレート200が下降を開始すると、昇降プレート200の下降作動により、カムシャフト54、54は、左右ガイド縦長孔22、22を介して、当該形状に沿って下降する。左右ガイド縦長孔22、22は、互いに上部から下方に向けてその間隔を狭幅状となるように形成しており、内側方に向かうほど漸次カーブが緩やかな近接形状にしている。このため、昇降プレート200の下降に伴って、最初は急速に近接作動し、その後、漸次緩やかに近接作動する。
【0043】
カムシャフト54、54が近接すると、これに連動連設されたブラケット52、52が摺動子56、56の摺動により近接し、ブラケット52、52に連設された刃支持板50、50が近接し、これに支持されたこすり刃51、51が近接する。左右ガイド縦長孔22、22の上部ではカーブが内側に大きく湾曲しているため、これに連動して左右のこすり刃51、51は急速に近接し、刃体81を挟持する。
【0044】
そして、カムシャフト54、54の下降に伴って、左右のこすり刃51、51は左右ガイド縦長孔22、22のカーブに沿って近接していくと共に、刃体81を下方向にこすりながら付着したシーラを除去していく。
【0045】
次に、図9(c)に示すように、さらに昇降プレート200が下降すると、カムシャフト54、54は、左右ガイド縦長孔22、22を介してさらに下降する。この位置では、左右ガイド縦長孔22、22のカーブが緩やかになっているため、左右のこすり刃51、51は漸次緩やかに近接しつつ、刃体81を下方向にこすりながら付着したシーラを除去していく。
【0046】
次に、図9(d)に示すように、昇降プレート200が下死点に到達すると、そこで下降が終了し、左右ガイド縦長孔22、22に挿貫されたカムシャフト54、54も下死点に到達する。このときは、これに連動する左右のこすり刃51、51は最も近接し、刃体81をこすりながら付着シーラの除去作動を停止する。
【0047】
また、こすり取られたシーラは、シーラ回収口33からシーラ回収箱34に吸入され、シーラ回収箱34に設けたシーラ排出管35及びこれに連結したシーラ排出チューブ36を介して排出されることによって、シーラ除去工程は終了する。
【0048】
以上説明したように、昇降プレート200の下降に伴ってカムシャフト54、54は、左右ガイド縦長孔22、22を介して下降し、これに連動連設されたブラケット52、52が摺動子56、56を介して近接する。これにより、ブラケット52、52に連設された刃支持板50、50が近接し、これに支持されたこすり刃51、51が近接する。そして、左右のこすり刃51、51が、刃体81を挟持すると共に下方向にこすりながら付着したシーラを除去することができる。
【0049】
シーラ除去が終了し、ヘラ体80をブラケット71から脱去すると、先述と同様に、シリンダ11が伸張して昇降プレート200が上昇し、前後方形枠体43、44が上昇し、これに連動して左右のカムシャフト54、54が左右ガイド縦長孔22、22を介して上昇し、これに連動連設されている左右のブラケット52、52及び摺動子56、56を介してブラケット52、52に連設された刃支持板50、50が離反することにより、これに支持された左右のこすり刃51、51が離反しながら上昇していく。
【0050】
そして、昇降プレート200が上死点に達すると、左右のカムシャフト54、54も上昇を停止し、これに連動する左右のこすり刃51、51間は最も離反する。そして、ブラケット71は、次のヘラ体80の装着をすることができる状態となり、一連の動作が終了する。
【0051】
以上のように、第一の実施の形態に係るヘラ体付着シーラ除去装置1を使用することにより、ヘラ体付着のシーラ除去作業時間の短縮と自動化を実現すると共に、本来作業であるワークに塗布されたシーラの均し及び余剰分の除去作業に含まれていたヘラ体付着のシーラ除去作業が、別工程となり、本来作業のタクトタイムから分離除外されるため、本来作業のタクトタイムを短縮し、生産性の向上と、コスト低減を実現することができる効果を奏する。
【0052】
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。図12に示すように、本発明の第二の実施の形態に係るヘラ体付着シーラ除去装置2は、図11に示す機体フレーム60頂部に配設されたブラケット支持板65を、金属製の回転自在の円盤であるターンテーブル70に置き替えたものである。
【0053】
そして、ターンテーブル70上には、図12に示すように、4つのブラケット71が直交してステーションst1乃至st4として配設されている。また、ヘラ体付着シーラ除去装置1は、ステーションst2に配設されている。
【0054】
次に、ターンテーブル70の動作について説明する。図12に示すように、作業者又は図示しない例えばロボットなどの装着脱去装置が、ステーションst1のブラケット71にヘラ体80を装着する。装着が終了するとターンテーブル70は反時計方向に90度回転し、ヘラ体80は、ステーションst2に配設されたヘラ体付着シーラ除去装置1に到達する。
【0055】
ヘラ体80の刃体81は、ヘラ体付着シーラ除去装置1の上死点にあるこすり刃51、51間に静止する。ヘラ体80の到着を検出すると、シリンダ11が収縮を開始し、ロッド11aが収縮する。これにより、昇降プレート200が下降を開始する。以下、図9で説明したように、こすり刃51、51は刃体81に付着したシーラを除去する。
【0056】
シーラの除去が終了すると、ターンテーブル70は反時計方向に90度回転し、ヘラ体80は、ステーションst3に到達する。ステーションst3は予備工程であるが、このステーションst3に、もう1台のヘラ体付着シーラ除去装置1を配設し、2台のヘラ体付着シーラ除去装置1を使用してシーラを除去するように構成してもよい。すなわち、ステーションst2を粗どり工程、ステーションst3を仕上げ工程とすることもできる。
【0057】
この場合において、ステーションst3におけるヘラ体付着シーラ除去装置1のこすり刃51、51によるシーラ除去作動は、ステーションst2における作動と同様であるので、説明は省略する。
【0058】
ステーションst3における作業が終了すると、ターンテーブル70は反時計方向に90度回転し、ヘラ体80は、ステーションst4に到達する。ステーションst4は検査工程である。
【0059】
このステーションst4には検査用カメラ77を設置し、ヘラ体80の画像を撮影し、検査用カメラ77に接続されている検査装置78に画像データを送る。検査装置78では画像に基づいてあらかじめ定めた検査項目を検査する。
【0060】
検査項目としては、例えば、ヘラ支持体82や刃体81の凹凸の有無、ヘラ支持体82及び特に刃体81の表面の色合いや模様の有無などについて行い、これらの結果によりシーラの除去状態を判断する。また、ヘラ支持体82や刃体81の長年使用による摩耗状態や傷の有無などについても検査をする。
【0061】
そして、異常がなければ良品として当該検査装置78の画面に良品である旨を表示すると共に、図示しない緑ランプを点灯し、作業者に良品であることを知らしめる。
【0062】
また、異常がある場合は不良品として検査装置78の画面に不良品である旨を表示すると共に、図示しない赤ランプを点灯し、警報音を発して、作業者に不良品であることを知らしめる。さらに、本装置2の稼働を停止させ、作業者は不良品のヘラ体80を取り除き、手直し作業工程にまわすと共に、当該不良品に代えて良品の代品を当該ステーションst4のブラケット71に装着する。勿論、不良品の脱去及び装着を作業者の代わりに図示しない装着脱去装置が行うように構成しても差し支えない。
【0063】
ステーションst4の工程で、ヘラ体80が良品であった場合、又は不良品であったがその処置が終了した場合は、ターンテーブル70は反時計方向に90度回転し、ヘラ体80は、ステーションst1に戻る。そして、ステーションst1では、作業者又は図示しない装着脱去装置が、良品のヘラ体80をブラケット71から脱去し、次のシーラを除去するヘラ体80をブラケット71に装着する。
【0064】
以上のようにして、ターンテーブル70の一連の作動により、使用が終わったヘラ体80をブラケット71に装着しておくだけで、後は自動的にターンテーブル70が回転しながらヘラ体付着シーラ除去装置1や検査装置78などの作動によりシーラの除去がなされて、ターンテーブル70が1回転するごとにシーラが除去された良品のヘラ体80を得ることができるため、使用が終わったヘラ体80を、次々とシーラが除去された良品のヘラ体80と取り替えながら、ワークに塗布されたシーラの余剰分の除去作業を連続的に行うことができる。
【0065】
このように、第二の実施の形態に係るヘラ体付着シーラ除去装置2を使用することにより、刃体81に付着したシーラなどの粘性材料の除去及びその検査を人手によらないで行うことができると共に、作業者又は装着脱去装置は、ブラケット71へ使用済のヘラ体80を装着し、良品のヘラ体80を脱去することができる。そして、シーラ除去されたヘラ体80を用いてワークに塗布されたシーラなどの粘性材料の均し及び余剰分の除去作業に専念することができる。
【0066】
また、このように構成することにより、本来作業であるワークに塗布されたシーラの均し及び余剰分の除去作業に含まれていたヘラ体付着のシーラ除去作業が、別工程となり、本来作業のタクトタイムから分離除外されるため、本来作業のタクトタイムを短縮し、生産性の向上と、コスト低減を実現することができる効果を奏する。
【0067】
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。図13に示すように、本発明の第三の実施の形態は、第一の実施の形態であるヘラ体付着シーラ除去装置1又は第二の実施の形態であるヘラ体付着シーラ除去装置2と、ロボット90とを組み合わせて、ターンテーブル70上のステーションst1のブラケット71に、ヘラ体80の装着及び脱去を行うよう構成したものである。
【0068】
また、当該ロボット90は、ロボットハンド91でヘラ体80のヘラ支持体82を把持してアーム92を駆動し、ワークに塗布されたシーラなどの粘性材料の均し及び余剰分の除去作業を行うものである。
【0069】
すなわち、従来、作業者が手にヘラを持って行っていたワークに対する作業を、ロボット90がヘラ支持体82を把持して行うことに置き替え可能とするものである。ヘラ支持体82を把持して作業を行う場合には、刃体81は、シーラを塗布した部位が狭くて奥まっている場所であっても入っていくことができ、当該作業が可能だからである。
【0070】
以下、第二の実施の形態であるヘラ体付着シーラ除去装置2と、ロボット90とを組み合わせた場合について説明する。ロボット90は、シーラの均し及び余剰分の除去作業を終了すると、把持している使用済のヘラ体80をステーションst1のブラケット71に装着する。装着が終了すると、ターンテーブル70は反時計方向に90度回転し、装着されたヘラ体80は、ステーションst2の位置に移動すると共に、ステーションst1に、ステーションst4で検査が終了した良品のヘラ体80が到達する。
【0071】
ロボット90は、ロボットハンド91で当該到達した良品のヘラ体80のヘラ支持体82を把持し、アーム92を駆動してブラケット71から脱去する。そして、ロボット90は、当該ヘラ体80を使用して、引き続き自動車94のドアやフードなどのワークに塗布されたシーラの均し及び余剰分の除去作業を行う。以下、同様の動作を繰り返す。なお、ステーションst1乃至st4の動作は、第二の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
以上のように構成することにより、ロボット90は、ヘラ体80の使用が終わるたびに、次々とシーラが除去された良品のヘラ体80と取り替えながら、ワークに塗布されたシーラの均し及び余剰分の除去作業を連続的に行うことができる。
【0073】
このように、第三の実施の形態において、ヘラ体付着シーラ除去装置2と、ロボット90とを組み合わせて、ターンテーブル70上のステーションst1のブラケット71に、ヘラ体80の装着及び脱去を行うよう構成することにより、刃体81に付着したシーラなどの粘性材料の除去及びその検査を人手によらないで行うことができる。
【0074】
また、ブラケット71への、ヘラ体80の装着脱去をロボット90により行うよう構成したことにより、ロボット90は、シーラ除去されたヘラ体80を用いてワークに塗布されたシーラなどの粘性材料の均し及び余剰分の除去作業に専念することができ、かつ、従来、作業者が手作業行っていた、シーラを塗布した部位が狭くて奥まっている場所であっても当該作業を可能とする効果を奏する。
【0075】
また、前記ワークの狭くて奥まっている場所の手作業が不要となるため、ワークに対してロボット90による一貫作業が可能となる。さらに、本来作業であるワークに塗布されたシーラの均し及び余剰分の除去作業に含まれていたヘラ体付着のシーラ除去作業が、別工程となり、本来作業のタクトタイムから分離除外されるため、本来作業のタクトタイムを短縮し、生産性の向上と、コスト低減を実現することができる効果を奏する。
【0076】
以上の実施の形態において説明した本発明に係るヘラ体付着シーラ除去装置は、上述した実施の形態に限られず、上述した実施の形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施の形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0077】
例えば、第二の実施の形態において、ターンテーブル70上のステーションの数は4基に限定されるものではなく、作業工程数の増減や内容の変更など、必要に応じてステーションの数を増やすことは何ら差し支えない。また、ステーションの数は、装着脱去するステーションと、シーラ除去をするステーションの2基のみであっても何ら差し支えない。
【0078】
また、第三の実施の形態において、タクトタイムに応じて1台のロボット90に対して、2台のヘラ体付着シーラ除去装置2を組み合わせた構成にすることもできる。また、逆に2台のロボット90に対して、1台のヘラ体付着シーラ除去装置2を組み合わせた構成にすることもできる。また、検査装置78によりヘラ体80が不良品と判断された場合、当該不良品のヘラ体80の脱去及び代品の装着をロボット90に実行させるよう構成することもできる。さらに、ロボット90とヘラ体付着シーラ除去装置1とを組み合わせた構成とすることができることはいうまでもない。
【0079】
また、本発明の実施の形態では、刃体81の形状は、図7に示すように、断面逆三角形で側面視長方形の形状について説明したが、このような形状に限定されるものではなく、例えば、小刀状や撥状であっても何ら差し支えない。
【0080】
また、刃体81は、断面逆三角形の形状について説明したが、断面の形状に各種の曲線を持たせるよう、左右ガイド縦長孔22のカーブの形状をこれに合うように変更することができる。したがって、刃体81の断面を、最も作業のしやすい形状にすることも可能である。
【0081】
また、こすり刃51の断面の形状は、本明細書及び図面の記載で示したものに限定されるものではなく、除去する粘性材料の特性や刃体81の形状に応じて種々の形状をとり得ることはいうまでもない。
【0082】
また、ヘラ体80を支持するブラケット71は、ヘラ支持体82の背面に設けたピン挿入孔83にピン74を挿入する構造に限定されるものではなく、ヘラ支持体82の下面に設けたピン挿入孔に、ピンを下方から上方に向けて挿入する構造にすることもできる。また、ブラケット支持板65上にガイドレールを架設し、それに摺動子を遊嵌させ、その上にブラケット71を固設して左右に摺動自在とし、ブラケット71を右又は左に移動させて、こすり刃51、51から離れた位置でヘラ体80を装着し、次に元の位置に移動させて、刃体81をこすり刃51、51間に挿入するよう構成してもよい。このように、刃体81は、こすり刃51、51間に前方、上方又は左右の方向から挿入することもできる。
【0083】
また、本発明の実施の形態では、例として、シーラの除去について説明したが、除去の対象はシーラのみに限定されるものではなく、シーラのような粘性材料であれば適用可能である。
【0084】
また、本発明の実施の形態では、自動車のドアやフードなどを構成する部材同士の接合部に塗布されたシーラなどの粘性材料の余剰分の除去を行う用途について説明したが、このような用途に限定されるものではなく、例えば、建築用機材や建材ユニット等の防水処理や防錆処理を施す製品の製造工程に応用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0085】
1 ヘラ体付着シーラ除去装置
2 ヘラ体付着シーラ除去装置
10 基台
11 シリンダ
12 支柱ロッド
21 カムガイド板
22 ガイド縦長孔
23 側板
33 シーラ回収口
34 シーラ回収箱
35 シーラ排出管
43 方形枠体
44 方形枠体
50 刃支持板
51 こすり刃
52 ブラケット
54 カムシャフト
55 ガイドレール
56 摺動子
60 機体フレーム
63 架設フレーム
65 ブラケット支持板
70 ターンテーブル
71 ブラケット
77 検査用カメラ
78 検査装置
80 ヘラ体
81 刃体
82 ヘラ支持体
90 ロボット
100 固定プレート
200 昇降プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13