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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】タイヤ管理システム、タイヤ管理方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20220414BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20220414BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220414BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220414BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20220414BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020213936
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2021-01-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】寺本 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】谷村 一晴
(72)【発明者】
【氏名】橋本 幸典
(72)【発明者】
【氏名】西本 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】米田 憲司
【審査官】久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-195147(JP,A)
【文献】特開2003-042789(JP,A)
【文献】特開2014-238289(JP,A)
【文献】特開2008-122232(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183476(WO,A1)
【文献】特開2002-211217(JP,A)
【文献】特開2008-003980(JP,A)
【文献】特開2006-184008(JP,A)
【文献】特開2017-094815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G08G 1/0969
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部によって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出処理部と、
前記検出処理部によって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力処理部と、
を備えるタイヤ管理システムであって、
前記第1出力処理部は、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所、及び前記事業所ではない前記停車場所を含み、
前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、当該特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合であって前記事業所ではない前記特定停車場所が存在する場合は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記事業所ではない前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記タイヤ管理システムは、
前記第1出力処理部によって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合に、前記異常が検出された旨及び当該特定停車場所を含む第1報知情報をロードサービスの提供者に対応する出力先に出力可能な第2出力処理部を備える、
タイヤ管理システム。
【請求項2】
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部によって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出処理部と、
前記検出処理部によって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力処理部と、
を備えるタイヤ管理システムであって、
前記第1出力処理部は、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所、及び前記事業所ではない前記停車場所を含み、
前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、当該特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合であって前記事業所ではない前記特定停車場所が存在する場合は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記事業所ではない前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記タイヤ管理システムは、
前記第1出力処理部によって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合であって、前記車両がトラクタ及び当該トラクタに牽引されるトレーラで構成される連結車両である場合であって、前記トラクタに装着された前記空気入りタイヤについて前記異常が検出された場合に、前記特定停車場所から予め定められた第2特定距離の範囲内に存在する前記事業所までの第2経路を含む第2経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第3出力処理部を備える、
タイヤ管理システム。
【請求項3】
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部によって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出処理部と、
前記検出処理部によって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力処理部と、
を備えるタイヤ管理システムであって、
前記第1出力処理部は、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所であって、
前記タイヤ管理システムは、
前記第1経路情報の出力後に、前記車両が当該第1経路情報に従って移動しているか否かを判定する第1判定処理部と、
前記第1判定処理部によって前記車両が前記第1経路情報に従って移動していると判定される場合に、前記第1経路情報が出力された旨を含む第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力する第4出力処理部と、
を備えるタイヤ管理システム。
【請求項4】
前記第1出力処理部は、複数の前記特定停車場所のうち前記車両の現在位置から最も近い前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する、
請求項3に記載のタイヤ管理システム。
【請求項5】
前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する、
請求項3に記載のタイヤ管理システム。
【請求項6】
前記第1経路情報が出力される場合に、当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記メンテナンスサービスで用いられる物資の有無を判定する第2判定処理部と、
前記第2判定処理部によって前記物資がないと判定される場合に、前記物資がないと判定された旨を含む第3報知情報を複数の前記事業所のうち前記特定停車場所から最も近く且つ前記物資がある特定事業所に対応する出力先に出力する第5出力処理部と、
を備える請求項3~5のいずれかに記載のタイヤ管理システム。
【請求項7】
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部によって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出処理部と、
前記検出処理部によって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力処理部と、
を備えるタイヤ管理システムであって、
前記第1出力処理部は、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所であって、
前記タイヤ管理システムは、
前記第1経路情報が出力される場合に、当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記メンテナンスサービスで用いられる物資の有無を判定する第2判定処理部と、
前記第2判定処理部によって前記物資がないと判定される場合に、前記物資がないと判定された旨を含む第3報知情報を複数の前記事業所のうち前記特定停車場所から最も近く且つ前記物資がある特定事業所に対応する出力先に出力する第5出力処理部と、
前記第1経路情報が出力される場合に、前記第1経路情報が出力された旨を含む第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力可能な第4出力処理部と、
を備え、
不足する前記物資が手配される旨が出力対象の前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所の従業員に報知されるタイヤ管理システム。
【請求項8】
前記第1出力処理部は、複数の前記特定停車場所のうち前記車両の現在位置から最も近い前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する、
請求項7に記載のタイヤ管理システム。
【請求項9】
前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する、
請求項7に記載のタイヤ管理システム。
【請求項10】
前記第1経路情報の出力後に、前記車両が当該第1経路情報に従って移動しているか否かを判定する第1判定処理部を備え、
前記第4出力処理部は、前記第1判定処理部によって前記車両が前記第1経路情報に従って移動していると判定される場合に、前記2報知情報を出力する、
請求項7~9のいずれかに記載のタイヤ管理システム。
【請求項11】
タイヤ管理システムに含まれるプロセッサによって実行されるタイヤ管理方法であって、
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力ステップと、
を含
前記第1出力ステップでは、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記第1出力ステップでは、前記車両の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所、及び前記事業所ではない前記停車場所を含み、
前記第1出力ステップでは、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、当該特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合であって前記事業所ではない前記特定停車場所が存在する場合は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記事業所ではない前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記タイヤ管理方法は、
前記第1出力ステップによって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合に、前記異常が検出された旨及び当該特定停車場所を含む第1報知情報をロードサービスの提供者に対応する出力先に出力可能な第2出力ステップを含む、
タイヤ管理方法。
【請求項12】
タイヤ管理システムに含まれるプロセッサによって実行されるタイヤ管理方法であって、
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力ステップと、
を含
前記第1出力ステップでは、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記第1出力ステップでは、前記車両の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所、及び前記事業所ではない前記停車場所を含み、
前記第1出力ステップでは、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、当該特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合であって前記事業所ではない前記特定停車場所が存在する場合は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記事業所ではない前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記タイヤ管理方法は、
前記第1出力ステップによって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合であって、前記車両がトラクタ及び当該トラクタに牽引されるトレーラで構成される連結車両である場合であって、前記トラクタに装着された前記空気入りタイヤについて前記異常が検出された場合に、前記特定停車場所から予め定められた第2特定距離の範囲内に存在する前記事業所までの第2経路を含む第2経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第3出力ステップを含む、
タイヤ管理方法。
【請求項13】
タイヤ管理システムに含まれるプロセッサによって実行されるタイヤ管理方法であって、
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力ステップと、
を含
前記第1出力ステップでは、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所であって、
前記タイヤ管理方法は、
前記第1経路情報の出力後に、前記車両が当該第1経路情報に従って移動しているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップによって前記車両が前記第1経路情報に従って移動していると判定される場合に、前記第1経路情報が出力された旨を含む第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力する第4出力ステップと、
を含むタイヤ管理方法。
【請求項14】
タイヤ管理システムに含まれるプロセッサによって実行されるタイヤ管理方法であって、
車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する第1出力ステップと、
を含
前記第1出力ステップでは、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報が出力され、
前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所であって、
前記タイヤ管理方法は、
前記第1経路情報が出力される場合に、当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記メンテナンスサービスで用いられる物資の有無を判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップによって前記物資がないと判定される場合に、前記物資がないと判定された旨を含む第3報知情報を複数の前記事業所のうち前記特定停車場所から最も近く且つ前記物資がある特定事業所に対応する出力先に出力する第5出力ステップと、
前記第1経路情報が出力される場合に、前記第1経路情報が出力された旨を含む第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力可能な第4出力ステップと、
を含み、
不足する前記物資が手配される旨が出力対象の前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所の従業員に報知されるタイヤ管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ管理システム、タイヤ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクしていると判定された場合に、前記タイヤがパンクしていることを示す警報を発生可能なシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-6266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記タイヤがパンクしていると判定された場合に、前記車両を最寄りのガソリンスタンド及びコンビニエンスストアのような停車場所へ案内することができれば、前記車両の安全を確保することが可能である。
【0005】
しかしながら、前記車両のサイズとは無関係に案内先の前記停車場所が決定される構成では、前記車両がセミトレーラなどの大型車両である場合に、当該車両を停車可能な停車スペースを有しない前記停車場所が案内先として決定されることがある。
【0006】
本発明の目的は、タイヤに異常が発生した場合に、車両を当該車両のサイズに応じた停車場所へ案内可能なタイヤ管理システム、及びタイヤ管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の一の局面に係るタイヤ管理システムは、取得処理部と、検出処理部と、第1出力処理部とを備える。前記取得処理部は、車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報を取得する。前記検出処理部は、前記取得処理部によって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常を検出する。前記第1出力処理部は、前記検出処理部によって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する。
【0008】
この構成によれば、タイヤの異常が検出された場合に、車両の運転者等に対して、その車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの経路を伝達することが可能である。従って、車両を当該車両のサイズに応じた停車場所へ案内することが可能である。
【0009】
(2) 本発明のタイヤ管理システムにおいて、前記第1出力処理部は、前記車両が予め定められた特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち前記特定車両に対応する特定道路を通る特定第1経路を含む前記第1経路情報を出力する。
【0010】
この構成によれば、タイヤの異常が検出された車両が特定車両である場合に、車両の運転者等に対して、特定車両に対応する特定道路を通る特定停車場所までの経路を伝達することが可能である。従って、通行可能な道路が特定道路に制限された車両を特定車両と定めることで、特定車両のタイヤについて異常が検出された場合に、特定車両を通行制限の範囲内で特定停車場所へ案内することが可能である。
【0011】
(3) 本発明のタイヤ管理システムにおいて、前記第1出力処理部は、複数の前記特定停車場所のうち前記車両の現在位置から最も近い前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する。
【0012】
この構成によれば、タイヤの異常が検出された車両を最寄りの特定停車場所へ案内することが可能である。
【0013】
(4) 本発明のタイヤ管理システムにおいて、前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する。
【0014】
この構成によれば、タイヤの異常が検出された車両を当該車両から第1特定距離の範囲内に存在する特定停車場所へ案内することが可能である。
【0015】
(5) 本発明のタイヤ管理システムにおいて、前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所を含む。また、前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、当該特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する。また、タイヤ管理システムは、第2出力処理部を備える。前記第2出力処理部は、前記第1出力処理部によって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合に、前記異常が検出された旨及び当該特定停車場所を含む第1報知情報をロードサービスの提供者に対応する出力先に出力可能である。
【0016】
この構成によれば、タイヤの異常が検出された車両の現在位置から第1特定距離の範囲内に事業所である特定停車場所が存在する場合に、その車両をその事業所へ案内することが可能である。また、事業所である特定停車場所が存在しない場合に、車両を当該車両から第1特定距離の範囲内に存在する特定停車場所へ案内することが可能である。また、車両が事業所ではない特定停車場所へ案内される場合に、ロードサービスの提供者に対して、車両のタイヤにおいて異常が検出された旨、及び当該車両が向かう特定停車場所を伝達することが可能である。従って、車両の運転者等において生じる、タイヤの異常を解消するためにロードサービスの提供者に連絡をとる手間を省くことが可能である。
【0017】
(6) 本発明のタイヤ管理システムにおいて、前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所を含む。また、前記第1出力処理部は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、当該特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力し、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合は、前記車両の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する。また、タイヤ管理システムは、第3出力処理部を備える。前記第3出力処理部は、前記第1出力処理部によって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合であって、前記車両がトラクタ及び当該トラクタに牽引されるトレーラで構成される連結車両である場合であって、前記トラクタに装着された前記空気入りタイヤについて前記異常が検出された場合に、前記特定停車場所から予め定められた第2特定距離の範囲内に存在する前記事業所までの第2経路を含む第2経路情報を前記車両に対応する出力先に出力する。
【0018】
この構成によれば、タイヤの異常が検出された車両の現在位置から第1特定距離の範囲内に事業所である特定停車場所が存在する場合に、その車両をその事業所へ案内することが可能である。また、事業所である特定停車場所が存在しない場合に、車両を当該車両から第1特定距離の範囲内に存在する特定停車場所へ案内することが可能である。また、車両が事業所ではない特定停車場所へ案内される場合であって、その車両が連結車両であって、トラクタのタイヤについて異常が検出された場合に、車両の運転者等に対して、当該特定停車場所から第2特定距離の範囲内に存在する事業所までの経路を伝達することが可能である。従って、特定停車場所でトレーラから切り離されたトラクタを特定停車場所から第2特定距離の範囲内に存在する事業所へ案内することが可能である。
【0019】
(7) 本発明のタイヤ管理システムにおいて、前記停車場所は、前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所である。
【0020】
この構成によれば、タイヤの異常が検出された場合に、車両を当該車両のサイズに応じた停車スペースを有する事業所へ案内することが可能である。
【0021】
(8) 本発明のタイヤ管理システムは、第1判定処理部と、第4出力処理部とを備える。前記第1判定処理部は、前記第1経路情報の出力後に、前記車両が当該第1経路情報に従って移動しているか否かを判定する。前記第4出力処理部は、前記第1判定処理部によって前記車両が前記第1経路情報に従って移動していると判定される場合に、前記第1経路情報が出力された旨を含む第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力する。
【0022】
この構成によれば、特定停車場所である事業所の従業員に対して、車両の来店を事前に通知することが可能である。従って、当該事業所において車両を迎え入れる準備を行うことが可能である。
【0023】
(9) 本発明のタイヤ管理システムは、第2判定処理部と、第5出力処理部とを備える。前記第2判定処理部は、前記第1経路情報が出力される場合に、当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記メンテナンスサービスで用いられる物資の有無を判定する。前記第5出力処理部は、前記第2判定処理部によって前記物資がないと判定される場合に、その旨を含む第3報知情報を複数の前記事業所のうち前記特定停車場所から最も近く且つ前記物資がある特定事業所に対応する出力先に出力する。
【0024】
この構成によれば、特定事業所の従業員に対して、特定停車場所である事業所における物資の不足を伝達し、当該従業員による物資の配送を促すことが可能である。従って、特定停車場所である事業所の従業員における、不足する物資を手配する手間を省くことが可能である。
【0025】
(10) 本発明の他の局面に係るタイヤ管理方法は、取得ステップと、検出ステップと、出力ステップとを含む。前記取得ステップでは、車両に装着された空気入りタイヤの状態に関する状態情報が取得される。前記検出ステップでは、前記取得ステップによって取得される前記状態情報に基づいて、前記空気入りタイヤの異常が検出される。前記出力ステップでは、前記検出ステップによって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち前記車両のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報が前記車両に対応する出力先に出力される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、タイヤに異常が発生した場合に、車両を当該車両のサイズに応じた停車場所へ案内可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ管理システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ管理システムの管理サーバーの構成を示す図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ管理システムの管理サーバーで実行される第1タイヤ管理処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ管理システムの構成を示す図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ管理システムの管理サーバーの構成を示す図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ管理システムの管理サーバーで実行される第2タイヤ管理処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0029】
[第1実施形態]
まず、図1を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るタイヤ管理システム100の構成について説明する。
【0030】
図1に示されるように、タイヤ管理システム100は、車両1、通信装置2、端末装置3、及び管理サーバー4を含む。
【0031】
タイヤ管理システム100において、管理サーバー4は、インターネット又はLAN(ローカルエリアネットワーク)などの通信ネットワークにより、通信装置2、及び端末装置3と相互に通信可能に接続されている。
【0032】
車両1は、タイヤ管理システム100における管理対象の空気入りタイヤ11(以下、単に「タイヤ」という。)が装着される自動車である。例えば、車両1は、トラクタ7(図1参照)及びトラクタ7に牽引されるトレーラ8(図1参照)で構成される連結車両である。前記連結車両は、一般にセミトレーラなどと呼ばれる。なお、車両1は、トラクタ、又はトレーラであってもよい。また、車両1は、トラッククレーン、トラック、バス、及び乗用車などであってもよい。
【0033】
車両1は、複数のタイヤ11(図1参照)を備える。図1には、車両1が有する6つのタイヤ11が示されている。6つのタイヤ11のうち、タイヤ11Aは、トラクタ7の左側の前輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Bは、トラクタ7の右側の前輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Cは、トラクタ7の左側の後輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Dは、トラクタ7の右側の後輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Eは、トレーラ8の左側の後輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Fは、トレーラ8の右側の後輪位置のホイールに装着される。なお、車両1のタイヤ11の数は、6つに限られなくてよい。
【0034】
図1に示されるように、車両1は、複数のタイヤ11に対応する複数の検出装置12を備える。複数の検出装置12のうち、検出装置12Aは、タイヤ11A内に設けられる。また、検出装置12Bは、タイヤ11B内に設けられる。また、検出装置12Cは、タイヤ11C内に設けられる。また、検出装置12Dは、タイヤ11D内に設けられる。また、検出装置12Eは、タイヤ11E内に設けられる。また、検出装置12Fは、タイヤ11F内に設けられる。
【0035】
検出装置12は、当該検出装置12が設けられたタイヤ11内の空気圧及び空気温度を検出する空気圧検出部を備える。前記空気圧検出部には、圧力センサー、及び温度センサーなどが含まれる。
【0036】
また、検出装置12は、車載通信装置13(図1参照)との間の無線通信に用いられる通信部を備える。前記通信部には、送信機、及びアンテナなどが含まれる。
【0037】
具体的に、検出装置12は、自装置から予め定められた第1無線通信規格の通信範囲内に存在する車載通信装置13との間で、前記第1無線通信規格に従った無線通信を実行する。例えば、前記第1無線通信規格は、国際標準規格として周知のIEEE、又はIEEEに準拠した無線通信規格である。例えば、前記第1無線通信規格は、Bluetooth(登録商標)、又はWi-Fi(登録商標)である。この場合、検出装置12は、十数メートルの範囲内に存在する車載通信装置13との間で無線通信を実行可能である。なお、前記第1無線通信規格は、Bluetooth又はWi-Fiとは異なる規格であってもよい。
【0038】
検出装置12は、無線接続された車載通信装置13に対して、状態データを送信する。前記状態データには、検出装置12の識別に用いられる検出装置識別情報、前記空気圧検出部によって検出されたタイヤ11内の空気圧を示す空気圧情報、及び前記空気圧検出部によって検出されたタイヤ11内の空気温度を示す空気温度情報などが含まれる。前記空気圧情報、及び前記空気温度情報は、それぞれ車両1に装着されたタイヤ11の状態に関する状態情報の一種である。
【0039】
例えば、検出装置12は、予め定められた実行周期で、検出処理及び送信処理を実行する。前記検出処理は、前記空気圧検出部を用いてタイヤ11の空気圧及び空気温度を検出する処理である。前記送信処理は、前記検出処理の検出結果を含む前記状態データを車載通信装置13に送信する処理である。例えば、前記実行周期は、10秒から10分までの間で任意に定められた時間である。
【0040】
なお、検出装置12は、前記空気圧検出部に替えて、又は前記空気圧検出装置とともに、タイヤ11の回転方向、回転軸方向、及び径方向の加速度を検出する加速度センサーを備えていてもよい。この場合、前記状態データには、前記加速度センサーによって検出されるタイヤ11の3方向の加速度を示す加速度情報が含まれていてもよい。前記加速度情報は、車両1に装着されたタイヤ11の状態に関する状態情報の一種である。
【0041】
また、検出装置12は、管理サーバー4から通信装置2及び車載通信装置13を経由して送信される予め定められた制御信号を受信した場合に、前記検出処理及び前記送信処理を実行してもよい。
【0042】
車両1は、車載通信装置13(図1参照)を備える。車載通信装置13は、検出装置12各々と前記第1無線通信規格に従った無線通信を実行可能な位置に設けられる。
【0043】
車載通信装置13は、検出装置12から送信される前記状態データを受信する。
【0044】
また、車載通信装置13は、車両1の現在位置を示す位置情報を取得する。例えば、車載通信装置13は、GPS衛星から送信される電波を受信可能なGPS受信機を備える。車載通信装置13は、前記GPS受信機によって受信された電波に含まれる情報に基づいて、前記位置情報を取得する。
【0045】
また、車載通信装置13は、自装置から予め定められた第2無線通信規格の通信範囲内に存在する通信装置2(図1参照)との間で、前記第2無線通信規格に従った無線通信を実行する。例えば、前記第2無線通信規格は、LTE(登録商標)などである。この場合、車載通信装置13は、数キロメートルの範囲内に存在する通信装置2との間で無線通信を実行可能である。なお、前記第2無線通信規格は、LTEとは異なる規格であってもよい。
【0046】
車載通信装置13は、無線接続された通信装置2に対して、検出装置12から受信した前記状態データを送信する。具体的に、車載通信装置13は、検出装置12から受信した前記状態データに付加データを付加し、当該付加データが付加された前記状態データを通信装置2へ送信する。前記付加データには、車載通信装置13の識別に用いられる通信装置識別情報、前記位置情報、及び前記状態データの受信日時を示す受信日時情報などが含まれる。
【0047】
また、車載通信装置13は、管理サーバー4から出力される情報の表示に用いられる表示部を備える。
【0048】
通信装置2は、車載通信装置13から送信される前記状態データを受信する。通信装置2は、任意の位置に設けられてよい。
【0049】
図1に示されるように、通信装置2は、アンテナ21を備える。アンテナ21は、車載通信装置13との間の無線通信に用いられる。通信装置2は、アンテナ21から前記第2無線通信規格の通信範囲内に存在する車載通信装置13との間で、前記第2無線通信規格に従った無線通信を実行する。
【0050】
また、通信装置2は、車載通信装置13から前記状態データを受信した場合に、受信した前記状態データを管理サーバー4へ送信する。
【0051】
端末装置3は、ロードサービスを提供する提供者の従業員によって用いられる情報処理装置である。ここで、ロードサービスとは、車両にトラブルが発生した場合に、その車両の現在位置へ駆けつけてその車両のトラブルに対処するサービスである。例えば、端末装置3は、前記提供者のコールセンターなどに設けられるパーソナルコンピューターである。なお、端末装置3は、前記提供者の従業員によって使用されるスマートフォン又はタブレット端末などであってもよい。
【0052】
管理サーバー4は、前記状態データに基づいて、タイヤ11の管理に関する各種の処理を実行する。
【0053】
[管理サーバー4の構成]
次に、図2を参照しつつ、管理サーバー4の構成について説明する。
【0054】
図2に示されるように、管理サーバー4は、制御部31、通信部32、及び記憶部33を含む。
【0055】
制御部31は、管理サーバー4を統括的に制御する。図2に示されるように、制御部31は、CPU41、ROM42、及びRAM43を備える。CPU41は、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROM42は、CPU41に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM43は、CPU41が実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される揮発性又は不揮発性の記憶装置である。制御部31では、CPU41によりROM42に予め格納された各種の制御プログラムが実行される。これにより、管理サーバー4が制御部31により統括的に制御される。
【0056】
通信部32は、通信装置2などの外部の通信機器との間で、前記通信ネットワークを介して有線又は無線によるデータ通信を実行可能な通信インターフェイスである。
【0057】
記憶部33は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部33は、フラッシュメモリ、及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、並びにHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0058】
記憶部33には、予め管理サーバー4に登録された車両1各々に対応する車両情報が格納されている。前記車両情報は、車両1に関する情報である。前記車両情報には、車両1の種類、サイズ、重量、色、及び自動車登録番号などの情報が含まれる。また、前記車両情報には、車両1の識別に用いられる車両識別情報、車両1に設けられた車載通信装置13の前記通信装置識別情報、及び車両1に装着されたタイヤ11各々に対応する検出装置12の前記検出装置識別情報が含まれる。また、前記車両情報には、車両1に装着されたタイヤ11各々に対応するタイヤ情報が含まれる。前記タイヤ情報は、タイヤ11に関する情報である。前記タイヤ情報には、タイヤ11の種類、サイズ、及び製造タイミングなどの情報が含まれる。
【0059】
また、記憶部33には、予め定められた特定地域の地図を含む地図情報が格納されている。前記特定地域は、車両1が使用される地域、又は国である。前記地図には、自動車が通行可能な道路が含まれる。
【0060】
また、記憶部33には、前記地図に含まれる道路のうち、予め定められた特定車両に対応する特定道路の識別に用いられる道路識別情報が格納されている。前記特定車両は、サイズ及び重量のいずれか一方又は両方が予め定められた基準値を超える車両であって、通行可能な道路が制限された車両である。前記特定道路は、前記特定車両が通行可能な道路として予め指定された道路である。例えば、前記特定道路は高速道路である。
【0061】
また、記憶部33には、予め管理サーバー4に登録された停車場所各々に対応する停車場所情報が格納されている。前記停車場所は、前記特定地域内の場所であって、自動車を停車可能な停車スペースを有する場所である。例えば、前記停車場所は、ガソリンスタンド、サービスステーション、高速道路のパーキングエリア、高速道路のサービスエリア、コンビニエンスストア、ショッピングモールなどの商業施設の駐車場、コインパーキングなどの貸駐車場、自動車ディーラー、及び自動車整備工場などである。前記停車場所情報は、前記停車場所に関する情報である。前記停車場所情報には、前記停車場所の名称、所在地、電話番号、前記停車スペースのサイズ、及び前記停車スペースの数などの情報が含まれる。
【0062】
また、図2に示されるように、記憶部33は、6つのデータ格納部51を含む。6つのデータ格納部51は、予め管理サーバー4に登録された車両1ごとに設けられる。
【0063】
6つのデータ格納部51のうち、データ格納部51Aは、タイヤ11Aに対応する前記状態データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Bは、タイヤ11Bに対応する前記状態データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Cは、タイヤ11Cに対応する前記状態データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Dは、タイヤ11Dに対応する前記状態データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Eは、タイヤ11Eに対応する前記状態データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Fは、タイヤ11Fに対応する前記状態データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。
【0064】
ここで、本発明の第1実施形態に係るタイヤ管理システム100によれば、タイヤ11に異常が発生した場合に、車両1を当該車両1のサイズに応じた前記停車場所へ案内することが可能である。
【0065】
具体的に、制御部31は、図2に示される格納処理部61、取得処理部62、検出処理部63、第1出力処理部64、第2出力処理部65、及び第3出力処理部66を含む。例えば、制御部31は、予め記憶部33に格納されたタイヤ管理プログラムを実行することにより、格納処理部61、取得処理部62、検出処理部63、第1出力処理部64、第2出力処理部65、及び第3出力処理部66として機能する。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記タイヤ管理プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0066】
格納処理部61は、通信装置2から送信される前記状態データを受信した場合に、受信した前記状態データをいずれかのデータ格納部51に格納する。
【0067】
具体的に、格納処理部61は、受信した前記状態データに含まれる前記通信装置識別情報及び前記検出装置識別情報に基づいて、いずれかのデータ格納部51を当該状態データの格納先として決定する。そして、格納処理部61は、受信した前記状態データを、格納先として決定されたデータ格納部51に格納する。
【0068】
取得処理部62は、予め定められた取得タイミングが到来した場合に、車両1に装着されたタイヤ11の状態に関する前記状態情報を取得する。
【0069】
例えば、前記取得タイミングは、データ格納部51に新たな前記状態データが格納されたタイミングである。この場合、取得処理部62は、データ格納部51に前記状態データが格納された車両1について、前記状態情報を取得する。
【0070】
例えば、取得処理部62は、前記取得タイミングが到来した場合に、車両1に対応するデータ格納部51各々から、前記受信日時情報が新しい順に選択された複数の前記状態データを取得する。
【0071】
なお、前記取得タイミングは、予め定められた周期で到来するタイミングであってもよい。また、前記取得タイミングは、管理サーバー4と通信可能に接続されたパーソナルコンピューターなどの情報処理装置を介して、管理サーバー4に前記状態情報の取得指示が入力された場合であってもよい。
【0072】
また、取得処理部62は、車両1が備える複数のタイヤ11のうちの一部について、前記状態情報を取得してもよい。また、取得処理部62は、通信装置2及び車載通信装置13を経由して車両1の検出装置12に前記制御信号を送信し、当該制御信号の入力に応じて検出装置12から送信される前記状態データを取得してもよい。
【0073】
検出処理部63は、取得処理部62によって取得される前記状態情報に基づいて、タイヤ11の異常を検出する。
【0074】
例えば、前記異常には、タイヤ11の空気圧が予め定められた基準範囲外である第1異常が含まれる。また、前記異常には、タイヤ11の空気圧の減少速度が予め定められた基準速度を超える第2異常が含まれる。
【0075】
具体的に、検出処理部63は、タイヤ11各々について、取得処理部62によって取得される最新の前記状態データに基づいて、前記第1異常の有無を判定する。例えば、検出処理部63は、前記空気温度情報に基づいて補正された前記空気圧情報が前記基準範囲外である場合に、前記第1異常があると判定する。
【0076】
また、検出処理部63は、タイヤ11各々について、取得処理部62によって取得される複数の前記状態データに基づいて、前記第2異常の有無を判定する。例えば、検出処理部63は、複数の前記状態データに基づいて算出されるタイヤ11の空気圧の減少速度が前記基準速度を超える場合に、前記第2異常があると判定する。
【0077】
なお、検出処理部63は、前記状態データに前記加速度情報が含まれる場合に、当該加速度情報に基づいて前記異常を検出してもよい。この場合、前記異常には、タイヤ11が軸方向又は径方向に振動する第3異常が含まれる。また、検出処理部63は、前記加速度情報に基づいて前記第3異常の有無を判定する。
【0078】
また、検出処理部63は、車両1が備える複数のタイヤ11のうちの一部について、前記異常を検出してもよい。
【0079】
第1出力処理部64は、検出処理部63によって前記異常が検出された場合に、複数の前記停車場所のうち、車両1のサイズに応じた前記停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を、車両1に対応する出力先に出力する。
【0080】
例えば、第1出力処理部64は、車両1の現在位置から予め定められた第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報を出力する。
【0081】
例えば、前記第1特定距離は、1キロメートルから50キロメートルまでの間で任意に定められた距離である。なお、前記第1特定距離は、検出された前記異常の種類、程度、及び車両1の重量のいずれか一つ又は複数に基づいて定められる距離であってもよい。
【0082】
具体的に、第1出力処理部64は、前記車両情報及び前記停車場所情報に基づいて、予め管理サーバー4に登録された複数の前記停車場所から前記特定停車場所を選出する。また、第1出力処理部64は、前記異常の検出に用いられた前記状態データに付加された前記位置情報に基づいて、車両1の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所を選出する。
【0083】
そして、第1出力処理部64は、選出された前記特定停車場所のいずれかを、出力対象の前記特定停車場所として決定する。
【0084】
具体的に、第1出力処理部64は、選出された前記特定停車場所のなかに、タイヤ11に発生する前記異常に対応するメンテナンスサービスを提供可能な事業所が含まれる場合は、車両1の現在位置から最も近い前記事業所を、出力対象の前記特定停車場所として決定する。例えば、前記事業所は、ガソリンスタンド、サービスステーション、自動車ディーラー、及び自動車整備工場などである。前記第1異常に対応するメンテナンスサービスは、タイヤ11の空気圧を調整する空気圧調整サービスである。前記第2異常に対応するメンテナンスサービスは、タイヤ11を交換するタイヤ交換サービスである。前記第3異常に対応するメンテナンスサービスは、車両1を点検する車両点検サービスである。
【0085】
また、第1出力処理部64は、選出された前記特定停車場所のなかに前記事業所が含まれない場合は、車両1の現在位置から最も近い前記特定停車場所を、出力対象の前記特定停車場所として決定する。また、第1出力処理部64は、車両1の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記特定停車場所が存在しない場合は、その旨を含むメッセージを車両1に対応する出力先に出力する。
【0086】
なお、第1出力処理部64は、選出された前記特定停車場所のなかに前記事業所が含まれる場合に、車両1を停車可能な前記停車スペースが最も多い前記事業所を、出力対象の前記特定停車場所として決定してもよい。また、第1出力処理部64は、選出された前記特定停車場所のなかに前記事業所が含まれない場合に、車両1を停車可能な前記停車スペースが最も多い前記特定停車場所を、出力対象の前記特定停車場所として決定してもよい。また、第1出力処理部64は、選出された前記特定停車場所のなかに前記事業所が含まれるか否かに関わらず、車両1の現在位置から最も近い、又は車両1を停車可能な前記停車スペースが最も多い前記特定停車場所を、出力対象の前記特定停車場所として決定してもよい。また、第1出力処理部64は、車両1の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記特定停車場所が存在するか否かに関わらず、車両1の現在位置から最も近い前記特定停車場所を、出力対象の前記特定停車場所として決定してもよい。
【0087】
第1出力処理部64は、出力対象の前記特定停車場所を決定した場合に、前記地図情報に基づいて、当該特定停車場所までの前記第1経路を取得する。そして、第1出力処理部64は、取得された一又は複数の前記第1経路のいずれかを、出力対象の前記第1経路として決定する。
【0088】
ここで、第1出力処理部64は、車両1が前記特定車両ではない場合は、取得された一又は複数の前記第1経路のうち、出力対象の前記特定停車場所までの通行距離が最も短い前記第1経路を、出力対象の前記第1経路として決定する。車両1が前記特定車両であるか否かの判定は、前記車両情報に基づいて実行される。
【0089】
また、第1出力処理部64は、車両1が前記特定車両である場合は、取得された一又は複数の前記第1経路のうち、前記特定道路を通る特定第1経路を、出力対象の前記第1経路として決定する。具体的に、前記特定第1経路は、前記特定道路だけを通る前記第1経路である。前記特定道路は、前記道路識別情報に基づいて識別される。第1出力処理部64は、取得された一又は複数の前記第1経路が前記特定第1経路を含まない場合は、その旨を含むメッセージを車両1に対応する出力先に出力する。なお、前記特定第1経路は、前記特定道路を通り且つ前記特定道路とは異なる道路の通行距離が最も短い前記第1経路であってもよい。
【0090】
なお、第1出力処理部64は、車両1が前記特定車両であるか否かに関わらず、取得された一又は複数の前記第1経路のうち、出力対象の前記特定停車場所までの通行距離が最も短い前記第1経路を、出力対象の前記第1経路として決定してもよい。
【0091】
第1出力処理部64は、出力対象の前記第1経路が決定された場合に、当該第1経路を含む前記第1経路情報を、車両1に対応する出力先に出力する。
【0092】
例えば、前記第1経路情報は、出力対象の前記第1経路が識別可能に表示された地図情報である。なお、前記第1経路情報は、車両1を出力対象の前記特定停車場所へ案内するための音声情報を含んでいてもよい。
【0093】
例えば、第1出力処理部64は、前記異常が検出された旨のメッセージ、及び前記第1経路情報を車載通信装置13の表示部に出力する。なお、第1出力処理部64は、前記異常が検出された旨のメッセージ、及び前記第1経路情報を含む電子メールを、予め車両1に対応付けられた電子メールアドレス宛てに送信してもよい。
【0094】
第2出力処理部65は、第1出力処理部64によって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合に、前記異常が検出された旨及び当該特定停車場所を含む第1報知情報を、前記提供者に対応する出力先に出力可能である。
【0095】
例えば、第2出力処理部65は、前記異常が検出された車両がトラクタ7ではない場合は、前記第1報知情報を出力する。また、第2出力処理部65は、前記異常が検出された車両がトラクタ7である場合は、前記第1報知情報を出力しない。
【0096】
前記第1報知情報は、前記異常が検出された旨、前記異常が検出された時刻、ロードサービスの出動依頼、前記特定停車場所の所在地、車両1の前記特定停車場所への到着予想時刻、並びに車両1の種類、サイズ、色、及び自動車登録番号などの情報を含む。
【0097】
第2出力処理部65は、前記第1報知情報を端末装置3の表示部に出力する。
【0098】
なお、第2出力処理部65は、検出処理部63によって検出された前記異常が予め定められた特定異常である場合に、前記第1報知情報を出力してもよい。例えば、前記特定異常は、前記第2異常である。また、第2出力処理部65は、第1出力処理部64によって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合に、無条件で前記第1報知情報を出力してもよい。
【0099】
第3出力処理部66は、第1出力処理部64によって出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合であって、車両1が前記連結車両である場合であって、トラクタ7に装着されたタイヤ11について前記異常が検出された場合に、前記特定停車場所から予め定められた第2特定距離の範囲内に存在する前記事業所までの第2経路を含む第2経路情報を、車両1に対応する出力先に出力する。
【0100】
例えば、前記第2特定距離は、1キロメートルから20キロメートルまでの間で任意に定められた距離である。なお、前記第2特定距離は、検出された前記異常の種類、程度、トラクタ7の重量、及び前記異常の検出時からの走行距離のいずれか一つ又は複数に基づいて定められる距離であってもよい。
【0101】
例えば、第3出力処理部66は、前記特定停車場所から前記第2特定距離の範囲内に前記事業所が存在する場合は、前記特定停車場所から最も近い前記事業所までの前記第2経路を含む前記第2経路情報を出力する。また、第3出力処理部66は、前記特定停車場所から前記第2特定距離の範囲内に前記事業所が存在しない場合は、その旨を含むメッセージを車両1に対応する出力先に出力する。この場合、第3出力処理部66は、前記第1報知情報を前記提供者に対応する出力先に出力してもよい。
【0102】
例えば、前記第2経路情報は、前記第1経路情報と同様に、出力対象の前記第2経路が識別可能に表示された地図情報である。
【0103】
例えば、第3出力処理部66は、車両1が第1出力処理部64によって出力された前記特定停車場所に到着した場合に、当該特定停車場所でトラクタ7からトレーラ8を切り離すことを促す旨のメッセージ、及び前記第2経路情報を車載通信装置13の表示部に出力する。
【0104】
なお、制御部31は、第2出力処理部65、及び第3出力処理部66のいずれか一方又は両方を含んでいなくてもよい。
【0105】
[第1タイヤ管理処理]
以下、図3を参照しつつ、タイヤ管理システム100において管理サーバー4の制御部31により実行される第1タイヤ管理処理の手順の一例とともに、本発明のタイヤ管理方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部31により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0106】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部31は、前記取得タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、ステップS11の処理は、制御部31の取得処理部62により実行される。
【0107】
ここで、制御部31は、前記取得タイミングが到来したと判定すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記取得タイミングが到来していなければ(S11のNo側)、制御部31は、ステップS11で前記取得タイミングの到来を待ち受ける。
【0108】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部31は、前記状態情報を取得する。ここで、ステップS12の処理は、本発明の取得ステップの一例であって、制御部31の取得処理部62により実行される。
【0109】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部31は、ステップS12で取得された前記状態情報に基づいて、前記異常が検出されたか否かを判定する。ここで、ステップS13の処理は、本発明の検出ステップの一例であって、制御部31の検出処理部63により実行される。
【0110】
ここで、制御部31は、前記異常が検出されたと判定すると(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、前記異常が検出されていなければ(S13のNo側)、制御部31は、処理をステップS11に移行させる。
【0111】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部31は、前記第1経路情報を車両1に対応する出力先に出力する。ここで、ステップS14の処理は、本発明の出力ステップの一例であって、制御部31の第1出力処理部64により実行される。
【0112】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部31は、ステップS14で出力された前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所が前記事業所であるか否かを判定する。
【0113】
ここで、制御部31は、ステップS14で出力された前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所が前記事業所であると判定すると(S15のYes側)、処理をステップS11に移行させる。また、ステップS14で出力された前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所が前記事業所でなければ(S15のNo側)、制御部31は、処理をステップS16に移行させる。
【0114】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部31は、前記異常が検出された車両がトラクタ7であるか否かを判定する。
【0115】
ここで、制御部31は、前記異常が検出された車両がトラクタ7であると判定すると(S16のYes側)、処理をステップS17に移行させる。また、前記異常が検出された車両がトラクタ7でなければ(S16のNo側)、制御部31は、処理をステップS18に移行させる。
【0116】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部31は、前記第2経路情報を車両1に対応する出力先に出力する。ここで、ステップS17の処理は、制御部31の第3出力処理部66により実行される。
【0117】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部31は、前記第1報知情報を前記提供者に対応する出力先に出力する。ここで、ステップS18の処理は、制御部31の第2出力処理部65により実行される。
【0118】
このように、タイヤ管理システム100では、車両1に装着されたタイヤ11の状態に関する前記状態情報が取得され、取得された前記状態情報に基づいてタイヤ11の前記異常が検出される。そして、前記異常が検出された場合に、複数の前記停車場所のうち、車両1のサイズに応じた前記停車スペースを有する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が車両1に対応する出力先に出力される。これにより、前記異常が検出された場合に、車両1の運転者等に対して、車両1のサイズに応じた前記停車スペースを有する前記特定停車場所までの経路を伝達することが可能である。従って、車両1を当該車両1のサイズに応じた前記停車場所へ案内することが可能である。
【0119】
また、タイヤ管理システム100では、車両1が前記特定車両である場合に、複数の前記第1経路のうち、前記特定道路を通る前記特定第1経路を含む前記第1経路情報が出力される。これにより、前記異常が検出された車両1が前記特定車両である場合に、車両1の運転者等に対して、前記特定道路を通る前記特定停車場所までの経路を伝達することが可能である。従って、通行可能な道路が前記特定道路に制限された車両を前記特定車両と定めることで、前記特定車両のタイヤ11について前記異常が検出された場合に、当該特定車両を通行制限の範囲内で前記特定停車場所へ案内することが可能である。
【0120】
また、タイヤ管理システム100では、車両1の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力される。これにより、前記異常が検出された車両1を当該車両1から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所へ案内することが可能である。
【0121】
また、タイヤ管理システム100では、車両1の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、当該特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力される。また、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合は、車両1の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所までの前記第1経路を含む前記第1経路情報が出力される。そして、出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合に、前記異常が検出された旨及び当該特定停車場所を含む前記第1報知情報が前記提供者に対応する出力先に出力可能である。これにより、前記異常が検出された車両1の現在位置から前記第1特定距離の範囲内に前記事業所である前記特定停車場所が存在する場合は、その車両1をその事業所へ案内することが可能である。また、前記事業所である前記特定停車場所が存在しない場合に、車両1を当該車両1から前記第1特定距離の範囲内に存在する前記特定停車場所へ案内することが可能である。また、車両1が前記事業所ではない前記特定停車場所へ案内される場合に、前記提供者に対して、車両1のタイヤ11において前記異常が検出された旨、及び当該車両1が向かう前記特定停車場所を伝達することが可能である。従って、車両1の運転者等において生じる、タイヤ11の前記異常を解消するために前記提供者に連絡をとる手間を省くことが可能である。
【0122】
また、タイヤ管理システム100では、出力される前記特定停車場所が前記事業所ではない場合であって、車両1が前記連結車両である場合であって、トラクタ7に装着されたタイヤ11について前記異常が検出された場合に、前記特定停車場所から前記第2特定距離の範囲内に存在する前記事業所までの前記第2経路を含む前記第2経路情報が車両1に対応する出力先に出力される。これにより、車両1が前記事業所ではない前記特定停車場所へ案内される場合であって、その車両1が前記連結車両であって、トラクタ7のタイヤ11について前記異常が検出された場合に、車両1の運転者等に対して、当該特定停車場所から前記第2特定距離の範囲内に存在する前記事業所までの経路を伝達することが可能である。従って、前記特定停車場所でトレーラ8から切り離されたトラクタ7を前記特定停車場所から前記第2特定距離の範囲内に存在する前記事業所へ案内することが可能である。
【0123】
なお、車両1は、自動車に限られず、タイヤ11が装着されるものであればよい。例えば、車両1には、自動二輪車、三輪乗用車、及び原動機付自転車などが含まれてよい。
【0124】
また、前記状態情報は、前記空気圧情報、前記空気温度情報、及び前記加速度情報に限られなくてよい。例えば、前記状態情報には、タイヤ11の表面の撮影画像などが含まれてもよい。また、前記異常は、前記第1異常、前記第2異常、及び前記第3異常に限られなくてよい。例えば、前記異常には、タイヤ11の摩耗状態に関する異常などが含まれてもよい。
【0125】
[第2実施形態]
次に、図4及び図5を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るタイヤ管理システム200の構成について説明する。
【0126】
図4に示されるように、タイヤ管理システム200は、車両1、通信装置2、端末装置3、及び管理サーバー4を含む。タイヤ管理システム200において、管理サーバー4は、前記通信ネットワークにより、通信装置2、及び端末装置3と相互に通信可能に接続されている。なお、車両1、及び通信装置2の構成は、タイヤ管理システム100と同様である。
【0127】
端末装置3は、前記事業所の従業員によって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置3は、前記事業所に設けられるパーソナルコンピューターである。なお、端末装置3は、前記事業所の従業員によって使用されるスマートフォン又はタブレット端末などであってもよい。
【0128】
管理サーバー4は、記憶部33の記憶内容が変更されている点、並びに第2出力処理部65、及び第3出力処理部66に替えて、図5に示される第1判定処理部67、第4出力処理部68、第2判定処理部69、及び第5出力処理部70を含む点を除けば、タイヤ管理システム100の管理サーバー4と同様の構成を備える。以下、タイヤ管理システム100の管理サーバー4とは異なる構成についてのみ、説明を行う。
【0129】
タイヤ管理システム200において、前記停車場所は前記事業所である。そのため、記憶部33に格納されている前記停車場所情報は、前記事業所に関する情報である。具体的に、前記停車場所情報には、前記事業所の名称、所在地、電話番号、前記停車スペースのサイズ、及び前記停車スペースの数などの情報が含まれる。また、前記停車場所情報には、前記事業所の識別に用いられる事業所識別情報、及び前記事業所におけるメンテナンスサービスで用いられる物資の在庫情報などが含まれる。前記物資には、交換用のタイヤ11などが含まれる。また、前記停車場所情報には、端末装置3の識別に用いられる端末装置識別情報が含まれる。
【0130】
第1判定処理部67は、第1出力処理部64による前記第1経路情報の出力後に、車両1が当該第1経路情報に従って移動しているか否かを判定する。
【0131】
例えば、第1判定処理部67は、車両1の前記第1経路情報に従った移動が予め定められた時間を超えて継続した場合に、車両1が前記第1経路情報に従って移動していると判定する。なお、第1判定処理部67は、車両1の前記第1経路情報に従った移動距離が予め定められた距離を超えた場合に、車両1が前記第1経路情報に従って移動していると判定してもよい。
【0132】
第4出力処理部68は、第1出力処理部64によって前記第1経路情報が出力される場合に、その旨を含む第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所(出力対象として決定された前記特定停車場所)に対応する出力先に出力可能である。
【0133】
具体的に、第4出力処理部68は、第1判定処理部67によって車両1が前記第1経路情報に従って移動していると判定される場合に、前記第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力する。
【0134】
前記第2報知情報には、前記第1経路情報が出力された旨、車両1の種類、色、及びサイズなどの情報、前記異常の種類を示す情報、車両1の現在位置、並びに車両1の到着予想時刻などの情報が含まれる。
【0135】
第4出力処理部68は、第1判定処理部67によって車両1が前記第1経路情報に従って移動していると判定される場合に、前記第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する端末装置3の表示部に出力する。
【0136】
なお、第4出力処理部68は、第1出力処理部64によって前記第1経路情報が出力される場合に、直ちに前記第2報知情報を当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力してもよい。この場合、制御部31は、第1判定処理部67を含んでいなくてよい。
【0137】
第2判定処理部69は、第1出力処理部64によって前記第1経路情報が出力される場合に、当該第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記物資の有無を判定する。
【0138】
具体的に、第2判定処理部69は、検出処理部63によって検出された前記異常に対応するメンテナンスサービスが前記タイヤ交換サービスである場合に、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記タイヤ交換サービスに必要なタイヤ11の在庫の有無を判定する。第2判定処理部69は、前記異常が検出されたタイヤ11の種類、及びサイズ、並びに前記停車場所情報に基づいて、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記タイヤ交換サービスに必要なタイヤ11の在庫の有無を判定する。
【0139】
第5出力処理部70は、第2判定処理部69によって前記物資がないと判定される場合に、その旨を含む第3報知情報を、複数の前記事業所のうち前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所の所在地から最も近く且つ前記物資がある特定事業所に対応する出力先に出力する。
【0140】
前記第3報知情報には、第2判定処理部69によって前記物資がないと判定された旨、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所の名称、所在地、及び電話番号などの情報、並びに不足する前記物資を識別するための情報などの情報が含まれる。
【0141】
第5出力処理部70は、前記停車場所情報に基づいて、複数の前記事業所のいずれかを前記特定事業所に決定する。
【0142】
具体的に、第5出力処理部70は、第4出力処理部68によって前記第2報知情報が出力される場合に、前記第3報知情報を前記特定事業所に対応する端末装置3の表示部に出力する。
【0143】
[第2タイヤ管理処理]
以下、図6を参照しつつ、タイヤ管理システム200において管理サーバー4の制御部31により実行される第2タイヤ管理処理の手順の一例について説明する。
【0144】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部31は、前記取得タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、ステップS21の処理は、制御部31の取得処理部62により実行される。
【0145】
ここで、制御部31は、前記取得タイミングが到来したと判定すると(S21のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、前記取得タイミングが到来していなければ(S21のNo側)、制御部31は、ステップS21で前記取得タイミングの到来を待ち受ける。
【0146】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部31は、前記状態情報を取得する。ここで、ステップS22の処理は、制御部31の取得処理部62により実行される。
【0147】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部31は、ステップS22で取得された前記状態情報に基づいて前記異常が検出されたか否かを判定する。ここで、ステップS23の処理は、制御部31の検出処理部63により実行される。
【0148】
ここで、制御部31は、前記異常が検出されたと判定すると(S23のYes側)、処理をステップS24に移行させる。また、前記異常が検出されていなければ(S23のNo側)、制御部31は、処理をステップS21に移行させる。
【0149】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部31は、前記第1経路情報を車両1に対応する出力先に出力する。ここで、ステップS24の処理は、制御部31の第1出力処理部64により実行される。
【0150】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部31は、車両1がステップS24で出力された前記第1経路情報に従って移動しているか否かを判定する。ここで、ステップS25の処理は、制御部31の第1判定処理部67により実行される。
【0151】
ここで、制御部31は、車両1が前記第1経路情報に従って移動していると判定すると(S25のYes側)、処理をステップS26に移行させる。また、車両1が前記第1経路情報に従って移動していなければ(S25のNo側)、制御部31は、処理をステップS21に移行させる。
【0152】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部31は、前記第2報知情報を前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力する。ここで、ステップS26の処理は、制御部31の第4出力処理部68により実行される。
【0153】
<ステップS27>
ステップS27において、制御部31は、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記物資の有無を判定する。ここで、ステップS27の処理は、制御部31の第2判定処理部69により実行される。
【0154】
ここで、制御部31は、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に前記物資があると判定すると(S27のYes側)、処理をステップS21に移行させる。また、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に前記物資がないと判定すると(S27のNo側)、制御部31は、処理をステップS28に移行させる。
【0155】
<ステップS28>
ステップS28において、制御部31は、前記第3報知情報を前記特定事業所に対応する出力先に出力する。ここで、ステップS28の処理は、制御部31の第5出力処理部70により実行される。
【0156】
このように、タイヤ管理システム200では、前記停車場所が前記事業所である。これにより、車両1のタイヤ11に前記異常が発生した場合に、車両1を当該車両1のサイズに応じた前記事業所へ案内することが可能である。
【0157】
また、タイヤ管理システム200では、前記第1経路情報が出力される場合に、その旨を含む前記第2報知情報を前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力可能である。これにより、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所の従業員に対して、車両1の来店を事前に通知することが可能である。従って、当該特定停車場所において車両1を迎え入れる準備を行うことが可能である。
【0158】
また、タイヤ管理システム200では、前記第1経路情報の出力後に、車両1が当該第1経路情報に従って移動しているか否かが判定される。そして、車両1が前記第1経路情報に従って移動していると判定される場合に、前記第2報知情報が前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所に対応する出力先に出力される。これにより、前記第2報知情報の出力機会を、車両1が前記第1経路情報に従って移動している場合に制限することが可能である。従って、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における来店準備が無駄になることを抑制可能である。
【0159】
また、タイヤ管理システム200では、前記第1経路情報が出力される場合に、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所におけるメンテナンスサービスで用いられる前記物資の有無が判定される。そして、前記物資がないと判定される場合に、その旨を含む第3報知情報が複数の前記事業所のうち前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所の所在地から最も近く且つ前記物資がある前記特定事業所に対応する出力先に出力される。これにより、前記特定事業所の従業員に対して、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所における前記物資の不足を伝達し、当該従業員による前記物資の配送を促すことが可能である。従って、前記第1経路情報に含まれる前記特定停車場所の従業員における、不足する前記物資を手配する手間を省くことが可能である。
【符号の説明】
【0160】
1 車両
2 通信装置
3 端末装置
4 管理サーバー
7 トラクタ
8 トレーラ
11 空気入りタイヤ
12 検出装置
13 車載通信装置
21 アンテナ
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
51 データ格納部
61 格納処理部
62 取得処理部
63 検出処理部
64 第1出力処理部
65 第2出力処理部
66 第3出力処理部
67 第1判定処理部
68 第4出力処理部
69 第2判定処理部
70 第5出力処理部
100 タイヤ管理システム
【要約】
【課題】タイヤに異常が発生した場合に、車両を当該車両のサイズに応じた停車場所へ案内可能なタイヤ管理システム、及びタイヤ管理方法を提供すること。
【解決手段】タイヤ管理システム100は、車両1に装着された空気入りタイヤ11の状態に関する状態情報を取得する取得処理部と、前記取得処理部によって取得される前記状態情報に基づいて、空気入りタイヤ11の異常を検出する検出処理部と、前記検出処理部によって前記異常が検出された場合に、予め定められた複数の停車場所のうち車両1のサイズに応じた停車スペースを有する特定停車場所までの第1経路を含む第1経路情報を車両1の車載通信装置13の表示部に出力する第1出力処理部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6