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特許7057989情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220414BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220414BHJP
   H04M 1/72 20210101ALI20220414BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20220414BHJP
【FI】
G01C21/26 P
H04M1/00 U
H04M1/72
G06Q40/08
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022500789
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 JP2021034707
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】P 2020172438
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭佐
(72)【発明者】
【氏名】森山 篤
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/194118(WO,A1)
【文献】特表2017-506178(JP,A)
【文献】特開2016-218824(JP,A)
【文献】特開2013-119370(JP,A)
【文献】特開2011-221579(JP,A)
【文献】特開2020-076838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
H04M 1/00
H04M 1/72
G06Q 40/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ及び情報処理装置によって構成されるシステムにおける情報処理方法であって、
前記情報処理装置において、当該情報処理装置が所定の移動体の内部又は近傍に位置している際に、Bluetooth通信方式に基づいて、前記所定の移動体に備えられた少なくとも一つの機器を検出すること又は当該機器と接続することと、
前記検出された又は接続された少なくとも一つの機器の識別情報を前記情報処理装置の表示部に表示することと、
前記表示された少なくとも一つの機器の識別情報のうち、ユーザ操作により選択された機器の識別情報を、対象機器テーブルに登録することと、
前記情報処理装置において、Bluetooth通信方式に基づいて、移動体に備えられた第1機器を検出すること又は当該第1機器と接続することと、
前記第1機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が前記対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記所定の移動体に乗車していると判断することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
情報処理装置において、移動体に備えられた第1機器を検出すること又は当該第1機器と接続することと、
前記第1機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが所定の移動体に乗車していると判断することと、
前記乗車していると判断された場合において、前記検出又は接続が継続されているかを判断することと、
前記継続されているかを判断することにおいて、継続されていないと判断された場合、前記ユーザによる乗車はされていないと判断することと、
前記第1機器の検出又は接続が継続されていないと判断されてから、前記第1機器の検出又は接続が再度されるまでの期間が、第3閾値以下であった場合は、前記ユーザによる乗車はされていないとする判断を取り消すことと、
を含む、情報処理方法であって、
前記対象機器テーブルには、前記所定の移動体に備えられる機器の識別情報が登録されている。
【請求項3】
前記乗車していると判断された場合において、前記検出又は接続が継続されているかを判断することと、
前記継続されているかを判断することにおいて、継続されていないと判断された場合、前記ユーザによる乗車はされていないと判断することと、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記継続されているかを判断することを、継続されていないと判断されるまで繰り返すことと、
を更に含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記情報処理装置の位置情報を時系列的に取得することと、
前記乗車していると判断されてから、前記乗車がされていないと判断されるまでの乗車期間を特定することと、
前記時系列的に取得した位置情報のうち、前記乗車期間における位置情報を特定することと、
前記乗車期間における位置情報に基づいて、前記所定の移動体の第1走行距離を取得することと、
を更に含む、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1走行距離に基づいて、保険料を算出することと、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記位置情報に基づいて、前記情報処理装置が所定範囲内に存在する期間を特定することと、
前記存在すると特定された期間を、前記乗車期間から除外することと、
を更に含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記情報処理装置の速度情報を時系列的に取得することと、
前記時系列的に取得した速度情報に基づいて、前記情報処理装置の速度が所定速度未満である期間を特定することと、
前記所定速度未満であると特定された期間を、前記乗車期間から除外することと、
を更に含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項9】
前記乗車していると判断されてから、前記乗車がされていないと判断されるまでの乗車期間を特定することと、
前記情報処理装置における位置情報、加速度情報及び速度情報の少なくとも1つを時系列的に取得することと、
前記時系列的に取得した位置情報、加速度情報及び速度情報の少なくとも1つのうち、前記乗車期間における位置情報、加速度情報及び速度情報の少なくとも1つを特定することと、
前記乗車期間における位置情報、加速度情報及び速度情報の少なくとも1つに基づいて、保険料を算出することと、
を更に含む、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記情報処理装置において、前記乗車期間中、前記ユーザが運転者でないとする期間を特定する情報の入力を受け付けることと、
前記ユーザが運転者でないとする期間を、前記乗車期間から除外することと、
を更に含む、請求項5乃至請求項9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
サーバ及び情報処理装置によって構成されるシステムにおける情報処理方法であって、
前記情報処理装置において、当該情報処理装置が所定の移動体の内部又は近傍に位置している際に、Bluetooth通信方式に基づいて、前記所定の移動体に備えられた少なくとも一つの機器を検出すること又は当該機器と接続することと、
前記検出された又は接続された少なくとも一つの機器の識別情報を前記情報処理装置の表示部に表示することと、
前記表示された少なくとも一つの機器の識別情報のうち、ユーザ操作により選択された機器の識別情報を、前記所定の移動体の移動手段情報と紐づけて、機器-移動手段対応テーブルに登録することと、
が予めなされた前記情報処理装置を含むシステムにおいて、
前記情報処理装置において、Bluetooth通信方式に基づいて、移動体に備えられた第2機器を検出すること又は当該第2機器と接続することと、
前記第2機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が前記機器-移動手段対応テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記判断において含まれると判断された場合、対応する移動手段を特定することと、
前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記特定された移動手段に乗車していると判断することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置において、移動体に備えられた第2機器を検出すること又は当該第2機器と接続することと、
前記第2機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が、機器-移動手段対応テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記判断において含まれると判断された場合、対応する移動手段を特定することと、
前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記特定された移動手段に乗車していると判断することと、
前記乗車していると判断された場合において、前記検出又は接続が継続されているかを判断することと、
前記継続されているかを判断することにおいて、継続されていないと判断された場合、前記ユーザによる乗車はされていないと判断することと、
前記第2機器の検出又は接続が継続されていないと判断されてから、前記第2機器の検出又は接続が再度されるまでの期間が、第3閾値以下であった場合は、前記ユーザによる乗車はされていないとする判断を取り消すことと、
を含む、情報処理方法であって、
前記機器-移動手段対応テーブルには、移動体に備えられる機器の識別情報が、当該移動体の移動手段情報と紐づけて登録されている。
【請求項13】
前記第2機器を検出した又は当該第2機器と接続した、前記情報処理装置を含む少なくとも一の装置における位置情報を時系列的に取得することと、
前記取得された位置情報の少なくとも一部が、コンテンツ提供に対応する条件を満たしているかどうかを判断することと、
前記満たしているかどうかを判断することにおいて、満たしていると判断した場合、前記満たしている条件に対応するコンテンツを提供することと、
を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2機器を検出した又は当該第2機器と接続した、前記情報処理装置を含む少なくとも一の装置における位置情報を時系列的に取得することと、
前記取得された位置情報の少なくとも一部が、複数のコンテンツ提供にそれぞれ対応する複数の条件を含む条件リストのうち、満たしている条件が複数あるかどうかを判断することと、
前記満たしている条件があるかどうかを判断することにおいて、満たしている条件が複数あると判断した場合、前記満たしている複数条件に対応するコンテンツを、当該コンテンツの優先度に応じて提供することと、
を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記提供の終了後、前記提供されたコンテンツの優先度を低下することと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記提供の終了後、前記提供されたコンテンツに対応する条件を前記条件リストから削除することと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第2機器が検出された又は当該第2機器と接続された、前記情報処理装置を含む少なくとも一の装置における位置情報を時系列的に取得することと、
前記取得された位置情報の少なくとも一部が、複数のコンテンツ提供にそれぞれ対応する複数の条件を含む条件リストのうち、満たしている条件が複数あるかどうかを判断することと、
前記満たしている条件があるかどうかを判断することにおいて、満たしている条件がないと判断した場合、前記条件リストに含まれるいずれかの条件に対応するコンテンツ、又は、前記条件リストにおける条件とは無関係のコンテンツを提供することと、
を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項18】
情報処理装置であって、
当該情報処理装置が所定の移動体の内部又は近傍に位置している際に、Bluetooth通信方式に基づいて、前記所定の移動体に備えられた少なくとも一つの機器を検出する又は当該機器と接続する検出接続部と、
前記少なくとも一つの機器の識別情報を取得する取得部と、
前記検出された又は接続された少なくとも一つの機器の識別情報を表示する表示部と、
前記表示された少なくとも一つの機器の識別情報のうち、ユーザ操作により選択された機器の識別情報を、対象機器テーブルに登録する登録部と、
を備え、
前記検出接続部は、Bluetooth通信方式に基づいて、移動体に備えられた第1機器を検出し又は当該第1機器と接続し、
前記取得部は、前記第1機器の識別情報を取得し、
前記情報処理装置は、
前記取得した識別情報が前記対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断する判断部を更に備え、
前記判断部は、前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記所定の移動体に乗車していると判断する。
【請求項19】
情報処理装置であって、
移動体に備えられた第1機器を検出する又は当該第1機器と接続する検出接続部と、
前記第1機器の識別情報を取得する取得部と、
前記取得された識別情報が対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断する判断部と、
を備え、
前記判断部は、
前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが所定の移動体に乗車していると判断し、
前記乗車していると判断された場合において、前記検出又は接続が継続されているかを判断し、継続されていないと判断された場合、前記ユーザによる乗車はされていないと判断し、
前記第1機器の検出又は接続が継続されていないと判断されてから、前記第1機器の検出又は接続が再度されるまでの期間が、第3閾値以下であった場合は、前記ユーザによる乗車はされていないとする判断を取り消し、
前記対象機器テーブルには、前記所定の移動体に備えられる機器の識別情報が登録されている。
【請求項20】
情報処理装置であって、
当該情報処理装置が所定の移動体の内部又は近傍に位置している際に、Bluetooth通信方式に基づいて、前記所定の移動体に備えられた少なくとも一つの機器を検出する又は当該機器と接続する検出接続部と、
前記機器の識別情報を取得する取得部と、
前記検出された又は接続された少なくとも一つの機器の識別情報を表示する表示部と、
前記表示された少なくとも一つの機器の識別情報のうち、ユーザ操作により選択された機器の識別情報を、前記所定の移動体に対応する移動手段情報と紐づけて、機器-移動手段対応テーブルに登録する登録部と、
を備え、
前記検出接続部は、Bluetooth通信方式に基づいて、移動体に備えられた第2機器を検出し又は当該第2機器と接続し、
前記取得部は、前記第2機器の識別情報を取得し、
前記情報処理装置は、
前記取得した識別情報が、前記機器-移動手段対応テーブルに含まれるかどうかを判断する判断部と、
前記判断において含まれると判断された場合、対応する移動手段を特定する特定部と、
を更に備え、
前記判断部は、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記特定された移動手段に乗車していると判断する。
【請求項21】
情報処理装置であって、
移動体に備えられた第2機器を検出し又は当該第2機器と接続する検出接続部と、
前記第2機器の識別情報を取得する取得部と、
前記取得した識別情報が、機器-移動手段対応テーブルに含まれるかどうかを判断する判断部と、
前記判断において含まれると判断された場合、対応する移動手段を特定する特定部と、
を備え、
前記判断部は、
前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記特定された移動手段に乗車していると判断し、
前記乗車していると判断された場合において、前記検出又は接続が継続されているかを判断し、
前記継続されているかを判断することにおいて、継続されていないと判断された場合、前記ユーザによる乗車はされていないと判断し、
前記第2機器の検出又は接続が継続されていないと判断されてから、前記第2機器の検出又は接続が再度されるまでの期間が、第3閾値以下であった場合は、前記ユーザによる乗車はされていないとする判断を取り消し、
前記機器-移動手段対応テーブルには、移動体に備えられる機器の識別情報が、当該移動体の移動手段情報と紐づけて登録されている。
【請求項22】
サーバ及び情報処理装置によって構成されるシステムに、
前記情報処理装置において、当該情報処理装置が所定の移動体の内部又は近傍に位置している際に、Bluetooth通信方式に基づいて、前記所定の移動体に備えられた少なくとも一つの機器を検出すること又は当該機器と接続することと、
前記検出された又は接続された少なくとも一つの機器の識別情報を前記情報処理装置の表示部に表示することと、
前記表示された少なくとも一つの機器の識別情報のうち、ユーザ操作により選択された機器の識別情報を、対象機器テーブルに登録することと、
前記情報処理装置において、Bluetooth通信方式に基づいて、移動体に備えられた第1機器を検出すること又は当該第1機器と接続することと、
前記第1機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が前記対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記所定の移動体に乗車していると判断することと、
を実行させる、プログラム。
【請求項23】
情報処理装置を含むシステムに、
前記情報処理装置において、移動体に備えられた第1機器を検出すること又は当該第1機器と接続することと、
前記第1機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが所定の移動体に乗車していると判断することと、
前記乗車していると判断された場合において、前記検出又は接続が継続されているかを判断することと、
前記継続されているかを判断することにおいて、継続されていないと判断された場合、前記ユーザによる乗車はされていないと判断することと、
前記第1機器の検出又は接続が継続されていないと判断されてから、前記第1機器の検出又は接続が再度されるまでの期間が、第3閾値以下であった場合は、前記ユーザによる乗車はされていないとする判断を取り消すことと、
を実行させる、プログラムであって、
前記対象機器テーブルには、前記所定の移動体に備えられる機器の識別情報が登録されている。
【請求項24】
サーバ及び情報処理装置によって構成されるシステムに、
前記情報処理装置において、当該情報処理装置が所定の移動体の内部又は近傍に位置している際に、Bluetooth通信方式に基づいて、前記所定の移動体に備えられた少なくとも一つの機器を検出すること又は当該機器と接続することと、
前記検出された又は接続された少なくとも一つの機器の識別情報を前記情報処理装置の表示部に表示することと、
前記表示された少なくとも一つの機器の識別情報のうち、ユーザ操作により選択された機器の識別情報を、前記所定の移動体に対応する移動手段情報と紐づけて、機器-移動手段対応テーブルに登録することと、
前記情報処理装置において、Bluetooth通信方式に基づいて、移動体に備えられた第2機器を検出すること又は当該第2機器と接続することと、
前記第2機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が前記機器-移動手段対応テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記判断において含まれると判断された場合、対応する移動手段を特定することと、
前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記特定された移動手段に乗車していると判断することと、
を実行させる、プログラム。
【請求項25】
情報処理装置を含むシステムに、
前記情報処理装置において、移動体に備えられた第2機器を検出すること又は当該第2機器と接続することと、
前記第2機器の識別情報を取得することと、
前記取得した識別情報が、機器-移動手段対応テーブルに含まれるかどうかを判断することと、
前記判断において含まれると判断された場合、対応する移動手段を特定することと、
前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記特定された移動手段に乗車していると判断することと、
前記乗車していると判断された場合において、前記検出又は接続が継続されているかを判断することと、
前記継続されているかを判断することにおいて、継続されていないと判断された場合、前記ユーザによる乗車はされていないと判断することと、
前記第2機器の検出又は接続が継続されていないと判断されてから、前記第2機器の検出又は接続が再度されるまでの期間が、第3閾値以下であった場合は、前記ユーザによる乗車はされていないとする判断を取り消すことと、
を実行させる、プログラムであって、
前記機器-移動手段対応テーブルには、移動体に備えられる機器の識別情報が、当該移動体の移動手段情報と紐づけて登録されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ユーザが所定の移動体に乗車しているかを判別する、または、ユーザがどの種の移動手段を利用しているかを判別する情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
テレマティクス技術、すなわち、移動体に搭載した機器をインターネット等の広域網に接続し、移動体に関する様々な情報を取得し、移動体の状態や行動を管理したり、取得した情報に基づいたサービスを提供したりすることにつき、技術開発が進んでいる。テレマティクス技術を利用したサービスとして、例えば、ユーザの行動に即した広告を配信する、移動体に関する保険料を算定する、といった需要がある。
【0003】
これらサービス提供の具体的内容として、特許文献1には、運転者が所持する携帯端末から運転者を識別する識別情報、および位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、前記運転者の運転を診断し、診断結果に応じて自動車保険の契約時の割引率を導出する装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-147211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には以下の課題があった。
(1)特許文献1のように、携帯端末側で運転診断等に関する情報を取得する場合においては、顧客が契約対象となる所定の車両以外の移動手段(限定ではなく例として、バス、電車などの公共交通手段のほか、概念としては自転車、徒歩なども含まれる)を利用することも考えられるが、これら所定の車両以外の移動手段を利用していることも踏まえたサービスを提供することは困難であった。
(2)車両側で運転診断等に関する情報を取得する場合においては、速度や加速度といった乗車判別に必要な情報を取得し送信できるデバイスや、またはそのような取得送信機能を備えた装置を、自動車メーカーが移動体に設置した形態で提供するか、またはサービスの提供者がそのような特定のデバイスまたは装置を開発して顧客に提供し、提供されたデバイスまたは装置を顧客は自身の移動体に追加的に導入する必要があった。
(3)(2)の課題に加えて、仮にそのようなデバイス、装置を移動体に導入したとしても、ユーザは特定の種類の自動車または特定のデバイスや装置を介してでしかサービスを享受することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理方法は、情報処理装置において、所定の移動体に備えられた機器を検出すること又は接続することと、前記検出された又は接続された機器に対応する識別情報を、前記情報処理装置を通じて対象機器テーブルに登録することと、が予めなされた前記情報処理装置において、第1機器を検出すること又は当該第1機器と接続することと、前記第1機器に対応する識別情報を取得することと、前記取得した識別情報が前記対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断することと、前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記所定の移動体に乗車していると判断することと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る方法、装置およびプログラムによれば、ユーザが所定の移動体に乗車しているか、またはどの移動手段を利用しているかを判別することを簡易に可能とし、またその判別結果を用いたサービスを提供することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】乗車移動体判別システムのシステム構成図。
図2】携帯情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図。
図3】搭載機器20の機能構成の一例を示すブロック図。
図4】サーバ30の機能構成の一例を示すブロック図。
図5】ユーザと搭載機器20の紐付けを行いサーバ30に登録するための手順例を示すフローチャート。
図6】ユーザが所定の移動体1に乗車していることを判別するための手順例を示すフローチャート。
図7】搭載機器テーブル321の一例を示す図。
図8】記憶部320に記憶される、乗車した旨と時間情報とを紐づけたもの、及び、乗車していない旨と時間情報とを紐づけたものについての記憶形態の例を示す図。
図9】第二の実施形態における、ユーザが利用する移動手段を判別するための手順例を示すフローチャート。
図10】搭載機器-移動手段対応テーブル322の一例を示す図。
図11】第二の実施形態における、搭載機器20に対応する移動手段を登録するときに表示される画面例。
図12】第三の実施形態における、ユーザが利用する移動手段であるバスに備えられた搭載機器20のディスプレイ装置を通じて広告を配信する手順例を示すフローチャート。
図13】第四の実施形態における、ユーザによる所定の車両への乗車時間をカウントする手順例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の例について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0010】
[第一の実施形態]
以下、本発明の情報処理技術を実現するための第一の実施形態について説明する。
第一の実施形態では、ユーザが、自身の保有する自家用自動車に乗車しているかを判別する。
なお、第一の実施形態に記載の内容は、他の各実施形態や各実施例、他の各変形例のいずれにも適用可能である。
【0011】
図1は、第一の実施形態の一態様に係る乗車移動体判別システムのシステム構成図である。本システムでは、移動体1に乗車するユーザが携帯する携帯情報処理装置10が、移動体1に備えられた機器である搭載機器20を検出しまたは搭載機器20と接続され、搭載機器20の識別情報が取得される。また携帯情報処理装置10はネットワークNW(例えば、インターネット)を通じてサーバ30に接続される。
【0012】
移動体1は、第一の実施形態においては、ユーザが自身の自動車として乗車する車両とするが、特にこれに限定されない。例えば、バスやタクシーなど、ユーザが移動に利用する手段であってもよい。移動体1には携帯情報処理装置10と通信を行うことができる通信手段を有する搭載機器20が搭載されており、携帯情報処理装置10によって検出される、または携帯情報処理装置10と接続することができる。
【0013】
図2は、図1の携帯情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。第一の実施形態における携帯情報処理装置10は、限定ではなく例として、スマートフォンやタブレット、ラップトップコンピュータなどの携帯可能な電子機器であればよい。携帯情報処理装置10は、制御部110、記憶部120、第一通信部130、第二通信部140、表示部150、入力部160、音声出力部170、位置情報取得部180を少なくとも備えて構成される。
携帯情報処理装置10は、ユーザによって保持されており、また、同装置上で動作するアプリケーションにログインするなどにより、当該携帯情報処理装置10とユーザは関連づけられている。携帯情報処理装置10は、例えば、ユーザが移動体1に乗車し、搭載機器20と接続され、搭載機器20から取得する識別情報等をインターネット等の公共ネットワークを通じて、取得した識別情報をサーバ30に送信する。
【0014】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。制御部110は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部120に格納されたプログラムを読み出して実行することで、第一通信部130、第二通信部140、表示部150、入力部160、音声出力部170、位置情報取得部180といった各機能部を制御する。
【0015】
記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、制御部110が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、搭載機器20の識別情報などを記憶する。なお、記憶部130は、情報処理装置10に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0016】
第一通信部130は、携帯情報処理装置10と外部装置との間で通信を行う無線または有線の通信モジュールであって、接続可能な機器を検出した際、または機器と接続した際に、検出または接続したデバイス等の識別情報が取得できるものであれば特に限定されない。第一通信部130は、例えば、Bluetooth(登録商標)通信モジュールである。
Bluetooth通信モジュールを適用する場合においては、バージョンやモードに限定はなく、例えばBluetooth ClassicまたはBLE(Bluetooth Low Energy)に基づく通信を行うこととしてもよい。
携帯情報処理装置10においては、例えば、第一通信部130を通じて搭載機器20を検出した場合、当該搭載機器20の識別情報を特定し取得する。または、第一通信部130を通じて接続された搭載機器20から、当該搭載機器20の識別情報を取得する。
【0017】
第二通信部140は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G、4G、5G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等の公共のネットワークに接続し、同ネットワークに接続されたサーバー30等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。
例えば、第二通信部140を通じて携帯情報処理装置10はサーバー30とデータのやり取りを行う。
【0018】
表示部150は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される、様々な情報を表示するためのディスプレイ手段である。
表示部150は、例えば、第二通信部140を通じて取得した移動体の識別情報や、広告情報等を表示する。
【0019】
入力部160は、ユーザーが携帯情報処理装置10に対して各種入力を行うための入力手段である。例えば、ボタン、タッチパネル、スイッチなどにより構成されている。また、入力部160は、表示部150と一体に構成されたタッチスクリーンとして構成してもよい。
入力部160に対してユーザによる入力操作がなされると、その入力に対応した制御信号が生成されて制御部110に出力される。そして、制御部110によりその制御信号に対応した演算処理や制御が行われる。
【0020】
音声出力部170は、例えば音声出力端子からなり、接続されたイヤホンやスピーカなどから音声を出力させるために音声信号を送信する。または、音声信号にかかる音声を出力するスピーカであってもよい。
音声出力部170は、例えば、インターネット等から配信され記憶部120に格納された音楽データを、制御部110が音声信号として処理したものを出力する。
【0021】
位置情報取得部180は、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて、携帯情報処理装置10の位置情報(例えば、緯度経度情報)を所定間隔で取得する。すなわち、携帯情報処理装置10を携帯するユーザーの位置情報を取得することができる。転じて、携帯情報処理装置10を携帯するユーザーが移動体1を利用することで、実質的に移動体1の位置情報を取得することができる。取得された位置情報は、当該位置情報を取得した時刻(現在時刻)と紐付けられて、記憶部120に格納される。
ここで、位置情報取得部110は、位置情報を取得すると共に、その位置情報の精度を示す精度値(例えば、DOP値)を取得することとしてもよい。この場合、取得された位置情報及び精度値が現在時刻と紐付けられて、記憶部120に格納される。
【0022】
なお、位置情報取得部180による位置情報の取得方式は、上記のものに限られず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。例えば、道路脇に設置された路側機により発せられる当該路側機に固有の位置情報を含んだ電波を、携帯情報処理装置10の携帯者が乗車する移動体1が近接した際に位置情報取得部180が受信することで、携帯情報処理装置10の位置情報を取得することとしてもよい。
【0023】
図3は、図1の搭載機器20の機能構成を示すブロック図である。第一の実施形態における搭載機器20は、特に限定されず、ディスプレイ装置、オーディオ装置、ディスプレイオーディオ装置、ドライブレコーダー装置、カーナビゲーション装置などが例として挙げられる。即ち、ユーザが任意に自身の移動体に搭載した機器であってよい。搭載機器20は、制御部210、記憶部220、第一通信部230を少なくとも備えて構成される。その他、搭載機器20の機能に応じて、必要な機能部の内容が異なる。例えば、搭載機器20がテレビジョンコンテンツなどを出力できるディスプレイオーディオ装置である場合は、表示部250、入力部260、音声出力部270をさらに備えることになる。第一の実施形態では、搭載機器20がディスプレイオーディオ装置であるとして、以下説明を行う。
搭載機器20は、ユーザーが保持する携帯情報処理装置10に検出されると、携帯情報処理装置10は、搭載機器20の識別情報を取得する。
【0024】
制御部210は、携帯情報処理装置10の制御部110と同様に、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。制御部210は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部220に格納されたプログラムを読み出して実行することで、第一通信部230、表示部250、入力部260、音声出力部270といった各機能部を制御する。
【0025】
記憶部220は、携帯情報処理装置10の記憶部120と同様に、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、制御部210が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、搭載機器20において再生される映像データや音楽データなどを記憶する。なお、記憶部230は、搭載機器20に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0026】
第一通信部230は、搭載機器20と外部装置との間で通信を行う無線または有線の通信モジュールであって、例えば、携帯情報処理装置10の第一通信部130に対応し、携帯情報処理装置10と接続された際に、搭載機器20の識別情報を第一通信部130に送信する。なお、識別情報としては、後述するデバイス名称や、MACアドレス等の各種アドレス情報が該当するが、これらに限定されず、搭載機器20の識別情報として機能するものであれば特に限定されない。また、複数の識別情報を送信することとしてもよい。
第一通信部230においては、搭載機器20を特定するための名称(例えば、デバイス名称)が付されており、外部から第一通信部230を介して接続しようとするときは、かかる名称を接続しようとする側に通知することで、各搭載機器20を区別できるようになっている。
搭載機器20は、例えば、第一通信部230を介して携帯情報処理装置10に検出される、または接続されると、携帯情報処理装置10は搭載機器20の識別情報を取得する。
【0027】
表示部250は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成されるディスプレイ手段である。
表示部250は、例えば、記憶部230に格納されたデータや、携帯情報処理装置10から送信されたデータに応じた画像等を表示する。
【0028】
入力部260は、携帯情報処理装置10の入力部160と同様に、ユーザーが搭載機器20に対して各種入力を行うための入力手段である。例えば、物理的なボタン、タッチパネル、スイッチなどにより構成されている。また、入力部260は、表示部250と一体に構成されたタッチスクリーンとして構成してもよい。
入力部260に対してユーザによる入力操作がなされると、その入力に対応した制御信号が生成されて制御部210に出力される。そして、制御部210によりその制御信号に対応した演算処理や制御が行われる。
【0029】
音声出力部270は、例えば、音声信号にかかる音声を出力するスピーカである。格納装置20は、例えば、制御部210は記憶部230に所定の形式で圧縮され格納された音声データをデコードし、音声出力部270から対応する音声を出力する。
【0030】
図4は、図1のサーバ30の機能構成を示すブロック図である。第一の実施形態におけるサーバ30は、制御部310、記憶部320、第二通信部340を少なくとも備えて構成される。
サーバ30は、例えば、インターネット等を通じて携帯情報処理装置10と接続され、携帯情報処理装置10から搭載機器20の識別情報を受信し、記憶部320に記憶された搭載機器テーブル321を参照し、対応する搭載機器20に関する情報があるかどうかを判断する等の処理を行う。
【0031】
制御部310は、携帯情報処理装置10の制御部110と同様に、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。制御部310は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部320に格納されたプログラムを読み出して実行する。また、
【0032】
記憶部320は、携帯情報処理装置10の記憶部120と同様に、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、制御部310が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、機器の識別情報が登録された搭載機器テーブルなどを記憶する。なお、記憶部320は、サーバー30に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0033】
第二通信部340は、有線通信インターフェースを用いて、または、携帯情報処理装置10の第二通信部140と同様に、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等の公共のネットワークに接続し、同ネットワークに接続された携帯情報処理装置10等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。
【0034】
[情報処理の手順:搭載機器の登録]
図5は、第一の実施形態において、ユーザと搭載機器20を紐付けしてサーバ30に登録するための手順例を示すフローチャートである。
図5および他図のフローチャートにおける処理は、例えば携帯情報処理装置10の制御部110が、記憶部120に格納された情報処理プログラムのコードを不図示のRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0035】
図5および他図のフローチャートにおける各記号Sは、ステップを意味する。
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも第一の実施形態における情報処理の手順の一例を示すものに過ぎず、他のステップを追加したり、一部のステップを削除したりしてもよい。
【0036】
前提として、第一の実施形態においては、ユーザが携帯情報処理装置10を保持して移動体1に乗車(運転者として、または搭乗者としてのどちらでもよく、その形態は特に限定されない)することとする。また、この搭載機器の登録に係る処理は、以下に説明するユーザが新規の搭載機器20の登録を行いたい場合のほか、サーバ30の記憶部320に格納されている搭載機器テーブル321を参照した結果、対応する搭載機器20に関する情報が当該テーブルに存在しなかった場合にも行われることとしてもよい。
【0037】
まず、携帯情報処理装置10は、第一通信部130を通じて、例えば、A2DPプロファイルに基づく情報送信に対応して、当該装置の近辺に存在する搭載機器20が検出されたかどうかを判断する(S1001)。ここで、検出される搭載機器20は、接続可能なものとして検出されることが好ましい。接続可能な搭載機器20が検出された場合、それら検出された搭載機器20に関する情報、例えば、その搭載機器20につき設定されているデバイス名称または識別情報を検出し、検出された識別情報が表示部150に表示される(S1003)。ここで、複数の搭載機器20が検出された場合には、それらのうちの一つを選択できるように、その複数の搭載機器20に係る情報がリスト表示されることが好ましい。接続可能な搭載機器20が検出されなかった場合は、表示部150に検出されなかった旨が表示される、または何らの表示もされない(S1004)。
【0038】
次に、ユーザは、表示されたリストを確認し、紐付けをしたい搭載機器20に対応する情報を特定し、ユーザはその搭載機器20に関する情報を選択し、携帯情報処理装置10の制御部110はその選択された搭載機器20を特定する(S1005)。具体的には、例えば、その情報が表示されている箇所をタップすることで選択が行われる。この選択動作に基づき、携帯情報処理装置10を使用しているユーザの識別情報、例えば、ユーザIDと、選択した搭載機器20の識別情報、例えば、デバイス名称がサーバー30に送信され、記憶部320にユーザIDごとに格納されている搭載機器テーブル321に登録される(S1007)。この搭載機器テーブル321に、ユーザIDに対応する搭載機器20の識別情報が登録されることで、他ユーザも携帯情報処理装置10等を通じてアクセスすることにより、自身のユーザIDに対応する搭載機器20の識別情報を得ることができるようになっている。
また、ステップS1007を実行するのに伴い、携帯情報処理装置10と選択された搭載機器20を接続することとしてもよい。
【0039】
ここで、サーバ30に送信されるユーザの識別情報の代わりに、携帯情報処理装置10の識別情報、例えば、MACアドレス等を送信することとしてもよい。この場合、例えば、携帯情報処理装置10の識別情報それぞれについての搭載機器テーブル321が用意される。また、サーバ30の搭載機器テーブル321にてユーザIDに対応する搭載機器20を登録することとしているが、この形態に限られず、携帯情報処理装置10の記憶部120において、その携帯情報処理装置10のユーザのみが利用可能な同様のテーブルを用意し、そのテーブルに適宜搭載機器20を登録することとしてもよく、また、接続可能な搭載機器20の検出時に適宜参照することとしてもよい。
また、サーバ30に送信される搭載機器20の識別情報はデバイス名称に限定されず、搭載機器20を実質的に一意に識別できる情報であれば特に限定されない。
【0040】
なお、S1007において、検出された接続可能な搭載機器20に関し、サーバー30の記憶部320にある搭載機器テーブル321が参照されるが、この際、検出された搭載機器20が当該搭載機器テーブル321に既に登録されている場合は、以下に詳細を説明する「所定の移動体にユーザが乗車しているかの判定」に係る処理に移行することとしてもよい。
【0041】
[情報処理の手順:所定の移動体にユーザが乗車しているかの判定]
図6は、第一の実施形態において、ユーザが所定の移動体1に乗車していることを判別するための手順例を示すフローチャートである。
【0042】
まず、携帯情報処理装置10において、第一通信部130を通じて、当該装置において搭載機器20と接続する(S2001)。ここで、接続する搭載機器20は、携帯情報処理装置10において接続可能なものとして検出されたものであることが好ましい。そして、接続された搭載機器20の識別情報が、搭載機器テーブル321を参照して得られた搭載機器20の識別情報に含まれるかどうかを判断する(S2003)。そして、かかる識別情報が搭載機器テーブル321に含まれると判断された場合(S2003;Y)、制御部110は、ユーザが移動体1に乗車を開始したと判定し、乗車を開始した旨と時間情報とを紐付けて、サーバ30の記憶部320に送信し記憶する(S2005)。なお、含まれていないと判断された場合(S2003;N)は、かかる識別情報を搭載機器テーブル321に登録する(S2004)、または処理を終了することとしてもよい。
ここで、S2003における判断は、一つの搭載機器20に関する複数の識別情報に基づいて行ってもよい。即ち、サーバ30には複数の識別情報として、例えば、デバイス名称とアドレス情報が送信され、この場合、これらの識別情報の両方が、または少なくとも一部が、搭載機器テーブル321に含まれるかどうかにより判断が行われる。
【0043】
図7は一ユーザに対応する搭載機器テーブル321の例である。図7に示すように、搭載機器テーブル321には、登録された搭載機器20の識別情報であるデバイス名称が記されている。例えば、携帯情報処理装置10において取得した搭載機器20の識別情報が「AA?6」であった場合は、当該識別情報は搭載機器テーブル321に含まれると判断される。
【0044】
その後、制御部110はS2003にて識別情報が搭載機器テーブル321に含まれると判断された搭載機器20との接続が継続されているかどうかを判断する(S2007)。この判断にあたっては、制御部110が常時に、所定期間ごとに、または搭載機器20から発せられる所定のトリガー等に基づいて、搭載機器20との接続をチェックして、その接続が継続されているかを確認する。この場合、携帯情報処理装置10と搭載機器20の接続および切断(接続の非継続)に応じて携帯情報処理装置10において発生するシグナルを探知して接続されたかまたは切断されたかの判断を行うこととしてもよい。接続が継続されていると判断したとき(S2007;Y)は、制御部110は、ユーザは移動体1に引き続き乗車していると判定する(S2009)、または、何らの判断をしなくともよい。その後、処理はS2007に戻って再度判断を行う。接続が継続されていないと判断したとき(S2007;N)は、制御部110は、ユーザは移動体1には乗車していないと判定し、ユーザが移動体1に乗車していない旨と時間情報とを紐付けて、サーバ30の記憶部320に送信し記憶する(S2011)。
【0045】
ここで、図8は、記憶部320に記憶される、乗車した旨と時間情報とを紐づけたもの、及び、乗車していない旨と時間情報とを紐づけたものについての記憶形態の例である。図8に示すように、時刻「07:14:22」においてステップS2003;Yに対応する処理が実行され、乗車を開始したと判別され、その後時刻「08:02:54」にてステップS2007;Nに対応する処理が実行され、乗車していないと判別されたことを示している。このように、この記憶形態を参照することで、ユーザがいつ乗車開始し、乗車しなくなったかを把握することができる。
【0046】
ここで、S2001において、携帯情報処理装置10が、複数の搭載機器20と接続される場合が考えられる。この場合、接続された複数の搭載機器20の全ての識別情報につき、それぞれ搭載機器テーブル321に含まれるかを判断し、含まれる搭載機器20があればS2003へ処理を進め、含まれる搭載機器20がなければ処理を終了するか、S1003からの処理を行うことが好ましい。または、ユーザ入力などに基づいて予め設定された優先度に応じた順序で、搭載機器20の識別情報が搭載機器テーブル321に含まれるかを判断することとしてもよい。例えばその場合、先んじてS1007において搭載機器テーブル321に登録する際に、登録される搭載機器20に係る優先度に関する情報を、携帯情報処理装置10の記憶部120に記憶しておくことが好ましい。そして、その情報が表示される搭載機器20があれば、まずその搭載機器20の識別情報について判断し、その搭載機器20の識別情報が搭載機器テーブル321に含まれない場合に、他の搭載機器20について判断に移行することが好ましい。
【0047】
更には、S2001において、複数の搭載機器20と接続した場合に、全てまたは優先度に基づきこれら接続された搭載機器20の識別情報が搭載機器テーブル321に含まれるかを自動的に判断するのではなく、接続された搭載機器20を表示部150に表示し、表示された搭載機器20のうち一つをユーザに選択入力させて、選択された搭載機器20の識別情報について搭載機器テーブル321に含まれるかを判断することとしてもよい。この場合、例えば、接続された搭載機器20であって、取得される識別情報に基づく過去の接続履歴等から携帯情報処理装置10との接続の相性が悪い(例えば、頻繁に切断されてしまう、等)ことがわかっており、その旨の情報がユーザ入力等を通じて記憶部120に記憶されていたり、さらには、表示されるデバイス名から、非推奨の搭載機器20であることが記憶部120に記憶されていることとして、接続の相性が悪いまたは非推奨の搭載機器20であることの少なくとも一つが識別できる態様で表示した上で、ユーザに選択入力させる、または選択せずに乗車判断を行わないことができるようにすることが好ましい。この場合、接続の相性および非推奨の搭載機器20に関する情報については、搭載機器テーブル321において、搭載機器20の識別情報に紐づけられて登録されていることが更に好ましい。
【0048】
なお、搭載機器20は必ずしも移動体1に備え付けられたものではなく、少なくとも制御部210、記憶部220及び第一通信部230を備える任意のデバイスを外部から持ち込んで、ダッシュボード上に配置するなどして取り付けておき、携帯情報処理装置10との接続をもって乗車開始したことを判別してもよい。ただし、このような機器は移動体1の外部に持ち出すことが容易に可能であることから、搭載機器20が移動体1の外部に間違ってまたは意図的に配置され、ユーザが移動体1に乗車していないのに乗車開始したと判別される場合や、逆に、乗車開始しているのに移動体1に乗車していないと判別される場合がある。また、携帯情報処理装置10と搭載機器20との間の接続が、相性やそれ以外の事象によって接続が適切に継続されず、ユーザが移動体1に乗車開始したのに乗車していないと判別される場合がある。
【0049】
このような場合に鑑みて、移動体1に乗車開始したかどうかに係る情報の信頼性の確認を行うこととしてもよい。例えば、所定期間(例えば、一週間)ごとに、制御部310は、記憶部320から、ユーザが移動体1に乗車開始した旨および乗車終了した旨の情報を読み出し、読み出した情報に基づいて、ユーザの乗車履歴および運転スコアを示す情報として、例えば、「A月B日の走行はCCkmであり、その運転スコアはDD点でした。」などといったメッセージを生成し、携帯情報処理装置10の表示部150に表示させる。この表示を閲覧したユーザは、自身の記憶と照らし合わせて、その内容に違和感がある場合、例えば、移動体1に備えられたメーターにより記録された走行距離と、表示された走行距離とが異なる場合などにおいて、その旨をフィードバックすべく、例えば、内容が間違っている旨を携帯情報処理装置10の入力部160を介して入力し、携帯情報処理装置10はかかる情報をサーバ30に送信する。かかる情報の受信に対応し、サーバ30の制御部310は、記憶部320に格納された、対応する期間における搭載機器20に関する乗車状況情報に対し、疑義がある旨のフラグを付加する。
【0050】
これら疑義のある情報も含めて記憶部320に格納された情報を集計し、例えば、一定期間(例えば、1ヶ月)における搭載機器20に関する乗車状況情報のうち、所定割合(例えば、30%)以上の期間に疑義があると算出された場合は、携帯情報処理装置10と搭載機器20との相性が悪いと判断し、かかる搭載機器20については、相性が悪いまたは非推奨である旨のフラグを付けて搭載機器テーブル321に登録することとしてもよい。
【0051】
この他にも、携帯情報処理装置10の位置情報取得部180によって取得される位置情報や、図示しない加速度情報取得部、速度情報取得部などから得た情報に基づいて移動手段推定を行い、その推定結果と付き合わせて移動手段を判断するといった手法が適用可能であり、特に限定されない。
また、搭載機器20との接続が継続されない状態となった後、同一の搭載機器20との接続が回復した場合であって、その接続が継続されていない期間が所定時間以下である場合、例えば2分以下などの短い時間である場合は、先に行った乗車をしていないとする判断(S2011)を取り消し、接続不良等の不慮の理由により接続が短期間継続されなかった状態であったとみなして、ステップS2009に移行し乗車中の状態がその期間も継続したと判別することとしてもよい。即ち、携帯情報装置10は図示しない期間カウント部を有し、携帯情報処理装置10が搭載機器20と一旦接続がなされた後、接続が継続されない状態となったと判別されたときにカウントを開始し、再度同一の搭載機器20と接続がなされたと判別されたまでの期間をカウントする。そして、そのカウントされた期間が所定時間以下であるかどうかにより、降車をしたかどうかを判断する。
【0052】
以上の処理を行うことで、ユーザが携帯情報処理装置10を保持しつつ所定の移動体1に乗車および降車を繰り返すと、記憶部320に時間情報と紐づけられた乗車開始フラグおよび乗車終了フラグが記憶されるので、この情報に基づいて当該ユーザが当該移動体1に乗車しているかどうかを切り分けることができる。
また、移動体1に乗車しているかどうかを切り分けることで、例えば、移動体1に係る車両保険の保険料の計算や、移動体1が事故にあった際の車両保険の適用可否判断などについて、適切に実施することができるという効果も奏する。
また、少なくとも制御部210、記憶部220および第一通信部230を含む任意のデバイス(例えば、任意のメーカーのディスプレイオーディオ装置)を移動体1内に備えておけばよく、または、かかるデバイス(例えば、イヤホン装置)を外部から持ち込んでおけばよく、自動車メーカーやサービス提供者等による特定のデバイス又は装置に依存する必要がない、という効果も奏する。

【0053】
[第二の実施形態]
以下、第二の実施形態を説明する。第二の実施形態においては、携帯情報処理装置10を保持したユーザが様々な移動手段を利用する際に、その移動手段を判断する処理の例である。
【0054】
図9は、第二の実施形態におけるユーザが利用する移動手段を判別するための手順例を示すフローチャートである。
実施形態のS1001と同様に、ユーザが何らかの移動手段である移動体1に乗車した際、ユーザ1が保持する携帯情報処理装置10は、第一通信部130を通じて、当該装置の近辺にある搭載機器20と接続する(S3001)。搭載機器20と接続された場合(S3001;Y)、サーバ300の記憶部320に格納された搭載機器-移動手段対応テーブル322を参照し、接続された搭載機器20の識別情報が登録されているかどうかを判断する(S3003)。搭載機器-移動手段対応テーブル322には、例えば、S1001からS1007までの処理と類似する処理により、予め搭載機器20の識別情報(例えば、デバイス名称など)と対応する移動手段(例えば、バス、タクシーなどの種別、または、特定のルートを走行するバスなどの個別の手段)との組み合わせが登録されており、他ユーザも自身の携帯情報処理装置10等を通じてアクセスすることで、接続された搭載機器20に対応する移動手段、すなわち、搭載機器20が設置されている移動手段に係る情報を取得することができるようになっている。
【0055】
図10は搭載機器-移動手段対応テーブル322の例である。図10に示すように、搭載機器-移動手段対応テーブル322には、登録された搭載機器20の識別情報であるデバイス名称と、それぞれのデバイス名称に対応する移動手段が記されている。例えば、携帯情報処理装置10において取得した搭載機器20の識別情報が「D8」であった場合は、接続された搭載機器20が登録されていると判断され、対応する移動手段である「タクシー」が特定される。
【0056】
このように、搭載機器-移動手段対応テーブル322には、予め、搭載機器20と対応する移動手段との組み合わせがいくつか登録されていることが好ましい。この登録は、先述のS1001からS1007までの処理と類似する処理としてユーザによって行われてもよいし、搭載機器20を通じてサービスを提供するサービス提供者によって行われてもよいし、利用する移動手段を管理する移動手段管理者(交通機関企業など)によって行われてもよく、登録する主体は特に限定されない。制御部110は接続された搭載機器20の識別情報が搭載機器-移動手段対応テーブル322に登録されていることを確認した場合(S3003; Y)、対応する移動手段を特定する(S3005)。そして、制御部110は、ユーザがその移動手段を利用開始したと判定し、移動手段の情報と、利用開始した旨(利用開始フラグ)と時間情報とを紐付けて、サーバ30の記憶部320に送信し記憶する(S3007)。
【0057】
ここで、何らの搭載機器20とは接続されなかった場合(S3001;N)には、移動手段の判別は行われず、当該処理を終了する。
【0058】
S3003において、制御部110が搭載機器-移動手段対応テーブル322を参照した結果、接続された搭載機器20が登録されていなかった場合(S3003;N)、何らの接続がされなかった場合と同様に処理を終了することとしてもよいが、ユーザ自身が移動手段を登録することとしてもよい。この場合、接続された搭載機器の情報として、例えばデバイス名称を表示部150に表示し(S3004)、移動体1に搭載された搭載機器20をユーザが選択すると(S3006)、図11に示すような、当該搭載機器20が設置された移動体1の移動手段の情報を入力するための画面が表示部150に表示され、ユーザは対応する移動手段を選択する(S3008)。図11に示すように、ユーザは移動手段の複数候補から一つを選択することができるようになっており、例えば、ユーザが保有する携帯情報処理装置10の端末名が「USER1-SP」となっていて、接続された搭載機器20として「XXXXX」「YYYYY」「ZZZZZ」がリスト表示されていて、ユーザが「XXXXX」の搭載機器20を選択した後、ユーザが利用する移動手段がタクシーであれば、タクシーが表示されている部分をタッチし、「OK」ボタンをタッチすることで、タクシーが選択される。制御部110は、選択された移動手段に係る情報と搭載機器20の識別情報とをサーバ30に送信し、サーバ30の制御部310は記憶部320に格納された搭載機器-移動手段対応テーブル322にこれら情報の組み合わせを登録する(S3010)。そして、制御部110は、ユーザがその移動手段の利用を開始したと判定し、利用開始した旨と、移動手段の情報および時間情報とを紐付けて、サーバ30の記憶部320に送信する(S3007)。
【0059】
なお、搭載機器-移動手段対応テーブル322においては、搭載機器20の識別情報そのものを登録することとしているが、この形態に限られない。例えば、何らかの移動手段に対する文字列であって、取得した搭載機器20の識別情報のうち部分一致すれば、対応する移動手段を利用していると判別することとしてもよい。
例えば、図10の搭載機器-移動手段対応テーブル322において、バスに対応する搭載機器20の識別情報として「HIJ-4」が登録されているが、例えば、「HIJ」のみを登録しておいてもよい。そして、識別情報が「HIJ-4」である搭載機器20が接続された場合は移動手段がバスであると判別することはもちろん、識別情報が「HIJ-3」である搭載機器が接続された場合も移動手段がバスであると判別することとしてもよい。このように、共通の文字列を複数の移動手段における搭載機器20の識別情報に含ませることで、同種のまたは同カテゴリの移動手段でありながらお互いに異なる識別情報を用いることができ、同種のまたは同カテゴリの移動手段における各個体同士を識別する手段としても用いることができる。
【0060】
その後、制御部110は携帯情報処理装置10と搭載機器20との接続が継続されているかどうかを判断する(S3013)。この判断にあたっては、制御部110が常時、所定期間ごと、または搭載機器20から発せられる所定のトリガー等に基づいて、搭載機器20の接続状態をチェックして、その接続が継続されているかを確認する。この場合、携帯情報処理装置10と搭載機器20の接続および切断に応じていずれかの機器から送信されるシグナルを受信して接続されたかまたは切断されたかの判断を行うこととしてもよい。接続が継続されていると判断したとき(S3013;Y)は、制御部110は、ユーザはその移動手段を利用していると判定する(S3015)。または、何らの判定をしなくともよい。その後、好ましくは所定時間経過後に、処理はS3013に戻って再度判断を行う。接続が継続されていないと判断したとき(S3013;N)は、制御部110は、ユーザはその移動手段の利用を終了したと判別し、利用終了した旨と、移動手段の情報および時間情報とを紐付けて、サーバ30の記憶部320に送信する(S3017)。
【0061】
ここで、S3017においては、利用終了した旨と時間情報とを紐付けて記憶部320に送るのみとしてもよい。すなわち、移動手段の情報については送信しなくともよい。移動手段の情報を送信せずとも、利用終了した旨と利用終了時間がわかっていればよく、直前に利用開始した移動手段について利用終了したことが明らかであるためである。
【0062】
以上の処理を行うことで、ユーザが携帯情報処理装置10を保持しつつ所定の移動手段を利用すると、当該ユーザがその移動手段を利用しているかどうかを判別することができる。利用している移動手段を判別することで、例えば、ユーザがどの時間にどのような移動手段を利用していたかといった情報を把握することが可能となる。
【0063】
なお、第二の実施形態では、ユーザが所定の移動手段を利用しているかを判別することとしているが、これに限られない。例えば、搭載機器-移動手段対応テーブル322においては、搭載機器20の識別情報と、移動手段の情報のほか、移動体1の識別情報、当該移動体1を管理・保有する企業名とを紐づけて登録されていることとし、移動手段の情報のほかに、利用している移動体1の車両IDや、移動体1を管理・保有する企業名を判別することで、例えば、どのような路線のバスを利用しているかを判別することとしてもよい。すなわち、どの移動手段を利用しているかを判別することとしてもよい。
【0064】
さらに、S3007およびS3015においては、携帯情報処理装置10から、利用開始した旨または終了した旨と、ユーザが利用する移動手段の情報と時間情報とを紐付けて、サーバ30の記憶部320に送信することとしているが、位置情報取得部180によって取得した位置情報も合わせて紐づけて送信することとしてもよい。このようにすることによって、ユーザがどの時間にどの移動手段を利用していたかの他に、ユーザがどのような経路を移動しているかも把握することができる。
【0065】
以上の処理を行うことで、ユーザがどの時間にどの移動手段を利用していたかを判別することができる。
また、第一の実施形態と同様に、移動体に備えられるデバイス又は装置は第一通信部230に対応する機能があればよいため、特定のデバイス又は装置に依存する必要がない、という効果も奏する。
【0066】
[第三の実施形態]
以下、第三の実施形態を説明する。第三の実施形態は、ユーザが保持する携帯情報処理装置10と接続した搭載機器20を通じて、ユーザに対して広告を提供するものである。第三の実施形態においては、それぞれ携帯情報処理装置10を保持する複数のユーザが移動手段としてバスを利用しており、それぞれの携帯情報処理装置10と接続されるバスに設置された搭載機器20がディスプレイ装置であるとして、ユーザに対して当該ディスプレイ装置を通じて広告を提供する処理につき、以下詳細を説明する。
【0067】
図12は、第三の実施形態における、ユーザが利用する移動手段であるバスに備えられたディスプレイ装置を通じて広告を配信する手順例を示すフローチャートである。
ここで、ユーザが保持する携帯情報処理装置10とディスプレイ装置との接続、および移動手段がバスであると判別し、その接続が継続されている旨がサーバ30に送信されることについては、第二の実施形態で説明した内容(ステップS3001からS3017まで)と同様であるので、それらの説明については省略する。
【0068】
また、前提として、第三の実施形態においては、上述したように、S3007およびS3015において、携帯情報処理装置10から、ユーザが利用する移動手段の情報と、時間情報と、さらに位置情報取得部180によって取得した位置情報も合わせて紐づけて送信するものとする。
【0069】
携帯情報処理装置10と搭載機器20であるディスプレイ装置との接続後、サーバ30の制御部310は、記憶部320に格納されている、携帯情報処理装置10に係る各ユーザに紐づけられた位置情報の少なくとも一部、例えば、接続した時刻から遡って所定時間(例えば、1週間)の期間の位置情報を特定する(S4001)。サーバ30の制御部310は、これら特定された位置情報が、記憶部320に格納されている不図示の条件リストに登録されている条件のいずれかを満たしているかを判断する(S4003)。登録されている条件の一例として、過去1週間において所定の位置(例えば、駅、建物など)を訪問したかどうか、などが挙げられる。なお、条件を満たすかどうかを判断するにあたっては、1つの携帯情報処理装置10における位置情報に基づくことに限られず、同じ搭載機器20に接続した別の携帯情報処理装置10における位置情報も含めた条件であってもよい。また、例えば、条件リストに登録された条件に対応する広告コンテンツのそれぞれには優先度が設定されていてもよい。制御部310がいずれかの条件を満たしていると判断した場合(S4003;Y)、最も優先度が高い広告コンテンツにつき、制御部310は当該条件に対応する広告コンテンツを搭載機器20に送信し、表示部250を介して出力する(S4005)。
【0070】
広告コンテンツが搭載機器20に送信されると、制御部310は条件リストにおいて、満たした条件に対応する広告コンテンツの優先度を低下させる(S4007)。低下させる優先度については、例えば、条件リスト内で所定数ランクを下げることとしてもよいし、または最低としてもよいし、さらには条件リストから削除することとしてもよく、特に優先度の低下方法は限定されない。その後、満たした条件に対応する広告配信の開始後所定時間が経過したら、または広告配信が終了したら(S4009)、別途の広告配信を行うべく、接続された携帯情報処理装置10の位置情報を取得する処理(S4001)に戻る。このようにすることで、時間経過によりバスにおける乗客の乗降者が発生し、搭載機器20を接続可能と検出する携帯情報処置装置20のユーザが入れ替わることに対応し、広告配信しようとする時点での乗車客の行動に即した広告を配信することができる
【0071】
S4003の処理において、取得した位置情報が条件リストに登録されている条件のいずれも満たさないと判断した場合(S4003;N)、広告を配信しないか、または登録されている条件中の任意の条件に対応する広告を配信するか、または登録されている条件とは無関係の広告を配信する(S4004)。この際、例えば、搭載機器20と接続された携帯情報処理装置10の数に応じて、広告配信しないか、条件とは何らかの広告を配信するかを判断することとしてもよい。例えば、検出された携帯情報処理装置10の数(即ち、乗車客数)が3以下であれば、広告配信せず、3より大きければ、何らかの広告を配信することとしてもよい。
広告配信しないと判断してから所定時間経過後、もしくは何らかの広告配信の開始後から所定時間が経過または終了すると(S4004)、S4009と同様に、携帯情報処理装置10の位置情報を取得する処理(S4001)に戻る。
【0072】
以上の処理を行うことで、ユーザが携帯情報処理装置10を保持しつつ搭載機器20を設置した移動体1を利用すると、当該搭載機器20からユーザに対応したコンテンツを享受することができる。
【0073】
なお、コンテンツを提供するにあたっては、複数のユーザが乗車する前提のバス等の移動手段において、複数のユーザの携帯情報処理装置10から位置情報を取得することに限られず、一ユーザからの位置情報に基づいてコンテンツを提供してもよい。例えば、タクシー等の移動手段において、携帯情報処理装置10と移動手段に設置された搭載機器20とを接続し、記憶部320に記憶された当該ユーザに係る所定期間における位置情報に基づいて、対応する広告を特定し、搭載機器20を通じて配信してもよい。
【0074】
また、ユーザに提供されるものは広告コンテンツには特に限定されない。例えば、搭載機器20の表示部250に表示される映像、搭載機器20の音声出力部に出力される音楽・音声、さらには搭載機器20の表示部250および音声出力部270、ならびに携帯情報処理装置10の入力部260を協働させるゲーム、などといったコンテンツを提供してもよい。この場合、サーバ30は、携帯情報処理装置10から、位置情報に加えて、または位置情報の代わりに、ユーザそれぞれの嗜好に関する情報を取得し、それに対応したコンテンツを配信することが好ましい。更には、搭載機器20の表示部に広告を表示しつつ、関連するクイズ等の何らかの問い合わせ情報を提示し、それに対応する回答などの情報を、ユーザが携帯情報処理装置10の入力部160から入力することで、携帯情報処理装置10を介して使用可能な、表示された広告に関連するクーポンを付与する、などとしてもよい。
【0075】
また、第三の実施形態では、サーバ30において位置情報を収集し、条件を満たしているかどうかを判断し、その判断に応じてコンテンツ提供を行うこととしているが、その形態には限られない。例えば、サーバ30とは別のサーバ(不図示)によって位置情報等の情報をサーバ30または携帯情報処理装置10から収集しこれらの処理を行うこととしてもよいし、搭載機器20自身がこれらの処理を行うこととしてもよい。
【0076】
また、第三の実施形態のS4007において、条件リストにおいて満たした条件に対応する広告コンテンツの優先度を低下させたり、条件リストから削除させたりすることで、同一の広告を重複してユーザに配信することを防ぐという効果があるが、それ以外にも、例えば、現在時刻における位置情報を記憶部320内から特定または携帯情報処理装置10から取得し、その位置が所定範囲内にあるときは、その所定範囲に対応する条件リストに書き換えることとしてもよい。例えば、バスが範囲1内に位置しているときは、範囲1内にあるターミナル駅Aの隣接に位置するデパートなどの広告配信などが行われるが、バスが範囲2内に移動したときは、ターミナル駅Aに隣接する店舗に関しての広告配信は行われず、範囲2内にある駅Bに隣接する店舗やショッピングモールに関しての広告配信が行われることとしてもよい。無論、条件リストを変更するトリガーは現在時刻における位置情報には特に限られない。例えば、時間帯ごとに条件リストを変更してもよく、更には、取得する位置情報などを教師データとした機械学習によって得られた判別器によって生成された条件リストとしてもよい。
【0077】
以上の処理を行うことで、移動手段を利用するユーザに対して適切なコンテンツを提供することができる。
また、第一の実施形態と同様に、移動体に備えられるデバイス又は装置は第一通信部230に対応する機能があればよいため、特定のデバイス又は装置に依存する必要がない、という効果も奏する。
【0078】
[第四の実施形態]
以下、第四の実施形態を説明する。第四の実施形態は、テレマティクス保険の契約者であるユーザが保持する携帯情報処理装置10を通じて、所定の車両に乗車しているかどうか等を判別し、判別した内容に基づき保険料を算定するものである。
【0079】
図13は、第四の実施形態における、ユーザによる所定の車両(即ち、テレマティクス保険の対象となる車両)への乗車時間をカウントする手順例を示すフローチャートである。
ここで、ユーザが保持する携帯情報処理装置10による所定の車両に備えられた搭載機器20を登録する処理については、本実施形態にて説明した内容(ステップS1001からS1007まで)と同様であるので、それらの説明については省略する。また、適用されるテレマティクス保険の種類は走行距離連動型であり、走行距離が長ければ保険料が高く、逆に走行距離が短ければ保険料が低くなる性質を有するものであるものとする。
【0080】
まず、携帯情報処理装置10を保持するユーザが、所定の車両に乗車しているかどうかを判断する(S5001)。即ち、第一の実施形態と同様に、携帯情報処理装置10と接続された搭載装置20の識別情報が、搭載装置テーブル321に含まれるかどうかを判断する。なお、搭載装置テーブル321には、この所定の車両に備えられた搭載装置20に対応する識別情報が記憶されていることを前提とする。
【0081】
ステップS5001において、所定の車両に乗車していると判断された場合(S5001;Y)は、次に、携帯情報処理装置10が備える位置情報取得部180によって取得された位置情報に基づき、携帯情報処理装置10が所定範囲にいるかどうかを判断する(S5003)。この所定範囲とは、例えば自宅の駐車場近辺の範囲である。即ち、ユーザが通常に所定の車両である保有車両を駐車する場所の近辺であり、ユーザが乗車しないながらも、携帯情報処理装置10が所定の車両の近傍に位置することによって、搭載装置20と接続されてしまい、乗車していると認識されうる範囲であり、そのような認識を回避するためにこのような範囲にいるかどうかを判断する。なお、この所定範囲は自宅の駐車場近辺範囲に限られず、他にも、通勤先の駐車場近辺範囲などであってもよい。
一方で、ステップS5001において、所定の車両に乗車していないと判断された場合(S5001;N)は、その時間(時刻tとする)における走行距離カウントを行わない(S5004)。即ち、保険料算出の処理を、時刻tを走行距離のカウントから除外して行う。
【0082】
ステップS5003において、所定範囲にいないと判断された場合(S5003;Y)は、時刻tを走行距離カウントの対象とし、走行距離カウントを行う。より具体的には、連続して走行距離カウントの対象となった時刻があった場合(例えば、時刻t?a及び時刻tの場合;aはステップS5001を実施する間隔の長さ)は、位置情報取得部180により取得された位置情報に基づいて、その間に発生した携帯情報処理装置10の移動距離を算出し、走行距離に加算する。
一方で、ステップS5003において、所定範囲にいると判断された場合(S5003;N)は、時刻tにおける走行距離カウントを行わない(S5004)。即ち、保険料算出の処理を、時刻tを走行距離のカウントから除外して行う。
【0083】
ステップS5004又はS5005の完了後、所定時間(長さa)を経過させる(S5007)。即ち、ステップS5004又はS5005の完了後すぐにステップS5001に戻り再度の処理を開始するのではなく、処理の間隔として所定時間を設けるものである。所定時間aとしては、例えば5秒が設定されるが、時間の長さは特に限定されない。
【0084】
所定時間経過後、ステップS5001に戻り、走行距離カウントに関する処理を今度は次サイクルである時刻t+aについて行う。
【0085】
このように処理を継続していくことで、ユーザにより乗車された所定の車両の走行距離の累計が求められる。この走行距離カウントは所定の期間、例えば3ヶ月単位で行われ、この所定の期間における累計走行距離に基づいて、所定の未来期間(例えば、次々月)におけるユーザの保険料が決定される。
【0086】
ここで、上記説明においては、ステップS5003を設けることとしているが、ステップS5003を設けなくともよい。これは、携帯情報処理装置10を搭載装置20と接続するにあたっては、搭載装置20が通電している必要があり、例えば自宅の駐車場等において車両を駐車している場合は、通常車両の電源を切っている状態であることから、搭載装置20が車両の電源と連動している場合は、自然、両装置の接続を行うことができないためである。
【0087】
さらに、上記説明においては、所定の車両に乗車していること(S5001)及び所定範囲にいないこと(S5003)を走行距離カウントの要件としているが、これらに追加して、別途設けられる速度取得部(不図示)によって、または、位置情報取得部180により取得される位置情報を処理すること等によって得られる速度情報が所定の速度以上であることを要件としてもよい。この場合、所定の速度として、限定ではなく例として、時速5キロメートルといった速度が挙げられる。
【0088】
さらに、上記説明においては、所定の車両に乗車していること(S5001)及び所定の場所から所定距離離れていること(S5003)を走行距離カウントの要件としているが、これら要件とは別に、制御部110が第一通信部130の機能が無効となっている(即ち、自動的に搭載装置20と接続可能な設定となっていない)ことを探知し、第一通信部130が無効となっていた期間を制御部110または制御部310により算出して、その算出された期間を走行距離カウントに追加としてもよい。すなわち、第一通信部130の機能が無効となっていることで、実際は走行しているにもかかわらず走行距離カウントがなされず、結果として保険料が実態とは異なって算定されることを回避するためである。
【0089】
この場合、第一通信部130の機能が無効となっている期間における位置情報取得部180によって取得された位置情報に基づいて走行距離カウントを行なってもよいし、第一通信部130の機能が無効となっている期間は所定の車両が所定の運転内容がなされているとみなして走行距離カウントを行なってもよい。この場合の所定の運転内容の設定方法は特に限定されないが、例えば、一律に時速10キロメートルの速度で運転されているとしたり、昼時間は時速10キロメートルとする一方で夜時間は時速7キロメートルとするなど時間帯によって速度を変化させた運転がなされているとしたり、過去所定期間(例えば、過去3ヶ月分)におけるユーザによる運転の平均の運転内容を基準とした速度や加速度で運転されているとしたり、更には、後述する運転行動連動型のテレマティクス保険を適用する場合に鑑み、危険運転が所定の頻度で行われているとしたり、所定の運転スコアのレベルで運転がなされているとしたり、といった設定方法が挙げられる。
【0090】
また、第一通信部130の機能が無効となっている期間の所定期間における累計が所定の閾値以上の長さ(例えば、任意の1ヶ月期間における2日間以上)であった場合は、所定の追加保険料を発生させたり、保険の等級を下げたり、又は、走行距離とは非連動とし、所定の保険料(通常の走行距離連動型の保険料よりは高い金額)を設定したりしてもよい。すなわち、何らかのペナルティをユーザ又は保険加入者に課すこととしてもよい。
更には、第一通信部130の機能が無効となっている期間の所定期間における累計が所定の閾値以下の長さ(例えば、任意の1ヶ月期間における2時間以下)であった場合は、保険料を減額したり、保険の等級を下げたり、又は、所定額の商品券や現金相当の所定数のポイントをユーザに付与したりしてもよい。すなわち、何らかのリワードをユーザ又は保険加入者に付与することとしてもよい。
【0091】
なお、上記説明においては、走行距離連動型のテレマティクス保険を適用する場合を触れたが、運転行動連動型のテレマティクス保険を適用する場合にも本発明は有用である。加速度や速度等の情報に基づく運転特性に応じて保険料が決定されるものである。運転特性として、例えば、運転日時、運転総時間、運転頻度、運転距離、運転場所、最高速度、平均速度、急ブレーキ回数、急加速回数、急ハンドル回数、車線変更時の速度及び頻度、コーナリング時の速度及び頻度等が挙げられる。
この運転特性の取得に鑑みて、例えば、所定の車両に乗車していると判断されている期間等の保険適用がなされる期間において、携帯情報処理装置10に設けられた図示しない加速度情報取得部によって取得された加速度情報、及び速度情報取得部によって取得された速度情報を収集し、位置情報取得部180によって取得された位置情報と合わせ、これら位置情報、加速度情報及び速度情報の少なくとも一部に基づいて保険料を算出することとしてもよい。またこの場合、加速度取得部及び速度取得部を設けるのではなく、位置情報取得部180によって取得された位置情報に基づいて加速度情報及び速度情報を取得し、これら取得された位置情報、加速度情報及び速度情報の少なくとも一部に基づいて保険料を算出することとしてもよい。
【0092】
また、上記説明においては、ユーザが所定の車両に乗車していることを判断することにつき説明したが、この場合、ユーザが運転者であるか、又は非運転者であるかは不明であり、仮に、ユーザが非運転者であった場合においても走行距離カウントがされてしまうことになる。そこで、携帯情報処理装置10における入力部160から、ユーザが所定の車両に乗車しているが非運転者であった期間の情報を入力することを可能とし、その入力された期間を、走行距離カウントの対象から除外することとしてもよい。さらには、ユーザによって保持される携帯情報処理装置10によって取得される各種情報に基づいて、ユーザが運転者であるか否かを判定し、その結果に基づいて走行距離カウントの対象にするか否かを決定することとしてもよい。
もちろん、運転者であるか否かに問わず、ユーザが所定の車両に乗車していると判断された時間については走行距離カウントの対象としてもよい。
【0093】
以上の処理を行うことで、ユーザが所定の移動体に乗車している期間を特定することができ、またその特定結果に基づいた保険料を算定することができる。
また、第一の実施形態と同様に、移動体に備えられるデバイス又は装置は第一通信部230に対応する機能があること、および、識別情報を有していればよいため、特定のデバイス又は装置に依存する必要がない、という効果も奏する。
【0094】
[各実施形態による作用・効果]
本実施形態および変形例によれば、特定のデバイス又は装置に依存することなく、ユーザが所定の移動体に乗車しているか、またはどの移動手段を利用しているかを適切に判別することができ、またそれらの判別結果に基づいたサービスを提供できるという効果が得られる。
【0095】
[変形例]
上述の実施形態においては、携帯情報処理装置10と搭載機器20とを接続することをもって、ユーザが所定の移動体1に乗車開始したこと、または所定の移動手段を利用開始したことを説明したが、接続することに限られず、例えば、携帯情報処理装置10が搭載機器20の存在を検出することで、所定の移動体1への乗車、または所定の移動手段の利用を判別することとしてもよい。この場合、一定期間ごと、例えば60秒ごとに、携帯情報処理装置10は搭載機器20の検出を行い、連続して検出していれば、所定の移動体1への乗車、または所定の移動手段の利用を継続しており、検出できなければ、乗車または利用が終了したと判別することが好ましい。
同様に、上述の実施形態においては、携帯情報処理装置10が搭載機器20を検出することをもって、登録対象となる搭載機器20の識別情報を取得することとしているが、検出することに限られず、例えば、携帯情報処理装置10が搭載機器20と接続することで、搭載機器20の識別情報を取得することとしてもよい。
【0096】
また、上述の実施形態においては、ユーザがその移動体1に乗車開始したまたは移動手段を利用開始したと判定するにあたって、サーバ30の記憶部320において、特定した搭載機器20と対応する移動体1が登録されていることを確認した場合に、乗車開始した旨と時間情報とを紐付けて、サーバ30の記憶部320に送信することとしているが、行われる処理はこれに限られない。例えば、携帯情報処理装置10の表示部150に「(搭載機器名称)を検出しました」等のメッセージを表示したり、更には携帯情報処理装置10から搭載機器20に対して対応するトリガーとなる情報を送信することで、搭載機器の表示部250に同様のメッセージを表示したり、音声出力部270にて同様のメッセージを読み上げたりすることとしてもよく、特に限定されない。
【0097】
以上、本発明の実施形態および変形例について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態および変形例に限定されない。また、上記の実施形態および変形例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 移動体
10 携帯情報処理装置
110 制御部
120 記憶部
130 第一通信部
140 第二通信部
150 表示部
160 入力部
170 音声出力部
180 位置情報取得部
20 搭載機器
210 制御部
220 記憶部
230 第一通信部
250 表示部
260 入力部
270 音声出力部
30 サーバ
310 制御部
320 記憶部
321 搭載機器テーブル
322 搭載機器-移動手段対応テーブル

【要約】
情報処理方法は、情報処理装置において、所定の移動体に備えられた機器を検出すること又は接続することと、前記検出された又は接続された機器に対応する識別情報を、前記情報処理装置を通じて対象機器テーブルに登録することと、が予めなされた前記情報処理装置において、第1機器を検出すること又は当該第1機器と接続することと、前記第1機器に対応する識別情報を取得することと、前記取得した識別情報が前記対象機器テーブルに含まれるかどうかを判断することと、前記含まれるかどうかを判断することにおいて、含まれると判断された場合、前記情報処理装置に関連づけられたユーザが前記所定の移動体に乗車していると判断することと、を含む。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13