IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧 ▶ 明星産商株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-蓋体及び包装容器 図1
  • 特許-蓋体及び包装容器 図2
  • 特許-蓋体及び包装容器 図3A
  • 特許-蓋体及び包装容器 図3B
  • 特許-蓋体及び包装容器 図3C
  • 特許-蓋体及び包装容器 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】蓋体及び包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
B65D47/08 120
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017167461
(22)【出願日】2017-08-31
(65)【公開番号】P2019043596
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-08-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391029325
【氏名又は名称】明星産商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
(72)【発明者】
【氏名】漆原 修
(72)【発明者】
【氏名】大西 春二
(72)【発明者】
【氏名】森山 寿幸
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-189259(JP,A)
【文献】国際公開第2009/069217(WO,A1)
【文献】特開2001-146247(JP,A)
【文献】特開2004-231245(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0422357(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する板状の取付け部と、
前記取付け部とヒンジにより連結され、前記開口部に対して開閉自在に設けられた開閉体とを備える蓋体であって、
前記開閉体の前記ヒンジの反対側の端部に、前記開閉体との境界で折り曲げ可能に取付けられたフラップ状の第1折曲げ片が連結され、
前記第1折曲げ片の前記開閉体と反対側の端部に、前記第1折曲げ片との境界で折り曲げ可能に取付けられたフラップ状の第2折曲げ片が連結され、
前記取付け部は、折曲げられた前記第1折曲げ片及び前記第2折曲げ片を収容可能な収容部と、係合リブとを含み、
前記開口部が前記開閉体により閉じられた状態において、
前記第2折曲げ片は、前記収容部の開口端の一部を覆い、
前記第1折曲げ片を前記収容部に向かって折曲げることにより、前記第1折曲げ片の端部が前記係合リブを乗り越えて、前記開閉体をロックした状態とすることが可能であり
前記開閉体がロックされた状態において、
前記第1折曲げ片を前記収容部に向かってさらに折り込むと、前記第1折曲げ片の端部が、前記ヒンジの方向へ向かって前記係合リブから離れて前記開閉体のロック状態が解除され、
前記第2折曲げ片の前記収容部の開口端の一部を覆う部分が、前記収容部とは反対の方向へ移動し、前記第2折曲げ片を引き上げることにより前記開閉体を開けることが可能になり、
前記第2折曲げ片の前記収容部の開口端に対向する面にリブが形成され、
前記第2折曲げ片の前記収容部の開口端の一部を覆う部分が、前記収容部とは反対の方向へ移動する際に、前記第2折曲げ片のリブが前記収容部の開口端に当接する、
蓋体。
【請求項2】
前記開閉体がロックされた状態において、
前記第2折曲げ片を前記収容部と反対の方向に向かって引き上げると、前記第1折曲げ片の端部が前記係合リブを乗り越えて前記開閉体がロックされた状態が解除され、前記開閉体を開けることが可能になる、請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の蓋体と、容器本体とを含む、包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体及びこれを用いた包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウエットティッシュ等のシート状の内容物を収容可能な軟包装袋等の開口部に取付けて開口部の開閉を可能とする蓋体が知られている(特許文献1、非特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1及び非特許文献1、2に開示されている蓋体(取出口栓)は、取付け部(取出口栓本体)と、取付け部にヒンジを介して取付けられた開閉体(蓋)とを備える。この蓋体の使用者は、開閉体を閉じる際には、開閉体に設けた円筒状キャップを、取付け部に設けた円筒状キャップ受けに嵌合させる。そして、開閉体を開く際には、開閉体のヒンジに対向する開放端部に指を掛けて持ち上げることにより、円筒状キャップと円筒状キャップ受けとの嵌合を外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-225911号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】意匠登録第1134169号公報
【文献】意匠登録第1134452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような蓋体では、バッグ等に入れて持ち運ぶ際等に、一緒に入れたペンのような細い棒状の物体が開閉体の開放端部から取付け部と開閉体との間の隙間に入り込むことにより円筒状キャップと円筒状キャップ受けとの嵌合が外れ、開閉体が偶発的に開くおそれがあった。
【0007】
これを防ぐためには、例えば、円筒状キャップと円筒状キャップ受けとの嵌合力を高める対策を取り得るが、このような対策の場合、嵌合に大きな力が必要になり開閉体の開閉が困難になるおそれがあった。また、開閉体を閉状態に維持するためのロック機構を設ける対策を取り得るが、このような対策の場合、採用するロック機構の構造によっては、ロック及びその解除の操作に手間がかかるおそれがあった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、わずかな荷重しか必要としない操作で簡便にロック及びその解除をすることができる蓋体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一局面は、開口部を有する板状の取付け部と、取付け部とヒンジにより連結され、開口部に対して開閉自在に設けられた開閉体とを備える蓋体であって、開閉体のヒンジの反対側の端部に、開閉体との境界で折り曲げ可能に取付けられたフラップ状の第1折曲げ片が連結され、第1折曲げ片の開閉体と反対側の端部に、第1折曲げ片との境界で折り曲げ可能に取付けられたフラップ状の第2折曲げ片が連結され、取付け部は、折曲げられた第1折曲げ片及び第2折曲げ片を収容可能な収容部と、係合リブとを含み、開口部が開閉体により閉じられた状態において、第2折曲げ片は、収容部の開口端の一部を覆い、第1折曲げ片を収容部に向かって折曲げることにより、第1折曲げ片の端部が係合リブを乗り越えて、開閉体をロックした状態とすることが可能であり開閉体がロックされた状態において、第1折曲げ片を収容部に向かってさらに折り込むと、第1折曲げ片の端部が、ヒンジの方向へ向かって係合リブから離れて開閉体のロック状態が解除され、第2折曲げ片の収容部の開口端の一部を覆う部分が、収容部とは反対の方向へ移動し、第2折曲げ片を引き上げることにより開閉体を開けることが可能になり、第2折曲げ片の収容部の開口端に対向する面にリブが形成され、第2折曲げ片の収容部の開口端の一部を覆う部分が、収容部とは反対の方向へ移動する際に、第2折曲げ片のリブが収容部の開口端に当接する、蓋体である。
【0010】
また、本発明の他の局面は、上記の蓋体と、容器本体とを含む、包装容器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、わずかな荷重しか必要としない操作で簡便にロック及びその解除をすることができる蓋体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る蓋体の開閉体を開いた状態の平面図及び断面図
図2】本発明の一実施形態に係る蓋体の開閉体を閉じた状態の平面図及び断面図
図3A】本発明の一実施形態に係る蓋体の開閉体をロックする方法を示す断面図
図3B】本発明の一実施形態に係る蓋体の開閉体をロックする方法を示す断面図
図3C】本発明の一実施形態に係る蓋体の開閉体をロックする方法を示す断面図
図4】本発明の一実施形態に係る蓋体の開閉体のロックを解除し、開く方法を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る蓋体100について、図1図2を参照して説明する。蓋体100は、取付け部200と、取付け部200上に設けられたヒンジ110により取付け部200に連結された開閉体300と、開閉体300の端部に連結された第1折曲げ片310と、第1折曲げ片310の端部に連結された第2折曲げ片320とを含んで構成される。図1に、開閉体300を開いた状態の蓋体100の平面図(図1の左図)及びA-A’線で切断した断面図(図1の右図)を示す。また、図2に、開閉体300を閉じてロックした状態の蓋体100の平面図(図2の左図)及びB-B’線で切断した断面図(図2の右図)を示す。なお、開閉体300を閉じた状態とは、開閉体300がロックされているか否かに関わらず、開口部210が開閉体300により閉じられて閉塞された状態をいう。
【0014】
蓋体100は、開口を有する軟包装袋等の容器本体(図示しない)の開口に取付けることにより容器本体とともに包装容器を構成し、容器本体の開口の閉塞及び開放を可能にするために用いられる。
【0015】
(取付け部)
取付け部200は、蓋体100を容器本体に取付けるための部材である。図1図2に示すように、取付け部200は、開口部210と、凹部220と、収容部230と、2つの係合リブ240とを含んで構成されている。
【0016】
開口部210は、容器本体の内容物を取出すために、取付け部200に形成された開口である。図1に示すように、開口部210は、取付け部200の略中央に形成された円形状の開口である。なお、開口部210には、包装容器の流通に際して収容物の密封性を高めるために、使用にあたって取りはずすことのできる中栓を設けてもよい。また、開口部210の端縁に、開口部210の密封性を高めるため、開閉体300に設けたインナーリングと嵌合できる環状壁を設けてもよい。
【0017】
凹部220は、開閉体300を閉じた際に開閉体300がほぼ重なる窪みである。図1に示すように、凹部220は、開口部210を囲むように、取付け部200の一部を開閉体300の形状に対応して窪ませて形成されている。
【0018】
収容部230は、開閉体300を閉じてロックする際に、後述する第1折曲げ片310及び第2折曲げ片320を収容するために形成された窪みである。図1に示すように、収容部230は、凹部220のヒンジ110の反対側に位置する端部に接するように、取付け部200の一部を凹部220よりも深く窪ませて形成されている。
【0019】
係合リブ240は、開閉体300をロックするために形成されたリブである。図1に示すように、2つの係合リブ240のそれぞれは、一例として、取付け部200の凹部220の内周面から突出して、取付け部200の表面(ヒンジ110の設けられた側の面)から凹部220の底面まで、取付け部200の表面に直交する方向に向かって延伸する直線状のリブである。2つの係合リブ240は、図1図2に示すように、開閉体300を閉じた状態において、一例として、第1折曲げ片310を挟んで対称な位置に形成されている。
【0020】
(開閉体)
開閉体300は、ヒンジ110により取付け部200に連結され、開口部210に対して開閉自在に設けられた部材である。図1図2に示すように、開閉体300は、ヒンジ110の反対側の端部に第1折曲げ片310が連結されている。開閉体300は、開口部210と対向する面に、開口部210の密封性を高めるため、開口部210の環状壁と嵌合するインナーリングを設けてもよい。
【0021】
(第1折曲げ片)
第1折曲げ片310は、閉状態にある開閉体300のロック及びロックの解除を行うために設けられている。第1折曲げ片310は、開閉体300のヒンジ110の反対側の端部に、開閉体300との境界で折り曲げ可能に連結されたフラップ状の部材である。第1折曲げ片310は、開閉体300との境界での折り曲げを可能とするために、図1図2に示すように、直線状に形成した薄肉領域を介して開閉体300と連結されている。図1の断面図に示すように、第1折曲げ片310は、荷重がかからない状態では、折れ曲がらないように形成されている。
【0022】
詳細は後述するが、第1折曲げ片310は、開閉体300が閉じられてロックされていない状態において、係合リブ240の取付け部200の表面側の端面の少なくとも一部を覆うように形成されている。
【0023】
(第2折曲げ片)
第2折曲げ片320は、開閉体300を開く際の摘みとして設けられている。第2折曲げ片320は、第1折曲げ片310のヒンジ110の反対側の端部に、第1折曲げ片310との境界で折り曲げ可能に取付けられたフラップ状の部材である。第2折曲げ片320は、第1折曲げ片310との境界での折り曲げを可能とするために、図1図2に示すように、直線状に形成した薄肉領域を介して第1折曲げ片310と連結されている。図1の断面図に示すように、第2折曲げ片320は、荷重がかからない状態では、折れ曲がらないように形成されている。
【0024】
図2に示すように、第2折曲げ片320は、開閉体300を閉じた状態で、収容部230の開口端の一部を覆うように形成されている。図1に示すように、第2折曲げ片320は、収容部230に対向する面から突出した3本の直線状のリブ321を備えており、このリブ321により収容部230の開口端に当接している。
【0025】
(ロック方法)
次に、開閉体300をロックする方法について、図3A図3Cを参照して説明する。図3A図3Cの左図は、図2の点線で囲ったD部の拡大図であり、開閉体300をロックする際の第1折曲げ片310及び第2折曲げ片320と収容部230との状態を示す。また、図3A図3Cの右図は、図2のC-C’線で切断した断面図であり、開閉体300をロックする際の係合リブ240と第1折曲げ片310との状態を示す。
【0026】
初めに、図3Aに、開閉体300が閉じられているが、ロックはされていない状態を示す。図3Aの左図に示すように、この状態において、第1折曲げ片310及び第2折曲げ片320のいずれにも荷重はかかっていないため、どちらも折れ曲がっておらず、収容部230に収容されていない。また、第2折曲げ片320は、端部またはリブ321が収容部230の開口端に当接した状態にある。
【0027】
この時、図3Aの右図に示すように、第1折曲げ片310は、係合リブ240の取付け部200の表面側の端面の少なくとも一部を覆う位置にある。このときのオーバーラップ代(図の長さL)の最大値は、例えば、0.3mm以上0.9mm以下とすることができる。長さLが0.3mm未満の場合、ロック強度とロック時の感触が弱くなり、かつロック深さも浅くなる。また、長さLが0.9mm超の場合、その逆となり、ロック強度とロック時の感触が強くなり過ぎるおそれがある。
【0028】
次に、図3Bに、蓋体100の使用者により第1折曲げ片310が、収容部230に向かって押圧されている状態を示す。図3Bの左図に示すように、第1折曲げ片310が黒色の矢印で示す方向に押圧されると、第1折曲げ片310は、開閉体300との境界で収容部230に向かって折れ曲がる。また、第2折曲げ片320は、端部またはリブ321が収容部230の開口端に当接しているため、第1折曲げ片310との境界で折れ曲がる。
【0029】
この時、図3Bの右図に示すように、第1折曲げ片310が折れ曲がることで、第1折曲げ片310の端部が係合リブ240の端部に当接する。
【0030】
この状態で、第1折曲げ片310を、収容部230に向かってさらに押圧することで、係合リブ240に当接していた第1折曲げ片310の端部は、白色の矢印で示す方向に移動しながら係合リブ240を乗り越える。これにより、開閉体300はロックされた状態となる。
【0031】
図3Cに、開閉体300がロックされた状態を示す。図3Cの左図に示すように、開閉体300がロックされた状態で、第1折曲げ片310と第2折曲げ片320とは、それぞれ折れ曲がった状態で収容部230に収容された状態となる。また、第2折曲げ片320は、一端がリブ321を介して収容部230の開口端に当接している。
【0032】
この時、図3Cの右図に示すように、第1折曲げ片310の端部は、係合リブ240を乗り越えることにより係合している。これにより、開閉体300の開く方向への動きは規制され、この結果、開閉体300はロックされた状態を維持することができる。なお、第1折曲げ片310の端部は、係合リブ240を乗り越える代わりに、乗り上げた状態で所定の接触圧で当接することで係合するようにしてもよい。
【0033】
(ロック解除方法1)
次に、開閉体300がロックされている状態を解除する方法の一例について、図4を参照して説明する。図4は、開閉体300のロック状態を解除し、開く方法を示す断面図である。なお、図4の左図及び右図は、図3A等と同様に、それぞれ図2の点線で囲ったD部の拡大図、及び図2のC-C’線で切断した断面図である。
【0034】
開閉体300のロック状態を解除する際、蓋体100の使用者は第1折曲げ片310を、黒色の矢印で示すように収容部230に向かって押圧する。開閉体300がロックされている状態で、第1折曲げ片310を押圧することにより、図4の左図に示すように、第1折曲げ片310は、収容部230に向かってさらに折れ曲がる。この結果、図4の右図に示すように、第1折曲げ片310の端部が、ヒンジ110(紙面右)の方向へむかって係合リブ240から離れて、開閉体300のロック状態が解除される。
【0035】
第1折曲げ片310が収容部230に向かってさらに折れ曲がることにより、第2折曲げ片320は、さらに第1折曲げ片310側へ向かって折れ曲がり、その端部が上方(収容部230とは反対の方向へ向かって)に持ち上がる。この結果、蓋体100の使用者は、折れ曲がった第2折曲げ片320を容易につまむことが可能になる。蓋体100の使用者は、つまんだ第2折曲げ片320を、白矢印で示すように引き上げることにより、ロックの解除された状態の開閉体300を開くことができる。
【0036】
第2折曲げ片320にリブ321を設けてリブ321と開口端とを当接させることで、第2折曲げ片320にリブ321が無い場合と比較して、第2折曲げ片320が折り曲がった際に端部と開口端との距離を増やす(隙間を形成する)ことができる。このため、使用者は第2折曲げ片320をより摘みやすくなる。また、第2折曲げ片320にリブ321を設けることで、リブ321が突起となるため、使用者はリブ321に指の腹を当てることにより第2折曲げ片320を摘みやすくなる。
【0037】
(ロック解除方法2)
開閉体300のロック状態を解除して開く方法は、上記方法に限定されない。例えば、ロック状態にある蓋体100の第1折曲げ片310を押し下げることなく、第2折曲げ片320をつまんで、収容部230と反対の方向に向かって引き上げてもよい。これにより、第1折曲げ片310の端部が、係合リブ240を上方に向かって乗り越えるためロック状態が解除される。引き続き第2折曲げ片320を持ち上げることで、ロック状態が解除された開閉体300を開くことができる。
【0038】
(作用・効果)
以上説明したように、本発明によれば、蓋体100の使用者は、開閉体300を閉じた状態において、第1折曲げ片310を収容部230に向かって押し下げるという簡単でわずかな荷重しか必要としない操作によって、第1折曲げ片310に係合リブ240を乗り越えさせて、開閉体300をロック状態とすることができる。
【0039】
また、蓋体100の使用者は、ロック状態にある開閉体300の第1折曲げ片310を収容部230に向かってさらに押し下げるという簡単でわずかな荷重しか必要としない操作によってロック状態を解除できる。
【0040】
また、第2折曲げ片320の端縁が浮き上がるのでこれを容易に摘んで開閉体300を簡単に開くことができる。したがって、指で第1折曲げ片310を押した後、第2折曲げ片320を摘んで持ち上げるという、一連の操作によって、簡単に開閉体300を開くことができる。第2折曲げ片320は、端縁を指の先端で摘んでひっぱることができるのみでなく、指の側面を沿わせることによって持ち上げることができるため、とくに爪の長い使用者であっても、爪を傷めることなく開閉体300を開くことができる。
【0041】
また、第1折曲げ片310及び第2折曲げ片320は、取付け部200と開閉体300との隙間を覆うように形成されている。このため、蓋体100をバッグ等に入れて持ち運ぶ場合にも、開閉体300と凹部220との隙間に細い棒状の物体が入り込みにくく、開閉体300が偶発的に開くことを防止できる。また、そのため、開閉体300を開けるのに要する力(ヒンジの固さ等)を小さく設計することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、ウエットティッシュ等のシート状の内容物を収容した軟包装袋の蓋体に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0043】
100 蓋体
110 ヒンジ
200 取付け部
210 開口部
220 凹部
230 収容部
240 係合リブ
300 開閉体
310 第1折曲げ片
320 第2折曲げ片
321 リブ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4