(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/46 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
A47C7/46
(21)【出願番号】P 2017211945
(22)【出願日】2017-11-01
【審査請求日】2020-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(73)【特許権者】
【識別番号】000114385
【氏名又は名称】株式会社クオリ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 安都夫
(72)【発明者】
【氏名】長坂 典明
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-094288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0296989(US,A1)
【文献】特開2012-071026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれを有する椅子であって、
前記背もたれは、
左右で一対のフレーム部分を備えた枠状の背フレームと、
各フレーム部分に取り付けられた取付部材と、
前記取付部材の間に掛け渡されたランバーサポートと、を備え、
前記取付部材は、前記ランバーサポートの端部を上方及び下方の少なくとも一方から差し込み可能なレール部を備え、
前記レール部は、上下方向において前記ランバーサポートの端部が差し込まれる端部を、前記ランバーサポートの端部を通過可能に開放し
、
前記フレーム部分にねじ止めされる受側部品をさらに備え、
前記受側部品は、前から後に向かって狭くなる間隔を区切るガイドと、爪部とを備え、
前記取付部材は、前から後に向かって先細りする楔形を有した楔形部と、前記爪部に嵌合する張出部とを備え、
前記取付部材が前記フレーム部分に向けて押されることによって前記間隔に前記楔形部が押し込まれ、前記ガイドに前記楔形部が押し込まれた状態で前記張出部が前記爪部に引っかかり、前記取付部材が前記受側部品に対して固定される
椅子。
【請求項2】
背もたれを有する椅子であって、
前記背もたれは、
左右で一対のフレーム部分を備えた枠状の背フレームと、
各フレーム部分に取り付けられた取付部材と、
前記取付部材の間に掛け渡されたランバーサポートと、を備え、
前記取付部材は、前記ランバーサポートの端部を上方及び下方の少なくとも一方から差し込み可能なレール部を備え、
前記レール部は、上下方向において前記ランバーサポートの端部が差し込まれる端部を、前記ランバーサポートの端部を通過可能に開放し
、
前記ランバーサポートは、
前記取付部材の間に掛け渡された弾性変形する樹脂製のサポート板と、
前記サポート板の左右方向における端部間に配置された帯状の金属部材と、を備え、
前記金属部材の左右方向における1つの端部は、前記サポート板の左右方向における1つの端部に嵌合によって位置決めされ、前記金属部材の左右方向における他の端部は、前記サポート板の左右方向における他の端部に対し、腰からの荷重を受ける前記サポート板の湾曲に応じて、左右方向に移動するように構成されている
椅子。
【請求項3】
前記レール部において前記ランバーサポートの端部が差し込まれる端部は、前記ランバーサポートの端部が抜けることを防止する抜け防止部を備える
請求項1
または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記抜け防止部は、前記レール部の長手方向の端部に取り付けられる
請求項
3に記載の椅子。
【請求項5】
前記レール部は、前記ランバーサポートの左右方向への移動を規制する規制壁を有し、
前記ランバーサポートの端部は、前記規制壁と左右方向で当接する
請求項1~4のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項6】
前記規制壁の一部は、前側が開放され、
前記ランバーサポートの端部は、前記規制壁の前側から前記レール部に延設されている
請求項5に記載の椅子。
【請求項7】
前記取付部材は、前記フレーム部分に対して着脱可能である
請求項1~6のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項8】
前記フレーム部分は、前面部に前記取付部材の突起部が固定配置される固定溝を備える
請求項1~7のいずれか一項に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰を支えるランバーサポートを有する椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ランバーサポートを有する椅子として、特許文献1に記載のような椅子が知られている。
特許文献1に記載の椅子は、背フレームの左右の枠を構成する左右1対の側枠杆に、ランバーサポートの両側端部を上下方向に位置調節を可能にして装着している。この椅子は、両側枠杆に、ランバーサポートの両側端部を上下方向に移動可能として案内するガイド部を備えており、ランバーサポートの左右両側部の後面であって、ガイド部より内方の部分に、後方に向かって突出する操作部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術によれば、椅子の使用者の好みに合わせてランバーサポートの上下方向の位置を容易に移動させることができるようになる。
ところで、椅子の使用者は、ランバーサポートの有無についても好みがある。つまり、ランバーサポートを好まない使用者は背もたれにランバーサポートのない椅子を選択し、ランバーサポートを好む使用者は背もたれにランバーサポートのある椅子を選択する。しかしながら、椅子の形態を使用者の好みに合わせると、ランバーサポートの有無で2種類の椅子を準備する必要が生じて椅子の管理に手間を要する。また、椅子の形態を1種類に限るものとすると、好みとは相違する椅子を使用者が使用しなければならない。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、椅子の使用者がランバーサポートの着脱を容易に行うことのできる椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する椅子は、背もたれを有する椅子であって、前記背もたれは、左右で一対のフレーム部分を備えた枠状の背フレームと、各フレーム部分に取り付けられた取付部材と、前記取付部材の間に掛け渡されたランバーサポートと、を備え、前記取付部材は、前記ランバーサポートの端部を上方及び下方の少なくとも一方から差し込み可能なレール部を備え、前記レール部は、上下方向において前記ランバーサポートの端部が差し込まれる端部を、前記ランバーサポートの端部を通過可能に開放している。
【0007】
このような構成によれば、ランバーサポートの左右方向の長さを変化させることなく、ランバーサポートの端部を上方及び下方の少なくとも一方から差し込み移動させてレール部に対して着脱させることができる。つまり、椅子の使用者が椅子に対してランバーサポートの着脱を容易に行うことができる。
【0008】
上記椅子において、前記レール部において前記ランバーサポートの端部が差し込まれる端部は、前記ランバーサポートの端部が抜けることを防止する抜け防止部を備える。
このような構成によれば、椅子の使用時や移動時等にランバーサポートが離脱するようなことが防止される。
【0009】
上記椅子において、前記抜け防止部は、前記レール部の長手方向の端部に取り付けられる。
このような構成によれば、レール部の長手方向の端部に抜け防止部が設けられるのでランバーサポートの抜けを防止することが容易である。
【0010】
上記椅子において、前記ランバーサポートは、腰からの荷重で変形する剛性を有する。
このような構成によれば、抜き差しするときランバーサポートを変形させるのが困難であったとしても、変形が不要である上下方向への移動によって着脱させることができる。
【0011】
上記椅子において、前記レール部は、前記ランバーサポートの左右方向への移動を規制する規制壁を有し、前記ランバーサポートの端部は、前記規制壁と左右方向で当接する。
このような構成によれば、ランバーサポートの左右方向の変形が抑制されて、背フレームとランバーサポートとの協働によって荷重を受容することができる。
【0012】
上記椅子において、前記規制壁の一部は、前側が開放され、前記ランバーサポートの端部は、前記規制壁の前側から前記レール部に延設されている。
このような構成によれば、背フレームにおいて前側にランバーサポートを配置できることから、ランバーサポートと背フレームの前方に張られた弾性シートとの間の距離を近くすることができる。
【0013】
上記椅子において、前記取付部材は、前記フレーム部分に対して着脱可能である。
このような構成によれば、ランバーサポートの不使用時に取付部材も取り外すことができるので背フレームのデザイン性を高く維持することができる。また、ランバーサポートの不使用時に取付部材が背にあたるおそれもない。
【0014】
上記椅子において、前記フレーム部分は、前面部に前記取付部材の突起部が固定配置される固定溝を備える。
このような構成によれば、ランバーサポートの不使用時に取付部材を固定するための固定溝が見えないことから背フレームのデザイン性を高く維持することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、椅子の使用者であれランバーサポートの着脱を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】椅子を具体化した一実施形態における斜視図。
【
図2】同実施形態における椅子の背もたれの一部分の背面図。
【
図3】同実施形態における椅子の背もたれの一部分の正面図。
【
図4】同実施形態におけるランバーサポート部のサポート板の斜め上から見た正面図。
【
図5】同実施形態におけるランバーサポート部の金属部材の正面斜視図。
【
図6】同実施形態における背フレームの一部を拡大した拡大図。
【
図7】同実施形態におけるランバーサポート部の背フレームへの取付部分の拡大図。
【
図8】同実施形態における背フレームに設けられる受側部品の斜視図。
【
図9】同実施形態におけるランバー取付部品の斜視図。
【
図10】同実施形態におけるランバーサポート部のランバー取付部品の図であって、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図。
【
図11】同実施形態におけるランバー取付部品の上面図。
【
図12】同実施形態におけるランバーサポート部の位置決め部材及び蓋部の斜視図。
【
図14】同実施形態における位置決め部材の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1~
図14を参照して、本発明を具体化した椅子の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態における椅子10は、キャスタ付の脚部材11、受台12、座部15、肘掛部16及び背もたれ部20を備えている。本実施形態では、椅子10は、座部15の中央に対して着座可能に開放されている側が前側、座部15の中央に対して背もたれ部20の位置する側が後側である。また、本実施形態では、座部15の中央に対して肘掛部16の位置する側が右側及び左側であり、脚部材11に対する座部15側が上側、座部15に対する脚部材11側が下側である。
【0018】
脚部材11の中央には、脚柱11aが取り付けられている。この脚柱11aには、ガススプリングが内蔵されている。このガススプリングは、受台12から突出した操作レバー13の操作に応じて、受台12の高さ調整を行なう。受台12の上部には、座部15が取り付けられている。この座部15は、座板の上にウレタンフォーム等のクッション材が積層され、布等によって被覆されて構成されている。更に、座部15の座板の両側には、それぞれ肘掛部16が前後方向に延設されている。各肘掛部16は、受台12から座部15の左右に延設された前後2本の支柱が上方に延び、それら前後2本の支柱の間に肘を載置する上面を有している。肘掛部16の上面は、ほぼ平らで椅子10の前後方向に延びる形状を有している。
【0019】
背もたれ部20は、前後方向から見て左右対称の形状をしており、背もたれ部20の外形に追従する略長方形状の背フレーム21と、この背フレーム21の上下方向における中央下寄りに取り付けられたランバーサポート部27と、背フレーム21に取り付けられた弾性シートとしての背受けシート26とを備えている。背フレーム21は、下枠部23から受台12に向けて支持部を延ばし、支持部で受台12を挟み込むように受台12に取り付けられている。背受けシート26は、メッシュ形状であり、背フレーム21の囲う空間を覆うように背フレーム21の前側、すなわち上枠部22、下枠部23、左のフレーム部分としての左枠部25、及び、右のフレーム部分としての右枠部24に渡って、前方からの荷重を好適に受けられるように張られている。
【0020】
椅子10の背フレーム21は、上枠部22の上方にヘッドレスト部30を備えている。ヘッドレスト部30は、上枠部22の後面22aに取り付けられた接続部31と、接続部31から上方に上枠部22の後方を迂回する円弧状をなす左右一対の支持柱32と、支持柱32の先端に下部後方を支持されるレスト枠33と、レスト枠33に張られた頭部受けシート34とを備えている。
【0021】
接続部31は、左右方向を長手方向とし、その長手方向の中央部が上枠部22に固定されているとともに、長手方向両端部に一対の支持柱32が取り付けられている。接続部31は、長手方向の各端部から長手方向を軸心とする回転において前方へ弾性が付与されつつ、前方には移動不可かつ後方には移動可能になっている。つまり、ヘッドレスト部30は、前方に適度な弾性を付与しつつ、頭部からの荷重を受けて後方に移動する。
【0022】
レスト枠33は、後頭部が当接する部分であって、左右方向に長さを有する略長方形状であって、短辺が外方に広がる半円状である略長方形状を有する。また、このレスト枠33は、左右方向の中央部が後側に突出する略円弧状の曲面をしているとともに、上下方向の中央部が後側に突出する略円弧状の曲面をしている。
【0023】
頭部受けシート34は、メッシュ形状であり、レスト枠33の前側に張られている。
図2に示すように、背フレーム21には、左枠部25及び右枠部24の間にランバーサポート部27がかけ渡されている。右枠部24は、前側から見て右方向(
図2において左方向)に湾曲し、左枠部25は、前側から見て左方向(
図2において右方向)に湾曲する。右枠部24と左枠部25との間の左右方向の間隔は、下枠部23に繋がる部分と、上枠部22に繋がる部分とでそれぞれ狭く、ランバーサポート部27が取り付けられる取付部分240,250で最も広い。右枠部24と左枠部25とは、前側、及び、後側から見て、互いに平行となる直線部分を有していない。
【0024】
図3に示すように、右枠部24の取付部分240には、右枠部24に対する背フレーム21の枠内方向である左方向に張り出すように、ランバー右取付部50が取り付けられている。また、左枠部25の取付部分250には、左枠部25に対する枠内方向である右方向に張り出すように、ランバー左取付部40が取り付けられている。左枠部25及び右枠部24の間には、ランバー左取付部40及びランバー右取付部50を介してランバーサポート部27が取り付けられる。
【0025】
ランバー左取付部40は、ランバー左取付部40のなかの枠内方向寄りに、前側から見て上下方向に延びるレール部420を有している。ランバー右取付部50は、ランバー右取付部50のなかの枠内方向寄りに、前側から見て上下方向に延びるレール部520を有している。2つのレール部420,520は、座部15から互いに同じ高さに位置し、互いに平行な上下方向に沿う直線部分として備えられている。これら2つのレール部420,520の間にランバーサポート部27が上下方向に移動可能に取り付けられている。
【0026】
なお、
図2及び
図3は、説明の便宜上、背受けシート26の描画を割愛している。
図2及び
図3に示すように、ランバーサポート部27は、背フレーム21において背受けシート26よりも後側に配置される。ランバーサポート部27は、左枠部25及び右枠部24を結ぶ帯状部61を備える。帯状部61は、背フレーム21内の中央下側であって、肘掛部16の上面よりも下方の位置に配置されている。ランバーサポート部27は、ランバーサポート部27の左右方向における中央部が、左右方向における端部よりも前後方向において後側に突出する略円弧状の曲面を有している。
【0027】
図3に示すように、ランバーサポート部27は、水平方向に延びるサポート板60及び金属部材70とから構成されている。サポート板60は、水平方向の各端部62,63をそれぞれ対応するレール部420,520に上下移動可能に嵌合させることで、ランバーサポート部27を2つのレール部420,520の間に上下移動可能にしている。
【0028】
ランバー左取付部40は、レール部420の上部に抜け防止部としての蓋部43を有している。蓋部43は、椅子10の使用時や移動時等に、レール部420からランバーサポート部27が離脱することを防止する。レール部420は、蓋部43が取り除かれると上端に開放された開口部425を有し、当該開口部425を介してサポート板60の端部62のレール部420に対する嵌め込みや、抜き出しを可能にする。同様に、ランバー右取付部50は、レール部520の上部の開口部525に蓋部53を有しており、蓋部53を取り外すことで、開口部525を介してサポート板60の端部63のレール部520に対する嵌め込みや、抜き出しを可能にする。
【0029】
ところで、ランバーサポート部27は、背中からの強い荷重を受容する強度(高い剛性)が必要であるが、その強度は、ランバーサポート部27を人の手で思い通りに曲げることが容易でない程度の強度である。そのため、互いに平行に設置されて間隔が固定されているレール部420,520間にランバーサポート部27を一時的に撓ませて取り付けることは容易ではなく、椅子10の使用者が容易に行える作業ではない。このように、ランバーサポート部27は、強い強度を有することで腰をサポートする一方、取り付け作業等において変形させることは容易ではない。
【0030】
そこで、本実施形態では、ランバーサポート部27の着脱の際、各レール部420,520の上部に取り付けられた蓋部43,53を取り外すことで、ランバーサポート部27を通常の長さのまま変形させる(撓ませる)ことなく、両レール部420,520に対して、取り付けや取り外しができるようにしている。すなわち、レール部420,520に対してランバーサポート部27を着脱する作業の操作性を、ランバーサポート部27の強度(剛性)に影響を与えることなく、向上させることができるようにしている。
【0031】
図4~
図14を参照して、ランバー左取付部40、ランバー右取付部50及びランバーサポート部27について詳述する。なお、ランバー右取付部50は、ランバー左取付部40に対して左右対称の部品であるので、必要な場合を除いて、ランバー右取付部50についての詳細な説明は割愛する。
【0032】
(ランバーサポート部27)
図4に示すように、ランバーサポート部27の樹脂製のサポート板60は、左右方向に延びる帯状部61の左端に端部62を、同右端に端部63を備えている。各端部62,63は、ランバーサポート部27のなかでレール部420,520に入り込む部分を含む。サポート板60は、帯状部61の左右方向中央部で上方に延設された背当て部材61Aを備える。サポート板60は、ポリプロピレン(PP)やナイロン(PA)等の材料で構成されている。
【0033】
背当て部材61Aは、左右方向を長手方向とし、下側の底辺が幅広である略台形をしている。背当て部材61Aは、PPやPA等の材料で構成されているため、利用者の動きによって撓むことができ、背当て部材61Aに加わった力が解放された場合には材料自体の弾性変形によって元の形状に戻る。
【0034】
帯状部61は、端部62と端部63とを介してランバー左取付部40とランバー右取付部50との間にかけ渡されている。また、帯状部61は、端部62と端部63との間に金属部材70(
図3等参照)を配置させるための溝状の配置部69を備える。
【0035】
配置部69は、帯状部61の前方左側で前方に向く溝状の左端固定部64と、同前方右側で前方に向く溝状の右端固定部65と、帯状部61の後方中央で後方に向く溝状の中央部68(
図2参照)とを備える。また配置部69は、左端固定部64と中央部68との間で前後方向に貫通する左貫通孔66と、右端固定部65と中央部68との間で前後方向に貫通する右貫通孔67とを備える。左端固定部64は、前方を向く底面64aに凸状の凸部64bを有している。凸部64bは、底面64aから外方に向かって高くなる傾斜面を有し、最も外方が底面64aに対して垂直に立ち上がっており、右方向に対する返しになっている。
【0036】
端部62は、レール部420に嵌る形状を有している。端部62は、帯状部61に一体成型されており、帯状部61に対して後方に一段下がった嵌め込み部62bと、嵌め込み部62bと帯状部61とを連結する連結部62aと、嵌め込み部62bの後面に上下方向に2つ並んで突設されている2つの位置決め凸部62c(
図12参照)とを備えている。なお同様に、端部63も、嵌め込み部63bと、連結部63aと、図示しない2つの位置決め凸部とを備える。
【0037】
図5に示すように、金属部材70は、ステンレス鋼等の高い強度を有する金属材料からなり、帯状を有している。金属部材70は、帯状に延びる帯部71と、帯左端部72と、帯右端部75とを有する。金属部材70は、配置部69に配置された状態において、帯部71が帯状部61の後側にある中央部68に、帯左端部72が帯状部61の左貫通孔66を挿通して前側の端部62に、帯右端部75が帯状部61の右貫通孔67を挿通して前側の右端固定部65にそれぞれ配置される。
【0038】
帯左端部72は、左端固定部64の底面64aの凸部64bに嵌る貫通孔74を備えている。帯左端部72は、左貫通孔66から底面64aに押し込まれたとき、帯左端部72が凸部64bに乗りあがって通過するとともに、貫通孔74が凸部64bに嵌って中央部68の方向に戻らないようになる。帯右端部75は、右端固定部65の底面65aに当接するとともに、前方に浮き上がって右貫通孔67の前側の縁に当接する前方湾曲部75aを備える。帯右端部75は、帯状部61の湾曲に応じて右端固定部65を左右に移動することが可能になっている。
【0039】
(ランバー左取付部40)
図6に示すように、背フレーム21は、左枠部25の前部25bに、左枠部25に沿って延びる凹部25dを備える。凹部25dは、樹脂成型された左枠部25におけるヒケ防止(肉盗み)部として機能する。前部25bは、凹部25dの枠外側(左側)に、前後方向に対して最も前方に突出した突出枠25eを有し、凹部25dの枠内側(右側)に、突出枠25eよりも前方への突出長が短い突出壁25fを有している。なお、突出壁25fの枠内側(右側)は、枠内側面25cを構成している。また同様に、右枠部24は、前部24bと、枠内側面24cと、凹部24dとを備えている。
【0040】
凹部25dは、左枠部25の取付部分250において、固定溝25gを備えている。固定溝25gは、取付部材としてのランバー取付部品42(
図3参照)を固定する突起部を構成する受側部品41(
図3参照)の取り付け可能な形状、及び、受側部品41を介してランバー取付部品42の配置が可能な形状を有している。つまり、固定溝25gは、上下方向に長尺である受側部品41を配置可能な長さ及び幅を有する溝である。また、固定溝25gは、受側部品41を上下で固定するねじ受け251,252を備えている。
【0041】
図7に示すように、受側部品41に対してランバー取付部品42が固定される。受側部品41は、第1固定部411のねじ孔を貫通するねじでねじ受け251に固定され、第2固定部413のねじ孔を貫通するねじでねじ受け252に固定される。本実施形態では、受側部品41と、ランバー取付部品42と、蓋部43と、位置決め部材44(
図3参照)とからランバー左取付部40が構成される。なお同様に、
図3を参照して、受側部品51と、ランバー取付部品52と、蓋部53と、位置決め部材54とからランバー右取付部50が構成される。
【0042】
図8を参照して、受側部品41は、上下方向において第1固定部411と第2固定部413との間に、前側に突出する弧状の中間部412を有している。中間部412は、枠外側で長手方向に延びている爪支持部412aと、枠内側で長手方向に延びているガイド支持部412cとを備える。中間部412は、前後方向に対して爪支持部412aを前段、ガイド支持部412cを後段とし、爪支持部412aとガイド支持部412cとの間の段差に段差部412bを備えている。
【0043】
爪支持部412aは、長手方向の途中の前面に前方に突出する爪部414を有している。爪部414は、前方先端に枠内側を向く爪415を有している。また、ガイド支持部412cは、長手方向の途中の前面に前方に突出する一対のガイド416を備えている。一対のガイド416は、ガイド支持部412cの長手方向に離間して設けられている。一対のガイド416が形成する離間間隔には、左右方向において爪部414及び爪415が対向している。一対のガイド416、その離間間隔が前側から後側に向かって狭くなってすぼむかたちを有する。よって、一対のガイド416は、ランバー取付部品42の突起部を構成する楔形部421(
図9参照)が後方に向けて押し込まれることで、楔形部421を隙間なく挟持することができる。
【0044】
図8及び
図9に示すように、ランバー取付部品42は、一対のガイド416の間に挟まる楔形部421と、爪部414の爪415に嵌合する張出部422とを備えている。楔形部421は、楔形部421の上下方向での幅が前から後ろに向けて先細りする楔形を有しており、一対のガイド416が形成する離間間隔に挟まることができる。張出部422は、楔形部421の表面から爪部414に当接位置まで突出するとともに、爪415に平行な壁状の凸部であって、爪部414からの弾性で爪415が嵌合する。詳述すると、張出部422が前方から後方へ押し込まれると、まず、爪415の表面が受ける押圧によって爪部414が外枠側に押される。そして、張出部422が爪415よりも後方へ押し込まれると、爪部414の反力で爪415が内枠側に戻り、爪415の返しが張出部422の側面に引っかかる。これにより、ランバー取付部品42は、受側部品41に対して前後方向に移動不可能に固定される。また、楔形部421は、一対のガイド416の間の離間空間に押し込まれることで上下方向に移動不能に固定される。つまり、ランバー取付部品42が受側部品41に対して固定される。
【0045】
次に
図10及び
図11を参照して、ランバー取付部品42について説明する。
図10(b)に示すように、ランバー取付部品42は、正面42aにおいて枠外側である左側に楔形部421が突設されている。楔形部421は、突出壁25fより左側である左枠部25の凹部25d(
図6参照)内に配置される。一方、楔形部421よりも右側にある外側面42bや正面42aは、左枠部25の凹部25dの枠内側にある突出壁25fよりも右側外方に配置される。つまり、外側面42bは、左枠部25の枠内側面25cに対向する。
【0046】
図10(a)及び(c)に示すように、ランバー取付部品42は、左枠部25が前方に凸状に湾曲していることに追従するように、前方に凸状の湾曲を有している。
図10(b)に示すように、ランバー取付部品42は、左右方向に対して左枠部25が左方向に凸状に湾曲していることに追従するように、左方向にも凸状の湾曲を有している。ランバー取付部品42は、正面42aの左側に湾曲を有し、正面42aの右側に上下方向に直線状に延びるレール部420を備えている。ランバー取付部品42は、ランバー取付部品42の規制壁を構成する右壁面42dを備える。右壁面42dは、上下方向に延びる形状を有し、レール部420は、右壁面42dに沿って直線状に右壁面42dの左側に設けられている。
【0047】
図10(b)に示すように、レール部420は、ランバー取付部品42の内部空間42jを含む。内部空間42jの左側は、外側面42bで区画され、内部空間42jの後側は、後面42cで区画され、内部空間42jの前側は、正面42aの後側にある前方規制面42kで区画されている。また、内部空間42jの下側は、下部42eの上側にある下端面42hで区画され、内部空間42jの上側は、上側面42fで区画されている。なお、内部空間42jは、正面42aと右壁面42dとの間に上下方向の長孔を有している。なお、同様に、ランバー右取付部50のレール部520も、ランバー取付部品52に内部空間52jを含む(
図3参照)。
【0048】
また、
図10(c)に示すように、レール部420は、右壁面42dから見ると、正面42aと前方規制面42kとの間に、規制壁を構成する左規制面42gを有し、右壁面42dは後面42cから前側方向への延設されている。なお、右壁面42dから見て、左規制面42gと右壁面42dとは重なり合うように配置されており、すなわち、右壁面42dは後面42cを基端としたとき、前側方向となる先端が、前方規制面42kから正面42aまで間に配置されるようになっている。
【0049】
図11を参照して、ランバー取付部品42の内部空間42jについて説明する。
図11に示すように、ランバー取付部品42を上側から見ると、内部空間42jは、右壁面42dと外側面42bと後面42cと前方規制面42kとで区画されて上下方向に連通する空間である。内部空間42jは、正面42a側は、左側が前方規制面42kで区画されているが、右側は上下方向の長孔で開放されている。よって、内部空間42jに嵌め込まれたランバーサポート部27の端部62(
図3参照)は、右方向への移動は右壁面42dで規制され、左方向への移動は左規制面42gで規制され、前方向への移動は前方規制面42kで規制され、後方向への移動は後面42cに取り付けられる位置決め部材44(
図3参照)で規制される。一方、内部空間42jに嵌め込まれたランバーサポート部27の端部62(
図3参照)は、上下方向への移動は、レール部420の下端である下端面42hと、レール部420の上端である蓋部43の上端面43h(
図12参照)とで規定される長さの範囲で許容される。
【0050】
ところで、ランバー取付部品42は、正面42aの上側が上側面42fよりも手前にある上側端部42iで途切れており、上側端部42iと上側面42fとの間に、内部空間42jを大きく開放する上述した開口部425を有している。そして、
図9に示すように、開口部425は、蓋部43により封止される。
【0051】
図12及び
図13を参照して、蓋部43について説明する。
蓋部43は、開口部425を封止する略楔形の本体431を有し、本体431がランバー取付部品42の右壁面42d側から外側面42bの方向に移動されてランバー取付部品42の開口部425に嵌め込まれることで開口部425を封止する。蓋部43は、開口部425を封止したとき、ランバー取付部品42との間で一体的な外観を維持する形状である。
【0052】
本体431は、下部右側にレール部420の上部を構成するレール上部433を有し、反対側の下部左側にレール上部433の分だけ左右方向の幅が細くなった細幅部432と、上下方向中央にあって、前後方向の左に突出する棒部材434とを備えている。棒部材434は、ランバー取付部品42に対する位置決め及び固定に用いられるものである。棒部材434は、係止孔427への挿通で位置決めをし、先端部の外周に設けられている嵌め合い用の外周凸部が挿入された係止孔427に係合することで固定する。
【0053】
また、本体431は、細幅部432を介してランバー取付部品42の正面42aに連続する正面43aと、正面43aの後側にある裏面43bと、ランバー取付部品42の右壁面42dに連続する右側部43dと、ランバー取付部品42の上側面42fに連続する上側面43fとを備えている。本体431は、レール部420の上端となる上端面43hを備えているとともに、内部空間42jに対して、細幅部432の裏面がランバー取付部品42の前方規制面42kに接続し、細幅部432の左規制面43gがランバー取付部品42の左規制面42gに連続する。また、本体431は、ランバー取付部品42の外側面42bに対向する左側部43cを備えている。
【0054】
例えば、蓋部43は、ランバー取付部品42に取り付けられたとき、右側部43dがランバー取付部品42の右壁面42dと揃う形状であるとともに、正面43aがランバー取付部品42の正面42aと揃う形状であることによってランバー取付部品42に対して一体的な外観を維持している。
【0055】
また、蓋部43は、上下方向への移動が棒部材434と係止孔427との嵌合、及び、正面43aの左側凹部とランバー取付部品42の凸部426との嵌合で規制される。また、蓋部43は、下方への移動は細幅部432の下部43iとランバー取付部品42の上側端部42iと当接でも規制される。また、蓋部43は、枠外側方向への移動が本体431とランバー取付部品42の外側面42bとの当接で規制され、枠内側方向への移動が棒部材434と係止孔427との嵌合で規制される。
【0056】
図3に示すように、ランバー取付部品42の内部空間42jには、位置決め部材44が上下方向を長手方向として配置されている。
図14に示すように、位置決め部材44は、上下方向に延びる長尺部品であり、長尺である中間部443と、中間部443の両端にあってねじ止め孔を有するねじ止め端部441,442とを備えている。中間部443は、ねじ止め端部441,442を結ぶ部材であって、長手方向に交差する幅方向の中央において長手方向に延びて前方にアーチ状を有することで前方への弾性力を有する位置決め部444と、位置決め部444に長手方向に所定の間隔で形成された凹部である位置凹部445とを備えている。
【0057】
位置決め部材44は、ねじ止め端部441がランバー取付部品42の上ねじ穴428a(
図10(b)参照)にねじ(図示略)で固定され、ねじ止め端部442がランバー取付部品42の下ねじ穴428b(
図11参照)にねじ(図示略)で固定される。
【0058】
位置決め部444は、その前側の面にランバーサポート部27の端部62の嵌め込み部62bの後面にある2つの位置決め凸部62cが当接している。2つの位置決め凸部62cの間隔は、位置凹部445の所定の間隔と同じであり、2つの位置決め凸部62cがそれぞれ対応する位置凹部445に嵌り込むことでランバーサポート部27の端部62の上下方向における位置を固定する。なお、2つの位置決め凸部62cは、位置決め部444の弾性で位置凹部445に押し付けられていることから、位置凹部445からの弾性を押し返して乗り出すことのできる上下方向の力を受けることに応じて、位置凹部445から乗り出して位置決め部444の表面を摺動し、次の位置凹部445に嵌る位置まで移動する。これによって、ランバーサポート部27の上下方向の位置が定められる。また、ランバーサポート部27が背中から受ける荷重方向が2つの位置決め凸部62cを位置凹部445に押し込む方向の力であることから、椅子10の使用中にランバーサポート部27が上下方向に移動するおそれも少ない。
【0059】
(作用)
図3等を参照して、本実施形態の作用について説明する。
通常、椅子10の使用者は、座部15に着座した状態で背中を背受けシート26に押し付ける。このとき、ランバーサポート部27は、背中から受ける強い荷重を受容する強度が必要であるが、その荷重は手で与えられるよりも大きい荷重であるため、ランバーサポート部27には相応の強度が求められ、その強度は人の手で曲げることが容易でない強度である。一方、ランバー取付部品42のレール部420とランバー取付部品52のレール部520との間の間隔は固定されているため、取り付け方法として、ランバーサポート部27を一時的に撓ませる必要のある構造であると、取り付け作業が椅子10の使用者が容易に行える作業とはならないおそれがある。すなわち、ランバーサポート部27は、高い強度で腰をサポートすることが必要である一方、その取り付けや取り外し作業において変形させることは容易でない。
【0060】
そこで、本実施形態では、各レール部420,520の上部に開口部425,525を設けた。これにより、ランバーサポート部27の取り付け、取り外しのとき、各レール部420,520の上部の開口部425,525に嵌められている蓋部43,53を取り外すことができる。また、開口部425,525の間隔がレール部420,520を構成する内部空間の間隔と同じであるのでランバーサポート部27を撓ませて左右方向の長さを変化させることなく、両レール部420,520に対してサポート板60の両端部62,63を嵌め込んだり、抜き出したりすることができる。すなわち、本実施形態によれば、ランバーサポート部27の強度に影響を与えることなく、ランバーサポート部27をレール部420,520に対して嵌め込んだり、抜き出したりする作業についてその操作性を向上させることができる。つまり、椅子10は、椅子10の使用者であれランバーサポート部27の着脱を容易に行うことのできるようになる。
【0061】
本実施形態の椅子10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ランバーサポート部27の左右方向の長さを変化させることなく、ランバーサポート部27の端部62,63を上下方向に移動させてレール部420,520に対して着脱させることができる。よって、椅子10の利用者が椅子10に対してランバーサポート部27の着脱を容易に行うことができる。
【0062】
(2)ランバーサポート部27の端部62,63がレール部420,520から抜けることを防止する蓋部43,53が設けられているので、椅子10の使用時や移動時等にランバーサポート部27が離脱するようなことが防止される。
【0063】
(3)蓋部43,53が開口部425,525において、前記レール部の長手方向に取り付けられるのでランバーサポート部27の抜けを防止することが容易である。
(4)抜き差しするときランバーサポート部27を変形させることは困難であったとしても、変形が不要である上下方向への移動によって着脱させることができる。
【0064】
(5)レール部420,520は左右方向への移動を規制する左規制面42g及び右壁面42dを有していることから、ランバーサポート部27の左右方向の変形(大きな撓み)が抑制されて、背フレーム21とランバーサポート部27との協働によって荷重を受容することができる。
【0065】
(6)背フレーム21において前側にランバーサポート部27が配置されることから、ランバーサポート部27と背フレーム21の前方に張られた背受けシート26との間の距離を近くすることができる。
【0066】
(7)ランバー取付部品42,52は、左枠部25又は右枠部24に対して着脱可能であることから、ランバーサポート部27の不使用時に取り外すことができるので背フレーム21のデザイン性を高く維持することができる。また、ランバーサポート部27の不使用時にランバー取付部品42,52が背にあたるおそれもない。
【0067】
(8)ランバーサポート部27の不使用時にランバー右取付部50及びランバー左取付部40を固定するための固定溝25gが見えないことから背フレーム21のデザイン性を高く維持することができる。
【0068】
(その他の実施形態)
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のランバーサポート部27は上下方向に移動可能であったが、ランバーサポート部はランバー取付部品に嵌め込まれた位置で移動できなくてもよい。ランバー取付部品にレール部がないとしても、ランバーサポート部の端部を上下に移動させて嵌合することができればよい。
【0069】
・上記実施形態では、右枠部24や左枠部25の各前側24a,25aに固定溝24g,25gを備える場合について例示した。しかしこれに限らず、ランバー右取付部及びランバー左取付部を固定することができるのであれば、右枠部や左枠部の枠内側面や後側に固定溝が設けられていてもよい。
【0070】
・上記実施形態では、ランバー取付部品42,52は、左枠部25又は右枠部24に対して着脱可能である場合について例示したが、これに限らず、ランバー取付部品は、左枠部又は右枠部に対して固定されていてもよい。また、固定は、機械的な嵌合や、ねじでの取り付けでもよいし、一体成型されたものでもよい。
【0071】
・上記実施形態では、レール部420,520は前側が開放されている場合について例示したが、これに限らず、レール部は後側や枠内側が開放されていてもよい。
・上記実施形態では、ランバーサポート部27の端部62,63は、後側に一段下がっている場合について例示した。しかし、これに限らず、レール部が後側に向いて開口していればランバーサポート部の端部は、前側に一段上がっていてもよいし、レール部が枠内側に向いて開口していればランバーサポート部の端部は、前後両方側に広がって両方向に一段ずれていてもよい。
【0072】
・上記実施形態では、ランバーサポート部27の剛性が高い場合について例示したが、これに限らず、ランバーサポートの剛性が低くてもよい。ランバーサポートの剛性が低い場合であれ、ランバーサポート部の端部がランバー取付部品のレール部に嵌め込まれれば左右方向に抜け落ちない。
【0073】
・上記実施形態では、レール部420,520の長手方向の上端部に蓋部43,53が設けられる場合について例示したが、これに限らず、ランバーサポート部がレール部から抜けることを防止することができるのであれば、端部に設けられたピン状の部材であってもよいし、こうした部材がレール部の途中に設けられてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、レール部420,520の上部に蓋部43,53が取り付けられている場合について例示したが、これに限らず、ランバーサポート部がレール部から抜け出るおそれがないのであれば、レール部の上部が開放されたままであって、蓋部等が取り付けられていなくてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、蓋部43,53がレール部420,520からランバーサポート部27が抜けることを防止したが、レール部からランバーサポート部が抜けることを防止することができれば、レール部に設けられたランバーサポート部に対するかえしでもよいし、ランバーサポート部に設けられたレール部に対するかえしでもよい。なお、ランバーサポート部を取り外すとき、当該かえしを無効にすることができるものであればよい。
【0076】
・上記実施形態では、レール部420,520の上部に開口部を有する場合について例示したが、これに限らず、ランバーサポート部が抜け出ないのであれば、レール部の下部に開口部を有していてもよいし、レール部の上下にそれぞれ開口部を有していてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10…椅子、11…脚部材、11a…脚柱、12…受台、13…操作レバー、15…座部、16…肘掛部、20…背もたれ部、21…背フレーム、22…上枠部、22a…後面、23…下枠部、24…右枠部、24a…前側、24g…固定溝、25…左枠部、25a…前側、25b…前部、25c…枠内側面、25d…凹部、25e…突出枠、25f…突出壁、25g…固定溝、26…背受けシート、27…ランバーサポート部、30…ヘッドレスト部、31…接続部、32…支持柱、33…レスト枠、34…頭部受けシート、40…ランバー左取付部、41…受側部品、42…ランバー取付部品、42a…正面、42b…外側面、42c…後面、42d…右壁面、42e…下部、42f…上側面、42g…左規制面、42h…下端面、42i…上側端部、42j…内部空間、42k…前方規制面、43…蓋部、43a…正面、43c…左側部、43d…右側部、43f…上側面、43g…左規制面、43h…上端面、44…位置決め部材、50…ランバー右取付部、51…受側部品、52…ランバー取付部品、53…蓋部、54…位置決め部材、60…サポート板、61…帯状部、61A…背当て部材、62…端部、62a…連結部、62b…嵌め込み部、62c…位置決め凸部、63…端部、64…左端固定部、64a…底面、64b…凸部、65…右端固定部、65a…底面、66…左貫通孔、67…右貫通孔、68…中央部、69…配置部、70…金属部材、71…帯部、72…帯左端部、74…貫通孔、75…帯右端部、75a…前方湾曲部、240…取付部分、250…取付部分、251…ねじ受け、252…ねじ受け、411…第1固定部、412…中間部、412a…爪支持部、412b…段差部、412c…ガイド支持部、413…第2固定部、414…爪部、415…爪、416…ガイド、420…レール部、421…楔形部、422…張出部、425…開口部、426…凸部、427…係止孔、428a…上ねじ穴、431…本体、432…細幅部、433…レール上部、434…棒部材、441,442…ねじ止め端部、443…中間部、444…位置決め部、445…位置凹部、520…レール部、525…開口部。