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特許7058018抗MRJP4モノクローナル抗体ペア、MRJP4検出用ELISAキット及び金コロイド免疫検出テストストリップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】抗MRJP4モノクローナル抗体ペア、MRJP4検出用ELISAキット及び金コロイド免疫検出テストストリップ
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/18 20060101AFI20220414BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20220414BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20220414BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20220414BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20220414BHJP
【FI】
C07K16/18 ZNA
C12N15/13
C12P21/08
G01N33/53 D
C12M1/34 F
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020043822
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2020146039
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2020-05-01
(31)【優先権主張番号】201910196297.6
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010049812.0
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【微生物の受託番号】CGMCC  CGMCC 17294
【微生物の受託番号】CGMCC  CGMCC 17295
(73)【特許権者】
【識別番号】520088904
【氏名又は名称】中国農業科学院蜜蜂研究所
【氏名又は名称原語表記】Institute of Apicultural Research, Chinese Academy of Agricultural Sciences
【住所又は居所原語表記】No.1 Xiangshanbeigou, Haidian, Beijing, 100093
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】胡▲ハン▼
(72)【発明者】
【氏名】魏▲チョウ▼紅
(72)【発明者】
【氏名】陳思
(72)【発明者】
【氏名】馮毛
(72)【発明者】
【氏名】孟麗峰
(72)【発明者】
【氏名】韓賓
(72)【発明者】
【氏名】房宇
(72)【発明者】
【氏名】馬川
(72)【発明者】
【氏名】李建科
【審査官】福澤 洋光
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101206226(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107892713(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00-15/90
C07K 1/00-19/00
C12P 1/00-41/00
C12M 1/00- 3/00
CA/MEDLINE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物寄託番号はCGMCC No.17294であるハイブリドーマ細胞株6H9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体、及び微生物寄託番号はCGMCC No.17295であるハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体からなる、抗MRJP4モノクローナル抗体ペア。
【請求項2】
サンプルにMRJP4が含まれるか否かを定性的に検出する、又はサンプル中のMRJP4含有量を定量的に検出することにおける、請求項1に記載の抗MRJP4モノクローナル抗体ペアの使用。
【請求項3】
抗MRJP4一次抗体と、ビオチン標識抗MRJP4二次抗体と、標準品と、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジンと、ビオチン標識抗体希釈液と、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジン希釈液と、サンプル希釈液と、濃縮洗浄液と、基質溶液と、停止液とを含むMRJP4含有量を検出するための酵素結合免疫吸着アッセイキットであって、
前記一次抗体は、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株6H9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体であり、前記二次抗体は、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体であり、或いは
前記一次抗体は、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体であり、前記二次抗体は、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株6H9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体である、酵素結合免疫吸着アッセイキット。
【請求項4】
金コロイドパッドと、テストライン及びコントロールラインを含むNC膜と、サンプルパッドと、吸水パッドと、検出底板とを含むMRJP4検出用金コロイド免疫検出テストストリップであって、
前記金コロイドパッドは、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株6H9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体と金コロイドとの複合体を含み、前記NC膜は、1本のテストライン及び1本のコントロールラインを含み、前記テストラインは、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体から構成され、前記コントロールラインは、ヤギ抗マウスIgG抗体から構成され、或いは、
前記金コロイドパッドは、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体と金コロイドとの複合体を含み、前記NC膜は、1本のテストライン及び1本のコントロールラインを含み、前記テストラインは、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株6H9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体から構成され、前記コントロールラインは、ヤギ抗マウスIgG抗体から構成される、金コロイド免疫検出テストストリップ。
【請求項5】
請求項4に記載の金コロイドパッドの製造方法であって
金コロイド溶液と請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株6H9又はハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体とを結合することにより金コロイド-抗体複合体原液を得るステップ(1)と、
作業液で金コロイド-抗体複合体溶液を希釈した後、ガラス繊維膜上に均一に加え、乾燥させることにより金コロイドパッドを得るステップ(2)と、
を含む、製造方法
【請求項6】
ステップ(1)において、請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株6H9又はハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体と金コロイド溶液とをpH値が7.4の条件下で結合し、
ステップ(2)において、作業液で金コロイド-抗体複合体溶液を1:4の体積比で希釈した後、ガラス繊維膜上に均一に加える、請求項に記載の製造方法
【請求項7】
請求項1に記載のハイブリドーマ細胞株6H9又はハイブリドーマ細胞株8C9によって分泌される抗MRJP4モノクローナル抗体は、テストライン上の作業濃度が2mg/mLであり、ヤギ抗マウスIgG抗体は、コントロールライン上の作業濃度が1mg/mLである、請求項4に記載の金コロイド免疫検出テストストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要ローヤルゼリータンパク質4(MRJP4)モノクローナル抗体の製造及びその使用に関し、特にMRJP4モノクローナル抗体ペアの製造に関する。本発明は、さらに製造されたMRJP4モノクローナル抗体ペアで構築されたMRJP4検出用ELISA検出キット及び金コロイド免疫検出テストストリップ、並びにMRJP4の定量的又は定性的検出におけるMRJP4検出用ELISA検出キット及び金コロイド免疫検出テストストリップの使用に関し、MRJP4の定量的及び定性的検出分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ローヤルゼリーは、健康を養い、寿命を延ばす機能を有する天然機能的蜂製品である。ローヤルゼリーは、成分が複雑で、栄養が豊富で、含まれるタンパク質の含有量が12.0%~15.0%である。しかし、ローヤルゼリーは、保存されにくく、変質しやすい。ローヤルゼリーの品質は、その鮮度に密接に関連する。現在、国際的に認められ、広く推進できるローヤルゼリーの鮮度を正確に反映可能な方法がないため、現行のローヤルゼリー品質標準には欠陥がある。
【0003】
中国は世界で最大のローヤルゼリーの生産国及び輸出国である。したがって、ローヤルゼリー鮮度の評価方法を探求し、確立する必要がある。研究により、主要ローヤルゼリータンパク質はローヤルゼリーの鮮度と正の相関があり、つまり、ローヤルゼリーの鮮度が高ければ高いほど、主要ローヤルゼリータンパク質の含有量が高くなることが示されている。MRJP4は、保存温度に非常に敏感であり、その濃度が冷蔵又は室温保存の条件下で、時間の経過とともに徐々に低下する。
【0004】
本発明では、MRJP4抗原を用いて細胞融合方法により高特異性、高感度の抗体ペアをスクリーニングし、さらに、このモノクローナル抗体ペアを用いてELISAキット及び金コロイド免疫検出テストストリップを構築する。ELISA検出キットは、MRJP4の絶対定量を実現することができ、金コロイド免疫検出テストストリップは、現場で迅速にMRJP4を数分で検出することができるので、ローヤルゼリーの鮮度検出のために信頼できる実用的な検出方法を提供することができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、MRJP4タンパク質に対する特異性が高く、感度が高いMRJP4モノクローナル抗体ペアを提供することにある。
本発明の別の目的は、製造されたMRJP4モノクローナル抗体ペアをMRJP4の定性的又は定量的検出に用いることにある。
本発明の別の目的は、サンプルにおけるMRJP4含有量を定量的に検出するELISAキットを提供することにある。
本発明の別の目的は、サンプルにMRJP4が含まれるか否かを定性的に検出する金コロイド免疫検出テストストリップを提供することにある。
【0006】
本発明の目的は、以下の技術的手段により実現される。
【0007】
本発明では、MRJP4の全配列に対して膜貫通ドメイン分析、シグナルペプチド分析、疎水性分析、不規則配列分析、抗原性分析、同一性分析及びドメイン分析を行い、最終的に配列番号1のアミノ酸配列を抗原配列として選定し、それを大腸菌において発現させて抗原を製造する。本発明では、さらに製造された抗原を精製した後、Balb/cマウスを免疫し、細胞融合技術により融合細胞を製造する。半固体培地及び液体培地を用いて合計12プレートで融合し、陽性細胞株を64株得る。そのうちから20株選択して一次サブクローニングを行い、一次サブクローンを検出した後、14株の二次サブクローンをスクリーニングし、さらにサブクローニングを3回行う。他の主要ローヤルゼリータンパク質の組換えタンパク質及び天然タンパク質との交差反応により検出し、交差反応が発生した細胞株を除去し、最終的に9株のMRJP4特異的融合細胞株を取得し、そのうちから親和力が最も高い5株の細胞株を選択して、後続の抗体エピトープ検出及びペアリング実験を行う。異なる抗原エピトープを識別する抗体ペアの検出に基づいて次の抗体ペアの一次スクリーニングを行い、最終には、異なる抗原エピトープを識別する抗体ペアの検出、標準曲線の描画及びサンプル測定結果により、6H92B8(以下、6H9と略す)及び8C93B10(以下、8C9と略す)の抗体ペアは、良好な線形関係及び高感度を有することが発見された。そのため、6H9及び8C9を用いてMRJP4検出用ELISAキット及び金コロイド免疫検出テストストリップを構築することが決定された。
【0008】
本発明において、6H9及び8C9を分泌するハイブリドーマ細胞株は、寄託のために専利局によって指定された寄託機関に提出された。モノクローナル抗体6H9を分泌するハイブリドーマ細胞株は、微生物寄託番号がCGMCC No.17294であり、分類と命名がマウスハイブリドーマ細胞である(寄託機関:中国微生物菌種保蔵管理委員会普通微生物センター;寄託時間:2019年2月18日;寄託住所:北京市朝陽区北辰西路1号院3号)。
【0009】
モノクローナル抗体8C9を分泌するハイブリドーマ細胞株は、微生物寄託番号がCGMCC No.17295であり、分類と命名がマウスハイブリドーマ細胞である(寄託機関:中国微生物菌種保蔵管理委員会普通微生物センター;寄託時間:2019年2月18日;寄託住所:北京市朝陽区北辰西路1号院3号)。
【0010】
本発明によれば、ELISA法によりMRJP4を定量的に検出する酵素結合免疫吸着アッセイキットであって、抗MRJP4一次抗体、ビオチン標識抗MRJP4二次抗体、標準品、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジン、ビオチン標識抗体希釈液、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジン希釈液、サンプル希釈液、濃縮洗浄液、基質溶液及び停止液を含み、前記一次抗体は抗MRJP4モノクローナル抗体6H9、前記二次抗体は抗MRJP4モノクローナル抗体8C9であり、或いは、前記一次抗体は抗MRJP4モノクローナル抗体8C9、前記二次抗体は抗MRJP4モノクローナル抗体6H9であるキットがさらに提供される。
【0011】
本発明のキットによりMRJP4含有量を検出する原理又は使用方法は以下の通りである。精製された抗体でマイクロプレートをコーティングして固相担体を作製し、抗MRJP4抗体がコーティングされたマイクロプレートのウェルに順にサンプル又は標準品、ビオチン化抗MRJP4抗体、HRP標識アビジンを加え、徹底に洗浄した後、基質TMBを用いて発色する。TMBは、ペルオキシダーゼの触媒作用下で青色に変わり、酸の作用下で最終的に黄色に変わる。色の深度は、サンプルにおけるMRJP4に正の相関がある。マイクロプレートリーダーにより450nmの波長で吸光度(OD値)を測定し、サンプル濃度を計算する。
【0012】
本発明の酵素結合免疫吸着アッセイキットを用いて二重抗体サンドイッチELISA法によりサンプルにおけるMRJP4含有量を定量的に測定した結果、検出範囲は1.563ng/mL-100ng/mLであり、検出感度は3.758ng/mLである。
【0013】
本発明によれば、MRJP4を迅速に定性的に検出する金コロイド免疫検出テストストリップであって、金コロイドパッドと、テストライン及びコントロールラインを有するNC膜と、サンプルパッドと、吸水パッドと、検出底板とを含み、前記NC膜は、1本のテストライン及び1本のコントロールラインを含み、前記テストラインは、モノクローナル抗体6H9及び8C9から構成され、前記コントロールラインは、ヤギ抗マウスIgG抗体から構成される金コロイド免疫検出テストストリップがさらに提供される。
【0014】
前記金コロイドパッドと、テストライン及びコントロールラインを含むNC膜は、金コロイド免疫測定キットの一般的な製造方法に従って製造することができる。
【0015】
参考として、本発明によれば、
金コロイド溶液とモノクローナル抗体6H9及び8C9とを結合して金コロイド-抗体複合体原液を得るステップ(1)と、
金コロイド-抗体複合体溶液を希釈した後、ガラス繊維膜に均一に加え、乾燥させることで金コロイドパッドを得るステップ(2)と、
を含む金コロイドパッドの製造方法が提供される。
【0016】
本発明では、さらに、金コロイドパッドと、テストライン及びコントロールラインを含むNC膜の製造方法における各パラメータを最適化する。最適化試験により、以下の製造方法を採用すれば検出効果を効果的に向上できるが分かった。
【0017】
本発明では、金コロイド勾配法試験により、モノクローナル抗体6H9又は8C9と金コロイド溶液とが7.4のpHで結合するときに最適な結合効果を有することが分かった。
【0018】
本発明では、タンパク質勾配法試験により、1mLの金コロイドを安定化するために必要なモノクローナル抗体6H9又は8C9の最小抗体量は10μg/mLであることが分かった。
【0019】
試験結果により、金コロイド-抗体複合体原液の作業濃度が1:4である場合、得られた金コロイドパッドの検出効果は最適であることが示されている。
【0020】
テストライン(Tライン)及びコントロールライン(Cライン)を含むNC膜を製造する際に、本発明では、さらにNC膜のTライン及びCラインのコーティング抗体に複数の濃度勾配を設定して試験を行った結果、発色効果を検出するために最適な濃度は、モノクローナル抗体6H9又は8C9のTラインにおける最適な作業濃度が2mg/mL、ヤギ抗マウスIgG抗体(Cライン)の最適な作業濃度が1mg/mLである。
【0021】
本発明は、本発明の金コロイド免疫検出テストストリップを用いてサンプルにMRJP4が含まれるか否かを定性的に検出する方法であって、
サンプルをキットのサンプルパッドのサンプルウェルに加えるステップ(1)と、
サンプルが陽性である場合、サンプルを加えた後、T領域に1本の赤紫色のバンドが現れ、サンプルが陰性である場合、T領域に赤紫色のバンドが現れず、サンプルにMRJP4タンパク質が含まれるか否かに関わらず、C領域には1本の赤紫色のバンドが現れるステップ(2)と、
を含む方法がさらに提供する。
【0022】
本発明で提供されるMRJP4検出用の金コロイド免疫検出テストストリップは、便利で、迅速で、感度が高いなどの利点を有し、現場での大量のサンプル検出に適している。本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットによりサンプルにおけるMRJP4含有量を定量的に測定した結果、本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットの検出範囲は1.563ng/mL-100ng/mL、検出感度は3.758ng/mLである。特異性実験により、本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キット及び金コロイド免疫検出テストストリップは、MRJP4を特異的検出することができ、他の関連タンパク質(MRJP1、MRJP2、MRJP3及びMRJP5)と交差反応しないことが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】陽性抗体を安定的に分泌し、MRJP1、MRJP2、MRJP3及びMRJP5と交差反応しない9株の細胞株サブタイプのWestern Blotting検出結果を示す。
図2】抗体6H9及び抗体8C9腹水を精製した後のSDS検出結果を示す。ここで、Marker濃度が0.1mg/mL、ローディング量が5μL、Markerサイズが116/66.2/45/35/25/18.5/14.5kDaであり、レーン1には、抗体6H9を5μLローディングし、レーン2には、抗体8C9を5μLローディングする。
図3】抗体6H9の抗体価検出結果を示す。
図4】抗体8C9的抗体価検出結果を示す。
図5】ローヤルゼリーサンプルの抗体WBを示す。全てのレーン:ローヤルゼリーサンプル15μl/6×loading buffer;レーン1:6E2 2C2抗体1/1000;レーン2:7G8 3B8抗体1/1000;レーン3:6H9 2B8抗体1/1000;レーン4:4H5 1D5抗体1/1000;レーン5:8C9 3B10抗体1/1000;二次抗体:IgG(H+L)-HRP(1:5000);Marker:120/85/50/35/25/20(kDa)。
図6】8C9細胞株の抗体特異性の検出結果を示す。
図7】6H9細胞株の抗体特異性の検出結果を示す。
図8】異なる検出条件でのサンプル予備測定の標準曲線を示す。
図9】異なる検出条件でのサンプル予備測定の標準曲線を示す。
図10】凍結乾燥標準品の再測定の標準曲線を示す。
図11】本発明で製造されたMRJP4検出用ELISAキットの検出データの結果を示す。
図12】本発明で製造されたMRJP4検出用金コロイド免疫検出テストストリップのサンプル検出結果の判定標準を示す。
図13】本発明で製造されたMRJP4検出用金コロイド免疫検出テストストリップのサンプル検出結果を示す。
図14】本発明で製造されたMRJP4検出用ELISAキットのロット間差及びロット内差の測定結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、特定の実施形態と組み合わせてさらに説明され、本発明の利点および特徴は、以下の説明でより明らかになるであろう。しかし、実施形態は単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。また、本発明の詳細および形態は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく修正または置換されてもよく、そのような修正または置換は依然として本発明の範囲内であることも当業者には理解されるべきである。
【0025】
実施例1:MRJP4モノクローナル抗体の製造及び抗体ペアリング
一、MRJP4遺伝子の配列分析及び抗原配列の選択
MRJP4遺伝子は、464個のアミノ酸をコードし、膜貫通ドメインを有さず、1-21aaが可能なシグナルペプチド配列であり、タンパク質全体の親水性が高く、配列がMRJPファミリーの他の同一性が高いタンパク質と異なる。
【0026】
膜貫通ドメイン分析、シグナルペプチド分析、疎水性分析、不規則配列分析、抗原性分析、同一性分析及びドメイン分析により、最終的に配列番号1のアミノ酸配列を抗原配列として選定し、それを大腸菌において発現させて抗原を製造する。
【0027】
二、抗原の製造及び精製
1.少量の発現
1.1 配列決定により同定された正しい組換えプラスミドを発現宿主に形質転換した。
【0028】
1.2 組換えプラスミドを含むシングルコロニーを選び、3mLのLB(抗生物質を含む)において37℃で一晩培養した。
【0029】
1.3 一晩培養菌液を30μL取り、3mLのLBを含む培地に加え、37℃でOD600が約0.6に達するまで振盪しながら培養し、残りの一晩培養菌液にグリセリンを加え、20%グリセリンを含む溶液を取得し、-80℃でワーキングシードとして保存した。
【0030】
1.4 液体の一部を取って未誘導対照群とし、最終濃度0.5mMで残りの液体にIPTG誘導剤を加えたものを実験群とし、両群を引き続き37℃で振盪しながら3時間培養した。
【0031】
1.5 菌液1mLを12000gで30秒遠心分離し、沈殿を収集し、100μLの1%SDSで再懸濁し、均一に混合した後、100℃で10分間放置した。次いで、12000gで10分間遠心分離し、上清を取り、SDS-PAGE検出分析を行った。
【0032】
2.タンパク質発現及び菌体破壊検出
2.1 -80℃で保存した菌株20μLを20mL液体LB培地(対応する抗生物質を含む)に移した。
【0033】
2.2 一晩培養菌液2mLを2000mLのLB培地に加え、37℃でOD600が0.6になるまで振盪しながら培養した後、30℃まで降温した。
【0034】
2.3 最終濃度0.5mMでIPTG誘導剤を加え、実験群とし、30℃で引き続き振盪しながら3時間培養した。
【0035】
2.4 発酵液を収集し、6000gで10分間遠心分離し、菌体を収集し、その後、菌体を事前に冷却したNTA-0緩衝液40mLに懸濁した。
【0036】
2.5 氷浴において超音波により細菌を破砕した。超音波処理は、パワーが300Wに制御され、4秒処理、4秒停止を90回繰り返すことにより行われた。
【0037】
2.6 20000g、4℃で30分間遠心分離し、上清及び沈殿を収集した。
【0038】
2.7 少量の上清サンプルを取り、SDS-PAGE検出を行い、残りの上清及び沈殿を0-7℃で使用まで保存した。
【0039】
抗原MRJP4を大腸菌において組換えさせて発現させた後、精製されたSDS-PAGE結果を拡大した。タンパク質の濃度が2mg/mL、分子量が38Kd、純度が80%であった。
【0040】
3.タンパク質の精製
3.1 Ni-NTA樹脂を適切なクロマトグラフィーカラムに充填し、カラムベッド体積の10倍のNTA-0 Bufferでリンスした。
【0041】
3.2 サンプルをクロマトグラフィーカラムに加え、流速を約0.5mL/分間に制御し、通過部分を収取した。
【0042】
3.3 クロマトグラフィーをカラムベッド体積の10倍のNTA-0 Bufferでリンスし、流速を約1mL/分間に制御した。
【0043】
3.4 それぞれカラムベッド体積の10倍のNTA-20、NTA-60、NTA-200、NTA-500 Bufferで溶出し(注:NTA-20、NTA-60、NTA-200、NTA-500溶液はそれぞれイミダゾール20mmol/L、60mmol/L、200mmol/L、500mmol/Lを含むNTA-0溶液である)、流速を約1mL/分間に制御し、各溶出ピークを収集した。
【0044】
3.5 SDS-PAGEによる各成分の検出
【0045】
3.6 純度が要求を満たした成分を透析バッグに入れ、4℃で1×PBSにより透析した(溶液を2回交換)。
【0046】
3.7 4℃での限外ろ過による透析生成物の濃縮。
【0047】
三、抗体の製造
1.マウス免疫及び血清抗体価の評価
1.1 8週齢の成熟雌Balb/cマウスを免疫した。具体的には、抗原と等体積の完全アジュバント(初回免疫)及び不完全アジュバント(追加免疫)とを混合して乳化し、油中水状態となるまで十分に混合した後、複数部位で皮下免疫を行い、追加免疫を2-3回行った。各免疫の2週間(免疫周期)後に抗体価を検出し、1:50000より高い場合、1週間内で免疫量の抗原をPBSに直接溶解して最後追加免疫を行った。具体的な免疫プロセスを表1に示す。
【0048】
表1:マウス免疫プロセス
【0049】
1.2 免疫後の抗体価検出方法:間接法による血清抗体価の検出は以下の通りである。
1.2.1 コーティング:抗原を用いて1μg/mLの濃度、50μL/ウェルで96ウェルプレートをコーティングし、37℃で2時間、又は4℃で一晩培養した。
1.2.2 ブロッキング:2%BSA又は5%脱脂乳ブロッキング液を200μL/ウェルで加え、37℃で1時間又は4℃で一晩放置した後、TBSTで4回洗浄した。
1.2.3 一次抗体:抗血清を加え、サンプル希釈液を用いて血清を1:1000、1:2000、1:4000、1:8000、1:16000、1:32000、1:64000、1:128000で順に希釈した。
1.2.4 37℃で1時間インキュベートした後、プレートを4回洗浄し、二次抗体を加え、酵素を用いて1:10000でJackson二次抗体を100μL/ウェルで希釈し、37℃で1時間インキュベートした。
1.2.5 プレートを4回洗浄した後の発色:基質溶液を100μL/ウェルで加え、37℃インキュベーターで5~10分間放置した。
1.2.6 反応停止及び比色:30μL/ウェルで停止液を加えた後、色が黄色に変った。マイクロプレートリーダーにより450nmの吸光値を測定した。
【0050】
1.3.血清抗体価の検出結果
抗体価検出結果を表2に示す。
【0051】
表2:血清抗体価の検出結果
抗体価検出結果から分かるように、免疫後のマウス血清抗体価が良好で、感度が高く、後続の実験の要求を完全に満たす。
【0052】
2.細胞融合
最後追加免疫の3日後、眼球を摘出して安楽死させ、陽性対照血を収集し、脾臓を摘出し、単一細胞懸濁液を調製した後、対数期にあるSP2/0細胞を取り出して処理した後、脾細胞と特定の比例(1:5-1:10)で混合し、50%PEG1450で1分間処理した後、基礎培地DMEMで希釈して停止させ、低速で遠心分離した後、さらに20%ウシ胎児血清を含むHAT培地で軽くて懸濁して均一に混合し、2×10/プレートで事前に用意したフィーダー層細胞プレートに敷き、5%CO、37℃で培養した。具体的なステップは以下の通りである。
2.1 脾細胞:マウスを解剖して免疫された脾臓を取り出し、脾臓におけるリンパ球を分離した。
2.1.1 クリーンベンチにおいて、1本の1.5mL遠心分離チューブ、2つの3.5cmペトリ皿、2本の15mL遠心分離チューブ、手術器具(高圧および湿熱で滅菌)、チュールネット、ピペット(1mL)、及びピペットチップを用意し、1.5mL遠心分離チューブに1mL無血清培地を加え、2つの3.5cmペトリ皿に2mL無血清培地を加え、1本の15mL遠心分離チューブに10mL無血清培地を加えた。
【0053】
2.1.2 免疫されたBALB/cマウスの眼球を摘出して採血し、血清を抗体検出の陽性対照血清として分離した。頸部脱臼によりマウスを殺し、75%のアルコールに5分間浸漬した後、ワックスプレートに固定し、皮膚を切ってピンセットで脾臓を取り出し、1.5mLの遠心分離チューブに入れた。
【0054】
2.1.3 脾臓をクリーンベンチ内の1つの3.5cmのペトリ皿に移し、脾臓上の脂肪及び結合組織を除去し、1回洗浄し、1枚のチュールネットを開いてペトリ皿のカバー上に置き、脾臓をそっと絞って、チュールネットの中央に置いた。チュールネットを2回半分に折り畳み、ピペットにより無血清培地を吸い取って軽く吹き飛ばし、脾臓内のリンパ球がチュールネットを通過するように研磨棒で研磨し、単一細胞懸濁液を作成し、単一細胞懸濁液を収集し、15mL遠心分離チューブに入れ、1000rpmで5分間遠心分離した。
【0055】
2.2 SP2/0準備:腫瘍を分離して単一細胞懸濁液を調製した後、1000rpmで5分間遠心分離した後、上清を捨て、10-20mLのDMEM(腫瘍のサイズにより決定)に再懸濁して均一に混合し、DMEMとの体積比が1:1のリンパ球分離液を再懸濁された細胞にゆっくりと加え、2500rpmで15分間遠心分離した後、慎重にクリーンベンチに置き、ピペットで中間層の乳白色のハローを新しい遠心分離チューブ(事前に30mLのDMEMを管に入れた)に移し、1000rpmで5分間遠心分離し、最後に上清を捨て、細胞を10cmペトリ皿に収集し、10%のウシ胎児血清で状態を調整し、拡大培養した。一般に、1匹のマウスの腫瘍で1日目に3~5皿調製し、翌日に遠心分離によって30皿まで拡大し、さらに30~35チューブに分けて凍結保存した。
【0056】
融合準備のために、次の手順を実行した。
(a)1日目に蘇生した。
(b)2日目に融合の数に応じて5皿/1融合で細胞を継代した。
(c)約2日後に細胞状態を観察し、対数期に達した場合、細胞を収集して融合を準備した。
【0057】
2.3 フィーダー層細胞の準備:无菌条件下で健康Balb/cマウスの脾臓を摘出し、20%ウシ胎児血清を含むHAT培地により単一脾細胞懸濁液を調製し、それをプレートの数に応じて96ウェルプレートに敷いた。
【0058】
2.4停止液:事前に20mLの基礎培地DMEMを37℃の水浴に入れてインキュベートした。
【0059】
3. 細胞株の構築
3.1.融合プレートの検出
培地交換後の融合プレート上の細胞が1万個以上中型サイズに成長したときに検出し(ELISA法)、ELISA品質管理が合格した(即ち、陰性対照<0.2、陽性対照>1.0)後、サブクローニングのために陽性ウェル(一般にはOD450≧0.5)を選択した。
【0060】
3.1.1 検出方法:間接ELSIAによる抗体価の検出
3.1.1.1 抗原コーティング:コーティング液で抗原を2μg/mLまで希釈し、100μL/ウェルでポリスチレンを96ウェルプレートに加え、4℃で一晩放置した。
【0061】
3.1.1.2 洗浄:翌日にウェル内の液体を捨て、洗浄液で3回洗浄した。
【0062】
3.1.1.3 ブロッキング:l50μL/ウェルでブロッキング液を加え、室温で0.5時間放置した。
【0063】
3.1.1.4 洗浄:洗浄液で3回洗浄した。
【0064】
3.1.1.5 検出されるサンプル(一次抗体)の添加:抗血清を加え(採血し、4℃で一晩放置した後、4000r/分間で10分間遠心分離して上清を得る)、サンプル希釈液で血清を1:200、1:400、1:800、1:1600、1:3200、1:6400、1:12800で順に希釈し(ブランク血清を陰性対照とする)、100μL/ウェルで加え、1時間インキュベートした。
【0065】
3.1.1.6 洗浄:洗浄液で3回洗浄した。
【0066】
3.1.1.7 酵素標識抗抗体の添加:HRP標識ヤギ抗マウスIgG(1:5000、酵素希釈)を100μL/ウェルで加え、37℃で40分間インキュベートした。
【0067】
3.1.1.8 洗浄:洗浄液で5回洗浄し、蒸留水で2回洗浄した。
【0068】
3.1.1.9 発色:ウェルに新たに調製した基質溶液を100μL/ウェルで加え、室温で5~30分間暗所に置いた。
【0069】
3.1.1.10 反応停止及び比色:50μL/ウェルで停止液を加えた。色が黄色に変わった。マイクロプレートリーダーにより450nmで各ウェルの吸光値を測定した。
【0070】
3.2 細胞融合の検出結果
合計12プレートで半固体融合と液体融合を行ったところ、陽性細胞株を64株得た。そのうち、50株は抗体価の値がOD>2.0であり、14株はODが1.0-2.0であった。
【0071】
4. サブクローニング方法及び検出
上記結果に応じて、融合プレートにおける陽性値が高いウェルを選択して限界希釈を行い、プレートあたりのモノクローナルウェル数の60%でサブクローニングを実施した。毎回、陽性値が比較的高いモノクローナルウェルを選択して限界希釈を行い、陽性抗体を安定的に分泌可能なモノクローナル細胞株がスクリーニングされるまで各サブクローニングの5-7日後にELISA検出を行い、その後、拡大培養を行った。
【0072】
4.1 一次サブクローニングの検出
一次サブクローニングの結果を表3に示す。
【0073】
表3:一次サブクローニングの結果
検出方法:間接ELSIA
一次抗体:一次サブクローン上清原液
二次抗体:ヤギ抗マウスIgG1:10000
検出時間:2015/11/2
コーティング組換えタンパク質:1μg/mL
【0074】
4.2 二次サブクローニングの結果
二次サブクローニングの結果を表4に示す。
【0075】
表4:二次サブクローニングの結果
検出方法:直接ELSIA
一次抗体:二次サブクローン上清原液
二次抗体:ヤギ抗マウスIgG1:10000
検出時間:2015/11/15
コーティング組換えタンパク質:1μg/mL
【0076】
多くのMRJP4が陽性であり、融合検出により52株の陽性細胞株がスクリーニングされ、そのうちの20株選択して一次サブクローニングを行い、一次サブクローニングを検出した後、14株スクリーニングして二次サブクローンを行った。
【0077】
5.MRJP4特異的細胞株のスクリーニング
組換えタンパク質及び天然タンパク質との交差反応により検出することにより、交差反応が発生した細胞株を除去し、最終的に9株のMRJP4融合細胞株を得た。表5の結果の一部から分かるように、10株のMRJP4細胞株が残りの4種類の組換えタンパク質と交差反応した。
【0078】
表5:MRJP4特異的細胞株のスクリーニング結果
【0079】
組換えタンパク質との交差反応によりMRJP4をスクリーニングした後、測定結果が比較的良好な20株を選んで天然タンパク質MRJP1、MRJP2と交差反応させて測定し、交差反応測定の結果を表6に示す。
【0080】
表6:交差反応測定の結果
【0081】
表6から分かるように、11株のMRJP4が天然タンパク質MRJP1、MRJP2と交差反応したので、9株のMRJP4が残った。
【0082】
6. 9株の細胞株の特定及びサブタイプ同定
サブクローニング段階でスクリーニングされた陽性抗体を安定的に分泌し、かつMRJP1、MRJP2と交差反応しない9株の細胞株を24ウェルプレートで拡大培養し、その後、上清を収集し、抗原検出を行い、ELISA段階希釈及びWBによりその安定性を確認し、細胞を収集して10cmのペトリ皿において拡大培養し、さらに上清を収集し、そこにある抗体の抗体価を検出し、抗体価が比較的高い細胞株を1-3株選択して細胞培養フラスコで培養し、凍結保存した。9株の細胞株の特定及びサブタイプ同定の結果を表9に示す。
【0083】
表7:9株の細胞株の特定及びサブタイプ同定の結果
【0084】
7.細胞株の凍結保存及び同定
細胞株の凍結保存が終了した後、同じバッチにおける1チューブの細胞を蘇生して同定する必要がある。同定の標準は、以下の通りである。(1)蘇生された生細胞の数が100万/チューブ以上である。(2)生細胞における活性が高い細胞が50万/株以上である。(3)蘇生された細胞には、細胞株の細胞以外の微生物(バクテリア、菌類、マイコプラズマなど)が存在してはならない。(4)蘇生された細胞が特定の数に増殖した後、よく増殖した細胞を選択してモノクローンカウント用のプレートで培養し、モノクローンの抗体分泌能力を検出し、全て陽性であるか又は抗体が分泌されたかを判断する。(5)陽性抗体が分泌されたかどうかを判定すると同時に、ウェスタンブロッティングによる同定を行うために、細胞培養上清に対してもELISAを行う必要がある。同定結果を図1に示す。
【0085】
8.腹水の調製
プリスタン又は流動パラフィンをマウスに腹腔内注射し、1週間後、ハイブリドーマ細胞をマウス腹腔に接種した。細胞株が特定された後、10%ウシ胎児血清培地で拡大培養し、細胞密度が1×10-2×10/mLに達した後、800rpmで遠心分離し、沈殿を収集し、PBSで再懸濁した後、マウス(流動パラフィン)に腹腔内注射し、7-10日後に、腹水を精製のために収集した。
【0086】
9.腹水の精製
腹水精製のプロセスを表8に示す。
【0087】
表8:抗体精製の手順
【0088】
腹水精製後の抗体収量のデータを表9に示し、SDSの検出結果を図2に示す。
【0089】
表9:腹水精製後の抗体収量
【0090】
SDS検出結果:抗体6H9は濃度が約2.5mg/mL、純度が90%であり、抗体8C9は濃度が約4mg/mL、純度が90%であった。
【0091】
10.抗体価の検出
検出方法:間接ELISAにより抗体価を検出する。
【0092】
抗原コーティング:コーティング液で抗原を2μg/mLまで希釈し、100μL/ウェルでポリスチレンを96ウェルプレートに加え、4℃で一晩放置した。
【0093】
洗浄:翌日にウェル内の液体を捨て、洗浄液で3回洗浄した。
【0094】
ブロッキング:l50μL/ウェルでブロッキング液を加え、室温で0.5時間放置した。
【0095】
洗浄:洗浄液で3回洗浄した。
【0096】
検出されるサンプル(一次抗体)の添加:抗血清(採血し、4℃で一晩放置した後、4000r/分間で10分間遠心分離し、上清を得た)を加え、サンプル希釈液で血清を1:200、1:400、1:800、1:1600、1:3200、1:6400、1:12800で希釈し(ブランク血清を陰性対照とする)、各ウェルに100μL加え、1時間インキュベートした。
【0097】
洗浄:洗浄液で3回洗浄した。
【0098】
酵素標識抗抗体の添加:HRP標識ヤギ抗マウスIgG(1:5000、酵素希釈)を100μL/ウェルで加え、37℃で40分間インキュベートした。
【0099】
洗浄:洗浄液で5回洗浄し、蒸留水で2回洗浄した。
【0100】
発色:新たに調製された基質溶液を100μL/ウェルで加え、室温で暗所に5~30分間放置した。
【0101】
反応停止と比色:50μL/ウェルで停止液を加えた。色が黄色に変わり、マイクロプレートリーダーにより450nmでの各ウェルの吸光値を測定した。
【0102】
抗体6H9の抗体価検出結果を表10及び図3に示す。
抗体8C9の抗体価検出結果を表11及び図4に示す。
【0103】
表10:抗体6H9の抗体価検出の結果
【0104】
表11:抗体8C9の抗体価検出の結果
【0105】
抗体WBによりローヤルゼリーサンプルを検出し、結果を図5に示す。
【0106】
11.抗体の特異的検出
抗体8C9の特異的検出結果を図6に示す。抗体6H9の特異的検出結果を図7に示す。特異的検出の結果から分かるように、抗体6H9及び抗体8C9は、MRJP4のみと特異的に反応し、MRJP1、MRJP2、MRJP3、及びMRJP5タンパク質と交差反応しない。
【0107】
四、抗体エピトープ検出及び抗体ペアスクリーニング
1 ブロッキング実験により異なる抗原エピトープを識別する抗体ペアを検出した。
具体的なステップは以下の通りである。
1.1 親和力及びサンプルの検出により、8C9を選択して抗体を製造し、ビオチンで標識し、最適な希釈率を決定した。
1.2 コーティング:抗原をCBSで濃度1μg/mLに希釈した後、100μL/ウェルでコーティングし、37℃で2時間、又は4℃で一晩放置した。
1.3 ブロッキング:5%PBSを含む脱脂粉乳又は2%PBSを含むBSAを用いて37℃で時間又は4℃で一晩ブロッキングした。
1.4 一次抗体:標識抗体及び検出抗体をチェッカーボード法で決定された希釈率(1:1000及び1:2000)で希釈した。陰性対照:50μL標識抗体+50μL自己抗体、陽性対照:50μL標識抗体+50μL無関係抗体。
1.5 二次抗体:ヤギ抗又はウサギ抗を100μL/ウェルで加え、37℃で1時間放置した。
1.6 基質:標識された酵素に応じて適切な基質を選択し、100μL/ウェルで加え、10分間反応させた。
1.7 発色、停止、数値読み取り。
【0108】
勾配試験により8C9ビオチン標識抗体の希釈率を確定した。勾配試験の結果を表12に示す。
【0109】
表12:8C9ビオチン標識抗体の希釈勾配試験結果
上記結果に基づいて1/50000を標識抗体の希釈率として選択し、次のブロッキング実験を行なった。
【0110】
ブロッキング実験の検出方法は間接競合ELISA法である。
コーティング濃度:1μg/mL、CB、直接コーティング。一次抗体検出:50μL標識抗体+50μL検出抗体、陰性対照:50μL標識抗体+50μL自己抗体、陽性対照:50μL標識抗体+50μLのSP2/0培養上清。
ブロッキング実験の方法を表13、スクリーニング結果を表14に示す。
【0111】
表13:異なる抗原エピトープを識別する抗体ペアの検出結果
【0112】
表14:ブロッキング実験のスクリーニング結果
【0113】
表14のブロッキング実験結果から分かるように、6H9のエピトープが標識抗体のエピトープと異なる。エピトープが標識抗体8C9と異なる6H9を選択して腹水調製、抗体精製及び標識実験を行い、抗体価を検出した結果、2つの抗体はいずれも高親和力を有し、次の段階の研究開発実験に用いられた。
【0114】
2.標準曲線ペアの決定及び抗体ペアの検出
予備滴定:8C9と6H9の抗体ペアを選択して予備滴定試験を行なった。
試験方法:二重抗体サンドイッチ法。6H9は、濃度が2μg/mLとなるようにCBで希釈された後、直接コーティングに用いられた。8C9は検出抗体であり、ビオチンで標識され、希釈率が1:2000であった。HRPの希釈率が1:4000であった。試験反応時間は、2時間+1時間+1時間+20分間であった。抗体ペアに対して予備滴定試験を行い、結果を表15に示す。
【0115】
表15:二重抗体サンドイッチ法による抗体ペアの予備滴定試験の結果
【0116】
チェッカーボード滴定:捕捉抗体、標識抗体及びサンプルの希釈率の決定
試験方法:二重抗体サンドイッチ法。6H9はCBで希釈された後、直接コーティングに用いられた。8C9は検出抗体であり、ビオチンで標識された。HRPの希釈率が1:4000であり、試験反応時間が2時間+1時間+1時間+20分間であった。
【0117】
チェッカーボード滴定により決定された捕捉抗体、標識抗体及びサンプルの希釈率の結果を表16に示す。
【0118】
表16:チェッカーボード滴定により決定された捕捉抗体、標識抗体及びサンプルの希釈率の結果
【0119】
上記決定されたコーティング抗体、検出抗体の希釈条件でサンプルの予備測定を行なった。
【0120】
試験方法一:二重抗体サンドイッチ法。CBで6H9を1μg/mLに希釈した後、直接コーティングを行なった。8C9は検出抗体であり、ビオチンで標識され、希釈率が1:2000であった。HRPの希釈率が1:4000であった。試験反応時間:2時間+1時間+1時間+20分間であった。サンプル予備測定の結果を表17に示す。異なる検出条件でのサンプル予備測定の標準曲線を図8に示す。
【0121】
表17:サンプル予備測定の結果
【0122】
試験方法二:二重抗体サンドイッチ法。CBで6H9を1μg/mLに希釈した後、直接コーティングを行なった。8C9は検出抗体であり、ビオチンで標識され、希釈率が1:3000であった。HRPの希釈率が1:4000であった。試験反応時間:2時間+1時間+1時間+20分間であった。サンプル予備測定の結果を表18に示す。異なる検出条件でのサンプル予備測定の標準曲線を図9に示す。
【0123】
表18:サンプル予備測定の結果
【0124】
凍結乾燥標準品の再測定:二重抗体サンドイッチ法を使用した。CBで6H9を1μg/mLに希釈した後、直接コーティングを行なった。8C9は検出抗体であり、ビオチンで標識され、希釈率が1:3000であった。HRPの希釈率が1:4000であった。試験反応時間:2時間+1時間+1時間+20分間であった。凍結乾燥標準品の再測定結果を表19、表20に示す。凍結乾燥標準品の再測定の標準曲線を図10に示す。
【0125】
表19:凍結乾燥標準品の測定結果
【0126】
表20:サンプル定量結果
【0127】
五、抗体精製
1 カラム体積の10倍のPBS(又はTBS、以下同じ)でクロマトグラフィーカラムを洗浄して平衡化した。
【0128】
2 抗体を含む血清又は他の体液を高速遠心分離した後、上清と等体積の2×PBS緩衝液とを混合し、pH及びイオン濃度を調整した後、クロマトグラフィーカラムにゆっくりと加えた。
【0129】
3 カラム体積の10倍以上のPBSで流出液にタンパク質が検出されなくなるまで洗浄した。
【0130】
4 カラム体積の2倍の0.1Mクエン酸(Citrate Acid,pH2.7)を加え、流出管を挟み、5分間放置した後、流出液を収集し、3回繰り返した。OD280を測定して抗体濃度を推定した。得られた抗体が多い場合、SDS-PAGEにより純度を検出することができる。0.1Mグリシン(Glycine、pH3.0)で溶出してもよい。
【0131】
5 溶出後の抗体に2/5体積の1M Tris(pH8.0)を加えて中和し、Milliporeタンパク質濃縮チューブを用いて必要な緩衝液に変換した。必要な緩衝液は、通常0.02%NaN及び1mM EDTAを含む2×PBSである。
【0132】
6 所望の体積まで濃縮し、SDS-PAGEにより純度を検出した後、凍結されないように-20℃で保存した。
【0133】
実施例2:ローヤルゼリーMRJP4二重サンドイッチ酵素結合免疫吸着アッセイ方法の構築及びローヤルゼリーMRJP4のELISA検出キットの製造
【0134】
ローヤルゼリーMRJP4二重サンドイッチ酵素結合免疫吸着アッセイ方法の検出原理
精製された抗体コーティングマイクロプレートで固相担体を作製し、抗MRJP4抗体がコーティングされたマイクロウェルに順にサンプル又は標準品、ビオチン化された抗MRJP4抗体、HRP標識アビジンを入れ、徹底的に洗浄した後、基質TMBで発色した。TMBは、ペルオキシダーゼの触媒作用により青色に変わり、酸の作用により最終的に黄色に変わった。色深度は、サンプルのMRJP4と正の相関がある。マイクロプレートリーダーにより450nm波長での吸光度(OD値)を測定し、サンプル濃度を算出した。
【0135】
1 標準曲線図及び標準曲線の線形範囲
1.1 抗体ペアの一次スクリーニング
具体的なステップは以下の通りである。
1.1.1 コーティング:2μg/mLの抗体でコーティングし、37℃で2時間又は4℃で一晩放置した
1.1.2 ブロッキング:2%BSA又は5%の脱脂乳ブロッキング液を200μL/ウェルでウェルに加え、37℃で1時間又は4℃で一晩放置し、TBSTで4回洗浄した。
1.1.3 標準品及びサンプル:標準品及びサンプルを図の記載に従って50μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、37℃で2時間放置した。
1.1.4 抗体結合:ビオチン標識抗体を推奨希釈率で90μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、37℃で1時間放置した。
1.1.5 二次抗体:HRP-avidinを濃度1:4000、90μL/ウェルで加え、37℃で1時間放置した。
1.1.6 基質:90μL/ウェルで加えた後、37℃で5-15分間放置した。
1.1.7 反応停止と比色:30μL/ウェルで停止液を加え、色が黄色に変わった後、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光値を測定した。
【0136】
表21:抗体ペアのスクリーニング結果

項目番号:PA1-18100037-MRJP4
実験方法:二重抗体サンドイッチ法
コーティング抗体:6H9、2μg/mL、CB、直接コーティング
検出抗体:8C9-Bio 1:2000
HRP:1:4000
実験反応時間:2時間+1時間+1時間+20分間
実験時間:2018-10-18
結論
1.一次ペアリングを実現できる。
2.チェッカーボード滴定の最高点は500ng/mlから実験できる。
【0137】
表21の抗体ペアのスクリーニング結果から分かるように、抗体6H9及び8C9は、感度が比較的高く、期待に応えるので、次は、サンプルを直接測定し、再度検出した。
【0138】
1.2 標準曲線の設定
標準曲線の設定では、サンプル検出濃度を基準とし、即ち、この曲線には各サンプルの検出濃度範囲を含む必要がある。標準品の濃度を固定し、異なるコーティング抗体、検出抗体及び二次抗体の濃度を洗濯してチェッカーボード滴定実験(表22)を行うことにより、各パラメータの適切な濃度条件を確定した。
【0139】
表22:チェッカーボード滴定の結果
【0140】
具体的なステップは以下の通りである。
1.2.1 コーティング:検出される抗体を用いて表22に示される1μg/mL、2μg/mL、4μg/mLでそれぞれコーティングした後、37℃で2時間又は4℃で一晩放置した。
1.2.2 ブロッキング:2%BSA又は5%脱脂乳ブロッキング液を200μL/ウェルで加えた後、37℃で1時間又は4℃で一晩放置し、TBSTで4回洗浄した。
1.2.3 組換えタンパク質を標準品とする。標準品S7及びS0を50μL/ウェルで96ウェルプレートに加えた後、37℃で2時間放置した。
1.2.4 抗体結合:ビオチン標識抗体を推奨希釈率で90μL/ウェルで96ウェルプレートに加えた後、37℃で1時間放置した。
1.2.5 二次抗体:HRP-avidinを濃度1:4000、90μL/ウェルで加えた後、37℃で1時間放置した。
1.2.6 基質:90μL/ウェルで基質を加えた後、37℃で5-15分間放置した。
1.2.7 反応停止及び比色:30μL/ウェルで停止液を加え、色が黄色に変わった後、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光値を測定した。
【0141】
1.3 標準曲線の調整
コーティング抗体、検出抗体及びHRPの濃度を適宜に調整することにより、標準曲線を最適化し、標準曲線がR2≧0.99であることを確保した。
【0142】
表23:一次標準曲線確定
上記の3つの条件での実験結果から分かるように、標準曲線は良好であるが、低い値は比較的低かった。実験結果に応じて標準曲線をさらに調整した。
【0143】
表24:二次標準曲線確定
結果は、標準曲線の最高値が引き続き減少する可能性があることを示している。検出されるローヤルゼリーのサンプルには値があるが、検出値は比較的高く、サンプルの吸収中の不均一な混合が原因である可能性がある。
【0144】
表25:三次標準曲線確定
標準曲線の線性から分かるように、1μg/mlでコーティングし、1:3000で検出する条件がより適切である。サンプルをさまざまな希釈率でテストし、OD値は希釈率の減少とともに直線的に減少し、期待に応えた。標準品の形態を変更し、安定性を測定した。
【0145】
2 サンプルの検出及び評価方法の構築
2.1 サンプルの前処理
2.1.1 サンプルのタイプに応じてサンプルを前処理した。
2.1.2 実験では重複ウェルを設置した。
2.1.3 含有量が多いサンプルについては、サンプルを希釈してから勾配で測定する必要がある。
【0146】
表26:MRJP4サンプル検出
【0147】
3 ELISA方法の評価
3.1 安定性
3.1.1 安定性測定
4日後と7日後の安定性を次の方法で測定した。抗体でコーティングされたプレート、標準品(凍結乾燥粉)、中間濃度検出抗体をそれぞれ2セット37℃のインキュベーターに置き、4日後に1セット取り出し、7日後に残りの1セット取り出した。熱損傷試験を受けた2セットの原料及び4℃で放置された原料について標準曲線を作成して比較し、OD値の減少率を算出した。
【0148】
3.1.2 評価基準
37℃のインキュベーターで熱損傷試験を7日行った後の減少率が30%以下である場合、安定性合格と見なされる。
【0149】
表27:37℃熱損傷試験結果
熱的安定性はすべて、7日間で<30%減少し、合格した。次に、バッチ内およびバッチ間アッセイを実施した。
【0150】
3.2 バッチ内差とバッチ間差
3.2.1バッチ内変動係数:要求≦8%;方法:高、中、低濃度でそれぞれ24バッチ測定し、その標準偏差/平均値×100%を変動係数値として算出した。
【0151】
3.2.2 バッチ間変動係数:要求≦10%,方法:高、中、低濃度でそれぞれ24バッチ測定し、その標準偏差/平均値×100%を変動係数値として算出した。
【0152】
表28:バッチ内とバッチ間の試験結果
【0153】
3.3 最小検出限界
標準曲線の最低端の半分の濃度が一般的に満たされた。式:ブランクサンプルを20回測定した平均値+標準偏差の2倍
【0154】
4 キットの製品性能指標
検出範囲:1.563ng/mL-100ng/mL
感度:3.758ng/mL
精度:バッチ内差CV%<8%、バッチ間差CV%<10%
特異性:本キットは、MRJP4を特異的に検出することができ、他の関連タンパク質と交差反応しない。
安定性結果:安定性試験が合格した。
【0155】
5 キットの構成成分
表29:キットの構成成分
【0156】
6 サンプル採取及び保存
6.1.血清:全血サンプルを室温で2時間又は4℃で一晩放置した後、2℃-8℃、1000×gで15分間遠心分離し、上清を取ってすぐに検出することができる。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。解凍したサンプルは、検出の前に再度遠心分離する必要がある。
【0157】
6.2.血漿:EDTA又はヘパリンを抗凝固剤として使用することができる。サンプルを採取してから30分間内で、2℃-8℃、1000×gで15分間遠心分離し、上清を取ってすぐに検出することができる。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。解凍したサンプルは、検出の前に再度遠心分離する必要がある。
【0158】
6.3.細胞培養上清:サンプルを2-8℃、1000×gで15分間遠心分離した後、上清を取った直後に実験に使用され得る。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。
【0159】
6.4.尿液:無菌チューブで尿液を収集し、2℃-8℃、1000×gで15分間遠心分離した後、上清を取った直後に実験に使用され得る。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができ、この場合、試験前に再度遠心分離することでサンプル保存期間に生成した沈殿を除去する。
【0160】
6.5.組織溶解液:100mg組織を取り、1×PBSで血液汚れを洗い流した。組織を小片に切断し、組織グラインダー(均質化チューブ)に入れ、1mLの1×PBSを加え、ホモジネートを作成して-20℃で一晩放置した。凍結・融解を2回繰り返して細胞膜を破壊した後、組織ホモジネートを2-8℃、5000×gで5分間遠心分離して上清を取った。適量の上清を取った直後に実験に使用することができる。或いは、上清を小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。解凍したサンプルは、検出の前に再度遠心分離する必要がある。
【0161】
6.6.ローヤルゼリー原液の処理方法:サンプルに3倍体積のPBSを入れて希釈し、十分に振盪した後、20回超音波処理し、10,000×gで15分間遠心分離した後、上清を取った。サンプルの粘度が高いので、1:200倍で希釈し、均一に混合した後すぐに実験に用いられるか、或いは-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存される。
【0162】
なお、サンプルの溶血は最終的な検出結果に影響を与えるため、溶血サンプルはこの検出には適していない。
【0163】
7 試薬の調製
7.1 標準品
7.1.1 キットから1本の標準品を取り出し、6000-10000rpmで30秒遠心分離30した。1mLサンプル希釈液で溶解し、ピペットチップを用いて凍結保存チューブの底部に対して5回ピペッティングして溶解を促進し、十分に混合した後、標準品S7を取得し、使用まで放置した。
【0164】
7.1.2 7本の1.5mL遠心分離チューブ(S0-S6)を取り、それぞれに250μLサンプル希釈液を入れ、250μLの標準品S7を1番目の遠心分離チューブ(S6)に加え、軽くピペッティングして均一に混合した。S6から250μL取って2番目のEPチューブ(S5)に加え、軽くピペッティングして均一に混合した。同様に、標準の段階希釈が行われ、S0はサンプル希釈液である。
【0165】
表30:標準品の濃度
【0166】
7.2 洗浄液用作業液
濃縮洗浄液を1:25倍で脱イオン水で希釈した。例えば、メスシリンダーで240mLの脱イオン水を秤量し、ビーカー又は他のクリーン容器に入れ、さらに10mL濃縮洗浄液を秤量し、加えた後に均一に撹拌し、使用前に調製した。濃縮洗浄液を低温で保存する際に塩が析出するため、希釈際に水浴中で加熱して溶解を促進することができる。
【0167】
7.3 ビオチン標識抗体の作業液
ビオチン標識抗体液を1:100倍でビオチン標識抗体希釈液で希釈した。例えば、10μLのビオチン標識抗体に990μLのビオチン標識抗体希釈液を加え、軽く均一に混合し、使用前の10分間内で調製した。
【0168】
7.4 西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジンの作業液
西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジンを1:100倍で西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジン希釈液で希釈した。例えば、10μLの西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジンに990μLの西洋ワサビペルオキシダーゼ標識アビジン希釈液を加え、軽く均一に混合し、使用前の10分間内で調製した。
【0169】
8 新鮮なローヤルゼリーサンプルを段階希釈した後、本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットにより検出した。データ結果を表31に示す。
【0170】
表31:新鮮なローヤルゼリーサンプルの段階希釈後の検出データ
【0171】
図11及び表32は、本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットにより新鮮なローヤルゼリーサンプルを測定した検出結果を示す。
【0172】
表32:本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットにより新鮮なローヤルゼリーサンプルを測定した検出結果
【0173】
実施例3:ローヤルゼリーMRJP4金コロイド免疫クロマトグラフィーの構築及びローヤルゼリーMRJP4金コロイド免疫検出テストストリップの開発
【0174】
1.ローヤルゼリーMRJP4金コロイド免疫クロマトグラフィーの構築
1.1 抗体標識の最適pH値の最適化
0.02%の20nm金コロイドでマウスMRJP4モノクローナル抗体1を標識し、金コロイド勾配法により抗体と金コロイドが結合するのに最適pH値を確定した。具体的なステップは、以下の通りである。
1.1.1 9本の小型ガラス試験管にそれぞれ調製された金コロイド溶液1mlを入れた。
1.1.2 0.2mol/L炭酸カリウム溶液で金コロイド溶液のpHをそれぞれ6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5に調整した。
1.1.3 50μLの1mg/mLマウスMRJP4モノクローナル抗体1を前記金コロイド試験管に入れ、均一に混合した後、室温で20分間放置した。
1.1.4 それぞれの試験管に100μLの10%NaCl溶液を加え、均一に混合した後、室温で1-2時間放置した。
1.1.5 金コロイドの色変化を観察し、色を赤に維持する最小pHを記録した。
1.1.6 さらにpHを勾配させて最小pH±0.1に調整し、上記試験を繰り返し、色を赤に維持する最小pHを最適pHとして記録した。
【0175】
金コロイド勾配法試験により確定した結果、マウスMRJP4モノクローナル抗体1と金コロイドが結合するのに最適pHは7.4であった。
【0176】
1.2 抗体の最適標識量の選択
タンパク質勾配法によりマウスMRJP4モノクローナル抗体1と金コロイドとが結合するのに最適な濃度を確定した。具体的なステップは以下の通りである。
1.2.1 10本の小型ガラス試験管にそれぞれ最適なpH金コロイド溶液1mlを加えた。
1.2.2 マウスMRJP4モノクローナル抗体1を精製水で1mg/mLに希釈し、0μL、5μL、10μL、20μL、30μL、40μL、60μL、80μL取り順に前記小試験管に加えて均一に混合した。
1.2.3 10分間放置した後、各小試験管に10%NaCl水溶液0.1mLを加え、均一に混合した後、室温で1-2時間放置し、結果を観察した。
1.2.4 小試験管の色変化を観察し、対照試験管及びタンパク質の添加量が金コロイドを安定化するのに不十分な試験管では、色が赤から青に変わる沈殿現象が観察された。タンパク質の添加量が最小安定量以上の試験管では、色は赤のままであった。金コロイド溶液の色が赤から青に変わり始めた中間試験管を見つけた。この中間試験管内のタンパク質量は、1mLの金コロイドを安定化するのに必要な最小タンパク質量であった。金コロイドプローブの実際の調製では、抗体の添加量は通常、最小タンパク質量の120%から130%であった。
【0177】
タンパク質勾配法試験により、1mL金コロイドを安定化するのに必要なマウスMRJP4モノクローナル抗体1の最小抗体量は10μg/mLであった。
【0178】
1.3 金コロイドプローブの製造及び精製
最適pHの金コロイド溶液20mLをマウスMRJP4モノクローナル抗体8C9に加え、室温下で30分間撹拌し、金コロイド-抗体複合体溶液を調製し、10%BSAを2mL調製された金コロイド-抗体複合体溶液に加え(最終濃度0.4%)、室温で10分間撹拌し、又は10%ポリエチレングリコール(MW20000)0.2MLを加え、室温で10分間撹拌し、9000-11000r/分間で40-60分間遠心分離し、上清を捨て、沈殿を2mL金コロイド-抗体保存液に溶解し、0.45μm濾過膜で濾過することにより、金コロイド-抗体複合体原液を得た。1mL金コロイド-抗体複合体溶液中に10%Nacl水溶液1mLを加えた後においても、溶液は沈殿物のない紫赤色溶液のままであり、得られた金コロイド-抗体複合体原液が良好な安定性を有することを示している。
【0179】
1.4 金コロイド-抗体複合体原液作業濃度の確定及び金コロイドパッドの製造
作業液を用いて金コロイド-抗体複合体原液を1:2、1:4、1:8、1:16で希釈し、1.4mL金コロイド-抗体複合体希釈液をガラス繊維膜に均一に加え、37℃で乾燥させ、金コロイドパッドを取得し、測定して金コロイド標識抗体の最適作業濃度を確定した。
【0180】
試験結果により、金コロイド-抗体複合体原液の作業濃度が1:4である場合に、得られた金コロイドパッドの検出効果が一番高かった。
【0181】
1.5 異なる種類のニトロセルロース膜(NC膜)の選択
異なる種類のNC膜を選択し、プレート展開機能試験、異なる種類のNC膜での金コロイド溶液の流動性、ヒステリシス及びバックグラウンド残留物の試験、並びにNC膜の再選択試験などにより最適なNC膜を確定した。
【0182】
プレート展開機能試験、クロマトグラフィー性能試験及び再選択試験により総合的に判定した結果、NC膜はザルトリウスCN140であった。
【0183】
1.6 テストライン(Tライン)及びコントロールライン(Cライン)条件の構築並びに最適化
NC膜上のTライン及びCラインのコーティング抗体についていくつかの濃度勾配を設定し、発色効果が最も高い濃度を、使用濃度(Tライン)およびヤギ抗マウスIgG抗体の使用濃度(Cライン)として選択した。
【0184】
結果から分かるように、発色効果が最も高い濃度では、マウスMRJP4モノクローナル抗体6H9(Tライン)の作業濃度が2mg/mL、ヤギ抗マウスIgG抗体(Cライン)の作業濃度が1mg/mLであった。
【0185】
1.7 Tライン及びCラインでの膜スポッティング
0.01mol/L、pH8.0のPBSでマウスMRJP4モノクローナル抗体2及びヤギ抗マウスIgG抗体をそれぞれ必要な濃度に希釈し、ディスペンサーを用いてNC膜上にスポッティングした。TラインとCラインとの距離は0.5cmであり、パラメータはいずれも1μL/cmであり、スプレーされたNC膜を37℃-45℃で8時間以上乾燥させた。
【0186】
2.ローヤルゼリーMRJP4金コロイドテストストリップの組み立て及び結果判定
2.1 組み立て
(1)PVC底板を幅2.8mm×長さが6cmのストリップに切断した。
(2)PVC底板ストリップの中央(上端1.5cm)に抗体固相NC膜を貼り付けた。
(3)PVC底板ストリップの下端(即靠近NC膜的Tライン端)に固相抗体NC膜と0.1cm重なるようにガラス繊維膜プローブバンドを貼り付け、下端にプローブバンドと0.1-0.2cm重なるように幅1.7cmのサンプルパッド(ガラス繊維膜)を貼り付けた。
(4)PVC底板ストリップの上端(即ち、NC膜のCラインに近い端)に抗体固相NC膜と0.1-0.2cm重なるように幅1.7cmの吸水紙を貼り付けた。
(5)幅2.8mmのテストストリップに切断した。
【0187】
2.2 結果判定
テストストリップ検出カードをランダムに選択し、サンプルウェルに60μLの処理された検出サンプルを滴下し、室温下で15分間反応させた。検出結果は、標準陰性の場合、Cラインのみに1本のローズレッドラインが現れ、標準陽性の場合、Tライン、Cラインの2本のローズレッドラインが現れることを示している。Cラインには発色しなければならず、そうでないと、テストストリップは無効であると示している。
【0188】
2.3 MRJP4金コロイド免疫検出テストストリップの諸特性
MRJP4ターゲット高速検出カードは、便利で、迅速で、感度が高いなどの利点を有し、現場での大量のサンプル検出に適している。検出カードには、事前にニトロセルロース膜のテスト領域(T)に固定された抗原、コントロール領域(C)に固定された二次抗体、及び結合パッドに固定された金標識抗体が含まれる。サンプルが陽性である場合、サンプルを加えた後、T領域に1本の赤紫色のバンドが現れ、サンプルが陰性である場合、T領域に赤紫色のバンドが現れず、サンプルにMRJP4タンパク質が含まれるか否かに関わらず、C領域には1本の赤紫色のバンドが現れる。
【0189】
サンプル採取及び保存
1.血清:全血サンプルを室温で2時間又は4℃で一晩放置した後、2℃-8℃、1000×gで15分間遠心分離し、上清を取ってすぐに検出することができる。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。解凍したサンプルは、検出の前に再度遠心分離する必要がある。
【0190】
2.血漿:EDTA又はヘパリンを抗凝固剤として使用することができる。サンプルを採取してから30分間内で、2℃-8℃、1000×gで15分間遠心分離し、上清を取ってすぐに検出することができる。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。解凍したサンプルは、検出の前に再度遠心分離する必要がある。
【0191】
3.細胞培養上清:サンプルを2-8℃、1000×gで15分間遠心分離した後、上清を取った直後に実験に使用され得る。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。
【0192】
4.尿液:無菌チューブで尿液を収集し、2℃-8℃、1000×gで15分間遠心分離した後、上清を取った直後に実験に使用され得る。或いは、サンプルを小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができ、この場合、試験前に再度遠心分離することでサンプル保存期間に生成した沈殿を除去する。
【0193】
5.動物組織溶解液:100mg組織を取り、1×PBSで血液汚れを洗い流した。組織を小片に切断し、組織グラインダー(均質化チューブ)に入れ、1mLの1×PBSを加え、ホモジネートを作成して-20℃で一晩放置した。凍結・融解を2回繰り返して細胞膜を破壊した後、組織ホモジネートを2-8℃、5000×gで5分間遠心分離して上清を取った。適量の上清を取った直後に実験に使用することができる。或いは、上清を小分けして-20℃又は-80℃で(凍結・融解の繰り返しを避けるように)保存することができる。解凍したサンプルは、検出の前に再度遠心分離する必要がある。
【0194】
6.植物組織溶解液:洗浄され(濾紙で乾燥した)植物組織を約0.5g秤量し、滅菌ハサミで切断し、滅菌後に予冷した乳鉢に加え、液体窒素で粉末に粉砕した。粉末(約0.5mL粉末)を収集して標識された対応する2mLのEPチューブに入れた。プロテアーゼ阻害剤混合物(使用前に添加)を含む植物組織抽出液を1mL加え、ピペットチップで軽くピペッティングして均一に混合した。氷浴で20分間放置し、10分間ごとにボルテックスした。その後、電力20%で5分間超音波処理した。4℃、12000r/分間で20分間遠心分離し、上清を総タンパク質として収集した。
【0195】
なお、サンプルの溶血は最終的な検出結果に影響を与えるため、溶血サンプルはこの検出には適していない。
【0196】
検出ステップ
1.-80℃冷蔵庫からサンプルを取り出し、検出のために解凍した。
2.検出カードを取り出し、開封後、テーブルに置いた。本製品に付いているスポイトを用いて検出サンプル上清を吸引し、3滴をサンプルウェルに加えた。
3.サンプルを加えてから5-10分間後、発色領域を観察し、結果を判定した。
【0197】
4.結果判定:図12を参照。
【0198】
陽性:Cラインが発色し、Tラインが肉眼で見える場合、色深度にも関わらず、陽性であると判断される。陰性:Cラインが発色し、Tラインが肉眼で発色しない場合、陰性であると判断される。無効:Cラインが発色せず、Tラインが発色するか否かにも関わらず、この検出カードが無効であると判断される。
【0199】
図13は、本発明の金コロイド検出カードによりサンプルを検出した結果の一つである。
【0200】
試験例1:本発明の金コロイド検出テストストリップによりローヤルゼリーMRJP4を検出する特異的試験
ローヤルゼリーサンプルの代わりに、リン酸緩衝液で新鮮なローヤルゼリーサンプルを希釈し、テストストリップの特異性を評価した。結果は、PBS及びサンプル希釈液がCラインのみに1本のローズレッドラインが現れ、ローヤルゼリーサンプルがTラインとCラインの2本のローズレッドラインが現れ、ローヤルゼリーMRJP4金コロイドテストストリップがMRJP4のみと特異的反応し、他の関連タンパク質と交差反応しないことを示している(ローヤルゼリーの主タンパク質ファミリーにはタンパク質1-9があり、そのうち、タンパク1-5の含有量が最も高く、ローヤルゼリーの主タンパク質の含有量の82%~90%である)。
【0201】
試験例2:本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットによりローヤルゼリーMRJP4を検出する感度試験
検出結果は、ローヤルゼリーMRJP4に対する本発明のキットの検出感度は3.758ng/mLであることを示している。
【0202】
試験例3:本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットの熱損傷試験
測定結果:サンプル(-80℃保存)濃度の測定値は1260ng/mLであり、4℃/-20℃/室温で損傷した後、サンプルの減少率は互いに近く、減少率は30%から50%の範囲であった。
【0203】
表33:キットの熱損傷試験結果
【0204】
試験結果から分かるように、7日間後の熱安定性がすべて30%未満低下し、熱安定性が合格した。次に、バッチ間バッチ内試験を行い、キットの再現性を評価した。
【0205】
試験例4:本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットによりローヤルゼリーMRJP4を検出する再現性試験
【0206】
本発明の酵素結合免疫吸着アッセイ検出キットにより異なるバッチの5つローヤルゼリーサンプル及び同じバッチの5つのサンプルを検出し、各サンプルを10回繰り返し検出した。検出結果は完全に一致しており、異なるバッチ間および同じバッチ内での検出結果の傾向は一致しており(図14)、期待を満たした。
【0207】
表34:キットの再現性試験結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【配列表】
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