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特許7058034ゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法、および、ゲーム処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】ゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法、および、ゲーム処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/847 20140101AFI20220414BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20220414BHJP
   A63F 13/212 20140101ALI20220414BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20220414BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20220414BHJP
   A63F 13/26 20140101ALI20220414BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20220414BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20220414BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
A63F13/847
A63F13/52
A63F13/212
A63F13/428
A63F13/58
A63F13/26
G06T19/00 300B
G06F3/0481 150
G06F3/01 510
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2017190640
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019063174
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】千田 誠
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-055993(JP,A)
【文献】特開2000-126451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
G06T 19/00
G06F 3/01,3/048-3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータに、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させる、ことを含む処理を実行させ
前記第1センサは前記第1プレイヤが操作する第1操作機に設けられ、
前記第2センサは前記第2プレイヤが操作する第2操作機に設けられる
ゲーム処理プログラム。
【請求項2】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータに、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させる、ことを含む処理を実行させ
前記処理は、前記第1プレイヤ、および、前記第2プレイヤの少なくとも一方が前記ゲームにて所定の課題を達成しているか否かをさらに判定し、前記課題を達成していると判定した場合に前記特殊効果を発現させる処理を含む
ゲーム処理プログラム。
【請求項3】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータに、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させる、ことを含む処理を実行させ
前記処理は、
前記第1検出情報に基づき前記現実空間の前記第1装着ディスプレイの位置を検出すること、前記第2検出情報に基づき前記現実空間の前記第2装着ディスプレイの位置を検出すること、及び、前記第1位置の初期位置と前記第2位置の初期位置とを、予め定められた位置に設定することを含み、これらの初期位置間の距離は、ゲーム開始時における前記第1装着ディスプレイと前記第2装着ディスプレイとの間の現実空間での距離と異なる
ゲーム処理プログラム。
【請求項4】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータに、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させる、ことを含む処理を実行させ
前記所定範囲は、基準距離以下の範囲であり、
前記第1位置の初期位置を中心として、前記第1プレイヤの移動に伴う前記第1位置の移動が許容される領域である第1許容領域と、前記第2位置の初期位置を中心として、前記第2プレイヤの移動に伴う前記第2位置の移動が許容される領域である第2許容領域とが、前記第1許容領域と前記第2許容領域とが互いに離間し、かつ、これらの領域間の距離が前記基準距離以下であるように設定されており、
前記処理は、
前記第1装着ディスプレイに、前記第1許容領域を示す第1領域表示を表示させ、前記第2装着ディスプレイに、前記第2許容領域を示す第2領域表示を表示させる処理を含む
ゲーム処理プログラム。
【請求項5】
前記第1装着ディスプレイは前記第1センサを備え、前記第2装着ディスプレイは前記第2センサを備える
請求項2~4のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記処理は、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であるか否かを識別可能とする表示を各装着ディスプレイに表示させる処理を含む
請求項1~のいずれか一項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項7】
前記処理は、
前記表示として、前記仮想空間に配置した前記第1位置を囲むオブジェクトと前記第2位置を囲むオブジェクトとを各装着ディスプレイに表示させる処理を含む
請求項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項8】
前記処理において、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であるときに、前記第1プレイヤが操作する第1操作機、および、前記第2プレイヤが操作する第2操作機の少なくとも一方にて所定の操作が検出されたか否かをさらに判定し、前記所定の操作が検出された場合に前記特殊効果を発現させる
請求項1~のいずれか一項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項9】
前記処理は、
前記第1位置が、前記第1許容領域内であって、かつ、前記第1許容領域の外縁までの距離が所定の距離以下の領域に配置されるとき、前記第1装着ディスプレイに前記第1領域表示を表示させる処理を含む
請求項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項10】
前記処理は、
前記第1領域表示として、前記第1位置の初期位置を囲んで前記仮想空間での上下方向に延びる筒状のオブジェクトを前記第1装着ディスプレイに表示させる処理を含む
請求項またはに記載のゲーム処理プログラム。
【請求項11】
前記ゲームは、前記仮想空間に位置するオブジェクトに対して前記第1プレイヤと前記第2プレイヤとが攻撃を行うゲームであり、
前記特殊効果は、前記攻撃の攻撃力を高める効果である
請求項1~10のいずれか一項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項12】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータを用いたゲーム処理方法であって、
前記コンピュータが、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させ
前記第1センサは前記第1プレイヤが操作する第1操作機に設けられ、
前記第2センサは前記第2プレイヤが操作する第2操作機に設けられる
ゲーム処理方法。
【請求項13】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータを用いたゲーム処理方法であって、
前記コンピュータが、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させることを含む、処理を実行し、
前記処理は、前記第1プレイヤ、および、前記第2プレイヤの少なくとも一方が前記ゲームにて所定の課題を達成しているか否かをさらに判定し、前記課題を達成していると判定した場合に前記特殊効果を発現させる処理を含む
ゲーム処理方法。
【請求項14】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータを用いたゲーム処理方法であって、
前記コンピュータが、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させることを含む、処理を実行し、
前記処理は、
前記第1検出情報に基づき前記現実空間の前記第1装着ディスプレイの位置を検出すること、前記第2検出情報に基づき前記現実空間の前記第2装着ディスプレイの位置を検出すること、及び、前記第1位置の初期位置と前記第2位置の初期位置とを、予め定められた位置に設定することを含み、これらの初期位置間の距離は、ゲーム開始時における前記第1装着ディスプレイと前記第2装着ディスプレイとの間の現実空間での距離と異なる
ゲーム処理方法。
【請求項15】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータを用いたゲーム処理方法であって、
前記コンピュータが、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させる、ことを含む処理を実行し、
前記所定範囲は、基準距離以下の範囲であり、
前記第1位置の初期位置を中心として、前記第1プレイヤの移動に伴う前記第1位置の移動が許容される領域である第1許容領域と、前記第2位置の初期位置を中心として、前記第2プレイヤの移動に伴う前記第2位置の移動が許容される領域である第2許容領域とが、前記第1許容領域と前記第2許容領域とが互いに離間し、かつ、これらの領域間の距離が前記基準距離以下であるように設定されており、
前記処理は、
前記第1装着ディスプレイに、前記第1許容領域を示す第1領域表示を表示させ、前記第2装着ディスプレイに、前記第2許容領域を示す第2領域表示を表示させる処理を含む
ゲーム処理方法。
【請求項16】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させる装置であって、
前記装置は制御部を備え、
前記制御部は、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させ
前記第1センサは前記第1プレイヤが操作する第1操作機に設けられ、
前記第2センサは前記第2プレイヤが操作する第2操作機に設けられる
ゲーム処理装置。
【請求項17】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させる装置であって、
前記装置は制御部を備え、
前記制御部は、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させる、ことを含む処理を実行し、
前記処理は、前記第1プレイヤ、および、前記第2プレイヤの少なくとも一方が前記ゲームにて所定の課題を達成しているか否かをさらに判定し、前記課題を達成していると判定した場合に前記特殊効果を発現させる処理を含む
ゲーム処理装置。
【請求項18】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させる装置であって、
前記装置は制御部を備え、
前記制御部は、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させることを含む、処理を実行し、
前記処理は、
前記第1検出情報に基づき前記現実空間の前記第1装着ディスプレイの位置を検出すること、前記第2検出情報に基づき前記現実空間の前記第2装着ディスプレイの位置を検出すること、及び、前記第1位置の初期位置と前記第2位置の初期位置とを、予め定められた位置に設定することを含み、これらの初期位置間の距離は、ゲーム開始時における前記第1装着ディスプレイと前記第2装着ディスプレイとの間の現実空間での距離と異なる
ゲーム処理装置。
【請求項19】
第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させる装置であって、
前記装置は制御部を備え、
前記制御部は、
第1センサにより検出した情報であって現実空間の前記第1プレイヤの動作を示す第1検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第1プレイヤに対応付けられたアバタの第1位置を特定し、
前記第1検出情報に基づき前記第1位置を移動させ、
第2センサにより検出した情報であって現実空間の前記第2プレイヤの動作を示す第2検出情報に基づき、前記仮想空間における前記第2プレイヤに対応付けられたアバタの第2位置を特定し、
前記第2検出情報に基づき前記第2位置を移動させ、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定範囲内であるか否かを判定し、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定範囲内であると判定した場合に特殊効果を発現させることを含む、処理を実行し、
前記所定範囲は、基準距離以下の範囲であり、
前記第1位置の初期位置を中心として、前記第1プレイヤの移動に伴う前記第1位置の移動が許容される領域である第1許容領域と、前記第2位置の初期位置を中心として、前記第2プレイヤの移動に伴う前記第2位置の移動が許容される領域である第2許容領域とが、前記第1許容領域と前記第2許容領域とが互いに離間し、かつ、これらの領域間の距離が前記基準距離以下であるように設定されており、
前記処理は、
前記第1装着ディスプレイに、前記第1許容領域を示す第1領域表示を表示させ、前記第2装着ディスプレイに、前記第2許容領域を示す第2領域表示を表示させる処理を含む
ゲーム処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤに仮想空間を共有させるゲームを処理の対象としたゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法、および、ゲーム処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤの頭部に装着される装着ディスプレイ(以下、HMD:ヘッドマウントディスプレイ)を用いたバーチャルリアリティゲーム(以下、VRゲーム)が知られている。HMDは、例えばジャイロセンサ等のトラッキングセンサを備えており、トラッキングセンサの出力に基づいて、プレイヤの頭部の動きが検出される。そして、HMDが備える表示部には、検出された頭部の動きに合わせて変化する視点で、仮想空間の画像が表示される。これにより、プレイヤは、仮想空間に自身が実在しているかのように感じながらゲームをプレイできる。
【0003】
一方、ユーザに仮想空間を提供する技術分野においては、複数のユーザに単一の仮想空間を共有させることも提案されている。例えば、特許文献1に記載のシステムは、各ユーザに対応する別々のアバタを単一の仮想空間に配置し、インターネットに接続された各クライアント端末を通じて単一の仮想空間を各ユーザに共有させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-154243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
HMDを用いるVRゲームでの仮想空間の共有は、例えば、HMDを装着した各プレイヤが同じゲームに参加することで実現される。この際、仮想空間でのプレイヤ同士の協力が、ゲームにおける各プレイヤの目的の達成に反映されることになれば、プレイヤが単独でプレイするVRゲームと比べて、ゲームの独自性を高めることが可能となる。そして、ゲームに対するユーザの関心が高められ、ひいては、ゲームに参加するユーザの数を増加させることが可能となる。
【0006】
本発明は、装着ディスプレイを装着した複数のプレイヤによってプレイされるバーチャルリアリティゲームにおいて、複数のプレイヤによる協力したプレイを可能としたゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法、および、ゲーム処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するゲーム処理プログラムは、第1プレイヤが装着する第1装着ディスプレイと、第2プレイヤが装着する第2装着ディスプレイとに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータに、前記第1プレイヤの位置を特定するためのセンサの出力に基づき、前記第1プレイヤの位置に合わせて前記仮想空間での第1位置を移動させ、前記第2プレイヤの位置を特定するためのセンサの出力に基づき、前記第2プレイヤの位置に合わせて前記仮想空間での第2位置を移動させ、前記ゲームにおいて特殊な効果を現す条件に、前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定の範囲内であることを含める、ことを含む処理を実行させる。
【0008】
上記構成によれば、ゲームにおいて特殊な効果を現す条件に、仮想空間において第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であることが含まれる。そして、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であることを満たすように互いに協力することを通じて、第1プレイヤと第2プレイヤとは、ゲームにおいて各プレイヤの目的となり得る特殊な効果を現すことが可能となる。したがって、複数のプレイヤによる協力したプレイの実現が可能となる。
【0009】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理は、前記第1プレイヤの位置を、前記第1装着ディスプレイにて検出される情報に基づいて特定し、前記第2プレイヤの位置を、前記第2装着ディスプレイにて検出される情報に基づいて特定することを含んでもよい。
【0010】
上記構成によれば、第1プレイヤと第2プレイヤとの頭部の位置に合わせて、仮想空間における第1位置と第2位置との間の距離が変わる。したがって、プレイヤの手の位置を基準として第1位置と第2位置とが移動される場合と比較して、上記協力のために、第1プレイヤと第2プレイヤとに胴体部分も含めた大きな動きが要求される。それゆえ、プレイヤが協力したプレイを行っているという体感を大きくすることができる。
【0011】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理は、前記第1プレイヤの位置を、前記第1プレイヤが操作する第1操作機にて検出される情報に基づいて特定し、前記第2プレイヤの位置を、前記第2プレイヤが操作する第2操作機にて検出される情報に基づいて特定することを含んでもよい。
【0012】
上記構成によれば、第1プレイヤと第2プレイヤとの手の位置に合わせて、仮想空間における第1位置と第2位置との間の距離が変わる。したがって、プレイヤの頭部の位置を基準として第1位置と第2位置とが移動される場合と比較して、上記協力のために、第1プレイヤと第2プレイヤとに要求される動きが小さくなる。それゆえ、プレイヤの動く範囲を小さく抑えることが可能であり、プレイヤが動作を行う現実空間に要する大きさを小さく抑えることも可能である。
【0013】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理は、前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定の範囲内であるか否かを識別可能とする表示を各装着ディスプレイに表示させるための処理を含んでもよい。
【0014】
上記構成によれば、プレイヤは、上記表示によって、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であるか否かを把握することができる。したがって、上記協力を行う際にプレイヤの利便性が高められる。
【0015】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理は、前記表示として、前記仮想空間に配置した前記第1位置を囲むオブジェクトと前記第2位置を囲むオブジェクトとを各装着ディスプレイに表示させるための処理を含んでもよい。
【0016】
上記構成によれば、プレイヤは、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であるか否かを直感的に把握することができる。
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理において、前記条件に、前記第1位置と前記第2位置との間の距離が前記所定の範囲内であるときに、前記第1プレイヤが操作する第1操作機、および、前記第2プレイヤが操作する第2操作機の少なくとも一方にて所定の操作が検出されたことが含められてもよい。
【0017】
上記構成によれば、特殊な効果の現れるタイミングをプレイヤが制御しやすくなる。したがって、特殊な効果の現れるタイミングをゲームの進行に応じてプレイヤが調整することも可能であるため、プレイヤの利便性が高められる。
【0018】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理において、前記条件に、前記第1プレイヤ、および、前記第2プレイヤの少なくとも一方が前記ゲームにて所定の課題を達成していることが含められてもよい。
【0019】
上記構成によれば、特殊な効果の発現のために要する労力が大きくなるため、特殊な効果が現われることの価値が高められる。したがって、特殊な効果の発現を目的としたプレイへのプレイヤの意欲を高めることも可能となる。
【0020】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理は、前記第1位置の初期位置と前記第2位置の初期位置とを、予め定められた位置に設定することを含み、これらの初期位置間の距離は、ゲーム開始時における前記第1装着ディスプレイと前記第2装着ディスプレイとの間の現実空間での距離と異なってもよい。
【0021】
上記構成によれば、現実空間における第1装着ディスプレイと第2装着ディスプレイとの間の距離、すなわち、プレイヤ間の距離を、仮想空間での第1位置と第2位置との間の距離とは異ならせることが可能である。そして、これらの距離の大小の関係を、ゲームにてプレイヤに要求される動作に応じて設定することにより、プレイヤ同士の予期せぬ接触やプレイヤが現実空間にて動作を行うべき所定の領域から出てしまうことが抑えられる。
【0022】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記所定の範囲は、基準距離以下の範囲であり、
前記第1位置の初期位置を中心として、前記第1プレイヤの移動に伴う前記第1位置の移動が許容される領域である第1許容領域と、前記第2位置の初期位置を中心として、前記第2プレイヤの移動に伴う前記第2位置の移動が許容される領域である第2許容領域とが、前記第1許容領域と前記第2許容領域とが互いに離間し、かつ、これらの領域間の距離が前記基準距離以下であるように設定されており、前記処理は、前記第1装着ディスプレイに、前記第1許容領域を示す第1領域表示を表示させ、前記第2装着ディスプレイに、前記第2許容領域を示す第2領域表示を表示させるための処理を含んでもよい。
【0023】
上記構成によれば、プレイヤに移動の許容される領域を認識させ、プレイヤの移動を所定の領域内に留めるよう、プレイヤを誘導することができる。そして、第1許容領域と第2許容領域とが互いに離間しているため、プレイヤ同士の意図しない接触を抑えることができる。また、第1許容領域と第2許容領域との間の距離が基準距離以下であるため、こうした領域内において、特殊な効果を発現させるための協力したプレイを行うことができる。
【0024】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理は、前記第1位置が、前記第1許容領域内であって、かつ、前記第1許容領域の外縁までの距離が所定の距離以下の領域に配置されるとき、前記第1装着ディスプレイに前記第1領域表示を表示させるための処理を含んでもよい。
【0025】
上記構成によれば、第1位置が第1許容領域の外縁の近くに位置するとき、すなわち、プレイヤが移動の許容される領域から出ることが起こりやすくなっているときに、第1装着ディスプレイに第1領域表示が表示される。したがって、プレイヤに対して、移動の許容される領域の外縁にプレイヤの位置が迫っていることの注意喚起が可能である。また、第1装着ディスプレイに第1領域表示が常に表示される形態と比較して、仮想空間におけるプレイヤの視界が第1領域表示によって遮られる状態が続くことが抑えられる。
【0026】
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記処理は、前記第1領域表示として、前記第1位置の初期位置を囲んで前記仮想空間での上下方向に延びる筒状のオブジェクトを前記第1装着ディスプレイに表示させるための処理を含んでもよい。
【0027】
上記構成によれば、プレイヤは、第1許容領域を直感的に把握することができる。
上記ゲーム処理プログラムにおいて、前記ゲームは、前記仮想空間に位置するオブジェクトに対して前記第1プレイヤと前記第2プレイヤとが攻撃を行うゲームであり、前記特殊な効果は、前記攻撃の攻撃力を高める効果であってもよい。
【0028】
上記構成によれば、ゲームにおいて特殊な効果が現われることの価値が高いため、特殊な効果の発現を目的としたプレイへのプレイヤの意欲を高めることが可能である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、装着ディスプレイを装着した複数のプレイヤによってプレイされるバーチャルリアリティゲームにおいて、複数のプレイヤによる協力したプレイを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ゲーム処理方法の一実施形態について、ゲーム処理方法の用いられるシステムを構成する装置の構成を機能的に示すブロック図。
図2】一実施形態のゲーム処理方法の用いられるシステムについて、当該システムが含む装置の現実空間での配置の一例を示す図。
図3】一実施形態における仮想空間とプレイヤに視認される画像とを説明する概念図。
図4】一実施形態におけるパブリックディスプレイに表示される仮想空間の画像を説明する概念図。
図5】一実施形態における仮想点の初期位置の設定例を示す図。
図6】一実施形態におけるアバタの設定のための処理の流れを示すシーケンスチャート。
図7】一実施形態における移動許容領域の設定例を示す図。
図8】一実施形態における領域表示の一例を示す図。
図9】一実施形態における領域表示の表示と非表示との切り替えの処理の流れを示すフローチャート。
図10】一実施形態における通常攻撃が行われているときの仮想空間の構成の一例を示す図。
図11】一実施形態におけるゲーム進行データに含まれるデータの構成であって、プレイヤに関する情報から構成されるデータの構成例を示す図。
図12】一実施形態における同時攻撃が行われているときの仮想空間の構成の一例を示す図。
図13】一実施形態における範囲表示の一例を示す図。
図14】一実施形態における合体攻撃の発動のための処理の流れを示すフローチャート。
図15】一実施形態における合体攻撃が行われているときの仮想空間の構成の一例を示す図。
図16】一実施形態における変形例の合体攻撃が行われているときのプレイヤの動作および仮想空間の構成の一例を示す図。
図17】一実施形態におけるゲーム終了後の処理の流れを示すシーケンスチャート。
図18】一実施形態のゲーム処理装置のハードウェア構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1図18を参照して、ゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法、および、ゲーム処理装置の一実施形態を説明する。
[ゲームシステムの全体構成]
図1を参照して、本実施形態のゲーム処理方法を用いるゲームシステムの全体構成を説明する。図1が示すように、ゲームシステムは、ゲーム処理装置10と、装着ディスプレイとしてのヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)20と、操作機30と、トラッキング補助装置40とを含む。さらに、ゲームシステムは、パブリックディスプレイ50と、補助端末60とを含む。
【0032】
ゲーム処理装置10とHMD20とは、有線または無線による通信を行う。HMD20は、プレイヤの頭部に装着され、操作機30はプレイヤに操作される。ゲーム処理装置10は、HMD20の位置および向きに応じた視点で仮想空間をHMD20に表示させ、HMD20および操作機30にて検出された情報に基づき、仮想空間で行われるゲームの進行を管理する。
【0033】
1つのHMD20は1つの操作機30と対応付けられており、ゲームシステムは、HMD20と操作機30との組を複数含む。互いに対応付けられたHMD20と操作機30とは、同一のプレイヤに利用される。本実施形態では、第1プレイヤに利用されるHMD20Aおよび操作機30Aと、第2プレイヤに利用されるHMD20Bおよび操作機30Bとをゲームシステムが含む構成について説明する。HMD20Aは第1装着ディスプレイの一例であり、操作機30Aは第1操作機の一例である。また、HMD20Bは第2装着ディスプレイの一例であり、操作機30Bは第2操作機の一例である。
【0034】
HMD20は、情報処理部21と、トラッキング情報検出部22と、表示部23とを備えている。情報処理部21は、プロセッサ、メモリ、通信用インターフェース等を含む。情報処理部21は、トラッキング情報検出部22の検出結果に応じた信号をゲーム処理装置10に出力し、また、ゲーム処理装置10から画像情報等の信号の入力を受けて、入力された信号に基づき表示部23に仮想空間の画像を表示させる。
【0035】
トラッキング情報検出部22は、HMD20の位置および向き、すなわち、プレイヤの頭部の位置および向きの算出のための機器を含む。例えば、トラッキング情報検出部22は、主としてHMD20の向きの算出に用いられる情報を検出するセンサを含む。こうしたセンサには、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、および、地磁気センサのうち少なくとも1つのセンサが含まれる。なお、これらのセンサは、HMD20の位置の算出のために利用することも可能である。また、トラッキング情報検出部22は、上記にて例示したセンサに加えて、もしくは、上記にて例示したセンサに代えて、プレイヤの眼球の動きを直接的に検出するセンサ、例えば、虹彩内に近赤外光を入射しその反射光を検出する視線検出センサ等を含んでいてもよい。
【0036】
また例えば、トラッキング情報検出部22は、主としてHMD20の位置の算出に用いられる情報を検出するための位置検出用機器を含む。具体的には、位置検出用機器は、プレイヤが位置する現実空間にHMD20とは別に設けられたトラッキング補助装置40との協働により、HMD20の位置の算出のための情報を検出可能とする。なお、位置検出用機器とトラッキング補助装置40とは、HMD20の位置に加えて向きの算出にも利用されてもよい。例えば、位置検出用機器とトラッキング補助装置40との一方は、赤外光もしくは可視光を射出するレーザー装置やLED等の発光装置であり、位置検出用機器とトラッキング補助装置40との他方は、上記発光装置に対応した光を受光するカメラ等の受光装置である。そして、所定の配置を有する複数の発光装置のうち、いずれの発光装置からの光を受光装置が受光したか、所定の配置を有する複数の受光装置のうち、いずれの受光装置が発光装置からの光を受光したか、発光装置からの光の射出方向、発光装置から射出された光が受光装置への到達までに要した時間等の情報が検出され、これらの情報に基づき、HMD20の位置や向きが算出される。トラッキング補助装置40が受光装置である場合や、トラッキング補助装置40が発光装置であって、その発光をゲーム処理装置10が制御する場合には、トラッキング補助装置40はゲーム処理装置10と直接に、もしくは、HMD20を介して、通信可能に構成されていればよい。
【0037】
なお、HMD20の外部に設置されたトラッキング補助装置40を用いずに、HMD20が備えるトラッキング情報検出部22の検出結果のみを利用して、HMD20の位置および向きが算出可能なように、トラッキング情報検出部22が構成されていてもよい。トラッキング情報検出部22の検出結果から算出されるHMD20の位置は、HMD20の初期位置に対する相対的な位置であってもよいし、現実空間、すなわち、プレイヤがゲームをプレイする際に位置する所定の大きさの三次元空間における絶対的な位置であってもよい。
【0038】
表示部23は、情報処理部21からの信号に基づき、画像を表示する。表示部23は、例えば、1もしくは複数の表示パネルを含む。表示部23には、表示パネルの配置に応じて視差等の影響が加味された画像が表示される。なお、表示部23は、網膜投射型の表示系を構成していてもよい。
【0039】
操作機30は、当該操作機30と対応付けられたHMD20と有線または無線により通信可能に構成され、プレイヤが操作機30を手に持つこと、あるいは、プレイヤが操作機30を手や腕に装着することによってプレイヤに携帯される。
【0040】
操作機30は、情報処理部31と、トラッキング情報検出部32と、操作部33とを備えている。情報処理部31は、プロセッサ、メモリ、通信用インターフェース等を含んでいてもよい。情報処理部31は、トラッキング情報検出部22の検出結果に応じた信号、および、操作部33に対する操作に応じた信号をHMD20に出力する。HMD20は、操作機30から入力された信号に応じた信号を、ゲーム処理装置10に出力する。
【0041】
トラッキング情報検出部32は、操作機30の位置および向きの算出のための情報を検出する機器を含む。操作機30の位置は、プレイヤの手の位置に相当する。トラッキング情報検出部32には、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、および、地磁気センサのうち少なくとも1つのセンサが含まれる。また、トラッキング情報検出部32は、トラッキング補助装置40との協働により操作機30の位置および向きの算出のための情報を検出可能とする機器を含んでいてもよい。
【0042】
トラッキング情報検出部32の検出結果から算出される操作機30の位置は、操作機30の初期位置に対する相対的な位置であってもよいし、操作機30と対応付けられたHMD20の位置に対する相対的な位置であってもよいし、現実空間における絶対的な位置であってもよい。
【0043】
操作部33は、例えば、プレイヤが押して操作するボタン型やレバー型に構成され、プレイヤが目視せずとも操作可能に構成されている。
なお、操作機30は、HMD20を介さず直接にゲーム処理装置10と通信を行い、トラッキング情報検出部22の検出結果に応じた信号、および、操作部33に対する操作に応じた信号をゲーム処理装置10に出力してもよい。この場合、HMD20と操作機30との対応付けは、ゲーム処理装置10において、HMD20と操作機30との各々の識別情報の対応付けが記憶されること等によって管理されればよい。
【0044】
パブリックディスプレイ50は、ゲームに参加しているプレイヤ以外のユーザ、例えば、ゲームに参加する順番を待っているユーザや、周囲でゲームを観戦しているユーザ等、HMD20を装着していないユーザに視認されるディスプレイである。パブリックディスプレイ50は、例えば、大型ディスプレイであって、現実空間においてゲームに参加しているプレイヤが位置する領域の付近に設置される。パブリックディスプレイ50は、有線または無線によりゲーム処理装置10と通信を行い、ゲーム処理装置10から画像情報の入力を受けて、この画像情報に基づく仮想空間の画像を表示する。
【0045】
補助端末60は、撮影機能と表示機能とを備え、有線または無線によりゲーム処理装置10と通信を行う端末であって、例えば、タブレット端末に具体化される。補助端末60は、ゲームの前後において、プレイヤへの情報の提供やゲームへの参加に要する設定のために用いられる。具体的には、補助端末60は、プレイヤごとのアバタの設定のために用いられる。
【0046】
ゲーム処理装置10は、ゲーム制御部11およびデータ記憶部12を備える。
ゲーム制御部11は、ゲーム処理装置10が備える不揮発性記憶部に記録されたゲーム処理プログラムの実行により、位置特定部11a、画像生成部11b、および、進行管理部11cとして機能する。
【0047】
位置特定部11aは、HMD20から入力された信号に基づき、換言すれば、HMD20のトラッキング情報検出部22の作動により検出された情報に基づき、HMD20の位置および向きを特定する。また、位置特定部11aは、操作機30からHMD20を経由して入力された信号に基づき、換言すれば、操作機30のトラッキング情報検出部32の作動により検出された情報に基づき、操作機30の位置および向きを特定する。位置および向きの特定のための演算には、HMD20や操作機30にて検出される情報に応じた公知のアルゴリズムが用いられればよい。
【0048】
画像生成部11bは、仮想空間の画像情報を抽出生成する。例えば、画像生成部11bは、HMD20の位置および向きに応じた視点での仮想空間の画像情報を抽出生成して、HMD20に出力する。位置特定部11aによる位置および向きの特定と画像生成部11bによる画像情報の生成および出力とは、HMD20ごとに行われる。また例えば、画像生成部11bは、仮想空間を所定の俯瞰点から俯瞰した画像情報を抽出生成して、パブリックディスプレイ50に出力する。
【0049】
また、画像生成部11bは、補助端末60から入力された情報を用いて、プレイヤごとのアバタを構成するための情報を生成する。
進行管理部11cは、仮想空間における各種のオブジェクトの位置を更新することにより、オブジェクトの出現位置や出現タイミング、オブジェクトの移動を制御し、画像生成部11bによる画像情報の抽出対象となる仮想空間の構成を規定する。また、進行管理部11cは、プレイヤの動作、すなわち、HMD20および操作機30にて検出される情報と、データ記憶部12に記憶された情報とに基づいて、ゲームの進行状況を判定し、上記仮想空間の構成への反映やデータ記憶部12への記録を行う。
【0050】
データ記憶部12は、仮想空間の描画およびゲームの進行の管理のためのデータを記憶する。データ記憶部12は、ゲーム空間データ12a、プレイヤデータ12b、および、ゲーム進行データ12cを有している。
【0051】
ゲーム空間データ12aは、ゲームの行われる空間を描画するためのデータであって、ゲームフィールドの背景を描画するためのデータや、ゲームフィールドに配置され、その表示が所定の条件に基づき制御されるオブジェクトを描画するためのデータを含む。こうしたオブジェクトには、ゲームフィールドを移動する敵等のオブジェクトや、所定の条件を満たすときにのみ表示されるオブジェクトが含まれる。ゲーム空間データ12aには、こうしたオブジェクトの仮想空間における位置情報も含まれる。
【0052】
プレイヤデータ12bは、HMD20および操作機30の各々の位置および向きに応じて仮想空間に配置されるオブジェクトを描画するためのデータである。こうしたオブジェクトには、プレイヤごとに設定されるアバタ、および、プレイヤが所持する武器が含まれる。プレイヤデータ12bには、アバタおよび武器の各々の仮想空間における位置情報も含まれる。
【0053】
ゲーム進行データ12cは、ゲームの進行の管理に用いられるデータであって、ゲームの進行に応じて更新される。ゲーム進行データ12cは、例えば、ゲームに出現する敵に関する情報や、プレイヤに関する情報を含む。敵に関する情報には、例えば、敵の体力値等のように敵の倒しやすさを示す情報が含まれる。プレイヤに関する情報には、例えば、プレイヤが敵を倒すことによって得られた得点等のゲームの達成度を示す情報や、ゲームの進行に必要な条件の充足状況を示す情報が含まれる。
【0054】
[事前設定]
図2図6を参照して、現実空間、仮想空間、および、HMD20とパブリックディスプレイ50とに表示される仮想空間の画像の構成とともに、ゲームの開始前に行われる各種の設定について説明する。なお、本実施形態では、ゲームシステムの実現するゲームが、仮想空間内を移動する敵を示すオブジェクトである標的オブジェクトを、プレイヤが操作機30を操作することによって狙撃するゲームである例について説明する。
【0055】
図2は、ゲームシステムを構成する各装置およびプレイヤの現実空間での配置を示す。
現実空間において、HMD20とトラッキング補助装置40とによってHMD20の位置および向きが検出可能な範囲内に、プレイヤが動作を行う空間であるプレイ空間Rsが設定される。HMD20Aおよび操作機30Aを利用する第1プレイヤP1と、HMD20Bおよび操作機30Bを利用する第2プレイヤP2とは、ゲームに参加している間、プレイ空間Rs内に位置する。プレイ空間Rsにおける第1プレイヤP1と第2プレイヤP2との水平方向での距離、すなわち、現実空間において水平面に投影した場合でのHMD20AとHMD20Bとの間の距離が現実距離drである。
【0056】
パブリックディスプレイ50の位置は特に限定されないが、例えばプレイ空間Rsと隣接する領域、もしくは、プレイ空間Rs内に配置される。例えば、パブリックディスプレイ50は、第1プレイヤP1および第2プレイヤP2の前方となる位置に配置される。図2に示されるプレイ空間Rs内においては、水平方向に沿ってパブリックディスプレイ50に向かう方向を前方向、鉛直方向を上下方向として、前後方向、左右方向、上下方向の3方向が規定される。そして、第1プレイヤP1と第2プレイヤP2とは、左右方向に並ぶように位置して、ゲームを開始する。第1プレイヤP1および第2プレイヤP2以外のユーザは、第1プレイヤP1および第2プレイヤP2の後方もしくは側方から、パブリックディスプレイ50を見る。
【0057】
ゲーム処理装置10によるHMD20の位置および向きの特定が開始された時点、または、ゲームが開始された時点でのHMD20の位置が、プレイ空間RsにおけるHMD20の基準位置であり、プレイヤの動作に応じて、HMD20の位置は基準位置から変化する。HMD20Aの基準位置が第1基準位置であり、HMD20Bの基準位置が第2基準位置である。
【0058】
なお、トラッキング補助装置40は、例えば、プレイ空間Rsの上方に設置される。
図3を参照して、仮想空間、および、HMD20に表示される画像について説明する。
ゲーム処理装置10の位置特定部11aは、HMD20から入力された信号に基づき、HMD20の位置および向きを特定する。具体的には、位置特定部11aは、HMD20の位置および向きを、三次元直交座標系での位置および各軸回りの角度として算出する。また、位置特定部11aは、操作機30からHMD20を経由して入力された信号に基づき、操作機30の位置および向きを、三次元直交座標系での位置および各軸回りの角度として算出する。例えば、前後軸を「ロール軸」、上下軸を「ヨー軸」、左右軸を「ピッチ軸」とし、各軸周りの角度をロール角、ヨー角、ピッチ角として、HMD20と操作機30との位置および向きが算出されてもよい。
【0059】
位置特定部11aは、仮想空間Vsにおける位置および向きを規定する座標系の軸方向と、プレイ空間Rsにおける位置および向きを規定する座標系の軸方向とを、仮想空間Vsでの前後、左右、上下の各方向が、プレイ空間Rsでの前後、左右、上下の各方向と一致するように揃えて、仮想空間Vsに仮想点100を配置する。仮想点100は、初期位置から、HMD20の位置の移動に合わせて移動される点であり、仮想点100の位置は仮想空間Vsでのプレイヤの位置に相当する。例えば、仮想点100の位置は、プレイヤに対応付けられたアバタの頭部が配置される位置である。HMD20Aに対応する仮想点100が第1仮想点100Aであり、HMD20Bに対応する仮想点100が第2仮想点100Bである。
【0060】
例えば、初期位置において、仮想点100の上下方向の位置は、プレイ空間Rsにおける基準位置でのHMD20の上下方向の位置に応じて定められ、仮想点100の前後方向および左右方向の位置は、プレイ空間Rsにおける基準位置でのHMD20の前後方向および左右方向の位置に依らず、予め定められた位置に設定されてもよい。位置特定部11aは、HMD20が基準位置から移動すると、前後、左右、上下の各方向についての基準位置からの移動量を、前後、左右、上下の各方向についての初期位置からの移動量に反映して、仮想点100を初期位置から移動させる。
【0061】
画像生成部11bは、HMD20の位置および向きに基づいた画像情報を生成してHMD20に出力する。例えば、HMD20の位置および向きに基づき想定されるプレイヤの目の位置を考慮して、視線方向や視線方向の先の点である注視位置が算出され、注視位置を中心として画角等により定められる所定の範囲の画像情報が生成される。画像情報の生成には、データ記憶部12に記憶されたデータが用いられる。
【0062】
進行管理部11cは、仮想空間Vsにおけるオブジェクトの位置を更新することにより、仮想空間Vsの構成を規定する。例えば、進行管理部11cは、ゲーム処理プログラムにて規定された態様で、敵を示す標的オブジェクト210を出現させ、さらに、標的オブジェクト210を移動させる。また例えば、進行管理部11cは、HMD20の位置および向きに基づき、プレイヤに対応付けられたアバタを仮想空間Vsに配置し、操作機30の位置および向きに基づき、銃等を模した武器260を仮想空間Vsに配置する。
【0063】
このように、上述の位置特定部11a、画像生成部11b、および、進行管理部11cによる処理が繰り返されることにより、進行管理部11cによって規定されるその時々での仮想空間Vsを対象として、その時々でのHMD20の位置および向きに応じた表示範囲の画像情報がHMD20に出力される。これにより、プレイヤは、仮想空間Vsでのプレイヤの位置に相当する視点から見たその時々での仮想空間Vsの画像を、HMD20を通じて見ることができる。
【0064】
HMD20の位置および向きの特定と、それに応じた画像情報の生成および出力とは、HMD20ごとに、進行管理部11cによって規定された同一の仮想空間を対象として行われる。HMD20Aに対する処理と、HMD20Bに対する処理とで、プレイ空間Rsにおける座標系の軸方向は共有され、仮想空間Vsにおける座標系の軸方向もまた共有される。
【0065】
したがって、HMD20AとHMD20Bとには、同一の仮想空間Vsの画像であって、各HMD20位置および向きに応じた視点から見た画像が表示される。さらに、プレイ空間RsにおけるHMD20AとHMD20Bとの向きの関係が、各HMD20に表示される画像の視点に反映される。例えば、プレイ空間Rsにおいて第1プレイヤP1と第2プレイヤP2とが同一の方向を向いているとき、第1プレイヤP1と第2プレイヤP2とには、各HMD20を通じて、仮想空間Vsにおける同一の方向を向いた互いに異なる視点からの画像が見える。
【0066】
なお、第1プレイヤP1が装着するHMD20Aに表示される画像の表示範囲に第2プレイヤP2に対応するアバタの位置が含まれるとき、第2プレイヤP2のアバタが表示される一方、上記表示範囲に第1プレイヤP1に対応するアバタの位置が含まれるときであっても、第1プレイヤP1のアバタは表示されなくてもよい。この場合、操作機30Aの位置および向きに応じて、上記表示範囲に操作機30Aに対応する武器260Aの位置が含まれるとき、武器260Aのみが、例えば浮いた状態で表示される。
【0067】
こうした構成によれば、プレイ空間Rsでの第1プレイヤP1の手や足の細かい動きと異なる動きをするアバタが第1プレイヤP1に対応するアバタとして第1プレイヤP1に視認される状況が起こらないため、第1プレイヤP1が違和感を覚えることが抑えられる。HMD20Aに表示される画像は、仮想空間Vsにおける第1プレイヤP1のアバタの位置から見た画像であるから、第1プレイヤP1のアバタが表示されなくとも第1プレイヤP1が抱く違和感は小さい。同様に、第2プレイヤP2が装着するHMD20Bには、位置および向きに応じて、第1プレイヤP1に対応するアバタが表示される一方、第2プレイヤP2に対応するアバタは表示されなくてもよい。
【0068】
図4を参照して、パブリックディスプレイ50に表示される画像について説明する。
ゲーム処理装置10の画像生成部11bは、仮想空間Vsに設定された固定点である俯瞰点110から仮想空間Vsを俯瞰する視線方向での表示範囲の画像情報を生成してパブリックディスプレイ50に出力する。俯瞰点110は、例えば、左右方向において、第1仮想点100Aの初期位置と第2仮想点100Bの初期位置との中間、前後方向においてこれらの仮想点100A,100Bの初期位置よりも後方、上下方向においてこれらの仮想点100A,100Bの初期位置よりも上方の位置に設定される。ゲーム開始時において、パブリックディスプレイ50に出力される画像の表示範囲には、第1プレイヤに対応するアバタ250Aの上半身または全身と、第2プレイヤに対応するアバタ250Bの上半身または全身とが含まれ得る。
【0069】
これにより、仮想空間Vsにおける第1プレイヤと第2プレイヤとの上部後方の視点から仮想空間Vsを見た画像がパブリックディスプレイ50に表示される。したがって、パブリックディスプレイ50を見ているユーザは、仮想空間Vs内で第1プレイヤと第2プレイヤとの上部後方からこれらのプレイヤのプレイを見ているかのように、ゲームを観戦することができる。
【0070】
<初期位置の設定>
上述の仮想点100の設定は、HMD20AとHMD20Bとの各々に対して行われる。図5を参照して、HMD20Aに対応する第1仮想点100Aの初期位置と、HMD20Bに対応する第2仮想点100Bの初期位置との位置関係について説明する。
【0071】
上述のように、前後方向および左右方向の位置、すなわち、水平面に投影した位置について、第1仮想点100Aの初期位置は、HMD20Aの基準位置である第1基準位置と関わりなく定められ、第2仮想点100Bの初期位置は、HMD20Bの基準位置である第2基準位置と関わりなく定められる。
【0072】
水平面に投影した第1仮想点100Aと第2仮想点100Bとの初期位置、すなわち、仮想点100の初期位置の水平面における位置座標は、現実空間における所定の場所にゲームシステムが実装されてプレイ空間Rsが設定されるときに併せて設定され、以後、その設定が維持されてもよいし、1回のプレイごとに、ゲームが開始される前に設定されてもよい。
【0073】
図5が示すように、具体的には、第1仮想点100Aの初期位置SpAと第2仮想点100Bの初期位置SpBとは、水平面に投影した場合に、左右方向に沿って、所定の間隔である初期間隔を空けて並ぶように定められる。初期間隔は、すなわち、水平方向における第1仮想点100Aと第2仮想点100Bとの間の距離である仮想距離dvの初期値である。なお、水平方向は、左右方向および前後方向に平行な仮想面である水平面に沿った方向である。左右方向における第1仮想点100Aと第2仮想点100Bとの並ぶ順と、プレイ空間Rsにおけるゲーム開始時の第1プレイヤと第2プレイヤとの並ぶ順、すなわち、HMD20AとHMD20Bとの並ぶ順とが対応するように、仮想点100の設定およびプレイヤの配置が行われる。
【0074】
例えば、プレイ空間Rsにおいては、ゲーム開始時に第1プレイヤと第2プレイヤとが立つ予定の位置が定められ、これらの位置間の距離とは、初期間隔が異なるように、第1仮想点100Aの初期位置SpAと第2仮想点100Bの初期位置SpBとの水平面における位置座標が定められる。
【0075】
一例として、ゲーム開始時の第1プレイヤと第2プレイヤとの予定位置間の距離よりも、初期間隔が小さく設定されるとき、ゲーム開始時において、仮想距離dvは、HMD20AとHMD20Bとの間の現実距離drよりも小さくなる。こうした構成が、第1プレイヤと第2プレイヤとが互いに近づこうとする動作が発生するゲームにて採用されると、第1プレイヤと第2プレイヤとは、仮想空間Vsでの互いの距離をプレイ空間Rsでの互いの距離よりも近く認識するため、プレイ空間Rsにおいて第1プレイヤと第2プレイヤとが必要以上に接近することが抑えられる。結果として、HMD20の装着によりプレイ空間Rsでの互いの姿が見えない状態であっても、プレイ空間Rsにおいて第1プレイヤと第2プレイヤとが意図せず接触することが抑えられる。
【0076】
また他の例として、ゲーム開始時の第1プレイヤと第2プレイヤとの予定位置間の距離よりも、初期間隔が大きく設定されるとき、ゲーム開始時において、仮想距離dvは、HMD20AとHMD20Bとの間の現実距離drよりも大きくなる。こうした構成が、第1プレイヤと第2プレイヤとが互いに離れようとする動作が発生するゲームにて採用されると、第1プレイヤと第2プレイヤとは、仮想空間Vsでの互いの距離をプレイ空間Rsでの互いの距離よりも遠く認識するため、プレイ空間Rsにおいて第1プレイヤと第2プレイヤとが必要以上に離れることが抑えられる。結果として、現実空間において第1プレイヤや第2プレイヤがプレイ空間Rsから出てしまうことが抑えられる。
【0077】
本実施形態では、第1仮想点100Aの初期位置SpAと第2仮想点100Bの初期位置SpBとは、ゲーム開始時の第1プレイヤと第2プレイヤとの予定位置間の距離よりも、初期間隔が小さくなるように設定される。すなわち、ゲーム開始時において、仮想距離dvは、現実距離drよりも小さい。なお、前後方向における仮想点100の初期位置については、HMDの基準位置に基づいて設定されてもよく、こうした構成であっても、上述と同様の効果は得られる。
【0078】
<アバタの設定>
図6を参照して、アバタの設定の処理について説明する。本実施形態では、プレイヤの顔画像に基づいて、プレイヤごとのアバタが生成される。アバタの設定の処理は、ゲームの開始前に行われる。
【0079】
図6が示すように、まず、補助端末60にてプレイヤの顔画像が撮影される(ステップS10)。顔画像はプレイヤごとに撮影されてもよいし、第1プレイヤと第2プレイヤとの顔画像がまとめて撮影されてもよい。
【0080】
撮影により生成された顔画像情報は、補助端末60からゲーム処理装置10に送信される(ステップS11)。ゲーム処理装置10の画像生成部11bは、プレイヤごとに、顔画像情報から目や鼻や口の位置等の特徴を抽出し、抽出した特徴の反映された顔部分をCGにより表現して、アバタの顔部分の情報を生成する。そして、画像生成部11bは、ゲーム処理装置10に予め記憶されているコスチュームの情報と生成した顔部分の情報とを用いて、コスチュームに顔部分を組み込んだアバタを構成し、このアバタを描画するためのアバタ情報を生成する(ステップS12)。コスチュームには、例えば、服、靴、手袋、帽子、各種の装飾品等が含まれる。
【0081】
画像生成部11bは、生成したアバタ情報をプレイヤごとの識別情報と対応付け、プレイヤデータ12bに含めてデータ記憶部12に記憶させる(ステップS13)。
なお、コスチュームは、プレイヤによって選択可能であってもよい。例えば、補助端末60に選択可能な複数のコスチュームが表示され、プレイヤは、補助端末60を操作することによりコスチュームを選択する。選択されたコスチュームを示す情報は、補助端末60からゲーム処理装置10へ送信され、画像生成部11bは、選択されたコスチュームに顔画像情報から生成した顔部分を組み込むように、アバタ情報を生成する。
【0082】
仮想空間Vsにおいては、HMD20Aの位置に応じた位置、かつ、HMD20Aの向きに応じた向きに、第1プレイヤに対応するアバタが配置され、HMD20Bの位置に応じた向き、かつ、HMD20Bの向きに応じた向きに、第2プレイヤに対応するアバタが配置される。例えば、第1仮想点100Aの位置に第1プレイヤに対応するアバタの頭部が配置され、第2仮想点100Bの位置に第2プレイヤに対応するアバタの頭部が配置される。そして、各HMD20の移動、すなわち、各仮想点の移動に伴って、各アバタは移動される。
【0083】
アバタの頭部の位置は、HMD20の上下方向の位置に従って設定される。また、アバタの手の位置は、操作機30の位置および向きに応じて配置される武器の位置に合わせて設定され、アバタが武器を持っているように表現される。HMD20の上下方向の位置の変化に伴って、アバタの頭部の位置は変化し、アバタの頭部の位置に合わせて、アバタの胴部および脚部はしゃがんだりジャンプしたりするように表現されることが好ましい。
【0084】
また、プレイヤ自身によるアバタの確認のために、以下の処理が行われてもよい。すなわち、ゲームが行われるフィールドの画像が出力される前に、鏡の置かれた部屋等である仮想空間Vsの画像がHMD20に出力され、画像生成部11bは、HMD20の位置および向きに応じて、仮想空間Vs内の鏡に映っているように、プレイヤ自身に対応するアバタを含む画像情報を生成し、HMD20に出力してもよい。
【0085】
以上のようにアバタが設定される構成であれば、アバタの顔部分がプレイヤの顔画像に基づいて生成されるため、プレイヤに似たアバタが生成される。したがって、プレイヤとアバタとの相似性が高められ、プレイヤ自身、および、他のプレイヤやパブリックディスプレイ50を見ているユーザが、プレイヤの分身としてアバタにより親しみを感じるようになる。また、仮想空間Vsには、アバタの他にキャラクタ等の人型のオブジェクトが出現する場合があるため、従来のゲームでは、複数の人型のオブジェクトのなかから他のプレイヤのアバタを識別することが難しい場合がある。これに対し、本実施形態では、アバタの顔部分がプレイヤの顔画像に基づいて生成されるため、他のプレイヤのアバタを容易に識別することができる。
【0086】
さらに、アバタの頭部の位置が、HMD20の上下方向の位置に従って設定されるため、第1プレイヤと第2プレイヤとの身長の関係が、第1プレイヤのアバタと第2プレイヤのアバタとの身長の関係に反映される。また、上述のように仮想空間Vs内にて鏡に映る自身のアバタがプレイヤに視認される場合には、プレイヤには、アバタが自身と同等の身長を有するように見える。したがって、プレイヤとアバタとの相似性がより高められ、アバタに対する親しみがより大きくなる。
【0087】
[ゲーム構成]
図7図16を参照して、ゲームの進行のためにゲーム処理装置10にて行われる各種の処理について説明する。
【0088】
上述したように、本実施形態において、ゲームシステムの実現するゲームは、仮想空間Vs内を移動する敵を示す標的オブジェクトを、プレイヤが操作機30を操作することによって狙撃するゲームである。敵に対する攻撃には、大きく分けて、通常攻撃と同時攻撃と合体攻撃との3種類の攻撃がある。これらの攻撃について順に説明する。
【0089】
まず、攻撃の説明に先立ち、図7図9を参照して、プレイヤの移動を規制するための処理について説明する。本実施形態では、ゲームのプレイ中に、1つのプレイ空間Rsにおいて、2人のプレイヤが動作を行う。各プレイヤはHMD20を装着しているため、プレイ空間Rsにおける他のプレイヤの位置を目視によって確認することは困難である。それゆえ、こうした状況において、プレイ空間Rsにてプレイヤ同士が意図せず接触することを抑えるための方策が望まれる。特に、ゲームにおいて2人のプレイヤが互いに近づく動作が必要とされるとき、この方策の有用性は高い。以下、この方策について説明する。
【0090】
本実施形態では、プレイヤごとに、プレイヤの移動が許容される範囲、換言すれば、HMD20ごとに、HMD20の移動が許容される範囲が設定される。具体的な構成としては、ゲーム処理装置10にて、HMD20の移動に伴って移動する仮想点100の移動が許容される領域である移動許容領域が仮想空間Vs内に設定されている。
【0091】
図7が示すように、移動許容領域Msは、仮想点100の初期位置Spを囲む領域である。プレイヤの接触は、通常、プレイヤの水平方向への移動によって生じるため、移動許容領域Msは水平方向について、すなわち、前後方向および左右方向について範囲の定められた領域であればよい。例えば、仮想点100の初期位置Spを含む水平面内において、移動許容領域Msは、初期位置Spを中心とする円形の領域であり、この円形の領域と前後方向および左右方向の位置が一致する領域、すなわち、上記円形の領域から上下方向に延びる円柱形状の領域が、仮想空間Vsでの移動許容領域Msである。仮想点100の初期位置Spおよび移動許容領域Msの位置情報は、ゲーム空間データ12aに含まれて記憶されている。
【0092】
移動許容領域Msは、HMD20ごと、すなわち、仮想点100ごとに設定される。第1仮想点100Aに対する移動許容領域Msが第1許容領域MsAであり、第2仮想点100Bに対する移動許容領域Msが第2許容領域MsBである。第1許容領域MsAと第2許容領域MsBとは互いに離間し、これらの領域の重なる部分が生じないように設定される。例えば、移動許容領域Msは、前後方向において同じ位置に配置され、左右方向においては異なる位置に配置されている。
【0093】
ゲーム処理装置10の進行管理部11cは、所定の条件が成立した場合に、移動許容領域Msを示す表示である領域表示を仮想空間Vsに配置し、画像生成部11bは、領域表示を含めた画像情報を生成してHMD20に出力する。
【0094】
図8は、領域表示270を、移動許容領域Ms内に位置するアバタ250とともに示している。領域表示270は、周壁が網目によって構成された円筒形状のオブジェクトであり、移動許容領域Msの内側と外側との境界に位置することにより、移動許容領域Msの位置を示す。すなわち、領域表示270は、仮想点100の初期位置Spを囲んで上下方向に延びる筒状のオブジェクトである。
【0095】
なお、理解を容易にするために、図8では、領域表示270を、移動許容領域Msの外側からの視点で示している。プレイヤの視点、すなわち、移動許容領域Msの内側からの視点においては、円筒の内側からの視点で領域表示270の網目状の周壁が見え、網目の間から移動許容領域Msの外側の光景が見える。
【0096】
図9を参照して、領域表示270の表示と非表示との切り替え処理について説明する。図9に示すフローは、ゲーム処理装置10の進行管理部11cによって行われる処理であり、仮想点100の設定後に開始され、ゲームが継続されている間、繰り返される。処理の開始時において、領域表示270は表示されていない。図9に示す処理は、HMD20ごと、すなわち、HMD20に対応して設定された仮想点100ごとを対象として行われる。
【0097】
ステップS20において、進行管理部11cは、HMD20の移動に伴って移動される仮想点100のその時点での位置情報を参照して、仮想点100と、当該仮想点100に対して設定されている移動許容領域Msの外縁との間の距離である境界距離が所定の閾値以下であるか否かを判定する。なお、判定に用いられる境界距離は、仮想点100と移動許容領域Msの外縁との間の水平面上における最短距離である。
【0098】
境界距離が閾値よりも大きいとき(ステップS20:否定判定)、進行管理部11cは、ステップS20の処理を繰り返す。例えば、ゲームの開始直後のようにHMD20の基準位置からの移動が小さい場合には、仮想点100の初期位置からの移動も小さいため、ステップS20は否定判定となる。
【0099】
境界距離が閾値以下であるとき(ステップS20:肯定判定)、進行管理部11cは、ステップS21の処理として、領域表示270を仮想空間Vsの所定位置、すなわち移動許容領域Msの境界に配置するよう、仮想空間Vsにおけるオブジェクトの位置情報を更新する。更新された情報を用いて、画像生成部11bが、画像情報の生成および出力を行うことにより、HMD20に領域表示270が表示される。
【0100】
ステップS21の処理の後、進行管理部11cは、ステップS22の処理として、仮想点100のその時点での位置情報を参照して、境界距離が閾値を超えるか否かを判定する。境界距離が閾値以下であるとき(ステップS22:否定判定)、進行管理部11cは、ステップS22の処理を繰り返す。この間、HMD20には、移動許容領域Msの境界に領域表示270が表示され続ける。
【0101】
境界距離が閾値よりも大きいとき(ステップS22:肯定判定)、進行管理部11cは、ステップS23の処理として、仮想空間Vsから領域表示270を消すよう、仮想空間Vsにおけるオブジェクトの位置情報を更新する。更新された情報を用いて、画像生成部11bが、画像情報の生成および出力を行うことにより、HMD20には領域表示270が表示されなくなる。
【0102】
以後、進行管理部11cがステップS20~ステップS23の処理を繰り返すことにより、境界距離が閾値以下になるとHMD20に領域表示270が表示され、境界距離が閾値を超えると、領域表示270が非表示となる。
【0103】
上記構成によれば、仮想点100が、移動許容領域Msの外縁までの距離が閾値以下である領域に位置するとき、すなわち、プレイヤが移動の許容される範囲の外縁に近づいた場合に、HMD20に領域表示270が表示される。詳細には、仮想点100Aと第1許容領域MsAの外縁とが閾値以下まで近づいた場合に、HMD20Aに第1許容領域MsAを示す領域表示270が表示され、仮想点100Bと第2許容領域MsBの外縁とが閾値以下まで近づいた場合に、HMD20Bに第2許容領域MsBを示す領域表示270が表示される。
【0104】
これにより、プレイヤに移動許容領域Msを認識させ、仮想空間Vsでの自身の位置が移動許容領域Msから出ないように動くようプレイヤを誘導できる。したがって、プレイ空間Rsにてプレイヤの移動する範囲を規制することが可能であり、第1許容領域MsAと第2許容領域MsBとが互いに離間していることで、プレイ空間Rsにて第1プレイヤと第2プレイヤとが接触することも抑えられる。境界距離の閾値は、移動許容領域Msの大きさ等に応じて、適宜の距離に設定されればよい。
【0105】
なお、領域表示270は、常に表示されていてもよい。これによっても、上述と同様に、プレイヤに移動許容領域Msを認識させ、プレイ空間Rsにてプレイヤの移動する範囲を規制することが可能である。ただし、仮想点100と移動許容領域Msの外縁とが近づいたときにのみ、すなわち、仮想点100が移動許容領域Msから出るほどにプレイヤの移動が大きくなる可能性が高まったときにのみ、領域表示270を表示させる方が、領域表示270がプレイヤの視界を遮っている状態が続くことが抑えられる。その結果、領域表示270がプレイの障害となることが抑えられる。また、プレイヤに対して、移動の許容される領域の外縁にプレイヤの位置が迫っていることの注意喚起が可能である。
【0106】
また、領域表示270は、周壁が網目状である円筒形状のオブジェクトに限らず、移動許容領域Msを示す表示であればよい。例えば、領域表示270は、半透明な筒状もしくは柱状のオブジェクトであってもよい。ただし、領域表示270が筒状であると、移動許容領域Msの内側と外側との境界の識別が容易である。また、周壁が網目状であることにより、周壁が板状である場合と比較して、プレイヤの視界のなかで領域表示270によって遮られる部分を小さく抑えることが可能であり、その結果、領域表示270が表示されている状態であっても、プレイヤは仮想空間Vsにおける周囲の状況を認識しやすくなる。
【0107】
また、移動許容領域Msの形状は、ゲームにて要求されるプレイヤの動きに応じて円柱形状とは異なる形状に設定されていてもよく、この場合、領域表示270は、移動許容領域Msの形状に応じた形状のオブジェクトであればよい。
【0108】
また、領域表示270とともに、移動許容領域Msから出ないように動くことを求める文字や音声による案内が、HMD20を通じてプレイヤに行われてもよい。
なお、図9に示した処理は、仮想点100が移動許容領域Ms内に位置すると判定された場合の処理である。仮想点100が移動許容領域Msの外部に位置すると判定された場合には、ステップS21と同様の処理が行われ、仮想点100が移動許容領域Msの外部に位置する間、領域表示270が表示され続けることが好ましい。これにより、プレイヤに移動許容領域Msを認識させ、移動許容領域Msへの移動を誘導することができる。
【0109】
なお、パブリックディスプレイ50に出力される画像情報は、HMD20に出力される画像情報と同様に領域表示270を含んでいてもよいし、含まなくてもよい。
<通常攻撃>
図10を参照して、通常攻撃について説明する。
【0110】
プレイヤが、操作機30に対して、操作ボタンの押下等の所定の操作であるオン操作を行うと、オン操作を示す信号が、操作機30からHMD20を経由してゲーム処理装置10に入力され、ゲーム処理装置10は、操作機30におけるオン操作を検知する。
【0111】
オン操作が検知されると、進行管理部11cは、以下の処理を行う。すなわち、進行管理部11cは、図10が示すように、操作機30の位置および向きに基づいて仮想空間Vsに配置されている武器260の位置から、操作機30の向きに応じた方向に向けて、武器260から射出される光線等の攻撃を示すオブジェクトである効果オブジェクト220を配置するように、仮想空間Vsにおけるオブジェクトの位置情報を更新する。更新された情報を用いて、画像生成部11bが、画像情報の生成および出力を行うことにより、HMD20およびパブリックディスプレイ50に効果オブジェクト220が表示される。
【0112】
さらに、進行管理部11cは、敵を示す標的オブジェクト210のその時点での位置情報を参照して、効果オブジェクト220の指す方向に標的オブジェクト210が位置するか否かを判定し、効果オブジェクト220の指す方向に標的オブジェクト210が位置するとき、攻撃を有効と判定する。攻撃が有効であると判定したとき、進行管理部11cは、敵が倒されたことを示す表示を仮想空間Vsに設定する処理や、プレイヤに対する得点を記録する処理等の、敵を倒した場合の処理として定められている処理等を行う。
【0113】
また、進行管理部11cは、操作機30の位置および向きと標的オブジェクト210の位置情報とに基づき、武器260が指す方向に標的オブジェクト210が位置するとき、標的オブジェクト210に武器260の照準が合っていることを示す表示を仮想空間Vsに配置してもよい。こうした表示は、例えば、標的オブジェクト210に重ねられてターゲットを示す同心円状のマークに具体化される。
【0114】
ここで、標的オブジェクト210に関して設定され得る事項について説明する。
標的オブジェクト210に対しては、標的オブジェクト210の各々に関する情報が設定されている。この情報には、例えば体力を示す数値である体力値等の標的オブジェクト210に関連付けられたパラメータが含まれる。進行管理部11cは、攻撃が有効であると判定する度に、設定されている体力値を徐々に減じ、体力値が0になったときに、敵を倒した場合の処理を行ってもよい。すなわち、攻撃が標的オブジェクト210に所定の回数だけ当たったときに、あるいは、攻撃が標的オブジェクト210に当たっている状態が所定時間だけ続いたとき、敵を倒した場合の効果が現われる。こうした場合、標的オブジェクト210ごとに、体力値の残値を示すゲージ等の表示が、標的オブジェクト210の付近に配置されてもよい。また、標的オブジェクト210に関する情報には、体力値に加えてもしくは代えて、レベル、希少度、HP(Hit Point)、攻撃力、回復力、属性等が含まれていてもよい。
【0115】
また、倒しやすさの異なる複数の種類の標的オブジェクト210が出現してもよい。例えば、第2プレイヤからの攻撃よりも第1プレイヤからの攻撃で大きなダメージを受ける標的オブジェクト210と、第1プレイヤからの攻撃よりも第2プレイヤからの攻撃で大きなダメージを受ける標的オブジェクト210と、第1プレイヤからの攻撃と第2プレイヤからの攻撃とで同等のダメージを受ける標的オブジェクト210とが存在し、これらの標的オブジェクト210が色や形状等の外観によって識別可能であってもよい。
【0116】
上記複数の種類の標的オブジェクト210が出現するとき、進行管理部11cは、オン操作の行われた操作機30が、HMD20AとHMD20Bとのいずれに対応付けられた操作機30であるかと、標的オブジェクト210の種類とに基づいて、攻撃が有効であると判定された対象の標的オブジェクト210に与えるダメージ、すなわち、体力値の削減量を変えてもよい。なお、体力値の削減量が変えられることに限らず、例えば、一方のプレイヤからの攻撃に対しては体力値が削減され、他方のプレイヤからの攻撃に対しては体力値が削減されず標的オブジェクト210の移動が停止されることによってダメージに差がつけられてもよい。
【0117】
プレイヤに応じて倒しやすさの異なる複数の種類の標的オブジェクト210が存在することにより、例えば、各プレイヤが倒しやすい敵を倒すことに注力する等、ゲームを攻略するための作戦を立てて第1プレイヤと第2プレイヤとが協力したプレイを行うことが可能である。
【0118】
また、プレイヤに対する標的オブジェクト210からの攻撃が可能であってもよい。例えば、進行管理部11cは、標的オブジェクト210が、プレイヤの位置、すなわち仮想点100の位置に近接した所定の範囲内に位置することが所定の時間だけ継続した場合に、標的オブジェクト210からの攻撃を有効と判定する。具体的には、標的オブジェクト210がプレイヤに対応するアバタに所定の時間だけ張り付いていた場合に、攻撃が有効とされる。各プレイヤには、プレイヤに関する情報が関連付けられており、この情報には、例えば体力値や、ダメージを受けてもゲームを継続できる回数等のゲームの継続に関わるパラメータが含まれる。進行管理部11cは、標的オブジェクト210からの攻撃が有効であると判定したとき、上記パラメータを減じる。こうしたパラメータを示すゲージ等の表示は、例えば、武器260の付近等、仮想空間Vsにおいてプレイヤから視認可能な範囲に配置される。パラメータが、ゲームの継続が不可とされる値まで削減されると、プレイヤは攻撃等のプレイができなくなる。
【0119】
このとき、一方のプレイヤよりも他方のプレイヤからの攻撃に対し大きなダメージを受ける標的オブジェクト210が、上記一方のプレイヤを攻撃するように設定されていれば、一方のプレイヤを攻撃している標的オブジェクト210を、他方のプレイヤが攻撃して大きなダメージを与えて倒すことで、一方のプレイヤを助けることができる。これによっても、第1プレイヤと第2プレイヤとが協力したプレイを行うことが可能である。
【0120】
なお、上記ゲームの継続に関わるパラメータは、標的オブジェクト210を倒すことで回復可能であってもよい。例えば、進行管理部11cは、所定の標的オブジェクト210が倒されたと判定したとき、あるいは、所定の数の標的オブジェクト210が倒されたと判定したとき、例えば体力値を上昇させる等のように、上記パラメータを上昇させる。
【0121】
第1プレイヤと第2プレイヤとの双方について、上記パラメータが、ゲームの継続が不可とされる値まで削減されたとき、ゲームは終了する。一方のプレイヤのみについて、上記パラメータが、ゲームの継続が不可とされる値まで削減されたときは、一方のプレイヤはプレイを行うことができず、他方のプレイヤのみによってゲームが継続される。プレイのできないプレイヤは、例えばグレイアウト等、アバタの表示状態(色相、彩度、明度等の少なくとも一つ)を変化させて表示することによって示されてもよい。また、このプレイヤのHMD20には、仮想空間Vsの表示状態(色相、彩度、明度等の少なくとも一つ)等を変化させて表示させることで、プレイができない状態であることが示唆されてもよい。こうした場合、プレイができない方のプレイヤの上記パラメータは、時間が経過すること、あるいは、他方のプレイヤが所定の課題を達成することによって回復し、プレイが再開されてもよい。
【0122】
なお、上記標的オブジェクト210やプレイヤについての設定に関する情報、すなわち、標的オブジェクト210ごとの種類や体力値、プレイヤの上記パラメータを示す情報等は、ゲーム進行データ12cに含まれてデータ記憶部12に記憶され、ゲームの進行に応じて更新される。一例として、ゲーム進行データ12cを構成するデータのうち、上記ゲームの継続に関わるパラメータを示す情報を含め、プレイヤに関する情報から構成されるデータを図11に示す。
【0123】
<同時攻撃>
図12を参照して、同時攻撃について説明する。同時攻撃は、第1プレイヤと第2プレイヤとが、同一の標的オブジェクト210を同時に攻撃する攻撃である。
【0124】
進行管理部11cは、同一の標的オブジェクト210を対象として、第1プレイヤによる攻撃、すなわち、操作機30Aのオン操作に基づく攻撃が有効であるという判定と、第2プレイヤによる攻撃、すなわち、操作機30Bのオン操作に基づく攻撃が有効であるという判定とが同時に成立したとき、同時攻撃が成立したと判定する。同時攻撃が成立したと判定したとき、進行管理部11cは、特殊な効果である第1の効果を発現させる処理を行う。
【0125】
特殊な効果は、通常攻撃が有効であると判定されたときに生じる効果とは異なる効果であって、プレイヤが標的オブジェクト210への攻撃を通常攻撃よりも有利に行うことのできる効果である。例えば、第1の効果は、通常攻撃よりも攻撃力を高める効果であってもよい。すなわち、進行管理部11cは、第1の効果を発現させる処理として、各プレイヤが別々に通常攻撃を行ったときの合計の削減量よりも、標的オブジェクト210に設定されている体力値等のパラメータを大きく減じてもよい。また例えば、第1の効果は、標的オブジェクト210の動きを止めることであってもよいし、標的オブジェクト210の弱点部分として、他の部分よりも攻撃が当たった場合に大きなダメージを受ける部分を露出等させて識別可能に表示することであってもよい。
【0126】
また、進行管理部11cは、第1の効果の発現に伴って、HMD20での表示が変わるように、仮想空間Vsの構成を変更することが好ましい。例えば、図12が示すように、進行管理部11cは、効果オブジェクト220を通常攻撃の場合よりも目立つオブジェクトに変更してもよい。これにより、プレイヤは第1の効果の発現を視覚的に把握できる。なお、図12においては、仮想空間Vsを第1プレイヤと第2プレイヤとの背後の視点から見た図として、同時攻撃が行われている状態を示している。
【0127】
さらに、同一の標的オブジェクト210の特定の部分に攻撃が当たっている場合に、同時攻撃が成立したと判定されて第1の効果が発現してもよい。例えば、図12が示すように、標的オブジェクト210が示す敵の2つの手の部分のうちの一方に、一方のプレイヤの攻撃が当たり、2つの手の部分のうちの他方に、他方のプレイヤの攻撃が当たっているときに、同時攻撃が成立したと判定されてもよい。この場合、進行管理部11cは、2つの手の部分の位置情報を参照し、2つの手の部分のうちの一方を対象として、操作機30Aのオン操作に基づく攻撃が有効であるという判定が成立し、同時に、2つの手の部分のうちの他方を対象として、操作機30Bのオン操作に基づく攻撃が有効であるという判定が成立したとき、同時攻撃が成立したと判定する。これに基づき、第1の効果が発現される。
【0128】
なお、進行管理部11cは、武器260Aと武器260Bとが指す方向に同一の標的オブジェクト210が位置するとき、標的オブジェクト210に武器260の照準が合っていることを示す表示として、通常攻撃とは色や大きさや形状の異なる表示を仮想空間Vsに配置してもよい。
【0129】
以上のように、同時攻撃が可能であることにより、第1プレイヤと第2プレイヤとが、同時攻撃を成立させるため、すなわち、第1の効果を発現させるために協力したプレイを行うことが可能である。
【0130】
<合体攻撃>
図13図15を参照して、合体攻撃について説明する。合体攻撃は、3つの条件が満たされたときに発動の条件が成立したと判定される。第1の条件は、プレイヤがゲームにて所定の課題を達成していることである。第2の条件は、HMD20Aの移動に伴って移動される第1仮想点100Aと、HMD20Bの移動に伴って移動される第2仮想点100Bとの間の水平方向での距離である仮想距離dvが、所定の距離である基準距離以下であることである。第3の条件は、操作機30にて所定の操作が行われたことである。これらの3つの条件について、順に説明する。
【0131】
第1の条件における所定の課題は、例えば、所定の標的オブジェクト210を所定の数だけ倒すことや、標的オブジェクト210を倒すことによって所定の得点を得ること等、通常攻撃や合体攻撃を繰り返すことで達成できる課題に設定される。プレイヤごとに課題が設定され、第1プレイヤと第2プレイヤとの少なくとも一方が課題を達成した場合に第1の条件が満たされてもよいし、第1プレイヤと第2プレイヤとの双方が課題を達成した場合に第1の条件が満たされてもよい。また、課題は、第1プレイヤと第2プレイヤとが倒した標的オブジェクト210の合計数が所定数となること等のように、第1プレイヤと第2プレイヤとに共有される課題であってもよい。
【0132】
第1の条件が満たされているか否かをプレイヤが把握することができるように、課題の達成状況を示すゲージ等の表示が、例えば、武器260の付近等、仮想空間Vsにおいてプレイヤから視認可能な範囲に配置される。進行管理部11cは、プレイの進行に応じて、課題の達成状況を、先の図11に例示したようにゲーム進行データ12cに含めてデータ記憶部12に記録する。
【0133】
第2の条件において、基準距離は、第1仮想点100Aに対する移動許容領域Msである第1許容領域MsAと、第2仮想点100Bに対する移動許容領域Msである第2許容領域MsBとの間の水平方向での最短距離以上に設定される。すなわち、第1仮想点100Aが第1許容領域MsAに位置し、第2仮想点100Bが第2許容領域MsBに位置しているときに、仮想距離dvが基準距離以下となることが起こり得るように、基準距離が設定される。
【0134】
図13が示すように、第2の条件が満たされているか否かをプレイヤが把握することができるように、仮想距離dvが基準距離以下であるか否かを識別可能とする表示である範囲表示280が仮想空間Vsに配置される。範囲表示280は、例えば、2つの円環状のオブジェクトであるリングオブジェクト280A,280Bから構成され、リングオブジェクト280A,280Bは、各プレイヤに対応するアバタ250を囲む位置に1つずつ配置される。すなわち、一方のリングオブジェクト280Aは、水平面内での座標が第1仮想点100Aと一致する点、すなわち、第1仮想点100Aを通って上下方向に延びる直線上の点を中心にアバタ250Aを囲み、他方のリングオブジェクト280Bは、水平面内での座標が第2仮想点100Bと一致する点を中心にアバタ250Bを囲んでいる。リングオブジェクト280A,280Bの配置される上下方向の位置は、例えば、仮想空間Vsにおける床面から仮想点100までの任意の位置であればよい。各リングオブジェクト280A,280Bの半径は、基準距離の1/2の長さであり、2つのリングオブジェクト280A,280Bが重なるとき、すなわち、一方のリングオブジェクト280Aに囲まれる領域と他方のリングオブジェクト280Bに囲まれる領域とに、水平面における位置座標が一致する領域が含まれるとき、仮想距離dvは基準距離以下となる。
【0135】
したがって、第1プレイヤと第2プレイヤとは、2つのリングオブジェクト280A,280Bが重なっているか否かによって、第2の条件が満たされているか否かを判断可能であり、2つのリングオブジェクト280A,280Bが重なるように動くことで、第2条件を成立させることができる。
【0136】
範囲表示280は、常に表示されていてもよいが、第1の条件と第3の条件との少なくとも一方が成立しているときに表示されることが好ましく、特に、第1の条件が成立しているときに表示されることが好ましい。合体攻撃の可能な条件が満たされつつあるときにのみ範囲表示280が表示される形態の方が、範囲表示280がプレイヤの視界に入って視界を遮り得る状態が続くことが抑えられ、また、プレイヤに対して、合体攻撃の可能な条件が満たされつつあることの注意喚起も可能である。
【0137】
なお、図13においては、理解を容易にするために、第1プレイヤと第2プレイヤとの背後の視点から、各プレイヤに対応するアバタ250の周囲にリングオブジェクト280A,280Bが配置された状態を示している。各プレイヤの視点では、自身の周囲に自身を取り囲むリングオブジェクト280A,280Bが見え、かつ、他のプレイヤに対応するアバタ250の周囲に、そのアバタ250を取り囲むリングオブジェクト280A,280Bが見える。
【0138】
第3の条件における所定の操作は、例えば、操作ボタンの長押し等であって、通常攻撃を行うための操作とは異なる操作に設定されることが好ましい。第3の条件は、第1プレイヤと第2プレイヤとの双方が所定の操作を行うこと、すなわち、操作機30Aと操作機30Bとの双方で所定の操作が行われることによって満たされてもよいし、操作機30Aと操作機30Bとの少なくとも一方で所定の操作が行われることによって満たされてもよい。またあるいは、第3の条件における所定の操作として、操作機30Aと操作機30Bとに対し互いに異なる操作が設定され、各操作機30にて所定の操作が行われることで、第3の条件が満たされてもよい。
【0139】
図14を参照して、合体攻撃の実施のためにゲーム処理装置10の進行管理部11cが行う処理について説明する。図14に示すフローは、ゲームが継続されている間、繰り返される処理である。
【0140】
ステップS30の処理において、進行管理部11cは、ゲーム進行データ12cを参照して、第1の条件が満たされているか、すなわち、課題が達成されているか否かを判定する。第1の条件が満たされていないとき(ステップS30:否定判定)、進行管理部11cは、ステップS30の処理を繰り返す。
【0141】
第1の条件が満たされると(ステップS30:肯定判定)、進行管理部11cは、ステップS31の処理として、範囲表示280であるリングオブジェクト280A,280Bを仮想空間Vs内の各アバタ250を囲む位置に配置するよう、仮想空間Vsにおけるオブジェクトの位置情報を更新する。更新された情報を用いて、画像生成部11bが、画像情報の生成および出力を行うことにより、HMD20およびパブリックディスプレイ50に範囲表示280が表示される。
【0142】
ステップS31の処理の後、進行管理部11cは、ステップS32の処理として、各仮想点100のその時点での位置情報を参照して、第2の条件が満たされているか、すなわち、仮想距離dvが基準距離以下であるか否かを判定する。第2の条件が満たされていないとき(ステップS32:否定判定)、進行管理部11cは、ステップS32の処理を繰り返す。
【0143】
第2の条件が満たされているとき(ステップS32:肯定判定)、進行管理部11cは、ステップS33の処理として、HMD20から入力される操作機30での操作を示す信号を参照して、第3の条件が満たされているか、すなわち、操作機30にて所定の操作が検出されたか否かを判定する。第3の条件が満たされていないとき(ステップS33:否定判定)、進行管理部11cは、ステップS32およびステップS33の処理、すなわち、第2の条件と第3の条件とが成立しているかを判定する処理を繰り返す。
【0144】
第3の条件が満たされているとき(ステップS33:肯定判定)、進行管理部11cは、ステップS34の処理として、合体攻撃を発動させる処理、すなわち、特殊な効果である第2の効果を発現させる処理を行う。なお、3つの条件は、同時に満たされていることを要する。ステップS32およびステップS33の処理を通じて、進行管理部11cは第2の条件と第3の条件とが同時に満たされているか否か、すなわち、仮想距離dvが基準距離以下であるときに、操作機30にて所定の操作が行われたか否かを判定する。
【0145】
第2の効果は、通常攻撃が有効であると判定されたときに生じる効果とは異なる効果であって、第1の効果よりもさらに、プレイヤが標的オブジェクト210への攻撃を有利に行うことのできる効果である。例えば、第2の効果は、通常攻撃および同時攻撃よりも攻撃力を高める効果であってもよい。すなわち、進行管理部11cは、第2の効果を発現させる処理として、通常攻撃や同時攻撃を行った時の削減量よりも、合体攻撃が有効とされた標的オブジェクト210の体力値等のパラメータを大きく減じてもよい。合体攻撃が有効か否かの判定は、通常攻撃が有効か否かの判定と同様に行われる。
【0146】
また、進行管理部11cは、第2の効果の発現に伴って、HMD20での表示が変わるように、仮想空間Vsの構成を変更することが好ましい。例えば、図15が示すように、進行管理部11cは、効果オブジェクト220を通常攻撃および同時攻撃の場合よりも目立つオブジェクトに変更してもよい。これにより、プレイヤは第2の効果の発現を視覚的に把握できる。なお、図15においては、第1プレイヤと第2プレイヤとの背後の視点から見た図として、合体攻撃が行われている状態を示している。
【0147】
図15は、効果オブジェクト220が、第1プレイヤのアバタ250Aが所持する武器260Aと、第2プレイヤのアバタ250Bが所持する武器260Bとの各々から射出されるように配置された例を示している。これに代えて、効果オブジェクト220は、武器260Aと武器260Bとから1つの効果オブジェクト220が射出されるように配置されてもよい。すなわち、合体攻撃は、条件が成立した際に、第1プレイヤと第2プレイヤとの各々から1つもしくは各別の標的オブジェクト210に対して行われてもよいし、第1プレイヤと第2プレイヤからまとめて1つの標的オブジェクト210に対して行われてもよい。
【0148】
第2の効果は、上述の3つの条件が成立している期間のみ持続してもよいし、第2の効果の発現後、3つの条件のいずれかが満たされなくなった場合であっても、第2の効果が持続し続けてもよい。具体的には、第2の効果の発現後、仮想距離dvが基準距離以下である期間のみ効果が持続してもよいし、第2の効果の発現後、仮想距離dvが基準距離を超えた場合であっても、効果が持続してもよい。第2の効果は、例えば、所定の時間だけ持続したのち、消失する。第2の効果が消失するとき、第1の条件の課題の達成状況が初期状態に戻され、再度、3つの条件を満たすようにプレイヤがゲームを進行させることで、合体攻撃が可能となる。
【0149】
また、第2の効果が持続していること、すなわち、合体攻撃が発動していることが、武器260の表示が切り換えられることによって識別可能とされてもよい。例えば、合体攻撃の発動期間が開始されたことが、武器260における光線等の射出部分が開く等のように、武器260が変形することによって示され、合体攻撃の発動期間が終了したことが、武器260における上記射出部分が閉じる等のように、武器260の変形が元に戻されることによって示されてもよい。あるいは、合体攻撃が発動している間、武器260が、通常攻撃や同時攻撃と異なる外観の武器に変更されてもよい。こうした構成によれば、プレイヤが合体攻撃の発動期間の開始と終了とを容易に認識できる。
【0150】
なお、進行管理部11cは、第2の効果が持続している間、武器260が指す方向に標的オブジェクト210が位置するとき、標的オブジェクト210に武器260の照準が合っていることを示す表示として、通常攻撃および同時攻撃とは色や大きさや形状の異なる表示を仮想空間Vsに配置してもよい。
【0151】
以上のように、合体攻撃が可能であることにより、第1プレイヤと第2プレイヤとが、合体攻撃を発動させるために、すなわち、第2の効果を発現させるために協力したプレイを行うことが可能である。特に、合体攻撃の発動の条件に、仮想距離dvが基準距離以下であることが含まれるため、第1プレイヤと第2プレイヤとは、仮想空間Vsでの互いの距離が基準距離以下となるように協力して動作しようとする。したがって、仮想空間Vsで協力することと、協力時におけるプレイ空間Rsでの2人のプレイヤの相互の動作の関係との関わりを深めることが可能となる。仮想距離dvを基準距離以下とすることは、ゲームに参加する2人のプレイヤがHMD20を装着しており、1つのプレイ空間Rsでの各プレイヤの動作が検出されるVRゲームにおいて設定可能な特有の条件である。すなわち、上記合体攻撃が可能であることにより、第1プレイヤと第2プレイヤとの協力したプレイとして、2人のプレイヤの動作が検出可能であることを生かしたプレイが可能であるため、ゲームの独自性を高めることができる。そして、ゲームに対するユーザの関心が高められ、ひいては、ゲームに参加するユーザの数を増加させることが可能となる。
【0152】
また、第1の効果と第2の効果とが異なる場合、同時攻撃と合体攻撃とを連続して行うことにより、敵を効率的に倒すことができる。特に、第1の効果が、標的オブジェクト210の動きを止めることや、標的オブジェクト210の弱点部分を露出等させて識別可能に表示すること等、プレイヤの攻撃に対する標的オブジェクト210の耐性を弱める効果であり、第2の効果が、プレイヤの攻撃の攻撃力を高める効果であれば、同時攻撃と合体攻撃との連携が効果的に機能する。
【0153】
<合体攻撃の変形例>
合体攻撃の変形例について説明する。上述の合体攻撃においては、HMD20の移動に伴って移動される仮想点100間の距離が基準距離以下であることが、合体攻撃の発動の条件の1つである第2の条件とされた。これに代えて、操作機30の移動に伴って移動される仮想空間Vs内の点間の距離が所定の距離以下であることが、第2の条件とされてもよい。すなわち、操作機30Aの位置および向きの特定に基づいて、操作機30Aの移動に合わせて移動される仮想点が仮想空間Vsに設定される。この仮想点は、仮想空間Vsでの操作機30Aおよび第1プレイヤの手の位置に対応し、武器260Aの配置の基準とされる点である。同様に、操作機30Bの位置および向きの特定に基づいて、操作機30Bの移動に合わせて移動される仮想点が仮想空間Vsに設定される。そして、操作機30Aに対応する仮想点と操作機30Bに対応する仮想点との間の水平方向での距離が所定の距離以下であることが、第2の条件とされる。
【0154】
この場合も、仮想点間の距離が所定の距離以下であるか否かを示す範囲表示280が仮想空間Vsにて武器260の周囲等に配置されることが好ましい。なお、合体攻撃の発動の条件に、HMD20の位置に対応する仮想点間の距離が用いられる場合であれ、操作機30の位置に対応する仮想点間の距離が用いられる場合であれ、範囲表示280は、円環状のオブジェクトでなくてもよく、仮想点間の距離が所定の距離以下であるか否かを識別可能とする表示であればよい。例えば、範囲表示280は、仮想点間の距離と所定の距離との差をゲージ等によって示す表示であってもよい。
【0155】
上記構成によっても、合体攻撃の発動のために、第1プレイヤと第2プレイヤとは、仮想空間Vsでの操作機30間の距離が、所定の距離以下となるように協力して動作しようとする。したがって、2人のプレイヤの動作が検出可能であることを生かして、第1プレイヤと第2プレイヤとの協力したプレイが可能である。
【0156】
すなわち、合体攻撃の発動に要する条件は、第2の条件として、プレイ空間Rsにおける第1プレイヤの位置に合わせて仮想空間Vsで移動される第1位置と、プレイ空間Rsにおける第2プレイヤの位置に合わせて仮想空間Vsで移動される第2位置との間の距離が所定の距離以下であることを含めばよい。第1プレイヤの位置と第2プレイヤの位置とは、各プレイヤにおけるどの部分の位置であってもよい。例えば、プレイヤの位置が、HMD20で検出された情報に基づき特定される位置であるとき、プレイヤの位置は、すなわち、プレイヤの頭部の位置である。また例えば、プレイヤの位置が、操作機30で検出された情報に基づき特定される位置であるとき、プレイヤの位置は、すなわち、プレイヤの手の位置である。また例えば、プレイヤが胴や脚に位置検出のための装置を装着し、これらの装置にて検出された情報に基づいてプレイヤの位置が特定される場合には、プレイヤの位置は、当該装置の装着されている部位の位置である。
【0157】
そして、第1位置と第2位置とは、プレイヤの位置に合わせて仮想空間Vsで移動される位置であればよい。具体的には、第1位置と第2位置とは、HMD20の位置に基づいて設定される仮想点100そのものの位置であってもよいし、仮想点100を、水平面等の、仮想空間Vs内に設定される仮想的な平面に投影した位置であってもよい。上述の図13図15を参照して説明した形態においては、第1位置と第2位置との各々は、仮想点100を水平面に投影した位置であり、換言すれば、仮想点100の水平面における位置座標により規定される位置である。また、第1位置と第2位置とは、操作機30の位置に基づいて設定される仮想点そのものの位置であってもよいし、この仮想点を、仮想空間Vs内に設定される仮想的な平面に投影した位置であってもよい。上述の合体攻撃の変形例として説明した形態においては、第1位置と第2位置との各々は、操作機30の位置に基づいて設定される仮想点を水平面に投影した位置である。
【0158】
なお、上述の合体攻撃の各形態において、合体攻撃の発動の条件には、少なくとも、第2の条件、すなわち、第1位置と第2位置との間の距離が所定の距離以下であることが含まれればよい。換言すれば、第2の条件が満たされることのみによって、合体攻撃の発動の条件が成立したと判定されてもよいし、第2の条件と第1の条件および第3の条件のいずれかとが満たされたときに、合体攻撃の発動の条件が成立したと判定されてもよい。さらに、合体攻撃の発動には、第2の条件に加えて、第1の条件および第3の条件とは異なる条件が必要とされてもよい。合体攻撃の発動の条件に第2の条件が含まれる構成であれば、2人のプレイヤの動作が検出可能であることを生かしたプレイとして、第1プレイヤと第2プレイヤとの協力したプレイが実現できる。
【0159】
また、第2の条件は、第1位置と第2位置との間の距離が予め設定された所定の範囲内である場合に満たされたと判定されればよい。この範囲は、上述のように上限のみを有する範囲に限らず、下限と上限とを有する範囲あるいは下限のみを有する範囲であってもよい。
【0160】
また、合体攻撃の他の変形例として、第1プレイヤと第2プレイヤとが手を繋ぐことが、第2の条件とされてもよい。例えば、図16が示すように、第1プレイヤP1と第2プレイヤP2とは、操作機30として、手袋状、あるいは、手首や手の甲や指等に装着可能な形状を有する操作機30を装着する。第1プレイヤP1の装着する操作機30Aの位置と、第2プレイヤP2の装着する操作機30Bの位置との各々は、各操作機30のトラッキング情報検出部32による検出結果に基づき、これらの操作機30A,30Bの移動に追従して、ゲーム処理装置10にて特定されている。操作機30Aの位置と操作機30Bの位置との間の距離が、第1プレイヤP1と第2プレイヤP2とが手を繋いでいると見做せる程度に小さいとき、進行管理部11cは、第2の条件が満たされたと判定する。
【0161】
これによっても、2人のプレイヤの動作が検出可能であることを生かして、第1プレイヤと第2プレイヤとの協力したプレイが可能である。なお、上記構成において、第1プレイヤP1と第2プレイヤP2とがHMD20に表示される画像を見ながら互いに手を繋ぐことを容易に行えるようにするためには、以下の構成が採用されることが好ましい。すなわち、HMD20に表示される画像にて把握されるプレイヤ間の距離、つまり、仮想空間Vsにおける第1仮想点100Aと第2仮想点100Bとの間の距離と、プレイ空間RsにおけるHMD20AとHMD20Bとの間の距離との比が一定であるように、HMD30間の距離の変化に伴って仮想点100間の距離が変化することが好ましい。
【0162】
[ゲーム終了後の処理]
プレイヤが所定の課題を達成してゲームの攻略が完了した場合や、プレイヤに設定されているパラメータが、ゲームの継続が不可とされる値まで削減された場合や、所定の時間が経過した場合等に、ゲームは終了する。その後、プレイヤに対して、ゲームへの参加の記録を提供するために行われる処理について、図17を参照して説明する。
【0163】
図17が示すように、ゲーム処理装置10の進行管理部11cは、仮想空間Vsにて第1プレイヤのアバタ250Aと第2プレイヤのアバタ250Bとに対して写真撮影が行われるように、仮想空間Vsにおけるオブジェクトの位置情報を更新する(ステップS40)。例えば、ドローン等の飛行物を模したオブジェクトが、カメラを搭載して仮想空間Vs内を飛行し、数秒程度の所定期間の経過後、アバタ250の前でシャッターを切って撮影を行うように、進行管理部11cは、仮想空間Vsの構成を決定する。更新された情報を用いて、画像生成部11bが、画像情報の生成および出力を行うことにより、HMD20およびパブリックディスプレイ50に仮想空間Vsでの写真撮影の光景が表示される。なお、仮想空間Vsに配置されたカメラのオブジェクトやカメラのアイコンをプレイヤが選択することによって撮影が行われるようにしてもよい。
【0164】
仮想空間Vsでの撮影の際には、プレイヤがゲームにて獲得した得点等の記録が、カメラの付近に表示されてもよい。また、カメラの付近に鏡が配置され、プレイヤは鏡に映して自身のアバタを見ることにより、撮影に際して所望のポーズをとってそのポーズを確認することが可能であってもよい。
【0165】
続いて、ゲーム処理装置10の画像生成部11bは、仮想空間Vsで写真撮影が行われたときの、HMD20Aの位置および向き、操作機30Aの位置および向き、HMD20Bの位置および向き、操作機30Bの位置および向きを参照し、これらの位置および向きに従った仮想空間Vsの画像である記録画像の画像情報を生成する(ステップS41)。詳細には、画像生成部11bは、HMD20Aと操作機30Aとの位置および向きに従ってアバタ250Aおよび武器260Aを配置し、HMD20Bと操作機30Bとの位置および向きに従ってアバタ250Bおよび武器260Bを配置し、カメラの位置からこれらのアバタ250の方向を見た仮想空間Vsの画像情報を生成する。生成された記録画像の画像情報は、プレイヤデータ12bに含められてデータ記憶部12に記憶される(ステップS42)。
【0166】
なお、画像生成部11bは、プレイヤが獲得した得点等、ゲームにおけるプレイヤの達成度に応じて、記録画像の構成を変更してもよい。例えば、画像生成部11bは、達成度が高いとき、アバタ250の表情が嬉しそうな表情であるように記録画像を構成し、達成度が低いとき、画像生成部11bは、アバタ250の表情が悲しそうな表情であるように記録画像を構成してもよい。
【0167】
続いて、画像生成部11bは、記録画像を外部端末に対して提供するための提供情報をパブリックディスプレイ50に出力する(ステップS43)。パブリックディスプレイ50は、ゲーム処理装置10からの入力に基づいて、提供情報を表示する(ステップS44)。
【0168】
提供情報は、例えば、記録画像の画像情報をダウンロード可能なウェブサイトのURL等であり、プレイヤが所持するスマートフォン等の携帯端末によって読み取り可能な二次元コード等によって表されることが好ましい。記録画像の画像情報は、上記ウェブサイトを構築するウェブサーバに保存される。このウェブサーバはゲーム処理装置10が構成する装置であってもよいし、ゲーム処理装置10とは別の装置であってもよい。ウェブサーバがゲーム処理装置10とは別の装置である場合、記録画像の画像情報は、ゲーム処理装置10からウェブサーバに送信され、ダウンロード可能に当該ウェブサーバに記憶される。
【0169】
プレイヤは、提供情報を通じて記録画像の画像情報をダウンロードすることにより、ゲームへの参加の記録として、記録画像を利用することができる。したがって、ゲームに対するプレイヤの満足感を高めることや、ゲームへの再度の参加への意欲を高めることも可能である。また例えば、記録画像がSNS等を通じてプレイヤにより公開されれば、ゲームの宣伝効果が得られ、ゲームへの参加を希望するユーザの増加にもつながる。
【0170】
また、提供情報に加えて、記録画像の画像情報がゲーム処理装置10からパブリックディスプレイ50に出力され、パブリックディスプレイ50に記録画像が表示されてもよい。こうした構成によれば、プレイ空間Rsの周囲に位置するユーザも記録画像を見ることが可能であり、こうしたユーザのゲームへの参加に対する意欲を高めることも可能である。
【0171】
なお、ゲーム処理装置10から提供情報や記録画像の画像情報が出力される装置は、パブリックディスプレイ50に限らず、プレイ空間Rs内もしくはその付近でプレイヤが利用可能な端末であればよく、例えば、補助端末60であってもよい。
【0172】
[ハードウェア構成]
図18を参照して、本実施形態のゲーム処理装置10のハードウェア構成について説明する。
【0173】
図18は、ゲーム処理装置10の例を示す図である。ゲーム処理装置10はデスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯情報端末(PDA)、サーバ、他の種類のコンピュータ等である。なお、図18に示す構成と各構成の接続関係は一例である。
【0174】
ゲーム処理装置10は、プロセッサ501およびメモリ502を有する。また、ゲーム処理装置10は、ノースブリッジ503、サウスブリッジ504および記憶装置505を有する。プロセッサ501、メモリ502、各ブリッジ503,504は各種バス506を用いて相互に接続されている。プロセッサ501は、ゲームの進行を司るとともに、ノースブリッジ503に接続されるHMD20等に画像を出力する。なお、ゲーム処理装置10は、複数のプロセッサを有していてもよく、複数のメモリを有していてもよい。
【0175】
メモリ502は、ノースブリッジ503に接続され、ゲーム処理に関する情報をプロセッサ501に出力する。例えば、メモリ502は、揮発性記憶装置、または、不揮発性記憶装置である。また、メモリ502は、磁気または光ディスク等の記憶媒体である。
【0176】
記憶装置505は、サウスブリッジ504に接続され、ゲーム処理に関する情報をプロセッサ501に出力する。例えば、記憶装置505は、ハードディスク装置、光ディスク装置、フラッシュメモリ、または、その他の記憶装置である。
【0177】
ノースブリッジ503は、HMD20に接続される。サウスブリッジ504は、拡張ポート507に接続されている。拡張ポート507は、各種の通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスイーサネット)を含んでいてもよく、キーボード、マウス、ネットワーク装置等の入出力装置に接続されてもよい。
【0178】
上記構成において、プロセッサ501、メモリ502、および、ノースブリッジ503がゲーム制御部11に対応し、メモリ502および記憶装置505が、データ記憶部12に対応する。
【0179】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)第1プレイヤの位置に合わせて仮想空間Vsで移動される第1位置と、第2プレイヤの位置に合わせて仮想空間Vsで移動される第2位置との間の距離が所定の範囲内であることが、ゲームにおいて特殊な効果を現す条件に含まれる。したがって、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であることを満たすように互いに協力することを通じて、第1プレイヤと第2プレイヤとは、ゲームにおいて各プレイヤの目的となり得る特殊な効果を現すことが可能となる。それゆえ、複数のプレイヤによる協力したプレイの実現が可能となる。
【0180】
特に、第1位置と第2位置との間の距離を所定の範囲内とするための動作は、現実空間において第1プレイヤと第2プレイヤとの間の距離を変える動作となる。そのため、仮想空間Vsで協力することと、協力時におけるプレイ空間Rsでの2人のプレイヤの相互の動作の関係との関わりを深めることが可能となる。したがって、2人のプレイヤの動作が検出可能であることを生かしたプレイが可能であるため、ゲームの独自性を高めることができる。
【0181】
(2)上記第1プレイヤの位置と第2プレイヤの位置とが、HMD20にて検出される情報に基づいて特定される構成であれば、第1プレイヤと第2プレイヤとの頭部の位置に合わせて、仮想空間Vsにおける第1位置と第2位置との間の距離が変わる。したがって、プレイヤの手の位置を基準として第1位置と第2位置とが移動される場合と比較して、特殊な効果を発現させる条件を満たすために、第1プレイヤと第2プレイヤとに胴体部分も含めた大きな動きが要求される。それゆえ、プレイヤが協力したプレイを行っているという体感を大きくすることができる。
【0182】
一方、上記第1プレイヤの位置と第2プレイヤの位置とが、操作機30にて検出される情報に基づいて特定される構成であれば、第1プレイヤと第2プレイヤとの手の位置に合わせて、仮想空間Vsにおける第1位置と第2位置との間の距離が変わる。したがって、プレイヤの頭部の位置を基準として第1位置と第2位置とが移動される場合と比較して、特殊な効果を発現させる条件を満たすために、第1プレイヤと第2プレイヤとに要求される動きが小さくなる。それゆえ、プレイヤの動く範囲を小さく抑えることが可能であり、プレイヤが動作を行うプレイ空間Rsに要する大きさを小さく抑えることも可能である。
【0183】
(3)第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であるか否かを識別可能とする範囲表示280が、HMD20に表示されるため、プレイヤは、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であるか否かを把握することができる。したがって、特殊な効果を発現させる条件を満たすため協力したプレイを行う際にプレイヤの利便性が高められる。
【0184】
(4)範囲表示280として、第1位置を囲むオブジェクトと第2位置を囲むオブジェクトとがHMD20に表示される構成であれば、プレイヤは、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であるか否かを直感的に把握することができる。
【0185】
(5)特殊な効果を発現させる条件に、操作機30Aおよび操作機30Bの少なくとも一方にて所定の操作が検出されたことが含まれる構成であれば、特殊な効果の現れるタイミングをプレイヤが制御しやすくなる。したがって、特殊な効果の現れるタイミングをゲームの進行に応じてプレイヤが調整することも可能であるため、プレイヤの利便性が高められる。
【0186】
(6)特殊な効果を発現させる条件に、第1プレイヤおよび第2プレイヤの少なくとも一方がゲームにて所定の課題を達成していることが含まれる構成であれば、特殊な効果の発現のために要するプレイヤの労力が大きくなるため、特殊な効果が現われることの価値が高められる。したがって、特殊な効果の発現を目的としたプレイへのプレイヤの意欲を高めることも可能となる。
【0187】
(7)仮想空間Vsにて実現されるゲームは、仮想空間Vsに現れる敵に対して第1プレイヤと第2プレイヤとが攻撃を行うゲームであり、上記特殊な効果が上記攻撃の攻撃力を高める効果であれば、ゲームにおいて特殊な効果が現われることの価値が高い。したがって、特殊な効果の発現を目的としたプレイへのプレイヤの意欲を高めることが可能である。
【0188】
(8)第1位置は仮想点100Aが水平面に投影された位置であり、第2位置は仮想点100Bが水平面に投影された位置であり、第1位置の初期位置と第2位置の初期位置とが予め定められた位置に設定され、これらの初期位置間の距離が、ゲーム開始時におけるHMD20AとHMD20Bとの間の現実空間での距離と異なる。こうした構成によれば、プレイRs空間におけるプレイヤ間の距離を、仮想空間Vsでの第1位置と第2位置との間の距離と異ならせることが可能である。そして、これらの距離の大小の関係を、ゲームにてプレイヤに要求される動作に応じて設定することにより、プレイヤ同士の予期せぬ接触やプレイヤがプレイ空間Rsから出てしまうことが抑えられる。
【0189】
(9)第1位置の移動が許容される領域である第1許容領域MsAと、第2位置の移動が許容される領域である第2許容領域MsBとが、互いに離間し、かつ、これらの領域間の距離が、特殊な効果を発現させる条件である基準距離以下であるように設定されている。そして、HMD20Aに、第1許容領域MsAを示す領域表示270が表示され、HMD20Bに、第2許容領域MsBを示す領域表示270が表示される。こうした構成によれば、プレイヤに移動の許容される領域を認識させ、プレイヤの移動を所定の領域内に留めるよう、プレイヤを誘導することができる。そして、第1許容領域MsAと第2許容領域MsBとが互いに離間しているため、プレイヤ同士の意図しない接触を抑えることができる。また、第1許容領域MsAと第2許容領域MsBとの間の距離が基準距離以下であるため、こうした領域内において、特殊な効果を発動させるための協力したプレイを行うことができる。
【0190】
(10)第1位置が、第1許容領域MsA内であって、かつ、第1許容領域MsAの外縁までの距離が所定の距離以下の領域に配置されるとき、HMD20Aに領域表示270が表示される。こうした構成によれば、第1位置が第1許容領域MsAの外縁の近くに位置するとき、すなわち、プレイヤが移動の許容される領域から出ることが起こりやすくなっているときに、HMD20Aに領域表示270が表示される。したがって、プレイヤに対して、移動の許容される領域の外縁にプレイヤの位置が迫っていることの注意喚起が可能である。また、HMD20Aに領域表示270が常に表示される形態と比較して、仮想空間Vsにおけるプレイヤの視界が領域表示270によって遮られる状態が続くことが抑えられる。
【0191】
(11)領域表示270として、第1位置の初期位置を囲んで仮想空間Vsでの上下方向に延びる筒状のオブジェクトがHMD20Aに表示される構成であれば、プレイヤは、第1許容領域MsAを直感的に把握することができる。
【0192】
[変形例]
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第2の条件を含む条件の成立で発現する第2の効果は、標的オブジェクト210への攻撃を有利に行うことのできる効果に限らず、ゲームにおいて現れる特殊な効果であればよい。換言すれば、この特殊な効果は、攻撃に関連付けて発現されなくともよく、第2の条件を含む条件の成立により発現すればよい。特殊な効果は、例えば、プレイヤの体力値の回復等、攻撃とは異なる観点でゲームの進行を有利に進める効果であってもよいし、仮想空間Vsに位置するオブジェクトの種類や色、HMD20等から流れる音声等を通常とは変えることにより、ゲームにおける演出効果を高める効果であってもよい。要は、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であることを含む条件が成立したとき、ゲーム処理装置10が、ゲームにおいて特殊な効果を現せばよい。
【0193】
また、特殊な効果は、仮想空間Vsの構成に視覚的に反映されなくともよく、すなわち、HMD20に表示される画像に反映されなくてもよい。こうした場合、特殊な効果は、例えば、HMD20が有する音声出力部から発せられる音声や、操作機30が備える振動モーターの回転に基づく振動の発生、ゲーム処理装置10のデータ記憶部12に記憶されている各種のパラメータの変更等によって実現されればよい。
【0194】
・同時攻撃と合体攻撃との少なくとも一方が可能であれば、複数のプレイヤによる協力したプレイの実現は可能である。上記実施形態にて説明した各種の事前設定や、ゲームの内容に関する設定のうちの同時攻撃および合体攻撃に関連しない設定や、ゲームの終了後の処理は、適宜割愛されてもよい。例えば、アバタ250に関する構成、すなわち、プレイヤの顔画像を用いたアバタ250の顔部分の生成や、アバタ250に対する写真撮影は、複数のプレイヤによる協力したプレイを可能とするという観点からは、必須の構成ではない。
【0195】
・上記実施形態では、ゲームシステムが実現するゲームを、標的オブジェクト210を狙撃するゲームに具体化した。これに代えて、ゲームシステムが実現するゲームは、探検ゲーム、カードゲーム、レーシングゲーム、格闘ゲーム、シュミレーションゲーム、ロールプレイングゲーム等の他のゲームに具体化されてもよい。第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内であることを含む条件が成立したときに現れる特殊な効果は、ゲームの内容に応じて定められればよく、上述のように、ゲームの進行を有利に進める効果や、ゲームにおける演出効果を高める効果等であればよい。
【0196】
・上記実施形態では、第1プレイヤおよび第2プレイヤを実際のプレイヤとしたが、いずれか一方を、実在のプレイヤが操作しないキャラクタであるいわゆるノンプレイヤキャラクタ(NPC:Non Player Character)としてもよい。
【0197】
・上記実施形態では、装着ディスプレイとしてのHMD20を、ハウジング内に、情報処理部21、トラッキング情報検出部22、表示部23を組み込んだものとした。これに代えて、装着ディスプレイを、スマートフォン等の多機能携帯端末を専用のハウジングに着脱可能に収容したものとしてもよい。すなわち、情報処理部21および表示部23の機能を多機能携帯端末が有していてもよい。トラッキング情報検出部22の機能は、多機能携帯端末が有していてもよいし、ハウジングに設けられた各種センサが有していてもよい。多機能携帯端末は、ゲーム処理装置10に対して有線または無線による通信を行う。
【0198】
・上記実施形態では、HMD20は、表示部23に、視差等の影響が加味された画像を表示した。これに代えて、表示部23を1枚の表示パネルから構成し、視差の影響が加味されない画像を表示してもよい。
【0199】
・上記実施形態では、ゲームシステムが実現するゲームを、HMD20を装着した第1プレイヤと、HMD20を装着した第2プレイヤとが協力して行うゲームとした。これに代えて、ゲームシステムが実現するゲームを、HMD20を装着した第1プレイヤと、据え置き型のゲーム専用機、いわゆるコンシューマーゲーム機を用いる第2プレイヤとが協力して行うゲームとしてもよい。第2プレイヤは、ゲーム専用機に接続するディスプレイに表示された仮想空間の画像を視認する。この場合、第2プレイヤが、ゲーム専用機に設けられた操作部(スイッチ、レバー、ボタン等)を操作することに基づき、第2位置が変更される。第1位置は、上記実施形態と同様に第1プレイヤがHMD20Aまたは操作機30Aを移動させることに基づき変更される。そして、第1位置と第2位置との間の距離が所定範囲内である場合に、特殊な効果を現すこと等が可能となる。または、ゲームシステムが実現するゲームを、HMD20を装着した第1プレイヤと、スマートフォン等の多機能携帯端末を用いる第2プレイヤとが協力して行うゲームとしてもよい。第2プレイヤは、多機能携帯端末のディスプレイに表示された仮想空間の画像を視認する。この場合、第2プレイヤが、タッチパネル等を操作することに基づき、第2位置が変更される。第1位置は、上記実施形態と同様に第1プレイヤがHMD20Aまたは操作機30Aを移動させることに基づき変更される。そして、第1位置と第2位置との間の距離が所定範囲内である場合に、特殊な効果を現すこと等が可能となる。
【0200】
・上記実施形態では、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内である場合に、ゲームにおいて攻撃を有利に行うことのできる効果を現すことを可能とした。これに代えて、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内である場合に、第1プレイヤおよび第2プレイヤがコミュニケーションを図ることができるようにしてもよい。例えば、第1プレイヤと第2プレイヤとが仮想空間内で会話できるようにしてもよい。または、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内である場合に、第1プレイヤおよび第2プレイヤの少なくとも一方に関連付けられたパラメータを変更するようにしてもよい。例えば、第2プレイヤに対する好感度の上昇、防御力の上昇等を行うようにしてもよい。
【0201】
・上記実施形態では、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内である場合に、ゲームにおいて特殊な効果を現すことを可能とした。これに代えてもしくは加えて、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内である場合に、ゲーム内で所定の行動が実行されることを禁止あるいは制限するようにしてもよい。例えば、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内である場合に、プレイヤによる操作機30を動かす操作に基づき発動されるアクションを発動不能としてもよい。これによれば、プレイヤが操作機30を動かす操作を実行しないように誘導できるため、プレイヤ同士の距離が近い場合にプレイヤが接触することを抑制することができる。また、第1位置と第2位置との間の距離が第1の所定の範囲内である場合に特殊な効果を現し、第1位置と第2位置との間の距離が第1の所定の範囲よりも小さい第2の所定の範囲内であるときに、所定のアクションを禁止するようにしてもよい。または、第1位置と第2位置との間の距離が所定の範囲内である場合に、ゲームにおける機能を有効化または無効化するようにしてもよい。ゲームにおける機能は、プレイヤに関連付けられた機能でもよいし、仮想空間Vs内の所定のオブジェクトに関連付けられた機能でもよい。
【0202】
・上記実施形態では、ゲームシステムが実現するゲームを、HMD20を装着した第1プレイヤと、HMD20を装着した第2プレイヤとが協力して行うゲームとした。これに代えて、ゲームシステムが実現するゲームを、画面をタッチしたり、ボタン等の操作部を操作したりしてゲームを進行させる多機能携帯端末を用いるゲームに具体化してもよい。この場合、多機能携帯端末に内蔵される位置検出センサ、またはユーザが所持するもしくは付帯する位置検出センサを用いて第1プレイヤおよび第2プレイヤの位置が特定される。位置検出センサは、多機能携帯端末に内蔵されるジャイロセンサ、加速度センサ、および、地磁気センサのうち少なくとも1つのセンサを用いてもよいし、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)や他の衛星測位システムを利用したセンサを用いてもよい。また、ゲームが屋内で行われる場合であれば、屋内に設置されたトラッキング補助装置40を用いてもよい。仮想空間Vsの画像は、多機能携帯端末のディスプレイに出力される。また、仮想空間Vs内のオブジェクトに対するアクションは、多機能携帯端末に備えられるタッチパネルディスプレイやスイッチ等の操作部の操作により実行される。仮想空間Vs内の第1位置は、第1プレイヤの多機能携帯端末の位置に合わせて移動され、仮想空間Vs内の第2位置は、第2プレイヤの多機能携帯端末の位置に合わせて移動される。そして、仮想空間Vs内での第1位置と第2位置との距離が所定の範囲内である場合に、特殊な効果が発現される。この種のゲームにおいても、複数のプレイヤが協力してプレイするマルチプレイのゲームは既に存在するが、プレイヤの現実世界での相対位置関係を利用できることとなれば、従来のマルチプレイと比べてゲームの独自性を高めることができる。そして、第1プレイヤの位置と第2プレイヤの位置との距離が所定の範囲内であることが満たされた場合に特殊な効果等が発現される構成によれば、プレイヤの相対位置関係に基づき複数のプレイヤによる協力したプレイを可能としたゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法、および、ゲーム処理装置を提供することができる。
【0203】
[付記]
上記実施形態および変形例から導き出される技術的思想には、以下の付記が含まれる。
(付記1)第1プレイヤが用いる第1端末と、第2プレイヤが用いる第2端末とに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータに、
前記第1プレイヤの位置を特定するためのセンサの出力に基づき、前記第1プレイヤの位置に合わせて前記仮想空間での第1位置を移動させ、
前記第2プレイヤの操作に基づき、前記仮想空間での第2位置を移動させ、
前記ゲームにおいて特殊な効果を現す条件に、前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定の範囲内であることを含める、ことを実行させる
ゲーム処理プログラム。
【0204】
(付記2)第1プレイヤが用いる第1端末と、第2プレイヤが用いる第2端末とに、ゲームの行われる仮想空間を表示させるコンピュータに、
前記第1プレイヤの位置を特定するためのセンサの出力に基づき、前記第1プレイヤの位置に合わせて前記仮想空間での第1位置を移動させ、
前記第2プレイヤの位置を特定するためのセンサの出力に基づき、前記第2プレイヤの位置に合わせて前記仮想空間での第2位置を移動させ、
前記ゲームにおいて特殊な効果を現す条件に、前記第1位置と前記第2位置との間の距離が所定の範囲内であることを含める、ことを実行させる
ゲーム処理プログラム。
【符号の説明】
【0205】
Ms,MsA,MsB…移動許容領域、P1…第1プレイヤ、P2…第2プレイヤ、Sp,SpA,SpB…初期位置、Ps…プレイ空間、Vs…仮想空間、10…ゲーム処理装置、11…ゲーム制御部、11a…位置特定部、11b…画像生成部、11c…進行管理部、12…データ記憶部、12a…ゲーム空間データ、12b…プレイヤデータ、12c…ゲーム進行データ、20,20A,20B…HMD、21…情報処理部、22…トラッキング情報検出部、23…表示部、31…情報処理部、32…トラッキング情報検出部、33…操作部、40…トラッキング補助装置、50…パブリックディスプレイ、60…補助端末、100,100A,100B…仮想点、210…標的オブジェクト、220…効果オブジェクト、250,250A,250B…アバタ、260,260A,260B…武器、270…領域表示、280…範囲表示、280A,280B…リングオブジェクト、501…プロセッサ、502…メモリ、503…ノースブリッジ、504…サウスブリッジ、505…記憶装置、506…バス、507…拡張ポート。
図1
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