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特許7058041情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220414BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220414BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20220414BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 398
G01C21/34
G01C21/26 P
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020149450
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2021072098
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2020-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2019193488
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤史
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第6550508(JP,B1)
【文献】国際公開第2008/120361(WO,A1)
【文献】特開2017-015465(JP,A)
【文献】特開2014-190924(JP,A)
【文献】特開2002-310686(JP,A)
【文献】特開2018-146293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0139181(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G01C 21/34
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の現在位置を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記現在位置に応じた施設の施設情報を前記利用者に提示する提示処理部と、
前記提示処理部により前記施設情報が前記利用者に提示された後に前記利用者が前記施設情報に含まれる第1施設に来訪したか否かを判定する判定処理部と、
前記判定処理部により前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定された場合に、前記第1施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する出力処理部と、
前記利用者により指定される第2施設を目的地に設定する設定処理部と、
前記設定処理部により前記目的地に設定される前記第2施設に前記利用者を案内する案内処理部と、
を備え
前記判定処理部は、前記利用者が前記第1施設に到着した場合であって、前記利用者が前記第1施設に到着するまでに通った経路が前記第2施設に向かう案内経路から外れた経路である場合に、前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定する、情報処理システム。
【請求項2】
前記判定処理部は、前記利用者が前記第1施設に到着した場合であって、前記利用者が前記第1施設に到着するまでに通った経路が前記第2施設に向かう案内経路の途中の経路である場合には、前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定しない、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
記提示処理部は、前記案内処理部により前記利用者を前記第2施設に案内しているときに当該第2施設とは異なる施設の前記施設情報を前記利用者に提示する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記提示処理部は、前記案内処理部により前記利用者を前記第2施設に案内しているときに当該第2施設のジャンルとは異なるジャンルの前記施設の前記施設情報を前記利用者に提示する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記提示処理部は、前記利用者の前記現在位置又は前記利用者の移動が開始された位置から前記第2施設の方向に応じた前記施設の前記施設情報を提示する、
請求項又はに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記提示処理部は、前記現在位置からの距離が所定距離以内の前記施設、又は、前記現在位置からの所要時間が所定時間以内の前記施設の前記施設情報を提示する、
請求項のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記来訪情報に基づいて前記第1施設を評価する評価処理部をさらに備え、
前記評価処理部は、所定期間に前記提示処理部により前記第1施設が前記利用者に提示された提示回数と、前記所定期間に前記利用者が前記第1施設に来訪した来訪回数とに基づいて、前記第1施設を評価する、
請求項1~のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
利用者の現在位置を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得される前記現在位置に応じた施設の施設情報を前記利用者に提示する提示ステップと、
前記提示ステップにより前記施設情報が前記利用者に提示された後に前記利用者が前記施設情報に含まれる第1施設に来訪したか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定された場合に、前記第1施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する出力ステップと、
前記利用者により指定される第2施設を目的地に設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより前記目的地に設定される前記第2施設に前記利用者を案内する案内ステップと、
を一又は複数のプロセッサ実行し、
前記判定ステップにおいて、前記利用者が前記第1施設に到着した場合であって、前記利用者が前記第1施設に到着するまでに通った経路が前記第2施設に向かう案内経路から外れた経路である場合に、前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定する、情報処理方法。
【請求項9】
利用者の現在位置を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得される前記現在位置に応じた施設の施設情報を前記利用者に提示する提示ステップと、
前記提示ステップにより前記施設情報が前記利用者に提示された後に前記利用者が前記施設情報に含まれる第1施設に来訪したか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定された場合に、前記第1施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する出力ステップと、
前記利用者により指定される第2施設を目的地に設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより前記目的地に設定される前記第2施設に前記利用者を案内する案内ステップと、
を一又は複数のプロセッサに実行させるための情報処理プログラムであって、
前記判定ステップにおいて、前記利用者が前記第1施設に到着した場合であって、前記利用者が前記第1施設に到着するまでに通った経路が前記第2施設に向かう案内経路から外れた経路である場合に、前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定する、情報処理プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が所望の検索条件を設定すると利用者の現在位置及び当該検索条件を満たす施設を検索して検索結果(施設情報)を利用者に提示し、利用者が当該施設情報に含まれる複数の施設のうち所望の施設を目的地に設定すると、当該目的地まで利用者を経路案内するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許2012-57955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のシステムでは、利用者に提示した施設情報の施設に利用者が実際に訪れたか否かを判断することが困難である。このため、施設情報を提供した効果を評価することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、利用者に提示した施設情報の施設に利用者が実際に訪れたか否かを容易に判断することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の形態は、利用者の現在位置を取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記現在位置に応じた施設の施設情報を前記利用者に提示する提示処理部と、前記提示処理部により前記施設情報が前記利用者に提示された後に前記利用者が前記施設情報に含まれる第1施設に来訪したか否かを判定する判定処理部と、前記判定処理部により前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定された場合に、前記第1施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する出力処理部と、を備える情報処理システムである。
【0007】
本発明の他の形態は、利用者の現在位置を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記現在位置に応じた施設の施設情報を前記利用者に提示する提示ステップと、前記提示ステップにより前記施設情報が前記利用者に提示された後に前記利用者が前記施設情報に含まれる第1施設に来訪したか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定された場合に、前記第1施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する出力ステップと、を一又は複数のプロセッサにより実行する情報処理方法である。
【0008】
本発明の他の形態は、利用者の現在位置を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記現在位置に応じた施設の施設情報を前記利用者に提示する提示ステップと、前記提示ステップにより前記施設情報が前記利用者に提示された後に前記利用者が前記施設情報に含まれる第1施設に来訪したか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記利用者が前記第1施設に来訪したと判定された場合に、前記第1施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する出力ステップと、を一又は複数のプロセッサに実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者に提示した施設情報の施設に利用者が実際に訪れたか否かを容易に判断することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る情報処理システムで利用される施設情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る利用者端末に表示される地図情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る利用者端末に表示される地図情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおいて実行される情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態に係る利用者端末に表示される地図情報の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る利用者端末に表示される地図情報の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る利用者端末に表示される地図情報の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[情報処理システム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報処理システム100は、施設検索装置1と情報提示装置2と一又は複数の利用者端末3とを含む。施設検索装置1、情報提示装置2、及び利用者端末3は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0013】
施設検索装置1は、施設を検索するための検索条件を情報提示装置2又は利用者端末3から取得し、前記検索条件に基づく検索処理を実行可能な情報処理装置である。情報処理システム100において、検索対象である前記施設には、例えば、飲食店、小売店、ボーリング場、カラオケ店、卓球場、ホテル、温泉施設などの各種の施設が含まれる。情報提示装置2は、施設検索装置1により検索される施設の施設情報、当該施設に対応する地図情報、当該施設までの経路情報などを利用者に提示可能な情報処理装置である。利用者端末3は、情報提示装置2から前記施設情報、前記地図情報、前記経路情報などを取得して表示可能な情報処理装置である。
【0014】
本実施形態では、施設検索装置1、情報提示装置2、及び利用者端末3が本発明に係る情報処理システムに相当する。すなわち、例えば、施設検索装置1、情報提示装置2、及び利用者端末3の構成要素が協働して後述する各種の情報処理(図5参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムが、本発明に係る情報処理システムを構成する。なお、本発明に係る情報処理システムは、施設検索装置1単体、情報提示装置2単体、又は利用者端末3単体で構成されてもよい。
【0015】
[施設検索装置1]
図1に示されるように、施設検索装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信I/F14などを備える。施設検索装置1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。施設検索装置1は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、施設検索装置1で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサによって分散して実行されてもよい。
【0016】
通信I/F14は、施設検索装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して情報提示装置2、利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0017】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0018】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部12には、施設情報D1などのデータが記憶される。施設情報D1には、検索対象の施設に関する情報(施設情報)が登録される。
【0019】
図2は、施設情報D1の一例を示す図である。図2に示されるように、施設情報D1には、施設ごとに、対応する「施設ID」、「施設名」、「住所」、「ジャンル」などの情報が含まれる。「住所」は、施設の場所(住所)を示す情報であり、施設の位置を示す情報として用いられる。「ジャンル」は、施設の種類(業種、業態など)を示す情報である。また施設情報D1には、各施設の広告情報、宣伝情報などが含まれる。施設検索装置1は、施設情報D1から所定の検索条件(例えば検索エリア)を満たす施設の施設情報を抽出して、情報提示装置2、利用者端末3などに提示(出力)する。施設情報D1に記憶される施設情報は、適宜更新されてもよい。
【0020】
なお、他の実施形態として、施設情報D1などの情報の一部又は全部が、施設検索装置1から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバに記憶されてもよい。この場合、施設検索装置1の制御部11は、前記他のサーバから前記情報を取得して、後述の情報処理(図5参照)などの各処理を実行してもよい。
【0021】
また、記憶部12には、利用者端末3に表示される施設検索サイトに含まれる検索条件設定ページ、検索結果ページ、予約ページなどの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。なお、本実施形態において、施設検索装置1の制御部11は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報を利用者端末3に送信することにより、利用者端末3に前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、施設検索装置1の制御部11は、利用者端末3に前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、利用者端末3の制御部31に前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0022】
なお、前記施設検索サイトは、予め設定された一つのドメインに属するウェブページの集合体であってもよいが、例えば同一の施設検索装置1の記憶部12に記憶された複数のドメインに属するウェブページの集合体を前記施設検索サイトとして捉えてもよい。また、前記施設検索サイトに含まれる各種のページは、複数のサーバに分散して記憶されたものであってもよい。
【0023】
さらに、記憶部12には、制御部11に後述の情報処理(図5参照)を実行させるための情報処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記情報処理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、施設検索装置1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0024】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより施設検索装置1を制御する。
【0025】
具体的に、制御部11は、取得処理部111、検索処理部112、出力処理部113、評価処理部114などの各種の処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記情報処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記情報処理プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0026】
取得処理部111は、利用者の現在位置を取得する。具体的には、取得処理部111は、利用者端末3から現在時刻における利用者の現在位置を取得する。例えば、利用者端末3の位置情報取得部35が利用者端末3の現在位置を示す位置情報を利用者端末3に搭載されるGPS(Global Positioning System:登録商標)を利用して取得した場合に、取得処理部111は、利用者端末3から前記位置情報を受信して利用者の現在位置を取得する。取得処理部111は、本発明の取得処理部の一例である。
【0027】
検索処理部112は、利用者の現在位置に基づいて施設の検索処理を実行する。具体的に、検索処理部112は、前記検索処理において、施設情報D1(図2参照)から、取得処理部111により取得される利用者の現在位置付近の施設(以下、対象施設という。)(本発明の第1施設の一例)を検索する。例えば、検索処理部112は、施設情報D1から、前記現在位置からの距離が所定距離以内の対象施設、又は、前記現在位置からの所要時間が所定時間以内の対象施設を検索する。
【0028】
出力処理部113は、取得処理部111により取得される前記現在位置に応じた対象施設の施設情報を情報提示装置2に出力する。具体的には、出力処理部113は、検索処理部112により検索される検索結果(施設情報)を情報提示装置2に出力する。なお、出力処理部113は、前記検索結果(施設情報)を利用者端末3に出力してもよい。
【0029】
評価処理部114は、情報提示装置2から出力される来訪情報(後述)に基づいて前記対象施設を評価する。評価処理部114は、本発明の評価処理部の一例である。評価処理部114の具体的な構成は後述する。
【0030】
[情報提示装置2]
図1に示されるように、情報提示装置2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、通信I/F24などを備える。情報提示装置2は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。情報提示装置2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、情報提示装置2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサによって分散して実行されてもよい。
【0031】
通信I/F24は、情報提示装置2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して施設検索装置1、利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0032】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0033】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、地図情報D2などのデータが記憶される。地図情報D2には、路線に関する路線データ、道路に関する道路データ、交差点に関する交差点データ、施設の位置及び外観(形状等)に関する施設データ、経路探索に関する探索データなどの地図情報が登録される。また、記憶部22には、道路情報(渋滞情報を含む)、天気情報などが記憶されてもよい。
【0034】
なお、他の実施形態として、地図情報D2などの情報の一部又は全部が、情報提示装置2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバに記憶されてもよい。この場合、情報提示装置2の制御部21は、前記他のサーバから前記情報を取得して、後述の情報処理(図5参照)などの各処理を実行してもよい。
【0035】
また、記憶部22には、利用者端末3に表示される経路案内サイトに含まれる検索ページ、条件設定ページ、経路案内ページなどの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。なお、本実施形態において、情報提示装置2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報を利用者端末3に送信することにより、利用者端末3に前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、情報提示装置2の制御部21は、利用者端末3に前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、利用者端末3の制御部31に前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0036】
なお、前記経路案内サイトは、予め設定された一つのドメインに属するウェブページの集合体であってもよいが、例えば同一の情報提示装置2の記憶部22に記憶された複数のドメインに属するウェブページの集合体を前記経路案内サイトとして捉えてもよい。また、前記経路案内サイトに含まれる各種のページは、複数のサーバに分散して記憶されたものであってもよい。
【0037】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の情報処理(図5参照)を実行させるための情報処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記情報処理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、情報提示装置2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0038】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより情報提示装置2を制御する。
【0039】
具体的に、制御部21は、提示処理部211、設定処理部212、案内処理部213、判定処理部214、出力処理部215などの各種の処理部を含む。尚、制御部21は、前記CPUで前記情報処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記情報処理プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0040】
提示処理部211は、施設検索装置1により検索される対象施設の検索結果(施設情報)を取得し、当該対象施設の情報を利用者端末3に提示する。具体的には、提示処理部211は、利用者端末3から現在時刻における利用者の前記現在位置を取得し、利用者(利用者端末3)の現在位置の情報と、当該現在位置付近の地図の情報と、当該現在位置付近の対象施設の情報(施設情報)とを表示するウェブページの情報を利用者端末3に送信する。これにより、利用者端末3において、例えば図3に示すように、利用者(利用者端末3)の現在位置P1と、現在位置P1付近の地図と、現在位置P1付近の対象施設A1~A6とを含む地図情報が表示される。なお、提示処理部211は、前記施設情報のみを利用者端末3に提示してもよい。
【0041】
前記地図情報は、利用者(利用者端末3)の現在位置P1に応じて更新される。このため、例えば、利用者が車両に乗車して利用者端末3を利用する場合には、車両の移動に応じて前記地図情報が更新される。また、例えば、利用者が利用者端末3を所持して徒歩等により移動する場合には、利用者の移動に応じて前記地図情報が更新される。
【0042】
前記施設情報には広告情報が含まれており、例えば図3に示すウェブページにおいて、利用者が所望の対象施設を選択(タッチ)した場合に、提示処理部211は、前記ウェブページにおいて当該対象施設の広告情報を表示(ポップアップ通知)させてもよい。
【0043】
また提示処理部211は、利用者が利用者端末3の操作表示部33において操作した操作内容に応じた情報を提示する。例えば、提示処理部211は、利用者が操作表示部33に表示される設定画面において所定位置の地図の表示を指示した場合に、対応する地図情報を提示する。また例えば、提示処理部211は、利用者が操作表示部33に表示される検索画面において所定の施設の検索を指示した場合に施設検索装置1から取得する施設情報を提示する。
【0044】
設定処理部212は、利用者により指定される施設(以下、目的施設という。)(本発明の第2施設に相当)を目的地に設定する。設定処理部212は、本発明の設定処理部の一例である。例えば利用者が目的施設を訪れるために利用者端末3の前記設定画面において当該目的施設を選択した場合に、設定処理部212は、当該目的施設を目的地に設定する。
【0045】
案内処理部213は、設定処理部212により目的地に設定される目的施設に利用者を案内する。案内処理部213は、本発明の案内処理部の一例である。例えば、案内処理部213は、利用者端末3から現在時刻における利用者の前記現在位置を取得し、前記現在位置から前記目的施設まで最短時間又は最短距離で到達可能な1又は複数の経路を探索する。そして、案内処理部213は、利用者により選択される経路に応じた案内情報を利用者端末3に提示して利用者を前記目的施設まで案内する。例えば、案内処理部213は、前記地図情報に対応する地図上に前記案内情報に対応する案内経路を表示させる。なお、情報処理システム100では、設定処理部212及び案内処理部213が省略されてもよい。
【0046】
ここで、例えば、利用者は、利用者端末3において地図上に表示された前記対象施設の施設情報を閲覧して興味のある対象施設を見つけた場合に、当該対象施設に立ち寄ることが考えられる。また、目的施設までの経路案内中に、利用者が前記対象施設に立ち寄ることも考えられる。
【0047】
判定処理部214は、提示処理部211により前記施設情報が利用者に提示された後に前記利用者が前記施設情報に含まれる前記対象施設(本発明の第1施設の一例)に来訪したか否かを判定する。すなわち、判定処理部214は、前記対象施設の情報が利用者に提示された後に利用者が当該対象施設を訪れたか否かを判定する。判定処理部214は、本発明の判定処理部の一例である。例えば、図3に示すように提示処理部211により対象施設A1~A6が利用者に提示された場合に、判定処理部214は、利用者が対象施設A1~A6のいずれかに来訪したか否かを判定する。
【0048】
具体的には、例えば、判定処理部214は、利用者が前記対象施設に対応する位置に所定時間以上滞在した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。例えば、判定処理部214は、利用者端末3から取得する前記現在位置が前記対象施設内又は前記対象施設付近において所定時間以上変化しない場合に、利用者が前記対象施設に対応する位置に所定時間以上滞在したと判断して、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。
【0049】
他の実施形態として、例えば、判定処理部214は、前記対象施設に対応する位置において利用者端末3の電源が遮断され、前記電源の遮断状態が所定時間以上継続した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。判定処理部214は、利用者端末3との通信状態に基づいて利用者端末3の電源がオン状態であるかオフ状態であるかを判定することが可能である。例えば、利用者端末3が車両に搭載される車載装置である場合において、車両が前記対象施設に到着して利用者が車両の電源をオフ状態にした場合に、利用者端末3の電源が遮断される。この場合に、判定処理部214は、利用者端末3の電源の遮断状態が所定時間以上継続した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。また、判定処理部214は、前記対象施設に対応する位置において利用者端末3の電源が遮断され、その後に前記位置と同一位置において前記電源が投入された場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定してもよい。利用者端末3が車載装置である場合、利用者が前記対象施設に来訪した場合には、車両を停止した同一位置において車両及び利用者端末3の電源がオン状態、オフ状態、オン状態の順に移行する。このため、上記構成によれば、利用者が前記対象施設に来訪したことを確実に判定することができる。
【0050】
また他の実施形態として、例えば、判定処理部214は、案内処理部213により利用者を前記目的施設に案内している場合(経路案内中)において、前記対象施設に対応する位置において経路案内が停止(中断)され、前記経路案内の停止状態が所定時間以上継続した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。例えば、利用者端末3が利用者に所持される携帯端末である場合において、利用者が前記対象施設に到着して利用者が前記経路案内を一時的に停止する操作を行った場合に、前記経路案内が停止される。この場合に、判定処理部214は、前記経路案内の停止状態が所定時間以上継続した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。
【0051】
また他の実施形態として、例えば、判定処理部214は、案内処理部213により利用者を前記目的施設に案内している場合(経路案内中)において、利用者が前記目的施設に向かう案内経路から外れて前記対象施設に到着した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。例えば図4に示すように、案内処理部213により利用者を案内経路R1に沿って目的施設G1に案内している場合において、利用者が案内経路R1から外れて経路R2を通って対象施設A3に到着した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。なお、図4に示すように、案内処理部213により利用者を案内経路R1に沿って目的施設G1に案内している場合において、利用者が案内経路R1の途中の対象施設A2に到着した場合には、利用者が前記対象施設に来訪したとは判定しない。これは、利用者が目的施設G1に向かっている途中に案内経路R1にある信号機などにより一時的に停止したと考えられるためである。これに対して、利用者が案内経路R1から外れて対象施設A3に到着した場合には、利用者が意図して対象施設A3を訪れたと判断することができる。
【0052】
以上のように、判定処理部214は、様々な判定方法により、利用者が前記対象施設に来訪したか否かを判定することが可能である。上述した判定方法は、一例であってこれらに限定されるものではない。
【0053】
出力処理部215は、判定処理部214により利用者が前記対象施設に来訪したと判定された場合に、前記対象施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する。出力処理部215は、本発明の出力処理部の一例である。具体的には、出力処理部215は、前記来訪情報を施設検索装置1に出力する。
【0054】
施設検索装置1の評価処理部114は、情報提示装置2から前記来訪情報を取得すると、前記対象施設を評価する。例えば、評価処理部114は、所定期間に提示処理部211により前記対象施設が利用者に提示された提示回数と、前記所定期間に利用者が前記対象施設に来訪した来訪回数とに基づいて、前記対象施設を評価する。例えば、評価処理部114は、前記提示回数に対する前記来訪回数の割合(来訪率)が高い程、対応する前記対象施設の評価値を高くする。評価処理部114は、前記評価値を施設情報D1に登録してもよい。これにより、前記対象施設の評価値に基づいて、当該対象施設の施設情報を提供した効果を評価することが可能となる。
【0055】
情報処理システム100は、前記評価値を施設検索処理、情報処理などに利用してもよい。例えば、施設検索装置1は、施設情報D1(図2参照)から取得される利用者(利用者端末3)の現在位置付近の施設のうち、前記評価値が所定値以上の施設(対象施設)を検索してもよい。また、例えば、情報提示装置2は、利用者(利用者端末3)の現在位置の情報と、当該現在位置付近の地図の情報と、当該現在位置付近の施設であって前記評価値が所定値以上の施設(対象施設)の情報(施設情報)とを利用者端末3に出力してもよい。また、情報提示装置2は、前記対象施設を、前記評価値の高い順又は低い順にランキング形式で利用者端末3に表示させてもよい。
【0056】
また情報処理システム100は、前記評価値に基づいて、前記施設情報を広告として掲載依頼する施設又は事業者に対する広告料などの請求費用を算出してもよい。また、情報処理システム100は、前記評価値に基づいて、経路案内サービスを提供する事業者に対する報酬費用などのインセンティブを算出してもよい。
【0057】
[利用者端末3]
図1に示されるように、利用者端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、通信I/F34、位置情報取得部35などを備える。利用者端末3は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末のような携帯端末、又は、車両に搭載される車載装置である。
【0058】
位置情報取得部35は、利用者端末3の現在位置を示す位置情報を利用者端末3に搭載されるGPSを利用して取得することが可能である。位置情報取得部35によって取得される利用者端末3の位置情報は、施設検索装置1への施設検索要求の送信時、情報提示装置2への経路探索要求の送信時などに制御部31によって施設検索装置1及び情報提示装置2に送信され、施設検索装置1及び情報提示装置2で実行される後述の情報処理で用いられる。また前記位置情報は、所定の時間間隔で、施設検索装置1及び情報提示装置2に送信される。なお、位置情報取得部35による利用者端末3の現在位置の位置情報の取得手法は、IPアドレスによる位置の推定、又は、無線通信用の電波に基づく位置の推定などであってもよい。
【0059】
通信I/F34は、利用者端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して施設検索装置1、情報提示装置2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0060】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0061】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従って施設検索装置1、情報提示装置2等の外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、施設検索装置1、情報提示装置2等との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。なお、記憶部32には、地図データ等の他の情報が記憶されていてもよい。
【0062】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末3を制御する。
【0063】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、情報提示装置2から通信網N1を介して提供される前記地図情報に対応する前記ウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を施設検索装置1及び情報提示装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。即ち、利用者端末3は、制御部31によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、施設検索装置1及び情報提示装置2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0064】
例えば、利用者端末3では、情報提示装置2で提供される経路案内サイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部31が、情報提示装置2から前記経路案内サイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部33に経路案内サイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、利用者端末3に情報提示装置2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、利用者端末3の利用者が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部33に経路案内サイトのウェブページが表示される。そして、利用者は、利用者端末3を操作することにより、経路案内サイトにおいて所望の目的地(目的施設)を設定することができる。また、利用者は、利用者端末3を操作することにより、前記ウェブページに表示される地図に含まれる前記対象施設の中から所望の対象施設を選択して、施設情報の要求、予約の申し込みなどを行うことができる。
【0065】
また例えば、利用者端末3では、施設検索装置1で提供される施設検索サイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部31が、施設検索装置1から前記施設検索サイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部33に施設検索サイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、利用者端末3に施設検索装置1に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、利用者端末3の利用者が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部33に施設検索サイトのウェブページが表示される。そして、利用者は、利用者端末3を操作することにより、施設検索サイトにおいて所望の検索条件に合致する施設を検索することができる。また、利用者は、利用者端末3を操作することにより、前記検索結果として提示された施設の中から所望の施設を選択して、施設情報の要求、予約の申し込みを行うことができる。
【0066】
[情報処理]
以下、図5を参照しつつ、情報処理システム100において実行される情報処理について説明する。情報処理システム100は、利用者の操作、例えば利用者端末3において経路案内サイトにアクセスする操作に応じて前記情報処理プログラムの実行を開始することによって、前記情報処理の実行を開始する。尚、前記情報処理は、利用者端末3における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
【0067】
尚、本発明は、前記情報処理に含まれる一又は複数のステップを実行する情報処理方法の発明として捉えることができる。
【0068】
また、ここで説明する前記情報処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記情報処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは施設検索装置1の制御部11及び情報提示装置2の制御部21によって前記情報処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサによって前記情報処理における各ステップが分散して実行されてもよい。また、ここでは、上述の例に挙げて、情報処理について説明する。
【0069】
ステップS11において、施設検索装置1の制御部11は、利用者端末3から受信する前記位置情報に基づいて、現在時刻における利用者の現在位置を取得する。ステップS11は、本発明の取得ステップの一例である。
【0070】
次にステップS12において、施設検索装置1の制御部11は、利用者の前記現在位置に基づいて対象施設の検索処理を実行する。具体的に、制御部11は、前記検索処理において、施設情報D1(図2参照)から、前記現在位置付近に住所を有する対象施設を検索する。制御部11は、対象施設の施設情報を情報提示装置2に出力する。
【0071】
次にステップS13において、情報提示装置2の制御部21は、施設検索装置1により検索される対象施設の検索結果(施設情報)を取得して、利用者端末3に提示する。具体的には、制御部21は、利用者(利用者端末3)の現在位置の情報と、当該現在位置付近の地図の情報と、当該現在位置付近の対象施設の情報(施設情報)とを表示するウェブページの情報を利用者端末3に送信する。これにより、利用者端末3において、例えば図3に示す地図情報に対応するウェブページが表示される。ステップS13は、本発明の提示ステップの一例である。
【0072】
ステップS14において、情報提示装置2の制御部21は、利用者が前記地図情報の前記施設情報に含まれる前記対象施設に来訪したか否かを判定する。例えば、図3に示す例では、制御部21は、利用者が対象施設A1~A6のいずれかに来訪したか否かを判定する。例えば、制御部21は、利用者が対象施設A3に対応する位置(対象施設A3内)に所定時間以上滞在した場合に、利用者が対象施設A3に来訪したと判定する。利用者が前記対象施設に来訪したと判定された場合に(S14:Yes)、処理はステップS15に移行する。
【0073】
利用者が前記対象施設に来訪したと判定されない場合には(S14:No)、処理は終了する。例えば、利用者の現在位置が前記対象施設の位置(住所)から所定距離以上離れた場合に、制御部21は、利用者が前記対象施設に来訪しない判定し(S14:No)、処理を終了する。ステップS14は、本発明の判定ステップの一例である。
【0074】
ステップS14の判定処理は上述の判定方法に限定されない。例えば、制御部21は、前記対象施設に対応する位置において利用者端末3の電源が遮断され、前記電源の遮断状態が所定時間以上継続した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定してもよい。また例えば、制御部21は、利用者を前記目的施設に案内している場合において、前記対象施設に対応する位置において経路案内が停止(中断)され、前記経路案内の停止状態が所定時間以上継続した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定してもよい。さらに例えば、制御部21は、利用者を前記目的施設に案内している場合において、利用者が前記目的施設に向かう案内経路から外れて前記対象施設に到着した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定してもよい。
【0075】
ステップS15において、情報提示装置2の制御部21は、前記対象施設に来訪したことを示す来訪情報を施設検索装置1に出力する。ステップS15は、本発明の出力ステップの一例である。
【0076】
ステップS16において、施設検索装置1の制御部11は、情報提示装置2から出力される前記来訪情報に基づいて前記対象施設を評価する。例えば、制御部11は、所定期間に前記対象施設が利用者に提示された提示回数と、所定期間に利用者が前記対象施設に来訪した来訪回数とに基づいて、前記対象施設を評価する。また、制御部11は、前記対象施設の評価値に基づいて当該対象施設に対応する広告料、報酬などを算出する。
【0077】
以上のようにして、前記情報処理が実行される。情報処理システム100は、利用者の現在位置を取得するごとに、前記現在位置に応じて対象施設の情報を更新して前記情報処理を繰り返し実行する。
【0078】
本発明の実施形態に係る情報処理システム100によれば、利用者の現在位置に応じた施設の施設情報を前記利用者に提示し、前記利用者が前記施設情報に含まれる対象施設に来訪したか否かを判定し、前記利用者が前記対象施設に来訪したと判定された場合に、前記対象施設に来訪したことを示す来訪情報を出力する。前記来訪情報は、例えば施設情報を提供する施設検索装置1に出力される。このため、施設検索装置1は、利用者に提示した施設情報の施設に利用者が実際に訪れたか否かを容易に判断することが可能となる。また施設検索装置1は、前記来訪情報に基づいて、施設情報を提供した効果(広告効果、宣伝効果など)を評価することが可能となる。
【0079】
本発明の情報処理システム100は、上述の実施形態に限定されず、以下に示す実施形態であってもよい。
【0080】
他の実施形態として、例えば、情報提示装置2の提示処理部211は、案内処理部213により利用者を前記目的施設に案内しているときに当該目的施設とは異なる対象施設の施設情報を利用者に提示する。例えば、図4に示す例において、施設G1が目的地(目的施設)に設定されて利用者を現在位置P1から目的施設G1まで案内経路R1に従って経路案内している場合には、例えば目的施設G1が利用者の現在位置P1から所定距離以内になっても、提示処理部211は、目的施設G1を前記対象施設から除外する。このため、たとえ利用者が目的施設G1に来訪した場合であっても、判定処理部214は、利用者が前記対象施設に来訪したとは判定しない。すなわち、前記目的施設は、評価対象の施設(対象施設)から除外される。このように、前記対象施設は、利用者が目的地として予め設定した施設ではなく、利用者の現在位置に応じて抽出される、評価対象の施設である。これにより、対象施設の広告の効果を適切に評価することが可能となる。
【0081】
また、前記目的施設とは異なる対象施設は、前記目的施設に到着するまでの間に立ち寄る立寄施設(経由地)であってもよい。すなわち、提示処理部211は、案内処理部213により利用者を前記目的施設に案内しているときに当該目的施設とは異なる立寄施設の施設情報を利用者に提示してもよい。この場合、前記立寄施設は、案内経路R1上に存在する施設、案内経路R1から所定範囲内に存在する施設であることが好ましい。提示処理部211が前記立寄施設の施設情報を利用者に提示した後に利用者が前記立寄施設を立寄り地点(経由地)に設定した場合には、案内処理部213は、現在位置P1から前記立寄施設を経由して前記目的施設に到着するまでの案内経路を設定する。
【0082】
また、前記目的施設とは異なる対象施設(例えば前記立寄施設)は、前記目的施設の種別(例えば図2に示すジャンル)とは異なる種別の施設であってもよい。すなわち、提示処理部211は、案内処理部213により利用者を前記目的施設に案内しているときに当該目的施設のジャンルとは異なるジャンルの施設の施設情報を利用者に提示してもよい。例えば、飲食店が前記目的施設に設定されている場合には、提示処理部211は、飲食店の施設情報を利用者に提示せず、小売店、ボーリング場、カラオケ店、卓球場、ホテル、温泉施設などの施設情報を利用者に提示する。利用者が特定の飲食店を目的地に設定している場合には、当該利用者に他の飲食店の情報を提示しても当該利用者が当該他の飲食店に来訪する可能性が低い。これに対して、前記利用者に飲食店とは異なるジャンルの施設の施設情報を提示した場合には、当該施設に来訪する可能性が向上する。よって、施設情報を提供したことによる効果(広告効果、宣伝効果)を高めることができる。
【0083】
また他の実施形態として、提示処理部211は、利用者の現在位置又は利用者の移動が開始された位置から前記目的施設の方向に応じた対象施設の施設情報を提示してもよい。例えば図6に示すように、提示処理部211は、利用者の現在位置P1から目的施設G1の方向(図中の矢印方向)に対応する位置(所定範囲内)に存在する対象施設A2,A3の施設情報を提示し、当該方向に対応する位置に存在しない施設A1,A4,A5(図4参照)の施設情報を提示しない。なお、図6において、提示処理部211は、案内経路R1の途中に位置する施設A2を前記対象施設から除外してもよい。
【0084】
また例えば図7に示すように、提示処理部211は、利用者の移動が開始された位置S1から目的施設G1の方向(図中の矢印方向)に対応する位置(所定範囲内)に存在する対象施設A1,A2,A3,A6の施設情報を提示し、当該方向に対応する位置に存在しない施設A4,A5(図4参照)の施設情報を提示しない構成であってもよい。なお、図7において、提示処理部211は、案内経路R1の途中に位置する施設A2を前記対象施設から除外してもよい。
【0085】
また他の実施形態として、提示処理部211は、利用者の移動が開始された位置から前記現在位置を通る直線を延長した延長線に応じた対象施設の施設情報を提示してもよい。例えば図8に示すように、提示処理部211は、利用者の移動が開始された位置S1から現在位置P1を通る直線C1を延長した延長線C2に基づく所定範囲ARに含まれる対象施設A7,A8,A9の施設情報を提示する。
【0086】
また他の実施形態として、提示処理部211は、利用者の移動方向(進行方向)に応じた対象施設の施設情報を提示してもよい。例えば図3に示す例において、提示処理部211は、利用者の移動方向に位置する対象施設A2,A4の施設情報を提示し、利用者の移動方向とは異なる方向に位置する対象施設A1,A3,A5,A6の施設情報を提示しない。
【0087】
また他の実施形態として、提示処理部211は、利用者の過去の来訪履歴に応じた対象施設の施設情報を提示してもよい。例えば利用者が過去に特定のジャンルの施設に頻繁に来訪している場合には、提示処理部211は、利用者の現在位置に応じた施設であって当該ジャンルの施設を前記対象施設として施設情報を提示する。
【0088】
また他の実施形態として、施設検索装置1は、利用者からの要求に応じて施設の予約を行う予約処理部を備えてもよい。例えば、利用者端末3に表示された地図情報に含まれる対象施設のうち利用者が所望の対象施設について予約の申し込みを行った場合に、前記予約処理部は当該対象施設の予約処理を行う。この場合に、判定処理部214は、前記予約処理部により前記対象施設が予約された後に利用者が前記対象施設に到着した場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定する。なお、判定処理部214は、前記予約処理部により前記対象施設が予約された場合に利用者が前記対象施設に来訪したと判定してもよい。
【0089】
また他の実施形態として、施設検索装置1は、利用者が利用者端末3において入力した検索エリアを取得し、当該検索エリアを満たす施設を検索し、検索した施設(対象施設)の情報を情報提示装置2に出力してもよい。すなわち、提示処理部211は、利用者の現在位置に応じた対象施設を利用者に提示してもよいし、利用者が設定したエリアに応じた対象施設を利用者に提示してもよい。
【0090】
また他の実施形態として、判定処理部214は、利用者が対象施設において利用代金の決済処理を行った場合に、利用者が前記対象施設に来訪したと判定してもよい。例えば、判定処理部214は、前記対象施設において決済処理が完了した場合に決済完了通知を取得する。
【0091】
また他の実施形態として、施設検索装置1の制御部11が備える一又は複数の処理部を、情報提示装置2の制御部21が備えてもよい。図9は、情報提示装置2の他の実施形態の構成例を示すブロック図である。図9では、図1に示すブロック図に示す各処理部と同一の機能を有する処理部には同一の符号を付している。図9に示す情報提示装置2は、クラウドサーバで構成されてもよい。記憶部22に記憶される各情報は、外部機器から取得してもよい。また制御部21は、前記情報処理プログラムを、インターネットを介して記憶部22にダウンロードして、前記情報処理(図5参照)を実行してもよいし、外部のサーバに記憶された前記情報処理プログラムを実行することにより前記情報処理(図5参照)を実行してもよい。また、本発明の情報処理システムは、施設検索装置1単体で構成されてもよいし、利用者端末3単体で構成されてもよいし、施設検索装置1及び利用者端末3で構成されてもよい。また、本発明の情報処理システムは、施設検索装置1及び利用者端末3が一体で構成された車載装置(経路案内装置)であってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 :施設検索装置
2 :情報提示装置
3 :利用者端末
35 :位置情報取得部
100 :情報処理システム
111 :取得処理部
112 :検索処理部
113 :出力処理部
114 :評価処理部
115 :提示処理部
211 :提示処理部
212 :設定処理部
213 :案内処理部
214 :判定処理部
215 :出力処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9