(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】ファン
(51)【国際特許分類】
F04D 25/08 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
F04D25/08 305M
(21)【出願番号】P 2020193920
(22)【出願日】2020-11-21
【審査請求日】2020-11-21
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520448164
【氏名又は名称】邱永順
【氏名又は名称原語表記】CHIU, YUNG SHUN
【住所又は居所原語表記】No.128,Gangshanzhong Street,Qianzhen District Kaohsiung City,806,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】邱永順
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0197394(US,A1)
【文献】国際公開第2006/011626(WO,A1)
【文献】特開2001-055995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
H02K 7/14
H02K 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状の枠体と、
前記枠体のリング状縁部に沿って配置されたガイドレールアセンブリと、
前記枠体のリング内に配置され、軸部材上に接続された複数のブレードと、
前記複数のブレードのうちの一つに接続されるとともに、電磁動力移動方式により、前記ガイドレールアセンブリ上に位置する少なくとも1つの駆動部材と、を備え
、
前記枠体は、前記ガイドレールアセンブリが配置される溝構造を有し、前記ガイドレールアセンブリは、前記枠体の溝構造の内側壁に複数の電磁部材を有し、前記駆動部材は、前記溝構造中に位置し、前記複数の電磁部材と対向する複数の磁性部を有し、
互いに対向し排斥される第1の磁性部材及び第2の磁性部材を含む磁性アセンブリをさらに備え、
前記第1の磁性部材は、前記駆動部材上に配置され、
前記第2の磁性部材は、前記枠体の溝構造の底側に配置されることを特徴とする、ファン。
【請求項2】
前記電磁部材は、電磁体と、前記電磁体に巻付けられるコイルと、を有することを特徴とする請求項
1に記載のファン。
【請求項3】
前記ガイドレールアセンブリは、リニアモータの固定子構造であることを特徴とする請求項1に記載のファン。
【請求項4】
前記枠体の外周に設けた複数の機能ブレードと、前記機能ブレードの外周に設けた機能枠体と、をさらに備え、
前記ガイドレールアセンブリが前記機能枠体の縁部に沿って配置されているため、前記枠体の外周に配置された前記機能ブレードが前記機能枠体に沿って回転可能であることを特徴とする請求項1に記載のファン。
【請求項5】
前記枠体上に接続された補助枠体と、前記補助枠体の外周に設けた複数の機能ブレードと、をさらに備え、
前記ガイドレールアセンブリが前記補助枠体の縁部に沿って配置されているため、前記補助枠体の外周に配置された前記機能ブレードが前記補助枠体に沿って回転可能であることを特徴とする請求項1に記載のファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンに関し、特に、電磁動力式ファンに関する。
【背景技術】
【0002】
扇風機などのファンは、現代人にとって必要不可欠な家庭用電気器具の一つとなっており、消費電力が多くて高価なクーラーと比べ、安価で温度を容易に下げることもできる。
【0003】
図1に示すように、従来のファン1は、枠体10の後方にモータモジュール11が設置されていることが一般的であった。モータモジュール11には、軸部材14介してブレード12が接続され、モータモジュール11が発生させた動力によりブレード12を回転させて、所望の風力を得ていた。従来のファン1は、枠体10の後方にモータモジュール11が設置されていたため、ファン1の体積が大きくなりすぎて広いスペースが必要であった。モータモジュール11には、電動モータが用いられていたため、機械による騒音が大きく、使い勝手が悪かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、従来のファンの数々の問題点を改善する技術が求められていた。
【0005】
こうした現状に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、従来技術の問題点を改善し、本発明を完成させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、リング状の枠体と、前記枠体のリング状縁部に沿って配置されたガイドレールアセンブリと、前記枠体のリング内に配置され、軸部材上に接続された複数のブレードと、前記複数のブレードのうちの一つに接続されるとともに、電磁動力移動方式により、前記ガイドレールアセンブリ上に位置する少なくとも1つの駆動部材と、を備えることを特徴とする、ファンが提供される。
【0007】
前記枠体は、前記ガイドレールアセンブリが配置される溝構造を有することが好ましい。
【0008】
前記駆動部材は、前記溝構造中に位置することが好ましい。
【0009】
前記ガイドレールアセンブリは、複数の電磁部材を有することが好ましい。
【0010】
前記電磁部材は、電磁体と、前記電磁体に巻付けられるコイルと、を有することが好ましい。
【0011】
前記ガイドレールアセンブリは、リニアモータの固定子構造であることが好ましい。
【0012】
前記駆動部材は、複数の磁性部を有することが好ましい。
【0013】
互いに対応した第1の磁性部材及び第2の磁性部材を含む磁性アセンブリをさらに備え、前記第1の磁性部材は、前記駆動部材上に配置され、前記第2の磁性部材は、前記枠体上に配置されることが好ましい。
【0014】
前記枠体の外周に設けた複数の機能ブレードと、前記機能ブレードの外周に設けた機能枠体と、をさらに備え、前記ガイドレールアセンブリが前記機能枠体の縁部に沿って配置されているため、前記枠体の外周に配置された前記機能ブレードが前記機能枠体に沿って回転可能であることが好ましい。
【0015】
前記枠体上に接続された補助枠体と、前記補助枠体の外周に設けた複数の機能ブレードと、をさらに備え、前記ガイドレールアセンブリが前記補助枠体の縁部に沿って配置されているため、前記補助枠体の外周に配置された前記機能ブレードが前記補助枠体に沿って回転可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のファンは、以下(1)及び(2)の効果を有する。
(1)電磁動力により駆動部材を移動させるため、従来技術のようにモータモジュールを使用する必要がなく、枠体の後方に動力機構が設けられていないため、ファンの体積が小さい。
(2)従来のモータモジュールを使用する必要がない上、ブレードが回転するときに、駆動部材が枠体及びガイドレールアセンブリに触れず、機械による騒音をファンが発生させないため、従来技術と比べてファンが発生させる音が極めて小さい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2A】
図2Aは、本発明の第1実施形態に係るファンを示す正面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の第2実施形態に係るファンを示す斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の第3実施形態に係るファンを示す正面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の第4実施形態に係るファンを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(第1実施形態)
図2A~
図2Cを参照する。
図2A~
図2Cは、本発明の第1実施形態に係るファン2を示す。
図2Aに示すように、本発明の第1実施形態に係るファン2は、少なくとも枠体20と、ガイドレールアセンブリ21と、複数のブレード22と、少なくとも1つの駆動部材23と、から構成されてなる。
【0020】
ファン2の配置に基づき、各図面の矢印方向Xは前後方向を表し、矢印方向Yは左右方向を表し、矢印方向Zは上下方向を表す。
【0021】
上述したリング状の枠体20は、ファン2が使用し易いように、円形縁部がリング体を呈し、その表面は絶縁体からなる。
【0022】
枠体20は、下向きのコ字状を呈するか馬蹄形状を呈する溝構造200を有し、上下左右の方向に構成された二次元平面により、内側壁20a及び外側壁20bを画成し、溝構造200の底側20cが後方に形成され、溝構造200は前向きに開口する。
【0023】
上述したガイドレールアセンブリ21は、例えば、溝構造200の内側壁20a及び外側壁20b上に配置されるなど、枠体20のリング状縁部に沿って配置されてもよい。
【0024】
第1実施形態のガイドレールアセンブリ21は、複数の第1の電磁部材21a,21a’及び複数の第2の電磁部材21b,21b’を含む。複数の第1の電磁部材21a,21a’及び複数の第2の電磁部材21b,21b’は互いに貫通配置される。互いに隣り合う第1の電磁部材21aの磁性は、第2の電磁部材21bの磁性と異なる。詳細には、第1の電磁部材21a,21a’及び第2の電磁部材21b,21b’は、電磁体210と、電磁体210に巻付けられるコイル211と、を有し、コイル211が発生させた電流方向I,I’をコントローラ9により制御し、互いに隣り合う第1の電磁部材21a,21a’及び第2の電磁部材21b,21b’が発生させる磁性は異なる(例えば、N極及びS極)。
【0025】
また、ガイドレールアセンブリ21は、リニアモータの固定子構造である。例えば、第1の電磁部材21a,21a’及び第2の電磁部材21b,21b’を枠体20のリング状縁部の内側壁20a及び外側壁20bに沿って間隔(例えば、間隙t)をおいて配置し(
図2Cを参照する)、内側壁20a及び外側壁20bが対応した第1の電磁部材21a,21a’(又は第2の電磁部材21b,21b’)が発生させる磁性は互いに異なる(例えば、N極及びS極)。
【0026】
上述したブレード22は、枠体20のリング内に配置され、複数のブレード22のうちの一つの端部22aは、軸部材24上に接続される。
【0027】
第1実施形態において、軸部材24は、枠体20の中心部に配設され、複数のブレード22を軸部材24に対して放射線状に配置する。例えば、軸部材24とブレード22とは一体成形されてもよい。
【0028】
上述した駆動部材23は、複数のブレード22のうちの一つの端部22bに接続され、電磁動力移動方式により、ガイドレールアセンブリ21上に位置する。駆動部材23は、ガイドレールアセンブリ21及び枠体20には触れない。
【0029】
第1実施形態の駆動部材23は、ブレード22により支えられ、枠体20の溝構造200の内側壁20a、外側壁20b及び底側20cには触れない。ここで、駆動部材23をブレード22に接続させる方式には、例えば、溶接など様々なものがあるが、これだけに限定されるわけではない。
【0030】
図2Cを参照する。
図2Cに示すように、駆動部材23は、矩形状ブロックであり、互いに対をなす第1の側部23a及び第2の側部23bを有する。第1の側部23aは、例えば磁石のような第1の磁性部231,231’が複数配置され、第2の側部23bは、例えば磁石のような第2の磁性部232,232’が複数配置され、第1の磁性部231,231’の磁性は、第2の磁性部232,232’の磁性と異なる。
【0031】
図2Cを参照する。
図2Cに示すように、同一側(例えば、内側壁20a又は外側壁20b)において、第1の磁性部231,231’及び第1の電磁部材21a,21a’が互いに異なる極性である場合、吸引し合い(例えば、吸引力f1)、第1の磁性部231,231’及び第2の電磁部材21b,21b’が互いに同じ極性である場合、排斥し合う(例えば、排斥力f2)。同じ道理により、第2の磁性部232,232’及び第1の電磁部材21a,21a’が互いに同じ極性である場合、排斥し合い(例えば、排斥力f2)、第2の磁性部232,232’及び第2の電磁部材21b,21b’が互いに異なる極性である場合、吸引し合う(例えば、吸引力f1)。
【0032】
そのため、
図2Cに示すように、ファン2を実際に使用する際、第1の電磁部材21a,21a’及び第2の電磁部材21b,21b’に通電すると、駆動部材23とガイドレールアセンブリ21との間には、内側壁20a及び外側壁20b上に電磁動力が発生し(例えば、排斥力f2及び吸引力f1)、枠体20の縁部に沿って駆動部材23が目標方向Rへ向かって移動し(
図2A及び
図2Cを参照する)、ブレード22が軸部材24に対して回転する。
【0033】
(第2実施形態)
図3A~
図3Cを参照する。
図3A~
図3Cは、本発明の第2実施形態に係るファン3を示す。本発明の第2実施形態に係るファン3は、枠体30の底側30cの方位が第1実施形態と異なるが、他の構造及び作動方式に関しては略同じであるため、以下では第1実施形態と異なる点に関してのみ説明し、同じ点に関しては説明を省略する。
【0034】
図3A~
図3Cを参照する。
図3A~
図3Cに示すように、枠体30の溝構造300の内側壁30a及び外側壁30bは、前方及び後方を向いている。溝構造300の底側30cは、上下左右に向かって取り囲むように設けられ、溝構造300の開口は、軸部材24(又は枠体30の中心部)を向いている。
【0035】
第2実施形態では、必要に応じて枠体30が支持座3a上に設置され、ファン3を家庭用電気器具ファンとして用い、各ブレード22が安定して回転するように、各ブレード22は駆動部材23にそれぞれ接続されている。
【0036】
また、ファン3は、互いに対応した第1の磁性部材34a及び第2の磁性部材34bを含む磁性アセンブリ34をさらに含んでもよい。例えば、第1の磁性部材34aが駆動部材23上に配置され、第2の磁性部材34bが枠体30の底側30c上に配置され、第1の磁性部材34aの磁性と第2の磁性部材34bの磁性とが互いに排斥されて駆動部材23が枠体30の底側30cに触れないため、ブレード22が回転する際、駆動部材23が枠体30に摩擦したり当たったりすることを防ぐことができる。
【0037】
磁性アセンブリ34が永久磁石群である場合、ブレード22の回転が止まると、駆動部材23は枠体30に触れない。磁性アセンブリ34が電磁石群である場合、ブレード22の回転が止まると、磁性アセンブリ34を選択的に通電させ、駆動部材23が枠体30に触れなくしてもよいし、磁性アセンブリ34を選択的に通電させず、駆動部材23が枠体30に触れるようにしてもよい。
【0038】
ここで、軸部材24が支持座3a上に設置される場合、
図3Aaに示すように、ブレード22の回転の有無に関わらず、駆動部材23は枠体30に触れない。
【0039】
(第3実施形態)
図4A及び
図4Bを参照する。
図4A及び
図4Bは、本発明の第3実施形態に係るファン4を示す。本発明の第3実施形態に係るファン4は、ファン群4aをさらに備える点で第2実施形態と異なるが、他の構造及び作動方式に関しては略同じであるため、以下では第2実施形態と異なる点に関してのみ説明し、同じ点に関しては説明を省略する。
【0040】
図4A及び
図4Bを参照する。
図4A及び
図4Bに示すように、本発明の第3実施形態に係るファン群4aは、軌道として用いる機能枠体40と、ガイドレールアセンブリ21と、枠体30上に固着(例えば、螺着、溶接又は他の方式)された複数の機能ブレード42と、を含む。機能枠体40は、枠体30を中心として枠体30の外側に取り囲むように設ける。即ち、機能枠体40及び枠体30は、軸部材24を中心とした同心リング構造を構成する。
【0041】
第3実施形態において、機能枠体40と枠体30とは同じ構造である。即ち、機能枠体40の溝構造400の内側壁40a及び外側壁40bは、前方及び後方を向いており、溝構造400の底側30cは、上下左右の方向に取り囲むように設けられ、溝構造400が枠体30(又は軸部材24)に向かって開口している。
【0042】
ガイドレールアセンブリ21は、機能枠体40のリング状縁部に配置され、各機能ブレード42が駆動部材23にそれぞれ接続され、各機能ブレード42は軸部材24に対して回転する。例えば、枠体30が軸座4bに軸着され、枠体30により各機能ブレード42が回転されてもよい。
【0043】
また、枠体30を内軌道として用い、機能枠体40を外軌道として用いてファン4を多軌道形式に形成し、機能枠体40及び軸座4bを支持座3a上に設置してもよい。
【0044】
また、機能枠体40の数を必要に応じて増やし、多数組のファン群4aのファンを形成してもよい。
【0045】
ファン4を実際に使用する際、ファン群4aの機能ブレード42の回転方向は、ブレード22の回転方向と異なってもよい。例えば、機能ブレード42を時計回りで回転させ、ブレード22を逆時計回りで回転させ、ファン4が異なる方向の風力を提供できるようにしてもよい。ここで、ファン群4aの機能ブレード42の回転方向は、ブレード22の回転方向と同じでもよい。
【0046】
(第4実施形態)
図5A及び
図5Bを参照する。
図5A及び
図5Bは、本発明の第4実施形態に係るファン5を示す。本発明の第4実施形態に係るファン5は、補助枠体50をさらに備える点で第3実施形態と異なるが、他の構造及び作動方式に関しては略同じであるため、以下では第3実施形態と異なる点に関してのみ説明し、同じ点に関しては説明を省略する。
【0047】
図5A及び
図5Bを参照する。
図5A及び
図5Bに示すように、本発明の第4実施形態に係るファン群5aは、軌道として用いる機能枠体40と、ガイドレールアセンブリ21と、枠体30上に接続(例えば、一体成形、螺着、溶接、軸着又は他の方式)された補助枠体50と、複数の機能ブレード52と、を含む。補助枠体50は、枠体30を中心として枠体30の外側に取り囲むように設けられる。即ち、補助枠体50、機能枠体40及び枠体30は、軸部材24を中心とした同心リング構造を構成する。
【0048】
第4実施形態において、補助枠体50と枠体30とは同じ構造である。即ち、補助枠体50の溝構造500の内側壁50a及び外側壁50bは、前方及び後方を向いている。溝構造500の底側50cは、上下左右の方向に取り囲むように設けられ、溝構造500が機能枠体40に向けて開口している。
【0049】
ガイドレールアセンブリ21は、補助枠体50のリング状縁部に配置され、各機能ブレード52の両端縁には駆動部材23がそれぞれ接続され、各機能ブレード52が軸部材24に対して回転する。例えば、補助枠体50を補助外軌道として用い、機能枠体40を主要な外軌道として用い、ファン5を多軌道形式に形成してもよい。
【0050】
ファン5を実際に使用する際、ファン群5aの機能ブレード52の回転方向をブレード22の回転方向と異なるようにしてもよい。例えば、機能ブレード52を時計回りで回転させ、ブレード22を逆時計回りで回転させることにより、ファン5は異なる方向の風力を提供することができ、枠体30を回転させる必要がない。また、ファン群5aの機能ブレード52の回転方向は、ブレード22の回転方向と同じでもよい。
【0051】
そのため、ファン5を必要に応じて無人機6上に配置し(
図5C又は
図5Dを参照する)、機能枠体40及び補助枠体50を枠体30に軸着し、枠体30(及び図示されていないブレード22)を機体本体(又は翼60)に対して回転させるか、機能枠体40及び補助枠体50(及び図示されていない機能ブレード52)を機体本体(又は翼60)に対して回転させ、無人機6の上昇・下降及び前進の動力を得てもよい。
【0052】
また、溝構造200,300,400,500の態様には様々なものがあり、例えば、
図3Baに示すように断面が爪形状を呈する溝構造300’のようなものに限定されるわけではない。
【0053】
本発明のファン2,3,4,5は、主に電磁動力により駆動部材23を移動させるため、従来技術のようにモータモジュールを使用しなくてもよく、枠体20,30、補助枠体50及び機能枠体40の後方に動力機構が設けられていないため、ファン2,3,4,5の体積を小さくすることができる。
【0054】
また、本発明のファン2,3,4,5は、従来のモータモジュールを使用する必要がない上、ブレード22(及び機能ブレード42)が回転するときに、駆動部材23が枠体20,30(補助枠体50及び機能枠体40)及びガイドレールアセンブリ21に触れず、機械による騒音をファン2,3,4,5が発生させないため、ファン2,3,4,5が発生させる音が極めて小さい。
【0055】
また、支持座3aを利用してブレード22(及び機能ブレード42)を支えて駆動部材23を支えているため、重力に打ち勝つ磁気浮力を発生させる必要がない。そのため、溝構造200,300,400,500の底側20c,30c,40c,50cと駆動部材23との間に磁気浮力を発生させる必要はない。しかし、従来の回路構成を採用するために、磁気浮上式鉄道が使用している磁気浮上動力システム(即ち、磁性アセンブリ34)を使用して駆動部材23を支えるため、製造コスト及び設計コストを減らすことができる。
【0056】
また、本発明はファン2,3,4,5への使用のみに限定されるわけではなく、ブレード22が配置された関連機構、例えば、コンピュータの放熱ファン、飛行機(無人機6)の回転翼又は船(船舶、潜水船)などのスクリューに利用してもよい。
【0057】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0058】
1 ファン
2 ファン
3 ファン
3a 支持座
4 ファン
4a ファン群
4b 軸座
5 ファン
5a ファン群
6 無人機
9 コントローラ
10 枠体
11 モータモジュール
12 ブレード
14 軸部材
20 枠体
20a 内側壁
20b 外側壁
20c 底側
21 ガイドレールアセンブリ
21a 第1の電磁部材
21a’ 第1の電磁部材
21b 第2の電磁部材
21b’ 第2の電磁部材
22 ブレード
22a 端部
22b 端部
23 駆動部材
23a 第1の側部
23b 第2の側部
24 軸部材
30 枠体
30a 内側壁
30b 外側壁
30c 底側
34 磁性アセンブリ
34a 第1の磁性部材
34b 第2の磁性部材
40 機能枠体
40a 内側壁
40b 外側壁
40c 底側
42 機能ブレード
50 補助枠体
50a 内側壁
50b 外側壁
50c 底側
52 機能ブレード
60 翼
200 溝構造
210 電磁体
211 コイル
231 第1の磁性部
231’ 第1の磁性部
232 第2の磁性部
232’ 第2の磁性部
300 溝構造
300’ 溝構造
400 溝構造
500 溝構造
f1 吸引力
f2 排斥力
I 電流方向
I’ 電流方向
R 目標方向
t 間隔
X 矢印方向
Y 矢印方向
Z 矢印方向