(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】複数の出力を備える自動車両の照明装置のための電力供給
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/04 20060101AFI20220414BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20220414BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
B60Q1/04 E
H02M3/155 V
H02M3/28 V
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017037114
(22)【出願日】2017-02-28
【審査請求日】2020-02-14
(32)【優先日】2016-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ダビッド、ブーディキアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フィリップ、アルブ
(72)【発明者】
【氏名】シルバン、イボン
(72)【発明者】
【氏名】イランツ、ジョーレジ
(72)【発明者】
【氏名】スーヘイル、マッツール
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-131840(JP,A)
【文献】特開平09-233809(JP,A)
【文献】特開2005-245128(JP,A)
【文献】実開平06-041385(JP,U)
【文献】特開2009-012669(JP,A)
【文献】特開2004-134146(JP,A)
【文献】特開2011-087389(JP,A)
【文献】特開平09-093914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/04
H02M 3/155
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用の光源の少なくとも2つのグループの電力供給を制御するための装置(100,800,900)であって、スイッチモード電圧コンバータ回路(110,210,310,410,510,610,710,810,910)を備え、前記コンバータ回路が、入力DC電圧を発端として切り換え電圧信号(114,214,314,414,514,614,714,814,914)を生成するようになっている手段(112,212,312,412,512,612,712,812,912)と、前記切り換え電圧信号(114,214,314,414,514,614,714,814,914)を第1の電圧レベルを有する第1出力DC電圧に変換するように形成されるとともに光源の第1のグループに給電するようになっている一次出力手段(116,216,316,416,516,616,716,816,916)とを備える、装置(100,800,900)において、
前記装置は、前記切り換え電圧信号(114,214,314,414,514,614,714,814,914)を第2の電圧レベルを有する少なくとも第2の出力DC電圧に変換するように形成されるとともに光源の第2のグループに給電するようになっている二次出力手段(126,226,326,426,526,626,726,826,926)を備え、
前記第2の電圧レベルが前記第1の電圧レベルよりも高いものであり、
前記装置は、前記二次出力手段の出力部と前記一次出力手段の出力部との間に接続され、前記二次出力手段の二次出力を補完するリニア電流レギュレータ(l1)を備える ことを特徴とする装置(100,800,900)。
【請求項2】
前記二次出力手段(126,226,326,426,526,626,726,826,926)がコンデンサとダイオードとを含む電子回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記二次出力手段(126,226,326,426,526,626,726,826,926)が前記切り換え電圧信号を発端として複数の出力DC電圧を生み出し、これらの出力電圧のレベルが前記第1の電圧レベルよりも高いことを特徴とする請求項1から2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記切り換え電圧信号(114,214,314,414,514,614,714,814,914)が2つの異なる電圧値間で交番することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記2つの電圧値のうちの一方がゼロであることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コンバータ回路は、スイッチモードコンバータ、SEPIC型、フライバック型、降圧(バック)型、又は、昇圧(ブースト)型の回路であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも2つの異なる光ビームを生み出す光源の少なくとも2つのグループを備える自動車両用の照明装置であって、前記光源の2つのグループの電力供給を制御するための請求項1から6のいずれか一項に記載の装置を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
第1の照明機能の全部又は一部を果たす光源の第1のグループが請求項
1から6のいずれか一項に記載の装置の第1の出力DC電圧によって給電され、第2の照明機能の全部又は一部を果たす光源の少なくとも第2のグループが請求項1から6のいずれか一項に記載の装置の第2の出力DC電圧によって給電されることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1の照明機能及び前記第2の照明機能が位置標示灯機能及びロービームヘッドランプ機能を備えることを特徴とする
請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記光源は、発光ダイオード(LED)、パワーダイオード、又は、レーザダイオードを備えることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車両の分野における、光源の電力供給を制御するための装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード又はLEDなどの半導体素子を伴う光源を使用して自動車両の様々な照明機能を果たすことが益々一般的になってきている。これらの機能は、例えば、昼光、サイドライト、方向指示器、又は、ロービームヘッドランプを含むことができる。既知の態様で、電力供給を制御するための装置は、所定の照明機能を果たすLEDのグループに給電する必要がある。そのような制御装置は、一般に、バッテリなどの車両内部の電源により供給される入力DC電圧を発端としてLEDのグループの電力供給に適した値を有する出力電圧を生成できる電圧コンバータを備える。LEDは、直流電圧と呼ばれる少なくとも閾値の電圧がその端子に印加されるときに光を発する。
【0003】
既知のコンバータは、SEPIC(シングルエンド一次インダクタコンバータ)型、フライバック型、昇圧(「ブースト」)型、又は、降圧(「バック」)型のコンバータを含む。そのようなコンバータは、その状態が開値と閉値との間で周期的に切り換えられるトランジスタなどのスイッチング素子の使用を伴う。スイッチに印加されるチョッピング周波数は、出力電圧の値に影響を与える。
【0004】
異なる照明機能は異なる光強度を必要とするため、供給電圧要件及び供給電流要件が自動車両の照明装置により行われる様々な照明機能間で異なることは言うまでもない。これらのニーズを満たすために、既知の解決策は複数のコンバータ回路を設けることであり、各コンバータ回路は所要の出力電圧及び出力電流のうちの一方を生成する。しかしながら、この解決策は、費用がかかるとともに、自動車両用の照明装置の限られた環境においてかなりの空間損失をもたらす。或いは、既知の解決策は、タイムシェアリングの原理にしたがって、所定のコンバータを2つの異なるモードで交互に動作させることである。しかしながら、この解決策は、複雑な制御回路を必要とするとともに、給電されるべき光源の寿命にとって有害となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術によってもたらされる問題のうちの少なくとも1つを克服することである。より正確には、本発明の目的は、単一のスイッチモードコンバータ回路によって電力供給出力を幾つかの電圧レベルで実現できるようにする、電力供給を制御するための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主題は、自動車両用の光源の少なくとも2つのグループの電力供給を制御するための装置であって、スイッチモード電圧コンバータ回路を備え、前記コンバータ回路が入力DC電圧を発端として切り換え電圧信号を生成するようになっている手段を備える、装置である。装置は、前記切り換え電圧信号を第1の電圧レベルを有する出力DC電圧に変換するように形成されるとともに光源の第1のグループに給電するようになっている一次出力手段を備える。装置は、前記切り換え電圧信号を第2の電圧レベルを有する少なくとも第2の出力DC電圧に変換するように形成されるとともに光源の第2のグループに給電するようになっている二次出力手段を備えるという点において注目に値する。
【0007】
好ましくは、光源の少なくとも2つのグループは、自動車両のための少なくとも2つの別個の照明機能を果たすことができる。
【0008】
光源の第1のグループの電圧要件は、第2の電圧レベルよりも低くなり得ることが好ましい。
【0009】
第2の電圧レベルは、第1の電圧レベルよりも高くなり得ることが好ましい。
【0010】
二次出力手段は、好ましくは、コンデンサとダイオードとを含む電子回路を備えることができる。好ましくは、二次出力手段は、スイッチング素子及び/又は集積回路及び/又はマイクロコントローラ素子を全く備えない電子回路を備えることができる。好ましくは、二次出力手段は、コンデンサとダイオードとから、随意的にはレジスタから構成される電子回路を備えることができる。
【0011】
好ましくは、二次出力手段は、切り換え電圧信号を発端として複数の出力DC電圧を生み出すことができ、これらの出力電圧のレベルは第1の電圧レベルよりも高い。
【0012】
切り換え信号は、2つの異なる電圧値間で交番し得ることが好ましい。
【0013】
2つの電圧値のうちの一方がゼロであり得ることが好ましい。
【0014】
コンバータ回路は、スイッチモードコンバータ、特に、SEPIC型、フライバック型、降圧(バック)型、又は、昇圧(ブースト)型の回路であり得ることが好ましい。
【0015】
コンバータ回路は、好ましくは、切り換え電圧信号を生成する第1の部分を備えることができる。
【0016】
コンバータ回路は、好ましくは、トランジスタであることが好ましい電圧チョッピング機能を果たすスイッチング素子を備えることができる。二次出力手段は、トランジスタのドレイン端子で生成される切り換え信号を変換できることが好ましい。或いは、二次出力手段は、コンバータ回路のダイオードのアノードで実現される切り換え信号を変換してもよい。
【0017】
好ましくは、二次出力手段は、出力電流を調整するための線形手段を備えることができる。
【0018】
本発明の他の主題は、少なくとも2つの異なる光ビームを生成する光源の少なくとも2つのグループを備える自動車両用の照明装置である。照明装置は、それが光源の2つのグループの電力供給を制御するための本発明に係る装置を備えるという点において注目に値する。
【0019】
好ましくは、2つの光ビームは異なる光度調整機能を果たすことができる。或いは、2つの光ビームは、同じ光度調整機能を果たすことに関与してもよい。
【0020】
好ましくは、第1の照明機能の全部又は一部を果たす光源の第1のグループは、第1の出力電圧によって給電され得る。第2の照明機能の全部又は一部を果たす光源の第2のグループは、本発明に係る装置の第2の出力電圧によって給電され得る。
【0021】
照明機能は、好ましくは、位置標示灯機能及びロービームヘッドランプ機能を備えることができる。
【0022】
好ましくは、光源は、発光ダイオード(LED)、パワーダイオード、又は、レーザダイオードを備えることができる。
【0023】
本発明に係る方策を使用することにより、単一のスイッチモードコンバータを用いて、様々な照明機能を果たすとともに異なる電圧を必要とする光源のグループに給電することが可能になる。スイッチモードコンバータの主出力電圧よりも高い電圧を少なくとも1つの更なる出力に与えることにより、自動車両用の照明装置の設計における自由度を高めることができる。本発明により講じられる解決策は簡単な電子部品及び複雑度が低い電子回路の使用のみを伴うため、その製造コストが低い。既存の解決策と比較して、提供される解決策は、異なる電圧の出力を必要とする光源の幾つかのグループの電力供給を制御するための装置が必要とする空間を小さくできる。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、図面の典型的な説明を用いてより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】1つの好ましい実施形態における本発明に係る電力供給を制御するための装置を概略的に示す。
【
図2】SEPIC型のコンバータ回路の1つの例を示し、例えばこのコンバータは本発明の1つの好ましい実施形態で動作する。
【
図3】フライバック型のコンバータ回路の1つの例を示し、例えばこのコンバータは本発明の1つの好ましい実施形態で動作する。
【
図4】ブースト型のコンバータ回路の1つの例を示し、例えばこのコンバータは本発明の1つの好ましい実施形態で動作する。
【
図5】バック型のコンバータ回路の1つの例を示し、例えばこのコンバータは本発明の1つの好ましい実施形態で動作する。
【
図6a】本発明の1つの好ましい実施形態における二次出力手段の役割を果たす回路の1つの例を示す。
【
図6b】切り換え入力電圧信号が与えられる
図6aにおける回路により生成される出力電圧の挙動を示す。
【
図7a】本発明の1つの好ましい実施形態における二次出力手段の役割を果たす回路の1つの例を示す。
【
図7b】切り換え入力電圧信号が与えられる
図7aにおける回路により生成される出力電圧の挙動を示す。
【
図8a】本発明の1つの好ましい実施形態における二次出力手段の役割を果たす回路の1つの例を示す。
【
図8b】切り換え入力電圧信号が与えられる
図8aにおける回路により生成される出力電圧の挙動を示す。
【
図9a】本発明の1つの好ましい実施形態における二次出力手段の役割を果たす回路の1つの例を示す。
【
図9b】切り換え入力電圧信号が与えられる
図9aにおける回路により生成される出力電圧の挙動を示す。
【
図10a】本発明の1つの好ましい実施形態における二次出力手段の役割を果たす回路の1つの例を示す。
【
図10b】切り換え入力電圧信号が与えられる
図10aにおける回路により生成される出力電圧の挙動を示す。
【
図11a】本発明の1つの好ましい実施形態における二次出力手段の役割を果たす回路の1つの例を示す。
【
図11b】切り換え入力電圧信号が与えられる
図11aにおける回路により生成される出力電圧の挙動を示す。
【
図12a】本発明に係る電力供給を制御するための装置の1つの好ましい実施形態を示す。
【
図12b】
図12aにおける装置により生成される第1及び第2の出力電圧レベルを切り換え電圧信号の挙動と共に示す。
【
図13】自動車両用の本発明に係る照明装置の1つの好ましい実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明において、同様の参照番号は、本発明の異なる実施形態の全体にわたって同様の概念を表すために使用される。したがって、番号100、800、及び、900は、本発明に係る3つの異なる実施形態において電力供給を制御するための装置を表す。
【0027】
正反対のことが特に示唆されなければ、所定の実施形態に関して詳しく記載される技術的特徴は、非限定的な例として説明される他の実施形態との関連で記載される技術的特徴と組み合わされてもよい。
【0028】
自動車両用の照明装置の電力供給を制御するための装置の動作に関連するとともに本発明に対して直接的な影響を全く与えない従来技術で良く知られる要素は、説明を明確にするためにこの説明の枠組みの中で詳しく説明されない。
【0029】
図1は、第1の好ましい実施形態にしたがって提供される構成を概略的に示す。自動車両用の光源の少なくとも2つのグループの電力供給を制御するための装置100が示される。光源は、発光ダイオード(LED)であってもよいが、これに限定されない。装置は、参照番号110によって示されるスイッチモード電圧コンバータ回路を備える。コンバータ回路110は、入力電圧V
INを、切り換え電圧信号114を生成する適切な手段112と、切り換え電圧信号をV
INとは異なる値を有するDC電圧に変換する一次出力手段116との存在下で、一次出力電圧MAIN_OUTに変換するようになっている。第1の出力レベルMAIN_OUTは光源の第1のグループに給電するようになっており、光源の第1のグループの電圧要件は二次出力レベルAUX_OUTよりも低い。これは、例えば、「ロービームヘッドランプ」照明機能を果たす光源のグループであってもよい。また、装置100は、コンバータ回路110で受けられる切り換え電圧信号114を電圧MAIN_OUTよりも高い第2の出力電圧AUX_OUTに変換する二次出力手段126も備える。異なる電圧の幾つかの出力AUX_OUTが二次出力手段126によって生成されてもよいが、本発明の範囲から逸脱しない。二次出力手段は、スイッチング素子の使用を伴わず、コンデンサ及びダイオードのみの使用を伴い、したがって、提供される解決策の複雑さを制限する。
【0030】
コンバータ回路110及び二次出力手段126の様々な実施形態を想定し得る。以下、
図2~
図11を用いて、これらの構成要素の好ましい実施形態を非限定的な一例として説明する。様々な実施形態には、1つの実施形態から他の実施形態へ移行する際に、100の数値を増分させることによって番号が付される。したがって、
図1の構成におけるコンバータ回路110は、コンバータ210,310,410等によって形成されてもよい。
【0031】
図2は、SEPIC型のコンバータ210の回路図を示す。「シングルエンド一次インダクタコンバータ(single ended primary inductor converter)」の頭字語であるSEPICコンバータは、第1のDC電圧V
INを第1のDC電圧よりも高い又は低い異なる値を有する第2のDC電圧MAIN_OUTに変換するために使用されるスイッチモード電源である。出力電圧の値は、ここでは例えばMOSFET型のトランジスタとして示されるスイッチQ1の閉成のデューティサイクルによって決まる。スイッチが開いているときは、2つのインダクタL1,L2がダイオードD1を介して充電回路に電流を供給する。スイッチが閉じられると、電圧源がインダクタL1を充電する一方で、第1のコンデンサCpが第2のインダクタL2を充電する。充電回路には第2のコンデンサCOUTによって電流が供給される。また、2つのインダクタL1,L2を同じ磁気回路で結合される2つのインダクタに置き換えることもできる。
【0032】
コンバータの第1の部分212は切り換え電圧信号214を生成し、この切り換え電圧信号214は、本発明に係る装置では、トランジスタQ1のドレイン端子で前述した二次出力手段によって受けられる。インダクタL1,L2の値が同一である場合、信号214は、電圧レベルMAIN_OUT+VINと電圧レベル0との間で交番する。或いは、二次出力手段がダイオードD1のアノードで切り換え電圧信号214’を受けてもよい。信号214’は、電圧レベルMAIN_OUTと電圧レベル-VINとの間で交番する。コンバータの第2の部分216はDC電圧レベルMAIN_OUTを生成する。
【0033】
図3は、フライバック型のコンバータ310の回路図を示す。フライバックコンバータは、結合インダクタの形態を成す変圧器T1を備える。一次変圧器が巻数n1によって特徴付けられ、一方、二次変圧器における巻数がn2によって与えられる。コンバータの第1の部分312は切り換え電圧信号314を生成し、この切り換え電圧信号314は、本発明に係る装置では、トランジスタQ1のドレイン端子で前述した二次出力手段によって受けられる。信号314は、電圧レベル(n2/n1)MAIN_OUTと電圧レベル0との間で交番する。或いは、二次出力手段がダイオードD1のアノードで切り換え電圧信号314’を受けてもよい。信号314’は、電圧レベルMAIN_OUTと電圧レベル-(n2/n1)V
INとの間で交番する。コンバータの第2の部分316はDC電圧レベルMAIN_OUTを生成する。
【0034】
図4は、昇圧型又はブースト型のコンバータ410の回路図を示す。コンバータの第1の部分412は切り換え電圧信号414を生成し、この切り換え電圧信号414は、本発明に係る装置では、トランジスタQ1のドレイン端子で前述した二次出力手段によって受けられる。信号414は、電圧レベルMAIN_OUTと電圧レベル0との間で交番する。コンバータの第2の部分416はDC電圧レベルMAIN_OUTを生成する。
【0035】
図5は、降圧型又はバック型のコンバータ510の回路図を示す。コンバータの第1の部分512は切り換え電圧信号514を生成し、この切り換え電圧信号514は、本発明に係る装置では、トランジスタQ1のドレイン端子で前述した二次出力手段によって受けられる。信号514は、電圧レベルV
INと電圧レベル0との間で交番する。コンバータの第2の部分516はDC電圧レベルMAIN_OUTを生成する。
【0036】
図6~
図11は、
図1に示される構成の二次出力手段126の機能を果たす電子回路の例を示す。参照符号「Vswitching」は二次出力手段の入力信号を示し、この入力信号は、コンバータ回路により生成される切り換え電圧信号に対応する。
図6a~
図8aは、コンバータ回路内で受けられる切り換え電圧信号が第1の非ゼロ電圧値と値0との間で交番するときに使用されるようになっている回路226,326,426の例である。
図6b~
図8bは、それぞれの回路により生成され得る第2の出力電圧の挙動及び値を与える。他の電子回路が想定できるとともに当業者に利用できることは言うまでもないが、本発明の範囲から逸脱しない。具体的な実装は、特に要求される電圧の実際の値の観点から、用途の要件によって決まる。
【0037】
同様に、
図9a~
図11aは、コンバータ回路内で受けられる切り換え電圧信号が第1のプラス電圧値と第2のマイナス電圧値との間で交番するときに使用されるようになっている回路526,626,726の例である。
図9b~
図11bは、それぞれの回路により生成され得る第2の出力電圧の挙動及び値を与える。他の電子回路が想定できるとともに当業者に利用できることは言うまでもないが、本発明の範囲から逸脱しない。
【0038】
今しがた説明してきたようなコンバータ回路と今しがた説明してきたような二次出力手段の役割を果たす電子回路との間の組み合わせの1つの例が非限定的な例として
図12aに示される。光源の電力供給を制御するための装置800は、SEPIC型のコンバータ回路810を備える。コンバータ回路の第1の部分812は、ダイオードD1のアノードで切り換え電圧信号814を生成する。コンバータ回路の第2の部分816は、信号814を一次出力DC電圧MAIN_OUTに変換する。一例として、コンバータ810の入力電圧はV
IN=13.5Vに等しい。切り換え電圧信号814は、値MAIN_OUT(15V)と値-V
INとの間で交番する。この信号は、V
IN+MAIN_OUTに相当する28.5Vの第2の高電圧出力レベルAUX_OUTを生み出す二次出力手段826の入力として受けられる。それぞれの電圧信号の経時的な変動が
図12bにグラフで示される。
【0039】
図13は、本発明に係る半導体素子により光源の幾つかのグループの電力供給を制御するための装置900を備える自動車両用の照明装置の1つの例を示す。コンバータ回路910は、切り換え電圧信号914を生成する第1の部分912を、切り換え電圧信号914を発端として一次出力電圧レベルMAIN_OUTを生成する第2の部分916と共に備える。切り換え電圧信号914は二次出力手段926によって受けられ、二次出力手段926は、切り換え電圧信号914を二次出力電圧レベルAUX_OUTに変換する。二次出力はリニア電流レギュレータl1によって補完される。図示の装置900は、特に、単一のコンバータ回路910により、複数の照明機能を果たす自動車両の光源の3つの別個のグループに給電できるようにする。LBにより示される光源の第1のグループはロービームヘッドランプ機能を果たす。光源の第2のグループHBはハイビームヘッドランプ機能を果たす。光源の第3のグループDRL/PLは、光源のこのグループを通じて流れる電流の強度に応じて、日中走行ライト機能又は位置標示灯機能を果たす。複数のスイッチS1,S2,S3が装置900の負荷に対する光源の様々なグループの接続を司る。スイッチは、この目的のためにプログラミングされた図示しないマイクロコントローラ素子により公知の態様で制御される。
【0040】
昼光動作モードでは、スイッチS1が閉じられ、S2が閉じられるとともに、S3が開く。リニア電流レギュレータI1が起動しておらず、また、グループDRL/PLが出力MAIN_OUTによって給電される。
【0041】
ロービームヘッドランプ・位置標示灯(LB+PL)動作モードでは、スイッチS3が閉じられる一方で、S1及びS2が開き、また、リニア電流レギュレータl1がAUX_OUTをDRL/PL光源用の分岐に接続する。位置標示灯機能は装置900の二次出力によって給電され、一方、ロービームヘッドランプ機能は一次出力MAIN_OUTによって給電される。
【0042】
ロービームヘッドランプ・ハイビームヘッドランプ・位置標示灯(LB+HB+PL)動作モードでは、スイッチS2が閉じられ、S1及びS3が開き、また、リニア電流レギュレータl1がAUX_OUTをDRL/PL光源分岐に接続する。位置標示灯機能は装置900の二次出力によって給電され、一方、ロービームヘッドランプ/ハイビームヘッドランプ複合機能は一次出力MAIN_OUTによって給電される。
【0043】
今しがた与えられてきた説明の助けを借りて、当業者であれば、今しがた説明してきた効果を与える他の実施をどのようにして行うべきかが分かるが、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱しない。