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  • 特許-てこ実験器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】てこ実験器
(51)【国際特許分類】
   G09B 23/10 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
G09B23/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017157789
(22)【出願日】2017-08-18
(65)【公開番号】P2019035883
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-10-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載日 2017年3月20日 ウェブサイトのアドレス http://www.uchida.co.jp/education/catalog/science64jr/pageview.html#page_num=324 公開者 株式会社内田洋行 公開された発明の内容 株式会社内田洋行が上記アドレスのウェブサイトにて出願に係るてこ実験器の発明について公開した。 (2)ウェブサイトの掲載日 2017年3月20日 ウェブサイトのアドレス http://www.uchida.co.jp/education/catalog/science64ele/pageview.html#page_num=324 公開者 株式会社内田洋行 公開された発明の内容 株式会社内田洋行が上記アドレスのウェブサイトにて出願に係るてこ実験器の発明について公開した。 (3)発行日 2017年3月20日 刊行物 ウチダ理化学機器カタログ(平成29-30年度版 Vol.64の324ページ) 公開者 株式会社内田洋行 公開された発明の内容 株式会社内田洋行が上記刊行物にて出願に係るてこ実験器の発明について公開した。 (4)発行日 2017年3月20日 刊行物 ウチダ理科カタログ(平成29-30年度版 Vol.64の324ページ) 公開者 株式会社内田洋行 公開された発明の内容 株式会社内田洋行が上記刊行物にて出願に係るてこ実験器の発明について公開した。 (5)開催日 2017年2月21日 集会名、開催場所 平成29年内田洋行スプリングセール研修会、京都エミナース(京都府京都市西京区大原野東境谷町2-4) 公開者 株式会社内田洋行 公開された発明の内容 株式会社内田洋行が上記集会にて出願に係るてこ実験器の発明について公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(73)【特許権者】
【識別番号】390005979
【氏名又は名称】さくら精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130993
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 弘揮
(72)【発明者】
【氏名】足利 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】村本 一平
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3088142(JP,U)
【文献】実開昭54-157696(JP,U)
【文献】登録実用新案第3208683(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/08-23/12
A63H 1/00-37/00
G01G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台上に立設された支柱と、
前記支柱の上端付近に回動自在に取り付けられたアームと、
前記アームの長手方向における中央部分に穿設された支点孔と、
前記支柱の上端付近に、前記支柱の長手方向と直交する方向に突出するようにして形成され、前記アームの前記支点孔の内径より長い外径を有する軸支持部と、前記軸支持部の中央部分から突出するようにして前記軸支持部に一体成形され、前記アームの前記支点孔の内径より短い外径を有することにより、前記アームの前記支点孔に挿通された軸部と、前記軸部の先端に一体成形され、前記アームの前記支点孔の内径より長い外径を有する軸頭部とからなる支点軸と、
前記アームに前記アームの長手方向に沿って一定間隔毎にそれぞれ穿設された複数の引掛孔と、
前記引掛孔に掛けるための複数の重りと、
前記支柱のうち前記支点軸の直下に穿設されたガイド孔と、
前記アームのうち前記支点孔の直下に穿設された固定用孔と、
前記支柱の前記ガイド孔の内径より短い外径を有すると共に、前記アームの前記固定用孔の内径より短い外径を有し、前記支柱の前記ガイド孔及び前記アームの前記固定用孔に挿通されたピン軸部と、前記ピン軸部の両端のうち、前記支柱の非アーム取付面側に位置する一端に一体成形され、前記支柱の前記ガイド孔の内径より長い外径を有するピン頭部とからなり、前記ピン軸部の長手方向における長さは、前記支点軸の突出方向における、前記支柱の長さと、前記支点軸のうち前記軸支持部及び前記軸部の長さとの合計の長さより長くなるように形成された固定用ピンと、
前記ピン軸部の先端から、前記アームの厚さより長い長さの位置であって、かつ前記支点軸の前記軸支持部の長さより短い長さの位置に、前記ピン軸部の周囲に沿って、前記ピン軸部に形成され、前記支柱の前記ガイド孔の内径より長い外径を有する抜け防止用リングと
を備えることを特徴とするてこ実験器。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、てこ実験器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小学校の理科の実験などで使用される実験用てことして、種々のてこ実験器が開発及び提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3208683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来と比較して一段と学習効果を向上させることができるてこ実験器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によるてこ実験器は、
基台と、
前記基台上に立設された支柱と、
前記支柱の上端付近に回動自在に取り付けられたアームと、
前記アームの長手方向における中央部分に穿設された支点孔と、
前記支柱の上端付近に、前記支柱の長手方向と直交する方向に突出するようにして形成され、前記アームの前記支点孔の内径より短い外径を有することにより、前記アームの前記支点孔に挿通された軸部と、前記軸部の先端に設けられ、前記アームの前記支点孔の内径より長い外径を有する軸頭部とからなる支点軸と、
前記アームに掛けるための複数の重りと、
前記支柱の前記支点軸付近に設けられたアーム固定手段と
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明のてこ実験器によれば、従来と比較して一段と学習効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態によるてこ実験器の構成を示す正面図及び縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態によるてこ実験器10の構成を示す。このうち、図1(a)は、てこ実験器10の正面図を示し、図1(b)及び図1(c)は、図1(a)中のA-A’線に沿って切断した場合における縦断面図を示す。
【0010】
てこ実験器10は、基台20上に立設された支柱30の上端付近に、アーム40を回動自在に取り付けることにより構成されている。
【0011】
すなわち、支柱30の上端付近には、てこの支点として機能する支点軸50が、支柱30の長手方向と直交する方向に突出するようにして形成されている。一方、アーム40の長手方向における中央部分には、支点軸50を挿通するための支点孔60が穿設されている。
【0012】
この支点軸50は、軸支持部50Aと、軸部50Bと、軸頭部50Cとを有する。このうち、軸支持部50Aは、支柱30に固着され、アーム40の支点孔60の内径より長い外径を有するように形成されている。
【0013】
軸部50Bは、軸支持部50Aの中央部分から突出するようにして軸支持部50Aに一体成形され、アーム40の支点孔60の内径より短い外径を有するように形成されている。これにより、軸部50Bは、アーム40の支点孔60に挿通される。
【0014】
軸頭部50Cは、軸部50Bの先端に一体的に形成され、アーム40の支点孔60の内径より長い外径を有するように形成されている。これにより、アーム40が支点軸50から外れることを防止している。
【0015】
このようにして、アーム40は、支点軸50を支点として、支柱30に回動自在に取り付けられている。
【0016】
アーム40には、重り70を掛けるための複数の引掛孔80が、アーム40の長手方向に沿って一定間隔毎にそれぞれ穿設されている。
【0017】
重り70は、重り本体70Aと、重り本体70Aの両端に設けられた釣針状のフック70B及び70Cとを有する。これにより、アーム40の引掛孔80に、重り70のフック70Bを掛けたり、引掛孔80に掛けられた重り70のフック70Cに、別の重り70のフック70Bを掛けることにより、てこの実験を行い得るようになされている。
【0018】
支柱30の上端には、アーム40の回転を止めるための右側ストッパ90A及び左側ストッパ90Bが設けられている。
【0019】
すなわち、右側ストッパ90Aは、アーム40の上方で、アーム40の右側部分と立体交差するように、支柱30の上端から延設されている。同様に、左側ストッパ90Bは、アーム40の上方で、アーム40の左側部分と立体交差するように、支柱30の上端から延設されている。
【0020】
また、これら右側及び左側ストッパ90A及び90Bは、いずれも、アーム40と立体交差する部分が上方に湾曲するように形成されている。
【0021】
これにより、てこの実験を行う際に、力のつり合いがとれず、アーム40が傾いて回転しようとした場合であっても、右側ストッパ90A又は左側ストッパ90Bによって、アーム40の回転を止めることができる。
【0022】
本実施の形態の場合、支柱30のうち、支点軸50の直下には、アーム40を固定する固定用ピン100を挿通するためのガイド孔110が穿設されている。同様に、アーム40のうち、支点孔60の直下には、固定用ピン100を挿通するための固定用孔120が穿設されている。
【0023】
固定用ピン100は、ピン頭部100Aと、ピン軸部100Bとを有し、アーム40を固定するために使用される。ピン軸部100Bは、支柱30のガイド孔110の内径より短い外径を有すると共に、アーム40の固定用孔120の内径より短い外径を有するように形成される。これにより、ピン軸部100Bは、支柱30のガイド孔110及びアーム40の固定用孔120に挿通される。
【0024】
ピン軸部100Bの両端のうち、支柱30の非アーム取付面側に位置する一端には、ピン頭部100Aが一体的に形成されている。ピン頭部100Aは、支柱30のガイド孔110の内径より長い外径を有するように形成され、これにより、実験者が固定用ピン100を押し出す際にストッパとして機能する(図1(b))。
【0025】
ピン軸部100Bの長手方向における長さは、支点軸50の突出方向における、支柱30の長さ(厚さ)と、支点軸50のうち軸支持部50A及び軸部50Bの長さとの合計の長さより長くなるように形成されている。
【0026】
また、ピン軸部100Bの先端から、アーム40の厚さより長い長さの位置であって、かつ支点軸50の軸支持部50Aの長さより短い長さの位置には、抜け防止用リング130が、ピン軸部100Bの周囲に沿って、ピン軸部100Bに一体的に形成されている。
【0027】
この抜け防止用リング130は、支柱30のガイド孔110の内径より長い外径を有するように形成され、これにより、実験者が固定用ピン100を引き抜く際にストッパとして機能する(図1(c))。なお、抜け防止用リング130は、例えばC状のリングや環状のリングなど、他の種々の形状を適用することができる。
【0028】
このように本実施の形態によれば、固定用ピン100を押し出して、固定用ピン100をアーム40の固定用孔120に挿通させれば(図1(b))、力のつり合いがとれていない場合であっても、アーム40を水平状態に固定することができるのに対して、固定用ピン100を引き抜いて、固定用ピン100をアーム40の固定用孔120から外せば(図1(c))、実際の力のつり合いの状態を確認することができる。
【0029】
具体的な実験方法としては、まず、アーム40を固定した状態で(図1(b))、実験者同士で話し合いながら予測を行い、重り70を掛ける。その後、固定用ピン100を引き抜くことにより(図1(c))、予測の適否について実験をして確認する。予測が誤っていた場合には、再度、アーム40を固定し(図1(b))、重り70を掛け直す。このようにして、てこの原理を理解できるまで、実験者同士で話し合いながら、繰り返し実験を行うことができる。
【0030】
従って、本実施の形態のてこ実験器10によれば、従来と比較して一段と学習効果を向上させることができる。
【0031】
すなわち、本実施の形態のてこ実験器10は、基台20と、基台20上に立設された支柱30と、支柱30の上端付近に回動自在に取り付けられたアーム40と、アーム40の長手方向における中央部分に穿設された支点孔60と、支柱30の上端付近に、支柱30の長手方向と直交する方向に突出するようにして形成され、アーム40の支点孔60の内径より長い外径を有する軸支持部50Aと、軸支持部50Aの中央部分から突出するようにして軸支持部50Aに一体成形され、アーム40の支点孔60の内径より短い外径を有することにより、アーム40の支点孔60に挿通された軸部50Bと、軸部50Bの先端に一体成形され、アーム40の支点孔60の内径より長い外径を有する軸頭部50Cとからなる支点軸50と、アーム40にアーム40の長手方向に沿って一定間隔毎にそれぞれ穿設された複数の引掛孔80と、引掛孔80に掛けるための複数の重り70と、アーム40の上方で、アーム40の右側及び左側部分とそれぞれ立体交差するように、支柱30の上端からそれぞれ延設され、アーム40と立体交差する部分がそれぞれ上方に湾曲するように形成された右側及び左側ストッパ90A及び90Bと、支柱30のうち支点軸50の直下に穿設されたガイド孔110と、アーム40のうち支点孔60の直下に穿設された固定用孔120と、支柱30のガイド孔110の内径より短い外径を有すると共に、アーム40の固定用孔120の内径より短い外径を有し、支柱30のガイド孔110及びアーム40の固定用孔120に挿通されたピン軸部100Bと、ピン軸部100Bの両端のうち、支柱30の非アーム取付面側に位置する一端に一体成形され、支柱30のガイド孔110の内径より長い外径を有するピン頭部100Aとからなり、ピン軸部100Bの長手方向における長さは、支点軸50の突出方向における、支柱30の長さと、支点軸50のうち軸支持部50A及び軸部50Bの長さとの合計の長さより長くなるように形成された固定用ピン100と、ピン軸部100Bの先端から、アーム40の厚さより長い長さの位置であって、かつ支点軸50の軸支持部50Aの長さより短い長さの位置に、ピン軸部100Bの周囲に沿って、ピン軸部100Bに一体的に形成され、支柱30のガイド孔110の内径より長い外径を有する抜け防止用リング130とを備える。
【0032】
なお、上述の実施の形態においては、軸支持部50Aと、軸部50Bと、軸頭部50Cとによって、支点軸50を形成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、軸支持部50Aを設けることなく、軸部50Bを支柱30に直接接続し、軸部50Bと、軸頭部50Cとによって、支点軸50を形成するようにしても良い。
【0033】
また、上述の実施の形態においては、アーム40に穿設された引掛孔80に重り70を掛ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばアーム40の長手方向に沿って一定間隔毎に設けられた釣針状のフックに、重り70を掛けるようにしても良い。
【0034】
また、上述の実施の形態においては、アーム固定手段として、固定用ピン100と、ガイド孔110と、固定用孔120と、抜け防止用リング130とからなるアーム固定手段100~130を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、支柱30の支点軸50付近に設けられた他の種々のアーム固定手段を適用するようにしても良い。
【0035】
すなわち、この場合、てこ実験器10は、基台20と、基台20上に立設された支柱30と、支柱30の上端付近に回動自在に取り付けられたアーム40と、アーム40の長手方向における中央部分に穿設された支点孔60と、支柱30の上端付近に、支柱30の長手方向と直交する方向に突出するようにして形成され、アーム40の支点孔60の内径より短い外径を有することにより、アーム40の支点孔60に挿通された軸部50Bと、軸部50Bの先端に設けられ、アーム40の支点孔60の内径より長い外径を有する軸頭部50Cとからなる支点軸50と、アームに掛けるための複数の重り70と、支柱30の支点軸50付近に設けられたアーム固定手段100~130とを備える。
【符号の説明】
【0036】
10 てこ実験器
20 基台
30 支柱
40 アーム
50 支点軸
60 支点孔
70 重り
80 引掛孔
90 ストッパ
100 固定用ピン
110 ガイド孔
120 固定用孔
130 抜け防止用リング

図1