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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】位置決め機構および検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20220414BHJP
   H01L 35/34 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
G01R31/00
H01L35/34
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018062836
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019174283
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細井 知和
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-091255(JP,A)
【文献】特開平08-313815(JP,A)
【文献】特開2000-338164(JP,A)
【文献】特開2001-264375(JP,A)
【文献】特開2011-085574(JP,A)
【文献】特開2014-135379(JP,A)
【文献】国際公開第2010/113257(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
H01L 35/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体と絶縁体とが積層されてなる積層体の導通状態を複数の検査部品を用いて検査する際に、前記積層体に対して前記複数の検査部品を位置決めする位置決め機構であって、
基準位置に達するまで第一方向に移動し、前記基準位置に達した後、前記第一方向とは逆の第二方向に移動する押圧部材と、
前記押圧部材が前記第一方向へ移動する際に、前記押圧部材に押圧されて前記第一方向に移動し、前記複数の検査部品を押圧して前記第一方向へ移動させ、前記積層体に対する前記複数の検査部品の位置決めを行う位置決め部材と、
前記押圧部材が前記第二方向へ移動する際に、前記位置決め部材の前記第二方向への移動を妨げる保持部材と、を備える、
位置決め機構。
【請求項2】
前記押圧部材は、前記基準位置において前記積層体と当接する、
請求項1に記載の位置決め機構。
【請求項3】
前記保持部材は、前記位置決め部材と当接することで前記位置決め部材の位置を保持するねじ式の部材である、
請求項1または2に記載の位置決め機構。
【請求項4】
前記押圧部材は、前記位置決め部材を押圧する押圧部を有し、
前記位置決め部材は、前記押圧部に押圧される被押圧部を有する、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の位置決め機構。
【請求項5】
前記押圧部材と前記位置決め部材との間に、前記押圧部を前記被押圧部から離間させる方向へ付勢する第一の付勢部材が設けられている、
請求項4に記載の位置決め機構。
【請求項6】
前記位置決め部材を前記複数の検査部品から離間させる方向へ付勢する第二の付勢部材が設けられている、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の位置決め機構。
【請求項7】
請求項に記載の位置決め機構を有する、
検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置決め機構および検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁体と導電体とを交互に重ねて形成された積層体が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-135379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
積層体は、複数の板状部品を積層されて形成される。そのため、各部品の積層方向への寸法誤差の積み上げにより、積層体としての積層方向への寸法誤差が大きくなる傾向にある。絶縁体と導電体とを交互に重ねて形成された積層体における導電体の導通検査を、積層体の積層方向に並べられた複数の検査部品を用いて行う場合、積層体に対してこれら複数の検査部品を適切に位置決めすることが要求される。
【0005】
本開示の目的は、検査対象に対する位置決めを適切に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態は、導電体と絶縁体とが積層されてなる積層体の導通状態を複数の検査部品を用いて検査する際に、前記積層体に対して前記複数の検査部品を位置決めする位置決め機構であって、基準位置に達するまで第一方向に移動し、前記基準位置に達した後、前記第一方向とは逆の第二方向に移動する押圧部材と、前記押圧部材が前記第一方向へ移動する際に、前記押圧部材に押圧されて前記第一方向に移動し、前記複数の検査部品を押圧して前記第一方向へ移動させ、前記積層体に対する前記複数の検査部品の位置決めを行う位置決め部材と、前記押圧部材が前記第二方向へ移動する際に、前記位置決め部材の前記第二方向への移動を妨げる保持部材と、を備える位置決め機構である。
【0007】
また、本開示の他の一形態は、上記位置決め機構を有し、導電体と絶縁体とが積層されてなる積層体の導通状態を複数の検査部品により検査する検査装置である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、検査対象に対する位置決めを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る検査装置の一例を模式的に示す平面図(上面図)
図2】実施形態に係る検査装置の一例を模式的に示す正面図
図3A図1のA-A断面図
図3B図1のB-B断面図
図4A】位置決め動作を説明するための模式図
図4B】位置決め動作を説明するための模式図
図4C】位置決め動作を説明するための模式図
図4D】位置決め動作を説明するための模式図
図4E】位置決め動作を説明するための模式図
図4F】位置決め動作を説明するための模式図
図5】位置決めが完了した状態を模式的に示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本開示はこの実施形態により限定されるものではない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
図1図2図3A図3Bおよび図5には、説明の便宜上、X軸、Y軸およびZ軸からなる3次元直交座標系が描かれている。X軸の正方向を+X方向、Y軸の正方向を+Y方向、Z軸の正方向を+Z方向(上方向)とそれぞれ定義する。
【0012】
図1および図2を参照して、検査装置1について説明する。図1は、実施形態に係る検査装置1の一例を模式的に示す平面図(上面図)である。図2は、実施形態に係る検査装置1の一例を模式的に示す正面図である。
【0013】
図1に示すように、検査装置1は、検査対象である積層体2(「第一部材」の一例)が収納されたケース(不図示)の上に載置されるベース部10と、検査ユニット20と、位置決め機構30とを備える。
【0014】
ベース部10は、XY平面に延在する例えばアルミ等の金属材料からなる板状部品である。ベース部10は、開口11と、レール12と、レール13と、ベースプレート14と、ベースプレート15とを備える。
【0015】
開口11は、ベース部10の中央部に設けられている。開口11は、ベース部10をZ方向に貫通している。レール12およびレール13は、ベース部10の下面に設けられている(図3Bを参照)。レール12およびレール13は、X方向に延在している。レール12とレール13とは、Y方向に並んでいる。
【0016】
ベースプレート14は、ベース部10の下面に設けられている(図3Bを参照)。ベースプレート15は、ベース部10の上面に設けられている(図3Bを参照)。
【0017】
検査ユニット20は、複数(本実施形態では5個)の検査部品21(「第二部材」の一例)と、X方向に並んだ検査部品21をX方向に貫通するシャフト22と、シャフト22の両端を支持する一対の上下動機構部23とを備える。
【0018】
検査部品21は、例えば樹脂等の絶縁材料からなる部品である。検査部品21には、X方向に貫通する貫通孔21aが設けられている。貫通孔21a内には、不図示のブシュが設けられていてもよい。検査部品21は、シャフト22に対して回動可能である。
【0019】
検査部品21の下部(すなわち、-Z側部)には、複数の検査ピン21bが設けられている。検査ピン21bは、導電体である。これらの検査ピン21bをそれぞれ積層体2の導電体2aと接触させることで、積層体2の導電体2aの導通検査が行われる。導通検査の結果は、不図示の信号線により、不図示の検査制御部に送られる。
【0020】
検査部品21間には、それぞれ、検査部品21同士を離間させる方向に付勢する弾性体24が設けられている。弾性体24は、例えば、コイルばねであり、本実施形態では、シャフト22の外周に巻回されている。弾性体24の働きにより、検査部品21同士の間隔は略均一に保たれている。なお、弾性体24はコイルばねには限定されない。
【0021】
上下動機構部23は、ベース部10の上面(すなわち、+Z側面)に設けられている。上下動機構部23は、不図示のモータにより、シャフト22を上下方向(Z方向)に移動させる。これにより、検査部品21も上下方向に移動する。
【0022】
図2は、検査部品21が上位置にある状態を示している。検査部品21は、この状態から、位置決め機構30によってX方向の位置決めが行われた後、上下動機構部23により下方向へ移動される。これにより、検査ピン21bがそれぞれ積層体2の導電体2aと接触する。
【0023】
位置決め機構30は、積層体2の導電体2aの導通検査に先立ち、検査部品21のX方向の位置決めを行う機能を有する。
【0024】
以下、図3A図3Bおよび図4Aを参照して、位置決め機構30の構造について説明する。図3Aは、図1のA-A断面である。図3Bは、図1のB-B断面である。図3Aおよび図3Bにおいて、便宜上、一部の部品を省略している。図4Aは、位置決め機構30の動作を説明する模式図であり、位置決め動作の初期状態を示す。なお、図4Aは、各部品の配置関係を正確に示すものではない。
【0025】
位置決め機構30は、押圧部材31と、位置決め部材32と、保持部材33と、ばね34(「第一の付勢部材」の一例)と、ばね35(「第二の付勢部材」の一例)とを有する。押圧部材31は、レール部31aと、当接部31bと、押圧部31cと、ばね当接部31dとを有する。押圧部材31は、例えばアルミ等の金属材料からなる部品である。
【0026】
レール部31aは、X方向に延在している。レール部31aは、ベース部10の下面に設けられたレール12と対をなす部位である。当接部31bは、レール部31aの+X側端から+Z方向へ延在して、図2に示すように、開口11を下から上へ貫通している。
【0027】
レール部31aがレール12に対して摺動することにより、押圧部材31はX方向に移動する。当接部31bの+X端面は、積層体2の位置決め基準部2bに対して-X側から当接する。
【0028】
押圧部31cは、位置決め部材32の被押圧部32cと協働して、位置決め部材32を+X方向へ押圧するための部位である。ばね当接部31dは、位置決め部材32のばね当接部32dと協働して、ばね34を保持する部位である。
【0029】
位置決め部材32は、レール部32aと、当接部32bと、被押圧部32cと、ばね当接部32dと、ばね当接部32eとを有する。位置決め部材32は、例えばアルミ等の金属材料からなる部品である。
【0030】
レール部32aは、X方向に延在している。レール部32aは、ベース部10の下面に設けられたレール13と対をなす部位である。
【0031】
被押圧部32cは、レール部32aの+X側端から+Z方向へ延在して、図2に示すように、開口11を下から上へ貫通している。当接部32bは、被押圧部32cからさらに+X側へ突出した部位である。
【0032】
レール部32aがレール13に対して摺動することにより、位置決め部材32はX方向に移動する。当接部32bの+X側面は、複数の検査部品21のうち、最も-X側に位置する検査部品21の-X端面に対して-X側から当接する。なお、以下の説明では、最も-X側に位置する検査部品21を、便宜上「検査部品21c」と呼ぶことがある。
【0033】
被押圧部32cは、上述のとおり、押圧部材31の押圧部31cと協働して、押圧部材31の+X方向への移動に連動して位置決め部材32を+X方向に移動させるための機能を有する。
【0034】
ばね当接部32dは、上述のとおり、押圧部材31のばね当接部31dと協働して、ばね34を保持する機能を有する。ばね当接部32eは、ベース部10の下面に設けられたベースプレート14と協働して、ばね35を保持する機能を有する。
【0035】
保持部材33は、軸部33aと、当接部33bと、把持部33cとを有する。軸部33aには、雄ねじ部が形成されている。軸部33aは、ベース部10の上面に設けられたベースプレート15のねじ孔(雌ねじ部)に螺入されている。すなわち、保持部材33は、ねじ式の部品である。
【0036】
軸部33aを一方向に回転させることにより、保持部材33は+X方向へ移動する。また、軸部33aを他方向に回転させることにより、保持部材33は-X方向へ移動する。
【0037】
当接部33bは、軸部33aの+X端側に設けられている。本実施形態では、当接部33bは保持部材33の+X端面であり、位置決め部材32の当接部32bの-X側面に対して-X側から当接する。
【0038】
把持部33cは、軸部33aの-X端側に設けられている。なお、把持部33cは、保持部材33の軸部33aの中間領域に設けられていてもよい。把持部33cの径方向寸法は、軸部33aの径方向寸法よりも大きい。
【0039】
次に、位置決め機構30による検査部品21のX方向の位置決め動作について詳細に説明する。図4A図4Fは、位置決め機構30の動作を説明する模式図である。図4Aに示す初期状態では、押圧部材31に対して+X方向の押圧力は付与されていない。また、保持部材33は位置決め部材32と当接していない。
【0040】
なお、これに先立って、複数の検査部品21のうち、最も+X側の検査部品21の+X端は、不図示の+X側位置決め機構により積層体2の+X端に対して位置決めされる。
【0041】
この状態での各検査部品21の各検査ピン21bと積層体2の導電体2aとの位置関係は、図2に示すとおりである。この状態で検査部品21を下方向へ移動させても、検査ピン21bのすべてを適切に導電体2aと接触させることができない。
【0042】
図4Aの状態では、ベース部10のベースプレート15と、位置決め部材32のばね当接部32eとの間に介在するばね35により、位置決め部材32に対して-X方向の力が付与される。これにより、位置決め部材32は図4Aに示す-X側に移動した状態となる。位置決め部材32の-X側への移動は、不図示のストッパにより制限されている。
【0043】
また、位置決め部材32のばね当接部32dと、押圧部材31のばね当接部31dとの間に介在するばね34により、押圧部材31に対して-X方向の力が付与される。これにより、押圧部材31は図4Aに示す-X側に移動した状態となる。押圧部材31の-X側への移動は、押圧部材31の押圧部31cが位置決め部材32のばね当接部32dと当接することにより制限されている。
【0044】
図4Aの状態から、押圧部材31に対して+X方向の押圧力が付与されると、押圧部材31は、ばね34による弾性力に抗して+X方向へ移動する。なお、このような押圧力は、アクチュエータによって付与してもよいし、作業者が付与するようにしてもよい。
【0045】
押圧部材31が+X方向へ移動し続け、押圧部材31の押圧部31cが位置決め部材32の被押圧部32cに当接すると(図4B)、それ以降、押圧部材31と位置決め部材32とが一体となって+X方向へ移動する。押圧部材31から位置決め部材32への押圧力の伝達を、押圧部31cと被押圧部32cとの係合により直接行うことで、押圧部材31の移動に伴って位置決め部材32を確実に移動させることができる。
【0046】
位置決め部材32が押圧部材31と一体となって+X方向へ移動することで、位置決め部材32の当接部32bが、検査部品21cに当接する(図4C)。さらに押圧部材31が+X方向へ移動すると、押圧部材31に押圧された検査部品21cが+X方向へ移動する。
【0047】
上述のとおり、各検査部品21間には、それぞれ、弾性体24が配置されている。このため、検査部品21cの+X方向への移動に伴い、各検査部品21間の間隔が略均一となるように、他の検査部品21も移動する。すなわち、最も+X側に位置する検査部品21を除く各検査部品21は、各検査部品21間の間隔を略均一に保ちながら、+X方向へ移動する。
【0048】
押圧部材31と位置決め部材32とが一体となってさらに+X方向へ移動することで、押圧部材31の当接部31bが積層体2の位置決め基準部2bに当接する(図4D)。なお、当接部31bが位置決め基準部2bに当接した位置を、押圧部材31の基準位置ということがある。
【0049】
押圧部材31が位置決め基準部2bに当接することで、押圧部材31の+X方向への移動が規制される。これにより、位置決め部材32の+X方向への移動も規制される。位置決め基準部2bによる押圧部材31の規制位置は、位置決め部材32による各検査部品21の位置決め完了位置となっている。
【0050】
続いて、保持部材33が一方向に回転されることで前進し、保持部材33の当接部33bが位置決め部材32の当接部32bに当接する(図4E)。これにより、押圧部材31への外部からの押圧力が除去されても、位置決め部材32の位置が保持される。なお、保持部材33への回転力の付与は、アクチュエータによって行われてもよいし、作業者によって行われてもよい。また、本実施形態では、保持部材33を用いて位置決め部材32の位置を保持するようにしたため、位置決め部材32の構造を複雑化させずに済む。また、位置決め部材32の位置を細かく調整することができる。
【0051】
この状態で、押圧部材31への外部からの押圧力が除去されると、上述のとおり、位置決め部材32の位置は保持されたままである。換言すると、位置決め部材32の-X方向への移動は、保持部材33によって妨げられている。一方、押圧部材31は、ばね34により-X方向へ付勢され、-X方向に移動する。
【0052】
そのため、押圧部材31は位置決め基準部2bから離間する。すなわち、押圧部材31と位置決め基準部2bとの当接状態が解除される。なお、押圧部材31の-X方向への移動は、押圧部材31の押圧部31cが位置決め部材32のばね当接部32dと当接することにより制限される(図4F)。
【0053】
押圧部材31のばね当接部31dと位置決め部材32のばね当接部32dとの間にばね34が設けられていることにより、押圧部材31への外部からの押圧力が除去された際に、押圧部材31を確実に位置決め基準部2bから離間させることができる。
【0054】
位置決め部材32による各検査部品21の位置決めが完了した状態での各検査部品21の各検査ピン21bと積層体2の導電体2aとの位置関係を、図5に示す。図5に示すとおり、位置決め部材32による各検査部品21の位置決めが完了した状態では、各検査ピン21bのX方向位置と、積層体2の導電体2aのX方向位置とが一致している。
【0055】
この状態で検査部品21を下方向へ移動させることで、検査ピン21bのすべてを適切に導電体2aと接触させることができる。また、押圧部材31を位置決め基準部2bから離間させているため、検査時に電流が押圧部材31側へ流れることを防止することができる。そのため、検査精度を向上させることができる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る位置決め機構は、基準位置に達するまで第一方向に移動し、基準位置に達した後、第一方向とは逆の第二方向に移動する押圧部材31と、押圧部材31が第一方向へ移動する際に、押圧部材31に押圧されて第一方向に移動する位置決め部材32と、押圧部材31が第二方向へ移動する際に、位置決め部材32の第二方向への移動を妨げる保持部材33と、を備える位置決め機構である。
【0057】
そのため、積層体2に対して、複数の検査部品を適切に位置決めすることができる。
【0058】
なお、上述の実施形態では、保持部材33を用いて位置決め部材32の位置を保持するものを例に説明を行ったが、これに限定されない。例えば、位置決め部材32に、ベース部10に対して係止可能な係止部を設け、当該係止部により位置決め部材32の位置を保持するようにしてもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、ベースプレート15のねじ孔に保持部材33の軸部33aを螺合することで、保持部材33のX方向への移動および保持部材33の位置の保持を行うものを例に説明を行ったが、これに限定されない。例えば、保持部材33のX方向への移動は、押圧部材31および位置決め部材32と同様にレールを用いて行ってもよい。また、保持部材33の位置の保持は、凹凸係合、摩擦係合等を用いて行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示に係る位置決め機構によれば、検査対象に対する位置決めを行うことができ、産業上の利用可能性は多大である。
【符号の説明】
【0061】
1 検査装置
2 積層体
2a 導電体
2b 位置決め基準部
10 ベース部
11 開口
12、13 レール
14、15 ベースプレート
20 検査ユニット
21、21c 検査部品
21a 貫通孔
21b 検査ピン
22 シャフト
23 上下動機構部
24 弾性体
30 位置決め機構
31 押圧部材
31a レール部
31b 当接部
31c 押圧部
31d ばね当接部
32 位置決め部材
32a レール部
32b 当接部
32c 被押圧部
32d、32e ばね当接部
33 保持部材
33a 軸部
33b 当接部
33c 把持部
34、35 ばね
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5