(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】建物基礎
(51)【国際特許分類】
E02D 27/34 20060101AFI20220414BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
E02D27/34 B
E04H9/02 331Z
(21)【出願番号】P 2018103036
(22)【出願日】2018-05-30
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504242342
【氏名又は名称】株式会社免制震ディバイス
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】中南 滋樹
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-276063(JP,A)
【文献】国際公開第2006/129534(WO,A1)
【文献】特開2009-114716(JP,A)
【文献】特開平04-078341(JP,A)
【文献】特開2008-101774(JP,A)
【文献】特開2015-021219(JP,A)
【文献】登録実用新案第3122728(JP,U)
【文献】米国特許第09506265(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/34
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、
基礎に支持される下部基礎構造と、
建物を支持する上部基礎構造と、
前記上部基礎構造と前記下部基礎構造との間に配される複数の支持機構と、
前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に複数の前記支持機構を内包する収納空間を各々に形成する複数のカバー部材と、
複数の前記カバー部材により各々に形成される複数の前記収納空間を連通する連通ダクトを有し、前記連通ダクトの空気を外部へ排気して前記連通ダクトに連通される複数の前記収納空間の空気を換気する換気機器と、
を備えることを特徴とする建物基礎。
【請求項2】
基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、
水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、
基礎に支持される下部基礎構造と、
建物を支持する上部基礎構造と、
前記上部基礎構造に固定される上部フランジプレートと、前記下部基礎構造に固定される下部フランジプレートと、上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである上部リニアレールと、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである上部リニアブロックと、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである下部リニアレールと、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである下部リニアブロックと、上部リニアブロックと下部リニアブロックとを結合する部材である結合部材と、を有する転がり滑り支承と、
前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に前記転がり滑り支承を内包する収納空間を形成するカバー部材と、
前記収納空間の空気を換気する換気機器と、
を備えることを特徴とする建物基礎。
【請求項3】
前記カバー部材が前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に複数の前記転がり滑り支承を各々に内包する複数の収納空間を形成し、
前記換気機器が複数の収納空間を連通する連通ダクトと該連通ダクトに通気して複数の前記収納空間の空気を換気する送風機とを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の建物基礎。
【請求項4】
前記送風機は、前記収納空間の内部の湿度が予め設定された上限湿度を越えると前記連通ダクトへの通気を開始し、前記収納空間の内部の湿度が予め設定された下限湿度を下回ると前記連通ダクトへの通気を停止する、
ことを特徴とする請求項3に記載の建物基礎。
【請求項5】
基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、
水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、
基礎に支持される下部基礎構造と、
建物を支持する上部基礎構造と、
上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである上部リニアレールと、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである上部リニアブロックと、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである下部リニアレールと、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである下部リニアブロックと上部リニアブロックと下部リニアブロックとを結合する部材である結合部材と、を有する転がり滑り支承と、
前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を内包する収納空間を形成し前記リニアブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できるカバー部材と、
前記収納空間の空気を換気する換気機器と、
を備えることを特徴とする建物基礎。
【請求項6】
前記カバー部材が複数の前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を各々に内包する複数の収納空間を形成し前記リニ
アブロックの移動に伴って長手方向に伸縮でき、
前記換気機器が複数の収納空間を連通する連通ダクトと該連通ダクトに通気して複数の前記収納空間の空気を換気する送風機とを有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の建物基礎。
【請求項7】
基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、
水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、
基礎に支持される下部基礎構造と、
建物を支持する上部基礎構造と、
上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである上部リニアレールと、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである上部リニアブロックと、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである下部リニアレール12bと、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである下部リニアブロックと上部リニアブロックと下部リニアブロックとを結合する部材である弾性部材と、を有する転がり滑り支承と、
前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面に密着して被覆する部材である被覆部材と、
を備え、
前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる、
ことを特徴とする建物基礎。
【請求項8】
前記被覆部材が長手方向に延びる切れ目を入れられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の建物基礎。
【請求項9】
前記リニアブロックの進行方向に向く端面に固定されるスクレーパと、
を備え、
前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記スクレーパにより案内面から剥離され前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる、
ことを特徴とする請求項7または請求項8のうちのひとつに記載の建物基礎。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎に関する。
【背景技術】
【0002】
建物基礎が地盤に設けられ、建物を支持する。
建物が複数の柱と複数の梁とスラブとで構成される。
例えば、建物基礎は、コンクリート層と複数の基礎杭と基礎構造とで構成される。
基礎杭がコンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれる。
基礎構造は、複数の基礎部材と複数の梁部材とで構成される。
上から見て、複数の基礎部材が碁盤の目状に散らばる様に配置される。
梁部材が基礎部材を繋ぐ。
支持機構が基礎杭の杭頭に固定される。
地震が発生すると、基礎杭が建物に作用した加速度による水平力を支持機構を介して支持する。
【0003】
支持機構として転がり滑り支承を用いることがある。
転がり滑り支承は、球体を案内面に転がして滑る支持機構である。
球体を転がすので、摩擦形数の小さな支持機構を実現できる。
【0004】
建物基礎が設けられる環境は、必ずしも機械によって良好な環境ではないので、 転がり滑り支承の健全性を維持するために、頻繁な維持メンテナンスを必要としていた。
例えば、案内面に小さな錆が発生すると、摩擦形数が小さいという支持機構の特徴が損なわれるので、維持メンテナンスが重要である。
高い湿度や高い温度が続くと予想される場合、さらに頻繁な維持メンテナンスが必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構造により適度な維持メンテナンスで健全性を維持できる基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る基礎に基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、基礎に支持される下部基礎構造と、建物を支持する上部基礎構造と、前記上部基礎構造と前記下部基礎構造との間に配される複数の支持機構と、前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に複数の前記支持機構を内包する収納空間を形成するカバー部材と、前記収納空間の空気を換気する換気機器と、
を備えるものとした。
【0007】
上記本発明の構成により、下部基礎構造が、基礎に支持される。上部基礎構造が、建物を支持する。複数の支持機構が、前記上部基礎構造と前記下部基礎構造との間に配される。カバー部材が、前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に複数の前記支持機構を内包する収納空間を形成する。換気機器が、前記収納空間の空気を換気する。
その結果、前記支持機構の回りの雰囲気を一定にできる。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る基礎に基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、基礎に支持される下部基礎構造と、建物を支持する上部基礎構造と、前記上部基礎構造に固定される上部フランジプレートと、前記下部基礎構造に固定される下部フランジプレートと、上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである上部リニアレールと、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである上部リニアブロックと、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである下部リニアレール12bと、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである下部リニアブロックと、上部リニアブロックと下部リニアブロックとを結合する部材である結合部材と、を有する転がり滑り支承と、前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に前記転がり滑り支承を内包する収納空間を形成するカバー部材と、前記収納空間の気を換気する換気機器と、を備えるものとした。
【0009】
上記本発明の構成により、水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称する。下部基礎構造が、基礎に支持される。上部基礎構造が、建物を支持する。転がり滑り支承が、上部フランジプレートと下部フランジプレートと上部リニアレールと上部リニアブロックと下部リニアレールと結合部材とを有する。上部フランジプレートは、前記上部基礎構造に固定される。下部フランジプレートは、前記下部基礎構造に固定される。上部リニアレールは、上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである。上部リニアブロックは、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである。下部リニアレールは、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである。下部リニアブロックは、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである。結合部材は、上部リニアブロックと下部リニアブロックとを結合する部材である。カバー部材が、前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に前記転がり滑り支承を内包する収納空間を形成する。換気機器が、前記収納空間の空気を換気する。
その結果、前記転がり滑り支承の回りの雰囲気を一定にできる。
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係る建物基礎を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0011】
また、本発明の実施形態に係る建物基礎は、前記カバー部材が前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に複数の前記転がり滑り支承を各々に内包する複数の収納空間を形成し、前記換気機器が複数の収納空間を連通する連通ダクトと該連通ダクトに通気して複数の前記収納空間の空気を換気する送風機とを有する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、カバー部材が、前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に複数の前記転がり滑り支承を各々に内包する複数の収納空間を形成する。連通ダクトが、複数の収納空間を連通する。前記換気機器の送風機が前記連通ダクトに通気して複数の前記収納空間の空気を換気する。
その結果、複数の前記収納空間に内包される複数の前記転がり滑り支承の回りの雰囲気を一定にできる。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る基礎に基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、基礎に支持される下部基礎構造と、建物を支持する上部基礎構造と、上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである上部リニアレールと、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである上部リニアブロックと、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである下部リニアレールと、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである下部リニアブロックと上部リニアブロックと下部リニアブロックとを結合するる部材である結合部材と、を有する転がり滑り支承と、前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を内包する収納空間を形成し前記リニブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できるカバー部材と、
前記収納空間の空気を換気する換気機器と、
を備えるものとした。
【0013】
上記本発明の構成により、水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、下部基礎構造が、基礎に支持される。上部基礎構造が、建物を支持する。転がり滑り支承が、上部リニアレールと上部リニアブロックと下部リニアレールと下部リニアブロック結合部材とを有する。上部リニアレールは、上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである。上部リニアブロックは、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである下部リニアレールは、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである。下部リニアブロックは、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである。結合部材は、上部リニアブロックと下部リニアブロックとに結合する部材である。カバー部材が、前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を内包する収納空間を形成し前記リニブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できる。換気機器が、前記収納空間の空気を換気する。
その結果、リニアレールの案内面の回りの雰囲気を一定にできる。
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係る建物基礎を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0015】
また、本発明の実施形態に係る建物基礎は、前記カバー部材が複数の前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を各々に内包する複数の収納空間を形成し前記リニブロックの移動に伴って長手方向に伸縮でき、
前記換気機器が複数の収納空間を連通する連通ダクトと該連通ダクトに通気して複数の前記収納空間の空気を換気する送風機とを有する、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記カバー部材が複数の前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を各々に内包する複数の収納空間を形成し前記リニブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できる。前記換気機器が複数の収納空間を連通する連通ダクトと該連通ダクトに通気して複数の前記収納空間の空気を換気する送風機とを有する。
その結果、複数のリニアレールの案内面の回りの雰囲気を一定にできる。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係る基礎に基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を有する建物基礎であって、水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、基礎に支持される下部基礎構造と、建物を支持する上部基礎構造と、上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである上部リニアレールと、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである上部リニアブロックと、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである下部リニアレールと、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである下部リニアブロックと上部リニアブロックと下部リニアブロックとに結合する部材である弾性部材と、を有する転がり滑り支承と、前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を被覆する部材である被覆部材と、を備え、前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる、ものとした。
【0017】
上記本発明の構成により、水平面内で直交する一対の軸をX軸とY軸と呼称するとき、下部基礎構造が、基礎に支持される。上部基礎構造が、建物を支持する。転がり滑り支承が、上部リニアレールと上部リニアブロックと下部リニアレールと下部リニアブロックと結合部材と、を有する上部リニアレールは、上部基礎構造に上部フランジプレートを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである上部リニアブロックは、上部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである。下部リニアレールは、下部基礎構造に下部フランジプレートを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである。下部リニアブロックは、下部リニアレールに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである。結合部材は、上部リニアブロックと下部リニアブロックとに結合する部材である。
ゲル状部材は、前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面を被覆する部材である。前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる。
その結果、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動するまでの間はリニアレールの案内面の回りを外気から遮断して雰囲気を一定にできる。
【0018】
以下に、本発明の実施形態に係る建物基礎を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0019】
また、本発明の実施形態に係る建物基礎は、前記被覆部材が長手方向に延びる切れ目を入れられている。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記被覆部材が長手方向に延びる切れ目を入れられる。
その結果、前記被覆部材が長手方向に延びる切れ目を入れられる様にしたので、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動すると被覆部材が切れ目を境に裂けて案内面が露出する。
【0020】
また、本発明の実施形態に係る建物基礎は、前記リニアブロックの進行方向に向く端面に固定されるスクレーパと、を備え、前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記スクレーパにより案内面から剥離され前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる、
上記本発明に係る実施形態の構成により、スクレーパが、前記リニアブロックの進行方向に向く端面に固定される。前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記スクレーパにより案内面から剥離され前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる、
その結果、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動すると案内面が露出する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明に係る建物基礎は、その構成により、以下の効果を有する。
前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に形成される前記支持機構を内包する収納空間の空気を換気する様にしたので、前記支持機構の回りの雰囲気を一定にできる。
前記上部リアニブロックと前記下部リニアブロックとが結合され、上部リニアブロックを長手方向に移動自在に案内する上部リニアレールをX軸方向に延ばして固定される上部フランジプレートが建物を支持し、下部リニアブロックを長手方向に移動自在に案内する下部リニアレールをY軸方向に延ばして固定される上部フランジプレートが基礎に支持される転がり滑り支承において、前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に形成される前記転がり滑り支承を内包する収納空間の空気を換気する様にしたので、前記転がり滑り支承の回りの雰囲気を一定にできる。
また前記下部基礎構造と前記上部基礎構造との間に形成される複数の前記転がり滑り支承を各々に内包する複数の収納空間を連通する通気ダクトに通気して複数の前記収納空間の空気を換気する様にしたので、複数の前記収納空間に内包される複数の前記転がり滑り支承の回りの雰囲気を一定にできる。
前記上部リアニブロックと前記下部リニアブロックとが結合され、上部リニアブロックを長手方向に移動自在に案内する上部リニアレールをX軸方向に延ばして固定される上部フランジプレートが建物を支持し、下部リニアブロックを長手方向に移動自在に案内する下部リニアレールをY軸方向に延ばして固定される上部フランジプレートが基礎に支持される転がり滑り支承において、リニアブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できるカバー部材により形成されるリニアレールの案内面を内包する収納空間の空気を換気する様にしたので、リニアレールの案内面の回りの雰囲気を一定にできる。
また、リニアブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できるカバー部材により形成される複数のリニアレールの案内面を各々に内包する複数の収納空間を連通する連通ダクトに通気しての空気を換気する様にしたので、複数のリニアレールの案内面の回りの雰囲気を一定にできる。
前記上部リニアブロックと前記下部リニアブロックとが結合され、上部リニアブロックを長手方向に移動自在に案内する上部リニアレールをX軸方向に延ばして固定される上部フランジプレートが建物を支持し、下部リニアブロックを長手方向に移動自在に案内する下部リニアレールをY軸方向に延ばして固定される上部フランジプレートが基礎に支持される転がり滑り支承において、被覆部材は、前記リニアレールの前記リニアブロックを案内する案内面に密着して被覆し、前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる様にしたので、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動するまでの間はリニアレールの案内面の回りを外気から遮断して雰囲気を一定にできる。
また、前記被覆部材が長手方向に延びる切れ目を入れられている様にしたので、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動すると被覆部材が切れ目を境に裂けて案内面が露出する。
また、前記リニアブロックが前記リニアレールに案内されて移動すると前記被覆部材が前記スクレーパにより案内面から剥離され前記リニアブロックに押されて案内面から剥がれる様にしたので、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動すると案内面が露出する。
その結果、簡易な構造により適度な維持メンテナンスで健全性を維持できる基礎に配され建物を支持する複数の支持機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る建物基礎の概念図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係る建物基礎の概念図である。
【
図3】本発明の第二の実施形態に係る建物基礎の概念図その1である。
【
図4】本発明の第二の実施形態に係る建物基礎の概念図その2である。
【
図5】本発明の第三の実施形態に係る建物基礎の概念図その1である。
【
図6】本発明の第三の実施形態に係る建物基礎の概念図その2である。
【
図7】本発明の第四の実施形態に係る建物基礎の概念図その1である。
【
図8】本発明の第四の実施形態に係る建物基礎の概念図その2である。
【
図9】本発明の実施形態にかかる建物基礎の管理システムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
本発明の実施形態に係る建物基礎は、基礎Bに配され建物を支持する複数の支持機構を有する
図1は、本発明の実施形態に係る建物基礎の概念図である。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る建物基礎のA-A矢視図である。
建物Oは、複数の柱(図示せず)と複数の梁(図示せず)とで構成されてももよい。
建物Oは、複数の柱(図示せず)と複数の梁(図示せず)と複数のスラブ床(図示せず)とで構成されてももよい。
柱の下部は、後述する上部基礎構造9tの上部に固定される。
例えば、柱の鉄筋は上部基礎構造9tの上部の鉄筋に繋がる。
基礎梁10は、隣り合った柱を繋ぐ。
【0025】
建物基礎Mは、基礎Bに配される。
建物基礎Mは、建物Oを支持する複数の支持機構1を有する。
建物基礎Mは、上部基礎構造9tと下部基礎構造9bと支持機構1とで構成される。
建物基礎Mは、上部基礎構造9tと下部基礎構造9bと複数の支持機構1とで構成されてもよい。
下部基礎構造9bは、基礎杭Tの頭頂に結合される。
基礎杭Tは、基礎Bに打ち込まれる。
【0026】
支持機構1は、上部基礎構造9tと下部基礎構造9bとの間に配される機構である。
支持機構1は、下部基礎構造9bに固定され、建物を支持する。
または、支持機構1は、上部基礎構造9tと下部基礎構造9bとの相対的な水平変位に応じて減衰力を発生する。
支持機構1の形式には、積層ゴム支承1Aと転がり滑り支承1Bと剛すべり支承1C等、がある。
図2には、積層ゴム支承1Aと転がり滑り支承1Bと剛すべり支承1Cとダンパー1Dとが下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に、配される様子が示される。
【0027】
積層ゴム支承1Aは、上下一対の取付フランジの間に積層された複数のゴム板を挟んだ支承構造をもつ。
積層ゴム支承1Aは、上下一対の取付フランジの間に交互に積層された複数のゴム板と複数の金属板とを挟んだ支承構造をもつ。
【0028】
転がり滑り支承1Bは、上下一対の取付フランジを球軸受け等の転がり機構によりに水平方向に相対移動できる支承構造をもつ。
例えば、転がり滑り支承1Bは、リニアブロックとリニアレールとを用いた支持機構である。
リニアブロックは、内部に組み込まれた循環できる複数の球体をリニアレールの表面に形成されたU溝状の案内面に案内される様に転がして、小さい転がり抵抗を発生させてリニアレール12の長手方向に移動できる構造をもつ。
【0029】
剛すべり支承1Cは、上下一対の取付フランジを滑りにより水平方向に相対移動できる支承構造をもつ。
【0030】
ダンパー1Dは、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの水平方向の相対移動に対応して減衰力を発生させる構造をもつ。
【0031】
最初に、本発明の第一の実施形態にかかる建物基礎を、図を基に説明する。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る建物基礎の概念図である。
本発明の第一の実施形態にかかる建物基礎は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tと複数の支持機構1とカバー部材2と換気機器3とで構成される。
【0032】
下部基礎構造9bは、基礎に支持される構造物である。
例えば、下部基礎構造9bは、基礎杭Tの頭頂に固定される。
【0033】
上部基礎構造9tは、建物を支持する構造物である。
例えば、上部基礎構造9tは、建物の柱の下部が固定される。
【0034】
複数の支持機構1が、上部基礎構造9tと下部基礎構造9bとの間に配される。
例えば、複数の支持機構1は、転がり滑り支承1Bを含んでいてもよい。
例えば、複数の支持機構1は、積層ゴム支承1Aと転がり滑り支承1Bと剛すべり支承1Cとダンパー1Dとが下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとを含んでいてもよい。
【0035】
カバー部材2は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に複数の支持機構1を内包する収納空間Hを形成する部材である。
カバー部材2は、上部の縁を上部基礎構造9tに固定される。
カバー部材2は、下部の縁を下部基礎構造9bに固定される。
カバー部材2は、上部基礎構造9tと下部基礎構造9bとの水平方向の相対移動に伴って変形できる。
【0036】
換気機器3は、収納空間Hの空気を換気する機器である。
換気機器3は、連通ダクト3aと送風機3bとで構成される。
換気機器3は、連通ダクト3aと送風機3bと送気ダクト3cで構成されてもよい。
連通ダクト3aは、収納空間Hに連通する。
送風機3bは、連通ダクト3aに通気して収納空間の空気を換気する。
送気ダクト3bは、外気を収納空間Hに送気するダクトである。送気ダクト3は、サイレンサーを備えていてもよい。
例えば、送風機は、連通ダクトの空気を外部へ排気して、収納空間Hの空気を換気する。
例えば、送風機3bは、外部の空気を連通ダクトへ送気して、収納空間Hの空気を換気する。
送風機3bは、収納空間Hの内部の環境の変化に応じて作動してもよい。
例えば、送風機3bは、収納空間Hの内部の湿度が予め設定された上限湿度を越えると連通ダクトへの通気を開始し、収納空間Hの内部の湿度が予め設定された下限湿度を下回ると連通ダクトへの通気を停止する。
送風機3bは、予め設定された時刻に応じて作動してもよい。
【0037】
以下に、本発明の第二の実施形態にかかる建物基礎を、図を基に、詳述する。
図3は、本発明の第二の実施形態に係る建物基礎の概念図その1である。
図4は、本発明の第二の実施形態に係る建物基礎の概念図その2である。
本発明の第二の実施形態にかかる建物基礎は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tと転がり滑り支承と1Bとカバー部材2と換気機器3とで構成される。
【0038】
下部基礎構造9bは、基礎に支持される構造である。
下部基礎構造9bは、基礎杭Tの頭頂部に固定されてもよい。
【0039】
上部基礎構造9tは、建物を支持する構造である。
上部基礎構造9tと下部基礎構造9bとの間に支持機器が配される。
【0040】
支持機器1は、転がり滑り支承1Bを有する。
支持機器1は、複数の転がり滑り支承1Bを有していてもよい。
転がり滑り支承1Bは、リニアブロックとリニアレールとをもちいた支持機構である。
転がり滑り支承1Bは、上部フランジプレート13tと下部フランジプレート13bと上部リニアレール12tと上部リニアブロック11tと下部リニアレール12bと下部リニアブロック11bと結合部材14とで構成される。
【0041】
上部フランジプレート13tは、上部基礎構造9tに固定されるフランジ構造をもった部材である。
上部フランジプレート13tは、上部基礎構造9tの底部に固定されるフランジ構造をもっていてもよい。
例えば、上部フランジプレート13tは、上部基礎構造9tの底部にボルト固定される。
【0042】
下部フランジプレート13bは、下部基礎構造9bに固定されるフランジ構造をもった部材である。
下部フランジプレート13bは、下部基礎構造9bの上部に固定されるフランジ構造をもっていてもよい。
例えば、下部フランジプレート13bは、下部基礎構造9bの上部にボルト固定される。
【0043】
上部リニアレール12tは、上部基礎構造9tに上部フランジプレート13tを介して固定され長手方向をX軸方向に延ばすリニアレールである。
【0044】
上部リニアブロック11tは、上部リニアレール12tに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである。
【0045】
下部リニアレール12bは、下部基礎構造9bに下部フランジプレート13bを介して固定され長手方向をY軸方向に延ばすリニアレールである。
【0046】
下部リニアブロック11bは、下部リニアレール12bに長手方向に移動自在に案内されるリニアブロックである。
【0047】
結合部材14は、上部リニアブロック11tと下部リニアブロック11bとを結合する部材である
結合部材14は、上部リニアブロック11tと下部リニアブロック11bとの間に挟まれ両者を結合してもよい。
結合部材14は、上部リニアブロック11tと下部リニアブロック11bとの間に挟まれ両者を結合する弾性のあるものであってもよい。
結合部材14は、上部リニアブロック11tと下部リニアブロック11bとの間に挟まれ両者を結合すゴム製のものであってもよい。
上から見て、上部リニアブロック11tと下部リニアブロック11bとがZ軸回りに相対変位すると、ゴムシム14が撓む。
【0048】
カバー部材2は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に転がり滑り支承1Bを内包する収納空間Hを形成する。
例えば、一つのカバー部材2は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に一つの転がり滑り支承1Bを内包する一つの収納空間Hを形成する。
カバー部材2は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に複数の転がり滑り支承1Bを各々に内包する複数の収納空間Hを形成してもよい。
【0049】
換気機器3は、収納空間の空気を換気する機器である。
換気機器3は、複数の収納空間の空気を換気する機器であってもよい。
換気機器3が連通ダクトと該連通ダクト3aと送風機3bとで構成されてもよい。
換気機器3が連通ダクトと該連通ダクト3aと送風機3bと送気ダクト3cで構成されてもよい。
連通ダクト3aは、換気機器が複数の収納空間Hを連通する
連通ダクト3aは、一筆書きで換気機器が複数の収納空間Hを連通してもよい。
送風機3bは、連通ダクト3aに通気して複数の収納空間Hの空気を換気する。
送気ダクト3cは、外気を収納空間Hに導くダクトである。
【0050】
例えば、送風機3bは、連通ダクト3aの空気を外部へ排気して、収納空間の空気を換気する。
例えば、送風機は、外部の空気を連通ダクト3aへ送気して、収納空間Hの空気を換気する。
送風機3bは、収納空間Hの内部の環境の変化に応じて作動してもよい。
例えば、送風機3bは、複数の収納空間Hの内部の湿度が予め設定された上限湿度を越えると連通ダクトへの通気を開始し、複数の収納空間Hの内部の湿度が予め設定された下限湿度を下回ると連通ダクトへの通気を停止する。
【0051】
次に、本発明の第三の実施形態に係る建物基礎を、図を基に、説明する。
図5は、本発明の第三の実施形態に係る建物基礎の概念図その1である。
図6は、本発明の第三の実施形態に係る建物基礎の概念図その2である。
本発明の第三の実施形態にかかる建物基礎は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tと転がり滑り支承1Bとカバー部材と換気機器とで構成される。
下部基礎構造9bと上部基礎構造9tと転がり滑り支承1Bの構成は、第二の実施形態にかかる建物基礎のものと同じなので、説明を省略する。
【0052】
カバー部材2は、リニアレールのリニアブロックを案内する案内面を内包する収納空間Hを形成しリニブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できる部材である。
カバー部材2は、複数のリニアレールのリニアブロックを案内する案内面を各々に内包する複数の収納空間を形成しリニブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できてもよい。
例えば、カバー部材2は、複数のリニアレールのリニアブロックを案内する案内面を各々に内包する複数の収納空間を形成しリニブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できる蛇腹形状を持つ。
【0053】
換気機器3は、収納空間Hの空気を換気する機器である。
換気機器3は、連通ダクト3aと送風機3bとを有してもよい。
換気機器3は、連通ダクト3aと送風機3bと送気ダクト3cとを有してもよい。
連通ダクト3aは、複数の収納空間Hを連通する。
連通ダクト3aは、複数の収納空間Hを連通してもよい。
送気ダクト3cは、外気を収納空間Hに導くダクトである。
例えば、連通ダクト3aは、複数の収納空間を一筆書きで連通する。
送風機3bは、該連通ダクトに通気して収納空間Hの空気を換気する。
送風機3bは、該連通ダクトに通気して複数の収納空間Hの空気を換気してもよい。
【0054】
例えば、送風機3bは、連通ダクト3aの空気を外部へ排気して、収納空間の空気を換気する。
例えば、送風機は、外部の空気を連通ダクト3aへ送気して、収納空間Hの空気を換気する。
送風機3bは、収納空間Hの内部の環境の変化に応じて作動してもよい。
例えば、送風機3bは、複数の収納空間Hの内部の湿度が予め設定された上限湿度を越えると連通ダクトへの通気を開始し、複数の収納空間Hの内部の湿度が予め設定された下限湿度を下回ると連通ダクトへの通気を停止する。
【0055】
次に、本発明の第四の実施形態にかかる建物基礎を、図を基に、説明する。
図7は、本発明の第四の実施形態に係る建物基礎の概念図その1である。
図8は、本発明の第四の実施形態に係る建物基礎の概念図その2である。
本発明の第四の実施形態にかかる建物基礎は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tと転がり滑り支承1Bと被覆部材とで構成される。
本発明の第四の実施形態にかかる建物基礎は、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tと転がり滑り支承1Bと被覆部材とスクレーパとで構成されてもよい。
下部基礎構造9bと上部基礎構造9tと転がり滑り支承1Bの構成は、第二の実施形態にかかる建物基礎のものと同じなので、説明を省略する。
【0056】
被覆部材4は、リニアレールのリニアブロックを案内する案内面に密着して被覆する部材である。
被覆部材4は、リニアレールのリニアブロックを案内する案内面に密着して被覆するゲル状の部材であってもよい。
被覆部材4は、リニアレールのリニアブロックを案内する案内面に密着して被覆する油分、防錆剤を含むゲル状の部材であってもよい。
リニアブロックがリニアレールに案内されて移動すると被覆部材4がリニアブロックに押されて案内面から剥がれる。
被覆部材4は、長手方向に延びる切れ目を入れられるてもよい。
被覆部材4は、内部に油分または防錆剤を溜める空洞をもつ部材であってもよい。
被覆部材4は、内部にグリースを溜める空洞をもつ部材であってもよい。
案内面は、リニアブロックに案内されて循環する球体が転がる溝の面であってもよい。
【0057】
スクレーパ5は、リニアブロックの進行方向に向く端面に固定される。
リニアブロックがリニアレールに案内されて移動すると、被覆部材4がスクレーパ5により案内面から剥離され、リニアブロックに押されて案内面から剥がれる。
【0058】
次に、本発明の実施形態にかかる建物基礎の管理方法を実行するための建物基礎の管理システムの概要を、図を基に説明する。
図9は、本発明の実施形態にかかる建物基礎の管理するための建物基礎の管理システムの概要を示す。
本発明の実施形態にかかる建物基礎の管理するための建物基礎の管理システムは、収納空間Hの環境を測定できるセンサシステム22を持つ。
【0059】
建物基礎の管理システムは、センサシステム22とWiFi機能付きマイコン23とMQTTクライアント24とルータ25とクラウドサーバ26と端末27と周辺機器28とで構成される。
建物基礎の管理システムは、複数のセンサシステム22とWiFi機能付きマイコン23とMQTTクライアント24とルータ25とクラウドサーバ26と端末27と周辺機器28とで構成される。
【0060】
センサシステム22は、収納空間Hの内部の環境を検知する。
センサシステム22は、収納空間Hの内部の湿度を測定する。
センサシステム22は、収納空間Hの内部の湿度、温度を測定してもよい。
センサシステム22は、複数の収納空間Hの内部の湿度、温度を各々に測定してもよい。
【0061】
WiFi機能付きマイコン23は、支持機構1に対応して配され、センサシステム22の測定した温度、湿度に対応するデータである温度湿度データを通信により送信する機器である。
WiFi機能付きマイコン33は、支持機構1に対応して配され、センサシステム22の測定した温度、湿度に対応するデータである温度湿度データを無線通信により送信すしてもよい。
WiFi機能付きマイコン23は、支持機構1に対応して配され、センサシステム22の測定した温度、湿度に対応するデータである温度湿度データをWiFi通信により送信してもよい。
【0062】
MQTTクライアント24は、WiFi機能付きマイコン23から送信された複数の温度湿度データを受信する機器である。
【0063】
ルータ25は、MQTTクライアント24が受信した複数のセンサシステム22の検知した環境データをクラウドサーバ26とへ送信する機器である。
クラウドサーバ26は、ルータ25から受信した複数の支持機構1に対応する識別コードと基に、環境データを記録し、本発明の実施形態にかかる建物基礎Mを管理する。
【0064】
端末27は、クラウドサーバ26と操作者とのコミュニケーションツールである。
【0065】
周辺機器28は、管理を実行するためのその他のデータ取得をする機器である。
例えば、周辺機器28は、支持機器の様子がわかる映像を取得する換気システムやカメラシステムである。
【0066】
以上説明したように、本発明の第一の実施形態に係る建物基礎は、その構成により、以下の効果を有する。
下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に形成される複数の支持機構1を内包する収納空間Hの空気を換気する様にしたので、支持機構1の回りの環境を一定にできる。
【0067】
本発明の第二の実施形態に係る建物基礎は、その構成により、以下の効果を有する。
上部リアニブロック11tと下部リニアブロック11bとが結合され、上部リニアブロック11tを長手方向に移動自在に案内する上部リニアレール12tをX軸方向に延ばして固定される上部フランジプレート13tが建物を支持し、下部リニアブロック11bを長手方向に移動自在に案内する下部リニアレール12bをY軸方向に延ばして固定される上部フランジプレート13bが基礎に支持される転がり滑り支承において、下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に形成される転がり滑り支承1Bを内包する収納空間Hの空気を換気する様にしたので、転がり滑り支承1Bの回りの雰囲気を一定にできる。
また、送風機1bが下部基礎構造9bと上部基礎構造9tとの間に形成される複数の転がり滑り支承1Bを各々に内包する複数の収納空間Hを連通する通気ダクト3aに通気して複数の収納空間Hの空気を換気する様にしたので、複数の収納空間Hに各々に内包される複数の転がり滑り支承1Bの回りの環境を一定にできる。
【0068】
本発明の第三の実施形態に係る建物基礎は、その構成により、以下の効果を有する。
上部リアニブロック11tと下部リニアブロック11bとが結合され、上部リニアブロック11tを長手方向に移動自在に案内する上部リニアレール12tをX軸方向に延ばして固定される上部フランジプレート13tが建物を支持し、下部リニアブロック11bを長手方向に移動自在に案内する下部リニアレール12bをY軸方向に延ばして固定される下部フランジプレート13bが基礎に支持される転がり滑り支承1Bにおいて、リニアブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できるカバー部材2により形成されるリニアレールの案内面を内包する収納空間Hの空気を換気する様にしたので、リニアレールの案内面の回りの雰囲気を一定にできる。
また、送風機3bがリニアブロックの移動に伴って長手方向に伸縮できるカバー部材2により形成される複数のリニアレールの案内面を各々に内包する複数の収納空間Hを連通する連通ダクト3aに通気しての空気を換気する様にしたので、複数のリニアレールの案内面の回りの環境を一定にできる。
【0069】
本発明の第四の実施形態に係る建物基礎は、その構成により、以下の効果を有する。
上部リアニブロック11tと下部リニアブロック11bとが結合され、上部リニアブロック11tを長手方向に移動自在に案内する上部リニアレール12tをX軸方向に延ばして固定される上部フランジプレート13tが建物を支持し、下部リニアブロック11bを長手方向に移動自在に案内する下部リニアレール12bをY軸方向に延ばして固定される下部フランジプレート13bが基礎に支持される転がり滑り支承1Bにおいて、被覆部材4は、リニアレールのリニアブロックを案内する案内面に密着して被覆し、リニアブロックがリニアレールに案内されて移動すると被覆部材4がリニアブロックに押されて案内面から剥がれる様にしたので、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動するまでの間はリニアレールの案内面の回りを外気から遮断して雰囲気を一定にできる。
また、被覆部材が長手方向に延びる切れ目を入れられている様にしたので、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動すると被覆部材4が切れ目を境に裂けて案内面が露出する。
また、リニアブロックがリニアレールに案内されて移動すると被覆部材4がスクレーパにより案内面から剥離されリニアブロックに押されて案内面から剥がれる様にしたので、リニアブロックがリニアレールの案内されて移動すると案内面が露出する。
【0070】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
M 建物基礎
B 基礎
O 建物
H 収納空間
T 基礎杭
1 支持機構
1A 積層ゴム支承
1B 転がり滑り支承
1C 剛すべり支承
1D ダンパー
2 カバー部材
3 換気機器
3a 連通ダクト
3b 送風機
4 被覆部材
5 スクレーパ
9t 上部基礎構造
9b 下部基礎構造
10 基礎梁
11t 上部リニアブロック
11b 下部リニアブロック
12t 上部リニアレール
12b 下部リニアレール
13t 上部フランジプレート
13b 下部フランジプレート
14 結合部材
22 センサシステム
23 WiFi機能付きマイコン
24 MQTTクライアント
25 ルータ
26 クラウドサーバ
27 端末
28 周辺機器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【文献】特開平5-99648
【文献】特開2016-161416
【文献】特開2017-72238