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特許7058282車両用変速機ギヤボックス及び該変速機ギヤボックスを備えた鞍乗式車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】車両用変速機ギヤボックス及び該変速機ギヤボックスを備えた鞍乗式車両
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/38 20060101AFI20220414BHJP
   F16H 63/18 20060101ALI20220414BHJP
   F16D 11/10 20060101ALI20220414BHJP
   B62M 11/06 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
F16H63/38
F16H63/18
F16D11/10 B
B62M11/06 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019552255
(86)(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2018051926
(87)【国際公開番号】W WO2018172969
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】102017000031648
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515217546
【氏名又は名称】ピアッジオ エ チ.ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】マゲリーニ,アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】セスティーニ,マリオ
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-30549(JP,A)
【文献】特開平10-61731(JP,A)
【文献】実開昭61-58736(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/38
F16H 63/18
F16D 11/10
B62M 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
・ギヤボックスレバー(110)、
・前記ギヤボックスレバー(110)を用いて作動されるラチェット(111)、
・前記ラチェット(111)を用いて作動される選択要素(112)及び
・前記選択要素(112)に関連付けられたスタビライザ(114,115)
を備えた車両用変速機ギヤボックスであって、
・前記選択要素(112)が星型形状を有し、かつ、複数の隆起部(112b)によって離間された複数の谷部分(112a,112a')を備え、前記谷部分(112a,112a')が対応するギヤボックスギヤを画定し、
・プライマリ軸(2)が駆動トルク(ωM)を受けるようにされ、
・第二軸(3)が、プライマリ軸(2)の第一ホイール(51,50,52)と第二軸(3)の第二ホイール(6,7,80,70,60)との間に形成される歯連結を用いて、プライマリ軸(2)によって駆動され、
・第二軸(3)の前記第二ホイール(6,7,80,70,60)が、
・・複数の連結スロット(16)を備えた少なくとも一つのアイドルホイール(6,60,80)と、
・・対応する前記連結スロット(16)に係合するようにされた少なくとも複数の連結歯(17)を備えた少なくとも一つの連結ホイール(7,70)
を備え、
・連結ホイール(7,70)が、前記選択要素(112)の回転がトリガされた時に、自由配置(A)と係合配置(B)との間で移動するために、第二軸3上を軸線方向に移動するようにされ、前記自由配置Aにおいては、連結ホイール(7,70)はアイドルホイール(6)に係合してなく、前記係合配置Bでは、プライマリ軸(2)及び第二軸(3)間で動作を伝達するために、前方連結を実行することによって、連結ホイール(7,70)はアイドルホイール(6,60,80)に係合され、
・前記連結スロット(16)は、浅い凹部(162)及び少なくとも一つの貫通孔(161)を備え、
・前記浅い凹部(162)が、
・・前記連結歯(17)が前記浅い凹部(162)上に載っている時に、前記選択要素(112)が部分的回転(Qp)を実行し、前記部分的回転(Qp)が、スタビライザが選択要素(112)の第一の谷部分(112a)にある第一位置と、前記スタビライザ(114,115)が前記第一の谷部分(112a)に隣接する隆起部(112b)を乗り越える第二位置との間で前記スタビライザ(114,115)を動かすようにされ、
・・前記連結歯(17)が前記貫通孔(161)と係合している時に、前記スタビライザ(114,115)が、前記第一の谷部分(112a)と隣接する選択要素(112)の第二の谷部分(112a')にあるようにする
深さ(p)を有する
ことを特徴とする車両の変速機ギヤボックス。
【請求項2】
前記選択要素(112)がデスモドロミックドラム(116)に関連付けされ、前記デスモドロミックドラム(116)が、前記連結ホイールに関連付けされたフォーク(119)の軸シフトを制御する少なくとも一つのトラック(116')を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機ギヤ。
【請求項3】
アイドルギヤと第一ギヤとの間の通路を制御するトラック(116')が、フォーク(119)を所定の位置に維持するように適合された凹部(116a)を備え、ギヤが外れることを回避する
ことを特徴とする請求項2に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項4】
前記部分回転(Qp)が、22°から26°の間の回転から成る
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項5】
前記選択要素(112)が、ギヤシフト用の各角度セクタを画定し、
角度セクタの谷部分(112a,112a')間の角度間隔、即ち、単一のギヤが60°であり、
アイドルギヤの位置を識別する第一角度セクタに対しては、角度間隔は34°の値を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項6】
第一貫通孔(161)が、角度セクタとして画定された角度サイズ(Lp)のスロット(16)を有し、
連結歯(17)が、スロット(16)の角度サイズ(Lp)より小さい長手方向サイズ(Ld)を有し、
0.1mmから1.5mmの間の連結公差を持って連結歯(17)とバックラッシュを有する連結を形成するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項7】
連結スロット(16)が二重の深さをもって形成され、第一貫通孔(161)が厚さ(S1)を有し、第二閉鎖部分(162)が厚さ(S1)より薄い厚さ(S2)を有し、
前記深さ(p)が、厚さ(S1)及び厚さ(S2)間の差として画定されている
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項8】
前記浅い凹部が、1.0mmから6.0mmの間の厚さ(S2)を有する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項9】
厚さ(S2)が厚さ(S1)の約半分の厚さである
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項10】
前記浅い凹部が、前記連結スロット(16)の約2/3の角度セクタに対して延びている
ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項11】
前記連結スロット(16)に、第一貫通孔(161)、浅い凹部(162)及び前記第一貫通孔(161)の反対側に配置された第二貫通孔(161')が設けられている
ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の変速機ギヤボックス。
【請求項12】
請求項1~11に記載の変速機ギヤボックスを備えた二輪以上の車輪を備えた鞍乗り式車両(M)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、車両の変速機ギヤボックスに関する。
【0002】
また、本発明は、上述した変速機ギヤボックスに駆動的に組み込まれた変速機ホイールに関する。
【0003】
さらに、本発明は、前記変速機ギヤボックスが装備された車両、特に、バイク、スクーター又はオートバイ、概して、鞍載り型車両、即ち、二輪又はそれ以上の車輪を備えた車両である二輪以上のオートバイに関する。
【背景技術】
【0004】
公知のように、車両の変速機ギヤボックスは変速比を変えることを可能にし、それは、様々な速度に応じて各ギヤによって決められる。一般的に、ホイールに利用できるトルク特性を変更する機能があり、毎回異なる伝達比を選択することを可能にする。
【0005】
一般に、変速機ギヤボックスは、クラッチ及び一対の歯付きホイールを介して駆動軸からの駆動トルクを受けるのに適した第一軸と、運動を最終変速機に伝達し、次いで、車両の場合には車輪に伝達するのに適した第二軸とを備えている。第一軸上には、第一歯付きホイールが設けられ、該第一歯付きホイールは、第二軸に組み込まれた第二歯付きホイールに動作可能に連結される。複数の第二歯付きホイールの中の幾つかのアイドルホイールは第二軸に設けられているが、それらは、第一軸の第一歯付きホイールによる回転に引きずられ、他のホイールは、第二軸に回転的に一体にされ、第二軸に沿って軸線方向に移動可能にされ、前記アイドルホイールに連結可能にされている。これらの二種類のアイドルホイール及び軸方向可動歯付きホイールは、常に一方が他方に対して正面に配置されており、従って、これらはフロント連結ギヤと称されている。
【0006】
可動歯付きホイールのスライドは、選択要素によって軸方向に移動する適当なフォークを用いて行われ、選択要素は、ギヤボックスレバーによってラチェット装置を介して作動され得る。フロント連結ギヤの機能は、所定の一対の歯付きホイールを、各々第一軸及び第二軸と一体化することにある。
【0007】
構造的には、一対のフロント連結歯付きホイールは、それらの間に角度的に離間した複数のフロント連結歯を備えたアイドルホイールと、連結ホイールとを備え、連結歯毎に各々連結スロットが得られる。スロット及び歯の位置は逆にすることができ、解決手段は、上述の解決手段と同等である必要がある。
【0008】
ホイールの配置は、各アイドルホイールが、連結ホイールの正面に隣接して配置されるようにされている。同期装置がない場合、連結操作の成功は、ある正確な瞬間において、アイドルホイールの歯が連結ホイールのスロットに正確に面している確率に依存する。
【0009】
それらは、連結ホイールよりも僅か大きい寸法の延長部を有する連結スロットを提供する歯付きホイールである。しかし、この技術的解決策手段は、二つのホイールの相対回転中に、二つの歯付きホイールが並ぶと直ぐに歯が連結スロットを捕捉することが困難であり、ドライバに困難なギヤシフトを強いるので、必ずしも、即時シフト係合を決定するものではない。
【0010】
このような確率を高くするために、スロットの角度幅が大きくされ、その角度の広がりを連結歯の幅よりもかなり大きくする。この方法では、歯が広げられたスロットをより迅速にインターセプトして係合させることができるため、ドライバがギヤをシフトするアクションはより迅速になる。
【0011】
このような解決手段は、一方において、ギヤボックスの動作を改善するが、連結スロットのサイズが大きくなるので幾つかの欠点が生じる。特に、連結歯と連結スロット間のバックラッシュが相当に大きく、それはスロット内での歯の自由なストロークを含む。前記「自由」とは、加速運動を伝達するために係合するプッシュ壁と、解放段階において係合するプッシュ壁の反対の解放壁との間での、スロット内における歯の動きを意味している。プッシュ壁と開放壁との間の距離は歯のストロークを決定する。ギヤが係合して低速である特定の運転条件の下では、ドライバがクラッチ/加速装置を操作すると、歯が、スロットのプッシュ壁と開放壁との間を移動する。この動作により、歯が壁に衝突し、運転中にギヤボックスの望ましくないノイズが生じる。言い換えれば、典型的には都市交通では、加速とクラッチを頻繁に使用するので、プライマリ軸及び第二軸が、突然の加速及び減速にさらされることになり、各歯付きホイールの歯及びスロットが衝突にさらされ、音響的快適さが非常に不愉快な状態になり、各歯がプッシュ壁と開放壁との間で跳ね返り、逆のことも生じる。
【0012】
同様のギヤボックスのノイズの欠点は、ギヤを係合させる時においても、一般的には、ギヤをシフトする時においても現れる。
【0013】
車両が静止している時にギヤボックスのニュートラル位置から第一ギヤが係合される時に、追加の特定の場合が得られる。一般的に、クラッチが係合している時に、非作動アイドルホイールは完全には静止しているわけではなく、一定の角速度で回転しており、その角速度が、車両が静止している時に静止している第二軸と一体の連結ホイールとの速度差を決める。
【0014】
係合力学においては、連結ホイールの各歯は、各スロットの中間位置に位置することができる。従って、プッシュ壁に接触する前に、この場合であっても、自由なストロークを実行することができる。歯が中心位置においてスロットに係合すると仮定すると、伝達を実行するためには、歯をスロットの角度セクタの半分、移動させて、スロットのプッシュ壁に歯を接触させなければならない。角速度の違いが原因で、歯の壁とスロットの内壁との間で衝動的な衝突が起こり、第一ギヤと係合する時に「ハンマーブロー」として公知の衝突が生成される。
【0015】
同じ方法で、かつ、実質的に上述した力学と同様に、騒音を発生する係合が、ギヤをシフトする時に行われる。
【0016】
従って、公知の技術を参照して説明した欠点や制限を解決する必要がある。
米国特許出願公開2014/148286号は請求項1の前文の技術を開示している。
【発明の概要】
【0017】
本発明の目的は、運転中及び一般的にギヤをシフトする際の騒音現象を低減することを可能にする車両の変速機ギヤボックスを提供することにある。
【0018】
本発明の付加的な目的は、同じ目的を達成する前記変速機ギヤボックスを装備した車両、特に、バイク、スクーター又はオートバイ、概して、鞍載り型車両、即ち、二輪又はそれ以上の車輪を備えた車両である二輪以上のオートバイを提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、同じ目的を達成する変速機ギヤボックスホイールを提供することにある。
【0020】
このような目的は、添付の請求項1に従った変速機ギヤボックスによって達成される。
【0021】
本発明の付加的な特徴及び利点は、幾つかの好ましい非限定的実施例に関する以下の説明からより良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による変速機ギヤボックスが設けられた車両、詳細には、自動二輪車の側面図を示している。
図1A】ギヤボックスの作動機構の第一の構造の概略図である。
図1A-】前記第一の構造におけるギヤボックスのギヤの概略図である。
図1B】ギヤボックス作動機構の第二の構造の概略図である。
図1B-】前記第二の構造におけるギヤボックスのギヤの概略図である。
図1C図1A及び図1Bのギヤボックスの作動機構の動作を示す概略図である。
図1D図1A及び図1Bのギヤボックスの作動機構の動作を示す概略図である。
図1E図1A及び図1Bのギヤボックスの作動機構の動作を示す概略図である。
図1F】デスモドロミックドラムのトラックの部分斜視図である。
図2】概略的に示された幾つかの構成要素を備えた変速機ギヤボックスの第一の構造の斜視図である。
図2A図2の断面図である
図3】変速機ギヤボックスの第二の構造の斜視図である。
図3A図3の断面図である。
図4図2の変速機ギヤボックスのアイドルホイールの斜視図である。
図4A図4の部分断面図である
図5図4のアイドルホイールに前方で係合する変速機ギヤボックスの連結ホイールの斜視図である。
図6図4のアイドルホイールと図5の連結ホイールとの間の前方係合状態を示す断面図である。
図7図4のアイドルホイールと図5の連結ホイールとの間の前方係合状態を示す断面図である。
図8図4のアイドルホイールと図5の連結ホイールとの間の前方係合状態を示す断面図である。
図9図2の変速ギヤボックスの簡略化した斜視図であり、この図では、第二シャフトには第一及び連結ホイールのみが組み込まれている。
図9A図2の変速ギヤボックスの簡略化した斜視図であり、この図では、第二シャフトには第一及び連結ホイールのみが組み込まれている。
図10】完全な変速機ギヤボックスの第一の構造の斜視図である。
図11】完全な変速機ギヤボックスの第二の構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に説明する複数の実施例において共通の構成要素又は構成部分には、同一の符号を付す。
【0024】
上述した図面を参照すると、符号Mは、自動二輪車、即ち、鞍乗型車両、具体的には、この実施例では、二つの車輪、即ち、前輪及び後輪を備えた車両全体を示している。しかし、車両は、二つ以上の車輪、例えば、二つの傾斜前輪及び/又は場合によっては二つの後輪を有することができ、以下の説明では、より一般的で簡単な用語である車両を用いて説明する。
【0025】
車両Mは、ギヤボックスレバー110によってギヤ係合を実行することを可能にする本発明による変速機ギヤボックス100を備えている。
【0026】
変速機ギヤボックス100は、他の装置、即ち、以下に詳細に説明する前方係合ホイールを使用することによって、変速比の変更を必要とする車両に機能的に適用され得る。図1A及び図1Bを参照すると、変速機ギヤボックス100は、公知の作動機構に従ってラチェット111を制御するギヤボックスレバー110を備えている。ラチェット11は、選択要素112、即ち、星型のカムに作用する。選択要素112は、複数の谷部分112a、112a'及び隆起部分112bを有する。複数の谷部分112a,112bは、以下により詳細に説明するようにギヤボックスギヤの数を画定する。スタビライザ114及び115が選択要素112に関連付けられ、スタビライザ114及び115は、ギヤを所定の位置に維持するように選択要素112に作用する。図2により良く示されているように、ギヤボックスは、さらに、プライマリ軸2を備え、該プライマリ軸2は、作動機構、例えば、車両Mのモータ150によって生成される駆動トルクωMを受けるのに適している。トルクは、クラッチ連結部120及び一対の歯付きホイール4a及び4bによって伝達され、その一方は、クラッチシャフト上の一部品として得られ、それは、(以下「クラッチシャフト」として説明される)フリクションと同軸のカウンター軸である。
【0027】
一対の歯付きホイール4a,4bは、一般的に、「プライマリ伝達」として説明されるものを構成する。
【0028】
第二軸3は、プライマリ軸2によって機械的に引っ張られる。プライマリ軸2は、第二軸3に組み込まれた第二歯付き歯車6,7,80,70,60と係合するように適合された第一の歯付きホイール51,50,52を備えている。第二軸3は、最終変速機、例えば、カルダン軸-ベベルギヤシステムから成るカルダン変速機に接続される。
【0029】
第二ホイールは、少なくともアイドルホイール6,60,80を備え、これらは第二軸3の軸線を中心に自由に回転することができ、例えば、ベアリング5上に回転的には作用しない。アイドルホイール6,60,80は、少なくとも一つの連結スロット16、詳細には、複数の連結スロット17を備えている。
【0030】
さらに、連結ホイール7,70が、例えば、溝付きカップリングを用いて第二軸3に回転的に一体に設けられており、少なくも一つの対応する連結歯17を備えている。特に、幾つかの連結歯17が、各連結スロット16において、各々に係合するように設けられている。以下に、ギヤボックスの作用を説明するために、単一対のホイール6及び7が参照され、ここでは、連結ホイール7はアイドルホイール6に隣接して配置され、連結ホイール7は、連結スロット16の方向に向けられた連結歯17を備えている。機能的には、連結ホイール7は、第二軸3上を軸線方向に移動できるようにされ、例えば、従来の方法でデスモドロミックドラム116によって制御される作動フォーム119(図1A'及び図1B')を用いて、第二軸3で平行移動できるように適合され得る。
【0031】
この方法では、連結ホイール7は、第二軸3上で、自由配置A(図2及び図2A)と係合配置B(図3及び図3A)との間で移動することができ、自由配置Aでは、アイドルホイール6に係合してなく、係合配置Bでは、連結歯17と連結スロット16との間の前方連結を実行することによってアイドルホイール6と係合されている。この方法では、発生した連結により、プライマリ軸2と第二軸3との間で動作を伝達することが可能になる。特に、前方連結により、アイドルホイール6から、第二軸3に回転的に一体にされた連結ホイール7へ動作を伝達することが可能になる。図4により良く示すように、連結スロット16は、連結スロット16の全体の角度セクタLaに対して、少なくとも角度セクタLcのために延びる浅い凹部162の部分を有する。薄い凹部162の部分は、少なくとも一つの第一貫通位置161と、連結スロット16の第二閉鎖位置162とを画定する。
【0032】
閉鎖位置162は、少なくとも、連結歯17との連結を実行する第一貫通孔161に向かう連結歯17の係合を遮断及び案内することを可能にし、係合段階及び車両走行中の両方において騒音を低減する。
【0033】
特に、第一貫通孔161は、角度セクタとして画定される角度サイズLpのスロットを有する。連結歯17は、スロットの角度サイズLpより小さい長手方向サイズLdの歯を備え、連結歯17とバックラッシュを伴う連結を形成するようにされている。得られる連結の公差は0.1mmから1.5mmの間であり、具体的には、0.3mmから0.6mmの間である。言い換えれば、連結歯17は、連結スロット16の第一貫通孔161より小さいサイズを有する。この方法では、完全な深さを有するスロット部分161の角度サイズLpが、連結歯17の幅Ldより僅かに大きいので、バックラッシュは殆どなく、音響的快適性はかなり良好である。
【0034】
好ましくは、浅い凹部の部分は、連結スロット16の約2/3の角度セクタに亘って延びている。特に、連結歯17は、連結スロット16内で数ミリだけ移動する。従って、一度、ギヤが係合すると、ギヤが加速動作を伝達するために係合するプッシュ壁165(図4参照)と、減速段階を実行する時に係合する解放壁167(図4参照)との間でシフトする時に、それが実行する移動が大幅に低減され、従って、歯が壁165又は167に対して接触する時に生成されるノイズが減少されることになる。
【0035】
連結スロットは、二重の深さで形成されている。第一貫通孔161は厚さS1を有し、第二の浅い凹部162は厚さS1より薄い厚さS2を有する(図4A参照)。より詳細には、浅い凹部162は、厚さS1と厚さS2との間の差として画定される深さpを有し(図4A参照)、連結歯17が浅い凹部162上の載った時に、選択要素112は、(以下に詳細に説明するように)歯17が浅い凹部162に接触している限り連結歯17によって実行される軸ストロークTa1に対応する部分的な回転Qpを実行する。前記部分的な回転Qpは、ドライバが係合を望むギヤを確実に受けることができるようにすることを保証するようにする必要がある。言い換えれば、ギヤ外れが発生しないことを保証する必要がある。
【0036】
この効果は、浅い凹部162の特定の形状に変換され、前記連結歯17が浅い凹部162上の載っている時に、選択要素112がスタビライザ114,115、特に、ヘディングベアリング115を第一位置と第二位置との間で動かすのに十分な部分的な回転Qpを実行するようにしている。前記第一位置では、スタビライザは、選択要素112の第一谷部分112aにあり、前記第二位置では、スタビライザ、特に、ベアリング115は、第一谷部分112aに隣接する隆起部112bを乗り越える(図1D参照)。
【0037】
連結歯17が貫通孔161,161'に係合している時、即ち、第一連結が完了している時、スタビライザのベアリング115は、第一谷部分112aと隣接する第二谷部分112a'にある。
【0038】
言い換えれば、典型的な作動運動において、ラチェット111は、選択要素112と一体にされたピン113に引っ掛かり、選択要素112を回転させて、ベアリング115に同じセクタの角度セクタを乗り越えさせる。このシーケンスがギヤシフトを生成する。
【0039】
ラチェット111の補強の下で、ある位置で、ラチェット111がピン113に作用して、選択要素112の回転を生成することができるようにされている。
言い換えれば、ラチェット111は補強されており、それらの間で隣接する一対のピン113が、ラチェットの内部空間、即ち、U字形状、詳細には、ポイント111'によって制限された空間によって画定される空間内に包囲されている(図1A及び図1B)。
【0040】
ギヤシフトの適切な動作を得るために、二つの連結ギヤ間の相対回転の効果によって歯17と貫通孔161との次の係合を保証するように、歯17の前記部分的なストローク、又は、言い換えれば、浅い凹部162の前記深さpは、上述した選択要素の隆起部112bの乗り越え条件を満たさなければならない。上述したこととは別に、ラチェット111がピン113上でのそれ自身の補強動作を終えることによって、部分的回転がラチェット111の動作さえも考慮することが良好なルールである。
【0041】
例えば、浅い凹部162の深さが十分でない場合、ドラムが部分的な回転を実行しても、ラチェット111は一対の隣接するピン113を囲む位置に達することができないということが起こる。特に、ラチェット111のある点がピン113の一つ乗り越えることができずに、ラチェットの次の動作が失敗するということが起きる。
【0042】
実際の力学では、ギヤボックスが、部分的な連結の場合、ギヤをアイドル位置に戻すプッシュを決定する。
【0043】
この不都合を回避するために、連結前状態におけるドラムの適切な回転に加えて、第二貫通孔161'が、第一貫通孔161の反対側に設けられる(図1A及び図1B参照)。第二貫通孔によって、二つのギヤ間で反対方向の回転が起こるギヤを解放する状態においても連結歯17が連結を実行することが可能になる。さらに、好ましい実施例では、図1Fに示すように、デスモドロミックドラム116のトラック116'は、ギヤの解放を回避するためにフォーク119を適切な位置に維持するように、窪みである凹所116aを備えている。好ましくは、トラック116'は、ニュートラルギヤと第一ギヤとの間の通路を制御する。この方法では、上述したこととは別に、この付加的な技術は、シフト力学において予備係合がギヤの解放を含む選択要素112の逆回転を含むことを回避することに寄与する。デスモドロミックドラムのトラック116'の凹所116aによって、フォーク119を所定の位置に維持するための一種の障壁を形成して、上述した欠点を回避することが可能になる。
【0044】
ニュートラルギヤ及び第一ギヤ間でギヤボックスをガイドするトラック116'は、約34°の制限された回転に対応している。この場合、選択要素112の隆起部がより低くなるので、インデックス114,115,118によって生成されるプッシュはより低くなる。従って、予備係合段階がより顕著になり、ギヤを解放する可能性がより高くなる。デスモドロミックドラム116のトラック上に凹所116aを設けることにより、このような問題が解決される。
【0045】
特に、構造的に言えば、浅い凹部162の厚さS2は、1mmから6mmの間であり、好ましくは、3.0mmから4.0mmの間である。好ましくは厚さS2は、厚さS1の約半分の厚さである。以下に詳細に説明するようにギヤの係合においても、音響的に改善された効果が得られる。
【0046】
機能的な観点から見ると、連結スロット16の二重の深さにより、実質的に、二つの段階で係合操作を得ることが可能になる。第一の段階では、連結歯17が、その軸線方向ストロークの第一の部分(約50%)を実行し、連結スロット16の浅い凹部162に正面から接触する。
【0047】
関連する回転の後、連結歯17は、貫通スロット161と向き合い、この瞬間に、連結歯17は、その軸方向ストロークの第二の部分を実行し、即ち、軸方向ストロークの残りの50%を実行して係合を完了させることができる。
【0048】
この連結スロット16の形状は、上述したようにギヤを係合させて低速で走行する時に加えて、ギヤシフトの係合の時に音響的快適性を改善するという有利な効果を有する。
【0049】
以下に詳細に説明するように、ギヤシフトの段階、又は車両が静止している時にニュートラルギヤから始動して第一ギヤに係合する段階において、各々角速度CO1及びCO2を有するアイドルホイール6及び連結ホイール7間の相対回転は、連結歯17及び浅い凹部162間の摩擦の減速効果により、従来の係合より遅くなる。
【0050】
特に、図6から図8に順番に示されるように、連結歯17の浅い凹部162への接触時に、連結歯17の面172と浅い凹部162の表面との間に摩擦が生じる(図7参照)。この摺動接触が、アイドルホイール6の角速度CO1を減速させる傾向にある(図3A)。
この方法では、アイドルホイール6及び連結ホイール7間の同期効果により、角速度CO1及びCO2間の角速度差を減少させる。角速度差が減少し、従って、連結歯17及び連結するっと16間の接触速度が低減されるので、より静かな係合が得られる。
【0051】
以下に、特定の実施例を説明する。
【0052】
車両が静止している時にニュートラル位置から始動して、第一ギヤを係合させると仮定する。
【0053】
構造的には、図2から図11に示した実施例に従って、第一ギヤはアイドルホイール6によって表され、連結ホイール7は第五ギヤを表す。
【0054】
自由配置A(図7)から始動して、連結ホイール7がアイドルホイール6に向かって動くと、歯16の浅い凹部162への予備係合を提供する中間通路が与えられる。浅い凹部162は、実質的に、連結歯17のガイドとして機能し、重要な特徴として、後述するように、ギヤ係合を保証する。
【0055】
アイドルホイールの角速度CO1及び連結ホイールの角速度CO2である関連する速度は、車両が静止している時に、第二軸がホイール130に接続されているので、ゼロになる。
【0056】
クラッチグループ120を作動する時、理論的にはクラッチが分離する時の角速度CO1はゼロになるが、実際にはゼロとは異なる値を有する。そして、角速度には差がある。この角速度の差は、一般的にギヤシフトにおいてもみられ得る。上記に照らして、連結歯17が浅い凹部162に接触する中間段階Cでは摺動が生じ、アイドルホイール6を、その角速度CO1を低減させることによって減速させる傾向にある。連結歯17は、スロットのプッシング壁と接触する位置に到達する時に、より小さなエネルギでプッシング壁に「当たり」、係合はより静かなものになる。この技術的作動装置は、第一ギヤを係合するための、所謂、「ハンマーリング」を低減させる。
【0057】
上述したように、浅い凹部162は、ギヤの予備係合を保証する必要がある。
【0058】
言い換えれば、ギヤ係合を実行するユーザは、ギヤボックスレバー110を操作して、(図2に概略的に示された)クラッチ120を作動する。機械的観点から見ると、ユーザは、連結ホイールを作動させるフォーク119を動かし、連結ホイールに係合軸方向ストロークTa(図9及び図9A)を実行させる。
【0059】
アイドルホイール6には、二重の深さを有する連結スロット16が形成されているので、係合軸方向ストロークは、第一部分Ta1(図7)と、第二部分Ta2(図8)とに分割される。軸方向ストロークの第一部分Ta1は、ユーザにギヤ係合が行われたことを理解させるものである。言い換えれば、第一ストローク部分は、実際の係合が未だ行われていない時のギヤ係合予約である。部分的な回転Qpは、第一部分Ta1に対応し、その回転は、好ましくは、22°から26°の間の回転、特に、23°から24°の間の回転である。スタビライザのベアリング115による選択要素112の頂部112bの乗り越えは、第一部分Ta1に対応する。実際の係合は、軸線方向ストロークの第二部分Ta2を完了させることで実行され、それが完了すると、連結歯17が全体的に貫通スロット161を貫通し(図8)、従って、係合配置Bを画定する。構造的には、ユーザによるギヤ係合を保証する軸方向ストロークTa1の第一部分は、浅い溝162の厚さS2によって決められる。
【0060】
言い換えれば、上述したことに関して、ギヤシフトは、選択要素112を用いて行われる。デスモドロミックドラム116の一端で、星型形状を有する選択要素112が得られる。このような形状により、例えば、七つ、ニュートラルギヤに加えて各ギヤに対して一つの
複数の窪み、即ち、谷部分112a,112a'を有するカム112の機能を引き受けることができる。選択要素は、複数の角度セクタに分割される。角度セクタの窪み間の角度間隔、即ち、単一のギヤは60°である。第一角度セクタには角度差があり、34°の値を有するニュートラル位置を識別する。
【0061】
窪み112a,112a'は、レバー114の端部に配置されたロールベアリング115のシートとして使用される。レバー114は、その支点、この実施例では、ラチェット111の軸に固定されている。レバー114は、リターンスプリング118(図1B)によって常にカムと接触した状態に保たれる。
【0062】
このカム-レバー-ベアリング-スプリング群は、「ジャンピング」システム又は「インデックス」システムとも呼ばれる。
【0063】
インデックスは、さらに、決められたギヤが係合した時に、デスモドロミックドラム116の回転をロックする機能を有する。
【0064】
ギヤボックスレバー110及び関連するカウンター軸によって回転させられるラチェット111は、選択要素112及びデスモドロミックドラム116間に軸線方向に挿入された六つの小さなピン113の一つをフックし、かつ、デスモドロミックドラム116自身が30°より僅かに大きく回転することを可能にする。この回転は、フォーク119の軸シフトに対応し、その結果、連結ホイール7の前方歯がアイドルホイール6の浅い凹部162上に載る(図1B')。同時に、ベアリングが、カムの頂部112bを乗り越えるまでランプを上昇する。
【0065】
この時点で非常に短いデッドロック段階があり、この段階では、連結歯17が貫通スロット161に合致するまで、連結ホイール7がアイドルホイール6に対して回転する。この方法では、インデックスによって及ぼされるプッシュの効果によって、デスモドロミックドラム116がそれ自身の回転を完了し、フォーク119及びギヤが軸シフトを完了し、係合が完了する。
【0066】
全てが機能するためには、運動機構の第一段階で、ベアリング115が選択要素112の頂部を通過できるようにすることが必須であり、そうでなければ、デッドロック中にインデックスがデスモドロミックドラム116を後方に回転させ、操作が失敗することになる。また、ピン113に対する次の作動動作を可能にするために、ラチェット11がそれ自身の補強を完了させることも必須である。
【0067】
上記説明したことは、構造的に言えば、浅い凹部の厚さS2を、ベアリングが選択要素112の頂部112bを超えるのに十分なストロークを実行するようにすることである。
【0068】
他の詳細な構造的特徴では、図2に示すように、車両の変速機ギヤボックスがクラッチ軸1を提供する。運動伝達は、クラッチ軸1と一体的であり、かつ、プライマリ軸2に設けられた第二ギヤ4bと係合するようにされた第一ギヤ4aを提供するプライマリ伝達によって実行される。第三ギヤ51は、アイドルホイール6と係合する。
【0069】
ギヤ群は、変速比を変更し、ギヤシフトを実行するために、プライマリ軸及び第二軸に配置される。
【0070】
図9及び図9Aを参照すると、第二軸3は溝付き軸であり、それに、各ミレー歯(millerays teeth)171を備えた連結ホイール7が摺動的に挿入される(図5)。第一端部3aに配置されたアイドルホイール6は、ベアリング5上に組み立てられる(図2)。軸3の第二端部3bは、ホイール130又は動かすべき別の要素への接続部が設けられている。
【0071】
図10及び図11に示すように、変速機ギヤボックス100は、その完全なバージョンでは、複数のギヤを備えている。アイドルホイール6と同じ連結機能及び同じ形状が、第三ホイールとの前方連結を得るホイール60並びに連結ホイール7及び第三ホイール70との前方連結を実行するダブルフェイスを備えた第四ホイール80に対しても適用される。
【0072】
好ましい実施例によれば、車両用変速機ギヤボックス100は、
・ギヤボックスレバー110、
・前記ギヤボックスレバー110によって作動するラチェット111、
・前記ラチェット111によって作動する選択要素112及び
・前記選択要素112に関連付けされたスタビライザ114,115
を備え、
前記選択要素112が星型形状を有し、かつ、複数の隆起部112bによって離間された複数の谷部分112a,112a'を備え、前記谷部分112a,112a'が対応するギヤボックスギヤを画定し、
プライマリ軸2が、プライマリ変速機4a,4bを用いて、作動手段150によって生成される駆動トルクωMを受けるようにされ、
第二軸3が、プライマリ軸2の第一ホイール51,50,52と第二軸3の第二ホイール6,7,80,70,60との間に形成される歯連結によって、プライマリ軸2によって駆動され、
第二軸3の前記第二ホイール6,7,80,70,60が、
複数の連結スロット16を備えた少なくとも一つのアイドルホイール6,60,80と、
前記第二軸3と一体的に回転する少なくとも一つの連結ホイール7,70と
を備え、
アイドルホイール6,60,80が、前記プライマリ軸2の前記第一ホイール51,52の一つによって駆動され、
前記連結ホイール7,70が、対応する連結スロット16に係合するように適合された少なくとも複数の連結歯17を備え、
連結ホイール7,70が、アイドルホイール6,60,80に隣接して配置され、連結歯17は連結スロット16に面し、前記選択要素112の回転がトリガされた時に、自由配置Aと係合配置Bとの間で移動するために、連結ホイールが第二軸3上を軸線方向に移動され得、前記自由配置Aにおいては、連結ホイール7,70はアイドルホイール6に係合してなく、前記係合配置Bでは、プライマリ軸2及び第二軸3間で動作を伝達するために、連結歯17と係合スロット16との間の前方連結を実行することによって、連結ホイール7,70はアイドルホイール6,60,80に係合され、
前記連結スロット16は、スロット16の少なくとも角度セクタLcに対して延びる浅い凹部162を有し、少なくとも一つの第一貫通孔161及び第二閉鎖部分162を画定するようにし、第二閉鎖部分162が、第一貫通孔161に向けて連結歯17を捕捉して案内し、所定の公差をもって連結歯17と連結し、係合段階及び動作中の両方において騒音を低減し、
前記浅い凹部162が深さpを有し、
前記連結歯が前記浅い凹部162に載っている時に、前記選択要素112が部分的な回転WQpを実行し、前記回転Qpが、前記スタビライザ114,115が選択要素112の第一の谷部部分112aにある第一位置と、前記スタビライザ114,115が前記第一の谷部分112aに隣接する隆起部112bを乗り越える第二位置との間で前記スタビライザ114,115を動かし、
前記連結歯17が前記貫通孔161,161'と係合している時に、前記スタビライザ114,115が、前記第一の谷部分112aと隣接する選択要素112の第二の谷部分112a'にある
ようにしたことを特徴とする。
【0073】
本発明の実施形態の上記の説明は、概念の観点から本発明を示すことができるものであり、その結果、他の人々は、既知の技術を使用することにより、付加的な調査をすることなく、かつ、本発明の概念から外れることなく、このような特定の実施形態を幾つかの応用において変更及び/又は修正することができ、このような適用及び/又は改良は、特定の実施形態の均等物とみなされることを意味する。幾つかの上述した機能を実施するための手段及び材料は、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な性質を有し得る。使用されている表現と用語は、純粋に説明的な目的を持っているため、限定をするものではない。
図1
図1A
図1A-1】
図1B
図1B-1】
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図2A
図3
図3A
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図10
図11