IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェラインの特許一覧

<>
  • 特許-センサデバイス及びその製造方法 図1
  • 特許-センサデバイス及びその製造方法 図2
  • 特許-センサデバイス及びその製造方法 図3
  • 特許-センサデバイス及びその製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】センサデバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/42 20060101AFI20220414BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220414BHJP
   G01T 1/20 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
H01L31/08 T
G01B11/00 C
G01T1/20 B
G01T1/20 E
G01T1/20 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019567275
(86)(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2018064276
(87)【国際公開番号】W WO2018224380
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2020-01-30
(31)【優先権主張番号】102017209498.2
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】キルヒホフ,クリスティアン
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-170004(JP,A)
【文献】特開昭59-050579(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0178325(US,A1)
【文献】特開平09-246236(JP,A)
【文献】特表2014-511041(JP,A)
【文献】特開2010-003901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/42-51/48
H01L 31/02-31/0392,31/08-31/119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射エネルギービーム(ESB)を検出するためのセンサデバイスであって、
前記センサデバイス(1)は、3次元座標系のxy平面に平行に整列された3次元座標系のz方向に積層された層を含み、
前記層は、
第1フォトダイオード層(2)と、
前記第1フォトダイオード層(2)に固定された第2フォトダイオード層(6)と、を含み、
前記第1フォトダイオード層(2)が、前記第1フォトダイオード層(2)の2つの電極層(4.1、4.2)の間に介挿された1つ以上の有機光活性層(3)を含み、
少なくとも4つの測定接点(5.1、5.2、5.3、5.4)が、前記第1フォトダイオード層(2)の前記電極層(4.1、4.2)に配置され、前記測定接点の各々において、前記入射エネルギービーム(ESB)に依存する前記第1フォトダイオード層(2)の光電流の部分電流(T5.1、T5.2、T5.3、T5.4)をタップ可能であり、前記第1フォトダイオード層(2)の前記光活性層(3)における前記入射エネルギービーム(ESB)の3次元座標系のx座標及びy座標を、前記第1フォトダイオード層(2)の前記少なくとも4つの部分電流(T5.1、T5.2、T5.3、T5.4)の測定値から決定可能であり、
前記第2フォトダイオード層(6)が、前記第2フォトダイオード層(6)の2つの電極層(8.1、8.2)の間に介挿された1つ以上の有機光活性層(7)を含み、
少なくとも4つの測定接点(9.1、9.2、9.3、9.4)が、前記第2フォトダイオード層(6)の前記電極層(8.1、8.2)に配置され、前記測定接点の各々において、前記入射エネルギービームに依存する前記第2フォトダイオード層(6)の光電流の部分電流(S9.1、S9.2、S9.3、S9.4)をタップ可能であり、前記第2フォトダイオード層(6)の前記光活性層(7)における前記入射エネルギービーム(ESB)の3次元座標系のx座標及びy座標を、前記第2フォトダイオード層(6)の前記少なくとも4つの部分電流(S9.1、S9.2、S9.3、S9.4)の測定値から決定可能であり、前記フォトダイオード層(2、6)の少なくとも1つが透明であり、
前記第1フォトダイオード層(2)及び前記第2フォトダイオード層(6)が、前記第1フォトダイオード層(2)及び前記第2フォトダイオード層(6)を支持する共通基板層(10)に配置されており、
前記第1フォトダイオード層(2)及び前記第2フォトダイオード層(6)が、z方向に見て、前記共通基板層(10)の共通の側に配置され、前記第1フォトダイオード層(2)と前記第2フォトダイオード層(6)との間に、少なくとも1つの透明な電気絶縁性の中間層(11)が介挿されている、センサデバイス。
【請求項2】
前記共通基板層(10)が透明である、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項3】
前記共通基板層(10)は電気絶縁性である、請求項1又は2に記載のセンサデバイス。
【請求項4】
前記センサデバイス(1)のスペクトル感度を調整するために、少なくとも1つのフィルタ層(12)が設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項5】
電離放射線を光に変換する少なくとも1つの第1変換層(13)が、前記第1フォトダイオード層(2)に隣接して配置され、電離放射線を光に変換する少なくとも1つの第2変換層(14)が前記第2フォトダイオード層(6)に隣接して配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項6】
前記センサデバイス(1)が、前記第1フォトダイオード層(2)の前記少なくとも4つの部分電流(T5.1、T5.2、T5.3、T5.4)の測定値を測定し、前記第2フォトダイオード層(6)の前記少なくとも4つの部分電流(S9.1、S9.2、S9.3、S9.4)の測定値を測定するように構成された電子回路(17)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項7】
前記電子回路(17)には、前記第1フォトダイオード層(2)の前記少なくとも4つの部分電流(T5.1、T5.2、T5.3、T5.4)の前記測定値を出力し、前記第2フォトダイオード層(6)の前記少なくとも4つの部分電流(T5.1、T5.2、T5.3、T5.4)の測定値を出力するデータインターフェース(18)が割り当てられている、請求項6のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項8】
前記第1フォトダイオード層の前記少なくとも4つの測定接点が、前記第1フォトダイオード層の前記光活性層における前記入射エネルギービームの前記x座標を決定する2つの測定接点を含み、前記測定接点は、前記3次元座標系のx方向に見て、前記第1フォトダイオード層の前記電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、
前記第1フォトダイオード層の前記少なくとも4つの測定接点が、前記第1フォトダイオード層の前記光活性層における前記入射エネルギービームの前記y座標を決定する2つの測定接点を含み、前記測定接点は、前記3次元座標系のy方向に見て、前記第1フォトダイオード層の前記電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、
前記第2フォトダイオード層の前記少なくとも4つの測定接点が、前記第2フォトダイオード層の前記光活性層における前記入射エネルギービームの前記x座標を決定する2つの測定接点を含み、前記測定接点は、前記3次元座標系の前記x方向に見て、前記第2フォトダイオード層の前記電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、
前記第2フォトダイオード層の前記少なくとも4つの測定接点が、前記第2フォトダイオード層の前記光活性層における前記入射エネルギービームの前記y座標を決定する2つの測定接点を含み、前記測定接点は、前記3次元座標系の前記y方向に見て、前記第2フォトダイオード層の前記電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項9】
入射エネルギービーム(ESB)を検出するためのセンサデバイス(1)であって、3次元座標系のxy平面に平行に整列された前記3次元座標系のz方向に積層された層が形成されたセンサデバイス(1)の製造方法であって、
前記方法は、
第1フォトダイオード層(2)を形成するステップであって、前記第1フォトダイオード層(2)が、前記第1フォトダイオード層(2)の2つの電極層(4.1、4.2)の間に介挿された1つ以上の有機光活性層(3)を含み、
少なくとも4つの測定接点(5.1、5.2、5.3、5.4)が、前記第1フォトダイオード層(2)の前記電極層(4.1、4.2)に配置され、前記測定接点の各々において、前記入射エネルギービーム(ESB)に依存する光電流の部分電流(T5.1、T5.2、T5.3、T5.4)をタップ可能であり、前記第1フォトダイオード層の前記光活性層(3)における前記入射エネルギービーム(ESB)の3次元座標系のx座標及びy座標を、前記第1フォトダイオード層(2)の前記少なくとも4つの部分電流(T5.1、T5.2、T5.3、T5.4)の測定値から決定可能であるように形成するステップと、
第2フォトダイオード層(6)を形成するステップであって、前記第2フォトダイオード層(6)が、前記第1フォトダイオード層(2)に固定され、
前記第2フォトダイオード層(6)が、前記第2フォトダイオード層(6)の2つの電極層(8.1、8.2)の間に介挿された1つ以上の有機光活性層(7)を含み、
少なくとも4つの測定接点(9.1、9.2、9.3、9.4)が前記第2フォトダイオード層(6)の前記電極層(8.1、8.2)に配置され、前記測定接点の各々において、前記入射エネルギービーム(ESB)に依存する光電流の部分電流(S9.1、S9.2、S9.3、S9.4)をタップ可能であり、前記第2フォトダイオード層(6)の前記光活性層(7)における前記入射エネルギービーム(ESB)の3次元座標系のx座標及びy座標を、前記第2フォトダイオード層(6)の前記少なくとも4つの部分電流(S9.1、S9.2、S9.3、S9.4)の測定値から決定可能であるように形成するステップと、を含み、
前記フォトダイオード層(2、6)の少なくとも1つが透明に実装され、
前記第1フォトダイオード層(2)及び前記第2フォトダイオード層(6)が、前記第1フォトダイオード層(2)及び前記第2フォトダイオード層(6)を支持する共通基板層(10)に配置されており、
前記第1フォトダイオード層(2)及び前記第2フォトダイオード層(6)が、z方向に見て、前記共通基板層(10)の共通の側に配置され、前記第1フォトダイオード層(2)と前記第2フォトダイオード層(6)との間に、少なくとも1つの透明な電気絶縁性の中間層(11)が介挿されている、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射エネルギービームを検出するためのセンサデバイスに関する。
より正確には、本発明は、デジタルセンサデバイスとは対照的に、入射エネルギービームに関する連続的な位置情報を提供するアナログセンサデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
入射光ビームを検出するためのよく知られたアナログセンサデバイスには、シリコン技術で製造された位置検出型フォトダイオードがある。
入射エネルギービームの位置を1次元または2次元で測定することを可能にするアナログセンサデバイスが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある目的は、入射エネルギービームを検出するための改良されたセンサデバイスを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本目的は、3次元座標系のxy平面に平行である、3次元座標系のz方向に積層された層を含む、入射エネルギービームを検出するためのセンサデバイスであって、層が、第1フォトダイオード層と、第1フォトダイオード層に固定された第2フォトダイオード層と、を含み、第1フォトダイオード層が、第1フォトダイオード層の2つの電極層の間に介挿された1つ以上の有機光活性層を含み、少なくとも4つの測定接点が、第1フォトダイオード層の電極層に配置され、これらの測定接点の各々において、入射エネルギービームに依存する光電流の部分電流をタップ可能であり、第1フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームの3次元座標系のx座標及びy座標を、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値から決定可能であり、第2フォトダイオード層が、第2フォトダイオード層の2つの電極層の間に介挿された1つ以上の有機光活性層を含み、少なくとも4つの測定接点が第2フォトダイオード層の電極層に配置され、これらの測定接点の各々において、入射エネルギービームに依存する光電流の部分電流をタップ可能であり、第2フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームの3次元座標系のx座標及びy座標を、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値から決定可能であり、フォトダイオード層の少なくとも1つが透明である、センサデバイスによって達成される。
【0005】
エネルギービームは、センサデバイスのセンサ領域と比較して断面が小さい本質的に平行なエネルギー線の束である。
【0006】
1つ以上の積層された層を全領域に形成することができる。同様に、1つ以上の積層された層は、平面であってもよい。
【0007】
第1フォトダイオード層及び第2フォトダイオード層は、特に赤外線及び/または可視光範囲の電磁エネルギー線を検出するために実装することができる。
【0008】
所望のスペクトル感度は、第1フォトダイオード層の1つ以上の光活性層及び/または2つの電極層を適切に選択し、第2フォトダイオード層の1つ以上の光活性層及び/または2つの電極層を適切に選択することにより達成することができる。
好ましくは、第1フォトダイオード層及び第2フォトダイオード層は同じスペクトル感度を有し、その結果、第1フォトダイオード層によって検出される規定のスペクトル特性を有する入射エネルギービームは、第2フォトダイオード層によっても検出される。
【0009】
フォトダイオード層は、検出されるエネルギービームのエネルギーのかなりの部分、例えば50%以上を透過させることができる場合、透明であると説明される。
原則として、2つのフォトダイオード層のうちの1つが透明であれば十分である。
ただし、この場合、センサデバイスは、透明な側のフォトダイオード層に入射したエネルギービームのみを意図した方法で検出することができる。
ただし、両方のフォトダイオード層が透明である場合、どちらの側から入射したかに関係なく、意図した方法でエネルギービームを検出することができる。
【0010】
第1フォトダイオード層が第2フォトダイオード層に固定されるという形式は、センサデバイスが意図したとおりに使用されたときに、第1フォトダイオード層と第2フォトダイオード層とが互いに動かないように互いに接続されることを意味する。
【0011】
本発明のセンサデバイスの機能は次の通りである:
検出されるエネルギービームは2つのフォトダイオード層の1つに当たり、光電効果により光電流を生成する。
次に、この光電流は、少なくとも4つの測定接点の各々において部分電流を生成し、これらの測定接点は、フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのx座標及びy座標を、少なくとも4つの部分電流の測定値から決定可能であり、それぞれのフォトダイオード層の電極層に配置されている。
関連するz座標は建設的に事前に決定されているため、既知である。このようにして、エネルギービームの第1の点が3次元空間で明確に決定される。
【0012】
エネルギービームの第1の点が決定されたフォトダイオード層は透明であるため、エネルギービームのエネルギーのかなりの部分がさらなるフォトダイオード層に到達し、検出されるエネルギービームが、さらなる光電効果により、さらなるフォトダイオード層のさらなる光電流を誘発する。
次に、このさらなる光電流は、さらなるフォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点で少なくとも4つのさらなる部分電流を生成し、それによって、さらなるフォトダイオード層の4つの測定接点の配置により、エネルギービームのさらなるy座標及びさらなるx座標の決定を可能にする。
ここでも、関連するさらなるz座標は建設的に事前に決定されており、既知である。したがって、ここで、エネルギービームの第2の点が、3次元空間で明確に決定される。
【0013】
エネルギービームが入射する方向は、3次元的に明確に決定された第1の点及び3次元的に明確に決定された第2の点からも既知である。
したがって、本発明のセンサデバイスは、エネルギービームの3次元方向を決定することを可能にし、一方、従来のセンサデバイスは、エネルギービームの衝突点の1次元または2次元の決定のみを可能にする。
【0014】
本発明のセンサデバイスは、特に距離測定及び/または角度測定用の光学測定機器に使用することができ、入射方向及び衝撃点の同時測定によってそれぞれの測定の精度を高めることができる。
【0015】
フォトダイオード層の光活性層に有機材料を意図して使用することにより、各フォトダイオード層に必要な透明度が得られ、これは、従来のシリコン技術のフォトダイオード層を使用して実現することはできない。
さらに、光活性層に有機材料を意図して使用すると、シリコン技術で得られるよりも大きい光活性領域が生成されるため、それぞれの測定の精度をさらに高めることができる。
光活性層、電極層、及び以下に説明する他の層は、真空法または印刷法において広い領域にわたって経済的に製造することができる。
【0016】
本発明の構成要素は、特に三角測量の原理に従って機能する測定機器に使用することができる。
エネルギービームはレーザによって生成される。別の可能な用途としては、機械的振動の検出がある。
測定原理により、非常に高い感度を実現することができる。
可能な用途としては、建物及び電車の振動監視、またはマイク、スピーカー、圧力センサの振動検出の分野がある。ここでも、レーザを使用してエネルギービームを生成することができる。
【0017】
そのような測定機器は、特に航空宇宙技術、機械工学の他の分野、医療技術、その他多くの技術分野で使用することができる。
【0018】
センサデバイスの達成可能な精度は、第1フォトダイオード層に固定された第3フォトダイオード層によってさらに高めることができ、第3フォトダイオード層は、第3フォトダイオード層の2つの電極層の間に介挿された1つ以上の有機光活性層を含み、少なくとも4つの測定接点が第3フォトダイオード層の電極層に配置され、これらの測定接点の各々において、入射エネルギービームに依存する光電流の部分電流をタップ可能であり、第3フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームの3次元座標系のx座標及びy座標を、第3フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値から決定可能であり、フォトダイオード層の少なくとも2つの隣接するフォトダイオード層は透明である。
【0019】
当然ながら、同等の構成の他のフォトダイオード層も可能である。
【0020】
本発明の好ましいさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層及び第2フォトダイオード層は、第1フォトダイオード層及び第2フォトダイオード層を支持する共通の基板層に配置されている。
このようにして、必要な層の総数を最小限に抑えることができるため、最小限の製造ステップでセンサデバイスを製造することができる。
この場合、第2フォトダイオード層は、層構造によって第1フォトダイオード層に直接固定される。
【0021】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、共通基板層は透明であり、第1フォトダイオード層及び第2フォトダイオード層は、z方向に見て、共通基板層の両側に配置されている。
この場合、共通基板層は、第1フォトダイオード層と第2フォトダイオード層との間のスペーサ要素の機能をさらに引き受けるため、別個のスペーサを必要としない。
【0022】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層及び第2フォトダイオード層は、z方向に見て、共通基板層の共通の側に配置され、少なくとも1つの透明な電気絶縁性の中間層が、第1フォトダイオード層と第2フォトダイオード層との間に介挿されている。
このようにして、層構造の製造を単純化して、すべての層を基板の一方の同じ側に順に形成することができる。
中間層は、2つのフォトダイオード層を電気的に分離するために、及び/または2つのフォトダイオード層を互いに機械的に離間させるために使用することができる。
【0023】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、共通基板層は透明である。この場合、基板層が設けられた方向から入射するエネルギービームを検出することも可能である。
【0024】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、共通基板層は電気絶縁性である。
共通基板層がフォトダイオード層間に介挿される場合、2つのフォトダイオード層の電気的分離を達成することができる。
共通基板層がフォトダイオード層間に介挿されていない場合、外部に対する絶縁を実現することができる。
【0025】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層は、第1フォトダイオード層を支持する第1基板層に配置され、第2フォトダイオード層は、第2フォトダイオード層を支持する第2基板層に配置され、基板層の少なくとも1つは透明である。
このようにして、第1フォトダイオード層及び第2フォトダイオード層を、それらの間に中空空間が形成されるように互いに離間させて配置することが可能である。
このようにして、z方向から見て、第1フォトダイオード層と第2フォトダイオード層の間に長い距離を実現することができ、センサデバイスの精度が向上する。
さらに、エネルギービームからのエネルギーは中空空間でほとんど吸収されないため、センサデバイスの精度はさらに向上する。
【0026】
一方のフォトダイオード層の透明な基板層は、エネルギービームのエネルギーの少なくともかなりの部分がそれぞれ他方のフォトダイオード層に到達することを可能にする。
この場合、第2フォトダイオード層は、層構造に関連しない手段によって第1フォトダイオード層に固定されていてもよい。
例えば、両方のフォトダイオード層をセンサデバイスのハウジングに独立して固定することができるように、第2フォトダイオード層はハウジングを介して第1フォトダイオード層に固定される。
【0027】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、センサデバイスのスペクトル感度の調整のために、少なくとも1つのフィルタ層が設けられる。
これにより、センサデバイスのスペクトル感度を、意図する用途分野に適合させることができる。例えば、スペクトル感度を近赤外及び中赤外域に移動させることができる。
【0028】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、電離放射線を光に変換する少なくとも1つの第1変換層が第1フォトダイオード層に関連付けられ、電離放射線を光に変換する少なくとも1つの第2変換層が第2フォトダイオード層に関連付けられる。
電離放射線は、原子または分子から電子を獲得できる、任意の粒子または電磁放射線を表す用語であり、正に帯電したイオンまたは分子残基を残すことができる。
電磁スペクトルには、特に宇宙線、ガンマ線、X線、短波長の紫外線が含まれ、粒子スペクトルには、陽子線、電子線、中性子線が含まれる。
変換層は、ここで、このような電離放射線をフォトダイオード層で検出することができる波長範囲に変換することができる。
このようにして、本発明によるセンサデバイスにより、電離線からなるエネルギービームを検出することが可能である。
【0029】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、センサデバイスは、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値を測定し、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値を測定するように構成された電子回路を有する。
電子回路は、基板に直接配置しても、層構成を備えた共通のハウジング内に基板とは独立して配置してもよい。
このようにして、部分電流の出発点と部分電流の測定点との間の距離を最小化することができ、測定結果の精度はさらに向上する。
【0030】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、電子回路には、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値を出力し、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値を出力するデータインターフェースが割り当てられている。
また、データインターフェースは、基板に直接配置しても、層構成を備えた共通のハウジング内に基板とは独立して配置してもよい。
特に、I2CデータバスインターフェースまたはSMBデータバスインターフェースなどの標準的な電気的インターフェースとすることができる。
このようにして、本発明のセンサデバイスは、より高レベルのシステムに容易に統合することができる。
【0031】
本発明の好ましいさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第1フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのx座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のx方向に見て、第1フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第1フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのy座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のy方向に見て、第1フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第2フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのx座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のx方向に見て、第2フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第2フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのy座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のy方向に見て、第2フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置されている。
【0032】
したがって、第1フォトダイオード層における入射エネルギービームのx座標の決定は、x方向に見て電極層の両端部の互いに対向する測定接点で生じる2つの部分電流の間の差に基づき得る。
第1フォトダイオード層のy座標の決定は、y方向に見て電極層の両端部の互いに対向する測定接点で生じる2つの部分電流の間の差に基づき得る。
【0033】
さらに、第2フォトダイオード層における入射エネルギービームのx座標の決定は、第1フォトダイオード層の場合と同様に、x方向に見て電極層の両端部の互いに対向する測定接点で生じる2つの部分電流の間の差に基づき得る。
第1フォトダイオード層の場合と同様に、第2フォトダイオード層のy座標の決定は、y方向に見て電極層の両端部の互いに対向する測定接点で生じる2つの部分電流の間の差に基づき得る。
【0034】
別の態様では、本発明は、入射エネルギービームを検出するためのセンサデバイスであって、3次元座標系のxy平面に平行に整列された3次元座標系のz方向に積層された層が形成されたセンサデバイスの製造方法であって、方法は、第1フォトダイオード層を形成するステップであって、第1フォトダイオード層が、第1フォトダイオード層の2つの電極層の間に介挿された1つ以上の有機光活性層を含み、少なくとも4つの測定接点が、第1フォトダイオード層の電極層に配置され、測定接点の各々において、入射エネルギービームに依存する光電流の部分電流をタップ可能であり、第1フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームの3次元座標系のx座標及びy座標を、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値から決定可能であるように形成するステップと、第2フォトダイオード層を形成するステップであって、第2フォトダイオード層が、第1フォトダイオード層に固定され、第2フォトダイオード層が、第2フォトダイオード層の2つの電極層の間に介挿された1つ以上の有機光活性層を含み、少なくとも4つの測定接点が第2フォトダイオード層の電極層に配置され、測定接点の各々において、入射エネルギービームに依存する光電流の部分電流をタップ可能であり、第2フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームの3次元座標系のx座標及びy座標を、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの部分電流の測定値から決定可能であるように形成するステップと、を含み、
フォトダイオード層の少なくとも1つが透明に実装される、製造方法に関する。
【0035】
本発明及びその利点を、図面を使用して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明のセンサデバイスの第1の実施形態を概略的な空間表現で示す。
図2】本発明のセンサデバイスの第2の実施形態を概略側面図で示す。
図3】本発明のセンサデバイスの第3の実施形態を概略側面図で示す。
図4】本発明のセンサデバイスの第4の実施形態を概略側面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、同一もしくは同等の要素または同一もしくは同等の機能を有する要素は、同一もしくは同等の参照番号で参照される。
【0038】
以下の説明では、本発明をより良く理解するために、本発明の多数の特徴を備えた実施形態をより詳細に説明する。
しかしながら、本発明は、記載された特徴のいくつかを省略して実施することもできることに留意されたい。
また、さまざまな実施形態に示された特徴は、明示的に除外されたり矛盾を引き起こしたりしない限り、他の方法で組み合わせることができることにも留意されたい。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態のセンサデバイスを概略的な空間表現で示している。
【0040】
入射エネルギービームESBを検出するための例示的なセンサデバイス1であって、センサデバイス1は、3次元座標系のxy平面に平行に整列された3次元座標系のz方向に積層された層を含み、層は、第1フォトダイオード層2と、第1フォトダイオード層2に固定された第2フォトダイオード層6と、を含み、第1フォトダイオード層2が、第1フォトダイオード層2の2つの電極層4.1、4.2の間に介挿された1つ以上の有機光活性層3を含み、少なくとも4つの測定接点5.1、5.2、5.3、5.4が、第1フォトダイオード層2の電極層4.1、4.2に配置され、測定接点の各々において、入射エネルギービームESBに依存する第1フォトダイオード層2の光電流の部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4をタップ可能であり、第1フォトダイオード層2の光活性層3における入射エネルギービームESBの3次元座標系のx座標及びy座標を、第1フォトダイオード層2の少なくとも4つの部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4の測定値から決定可能であり、第2フォトダイオード層6が、第2フォトダイオード層6の2つの電極層8.1、8.2の間に介挿された1つ以上の有機光活性層7を含み、少なくとも4つの測定接点9.1、9.2、9.3、9.4が第2フォトダイオード層6の電極層8.1、8.2に配置され、測定接点の各々において、入射エネルギービームに依存する第2フォトダイオード層6の光電流の部分電流S9.1、S9.2、S9.3、S9.4をタップ可能であり、第2フォトダイオード層6の光活性層7における入射エネルギービームESBの3次元座標系のx座標及びy座標を、第2フォトダイオード層6の少なくとも4つの部分電流S9.1、S9.2、S9.3、S9.4の測定値から決定可能であり、フォトダイオード層2、6の少なくとも1つが透明である、センサデバイス1が示されている。
【0041】
センサデバイス1は、(少なくとも)2つの有機フォトダイオード層2、6からなり、これらの層は前後に積み重ねられている。
これらのフォトダイオード層2、6の各々は、少なくとも4つの部分電極5、9を備え、したがって、部分光電流TSを使用して入射エネルギービームESBのx、y位置を計算することができる。
【0042】
入射エネルギービームESBは、透明な第1フォトダイオード層2を通過し、第1のx-y座標ペアが決定される。
エネルギービームESBはほんのわずかに吸収される。
第1フォトダイオード層2の後ろに積層配置された第2フォトダイオード層6を、エネルギービームESBが横断し、エネルギービームESBは次にx-y座標ペアを決定する。
積層されたフォトダイオード層2、6の互いの間の距離がわかれば、入射光線の方向ベクトルは数学的に計算することができる。
積層されたフォトダイオード層2、6の数を増やすことにより、精度を高めることができ、起こりうる誤差及び外部環境の影響(温度、光など)を補償することができる。
【0043】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層2及び第2フォトダイオード層3は、第1フォトダイオード層2及び第2フォトダイオード層6を支持する共通基板層10に配置されている。
【0044】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、共通基板層10は透明であり、第1フォトダイオード層2及び第2フォトダイオード層6は、z方向に見て、共通基板層10の両側に配置されている。
【0045】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、共通基板層10は電気絶縁性である。
【0046】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、共通基板層10は透明である。
【0047】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第1フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのx座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のx方向に見て、第1フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、第1フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第1フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのy座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のy方向に見て、第1フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第2フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのx座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のx方向に見て、第2フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置され、第2フォトダイオード層の少なくとも4つの測定接点が、第2フォトダイオード層の光活性層における入射エネルギービームのy座標を決定する2つの測定接点を含み、これらの測定接点は、3次元座標系のy方向に見て、第2フォトダイオード層の電極層のうちの1つの対向する縁部領域に配置されている。
【0048】
2つのフォトダイオード層2、6がESBエネルギービームによって点状に露光されると、光電流が生成され、その部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4、S9.1、S9.2、S9.3、S9.4は、縁部に配置された測定接点5.1、5.2、5.3、5.4、9.1、9.2、9.3、9.4を介して出射し、それぞれの点露光の位置に応じて異なる値をとる。
したがって、座標系のz軸が層構成の中心にある場合、第1フォトダイオード層2の領域のx座標は、次式により計算することができる。
x1=kx1(Id-Ic)/(Id+Ic)
x1は第1のx座標、kx1はスケーリング係数、Icは部分電流T5.3の値、Idは部分電流T5.4の値である。
【0049】
次に、第1フォトダイオード層2の領域のy座標は、次式により計算することができる。
y1=ky1(Ib-Ia)/(Ib+Ia)
y1は第1のy座標、ky1はスケーリング係数、Iaは部分電流T5.1の値、Ibは部分電流T5.2の値である。
【0050】
さらに、第2フォトダイオード層6の領域のx座標は、次式により計算することができる。
x2=kx2(Ih-Ig)/(Ih+Ig)
x2は第2のx座標、kx2はスケーリング係数、Igは部分電流S9.3の値、Ihは部分電流S9.4の値である。
【0051】
次に、第2フォトダイオード層6の領域のy座標は、次式により計算することができる。
y2=ky2(If-Ie)/(If+Ie)
y2は第2のy座標、ky2はスケーリング係数、Ieは部分電流S9.1の値、Ifは部分電流S9.2の値である。
【0052】
第1の実施形態では、測定接点5.1及び5.2は、第1フォトダイオード層2の第1電極層4.1に電流出力点として配置されている。
さらに、測定接点5.3及び5.4は、第1フォトダイオード層2の第2電極層4.2に電流入力点として配置されている。
ただし、さらなる接点を第1フォトダイオード層2の第2電極層4.2に電流入力点として設けるならば、4つの測定接点5.1、5.2、5.3、5.4をすべて、第1フォトダイオード層2の第1電極層4.1に電流出力点として配置することもできる。
さらなる接点を第1フォトダイオード層2の第1電極層4.1に電流出力点として設けるならば、4つの測定接点5.1、5.2、5.3、5.4をすべて、第1フォトダイオード層2の第2電極層4.2に電流入力点として配置することもできる。
どちらの変形形態でも、上記の式は有効である。
この段落の説明は、第2フォトダイオード層6の4つの測定接点9.1、9.2、9.3、9.4にも同様に当てはまる。
【0053】
さらなる態様では、本発明は、入射エネルギービームESBを検出するためのセンサデバイス1であって、3次元座標系のxy平面に平行に整列された3次元座標系のz方向に積層された層が形成されたセンサデバイス1の製造方法であって、方法は、
第1フォトダイオード層2を形成するステップであって、第1フォトダイオード層2が、第1フォトダイオード層2の2つの電極層4.1、4.2の間に介挿された1つ以上の有機光活性層3を含み、少なくとも4つの測定接点5.1、5.2、5.3、5.4が、第1フォトダイオード層2の電極層4.1、4.2に配置され、測定接点の各々において、入射エネルギービームESBに依存する光電流の部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4をタップ可能であり、第1フォトダイオード層2の光活性層3における入射エネルギービームESBの3次元座標系のx座標及びy座標を、第1フォトダイオード層2の少なくとも4つの部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4の測定値から決定可能であるように形成するステップと、第2フォトダイオード層6を形成するステップであって、第2フォトダイオード層6が、第1フォトダイオード層2に固定され、第2フォトダイオード層6が、第2フォトダイオード層6の2つの電極層8.1、8.2の間に介挿された1つ以上の有機光活性層7を含み、少なくとも4つの測定接点9.1、9.2、9.3、9.4が第2フォトダイオード層6の電極層8.1、8.2に配置され、測定接点の各々において、入射エネルギービームESBに依存する光電流の部分電流S9.1、S9.2、S9.3、S9.4をタップ可能であり、第2フォトダイオード層6の光活性層7における入射エネルギービームESBの3次元座標系のx座標及びy座標を、第2フォトダイオード層6の少なくとも4つの部分電流S9.1、S9.2、S9.3、S9.4の測定値から決定可能であるように形成するステップと、を含み、フォトダイオード層2、6の少なくとも1つが透明に実装される、製造方法に関する。
【0054】
図2は、本発明の第2の実施形態のセンサデバイス1を概略側面図で示している。視点的な理由から、測定接点5.2及び9.2は可視できないが、存在している。
【0055】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層2及び第2フォトダイオード層6は、z方向に見て、共通基板層10の共通の側に配置され、少なくとも1つの透明な電気絶縁性の中間層11が、第1フォトダイオード層2と第2フォトダイオード層6との間に介挿されている。
【0056】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、センサデバイス1のスペクトル感度を調整するために、少なくとも1つのフィルタ層12が設けられる。
【0057】
図3は、本発明の第3の実施形態のセンサデバイス1を概略側面図で示している。測定接点5.2及び9.2はここでも存在しているが、可視できない。
【0058】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、電離放射線を光に変換する少なくとも1つの第1変換層13が第1フォトダイオード層2に関連付けられ、電離放射線を光に変換する少なくとも1つの第2変換層14が第2フォトダイオード層6に関連付けられる。
【0059】
図4は、本発明の第4の実施形態のセンサデバイス1を概略側面図で示しており、測定接点5.2及び9.2はここでも隠れている。
【0060】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層2は、第1フォトダイオード層2を支持する第1基板層15に配置され、第2フォトダイオード層6は、第2フォトダイオード層6を支持する第2基板層16に配置され、基板層15、16の少なくとも1つは透明である。
【0061】
本発明の有利なさらなる発展形態によれば、センサデバイス1は、第1フォトダイオード層2の少なくとも4つの部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4の測定値を測定し、第2フォトダイオード層6の少なくとも4つの部分電流S9.1、S9.2、S9.3、S9.4の測定値を測定するように構成された電子回路17を有する。
【0062】
本発明の機能的なさらなる発展形態によれば、第1フォトダイオード層2の少なくとも4つの部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4の測定値を出力し、第2フォトダイオード層6の少なくとも4つの部分電流T5.1、T5.2、T5.3、T5.4の測定値を出力するデータインターフェース18が、電子回路17に関連付けられている。
【0063】
第1フォトダイオード層2及び第2フォトダイオード層6は、ハウジング19に独立して取り付けられ、その結果、第2フォトダイオード層6は、ハウジング19を介して第1フォトダイオード層2に固定される。
第1フォトダイオード層2及び第2フォトダイオード層6は、中空空間20が形成されるように離間している。
電子回路17は、他の構成要素とは独立してハウジング19に固定されている。
しかしながら、電子回路17は、図1図3の共通基板10に、または基板15もしくは16の一方に直接配置することもできる。
データインターフェース18もハウジング19に配置されている。データインターフェース18は、基板10、15または16の1つに直接配置することもできる。
さらに、電子回路17とデータインターフェース18とを組み合わせて単一の機能部品を形成することができる。
【0064】
デバイスに関連して説明される本発明の態様は、対応する方法にも関係する。逆に、方法に関連して説明される本発明のこれらの態様は、対応するデバイスにも関係する。
【符号の説明】
【0065】
1 センサデバイス
2 第1フォトダイオード層
3 第1フォトダイオード層の光活性層
4 第1フォトダイオード層の電極層
5 第1フォトダイオード層の測定接点
6 第2フォトダイオード層
7 第2フォトダイオード層の光活性層
8 第2フォトダイオード層の電極層
9 第2フォトダイオード層の測定接点
10 共通基板層
11 中間層
12 フィルタ層
13 第1変換層
14 第2変換層
15 第1基板層
16 第2基板層
17 電子回路
18 データインターフェース
19 ハウジング
20 中空ギャップ
ESB エネルギービーム
T 第1フォトダイオード層の部分電流
S 第2フォトダイオード層の部分電流
図1
図2
図3
図4