(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-13
(45)【発行日】2022-04-21
(54)【発明の名称】Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤の組合せ製品並びに疾患の予防及び/又治療におけるその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/496 20060101AFI20220414BHJP
A61K 31/403 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20220414BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20220414BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220414BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220414BHJP
A61K 45/06 20060101ALN20220414BHJP
【FI】
A61K31/496
A61K31/403
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/16
A61K9/10
A61K9/14
A61K9/107
A61K9/08
A61K9/12
A61K9/06
A61P35/00
A61P35/02
A61K45/06
(21)【出願番号】P 2020550074
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2019096968
(87)【国際公開番号】W WO2020024820
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】201810862170.9
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520344855
【氏名又は名称】アセンテージ ファーマ(スーチョウ)カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】ターチュン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】イーファン チャイ
(72)【発明者】
【氏名】タン チウチオン
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス トン ファン
【審査官】長谷川 茜
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511360(JP,A)
【文献】国際公開第2017/037579(WO,A1)
【文献】特表2019-527705(JP,A)
【文献】Oncotarget,2017年,Vol.8, No.34,pp57047-57057
【文献】Journal of Hematology & Oncology,2016年,Vol.9:50,pp.1-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 35/00-35/04
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含む組合せ医薬
であって、前記Bcl-2阻害剤は、以下の化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、前記MDM2阻害剤は、以下の構造:
【化2】
を有するAPG-115又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である、組合せ医薬。
【請求項2】
医薬組成物の形態である、請求項
1に記載の組合せ医薬。
【請求項3】
前記Bcl-2阻害剤及び前記MDM2阻害剤は、それぞれ別々の製剤中にある、請求項1
又は2に記載の組合せ医薬。
【請求項4】
前記Bcl-2阻害剤及び前記MDM2阻害剤は、同時に又は逐次的に投与される、請求項1
又は2に記載の組合せ医薬。
【請求項5】
薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む、請求項1
又は2に記載の組合せ医薬。
【請求項6】
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤
、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤及び注射剤の形態である、請求項1
又は2に記載の組合せ医薬。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の組合せ医薬を含む
、疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、前記疾患
は癌である、医薬組成物。
【請求項8】
前記癌は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、及び非小細胞肺癌(NSCLC)からなる群から選択される、請求項
7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記Bcl-2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、0.0025~1500mg/日の量である、請求項
8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記MDM2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、0.005~500mg/日の量である、請求項
8に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の技術分野に属し、特にBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含む組合せ製品並びに疾患(例えば、癌)の予防及び/又は治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アポトーシス(プログラム細胞死)は、異常な細胞又は不要な細胞を排除する、身体のための天然の経路であり、これが影響を受けると癌などの様々な疾患を引き起こす可能性がある。
【0003】
抗アポトーシスBcl-2タンパク質は、多くの疾患と関連している。Bcl-2ファミリータンパク質は、ミトコンドリア介在性アポトーシス経路における重要な制御因子である。アポトーシスからの逸脱は、ヒト癌の特徴の1つであり、且つ臨床的薬剤抵抗性の一般的な原因である。
【0004】
p53腫瘍抑制因子は、細胞周期進行、老化及びアポトーシスを制御するのに重要な役割を果たす(Vogelstein et al,Nature 408:307(2000);Goberdhan,Cancer Cell 7:505(2005))。MDM2及びp53は、自己調節フィードバックループの一部である(Wu et al.,Genes Dev.7:1126(1993))。MDM2は、p53によって転写的に活性化され、次に、MDM2は、少なくとも3つの機構によってp53活性を阻害する(Wu et al,Genes Dev.7:1126(1993))。第1に、MDM2タンパク質は、p53トランス活性化ドメインに直接的に結合し、それによりp53媒介性のトランス活性化を阻害する。第2に、MDM2タンパク質は、核外移行シグナル配列を含有し、p53に結合されるとき、p53の核外移行を誘導し、それにより、p53が、標的化されるDNAに結合することを妨げる。第3に、MDM2タンパク質は、E3ユビキチンリガーゼであり、p53に結合されるとき、p53の分解を促進する。
【発明の概要】
【0005】
分子生物学の進歩により、分子を標的とする療法が医学研究(特に腫瘍研究)において活発な分野になった。大部分の腫瘍の生物学的挙動は、単一のシグナル伝達経路ではなく、複数のシグナル伝達経路に支配される。したがって、疾患の予防及び/又は治療の目的のために、単剤の用量を低減し、単剤の副作用を低減し、且つ/又は相乗的に作用することができる、異なる標的タンパク質及び/又は異なるシグナル伝達経路の組合せのためのプロトコル及び製品が当技術分野で必要とされている。
【0006】
先行技術における必要性を満たすために、本発明は、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含む組合せ製品並びに疾患(例えば、癌)の治療及び/又は予防におけるその使用を提供する。
【0007】
特に、本発明の第1の態様は、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含む組合せ製品に関する。
【0008】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A:
【0009】
【0010】
(式中、
Aは、
【0011】
【0012】
であり;
Eは、炭素原子であり、且つ
【0013】
【0014】
は、二重結合であるか;又は
Eは、-C(H)-であり、且つ
【0015】
【0016】
は、単結合であるか;又は
Eは、窒素原子であり、且つ
【0017】
【0018】
は、単結合であり;
X1、X2及びX3は、それぞれ独立して、-CR8=及び-N=からなる群から選択され;
R1a及びR1bは、それらが結合される炭素原子と合わせて、3員、4員又は5員の任意選択的に置換された脂肪族環を形成するか;又は
R1a及びR1bは、それらが結合される炭素原子と合わせて、4員又は5員の任意選択的に置換されたヘテロシクロを形成し;
R2は、-NO2、-SO2CH3及び-SO2CF3からなる群から選択され;
R2aは、水素及びXからなる群から選択され;
R3は、水素、-CN、-C≡CH及び-N(R4a)(R4b)からなる群から選択され;
R4aは、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、任意選択的に置換されたC3~6シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R4bは、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
R5は、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、ヘテロシクロ、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R6a、R6c、R6e、R6f及びR6gは、それぞれ独立して、水素、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、任意選択的に置換されたC3~6シクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリール、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R6b及びR6dは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
R7は、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;及び
R8は、水素及びハロゲンからなる群から選択される)
の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0019】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、APG-115、SAR405838、RG7112、RG7388(イダサヌトリン)、MI-773、ヌトリン3、ヌトリン3a、ヌトリン3b、HDM201、ケベトリン塩酸塩、MX69、NVP-CGM097、NVP-CGM097硫酸塩、ヌトリン3b、RO8994、YH239-EE、NVP-CGM097立体異性体、AMG 232、トリプトライド、NSC59984、PRIMA-1、NSC66811、NSC207895、Serdemetan(JNJ 26854165)、R5C3、Caylin-1、Caylin-2、HLI373、NSC319726、YH239-EE、Tenovin-1からなる群から選択される。好ましくは、MDM2阻害剤は、以下の構造:
【0020】
【0021】
を有するAPG-115である。
【0022】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、
【0023】
【0024】
、DS-3032b、BI-907828、ALRN-6924又はUBX0101からなる群から選択される。
【0025】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、化合物:
【0026】
【0027】
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物からなる群から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、以下の化合物:
【0029】
【0030】
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり;
MDM2阻害剤は、以下の構造:
【0031】
【0032】
を有するAPG-115又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0033】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、医薬組成物の形態である。
【0034】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、それぞれ別々の製剤中にある。
【0035】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、同時に又は逐次的に投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤及び注射剤の形態である。
【0038】
本発明の第2の態様は、疾患の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤の使用に関し、ここで、疾患は、癌である。
【0039】
本発明の第3の態様は、疾患を予防及び/又は治療するための組合せ製品であって、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含み、及び疾患は、癌である、組合せ製品に関する。
【0040】
本発明の第4の態様は、疾患を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする対象に予防有効量及び/又は治療有効量のBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を投与することを含み、疾患は、癌である、方法に関する。
【0041】
いくつかの実施形態では、癌は、血液悪性腫瘍である。血液悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)からなる群から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態では、癌は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、非小細胞肺癌(NSCLC)からなる群から選択される。
【0043】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、約0.0025~1500mg/日の量で投与される。
【0044】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、約0.005~500mg/日の量で投与される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】CTG実験における以下の悪性腫瘍細胞の化合物6単独並びに化合物6及びAPG-115の組合せの細胞生存率(%)値を示す:OCI-AML-3(急性骨髄性白血病(AML)))、MV-4-11(急性骨髄性白血病(AML))、KMS-26(多発性骨髄腫(MM))、KMS-11(多発性骨髄腫(MM))。
【
図2】ヒトRS4;11(ALL)マウス異種移植腫瘍モデルにおける化合物6単独又はAPG-115との組合せの抗腫瘍効果(A)及び体重変化(B)を示す。
【
図3】ヒトOCI-AML-3(AML)マウス異種移植腫瘍モデルにおける化合物6単独又はAPG-115との組合せの抗腫瘍効果(A)及び体重変化(B)を示す。
【
図4】Balb/cヌードマウスにおけるMV-4-11 AML異種移植の治療の化合物6と組み合わせたAPG-115の抗腫瘍活性(A)及び体重変化(B)を示す。
【
図5】NOD SCIDマウスにおける全身性MOLM-13-LucヒトAML異種移植モデルのAPG-115を加えた化合物6の抗腫瘍効果を示す。
図5Aは、それぞれ溶媒、化合物6、APG-115及び組合せに関する生物発光測定における生物発光シグナルを示す。
図5Bは、それぞれ溶媒、化合物6、APG-115及び組合せに関する治療日に対する生物発光のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
定義
本明細書で使用する場合、用語「MDM2阻害剤」は、MDM2に対する結合について競合する物質、p53タンパク質に対するMDM2の結合に影響を及ぼす物質、MDM2活性を阻害する物質、又はMDM2を分解する物質、又はMDM2レベルを低下させる遺伝子ツールを指す。
【0047】
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」は、遊離塩基を好適な有機酸又は無機酸と反応させるか、又は酸を好適な有機塩基又は無機塩基と反応させることによって通常調製される遊離酸又は遊離塩基の塩を指す。この用語は、本発明の化合物のいずれかにおいて使用され得る。代表的な塩としては、酢酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンファースルホン酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸化合物、エデト酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチルブロミド、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸モノカリウム、ムチン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、N-メチルグルコサミン塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(ジヒドロキシナフタレート)、パルチミン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、3-エチルヨード化合物、トリメチルアミン塩及び吉草酸塩が挙げられる。-COOHなどの酸性置換基が存在する場合、アンモニウム塩、モルホリン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩などが剤形における使用のために形成され得る。アミノ基又はピリジル基などの塩基性ヘテロアリール基などの塩基性基が存在する場合(例えば、リモノイド化合物又は1,1-ジメチルビグアナイド)、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩などの酸性塩が形成され得る。
【0048】
本明細書で使用する場合、用語「予防/予防する」は、化合物又は医薬(例えば、本明細書で特許請求される組合せ製品)は、対象における医学的状態の症状の頻度を減少させることができるか、又は化合物若しくは医薬が適用されない対象と比較して、疾患若しくは状態(例えば、癌)に適用される場合にその発症を遅延させることができることを指す。
【0049】
本明細書で使用する場合、用語「治療/治療する」は、疾患若しくは状態の症状を低減するか、軽減するか若しくは改善すること、潜在的な代謝作用により引き起こされる症状を改善すること、疾患若しくは症状を阻害すること、例えば疾患若しくは障害の進行を予防すること、疾患若しくは状態を改善すること、疾患若しくは状態の後退をもたらすこと、疾患若しくは状態により引き起こされる状態を軽減すること、又は疾患若しくは状態の症状を予防することを指す。
【0050】
本明細書で使用する場合、用語「癌」は、異常な制御されない細胞増殖により引き起こされる新生物又は腫瘍を指す。非限定的な例は、本発明の明細書において記載されるそれらの例示的な癌を含む。用語「癌」は、前癌性の癌細胞及び悪性癌細胞の両方を含む疾患を含む。
【0051】
本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」は、二溶媒和物、一溶媒和物、半水和物など、本発明の化合物と溶媒分子との組合せ、物理的結合及び/又は溶媒和である。本発明の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態として存在し得、これは、化合物の薬理学的活性又は毒性に著しく影響を及ぼさず、且つ薬理学的均等物として作用し得る。
【0052】
本明細書で使用する場合、用語「対象」は、ヒト(例えば、患者)及び動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ニワトリ、サルなど)を含むものを指す。対象がヒト患者(通常、60kgの体重として計算される)であるとき、本明細書に記載される用量は、別段の指示がない限り、実験動物(例えば、ヒト用量=マウス用量/12.3)に関する換算係数で実施される変換によって得ることができる(Kin Tam.“Estimating the“First in human”dose-a revisit with particular emphasis on oncology drugs,ADMET&DMPK 1(4)(2013)63-75)。当業者は、常識に基づき且つ、対象の特定の重量、疾患の種類及び重症度、並びに他の要因、並びに本発明において特許請求される技術的解決法の範囲内にあるこれらの調整された技術的解決法の全てに従って用量を合理的に調整することができる。
【0053】
本明細書で使用する場合、用語「有効量」又は「予防有効量及び/又は治療有効量」は、治療されることになる疾患又は状態の1つ以上の症状をある程度軽減するであろう、投与されることになる医薬又は化合物の十分量(例えば、用量)を指す。結果は、状態の原因若しくは疾患の原因の低減及び/若しくは軽減又は生物システムにおける任意の他の所望の変化であり得る。例えば、治療的使用に関する「有効量」は、過剰の有毒な副作用を引き起こすことなく、疾患又は状態の臨床的症状の著しい低減をもたらす化合物又は医薬(例えば、本明細書で特許請求されるとおりの組合せ製品)の量である。
【0054】
本明細書で使用する場合、用語「用量」は、対象の体重の1キログラム(kg)当たりの活性物質の重量(例えば、ミリグラム(mg))を指す。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「IC50」は、そのような効果、例えばBCL-2又はMDM2の阻害を測定するアッセイにおいて最大効果の50%阻害を達成する、個々に試験された化合物又は医薬の量、濃度又は用量を指す。
【0056】
本明細書で使用する場合、用語「室温」は、25℃±1℃を指す。同時に、実験温度が指定されない場合、それは、室温である。
【0057】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、本用語によって修飾される値の±10%、より好ましくは±5%及び最も好ましくは±2%を指し、そのため、当業者は、修飾される値に従って用語「約」の範囲を明確に決定することができる。
【0058】
本明細書で使用する場合、用語「脂肪族環」、「複素環」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロアルキル」、「シクロアルキルアルキル」及び「ハロゲン」は、当技術分野における通常の意味を有し、当業者は、一般的な知識又は先行技術に対する参考文献(例えば、国際公開第2018/027097号パンフレット(その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる))により、その意味を理解できるであろう。
【0059】
本明細書で使用する場合、用語「APG-115」は、構造:
【0060】
【0061】
を有する化合物である。
【0062】
本発明の第1の態様は、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含むか又はそれらからなる組合せ製品に関する。
【0063】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A:
【0064】
【0065】
(式中、
Aは、
【0066】
【0067】
であり;
Eは、炭素原子であり、且つ
【0068】
【0069】
は、二重結合であるか;又は
Eは、-C(H)-であり、且つ
【0070】
【0071】
は、単結合であるか;又は
Eは、窒素原子であり、且つ
【0072】
【0073】
は、単結合であり;
X1、X2及びX3は、それぞれ独立して、-CR8=及び-N=からなる群から選択され;
R1a及びR1bは、それらが結合される炭素原子と合わせて、3員、4員又は5員の任意選択的に置換された脂肪族環を形成するか;又は
R1a及びR1bは、それらが結合される炭素原子と合わせて、4員又は5員の任意選択的に置換されたヘテロシクロを形成し;
R2は、-NO2、-SO2CH3及び-SO2CF3からなる群から選択され;
R2aは、水素及びXからなる群から選択され;
R3は、水素、-CN、-C≡CH及び-N(R4a)(R4b)からなる群から選択され;
R4aは、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、任意選択的に置換されたC3~6シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R4bは、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され;
R5は、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、ヘテロシクロ、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R6a、R6c、R6e、R6f及びR6gは、それぞれ独立して、水素、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、任意選択的に置換されたC3~6シクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリール、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R6b及びR6dは、それぞれ独立して、水素、C1~4アルキル及びハロゲンからなる群から選択され;
R7は、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;及び
R8は、水素及びハロゲンからなる群から選択される)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0074】
式I-Aの上記化合物において、様々なR2aの定義における「X」は、ハロゲンを指す。さらに、上記のハロゲンは、F、Cl、Br又はIを指す。
【0075】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-Aの化合物であり、式中、Aは、A-1、A-2、A-3、A-4、A-5、A-6、A-7、A-8及びA-9からなる群から選択され;R4aは、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;且つR6a、R6c、R6e、R6f及びR6gは、それぞれ独立して、水素、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I
【0077】
【0078】
(式中、
Eは、炭素原子であり、且つ
【0079】
【0080】
は、二重結合であるか;又はEは、-C(H)-であり、且つ
【0081】
【0082】
は、単結合であるか;又はEは、窒素原子であり、且つ
【0083】
【0084】
は、単結合であり;
R1a及びR1bは、それらに結合する炭素原子と合わせて、3員、4員又は5員の任意選択的に置換された脂肪族環を形成するか;又は
R1a及びR1bは、それらに結合する炭素原子と合わせて、4員又は5員の任意選択的に置換されたヘテロシクロを形成し;
R2は、-NO2、-SO2CH3及び-SO2CF3からなる群から選択され;
R3は、水素、-CN、-C≡CH及び-N(R4a)(R4b)からなる群から選択され;
R4aは、任意選択的に置換されたC1~6アルキル、ヘテロシクロ、シクロアルキルアルキル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R4bは、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択される)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0085】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式II
【0086】
【0087】
(式中、Yは、-CH2-及び-O-からなる群から選択され、且つR2及びR4aは、式Iに関連して定義されるとおりである)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0088】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式III
【0089】
【0090】
(式中、Yは、-CH2-及び-O-からなる群から選択され、且つR2及びR4aは、式Iに関連して定義されるとおりである)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0091】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式IV
【0092】
【0093】
(式中、Yは、-CH2-及び-O-からなる群から選択され、且つR2及びR4aは、式Iに関連して定義されるとおりである)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0094】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式V
【0095】
【0096】
(式中、Yは、-CH2-及び-O-からなる群から選択され、且つA、X1、X2及びX3は、式I-Aに関連して定義されるとおりである)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0097】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式VI
【0098】
【0099】
(式中、Yは、-CH2-及び-O-からなる群から選択され、且つAは、式I-Aに関連して定義されるとおりである)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0100】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-1である。
【0101】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-2である。
【0102】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-3である。
【0103】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-4である。
【0104】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-5である。
【0105】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-6である。
【0106】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-7である。
【0107】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-8である。
【0108】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-9である。
【0109】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Aは、A-10である。
【0110】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式VII
【0111】
【0112】
(式中、Yは、-CH2-及び-O-からなる群から選択され、且つX1、X2、X3、R2及びR4aは、式I-Aに関連して定義されるとおりである)
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0113】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、全てのX1、X2及びX3は、-CH=である。
【0114】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、X1は、-CF=であり、且つX2及びX3の両方は、-CH=である。
【0115】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、X1及びX3の両方は、-CH=であり、且つX2は、-CF=である。
【0116】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、X1及びX2の両方は、-CH=であり、且つX3は、-CF=である。
【0117】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、X1は、-N=であり、且つX2及びX3の両方は、-CH=である。
【0118】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、X1及びX3の両方は、-CH=であり、且つX2は、-N=である。
【0119】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A、V若しくはVIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、X1及びX2の両方は、-CH=であり、且つX3は、-N=である。
【0120】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式II~VIIのいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Yは、-O-である。
【0121】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式II~VIIのいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、Yは、-CH2-である。
【0122】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A若しくはI~VIIのいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、R2は、-NO2である。
【0123】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I~VIのいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、R4aは、
【0124】
【0125】
からなる群から選択される。
【0126】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式I-A若しくはV~VIIのいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、R4a、R5、R6a及びR7は、それぞれ独立して、
【0127】
【0128】
からなる群から選択される。
【0129】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式VIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、R2aは、水素又はフルオロであり、且つR4aは、式I-Aに関連して定義されるとおりである。
【0130】
【0131】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、式VIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり、式中、R4aは、
【0132】
【0133】
からなる群から選択される。
【0134】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、表1の化合物の1つ以上から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、表1-Aの化合物の1つ以上から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、表1-Bの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0154】
【0155】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、APG-115、SAR405838、RG7112、RG7388(イダサヌトリン)、MI-773、ヌトリン3、ヌトリン3a、ヌトリン3b、HDM201、ケベトリン塩酸塩、MX69、NVP-CGM097、NVP-CGM097硫酸塩、ヌトリン3b、RO8994、YH239-EE、NVP-CGM097立体異性体、AMG 232、トリプトライド、NSC59984、PRIMA-1、NSC66811、NSC207895、Serdemetan(JNJ 26854165)、R5C3、Caylin-1、Caylin-2、HLI373、NSC319726、YH239-EE又はTenovin-1からなる群から選択される。好ましくは、MDM2阻害剤は、APG-115である。
【0156】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、
【0157】
【0158】
、DS-3032b、BI-907828、ALRN-6924又はUBX0101からなる群から選択される。
【0159】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、以下の化合物:
【0160】
【0161】
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり;
MDM2阻害剤は、APG-115又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0162】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、医薬組成物の形態である。
【0163】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、それぞれ別々の製剤中にある。
【0164】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、同時に又は逐次的に投与される。
【0165】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、約48時間、約72時間、約96時間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間又は約12週間の時間間隔で逐次的に投与され得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態においてBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含有する本発明の組合せ製品(好ましくはそれぞれ別々の単位剤形における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態においてBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含有する本発明の組合せ製品(好ましくは投与単位の形態における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、以下の様式において投与され得る:経口、頬側、吸入スプレー、舌下、直腸、経皮、膣粘膜、経粘膜、局所、経鼻又は経腸投与;非経口投与、例えば筋肉内注射、皮下注射、髄内注射並びに髄腔内又は脳への直接的な投与、生体内原位置投与、皮下、腹腔内、静脈内注射、関節滑膜内、胸骨内、肝臓内、病巣内、頭蓋内、腹腔内、経鼻若しくは眼球内注射又は他の薬物送達様式。
【0169】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、約0.0025~1500mg/日の量で投与される。好ましくは、Bcl-2阻害剤の1日用量は、1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、61mg、70mg、80mg、90mg、100mg、122mg、150mg、200mg、244mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、460mg、470mg、480mg、487mg、490mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg及びそれぞれの用量間の範囲、例えば1mg~1000mg、30mg~900mg、61mg~800mg、100mg~700mg、122mg~600mg、122mg~500mg、122mg~487mg、122mg~300mg、122mg~244mg、30mg~487mg、61mg~487mgなどである。また、MDM2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、約0.005~500mg/日の量で投与される。好ましくは、MDM2阻害剤の1日用量は、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、150mg、200mg、244mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、460mg、470mg、480mg、487mg、490mg、500mg及びそれぞれの用量間の範囲、例えば10mg~500mg、20mg~450mg、30mg~400mg、40mg~300mg、50mg~244mg、100mg~240mg、200mg~244mg、200mg~487mg、244mg~487mgなどである。
【0170】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤及び注射剤の形態である。
【0172】
本発明の第2の態様は、疾患の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤の使用に関し、ここで、疾患は、癌である。
【0173】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、本発明の第1の態様において特に記載されるとおりの化合物(例えば、化合物I-A)又はその薬学的に許容される塩若しくはその溶媒和物である。
【0174】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、APG-115、SAR405838、RG7112、RG7388(イダサヌトリン)、MI-773、ヌトリン3、ヌトリン3a、ヌトリン3b、HDM201、ケベトリン塩酸塩、MX69、NVP-CGM097、NVP-CGM097硫酸塩、ヌトリン3b、RO8994、YH239-EE、NVP-CGM097立体異性体、AMG 232、トリプトライド、NSC59984、PRIMA-1、NSC66811、NSC207895、Serdemetan(JNJ 26854165)、R5C3、Caylin-1、Caylin-2、HLI373、NSC319726、YH239-EE又はTenovin-1からなる群から選択される。好ましくは、MDM2阻害剤は、APG-115である。
【0175】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、
【0176】
【0177】
、DS-3032b、BI-907828、ALRN-6924又はUBX0101からなる群から選択される。
【0178】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、以下の化合物:
【0179】
【0180】
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり;
MDM2阻害剤は、APG-115又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0181】
いくつかの実施形態では、医薬は、医薬組成物の形態である。
【0182】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、それぞれ別々の製剤中にある。
【0183】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、同時に又は逐次的に投与される。
【0184】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、約48時間、約72時間、約96時間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間又は約12週間の時間間隔で逐次的に投与され得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態においてBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含有する本発明の医薬(好ましくはそれぞれ別々の単位剤形における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0186】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態においてBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含有する本発明の医薬(好ましくは投与単位の形態における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、医薬は、以下の様式において投与され得る:経口、頬側、吸入スプレー、舌下、直腸、経皮、膣粘膜、経粘膜、局所、経鼻又は経腸投与;非経口投与、例えば筋肉内注射、皮下注射、髄内注射並びに髄腔内又は脳への直接的な投与、生体内原位置投与、皮下、腹腔内、静脈内注射、関節滑膜内、胸骨内、肝臓内、病巣内、頭蓋内、腹腔内、経鼻若しくは眼球内注射又は他の薬物送達様式。
【0188】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、本発明の詳細な説明における本発明の第1の態様において上に記載されるとおりの1日量で投与される。
【0189】
いくつかの実施形態では、疾患は、癌である。
【0190】
さらに、本発明において記載される癌としては、副腎癌、リンパ上皮腫、腺房細胞癌、リンパ腫、聴神経腫瘍、急性リンパ性白血病、末端黒子型黒色腫、急性骨髄性白血病、先端汗腺腫、慢性リンパ性白血病、急性好酸球性白血病、肝臓癌、急性赤芽球性白血病、小細胞肺癌、急性リンパ性白血病、非小細胞肺癌、急性巨核芽球性白血病、MALTリンパ腫、急性単球性白血病、悪性線維性組織球腫、急性前骨髄球性白血病、悪性末梢神経シュワン腫、腺癌、悪性トリトン腫瘍、腺様嚢胞癌、マントル細胞リンパ腫、腺腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、腺様歯原性腫瘍、マスト細胞白血病、腺扁平上皮癌、縦隔胚細胞腫、脂肪組織腫瘍、乳腺髄様癌、副腎皮質癌、甲状腺髄様癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、髄芽腫、アグレッシブNK細胞白血病、黒色腫、AIDS関連リンパ腫、髄膜腫、胞巣状横紋筋肉腫、メルケル細胞癌、胞巣状軟部肉腫、中皮腫、エナメル上皮線維腫、転移性尿路上皮癌、未分化大細胞リンパ腫、ミューラー管混合腫瘍、組織非形成性甲状腺癌、粘液性腫瘍、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、血管筋脂肪腫、筋組織腫瘍、血管肉腫、菌状息肉腫、星状細胞腫、粘液性脂肪肉腫、非定型奇形ラブドイド腫瘍、粘液腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、粘液肉腫、B細胞性前リンパ球性白血病、上咽頭癌、B細胞リンパ腫、神経鞘腫、基底細胞癌、神経芽細胞腫、胆道癌、神経線維腫症、膀胱癌、神経腫、芽細胞腫、結節性メラノーマ、骨癌、眼癌、ブレンナー腫瘍、乏突起神経膠腫、ブラウン腫瘍、乏突起神経膠腫、バーキットリンパ腫、オンコサイトーマ、乳癌、視神経鞘髄膜腫、脳癌、視神経腫瘍、細胞腫、口腔癌、上皮内癌、骨肉腫、癌肉腫、卵巣癌、軟骨腫瘍、パンコースト腫瘍、セメント質腫、甲状腺乳頭癌、骨髄肉腫、傍神経節腫、軟骨腫、松果体芽腫、脊索腫、松果体細胞腫、絨毛癌、下垂体腫瘍、脈絡叢乳頭腫、下垂体腺腫、腎臓明細胞肉腫、下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、形質細胞腫、皮膚T細胞リンパ腫、多胎芽腫、子宮頸癌、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、結腸直腸癌、原発性中枢神経系リンパ腫、デゴス病、原発性体液性リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、原発性腹膜癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、前立腺癌、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、膵臓癌、未分化胚細胞腫、咽頭癌、胚性癌腫、腹膜偽粘液腫、内分泌腺腫瘍、腎細胞癌、卵黄嚢腫瘍、腎髄質癌、腸症関連T細胞リンパ腫、網膜芽細胞腫、食道癌、横紋筋腫、胎児内胎児、横紋筋肉腫、線維腫、リヒター形質転換、線維肉腫、直腸癌、濾胞性リンパ腫、肉腫、濾胞性甲状腺癌、神経鞘腫症、神経節腫、セミノーマ、胃腸癌、セルトリ細胞腫、胚細胞性腫瘍、性索性腺間質腫瘍、印環細胞癌、巨細胞性線維芽細胞腫、皮膚癌、骨巨細胞腫、小青円形細胞腫瘍、グリア系腫瘍、小細胞癌、多形神経膠芽腫、軟部肉腫、神経膠腫、ソマトスタチン産生腫瘍、大脳神経膠腫症、煤煙性いぼ、グルカゴン産生腫瘍、脊椎腫瘍、性腺芽腫、脾臓周辺帯リンパ腫、顆粒膜細胞腫、扁平上皮癌、男女性胚細胞腫、滑膜肉腫、胆嚢癌、セザリー病、胃癌、小腸癌、ヘアリーセル白血病、扁平上皮癌、血管芽腫、胃癌、頭頸部癌、T細胞リンパ腫、血管外皮腫、精巣癌、血液系腫瘍、肝芽腫、甲状腺癌、肝脾T細胞リンパ腫、移行上皮癌、ホジキンリンパ腫、喉頭癌、非ホジキンリンパ腫、尿膜管癌、浸潤性小葉癌、泌尿生殖器癌、腸癌、尿路上皮癌、腎臓癌、ぶどう膜黒色腫、喉頭癌、子宮癌、悪性黒子、疣状癌、正中線癌、視路グリオーマ、白血病、外陰癌、精巣間質腫瘍、腟癌、脂肪肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、肺癌、腺リンパ腫、リンパ管腫、腎芽腫及びリンパ管肉腫からなる群から選択される癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0191】
好ましくは、癌は、急性単球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病及び混合型白血病、NUT正中癌、多発性骨髄腫、小細胞肺癌、神経芽細胞腫、バーキットリンパ腫、子宮頸癌、食道癌、卵巣癌、結腸直腸癌、前立腺癌及び乳癌からなる群から選択される。
【0192】
好ましくは、癌は、血液悪性腫瘍である。血液悪性腫瘍は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)からなる群から選択される。
【0193】
好ましくは、癌は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、非小細胞肺癌(NSCLC)からなる群から選択される。
【0194】
最も好ましくは、癌は、急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ性白血病(ALL)からなる群から選択される。
【0195】
好ましくは、癌は、副腎皮質癌、進行癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管細胞癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、成人脳/CNS腫瘍、小児脳/CNS腫瘍、乳癌、男性乳癌、小児癌、原発不明癌、キャッスルマン病、子宮頸癌、結腸/直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイングファミリー腫瘍、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛性疾患、ホジキン病、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭及び下咽頭癌、成人急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄性白血病(CML)、小児白血病、肝臓癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺癌、皮膚リンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻及び副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、小児非ホジキンリンパ腫、口腔及び中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫-成人軟組織癌、基底皮膚癌及び扁平細胞皮膚癌、皮膚癌-黒色腫、小腸癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、腟癌、外陰癌、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症又はウィルムス腫瘍である。
【0196】
本発明の第3の態様は、疾患を予防及び/又は治療するための組合せ製品であって、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含み、疾患は、癌である、組合せ製品に関する。さらに、癌としては、本発明の上記の詳細な説明における本発明の第2の態様において記載されるそれらの癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0197】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、本発明の第1の態様において特に記載されるとおりの化合物(例えば、化合物I-A)又はその薬学的に許容される塩若しくはその溶媒和物である。
【0198】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、APG-115、SAR405838、RG7112、RG7388(イダサヌトリン)、MI-773、ヌトリン3、ヌトリン3a、ヌトリン3b、HDM201、ケベトリン塩酸塩、MX69、NVP-CGM097、NVP-CGM097硫酸塩、ヌトリン3b、RO8994、YH239-EE、NVP-CGM097立体異性体、AMG 232、トリプトライド、NSC59984、PRIMA-1、NSC66811、NSC207895、Serdemetan(JNJ 26854165)、R5C3、Caylin-1、Caylin-2、HLI373、NSC319726、YH239-EE又はTenovin-1からなる群から選択される。好ましくは、MDM2阻害剤は、APG-115である。
【0199】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、
【0200】
【0201】
、DS-3032b、BI-907828、ALRN-6924又はUBX0101からなる群から選択される。
【0202】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、以下の化合物:
【0203】
【0204】
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり;
MDM2阻害剤は、APG-115又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0205】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、医薬組成物の形態である。
【0206】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、それぞれ別々の製剤中にある。
【0207】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、同時に又は逐次的に投与される。
【0208】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、約48時間、約72時間、約96時間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間又は約12週間の時間間隔で逐次的に投与され得る。
【0209】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態においてBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含有する本発明の組合せ製品(好ましくはそれぞれ別々の単位剤形における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態においてBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を含有する本発明の組合せ製品(好ましくは投与単位の形態における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0211】
いくつかの実施形態では、組合せ製品は、以下の様式において投与され得る:経口、頬側、吸入スプレー、舌下、直腸、経皮、膣粘膜、経粘膜、局所、経鼻又は経腸投与;非経口投与、例えば筋肉内注射、皮下注射、髄内注射並びに髄腔内又は脳への直接的な投与、生体内原位置投与、皮下、腹腔内、静脈内注射、関節滑膜内、胸骨内、肝臓内、病巣内、頭蓋内、腹腔内、経鼻若しくは眼球内注射又は他の薬物送達様式。
【0212】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物及びMDM2阻害剤又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、本発明の上記の詳細な説明における本発明の第1の態様において記載されるとおりの1日用量で投与される。
【0213】
本発明の第4の態様は、疾患を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする対象に予防有効量及び/又は治療有効量のBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤を投与することを含み、疾患は、癌である、方法に関する。さらに、癌としては、本発明の上記の詳細な説明における本発明の第2の態様において記載されるとおりのそれらの癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0214】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、化合物(例えば、化合物I-A)又はその薬学的に許容される塩若しくはその溶媒和物或いは本発明の第1の態様において特に記載されるとおりのものである。
【0215】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、APG-115、SAR405838、RG7112、RG7388(イダサヌトリン)、MI-773、ヌトリン3、ヌトリン3a、ヌトリン3b、HDM201、ケベトリン塩酸塩、MX69、NVP-CGM097、NVP-CGM097硫酸塩、ヌトリン3b、RO8994、YH239-EE、NVP-CGM097立体異性体、AMG 232、トリプトライド、NSC59984、PRIMA-1、NSC66811、NSC207895、Serdemetan(JNJ 26854165)、R5C3、Caylin-1、Caylin-2、HLI373、NSC319726、YH239-EE又はTenovin-1からなる群から選択される。好ましくは、MDM2阻害剤は、APG-115である。
【0216】
いくつかの実施形態では、MDM2阻害剤は、
【0217】
【0218】
、DS-3032b、BI-907828、ALRN-6924又はUBX0101からなる群から選択される。
【0219】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、以下の化合物:
【0220】
【0221】
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であり;
MDM2阻害剤は、APG-115又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0222】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、医薬組成物の形態である。
【0223】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、それぞれ別々の製剤中にある。
【0224】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、同時に又は逐次的に投与される。
【0225】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、約48時間、約72時間、約96時間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間又は約12週間の時間間隔で逐次的に投与され得る。
【0226】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態のBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤(好ましくはそれぞれ別々の単位剤形における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0227】
いくつかの実施形態では、医薬組成物の形態のBcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤(好ましくは投与単位の形態における)は、必要に応じて、1回、2回、3回、4回、5回又は6回を含むが、これらに限定されない回数で投与され得る。
【0228】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤及びMDM2阻害剤は、以下の様式で投与され得る:経口、頬側、吸入スプレー、舌下、直腸、経皮、膣粘膜、経粘膜、局所、経鼻又は経腸投与;非経口投与、例えば筋肉内注射、皮下注射、髄内注射並びに髄腔内又は脳への直接的な投与、生体内原位置投与、皮下、腹腔内、静脈内注射、関節滑膜内、胸骨内、肝臓内、病巣内、頭蓋内、腹腔内、経鼻若しくは眼球内注射又は他の薬物送達様式。
【0229】
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、0.017mg/kg、0.083mg/kg、0.17mg/kg、0.33mg/kg、0.5mg/kg、0.67mg/kg、0.83mg/kg、1mg/kg、1.02mg/kg、1.16mg/kg、1.33mg/kg、1.5mg/kg、1.67mg/kg、2.03mg/kg、2.5mg/kg、3.33mg/kg、4.06mg/kg、4.17mg/kg、5mg/kg、5.83mg/kg、6.67mg/kg、7.5mg/kg、7.67mg/kg、7.83mg/kg、8mg/kg、8.12mg/kg、8.16mg/kg、8.33mg/kg、9.17mg/kg、10mg/kg、10.83mg/kg、11.66mg/kg、12.5mg/kg、13.33mg/kg、14.17mg/kg、15mg/kg、15.83mg/kg、16.67mg/kg及びそれぞれの用量間の範囲、例えば0.017mg~16.67mg/kg、0.33mg~16.67mg/kg、1.02mg~15mg/kg、1.02mg~15mg/kg,1.02~12.5mg、1.02mg~10mg/kg、1.02mg~8.12mg/kg、1.02mg~4.06mg/kg、1.02mg~2.03mg/kg、2.03mg~4.06mg/kgなどの用量で毎日投与され、且つMDM2阻害剤の1日用量は、0.5mg/kg、0.67mg/kg、0.83mg/kg、1mg/kg、1.17mg/kg、1.22mg/kg、2.03mg/kg、2.5mg/kg、3.33mg/kg、4.06mg/kg、4.17mg/kg、5mg/kg、5.83mg/kg、6.67mg/kg、7.5mg/kg、7.67mg/kg、7.83mg/kg、8mg/kg、8.12mg/kg、8.16mg/kg、8.33mg/kg、9.17mg/kg、10mg/kg及びそれぞれの用量間の範囲、例えば0.5mg~10mg/kg、1mg~10mg/kg、1mg~5mg/kg、2.5mg~8.12mg/kg、4.06mg~10mg/kg、4.06mg~8.12mg/kgなどである。
【0230】
最後に、国際公開第2018/027097号パンフレットは、その全体において且つ全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0231】
本発明を実行するための特定のモデル
本発明は、以下の実施例及び対照実施例によってさらに例証されることになる。しかしながら、これらの実施例及び対照実施例は、単に本発明をより詳細に説明するために使用されるが、本発明を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。
【0232】
実施例1.本発明において使用される一般的な実験方法
(1)CellTiter-Glo(登録商標)(CTG)細胞増殖アッセイ
抗増殖効果は、CellTiter-Glo(登録商標)(CTG)アッセイによって試験された。細胞を96ウェルプレート中に播種し、異なる濃度の試験物質で24時間処理した。3種の異なる濃度のMDM2阻害剤(例えば、APG-115)と組み合わせて24時間作用させた9種の異なる濃度の化合物6(10-3~101μMの3×勾配、すなわち0.0016、0.0045、0.014、0.041、0.12、0.36、1.1、3.2、10μMにおいて選択された)を使用することにより、薬物と組み合わせた化合物6の効果を試験した。各試験用量は、3つの複製ウェルで試験された。
【0233】
通常、一連の9種の用量の試験物質が選択され、5μl/ウェルで96ウェルプレートに加えられた。組合せ実験に関して、2つの試験物質の最終体積は、5μl/ウェルであった。各試験用量は、3つの複製ウェルで試験された。同じプレートにおいて、3~6つのウェルが選択され、対照群としての100μlの希釈溶液が加えられ、別の3~6つのウェルがブランク対照として使用された。ブランク対照ウェルに加えて、95μlの細胞懸濁液を同じ96ウェルプレートの各ウェル(検出時に細胞対照群の細胞がウェルの底をちょうど覆ったことを保証する適切な数の細胞を含有する)に加えた。培養プレートは、CO2インキュベーター中において37℃で24時間培養された。培養の最後に、96ウェルプレート及びCellTiter-Glo試薬を室温で30分間平衡化し、100μLのCellTiter-Glo試薬を各ウェルに加えた。振盪機上で2分間混合した後、室温で10分間放置し、蛍光値を、Biotek synergy HIMFプレートリーダーを使用することによって読み取った。3つの複製ウェルの平均蛍光値を使用して、細胞生存率のパーセンテージを以下の式によって計算した:細胞生存率(%)=(試験ウェルの蛍光値-陰性対照ウェルの蛍光値)/(溶媒対照の蛍光値-陰性対照群の蛍光値)×100%。
【0234】
IC50を、Graphpad Prism 6.0ソフトウェア(Golden software、Golden、Colorado、USA)の非線形回帰データ分析法を使用して計算した。
【0235】
組合せ試験のために、細胞生存率を、単剤対照の3つの複製ウェルの平均OD値を正規化することによって計算した。組合せの群の曲線が左に移動したかどうかの観察により、組合せの曲線と単剤の曲線のIC50を比較することによって2つの化合物の相乗効果を判定した。
【0236】
(2)インビボ薬物動力学実験の評価方法
ヒト腫瘍免疫不全マウスの皮下異種移植腫瘍モデルを細胞接種によって確立した(Gould SE et al.Translational value of mouse models in oncology drug development.Nature medicine.2015 21,431-439;及びSouers AJ et al.ABT-199,a potent and selective BCL-2 inhibitor,achieves antitumor activity while sparing platelets.Nature medicine.2012 19.202-208を参照されたい):対数増殖期の腫瘍細胞を回収し、計数し、1×PBS中で再懸濁し、細胞懸濁液濃度を2.5~5×107/mLに調整した。1mLのシリンジ(4ゲージニードル)を使用して、腫瘍細胞を5~10×106/0.2mL/マウスで免疫不全マウスの右側部に皮下接種した(実験動物は、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.SCXK(Beijing)2016-0006から購入された)。全ての動物実験は、GenePharma Co.,Ltd及びAscentage Pharma Group Co.,Ltdの実験動物の使用及び管理実践に厳格に従った。適切なパラメーターの計算は、中国CFDA「Guidelines for Non-Clinical Research Techniques of Cytotoxic Antitumor Drugs」を基準とした。
【0237】
動物の体重及び腫瘍サイズは、実験中、週に2回測定された。動物の状態及び死亡は、毎日観察された。定期的なモニタリングは、実験動物の活動、摂食及び飲水の状況、体重の増減、目、外被及び他の異常を含む正常な動物の行動に対する腫瘍増殖及び治療の効果を含んだ。実験中に観察される死亡及び臨床症状は、未加工のデータにおいて記録された。投与、マウス体重の測定及び腫瘍体積の測定の全ての操作は、クリーンベンチ内で実施された。実験プロトコルに従って、最後の投与が終わった後、血漿及び腫瘍組織が回収され、秤量され、且つ撮影された。血漿及び腫瘍試料は、凍結され、-80℃で保管された。
【0238】
腫瘍体積(TV)は、TV=a×b2/2(式中、a及びbは、それぞれ測定された腫瘍の長さ及び幅を表した)として計算された。相対的な腫瘍体積(RTV)は、RTV=Vt/V1(式中、V1は、グループ化及び投与時の腫瘍体積であり、Vtは、投与後のある日に測定された腫瘍体積であった)として計算された。抗腫瘍活性の評価指標は、相対的な腫瘍増殖率T/C(%)であり、これは、相対的な腫瘍増殖率T/C(%)=(TRTV)/(CRTV)×100%(式中、TRTVは、治療群のRTVであり、CRTVは、溶媒対照群のRTVであった)として計算され;腫瘍寛解率(%)は、(治療後の担腫瘍マウスにおけるSD(安定な疾患)、PR(腫瘍の部分的退縮)及びCR(腫瘍完全退縮)の数)/群におけるマウスの総数×100%として計算された。
【0239】
体重の変化%=(測定された体重-グループ化時の体重)/グループ化時の体重×100%。
【0240】
治療有効性の評価基準:中国CFDA「Technical guidelines for non-clinical research on cytotoxic antitumor drugs」(2006年11月)に従って、T/C(%)値が40%以下であり且つ統計分析がp<0.05を示したときに有効であると判定され;且つマウスの体重が20%を超えて減少するか又は薬物関連死の割合が20%を超えたときに薬物の用量が著しく毒性であるとみなされた。
【0241】
相乗効果の分析は、以下の式によって実施された(Gould SE et al.Translational value of mouse models in oncology drug development.Nature medicine.2015 21,431-439):相乗効果度=((A/C)×(B/C))/(AB/C);A=Aのみが投与された群のRTV値;B=Bのみが投与された群のRTV値;C=溶媒対照群のRTV値;AB=A及びBを組み合わせて投与された群のRTV値(Clarke R.Issues in experimental design and endpoint analysis in the study of experimental cytotoxic agents in vivo in breast cancer and other models[J].Breast Cancer Research&Treatment,1997,46(2-3):255-278)。相乗効果度が>1であった場合、相乗効果があった;相乗効果度=1であった場合、相加効果があった;相乗効果度が<1であった場合、アンタゴニスト効果があった。
【0242】
実施例2.Bcl-2阻害剤としての例示的な化合物(化合物3、6及び13)の調製
(1)2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-N-((3-ニトロ-4-(((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)アミノ)フェニル)スルホニル)ベンズアミド(化合物3)の合成
【0243】
【0244】
2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)安息香酸(1.75g、3mmol)、3-ニトロ-4-(((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド(1.43g、4.5)の混合物をEDCI(1.15g、6mmol)及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(550mg、4.5mmol)並びにジクロロメタン(40ml)中において室温で一晩反応させ、続いて水を加えた。水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、濃縮し、シリカカラムで精製して、黄色固体として2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)-N-((3-ニトロ-4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)アミノ)フェニル)スルホニル)ベンズアミドを得た(1.7g、64.4%)。
【0245】
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.70(d,J=2.3Hz,1H),8.01(d,J=2.7Hz,1H),7.87(d,J=9.2,2.3Hz,1H),7.66(d,J=8.9Hz,1H),7.55(d,J=2.7Hz,1H),7.47(d,J=3.4Hz,1H),7.38(d,J=8.4Hz,2H),7.10(d,J=8.4Hz,2H),6.97(d,J=9.2Hz,1H),6.77(dd,J=8.9,2.4Hz,1H),6.44(d,J=3.4Hz,1H),6.34(d,J=2.4Hz,1H),4.02-3.94(m,3H),3.66(s,3H),3.49-3.38(m,2H),3.41-3.25(m,7H),2.42(s,3H),2.26(s,3H),2.00-1.67(m,4H),1.45-1.38(m,2H).
【0246】
(2)(R)-N-((4-(((1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)アミノ)-3-ニトロフェニル)スルホニル)-2-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-4-(4-((6-(4-クロロフェニル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-7-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物13)の合成
【0247】
【0248】
標題の化合物は、化合物3の合成について記載されたものと同様の方法で調製された。
【0249】
1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.66(d,J=2.4Hz,1H),7.99(d,J=2.4Hz,1H),7.84(dd,J=9.2,2.4Hz,1H),7.64(d,J=8.9Hz,1H),7.51(d,J=2.4Hz,2H),7.45(d,J=3.3Hz,1H),7.37(d,J=8.4Hz,2H),7.10(d,J=8.4Hz,2H),6.94(d,J=9.2Hz,1H),6.76(dd,J=8.9,2.3Hz,1H),6.40(d,J=3.3Hz,1H),6.36(d,J=2.3Hz,1H),3.87(dd,J=11.8,4.2Hz,3H),3.83-3.70(m,3H),3.67(s,2H),3.62(dd,J=11.7,2.9Hz,1H),3.51-3.41(m,2H),3.40-3.35(m,1H),3.29(dq,J=3.2,1.6Hz,1H),2.41(s,2H),2.26(s,2H),2.00-1.77(m,6H).
【0250】
同様に、化合物6は、特に国際公開第2018/027097号パンフレットを参照して、化合物13の合成に関して記載された方法に従って同様に調製された。
【0251】
【0252】
実施例3.様々な悪性腫瘍細胞に対する化合物6単独並びに化合物6及びAPG-115の組合せの効果
(1)実験方法は、実施例1のセクション(1)において記載されるとおりであった。CTG実験において、以下の悪性腫瘍細胞の化合物6単独並びに化合物6及びAPG-115の組合せの細胞生存率(%)値が決定された:OCI-AML-3(急性骨髄性白血病(AML))、MV-4-11(急性骨髄性白血病(AML))、KMS-26(多発性骨髄腫(MM))、KMS-11(多発性骨髄腫(MM))。
【0253】
(2)実験結果
図1において示されるとおり、様々な血液学的悪性細胞(AML及びMM細胞を含む)において、化合物6がMDM2阻害剤APG-115と組み合わせて投与されたとき、腫瘍細胞の増殖に対する阻害効果が亢進された。
【0254】
特に、OCI-AML-3(AML)において、増殖の阻害に関する化合物6単独のIC50は、10.24であり、増殖の阻害に関するAPG-115単独のIC50は、2.374であり、且つ増殖の阻害に関するAPG-115(10μM、3.3μM、1μM)と組み合わせた化合物6のIC50値は、それぞれ0.143、0.470及び1.432であった。MV-4-11(AML)において、増殖の阻害に関する化合物6単独のIC50は、0.0847であり、増殖の阻害に関するAPG-115単独のIC50は、1.955であり、且つ増殖の阻害に関するAPG-115(10μM、3.3μM、1μM)と組み合わせた化合物6のIC50値は、それぞれ0.012、0.013及び0.017であった。KMS-26(MM)において、増殖の阻害に関する化合物6単独のIC50は、14.65であったが、増殖の阻害に関するAPG-115(10μM、3.3μM、1μM)と組み合わせた化合物6のIC50値は、それぞれ3.407、8.126及び12.14であった。KMS-11(MM)において、増殖の阻害に関する化合物6単独のIC50は、10.81であったが、増殖の阻害に関するAPG-115(10μM、3.3μM、1μM)と組み合わせた化合物6のIC50値は、それぞれ0.927、8.872及び10.95であった。
【0255】
(3)概要
したがって、インビトロ実験において、化合物6がMDM2阻害剤APG-115と組み合わせて使用されたとき、血液悪性腫瘍に対するインビトロでの抗増殖活性は、亢進され、これは、併用療法後のIC50値の低下を示している。IC50の比較は、組合せ投与の曲線及び単剤投与の曲線により実施され、組合せ投与の曲線が左への移動を示したことが観察された。したがって、化合物6及びAPG-115の組合せは、相乗効果を有した。
【0256】
実施例4.ヒトRS4;11ALLマウス異種移植腫瘍モデルにおける化合物6若しくはAPG-115単独又はその組合せの効果
(1)実験方法は、実施例1のセクション(2)において記載されるとおりであった。RS4;11は、野生型p53を保有し、MDM2阻害剤の抗腫瘍効果を評価するための理想的なモデルであった。したがって、マウス異種移植腫瘍モデルは、RS4;11腫瘍細胞株により確立され(Gould SE et al.Translational value of mouse models in oncology drug development.Nature medicine.2015 21,431-439.及びSouers AJ et al.ABT-199,a potent and selective BCL-2 inhibitor,achieves antitumor activity while sparing platelets.Nature medicine.2012 19.202-208を参照されたい)、APG-115と組み合わせた化合物6のインビボ抗腫瘍効果が評価された。
【0257】
(2)実験結果
このモデルにおいて、APG-115は、50mg/kg、q2dレジメンの用量での投与の21日後に腫瘍増殖阻害効果を示さなかったが;化合物6は、50mg/kg、qdレジメンの用量でこのモデルにおいて優れた抗腫瘍効果を示し、投与の最後(21日目)に17%のT/C値(
図2A、表1)を示した。APG-115(50mg/kg、q2d)と組み合わせた12.5又は50mg/kg(qd)の用量の化合物6は、有意な相乗効果をもたらし、2つの組合せの群は、それぞれ投与の最後(21日目)に5%(P<0.01)及び1%(P<0.01)のT/C値及び100%の腫瘍寛解率を示した。
【0258】
【0259】
(3)概要
化合物6(50mg/kg)単独及びAPG-115(50mg/kg)単独の各々は、RS4;11モデルにおいてCR(完全腫瘍退縮)を達成しなかった。しかしながら、12.5又は50mg/kgの十分に耐容性を示した用量では、化合物6及びAPG-115の組合せは、RS4;11モデルにおいて部分的腫瘍退縮(PR)及び完全腫瘍退縮(CR)を達成できた。APG-115と組み合わせた化合物6は、著しい副作用を有しなかったが(
図2B)、ヒトRS4;11ALLマウス異種移植腫瘍モデルにおいて単剤の抗腫瘍効果を著しく増大させ、且つ相乗効果を示した(50mg/kgの用量の化合物6をAPG-115と組み合わせたとき、相乗効果度は、26.5であり、1よりはるかに大きかった)。したがって、化合物6及びAPG-115の組合せは、急性リンパ性白血病(ALL)を有する患者に臨床的な利益をもたらし得る。
【0260】
実施例5.ヒトOCI-AML-3 AMLマウス異種移植腫瘍モデルにおける化合物6単独若しくはAPG-115単独又はその組み合わせの効果
(1)実験方法は、実施例1のセクション(2)において記載されるとおりであった。インビトロ細胞増殖アッセイにおいて、APG-115と組み合わせた化合物6の相乗的な抗増殖活性がOCI-AML-3腫瘍細胞株において観察された。したがって、マウス異種移植腫瘍モデルを、OCI-AML-3腫瘍細胞株を使用してさらに確立して、化合物6及びAPG-115のインビボ抗腫瘍効果を評価した。
【0261】
MCL-1(抗アポトーシスタンパク質)を高度に発現したOCI-AML-3細胞(ATCCから購入された)は、化合物6単独に対して感受性ではく、初代BCL-2阻害剤抵抗性株に属した。OCI-AML-3モデルは、より迅速に増殖し(Gould SE et al.Translational value of mouse models in oncology drug development.Nature medicine.2015 21,431-439;及びAndresen V et al.Anti-proliferative activity of the NPM1 interacting natural product avrainvillamide in acute myeloid leukemia.Cell death and disease(2016)7,e2497.を参照されたい)、投与後11日目に、溶媒対照群及び単剤療法群の平均腫瘍体積は、人道的エンドポイント(2000mm3)を上回り、したがって、実験は、投与後11日目に終了された。
【0262】
(2)実験結果
図3A及び表2において示されるとおり、25mg/kg又は100mg/kg qdレジメンの用量の化合物6は、投与の11日後に腫瘍増殖阻害を示さなかった。100mg/kg(1日目~4日目)及び50mg/kg(5日目~11日目)q2dレジメンの用量のAPG-115も投与の11日後に腫瘍増殖阻害を示さなかった。しかしながら、APG-115(100mg/kg、q2d)と組み合わせた25又は100mg/kg(qd)の用量の化合物6は、相乗効果をもたらし、2つの組合せの群のT/C値は、それぞれ投与の最後(11日目)に36%(P<0.05)及び23%(P<0.01)に達した。
【0263】
【0264】
(3)概要
化合物6又はAPG-115の組合せは、化合物6単独及びAPG-115単独の投与より著しく優れていた。APG-115と組み合わせた化合物6は、著しい副作用を有さず(
図3B)、ヒトOCI-AML-3(AML)マウス異種移植腫瘍モデルにおいて単剤の抗腫瘍効果を著しく増大させることができ、著しい相乗効果を有した(APG-115が25又は100mg/kgの化合物6と組み合わせて投与されたとき、相乗効果度は、それぞれ1.72又は2.20であり、両方とも1より大きかった)。したがって、化合物6及びAPG-115の組合せは、急性骨髄性白血病(AML)を有する患者に臨床的な利益をもたらし得る。
【0265】
実施例6.ヒトMV-4-11AML異種移植におけるAPG-115を加えた化合物6の抗腫瘍効果
(1)実験方法は、実施例1のセクション(2)において記載されるとおりであった。化合物6は、Ascentage Pharma Groupによって開発された選択的BCL-2阻害剤である。この薬剤は、現在、中国及び米国の両方において癌療法に関して臨床開発中である。化合物6と組み合わせたAPG-115の抗増殖活性の亢進は、インビトロでのAML細胞株における細胞ベースアッセイにおいて観察されている。したがって、化合物6及びAPG-115の相乗的な抗白血病効果は、MV-4-11AML異種移植モデルを使用することによってインビボでさらに評価された。
【0266】
(2)実験結果
図4A及び表3において示されるとおり、100mg/kg、p.o.、qd×22日の用量で投与された化合物6は、22日目に55.1%のT/C値を達成した。1~7日目及び16~22日目に1日当たり100mg/kgの用量で経口投与されたAPG-115は、67.1%のT/C値を達成した。さらに、APG-115及び化合物6の組合せ治療は、9.1%のT/C値を達成し、これは、溶媒対照群及びいずれかの単剤治療群と比較して統計的に有意であった。相乗効果率は、4.06であり、これは、2つの薬物の組合せが強力な相乗的抗AML効果を有することを示している。APG-115及び化合物6による組合せ治療は、治療の最後に5例の完全腫瘍退縮(CR、83.3%)及び1例の安定な疾患(SD、16.7%)奏効を有して、100%の奏効率を達成できた。全ての治療中、著しい重量減少は観察されなかった(
図4B)。
【0267】
【0268】
(3)概要
要約すると、APG-115及び選択的BCL-2阻害剤の化合物6による組合せ治療は、相乗的な抗白血病効果を有し、且つさらなる臨床的検討に値する。
【0269】
実施例7.NOD SCIDマウスにおける全身性MOLM-13-LucヒトAML異種移植モデルのAPG-115を加えた化合物6の抗腫瘍効果
(1)AMLの療法に関するAPG-115及び化合物6の組合せの利点は、難治性の播種性MOLM-13-Luc全身性ヒトAMLモデルにおいてさらに評価された。
【0270】
MOLM-13-Luc腫瘍細胞は、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(Gibco製品)、100U/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシンを補充したRPMI 1640培地中の懸濁培養物として、空気中5%CO2の雰囲気中、37℃においてインビトロで維持された。腫瘍細胞は、週に2回定期的に継代培養された。指数増殖期に増殖している細胞を収集し、腫瘍接種のために計数した。
【0271】
雌NOD SCIDマウスを細胞接種の24時間前に150mg/kgのシクロホスファミド、QDで2回前処理した。各マウスに、腫瘍発達のために尾静脈を介して0.2mLのPBS中のMOLM-13-Luc腫瘍細胞(2×106/マウス)を接種した。
【0272】
平均生物発光測定値が3.18×107光子/秒に達したとき、腫瘍移植後3日目のグループ化のために動物を選択した。高用量のパルスレジメン(すなわち7日間毎日100mg/kg)がこの試験におけるAPG-115のために適用された。
【0273】
(2)実験結果
図5において示されるとおり、100mg/kg、qd×21日での化合物6単独による治療は、生物発光シグナルの迅速な増大によって示されるとおり、この播種性AMLモデルにおいて限定的な抗白血病活性を有した。APG-115単剤による治療は、生物発光シグナルを著しく減少させた。さらに、化合物6とAPG-115との組合せは、生物発光シグナルをさらに減少させた。
【0274】
(3)概要
MOLM-13-Luc異種移植モデルは、より高度な悪性度及び疾患進行を有する汎発性の全身性腫瘍であることは、注目に値する。これらのデータは、AML療法に関してAPG-115及び化合物6による組合せ治療のより優れた抗白血病活性をさらに実証した。