IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 ゼンショーホールディングスの特許一覧

<>
  • 特許-搬送システムおよび搬送方法 図1
  • 特許-搬送システムおよび搬送方法 図2
  • 特許-搬送システムおよび搬送方法 図3
  • 特許-搬送システムおよび搬送方法 図4
  • 特許-搬送システムおよび搬送方法 図5
  • 特許-搬送システムおよび搬送方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】搬送システムおよび搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/52 20060101AFI20220415BHJP
   A47G 23/08 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
B65G47/52 A
A47G23/08 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017048523
(22)【出願日】2017-03-14
(65)【公開番号】P2018150156
(43)【公開日】2018-09-27
【審査請求日】2020-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】小川 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】畑 弘人
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 聖悟
(72)【発明者】
【氏名】池ノ上 達也
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-219043(JP,A)
【文献】特開2002-223925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/52
A47G 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が配置した商品を客のもとに搬送する搬送システムであって
使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送部と、
前記第1の搬送部に接続され、前記第1の搬送部から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し、搬送可能な複数の第2の搬送部と、
前記第2の搬送部に接続され、前記第2の搬送部により搬送された商品を前記客のもとに搬送する複数の第3の搬送部と、
前記第1の搬送部、前記第2の搬送部および前記第3の搬送部のそれぞれの搬送制御を行い、前記客のもとに商品を配送するように制御する制御部と、
を備え、
前記第1の搬送部および前記第2の搬送部は厨房エリアに設けられ、前記第3の搬送部は飲食エリアに設けられており、
前記第1の搬送部は、複数備えられるものであって、前記第1の搬送部はそれぞれ、互いに逆の方向に商品を搬送可能とし、
前記搬送された商品は、前記第2の搬送部のそれぞれに対して、搬送される
搬送システム。
【請求項2】
前記第2の搬送部および前記第3の搬送部は、それぞれ平行または略平行に複数備えるものであって、
前記第1の搬送部は、前記制御部から送信された指示情報に基づいて、前記配置した商品を前記第2の搬送部のいずれか一方に搬送することを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記搬送システムは、
前記配置された商品の搬送位置に関する搬送情報を取得する取得部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記搬送情報に基づいて、前記第1の搬送部、前記第2の搬送部および前記第3の搬送部のいずれかを制御すること、
を特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記搬送システムは、
前記制御部から送信された指示情報に基づいて、前記第1の搬送部および前記第2の搬送部の接続された箇所において、前記搬送される商品の搬送位置を変更するガイド部をさらに備えること、
を特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記搬送システムは、
前記客のもとに搬送する商品の入力情報を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力情報に基づいて、前記第1の搬送部、前記第2の搬送部または前記第3の搬送部の少なくともいずれか一つを制御すること、
を特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項6】
商品を搬送する第1の搬送部と、前記第1の搬送部に接続され、前記第1の搬送部から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し、搬送可能な複数の第2の搬送部と、前記第2の搬送部に接続され、前記第2の搬送部により搬送された商品を客のもとに搬送する複数の第3の搬送部とを含む搬送システムにより、使用者が配置した商品を客のもとに搬送する搬送方法であって、
使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送ステップと、
前記第1の搬送ステップにおいて、前記搬送された商品を搬送するか、使用者が新たに商品を配置し搬送する第2の搬送ステップと、
前記第2の搬送ステップにおいて、前記搬送された商品を前記客のもとに搬送する第3の搬送ステップと、
前記第1の搬送ステップ、前記第2の搬送ステップおよび前記第3の搬送ステップのそれぞれの搬送制御を行い、前記客のもとに商品を配送するように制御する制御ステップを有し、
前記第1の搬送部および前記第2の搬送部は厨房エリアに設けられ、前記第3の搬送部は飲食エリアに設けられており、
前記第1の搬送部は、複数備えられるものであって、前記第1の搬送部はそれぞれ、互いに逆の方向に商品を搬送可能とし、
前記搬送された商品は、前記第2の搬送部のそれぞれに対して、搬送される
搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システムおよび搬送方法に関し、特に複数の搬送部を配置する搬送システムおよび搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲食客が、店員に注文することなく、好きなタイミングで好きな商品を自由に選択でき、自分の席まで搬送される回転寿司のコンベア機等の商品に関する搬送装置が存在する。
【0003】
たとえば、飲食客は、様々な種類の商品が自分の席まで搬送されてくることによって、店員を呼んで注文することなく、好きなタイミングで好きな商品を自由に選択して注文できる。また、店員にとっても、自ら飲食客に注文を聞きに行ったり、注文された料理を飲食客の席に運んだりの手間が省くことが出来る。
【0004】
特許文献1には、E型先端側搬送路とE型根本側搬送路に2分割されて別個の循環路を形成し駆動され、E型先端側搬送路とE型根本側搬送路が一体化した一つの循環路と、E型根本側搬送路だけの循環路とを選択的に切り替えられるE型循環飲食物搬送装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、無端チェーンを循環させて食品を提供するメイン循環装置とは別に、個別注文された注文品を搬送注文客の手元まで搬送するサブ搬送装置を設けた食品循環装置であって、帯部材を連続的に循環させる駆動部と、帯部材に載置されて搬送される食品容器の移動を阻止して、食品容器を目的位置に誘導する誘導部とを設ける食品循環装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-289547号公報
【文献】特開2011-000289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2記載の発明では、例えば、厨房エリアから見て右側エリアの席に搬送するサブ搬送装置の搬入場所は1か所であり、注文が少ない場合は問題ないが、注文が混雑している場合に、注文品の搬入が滞り、素早く注文品を注文客の手元までに搬送することができなかった。また、右側と左側の両方のサブ搬送装置にそれぞれ人員を配置する必要があり、使い勝手が十分に考慮されていなかった。
【0008】
そこで、本発明は、商品を客のもとに搬送する搬送システムおよび搬送方法にあたって、使い勝手の良い搬送システムおよび搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る搬送システムは、使用者が配置した商品を客のもとに搬送する搬送システムであって、使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送部と、第1の搬送部に接続され、第1の搬送部から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し、搬送可能な第2の搬送部と、第2の搬送部に接続され、第2の搬送部により搬送された商品を客のもとに搬送する第3の搬送部と、第1の搬送部、第2の搬送部および第3の搬送部のそれぞれの搬送制御を行い、客のもとに商品を搬送するように制御部とを備える。
【0010】
さらに、本発明に係る搬送システムにおいて、第2の搬送部および第3の搬送部は、それぞれ複数備えるものであって、第1の搬送部は、制御部から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を第2の搬送部のいずれか一方に搬送するものであってもよい。
【0011】
さらに、本発明に係る搬送システムにおいて、第1の搬送部は、複数備えるものであって、制御部から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を異なる第2の搬送部に搬送するものであってもよい。
【0012】
さらに、本発明に係る搬送システムは、配置された商品の搬送位置に関する搬送情報を取得する取得部をさらに備え、制御部は、搬送情報に基づいて、第1の搬送部、第2の搬送部および第3の搬送部のいずれかを制御してもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る搬送システムは、制御部から送信された指示情報に基づいて、第1の搬送部および第2の搬送部の接続された箇所において、搬送される商品の搬送位置を変更するガイド部をさらに備える。
【0014】
さらに、本発明に係る搬送システムは、客のもとに搬送する商品の入力情報を受け付ける入力部をさらに備え、制御部は、入力情報に基づいて、第1の搬送部、第2の搬送部または第3の搬送部の少なくともいずれか一つを制御する。
【0015】
本発明に係る搬送方法であって、使用者が配置した商品を客のもとに搬送する搬送方法であって、使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送ステップと、第1の搬送ステップにおいて、搬送された商品を搬送するか、使用者が新たに商品を配置し搬送する第2の搬送ステップと、第2の搬送ステップにおいて、搬送された商品を客のもとに搬送する第3の搬送ステップと、第1の搬送ステップ、第2の搬送ステップおよび第3の搬送ステップのそれぞれの搬送制御を行い、客の所望とする商品を搬送するように制御する制御ステップを有する。
【0016】
本発明に係る搬送装置は、使用者が配置した商品を客のもとに搬送する搬送システムであって、使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送部と、第1の搬送部に接続され、第1の搬送部から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し、搬送可能な第2の搬送部と、第2の搬送部に接続され、第2の搬送部により搬送された商品を客のもとに搬送する第3の搬送部と、第1の搬送部、第2の搬送部および第3の搬送部のそれぞれの搬送制御を行い、客のもとに商品を搬送するように制御部と、を備えることで、より商品の搬送のための配置箇所を分散しつつ、一方でそれぞれの配置箇所から様々な場所にいる客のもとに商品を搬送することで、素早く商品を客へ提供でき、使い勝手を向上できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る搬送システムおよび搬送方法は、商品を客のもとに搬送するにあたって、使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】搬送システム100の実施形態の構成の一例を示すブロック図である。
図2】搬送システム100の実施形態の概観の一例を模式的に示す図である。
図3】搬送システム100の実施形態1の複数の例を示す平面図である。
図4】搬送システム100の実施形態2の複数の例を示す平面図である。
図5】搬送システム100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】搬送システム100が実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施態様について、図面を参照しながら説明する。
(搬送システム100の構成)
図1は、搬送システム100の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、搬送システム100は、第1の搬送部200と、第2の搬送部300と、第3の搬送部400と、制御部500とを含んで構成される。また、使用者側入力部610と、客側入力部620、取得部700と、ガイド部800(不図示)とをさらに含んで構成してもよい。
【0020】
第1の搬送部200は、使用者が配置した商品を搬送する。また、第1の搬送部200は、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を第2の搬送部300のいずれか一方に搬送してもよい。第1の搬送部200によれば、例えば、使用者が第1の搬送部200に配置した商品を、第2の搬送部300に配置されて搬送される商品とは別途、第2の搬送部300に搬送することができ、第3の搬送部の客のもとに商品を搬送することができる。これにより、第1の搬送部200と第2の搬送部それぞれで商品を配置し搬送することができるため、使い勝手のよく分散して商品を客のもとに搬送できる。
【0021】
第1の搬送部200は、複数備えるものであって、第1の搬送部200はそれぞれ、互いに逆の方向に商品を搬送可能とし、当該搬送された商品は、第2の搬送部300のそれぞれに対して搬送されてもよい。第1の搬送部200によれば、平行または略並行に複数備わったそれぞれの第1の搬送部200に商品を搬送し、平行または略並行に複数備わったそれぞれ第3の搬送部400の客のもとに搬送することができる。言い換えれば、第1の搬送部200の配置場所からでも商品を第3の搬送部400の両側の全ての客のもとに搬送することができる。
【0022】
第1の搬送部200によれば、例えば、使用者が第1の搬送部200に配置した商品を、第2の搬送部300に配置されて搬送される商品とは別途、第1の搬送部200の両側に備えられた複数の平行または略並行に備わった第2の搬送部300のいずれか一方に搬送することができ、これにより、平行または略並行に備わった第3の搬送部の客のもとに商品を搬送することができるため、第1の搬送部200に集中して搬送する商品と、第2の搬送部300に分散して搬送する商品をそれぞれ商品の種類ごとに分けて搬送でき、かつ、商品の提供までの時間の差が少なく様々な位置にいる客のもとに搬送できる。
【0023】
第1の搬送部200は、2つ設けられ、配置された商品を搬送し、互いに商品の受け渡しが可能に接続されてもよい。また、第1の搬送部200は、1つ以上設けられ、配置された商品を搬送してもよい。第1の搬送部200は、配置された商品を搬送し、第2の搬送部300に商品を受け渡して、または、第3の搬送部400に商品を受け渡して、第3の搬送部の客のもとに商品を搬送してもよい。
【0024】
第1の搬送部200によれば、第1の搬送部200の配置箇所から、第2の搬送部300または第3の搬送部400へと商品を搬送することができ、最終的に複数、様々に位置する第3の搬送部400の客のもとに商品を搬送することができる。第1の搬送部200によれば、例えば、調理機器の都合上、当該調理機器を1台で、かつ、設置してしか備えることが出来ない場合でも、当該調理機器の近傍位置から移動することなく、様々な位置にいる客のもとに商品を搬送することが出来る。
【0025】
第1の搬送部200は、一例として、厨房エリアに設けられ、搬送システム100の横方向の中央付近、かつ、当該厨房エリアの中央から店員が客のもとに商品を搬送するために、搬送システム100の中央に配置位置(搬送開始位置)が位置するように設けられてもよい。これにより、例えば、飲食エリアの横方向両側に位置する客それぞれのもとに効率良く商品を搬送することができる。
【0026】
第1の搬送部200は、商品を載せて連続的に搬送するコンベヤ(搬送路、搬送レーン)であればよく、チェーンコンベヤ(クレセントチェーンコンベヤを含む)、無端ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等を用いればよい。具体的には、一例として、第1の搬送部200が、クレセントチェーンコンベヤの場合は、チェーン本体と、当該チェーン本体上に配置される三日月型のトッププレートと、当該チェーンを、スプロケット等を介して駆動装置から伝達される動力で動かすよう、スプロケットと駆動装置を含んで構成される。
【0027】
第1の搬送部200は、搬送レーンを1つ備えていてもよいし、2つ以上の複数備えていてもよい。また、第1の搬送部200のレーンは、商品を一方通行で搬送してもよいし、その逆方向に搬送してもよい。また、第1の搬送部200のレーンは、円形または楕円形に無端循環させてもよい。第1の搬送部200の搬送速度は、毎分4~5mとしてもよく、より好ましくは、毎分4.8mとしてもよい。
【0028】
第1の搬送部200は、商品の搬送方向の少なくとも一部が、第3の搬送部400の搬送方向と交差するよう配置されてもよい。これにより、例えば、飲食エリアの両側に位置する第3の搬送部400に沿って位置する配置されるテーブルに座る客それぞれのもとに、効率良く商品を搬送することができる。
【0029】
また、第1の搬送部200は、商品の中に識別片(ICタグ等を含む)を組み込み、例えば、商品が飲食物である場合にはお皿の中にICタグ等を組み込み、取得部700の無線通信等の検知センサによって、当該ICタグの識別情報を読み込ませるようにしてもよい。
【0030】
さらに、商品を載せて運ぶ搬送体(不図示)を別途用意して、当該搬送体に識別片を組み込んでもよい。
【0031】
また、第1の搬送部200における商品の配置は、商品の搬入口を設けて第1の搬送部200に配置してもよいし、当該搬入用の設備を設けなくとも、コンベヤの末端またはコンベヤ上の所定の位置を商品の搬送開始位置として商品を配置してもよい。
【0032】
第2の搬送部300は、第1の搬送部200に接続され、第1の搬送部200から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し、搬送することができる。
【0033】
第2の搬送部300によれば、第1の搬送部200から搬送されてくる商品と、それとは別に新たに第2の搬送部300に配置した商品とを、それぞれ第3の搬送部400の客のもとに搬送することができる。言い換えれば、第1の搬送部200の配置場所と第2の搬送部300の配置場所どちらからでも商品を客のもとに搬送することができる。
【0034】
第2の搬送部300は、それぞれ平行または略並行に複数備えてもよい。これにより、例えば、売り場エリアや飲食エリアの両端に位置する第3の搬送部400の客のもとに効率良く搬送することができる。
【0035】
第2の搬送部300によれば、第3の搬送部400の客のもとに商品を搬送することができる。また、第2の搬送部300によれば、例えば、売れ筋の商品を両側2つの当該第2の搬送部300で分けて第3の搬送部400の客のもとに商品を搬送することができる。
【0036】
第2の搬送部300は、一例として、厨房エリアに設けられ、搬送システム100の横方向の両側付近、かつ、当該厨房エリアの両側付近に平行または略並行に複数備えられ、2名の店員が客のもとに商品を搬送するために、搬送システム100の両側に2箇所に配置位置(搬送開始位置)がくるようを設けられてもよい。これにより、例えば、飲食エリアの横方向の両側に位置する客それぞれのもとに効率良く商品を搬送することができる。
【0037】
第2の搬送部300は、商品を載せて連続的に搬送するコンベヤ(搬送路、搬送レーン)であればよく、チェーンコンベヤ(クレセントチェーンコンベヤを含む)、無端ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等を用いればよい。具体的には、一例として、第2の搬送部300が、クレセントチェーンコンベヤの場合は、チェーン本体と、当該チェーン本体上に配置される三日月型のトッププレートと、当該チェーンを、スプロケット等を介して駆動装置から伝達される動力で動かすよう、スプロケットと駆動装置を含んで構成してもよい。
【0038】
第2の搬送部300は、搬送レーンを1つ備えていてもよいし、2つ以上の複数備えていてもよい。また、第2の搬送部300のレーンは、商品を一方通行で搬送してもよいし、その逆方向に搬送してもよい。また、第2の搬送部300のレーンは、円形または楕円形に無端循環させてもよい。第2の搬送部300の搬送速度は、毎分4~5mとしてもよく、より好ましくは、毎分4.8mとしてもよい。
【0039】
第2の搬送部300は、商品の搬送方向の少なくとも一部が、第3の搬送部400の搬送方向と同じとなるよう配置されてもよい。これにより、例えば、飲食エリアの両側に位置する第3の搬送部400に沿って位置する配置されるテーブルに座る客それぞれのもとに、効率良く商品を搬送することができる。
【0040】
また、第2の搬送部300は、商品の中に識別片(ICタグ等を含む)を組み込み、例えば、商品が飲食物である場合にはお皿の中にICタグ等を組み込み、取得部700の無線通信等の検知センサによって、当該ICタグの識別情報を読み込ませるようにしてもよい。
さらに、商品を載せて運ぶ搬送体(不図示)を別途用意して、当該搬送体に識別片を組み込んでもよい。
【0041】
また、第2の搬送部300における商品の配置は、商品の搬入口を設けて第2の搬送部300に配置してもよいし、当該搬入用の設備を設けなくとも、コンベヤの末端またはコンベヤ上の所定の位置を商品の搬送開始位置として商品を配置してもよい。
【0042】
第3の搬送部400は、第2の搬送部に接続され、第2の搬送部300により搬送された商品を客のもとに搬送する。また、第3の搬送部は、それぞれ平行または略平行に複数備えるものであってもよい。これにより、第2の搬送部300により搬送されてくる、第1の搬送部200に使用者が配置した商品と、第2の搬送部300に使用者が配置した商品を横方向両側に位置する客のもとに円滑に商品を搬送することができる。
【0043】
また、第3の搬送部400は、第1の搬送部200に接続され、第1の搬送部200搬送された商品を客のもとに搬送してもよい。
【0044】
第3の搬送部400は、商品を載せて連続的に搬送するコンベヤ(搬送路、搬送レーン)であればよく、チェーンコンベヤ(クレセントチェーンコンベヤを含む)、無端ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等を用いればよい。具体的には、一例として、第3の搬送部400が、クレセントチェーンコンベヤの場合は、チェーン本体と、当該チェーン本体上に配置される三日月型のトッププレートと、当該チェーンを、スプロケット等を介して駆動装置から伝達される動力で動かすよう、スプロケットと駆動装置を含んで構成してもよい。
【0045】
第3の搬送部400は、搬送レーンを1つ備えていてもよいし、2つ以上の複数備えていてもよい。また、第3の搬送部400のレーンは、商品を一方通行で搬送してもよいし、その逆方向に搬送してもよい。また、第3の搬送部400のレーンは、円形または楕円形に無端循環させてもよい。第3の搬送部400の搬送速度は、毎分4~5mとしてもよく、より好ましくは、毎分4.8mとしてもよい。
【0046】
第3の搬送部400は、商品の搬送方向の少なくとも一部が、第2の搬送部300の搬送方向と同じとなるよう配置されてもよい。これにより、第3の搬送部400は、例えば、厨房エリアの両側に位置する第2の搬送部300に沿って商品を搬送するため、客のもとに、円滑に効率良く商品を搬送することができる。
【0047】
また、第3の搬送部400は、商品の中に識別片(ICタグ等を含む)を組み込み、例えば、商品が飲食物である場合にはお皿の中にICタグ等を組み込み、取得部700の無線通信等の検知センサによって、当該ICタグの識別情報を読み込ませるようにしてもよい。
さらに、商品を載せて運ぶ搬送体(不図示)を別途用意して、当該搬送体に識別片を組み込んでもよい。
【0048】
制御部500は、第1の搬送部200、第2の搬送部300および第3の搬送部400のそれぞれの搬送制御を行い、客のもとに商品を搬送するように制御する。具体的には、一例として、制御部500は、第1の搬送部200、第2の搬送部300および第3の搬送部400のそれぞれに搬送制御の指示を送信する。これにより、制御部500は、各部を独立して商品を搬送させることができる。
【0049】
制御部500は、商品の搬送位置に関する搬送情報に基づいて、第1の搬送部200、第2の搬送部300および第3の搬送部400のいずれかを制御する。
【0050】
ここで、「搬送情報」とは、商品の搬送位置から生成する搬送状況を表す情報であり、具体的には特定の時点の商品の搬送位置、特定の時点の所定の位置における商品の搬送速度、特定の時点の所定の区間における商品間の搬送間隔等から構成される情報である。当該特定の時点は、制御部500が該当の制御を行う時点から制御が有効に図れる範囲内、かつ、商品の搬送現況が示せる範囲内にあることが望ましい。これにより、制御部500は、商品の搬送現況をふまえて第1の搬送部200、第2の搬送部300および第3の搬送部400の搬送制御を行うことができ、円滑に商品を搬送することができる。
【0051】
制御部500は、第1の搬送部200に配置された商品を、第3の搬送部400の客のもとに搬送するよう、第1の搬送部200または第3の搬送部400それぞれ搬送制御を行う。
【0052】
具体的には、一例として、制御部500は、第1の搬送部200に商品が配置されたら、第1の搬送部の搬送動作を開始するよう制御し、第1の搬送部200と第3の搬送部400の接続箇所の所定の範囲内まで第1の搬送部200によって商品が搬送されてきたら、第3の搬送部400の搬送動作を開始させることで、当該接続箇所で、第1の搬送部200から第3の搬送部400へと商品を受け渡して、第3の搬送部400によって商品が搬送されるように制御することができる。
【0053】
当該所定の範囲は、搬送する商品の幅に基づき定めてもよい。制御部500によれば、第1の搬送部200または第3の搬送部400を制御することで、第1の搬送部200に配置された商品を、第3の搬送部400の客の元に搬送するよう制御することができ、効率良く商品を客のもとに搬送することができる。
【0054】
制御部500は、第1の搬送部200に配置された商品を、第3の搬送部400の客のもとに搬送するよう、第1の搬送部200または第3の搬送部400それぞれ搬送制御を行う。
【0055】
具体的には、一例として、制御部500は、第1の搬送部200に商品が配置されたら、第1の搬送部の搬送動作を開始するよう制御し、第1の搬送部200と第3の搬送部400の接続箇所の所定の範囲内まで第1の搬送部200によって商品が搬送されてきたら、第3の搬送部400の搬送動作を開始させることで、当該接続箇所で、第1の搬送部200から第3の搬送部400へと商品を受け渡して、第3の搬送部400によって商品が搬送されるように制御することができる。
【0056】
当該所定の範囲は、搬送する商品の幅に基づき定めてもよい。制御部500によれば、第1の搬送部200または第3の搬送部400を制御することで、第1の搬送部200に配置された商品を、第3の搬送部400の客の元に搬送するよう制御することができ、より効率良く商品を客のもとに搬送することができる。
【0057】
制御部500は、取得部700が取得する商品の搬送位置、搬送速度、または所定の区間における商品同士の搬送間隔の少なくともいずれか一つ含む搬送情報に基づいて、第1の搬送部を制御する。
【0058】
制御部500は、搬送情報に基づいて、ガイド部800を制御する。制御部500は、具体的には、一例として、搬送情報に基づいて、第1の搬送部200および第2の搬送部300の接続された箇所において、搬送される商品の搬送位置を変更する。これにより、例えば、当該接続された箇所で商品の搬送が混みあっている搬送状況であった場合、ガイド部800によって、第1の搬送部200の搬送を停止することができ、商品の混雑を考慮した搬送をすることができる。
【0059】
制御部500は、入出力部(タッチパネル、キーボード、スキャナ、入出力インタフェース等)と、演算部と、制御部と、中央処理部(CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、プロセッサ等)と、記憶部(主記憶装置、補助記憶装置等)とを含んで構成される搬送システムの専用コンピュータであってもいいし、汎用コンピュータにインストールされ、使用するソフトウェアまたはアプリケーションであってもよい。
【0060】
制御部500は、入力部600の入力情報に基づいて、第1の搬送部200、第2の搬送部300または第3の搬送部400の少なくともいずれか一つを制御する。制御部500は、具体的には、一例として、入力部600から客が商品の注文を入力し、当該入力情報に基づいて、制御部500は、第1の搬送部200、第2の搬送部300、第3の搬送部400を順次動かして、商品を搬送させるよう搬送制御を行う。
【0061】
制御部500は、第1の搬送部200、第3の搬送部400、第1の合流部350、第3の搬送部400、入力部600(使用者側入力部610、客側入力部620)、取得部700、ガイド部800の各部それぞれを制御するが、各部への制御命令の送信および当該制御結果の受信等における通信は、無線、有線のいずれの通信形式でもよい。
【0062】
入力部600は、使用者側入力部610と客側入力部620を含んで構成される。入力部600は、客のもとに搬送する商品の入力情報を受け付ける。入力部600は、受け付けた入力情報を制御部500に送信する。具体的には、一例として、入力部600は、商品の搬送要求の入力を表示し、該入力した結果を制御部に送信する。
【0063】
入力部600は、具体的には、タッチパネル、タブレット、スマートフォン、ノートパソコン、デスクトップ型コンピュータと当該コンピュータに付属するキーボード等、商品の搬送要求の入力を表示するGUIが備わる装置または商品の搬送要求の入力を表示するGUIが備わるソフトウェアもしくはアプリケーションにより実現される。
【0064】
取得部700は、配置された商品の搬送位置に関する搬送情報を取得する。
【0065】
取得部700は、具体的には、第1の搬送部200、第2の搬送部300、第3の搬送部400において、特定の時点における商品の搬送位置情報を取得し、当該取得した位置情報に基づいて、特定の時点における所定の位置における商品の搬送速度、特定の時点における所定の区間での商品間の搬送間隔等を生成し、取得する。
【0066】
また、取得部700は、所定の期間における商品ごとの販売数または商品ごとの販売頻度を取得する。
【0067】
取得部700は、商品または商品を載せて運ぶ搬送体に識別片(ICタグ)またはQRコード(登録商標)等の二次元コードを予め組み込んでおき、無線通信を用いて、当該識別情報に基づき各商品の搬送位置情報を取得してもよい。また、特に識別片等予め組み込まず、赤外線センサ等を用いて、当該センサで商品を感知し、感知した商品の位置情報を取得してもよい。
【0068】
ガイド部800は、制御部500から送信された指示情報に基づいて、第1の搬送部200および第2の搬送部300の接続された箇所において、搬送される商品の搬送位置を変更する。これにより、ガイド部800は、第1の搬送部200から第2の搬送部300へ商品を円滑に受け渡すことをサポートすることができる。
【0069】
ガイド部800は、具体的には、第1の搬送部200および第3の搬送部400の接続箇所における商品の搬送方向を変更または商品の搬送を停止する。
【0070】
ガイド部800は、具体的には、一例として、支柱と当該支柱から伸びる棒状の部材とを含んで構成され、制御部500の制御指示情報に基づいて、当該棒状の部材が支柱を中心に回動することによって、商品を第1の搬送部200から第3の搬送部400へ押し出すことで商品の搬送方向を変更し、第1の搬送部200から第2の搬送部300へ商品を受け渡すことを実現する。
【0071】
また、ガイド部800は、制御部500の制御指示情報に基づいて、当該棒状の部材を垂直方向に上げ下ろしすることによって商品の搬送の行く手を妨げることで商品の搬送を停止したり、停止した商品の搬送を再開したりすることができる。
【0072】
ガイド部800は、支柱から伸びるチェーン状の部材を含んで構成されてもよく、当該チェーン状の部材は曲げたり突っ張ったりが自在に操作でき、商品を押し出すときは突っ張って、収納や所定の位置に戻るときは曲げることができてもよい。
以上が、搬送システム100の構成である。
【0073】
図2は、搬送システム100の概観の一例を模式的に示す図である。当該実施例は、本発明に係る搬送システム100を、飲食店(例えば、回転寿司店等)における客への飲食物(例えば、回転寿司店における寿司等)の提供のための搬送装置に用いた一例である。
【0074】
当該実施例において、第1の搬送部200は第1のコンベヤ200とし、第3の搬送部400は第2のコンベヤ300とし、使用者側入力部610は使用者側タッチパネル610とし、制御部500は電子制御装置500とし、取得部700は検知センサ700とし、ガイド部800はガイド部材800とする。
【0075】
当該実施例において、第1のコンベヤ200、第2のコンベヤ300、第3のコンベヤ400は2つのレーンを備えており、それぞれのレーンは一方またはその逆方向に商品を搬送する。
【0076】
図2に示すとおり、当該実施例に係る搬送システム100は、使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送部200と、第1の搬送部200に接続され、第1の搬送部200から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し搬送可能な第2の搬送部300と、第2の搬送部300に接続され、第2の搬送部300により搬送された商品を客のもとに搬送する第3の搬送部を備え、制御部500が、第1の搬送部、第2の搬送部および第3の搬送部のそれぞれの搬送制御を行う。
【0077】
また、図2に示すとおり、当該実施例に係る搬送システム100において、第2の搬送部300および第3の搬送部400は、それぞれ複数備えるものであって、第1の搬送部200は、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を第2の搬送部300のいずれか一方に搬送してもよい。さらに、図2に示すとおり、当該実施例に係る搬送システム100において、第1の搬送部200は、複数備えるものであって、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を異なる第2の搬送部300に搬送してもよい。
【0078】
図2において、飲食エリアと厨房エリアを仕切る壁をPWとして表記する。PWから下のエリアを厨房エリアとし、PWから上のエリアを飲食エリアとする。
【0079】
搬送装置100において、厨房エリアで店員(S2)は、先ず、第1のコンベヤ200Rに飲食物Aを配置し、使用者側タッチパネル610Cで搬送開始を入力し、第1のコンベヤ200Rにおいて飲食物Aの搬送を開始する。
【0080】
それと同時に、別の店員(S3)は、第2のコンベヤ300に飲食物Bを配置し、使用者側タッチパネル610で搬送開始を入力し、第2のコンベヤ300において飲食物Bの搬送を開始する。次に、第1のコンベヤで200搬送した飲食物Aが第1のコンベヤ200と第2のコンベヤ300との接続された箇所付近に搬送されてくると、電子制御装置500が、検知センサ700(不図示)が取得した第2のコンベヤ300で搬送した飲食物Bの搬送情報に基づいて、例えば、当該飲食物Bの搬送位置が当該接続箇所付近にあると判断した場合、ガイド部材800を振り下ろすよう制御し、第1のコンベヤ200の飲食物Aの搬送を一旦停止させる。
【0081】
電子制御装置500は、所定の期間経過後、再び検知センサ700が取得した第2のコンベヤの飲食物Bの搬送情報に基づいて、ガイド部材800を振り上げ、その後、飲食物Aを第1のコンベヤ200から第2のコンベヤ300へと受け渡すよう、回動して振り下ろして飲食物Aを押し出すよう制御する。第2のコンベヤ300は飲食物Bに続いて飲食物Aを搬送し、第3のコンベヤ400に受け渡し、第3のコンベヤ400は飲食物Aおよび飲食物Bを客のもとに搬送する。これにより、S2およびS3のそれぞれの店員の位置から飲食物を流して第3のコンベヤ400Rの客の席のもとに搬送することができる。なお、搬送システム100片側(右側)半分における商品の搬送を説明したが、逆の左側においても同様に商品の搬送をすることができ、すなわち、厨房エリアの中央、両端それぞれの好きな位置から飲食物の到着時間に差が少なく、または、ほとんど無く、全席の客のもとに飲食物を提供することができる。
【0082】
<実施形態1>
図3は、搬送システム100の実施形態1の複数例(a)~(f)を示す平面図である。
【0083】
図3(a)~(f)に示すとおり、実施形態1に係る搬送システム100は、使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送部200と、第1の搬送部200に接続され、第1の搬送部200から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し搬送可能な第2の搬送部300と、第2の搬送部300に接続され、第2の搬送部300により搬送された商品を客のもとに搬送する第3の搬送部と、第1の搬送部、第2の搬送部および第3の搬送部のそれぞれの搬送制御を行い、客のもとに商品を搬送するように制御部とを備える。
【0084】
また、図3(a)~(f)に示すとおり、実施形態1に係る搬送システム100において、第2の搬送部300および第3の搬送部400は、それぞれ複数備えるものであって、第1の搬送部200は、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を第2の搬送部300のいずれか一方に搬送してもよい。実施形態1に係る搬送システム100において、具体的には、例えば、第2の搬送部300および第3の搬送部400は、それぞれ平行または略平行に複数備え、第1の搬送部200は、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を第2の搬送部300のいずれか一方に搬送してもよい。
【0085】
さらに、図3(a)~(b)、(e)に示すとおり、実施形態1に係る搬送システム100において、第1の搬送部200は、複数備えるものであって、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を異なる第2の搬送部300に搬送してもよい。実施形態1に係る搬送システム100において、具体的には、例えば、第1の搬送部200は、複数備えるものであって、第1の搬送部200はそれぞれ、互いに逆の方向または同じ方向に商品を搬送可能とし、搬送された商品は、第2の搬送部300のそれぞれに対して、搬送されてもよい。
【0086】
図3において、矢印はそれぞれの搬送部の搬送方向を表し、円形の中にS2、S3とテキストで表記しているのは、使用者の商品の配置位置(搬送開始位置)を表している。例えば、図3(a)は、S2の位置を使用者の商品配置位置として、第1の搬送部200は、使用者がS2に配置した商品を当該第1の搬送部200の両端に備えられた第2の搬送部300に商品を搬送し、第2の搬送部300は、第1の搬送部200から搬送された商品を接続する第3の搬送部400それぞれに搬送し、第3の搬送部400は、第2の搬送部300から搬送された商品を搬送する例を示す。
【0087】
また、図3(d)は、図3(a)の例と異なり、第1の搬送部200と第2の搬送部300が搬送途中で合流して接続するよう備えられている例を示す。図3(d)の例は、第1の搬送部200と第2の搬送部300は、それぞれ合流部350に商品を搬送し、合流部350から第3の搬送部400へと商品を搬送する。
【0088】
<実施形態2>
図4は、搬送システム100の実施形態2の複数例(a)~(f)を示す平面図である。
【0089】
図4(a)~(f)に示すとおり、実施形態2に係る搬送システム100は、使用者が配置した商品を搬送する第1の搬送部200と、第1の搬送部200に接続され、第1の搬送部200から搬送された商品を搬送するものであって、使用者が新たに商品を配置し、搬送可能な第2の搬送部300と、第2の搬送部300に接続され、第2の搬送部300により搬送された商品を客のもとに搬送する第3の搬送部と、第1の搬送部200、第2の搬送部300および第3の搬送部400のそれぞれの搬送制御を行い、客のもとに商品を搬送するように制御部を備える。
【0090】
また、図4(a)~(f)に示すとおり、実施形態2に係る搬送システム100において、第2の搬送部300および第3の搬送部400は、それぞれ複数備えるものであって、第1の搬送部200は、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を第2の搬送部300のいずれか一方に搬送してもよい。実施形態2に係る搬送システム100において、第2の搬送部300および第3の搬送部400は、それぞれ平行または略平行に複数備え、第1の搬送部200は、制御部500から送信された指示情報に基づいて、配置した商品を第2の搬送部300のいずれか一方に搬送してもよい。
【0091】
図4において、矢印はそれぞれの搬送部の搬送方向を表し、円形の中にS2、S3とテキストで表記しているのは、使用者の商品の配置位置(搬送開始位置)を表している。例えば、図4(a)は、S2の位置を使用者の商品配置位置として、第1の搬送部200は、使用者がS2に配置した商品を右側に備えられた第2の搬送部300に商品を搬送し、当該右側の第2の搬送部300は、第1の搬送部200から搬送された商品を接続する第3の搬送部400に搬送し、第3の搬送部400は、両側から第2の搬送部300から搬送された商品を搬送する例を示す。
【0092】
図4(d)は、図4(a)の例と異なり、第1の搬送部200と右側の第2の搬送部300または第1の搬送部200と左側の搬送部300が搬送途中で合流して接続するよう備えられている例を示す。図4(d)の例は、第1の搬送部200と右側の第2の搬送部300または左側の第2の搬送部300は、いずれか一つが右側または左側の合流部350に商品を搬送し、右側または左側の合流部350から第3の搬送部400へと商品を搬送する。
【0093】
(搬送システム100が実行する処理)
図5は、搬送システム100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
入力部600は、使用者の商品の入力を受け付ける(ステップS10)。
【0095】
取得部700は、商品の搬送位置を取得する(ステップS11)。その後、取得部700は、取得した搬送位置から搬送情報を生成し取得する(ステップS12)。
【0096】
第1の搬送部200は、使用者が配置した商品を搬送する(ステップS13)。
【0097】
第2の搬送部300は、第1の搬送部200から搬送された商品を搬送するか、使用者が新たに商品を配置し搬送する(ステップS14)。
【0098】
第3の搬送部400は、第2の搬送部300から搬送された商品を客のもとに搬送する(ステップS15)。
【0099】
制御部500は、第1の搬送部200の搬送と、第2の搬送部300の搬送と、第3の搬送部400の搬送を、それぞれの搬送制御を行い、客のもとに商品を搬送するように制御する(ステップS13~15)。
【0100】
図6は、搬送システム100が実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0101】
客が商品の注文を入力する(ステップS21)。
【0102】
入力部600は、当該注文が入力されると注文入力を受け付ける(ステップS22)。
【0103】
制御部500は、入力部600から送信された注文入力を受け付ける(ステップS23)。制御部500は、当該入力された注文を表示する(ステップS24)。
【0104】
使用者(例えば店員)は、表示された注文を確認する(ステップS25)。使用者は、注文表示を確認すると、商品を配置する(ステップS26)。第1の搬送部に商品が配置される(ステップS27)。使用者は、商品の搬送開始を入力する(ステップS28)。
【0105】
制御部500は、搬送開始が入力されると、商品の搬送開始指示を受け付ける(ステップS29)。制御部500は、商品の搬送を開始する(ステップS30)。
【0106】
第1の搬送部200は、商品の搬送が開始されると商品を搬送する(ステップ31)。第1の搬送部200は、第2の搬送部300に商品を受け渡す(ステップS32)。
【0107】
第2の搬送部300は、商品を受け渡される(ステップS33)と、商品を搬送する(ステップS34)。第2の搬送部300は、第3の搬送部400に商品を受け渡す(ステップS35)。
【0108】
第3の搬送部400は、商品を受け渡される(ステップS36)と、商品を搬送する(ステップS37)。第3の搬送部400は、客に商品を受け渡し(ステップS38)、客に商品が届く(ステップS39)。
【0109】
(その他)
本発明に係る搬送システムとして、飲食店(例えば、回転寿司店等)における客への飲食物(例えば、回転寿司店における寿司等)の提供に用いることを取りあげているが、本発明は、これ以外にも、例えば、スーパーマーケットや量販店などの小売店における客への商品の提供や、書店における客への本の提供等にも用いることができる。本発明をこれらに用いることによって、商品の陳列場所や保管場所から円滑に様々な位置にいる客のもとに商品を搬送することができる。
【0110】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。上記実施の形態および各種変形例に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0111】
100 搬送システム(搬送装置)
200 第1の搬送部(第1のコンベヤ)
300 第2の搬送部(第2のコンベヤ)
350 合流部(合流コンベヤ)
400 第3の搬送部(第3のコンベヤ)
500 制御部(電子制御装置)
600 入力部
610 使用者側入力部
620 客側入力部
700 取得部
800 ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6