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特許7058492電力システム、および負荷に電力を供給する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】電力システム、および負荷に電力を供給する方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/10 20060101AFI20220415BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20220415BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20220415BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220415BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
H02J1/10
H02J1/00 304H
H02J9/06 110
H02J7/34 G
H02J7/35 F
H02J7/34 B
H02J1/00 306M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017204834
(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2018078791
(43)【公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-04-28
(31)【優先権主張番号】15/348,413
(32)【優先日】2016-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500107762
【氏名又は名称】ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー アイ.ロズマン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アンソニー フットレル
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05604430(US,A)
【文献】特開2012-210013(JP,A)
【文献】特開2001-037210(JP,A)
【文献】特表2015-527029(JP,A)
【文献】特開2014-050156(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0256025(US,A1)
【文献】特表2015-532081(JP,A)
【文献】特開2015-201973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J1/00-7/12
H02J7/34-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力システムであって、
第1のソーラーアレイ、第1のスーパーキャパシタ、及び第1のバッテリを備える第1の複数の電源と、
前記第1の複数の電源から電力を受け取るように構成された第1のコレクタバスと、
前記第1のコレクタバスから電力を受け取るように構成された未調整DCバスと、
前記未調整DCバスから電力を受け取るように構成された調整高電圧直流(HVDC)バスと、
前記未調整DCバスと前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間において、第1の中間調整バスと直列に接続され、それにより前記未調整DCバスから前記調整高電圧直流(HVDC)バスへと電力を供給する、第1の一方向DC/DCコンバータと、
前記未調整DCバスと前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間において、第2の中間調整バスと直列に接続され、それにより前記未調整DCバスから前記調整高電圧直流(HVDC)バスへと電力を供給する、第2の一方向DC/DCコンバータと、
前記第1の一方向DC/DCコンバータ及び前記第2の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第1の中間負荷分担調整器であって、前記第1の一方向DC/DCコンバータ及び前記第2の一方向DC/DCコンバータを調整するように構成された、第1の中間負荷分担調整器と、
前記調整高電圧直流バスから電力を受け取るように構成された第1の電力分配器(PDU)と、
第2のソーラーアレイ、第2のスーパーキャパシタ、及び第2のバッテリを備える第2の複数の電源と、
前記第2の複数の電源から電力を受け取るように構成された第2のコレクタバスと、
前記未調整DCバスから電力を受け取るように構成された調整低電圧直流(LVDC)バスと、
調整低電圧直流バスから電力を受け取るように構成された第2の電力分配器(PDU)と、
非常用バッテリ及び非常用スーパーキャパシタのうち少なくとも1つを備えた非常用電源と、
前記非常用電源と前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間に連結され、それにより前記非常用電源と前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間で電力を伝送する少なくとも1つの双方向DC/DCコンバータと、
前記第1の複数の電源から前記第1のコレクタバスによって受け取られた電力を調整し、かつ、前記第2の複数の電源から前記第2のコレクタバスによって受け取られた電力を調整するように構成された主負荷分担調整器と、
を備え、
前記調整高電圧直流バスは、第1の負荷に電力を供給するように構成され、前記第1の中間調整バス及び前記第2の中間調整バスは、前記調整高電圧直流(HVDC)バスに並列に接続されており、
前記未調整DCバスは、前記第2のコレクタバスから電力を受け取るように構成され、
前記調整高電圧直流バスは、前記第1の電力分配器を介して高電圧負荷に電力を供給するように構成され、
前記第1の電力分配器(PDU)は、前記調整高電圧電流(HVDC)バスを介して、前記非常用電源からの電力を受け取るように構成され、
前記第1のコレクタバスと前記第2のコレクタバスが並列に接続された、電力システム。
【請求項2】
負荷分担調整器と、
前記主負荷分担調整器と電子通信する第1のコレクタバスと、
第1の最大電力点追跡(MPPT)コンバータを介して前記第1のコレクタバスに電力を供給するように構成された第1のソーラーアレイと、
第1の双方向DC/DCコンバータを介して前記第1のコレクタバスと電子通信する第1のバッテリと、
前記第1のコレクタバスと電子通信している未調整DCバスと、
前記未調整DCバスと電子通信する第1の一方向DC/DCコンバータと、
前記未調整DCバスと電子通信する第2の一方向DC/DCコンバータと、
前記第1の一方向DC/DCコンバータおよび前記第2の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第1の中間負荷分担調整器であって、前記第1の一方向DC/DCコンバータおよび前記第2の一方向DC/DCコンバータを調整するように構成された第1の中間負荷分担調整器と、
前記第1の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第1の中間調整バスと、
前記第2の一方向DC/DCコンバータと電子通信するとともに、前記第1の中間調整バスと並列に接続された第2の中間調整バスと、
前記第1の中間調整バス及び前記第2の中間調整バスのうち少なくとも1つから電力を受け取るように構成されるとともに、第1の負荷に電力を供給するように構成された、調整高電圧直流(HVDC)バスと、
前記主負荷分担調整器と電子通信し、かつ前記未調整DCバスと電子通信する第2のコレクタバスと、
第2の最大電力点追跡(MPPT)コンバータを介して前記第2のコレクタバスに電力を供給するように構成された第2のソーラーアレイと、
第2の双方向DC/DCコンバータを介して前記第2のコレクタバスと電子通信する第2のバッテリと、
を備え、
前記第1のコレクタバス及び前記第2のコレクタバスは、並列に接続され、
前記未調整DCバスは、前記第1のコレクタバスと直列に接続され、かつ、前記第2のコレクタバスと直列に接続され、
前記主負荷分担調整器は、前記第1の最大電力点追跡コンバータ、前記第2の最大電力点追跡コンバータ、前記第1の双方向DC/DCコンバータ、及び前記第2の双方向DC/DCコンバータを制御するように構成される、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記未調整DCバスと電子通信する第3の一方向DC/DCコンバータと、
前記未調整DCバスと電子通信する第4の一方向DC/DCコンバータと、
前記第3の一方向DC/DCコンバータおよび前記第4の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第2の中間負荷分担調整器であって、前記第3の一方向DC/DCコンバータ及び前記第4の一方向DC/DCコンバータを調整するように構成された第2の中間負荷分担調整器と、
前記第3の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第3の中間調整バスと、
前記第4の一方向DC/DCコンバータと電子通信するとともに、前記第3の中間調整バスと並列に接続された第4の中間調整バスと、
前記第3の中間調整バス及び前記第4の中間調整バスのうち少なくとも1つから電力を受け取るように構成されるとともに、第2の負荷に電力を供給するように構成された調整低電圧直流(LVDC)バスと、
を備えた、請求項に記載の電力システム。
【請求項4】
前記第1のコレクタバス、前記未調整DCバス、前記第1の一方向DC/DCコンバータ、前記第1の中間調整バス、及び前記調整高電圧直流バスは直列に接続される、請求項に記載の電力システム。
【請求項5】
前記第1の一方向DC/DCコンバータと前記第2の一方向DC/DCコンバータとが並列に接続されている、請求項に記載の電力システム。
【請求項6】
前記第1の負荷は高電圧負荷を備え、前記第2の負荷は低電圧負荷を備えており、
前記第1のバッテリは、前記第1の双方向DC/DCコンバータを介して前記第1のコレクタバスからの電力を受け取ること、および前記第1の双方向DC/DCコンバータを介して前記第1のコレクタバスに電力を供給すること、のうち少なくとも一つを行うように構成されている、請求項に記載の電力システム。
【請求項7】
第3の双方向DC/DCコンバータを介して前記第1のコレクタバスから電力を受け取ること、および前記第3の双方向DC/DCコンバータを介して前記第1のコレクタバスに電力を供給すること、のうち少なくとも一つを行うように構成された前記第1のコレクタバスと電子通信するスーパーキャパシタと、
第1の非常用双方向DC/DCコンバータを介して前記調整高電圧直流バスから電力を受け取ること、および前記第1の非常用双方向DC/DCコンバータを介して前記調整高電圧直流バスに電力を供給すること、のうち少なくとも一つを行うように構成された前記調整高電圧直流バスと電子通信する非常用スーパーキャパシタと、
第2の非常用双方向DC/DCコンバータを介して前記調整高電圧直流バスから電力を受け取ること、および前記第2の非常用双方向DC/DCコンバータを介して前記調整高電圧直流バスに電力を供給すること、のうち少なくとも一つを行うように構成された前記調整高電圧直流バスと電子通信する非常用バッテリと、
をさらに備えた、請求項に記載の電力システム。
【請求項8】
第1のソーラーアレイ及び第1のバッテリを備えた第1の複数の電源からの電力を第1のコレクタバスによって受け取ることと、
前記第1のコレクタバスからの電力を未調整DCバスによって受け取ることと、
前記未調整DCバスからの電力を調整高電圧直流(HVDC)バスによって受け取ることであって、
第1の一方向DC/DCコンバータが、前記未調整DCバスと前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間において、第1の中間調整バスと直列に接続され、それにより前記未調整DCバスから前記調整高電圧直流(HVDC)バスへと電力が供給され、かつ、
第2の一方向DC/DCコンバータが、前記未調整DCバスと前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間において、第2の中間調整バスと直列に接続され、それにより前記未調整DCバスから前記調整高電圧直流(HVDC)バスへと電力が供給されるものにおいて、前記未調整DCバスからの電力を調整高電圧直流(HVDC)バスによって受け取ることと、
前記第1の一方向DC/DCコンバータおよび前記第2の一方向DC/DCコンバータを、前記第1の一方向DC/DCコンバータおよび前記第2の一方向DC/DCコンバータと電気的に接続された第1の中間負荷分担調整器によって調整することと、
前記調整高電圧直流(HVDC)バスからの電力を第1の電力分配器(PDU)によって受け取ることであって、
前記調整高電圧直流(HVDC)バスは、第1の負荷に電力を供給するように構成され、
前記第1の中間調整バス及び前記第2の中間調整バスが、前記調整高電圧直流(HVDC)バスに並列に接続されたものにおいて、前記調整高電圧直流(HVDC)バスからの電力を第1の電力分配器(PDU)によって受け取ることと、
第2のソーラーアレイ及び第2のバッテリを備えた第2の複数の電源からの電力を第2のコレクタバスによって受け取ることと、
前記第2のコレクタバスからの電力を前記未調整DCバスによって受け取ることと、
前記未調整DCバスからの電力を調整低電圧直流(LVDC)バスによって受け取ることと、
前記調整低電圧直流(LVDC)バスからの電力を、第2の電力分配器(PDU)によって受け取ることと、
を備え、
前記調整高電圧直流(HVDC)バスは、前記第1の電力分配器(PDU)を介して高電圧負荷に電力を供給するように構成された、負荷に電力を供給する方法であって、
非常用電源が、非常用バッテリ及び非常用スーパーキャパシタのうちの少なくとも1つを備え、
少なくとも1つの双方向DC/DCコンバータが、前記非常用電源と前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間に接続されており、それにより前記非常用電源と前記調整高電圧直流(HVDC)バスとの間で電力が伝送され、前記第1の電力分配器(PDU)が、前記調整高電圧直流(HVDC)バスを介して、前記非常用電源からの電力を受け取るように構成され、
前記第1の複数の電源が、第1のスーパーキャパシタをさらに備え、前記第2の複数の電源が、第2のスーパーキャパシタをさらに備えた、負荷に電力を供給する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電力システムに関し、より詳細には、宇宙航行体(space vehicle)のための電力システムの設計に関する。
【背景技術】
【0002】
宇宙航行体は、通常、宇宙航行体に搭載された様々な電子および/または電気機械装置に電力を供給するための電力システムを使用する。宇宙旅行の遠隔的性質のために、宇宙航行中に電気貯蔵能力が制限されることがある。電力システムの再生可能エネルギー源を提供するためにソーラーアレイ(solar arrays)が使用されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、宇宙航行体の安全な離陸、航行及び着陸を維持するために電力を負荷に供給する際の冗長性を提供することが可能な電力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態において、電力システム(EPS)が開示される。EPSは、第1のソーラーアレイ、第1のスーパーキャパシタ、及び第1のバッテリのうち少なくとも1つを含む第1の複数の電源と、第1の複数の電源から電力を受け取るように構成された第1のコレクタバスと、第1のコレクタバスから電力を受け取るように構成された未調整DCバスと、未調整DCバスから電力を受け取るように構成された調整高電圧直流(HVDC)バスと、調整HVDCバスから電力を受け取るように構成された第1の電力分配器(PDU)と、を備えることができる。調整HVDCバスは、第1の負荷に電力を供給するように構成される。
【0005】
様々な実施形態において、EPSは、第2のソーラーアレイ、第2のスーパーキャパシタ、及び第2のバッテリのうち少なくとも1つを含む第2の複数の電源と、第2の複数の電源から電力を受け取るように構成された第2のコレクタバスと、未調整DCバスから電力を受け取るように構成された調整低電圧直流(LVDC)バスと、調整LVDCバスから電力を受け取るように構成された第2の電力分配器(PDU)と、をさらに備えてもよく、未調整DCバスは、第2のコレクタバスから電力を受け取るように構成され、調整HVDCバスは、第1のPDUを介して、高電圧負荷に電力を供給するように構成される。EPSは、第1の複数の電源から第1のコレクタバスによって受け取られる電力を調整し、かつ第2の複数の電源から第2のコレクタバスによって受け取られる電力を調整するように構成された主負荷分担調整器をさらに備えることができる。第1のコレクタバス及び第2のコレクタバスは、並列に接続することができる。調整HVDCバスは、第1の中間調整バスと直列に接続された第1の一方向DC/DCコンバータ及び第2の中間調整バスと直列に接続された第2の一方向DC/DCコンバータを介して、未調整DCバスから電力を受け取るように構成されてもよく、第1の中間調整バス及び第2の中間調整バスは並列に接続されている。調整HVDCバスは、さらに、非常用バッテリ及び非常用スーパーキャパシタのうちの少なくとも1つを備える非常用電源から電力を受け取るように構成されてもよい。
【0006】
様々な実施形態において、EPSが開示される。EPSは、主負荷分担調整器と、主負荷分担調整器と電子通信する第1のコレクタバスと、第1の最大電力点追跡(MPPT)コンバータを介して第1のコレクタバスに電力を供給するように構成された第1のソーラーアレイと、第1の双方向DC/DCコンバータを介して、第1のコレクタバスと電子通信する第1のバッテリと、第1のコレクタバスと電子通信する未調整DCバスと、未調整DCバスと電子通信する第1の一方向DC/DCコンバータと、未調整DCバスと電子通信する第2の一方向DC/DCコンバータと、第1の一方向DC/DCコンバータおよび第2の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第1の中間負荷分担調整器と、第1の一方向DC/DCコンバータおよび第2の一方向DC/DCコンバータを調整するように構成された第1の中間負荷分担調整器と、第1の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第1の中間調整バスと、第1の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第2の中間調整バスと、を備え、第1の中間調整バスと第2の中間調整バスは並列に接続され、第1の中間調整バスと第2の中間調整バスの少なくとも一方から電力を受け取るように構成された調整高電圧直流(HVDC)バスと、を備えることができ、調整HVDCバスは第1の負荷に電力を供給するように構成される。
【0007】
様々な実施形態では、電力システム(EPS)は、主負荷分担調整器と電子通信し、かつ未調整DCバスと電子通信する第2のコレクタバスと、第2の最大電力点追跡(MPPT)コンバータを介して第2のコレクタバスに電力を供給するように構成された第2のソーラーアレイと、第2の双方向DC/DCコンバータを介して第2のコレクタバスと電子通信する第2のバッテリと、未調整DCバスと電子通信する第3の一方向DC/DCコンバータと、未調整DCバスと電子通信する第4の一方向DC/DCコンバータと、第3の一方向DC/DCコンバータ及び第4の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第2の中間負荷分担調整器と、第3の一方向DC/DCコンバータ及び第4の一方向DC/DCコンバータを調整するように構成された第2の中間負荷分担調整器と、第1の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第3の中間調整バスと、第1の一方向DC/DCコンバータと電子通信する第4の中間調整バスと、並列に接続された第1の中間調整バスと第2の中間調整バスと、第3の中間調整バスと第4の中間調整バスのうちの少なくとも1つから電力を受け取るように構成された調整低電圧直流(LVDC)バスと、を備えることができ、調整LVDCバスは、第2の負荷に電力を供給するように構成される。第1のコレクタバスと第2のコレクタバスは、並列に接続することができる。未調整DCバスは、第1のコレクタバスと直列に接続され、かつ第2のコレクタバスと直列に接続されてもよい。主負荷分担調整器は、第1のMPPTコンバータ、第2のMPPTコンバータ、第1の双方向DC/DCコンバータ、及び第2の双方向DC/DCコンバータを制御することができる。第1のコレクタバス、未調整DCバス、第1の一方向DC/DCコンバータ、第1の中間調整バス、及び調整HVDCバスは、直列に接続されてもよい。第1の一方向DC/DCコンバータと第2の一方向DC/DCコンバータは、並列に接続されてもよい。第1の負荷は高電圧負荷を備えることができ、第2の負荷は低電圧負荷を備えることができる。第1のバッテリは、第1の双方向DC/DCコンバータを介して第1のコレクタバスからの電力を受け取ること、および第1の双方向DC/DCコンバータを介して第1のコレクタバスへ電力を供給すること、のうち少なくとも一つを行うように構成されてもよい。EPSは、第3の双方向DC/DCコンバータを介して第1のコレクタバスからの電力を受け取ること、および第3の双方向DC/DCコンバータを介して電力を第1のコレクタバスに供給すること、のうち少なくとも一つを行うように構成された第1のコレクタバスと電子通信するスーパーキャパシタをさらに備えることができる。EPSは、第1の非常用双方向DC/DCコンバータを介して、調整HVDCバスからの電力を受け取ること、および第1の非常用双方向DC/DCコンバータを介して、調整HVDCバスへ電力を供給すること、のうち少なくとも1つを行うように構成された、調整HVDCバスと電子通信する非常用スーパーキャパシタをさらに備えることができる。EPSは、第2の非常用双方向DC/DCコンバータを介して、調整HVDCバスからの電力を受け取ること、および第2の非常用双方向DC/DCコンバータを介して、調整HVDCバスに電力を供給すること、のうち少なくとも一つを行うように構成された調整HVDCバスと電子通信する非常用バッテリをさらに備えることができる。
【0008】
様々な実施形態において、負荷に電力を供給する方法が開示される。電力を負荷に供給する方法は、第1の複数の電源からの電力を第1のコレクタバスによって受け取ることと、第2の複数の電源からの電力を第2のコレクタバスによって受け取ることと、主負荷分担調整器により、第1のコレクタバスによって受け取られた電力と第2のコレクタバスによって受け取られた電力を調整することと、並列に接続された第1のコレクタバス及び第2のコレクタバスのうちの少なくとも1つからの電力を未調整DCバスによって受け取ることと、調整高電圧直流(HVDC)バスによって未調整DCバスからの電力を受け取ることと、負荷によって調整HVDCバスから電力を受け取ることと、を含むことができる。
【0009】
様々な実施形態では、第1のコレクタバスによって、第1の複数の電源からの電力を受け取ることは、第1のソーラーアレイ、第1のバッテリ、及び第1のスーパーキャパシタの少なくとも1つから電力を受け取ることを含むことができる。第2のコレクタバスによって、第2の複数の電源からの電力を受け取ることは、第2のソーラーアレイ、第2のバッテリ、及び第2のスーパーキャパシタの少なくとも1つから電力を受け取ることを含むことができる。
【0010】
前述の特徴、要素、ステップ、または方法は、本明細書において特に明記されていない限り、排他的なものではない様々な結合で組み合わせることができる。開示された実施形態のこれらの特徴、要素、ステップまたは方法ならびに動作は、以下の説明及び添付図面に照らしてより明らかになるであろう。
【0011】
本開示の主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され明確に請求される。しかしながら、本開示のより完全な理解は、図面と関連して考慮される場合、詳細な説明及び請求項を参照することによって最良に得られ、同様の数字は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】様々な実施形態による、電力システム(EPS)の概略図である。
図2A】様々な実施形態による、単一の未調整直流(DC)バスに電力を供給するように構成された第1の複数の電源及び第2の複数の電源を有するEPSの概略図である。
図2B】様々な実施形態による、単一の未調整直流(DC)バスに電力を供給するように構成された第1の複数の電源及び第2の複数の電源を有するEPSの概略図である。
図3A】様々な実施形態による、単一の未調整DCバスに電力を供給するように構成された第1の複数の電源及び第2の複数の電源を有するEPSの概略図である。
図3B】様々な実施形態による、単一の未調整DCバスに電力を供給するように構成された第1の複数の電源及び第2の複数の電源を有するEPSの概略図である。
図4A】様々な実施形態による、単一の未調整DCバスに電力を供給する第1の複数の電源及び第2の複数の電源と、調整高電圧DCバスに電力を供給するように構成された非常用電源と、調整低電圧DCバスに電力を供給するように構成された非常用電源とを有するEPSの概略図である。
図4B】様々な実施形態による、単一の未調整DCバスに電力を供給する第1の複数の電源及び第2の複数の電源と、調整高電圧DCバスに電力を供給するように構成された非常用電源と、調整低電圧DCバスに電力を供給するように構成された非常用電源とを有するEPSの概略図である。
図5】様々な実施形態による、第1のソーラーアレイ及び第2のソーラーアレイによって供給される電力を調整するように構成された負荷分担調整器の概略図である。
図6】様々な実施形態による、第1のバッテリ及び第2のバッテリによって供給される電力を調整するように構成された負荷分担調整器の概略図である。
図7】様々な実施形態による、未調整DCバスに並列に接続された第1のDC/DCコンバータ及び第2のDC/DCコンバータの負荷分担調整器の概略図である。
図8】様々な実施形態による、負荷に電力を供給する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書における様々な実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照し、様々な実施形態を例示的に示す。これらの様々な実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分に詳細に記載されているが、他の実施形態が実現され、論理的、化学的及び機械的な変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく変更を加えることができる。したがって、本明細書中の詳細な説明は、例示のみを目的とするものであって、限定するものではない。例えば、方法またはプロセス記述のいずれかに列挙されたステップは、任意の順序で実行されてもよく、必ずしも提示された順序に限定されない。さらに、単数形への任意の言及は、複数の実施形態を備え、1つ以上の構成要素またはステップへの任意の言及は、単一の実施形態またはステップを備え得る。また、添付された、固定された、接続された、または同様のものへの任意の言及は、永久的、取り外し可能、一時的、部分的、完全および/または他の可能な任意の取り付けオプションを備えることができる。加えて、接点のない(または類似のフレーズ)任意の言及はまた、接点の減少または接点の最小化を備え得る。
【0014】
本明細書の詳細な説明において、「one embodiment(一実施形態)」、「an embodiment(実施形態)」、「various embodiments(様々な実施形態)」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を備え得ることを示すが、全ての実施形態は、必ずしも特定の特徴、構造、または特性を備えなくてもよい。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かの他の実施形態と関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内であることが提示される。説明を読んだ後、当業者(複数可)には代替実施形態で本開示をどのように実施するかが明らかであろう。
【0015】
システムプログラム命令および/またはコントローラ命令は、コントローラによる実行に応答してコントローラに様々な動作を実行させる命令が格納された非一時的な有形のコンピュータ可読媒体にロードすることができる。「non-transitory(非一時的)」という用語は、請求項の範囲から伝播する本質的に一時的な信号のみを除去し、本質的に一時的な信号そのものを伝達するだけではないすべての標準的なコンピュータ可読媒体に対する権利を放棄するものではないことが理解される。言い換えれば、「non-transitory computer-readable medium(非一時的コンピュータ可読媒体)」及び「non-transitory computer-readable storage medium(非一時的コンピュータ可読記憶媒体)」という用語の意味は、In Re Nuijtenに見出された一時的なコンピュータ可読媒体のそれらのタイプのみを排除すると解釈されるべきであり、35 U.S.C.§101の下で特許可能な主題の範囲外になる。
【0016】
本明細書で使用される「electronic communication(電子通信)」は、物理的結合(例えば、「electrical communication(電気通信)」または「electrically coupled(電気的に結合)」)を用いた、または物理的結合のない電磁場(例えば、「inductive communication(誘導通信)」または「inductively coupled(誘導結合された)」または「inductive coupling(誘導結合)」)を介した、電子信号の通信を意味する。これに関して、「electronic communication(電子通信)」という用語の使用には、「electrical communication(電気通信)」と「inductive communication(誘導通信)」の両方が含まれる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「connected(接続された)」または「coupled(結合された)」とは、「in electronic communication(電子通信する)」を意味する。本明細書で使用される「direct electronic communication(直接電子通信)」は、電線のような電力のための導管以外の「electronic communication(電子通信)」における中間装置なしの電子信号の通信を意味する。
【0018】
本明細書で説明する電力システムは、宇宙航行体の安全な離陸、航行及び着陸を維持するために電力を負荷に供給する際の冗長性を提供することができる。本明細書で説明するように、電力システムは、通常の動作中のパワーエレクトロニクスコンポーネントの電気的及び熱的ストレスを低減することができる。本明細書で説明する電力システムは、電力システムを過大にすることなく、急速な加速または再生などのアクチュエータの動作に典型的に関連する動的なピーク電力をサポートすることができる。
【0019】
図1を参照すると、様々な実施形態による電力システム(EPS)100が示されている。EPS100は、複数の電源(本明細書では第1の複数の電源とも呼ばれる)102を備えることができる。電源102は、ソーラーアレイ(本明細書では第1のソーラーアレイとも呼ばれる)104、バッテリ(本明細書では第1のバッテリとも呼ばれる)106、および/またはスーパーキャパシタ(本明細書では第1のスーパーキャパシタとも呼ばれる)108を備えることができる。ソーラーアレイ104は、太陽光発電システムを備えることができる。バッテリ106は、リチウムイオンバッテリを備えることができる。EPS100は、未調整(unregulated)DCバス120を備えることができる。電源102は、未調整直流(DC)バス120に電力を供給することができる。ソーラーアレイ104は、未調整DCバス120に電力を供給することができる。バッテリ106は、未調整DCバス120に電力を供給することができる。様々な実施形態において、未調整DCバス120は、バッテリ106に電力を供給することができる。ソーラーアレイ104は、例えば閾値未満の電荷のバッテリ106に応答して、未調整DCバス120を介してバッテリ106に電力を供給することができる。ソーラーアレイ104は、ソーラーアレイ104が太陽光を受け取っている間に、未調整DCバス120に電力を供給するソーラーアレイ104に応答して、未調整DCバス120を介してバッテリ106に電力を供給することができる。スーパーキャパシタ108は、未調整DCバス120に電力を供給することができる。様々な実施形態において、未調整DCバス120は、スーパーキャパシタ108に電力を供給することができる。例えば、ソーラーアレイ104は、未調整DCバス120を介してスーパーキャパシタ108に電力を供給することができる。
【0020】
様々な実施形態では、EPS100は、最大電力点追跡(maximum power point tracking, MPPT)コンバータ(本明細書では第1のMPPTコンバータとも呼ばれる)112、双方向DC/DCコンバータ(本明細書では第1の双方向DC/DCコンバータとも呼ばれる)114、及び双方向DC/DCコンバータ(本明細書では第2の双方向DC/DCコンバータとも称する)116を備えることができる。MPPTコンバータ112は、ソーラーアレイ104と未調整DCバス120との間に結合されてもよい。双方向DC/DCコンバータ114は、バッテリ106と未調整DCバス120との間に結合されてもよい。双方向DC/DCコンバータ116は、スーパーキャパシタ108と未調整DCバス120との間に結合されてもよい。様々な実施形態では、MPPTコンバータ112、双方向DC/DCコンバータ114、及び双方向DC/DCコンバータ116は、未調整DCバス120と直接電子通信で接続することができる。
【0021】
様々な実施形態では、EPS100は、一方向DC/DCコンバータ(本明細書では第1の一方向DC/DCコンバータとも称する)130及び調整高電圧直流(HVDC)バス140を備えることができる。したがって、未調整DCバス120は、一方向DC/DCコンバータ130を介して調整HVDCバス140に電力を供給することができる。未調整DCバス120は、一方向DC/DCコンバータ130を介して調整HVDCバス140に電力を供給することができる。一方向DC/DCコンバータ130は、未調整DCバス120と調整HVDCバス140との間に直列に接続することができる。様々な実施形態では、一方向DC/DCコンバータ130は、直接電子通信し、未調整DCバス120と調整HVDCバス140との間で直列に接続されてもよい。一方向DC/DCコンバータ130及び一方向DC/DCコンバータ230は、それぞれガルバニック絶縁(galvanically isolated)されていてもよい。
【0022】
様々な実施形態において、未調整DCバス120は、調整低電圧直流(LVDC)バス240に電力を供給することができる。未調整DCバス120は、一方向DC/DCコンバータ(本明細書では第3の一方向DC/DCコンバータと称する)230を介して、調整LVDCバス240に電力を供給できる。一方向DC/DCコンバータ230は、未調整DCバス120と調整LVDCバス240との間に直列接続されていてもよい。様々な実施形態において、一方向DC/DCコンバータ230は、直接電子通信して、未調整DCバス120と調整LVDCバス240との間に直列に接続することができる。
【0023】
様々な実施形態において、EPS100は、電力分配器(PDU)(本明細書では第1のPDUとも呼ばれる)150を備えることができる。様々な実施形態において、PDU150は、調整HVDCバス140と直接電子通信で接続されてもよい。PDU150は、調整HVDCバス140から負荷152に電力を分配する。PDU150は、電気ヒューズまたは回路遮断器を備えることができる。様々な実施形態において、EPS100は、PDU(本明細書では第2のPDUとも呼ばれる)250を含むことができる。様々な実施形態において、PDU250は、調整LVDCバス240と直接電子通信で接続されてもよい。PDU250は、調整LVDCバス240からの電力を負荷252に分配することができる。負荷152は、本明細書では第1の複数の負荷と呼ぶことができる。負荷252は、本明細書では第2の複数の負荷と呼ぶことができる。
【0024】
様々な実施形態では、EPS100は、PDU190を備えることができる。未調整DCバス120は、PDU190に電力を供給できる。様々な実施形態において、PDU190は、未調整DCバス120と直接電子通信で接続されてもよい。PDU190は、前記電力を様々な負荷192に向けることができる。様々な実施形態では、負荷192は、アクチュエータ、モータ、照明、または電力を受け取るように構成された任意の他の電子装置を備えることができる。
【0025】
図2A図2B図3A図3B図4A、及び図4Bを参照すると、図1に示されるのと同じ参照番号を付した要素は同じものを意図しており、明瞭化のために必ずしも繰り返して述べる必要はない。
【0026】
図2A及び図2Bを参照すると、様々な実施形態による、フェールセーフで頑強なアーキテクチャを備えたEPS200が示されている。EPS200は、図1を一時的に参照すると、EPS100と同様であってもよい。EPS200は、MPPTコンバータ112と未調整DCバス120との間に直列に接続された第1のコレクタバス118を備えることができる。第1のコレクタバス118は、MPPTコンバータ112を介してソーラーアレイ104から電力を受け取ることができる。第1のコレクタバス118は、双方向DC/DCコンバータ114を介してバッテリ106から電力を受け取ることができる。様々な実施形態において、バッテリ106は、第1のコレクタバス118を介してソーラーアレイ104から電力を受け取ることができる。
【0027】
様々な実施形態において、EPS200は、一方向DC/DCコンバータ(本明細書では第2の一方向DC/DCコンバータとも呼ばれる)132と、中間負荷分担調整器(intermediate load sharing regulator)(本明細書では第1の中間負荷分担調整器とも呼ばれる)134と、第1の中間調整バス136と、第2の中間調整バス138と、を備えることができる。一方向DC/DCコンバータ132は、未調整DCバス120から電力を受け取ることができる。中間負荷分担調整器134は、一方向DC/DCコンバータ130と電子通信することができ、かつ一方向DC/DCコンバータ132と電子通信できる。中間負荷分担調整器134は、一方向DC/DCコンバータ130から第1の中間調整バス136によって受け取られた電力を調整することができる。中間負荷分担調整器134は、一方向DC/DCコンバータ132から第2の中間調整バス138によって受け取られる電力を調整することができる。第1の中間調整バス136及び第2の中間調整バス138は、並列に構成されてもよい。調整HVDCバス140は、第1の中間調整バス136および/または第2の中間調整バス138から電力を受け取ることができる。
【0028】
図2A及び図2Bを連続して合せて参照すると、EPS200は、複数の電源(本明細書では第2の複数の電源とも呼ばれる)202と、第2のコレクタバス218と、を備えることができる。電源202は、ソーラーアレイ(本明細書では第2のソーラーアレイとも呼ばれる)204と、MPPTコンバータ(本明細書では第2のMPPTコンバータとも呼ばれる)212と、双方向DC/DCコンバータ(本明細書では第2の双方向DC/DCコンバータとも呼ばれる)214と、バッテリ(本明細書では第2のバッテリとも呼ばれる)206と、を備えることができる。電源202、MPPTコンバータ212、および双方向DC/DCコンバータ214は、電源102、MPPTコンバータ112、双方向DC/DCコンバータ114と、それぞれ同様であってもよい。
【0029】
様々な実施形態において、EPS200は、主負荷分担調整器201を備えることができる。主負荷分担調整器201は、MPPTコンバータ112、双方向DC/DCコンバータ114、MPPTコンバータ212、及び双方向DC/DCコンバータ214と電子通信することができる。主負荷分担調整器201は、ソーラーアレイ104及びバッテリ106から第1のコレクタバス118によって受け取られた電力を調整することができる。主負荷分担調整器201は、ソーラーアレイ204及びバッテリ206から第2のコレクタバス218によって受け取られる電力を調整することができる。様々な実施形態において、主負荷分担調整器201は、ソーラーアレイ104及びソーラーアレイ204からそれぞれバッテリ106及びバッテリ206によって受け取られる電力を調整することができる。
【0030】
様々な実施形態において、第2のコレクタバス218は、MPPTコンバータ212と未調整DCバス120との間に直列に接続されてもよい。第2のコレクタバス218は、MPPTコンバータ212を介してソーラーアレイ204から電力を受け取ることができる。第2のコレクタバス218は、双方向DC/DCコンバータ214を介してバッテリ206から電力を受け取ることができる。様々な実施形態において、バッテリ206は、第2のコレクタバス218を介してソーラーアレイ204から電力を受け取ることができる。第1のコレクタバス118及び第2のコレクタバス218は、並列に接続することができる。
【0031】
様々な実施形態において、EPS200は、一方向DC/DCコンバータ(本明細書では第3の一方向DC/DCコンバータとも呼ばれる)230と、一方向DC/DCコンバータ(本明細書では第4の一方向DC/DCコンバータとも呼ばれる)232と、中間負荷分担調整器(本明細書では第2の中間負荷分担調整器とも呼ばれる)234と、第3の中間調整バス236と、及び第4の中間調整バス238と、を備えることができる。一方向DC/DCコンバータ230は、未調整DCバス120から電力を受け取ることができる。一方向DC/DCコンバータ232は、未調整DCバス120から電力を受け取ることができる。中間負荷分担調整器234は、一方向DC/DCコンバータ230と電子通信し、かつ一方向DC/DCコンバータ232と電子通信することができる。中間負荷分担調整器234は、一方向DC/DCコンバータ230から第3の中間調整バス236によって受け取られた電力を調整することができる。中間負荷分担調整器234は、一方向DC/DCコンバータ232から第4の中間調整バス238によって受け取られた電力を調整することができる。第3の中間調整バス236及び第4の中間調整バス238は、並列でもよい。調整LVDCバス240は、第3の中間調整バス236および/または第4の中間調整バス238から電力を受け取ることができる。
【0032】
図3A及び図3Bを合わせて参照し、図2A及び図2Bを一時的に参照すると、EPS300は、EPS200と同様であってもよい。EPS300は、スーパーキャパシタ108及び双方向DC/DCコンバータ(本明細書では第3の双方向DC/DCコンバータとも呼ばれる)116を備えることができる。双方向DC/DCコンバータ116は、主負荷分担調整器201と電子通信することができる。主負荷分担調整器201は、双方向DC/DCコンバータ116を調整することができる。スーパーキャパシタ108は、第1のコレクタバス118に電力を供給できる。スーパーキャパシタ108は、第1のコレクタバス118を介してソーラーアレイ104から電力を受け取ることができる。
【0033】
EPS300はスーパーキャパシタ(本明細書では第2のスーパーキャパシタとも呼ばれる)208及び双方向DC/DCコンバータ(本明細書では第4の双方向DC/DCコンバータとも呼ばれる)216を備えることができる。双方向DC/DCコンバータ216は、主負荷分担調整器201と電子通信することができる。主負荷分担調整器201は、双方向DC/DCコンバータ216を調整することができる。スーパーキャパシタ208は、第2のコレクタバス218に電力を供給することができる。スーパーキャパシタ108は、第2のコレクタバス218を介してソーラーアレイ104から電力を受け取ることができる。
【0034】
図4A及び図4Bを合わせて参照し、図3A及び図3Bを一時的に参照すると、EPS400は、EPS300と同様であってもよい。EPS400は、非常用電源490を備えることができる。非常用電源490は、バッテリ406及びスーパーキャパシタ408を備えることができる。バッテリ406及びスーパーキャパシタ408は、図3Aを一時的に参照すると、バッテリ106及びスーパーキャパシタ108と同様であってもよい。調整HVDCバス140は、電源490から電力を受け取ることができる。双方向DC/DCコンバータ414は、バッテリ406と調整HVDCバス140との間に結合されてもよい。双方向DC/DCコンバータ416は、スーパーキャパシタ408と調整HVDCバス140との間に結合されてもよい。様々な実施形態において、電源490は、例えば電源490を充電するために、調整HVDCバス140から電力を受け取ることができる。電源490は、調整HVDCバス140が負荷152を動作させるために未調整DCバス120から十分な電力を受け取らないことに応答して、調整HVDCバス140に電力を供給するように構成されてもよい。様々な実施形態において、負荷152は、高電圧負荷を備えることができる。
【0035】
EPS400は、非常用電源491を備えることができる。非常用電源491は、バッテリ407及びスーパーキャパシタ409を備えることができる。図3Bを一時的に参照すると、バッテリ407及びスーパーキャパシタ409は、バッテリ206及びスーパーキャパシタ208と同様であってもよい。調整LVDCバス240は、電源491から電力を受け取ることができる。双方向DC/DCコンバータ415は、バッテリ407と調整LVDCバス240との間に接続されてもよい。双方向DC/DCコンバータ417は、スーパーキャパシタ409と調整LVDCバス240との間に結合されてもよい。様々な実施形態において、電源491は、例えば、電源491を充電するために、調整LVDCバス240から電力を受け取ることができる。電源491は、調整LVDCバス240が負荷252を動作させるために未調整DCバス120から十分な電力を受け取らないことに応答して、調整LVDCバス240に電力を供給するように構成されてもよい。様々な実施形態において、負荷252は、低電圧負荷を備えることができる。
【0036】
図5を参照すると、様々な実施形態によるソーラーアレイ104及びソーラーアレイ204と電子通信する負荷分担調整器501の概略図が示されている。様々な実施形態において、図2Aを一時的に参照すると、主負荷分担調整器201は、負荷分担調整器501と同様であってもよい。主負荷分担調整器501は、ソーラーアレイ104及びソーラーアレイ204から受け取った電力を調整して、未調整DCバス120によって受け取られたソーラーアレイ104及びソーラーアレイ204の出力電流を平衡させることができる。より具体的には、負荷分担調整器501は、MPPTコンバータ112からの電流出力およびMPPTコンバータ212からの電流出力を制御することができる。MPPTコンバータ112とMPPTコンバータ212との間の平均電流出力は、MPPTコンバータ112とMPPTコンバータ212の実際の電流出力から減算されて、第1の比例積分(PI)コントローラ510に送られる第1の誤差信号と、第2のPIコントローラ512に送られる第2の誤差信号とを生成する。第1のPIコントローラ510及び第2のPIコントローラ512は、次いで、それぞれ、第1のデューティサイクル信号502及び第2のデューティサイクル信号503を出力することができる。第1のデューティサイクル信号502は、対応するパルス幅変調器(PWM)コントローラによって使用されるMPPTコンバータ112に含まれる加算ブロックによって受け取ることができる。第2のデューティサイクル信号503は、対応するPWMコントローラによって使用されるMPPTコンバータ212に含まれる加算ブロックによって受け取ることができる。これに関して、負荷電流が制御される。
【0037】
図6を参照すると、様々な実施形態による、バッテリ106及びバッテリ206と電子通信する負荷分担調整器601の概略図が示されている。様々な実施形態において、図2Aを一時的に参照すると、主負荷分担調整器201は、負荷分担調整器601と同様であってもよい。負荷分担調整器601は、バッテリ106及びバッテリ206から受け取った電力を調整して、未調整DCバス120によって受け取られた双方向DC/DCコンバータ114及び双方向DC/DCコンバータ214の出力電流を平衡させることができる。双方向DC/DCコンバータ114及び双方向DC/DCコンバータ214の間の平均電流出力は、双方向DC/DCコンバータ114及び双方向DC/DCコンバータ214の実際の電流出力から減算されてもよく、第1のPIコントローラ610に送られる第1の誤差信号及び第2のPIコントローラ612に送られる第2の誤差信号を生成する。PIコントローラ610及びPIコントローラ612は、次いで、調整電圧基準602及び調整電圧基準603をそれぞれ出力することができる。調整電圧基準602及び調整電圧基準603は、双方向DC/DCコンバータ114及び双方向DC/DCコンバータ214によってそれぞれ受け取られてもよい。電圧基準604は、未調整DCバス120と電子通信する電圧センサ606から受け取られる。判定ブロック608は、電圧センサ606からの電圧基準604の使用を示すことができる。判定ブロック608は、未調整DCバス120の電圧が閾値を下回ったことに応答して、最適電圧基準609からの電圧基準604の使用を示すことができる。これに関して、負荷分担調整器601は、未調整DCバス120の電圧が閾値を下回ることに応答して、バッテリ106及びバッテリ206から電力を引き出すことができる。これに関して、負荷電流が制御される。
【0038】
図7を参照すると、DC/DCコンバータ730及びDC/DCコンバータ732と電子通信する負荷分担調整器701の概略図が、様々な実施形態に従って示されている。様々な実施形態において、DC/DCコンバータ730及びDC/DCコンバータ732は、図2Aを一時的に参照すると、それぞれ、一方向DC/DCコンバータ130及び一方向DC/DCコンバータ132と同様であってもよい。様々な実施形態において、DC/DCコンバータ730及びDC/DCコンバータ732は、図2Bを一時的に参照すると、それぞれ、一方向DC/DCコンバータ230及び一方向DC/DCコンバータ232と同様であってもよい。負荷分担調整器701は、DC/DCコンバータ730及びDC/DCコンバータ732を介して、未調整DCバス120から受け取った電力を調整して、調整DCバス740によって受け取られたDC/DCコンバータ730及びDC/DCコンバータ732の出力電流を平衡させることができる。様々な実施形態において、調整HVDCバス140は、図2Aを一時的に参照すると、調整DCバス740に類似していてもよい。様々な実施形態では、調整LVDCバス240は、図2Bを一時的に参照すると、調整DCバス740と同様であってもよい。様々な実施形態では、電圧基準704は、調整HVDCバス140の所望の値、例えば270ボルトを備えることができる。様々な実施形態では、電圧基準704は、調整LVDCバス240の所望の値、例えば28ボルトを備えることができる。
【0039】
図8を参照すると、様々な実施形態に基づき、負荷に電力を供給する方法800が示されている。方法800は、第1の複数の電源から電力を受け取ることを含む(ステップ810)。方法800は、第2の複数の電源から電力を受け取ることを含む(ステップ820)。方法800は、第1のコレクタバス及び第2のコレクタバスによって受け取られた電力を調整することを含む(ステップ830)。方法800は、第1のコレクタバスおよび/または第2のコレクタバスから電力を受け取ることを含む(ステップ840)。方法800は、未調整DCバスから電力を受け取ることを含む(ステップ850)。方法800は、調整バスから電力を受け取ることを含む(ステップ860)。
【0040】
図3A図3B及び図8を合わせて参照すると、ステップ810は、第1の複数の電源102から、第1のコレクタバス118によって、電力を受け取ることを含むことができる。ステップ820は、第2の複数の電源202から電力を、第2のコレクタバス218によって、受け取ることを含むことができる。ステップ830は、第1のコレクタバス118によって受け取られた電力及び第2のコレクタバス218によって受け取られた電力を主負荷分担調整器201によって調整することを含むことができる。ステップ840は、未調整DCバス120によって、第1のコレクタバス118及び第2のコレクタバス218の少なくとも1つから電力を受け取ることを含むことができる。ステップ850は、調整HVDCバス140によって、未調整DCバス120からの電力を受け取ることを含むことができる。ステップ850は、調整LVDCバス240によって未調整DCバス120からの電力を受け取ることを含むことができる。ステップ860は、負荷152によって調整HVDCバス140から電力を受け取ることを含むことができる。ステップ860は、負荷252によって調整LVDCバス240から電力を受け取ることを含むことができる。様々な実施形態では、負荷252は低電圧負荷を備えることができる。
【0041】
特定の実施形態に関して、利益、他の利点、及び問題に対する解決策を本明細書で説明した。さらに、本明細書に含まれる様々な図に示される接続線は、様々な要素間の様々な機能的関係および/または物理的結合を表すことが意図されている。実際のシステムには、多くの代替的または追加の機能的関係または物理的接続が存在し得ることに留意されたい。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、及び利益、利点、または解決策を生じさせるまたは顕在化させる可能性のあるいくつかの要素は、本発明の重要な、必須の、または本質的な特徴または要素と解釈されるべきではない。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲以外に限定されるものではなく、単数の要素への言及は、明示的に記載されない限り、「one and only one(1つ及び1つだけ)」を意味するものではなく、むしろ「one or more(1つ以上)」を意味する。さらに、「at least one of A,B,or C(A、B、またはCの少なくとも1つ)」と同様のフレーズが特許請求の範囲で使用される場合、そのフレーズはAのみが一実施形態に存在してもよく、Bのみが一実施形態では存在してもよく、Cのみが一実施形態で存在してもよく、または要素A、B及びCの任意の組み合わせ、例えば、A及びB、A及びC、B及びC、またはA及びBならびにCが、単一の実施形態で存在してもよいことを意味すると意図的に解釈される。異なる部分を示すために異なるクロスハッチングが図面全体にわたって用いられているが、必ずしも同じまたは異なる材料を示さない。
【0042】
さらに、本開示における要素、構成要素、または方法のステップは、要素、構成要素または方法のステップが請求項に明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げることを意図していない。非請求要素は、要素が「means for(手段)」の句を使用して明示的に記載されていない限り、35 U.S.C.112(f)を発動することを意図しない。本明細書で使用される場合、用語「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、またはその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーするように意図されており、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素を備えるだけはなく、明示的に列挙されていないか、そのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の他の要素を備え得る。
【符号の説明】
【0043】
100…電力システム(EPS)
102…電源
120…未調整(unregulated)DCバス
140…調整高電圧直流(regulated HVDC)バス
240…調整低電圧直流(regulated LVDC)バス
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8