(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】決済端末、決済処理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20220415BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/01 301C
G07G1/01 311
(21)【出願番号】P 2018036654
(22)【出願日】2018-03-01
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴 敬介
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-128843(JP,A)
【文献】特開2017-068321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-10/10,
30/00-30/08,
50/00-50/20,
50/26-99/00
G07F 5/00- 9/10
G06K 7/00- 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金額を決定する複数の上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う決済端末であって、
前記上位端末との接続状況に応じた音の報知において、接続する前記上位端末に対応付けられた音を報知する報知部と、
前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、
前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、
前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、
を備える決済端末。
【請求項2】
金額を決定する複数の上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う決済端末であって、
前記上位端末との接続状況に応じて音を報知する報知部と、
前記音による報知がされていることを示し、かつ接続する前記上位端末ごとに異なる情報、及び前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、
前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、
前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、
を備える決済端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記所定のキーの入力を受け付けることにより、前記報知部の前記音の報知を停止するように制御する
請求項1又は請求項2に記載の決済端末。
【請求項4】
金額を決定する複数の上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う決済端末であって、
前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、
接続する前記上位端末に対応する認証情報と共に、前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、
前記入力された認証情報が正しいか否かを判定し、正しい場合に前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、
を備える決済端末。
【請求項5】
前記制御部は、入力された前記認証情報が正しくなかった場合、正しい前記認証情報の入力を促す情報を表示部に表示するように制御する請求項
4に記載の決済端末。
【請求項6】
前記上位端末との通信が開始されてから、前記上位端末との連動が開始されるまで、前記上位端末に関する情報を前記表示部の画面に表示する請求項1~
5の何れか1項に記載の決済端末。
【請求項7】
金額を決定する複数の上位端末と、前記上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う複数の決済端末と、決済を実行する情報処理センタとを備える決済処理システムであって、
前記決済端末は、
前記上位端末との接続状況に応じた音の報知において、接続する前記上位端末に対応付けられた音を報知する報知部と、
前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、
前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、
前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、
を備える決済処理システム。
【請求項8】
金額を決定する複数の上位端末と、前記上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う複数の決済端末と、決済を実行する情報処理センタとを備える決済処理システムであって、
前記決済端末は、
前記上位端末との接続状況に応じて音を報知する報知部と、
前記音による報知がされていることを示し、かつ接続する前記上位端末ごとに異なる情報、及び前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、
前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、
前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、
を備える決済処理システム。
【請求項9】
金額を決定する複数の上位端末と、前記上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う複数の決済端末と、決済を実行する情報処理センタとを備える決済処理システムであって、
前記決済端末は、
前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、
接続する前記上位端末に対応する認証情報と共に、前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、
前記入力された認証情報が正しいか否かを判定し、正しい場合に前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、
を備える決済処理システム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の決済端末の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済端末、決済処理システム、及びプログラムに係り、特に、上位端末と無線により連動した決済端末で決済するための決済端末、決済処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、クレジット等の決済をする決済端末が、金額を入力する上位端末(POSなど)と連動する決済処理システムがある。
【0003】
また、決済端末と複数の接続装置とを組み合わせて使用する決済処理システムがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の決済処理システムにおいて、決済を行う際は決済端末と上位端末とは1対1の組み合わせで使用されることが想定されていた。例えば、
図10に示すように、同一店舗内に一台の上位端末と一台の決済端末が存在する場合である。しかし、同一店舗内に複数台の上位端末と複数台の決済端末が存在し、上位端末が任意の決済端末に接続可能な構成の場合、いずれの決済端末に接続されたかを判別することが困難である、という問題があった。
【0006】
例えば、
図1に示すように、上位端末のPOS(Point of Sale)端末が3台、決済端末が3台といった複数の端末によって構成される店舗において、上位端末が任意の決済端末に接続した場合、複数の決済端末が存在することから、全ての決済端末の接続状況を確認しなければならず、いずれの決済端末に接続されたかを判別することが困難な状況であった。また、判別が困難なため、接続された決済端末が複数同時にあった場合には、決済端末を取り違えてしまい、指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されてしまう事態が生じうるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる決済端末、決済処理システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る決済端末は、金額を決定する複数の上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う決済端末であって、前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、を備える。
【0009】
この発明によれば、上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示することにより、上位端末と接続した決済端末を、端末の操作者が識別及び確認した上で決済端末の連動を開始するため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0010】
また、前記決済端末において、前記上位端末との接続状況に応じて音を報知する報知部、を更に含むようにしてもよい。
【0011】
この発明によれば、上位端末との接続状況に応じて音を報知することで、上位端末といずれの決済端末が接続したのかが特定され、上位端末と決済端末との接続状況を把握しやすくなるため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0012】
また、前記決済端末において、前記制御部は、前記所定のキーの入力を受け付けることにより、前記報知部の前記音の報知を停止するように制御するようにしてもよい。
【0013】
この発明によれば、所定のキーを受け付けることで、上位端末といずれの決済端末が接続したのかを端末の操作者が確実に特定して、上位端末と決済端末との接続状況を把握するため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0014】
また、前記決済端末において、前記報知部は、接続する前記上位端末に対応付けられた音を報知するようにしてもよい。
【0015】
この発明によれば、上位端末に対応付けられた音を報知することで、決済端末側でいずれの上位端末からの接続があったかを把握できるため、上位端末と決済端末との接続関係を特定することができる。
【0016】
また、前記決済端末において、前記入力部は、接続する前記上位端末に対応する認証情報と共に、前記所定のキーの入力を受け付け、前記制御部は、前記入力された認証情報が正しいか否かを判定し、正しい場合に前記上位端末との連動を開始するように制御するようにしてもよい。
【0017】
この発明によれば、認証情報によって上位端末との連動を開始するように制御するため、端末の操作者が上位端末で指定した決済端末を特定した上で決済を開始するため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0018】
また、前記決済端末において、前記制御部は、入力された前記認証情報が正しくなかった場合、正しい前記認証情報の入力を促す情報を表示部に表示するように制御するようにしてもよい。
【0019】
この発明によれば、認証情報が誤っていた場合に再入力を促すことで、端末の操作者が上位端末で指定した決済端末を誤認したとしても、改めて上位端末の認識情報を特定した上で決済を開始するため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0020】
また、前記決済端末において、前記上位端末との通信が開始されてから、前記上位端末との連動が開始されるまで、前記上位端末に関する情報を前記表示部の画面に表示するようにしてもよい。
【0021】
この発明によれば、上位端末に関する情報を連動が開始するまで表示することで、端末の操作者がいずれの上位端末と接続したのかを確認した上で決済を開始することができるため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0022】
また、本発明に係る決済処理システムは、金額を決定する複数の上位端末と、前記上位端末のいずれかと通信により接続して前記決定された金額の決済に関する処理を行う複数の決済端末と、決済を実行する情報処理センタとを備える決済処理システムであって、前記決済端末は、前記上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示する表示部と、前記接続に対する所定のキーの入力を受け付ける入力部と、前記所定のキーの入力に基づいて前記上位端末との連動を開始するように制御する制御部と、を備える。
【0023】
この発明によれば、上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示することにより、上位端末と接続した決済端末を、端末の操作者が識別及び確認した上で決済端末の連動を開始するため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0024】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、本発明の決済端末の各部として機能させるためのプログラムである。
【0025】
この発明によれば、上位端末との接続の確認を促す情報を画面に表示することにより、上位端末と接続した決済端末を、端末の操作者が識別及び確認した上で決済端末の連動を開始するため、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施の形態に係る決済処理システムの一例を示す図であり、同一店舗内に複数台の上位端末と複数台の決済端末が存在する場合の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る上位端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る決済端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る情報処理センタの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態に係る決済処理システムにおける決済処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【
図6】上位端末と決済端末との連動状況に応じた決済端末の画面表示の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施の形態に係る決済処理システムにおける決済処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【
図8】上位端末と決済端末との認証に関する画面表示の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第3の実施の形態に係る決済処理システムにおける決済処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【
図10】同一店舗内に一台の上位端末と一台の決済端末が存在する場合の決済処理システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
<本発明の第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る決済処理システムの構成について説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る決済処理システム100は、機能的には
図1に示すように、複数の上位端末12と、複数の決済端末14とが同一店舗内でWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)といった無線通信により接続され、決済端末14が無線通信によりインターネット等のネットワーク3を介して情報処理センタ16と接続される。以下では、複数の上位端末12のうちの一つの上位端末12、複数の決済端末14のうちの一つの決済端末14について説明する。
【0030】
上位端末12は、クレジットやデビッドの売上、取消といった業務内容の選択や、顧客の商品の金額等の取引内容を入力するPOS端末等の装置である。また、上位端末12は、店舗内、又は本社等に設置されている管理サーバ(図示省略)と接続され通信が可能となっている。
【0031】
決済端末14は、上位端末12のいずれかと無線通信により接続して決済に関する処理を行う装置である。例えば、クレジットカードやデビットカード、電子マネーに対応したICカードなどのカード情報を読み取って決済に関する決済情報を取得する。また、決済端末14は、上位端末12と連動した際に、上位端末に対応付けられた音が報知される。また、音を報知した際に確認キーの入力が促され、確認キーが入力される。また、決済端末14は、商品に係る決済前に実行キーが入力される。また、決済端末14は、決済された伝票の印字を行う。なお、確認キーが所定のキーの一例である、また、確認キーや実行キーは同一のものであってもよい。また、所定のキーは、確認キーという固定のキーではなく、別途、ボタンやキーを用意してもよい。
【0032】
図2は、本実施の形態における上位端末12の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、上位端末12は、制御部202と、記憶部204と、通信部206と、表示部208と、入力部210と、スピーカ部212と、プリンタ部214とを含んで構成される。
【0033】
制御部202は、CPU(Central Processing Unit)を備え、上位端末12全体を制御する。記憶部204は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を備え、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部204は、自端末の個体識別番号や、店舗内での自端末のレジ番号、端末使用者の使用者IDなどの必要な情報を記憶する。個体識別番号は、上位端末12に割り振られている固有の番号、又はアルファベットなどの記号により構成されるIDである。レジ番号は、店舗内で割り振られた連番の番号、又はアルファベットなどの記号により構成されるIDである。使用者IDは、上位端末12を使用する端末使用者に対して予め登録されたIDである。個体識別番号、レジ番号、又は使用者IDを上位端末IDとして使用する。通信部206は、Wi-Fi等の無線通信により、決済端末14と通信する。表示部208は、LCD(Liquid Crystal Display)であり、種々の情報を表示する。入力部210は、金額の入力や端末使用者の認証キーなどを受け付ける。スピーカ部212は、通知などの音やアナウンスなどの音声を出力するスピーカである。プリンタ部214は伝票を印字するプリンタである。
【0034】
図3は、本実施の形態における決済端末14の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、決済端末14は、制御部302と、記憶部304と、通信部306と、カード読取部308と、表示部310と、入力部312と、ブザー部314と、プリンタ部316とを含んで構成される。
【0035】
制御部302は、CPUを備え、決済端末14全体を制御する。記憶部304は、上位端末12から受け付けた上位端末IDを記憶する。また、記憶部304は、決済に関わるカード情報などを一時的に記憶する。カード情報は、例えば、クレジットカードやデビットカード、ICカードのカード番号、及び暗証番号などである。また、記憶部304は、上位端末IDに対応した音を上位端末IDごとに記憶する。音は、例えばブザー音、メロディ、又は音声を記憶する。通信部306は、Wi-Fi等の無線通信により、上位端末12、及び情報処理センタと通信する。カード読取部308は、クレジットカードからカード情報を読み取る磁気カードリーダやICカードリーダなどの読取部である。表示部310は、LCDであり、種々の情報を表示する。表示部310が表示する情報は、例えば、上位端末12との連動状況や、上位端末12の個体識別番号である上位端末IDなどである。入力部312は、暗証番号を入力するための、数字や記号を表すボタンや確認キー、実行キーなどを入力するキーパッドである。ブザー部314は、通知などの音やアナウンスなどの音声を出力するブザー、又はスピーカである。ブザー部314は、上位端末12との接続状況に応じて、例えば上位端末12と接続されたことを知らせる音を報知する。また、報知する音は、記憶部304に記憶されている上位端末12に対応する音(例えば、ブザー音、メロディ、音声など)を用いてもよい。プリンタ部316は、購入商品に係る伝票を印字するプリンタである。また、プリンタ部316での印字内容を、上位端末12に送信し、プリンタ部214で印字することも可能である。なお、上位端末を特定するための情報の一例が上位端末IDである。また、報知部の一例がブザー部314である。
【0036】
情報処理センタ16は、決済端末14から決済要求を受け付け、決済を実行するサーバ装置である。
【0037】
図4は、本実施の形態における情報処理センタ16の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、情報処理センタ16は、通信部402と、決済端末認証部404と、決済情報管理部406と、決済端末メンテナンス部408と、カード決済サービスセンタ中継部410とを備える。
【0038】
通信部402は、ネットワーク3を介して決済端末14と通信する。決済端末認証部404は、IDやパスワード等を用いて決済端末14を認証する。決済情報管理部406は、決済端末14から受信したカード情報に基づいて決済処理を実行する。カード情報は、例えば、カード番号、及び暗証番号といった決済に必要な情報である。決済端末メンテナンス部408は、情報処理センタ16にアクセスする決済端末14のメンテナンスを行う。例えば、決済端末メンテナンス部408は、メンテナンスとして、不正操作した決済端末14を一時的に利用不可にする。カード決済サービスセンタ中継部410は、クレジットカード会社等のサーバ装置と接続してクレジットカードによる決済処理を実行する。
【0039】
次に、本発明の第1の実施の形態の処理シーケンスについて
図5を参照して説明する。なお、以下の処理シーケンスでは、複数の上位端末12のうちの一つの上位端末と、複数の決済端末14のうちの一つの決済端末とが通信するものとして説明する。
【0040】
まず、S100で、上位端末12は、入力部210で金額の入力を受け付ける。ここでは、バーコード等で読み込まれた金額が自動的に入力されるものとする。
【0041】
S102で、上位端末12は、クレジット売上等の決済種別の選択を受け付ける。決済種別は、現金、クレジットカード、デビットカード、及び電子マネーのICカードなどを選択でき、本実施の形態では、クレジットカードを選択したものとする。
【0042】
S103で、上位端末12は、連動する決済端末14を指定する。
【0043】
なお、S103における決済端末14を指定する方法については、上位端末12において、その時使用可能な決済端末14の識別情報を表示させ従業員に選択させる方法や、上位端末12において連動対象となる複数台分の決済端末14の識別情報を優先順位と共に記憶しておき、その優先順位に応じて、決済端末14の中から現在使用可能な決済端末14を自動的に指定する方法等が考えられるが、どのような方法を採用してもよい。また、上位端末12において、連動開始要求の直前、又は送信後のタイミングで、上位端末12の表示部208の画面において、例えば「接続中 決済端末IDxxx」のような表示をさせてもよい。
S104で、上位端末12は、S103で指定した決済端末14へ、連動開始要求を送信する。この際、上位端末IDを決済端末14に通知する。
【0044】
S106で、決済端末14は、別の上位端末12と連動していない状態であれば、ブザー部314により、上位端末12と接続されたことを知らせる音を報知すると共に、表示部308の画面に、接続の確認を促す情報を表示する。音による報知がされていることは、例えば、
図6(B)に示すように、接続中、上位端末IDの表示と共に、上位端末12に対応する音が報知されていることを「★★★★★」といった記号で表す。また、接続の確認を促す情報は、「確認キーをどうぞ。」といった表示を表示部310の画面に表示する。「★★★★★」の表示は上位端末12に対応する音ごとに異なっていてもよく「●●●●●」や「▲▲▲▲▲」でもよい。なお、決済端末14は、別の上位端末12と連動している状態であれば、連動開始応答をしないものとする。そのため上位端末12は、連動開始応答が無ければ、他の決済端末14を指定して連動開始要求を送信する。また、決済端末14は、上位端末12との連動が開始されるまでは、
図6(A)に示すような待機中の表示を表示部310の画面に表示している。
【0045】
S108で、決済端末14は、入力部312にある確認キーの入力を受け付ける。決済端末14は確認キーの入力を受け付けることにより音を停止し、上位端末12との連動を開始する。
【0046】
S110で、決済端末14は、上位端末12に連動開始応答をする。
【0047】
S112で、決済端末14は、
図6(C)に示すような連動中の文字を表示部310の画面に表示する。なお、以下、連動が終了するまで、画面にS104で通知された上位端末IDを表示させてもよい。
【0048】
S114で、上位端末12は、決済端末14に決済開始要求を送信する。
【0049】
S116で、決済端末14は、取引開始画面として、
図6(D)に示すように、取引開始の表示を表示部310の画面に表示し、取引開始を実行させるよう、処理を促す。
【0050】
S118で、決済端末14は、カード読取部308により、クレジットカードのカード情報を読み取る。
【0051】
S120で、決済端末14は、入力部312からカード利用者が暗証番号を入力操作することにより、カード情報としてクレジットカードの暗証番号を受け付ける。
【0052】
S122で、決済端末14は、情報処理センタ16にカード情報を含む決済要求を送信する。
【0053】
S124で、情報処理センタ16は、カード情報に基づいて、決済処理を実行する。決済処理は、情報処理センタ16がカード会社のサーバ装置(図示省略)と通信して、カード情報に基づいて決済処理が行われる。
【0054】
S126で、情報処理センタ16は、決済端末14に決済端末に決済応答を送信する。
【0055】
S128で、決済端末14は、購入商品に係る決済の伝票印字を実行する。なお、伝票印字を上位端末12側で実行する場合は、決済応答を上位端末12に通知し、上位端末12側で伝票印字を実行する。
【0056】
S130で、決済端末14から上位端末12へ決済完了応答を送信する。
【0057】
S132で、決済端末14は、連動中画面として、
図6(E)に示すような連動中の表示を表示部310の画面に表示する。
【0058】
S134で、上位端末12から決済端末14へ終了要求を送信する。
【0059】
S136で、決済端末14から上位端末12へ終了応答を送信し、上位端末12との連動状態を解除する。また、上位端末12との連動が解除されたことにより、
図6(F)に示すような待機中の表示に表示部310の画面が切り替わる。
【0060】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る決済処理システムによれば、上位端末との接続状況に応じて、上位端末に対応する音を報知する。これにより、複数の上位端末と、複数の決済端末とが同一店舗内にある構成において、上位端末と決済端末の接続関係を特定することができる。このように端末の操作者が、接続された上位端末を決済端末の音によって識別及び確認できる。これにより、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0061】
<本発明の第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る決済処理システムについて説明する。なお、第2の実施の形態の構成は上記
図1に示す第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0062】
第2の実施の形態では、確認キーの入力だけでなく、認証データを用いた認証を行う点が第1の実施の形態と異なっている。
【0063】
第2の実施の形態の処理シーケンスについて
図7を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同様となる箇所については同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
S104で、上位端末12は、連動する決済端末14を上位端末12で指定し、指定した決済端末14へ、連動開始要求を送信すると、以下のS200を開始する。
【0065】
S200で、決済端末14は、別の上位端末12と連動していない状態であれば、決済端末14は、表示部308の画面に、認証データの入力を促す情報を画面に表示する。認証情報は、例えば、
図8(A)に示すように、接続中、上位端末IDの表示と共に、「認証データ入力後、確認キーをどうぞ。」といった認証データの入力を促す表示を表示部310の画面に表示する。
【0066】
S202で、決済端末14は、入力部312のキーパッドから認証データの入力、及び認証データの入力に対する確認キーの入力を受け付ける。認証データは、入力部310のキーパッドにより入力可能な数字、記号である。なお、認証データが認証情報の一例である。
【0067】
S204で、決済端末14は、S202で受け付けた認証データが正しいかを判定し、正しい場合にはS206へ移行し、正しくない場合にはS208へ移行する。
【0068】
S206では、決済端末14は、認証が成功したことを表示部310の画面に表示し、S110に移行する。認証の成功は、例えば
図8(B)に示すように、「認証OK」といった表示を表示部310の画面に表示する。
【0069】
S208で、決済端末14は、認証が失敗したことを表示部310の画面に表示し、S202に移行する。認証の失敗は、例えば
図8(C)に示すように、「認証エラー」の表示と共に認証データの再入力を促す表示を表示部310の画面に表示する。
【0070】
なお、第2の実施の形態の他の作用については第1の実施の形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0071】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係る決済処理システムによれば、上位端末の認証データの入力を受け付ける。これにより、複数の上位端末と、複数の決済端末とが同一店舗内にある構成において、端末の操作者が上位端末で指定した決済端末を認証によって特定した上で決済を開始できる。このように端末の操作者が能動的に決済端末の認識を行うシーンを設けることで確実に決済端末を特定することが可能となる。これにより、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0072】
<本発明の第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態に係る決済処理システムについて説明する。なお、第3の実施の形態の構成は上記
図1に示す第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0073】
第3の実施の形態では、上位端末12との接続を、音による報知の確認後に、認証データを用いた認証を行う点が第1及び第2の実施の形態と異なっている。
【0074】
第3の実施の形態の処理シーケンスについて
図9を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同様となる箇所については同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
S104で、上位端末12は、連動する決済端末14を上位端末12で指定し、指定した決済端末14へ、連動開始要求を送信すると、以下のS300を開始する。
【0076】
S300で、決済端末14は、別の上位端末12と連動していない状態であれば、決済端末14は、別の上位端末12と連動していない状態であれば、決済端末14は、ブザー部314により、上位端末12と接続されたことを知らせる音を報知すると共に、表示部308の画面に、接続の確認を促す情報を表示する。表示する内容は上記
図6(B)と同様である。
【0077】
S302で、決済端末14は、入力部312にある確認キーの入力を受け付ける。決済端末は確認キーの入力を受け付けることにより音を停止し、S304へ移行する。
【0078】
S304で、決済端末14は、表示部308の画面に、認証データの入力を促す情報を画面に表示し、S202へ移行する。表示する内容は上記
図8(A)と同様である。
【0079】
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態に係る決済処理システムによれば、上位端末との接続状況に応じて音を報知すると共に、上位端末の認証データの入力を受け付ける。これにより、複数の上位端末と、複数の決済端末とが同一店舗内にある構成において、上位端末と決済端末の接続関係を特定し、かつ、端末の操作者が上位端末で指定した決済端末を認証によって特定した上で決済を開始できる。このように端末の操作者が、接続された上位端末を決済端末の音によって識別及び確認できると共に、端末の操作者が能動的に決済端末の認識を行うシーンを設けることで確実に決済端末を特定することが可能となる。これにより、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0080】
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0081】
例えば、上述した各実施の形態では、決済処理システムにおいて、上位端末と決済端末とが無線通信により接続される場合について説明したが、有線により接続されている場合も同様に本発明の実施の形態の手法を適用できる。有線の配線が入り組んでいるような店舗において、上位端末と接続したことに対する確認を促すことにより、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0082】
また、例えば、決済処理システムにおいて、上位端末が3台以上、決済端末が2台などの限られた数であって、上位端末同士が無線で接続し、決済端末が特定の上位端末と有線で接続される場合も想定される。このように決済端末を共有して使用する場合においても、本発明の実施の形態の手法を適用し、上位端末と接続したことに対する確認を促すことにより、上位端末で指定した決済端末とは異なる決済端末で決済されることを防止できる。
【0083】
また、第2及び第3の実施の形態の決済処理システムにおいては、都度、認証データの入力を求める場合について記載したが、これに限定されるものではない。例えば、認証データの入力を求める対象を特定の使用者IDの操作者だけに限定してもよい。この場合には、指定された使用者IDで上位端末を操作している場合にのみ、決済端末で認証データの入力を求めるようにすればよい。これにより、操作者の権限に応じて確認操作のバリエーションを設けることができる。
【0084】
また、第3の実施の形態の決済処理システムにおいて、例えば、一定期間の間にS302の確認キーの入力がされなかった(例えば20秒以上など)場合に、S304の認証データの入力を求めるようにしてもよい。これにより、端末の操作者の端末の認識が不明確な場合について、認証を求めるようにすることができる。
【符号の説明】
【0085】
3 ネットワーク
12 上位端末
14 決済端末
16 情報処理センタ
100 決済処理システム
202、302 制御部
204、304 記憶部
206、306、402 通信部
208、310 表示部
210、312 入力部
212 スピーカ部
214、316 プリンタ部
308 カード読取部
314 ブザー部
404 決済端末認証部
406 決済情報管理部
408 決済端末メンテナンス部
410 カード決済サービスセンタ中継部