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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの取付構造
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/20 20140101AFI20220415BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
H02S20/20
E04F13/08 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018050935
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019165535
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北野 貴寛
(72)【発明者】
【氏名】白井 哲之
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-015751(JP,A)
【文献】国際公開第2017/082351(WO,A1)
【文献】特開2013-040509(JP,A)
【文献】特開2014-205963(JP,A)
【文献】特開平09-063330(JP,A)
【文献】特開2016-000949(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0229262(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1813068(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/20-20/26
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの外周部に設けられたフレームと、を有する太陽電池モジュールと、
前記太陽電池モジュールを立設した設置面に支持する固定具と、を有し、
前記固定具は、前記太陽電池モジュールを支持する上側支持具と、前記太陽電池モジュールを支持し、前記上側支持具よりも下方に位置する下側支持具と、を有し、
前記上側支持具と前記下側支持具の一方は、前記太陽電池モジュールの荷重を下方から支える積載部を有し、
前記フレームは、前記設置面に固定された前記上側支持具と前記下側支持具の少なくとも一方に直接支持されており、
前記フレームは、前記上側支持具と前記下側支持具の少なくとも一方に支持された部分の側方の位置で、前記太陽電池パネルを前記上側支持具及び前記下側支持具に干渉しないための切り欠き部を有する、太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項2】
前記積載部は、前記上側支持具に設けられており、
前記上側支持具は、前記積載部から下方に延びた係合部を有し、
前記太陽電池モジュールは、前記上側支持具の前記係合部に係合し、前記積載部に積載される被積載部から下方に延びる係合部を有する、請求項1に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項3】
前記上側支持具は、前記上側支持具の前記係合部と前記設置面との間で上方に延びるガイド部を有する、請求項2に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項4】
前記積載部は、前記上側支持具に設けられており、
前記上側支持具は、前記設置面から離れる方向への前記太陽電池モジュールの移動を規制しつつ、前記設置面に平行な方向から前記太陽電池モジュールをスライド式にはめ込み可能なガイド部を有する、請求項1に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項5】
前記積載部は、前記上側支持具に設けられており、
前記上側支持具は、押し込み式の嵌合機構を有し、
前記太陽電池モジュールは、前記嵌合機構に嵌合可能な被嵌合部を有する、請求項1に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項6】
前記積載部は、前記下側支持具に設けられており、
前記下側支持具の前記積載部は、前記太陽電池モジュールの下側に位置する前記フレームを下から支えるよう構成されている、請求項1に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項7】
前記積載部は、前記上側支持具と前記下側支持具に設けられており、
前記下側支持具の前記積載部は、前記太陽電池モジュールの下側に位置する前記フレームを下から支えるよう構成されている、請求項1に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【請求項8】
前記太陽電池モジュールの下側に位置する前記フレームは、前記下側支持具の前記積載部から上方に突出する2つの凸部どうしの間に挟まれている、請求項7に記載の太陽電池モジュールの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池モジュールが幅広く普及し始めている。太陽電池モジュールは、建物の屋根に設置されたり、広い敷地の地面上に設置されたりしている。太陽電池モジュールは太陽光を受けることで発電するため、太陽光を受けることができる場所に設置できればよい。太陽電池モジュールを設置する構造物の1つとして、例えば車道のような道路の脇に立てられた防音壁が挙げられる(以下の特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1は、道路の脇に立てられた防音壁としての機能を担いつつ、太陽光による発電が可能な発電防音パネルを開示する。具体的には、発電防音パネルは、立設された一対の支柱によって支持されている。支柱は断面H型の形状を有する。互いに隣接する支柱は、その凹部(取付溝)どうしが対向するように配置されている。発電防音パネルは、鉛直上方から下方に向けてスライドさせることによって、一対の支柱の取付溝内にはめ込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-257164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発電防音パネルでは、発電防音パネルの設置のために専用の支柱が必要となる。具体的には、支柱の取付溝は、発電防音パネルの厚みに合わせて形成しなければならない。また、一対の支柱は、太陽電池モジュールのサイズに合わせて設置しなければならない。この代わりに、既存の支柱に新たに太陽電池モジュールを設置しようとするのであれば、支柱同士の間の距離や、支柱の取付溝のサイズに合わせて太陽電池モジュールを製造しなければならない。
【0006】
したがって、立てた状態で設置しやすい太陽電池モジュールの取付構造が望まれる。より具体的には、例えば立設された壁面のような既存の構造物に太陽電池モジュールを設置しやすい太陽電池モジュールの取付構造が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る太陽電池モジュールの取付構造は、太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールを立設した設置面に支持する固定具と、を有する。固定具は、太陽電池モジュールを支持する上側支持具と、太陽電池モジュールを支持し、上側支持具よりも下方に位置する下側支持具と、を有する。上側支持具と下側支持具の一方は、太陽電池モジュールの荷重を下方から支える積載部を有する。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、立てた状態で設置しやすい太陽電池モジュールの取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の斜視図である。
図2図1の矢印A2方向から見た太陽電池モジュール取付構造の側面図である。
図3図1に示す太陽電池モジュール取付構造から太陽電池モジュールを取り除いた状態を示す図である。
図4図2の領域R4の拡大図である。
図5図1の領域R5の拡大図である。
図6図2の領域R6の拡大図である。
図7図1の領域R7の拡大図である。
図8】第2実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の側面図である。
図9図8の領域R9の拡大図である。
図10図9に示す領域の斜視図である。
図11】第3実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の側面図である。
図12図11の領域R12の拡大図である。
図13図12に示す領域の斜視図である。
図14】第4実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の平面図である。
図15図14の矢印A15方向から見た太陽電池モジュール取付構造の側面図である。
図16図15の領域R16の拡大図である。
図17図16に示す領域の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0011】
(1)第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の斜視図である。図2は、図1の矢印A2方向から見た太陽電池モジュール取付構造の側面図である。図3は、図1に示す太陽電池モジュール取付構造から太陽電池モジュールを取り除いた状態を示す図である。図4は、図2の領域R4の拡大図である。図5は、図1の領域R5の拡大図である。図6は、図2の領域R6の拡大図である。図7は、図1の領域R7の拡大図である。
【0012】
第1実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造は、太陽電池モジュール10と、太陽電池モジュール10を立設した設置面80に支持する固定具と、を有する。設置面80は、太陽電池モジュール10を立てた状態で設置可能であれば特に限定されない。設置面80は、例えば、立設された建造物の壁面であってよい。建造物としては、ビル、防音壁及び高架橋などであってよい。例えば、建造物は道路の脇に設置された防音壁であってもよい。
【0013】
ここで、立設した設置面80は、水平面に対して直交する方向、すなわち鉛直方向に沿って立てられた設置面に限定されず、鉛直方向から傾斜して立てられた設置面をも含むことに留意されたい。
【0014】
太陽電池モジュール10は、太陽電池パネル20と、太陽電池パネル20に取り付けられたフレーム30と、を有していてよい。フレーム30は、太陽電池パネル20の外周部を取り囲んでいてよい。フレーム30は、太陽電池パネル20の上方の端部で、太陽電池パネル20の厚み方向に延びた被積載部34と、被積載部34の設置面80側の先端から下方に延びた係合部36と、を有していてよい。
【0015】
太陽電池モジュール10を支持する固定具は、太陽電池モジュール10を支持する上側支持具100と、太陽電池モジュール10を支持し、上側支持具100よりも下方に位置する下側支持具400と、を有する。第1実施形態では、上側支持具100は、太陽電池モジュール10の荷重を下方から支える積載部116を有する。
【0016】
上側支持具100の詳細な構造の一例について、図4及び図5を参照して説明する。上側支持具100は、設置面80に面する基部110を有する。上側支持具100は、基部110と設置面80に挿通される締結部材140を介して設置面80に固定される。
【0017】
上側支持具100は、設置面80上で概ね水平方向に沿って延びていてよい。この代わりに、上側支持具100は、水平方向に沿って断続的に複数の部分に分けられていてもよい。すなわち、上側支持具100は、太陽電池モジュール10の荷重を支える位置にだけ設けられていてもよい。
【0018】
上側支持具100は、設置面80から離れる方向に向かって基部110から連続して延びた連結部112を有していてよい。上側支持具100は、設置面80から離れた位置に、連結部112から上方に延びた係合部114を有する。前述した積載部116は、係合部114の上方の端部から、設置面80から離れる方向に向かって延びている。すなわち、係合部114及び積載部116は、L字形になるよう連結されている。なお、基部110、連結部112、係合部114及び積載部116は、一体的に構成されていることが好ましい。
【0019】
太陽電池モジュール10のフレーム30の被積載部34は、上側支持具100の積載部116上に積載される。さらに、フレーム30の係合部36は、上側支持具100の係合部114に係合している。より詳細には、フレーム30の被積載部34と係合部36は、上側支持具100の係合部114に係合するよう、L字形に連結されている。
【0020】
上記構造によれば、太陽電池モジュール10の荷重は上側支持具100の積載部116で支えられる。さらに、フレーム30の係合部36と上側支持具100の係合部114とが互いに係合するため、締結部材のような締め付け手段を用いなくても、太陽電池モジュール10を上側支持具100に支持した状態で維持することができる。
【0021】
上記の上側支持具100は、太陽電池モジュール10が下側支持具400で支持されていなくても、太陽電池モジュール10を設置面80に支持可能となっている。したがって、太陽電池モジュール10を設置する作業員は、設置面80に取り付けた上側支持具100に太陽電池モジュール10を取り付けた状態で、後述する下側支持具400を用いて太陽電池モジュール10を固定することができる。これにより、太陽電池モジュール10を立設した設置面80に容易に取り付けることができる。
【0022】
また、上側支持具100は、設置面80と係合部114との間で上方に延びるガイド部118を有していてもよい。太陽電池モジュール10のフレーム30の係合部36は、係合部114とガイド部118との間に配置される。ガイド部118は、設置動作中に、太陽電池モジュール10のフレーム30の係合部36を、上側支持具100の係合部114へガイドする。これにより、太陽電池モジュール10を、上方から上側支持具100に取り付けやすくなる。なお、ガイド部118と係合部114との間の隙間に、太陽電池モジュール10のフレーム30の係合部36を挿入し易くするため、ガイド部118と係合部114との間の隙間は、上向きに開放されていることがより好ましい。また、ガイド部118は、上側支持具100の連結部112に一体的に形成されていてよい。
【0023】
太陽電池モジュール10の水平方向の両側に位置するフレーム30の上部は、上側支持部100との干渉を避けるため、切り欠き部32を有することが好ましい。また、上下方向におけるフレーム30の切り欠き部32の長さは、上下方向における上側支持具100の係合部114とフレーム30の係合部36の長さの和よりも長いことが好ましい。この場合、太陽電池モジュール10を上方から上側支持具100に取り付けやすくなる。
【0024】
次に、下側支持具400の詳細な構造の一例について、図6及び図7を参照して説明する。下側支持具400は、設置面80に固定させる第1部材410と、太陽電池モジュール10のフレーム30に取り付けられる第2部材420と、を有していてよい。
【0025】
第1部材410は、設置面80に面する基部412を有する。第1部材410は、基部412と設置面80に挿通される締結部材440を介して設置面80に固定される。第1部材410は、設置面80から離れる方向に基部412から連続して延びた連結部414を有する。設置面80から離れた位置で、連結部414から上方に延びた被締結部416が設けられている。なお、基部412、連結部414及び被締結部416は、一体的に形成されていることが好ましい。
【0026】
第1部材410は、設置面80上で概ね水平方向に沿って延びていてよい。この代わりに、第1部材410は、水平方向に沿って断続的に複数の部分に分けられていてもよい。すなわち、第1部材410は、後述する第2部材420の位置にのみ設けられていてもよい。
【0027】
第2部材420は、被締結部422と、連結部424と、フレーム保持部426と、を有していてよい。なお、被締結部422、連結部424及びフレーム保持部426は、一体的に形成されていることが好ましい。
【0028】
フレーム保持部426は、太陽電池モジュール10のフレーム30の表面、詳細には設置面80とは反対側の表面を部分的に覆っている。太陽電池モジュール10の側部は、第1部材410の被締結部416と第2部材420のフレーム保持部426との間に挟まれている。
【0029】
連結部424は、被締結部422とフレーム保持部426とを連結している。より具体的には、連結部424は、被締結部422から、フレーム30に沿って設置面80と略直交する方向に延びていてよい。
【0030】
被締結部422は、連結部424から連続して延びており、設置面80と略平行な方向に沿って延びていてよい。第2部材420の被締結部422は、第1部材410の被締結部416と面する。第1部材410の被締結部416と第2部材420の被締結部422とは、締結部材430によって互いに締結されている。第1部材410と第2部材420とが互いに締結することによって、太陽電池モジュール10が下側支持具400のところで設置面80に固定される。
【0031】
上記実施形態では、下側支持具400は、第1部材410と第2部材420の2つの部材によって構成されている。この代わりに、下側支持具400は、1つの部材によって一体的に構成されていてもよい。この場合、例えば、第1部材410とフレーム30とが締結部材によって直接締結される構造であってもよい。
【0032】
本実施形態に係る太陽電池モジュールの取付構造では、例えばボルトのような締結部材を挿入することが可能な設置面、例えば立設された壁面のような既存の構造物に容易に太陽電池モジュールを設置することができる。
【0033】
太陽電池モジュール10を設置面80に取り付ける場合、まず、上側支持具100と、下側支持具400の第1部材410と、を設置面80に取り付ける。次に、太陽電池モジュール10を上側支持具100に取り付ける。太陽電池モジュール10が上側支持具100に取り付けられた状態で、太陽電池モジュール10の荷重は、上側支持具100の積載部116に支えられる。そのため、作業員は、太陽電池モジュール10から手を放したとしても、太陽電池モジュール10は落下しない。
【0034】
次に、下側支持具400の第2部材420によって、太陽電池モジュール10を下側支持具400の第1部材410に固定する。これにより、太陽電池モジュール10を立設した設置面80に設置することができる。
【0035】
(2)第2実施形態
図8は、第2実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の側面図である。図9は、図8の領域R9の拡大図である。図10は、図9に示す領域の斜視図である。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号が付されている。以下では、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがある。
【0036】
第2実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造は、太陽電池モジュール10と、立てられた状態で太陽電池モジュール10を支持する固定具と、を有する。立てられた状態で太陽電池モジュール10を支持する固定具は、太陽電池モジュール10を支持する上側支持具200と、太陽電池モジュール10を支持し、上側支持具200よりも下方に位置する下側支持具400と、を有する。下側支持具400の構造は、第1実施形態で説明したとおりである。
【0037】
第2実施形態に係る上側支持具200の基部110、連結部112、係合部114及び積載部116の構成は、第1実施形態と同様である。
【0038】
第2実施形態に係る上側支持具200は、設置面80に平行な方向から太陽電池モジュール10をスライド式にはめ込み可能なガイド機構114,116,218,219を有する。スライド式にはめ込み可能なガイド機構は、設置面80から離れる方向への太陽電池モジュール10の移動を規制するよう構成されている。これにより、太陽電池モジュール10をスライドして上側支持具200にはめ込むだけで、太陽電池モジュール10を上側支持具200で支持することができる。
【0039】
第2実施形態では、このガイド機構は、L字型に曲げられた係合部114及び積載部116と、係合部114及び積載部116のそれぞれに対向する第1ガイド部218及び第2ガイド部219によって構成されている。より具体的には、第1ガイド部218と第2ガイド部219は、L字型になるよう連結されており、係合部114及び積載部116との間にL字型の隙間を形成する。このL字型の隙間に太陽電池モジュール10のフレーム30がはめ込まれている。
【0040】
上側支持具200は、上記構成に限らず、設置面80に平行な方向から太陽電池モジュール10をスライド式にはめ込み可能であり、かつ、設置面80から離れる方向への太陽電池モジュール10の移動を規制する構成を有していればよい。すなわち、上側支持具200は、太陽電池モジュール10のフレーム30の断面形状と同様の断面形状を有する隙間であって、設置面80と平行な方向からフレーム30はめ込み可能な隙間を有していればよい。
【0041】
(3)第3実施形態
図11は、第3実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の側面図である。図12は、図11の領域R12の拡大図である。図13は、図12に示す領域の斜視図である。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号が付されている。以下では、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがある。
【0042】
第3実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造は、太陽電池モジュール10と、立てられた状態で太陽電池モジュール10を支持する固定具と、を有する。立てられた状態で太陽電池モジュール10を支持する固定具は、太陽電池モジュール10を支持する上側支持具300と、太陽電池モジュール10を支持し、上側支持具300よりも下方に位置する下側支持具400と、を有する。下側支持具400の構造は、第1実施形態で説明したとおりである。
【0043】
第3実施形態に係る上側支持具300の基部110及び連結部112の構成は、第1実施形態と同様である。第3実施形態に係る上側支持具300は、押し込み式の嵌合機構314を有する。嵌合機構314は、連結部112と一体的に形成されていてよい。
【0044】
嵌合機構314は、太陽電池モジュール10のフレーム30の方に向かって突出した一対の板バネ316を有していてよい。一対の板バネ316どうしの間の距離は、フレーム30の方に向かうにつれて広がっていてよい。
【0045】
太陽電池モジュール10は、押し込み式の嵌合機構314に嵌合可能な被嵌合部38を有する。第3実施形態では、被嵌合部38は、太陽電池モジュール10のフレーム30に形成されている。被嵌合部38は、嵌合機構314を構成する一対の板バネ316どうしの間にはまり込む一対の板バネ形状を有していてよい。被嵌合部38の先端部は、嵌合機構314を構成する一対の板バネ316と引っかかるよう、外側に向かって少し広がっている。太陽電池モジュール10の被嵌合部38は、押し込み動作だけによって嵌合機構314に嵌合可能に構成されている。
【0046】
(4)第4実施形態
図14は、第4実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造の平面図である。図15は、図14の矢印A15方向から見た太陽電池モジュール取付構造の側面図である。図16は、図15の領域R16の拡大図である。図17は、図16に示す領域の斜視図である。第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号が付されている。以下では、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがある。
【0047】
第4実施形態に係る太陽電池モジュール取付構造は、太陽電池モジュール10と、立てられた状態で太陽電池モジュール10を支持する固定具と、を有する。立てられた状態で太陽電池モジュール10を支持する固定具は、太陽電池モジュール10を支持する上側支持具350と、太陽電池モジュール10を支持し、上側支持具350よりも下方に位置する下側支持具500と、を有する。
【0048】
第4実施形態において、上側支持具350の構造は、第1実施形態で説明した下側支持具500の構造と同じである。したがって、上側支持具350の構造の詳細の説明は、省略する。
【0049】
次に、第4実施形態に係る下側支持具500の詳細な構造の一例について、図16及び図17を参照して説明する。下側支持具500は、設置面80に面する基部510を有する。下側支持具500は、基部510と設置面80に挿通される締結部材540を介して設置面80に固定される。
【0050】
下側支持具500は、設置面80から離れる方向に基部510から連続して延びた積載部512を有する。下側支持具500の積載部512は、太陽電池モジュール10の下側に位置するフレーム30を下から支えるよう構成されている。より詳細には、下側支持具500の積載部512は、フレーム30の下端39を下から支えていてよい。
【0051】
下側支持具500は、設置面80に平行な方向に連続的に延びていてよい。この代わりに、下側支持具500は、設置面80に平行な方向に断続的に配置されるよう、複数の部分に分断されていてもよい。
【0052】
下側支持具500は、積載部512から上方に突出した一対の凸部514,518を有していてよい。太陽電池モジュール10のフレーム30の下端39は、下側支持具500に形成された一対の凸部514,518どうしの間に位置する。
【0053】
第4実施形態では、太陽電池モジュール10を設置面80に取り付ける場合、まず、上側支持具350と下側支持具500を設置面80に取り付ける。次に、太陽電池モジュール10を下側支持具500の積載部512に積載する。
【0054】
次に、太陽電池モジュール10が下側支持具500の積載部512に積載された状態で、作業員は、太陽電池モジュール10を上側支持具350に取り付ける。この際、太陽電池モジュール10の荷重の大部分は下側支持具500で支えられているため、作業員は、かるく太陽電池モジュール10を押さえながら、太陽電池モジュール10を上側支持具350に取り付けることができる。
【0055】
第4実施形態では、太陽電池モジュール10を先に下側支持具500に載せた後に、上側支持具350で太陽電池モジュール10を固定する。したがって、太陽電池モジュール10を比較的低い位置、例えば作業員の高さよりも低い位置に設置する場合であっても、太陽電池モジュール10を設置面80に設置しやすい。
【0056】
(5)その他の実施形態
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0057】
図1に示す態様では、上側支持具100と下側支持具400とによって1つの太陽電池モジュール10が支持されている。この代わりに、互いに横方向に隣接した複数の太陽電池モジュール10が、上側支持具100と下側支持具400とによって支持されていてもよい。この場合、上側支持具100と下側支持具400は、横方向における太陽電池モジュールのサイズよりも十分に長い。この場合、太陽電池モジュールの数と同じ数の上側支持具100と下側支持具400を用いる場合と比較すると、上側支持具100と下側支持具400を設置面80に固定するために必要な締結部材の数が少なくなる。
【0058】
また、上記の複数の実施形態で説明した上側支持具100,200,300,350と下側支持具400,500の構造は、可能な限り、相互に置き換え可能である。例えば、下側支持具は、第1~3実施形態に係る上側支持具100,200,300と同じ構造を有していてもよい。
【0059】
また、上側支持具100,200,300,350と下側支持具400,500の組み合わせも任意に変更可能である。例えば、第4実施形態に係る下側支持具500は、第1実施形態から第3実施形態に係る上側支持具100,200,300のいずれかと併用されることができる。
【0060】
また、上記実施形態で説明した固定具とは異なる構成の固定具を用いることも可能である。例えば、太陽電池モジュール10のフレーム30と設置面80を例えばボルトのような締結部材によって直接締結してもよい。
【0061】
また、太陽電池モジュール10のフレーム30と、設置面80に固定された支持具の両方に穴をあけ、それらの穴にワイヤを通すことによって、太陽電池モジュール10を支持具に取り付けることもできる。また、設置面にフック付きの締結部材を締結しておき、太陽電池モジュール10のフレーム30に形成された穴に通したワイヤをフックに固定してもよい。この場合であっても、太陽電池モジュールを設置面に取り付けることができる。
【0062】
さらに、太陽電池モジュール10は、設置面80に固定された固定具に磁力によって固定されてもよい。この場合、設置面80に固定された固定具が磁石を有し、フレーム30が磁石に付く部材で構成されていてよい。この代わりに、フレーム30がアルミニウム合金のような磁石に付かない部材で構成されている場合、設置面80に固定された固定具とフレーム30の両方に磁石を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 太陽電池モジュール
20 太陽電池パネル
30 フレーム
32 切り欠き部
34 被積載部
36 係合部
80 設置面
100,200,300,350 上側支持具
400,500 下側支持具
図1
図2
図3
図4
図5
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