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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/20 20060101AFI20220415BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20220415BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20220415BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20220415BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20220415BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20220415BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
C11D3/20
C11D17/08
C11D1/75
C11D1/29
C11D1/88
C11D1/72
C11D1/722
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018060670
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019172764
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】高島 正行
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/064527(WO,A1)
【文献】特開平08-003590(JP,A)
【文献】特開2005-133020(JP,A)
【文献】特開2007-177085(JP,A)
【文献】特開2007-261688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含み、
前記(A)成分がアニオン界面活性剤であり、
前記(B)成分が下記式(B-I)で表される化合物であり、
前記(C)成分が両性界面活性剤、及びアミンオキシド型界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(D)成分がノニオン界面活性剤であり、
液体洗浄剤組成物の総質量に対する、前記(A)成分の含有量が0.5~30質量%、前記(B)成分の含有量が0.2~8質量%、前記(C)成分の含有量が0.05~5質量%、前記(D)成分の含有量が0.02質量%以上0.5質量%未満であり、
前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が0.06~45であり、
前記(D)成分/前記(B)成分で表される質量比が3~100である、液体洗浄剤組成物。
【化1】
式(B-I)中、Rは炭素数1~14の直鎖のアルキル基、炭素数~14の分岐鎖のアルキル基、炭素数~14の直鎖のアルケニル基、炭素数~14の分岐鎖のアルケニル基、炭素数1~14の直鎖のヒドロキシアルキル基、炭素数~14の分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又は水素であり、R、及びRはそれぞれ独立に、炭素数1~5の直鎖のアルキル基、炭素数~5の分岐鎖のアルキル基、炭素数~5の直鎖のアルケニル基、炭素数~5の分岐鎖のアルケニル基、又は水素である。
【請求項2】
前記(A)成分が、下記式(A-I)で表される化合物(A1)、及び下記式(A-II)で表される化合物(A2)からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
-O-[(PO)/(EO)]-SO 1/X・M ・・・(A-I)
-C-SO 1/Y・Z ・・・(A-II)
式(A-I)中、Rは炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し;POはオキシプロピレン基を表し;EOはオキシエチレン基を表し;pはPOの平均繰り返し数を表し、0≦p≦1であり;qはEOの平均繰り返し数を表し、0≦q≦5であり;[(PO)/(EO)]においてEO及びPOはランダム付加であってもよくブロック付加であってもよく;Mは対イオンであり;XはMの価数である。
式(A-II)中、Rは、炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し;Zは対イオンであり;YはZの価数である。
【請求項3】
前記(B)成分が、前記式(B-I)中、Rが炭素数1~14の直鎖のヒドロキシアルキル基、又は炭素数~14の分岐鎖のヒドロキシアルキル基を表し;R、及びRはそれぞれ独立に炭素数1~5の直鎖のアルキル基、又は炭素数~5の分岐鎖のアルキル基を表す化合物(B1)を含有する、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記(D)成分が、下記式(D-I)で表される化合物(D1)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
11-X-[(EO)/(PO)]-R12 ・・・(D-I)
式(D-I)中、R11は炭素数6~22の炭化水素基を表し;Xは2価の連結基を表し;R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、sはEOの平均繰り返し数を表し、3~100の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、[(EO)/(PO)]においてEO及びPOはランダム付加であってもよくブロック付加であってもよい。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物が、容器に収容されてなる、液体洗浄剤組成物製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食器、調理器具等(以下、総じて「食器」という)の被洗物を洗浄する方法としては、液体洗浄剤を直接スポンジ等の洗浄具に取って、洗浄具で被洗物を擦り洗いする方法や、食器洗い用洗剤を水で希釈して希釈液を調製し、希釈液をスポンジ等の洗浄具に取って、洗浄具で被洗物を擦り洗いする方法等が挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1は、特定のアセタール誘導体、界面活性剤、ビルダー、及び水を含有する硬質表面用洗浄剤組成物について提案している。特許文献1の組成物によれば、高い洗浄力を発揮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-3590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の液体洗浄剤では、高い洗浄力を発揮するためには被洗物を擦る必要がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱や物理力をかけなくても高い洗浄力を発揮する液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液体洗浄剤組成物は、以下の態様を含む。
[1] (A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含み、
前記(A)成分がアニオン界面活性剤であり、
前記(B)成分が下記式(B-I)で表される化合物であり、
前記(C)成分が両性界面活性剤、及びアミンオキシド型界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が0.06~45である、液体洗浄剤組成物。
【化1】
式(B-I)中、Rは炭素数1~14の直鎖のアルキル基、炭素数1~14の分岐鎖のアルキル基、炭素数1~14の直鎖のアルケニル基、炭素数1~14の分岐鎖のアルケニル基、炭素数1~14の直鎖のヒドロキシアルキル基、炭素数1~14の分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又は水素であり、R、及びRはそれぞれ独立に、炭素数1~5の直鎖のアルキル基、炭素数1~5の分岐鎖のアルキル基、炭素数1~5の直鎖のアルケニル基、炭素数1~5の分岐鎖のアルケニル基、又は水素である。
[2] 前記(A)成分が、下記式(A-I)で表される化合物(A1)、及び下記式(A-II)で表される化合物(A2)からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
-O-[(PO)/(EO)]-SO 1/X・M ・・・(A-I)
-C-SO 1/Y・Z ・・・(A-II)
式(A-I)中、Rは炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し;POはオキシプロピレン基を表し;EOはオキシエチレン基を表し;pはPOの平均繰り返し数を表し、0≦p≦1であり;qはEOの平均繰り返し数を表し、0≦q≦5であり;[(PO)/(EO)]においてEO及びPOはランダム付加であってもよくブロック付加であってもよく;Mは対イオンであり;XはMの価数である。
式(A-II)中、Rは、炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し;Zは対イオンであり;YはZの価数である。
[3] 前記(B)成分が、前記式(B-I)中、Rが炭素数1~14の直鎖のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1~14の分岐鎖のヒドロキシアルキル基を表し;R、及びRはそれぞれ独立に炭素数1~5の直鎖のアルキル基、又は炭素数1~5の分岐鎖のアルキル基を表す化合物(B1)を含有する、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4] さらにノニオン界面活性剤(D)を含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
[5] 前記(D)成分が、下記式(D-I)で表される化合物(D1)を含む、[4]に記載の液体洗浄剤組成物。
11-X-[(EO)/(PO)]-R12 ・・・(D-I)
式(D-I)中、R11は炭素数6~22の炭化水素基を表し;Xは2価の連結基を表し;R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、sはEOの平均繰り返し数を表し、3~100の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、[(EO)/(PO)]においてEO及びPOはランダム付加であってもよくブロック付加であってもよい。
[6] 前記(D)成分/前記(B)成分で表される質量比が3~100である、[4]又は[5]に記載の液体洗浄剤組成物。
[7][1]~[6]のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物が、容器に収容されてなる、液体洗浄剤組成物製品。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液体洗浄剤組成物は、熱や物理力をかけなくても高い洗浄力を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の液体洗浄剤組成物製品の一例を示す正面図である。
図2】本発明の液体洗浄剤組成物製品の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪液体洗浄剤組成物≫
本発明の液体洗浄剤組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含む。
【0011】
<(A)成分>
(A)成分はアニオン界面活性剤である。具体的には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―スルホ脂肪酸エステル塩、α-オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;直鎖または分岐鎖のアルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;直鎖または分岐鎖のアルカンスルホン酸塩などが挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0012】
(A)成分は、下記式(A-I)で表される化合物(A1)、及び下記式(A-II)で表される化合物(A2)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
-O-[(PO)/(EO)]-SO 1/X・M ・・・(A-I)
-C-SO 1/Y・Z ・・・(A-II)
式(A-I)中、Rは炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し;POはオキシプロピレン基を表し;EOはオキシエチレン基を表し;pはPOの平均繰り返し数を表し、0≦p≦1であり;qはEOの平均繰り返し数を表し、0≦q≦5であり;[(PO)/(EO)]においてEO及びPOはランダム付加であってもよくブロック付加であってもよく;Mは対イオンであり;XはMの価数である。
式(A-II)中、Rは、炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し;Zは対イオンであり;YはZの価数である。
【0013】
式(A-I)中、Rは炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、炭素数10~16が好ましく、より好ましくは炭素数12~14である。Rとしては、洗浄力及び環境面から、植物油脂原料由来のアルキル基であることが好ましい。好適な油脂原料としては、パーム核油、ヤシ油等が挙げられる。
pはPOの平均繰り返し数を表し、0≦p≦1であり、p=0がより好ましい。
qはEOの平均繰り返し数を表し、0≦q≦5であり、0≦q≦4が好ましく、0≦q≦2がより好ましい。
は対イオンである。例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアミンのイオンであり、水溶性の塩を形成し得るものであればよい。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などが挙げられる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
XはMの価数であり、1~2が好ましい。
【0014】
式(A-II)中、Rは、炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、炭素数10~14が好ましい。
は対イオンであり、Mで説明したものと同様のものが挙げられる。
YはZの価数であり、1~2が好ましい。
【0015】
(A)成分の具体例としては、直鎖アルキル(C10~14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(3)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(3)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩などが挙げられる。
【0016】
なかでも、本発明の効果が特に得られやすいことから、直鎖アルキル(C10~14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(3)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩が好ましい。
ここで、たとえば「ポリオキシエチレン(1)」とは、オキシエチレン基の平均繰り返し数が1(エチレンオキシドの平均付加モル数が1)であることを意味する。
「C12/14=75/25;天然油脂由来」とは、炭素数12の直鎖アルキル基を有するものと、炭素数14の直鎖アルキル基を有するものとの混合物(混合比率:質量比で75/25)であること、天然油脂由来の直鎖状のアルキル基であることを意味する。
【0017】
(A)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましく、3~10がさらに好ましい。
(A)成分の含有量が上記範囲内であると、汚れに対する浸透力を向上しやすくなり、使用性も向上しやすくなる。
【0018】
<(B)成分>
(B)成分は、下記一般式(B-I)で表される化合物である。
【0019】
【化2】
【0020】
式(B-I)中、Rは炭素数1~14の直鎖のアルキル基、炭素数1~14の分岐鎖のアルキル基、炭素数1~14の直鎖のアルケニル基、炭素数1~14の分岐鎖のアルケニル基、炭素数1~14の直鎖のヒドロキシアルキル基、炭素数1~14の分岐鎖のヒドロキシアルキル基、又は水素であり、R、及びRはそれぞれ独立に、炭素数1~5の直鎖のアルキル基、炭素数1~5の分岐鎖のアルキル基、炭素数1~5の直鎖のアルケニル基、炭素数1~5の分岐鎖のアルケニル基、又は水素である。
【0021】
(B)成分は、式(B-I)中、Rが炭素数1~14の直鎖のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1~14の分岐鎖のヒドロキシアルキル基を表し;R、及びRはそれぞれ独立に炭素数1~5の直鎖のアルキル基、又は炭素数1~5の分岐鎖のアルキル基を表す化合物(B1)を含有することが好ましい。
【0022】
(B)成分の具体例としては、1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソラン、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-エタノール、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-プロパノール、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-ブタノール、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-ペンタノール、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-ヘキサノール、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-ヘプタノール、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-プロパノール、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-ブタノール、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-ペンタノール、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-ヘキサノール、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-ヘプタノールなどが上げられる。
なかでも、本発明の効果が特に得られやすいことから、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノールが好ましい。
【0023】
(B)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.2~8質量%が好ましく、0.5~6質量%がより好ましく、1~4質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が上記範囲内であると、汚れに対する浸透力を向上しやすくなる。
【0024】
(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下「A/B比」ともいう)は、0.06~45であり、0.4~16が好ましく、1~7.5がより好ましい。
A/B比が上記範囲内であると、汚れに対する浸透洗浄力を向上しやすくなる。
【0025】
<(C)成分>
(C)成分は、両性界面活性剤、及びアミンオキシド型界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である。
両性界面活性剤としては、ベタイン型界面活性剤が挙げられ、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、脂肪酸アミドヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
なかでも、脂肪酸アミド基を有する、脂肪酸(炭素数8以上、22以下)アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン及び脂肪酸(炭素数8以上、22以下)アミドプロピルヒドロキシスルホベタインからなる群から選ばれるベタイン型両性界面活性剤が好ましい。
脂肪酸(炭素数8以上、22以下)アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインがより好ましい。
(C)成分としては、好ましくは炭素数8~22、より好ましくは炭素数10~18、さらに好ましくは12~16のアルキル基を有するベタイン型両性界面活性剤が好ましい。
具体的には、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(エナジーコール L-30B、ライオン製)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(Tego Betain L7, Evonic製)などが挙げられる。
【0026】
両性界面活性剤は、下記一般式(C-I)で表される化合物を用いることが好ましい。
-(A)-N(-R)(-R)-R-R …(C-I)
式(C-I)中、Rは炭素数8~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、Aは-C=O(-NH-X)-を表し、Xは炭素数1~4のアルキレン基を表し、pは0又は1の数であり、Rは炭素数1~2のアルキレン基を表し、Rは-CO 又は-SO を表す。
【0027】
アミンオキシド型界面活性剤としては、たとえばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドが挙げられる。なかでも下記一般式(C-II)で表される化合物が好適なものとして挙げられる。
【0028】
【化3】
【0029】
前記式(C-II)中、R10は、炭素数8~18の直鎖のアルキル基、炭素数8~18の分岐鎖のアルキル基、炭素数8~18の直鎖のアルケニル基、又は炭素数8~18の分岐鎖のアルケニル基であり、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、Rは炭素数1~4のアルキレン基であり、Bは-CONH-、-NHCO-、-COO-、-OCO-又は-O-であり、rは0又は1の数である。
【0030】
10のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は8~18であり、10~14であることが好ましい。
、Rは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R、Rはいずれもメチル基であることがさらに好ましい。
rは、0又は1の数であり、0が好ましい。
【0031】
アミンオキシド型界面活性剤として具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジエチルアミンオキシド、n-ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド系のもの;ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド等のアルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド系のもの等が挙げられる。なかでも、アルキルジメチルアミンオキシド系のものがより好ましい。
【0032】
(C)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.05~5質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましく、0.2~1質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が上記範囲内であると、汚れに対する浸透洗浄力を向上しやすくなる。
【0033】
<(D)成分>
(D)成分はノニオン界面活性剤である。
(D)成分としては、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、高級アミン等のアルキレンオキシド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、ソルビタン脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
【0034】
(D)成分としては、上記の中でも、粘度及び液安定性の点で、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(D-I)で表される化合物(以下、「化合物(D1)」ということがある。)が挙げられる。
11-X-[(EO)/(PO)]-R12 ・・・(D-I)
【0035】
式(D-I)中、R11は炭素数6~22の炭化水素基であり、Xは2価の連結基であり、R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、sはEOの平均繰り返し数を表し、3~100の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数である。
【0036】
式(D-I)中、R11の炭化水素基の炭素数は、6~22であり、8~22が好ましく、10~18がより好ましい。R11の炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、不飽和結合を有していても有していなくてもよい。
-X-としては、-O-、-COO-、-CONH-等が挙げられる。
12におけるアルキル基の炭素数は、1~6であり、1~3が好ましい。
12におけるアルケニル基の炭素数は、2~6であり、2~3が好ましい。
【0037】
-X-が-O-、-COO-又は-CONH-である化合物(D1)は、第1級もしくは第2級の高級アルコール(R11-OH)、高級脂肪酸(R11-COOH)又は高級脂肪酸アミド(R11-CONH)を原料として得られる。これら原料におけるR11は、式(D-I)中のR11と同じである。
【0038】
sは、EOの平均繰り返し数(すなわち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を表す3~100の数であり、5~50が好ましい。上記上限値超では、HLB値が高くなりすぎて油汚れに対する洗浄力が低下するおそれがある。上記下限値未満では、(D)成分自体の原料臭気の劣化を生じるおそれがある。
tは、POの平均繰り返し数(すなわち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)を表す0~6の数であり、0~3が好ましい。上記上限値超では、洗浄剤組成物の高温下での液安定性が低下する傾向にある。
【0039】
tが1以上の場合、すなわち、化合物(D1)がEO及びPOを有する場合、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加方法は特に限定されず、例えば、ランダム付加方法でもよく、ブロック付加方法でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法などが挙げられる。
【0040】
化合物(D1)としては、特に、-X-が-O-である化合物(アルコール型ノニオン界面活性剤)、又は、-X-が-COO-であり、R12が炭素数1~6のアルキル基もしくは炭素数2~6のアルケニル基である化合物(脂肪酸アルキル(アルケニル)エステル)が好ましい。
【0041】
-X-が-O-である場合、R11の炭素数は10~22が好ましく、10~20がより好ましく、10~18がさらに好ましい。-X-が-O-である場合、R12は水素原子が好ましい。
【0042】
-X-が-COO-である場合、R11の炭素数は9~21が好ましく、11~21がより好ましい。-X-が-COO-である場合、R12は炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
【0043】
-X-が-O-又は-COO-である化合物(D1)としては、例えば、三菱化学株式会社製のDiadol(商品名、C13(Cは炭素数を示す。以下同様。))、Shell社製のNeodol(商品名、C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol23(商品名、C12とC13との混合物)等のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO-1214又はCO-1270(商品名)等の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol TO7、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XP90、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XL70、BASF社製);ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:Lutensol XA60、BASF社製);炭素数12~14の第2級アルコールに対して、5モル相当又は7モル相当又は9モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(商品名:ソフタノール50、ソフタノール70、ソフタノール90、ソフタノール150、株式会社日本触媒(株)製);ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステル(EO15モル))などが挙げられる。
【0044】
(D)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の液体洗浄剤組成物が(D)成分を含む場合、(D)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.02~0.5質量%が好ましく、0.04~0.3質量%がより好ましく、0.06~0.2質量%がさらに好ましい。
(D)成分の含有量が上記範囲内であると、汚れに短時間接触させただけで充分な浸透洗浄力が得られやすくなる。
【0045】
本発明の液体洗浄剤組成物が(D)成分を含む場合、(D)成分/(B)成分で表される質量比(以下「D/B比ともいう」)は、3~105が好ましく、5.5~52がより好ましく、9~34がさらい好ましい。
D/B比が上記範囲内であると、汚れに短時間接触させただけで充分な浸透洗浄力が得られやすくなる。
【0046】
<その他の成分>
本発明の液体洗浄剤組成物には、(A)~(D)成分以外の任意成分が含まれていてもよい。任意成分の種類及び量は、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば特に限定されず、公知の液体洗浄剤に配合される成分が適用可能である。この様な任意成分としては、例えば、増粘高分子、液性安定化剤、pH調整剤、水等が挙げられる。
【0047】
増粘高分子としては、セルロース系、ポリカルボン酸系、ポリアクリル酸系、ポリアミン系、ポリアルキレンイミン系、でんぷん系などが挙げられる。中でも、使用性の観点から、セルロース系高分子が好ましく、カルボキシメチルセルロース系高分子がより好ましい。
【0048】
液性安定化剤としては、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、グルコン酸、アスコルビン酸、メチルグリシン二酢酸、イミノジコハク酸、グルタミン酸二酢酸などが挙げられる。塩型として使用してもよく、その場合、対イオンの種類としては、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛などの遷移金属が挙げられる。中でも、液安定性の観点から、クエン酸またはその塩が好ましく、塩型の場合、対イオンがナトリウムであるものがより好ましい。
【0049】
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア等が挙げられる。
【0050】
本発明の液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。pHが上記範囲内であると、液安定性を維持し、汚れに対する浸透洗浄力を向上しやすくなる。
また、安全性の観点からpHは12.5以下が好ましい。
本発明において、液体洗浄剤組成物のpH(25℃)は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。
【0051】
本発明の液体洗浄剤組成物の粘度は500~10000mPa・sが好ましく、1000~5000mPa・sがより好ましい。
粘度が上記範囲内であると、吐出容器を用いて液体洗浄剤組成物を吐出しやすくなり、使用性を向上しやすくなる。
粘度は、25℃の液体洗浄剤組成物をB型粘度計で測定した値である。粘度の測定条件は、以下の通りである。
測定条件:
[ローター]
測定対象の粘度に対応するローター番号、ローター回転数は、下記の通りである。
・粘度が500mPa・s未満:ローター番号No.2、回転数60rpm。
・粘度が500mPa・s以上2000mPa・s未満:ローター番号No.3、回転数60rpm。
・粘度が2000mPa・s以上10000mPa・s未満:ローター番号No.4、回転数60rpm。
・粘度が10000mPa・s以上50000mPa・s未満:ローター番号No.4、回転数12rpm。
[数値の読み取り]
ローターの回転の開始から60秒後。
【0052】
≪製造方法≫
本発明の液体洗浄剤組成物の製造方法としては特に制限されない。例えば、(A)~(C)成分と、溶媒である水と、必要に応じて(D)成分及び任意成分とを混合することにより製造される。
【0053】
≪使用方法≫
本発明の液体洗浄剤組成物の使用方法としては、液体洗浄剤組成物又は液体洗浄剤組成物の希釈液を吐出容器に収容し、この吐出容器から、適量の液体洗浄剤組成物を被洗物に付着させ、一定時間静置後に水ですすぐ方法(擦らず洗い)や、液体洗浄剤組成物又は液体洗浄剤組成物の希釈液をスポンジ等の洗浄具にとり、洗浄具で被洗物を擦り、水ですすぐ方法(擦り洗い)等が挙げられる。特に、擦らず洗いに好ましく使用できる。
擦らず洗いをする場合、本発明の液体洗浄剤組成物を被洗物に付着させ、静置する時間は、15~60秒が好ましく、30~60秒がより好ましい。静置する時間が上記範囲内であると、汚れに対する浸透洗浄力をより向上しやすくなる。
本発明の液体洗浄剤組成物の用途は特に限定されない。例えば、繊維製品の洗濯用、食器洗い用、浴室の洗浄用、トイレの洗浄用等の用途が挙げられる。なかでも食器洗い用として使用することが好ましい。
【0054】
≪液体洗浄剤組成物製品≫
本発明の液体洗浄剤組成物製品は、本発明の液体洗浄剤組成物が、容器に収容されてなる。
図1は本発明の液体洗浄剤組成物製品の一例を示す正面図である。図1の液体洗浄剤組成物製品1は、液体洗浄剤組成物10を収容する容器本体100と、支持本体110とを備えるトリガー式スプレー容器である。
パイプ108が支持本体110から容器本体100の中へ伸びており、パイプ108の先端部が液体洗浄剤組成物10に侵入している。作動レバー120は支持本体110に組み込まれている。支持本体110の先端には開閉可能なキャップ120が設けられている。
【0055】
例えば、液体洗浄剤組成物製品1を擦らず洗いで使用する場合には、キャップ120を開け、支持本体110の先端を被洗物に向ける。作動レバー120をパイプ108側に押すと、液体洗浄剤組成物10がパイプ108を通して吸い上げられ、支持本体110の先端から吐出される。吐出された液体洗浄剤組成物10は、被洗物に付着する。液体洗浄剤組成物10が付着した被洗物を一定時間静置後、水ですすぐことにより、擦らず洗いを実施することができる。
吐出される液体洗浄剤組成物10は、泡状であることが好ましい。泡状であることにより被洗物の汚れに付着しやすくなるため、使用性、浸透洗浄力を向上しやすくなる。
【0056】
容器本体100の少なくとも一部の光透過率は10%以上であることが好ましい。これにより、液体洗浄剤組成物10の残存量を外側から視認することができる。なお、本明細書において、光透過率は200~700nmの波長領域における値であり、日立製作所製U-3310型分光光度計(60mmΦ積分球付属装置)を用いて透過スペクトル及び透過率を測定して求めることができる。
【0057】
容器本体100は、プラスチック製容器が好ましい。
プラスチック製容器の構成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等が挙げられる。
【0058】
図2は、本発明の液体洗浄剤組成物製品の他の例を示す正面図である。図2の液体洗浄剤組成物製品2は、液体洗浄剤組成物10aを収容する容器本体100aと、キャップ140とを備えるスクイズ式スプレー容器である。
【0059】
例えば、液体洗浄剤組成物製品2を擦らず洗いで使用する場合には、キャップ140を外し、容器本体100aの先端を被洗物に向ける。容器本体100aの側面を内側に押し込み、液体洗浄剤組成物10aを容器本体100aの先端から吐出させる。吐出された液体洗浄剤組成物10aは、被洗物に付着する。液体洗浄剤組成物10aが付着した被洗物を一定時間静置後、水ですすぐことにより、擦らず洗いを実施することができる。
吐出される液体洗浄剤組成物10aは、泡状であることが好ましい。泡状であることにより被洗物の汚れに付着しやすくなるため、使用性、浸透洗浄力を向上しやすくなる。
【0060】
容器本体100aの少なくとも一部の光透過率は10%以上であることが好ましい。これにより、液体洗浄剤組成物10aの残存量を外側から視認することができる。
容器本体100aは可撓性容器であることが好ましい。「可撓性」とは、容器内の圧力が変化した際に、容器が破損せずに柔軟に変形することをいう。
可撓性容器としては、プラスチック製容器が好ましい。
プラスチック製容器の構成材料としては、上記容器本体100で述べたものと同様のものが挙げられる。
【実施例
【0061】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例1~15、21及び26は参考例である。
【0062】
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。
「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
以下に、表中に示した成分について説明する。
【0063】
<(A)成分>
・A-1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アルキル基の炭素数:10~14、純度50%)、式(A-II)中、Rが炭素数10~14のアルキル基、Yが1、Zがナトリウムイオンである化合物(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製 ライポン LS-250)。
・A-2:ラウリル硫酸ナトリウム(純度33%)(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製 サンノール LM-1130)、式(A-I)中、Rがドデシル基、pが0、qが0、Xが1、Mがナトリウムイオンである化合物。
・A-3:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(アルキル基の炭素数:12および14で比率が12:14=75:25天然アルコール由来。平均EO付加モル数2、純度70%)(新日本理化製 シノリン SPE-1250)、式(A-I)中、Rが炭素数12~14のアルキル基、pが0、qが2、Xが1、Mがナトリウムイオンである化合物。
【0064】
<(B)成分>
・B-1:2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール(Rhodia Poliamida e Especialidades Ltda製 Augeo Clean Plus 純度99.5%)、式(B-I)中、Rがヒドロキシメチル基、Rがイソブチル基、Rがメチル基である化合物。
・B-2:2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール(Rhodia Poliamida e Especialidades Ltda製 Augeo Clean Multi 純度99.5%)、式(B-1)中、Rがヒドロキシメチル基、Rがメチル基、Rがメチル基である化合物。
・B-3:1,3-ジオキソラン(関東化学株式会社製 純度98%)、式(B-I)中、Rが水素、Rが水素、Rが水素である化合物。
・B-4:2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(関東化学株式会社製 純度98%)、式(B-I)中、Rが水素、Rがメチル基、Rがメチル基である化合物。
【0065】
<(C)成分>
・C-1:ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド(東邦化学工業製、カチナールAOC、純度30%)、式(C-II)中、Rは炭素数12~16のアルキル基、rは0、Rはメチル基、Rはメチル基である化合物。
・C-2:ラウリルジメチルアミンオキシド(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ製、カデナックス DM12D-W(C)、純度 33%)、式(C-II)中、Rはドデシル基、rは0、Rはメチル基、Rはメチル基である化合物。
・C-3:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、(Evonic製、Tego Betain L7、純度30%)式(C-I)中、Rは炭素数11~15のアルキル基、Aは-C=O(-NH-X)-、Xは-(CH-、Rはメチル基、Rはメチル基、Rは-CH-、Rは-CO である化合物。
【0066】
<(D)成分>
・D-1:ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合アルキルエーテル(アルキル基の炭素数:6~16、Dow Chemical製、Ecosurf SA-7,純度96%)。
・D-2:アルキルポリグリコシド(BASF社製、Glucopon 650 EC、アルキル基の炭素数:12~14 純度51.5%)。
・D-3:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(川研ファインケミカル製、 アミゾール CDE-G)。
・D-4:2-エチルヘキシルグリセリルエーテル(日本サーファクタント工業製、ニコガード88)。
・D-5:MGA、N-メチルヤシ油脂肪酸グルカミド(クラリアント製、Glucopure DEG 純度63%)。
【0067】
<任意成分>
・クエン酸塩:クエン酸3ナトリウム・2水和物(和光純薬工業株式会社製 純度99%)。
・CMC:カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセル化学工業株式会社製 CMC1260 純度99.7%)。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製、水酸化ナトリウム)、硫酸(関東化学株式会社製 硫酸)。
【0068】
<液体洗浄剤組成物の調製>
表に示す組成の液体洗浄剤組成物1000gを下記の手順で調製した。
1Lビーカーに(A)成分、(B)成分、及び(C)成分、必要に応じて(D)成分、及び任意成分を入れ、全体量が95質量%になるようにイオン交換水を添加し、スリーワンモータ(製品名:FBL600、新東科学製)で均一になるまで攪拌した。25℃でのpHが10.5になるようにpH調整剤を適量添加した後、全体量が100質量%になるようにイオン交換水を入れ、均一になるまで撹拌し、液体洗浄剤組成物を得た。
なお、上記pHは、25℃に調温し、ガラス電極式pHメーター(製品名:HM-30G、東亜ディーケーケー(株)製)を用い、ガラス電極を組成物に直接に浸漬し、1分間経過後に示すpHを測定した。
【0069】
[浸透洗浄力評価試験法1]
日清サラダ油(食用菜種油および大豆油の混合。日清オイリオ製)に対し、視認性を上げる為に、重量で0.1%となるようにSudan IVを均一溶解させたものを評価用汚垢とした。調製した汚垢を、幅3mm深さ3mmの溝を有するポリエチレン製の蓋(岩崎工業株式会社製、ラストロ・ネオキーパー870mL)に対し、電子天秤で軽量しながら、ポリスポイトを用いて0.5gを均一に塗布し、室温25℃で1時間静置した。上記の汚垢付着溝に対し、各実施例および比較例のサンプル4mLを、ピペッターを用いて均一に塗布し、60秒間静置した。上記の後に、25℃流速6L/minの流水で、溝を満遍なく十分にすすぎ、汚垢の残りを目視にて確認し、以下の評価基準で5段階に評価した。
[評価基準]
◎◎:汚垢の残りが全く無い。
◎:汚垢の残りが殆ど無い。
○:汚垢の残りは僅かである。
△:汚垢の残りがやや多い。
×:汚垢の残りが非常に多い。
【0070】
[浸透洗浄力評価試験法2]
日清サラダ油(食用菜種油および大豆油の混合。日清オイリオ製)に対し、視認性を上げる為に、重量で0.1%となるようにSudan IVを均一溶解させたものを評価用汚垢とした。調製した汚垢を、幅3mm深さ3mmの溝を有するポリエチレン製の蓋(岩崎工業株式会社製、ラストロ・ネオキーパー870mL)に対し、電子天秤で軽量しながら、ポリスポイトを用いて0.5gを均一に塗布し、室温25℃で1時間静置した。上記の汚垢付着溝に対し、各実施例および比較例のサンプル4mLを、ピペッターを用いて均一に塗布し、15秒間静置した。上記の後に、25℃流速6L/minの流水で、溝を満遍なく十分にすすぎ、汚垢の残りを目視にて確認し、以下の評価基準で5段階に評価した。
[評価基準]
◎◎:汚垢の残りが全く無い。
◎:汚垢の残りが殆ど無い。
○:汚垢の残りは僅かである。
△:汚垢の残りがやや多い。
×:汚垢の残りが非常に多い。
【0071】
[総合評価]
[浸透洗浄力評価試験法1]及び[浸透洗浄力評価試験法2]の評価結果から、以下の評価基準で5段階に評価した。◎◎、◎、〇、△を合格とする。
[評価基準]
◎◎:[浸透洗浄力評価試験法1]及び[浸透洗浄力評価試験法2]の評価結果がいずれも◎◎。
◎:[浸透洗浄力評価試験法1]の評価結果が◎◎、かつ[浸透洗浄力評価試験法2]の評価結果が◎、〇、△のいずれか。
〇:[浸透洗浄力評価試験法1]の評価結果が◎。
△:[浸透洗浄力評価試験法1]の評価結果が〇。
×:[浸透洗浄力評価試験法1]の評価結果が△又は×。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
本発明を適用した実施例1~26の液体洗浄剤組成物は、汚れに対する浸透洗浄力に優れていた。
(A)成分を含まない比較例1は、汚れに対する浸透洗浄力に劣っていた。
(B)成分を含まない比較例2は、汚れに対する浸透洗浄力に劣っていた。
(C)成分を含まない比較例3は、汚れに対する浸透洗浄力に劣っていた。
A/B比が45超である比較例4は、汚れに対する浸透洗浄力に劣っていた。
A/B比が0.06未満である比較例5は、汚れに対する浸透洗浄力に劣っていた。
【符号の説明】
【0077】
1、2 液体洗浄剤組成物製品
10、10a 液体洗浄剤組成物
100、100a 容器本体
108 パイプ
110 支持本体
120 作動レバー
130、140 キャップ
図1
図2