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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】自動倉庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20220415BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
B65G1/00 501Z
B65G1/00 521Z
B65G1/04 501
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018100352
(22)【出願日】2018-05-25
(65)【公開番号】P2019202872
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸尚
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-078991(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001930(WO,A1)
【文献】特開平06-305507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬出入口を開閉する扉体を有する開閉装置と、物品支持部を有し、該物品支持部を前進させて前記搬出入口から物品の保管スペース内に入れ、後退させて前記搬出入口を通過させ該保管スペース外に出す搬送装置とを備える自動倉庫において、
前記搬送装置は、前記物品支持部と一体的に移動する当接部材A、Bを有し、
前記開閉装置は、前記保管スペース外から前記搬出入口を閉じた前記扉体に向かって前進する前記当接部材Aが接触する被接触部材Cと、前記保管スペース内から開かれた前記搬出入口に向かって後退する前記当接部材Bが接触する被接触部材Dとを具備し、
前記当接部材Aは、前記被接触部材Cを介して前記扉体に力を作用させて該扉体を回動し前記搬出入口を開き、前記当接部材Bは、前記被接触部材Dを介して前記扉体に力を作用させて該扉体を回動し前記搬出入口を閉じることを特徴とする自動倉庫。
【請求項2】
請求項1記載の自動倉庫において、前記扉体は、水平軸Eを中心に回動する上扉及び該上扉の下方で水平軸Fを中心に回動する下扉を有し、前記開閉装置は、前記上扉及び前記下扉の各回動動作を連動させるリンク機構Gを具備することを特徴とする自動倉庫。
【請求項3】
請求項2記載の自動倉庫において、前記被接触部材Cは、前記下扉に固定され、前記扉体が前記搬出入口を閉じた状態で前記保管スペース外に配されることを特徴とする自動倉庫。
【請求項4】
請求項2又は3記載の自動倉庫において、前記被接触部材Dは、鉛直軸を中心に回動し、前記開閉装置は、前記被接触部材D及び前記下扉にそれぞれ自在継手を介して連結され、該被接触部材D及び該下扉の各回動動作を連動させる接続部材を具備することを特徴とする自動倉庫。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動倉庫において、前記物品支持部及び前記当接部材A、Bは、昇降可能であり、前記当接部材Aは、第1高さで又は該第1高さより低い第2高さで前進する前記物品支持部と共に前進して前記被接触部材Cに接触し、前記当接部材Bは、前記第1高さで又は前記第2高さで後退する前記物品支持部と共に後退して前記被接触部材Dに接触することを特徴とする自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに対して物品の出し入れを行う搬送装置を備える自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
自動倉庫に保管される物品によっては、ラックに物品の保管スペースを閉じる扉体が設けられ、その具体例が特許文献1、2に記載されている。扉体は、保管スペースに対応する物品の搬出入口に設けられ、保管スペース内に物品を搬入する際や保管スペース内から物品を搬出する際に、搬出入口を開いた状態にし、物品の搬出入が行われていない際に、搬出入口を閉じた状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-120768号公報
【文献】特開2016-78991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の自動倉庫は、扉体を開閉するための駆動源を用いており、駆動源や駆動源の作動を制御する制御部を要するため、構造が複雑になるという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、扉体を開閉する駆動源の追加が不要な自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る自動倉庫は、物品の搬出入口を開閉する扉体を有する開閉装置と、物品支持部を有し、該物品支持部を前進させて前記搬出入口から物品の保管スペース内に入れ、後退させて前記搬出入口を通過させ該保管スペース外に出す搬送装置とを備える自動倉庫において、前記搬送装置は、前記物品支持部と一体的に移動する当接部材A、Bを有し、前記開閉装置は、前記保管スペース外から前記搬出入口を閉じた前記扉体に向かって前進する前記当接部材Aが接触する被接触部材Cと、前記保管スペース内から開かれた前記搬出入口に向かって後退する前記当接部材Bが接触する被接触部材Dとを具備し、前記当接部材Aは、前記被接触部材Cを介して前記扉体に力を作用させて該扉体を回動し前記搬出入口を開き、前記当接部材Bは、前記被接触部材Dを介して前記扉体に力を作用させて該扉体を回動し前記搬出入口を閉じる。
【0006】
本発明に係る自動倉庫において、前記扉体は、水平軸Eを中心に回動する上扉及び該上扉の下方で水平軸Fを中心に回動する下扉を有し、前記開閉装置は、前記上扉及び前記下扉の各回動動作を連動させるリンク機構Gを具備するのが好ましい。
【0007】
本発明に係る自動倉庫において、前記被接触部材Cは、前記下扉に固定され、前記扉体が前記搬出入口を閉じた状態で前記保管スペース外に配されるのが好ましい。
【0008】
本発明に係る自動倉庫において、前記被接触部材Dは、鉛直軸を中心に回動し、前記開閉装置は、前記被接触部材D及び前記下扉にそれぞれ自在継手を介して連結され、該被接触部材D及び該下扉の各回動動作を連動させる接続部材を具備するのが好ましい。
【0009】
本発明に係る自動倉庫において、前記物品支持部及び前記当接部材A、Bは、昇降可能であり、前記当接部材Aは、第1高さで又は該第1高さより低い第2高さで前進する前記物品支持部と共に前進して前記被接触部材Cに接触し、前記当接部材Bは、前記第1高さで又は前記第2高さで後退する前記物品支持部と共に後退して前記被接触部材Dに接触するのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る自動倉庫は、搬送装置が、物品支持部と一体的に移動する当接部材A、Bを有し、開閉装置が、保管スペース外から搬出入口を閉じた扉体に向かって前進する当接部材Aが接触する被接触部材Cと、保管スペース内から開かれた搬出入口に向かって後退する当接部材Bが接触する被接触部材Dとを具備し、当接部材Aが、被接触部材Cを介して扉体に力を作用させて扉体を回動し搬出入口を開き、当接部材Bが、被接触部材Dを介して扉体に力を作用させて扉体を回動し搬出入口を閉じるので、物品支持部と一体的に移動する当接部材A、Bによって搬出入口を開閉でき、搬出入口を開閉するための駆動源の追加が不要である。従って、搬送装置の構造の複雑化を回避可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る自動倉庫の説明図である。
図2】搬出入口を閉じた状態の開閉装置の説明図である。
図3】搬出入口を開いた状態の開閉装置の説明図である。
図4】(A)、(B)はそれぞれ、下扉、回動部材及びローラの関係を示す説明図である。
図5】開閉装置の説明図である。
図6】ローラが板材に接触した様子を示す説明図である。
図7】物品が物品保持部材に置かれた様子を示す説明図である。
図8】縦長部材が軸材に接触した様子を示す説明図である。
図9】搬出入口が閉じられた様子を示す説明図である。
図10】(A)はローラが板材に接触した様子を示す説明図であり、(B)縦長部材が軸材に接触した様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る自動倉庫10は、物品Wの搬出入口11を開閉する扉体12を有する開閉装置13と、スライド部材(物品支持部の一例)14が、前進して搬出入口11から物品Wの保管スペース15内に入り、後退して搬出入口11を通過し保管スペース15外に出る搬送装置16とを備える。以下、詳細に説明する。
【0013】
自動倉庫10は、図1に示すように、間隔を空けて設けられたラック17、18と、ラック17、18間に平行配置されたレール19、19a上を走行する搬送装置(本実施の形態ではスタッカークレーン)16とを備えている。ラック17(ラック18についても同じ)には、それぞれ物品Wを収容可能な複数の保管スペース15が鉛直方向に形成されている。各保管スペース15には、物品Wの搬出入口11が設けられ、各保管スペース15内には、物品Wを支持可能な物品保持部材20が図示しない金属製部材に固定されている。なお、図1において、鉛直方向に配置された保管スペース15を区切る破線の位置には仕切板を設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0014】
搬送装置16は、マスト21に沿って昇降する昇降体22にフォーク23が装着されている。フォーク23は、図示しないモータの作動によってそれぞれ水平移動可能な複数のスライド部材14、23a、23bが重ねられた構造を有し、最上に位置するスライド部材14の上に物品Wが置かれる。
以下、ラック17、18間を基準にラック18側を前側、ラック17側を後側とし、図1において紙面奥側及び紙面手前側をそれぞれ左側及び右側とする。
スライド部材14は、ラック17、18間の空間から前進してラック18の搬出入口11を通ってラック18の保管スペース15内に進入し、ラック17、18間の空間から後退してラック17の搬出入口11を通ってラック17の保管スペース15内に進入する。
【0015】
搬送装置16は、図2図3図4(A)、(B)に示すように、スライド部材14の前側の左側面(一側側面)に設けられ左側に突出した突起部24に取り付けられたローラ(当接部材Aの一例)25及び縦長部材(当接部材Bの一例)26を有している。ローラ25は、突起部24より上方かつ前方に突出した状態で突起部24の基端側に回転可能に装着され、鉛直方向(スライド部材14の厚み方向)に長い樹脂製の縦長部材26は、突起部24より後方に突出した状態で突起部24の先端側に固定されている。
従って、ローラ25及び縦長部材26は、スライド部材14と一体的に移動する。また、スライド部材14、ローラ25及び縦長部材26は、昇降体22と共に昇降可能である。
なお、スライド部材14の後側にもローラ25及び縦長部材26と同様のローラ及び縦長部材が取り付けられている(当該ローラ及び縦長部材については図示及び詳細な説明を省略する)。
【0016】
次に、ラック18に設けられた開閉装置13について説明する。
ラック18には、図2図3図4(A)、(B)、図5に示すように、複数の保管スペース15にそれぞれ対応する複数の開閉装置13が設けられている。各保管スペース15には、内側に搬出入口11が形成された枠板27が設けられ、各開閉装置13は搬出入口11を開閉する扉体12を備えている。
【0017】
枠板27は左右に間隔を空けて配置された柱材28、29に固定され、枠板27の搬出入口11の上側領域及び下側領域にはそれぞれ、2つの蝶番30及び2つの蝶番31が取り付けられている。なお、板材27は柱材28、29とは異なる部材に固定してもよいことは言うまでも無い。各蝶番30は水平軸32(水平軸E)を具備し、各蝶番31は水平軸33(水平軸F)を具備している。2つの水平軸32は同一高さに配され、2つの水平軸33は同一高さに配されている。
【0018】
扉体12は、上端部が2つの蝶番30によって枠板27に連結された矩形状の上扉34と、上扉34の下方に配され、下端部が2つの蝶番31によって枠板27に連結された矩形状の下扉35を有している。上扉34及び下扉35は搬出入口11より前側、即ち、保管スペース15側に位置し、上扉34は2つの水平軸32を中心に保管スペース15側に回動でき、下扉35は2つの水平軸33を中心に保管スペース15側に回動できる。
【0019】
上扉34及び下扉35は、それぞれ鉛直(実質的に鉛直を意味する、以下同じ)状態で、上扉34の下端部と下扉35の上端部が近接する。
搬出入口11は、図2図3図5に示すように、上扉34及び下扉35が鉛直に配置されることによって閉じられ、上扉34及び下扉35が水平(実質的に水平を意味する、以下同じ)に配置されることによって開かれた状態となる。搬出入口11は、保管スペース15に対して物品Wの搬入、搬出がなされる際にのみ開かれ、通常は閉じられている。
【0020】
物品保持部材20は、図2図3に示すように、回動する上扉34及び下扉35に物品保持部材20と物品保持部材20に保持された物品Wが接触しないように、搬出入口11の前方に搬出入口11から間隔を空けて配置されている。ここで、本実施の形態では、扉体12が上扉34及び下扉35を有することから、扉体を1つの扉で構成する場合に比べ、物品保持部材20から搬出入口11までの距離を短くすることができる。
【0021】
上扉34及び下扉35には、図2図3図5に示すように、上扉34及び下扉35にそれぞれ固定された長尺部材36及び接続具37と、両端部がそれぞれ長尺部材36及び接続具37に回転自在に取り付けられた棒材38を有するリンク機構39(リンク機構G)が連結されている。リンク機構39は、下扉35の回動力を上扉34に伝えて上扉34及び下扉35の各回動動作を連動させることができ、下扉35が鉛直に配された状態で上扉34を鉛直に配し、下扉35が水平に配された状態で上扉34を水平に配置する。なお、図4(A)、(B)では、長尺部材36及び接続具37の記載が省略されている。
【0022】
また、枠板27の後側に固定された溝型具41には、図2図3図4(A)、(B)、図5に示すように、上下に間隔を空けて配されたアーム42、43を具備する回動部材(被接触部材Dの一例)44が取り付けられている。アーム42及びアーム42の直下に配されたアーム43は、共に平面視してL字状であり、各基端部が溝型具41の上下にそれぞれ固定された鉛直軸45、45aに回転自在に装着されている。従って、回動部材44は鉛直軸45、45aを中心に回動することができる。
【0023】
アーム42、43の各中央領域は、鉛直に配された軸材46によって連結され、アーム42、43の各先端部は、鉛直に配された軸材47によって連結されている。なお、軸材47は、軸材47の軸心を中心に回転自在にアーム42、43に取り付けられていてもよいし、アーム42、43に対し固定されていてもよい。軸材46、47は同一高さに位置している。本実施の形態では、回動部材44が主としてアーム42、43、軸材46、47によって構成されている。
【0024】
アーム43を貫通している軸材46の下端部には、棒状の接続部材48の一端部が自在継手49を介して連結され、接続部材48の他端部は自在継手50及び連結具51を介して下扉35に連結されている。接続部材48は、下扉35の回動力を回動部材44に伝え、あるいは、回動部材44の回動力を下扉35に伝えて回動部材44及び下扉35の各回動動作を連動させることができる。
軸材47は、図2図3図4(A)、(B)に示すように、下扉35が鉛直に配された状態で最も後方かつ最も左側に位置した状態となり、下扉35が水平配置された状態で最も前方かつ最も右側に位置した状態となる。
【0025】
下扉35には、図2図3図4(A)、(B)、図5に示すように、円弧状の外縁部を有する板材(被接触部材Cの一例)52が固定されている。板材52は、下扉35に対して垂直に配置され、下扉35が鉛直に配置された状態(即ち、扉体12が搬出入口11を閉じた状態)で保管スペース15外に配されて後方に突出した状態となる。
本実施の形態では、開閉装置13が主として扉体12、リンク機構39、回動部材44及び板材52によって構成されている。
【0026】
次に、物品Wをラック18の保管スペース15に搬入する際及び物品Wをラック18の保管スペース15から搬出する際の搬送装置16及び開閉装置13の動作について説明する。
保管スペース15に物品Wを搬入する際、図2に示すように、物品Wを載せたスライド部材14、ローラ25及び縦長部材26は、昇降体22と共に昇降して、扉体12によって閉じられた搬出入口11の後方の高さ位置に配される。このときのスライド部材14の高さ位置を第1高さとする。
【0027】
スライド部材14、ローラ25及び縦長部材26は、その位置(即ち、保管スペース15外)から搬出入口11を扉体12の下扉35に向かって前進し、ローラ25が、図4(A)、図6に示すように、板材52の円弧状の外縁部に接触する。即ち、ローラ25は、第1高さで前進するスライド部材14と共に前進して板材52に接触する。板材52に接触したローラ25は、スライド部材14及び縦長部材26と共に前進し、板材52を介して下扉35に対し前向きの力を作用させて、下扉35と共に上扉34及び回動部材44を回動する。
【0028】
上扉34及び下扉35は、図3に示すように、水平に配されるまで回動して、搬出入口11を開いた状態にし(即ち、ローラ25は扉体12を回動して搬出入口11を開く)、回動部材44は、軸材47が最も前方かつ最も右側に配された状態となる。そして、スライド部材14、ローラ25及び縦長部材26は、搬出入口11から保管スペース15内に進入し、物品Wが物品保持部材20上に配される位置まで前進した後、図7に示すように、下降する。下降後のスライド部材14の高さ位置を第2高さ位置とする。
【0029】
スライド部材14の下降によって、スライド部材14上の物品Wは物品保持部材20上に載置される。なお、物品保持部材20は左右方向中央に空間部が設けられており、スライド部材14はその空間部内に進入する。
そして、スライド部材14、ローラ25及び縦長部材26は、保管スペース15内から上扉34及び下扉35によって開かれた搬出入口11に向かって後退し、図8に示すように、縦長部材26が軸材47に接触する。よって、縦長部材26は、第2高さで後退するスライド部材14と共に後退して軸材47に接触することとなる。
【0030】
軸材47に接触した縦長部材26は、スライド部材14及びローラ25と共に後退して、軸材47を介して下扉35に後向きの力を作用させて、回動部材44と共に上扉34及び下扉35を回動する。上扉34及び下扉35は、図9に示すように、鉛直状態となるまで回動して、搬出入口11を閉じ(即ち、縦長部材26は扉体12を回動して搬出入口11を閉じ)、回動部材44は、軸材47が最も後方かつ最も左側に配された状態となる。ここで、上扉34及び下扉35の一方又は双方にウエイトを取り付けて、上扉34及び下扉35が安定的に水平状態及び鉛直状態に配されるように設計することができる。
【0031】
また、物品Wを保管スペース15から搬出する際、スライド部材14は閉じられた搬出入口11の後方の第2高さに配される。そして、ローラ25は、上扉34と共に搬出入口11を閉じている下扉35に向かって、スライド部材14及び縦長部材26と一体的に前進し、図10(A)に示すように、板材52の円弧状の外縁部に接触する(即ち、ローラ25は、第2高さで前進するスライド部材14と共に前進して板材52に接触する)。
【0032】
ローラ25の前進によって上扉34及び下扉35が回動して搬出入口11が開かれ、スライド部材14は、保管スペース15内に入り、物品保持部材20に載置された物品Wの下方から第1高さまで上昇して物品Wを支持した状態となる。その後、縦長部材26は、第1高さで後退するスライド部材14と共に後退して、図10(B)に示すように、軸材47に接触する、そして、縦長部材26の後退による回動部材44の回動によって搬出入口11が上扉34及び下扉35によって閉じられる。
【0033】
なお、ラック17にも開閉装置13と同様の構造を有する開閉装置が設けられ、ラック17の各保管スペース15には枠板27と同様の構造を有する枠板が取り付けられている。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、物品が置かれるスライド部材は全体が保管スペース内に進入可能である必要はなく、当該スライド部材の一部は保管スペース内に進入できなくてもよい。当該スライド部材の一部が保管スペース内に進入できない場合、そのスライド部材において、保管スペース内に進入可能な領域が物品支持部に該当する。
【0035】
また、扉体は2つの扉を有する必要はなく、例えば、扉体を1つの扉で構成してもよい。
そして、扉体が上扉及び下扉を有する場合、被接触部材Cは上扉に固定されていてもよく、上扉及び下扉は水平に対し傾斜して配されて搬出入口を開いてもよい。
更に、被接触部材Dが水平軸を中心に回動するように設計してもよい。そして、その場合、接続部材は被接触部材D及び下扉にそれぞれ回転自在に連結されていればよく、接続部材と被接触部材D及び下扉との連結に自在継手を設ける必要はない。
【符号の説明】
【0036】
10:自動倉庫、11:搬出入口、12:扉体、13:開閉装置、14:スライド部材、15:保管スペース、16:搬送装置、17、18:ラック、19、19a:レール、20:物品保持部材、21:マスト、22:昇降体、23:フォーク、23a、23b:スライド部材、24:突起部、25:ローラ、26:縦長部材、27:枠板、28、29:柱材、30、31:蝶番、32、33:水平軸、34:上扉、35:下扉、36:長尺部材、37:接続具、38:棒材、39:リンク機構、41:溝型具、42、43:アーム、44:回動部材、45、45a:鉛直軸、46、47:軸材、48:接続部材、49、50:自在継手、51:連結具、52:板材、W:物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10