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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】取付金具
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/14 20060101AFI20220415BHJP
   F16B 45/00 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
G09F3/14 Z
G09F3/14 D
F16B45/00 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018133924
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2019023726
(43)【公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】P 2017142984
(32)【優先日】2017-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501096562
【氏名又は名称】日鉄ファーストテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592228387
【氏名又は名称】株式会社佐藤製線所
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 直樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康裕
(72)【発明者】
【氏名】関内 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 浩之
(72)【発明者】
【氏名】澤 圭児
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-152852(JP,A)
【文献】実開昭48-061796(JP,U)
【文献】特開平09-062191(JP,A)
【文献】特開2004-078230(JP,A)
【文献】特開2008-087807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/14
G09F 7/18
F16B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの穴を有する表示札が装着された状態で、コイル状に巻き回された金属材を結束している結束用金属帯に対して取り付けられる取付金具であって、
第1の部分、第2の部分、第3の部分、第4の部分、及び第5の部分を有し、
前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分、前記第4の部分、及び前記第5の部分は、一つの線状の金属材により一体となっており、
前記第1の部分と前記第2の部分は、縦方向に延設された部分であり、
前記第1の部分と前記第2の部分の横方向の間隔は、前記表示札の前記2つの穴の間隔に対応する長さであり、
前記第3の部分の一端部は、前記第1の部分の一端部と繋がった状態になっており、
前記第3の部分の他端部は、前記第2の部分の一端部と繋がった状態になっており、
前記第4の部分の一端部は、前記第1の部分の他端部と繋がった状態になっており、
前記第5の部分の一端部は、前記第2の部分の他端部と繋がった状態になっており、
前記第4の部分の一端部は、前記第1の部分の一端部側に折り返された状態になっており、
前記第4の部分の、前記第1の部分の一端部に最も近い部分は、前記第1の部分に近づくように前記第1の部分の他端部側に折り返された状態になっており、
前記第5の部分の一端部は、前記第2の部分の一端部側に折り返された状態になっており、
前記第5の部分の、前記第2の部分の一端部に最も近い部分は、前記第2の部分に近づくように前記第2の部分の他端部側に折り返された状態になっており、
前記第3の部分の少なくとも一部の領域は、前記第1の部分および前記第2の部分の一端部よりも、前記第1の部分および前記第2の部分の他端部側に位置する状態になっており、
前記第4の部分の一端部、前記第5の部分の一端部は、それぞれ、前記縦方向および前記横方向に垂直な奥行方向の向きが相互に逆向きになるように、前記第1の部分の一端側、前記第2の一端部側に折り返された状態になっており、
前記表示札の表面側に前記第3の部分が、前記表示札の裏面側に前記第1の部分および前記第2の部分が、それぞれ位置し、且つ、前記第1の部分と前記第3の部分とが繋がる部分と、前記第2の部分と前記第3の部分とが繋がる部分に前記表示札の穴が位置する状態になり、
前記第4の部分の前記折り返しにより生じる空間と前記第5の部分の前記折り返しにより生じる空間に、前記結束用金属帯が位置する状態になり、
前記第4の部分は、前記結束用金属帯の一面側に位置し、前記第5の部分は、前記結束用金属帯の他面側に位置する状態になることを特徴とする取付金具。
【請求項2】
前記第4の部分の前記第1の部分の一端部に最も近い部分は、前記第4の部分の他端部が前記第1の部分と隣り合うように、前記第1の部分の他端部側に折り返された状態になっており、
前記第5の部分の前記第2の部分の一端部に最も近い部分は、前記第5の部分の他端部が前記第2の部分と隣り合うように、前記第2の部分の他端部側に折り返された状態になっていることを特徴とする請求項1に記載の取付金具。
【請求項3】
前記第4の部分の他端部の少なくとも一部は、前記第1の部分と前記横方向において隣り合う状態になっており、
前記第5の部分の他端部の少なくとも一部は、前記第2の部分と前記横方向において隣り合う状態になっており、
前記取付金具を前記横方向に沿って見たときに、前記第4の部分の他端部の少なくとも一部が、前記第1の部分よりも、前記第4の部分が形成されている側とは反対側の領域に食み出していない状態になっており、
前記取付金具を前記横方向に沿って見たときに、前記第5の部分の他端部の少なくとも一部が、前記第2の部分よりも、前記第5の部分が形成されている側とは反対側の領域に食み出していない状態になっていることを特徴とする請求項2に記載の取付金具。
【請求項4】
前記第4の部分の一端部と、前記第4の部分の他端部との間に生じる空間の前記縦方向の長さと、前記第5の部分の一端部と、前記第5の部分の他端部との間に生じる空間の前記縦方向の長さは、それぞれ、前記結束用金属帯の幅よりも長いことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の取付金具。
【請求項5】
前記第3の部分は、第1側部と、央部と、第2側部とを有し、
前記第1側部の一端部は、前記第1の部分の一端部に繋がった状態になっており、
前記第1側部の他端部は、前記央部の一端部に繋がった状態になっており、
前記第2側部の一端部は、前記第2の部分の一端部に繋がった状態になっており、
前記第2側部の他端部は、前記央部の他端部に繋がった状態になっており、
前記第3の部分は、前記取付金具を前記横方向に沿う方向から見た場合に、前記第1の部分および前記第2の部分と重ならない状態になっており、
前記第3の部分は、前記第4の部分の最も前記第1の部分の一端部側の位置および前記第5の部分の最も前記第2の部分の一端部側の位置よりも、前記第1の部分の一端部側および前記第2の部分の一端部側に位置した状態になっており、
前記第1側部の一端部は、その他端部が、前記第1の部分に近づくように、前記第1の部分の他端部側に折り返された状態になっており、
前記第2側部の一端部は、その他端部が、前記第2の部分に近づくように、前記第2の部分の他端部側に折り返された状態になっていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の取付金具。
【請求項6】
前記第1側部の一端部は、その他端部が、前記第1の部分に近づくように、前記第1の部分の他端部側に曲率を有して折り返された状態になっており、
前記第2側部の一端部は、その他端部が、前記第2の部分に近づくように、前記第2の部分の他端部側に曲率を有して折り返された状態になっていることを特徴とする請求項5に記載の取付金具。
【請求項7】
前記第3の部分の、前記第1の部分および前記第2の部分の他端部側の領域の前記縦方向における位置と、前記第4の部分および前記第5の部分の、前記第1の部分および前記第2の部分の一端部側の領域の前記縦方向における位置には、重複する部分があり、かつ、前記第4の部分および前記第5の部分を前記表示札の穴に通した際に、前記第4の部分および前記第5の部分の全ての領域が、前記表示札の穴を通るようにしたことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の取付金具。
【請求項8】
前記第3の部分は、その一端部において、前記第1の部分の一端部よりも前記第1の部分の他端部側に折り曲げられ、
前記第3の部分は、その他端部において、前記第2の部分の一端部よりも前記第2の部分の他端部側に折り曲げられることを特徴とする請求項1、2、3、4、および6の何れか1項に記載の取付金具。
【請求項9】
前記取付金具を前記横方向に沿う方向から見た場合に、前記第3の部分の少なくとも一部の領域が、前記第1の部分および前記第2の部分と重なるように、前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分が配置されることを特徴とする請求項8に記載の取付金具。
【請求項10】
前記線状の金属材に表面処理が施されていることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束された金属材の情報を表示する表示札を装着して結束用金属材に取り付けるための取付金具に関する。
【背景技術】
【0002】
小径の棒鋼、線材や鋼管等の金属材の出荷形態として、コイル状に巻き取られた金属材や複数本の金属材を、結束用金属帯(フープ)により結束する形態がある。そして、出荷した金属材の管理や識別等を行うために、結束された金属材に対して、当該金属材の情報が表示された表示札を取り付ける必要がある。
そこで、特許文献1には、線状の金属材を加工することにより形成される取付金具が開示されている。この取付金具は、第1の部分、第2の部分、第3の部分、第4の部分、及び第5の部分を有する。
【0003】
第1の部分及び第2の部分は、表示札に形成された2つの穴の間隔に対応する長さの間隔を横方向に有して配置される2つの部分であって、それぞれ縦方向に延設される部分である。
第3の部分は、その一端部が前記第1の部分の一端部に繋がり、その他端部が前記第2の部分の一端部に繋がる部分である。
【0004】
第4の部分は、その一端部が前記第1の部分の他端部に繋がる部分であり、第5の部分は、その一端部が前記第2の部分の他端部に繋がる部分である。前記第4の部分と前記第5の部分は、前記横方向において相互に対向する位置に配置される。
また、前記第4の部分は、その一端部において、前記第1の部分の一端部側に折り返される。前記第5の部分も、その一端部において、前記第2の部分の一端部側に折り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5547352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、特許文献1に記載の取付金具をフープに取り付けて金属材の出荷を行ったところ、金属材の搬送過程で、取付金具がフープから外れることがあるという知見を得た。例えば、コイル状に巻き取られた金属材をフープで結束し、当該フープに取付金具を取り付けた状態で、当該金属材を転がすことが繰り返されると、取付金具がフープから外れることがある。また、取付金具が逆さになる場合に、取付金具がフープから外れることがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、金属材を結束用金属帯で結束して出荷するに際し、当該金属材の表示札が外れることの抑制効果を高めることができる取付金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の取付金具は、少なくとも2つの穴を有する表示札が装着された状態で、コイル状に巻き回された金属材を結束している結束用金属帯に対して取り付けられる取付金具であって、第1の部分、第2の部分、第3の部分、第4の部分、及び第5の部分を有し、前記第1の部分、前記第2の部分、前記第3の部分、前記第4の部分、及び前記第5の部分は、一つの線状の金属材により一体となっており、前記第1の部分と前記第2の部分は、縦方向に延設された部分であり、前記第1の部分と前記第2の部分の横方向の間隔は、前記表示札の前記2つの穴の間隔に対応する長さであり、前記第3の部分の一端部は、前記第1の部分の一端部と繋がった状態になっており、前記第3の部分の他端部は、前記第2の部分の一端部と繋がった状態になっており、前記第4の部分の一端部は、前記第1の部分の他端部と繋がった状態になっており、前記第5の部分の一端部は、前記第2の部分の他端部と繋がった状態になっており、前記第4の部分の一端部は、前記第1の部分の一端部側に折り返された状態になっており、前記第4の部分の、前記第1の部分の一端部に最も近い部分は、前記第1の部分に近づくように前記第1の部分の他端部側に折り返された状態になっており、前記第5の部分の一端部は、前記第2の部分の一端部側に折り返された状態になっており、前記第5の部分の、前記第2の部分の一端部に最も近い部分は、前記第2の部分に近づくように前記第2の部分の他端部側に折り返された状態になっており、前記第3の部分の少なくとも一部の領域は、前記第1の部分および前記第2の部分の一端部よりも、前記第1の部分および前記第2の部分の他端部側に位置する状態になっており、前記第4の部分の一端部、前記第5の部分の一端部は、それぞれ、前記縦方向および前記横方向に垂直な奥行方向の向きが相互に逆向きになるように、前記第1の部分の一端側、前記第2の一端部側に折り返された状態になっており、前記表示札の表面側に前記第3の部分が、前記表示札の裏面側に前記第1の部分および前記第2の部分が、それぞれ位置し、且つ、前記第1の部分と前記第3の部分とが繋がる部分と、前記第2の部分と前記第3の部分とが繋がる部分に前記表示札の穴が位置する状態になり、前記第4の部分の前記折り返しにより生じる空間と前記第5の部分の前記折り返しにより生じる空間に、前記結束用金属帯が位置する状態になり、前記第4の部分は、前記結束用金属帯の一面側に位置し、前記第5の部分は、前記結束用金属帯の他面側に位置する状態になることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金属材を結束用金属帯で結束して出荷するに際し、当該金属材の表示札が外れることの抑制効果を高めることができる取付金具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】小径の鋼材(棒鋼、線材や鋼管等)の出荷形態の一例を示す図である。
図2】本実施形態の取付金具の一例を正面から見た図である。
図3】本実施形態の取付金具の一例を横方向及び縦方向から見た図である。
図4】表示札が装着され、且つフープに取り付けられた状態の本実施形態の取付金具の一例を正面から見た図である。
図5】表示札が装着され、且つフープに取り付けられた状態の本実施形態の取付金具の断面の一例を示す図である。
図6】使用により取付金具が変形する様子に一例を示す図である。
図7】本実施形態の取付金具に表示札を装着する方法の一例を説明する第1の図である。
図8】表示札が装着された本実施形態の取付金具を、フープに取り付ける方法の一例を説明する図である。
図9】表示札が装着された本実施形態の取付金具を、フープに取り付ける際の第4の部分の様子の一例を説明する図である。
図10】本実施形態の取付金具の第1の変形例を正面から見た図である。
図11】本実施形態の取付金具の第1の変形例を側方及び上方から見た図である。
図12】本実施形態の取付金具の第2の変形例を正面から見た図である。
図13】本実施形態の取付金具の第2の変形例を側方及び上方から見た図である。
図14】本実施形態の取付金具の第3の変形例を正面から見た図である。
図15】本実施形態の取付金具の第3の変形例を側方及び上方から見た図である。
図16】本実施形態の取付金具の効果の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述したように特許文献1に記載の取付金具では、金属材を結束するフープから取付金具が外れることがある。これは、主に、前記第4の部材と前記第5の部材の変形に起因するという知見を得た。例えば、前記第4の部材と前記第5の部材の一端側における折り返しの角度が変わることが、フープから取付金具が外れることに起因する。このような知見から、本発明者らは、前記第4の部材と前記第5の部材を改良することに着目し、検討した結果、以下の実施形態に想到した。
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。尚、各図では、説明及び表記の都合上、説明に必要な部分のみを必要に応じて簡略化して示す。また、請求項と以下に説明する実施形態及び変形例との対応例については、最後にまとめて示す。
図1は、小径の鋼材(棒鋼、線材や鋼管等)の出荷形態の一例を示す図である。
図1において、小径の鋼材10は、比較的小さな力で自在に曲げられる熱間仕上工程を経て巻き取り装置によりコイル状に巻き取られた後、複数箇所において、結束用金属帯の一例であるフープ20a、20bにより結束される。図1に示す例では、このようにして小径の鋼材10が結束されている状態で、フープ20aの外側(小径の鋼材10により形成されるコイルの外周面側)に、表示札30が装着された取付金具40が取り付けられる。このように本実施形態では、取付金具40が、コイル状の小径の鋼材10を結束するフープ20aに対して取り付けられる場合を例に挙げて説明する。
【0012】
図2は、本実施形態の取付金具40の一例を示す正面図(取付金具40を、その正面から(Y軸方向に沿って)見た図)である。図3は、本実施形態の取付金具40の一例を示す側面図及び上面図(取付金具40を、その横方向(X軸方向)、縦方向(Z軸方向)に沿って見た図)である。具体的に、図3(a)は、図2の方向Aから見た場合(X軸の負の方向に沿って見た場合)の取付金具40の一例を示す側面図である。図3(b)は、図2の方向Bから見た場合(X軸の正の方向に沿って見た場合)の取付金具40の一例を示す側面図である。図3(c)は、図2の方向Cから見た場合(Z軸の負の方向に沿って見た場合)の取付金具40の一例を示す上面図である。図4は、表示札30が装着され、且つフープ20aに取り付けられた状態の取付金具40の正面図である。図5は、表示札30が装着され、且つフープ20aに取り付けられた状態の取付金具40の断面図である。具体的に図5(a)は、図4のI-I´断面図(I-I´で示す部分で切った断面を矢印の方向から見た図)であり、図5(b)は、図4のII-II´断面図(II-II´で示す部分で切った断面を矢印の方向から見た図)である。
【0013】
尚、各図において、X軸、Y軸、Z軸は、方向を示すものである。○の中に×を示しているものは、紙面の手前側から奥側に向かう方向を表し、○の中に●を示しているものは、紙面の奥側から手前側に向かう方向を表す。また、以下の説明においては、必要に応じて、Z軸方向を縦方向、X軸方向を横方向、Y軸方向を奥行方向と称する。また、必要に応じて、Z軸の正の方向側を上側、Z軸の負の方向側を下側と称し、Y軸の負の方向側を手前側と称し、Y軸の正の方向側を奥側と称する。また、図2では、説明の都合上、実際には、第2の部分220に隠れて見えない部分(第5の部分250の少なくとも一部)も示している。
【0014】
図4図5において、表示札30は、薄い金属板を用いて形成される。また、表示札30には、同じ形状の2つの穴310a、310bが、横方向(X軸方向)において間隔を有して形成される。更に、表示札30の一面には、小径の鋼材10の情報が印刷されたシール31が貼付される。以下の説明では、必要に応じて、表示札30の面のうち、シール31が貼付されている面を表面、シール31が貼付されていない面を裏面と称する。尚、図4に示すように、表示札30の表面が見えるように(即ち、表示札30の表面がフープ20a側に位置しないように)することは勿論である。また、表示札30は、金属製のものに限定されるものではなく、例えば、プラスチック製であってもよいし、紙製であってもよい。
【0015】
図2において、取付金具40は、直径が0.8[mm]~3[mm]程度の鋼製の1本の丸線を加工する(塑性変形させる)ことにより形成される。取付金具40は、第1の部分210、第2の部分220、第3の部分230、第4の部分240、及び第5の部分250を有する。このように、第1の部分210、第2の部分220、第3の部分230、第4の部分240、及び第5の部分250は、一体となっている。尚、線状の金属材を加工して取付金具を形成していれば、必ずしも、鋼製の丸線を加工して取付加工を形成する必要はない。
【0016】
第1の部分210と第2の部分220は、同一の大きさ及び形状を有し、取付金具40の縦方向(Z軸方向)に延設される部分である。
第1の部分210と第2の部分220の、取付金具40の横方向(X軸方向)における間隔は、図4に示す表示札30の2つの穴310a、310bの間隔に対応する長さを有する。ここで、2つの穴310a、310bの間隔に対応する長さとは、穴310a、310bの最短距離よりも長く、穴310a、310bの最長距離よりも短い長さをいう。穴310a、310bの最短距離は、穴310aの穴310bに最も近い位置の端部311aと穴310bの穴310aに最も近い位置の端部311bとの直線距離である。穴310a、310bの最長距離は、穴310aの穴310bに最も遠い位置の端部312aと穴310bの穴310aに最も遠い位置の端部312bとの直線距離である。
【0017】
第3の部分230は、その一端部が第1の部分210の一端部211に繋がり、その他端部が第2の部分220の一端部221に繋がる部分である。
【0018】
図2図3(a)、図3(b)に示すように、第3の部分230の下端部付近の領域(Z軸の負の方向の端部付近の領域)は、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも下側(Z軸の負の方向側)の領域に配置される。第3の部分230の残りの領域は、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側(Z軸の正の方向側)であり、且つ、第4の部分240及び第5の部分250の最も下側の位置241、251よりも下側の領域に配置される。
【0019】
また、図3(a)及び図3(b)に示すように、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第1の部分210及び第2の部分220と、第3の部分230とが重ならないように、第1の部分210、第2の部分220、及び第3の部分230が配置される。
【0020】
第3の部分230は、第1側部231と、央部232と、第2側部233とからなる。
第1側部231と第2側部233は、同一の大きさ及び形状を有する。第1側部231と第2側部233は、取付金具40の横方向(X軸方向)において相互に対向する位置に配置される。
【0021】
図3(a)に示すように、第1側部231の一端部は、第1の部分210の一端部211に繋がる。具体的に、第1側部231の他端部が、第1の部分210上の位置であって、第4の部分240及び第5の部分250の最も下側の位置241、251よりも下側の位置に近づくように、曲率を有して折り返された状態で、第1側部231の一端部は、第1の部分210の一端部211に繋がる。
同様に、図3(b)に示すように、第2側部233の一端部は、第2の部分220の一端部221に繋がる。具体的に、第2側部233の他端部が、第2の部分220上の位置であって、第4の部分240及び第5の部分250の最も下側の位置241、251よりも下側の位置に近づくように、曲率を有して折り返された状態で、第2側部233の一端部は、第2の部分220の一端部221に繋がる。
【0022】
尚、ここでは、例えば、第1側部231の一端部、第2側部233の一端部が、それぞれ、第1の部分210上の位置、第2の部分220上の位置に近づくように、曲率を有して折り返される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、例えば、第1側部の一端部、第2側部の一端部が、それぞれ、第1の部分210上の位置、第2の部分220上の位置に近づくように、(曲率を有さずに)屈曲させて折り返されるようにしてもよい。
【0023】
央部232は、取付金具40の横方向(X軸方向)に延設される部分である。央部232の一端部は、第1側部231の他端部に繋がり、央部232の他端部は、第2側部233の他端部に繋がる。
以上のように、第3の部分230は、第1の部分210の一端部211よりも下側に位置した後、第1の部分210の一端部211、第2の部分220の一端部221よりも上側に、曲率を有して折り曲げられる部分を有する。前述したように、第1側部231と第2側部233は、取付金具40の横方向(X軸方向)において相互に対向する位置に配置される。従って、第1側部231、第2側部233は、それぞれ、第1の部分210の一端部211、第2の部分220の一端部221よりも上側に折り曲げられる際に、奥行方向(Y軸方向)の位置が、第1の部分210、第2の部分220を基準として同じ側の位置になる。即ち、図2に示す例では、第1側部231、第2側部233は、それぞれ、第1の部分210、第2の部分220を基準として手前側(Y軸の負の方向側)の位置に配置される。
ここで、第1の部分210、第2の部分220と、第3の部分230の央部232との間の長さを、表示札30の厚みよりも狭くする。図3(a)、図3(b)に示す例では、第1の部分210、第2の部分220と、第3の部分230の央部232とを当接させている。
【0024】
第4の部分240と第5の部分250は、同一の大きさ及び形状を有する。第4の部分240の一端部、第5の部分250の一端部は、それぞれ、奥行方向(Y軸方向)の向きが相互に逆向きになるように、第1の部分210の他端部212、第2の部分220の他端部222から、下側(Z軸の負の方向側)に折り返される。
図3(a)に示すように、第4の部分240の一端部は、第1の部分210の他端部212に繋がる。第4の部分240は、その一端部において、下側(第1の部分210の一端部211側)に(ヘアピン状に)折り返される。また、第4の部分240は、その最も下側の位置(第1の部分210の一端部211に最も近い位置)241で、その他端部242の少なくとも一部が第1の部分210と隣り合うように、上側(第1の部分210の他端部212側)に(ヘアピン状に)折り返される。本実施形態では、第4の部分240の他端部242の少なくとも一部と、第1の部分210とが、横方向(X軸方向)において隣り合うようにする。尚、例えば、第4の部分240の他端部242の少なくとも一部と、第1の部分210とが、奥行方向(Y軸方向)において隣り合うようにしてもよい。
【0025】
また、図3(b)に示すように、第5の部分250の一端部は、第1の部分220の他端部222に繋がる。第5の部分250は、その一端部において、下側(第2の部分220の一端部221側)に(ヘアピン状に)折り返される。また、第5の部分250は、その最も下側の位置(第2の部分220の一端部221に最も近い位置)251で、その他端部252の少なくとも一部が第2の部分220と隣り合うように、上側(第2の部分220の他端部222側)に折り返される。本実施形態では、第5の部分250の他端部252の少なくとも一部と、第2の部分220とが、横方向(X軸方向)において隣り合うようにする。尚、例えば、第5の部分250の他端部252の少なくとも一部と、第2の部分220とが、奥行方向(Y軸方向)において隣り合うようにしてもよい。
【0026】
尚、取付金具40をフープ20aに取り付けた状態で鋼材10を搬送すると、その過程で、取付金具40が変形する。例えば、図6に示すように、第1の部分210の他端部212における折り返しの角度が大きくなる。そうすると、第4の部分240の最も下側(第1の部分210の一端部211側)の位置241から上側に折り返されている部分が、第1の部分210から離れることがある。このことは、第5の部分250においても同じである。
【0027】
前述したように、第4の部分240の一端部、第5の部分250の一端部は、それぞれ、奥行方向(Y軸方向)の向きが相互に逆向きになるように、第1の部分210の他端部212、第2の部分220の他端部222から、下側(Z軸の負の方向側)に折り返される。即ち、図2に示す例では、第4の部分240は、第1の部分210よりも手前側(Y軸の負の方向側、表示札30が位置する側)の位置に配置されるのに対し、第5の部分250は、第2の部分220よりも奥側(Y軸の正の方向側、表示札30が位置する側とは反対側)の位置に配置される(図3(a)~図3(c)、図5(a)、図5(b)も参照)。
【0028】
また、第4の部分240の前述した折り返しにより生じる空間243と、第5の部分250の前述した折り返しにより生じる空間253に、フープ20aが配置される。本実施形態では、第4の部分240の一端部(第1の部分210の他端部212)と第4の部分240の他端部242との間に生じる空間の縦方向(Z軸方向)の長さは、フープ20aの幅(Z軸方向の長さ)よりも長い。同様に、第5の部分250の一端部(第2の部分220の他端部222)と第5の部分250の他端部252との間に生じる空間の縦方向(Z軸方向)の長さも、フープ20aの幅(Z軸方向の長さ)よりも長い。即ち、図3(a)、図3(b)のH1は、図4のH2よりも長い(H1>H2)。尚、取付金具40のフープ20aへの取付方法については、図8を参照しながら後述する。
【0029】
次に、取付金具40に表示札30を装着する方法の一例を説明する。図7は、取付金具40に表示札30を装着する方法の一例を説明する図である。図7は、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見た図である。
図7の一番上の図及び上から2番目の図に示すように、まず、表示札30の表面の領域のうち、シール31が貼付されている側の領域が、取付金具40の第4の部分240及び第5の部分250側になるように、表示札30の表面側を、取付金具40側に向ける。その状態で、表示札30および取付金具40を近づけて、表示札30の穴310aに第4の部分240を、表示札30の穴310bに第5の部分250を、それぞれ通す。
【0030】
そして、図7の上から3番目の図に示すように、第4の部分240及び第5の部分250の全ての領域が、表示札30の裏面側(シール31が貼付されていない側)に位置するようにする。即ち、第4の部分240、第5の部分250の全ての領域が、表示札30の穴310a、310bを通るようにする。このとき、取付金具40及び表示札30の少なくとも一方が弾性変形しても構わない。
【0031】
その後、図7の上から3番目の図に示すように、表示札30の表面側(シール31が貼付されている側)が手前側(Y軸の負の方向側)を向くように表示札30を回動させる(図7の上から3番目の図に示す矢印線を参照)。そして、表示札30を下側(Z軸の負の方向側)に移動させ、表示札30の穴310a、310bを、それぞれ、第1の部分210、第2の部分220と、第3の部分230の央部232との間の領域に通し、更に表示札30を下側に移動できなくなるまで移動させる。このとき、第1の部分210及び第2の部分220と、第3の部分230との少なくとも何れか一方が弾性変形する。前述したように、第1の部分210及び第2の部分220と、第3の部分230の央部232との間の長さは、表示札30の厚みよりも狭いからである。
【0032】
以上のようにすることによって、図7の上から4番目の図(一番下の図)に示すように、取付金具40の下側(Z軸の負の方向側)の領域において、表示札30の表面側に第3の部分230が位置すると共に、裏面側に第1の部分210及び第2の部分220が位置する。従って、第1の部分210、第2の部分220と、第3の部分230の央部232とによって、表示札30を両側から挟むことができる。このとき、第1の部分210及び第2の部分220と、第3の部分230の央部232との少なくとも何れか一方を弾性変形させるので、表示札30を確実に固定させることができる。従って、表示札30が回動することを防止することができる。
【0033】
ここで、図3(a)に示すように、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第4の部分240の他端部242の少なくとも一部が、第1の部分210よりも、第4の部分240が形成されている側とは反対側(Y軸の正の方向側)の領域に食み出さないようにするのが好ましい。同様に、図3(b)に示すように、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第5の部分250の他端部252の少なくとも一部が、第5の部分250が形成されている側とは反対側(Y軸の負の方向側)の領域に食み出さないようにするのが好ましい。第4の部分240、第5の部分250を、表示札30の穴310a、310bに通しづらくなるからである。
【0034】
次に、以上のようにして表示札30が装着された取付金具40を、フープ20aに取り付ける方法の一例を説明する。図8及び図9は、表示札30が装着された取付金具40を、フープ20aに取り付ける方法の一例を説明する図である。図8は、取付金具40を、その正面から(Y軸方向)から見た図である。図9は、第4の部分240がフープ20aに取り付けられる様子を、その横方向(X軸方向)に沿って見た図である。以下の説明では、フープ20aの面のうち、表示札30の表面(シール31が貼付されている面)側の面(図1において、見えている面)を、必要に応じて表面と称する。また、フープ20aの表面と反対側の面(図1において、鋼材10側になる面(隠れている面))を、必要に応じて裏面と称する。
【0035】
図8の左側の一番上の図に示すように、表示札30の表面(シール31が貼付されている面)がフープ20aの裏面と対向し、且つ、第4の部分240及び第5の部分250がフープ20aよりも上側(Z軸の正の方向側)になる状態で、取付金具40をフープ20aの裏面側に配置し、第4の部分240及び第5の部分250のうち、第4の部分240のみを、フープ20aに取り付ける。
【0036】
具体的には、まず、図9の一番左の図に示すように、第4の部分240の最も下側の位置241をフープ20aの上端(Z軸方向の端)に近づける(図9の一番左の図に示す矢印線を参照)。そして、図9の左から2番目の図(真ん中の図)に示すように、第4の部分240の最も下側の位置241において上側に折り返されている部分と、第1の部分210とに隙間ができるように、第1の部分210及び第4の部分240の少なくとも何れか一方を弾性変形させ、当該隙間にフープ20aが位置するようにする。図9の左から2番目の図(真ん中の図)では、第4の部分240を弾性変形させて隙間を作る場合を例に挙げて示す(図9の左から2番目の図(真ん中の図)に示す矢印線を参照)。
【0037】
この状態で第4の部分240を更に下側(Z軸の負の方向側)に移動させ、図9の左から3番目の図(一番右の図)に示すように、第4の部分240の前述した折り返しにより生じる空間243の内部に、フープ20aが収まるようにする。尚、前述したように、第4の部分240の一端部(第1の部分210の他端部212)と第4の部分240の他端部242との間に生じる空間の縦方向(Z軸方向)の長さは、フープ20aの幅(Z軸方向の長さ)よりも長い。従って、第4の部分240の前述した折り返しにより生じる空間243の内部に、フープ20aを収めることができる。
【0038】
以上のようにして第4の部分240をフープ20aに取り付けると、図8の左側の上から2番目の図に示す状態になる。この状態では、第2の部分220は、フープ20aの裏面側にある。そして、第4の部分240がフープ20aに取り付けられた状態のまま、第2の部分220を下側(Z軸の負の方向側)に移動させ(図8の左側の上から2番目の図に示す矢印線を参照)、フープ20aよりも下側に位置させる(図8の左側の上から3番目の図を参照)。そして、第2の部分220をフープ20aの下側から表面側にもっていく(図8の左側の上から3番目の図(一番下の図)に示す矢印線を参照)。そして、図8の右側の一番上の図に示すように、第5の部分250がフープ20aの上端(Z軸の正の方向の端)よりも上になるまで、第2の部分220を上側(Z軸の正の方向側)に移動させる。
【0039】
そして、第5の部分250をフープ20aに取り付ける。以上のようにして取付金具40がフープ20aに取り付けられる(図8の右側の上から2番目の図(一番下の図)を参照)。尚、第5の部分250をフープ20aに取り付ける方法は、図9を参照しながら説明した第4の部分240をフープ20aに取り付ける方法と同様であるので、その詳細な説明を省略する。このようにすることにより、第4の部分240は、フープ20aの表面側に位置し、第5の部分250は、フープ20aの裏面側に位置する。
【0040】
以上のように本実施形態では、鋼製の1本の丸線を加工することにより取付金具40を形成する。取付金具40は、第1の部分210、第2の部分220、第3の部分230、第4の部分240及び第5の部分250を有する。縦方向(Z軸方向)に延設される第1の部分210及び第2の部分220は、表示札30の2つの穴310a、301bの間隔に対応する長さで横方向(X軸方向)に間隔を有して配置される。第3の部分230は、第1の部分210の一端部211、第2の部分220の一端部221に繋がる部分である。第4の部分240、第5の部分250は、それぞれ、第1の部分210の他端部212、第2の部分220の他端部222に繋がり、フープ20aに掛止される部分である。第4の部分240、第5の部分250は、奥行方向(Y軸方向)の向きが相互に逆になるように、それぞれ、第1の部分210の他端部212、第2の部分220の他端部222から、下側(Z軸の負の方向側)に折り返される。このようにすることによって、第1の部分210及び第2の部分220(第4の部分240及び第5の部分250)によって、フープ20aを、その表面及び裏面から挟み込む構造となる。従って、取付金具40をフープ20aに取り付けた状態で鋼材10を搬送し、その過程で、取付金具40が変形しても、取付金具40がフープ20aから外れることを抑制することができる。従って、鋼材10をフープ20aで結束して出荷するに際し、表示札30が取れることの抑制効果を高めることができる取付金具40を提供することができる。また、第4の部分240及び第5の部分250をフープ20aに掛止することで取付金具40をフープ20aに取り付けられるので、表示札30が装着された取付金具40を、鋼材10を結束した状態のフープ20aに取り付ける際に多くの時間を要しない。従って、鋼材10がまだ高温の場合に、鋼材10近傍での作業時間が長時間になることを抑制することができる。よって、熱中症等の発生リスクを低減でき、また、作業生産性の向上も図れる。
【0041】
(実施例)
本発明者らは、本実施形態の取付金具40と、特許文献1の図11及び図12に記載の取付金具のそれぞれを、図1に示したようにフープ20aの外側(小径の鋼材10により形成されるコイルの外周面側)に取り付けた状態で、実際の出荷の際と同様にコイルを動かして、取付金具が外れるか否かを試験した。ここでは、同一の製造仕様(大きさ等)のコイルを複数ペア用意し、それぞれのペアについて、一方のコイルに本実施形態の取付金具40を取り付け、他方のコイルに特許文献1に記載の取付金具を取り付けて試験を行った。尚、各ペアのコイルの製造仕様は相互に異なる。このように様々なコイルについて、需要家に納入されるまでの間に取付金具が外れるか否かを試験した。その結果、本実施形態の取付金具40は、一つもフープ20aから外れないことを確認したが、特許文献1に記載の取付金具は、コイルの大きさや動かし方によってフープ20aから外れる場合があることを確認した。
【0042】
本発明者らは、特許文献1に記載の取付金具と本実施形態の取付金具40との違いを確認した。本実施形態の取付金具の効果の一例を説明する図である。図16(a)は、特許文献1の図11及び図12に記載の取付金具1100を示し、図16(b)は、本実施形態の取付金具40を示す。尚、図16(a)及び図16(b)では、説明の都合上、取付金具40、1100の変形を誇張して示す。
特許文献1に記載の取付金具1100も、本実施形態の取付金具40も、コイルを結束しているフープ20aに取り付けられる。その後、出荷までの間にコイルは工場内を移動する。この際、コイル同士が接触したり、コイルが壁等に接触したりすることにより、取付金具40、1100に外部から力が加わる。
【0043】
特許文献1の図11及び図12に記載の取付金具1100では、フープ20aに取り付けられた後、出荷までの間に、第4の部分540および第5の部分550は、奥行方向の向きが同じ方向になるように変形することが確認された。図16(a)では、第4の部分540および第5の部分550は、フープ20aの裏側の方向に変形する。このような取付金具1100では、コイルの移動中に、コイル同士が接触したり、コイルが壁等に接触したりすることにより、第4の部分540および第5の部分550には、第4の部分540の他端部(第1の部分510と連結していない下側の端部)と第1の部分510との隙間G1、及び、第5の部分550の他端部(第2の部分520と連結していない下側の端部)と第2の部分520との隙間G2が共に大きくなるような力が加わり、当該隙間G1、G2が大きくなるように変形して歪みが残る(当該隙間G1、G2が大きい状態が保持される)ことが確認された。このような状態で、取付金具1100に対して、第4の部分540・第5の部分550の一端側の方向(第1の部分510、第2の部分520と連結されている側(図16(a)に付した白抜きの矢印線の方向))に力が加わり、取付金具1100が、第4の部分540・第5の部分550の一端側にずれると、取付金具1100が、当該隙間G1、G2を介してフープ20aから外れて落下することがある。
【0044】
これに対し、本実施形態の取付金具40では、第4の部分240は及び第5の部分250は、奥行方向において、相互に逆向きに折り返される。図16(b)では、第4の部分240はフープ20aの表側の方向に変形するのに対し、第5の部分250はフープ20aの裏側の方向に変形する。このように、本実施形態の取付金具40では、コイルの移動中に、コイル同士が接触したり、コイルが壁等に接触したりしても、第4の部分240の他端部242と第1の部分210との隙間、及び、第5の部分250の他端部252と第2の部分220との隙間が同時に大きくなることは生じづらいことが確認された。図16(b)に示す例では、第5の部分250の他端部252と第2の部分220との間には隙間G3が生じるが、第4の部分240の他端部242と第1の部分210との間には隙間が生じていない様子を示す。即ち、第4の部分240の他端部242と第1の部分210との間、及び、第5の部分250の他端部252と第2の部分220との間においては、一方の隙間が大きくなる場合、他方の隙間は大きくならない(隙間が生じない)ように、第4の部分240及び第5の部分350に力が加わる。取付金具40に対して、第4の部分240・第5の部分250の一端側の方向(第1の部分210、第2の部分220と連結されている側(図16(b)に付した白抜きの矢印線の方向))に力が加わっても、本実施形態の取付金具40では、第4の部分240及び第5の部分250の少なくとも何れか一方によって、フープ20aに取り付けられた状態を保持し、フープ20aから外れる事象は極めて発生し難くなる。
【0045】
(変形例)
<取付金具の形状の変形例>
本実施形態では、第3の部分230の一部の領域が、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側(Z軸の正の方向側)の領域に配置されるようにした。しかしながら、第3の部分の少なくとも一部の領域が、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側の領域に配置されるようにしていればよく、例えば、第3の部分の全ての領域が、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側の領域に配置されるようにしてもよい。以下に、このようにする場合の変形例を示す。尚、以下の変形例の説明において、図1図9に付した部分と同一の部分については、図1図9に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】
[取付金具の形状の第1の変形例]
図10図11は、取付金具1000の第1の変形例を示す図である。図10図11は、それぞれ図2図3に対応する図である。本変形例の取付金具1000も、本実施形態の取付金具40と同様に、直径が例えば0.8[mm]~3[mm]程度の鋼製の1本の丸線を加工することにより形成される。本変形例の取付金具1000は、本実施形態の取付金具40と、第3の部分1030だけが異なる。尚、図10では、説明の都合上、実際には、第2の部分220に隠れて見えない部分(第5の部分250の少なくとも一部)も示している。
【0047】
第3の部分1030は、その一端部が第1の部分210の一端部211に繋がり、その他端部が第2の部分220の一端部221に繋がる部分である。
図10図11(a)及び図11(b)に示すように、第3の部分1030は、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側(Z軸の正の方向側(第1の部分210の他端部212側、第2の部分220の他端部222側))の領域に配置される。
また、図11(b)に示すように、取付金具1000を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第1の部分210、第2の部分220、及び第3の部分1030が重なるように、第1の部分910、第2の部分920、及び第3の部分1030が配置される。ただし、取付金具1000を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第3の部分1030が、第1の部分210及び第2の部分220と完全に重なるようにする必要はない。例えば、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第3の部分1030の一部の領域のみが、第1の部分210及び第2の部分220と重なるようにしてもよい。
【0048】
第3の部分1030は、第1側部1031及び第2側部1032からなる。第1側部1031及び第2側部1032は、同一の大きさ及び形状を有する。
図10に示すように第1側部1031の一端部は、第1の部分210の一端部211に繋がる。第1側部1031の他端部は、第1側部1031の一端部よりも、第1の部分210の他端部212側に位置するように、第1の部分210の一端部211から延設される。
同様に、第2側部1032の一端部は、第2の部分220の一端部221に繋がる。第2側部1032の他端部は、第2側部1032の一端部よりも、第2の部分220の他端部222側に位置するように、第2の部分220の一端部221から延設される。
【0049】
第1側部1031の他端部は、第2側部1032の他端部と相互に繋がる。
このように、第3の部分1030は、その一端部において、第1の部分210の一端部211よりも上側(第1の部分210の他端部212側)に折り曲げられる。同様に、第3の部分1030は、その他端部において、第2の部分220の一端部221よりも上側(第2の部分220の他端部222側)に折り曲げられる。
【0050】
また、第1側部1031と第2側部1032とが繋がる位置1033が、第4の部分240及び第5の部分250の最も下側(第1の部分210の一端部211側、第2の部分220の一端部221側)の位置241、251よりも、僅かに上側(第1の部分210の他端部212側、第2の部分220の他端部222側)に位置するようにする。この位置に応じて、第1の部分210と第1側部1031とのなす角度(のうち小さい方の角度)θ1と、第2の部分220と第2側部1032とのなす角度(のうち小さい方の角度)θ2が定められる。
【0051】
取付金具1000に表示札30を取り付けると、表示札30の表面側に第3の部分1030が位置すると共に、表示札30の裏面側に第1の部分210及び第2の部分220が位置する。取付金具1000に表示札30を取り付ける方法は、特許文献1に記載されている方法と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。尚、第4の部分240及び第5の部分250を表示札30の穴310a、301bに通した際に、第4の部分240及び第5の部分250の全ての領域を、表示札30の裏面側に位置させることができる範囲で、第3の部分1030の第1側部1031及び第2側部1032が繋がる位置1033を、第4の部分240、第5の部分250の最も下側の位置241、251よりも上側に位置させる。
また、取付金具1000をフープ20aに取り付ける方法は、取付金具40をフープ20aに取り付ける方法と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0052】
[取付金具の形状の第2の変形例]
図12図13は、取付金具1200の第2の変形例を示す図である。図12図13は、それぞれ図2図3に対応する図である。尚、本変形例の取付金具1200も、本実施形態の取付金具40と同様に、直径が例えば0.8[mm]~3[mm]程度の鋼製の1本の丸線を加工することにより形成される。本変形例の取付金具1200は、本実施形態の取付金具40と、第3の部分1230だけが異なる。尚、図12では、説明の都合上、実際には、第2の部分220に隠れて見えない部分(第5の部分250の少なくとも一部)も示している。
【0053】
第3の部分1230は、その一端部が第1の部分210の一端部211に繋がり、その他端部が第2の部分220の一端部221に繋がる部分である。
図12図13(a)及び図13(b)に示すように、第3の部分1230は、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側(Z軸の正の方向側(第1の部分210の他端部212側、第2の部分220の他端部222側))の領域に配置される。
【0054】
また、図13(b)に示すように、取付金具1200を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第1の部分210、第2の部分220、及び第3の部分1230が重なるように、第1の部分210、第2の部分220、及び第3の部分1230が配置される。ただし、第1の変形例と同様に、取付金具1200を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第3の部分1230が、第1の部分210及び第2の部分220と完全に重なるようにする必要はない。
【0055】
第3の部分1230は、第1の部分210と第2の部分220との間の中間の位置1231が最も上側(第1の部分210の一端部211側、第2の部分220の一端部221側)に位置するように配置された半楕円状又は半円状の形状を有する。また、この位置1231が、第4の部分240及び第5の部分250の最も下側(第1の部分210の一端部211側、第2の部分220の一端部221側)の位置241、251よりも、僅かに上側に位置するようにする。
このように、第3の部分1230は、その一端部において、第1の部分210の一端部211よりも上側(第1の部分210の他端部212側)に折り曲げられた状態で、第1の部分210の一端部211に繋がる。同様に、第3の部分1230は、その他端部において、第2の部分220の一端部221よりも上側(第2の部分220の他端部222側)に折り曲げられた状態で、第2の部分220の一端部221に繋がる。
【0056】
取付金具1200に表示札30を取り付けると、表示札30の表面側に第3の部分1230が位置すると共に、表示札30の裏面側に第1の部分210及び第2の部分220が位置する。取付金具1200に表示札30を取り付ける方法は、第1の変形例と同じようにして実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。尚、第4の部分240及び第5の部分250を表示札30の穴310a、301bに通した際に、第4の部分240及び第5の部分250の全ての領域を、表示札30の裏面側に位置させることができる範囲で、第1の部分210と第2の部分220との間の中間の位置1231を、第4の部分240、第5の部分250の最も下側の位置241、251よりも上側に位置させる。
また、取付金具1200をフープ20aに取り付ける方法は、取付金具40をフープ20aに取り付ける方法と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0057】
[取付金具の形状の第3の変形例]
図14図15は、取付金具1400の第3の変形例を示す図である。図14図15は、それぞれ図2図3に対応する図である。尚、本変形例の取付金具1400も、本実施形態の取付金具40と同様に、直径が例えば0.8[mm]~3[mm]程度の鋼製の1本の丸線を加工することにより形成される。本変形例の取付金具1400は、本実施形態の取付金具40と、第3の部分1430だけが異なる。尚、図14では、説明の都合上、実際には、第2の部分220に隠れて見えない部分(第5の部分250の少なくとも一部)も示している。
【0058】
第3の部分1430は、その一端部が第1の部分210の一端部211に繋がり、その他端部が第2の部分220の一端部221に繋がる部分である。
図14図15(a)及び図15(b)に示すように、第3の部分1430の一部の領域は、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側(Z軸の正の方向側(第1の部分210の他端部213側、第2の部分220の他端部222側))の領域に配置される。
また、図15(b)に示すように、取付金具1400を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第1の部分210、第2の部分220、及び第3の部分1430が重なるように、第1の部分210、第2の部分220、及び第3の部分1430が配置される。ただし、第1の変形例と同様に、取付金具1400を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第3の部分1430が、第1の部分210及び第2の部分220と完全に重なるようにする必要はない。
【0059】
第3の部分1430は、第1側部1431、第1央部1432、中央部1433、第2央部1434、及び第2側部1435からなる。第1側部1431と第2側部1435は同一の大きさ及び形状を有し、また、第1央部1432と第2央部1434も同一の大きさ及び形状を有する。
第1側部1431は、取付金具1400の横方向(X軸方向)に延設される部分であり、その一端部が第1の部分210の一端部211に繋がる。
第1央部1432は、取付金具1400の縦方向(Z軸方向)に延設される部分であり、その一端部が第1側部1431の他端部に繋がる。
【0060】
中央部1433は、取付金具1400の横方向(X軸方向)に延設される部分であり、その一端部が第1央部1432の他端部に繋がる。
第2央部1434は、取付金具1400の縦方向(Z軸方向)に延設される部分であり、その一端部が中央部1433の他端部に繋がる。
第2側部1435は、取付金具1400の横方向(X軸方向)に延設される部分であり、その一端部が第2央部1434の他端部に繋がり、その他端部が第2の部分220の一端部221に繋がる。
【0061】
以上のように、第3の部分1430の一端部、他端部は、取付金具1400の横方向(X軸方向)に沿うように折り曲げられた状態で第1の部分210の一端部211、第2の部分220の一端部221に、それぞれ繋がる。中央部1433が、第4の部分240及び第5の部分250の最も下側(第1の部分210の一端部211側、第2の部分220の一端部221側)の位置241、251よりも、僅かに上側(第1の部分210の他端部212側、第2の部分220の他端部222側)に位置するようにする。
【0062】
取付金具1400に表示札30を取り付けると、表示札30の表面側に第3の部分1430が位置すると共に、表示札30の裏面側に第1の部分210及び第2の部分220が位置する。取付金具1400に表示札30を取り付ける方法は、第1の変形例と同じようにして実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。尚、第4の部分240及び第5の部分250を表示札30の穴310a、301bに通した際に、第4の部分240及び第5の部分250の全ての領域を、表示札30の裏面側に位置させることができる範囲で、中央部1433を、第4の部分240、第5の部分250の最も下側の位置241、251よりも上側に位置させる。
また、取付金具1400をフープ20aに取り付ける方法は、取付金具40をフープ20aに取り付ける方法と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0063】
<その他の変形例>
本実施形態では、フープ20aの外側(小径の鋼材10により形成されるコイルの外周面側)に、表示札30が装着された取付金具40を取り付ける場合を例に挙げて説明した。しかしながら、フープ20aの内側(小径の鋼材10により形成されるコイルの内周面側)に、表示札30が装着された取付金具40を取り付けるようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、表示札30の穴310a、310bよりも下(Z軸の負の方向側)の領域にシール31が貼付された場合を例に挙げて説明した。しかしながら、小径の鋼材10の情報を表示する領域は、表示札30の表面の領域であれば、このような領域に限定されない。例えば、表示札30の穴310a、310bよりも上(Z軸の正の方向側)の領域に、小径の鋼材10の情報を表示してもよい。このようにした場合、小径の鋼材10の情報を読み取りやすくするために、第3の部分230が、小径の鋼材10の情報と重ならないように、第3の部分230の形状を適宜決定することができる。このことは、第1~第3の変形例についても同じである。
【0065】
また、本実施形態では、鋼製の1本の丸線を加工する(塑性変形させる)ことにより、取付金具40、1000、1200、1400を形成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、線状の金属材を用いていれば、必ずしも鋼製の丸線を用いる必要はない。また、表面処理が施された線状の金属材(本実施形態の例では、表面処理が施された鋼製の丸線)を用いてもよい。表面処理としては、例えば、めっき処理、樹脂系の材料により構成される被膜等が挙げられる。このように表面処理を施すことにより、取付金具40、1000、1200、1400の腐食の防止等の効果を得ることができる。尚、このように表面処理を施した場合、表面処理を施した全体の直径が前述した範囲(0.8[mm]~3[mm])であるのが好ましい。
【0066】
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0067】
<請求項との対応>
以下、本実施形態及び変形例の取付金具40、1000、1200、1400と各請求項との対応の一例を説明する。
(請求項1)
表示札の2つの穴は、例えば、310a、310bに対応する(図4を参照)。
コイル状に巻き回された金属材は、例えば、コイル状に巻き取られた小径の鋼材10により実現される。
結束用金属帯は、例えば、フープ20aにより実現される。
第1の部分、第2の部分、第3の部分、第4の部分、および第5の部分が、一体となっていること、及び線状の金属材であることは、例えば、取付金具40が、鋼製の1本の丸線を加工する(塑性変形させる)ことにより形成されることにより実現される。
縦方向は、図2図15に示すZ軸方向であり、横方向は、図2図15に示すX軸方向である。
図2に示すように、第1の部分210と第2の部分220は、表示札30に形成された2つの穴310a、310b(図4を参照)の間隔に対応する長さの間隔をX軸方向に有して配置される。また、図2および図3に示すように、第1の部分210と第2の部分220は、それぞれ、Z軸方向に延設される。
図2および図3(a)に示すように、第3の部分230の一端部は、第1の部分210の一端部211に繋がり、図2および図3(b)に示すように、第3の部分230の他端部は、第2の部分220の一端部221に繋がる。
図2および図3(a)に示すように、第4の部分240の一端部は、第1の部分210の他端部212に繋がり、図2および図3(b)に示すように、第5の部分250の一端部は、第2の部分220の他端部222に繋がる。
図3(a)に示すように、第4の部分240の一端部は、第1の部分210の一端部211側(Z軸の負の方向側)に折り返される。
図3(a)に示すように、第4の部分240の最も下側の部分(第1の部分210の一端部211に最も近い位置241)は、第1の部分210に近づくように上側(第1の部分210の他端部212側)に(ヘアピン状に)折り返される。
図3(b)に示すように、第5の部分250の一端部は、第2の部分220の一端部221側(Z軸の負の方向側)に折り返される。
図3(b)に示すように、第5の部分250の最も下側の部分(第2の部分220の一端部221に最も近い位置251)は、第2の部分220に近づくように上側(第2の部分220の他端部222側)に(ヘアピン状に)折り返される。
図3(a)及び図3(b)に示すように、第3の部分230の下端部付近の領域(Z軸の負の方向の端部付近の領域)は、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも下側の領域に配置され、第3の部分230の残りの領域は、第1の部分210の一端部211及び第2の部分220の一端部221よりも上側(第1の部分210及び第2の部分220の他端部212、222側の領域に配置される。
図2図3(a)、図3(b)、図5(a)、及び図5(b)に示すように、第4の部分240の一端部、第5の部分250の一端部は、それぞれ、奥行方向(Y軸方向)の向きが相互に逆向きになるように、第1の部分210の他端部212、第2の部分220の他端部222から、下側に折り返される。
図4及び図7の一番下の図に示すように、表示札30の表面側に第3の部分230が、表示札30の裏面側に第1の部分210および第2の部分220が、それぞれ位置する。また、図4及び図8の一番下の図に示すように、第1の部分210と第3の部分230とが繋がる部分(第1の部分210の一端部211)と、第2の部分220と第3の部分230とが繋がる部分(第2の部分220の一端部221)に穴310a、310bが位置する。
図4図8の一番下の図、及び図9に示すように、第4の部分240の折り返しにより生じる空間(図3(a)、図3(b)に示す空間243)と第5の部分250の折り返しにより生じる空間(図3(a)、図3(b)に示す空間253)に、フープ20aが位置する。
図4及び図8の一番下の図に示すように、第4の部分240は、フープ20aの表面側(一面側)に位置し、第5の部分250は、フープ20aの裏面側(他面側)に位置する。
(請求項2)
図3(a)に示すように、第4の部分240の最も下側の部分(第1の部分210の一端部211に最も近い位置241)は、第1の部分210と隣り合うように、上側(第1の部分210の他端部212側)に(ヘアピン状に)折り返される。
図3(b)に示すように、第5の部分250の最も下側の部分(第2の部分220の一端部221に最も近い位置251)は、第2の部分220と隣り合うように、上側(第2の部分220の他端部222側)に(ヘアピン状に)折り返される。
尚、例えば、図6に示すように、取付金具40をフープ20aに取り付けた状態で鋼材10を搬送する過程で、第4の部分240の、第1の部分210の一端部211に最も近い位置241から上側(第1の部分210の他端部212側)に折り返されている部分が、第1の部分210から離れることがある。このことは、第5の部分250においても同じである。
(請求項3)
図3(a)及び図3(c)に示すように、第4の部分240の他端部242の少なくとも一部と、第1の部分210とが、横方向(X軸方向)において隣り合う。
また、図3(a)に示すように、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第4の部分240の他端部242の少なくとも一部が、第1の部分210よりも、第4の部分240が形成されている側とは反対側(Y軸の正の方向側)の領域に食み出していない。
図3(b)及び図3(c)に示すように、第5の部分250の他端部252の少なくとも一部と、第2の部分220とが、横方向(X軸方向)において隣り合う。
図3(b)に示すように、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第5の部分250の他端部252の少なくとも一部が、第5の部分250が形成されている側とは反対側(Y軸の負の方向側)の領域に食み出していない。
(請求項4)
図3(a)及び図4において、第4の部分240の一端部(第1の部分210の他端部212)と第4の部分240の他端部242との間に生じる空間の縦方向(Z軸方向)の長さは、フープ20aの幅(Z軸方向の長さ)よりも長い(H1>H2)。同様に、図3(b)及び図4において、第5の部分250の一端部(第2の部分220の他端部222)と第5の部分250の他端部252との間に生じる空間の縦方向(Z軸方向)の長さは、フープ20aの幅(Z軸方向の長さ)よりも長い(H1>H2)。
尚、このようにしなくても、例えば、第4の部分240の他端部242と第1の部分210、及び、第5の部分250の他端部252と第2の部分220で、フープ20aを挟むようにすれば、取付金具40をフープ20aに取り付けることができる。
(請求項5)
図2及び図3(a)に示すように、第1側部231の一端部は、第1の部分210の一端部211に繋がる。
図2に示すように、第1側部231の他端部は、央部232の一端部に繋がる。
図2及び図3(b)に示すように、第2側部233の一端部は、第2の部分220の一端部221に繋がる。
図2に示すように、第2側部233の他端部は、央部232の他端部に繋がる。
図3(a)及び図3(b)に示すように、取付金具40を、その横方向(X軸方向)に沿って見たときに、第1の部分210及び第2の部分220と、第3の部分230とが重ならない。
図2図3(a)、及び図3(b)に示すように、第3の部分230は、第4の部分240及び第5の部分250の最も下側(第1の部分210の一端部211側、第2の部分220の一端部221側)の位置241、251よりも下側の領域に配置される。
図3(a)に示すように、第1側部231の一端部は、その他端部が、第1の部分210上の位置に近づくように、第1の部分210の他端部212側(Z軸の正の方向側)に折り返された状態になる。
図3(b)に示すように、第2側部233の一端部は、その他端部が、第2の部分220上の位置に近づくように、第2の部分220の他端部222側(Z軸の正の方向側)に折り返された状態になる。
尚、第3の部分を以上のようにしなくてもよいことは、変形例で説明した通りである(図10図15を参照)。
(請求項6)
図3(a)に示すように、第1側部231の一端部は、その他端部が、第1の部分210上の位置に近づくように、第1の部分210の他端部212側(Z軸の正の方向側)に曲率を有して折り返された状態になる。
図3(b)に示すように、第2側部233の一端部は、その他端部が、第2の部分220上の位置に近づくように、第2の部分220の他端部222側(Z軸の正の方向側)に曲率を有して折り返された状態になる。
尚、このようにしなくてもよいことは、例えば、第1側部、第2側部を、(曲率を有さずに)屈曲させることにより構成することに実現することができる。
(請求項7)
図10に示すように、第3の部分1030の、第1の部分210および第2の部分220の他端部212、222側(Z軸の正の方向側)の領域と、第4の部分240および第5の部分250の、第1の部分210および第2の部分220の一端部211、221側(Z軸の負の方向側)の領域のZ軸方向における位置に重複する部分がある。また、図7の上から3番目の図に示すように、第4の部分240および第5の部分250を表示札30の穴310a、310bに通した際に、第4の部分240および第5の部分250の全ての領域が、表示札30の穴310a、310bを通る。
尚、このようにしなくてもよいことは、実施形態で説明した通りである。即ち、図2に示すように、第3の部分230の全ての領域は、位置241、251よりもZ軸の負の方向側にある。
(請求項8)
図10に示すように、第3の部分1030は、その一端部において、第1の部分210の一端部211よりも第1の部分210の他端部212側(Z軸の正の方向側)に折り曲げられる。また、第3の部分1030は、その他端部において、第2の部分220の一端部221よりも第2の部分220の他端部222側(Z軸の正の方向側)に折り曲げられる。
尚、このようにしなくてもよいことは、第3の変形例(図14を参照)で説明した通りである。すなわち、第3の変形例では、第3の部分1430を構成する第1側部1431、第2側部1435のZ軸方向の位置と、第1の部分210、第2の部分220のZ軸方向の位置とは同じであり、前記のように、第1の部分210の一端部211、第2の部分220の一端部221よりもZ軸の正の方向側に折り曲げられていない。このことは、実施形態でも(図2)でも同様である。即ち、第3の部分230は、第1の部分210の一端部211よりも下側に位置した後、第1の部分210の一端部211、第2の部分220の一端部221よりも上側に、曲率を有して折り曲げられる。
(請求項9)
第1~第3の変形例で示したように、取付金具1000、1200、1400をX軸方向に沿う方向から見た場合に、第3の部分1030、1230、1430の少なくとも一部の領域が、第1の部分210および第2の部分220と重なるように、第1の部分210、第2の部分220および第3の部分1030、1230、1430が配置される。このことは、図10(a)~図10(b)、図12(a)~図12(b)、図14(a)~図14(b)において、第3の部分1030、1230、1430が、第1の部分210または第2の部分220に隠れて見えないことと対応する。
尚、このようにしなくてもよいことは、実施形態(図3(a)、図3(b)を参照)で説明した通りである。すなわち、図3(a)、図3(b)において、第3の部分230は、第1の部分210、第2の部分220と重なっていない。
【符号の説明】
【0068】
10:小径の鋼材、20a、20b:フープ、30:表示札、40、1000、1200、1400:取付金具、210:第1の部分、220:第2の部分、230、1030、1230、1430:第3の部分、240:第4の部分、250:第5の部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16