IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レイトラム,エル.エル.シー.の特許一覧

特許7058668コンベアベルト用の容量結合式センサシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】コンベアベルト用の容量結合式センサシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20220415BHJP
   B65G 15/48 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
B65G43/08 F
B65G15/48
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2019556879
(86)(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018024735
(87)【国際公開番号】W WO2018203994
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】62/500,244
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クレズースキー,ラズロ
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0103084(US,A1)
【文献】特開昭51-072350(JP,A)
【文献】特開2013-210194(JP,A)
【文献】特開平06-265428(JP,A)
【文献】特開2003-097996(JP,A)
【文献】特開平06-048533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/00 - 43/10
B65G 15/00 - 15/28
B65G 15/60 - 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアベルト測定システムにおいて、
頂部側および底部側を有するコンベアベルトと、
前記コンベアベルトの外部にある駆動および検出段であって、
駆動信号を生成する振動器と、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされ、前記振動器と直列に接続された第1の外部のコンデンサプレートと、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされた第2の外部のコンデンサプレートと、
前記第2の外部のコンデンサプレートに接続された検出器と、を含む駆動および検出段と、
前記コンベアベルトの前記底部側付近で前記コンベアベルト内に設置された第1のベルトコンデンサプレートと、
前記コンベアベルトの前記底部側付近で前記コンベアベルト内に設置された第2のベルトコンデンサプレートであって、
前記第2のベルトコンデンサプレートと前記第2の外部のコンデンサプレートが位置合わせされて伝達コンデンサを形成する際、前記第1のベルトコンデンサプレートと前記第1の外部のコンデンサプレートが位置合わせされて駆動コンデンサを形成する、第1のベルトコンデンサプレートおよび第2のベルトコンデンサプレートと、
前記コンベアベルト内に設置され、前記駆動コンデンサと前記伝達コンデンサとの間に直列に接続されるセンサと、を備え、
前記駆動コンデンサは、前記駆動信号を前記センサに結合して、前記センサによって測定される物理的特性を指すセンサ信号を生成し、
前記検出器は、前記伝達コンデンサから前記センサ信号を受信することを特徴とするコンベアベルト測定システム。
【請求項2】
前記センサは、静電容量が前記物理的特性と共に変化するコンデンサである、請求項1に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項3】
前記駆動および検出段は、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされ、前記振動器に直列に接続された第1の外部の基準コンデンサプレートと、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされた第2の外部の基準コンデンサプレートと、
前記第2の外部の基準コンデンサプレートに接続された基準検出器とをさらに含み、
前記コンベアベルト測定システムは、
前記コンベアベルトの前記底部側付近で前記コンベアベルト内に設置された第1のベルト基準コンデンサプレートと、
前記コンベアベルトの前記底部側付近で前記コンベアベルト内に設置された第2のベルト基準コンデンサプレートであって、
前記第1の外部のコンデンサプレートと前記第2の外部のコンデンサプレートが位置合わせされたとき、前記第1のベルト基準コンデンサプレートと前記第1の外部の基準コンデンサプレートが位置合わせされて基準駆動コンデンサを形成し、前記第2のベルト基準コンデンサプレートと前記第2の外部の基準コンデンサプレートが位置合わせされて基準伝達コンデンサを形成する、第1の基準コンデンサプレートおよび第2の基準コンデンサプレートと、
前記コンベアベルト内に設置され、前記基準駆動コンデンサと前記基準伝達コンデンサとの間に直列に接続された、固定静電容量を有する基準コンデンサであって、
前記基準駆動コンデンサは、前記駆動信号を前記基準コンデンサに結合して、前記センサによって測定される前記物理的特性に影響されないが、前記センサに影響を及ぼす周辺状況には影響を受ける基準信号を生成し、
前記基準検出器は、前記基準伝達コンデンサから前記基準信号を受信する基準コンデンサとをさらに備える、請求項1に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項4】
前記第1の外部のコンデンサプレートと、前記第1の外部の基準コンデンサプレートは同一のコンデンサプレートである、請求項3に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項5】
前記駆動コンデンサと前記基準駆動コンデンサの重なり合う領域は均等であり、前記伝達コンデンサと前記基準伝達コンデンサの重なり合う領域も均等である、請求項3に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項6】
前記駆動および検出段は、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされた前部の外部の高さコンデンサプレートと、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされ、搬送方向に前記前部の外部の高さコンデンサプレートから離間された後部の外部の高さコンデンサプレートとをさらに含み、
前記コンベアベルト測定システムは、
前記コンベアベルトの前記底部付近で前記コンベアベルト内に設置された前部のベルトの高さコンデンサプレートと、
前記コンベアベルトの前記底部付近で前記コンベアベルト内に設置され、前記搬送方向に前記前部のベルトの高さコンデンサプレートから離間された後部のベルトの高さコンデンサプレートとをさらに備え、
前記後部のベルトの高さコンデンサプレートの第2の部分が前記後部の外部の高さコンデンサプレートに重なって後部の高さコンデンサを形成する際、前記第1の外部のコンデンサプレートは、前記前部および前記後部のベルトの高さコンデンサプレートの第1の部分に重なって、前部および後部の高さ駆動コンデンサを形成し、前記前部のベルトの高さコンデンサプレートの第2の部分は前記前部の外部の高さコンデンサプレートに重なって前部の高さコンデンサを形成し、
前記前部の高さ駆動コンデンサは、前部の直列静電容量を有する前記前部の高さコンデンサと直列であり、前記後部の高さ駆動コンデンサは、後部の直列静電容量を有する前記後部の高さコンデンサと直列であり、
前記第1の外部のコンデンサプレートは、前記駆動信号を前記前部および前記後部の高さコンデンサに結合して、前記前部および前記後部の直列静電容量を示す前部および後部の高さ信号を生成し、
前記前部の直列静電容量と前記後部の直列静電容量の比の、一致した状態からのずれは、前記ベルトのピッチの指標である、請求項1に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項7】
前部の外部の高さコンデンサプレートは、右の前部の外部の高さコンデンサプレートと、前記搬送方向に直交する方向に前記右の前部の外部の高さコンデンサプレートから離間された左の前部の外部の高さコンデンサプレートとを備え、
後部の外部の高さコンデンサプレートは、右の後部の外部の高さコンデンサプレートと、前記搬送方向に直交する方向に前記右の後部の外部の高さコンデンサプレートから離間された左の後部の外部の高さコンデンサプレートとを備え、
前記前部の高さコンデンサは、右の前部の直列静電容量を有する前記前部の高さ駆動コンデンサと直列の右の前部の高さコンデンサと、左の前部の直列静電容量を有する前記前部の高さ駆動コンデンサと直列の左の前部の高さコンデンサを形成し、
前記後部の高さコンデンサは、右の後部の直列静電容量を有する前記後部の高さ駆動コンデンサと直列の右の後部の高さコンデンサと、左の後部の直列静電容量を有する前記後部の高さ駆動コンデンサと直列の左の後部の高さコンデンサを形成し、
前記第1の外部のコンデンサプレートは、前記駆動信号を、前記右の前部、前記左の前部、前記右の後部、および前記左の後部の高さコンデンサに結合して、右の前部、左の前部、右の後部、および左の後部の直列静電容量を示す右の前部、左の前部、右の後部、および左の後部の高さ信号を生成し、
前記右の前部の直列静電容量と前記左の前部の直列静電容量の比の、一致した状態からのずれと、前記右の後部の直列静電容量と、前記左の後部の直列静電容量の比の、一致した状態からのずれは、前記ベルトの回転の指標である、請求項6に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項8】
前記駆動および測定回路は、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされた右の外部の経路追跡コンデンサプレートと、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に位置決めされ、搬送方向に直交する方向に前記右の外部の経路追跡コンデンサプレートから離間された左の外部の経路追跡コンデンサプレートとをさらに含み、
前記コンベアベルト測定システムは、前記コンベアベルトの前記底部側付近で前記コンベアベルト内に設置されたベルト経路追跡コンデンサプレートをさらに備え、
前記ベルト経路追跡コンデンサプレートの第3の部分が、前記左の外部の経路追跡コンデンサプレートに重なって左の経路追跡コンデンサを形成する際、前記第1の外部のコンデンサプレートは、前記ベルト経路追跡コンデンサプレートの第1の部分に重なって経路追跡駆動コンデンサを形成し、前記ベルト経路追跡コンデンサプレートの第2の部分は、前記右の外部の経路追跡コンデンサプレートに重なって右の経路追跡駆動コンデンサを形成し、
前記経路追跡駆動コンデンサは、右の直列静電容量を有する前記右の経路追跡コンデンサと直列であり、前記経路追跡駆動コンデンサは、左の直列静電容量を有する前記左の経路追跡コンデンサと直列であり、
前記第1の外部のコンデンサプレートは、前記駆動信号を前記右および前記左の経路追跡コンデンサに結合して、前記右および前記左の直列静電容量を示す右の、および左の経路追跡信号を生成し、
前記左の直列静電容量と前記右の直列静電容量との差は、前記搬送方向に直交する方向での前記コンベアベルトの脱線の指標である、請求項1に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項9】
前記センサは、前記コンベアベルトの前記頂部側にある圧力プラットフォームと、前記圧力プラットフォームと前記センサとの間にあり、前記圧力プラットフォームの上の製品の重量を前記センサに伝達することで、前記センサ信号が前記圧力プラットフォームの上の前記製品の前記重量を示すピンとを含む力センサである、請求項1に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項10】
コンベアベルト測定システムにおいて、
搬送路内に支持され、頂部側および底部側を有するコンベアベルトであって、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に配置された第1および第2のベルトプレートと、
前記第1および第2のベルトプレートと直列に接続され、物理的特性に反応して第1のセンサ信号を提供する第1のセンサと、を含むセンサ段を有するコンベアベルトと、
前記コンベアベルトの外部にある駆動および検出段であって、
振動器と、
前記振動器に直列に接続され、前記搬送路に沿った第1の外部プレートと、
第1の検出器と、
前記第1の検出器と直列に接続され、前記搬送路に沿った第2の外部プレートと、を含む駆動および検出段とを備え、
前記第2の外部プレートが前記第2のベルトプレートと重なって第2のコンデンサと測定回路とを形成する際に、前記第1の外部プレートが、前記第1のベルトプレートと重なって第1のコンデンサを形成し、前記測定回路が、前記振動器、前記第1のコンデンサ、前記第1のセンサ、前記第2のコンデンサおよび前記第1の検出器を含み、
前記第1の外部プレートと前記第1のベルトプレートは、異なる横方向の寸法および長手方向の寸法を有し、前記第2の外部プレートと前記第2のベルトプレートは、異なる横方向の寸法および長手方向の寸法を有するコンベアベルト測定システム。
【請求項11】
前記センサ段は、
前記コンベアベルトの前記底部側付近に配置された第3および第4のベルトプレートと、
前記第3および前記第4のベルトプレートと直列に接続された第2のセンサとをさらに含み、
前記駆動および検出段は、
前記振動器に直列に接続された第3の外部プレートと、
第2の検出器と、
前記第2の検出器と直列に接続された第4の外部プレートとをさらに含み、
前記第2の外部プレートが前記第2のベルトプレートに重なって第2の測定回路を形成する際に、前記第3の外部プレートは、前記第3のベルトプレートと重なって第3のコンデンサを形成し、前記第4の外部プレートは、前記第4のベルトプレートと重なって第4のコンデンサを形成し、前記第2の測定回路が、前記振動器、前記第3のコンデンサ、前記第2のセンサ、前記第4のコンデンサおよび前記第2の検出器を含む、請求項10に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項12】
前記第3の外部プレートと前記第3のベルトプレートは異なる横方向の寸法および長手方向の寸法を有し、前記第4の外部プレートと前記第4のベルトプレートは異なる横方向の寸法および長手方向の寸法を有する、請求項11に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項13】
前記第3の外部プレートは、2つの第3の外部のサブプレートを備え、前記第3のベルトプレートは、2つの第3のベルトサブプレートを備え、前記第4の外部プレートは、2つの第4の外部のサブプレートを備え、前記第4の外部プレートは、2つの第4の外部のサブプレートを備える、請求項11に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項14】
前記第1の外部プレートと前記第1のベルトプレートの重なる領域は、前記第3の外部プレートと前記第3のベルトプレートの重なる領域に等しい、請求項11に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項15】
前記第2のセンサは、前記第1のセンサに影響を及ぼす周辺状況に反応し、前記第1のセンサによって測定される前記物理的特性には反応しない第2のセンサ信号を生成し、
前記第1の検出器は、前記第1のセンサから前記第1のセンサ信号を受信し、
前記第2の検出器は、前記第2のセンサから前記第2のセンサ信号を受信し、
前記第2のセンサ信号は、前記第1の信号に対する周辺状況の影響を補償するために前記第1のセンサ信号と組み合わされる、請求項11に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項16】
前記センサ段は、前記第1のベルトプレートの反対側で搬送方向に離間された、前記コンベアベルトの前記底部側付近に配置された第3および第4のベルトプレートをさらに含み、
前記駆動および検出段は、
前記第1の外部プレートの反対側で前記搬送方向に離間された、前記コンベアベルトの前記底部側付近に配置された第3および第4の外部プレートと、
前記第3の外部プレートと直列した第3の検出器、および前記第4の外部プレートと直列した第4の検出器とをさらに含み、
前記第2の外部プレートが前記第2のベルトプレートに重なるとき、前記第3の外部プレートは、前記第3のベルトプレートに重なって第3のコンデンサを形成し、前記第4の外部プレートは、前記第4のベルトプレートに重なって第4のコンンデンサを形成し、
前記第3の検出器によって測定される前記第3のコンデンサの静電容量と、前記第4の検出器によって測定される前記第4のコンデンサの静電容量は、前記第3および前記第4のベルトプレートにおける前記第3および前記第4の外部プレートより上の前記コンベアベルトの高さに比例する、請求項10に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項17】
前記第3の検出器および前記第4の検出器によって測定された前記高さは、前記第1のセンサ信号に対するベルトの高さの影響を補正するのに使用される、請求項16に記載のコンベアシステム。
【請求項18】
前記第3の外部プレートは、前記センサ段の長手方向の中心線の反対側に2つの第3の外部のサブプレートを備え、
前記第4の外部プレートは、前記センサ段の長手方向の中心線の反対側に2つの第4の外部のサブプレートを備える、請求項16に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項19】
前記第3および前記第4のベルトプレートの前記横方向の寸法は、前記2つの第3および前記第4の外部のサブプレートの横方向の外側面の間の距離より大きいことから、前記第3の外部プレートと前記第3のベルトプレートの間のプレートが重なる領域と、前記第4の外部プレートと前記第4のベルトプレートの間の領域は、特定の範囲の横方向の経路追跡の偏りにわたって一定である、請求項18に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項20】
前記駆動および検出段は、
前記第1の外部プレートの反対側で搬送方向に離間された、前記コンベアベルトの前記底部側付近に配置された第3の左および右の外部プレートと、
前記第1の外部プレートの反対側で前記搬送方向で、前記第3左および前記右の外部プレートから離間され、それらと位置合わせされた、前記コンベアベルトの前記底部側付近に配置された第4の左および右の外部プレートと、
前記それぞれの第3の左、第3の右、第4の左および第4の右の外部プレートと直列に各々が接続された第3の左、第3の右、第4の左、および第4の右の検出器とをさらに含み、
前記第3の左、前記第3の右、前記第4の左、および前記第4の右の外部プレートは、前記第1のベルトプレートと重なって、第3の左、第3の右、第4の左、および第4の右のコンデンサを形成し、
前記第3の左、前記第3の右、前記第4の左、および前記第4の右の検出器は、前記第3の左、前記第3の右、前記第4の左、および前記第4の右のコンデンサの静電容量を測定し、この静電容量は、前記コンベアベルトの横方向の経路追跡の偏りまたは偏揺れを求めるのに使用される、請求項10に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項21】
前記第1のセンサは、静電容量が前記物理的特性と共に変化するコンデンサである、請求項10に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項22】
前記搬送路を横切るように長手方向に延在するレーン内に複数の駆動および測定段を備え、前記コンベアベルトは、前記コンベアベルトに沿って横列と縦列で配列された複数のセンサ段を備える、請求項10に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項23】
コンベアベルト測定システムにおいて、
搬送路内に支持されたコンベアベルトであって、
物理的特性および周辺状況に反応して第1のセンサ信号を提供する第1のセンサと、
前記第1のセンサに影響を与える前記周辺状況に反応し、前記第1のセンサによって測定される前記物理的特性には反応しない第2のセンサ信号を提供する第2のセンサと、を含むセンサ段を有するコンベアベルトと、
前記コンベアベルトの外部にある駆動および検出段であって、
振動器と、
第1の検出器および第2の検出器と、を含む駆動および検出段と、を備え、
前記振動器は、前記駆動および検出段において前記搬送路に沿って前記振動器に接続された外部プレートと、前記第1または前記第2のセンサに接続された前記コンベアベルト内のベルトプレートとを各々が有する第1の駆動コンデンサおよび第2の駆動コンデンサをそれぞれ通して、前記第1および前記第2のセンサを駆動し、
前記第1および前記第2のセンサ信号は、
前記駆動および検出段において前記搬送路に沿って前記第1の検出器または前記第2の検出器に接続された外部プレートと、
前記第1のセンサまたは前記第2のセンサに接続された前記コンベアベルト内のベルトプレートとを各々が有する第1および第2の伝達コンデンサを通して、前記第1および前記第2の検出器にそれぞれ送信され、
前記第2のセンサ信号は、前記第1のセンサ信号に対する周辺状況の影響を補償するために前記第1のセンサ信号と組み合わせることが可能である、コンベアベルト測定システム。
【請求項24】
前記第1のセンサは、静電容量が前記物理的特性と共に変動するコンデンサであり、前記第2のセンサは、静電容量が前記物理的特性と共に変動しないコンデンサである、請求項23に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項25】
前記第1の駆動コンデンサおよび第2の駆動コンデンサは同一の外部プレートを使用する、請求項23に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項26】
前記コンベアベルトの外部の高さ検出器と、
前記振動器に接続された外部プレートと、前記コンベアベルト内の高さ駆動プレートとを有する高さ駆動コンデンサと、
前記高さ検出器に接続された外部プレートと、前記高さ駆動プレートと直列に接続された前記コンベアベルト内の高さ伝達プレートとを有する高さ伝達コンデンサとをさらに備え、
前記高さ駆動コンデンサおよび前記高さ伝達コンデンサの直列静電容量は、前記搬送路より上の前記コンベアベルトの高さに反比例する、請求項23に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項27】
前記高さ駆動コンデンサの前記外部プレートおよび前記高さ伝達コンデンサの前記外部プレートは、同一のコンデンサプレートの異なる部分である、請求項26に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項28】
前記コンベアベルト内の高さを感知する場所に位置決めされた複数の高さ駆動コンデンサおよび高さ伝達コンデンサと、前記高さを感知する場所で前記コンベアベルトの高さを測定するための前記コンベアベルトの外部の複数の高さ検出器とを備える、請求項26に記載のコンベアベルト測定システム。
【請求項29】
コンベアベルト計量システムにおいて、
頂部側および底部側を有するコンベアベルトと、
前記コンベアベルト内に設置された感知コンデンサであって、当該感知コンデンサより上の前記コンベアベルトの前記頂部側にある製品の重量と共に変動する静電容量を有する感知コンデンサと、
前記感知コンデンサと直列の駆動コンデンサおよび伝達コンデンサであって、
各々が、前記コンベアベルト内の前記底部側付近の第1のプレートと、前記コンベアベルトの外部の前記底部側付近の第2のプレートとを有することで、前記伝達コンデンサの前記第1のプレートと前記第2のプレートが重なるとき、前記駆動コンデンサの前記第1のプレートと前記第2のプレートが重なる、駆動コンデンサおよび伝達コンデンサと、
前記コンベアベルトの外部にあり、前記駆動コンデンサを通して前記感知コンデンサに通電して、前記感知コンデンサの静電容量と共に変動する重量信号を生成する振動器と、
前記コンベアベルトの外部にあり、前記伝達コンデンサに接続されて前記重量信号を受信する重量検出器と、を備えるコンベアベルト計量システム。
【請求項30】
搬送される製品を支持するために、前記コンベアベルトの前記頂部側の外側に付勢される圧力プラットフォームと、
前記圧力プラットフォームから前記コンベアベルトの前記底部側に向かって延びることで、前記圧力プラットフォームの上の前記製品の重量を前記感知コンデンサに伝達して、加えられた前記重量の関数として前記静電容量を変えるピンとをさらに備える、請求項29に記載のコンベアベルト計量システム。
【請求項31】
前記感知コンデンサの付近で前記コンベアベルト内に設置され、前記コンベアベルトの前記頂部側にある製品の重量と共には変動しないが、前記感知コンデンサと同じ様式で周辺状況と共に変動する静電容量を有する基準コンデンサと、
前記基準コンデンサと直列に接続された基準駆動コンデンサおよび基準伝達コンデンサであって、
各々が前記コンベアベルト内の前記底部側付近の第1のプレートと、前記コンベアベルトの外部の前記底部側付近の第2のプレートを有することで、前記駆動コンデンサおよび前記伝達コンデンサの前記第1のプレートと前記第2のプレートが重なるとき、前記基準駆動コンデンサおよび前記基準伝達コンデンサの前記第1のプレートと前記第2のプレートが重なり、
前記振動器は、前記基準駆動コンデンサを通して前記基準コンデンサに通電して、前記基準コンデンサの静電容量と共に変動する基準信号を生成することで、前記感知コンデンサに影響を与える前記周辺状況に起因する前記重量信号における変動を補償する
基準駆動コンデンサおよび基準伝達コンデンサと、
前記コンベアベルトの外部にあり、前記基準信号を受信するために前記基準伝達コンデンサに接続された基準検出器とをさらに備える、請求項29に記載のコンベアベルト計量システム。
【請求項32】
前記重量信号および前記基準信号を受信し、前記重量信号および前記基準信号から補償後の重量の値を計算する補償手段を備える、請求項31に記載のコンベアベルト計量システム。
【請求項33】
前記コンベアベルトの高さを測定するための高さセンサであって、
前記コンベアベルトの外部の前部の外部プレートと、前記底部側付近で前記コンベアベルト内に設置される前部ベルトプレートとを有し、前記前部の外部プレートと前記前部ベルトプレート間の分離と共に変動する前部静電容量を有する前部コンデンサと、
前記コンベアベルトの外部の後部の外部プレートと、前記底部側付近で前記コンベアベルト内に設置され、前記前部ベルトプレートから搬送方向に離間された後部ベルトプレートとを有し、前記後部の外部プレートと前記後部のベルトプレート間の分離と共に変動する後部静電容量を有する後部コンデンサと、
外部プレートおよび前記前部ベルトプレートによって形成され、前記前部コンデンサに直列に接続される前部駆動コンデンサであって、
前記振動器は、前記前部駆動コンデンサを通して前記前部コンデンサに通電することで、前部のベルトの高さ信号を生成する前部駆動コンデンサと、
外部プレートおよび前記後部ベルトプレートによって形成され、前記後部コンデンサに直列に接続される後部駆動コンデンサであって、
前記振動器は、前記後部駆動コンデンサを通して前記後部コンデンサに通電することで、後部のベルトの高さ信号を生成する後部駆動コンデンサと、
前記前部および前記後部のベルトの高さ信号を検出する高さ検出器とを含む
高さセンサと、
前記前部および前記後部のベルトの高さ信号を受信し、前記前部および前記後部のベルトの高さ信号からベルトの高さの値を計算するプロセッサとをさらに備える、請求項29に記載のコンベアベルト計量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、動力駆動のコンベヤに関し、より詳細には、例えば搬送される製品の重量、温度、圧力および湿度などの様々な物理的特性を測定するために、コンベアベルトに埋め込まれた感知要素を利用するコンベアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアベルトに埋め込まれたセンサは、センサ測定値を作成し、ベルトから測定値を伝送するのに動力を必要とする。ベルト上のバッテリ、蓄電コンデンサおよびエネルギー取り込みデバイスが、その目的のために使用されてきた、または提案されてきた。しかしながらそのような解決策のほとんどは、位置合わせ不良に左右されやすく、充電や交換を必要とする、スペースを占める、重量を追加する、またはベルトを脆弱にする。
【発明の概要】
【0003】
本発明の機能を具現化するコンベアベルト測定システムの1つの形態は、頂部側および底部側を有するコンベアベルトと、コンベアベルトの外部の駆動および検出段とを備える。駆動および検出段は、駆動信号を生成する振動器と、コンベアベルトの底部側付近に位置決めされ、振動器と直列に接続された第1の外部のコンデンサプレートと、コンベアベルトの底部側付近に位置決めされた第2の外部のコンデンサプレートと、第2の外部のコンデンサプレートに接続された検出器とを含む。第1および第2のベルトコンデンサプレートが、その底部側付近でコンベアベルト内に設置される。第2のベルトコンデンサプレートと第2の外部のコンデンサプレートが位置合わせされて伝達コンデンサを形成する際、第1のベルトコンデンサプレートと第1の外部のコンデンサプレートが位置合わせされて駆動コンデンサを形成する。センサがコンベアベルト内に設置され、駆動コンデンサと伝達コンデンサとの間に直列に接続される。駆動コンデンサは、駆動信号をセンサに結合して、センサによって測定される物理的特性を指すセンサ信号を生成する。検出器が、伝達コンデンサからセンサ信号を受信する。
【0004】
コンベア測定システムの別の形態は、搬送路内に支持されるコンベアベルトと、コンベアベルトの外部の駆動および検出段とを備える。ベルトは、コンベアベルトの底部側付近に配置された第1および第2のベルトプレートと、第1および第2のベルトプレートと直列に接続され、物理的特性に反応して第1のセンサ信号を提供する第1のセンサとを含むセンサ段を有する。駆動および検出段は、振動器と、振動器と直列に接続された搬送路に沿った第1の外部プレートと、第1の検出器と、第1の検出器と直列に接続された搬送路に沿った第2の外部プレートとを含む。第2の外部プレートが第2のベルトプレートに重なって、第2のコンデンサと、振動器、第1のコンデンサ、第1のセンサ、第2のコンデンサおよび第1の検出器を含む測定回路とを形成する際、第1の外部プレートは、第1のベルトプレートに重なって第1のコンデンサを形成する。第1の外部プレートと第1のベルトプレートは、異なる横方向の寸法と長手方向の寸法を有し、第2の外部プレートと第2のベルトプレートは、異なる横方向の寸法と長手方向の寸法を有する。
【0005】
コンベア測定システムのさらに別の形態は、搬送路内に支持されるコンベアベルト内のセンサ段と、コンベアベルトの外部の駆動および検出段とを備える。センサ段は、物理的特性および周辺状況に反応して第1のセンサ信号を提供する第1のセンサと、第1のセンサに影響を及ぼす周辺状況に反応し、第1のセンサによって測定される物理的特性には反応しない第2の信号を提供する第2のセンサとを含む。駆動および検出段は、振動器と、第1の検出器と、第2の検出器とを含む。振動器は、第1および第2の駆動コンデンサを通して第1および第2のセンサを駆動し、これら駆動コンデンサの各々は、駆動および検出段において振動器に接続された外部プレートと、第1のセンサまたは第2のセンサに接続されたコンベアベルト内のベルトプレートとを有する。第1および第2のセンサ信号は、第1および第2の伝達コンデンサを通して第1および第2の検出器に送信され、これら伝達コンデンサの各々は、駆動および検出段において第1の検出器または第2の検出器に接続された外部プレートと、第1のセンサまたは第2のセンサに接続されたコンベアベルト内のベルトプレートとを有する。第2の信号は、第1の信号に対する周辺状況の影響を補償するために第1の信号と適合可能である。
【0006】
別の態様では、コンベアベルト計量システムは、頂部側と底部側とを有するコンベアベルトを含む。コンベアベルト内に設置された感知コンデンサは、感知コンデンサより上のコンベアベルトの頂部側にある製品の重量と共に変動する静電容量を有する。駆動コンデンサおよび伝達コンデンサは、感知コンデンサと直列に接続される。駆動コンデンサおよび伝達コンデンサは各々、底部側付近のコンベアベルト内の第1のプレートと、底部側付近のコンベアベルトの外部の第2のプレートとを有することで、伝達コンデンサの第1のプレートと第2のプレートが重なるとき、駆動コンデンサの第1のプレートと第2のプレートも重なる。コンベアベルトの外部の振動器は、駆動コンデンサを通して感知コンデンサに通電して、感知コンデンサの静電容量と共に変動する重量信号を生成する。コンベアベルトの外側にあり、伝達コンデンサに接続された重量検出器が重量信号を受信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】力センサを含む、本発明の機能を具現化するコンベアベルトの一部の斜視図である。
図2図1のコンベアベルトを利用するコンベアシステムの等角図である。
図3】部分的に切り取られた、図2のコンベアシステムの一部の上部平面図である。
図4】力センサを備えた、図1でのようなコンベアベルトの単一のベルトモジュールの部分的に分解組み立てされた不等角投影図である。
図5図5Aは、上部斜視図からの図4でのような力センサの分解組立図である。図5Bは、下部斜視図からの図4でのような力センサの分解組立図である。
図6図5Aおよび図5Bの力センサの断面図である。
図7】力感知システムにおける図4でのような力センサを含むセンサ段と、駆動および検出段の頂部レベルの電気的概略図である。
図8図7でのような力感知システムにおいて利用可能な駆動および検出段の検出セクションと、プロセッサのブロック図である。
図9】重ならないときの、底部におけるベルトに埋め込まれたセンサ段の頂部における駆動および検出段のコンデンサプレートの平面図である。
図10図9でのような平面図であるが、プレート同士が主要な測定のために重なり合う平面図である。
図11図10でのように重なったときのコンデンサプレートの電気的概略図である。
図12】ベルトが、静止した外部の駆動および検出システムに対して横方向にずれた状態の、図9でのような平面図である。
図13】駆動および検出段の後部プレートが経路追跡の偏りを測定するように配置された状態の、図9でのような平面図である。
図14図15の配置から測定を行うためのコンデンサプレートの配置の電気的概略図である。
図15図13でのような平面図であるが、前部プレートが測定を行っている状態の平面図である。
図16図15でのような平面図であるが、経路追跡の偏りがある状態の平面図である。
図17図17A及び17Bは、後部コンデンサセンサによってベルトの偏揺れを測定するための、図15でのような頂部平面図である。
図18図2のコンベヤシステムの頂部概略図である。
図19】コンベアベルトにおけるブリッジタイプのセンサの電気的概略図である。
図20】コンベアベルトにおける3端子のセンサの電気的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の機能を具現化するコンベアベルトの1つの形態の一部が図1に示される。コンベアベルト10は、連続する横列の間にヒンジ継ぎ手18を形成している交互に配置されたヒンジ要素17におけるヒンジロッド16またはピンによって端部同士が蝶番で接続された1つまたは複数のプラスチック製のベルトモジュール14の一連の横列12で構築されたモジュール式のプラスチックコンベアベルトである。ベルトモジュール14は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、アセタールまたは複合ポリマーなどの熱可塑性ポリマーから従来式に射出成形される。力センサ20などのセンサ、またはロードセルが、個々の位置でコンベアベルト10に埋め込まれる。センサは、ベルトモジュール14の全ての横列12に存在してよい、または選択されたベルトの横列のみに存在する場合もある。一例として使用されるこの形態では、センサは、搬送方向22でベルトの長さに沿って各ベルトの横列12および縦列Kの幅にわたって2次元配列で配列された力センサ20である。この方法において、任意の個々の力センサ20の位置は、XRKとして定義することができ、この場合Rは、横列(または各ベルトの横列が1つの横列のみの力感知要素を有する場合はベルトの横列)を表しており、Kは、ベルトの一方の側から他方の側までの縦列を表している。所与のベルトに関して力センサの横列と縦列との間で必要とされる配列の密度または隔たりは、搬送される製品のサイズおよび形状の演繹的知識によって決められてよい。この形態では、各力センサ20は、ベルト10の頂部側24よりわずかに上に上向きに付勢される圧力プラットフォーム26を含む。圧力プラットフォーム26が、ベルトの搬送面24よりわずかに上に突き出た突出部を形成することで、搬送される製品の全重量が1つまたは複数のプラットフォームによって支えられることになる。力センサ20は、ベルト上の力センサの位置において搬送面に対して垂直に加わる力、例えば搬送される製品の重量などを測定するために、頂部の搬送側24に対して直交する、すなわち垂直の感知軸28を有する。
【0009】
コンベアベルト10は、一例として図2では計量システム30内に示されている。コンベアベルトは、上部搬送路32に沿って搬送方向22に進む。シャフト36に設置された駆動およびアイドルスプロケットセット34、35の周りを囲むようにエンドレスベルトを這わせ、シャフトの端部は軸受ブロック38の中に支持されている。駆動シャフトに結合された駆動モータ40が、駆動スプロケット34を回転させ、駆動スプロケットはベルトの底部側25に係合し、上部搬送路22に沿って搬送方向22にベルトを駆動する。
ベルトは、下部の復路42に沿って戻る。ローラ44が、復路においてベルトを支持し、最大の懸垂線状の弛みを減少させる。
【0010】
図3に示されるように、コンベアベルト10は、摩耗ストリップ50の上で搬送路32に沿って支持される。力センサ20のための駆動および検出段52は、筐体54に収容され、その頂部面は、摩耗ストリップ50の頂部のレベルにある、またはそれよりわずかに下である。駆動および検出段52は、コンベアベルト10内の力センサ20の縦列Kと整列した列に配列される。
【0011】
図4に示されるように、各ベルトモジュール14は、頂部側24および底部側25で開放する1つまたは複数の空洞を有する。力センサ組立体58は、各空洞56に設置される。この形態では、組立体58にある肩部60が、空洞56内の縁62の上に着座する。保持具64が、肩部60の頂部に着座し、組立体58を空洞56内に保持する。保持具64は、空洞56の内壁66に溶接される、接合される、スナップ嵌めされる、プレス嵌めされる、接着される、または他の方法で締結される。圧力プラットフォーム26は、頂部側24および保持具64の同一平面を成す頂部面より上に突出する。
【0012】
この例示の形態のセンサ組立体が、図5A図5Bおよび図6により詳細に示される。圧力プラットフォーム26は、円形の円筒形の領域69を取り囲む中空のフレーム68の上に置かれている。中心の孔を備える上部ばね部材70が、圧力プラットフォーム26の外側縁部と、フレームの壁72の頂部73との間に挟まれる。この孔を除いて、上部ばね部材70は、例えば、接着または溶接によってそれが締結されるフレーム68の頂部で円筒形の領域69を覆っている。上部ばね部材70は、圧力プラットフォーム26上に載っている荷重に応じてたわみ、水平方向の動きに抵抗する。それはまた、圧力プラットフォーム26をわずかに上向きに付勢する。中心の孔75を有する下部ばね部材74も同様に、それが締結されるフレーム68の底部において円筒形の領域69を覆っている。下部ばね部材74もまた荷重によってたわみ、さらにトルクに抵抗する。2つの部材70、74は、例えばステンレス鋼でできた二重の膜のばねを形成する。内側にねじ山がついた中空の中心ピン92が、上部および下部ばね部材70、74に接触した状態でフレーム68の円筒形の内側領域69の中に備わっている。ドーム型のヘッド96を備えた外側にねじ山がついた止めねじ94が、中心ピン92の底部にねじ込まれる。止めねじ94は、そのヘッド96が下部ばね部材74を押すように調節される。平らなヘッドの固定ねじ98が、圧力プラットフォーム26内の座ぐりされた穴100および上部ばね部材70の孔を貫通して延出し、中心ピン92とねじ込み係合する。圧力プラットフォーム26を保持するために、ねじ98をピン92の中に入れてきつく締める。圧力プラットフォーム26の底部と中心ピン92の頂部との間の動作距離を制限するシム102が、圧力プラットフォーム26の下向きの動作距離を制限する。過剰な荷重をフレーム68に伝達するために、動作距離制限装置102が、二重膜のばねに対する力が、ばね部材70、74に対する損傷を招く可能性がある上限を超えないことを保証する。動作距離制限装置102によって、コンベアベルトが戻るときにローラによって支持されるようにし、落下した製品またはベルトを横切って歩く人によって生じる不正な使用から保護する。
【0013】
底部コンデンサディスク104は、その頂部面114に、一対の基準コンデンサ底部プレート112、113が両側に位置する測定コンデンサ底部プレート110を有する。伝達コンデンサプレート116が、底部コンデンサディスク104の底部面115に形成され、駆動および検出段から動力を受け取り、データをそこに伝送するアンテナとして機能する。底部コンデンサディスク104は、センサ組立体を機械的に強化するために厚みがある。底部コンデンサディスク104と、下部ばね部材74との間にコンデンサスペーサリング118、頂部コンデンサリング120および境界面リング122が積み重ねられる。測定コンデンサ頂部プレート124および一対の基準コンデンサ頂部プレート126、127が、基準コンデンサリング120の底部面に形成される。頂部コンデンサリング120の横ばり130にあるスリット128が測定コンデンサ頂部プレート124が、梁の中心に加わる圧力を受けてたわむことを可能にする。製造公差を補償するために、工場で止めねじ94が中心ピン92にねじ込まれることで、止めねじのドーム型のヘッド96が、荷重のない状態で、開始位置、すなわちゼロの位置の下で測定コンデンサ頂部プレート122をわずかにたわませる。スリット128はまた、基準コンデンサの頂部プレート126、127を測定コンデンサ124の頂部プレートから機械的に隔てる。境界面リング122は、金属の下部ばね部材74を頂部コンデンサリング120上のコンデンサプレート124、126、127から電気的に隔離するために非導電性材料で作成されており、膜とコンデンサとの間に機械的な境界面を形成する。境界面リング122は、測定コンデンサ頂部プレート124に対して均等にばねの偏位を伝達し、止めねじ94からの圧力の下でそれが常に膜ばねによって加圧されていることを保証するために頂部プレートにわずかに事前に張力をかけている。コンデンサスペーサプレート118が、頂部コンデンサプレート124、126、127と、底部プレート110、112、113との間にプレート分離を設ける。リング118、120、122内および底部コンデンサディスク104内の位置合わせスロット132が、頂部と底部のコンデンサプレートの適切な位置合わせを保証する。積み重ねられたディスク104とリング118、120、122は、接着剤、溶接部または締め具によってセンサフレーム68の底部に締結される。底部コンデンサディスク104の底部面115にある伝達コンデンサプレート116は、センサ組立体58およびフレーム内に支持されるコンベアベルトの底部側より下でコンベアフレーム内に設置される基板136上の伝達コンデンサプレート134と共に伝達コンデンサを形成する。
【0014】
単一の基本的な静電容量センサシステムの電気的な概略図が図7に示される。振動器140が、4つの静電容量測定回路、すなわち(a)メイン測定回路142、(b)基準回路144、(c)前部のベルトの高さ回路146および(d)後部のベルトの高さ回路148を駆動するように示されている。振動器140は、例えば35MHzで動作する振動器である。しかしながら35MHzより低い、またはこれより高い他の周波数も使用することができる。振動器140は、コンベアベルトの外側でコンベヤフレームの中に備わっており、フレーム支持基板136(図5A)内の駆動プレート150を通してコンベアベルト内のセンサ組立体に通電する。振動器140および駆動プレート150は、駆動および検出段の外部の駆動セクションを形成する。外部の駆動プレート150は、外部の駆動プレートがベルトプレートに重なるとき、ベルトのセンサ組立体にあるベルトコンデンサプレート152と共にコンデンサを形成する。コンベアベルト内の主要たる測定コンデンサCは、その上部プレート(図5B)に加わる力と共に変動する静電容量を有する。測定コンデンサCは、センサ組立体内で入力ベルトコンデンサプレート152と、出力ベルト伝達コンデンサプレート154との間に直列に接続されており、センサシステムのセンサ段を形成する。センサ段において、全ての構成要素はベルトの外部の電源から通電されなければ、電力をまったく得られない受動構成要素である。ベルト伝達コンデンサプレート154は、コンベアベルトの外部の基板136(図6)上の外部の伝達プレート156に静電容量式に結合される。ベルト内の構成要素はセンサ段を形成する。ベルト伝達コンデンサプレート154および外部の伝達コンデンサプレート156は一緒に外部の検出セクションに接続された伝達コンデンサを形成し、これは、コンベアベルトの外部の駆動および検出段を形成するために、駆動セクションと同一の場所に配置されてよい。センサ測定信号160、例えばこの例では、力または重量信号が、矢印によって指示されるように外部の検出セクションに送られる。外部の検出セクションは、図8に示されるように信号調整器168、アナログデジタル変換器(ADC)170およびプロセッサ172を含む。信号調整器は、例えばac信号をdc信号に変換するための整流器およびフィルタ、信号レベルをADCの範囲と一致するようにブーストさせる増幅器、およびバッファ増幅器を含む。種々の回路からの多数の測定信号を信号ADCに多重送信するためにマルチプレクサ(図示せず)が使用される場合もある。プロセッサは、内部または外部に、そこからソフトウェアルーチンが実行されるプログラムメモリ174、一時的データを保持するランダムアクセスメモリ176、および任意選択でビデオカメラ76からの信号を処理するビデオプロセッサ108を有するプログラマブルコンピュータであってよい。各外部の検出セクションは、その独自のローカルスレーブプロセッサであってよい、またはプロセッサが、検出セクションと通信するマスタープロセッサであってもよい。
【0015】
基準コンデンサC図7)は、測定コンデンサCが測定回路142に接続されるのと同じ様式で基準回路144に接続される。基準信号162は、同一の信号調整器168およびADC170を通して、図8でのようにプロセッサ172に送信される。基準コンデンサCは、例えば可変の測定コンデンサCの定格静電容量と等しい固定された定格静電容量のための固定式の定格プレート分離を有する。
【0016】
基準コンデンサCは、図5Aおよび図5Bに示されるように頂部コンデンサリング120の構築によって測定コンデンサCから機械的に隔離される。圧力プラットフォーム26の上に載っている荷重が、上部ばね部材70、中心ピン92および止めねじ94を下部ばね部材74に対して下向きにたわませる。止めねじ94のドーム型のヘッド96が、境界面プレート122の中心を下向きに押して、頂部測定コンデンサプレート124を、固定された底部コンデンサプレート110に近づくように下向きにたわませる。縮小されたプレート分離が、測定コンデンサCの静電容量を増大させ、これに従って重量信号160(図7)を変化させる。頂部測定コンデンサプレートのたわみの量は、圧力プラットフォーム26の上に載っている荷重の重量に比例する。二重膜のばね70、74は、偏位に伴う静電容量の非線形性を補償する非線形のばねの偏位を呈する。測定コンデンサCの近くに配置された基準コンデンサCの静電容量は固定され、測定コンデンサに加えられる荷重に影響を受けないため、基準コンデンサを使用して、メインセンサによって測定される物理的特性以外の、このケースでは力または重量以外の周辺状況に起因する測定静電容量の変化を補償する。周辺状況の一部の例は、振動、温度、空気圧および湿度である。プロセッサ172(図8)は、基準信号(適切に変倍された)をセンサ測定信号から取り去って周辺の影響を取り除く。あるいは、補償は、ハードウェアにおいてアナログドメインで行われる場合もある。補償されたアナログ信号は、ADCにおいてデジタルに変換されプロセッサに送信される。こうして、プロセッサソフトウェアルーチンまたはハードウェア回路などの補償手段によって補償を実施することができる。
【0017】
図7に示されるように、振動器140はまた、2つのベルトの高さ回路146、148も駆動する。実際には、各回路は、回路の静電容量に比例する信号(前部のベルトの高さ信号164および後部のベルトの高さ信号166)を生成する。静電容量は、静止した外側にあるプレート156とベルト上のプレート154との間の距離に反比例する。この距離はベルトの高さの指標であるため、プロセッサ172(図8)は、前部および後部の静電容量測定値を使用して、主たる測定に対する、搬送路のコンベアフレームより上のベルトの高さの変化の影響を補償することができる。図7に示される全ての一例の回路は、回路の静電容量と共に変動する出力電圧信号を生成する静電容量電圧分割器である。
【0018】
図9は、搬送方向22での、および静止した駆動および検出段180においてコンベアベルトと共に進む、センサ段178における駆動および伝達コンデンサプレートの幾何学的配置の一例の形態を示す。コンデンサプレートおよびその機能が表1に列記される。
【表1】
【0019】
コンベアベルトが適切に決められた経路を進む場合、すなわち横方向の脱線や偏りがない場合、それが搬送方向22に進むとき、コンデンサプレートは、図10に示されるように、最大の静電結合で整列する。図11は、図10の重なり合うプレートによって形成されるコンデンサを示す。対応するコンデンサプレートの長手方向の寸法と横方向の寸法、すなわちこの例に示される矩形のプレートの場合の長さと幅は異なっており、このことは、搬送路に対するベルトの横方向の偏りにもかかわらず、より長い継続時間にわたって一定のプレートが重なる領域を保証するように機能する。振動器140は、プレートP(一次)とP(二次)によって形成されたメインの駆動コンデンサ、ならびにプレートP7LとP2L、およびプレートP7RとP2Rによって形成された伝達コンデンサを通して測定コンデンサCに通電する。測定信号、この例では重量信号160が、デジタル形式で信号調整器に、およびプロセッサに対して送信される。同様の方法で、基準コンデンサCは、メインの駆動プレートPと、2つのベルト駆動プレートP9RおよびP9Lを通して振動器140によって通電される。駆動プレートP9R、P9Lは、基準コンデンサCと、ベルトプレートP8RF、P8LF、P8RR、P8LRと外部のコンデンサプレートP3RF、P3LF、P3RR、P3LRの並列の組み合わせによって形成された基準伝達コンデンサと直列に接続される。基準信号162は、信号調整器に、およびプロセッサに送られ、これが基準信号を利用して、センサ測定信号160における周辺状況を補償する。
【0020】
搬送路より上のベルトの高さが、測定値に影響を与えるほど十分に上下に変動する場合、搬送路より上のベルトの高さを測定して測定値および基準信号を修正するのに使用することができる。搬送路より上のベルトモジュールの前部の高さは、メインの駆動コンデンサプレートP、ベルトの前部コンデンサプレートP10Fおよび外部の右と左の前部の高さコンデンサプレートP4RF、P4LFによって形成される回路の静電容量によって測定される。出力信号164’および164”は、高さ検出器の信号調整器に、およびプロセッサに対して送信され、これが、それぞれの出力を使用してベルトモジュールの前部の高さを決定する。ベルトモジュールの後部の高さも、外部のメイン駆動プレートP、ベルトの後部の高さコンデンサ駆動プレートP10Rおよび外部の右と左の後部の高さコンデンサプレートP4RR、P4LRによって形成される後部の高さ回路の静電容量によって同様に決定される。高さの値はその後、駆動および伝達コンデンサプレートの変化するプレート分離に起因する測定回路および基準コンデンサ回路の静電容量の変化を補償するために使用することができる。プロセッサは、ベルトの前方または後方ピッチ角をθ=arctan[(hF-hR)/d]として計算することもでき、この場合hFは、前部ベルトプレートP10Fの計算された高さであり、hRは、後部ベルトプレートP10Rの計算された高さであり、dは、P10FとP10Rの中心間の距離である。予測される小さいピッチ角に関して、
ある(本出願で使用されるようなベルトモジュールのピッチは、その横方向の中心線を中心としたモジュールの回転を指しており、前部の連接軸と後部の連接軸との間の距離ではない)。計算されたピッチは、前部から後部までの任意の地点におけるベルトモジュールの高さの指標であり、そのような他の測定に関わるベルトプレートの長手方向の位置に基づいて他の測定値を修正するために、平均の高さの値の代わりに使用することができる。
【0021】
図12が示すように、両方向における妥当な範囲の側方の偏りを超える横方向182における側方の経路追跡の偏りは、ベルトプレートと外部プレートが重なり合う領域は、図10における側方の偏りが全くない状況に関するものと同じであるため、いずれの静電容量にも変化を生じさせるものではない。その結果は、対応するベルトおよび外部プレートの一方または他方を長手方向に、すなわち搬送方向22に他方より長く作成することによって、かつプレートを搬送方向により短く、横方向182により長くすることによって(例えば、外部プレートP3RRおよびベルトプレートP8RRを参照されたい)達成される。基準信号によってセンサ測定信号の較正を簡素化するために、それぞれに関する駆動および伝達静電容量は、同一のプレートの重なる領域によって全く同じにすることができる。例えば、ベルト測定駆動プレートPの領域は、ベルト基準駆動プレートP9F、P9Rの領域を合わせたものと同一である。ベルト測定伝達プレートP7RおよびP7Lの領域は、前部および後部基準伝達プレートP8RF、P8LFおよびP8RR、P8LRの領域と同一であり、外部の測定伝達プレートP2R、P2Lは、外部の前部および後部基準伝達プレートP3RF、P3LFおよびP3RR、P3LRと同一である。
【0022】
前に進んでいるベルトセンサ178のコンデンサプレートが、図13または図15でのように静止した駆動および検出段180のコンデンサプレートと位置合わせされる際、各ベルトモジュールの経路追跡、または搬送路に対する横方向のベルトの脱線、ならびに横揺れおよび偏揺れが測定される。図13では、静止した後部の右と左の高さおよび経路追跡プレートP4RR、P4LRおよびP5RR、P5LRは、ベルトコンデンサプレートPと重なっている。図15では、静止した前部の右と左の高さおよび経路追跡プレートP4RF、P4LFおよびP5RF、P5LFが、ベルトコンデンサプレートPと重なっている。このような2つの状況は、図10でのように配列されたコンデンサプレートによる主たる測定の前後に生じる。
【0023】
図13および図15では、側方の偏りはゼロであり、ベルトが適切に経路をたどっていることを示している。図15における4つの前部プレートとベルトコンデンサプレートP6が重なる領域は、図13における4つの後部プレートの重なる領域と、各々に関して同一である。横揺れ(図15におけるx軸を中心とした回転)や偏揺れ(図15におけるz軸を中心としたページの中への回転)が生じていない限り、対応する左右の静電容量は等しくなり、側方の経路追跡の偏りはゼロであることを示している。
【0024】
図16は、経路追跡の偏りを示すためにy軸に沿って横方向にずらされたベルトを示す。そのような状況では、外部の右の前部の高さおよび経路追跡プレートP4RFおよびP5RFと、ベルトプレートPとの重なりは、対応する左のプレートP4LFおよびP5LFと、ベルトプレートPとの重なりより大きくなる。右側のプレートの重なりがより大きいため、それらがベルトプレートPと共に形成する静電容量は、左側のプレートと共に形成する静電容量より大きい。右側の静電容量と左側の静電容量の差、または左側の静電容量と右側の静電容量の比率は、経路追跡の偏りに比例する。後部プレートも、同一の追跡の偏りに関して静電容量に同様の差を生むであろう。プロセッサは、算出した横方向の偏りを事前に決められた最大の許容可能な追跡の偏りの値と比較する。最大の許容可能な追跡の偏りの値を超えた場合、プロセッサは、コンベヤがメンテナンスを必要としていることを指示するエラー状況を報告する、または重量測定の計算を無効にする、または場合によっては不正確であるとタグ付けをすることができる。
【0025】
図15のプレート構成に対応する電気的な概略図が図14に示される。振動器が、静止したメイン駆動プレートPに通電し、これが、ベルトコンデンサプレートPと共にコンデンサを形成する。このコンデンサは、駆動プレートPと、ベルトプレートPの駆動領域の重なりによって形成される。4つの静止した前部の右と左の高さおよび経路追跡プレートP4RF、P4LFおよびP5RF、P5LFがベルトプレートPの他の部分と重なって4つの別個の静電回路において4つの他のコンデンサを形成する。4つの静電容量測定回路の出力182、184、186、188は、検出セクションにおける信号調整器、ADCおよびプロセッサに送られる。
【0026】
図17Aおよび図17Bは、後部および前部の高さおよび経路追跡プレートがいかにして、偏揺れ(z軸を中心としたベルトモジュールの回転)を測定するのに使用され得るかを示している(図17Aおよび図17Bの両方において横方向の偏りはゼロである)。図17Bにおける前部プレートを参照する動作の記載は、図17Aにおける後部プレートの動作に同じように適用される。ベルトセンサ178が静止した駆動および検出システム180に対してz軸を中心に回転される際、右の前部の経路追跡プレートP5RFとベルトプレートPとの重なりは、右の前部の高さプレートP4RFとの重なりより大きくなる。反対に、左の前部の経路追跡プレートP5LFとベルトプレートPとの重なりは、左の前部の高さプレートP4LFとの重なりより小さくなる。各側における静電容量の差は、搬送方向22に対するベルトモジュールの偏揺れの指標である。プロセッサは、算出された偏揺れを事前に決められた最大の許容可能な偏揺れの値と比較する。最大の許容可能な偏揺れの値を超えた場合、プロセッサは、コンベヤがメンテナンスを必要としていることを指示するエラー状況を報告する、または重量測定の計算を無効にする、または場合によっては不正確であるとタグ付けをすることができる。
【0027】
駆動および検出段の検出セクションの動作を、図8におけるプロセッサ172のプログラムメモリ174から実行するファームウェアプログラムの1つの実装形態を参照して記載する。説明を簡素化するために、記載は、図11に示される回路に関して行われる測定に対する詳細に限定される。図11では、検出セクションは、a)メインの測定コンデンサCの出力信号160、b)基準コンデンサCの出力信号162、c)前部の高さコンデンサ回路の出力信号164’、164”およびd)後部の高さコンデンサ回路の出力信号166’、166”を読み取る。
【0028】
プロセッサ172は、例えば有効な測定データのブロックを識別し、重量を計算する、データおよび警告を表示する、オペレータの入力を処理するなどの様々なタスクの稼働をスケジュール設定するタスクマネージャを含むリアルタイムエグゼクティブをそのプログラムメモリ174において稼働する。出力信号160、162、164’、164”、166’、166”は、事前に決められた周期的なサンプルレートで稼働するサンプリング割り込みサービスルーチンによってADC170の出力においてサンプリングされる。割り込みサービスルーチンは、データメモリ176におけるそれぞれのバッファにサンプリングされたデジタル出力信号の各々を格納する。こうして、各バッファは、時系列のこれまでのNの出力サンプルを含み、この場合Nは、バッファの長さである。実行を完了する前に、割り込みサービスルーチンは、バッファポインタを次のバッファ位置まで増加させ、計算タスクを稼働するように命じるようにセマフォを設定する。
【0029】
計算タスクは、サンプリング割り込みサービスルーチンによって命令され、タスクマネージャによってスケジュール設定される際に稼働する。計算タスクは、バッファのうちの少なくとも1つ、例えば測定コンデンサCバッファにおいてパターン認識ルーチンを実行して、センサのプレートが図10でのように外部のプレートと重なるときに取得される有効なデータを表す連続するサンプリング後の出力値のブロックを選択する。全ての出力信号160、162、164’、164”、166’、166”は、同時に有効であることから、バッファからのサンプリングされた出力値の対応するブロックは、最後の重量計算で使用される。計算タスクは、例えば全ての値を平均する、最大値を選択する、または各データブロックの統計学的な平均値を見つけることで測定値を生成することができる。測定値はその後、必要に応じて変倍される。前部のベルト高さの値は、前部のベルトモジュールの高さを計算するために組み合わされ、後部のベルト高さの値は、後部のベルトモジュールの高さを計算するために組み合わされる。前部および後部の高さは、モジュールのピッチまたは横軸を中心とした傾斜を計算するのに使用することができる。高さの値は、その後、主たる測定コンデンサ値および基準コンデンサ値を修正するのに使用される。最終的に基準コンデンサ値が測定コンデンサ値から差し引かれて、最終的な測定値を生成し、この別のタスクは、ディスプレイに送信されてよい。基準コンデンサによる補償がハードウェアにおいてアナログレベルで適用された場合、プロセッサは代わりに、デジタル式に補償された測定値をデイスプレイ用の適切なユニットへと単に変換するだけでよい。
【0030】
追跡、横揺れ、偏揺れの測定を含む拡張されたシステムでは、サンプリング割り込みサービスルーチンはまた、左と右の経路追跡回路(図14)の出力信号186、188もサンプリングし、それらをそれぞれのバッファに格納する。計算タスクはその後、経路追跡回路バッファの各々において、ベルトプレートが、図13(後部)および図15(前部)でのように静止した外部プレートと位置合わせされるときを表すデータの2つのブロックを特定する。計算タスクはその後、右と左の高さのバッファの各々においてデータの対応する2つのブロックを特定する。そのようなデータの8つのブロックから、計算タスクは、ベルトモジュールの横方向の経路追跡の偏り、横揺れおよび偏揺れを計算することができる。そのような計算された値のいずれかが、その事前に決められた最大の許容可能な値を超えた場合、計算タスクは、警告フラグを設定し、メインの測定値を疑わしいものとして印付けをする。別のタスクがその後、コンベヤに対するメンテナンスが必要とされる通知として警告を表示することができる。
【0031】
図1でのような視覚システムは、搬送面24の一部を視るために搬送路32より上に支持されるカメラ76または他の光学検出器を含む。カメラからの光信号107は、ビデオプロセッサ108に送信される。プロセッサは、パターン認識ルーチンを実施して、この光信号からベルト上で搬送される個々の製品の占有面積を求める。ベルトモジュールの角78などのベルト上の特定の地点に対する力センサアレイの幾何学形状の演繹的知識によって、ビジョンシステムは、個々の製品の占有面積の下に一群の力センサを相対的に決定することができる。例えば、図8に示されるような搬送側24の頂部の一部では、製品Bは、2つ縦列Kと、5つの横列Rをカバーする10個の力センサの上にある。どの10個のセンサが製品Bによってカバーされるかを完全に特定するために、例えば一部または全てのベルトの横列にある光学式に検出可能なマーカー80がビジョンシステムによって使用されてよい。この例では、ビジョンシステムは、マーカーを読み取り、このマーカーは、コード化されてよい、またはそれがベルトの横列10にあることを示す、単なる数字の10である場合もある。アレイの幾何学形状の演繹的知識および横列10に関する製品Bの占有面積によって、ビジョンシステムは、製品の下にある10個のセンサを特定することができる。ビジョンシステムは、製品Bの重量を算出するために、絶対位置XRK={(R、K)}={(11、2);(11、3);(12、2);(12、3);(13、2);(13、3);(14、2);(14、3);(15、2);(15、3)}における3つのセンサの測定値を組み合わせる計量プロセスを実行することができる。力センサ測定値は、例えば個々の測定値を合計することによって組み合わされて、下にある製品の重量に等しい値、またはこれに比例する値を算出してよい。製品の各々は、ビジョンシステム内の読み取り機が読み取ることができるバーコードなどの識別用の印82によって印がつけられている。そのような方法において、組み合わされた重量は、特有の個々の製品に関連付けることができる。また、ビジョンシステムは、ベルトの全体の幅を視るため、製品は、搬送路内の静止状態の計量ステーション上で単一のファイルの中に配置される必要はない。さらに、ベルト内の静電容量式アンテナの配列によって、ベルトを停止させることなく重量を測定することを可能にする。ビジョンシステムのビデオディスプレイを使用して、システムの作動条件および環境または個々の製品の重量を監視してもよい。ビデオプロセッサ108は、スタンドアローンのプログラマブル論理コントローラ、ラップトップ、デスクトップ、または記載されるプロセスを実行することが可能な任意の適切なコンピュータデバイスであってよい、あるいはそれはメインプロセッサ172(図8)によって実行されるルーチンによって実現される場合もある。
【0032】
ビジョンシステムは、個々の製品の重量を割り当てるために他の手段を使用する場合もある。例えば力センサの各々の位置が、頂部搬送側24または力センサの圧力プラットフォーム26上で印が付けられる場合もある。マークは、各力センサをはっきりと特定することができる、または感知回路の各々にある、または事前に決められたサブセットにある点88(図1)など、単に一般的な位置のマークである場合もある。全ての感知要素の位置に印が付けられた場合、ビジョンシステムは、アレイのレイアウトの演繹的知識を必要としない。別の例として、ビジョンシステムは代替として、製品の占有面積の周りの拡大された領域90(図8)における全てのそのようなセンサを選択し、それらの測定値を合計する場合もある。製品Dの下にない力センサは、ゼロの測定値をもたらし、これは重量には加えられない。これは、製品全体が正確に計量されることを保証する。当然のことながら、別の製品がすぐ近くにある場合、拡大された領域は、近くの製品を包囲しないように、注意深く選択する必要がある。2つの製品が同一または隣接する力センサの上にないように、製品が十分に隔てられている場合、各製品の重量は、連続する、ゼロ以外を読み取るロードセルのロードセル測定値を合計することによって求めることができる。
【0033】
力センサはまた、連続するゼロ以外を読み取るロードセルの各々の力測定値および従来のCOG式を介する各センサの相対的な位置の演繹的知識から、搬送される製品の重心(COG)を求めるのに使用することもできる。またより簡素には、力センサを位置センサとして使用して、わきにそれた製品の経路追跡を改善するためにベルト上の製品の位置を特定する、または搬送される製品の下での連続するゼロ以外を読み取るロードセルのパターンからベルト上の製品のゆがみを検出することもできる。
【0034】
詳細に記載される例では、その静電容量が、加えられる力または重量と共に変化する静電容量性センサが一例として使用された。しかしながら、温度、圧力または湿度などの他の物理的特性を測定する他のセンサを使用することもできる。図19では、4端子のブリッジ式センサ190が、駆動コンデンサCによって外部の振動器194に静電容量式に結合される。コンデンサCdの一方のプレートは、ベルト192の底部に備わっており、他方のプレートは、ベルトの外部のコンベヤ搬送路に備わっている。別のコンデンサCは、ブリッジセンサ190の反対側の角を外部のグラウンドに結合する。ブリッジセンサ190の正の出力および負の出力は、図8でのように、伝達コンデンサCおよびCを介して信号調整器、ADCおよびプロセッサを含めた外部検出器に静電容量式に結合される。このブリッジセンサに関して、信号調整器は、正(+)の端子と負(-)の端子の両端での格差のあるセンサ出力信号のために差動増幅器を含む。各結合コンデンサC、C、C、Cは、ベルトの底部における一方のプレートと、ベルトの外部の搬送路のフレーム内にある他方のプレートとを有する。全ての対応するベルトプレートと外部プレートが位置合わせされたとき、出力は有効である。ブリッジセンサの各脚は、抵抗性である、誘導性である、または静電性である、または任意の組み合わせである要素196を有してもよい。要素の一方は、物理的特性に合わせたインピーダンスの変化が感知される感知要素196’である。
【0035】
図20は、コンベアベルト192内の3端子のセンサ198の一例を示す。他のセンサと同様に、それは、外部の振動器194によって駆動コンデンサCdを通して駆動され、この駆動コンデンサのプレートの一方はベルト192内にあり、その他方はベルトの外部にある。センサは、別のコンデンサCを通して外部のグラウンドに結合される。センサ出力信号200は、伝達コンデンサCを介して、図8でのように信号調整器、ADCおよびプロセッサを含む検出器に送信される。図19のセンサに関しては、3端子センサ198の出力センサ信号200は、対応するベルトと、コンデンサC、C、Cの外部プレートが互いに重なるときに有効である。図19および図20の例におけるコンデンサのプレートは、3端子の、および4端子のセンサ190、198用に適切に修正された図9でのような幾何学的配置を利用する。ベルトの高さコンデンサ、経路追跡コンデンサおよび基準コンデンサも、3つのセンサと共に使用されてよい。
【0036】
コンベアベルト測定システムがいくつかの形態を参照して詳細に記載されてきたが、他の形態も可能である。例えばコンベアベルトは、モジュラー式のプラスチックコンベアベルトである必要はない。例えば、平ベルトまたはスラットコンベヤである場合もある。別の例として、個々の製品およびその下にあるセンサを識別するために、記載されるもの以外の視覚アルゴリズムおよびベルト上の検出可能なマーカーがビジョンシステムによって使用される場合もある。また各センサ段は、異なる物理的特性を測定するために複数のセンサを含む場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20