IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エナージャス コーポレイションの特許一覧

特許7058672最小限の遠方場利得を伴って近接場距離にエネルギを蓄積するための近接場アンテナ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】最小限の遠方場利得を伴って近接場距離にエネルギを蓄積するための近接場アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/28 20060101AFI20220415BHJP
   H02J 50/23 20160101ALI20220415BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20220415BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20220415BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20220415BHJP
   H01Q 1/40 20060101ALI20220415BHJP
   H01Q 5/378 20150101ALI20220415BHJP
   H01Q 1/52 20060101ALI20220415BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20220415BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
H01Q21/28
H02J50/23
H01Q13/10
H01Q13/08
H01Q1/38
H01Q1/40
H01Q5/378
H01Q1/52
H01Q21/06
H01P11/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019562615
(86)(22)【出願日】2018-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 US2018031768
(87)【国際公開番号】W WO2018208894
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】15/973,991
(32)【優先日】2018-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/506,556
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/505,813
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514160238
【氏名又は名称】エナージャス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コルナロス,エヴァンゲロス
(72)【発明者】
【氏名】カビリ,サマン
(72)【発明者】
【氏名】ホッセイニ,アリスター
(72)【発明者】
【氏名】キリアジドウ,クリスソウラ
【審査官】原 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014219679(DE,A1)
【文献】特開2009-290764(JP,A)
【文献】国際公開第2012/153529(WO,A1)
【文献】特開2009-071835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J50/00-50/90
H01Q21/28
13/10
13/08
1/38
1/40
5/378
1/52
21/06
H01P11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジオ周波数(RF)電力伝送信号を送信するための近接場アンテナであって、
対向する第1及び第2平坦表面及び前記第1表面から前記第2表面へ導電板を通って延在する以上の切り抜きを有する導電板と、
絶縁体と、
複数のRF電力伝送信号を前記導電板へ向けるように構成された、前記絶縁体によって前記導電板の前記第1表面から分離された給電素子と、を備え、
前記複数のRF電力伝送信号のうち少なくとも一部の前記RF電力伝送信号は、前記以上の切り抜きを通って放射し、前記導電板の近接場距離内に蓄積して、前記以上の切り抜きの各々において蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンを生成し、
前記以上の切り抜きの各々における前記蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、(i)前記以上の切り抜きの各々を規定する寸法のセット、及び(ii)前記以上の切り抜きの配置に少なくとも部分的に基づいて規定され、前記2以上の切り抜きのうち第1切り抜きは、第1蛇行線パターンを形成し、前記2以上の切り抜きのうち第2切り抜きは、第2蛇行線パターンを形成する、近接場アンテナ。
【請求項2】
前記第1蛇行線パターンの形状は、前記第2蛇行線パターンの形状の鏡対称であり、
前記第1及び第2蛇行線パターンは、同じ寸法のセットを有し、
前記第1蛇行線パターンの前記形状は、前記第2蛇行線パターンの前記形状に対して回転させられる、請求項に記載の近接場アンテナ。
【請求項3】
前記以上の切り抜きのそれぞれの切り抜きは、前記複数のRF電力伝送信号のそれぞれのRF電力伝送信号の波長と少なくとも同じ大きさのそれぞれの長さを有する、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項4】
前記それぞれの切り抜きは、少なくとも、
第1方向に規定された第1切り抜き部分と、
前記第1方向に直交する第2方向に規定された第2切り抜き部分と、を含み、
前記蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンの1つ目は、前記第1切り抜き部分に生成され、
前記蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンの2つ目は、前記第2切り抜き部分に生成される、請求項に記載の近接場アンテナ。
【請求項5】
前記給電素子は、パッチアンテナの構成要素であり、前記絶縁体は、前記給電素子と前記導電板との間に配置される、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項6】
前記給電素子は、前記絶縁体に少なくとも部分的に包まれたパッチアンテナの構成要素である、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項7】
前記絶縁体は、ポリマ、繊維強化ポリマ、ガラス、及び空気から成るグループから選択される、請求項1に記載の近接場アンテナ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの区分ゾーンは、前記導電板の前記第2平坦表面の表面積の80%以上を覆う、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項9】
前記少なくとも2つの区分ゾーンは、前記導電板の前記第2平坦表面の表面積の90%以上を覆う、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項10】
前記蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、前記導電板の前記第2平坦表面の上に5ミリメートル以下伸長する、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項11】
前記蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、前記導電板の前記第2平坦表面の上に4ミリメートル以下伸長する、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項12】
前記蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、前記導電板の前記第2平坦表面の上に3ミリメートル以下伸長する、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項13】
前記複数のRF電力伝送信号の各々は、5.8GHz、2.4GHz、及び900MHzから成るグループから選択された周波数で送信される、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項14】
前記近接場アンテナは第1近接場アンテナであり、近接場充電パッドにおいて前記第1近接場アンテナに隣接した位置にある第2近接場アンテナも含む前記近接場充電パッドの一部であり、
前記第2近接場アンテナに関連するそれぞれの切り抜きは、前記第1近接場アンテナに関連する前記以上の切り抜きに対して回転させられる、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項15】
前記給電素子は、前記第2平坦表面から所定の距離内に無線電力受信器が配置されたという決定に応答して、電力増幅器から前記複数のRF電力伝送信号を受信する、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項16】
前記所定の距離は、前記第2平坦表面から約5mm未満である、請求項15に記載の近接場アンテナ。
【請求項17】
前記所定の距離は、前記近接場アンテナに接続されたプロセッサによって受信された送信に関連する信号強度レベルを測定することによって監視され、
前記信号強度レベルは、前記無線電力受信器から受信したブロードキャスト信号に関連する、請求項16に記載の近接場アンテナ。
【請求項18】
前記給電素子及び前記絶縁体を包囲する導電性ハウジングを更に備え、
前記導電性ハウジングは、前記ハウジングの一端に開口部を規定し、
前記導電板は、前記開口部に近接する、請求項1~のいずれか1項に記載の近接場アンテナ。
【請求項19】
前記導電板は第1導電板であり、前記近接場アンテナは更に、
前記第1導電板の前記第2表面に配置された別の絶縁体と、
1以上の追加の切り抜きを有する、前記別の絶縁体の上に配置された第2導電板と、を備える、請求項18に記載の近接場アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般に無線電力伝送に関し、より具体的には、受信器に電力を無線送達するために近接場距離にエネルギを蓄積する近接場アンテナ(例えば無誘導共振近接場アンテナ)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 例えばスマートフォン、タブレット、ノートブック、及び他の電子デバイスなどのポータブル電子デバイスは、他者との連絡及び対話のための必需品となりつつある。しかし、ポータブル電子デバイスの頻繁な使用は、大量の電力を用い、これらのデバイスに取り付けられたバッテリを急速に枯渇させる。誘導性充電パッド及びポータブルデバイス内の対応する誘導コイルは、ユーザが誘導パッド上の特定の位置にデバイスを配置することによってデバイスを無線充電することを可能にし、誘導パッド及びデバイスにおけるそれぞれのコイル間での磁気結合によってデバイスの接触ベースの充電を可能にする。
【0003】
[0003] しかしながら、従来の誘導性充電パッドは、多くの欠点に苛まれる。その1つとして、充電パッドの表面に隙間(「デッドゾーン」又は「コールドゾーン」)が存在することにより、ユーザは一般に、自身のデバイスを充電パッド上の特定の位置に特定の方向で配置しなければならない。すなわち、最適な充電のために、充電パッド内のコイルは、必要な磁気結合が生じるようにデバイス内のコイルと位置合わせされる必要がある。また、誘導性充電パッドの付近に他の金属物体を置くことにより、誘導性充電パッドの動作と干渉することがあり、ユーザが自身のデバイスを正確な位置に配置しても、他の金属物体もまたパッド上にある場合、磁気結合が発生しないことがあり、デバイスは誘導性充電パッドによって充電されない。その結果、多くのユーザに、自身のデバイスを適切に充電することができないという苛立たしい体験がもたらされる。また、誘導性充電は、充電されるデバイス内に比較的大きい受信器コイルが設けられることを必要とするので、内部空間が貴重であるデバイスにとって理想的ではない。
【0004】
[0004] 電磁放射(例えばマイクロ波放射波)を用いる充電は有望であるが、RF充電は一般に、充電されるデバイスがRFエネルギ送信器の上に配置される近接場充電ではなく、遠方場充電に焦点を置く。また、遠方場利得を制御することは困難であるが、特定の周波数帯域(例えばマイクロ波周波数帯域)で動作する他のデバイスとの干渉の原因となることを避けるためにも解決される必要がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 従って、(i)受信器へ電力を無線送達するために近接場距離にエネルギを蓄積し、(ii)他のデバイスとの干渉を回避し、政府の指針及び規定に準拠するために遠方場利得を最小化し、(iii)ユーザがパッド上の任意の位置に自身のデバイスを配置しても無線送達エネルギを受け取ることを可能にする、近接場無線充電解決策に対する要望がある。いくつかの実施形態において、これらの充電パッドは、複数の近接場アンテナ(例えば無誘導共振近接場アンテナ)を含み、そのような近接場アンテナの1つを動作させる方法が以下で説明される。
【0006】
[0006] 本開示のために、本明細書で説明される近接場アンテナは、相互置換的に、単位セルアンテナ、NFアンテナ、及び無誘導共振アンテナと称される。また、近接場伝送への言及は、充電パッド送信器の表面から最大1~5ミリメートルを含む距離に関する電磁波の放射を包含し、遠方場伝送への言及は、5ミリメートルを超える(かつ遠方場送信器から最大30フィートの)距離に関する電磁波の放射を包含する。いくつかの例において、近接場伝送への言及は、動作周波数の4分の1波長までの距離に関する電磁波の放射を包含する(例えば、5.8GHzの動作周波数の4分の1波長は約12.922ミリメートルである)。いくつかの実施形態において、動作周波数は、400MHz~60GHzの範囲である。
【0007】
[0007] (A1)いくつかの実施形態において、近接場アンテナを動作させる方法は、第1及び第2対向平坦表面及び第1表面から第2表面へ導電板を通って伸長する(本明細書において1以上のスロットとも称される)1以上の切り抜きを有する導電板を含む近接場アンテナを提供することを含む。また近接場アンテナは、絶縁体によって導電板の第1表面から分離された給電素子も含む。方法は更に、給電素子に、複数のRF電力伝送信号を導電板へ向けさせることと、導電板において、給電素子からの複数のRF電力伝送信号を受信することとを含む。方法は更に、複数のRF電力伝送信号からのRFエネルギが導電板の近接場距離内に蓄積して、1以上の切り抜きの各々において蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンを生成するように、1以上の切り抜きを通して複数のRF電力伝送信号の少なくとも一部を放射することを含む。1以上の切り抜きの各々における蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、(i)1以上の切り抜きの各々を規定する寸法のセット、及び(ii)1以上の切り抜きの配置に少なくとも部分的に基づいて規定される。
【0008】
[0008] (A2)A1の方法のいくつかの実施形態において、1以上の切り抜きのうち第1切り抜きは、第1蛇行線パターンを形成し、1以上の切り抜きのうち第2切り抜きは、第2蛇行線パターンを形成する。
【0009】
[0009] (A3)A2の方法のいくつかの実施形態において、第1蛇行線パターンの形状は、第2蛇行線パターンの形状の鏡対称であり、第1及び第2蛇行線パターンは、同じ寸法のセットを有し、第1蛇行線パターンの形状は、第2蛇行線パターンの形状に対して回転(例えば180度回転)される。例えば第1蛇行線パターンの形状は、第2蛇行性パターンの形状と交互配置される(例えば図2に示し更に詳しく後述するような、各U字形パターンの脚部が他のU字形パターンの2つの脚部の間に交互配置又は挿入された2つのU字形パターン)。あるいはいくつかの実施形態において、(例えば図5Aに示すように)単一の切り抜きが対称の蛇行線パターンを形成する。
【0010】
[0010] (A4)A1~A3のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、1以上の切り抜きのそれぞれの切り抜きは、複数のRF電力伝送信号のそれぞれのRF電力伝送信号の波長と少なくとも同じ大きさのそれぞれの長さを有する。
【0011】
[0011] (A5)A4の方法のいくつかの実施形態において、それぞれの切り抜きは、少なくとも(i)第1方向に規定された第1切り抜き部分と、(ii)第1方向に直交する第2方向に規定された第2切り抜き部分とを含む。また、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンの1つ目は、第1切り抜き部分に生成され(例えば第1切り抜き部分に沿って第1方向に形成され)、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンの2つ目は、第2切り抜き部分に生成される(例えば第2切り抜き部分に沿って第2方向に形成される)。
【0012】
[0012] (A6)A1~A5のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、給電素子は、少なくともパッチアンテナの構成要素であり、絶縁体は、給電素子と導電板との間に配置される。
【0013】
[0013] (A7)A1~A5のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、給電素子は、絶縁体に少なくとも部分的に包まれたパッチアンテナの構成要素である。
【0014】
[0014] (A8)A1~A7のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、絶縁体は、ポリマ、繊維強化ポリマ、ガラス、及び空気から成るグループから選択される。
【0015】
[0015] (A9)A1~A8のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の表面積の80%以上を覆う。
【0016】
[0016] (A10)A1~A9のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の表面積の90%以上を覆う。
【0017】
[0017] (A11)A1~A10のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の上に5ミリメートル(mm)以下伸長する。
【0018】
[0018] (A12)A1~A11のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の上に4ミリメートル以下伸長する。
【0019】
[0019] (A13)A1~A12のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の上に3ミリメートル以下伸長する。
【0020】
[0020] (A14)A1~A13のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、複数のRF電力伝送信号は、5.8GHz、2.4GHz、及び900MHzから成るグループから選択された周波数で送信される。
【0021】
[0021] (A15)A1~A14のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、近接場アンテナは第1近接場アンテナであり、近接場充電パッドにおいて第1近接場アンテナに隣接した位置にある第2近接場アンテナも含む近接場充電パッド(例えば送信器パッド100、図1A図1B)の一部である。また、第2近接場アンテナに関連するそれぞれの切り抜きは、第1近接場アンテナに関連する1以上の切り抜きに対して回転される。
【0022】
[0022] (A16)A1~A15のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、給電素子は、表面から所定の距離内に無線電力受信器が配置されたという決定に応答して、電力増幅器から1以上のRF電力伝送信号を受信する。
【0023】
[0023] (A17)A16の方法のいくつかの実施形態において、所定の距離は、表面から約5mm未満である。
【0024】
[0024] (A18)A17の方法のいくつかの実施形態において、所定の距離は、近接場アンテナに接続された(例えば近接場アンテナとの電気通信状態にある)プロセッサによって受信された送信に関連する信号強度レベルを測定することによって監視され、信号強度レベルは、無線電力受信器から受信したブロードキャスト信号に関連する。
【0025】
[0025] (A19)A1~A18のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、給電素子及び絶縁体は、導電性ハウジングによって包囲される。また、導電性ハウジングは、ハウジングの一端に開口部を規定し、導電板は開口部に近接する。
【0026】
[0026] (A20)A1~A19のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、導電板は第1導電板であり、近接場アンテナは更に、第1導電板の第2表面に配置された他の絶縁体(例えば誘電層)と、他の絶縁体の上に配置された第2導電板とを含む。いくつかの実施形態において、第2導電板は、1以上の追加の切り抜きを含む。あるいはいくつかの実施形態において、第2導電板ではなく、近接場アンテナは更に、他の絶縁体の表面に堆積された導電層を含む。
【0027】
[0027] (A21)A1~A20のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、導電板は、絶縁体の表面に堆積された導電層である。あるいはいくつかの実施形態において、絶縁体は、導電板の第1表面に堆積された誘導層である。
【0028】
[0028] (A22)A1~A21のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、絶縁体は第1絶縁体であり、近接場アンテナは更に、給電素子を接地板(例えば接地板308、図3A)から分離する第2絶縁体を含む。
【0029】
[0029] (A23)他の態様において、近接場アンテナが提供され、この近接場アンテナは、A1~A22において上述した近接場アンテナに関する構造特性を含み、また近接場アンテナは、A1~A22において上述した方法ステップを行うように構成される。
【0030】
[0030] (A24)他の態様において、複数の近接場アンテナを含む送信器パッドが提供される。いくつかの実施形態において、送信器パッドは、少なくとも1つの近接場アンテナと、1以上の通信部品と、1以上のプロセッサと、1以上のプロセッサによって実行されると送信器パッドにA1~A22のいずれか1つにおいて説明された方法を行わせる1以上のプログラムを格納するメモリとを含む。
【0031】
[0031] (A25)また他の態様において、(複数の近接場アンテナを含む)送信器パッドが提供され、送信器パッドは、A1~A22のいずれか1つにおいて説明された方法を行うための手段を含む。
【0032】
[0032] (A26)また他の態様において、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、1以上のプロセッサ/コアを有する(複数の近接場アンテナを含む)送信器パッドによって実行されると送信器パッドにA1~A22のいずれか1つにおいて説明された方法を行わせる実行可能命令を格納する。
【0033】
[0033] (B1)いくつかの実施形態において、近接場アンテナを製造する方法は、近接場アンテナの導電板を通って規定される1以上の切り抜きに関する寸法のセットを選択することを含み、導電板は対向する第1及び第2平坦表面を有する。方法は更に、所定の配置において導電板の第1及び第2表面を通る1以上の切り抜きを形成することを含み、1以上の切り抜きの各々は寸法のセットを有する。方法は更に、導電板の第1表面に絶縁体を結合することと、絶縁体に給電素子を結合することとを含む。いくつかの実施形態において、製造された近接場アンテナは、A1~A22において上述された近接場アンテナに関する構造特性を含み、また近接場アンテナは、A1~A22において上述された方法ステップを行うように構成される。
【0034】
[0034] (C1)また他の態様において、近接場アンテナが提供される。近接場アンテナは、(i)複数のラジオ周波数(RF)電力伝送信号を導電板へ向けるように構成された給電素子と、(ii)給電素子によって送信された複数のRF電力伝送信号のそれぞれのRF電力伝送信号の波長と少なくとも同じ大きさの長さを有する、導電板を通って規定された第1スロットと、(iii)第1スロットと嵌合し、それぞれのRF電力伝送信号の波長と少なくとも同じ大きさの長さを有する、導電板を通って規定された第2スロットとを含む。また、第1及び第2スロットを介する複数のRF電力伝送信号の伝導時、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンが第1及び第2スロットの各々の長さに沿って生じる。近接場アンテナは、A1~A22において上述された近接場アンテナに関する構造特性を含み、また近接場アンテナは、A1~A22において上述された方法ステップを行うように構成される。
【0035】
[0035] 本開示が更に詳しく理解され得るように、より具体的な説明が様々な実施形態の特徴を参照して示され、そのいくつかは、添付図面に示される。ただし添付図面は、本開示の関連特徴を単に例示するのみであり、限定的であるとみなされるものではなく、本説明は、他の効果的な特徴の余地を与えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】[0036]いくつかの実施形態に係る代表的な送信器パッドを示す図を示す。
図1B】[0036]いくつかの実施形態に係る代表的な送信器パッドを示す図を示す。
図2】[0037]いくつかの実施形態に係る送信器パッドの上部の図である。
図3A】[0038]いくつかの実施形態に係る送信器パッドの断面図を示す。
図3B】[0038]いくつかの実施形態に係る送信器パッドの断面図を示す。
図3C】[0038]いくつかの実施形態に係る送信器パッドの断面図を示す。
図3D】[0038]いくつかの実施形態に係る送信器パッドの断面図を示す。
図4A】[0039]いくつかの実施形態に係る送信器パッドのそれぞれの近接場アンテナの様々な図を示す。
図4B】[0039]いくつかの実施形態に係る送信器パッドのそれぞれの近接場アンテナの様々な図を示す。
図4C】[0039]いくつかの実施形態に係る送信器パッドのそれぞれの近接場アンテナの様々な図を示す。
図5A】[0040]いくつかの実施形態に係る送信器パッドのそれぞれの近接場アンテナの上面図を示す。
図5B】[0040]いくつかの実施形態に係る送信器パッドのそれぞれの近接場アンテナの上面図を示す。
図6】[0041]いくつかの実施形態に係る近接場アンテナを動作させる方法を示すフロー図である。
図7】[0042]いくつかの実施形態に係る近接場アンテナを製造する方法を示すフロー図である。
図8】[0043]いくつかの実施形態に係る送信器パッドに形成された様々な電力分布(例えばエネルギ蓄積)を示す。
図9】[0044]1以上の切り抜きを含む単位セルアンテナに関する放射パターン例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[0045] 一般的な方法に従い、図に示された様々な特徴は、一定比率で拡大縮小されたものではない。従って様々な特徴の寸法は、明確性のために任意に拡大又は縮小され得る。加えて、いくつかの図は、所与のシステム、方法、又はデバイスの構成要素の全てを示すわけではない。最後に、本明細書及び図面を通して、類似した参照番号は類似した特徴を示すために用いられ得る。
【0038】
[0046] 添付図面に示された実施形態例の完全な理解をもたらすために、本明細書において数々の細部が説明される。ただし、いくつかの実施形態は、特定の細部の多くを伴わずに実施されてよく、特許請求の範囲に記載の範囲は、特許請求の範囲に具体的に記載されたそれらの特徴及び態様によってのみ限定される。また、周知のプロセス、構成要素、及び材料は、本明細書で説明される実施形態の関連する態様を不必要に曖昧にしないために、徹底的な細部まで説明されていない。
【0039】
[0047] 図1Aは、いくつかの実施形態に係る、送信器パッド100の高次ブロック図である。送信器パッド100(本明細書において、近接場ラジオ周波数(RF)充電パッド又は近接場充電パッドとも称される)は、構成要素102を含む。送信器パッドは、付近又は上(例えば送信器パッド100の表面から5mm以内)に配置された受信器へ供給される電磁エネルギの制御された近接場蓄積を生成するように構成される。例えば図1Bは、無線電力受信器に結合されたデバイスに充電又は給電するために電磁エネルギの近接場蓄積からエネルギを回収する、送信器パッド100の上に配置された無線電力受信器120(例えば、動作するために電力を必要とする任意の種類の電子デバイスに結合又は収容された受信器)を示す。本明細書の説明において、ラジオ周波数(RF)電力伝送波が基本実例として用いられるが、これらの説明を考慮して、当業者は、特定の実施形態又は実装において任意の種類の電磁放射波が代わりに用いられ得ることを理解する。
【0040】
[0048] 送信器パッド100の構成要素102は、例えば1以上のプロセッサ(複数も可)104、メモリ106、(本明細書において近接場アンテナとも称される)1以上の単位セルアンテナ110、1以上の通信部品112、及び/又は1以上の送信器センサ114を含む。いくつかの実施形態において、これらの構成要素102は、通信バス108によって相互接続される。いくつかの実施形態において、構成要素102は、送信器パッド100内に収容される。あるいはいくつかの実施形態において、構成要素102の1以上は、送信器パッド100の外側に(例えば外付けで)配置される。例えば、1以上のプロセッサ(複数も可)104、メモリ106、1以上の通信部品112は外付けであり、1以上の単位セルアンテナ110及び1以上の送信器センサ114は内蔵(又は構成要素の他の何らかの結合/配置)であってよい。
【0041】
[0049] いくつかの実施形態において、通信部品(複数も可)112は、例えば様々な無線プロトコル(例えばIEEE802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、無線HART、MiWiなど)のいずれか、及び/又は本願の出願日に未だ開発されていない通信プロトコルを含む他の任意の適当な通信プロトコルを用いてデータ通信が可能であるハードウェアを含む。
【0042】
[0050] いくつかの実施形態において、通信部品112は、電子デバイスによって受信器120へ通信信号を送信する。例えば通信部品112は、電子デバイス(例えば電子デバイス210、図2)の通信部品へ情報を伝達してよく、次に電子デバイスがこれを受信器120へ(例えばバスを介して)伝達してよい。
【0043】
[0051] いくつかの実施形態において、受信器120は、受信器側の通信部品によって生成されたそれぞれの通信信号を通して、様々な種類のデータを送信器パッド100と通信するように構成された通信部品を含む。データは、受信器120に関する位置インジケータ、電子デバイスの電力状態、受信器120に関する状態情報、電子デバイスに関する状態情報、電力波に関する状態情報、及び/又はエネルギ蓄積に関する状態情報(例えば区分ゾーン)を含んでよい。すなわち受信器120は、他の種類の情報を含む他の可能なデータ点の中でも特に、受信器120の現在位置、受信器120によって受信したエネルギ(すなわち使用可能電力)の量、電子デバイスによって受信及び/又は使用された使用可能電力の量を識別する情報を含む、送信器パッド100の現在動作(又は単位セルの現在動作)に関するデータを、通信信号によって送信器パッド100へ提供してよい。この情報は、本明細書で説明される実施形態に関連して送信器パッド100によって用いられ得る。
【0044】
[0052] いくつかの実施形態において、通信信号に含まれるデータは、電力波を送信するために単位セルアンテナ110によって用いられる1以上の特性の調整を決定するために、電子デバイス、受信器120、及び/又は送信器パッド100によって用いられる。通信信号を用いて、送信器パッド100は、例えば送信器パッド100上の受信器120を識別するため、電子デバイスを識別するため、電力波のための安全かつ効率的な波形特性を決定するため、及び/又はエネルギ蓄積の配置を改善するために用いられるデータを受信する。いくつかの実施形態において、受信器120は、例えば受信器120が送信器パッド100上に配置された、又は配置されようとしていることを送信器パッド100に知らせ、電子デバイスに関する情報を提供し、電子デバイスに対応するユーザ情報を提供し、受信電力波の有効性を示し、及び/又はエネルギの近接場蓄積を形成するために用いられる更新された特性又は送信パラメータを提供するためのデータを通信するために、通信信号を用いる。
【0045】
[0053] 送信器センサ114の非限定的な例は、例えば赤外線、焦電性、超音波、レーザ、光学、ドップラー、ジャイロ、加速度計、マイクロ波、ミリメータ、RF定在波センサ、共振LCセンサ、容量センサ、光センサ、及び/又は誘導性センサを含む。いくつかの実施形態において、送信器センサ(複数も可)114に関する技術は、例えば人間又は他の感受性物体の位置などの立体センサデータを取得するバイナリセンサを含む。
【0046】
[0054] いくつかの実施形態において、送信器パッド100のメモリ106は、本明細書において集合的に「モジュール」と称される1以上のプログラム(例えば命令セット)及び/又はデータ構造を格納する。いくつかの実施形態において、メモリ106、又はメモリ106の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のモジュール107(例えばプログラム及び/又はデータ構造)又はそれらのサブセット又はスーパーセットを格納する。
・受信器120から受信した(例えば受信器120のセンサによって生成され、その後、送信器パッド100へ送信された)情報、
・送信器センサ(複数も可)114から受信した情報、
・RF電力伝送信号(例えばRF電力伝送信号422、図4C)を(例えば単位セルアンテナ(複数も可)110に関連して)生成及び送信するためのRF電力伝送信号生成モジュール、
・RF電力伝送信号の波形特性を選択するための特性選択モジュール、及び/又は
・(例えば送信器パッド100の近接場送信範囲内にある)受信器120を検出するための通信信号を送信(又は受信)するビーコン送信モジュール。
【0047】
[0055] 上で識別されたモジュール(例えばデータ構造及び/又は命令セットを含むプログラム)は、必ずしも個別のソフトウェアプログラム、手順、又はモジュールとして実装されるわけではなく、様々な実施形態において、これらのモジュールの様々なサブセットが結合され、あるいは並べ替えられ得る。いくつかの実施形態において、メモリ106は、上で識別されたモジュールのサブセットを格納する。またメモリ106は、上述されていない追加のモジュールを格納してよい。いくつかの実施形態において、メモリ106又はメモリ106の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に格納されたモジュールは、後述する方法におけるそれぞれの動作を実行するための命令を提供する。いくつかの実施形態において、これらのモジュールの一部又は全部が、モジュール機能の一部又は全部を包摂する専用ハードウェア回路によって実装され得る。上で識別された要素の1以上は、プロセッサ(複数も可)104の1以上によって実行され得る。いくつかの実施形態において、メモリ106に関して説明されたモジュールの1以上は、送信器パッド100に通信可能に結合されたサーバ(不図示)のメモリ104において、及び/又は電子デバイス及び/又は受信器120のメモリによって実装される。加えて、メモリ106は、例えば特定の閾値及び基準ならびに特定の受信器の識別子などの他の情報を格納してよい。
【0048】
[0056] 図1Bを参照すると、送信器パッド100の簡略化上面図が示される。図1Bは、送信器パッド100の上に配置され、その後、単位セルアンテナ110によって形成されたエネルギの近接場蓄積からエネルギを受け取る無線電力受信器120(受信器120とも称され、例えば電子デバイスに内部又は外部で結合された受信器)を示す。いくつかの実施形態において、受信器120は、送信器パッド100によって形成されたエネルギの近接場蓄積からエネルギを受け取るための1以上のアンテナ、及び送信器パッド100によって送信された通信を受信(又は通信を送信)するための通信部品を含む。受信器120の通信部品は、通信部品(複数も可)112に関して上述した様々な無線プロトコルを用いてデータ通信が可能なハードウェアも含んでよい。
【0049】
[0057] 受信器120は、(本明細書において、RF電力伝送信号、又は単にRF信号、電力波、又は電力伝送信号とも称される)受信信号からのエネルギを、受信器120に結合された電子デバイスに給電及び/又は充電するための電気エネルギに変換する。例えば受信器120は、電力波からの捕捉エネルギを、電子デバイスに給電及び/又は充電するために使用可能な交流(AC)電力又は直流(DC)電力に変換するために、電力変換器を用いる。電力変換器の非限定的な例は、様々な適当な回路及びデバイスの中でも特に、整流器、整流回路、電圧調整器を含む。
【0050】
[0058] いくつかの実施形態において、受信器120は、1以上の電子デバイス(例えば電子デバイス210、図2)に取外し可能に結合された独立型デバイスである。例えば電子デバイスは、電子デバイスの1以上の機能を制御するためのプロセッサ(複数も可)を有し、及び、受信器120は、受信器の1以上の機能を制御するためのプロセッサ(複数も可)を有する。いくつかの実施形態において、受信器120は、電子デバイスの構成要素である。例えば電子デバイスの1以上のプロセッサ(複数も可)は、電子デバイス及び受信器120の機能を制御する。加えて、いくつかの実施形態において、受信器120は、電子デバイスのプロセッサ(複数も可)と通信するプロセッサ(複数も可)を含む。
【0051】
[0059] いくつかの実施形態において、受信器120は、送信器パッド100から1以上の電力波を直接受け取る。いくつかの実施形態において、受信器120は、送信器パッド100によって送信された1以上の電力波によって生成された1以上のエネルギ蓄積(例えばエネルギ蓄積412、図4B)から電力波を回収する。以下で更に詳しく説明するように、1以上の電力波は、それぞれの単位セル110(例えば単位セル400、図4A)に規定された「切り抜き」(例えば切り抜き404-A及び404-B、図4A)においてエネルギ蓄積を生じさせる。いくつかの実施形態において、送信器パッド100は、その充電表面から近接場距離内に1以上の電力波を送信する近接場送信器である。
【0052】
[0060] いくつかの実施形態において、(以下で更に詳しく説明するように)エネルギ蓄積からエネルギが回収された後、受信器120の回路(例えば集積回路、増幅器、整流器、及び/又は電圧調整器)は、エネルギを、受信器120に関連する電子デバイスに給電する、使用可能な電力(すなわち電気)に変換する(及び/又は、使用可能な電力は電子デバイスのバッテリに格納される)。いくつかの実施形態において、受信器120の整流回路は、電子デバイスによる使用のために電気エネルギをACからDCに変換する。いくつかの実施形態において、電圧調整回路は、電子デバイスによる必要に応じて電気エネルギの電圧を増減し、電子デバイスによって必要とされる形式で電力を提供するために定電圧を生成してよい。
【0053】
[0061] いくつかの実施形態において、受信器120は、送信器パッド100の多数の単位セルアンテナ110によって形成された電磁エネルギの近接場蓄積からエネルギを回収する。いくつかの実施形態において、送信器パッド100から電力波を受け取るために用いられる少なくとも1つのそれぞれの受信器120を各々が有する複数の電子デバイスが、送信器パッド100の表面に配置され得る。いくつかの実施形態において、送信器パッド100は、1以上のエネルギ蓄積を制御可能に形成するために電力波の1以上の特性(例えば位相、利得、振幅、周波数などの波形特性)を調整する。図4A図4Cを参照して以下で更に詳しく説明するように、送信器パッド100は、様々な受信器及び受信器を収容する電子デバイスを考慮するために、電力波を送信するための特性のセットを調整してよい(例えば(様々な種類の電子デバイスにおいて様々な位置に埋め込まれ得る)受信器120と送信器パッド100との間の距離は、受信器ごとに変化し得る)。
【0054】
[0062] いくつかの実施形態において、例えばコントローラ回路及び/又は波形生成器などの送信器パッド100の回路(不図示)は、単位セルアンテナ110の挙動を少なくとも部分的に制御してよい。例えば、通信信号によって受信器から受信した情報(又は送信器センサ(複数も可)114によって収集されたデータ)に基づいて、コントローラ回路は、受信器120に効果的に電力を提供する電力波を送信するために用いられる1以上の波形特性(例えば様々な特性の中でも特に振幅、周波数、方向、位相)のセットを決定してよい。またコントローラ回路は、電力波の送信において有効な1以上の単位セルアンテナ110を識別してもよい(例えば受信器120は、2つの単位セルの間に位置してよく、そのような場合、2つの単位セルアンテナがアクティブ化され得る)。
【0055】
[0063] 以下で更に詳しく説明するように、それぞれの単位セルアンテナにおける「切り抜き」の寸法(例えば幅、深さ、及び長さ)は、それぞれの単位セルアンテナのそれぞれの表面におけるエネルギの近接場蓄積を形成するために用いられる電力波の遠方場利得を低減するように選択される。例えば寸法は、それぞれの切り抜きに沿って電流が流れると、近接場電磁場が生成され、隣接した単位セルアンテナによって生成された遠方場電磁場が相殺することにより、エネルギの近接場蓄積のみが残り、遠方場利得が最小化又は除去されるように選択される。
【0056】
[0064] 図1Bにも示すように、送信器パッドは、複数の単位セルアンテナ(例えば単位セル110-A、・・・、単位セル110-N)を含む。単位セルアンテナは、本明細書において、相互置換的に、近接場アンテナ、NFアンテナ、又は非共振誘導NFアンテナとも称される。いくつかの実施形態において、単位セルアンテナ110は、送信器パッド100の表面積の全部又は一部を覆う。複数の単位セルアンテナ110が、送信器パッド100の上面(すなわち充電表面)に接してよい(例えば、送信器パッド100の単位セル100及び他の構成要素102は、可撓性又は他の種類の遮蔽物に包まれ得る)。
【0057】
[0065] 図2は、いくつかの実施形態に係る、送信器パッド200の斜視図である。いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、図1の送信器パッド100である。送信器パッド200は、内部キャビティを規定するハウジング202を含む。内部キャビティは、最低限、複数の単位セル110を収容する。又はウジング202は、送信器パッド100(図1A)の他の構成要素102も収容してよい。いくつかの実施形態において、ハウジング202は、ハウジング202の一部又は全部が単一構造として機械加工又は成形加工される一体構成を用いて形成されてよく、あるいは多数の構造(例えば内部フレーム構造、外側ハウジング表面を形成する1以上の構造など)を用いて形成され得る。ハウジング202は、金属(例えば鋼鉄、アルミニウム、真鍮、銅など)、他の適当な材料、又はこれらの材料のいずれか2つ以上の組み合わせで形成され得る。いくつかの実施形態において、ハウジング202の少なくとも2つの部分(例えば側壁及び表面)は、異なる電磁特性(例えば透過率及び誘電率)を有する異なる材料で製作される。いくつかの実施形態において、ハウジング202は、電磁放射を遮断する材料(例えば銅、鋼鉄、アルミニウムなど)で全体が製作される。
【0058】
[0066] 送信器パッド200は、導電層又は導電板204を含む。いくつかの実施形態において、導電板204は、ハウジング202の一部(例えばハウジングの一体構成の一部)である。いくつかの実施形態において、ハウジング202及び導電板204は、送信器パッド200の独立部品である。これらの実施形態において、ハウジング202は、ハウジング202の一端に開口部を含み、導電板204は開口部に近接する。いくつかの実施形態において、導電板204及びハウジング202は、同じ材料(複数も可)(例えば銅、ニッケルなどの同じ種類の金属)で製作される。いくつかの実施形態において、導電板204及びハウジング202は、少なくとも1つの異なる材料で製作される。
【0059】
[0067] いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、接地又は接地板(例えば接地板308、図3A)も含む。図3Aに示すように、絶縁体(例えば誘電材料)は、導電板204を接地板308から分離してよい。
【0060】
[0068] いくつかの実施形態において、導電板204は、各々が少なくとも1つの単位セルに関連する複数の別個の無線充電領域を含む(点線で示すボックス206-A及び206-Bは、それぞれの無線充電領域を規定する)。無線充電領域は、受信器212(例えば受信器120、図1B)の無線充電が、無線充電領域の1以上における(それぞれの単位セル110による)電磁エネルギの近接場蓄積の形成によってもたらされる、導電板204のエリアである。いくつかの実施形態において、複数の単位セルが、導電板204の表面積のほぼすべて(例えば80%以上)を覆う。このようにして、ユーザは、導電板204の様々な位置で自身のデバイスを無線充電し得る。すなわち、ユーザは、受信器を含む自身のデバイスを送信器パッド上に配置するだけでよく、充電は、デバイスの正確な位置又は向きに関して考慮する必要なく発生する。
【0061】
[0069] 各単位セル206は、無線充電領域の各々における電磁エネルギの近接場蓄積の形成をもたらす1以上の切り抜き208-A及び208-B(例えば、導電層又は導電板204を通って伸長するチャネル/スロット)を含む。例えば、RF電力伝送信号422(図4C)が無線充電領域206-Aの下の給電によって送信された場合、RF信号の少なくともいくつかは、導電板204に到達し、無線充電領域206-Aの単位セルアンテナに関連する切り抜き208-A、208-Bの各々に沿った導電板204の縁部/周縁に沿って電流209を励起させる。切り抜き208の寸法、切り抜き208の配置、及び切り抜き208の各特定のセグメントにおける電流209の方向(例えば切り抜き208-Aのセグメント214において電流209は矢印によって示すように第1方向へ流れ、切り抜き208-Aのセグメント216において電流209は第1方向とは反対の第2方向へ流れる)に基づいて、エネルギ蓄積は、切り抜き208から放射する(例えば、電磁場はセグメント214から放射し、他の電磁場は、セグメント216から放射する)。導電板204を励起するRF信号によって形成されたこれらのエネルギ蓄積は、本明細書において「ホットゾーン」又は単純に「ゾーン」とも称される。上述したように、受信器は、受信器に結合された電子デバイスに給電又は充電するために、これらのエネルギ蓄積からエネルギを回収してよい。
【0062】
[0070] いくつかの実施形態において、各切り抜きは、寸法のセット(例えば幅、深さ(例えば導電板204の厚さ)、及び長さ)を含む。1以上の切り抜きにおいて形成されたエネルギ蓄積の特性(例えば高さ、幅、集中度、近接場利得、遠方場利得など)は、1以上の切り抜きの寸法のセットに少なくとも部分的に依存する。いくつかの例において、切り抜きの寸法のセット(及び切り抜きのそれぞれのセグメント)は、エネルギ蓄積の特性が、受信器212の適切な充電をもたらすように、アプリケーション要件に基づいて慎重に選択され、例えば切り抜き208-Aの幅は、切り抜き208-Aのセグメント214及び216から放射する電磁場が(遠方場領域において)少なくとも部分的に相殺することにより遠方場利得が最小化されながら、電子デバイスに埋め込まれた受信器へ電力を送達するために導電板204の外側表面より上に十分遠くまで伸長するエネルギ蓄積が生成されるように選択される(受信器は埋込型であるため、蓄積は、これらの埋込型受信器に到達するために導電板204の表面より上へ移動する必要がある)。
【0063】
[0071] いくつかの実施形態において、それぞれの無線充電領域における1以上の切り抜きは全て同じ形状を有する。例えば、無線充電領域206-A内の単位セルは、第1切り抜き208-A及び第2切り抜き208-Bを含む。図示するように、第1切り抜き208-Aの形状は、第2切り抜き208-Bと鏡対称である。また、いくつかの実施形態において、第1切り抜き208-A及び第2切り抜き208-Bは、交互配置又は挿入形式で配置される(すなわち嵌合する)。そうすることで、第1及び第2切り抜き208-A、208-Bにおいて形成されたエネルギ蓄積は、無線充電領域206-Aに関連する表面積の閾値量(例えば無線充電領域206-Aに関連する導電板204の表面積の80%以上、又はそれよりいくらか多い(又は少ない)量)を覆う。加えて、第1及び第2切り抜き208の交互配置又は挿入形式により、第1切り抜き208-Aのそれぞれのセグメントから放射する電磁場の遠方場成分は、第2切り抜き208-Bのそれぞれのセグメント(例えば互いに隣接するセグメント)から放射する電磁場の遠方場成分を少なくとも部分的に打ち消す。よって、遠方場利得が更に低減される。
【0064】
[0072] いくつかの実施形態において、導電板204における隣接する単位セルは、互いに対して回転される。例えば、無線充電領域206-A内の第1単位セルは、第1単位セルに隣接する、無線充電領域206-B内の第2単位セルに対して回転される。第1単位セル及び第2単位セルは、同じ交互配置又は挿入形式で配置された切り抜きを含む。ただし、第1単位セル内の切り抜きは、第1軸(例えば垂直軸)に沿って配置され、第2単位セル内の切り抜きは、第2軸(例えば水平軸)に沿って配置され、第2軸は第1軸と直角を成す。単位セルの回転配置により、第2切り抜き208-Bから放射する電磁場の一部は、無線充電領域206-Bに関連する単位セルの切り抜き209から放射する電磁場の一部を少なくとも部分的に打ち消す。よって、遠方場利得が更に低減される。
【0065】
[0073] 電子デバイス210は、導電板204の外側表面に配置され、追加の単位セル(図2には不図示)の上に位置する。電子デバイス210に埋め込まれた受信器212(例えば受信器120、図1B)もまた、この追加の単位セルの上に位置する。よって、送信器パッド200(例えば送信器パッド100、図1A図1B)は、受信器212の検出後、受信器212の無線充電を開始してよい。いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、受信器212からの通信信号を受信(又は交換)することによって受信器を検出する。代替又は追加として、いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、1以上の送信器センサ114(図1A)を介して受信器の存在を検出する。例えば送信器パッド200の光センサは、電子デバイスが導電板204における切り抜きの1つの上に位置する時のハウジング202の内部キャビティ内での光の変化を検出してよい。他の例において、送信器パッド200の赤外線センサは、電子デバイスが導電板204における切り抜きの1つの上に位置する時の導電板204における温度変化を検出してよい。他の種類のセンサ及びセンサデータが、受信器212を検出するために用いられ得る。
【0066】
[0074] 理解すべき点として、切り抜き208は特定の形状(例えばU字形又は馬蹄形)で示されるが、切り抜きは、他の適当な形状を有してよい(例えば、1つの送信器パッド内の様々な単位セルアンテナが様々な形状を有し得る)。加えて、図2に示す単位セル206のサイズに対する電子デバイス210及び受信器212のサイズは、単なる例示である(例えば、単位セルは、電子デバイス210及び受信器212のサイズに対してより小さく(又は大きく)あってよい)。
【0067】
[0075] いくつかの実施形態において、それぞれの単位セルは、約35mm×35mmの寸法を有してよい。従って、2×2の単位セル配置を含む送信器パッドは、約70mm×70mmの寸法を有してよい。他の実施形態において、送信器パッドは、3×3の単位セル配置を含んでよく、よって送信器パッドは、約105mm×105mmの寸法を有してよい。これらは単なる例であり、(送信器パッド及び個々の単位セルに関する)他の寸法及び単位セル配置も可能である。
【0068】
[0076] 図3A図3Dは、いくつかの実施形態に係る送信器パッド200の(図2の直線A~A’に沿って示された)断面図を示す。断面ハッシングは、明確性のために、アンテナ306及び給電素子307から除去されている。
【0069】
[0077] 図3Aに示すように、導電板204は、導電板204を通って伸長する(例えば、導電板204の内側表面を通り導電板204の外側表面から伸長する)複数の切り抜き(例えば切り抜き302-A)を含む。導電板204及び複数の切り抜きは、厚さT1を有する。
【0070】
[0078] 送信器パッド200は、導電板204の上の様々な距離におけるエネルギ蓄積の投射を少なくとも部分的に担う絶縁体304も含む。絶縁体304は、それぞれの給電素子307-A及び307-Bを導電板204の内側表面から分離する。また、絶縁体304は、導電板204と接地板308との間に挟まれる。絶縁体304は、厚さT2を有する。いくつかの実施形態において、導電板204の厚さ(T1)は、絶縁体304の厚さ(T2)よりも大きく、あるいはその逆である。いくつかの実施形態において、導電板204の厚さ(T1)は、絶縁体304の厚さ(T2)と同じである。いくつかの実施形態において、絶縁体304の厚さ(T2)は、動作周波数に少なくとも部分的に基づいて選択される。例えば絶縁体304の厚さ(T2)は、動作周波数の0.03λ~0.5λの範囲内であってよい。上述したように、送信器パッド200は、アプリケーションに依存して、400MHz(λ=0.75メートル)~60GHz(λ=0.005メートル)の周波数範囲で複数のRF電力伝送信号を送信し得る。従って、400MHzの周波数で動作する場合、絶縁体304の厚さ(T2)は、約0.0225メートル(すなわち22.5mm)~約0.375メートル(すなわち375mm)の範囲であってよく、60GHzの周波数で動作する場合、絶縁体304の厚さ(T2)は、約0.00015メートル(すなわち0.15mm)~約0.0025メートル(すなわち2.5mm)の範囲であってよい。当業者が理解するように、絶縁体304の厚さ(T2)は、応用ごとに変化してよく、上で提供された例は、状況を提供するために用いられたにすぎない。従っていくつかの実施形態において、絶縁体304の厚さ(T2)は、約0.15mm~約375mmの範囲であってよい。
【0071】
[0079] 絶縁体304の厚さ(T2)は、導電板204から放射するエネルギ蓄積の1以上の特性(例えば高さ、幅、集中度、近接場利得、遠方場利得、共振周波数など)を修正してよい。例えば絶縁体が第1厚さ(T2’)を有する場合、エネルギ蓄積は、導電板204の外側表面の上に第1高さまで伸長してよく、絶縁体が第2厚さ(T2”)を有する場合、エネルギ蓄積は、導電板204の外側表面の上に第2高さまで伸長してよく、第2高さは第1高さと異なる。従って絶縁体304の厚さ(T2)は、導電板204から放射する電磁場の全体効率に影響を及ぼし得る。
【0072】
[0080] いくつかの実施形態又は状況において、導電板204の厚さもまた、蓄積の形成に影響を及ぼすように選択され得る。(例えば導電板204の厚さT1は、(i)遠方場領域における電磁場の一部の打消し、及び(ii)受信器212への電力送達のために導電板204の外側表面の上の近接場領域において十分遠くまで伸長するエネルギ蓄積への効果を促すために選択される。
【0073】
[0081] いくつかの実施形態において、絶縁体304は空気である。あるいはいくつかの実施形態において、絶縁体304は、ハウジング202の内部キャビティ内に配置された誘電材料(例えばポリマ、繊維強化ポリマ、ガラスなど)である。上述したように、絶縁体304の厚さ(T2)は、エネルギ蓄積の1以上の特性に影響を及ぼし得る。また、第2種類の絶縁体の上に第1種類の絶縁体を用いることも、エネルギ蓄積の1以上の特性に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態において、絶縁体304は、導電板204を支持する(例えば、導電層は絶縁層上に形成され、切り抜きは、導電層から絶縁体までエッチングされる)。
【0074】
[0082] 送信器パッド200は、(破線によって分離された)第1単位セル305-A及び第2単位セル305-Bを含む。第1単位セル305-Aは第1給電素子307-Aを含み、第2単位セル305-Bは第2給電素子307-Bを含む。第1及び第2単位セルアンテナ305は、1以上の単位セルアンテナ110(図1A図1B)の例であってよい。図示するように、第1及び第2給電素子307は、導電板204の内側表面から距離(D)だけ分離される。ただしいくつかの実施形態において、第1及び第2アンテナは、導電板204の内側表面から異なる距離だけ分離される。距離(D)における変化は、導電板204から放射するエネルギ蓄積の1以上の特性(例えば高さ、幅、集中度、近接場利得、遠方場利得の制御など)を修正し得る。いくつかの実施形態において、エネルギ蓄積の適切な形成を確実にするために、距離(D)は、絶縁体304の厚さ(T2)よりも小さい。またいくつかの実施形態において、距離(D)は、絶縁体304の厚さ(T2)よりも閾値量だけ小さい。言い換えると、距離(D)と絶縁体304の厚さ(T2)との比は、既定の範囲を満たす。例えば、既定の範囲は、(D)/(T2)の比を0.05λ~0.8λに、すなわち0.05λ<(D)/(T2)<0.8λに制限してよい。上述したように、少なくともいくつかの実施形態において、絶縁体304の厚さ(T2)は、送信器パッド200の動作周波数に依存して、約0.15mm~約375mmの範囲であってよい。従って、これらの実施形態において、距離(D)は、(D)/(T2)の比を0.05λ~0.8λに制限する既定の範囲の観点から、(例えば60GHzの周波数で動作する場合の)約0.0075mm~(400MHzの周波数で動作する場合の)約300mmの範囲であってよい。
【0075】
[0083] ハウジング202の内部キャビティ内に配置された誘電材料を有するこれらの実施形態において、第1及び第2給電素子307は、少なくとも部分的に誘電材料に包まれ得る。そうすることで、第1及び第2給電素子307(及び送信器パッド200の他のアンテナ)は更に支持され、よって、送信器パッド200の耐久性が向上する(例えば、送信器パッド200の落下時などに、絶縁体が衝撃力をより良く吸収する)。また、第1及び第2給電素子307(及び他の給電素子)の間の干渉は、給電素子307が少なくとも部分的に誘電材料に包まれる場合、実質的に低減される(すなわち、給電素子307は互いに電気的に隔離される)。この配置の観点から、送信器パッド200の全体効率が向上する。
【0076】
[0084] いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、各アンテナ素子に関する金属パッチ素子306を含む。給電素子307は、対応するパッチ素子306を駆動する。例えば、第1パッチ素子306-Aは第1給電素子307-Aによって駆動され、第2パッチ素子306-Bは第2給電素子307-Bによって駆動される。給電素子307は、当業者に既知である任意の適当な材料(例えばアルミニウム、銅など)から製作され得る。
【0077】
[0085] いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、接地又は接地層又は接地板308を含む。いくつかの実施形態において、接地板308は、ハウジング202(図2)の底面を形成する。あるいはいくつかの実施形態において、接地板308は、ハウジング202内の底面の上に配置される。接地板308は、ハウジング202と同じ材料で形成され、あるいは異なる材料で形成され得る。いくつかの実施形態において、接地板308は、給電素子(例えば給電素子307-A)が接地板308を通過することを可能にする穴(例えばビア)を含む。あるいはいくつかの実施形態において、給電素子は接地板308を通過せず、代わりに他の何らかの方向(例えば側方)からアンテナ素子に接続する。いくつかの実施形態において、接地板308は、RF電力伝送信号が接地板308を通過できず、単位セルのそれぞれの切り抜きに向かって戻り反射するように、反射体として機能する。
【0078】
[0086] 図3Bは、導電表面204に配置された電子デバイス210の拡大断面図である。図示するように、電子デバイス210及び受信器212は、切り抜き302-B(例えば導電板204における複数の切り抜きの1つ)の上に位置する。従って、第1給電307-Aが複数のRF電力伝送信号を導電板204の内側表面へ向かって送信すると、複数のRF電力伝送信号のうちの少なくとも一部のRF電力伝送信号は、切り抜き302-Bの周囲を流れるように電流を励起することにより、導電板204の近接場距離内で切り抜き302-Bの上に電磁エネルギの蓄積を形成させる。受信器212はその後、切り抜き302-Bの上に形成されたエネルギ蓄積からエネルギを回収する。
【0079】
[0087] 電子デバイス210は、側壁322と、受信器212を収容する内部キャビティ324とを含む。図示するように、受信器212は、導電板204の外側表面に直接配置されない。代わりに受信器212は、導電板204の外側表面から距離「X」(すなわち、側壁322の厚さ)だけ分離される。従って送信器パッド200は、導電板204の外側表面の上にエネルギ蓄積が少なくとも距離Xだけ伸長することを確実にするように、給電素子307-Aによって送信された電力波の1以上の特性(例えば位相、利得、振幅、周波数などの波形特性)を調整してよい。いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、エネルギ蓄積が距離Xを過ぎて所定の量だけ伸長することにより、受信器212がエネルギ蓄積からエネルギを回収できることを確実にするように、電力波の1以上の特性を調整する。
【0080】
[0088] いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、受信器212の存在を検出した後、電力波(例えばRF電力伝送信号422、図4C)の1以上の特性を調整する。送信器パッド200は、上述した技術例を用いて受信器212の存在を検出してよい。
【0081】
[0089] 代替又は追加として、いくつかの実施形態において、送信器パッド100は、受信器212から1以上の通信信号を受信した後、電力波の1以上の特性を調整する。例えば、1以上の通信信号に含まれたデータは、受信器212が第1給電307-Aから特定の距離だけ分離していることを示してよい。送信器パッド200は、1以上の通信信号の信号強度、三角測量、及び/又は応答時間に基づいて、分離距離を決定してよい(例えば受信器212は、送信時に通信信号をタイムスタンプし、これが、送信器パッド200における受信時の通信信号のタイムスタンプと比較される)。いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、2つ以上の形式のデータ(例えば信号強度と熱撮像データとの組み合わせ、又は他の何らかの組み合わせ)を用いて分離距離を決定する。分離距離を用いて、送信器パッド200は、電子デバイス210の側壁322の厚さを決定して(例えば、距離「X」を得るために、分離距離から、給電307-Aと導電板204の外側表面との固定距離を差し引いて)よい。
【0082】
[0090] いくつかの実施形態において、送信器パッド100は、受信器212から得られたデータ、送信器センサによって得られたデータ、切り抜き(複数も可)の寸法のセット、及び切り抜きの配置を考慮することによって、電力波の1以上の特性を調整する。
【0083】
[0091] 図3Cは、いくつかの実施形態に係る送信器パッド200の(図2の直線A~A’に沿って示された)他の断面図330である。電子デバイス210及び受信器212は、例示及び説明の容易性のために、図3C図3Dには示されない。また、図3Aに含まれる他のいくつかの参照は、明確性のために図3C図3Dには含まれない。
【0084】
[0092] 送信器パッド200がハウジング202を含むこれらの実施形態において、ハウジング202は、側壁(例えば側壁322-A、322-Bなど)、底面334、及び底面334と対向に規定された開口部を含む。すなわち、導電板204は、導電板204が開口部に近接するようにハウジング202の4つの側壁に結合される。
【0085】
[0093] いくつかの実施形態において、底面334は、接地板308(図3A)である。あるいはいくつかの実施形態において、接地板308は、上述したようにハウジングの底面334の上に配置される。底面334が接地板308であるこれらの実施形態において、底面334は、1以上の給電(例えば給電素子307-A)がハウジング202を通過することを可能にする1以上の穴(例えばビア)を含む。
【0086】
[0094] いくつかの実施形態において、アンテナ型式が、導電板204の内側表面からアンテナまでの分離距離を規定し得る。例えば図3Aを参照すると、第1及び第2給電307-A、307-Bは、導電板204の内側表面から第1距離(D)だけ分離される。第1及び第2給電素子307-A、307-Bは、それぞれ金属パッチ306-A及び306-Bに給電してよい(例えば、給電及び金属パッチは、上に位置する1以上の切り抜きを励起する第1型式のパッチアンテナのそれぞれのアンテナを形成する)。また、給電素子307-A、307-Bは、他の様々なアンテナ型式(例えばモノポール、ダイポール、磁気ループ、多層無給電アンテナなど)に給電してよい。ここで図3Cを参照すると、第1及び第2給電素子336-A、336-Bは、導電板204の内側表面から、第1距離(D)よりも小さい第2距離(J)だけ分離される。第1及び第2給電素子336-A、336-Bは、第2型式のアンテナ(例えばモノポールアンテナ)である。従って、状況(例えば送信器パッド200の高さ制限などの設計制限)に依存して、1つの型式のアンテナが他の型式のアンテナよりも優先して用いられ得る。また、少なくともいくつかの例において、1以上の切り抜きと給電素子336-A、336-Bとの間の補完関係は、送信器パッド200の性能を改善する。「補完関係」の例は、パッチ(例えばマイクロストリップ印刷型の給電素子)(図3Aに示す)と対である、導電板204を通って規定された切り抜きを含む。他の1つの例は、スロット式の給電と対である、導電板204表面の外側表面におけるワイヤ導体を含む。留意すべき点として、上記例は単なる例示であり、その結果は、状況に依存して逆であってよい。
【0087】
[0095] 図3Dは、いくつかの実施形態に係る、送信器パッド200の(図2の直線A~A’に沿って示された)他の断面図である。図示するように、送信器パッド200は、導電板204の上に設けられた1以上の追加の層を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1追加の層342は、電子デバイス212を導電板204の外側表面から分離する誘電材料(例えばプラスチック層、ガラス層など)である。第1追加の層342は誘電層であるため、それぞれの切り抜きに形成されたエネルギ蓄積を変えることはない。しかし、送信器パッド200は、第1追加の層342が含まれる場合、受信器212とアンテナとの間の分離距離(すなわち距離「X」、図3B)が増加するため、第1追加の層342の厚さを補償する必要がある。いくつかの実施形態において、第1追加の層342は「レンズ」として機能し、これは、切り抜き付近に形成されたエネルギ蓄積の集中度(例えば集束)を高めることを意味する。従って第1追加の層342は、単位セルの中心に対する特定の位置における絶縁を向上させ得る(例えば、近隣の単位セルへの放射を低減させ得る)。加えて、第1追加の層342は、導電板204の外側表面全体に均一にエネルギを分散させる。その結果、隣接するエネルギ蓄積間の隙間(すなわち「コールドゾーン」)が最小化され、あるいは除去され得る。
【0088】
[0096] また、いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、第1追加の層342の上に設けられた第2追加の層344を含む。第2追加の層344は、例えばアルミニウム又は銅などの導電材料であってよい。いくつかの実施形態において、第2追加の層344は、導電板204と同様の別の導電板である。あるいはいくつかの実施形態において、第2追加の層344は、第1追加の層344に堆積(例えば印刷、塗装など)される。ここでも送信器パッド200は、第2追加の層344が含まれる場合、受信器212とアンテナとの間の分離距離(すなわち距離「X」、図3B)が増加するため、第2追加の層344の厚さを補償する必要がある。
【0089】
[0097] いくつかの実施形態において、第2追加の層344は、それぞれの切り抜きに形成された1以上のエネルギ蓄積の形成を知らせる。例えば、第2追加の層344は、それぞれの切り抜きに形成されたエネルギ蓄積の集中を高め、及び/又はその位置を調整(すなわち位置をオフセット)してよい。他の例において、第2追加の層344は、第1エネルギ蓄積の1以上の部分を、第2(及び場合によっては第3)エネルギ蓄積における1以上の部分と合流させる(すなわち、導電板204の外側表面全体に均一にエネルギを分散させる)ために用いられ得る。このようにして、隣接するエネルギ蓄積間の隙間(すなわち「コールドゾーン」)が最小化され、あるいは除去され得る。いくつかの例において、第2追加の層344は、第1追加の層344に関して上述した利益を更に増大させる。
【0090】
[0098] 図4A図4Cは、いくつかの実施形態に係る、単位セル及び単位セルのそれぞれの切り抜きに生じるエネルギ蓄積を示す。図4Aは、単位セル400(例えば単位セル110-A、図1)の上面図である。単位セル400は、導電板402を通って規定された第1及び第2切り抜き404(例えばチャネル、スロットなど)を有する導電板402(例えば導電板204、図2)を含む。また、単位セル400は、導電板402の下に位置する(例えば図2のハウジング202によって規定された内部キャビティ内に位置する)給電素子406(例えば給電307-A、図3A)を含む。給電素子406は単位セル400の中心にあるように示されるが、いくつかの実施形態において、給電素子406は中心にない(又は、第1軸に関して中心にあるが第2軸に関して中心になくてよい)。給電素子406を様々な位置に配置することは、エネルギ蓄積の分布に影響を及ぼし得る(例えば、第1位置はより均一な分布をもたらし、第2位置はより集束した分布をもたらし得る)。
【0091】
[0099] 図示するように、第1及び第2切り抜き404の各々は、(本明細書において切り抜き部分と称される)複数の部分408を含む。それぞれの切り抜きの部分は、数々の方法で配置され得る。例えば第1切り抜き404-Aは、第2部分408-Bに垂直な(例えば直交する)第1部分408-A、及び第2部分408-Bに垂直な第3部分408-Cを含む。第2切り抜き404-Bは、同様の部分(符号なし)を含む。他の例において、第1部分408-Aが第2部分408-Bに垂直であってよく、第3部分408-Cもまた第2部分408-Bに垂直であり得るが、(図4Aに示すように上向きではなく)下向きに伸長し得る。これらの配置は単なる例示であり、他の配置も可能である。
【0092】
[0100] いくつかの実施形態において、第1切り抜き404Aの形状は、第2切り抜き404-Bの形状(例えば馬蹄形)の鏡対称である。また、第1切り抜き404-Aは、第2切り抜き404-Bと交互配置され、又はその間に入る。この配置は、第1及び第2切り抜き間の隙間を最小化し(例えば第1及び第2切り抜き404のそれぞれの部分の間に最小の隙間)、その結果、隣接するエネルギ蓄積間の隙間もまた最小化される。また、切り抜き404の補完性質(例えば嵌合配置)はまた、(i)単位セル400の遠方場利得を最小化し、(ii)他の単位セル上に位置する他のデバイスとの干渉を低減する。例えば切り抜き404-Aのそれぞれの部分からの遠方場電磁場は、それぞれの切り抜きに隣接する部分からの遠方場電磁場によって(図2を参照して上述したように)少なくとも部分的に打ち消される。加えて、第1及び第2切り抜き404の嵌合配置により、電磁放射の遠方場利得は、切り抜きの各々の間で更に最小化される。
【0093】
[0101] いくつかの実施形態において、第1及び第2切り抜き404の各々は、送信器パッドによって送信された(例えばアンテナ素子406によって送信された)それぞれのRF電力伝送信号の波長と少なくとも同じ大きさの全長を有する。よって、少なくともいくつかの実施形態において、切り抜き404の各部分の長さは、送信器パッドによって送信されたそれぞれのRF電力伝送信号の波長よりも小さい。例えば、第2切り抜き404-Aは、各々が波長よりも小さい長さ「X」を有するそれぞれ第1、第2、及び第3部分408-A、408-B、及び408-Cを含む。ただし、3つの部分の各々からの3つの長さ「X」が結合されると、切り抜き404-Aの全長は、少なくとも波長と同じ大きさである。いくつかの実施形態において、長さ「X」は、送信器によって送信されたそれぞれのRF電力伝送信号の波長の半分(又は概ね半分)(例えばλ/2)である。いくつかの実施形態において、「X」の長さは、波長の他の何らかのパーセンテージである。
【0094】
[0102] 図4Bは、いくつかの実施形態に係る、給電素子406による複数のRF電力伝送信号の送信時に形成されたエネルギ蓄積を示す単位セル400の上面図410である。図示するように、多数のエネルギ蓄積(例えばエネルギ蓄積412)が各切り抜きの長さに沿って生じる。蓄積の数は、それぞれの切り抜きにおける部分の数に対応する。例えば第1及び第2切り抜き404の各々は3つの部分(例えば第1部分408-A、第2部分408-B、及び第3部分408-C)を含む。よって、第1及び第2切り抜き404の各々は、3つのエネルギ蓄積を含む。この観点から、それぞれの切り抜きの設計に依存して、任意の数のエネルギ蓄積が生成され得る(例えば10の垂直な部分を有する切り抜きは、10のエネルギ蓄積の生成をもたらす)。それぞれの部分の長さは、それぞれの部分にエネルギ蓄積が生じるかを規定し、それぞれの部分から放射する電磁場の特性(例えばエネルギ蓄積に存在するエネルギ量)も規定する。
【0095】
[0103] 図4Cは、いくつかの実施形態に係る、給電素子406による複数のRF電力伝送信号422の送信中の単位セル400の(図4Bの直線C~C’に沿って示された)断面図420である。図示するように、給電素子406による複数のRF電力伝送信号422の送信は、上にある切り抜き404の周囲に沿って電流の伝導をもたらすことにより、複数のエネルギNF蓄積412-A~412-Dを第1及び第2切り抜き404に形成させる。複数のエネルギ蓄積412-A~412-Dは、導電板402の上に距離「Y」だけ伸長する。距離「Y」は、図3Bを参照して上述した分離距離「X」よりも大きい(例えば距離「X」は、受信器212と導電板204の外側表面との間の距離に関係する)。このため、複数のエネルギ蓄積412-A~412-Dの各々は、導電板402の上に配置された受信器に到達し、受信器の無線充電をもたらし得る。
【0096】
[0104] いくつかの実施形態において、複数のエネルギ蓄積412-A~412-Dは、導電板402の外側表面の上に約1~5ミリメートル伸長する。例えば、受信器が導電板402の外側表面から2ミリメートル分離する場合、複数のエネルギ蓄積412-A~412-Dは、導電板402の外側表面の上に2.1~5ミリメートル伸長してよい。いくつかの実施形態において、送信器パッド100(図1A)のプロセッサ104は、距離「Y」を大きく(又は小さく)するために、複数のRF電力伝送信号422の1以上の特性を修正する。また、導電板402からの様々な距離においてエネルギのNF蓄積を形成させるために様々な変数が操作されてよく、これらの変数は、導電板402の厚さ、絶縁体414(例えば絶縁体304、図3A)の厚さ、切り抜きの幅、部分の長さを含み、複数の単位セルを含む特定の送信器パッドを用いて充電されるデバイスの型式に依存して、アンテナの型式もまた、距離「Y」を大きく(又は小さく)し得る。
【0097】
[0105] 図5A図5Bは、いくつかの実施形態に係る、単位セル及び単位セルの単一の切り抜きにおいて生じるエネルギ蓄積を示す。図5Aは、単位セル500(例えば単位セル110-A、図1B)の上面図である。単位セル500は、切り抜き504(例えばチャネル/スロット)を有する導電板(例えば導電板204、図2)を含む。単位セル500は、導電板502の下に位置する(例えば図2のハウジング202によって規定された内側キャビティ内に位置する)給電素子506(例えば給電素子307-A、図3A)を含む。給電素子506は単位セル500の中心にあるように示されるが、いくつかの実施形態において、給電506は中心にない(あるいは、第1軸に関して中心にあるが第2軸に関して中心になくてよい)。
【0098】
[0106] いくつかの実施形態において、切り抜き504は、送信器によって送信された(例えばアンテナ素子506によって送信された)それぞれのRF電力伝送信号の波長と少なくとも同じ大きさの全長を有する。また、切り抜き504は、複数の部分(例えば切り抜き504の各垂直及び水平部)を含む。いくつかの実施形態において、切り抜き504の各部分の長さは、送信器パッド(例えば送信器パッド200、図2)によって送信されたそれぞれのRF電力伝送信号の波長より小さい。いくつかの実施形態において、複数の部分の各々の長さは同じ(例えばλ/2)である。あるいはいくつかの実施形態において、複数の部分の第1部分セットは第1長さを有し、複数の部分の第2部分セットは第2長さを有し、第2長さは第1長さよりも大きい。いくつかの実施形態において、第1長さは、エネルギ蓄積の生成をもたらす長さ(例えばλ/2)であり、第2長さは、エネルギ蓄積の生成をもたらさない長さ(例えばλ)である。
【0099】
[0107] 図5Bは、いくつかの実施形態に係る、アンテナ素子506による複数のRF電力伝送信号の送信後に形成されたエネルギ蓄積を示す単位セル500の上面図510である。複数のエネルギ蓄積(例えばエネルギ蓄積508)の各々は、切り抜き504の一部に沿って生じる。いくつかの実施形態において、切り抜き504のそれぞれの各部分は、それぞれの部分に形成された対応するエネルギ蓄積を有する。あるいはいくつかの実施形態において、切り抜き504の1以上の部分は、(例えば、それぞれの部分の長さがエネルギ蓄積の生成をもたらさない場合)それぞれの部分に形成された対応するエネルギ蓄積を有さない。
【0100】
[0108] 図6は、いくつかの実施形態に係る、最小遠方場利得を伴う近接場距離において1以上のRFエネルギ蓄積を形成するための無線電力伝送の方法を示すフローチャートである。方法600の動作(例えばステップ)は、近接場充電パッド(例えば送信器パッド100、図1A図1B、送信器パッド200、図2)又はそれらの1以上の構成要素(例えばRF電力伝送信号生成モジュール、特性選択モジュール、及び/又はビーコン送信モジュール)によって行われ得る。図6に示す動作の少なくとも一部は、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば送信器パッド100のメモリ106、図1A)に格納された命令に対応する。
【0101】
[0109] 方法600は、(i)第1及び第2対向平坦表面(例えば内側表面及び外側表面)及び(ii)第1表面から第2表面へ導電板を通って伸長する1以上の切り抜き(例えば切り抜き404-A及び404-B、図4、切り抜き504、図5A)を有する導電板(例えば導電板204、図2)を含む近接場アンテナ(例えば単位セル400、図4、単位セル500、図5)を提供すること(602)を含む。近接場アンテナは更に、絶縁体(例えば絶縁体304、図3A)を介して導電板の第1表面から分離された給電素子(例えば給電素子307、図3A)を含む。いくつかの実施形態において、給電素子はパッチアンテナの少なくとも構成要素であり、給電素子と導電板との間に絶縁体が配置される。あるいはいくつかの実施形態において、給電素子は、少なくとも部分的に絶縁体に包まれたパッチアンテナの構成要素である。いくつかの実施形態において、導電板は、単位セルに固有の板(すなわち、別個かつ独立した板)である。あるいはいくつかの実施形態において、導電板は、1以上の隣接した単位セルへ伸長する。
【0102】
[0110] いくつかの実施形態において、近接場アンテナは更に、給電素子を接地板(例えば接地308、図3A)から分離する別の絶縁体を含む。あるいはいくつかの実施形態において、絶縁体は給電素子を接地板から分離する。
【0103】
[0111] いくつかの実施形態において、導電板は、絶縁体の表面に設けられた導電層である(例えば、絶縁体は剛性ポリマ基板であり、導電層はその上に設けられる)。あるいはいくつかの実施形態において、絶縁体は、導電板の第1表面に設けられた誘電層である。
【0104】
[0112] いくつかの実施形態において、絶縁体は、ポリマ、繊維強化ポリマ、ガラス、及び空気から成るグループから選択される。いくつかの実施形態において、絶縁体の厚さは導電板の厚さよりも大きく、あるいはその逆である。
【0105】
[0113] いくつかの実施形態において、1以上の切り抜きのうち第1切り抜きは、第1蛇行線パターンを形成し、1以上の切り抜きのうち第2切り抜きは、第2蛇行線パターンを形成する。いくつかの実施形態において、第1及び第2蛇行線パターンは、同じ蛇行線パターンである(すなわち、第1蛇行線パターンの形状は、第2蛇行線パターンの形状の鏡対称である)。例えば図4Aを参照すると、第1切り抜き404-Aは第1蛇行線パターンを形成し、第2切り抜き404-Bは第2蛇行線パターンを形成する。あるいはいくつかの実施形態において、第1及び第2蛇行線パターンは異なる蛇行線パターンである。いくつかの実施形態において、線形パターンは、少なくとも1つの方向転換を含む場合、蛇行線パターンとみなされる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの方向転換は、垂直な方向転換である、あるいはいくつかの実施形態において、少なくとも1つの方向転換は、他の何らかの角度の方向転換である。当業者が理解するように、図4及び図5における線形パターンは非限定的な例であり、他の蛇行線パターンが実現され得る。
【0106】
[0114] いくつかの実施形態において、第1蛇行線パターンは、第2蛇行線パターンに対して回転(例えば180度回転)される。言い換えると、第1蛇行線パターンの形状は第1方向に配置されてよく、第2蛇行線パターンの形状は、第1方向とは反対の第2方向に配置され得る。例えば図4Aに示すように、第1切り抜き404-A(すなわち第1蛇行線パターン)及び第2切り抜き404-B(すなわち第2蛇行線パターン)は反対方向に配置されるため、2つの切り抜きは嵌合する。
【0107】
[0115] 方法600は更に、給電素子に、複数のRF電力伝送信号を導電板へ(例えば図2の導電板204の内側表面へ)向けさせることを含む。いくつかの実施形態において、複数のRF電力伝送信号は、5.8GHz、2.4GHz、及び900MHzから成るグループから選択された周波数で送信される。
【0108】
[0116] いくつかの実施形態において、給電素子に複数のRF電力伝送信号を導電板へ向けさせる前に、送信器パッド200は、導電板上の受信器を検出する(例えばユーザは、受信器212を収容する電子デバイス210を導電板204の外側表面に配置することにより、図2の無線充電領域206-Aの閾値距離内に受信器を置く)。いくつかの実施形態において、給電素子は、受信器が外側表面の閾値距離内に配置されたことの決定に応答して、電力増幅器からの1以上のRF電力伝送信号を受信する。いくつかの実施形態において、閾値距離は、所定の閾値距離である(例えば所定の閾値距離は、図1Aの送信器パッド100のメモリ106に格納される)。
【0109】
[0117] いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、1以上のセンサ(例えば送信器センサ114、図1A)を用いて受信器を検出する。代替又は追加として、いくつかの実施形態において、送信器パッド200は、受信器から(又は受信器と)1以上の通信信号を受信すること(又は交換すること)(例えば、図1Aの通信部品(複数も可)112を介して1以上の通信信号を受信すること)によって受信器を検出する。例えば、近接場アンテナに接続されたプロセッサ104(図1A)によって受信された1以上の通信信号に関連する信号強度レベルは、受信器が外側表面の閾値距離内にあることを示してよい。受信器の検出は、図2及び図3A図3Bを参照して更に詳しく上述される。
【0110】
[0118] 方法600は更に、導電板において、給電素子からの複数のRF電力伝送信号を受信すること(606)を含む。いくつかの実施形態において、給電素子からの複数のRF電力伝送信号を受信することにより、1以上の切り抜きによって規定された導電板の縁部/周縁に沿って電流(例えば電流209、図2)が流れる。
【0111】
[0119] 方法600は更に、複数のRF電力伝送信号からのRFエネルギが導電板の近接場距離内に蓄積して、1以上の切り抜きの各々において蓄積RFエネルギ(例えばエネルギ蓄積412A~412D、図4C)の少なくとも2つの区分ゾーンを生成するように、1以上の切り抜きを通して複数のRF電力伝送信号の少なくともいくつかを放射すること(608)を含む。1以上の切り抜きの各々における蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、(i)1以上の切り抜きの各々を規定する寸法のセット、及び(ii)1以上の切り抜きの配置に少なくとも部分的に基づいて規定される。例えば1以上の切り抜きの各々を規定する寸法のセットは、導電板の厚さ、切り抜きの幅、切り抜きの形状、切り抜きの長さ、及び切り抜きの部分(例えばセグメント)の数を含んでよい。1以上の切り抜きの配置は、蓄積RFエネルギの隣接ゾーン間の隙間を最小化する。加えて、配置に依存して、蓄積RFエネルギの1以上の隣接ゾーンが実質的に合流することにより、蓄積RFエネルギのゾーン間の隙間が除去され得る。
【0112】
[0120] いくつかの実施形態において、少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の表面積の80%以上を覆う。あるいはいくつかの実施形態において、少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の表面積の90%以上を覆う。表面積の被覆の度合いは、(i)1以上の切り抜きの各々を規定する寸法のセット、及び(ii)1以上の切り抜きの配置(例えば所与の単位セルにおける配置ならびに隣接する単位セル間での切り抜きの配置)に少なくとも部分的に基づく。
【0113】
[0121] いくつかの実施形態において、1以上の切り抜きのそれぞれの切り抜きは、複数のRF電力伝送信号のそれぞれのRF電力伝送信号の波長と少なくとも同じ大きさのそれぞれの長さを有する。そのような構成は、図4及び図5を参照して上述したように、それぞれの切り抜きの長さに沿った蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンの形成を促す。
【0114】
[0122] また、いくつかの実施形態において、それぞれの切り抜きは少なくとも、第1方向に規定された第1部分(例えば第1部分408-A、図4A)、及び第2方向に規定された第2部分(例えば第2部分408-B、図4A)を含み、第2方向は第1方向に直交する。更に、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンのうちの1つ目は第1部分に生成され、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンのうちの2つ目は第2部分に生成される。
【0115】
[0123] いくつかの実施形態において、それぞれの切り抜きは更に、第1方向又は他の何らかの方向に規定された第3部分(例えば第3部分408-C、図4A)を含む。いくつかの実施形態において、第3部分は第1部分と鏡対称であり、それぞれの切り抜きは馬蹄形を成す。あるいはいくつかの実施形態において、第3部分は第1及び第2部分から伸長し、それぞれの切り抜きは「S」字形を成す。いくつかの実施形態において、蓄積RFエネルギの第3区分ゾーンが第3部分に生成される。それぞれの切り抜きは更に、様々な方向に規定された追加の部分を含んでよい。
【0116】
[0124] いくつかの実施形態において、蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、導電板の第2表面の上に5ミリメートル以下(又はそれよりいくらか大きい(又は小さい)量)しか伸長しない。このようにして、近接場充電パッドの遠方場利得は制御され、近接場充電パッドに近接して位置する他のデバイス(又は他の金属物体)との潜在的干渉は著しく低減され、いくつかの状況では、完全に除去される。
【0117】
[0125] いくつかの実施形態において、近接場アンテナは第1近接場アンテナ(例えば図2の無線充電領域206-Aに関連する単位セル)であり、近接場充電パッドにおいて第1近接場アンテナに隣接した位置にある第2近接場アンテナ(例えば図2の無線充電領域206-Bに関連する単位セル)も少なくとも含む近接場充電パッド(例えば送信器パッド200、図2)の一部である。加えて、第2近接場アンテナに関連するそれぞれの切り抜きは、第1近接場アンテナに関連する1以上の切り抜きに対して回転される。例えば第2近接場アンテナ(例えば図2の無線充電領域206-Bに関連する単位セル)は、第1近接場アンテナ(例えば図2の無線充電領域206-Aに関連する単位セル)に対して(例えば90度)回転されてよく、あるいはその逆である。隣接した単位セル及びそこに規定された切り抜きを回転させることは、遠方場利得に対する制御を更に増加させるために役立ち、遠方場利得が近接場充電パッドに関して全体的に著しく低減されることを確実にする。また、隣接するエネルギ蓄積の(例えば単位セルと単位セルとの)間の隙間も低減される(例えば近接場充電パッドにおける「コールドゾーン」を除去する)。
【0118】
[0126] 図7は、いくつかの実施形態に係る、近接場アンテナを製造する方法を示すフロー図である。近接場アンテナは、単一の単位セルの例(例えば単位セル110-A、図1、単位セル400、図4など)であってよい。
【0119】
[0127] 方法700は、近接場アンテナの導電板(例えば導電板402、図4A)を通って規定される1以上の切り抜き(例えば切り抜き404-A及び404-B、図4A)に関する寸法のセットを選択すること(702)を含み、導電板は対向する第1(例えば内側)及び第2(例えば外側)の平坦表面を有する。1以上の切り抜きに関する寸法は、更に詳しく上述される。
【0120】
[0128] 方法700は更に、所定の配置(例えば図4Aに示すような嵌合配置)において導電板の第1及び第2表面を通る1以上の切り抜きを形成すること(704)を含み、1以上の切り抜きの各々が寸法のセットを有する。いくつかの実施形態において、1以上の切り抜きを形成することは、1以上の切り抜きのミリング(例えばCNCミリング)、1以上の切り抜きのレーザエッチング、1以上の切り抜きの化学エッチング、又は当業者に既知である他の何らかの方法を含む。留意すべき点として、切り抜き自体が「所定の配置」で形成されてよく、例えば切り抜き504は所定の配置で形成される(図5)。
【0121】
[0129] 方法700は更に、絶縁体(例えば絶縁体304、図3A)を導電板の第1表面(例えば内側表面)に結合すること(706)を含む。絶縁体は、導電板の第1表面に機械的及び/又は(例えば接着剤を用いて)化学的に固定され得る。いくつかの実施形態において、絶縁体は、導電板の1以上の領域を支持する。
【0122】
[0130] いくつかの実施形態において、絶縁体は、導電板を通る1以上の切り抜きを形成する前に、導電板の第1表面(例えば内側表面)に結合される(あるいは絶縁体は、1以上の切り抜きを形成する前に導電板の第1表面に堆積される)。よってこれらの実施形態において、導電板を通る1以上の切り抜きを形成すること(704)は、例えば導電板の外側表面を通って導電板の内側表面に結合された絶縁体の表面までミリングすることを含む。
【0123】
[0131] 方法700は更に、給電素子を絶縁体に結合すること(708)を含む。いくつかの実施形態において、給電素子は、機械的及び/又は(例えば接着剤を用いて)化学的に絶縁体に固定される。代替又は追加として、いくつかの実施形態において、給電素子は、少なくとも部分的に絶縁体内に埋め込まれる。留意すべき点として、ステップ708は、絶縁体が空気である実施形態においてスキップされ得る。これらの実施形態において、給電素子は、近接場アンテナの他の何らかの構造(例えば図2のハウジング202の一部)に結合され得る。
【0124】
[0132] いくつかの実施形態において、絶縁体は第1絶縁体であり、方法は更に、第2絶縁体を給電素子に結合することを含む。例えば第1絶縁体は給電素子の頂部に結合され、第2絶縁体は給電素子の底部に結合され得る。このようにして、第1絶縁体、給電素子、及び第2絶縁体の間にサンドイッチ構造が形成される。給電素子は、機械的及び/又は(例えば接着剤を用いて)化学的に第2絶縁体に固定される。代替又は追加として、いくつかの実施形態において、給電素子は、少なくとも部分的に第2絶縁体内に埋め込まれる。
【0125】
[0133] 上述したように、給電素子は、複数のRF電力伝送信号を導電板へ向けるように構成され、複数のRF電力伝送信号のうち少なくとも一部のRF電力伝送信号は、1以上の切り抜きを通って放射し、導電表面の近接場距離内に蓄積して、1以上の切り抜きの各々に蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンを生成する。1以上の切り抜きの各々における蓄積RFエネルギの少なくとも2つの区分ゾーンは、(i)1以上の切り抜きの各々を規定する寸法のセット、及び(ii)1以上の切り抜きの配置に少なくとも部分的に基づいて規定される。エネルギ蓄積の形成は、図2図5Bを参照して更に詳しく上述される。
【0126】
[0134] いくつかの実施形態において、方法700のステップは、追加の近接場アンテナが製造されるように反復され得る。加えて、いくつかの実施形態において、方法700は更に、近接場アンテナのアレイ(例えば図1Bに示すような単位セルアンテナ110-A~110-Nのアレイ)を形成することを含む。またいくつかの実施形態において、導電板は、近接場アンテナのアレイにおける各近接場アンテナに関連する連続的な板である。あるいはいくつかの実施形態において、各近接場アンテナは別個の導電板を含む。
【0127】
[0135] 近接場アンテナのアレイは、バス接続(例えば通信バス108、図1A)を介して相互接続されてよく、1以上のプロセッサ(例えば送信器パッド100のプロセッサ(複数も可)104、図1A)に更に接続され得る。
【0128】
[0136] いくつかの実施形態において、近接場アンテナのアレイは、ハウジング(例えばハウジング202、図2)内に配置される。このようにして、RF電力伝送信号の(例えば側壁を介した)漏洩は実質的に低減され、場合によってはなくされる。
【0129】
[0137] 図8は、いくつかの実施形態に係る、送信器パッドに形成された様々な電力分布(例えばエネルギ蓄積)を示す。特に図8は、4つの単位セル(例えば単位セル400、図4A、単位セル500、図5A)を有する送信器パッド(例えば送信器パッド100、図1A図1B)におけるエネルギ蓄積802の集中を示し、各単位セルは連続的にアクティブ化される(例えばアクティブ化は、単位セルの給電素子がRF電力伝送信号の送信を開始することを意味する)。図示するように、エネルギ蓄積802は単位セル801の表面積を実質的に覆う。また、単位セル801の表面積は、最小限のコールドゾーン804を有する。これは、上述したように、1以上の切り抜きの各々を規定する寸法のセット及び1以上の切り抜きの配置の結果生じる。
【0130】
[0138] また、エネルギ蓄積802は、現在アクティブ化されている単位セルに実質的に限定される(すなわち、単位セル801において生成された電磁放射は、近隣の単位セルへ実質的に放射しない)。これは、制御された遠方場利得、及び互いに対し実質的に隔離された単位セルが最小化されることに起因する。従って、近隣の単位セル上の物体は、現在アクティブ化されている単位セル801から発する放射によって影響を及ぼされず、あるいは特定の単位セルにおけるエネルギ蓄積が、特定の単位セルの付近に配置され得る金属物体による影響を受けることもない。
【0131】
[0139] 図9は、全方向に均一に放射する等方性アンテナに関する放射パターンと比較して、1以上の切り抜きを含む単位セルアンテナに関する放射パターンの例を示すグラフである。特に図9は、単位セルアンテナに関する放射パターンが近接場範囲(例えば1~5ミリメートル)内で単位セルアンテナの表面より上に伸長すること、及び(複数の単位セルアンテナ110を含む)送信器パッド100の付近で動作する他の電子デバイス(又は付近に位置する他の金属物体)とのあらゆる潜在的干渉を回避するために遠方場利得が最小化され制御されることを示す。
【0132】
[0140] 本明細書において本発明の説明に用いられる用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本発明を限定することは意図されない。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が特に明示しない限り、複数形も同様に含むことが意図される。また理解されるように、本明細書で用いられる「及び/又は」という用語は、関連して羅列される事項の1以上のいずれか及び全ての可能な組み合わせを指し、それらを包括する。更に理解されるように、「備える」及び/又は「備えている」という用語は、本明細書で用いられる場合、記載される特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。
【0133】
[0141] また理解されるように、「第1」、「第2」などの用語が本明細書で様々な要素を説明するために用いられ得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素と別の要素とを区別するためのみに用いられる。例えば第1領域が第2領域と呼ばれてよく、同様に第2領域が第1領域と呼ばれてよく、「第1領域」の発生全てが一貫して再命名され、「第2領域」の発生全てが一貫して再命名される限り、説明の意味は変化しない。第1領域及び第2領域は両方ともに領域であるが、それらは同じ領域ではない。上記記述は、説明のために、特定の実施形態を参照して記述された。ただし上記の例示的説明は、網羅的であること、又は本発明を開示された形式そのものに限定することが意図されない。多数の修正及び変形例が上記教示の観点から可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実用的応用を最適に説明することにより、当業者が、意図された特定の使用に適したように様々な修正を伴って本発明及び様々な実施形態を最適に利用することが可能であるように選択され、記述された。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9