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特許7058702時間割り当て管理システムおよび時間割り当て管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】時間割り当て管理システムおよび時間割り当て管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220415BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020173908
(22)【出願日】2020-10-15
【審査請求日】2020-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】592048741
【氏名又は名称】鉄道情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】古山 純
(72)【発明者】
【氏名】神谷 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 千尋
(72)【発明者】
【氏名】武藤 梨紗
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-182777(JP,A)
【文献】幡本 昂平,横山 想一郎,山下 倫央,川村 秀憲,代替従業員確保のためのメッセージングアプリを利用した効率的な依頼手法の開発,情報処理学会 論文誌,日本,情報処理学会,2019年10月15日,Vol.60, No.10,p.1757-1768
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に応じて、該ユーザが希望する時刻、もしくは時間帯、時間長を示す時間割り当てデータを送信するユーザ端末と、
複数の前記ユーザ端末と通信回線を介して接続され、前記複数のユーザ端末から送信された第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、複数の前記ユーザに時間割り当てを行う運営者サーバと、
を備え、
前記運営者サーバは、
前記複数のユーザ端末から前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを受信すると、
前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第1の単位時間よりも長い第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換し、
前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、前記複数のユーザの希望に応じた第1の時間割り当て表を作成し、
前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2単位時間で定められた時間割り当てデータに所定の変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2の時間割り当て表を作成し、
前記複数のユーザ端末へ前記第2の時間割り当て表を送信する、
ことを特徴とする時間割り当て管理システム。
【請求項2】
前記運営者サーバは、
前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを変換するとき、
前記第1の時間単位で定められた時間割り当てデータが示す時間長に、任意の時間長を加算または減算して、前記第1の単位時間毎の時刻を複数の選択肢として設定し、
前記複数の選択肢の中から適当な時刻を選んで前記第2の時間割り当て表を作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の時間割り当て管理システム。
【請求項3】
前記ユーザ端末は、
企業に勤務する前記ユーザによって操作され、
前記企業の担当者によって操作される企業端末が、前記通信回線を介して前記運営者サーバに接続されており、
前記運営者サーバは、
前記企業端末によって複数の前記ユーザのそれぞれに設定された勤務条件に応じて、前記複数のユーザ端末へ勤務希望の提出依頼を示すデータを送信し、
前記複数のユーザ端末から送信された勤務希望を示す前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを受信し、
前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換し、
前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて第1のシフト表を作成し、
前記第1のシフト表の中の、前記第2単位時間で定められた時間割り当てデータの変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2のシフト表を作成し、
前記複数のユーザ端末へ前記第2のシフト表を送信する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時間割り当て管理システム。
【請求項4】
前記運営者サーバは、
前記企業端末によって設定された期間、店舗、および、前記店舗に勤務する前記ユーザについて、前記第1のシフト表および前記第2のシフト表を作成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の時間割り当て管理システム。
【請求項5】
ユーザ端末が、ユーザの操作に応じて、該ユーザが希望する時間帯ならびに時間長を示す時間割り当てデータを、通信回線を介して運営者サーバへ送信する第1過程と、
前記運営者サーバが、複数の前記ユーザ端末から第1の単位時間で定められた前記時間割り当てデータを受信し、前記各第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第1の単位時間よりも長い第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換する第2過程と、
前記運営者サーバが、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、複数の前記ユーザの希望に応じた第1の時間割り当て表を作成する第3過程と、
前記運営者サーバが、前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータに所定の変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2の時間割り当て表を作成する第4過程と、
前記運営者サーバが、前記複数のユーザ端末へ前記第2の時間割り当て表を送信する第5過程と、
を有することを特徴とする時間割り当て管理方法。
【請求項6】
前記第4過程は、
前記運営者サーバが、前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを変換するとき、
前記第1の時間単位で定められた時間割り当てデータが示す時間長に、任意の時間長を加算または減算して、前記第1の単位時間毎の時刻を複数の選択肢として設定し、
前記複数の選択肢の中から適当な時刻を選んで前記第2の時間割り当て表を作成する、
ことを特徴とする請求項5に記載の時間割り当て管理方法。
【請求項7】
前記第4過程は、
前記第1の単位時間よりも短い第3の単位時間を、新たな第1の単位時間として設定し、
前回作成された前記第2の時間割り当て表を構成する時間割り当てデータを、前記新たな第1の単位時間で定められたデータへ変換する第6過程と、
前記新たな第1の単位時間を用いて新たな前記第2の時間割り当て表を作成する第7過程と、
を含み、
前記第6過程と前記第7過程とを所定回数繰り返したとき、
前記第5過程は、
最後に作成された前記第2の時間割り当て表を送信する、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の時間割り当て管理方法。
【請求項8】
前記第1過程は、
前記通信回線を介して前記運営者サーバへ接続されている、企業の担当者が操作する企業端末から、前記複数のユーザの各勤務条件が前記運営者サーバに設定される第8過程と、
前記運営者サーバが、前記勤務条件に応じて複数の前記ユーザ端末へ勤務希望の提出依頼を示すデータを送信する第9過程と、
を含み、
前記ユーザ端末が、前記企業に勤務する前記ユーザによって操作され、前記時間割り当てデータとして前記ユーザの勤務希望を示すデータを送信し、
前記第2過程は、
前記複数のユーザ端末から送信された前記勤務希望を示す前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを受信し、
前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換し、
前記第3過程は、
前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、複数の前記ユーザの希望に応じた第1のシフト表を作成し、
前記第4過程は、
前記第1のシフト表の中の、前記第2単位時間で定められた時間割り当てデータの変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2のシフト表を作成し、
前記第5過程は、
前記複数のユーザ端末へ前記第2のシフト表を送信する、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の時間割り当て管理方法。
【請求項9】
前記第4過程は、
前記運営者サーバの記憶手段に記憶されている前記第の単位時間に則って想定される各勤務時刻のパターンを用いて、前記第のシフト表を作成する、
ことを特徴とする請求項8に記載の時間割り当て管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、パート、アルバイトの勤務時間等の時間割り当てを管理する時間割り当て管理システムおよび時間割り当て管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パートやアルバイト勤務者(スタッフ)は、勤務日時や勤務時間長などを本人の都合に合わせて働く場合があり、特にシフト制の勤務形態においては、勤務日時や時間帯が、勤務者ごとに多様化している。このような勤務形態に対応するため、次のような技術がある。
【0003】
予め、スタッフ(活動希望者)の登録情報、および、日程決定者の登録情報をサーバに記憶登録させておく。その後、活動希望者が端末からサーバへアクセスし、活動を希望する日程決定者を選択して、活動希望日の開始日時、終了日時、希望強度を入力する。
上記のサーバは、活動希望日等を入力した複数の活動希望者について、各活動希望者が入力した希望強度に応じて登録活動日程を生成し、日程決定者の端末へ通知する。日程決定者が登録活動日程を確認した後、サーバが各活動希望者の端末へ登録活動日程を通知するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、求職者(スタッフ)に、例えば30[分]単位で開始時間ならびに終了時間を入力させるサーバ(システム等)がある(例えば、特許文献2参照)。
このサーバ(システム等)は、求職者を雇用者(企業担当者)に閲覧させ、人手の足らない時間帯を希望している求職者に、雇用者側からアプローチさせて、求職者の希望する時間帯と雇用者の希望する時間帯とをマッチングさせるように処理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-49864号公報
【文献】特許第6474089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、多様な勤務時間長や時間帯などに対応するため、スタッフから勤務時間帯などをサーバ等に入力設定させるとき、設定可能な単位時間の長さを短くすること(詳細に時間を設定すること)が望まれる。
また、例えば、レンタルルーム、カラオケボックス、医療機関等の予約のように、一定の営業(稼働)時間内において、複数のユーザ等の予約を受け付ける場合には、空き時間の発生を抑制するように、詳細に予約時間(時刻、もしくは時間帯、使用時間の長さ等)を設定することが望まれている。
しかしながら、設定可能な単位時間を短くすると、1日(24時間)を細かく分割することになり、処理を行う時間帯の数が多くなる。そのため、例えば勤務シフト等の時間割り当てをサーバ等が行う場合に処理時間が長くなり、至急で勤務シフト表等を作成すること、即ち、速やかに時間割り当て処理を行うことが困難になる。
【0007】
本開示は、上記の問題点を解決するためになされたもので、勤務時間や予約時間等が詳細に設定された場合において、速やかに時間割り当てを処理することができる時間割り当て管理システムおよび時間割り当て管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る時間割り当て管理システムは、ユーザの操作に応じて、該ユーザが希望する時刻、もしくは時間帯、時間長を示す時間割り当てデータを送信するユーザ端末と、複数の前記ユーザ端末と通信回線を介して接続され、前記複数のユーザ端末から送信された第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、複数の前記ユーザに時間割り当てを行う運営者サーバと、を備え、前記運営者サーバは、前記複数のユーザ端末から前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを受信すると、前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第1の単位時間よりも長い第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換し、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、前記複数のユーザの希望に応じた第1の時間割り当て表を作成し、前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2単位時間で定められた時間割り当てデータに所定の変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2の時間割り当て表を作成し、前記複数のユーザ端末へ前記第2の時間割り当て表を送信することを特徴とする。
【0009】
また、前記運営者サーバは、前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを変換するとき、前記第1の時間単位で定められた時間割り当てデータが示す時間長に、任意の時間長を加算または減算して、前記第1の単位時間毎の時刻を複数の選択肢として設定し、前記複数の選択肢の中から適当な時刻を選んで前記第2の時間割り当て表を作成することを特徴とする。
【0010】
また、前記ユーザ端末は、企業に勤務する前記ユーザによって操作され、前記企業の担当者によって操作される企業端末が、前記通信回線を介して前記運営者サーバに接続されており、前記運営者サーバは、前記企業端末によって複数の前記ユーザのそれぞれに設定された勤務条件に応じて、前記複数のユーザ端末へ勤務希望の提出依頼を示すデータを送信し、前記複数のユーザ端末から送信された勤務希望を示す前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを受信し、前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換し、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて第1のシフト表を作成し、前記第1のシフト表の中の、前記第2単位時間で定められた時間割り当てデータの変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2のシフト表を作成し、前記複数のユーザ端末へ前記第2のシフト表を送信することを特徴とする。
【0011】
また、前記運営者サーバは、前記企業端末によって設定された期間、店舗、および、前記店舗に勤務する前記ユーザについて、前記第1のシフト表および前記第2のシフト表を作成することを特徴とする。
【0012】
また、本開示に係る時間割り当て方法は、ユーザ端末が、ユーザの操作に応じて、該ユーザが希望する時間帯ならびに時間長を示す時間割り当てデータを、通信回線を介して運営者サーバへ送信する第1過程と、前記運営者サーバが、複数の前記ユーザ端末から第1の単位時間で定められた前記時間割り当てデータを受信し、前記各第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第1の単位時間よりも長い第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換する第2過程と、前記運営者サーバが、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、複数の前記ユーザの希望に応じた第1の時間割り当て表を作成する第3過程と、前記運営者サーバが、前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータに所定の変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2の時間割り当て表を作成する第4過程と、前記運営者サーバが、前記複数のユーザ端末へ前記第2の時間割り当て表を送信する第5過程と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、前記第4過程は、前記運営者サーバが、前記第1の時間割り当て表の中の、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを変換するとき、前記第1の時間単位で定められた時間割り当てデータが示す時間長に、任意の時間長を加算または減算して、前記第1の単位時間毎の時刻を複数の選択肢として設定し、前記複数の選択肢の中から適当な時刻を選んで前記第2の時間割り当て表を作成することを特徴とする。
【0014】
また、前記第4過程は、前記第1の単位時間よりも短い第3の単位時間を、新たな第1の単位時間として設定し、前回作成された前記第2の時間割り当て表を構成する時間割り当てデータを、前記新たな第1の単位時間で定められたデータへ変換する第6過程と、前記新たな第1の単位時間を用いて新たな前記第2の時間割り当て表を作成する第7過程と、を含み、前記第6過程と前記第7過程とを所定回数繰り返したとき、前記第5過程は、最後に作成された前記第2の時間割り当て表を送信することを特徴とする。
【0015】
また、前記第1過程は、前記通信回線を介して前記運営者サーバへ接続されている、企業の担当者が操作する企業端末から、前記複数のユーザの各勤務条件が前記運営者サーバに設定される第8過程と、前記運営者サーバが、前記勤務条件に応じて複数の前記ユーザ端末へ勤務希望の提出依頼を示すデータを送信する第9過程と、を含み、前記ユーザ端末が、前記企業に勤務する前記ユーザによって操作され、前記時間割り当てデータとして前記ユーザの勤務希望を示すデータを送信し、前記第2過程は、前記複数のユーザ端末から送信された前記勤務希望を示す前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを受信し、前記第1の単位時間で定められた時間割り当てデータを、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータへ変換し、前記第3過程は、前記第2の単位時間で定められた時間割り当てデータを用いて、複数の前記ユーザの希望に応じた第1のシフト表を作成し、前記第4過程は、前記第1のシフト表の中の、前記第2単位時間で定められた時間割り当てデータの変換処理を行い、前記第1の単位時間で定められた第2のシフト表を作成し、前記第5過程は、前記複数のユーザ端末へ前記第2のシフト表を送信することを特徴とする。
【0016】
また、前記第4過程は、前記運営者サーバの記憶手段に記憶されている前記第の単位時間に則って想定される各勤務時刻のパターンを用いて、前記第のシフト表を作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、時刻等を詳細に設定させることを可能にして、勤務に関するシフト割り当てや、予約に関する時間割り当て等を速やかに処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の時間割り当て管理システムに係る実施の一形態である管理システムの概略構成を示す説明図である。
図2図1の管理システムの処理動作を示すシーケンス図である。
図3図1の管理システムが勤務シフト表を作成するための事前準備の処理動作を示すシーケンス図である。
図4図1の管理システムが勤務シフト表を作成するときの処理動作を示すシーケンス図である。
図5図1の管理システムが作成した勤務シフト表を変更するときの処理動作を示すシーケンス図である。
図6】複数の単位時間を用いて勤務に関するシフト表を作成する処理を示したフローチャートである。
図7図1の運営者サーバが行うシフト表の作成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
図1は、本開示の時間割り当て管理システムに係る実施の一形態である管理システム1の概略構成を示す説明図である。図示した管理システム1は、契約を結んだ企業等に情報処理を提供する運営者サーバ2、例えばインターネット等の公衆回線9(通信回線)を介して運営者サーバ2に通信接続される企業端末4およびスタッフ端末8(ユーザ端末)によって構成されている。
【0020】
運営者サーバ2は、管理システム1による情報処理を提供する運営者等が操作する運営者コンソール3と、例えば、公衆回線9を介して通信接続され、運営者コンソール3からの指示、操作等に応じて処理を行うように構成されている。
具体的には、運営者サーバ2は、例えば、それぞれのアプリケーションソフトウエアがインストールされた複数のアプリケーションサーバ10、運営者サーバ2に登録される各情報などを記憶格納するデータベース12、各アプリケーションサーバ10やデータベース12に指示を送り、これらの動作処理を制御するエンジンサーバ11などを備えて構成されている。
運営者コンソール3は、運営者サーバ2の各動作を監視することが可能であり、また、運営者サーバ2の各動作について(例えばエンジンサーバ11に対して)指示を与えることができるように構成された端末装置等である。
【0021】
企業端末4は、前述の運営者と契約を結んだ企業等に属する担当者が所持(操作)する通信端末等であり、例えば、企業の代表者であるシステム管理者Aが所持(操作)するシステム管理者A端末5、企業の代表者以外のシステム管理者Bが所持(操作)するシステム管理者B端末6、勤務シフトを設定(時間割り当て表、もしくはシフト表を作成)するシフト作成者が所持(操作)するシフト作成者端末7を含む総称である。
スタッフ端末8は、前述の企業が経営する店舗などに勤務するスタッフ(ユーザ)が所持(操作)する通信端末等である。なお、スタッフ端末8の所持者であるスタッフは、1つの企業等に勤務するとは限らず、複数の企業等に勤務する者も含まれる。
【0022】
次に動作について説明する。
図2は、図1の管理システム1の処理動作を示すシーケンス図である。この図は、企業端末4(システム管理者A端末5)と運営者サーバ2との間の通信によって行われる、管理システム1を使用するための契約手続きに関する処理を示している。
企業代表者が操作する企業端末4(例えばシステム管理者A端末5)は、運営者サーバ2へアクセスし、管理システム1の利用(契約)申込みを願う旨を通知する(S100)。
運営者サーバ2は、システム管理者A端末5のアクセスに対応して、例えば、システム利用選択URLを通知し(S101)、このシステム利用選択URLにアクセスさせてシステム管理者A(企業代表者)のアカウント登録の手続きを促す。
【0023】
企業代表者が操作するシステム管理者A端末5は、知得したシステム利用選択URLにアクセスして、運営者サーバ2に企業代表者アカウントの登録手続きを行う(S102)。
以下、各端末等の操作を行っている者の名称等の記載を省略する。
システム管理者A端末5は、例えば、システム利用選択URLにアクセスすることによって表示される画面等において、管理システム1の利用経験の有無(アカウント登録の有無)を選択し、アカウント登録が行われていない場合には、新規にアカウントの登録手続きを行う。
ここで、システム管理者A端末5は、アカウント登録とともに、例えば、システム利用規約などの契約内容を承認する旨を運営者サーバ2へ通知する。
運営者サーバ2は、企業代表者のアカウント登録などの処理を行った後、管理システム1の利用(契約)受領を示す情報をシステム管理者A端末5へ通知する(S103)。
【0024】
管理システム1を利用する際に、企業内においてシステム管理者B(企業代表者以外の者)を設ける場合には、システム管理者A端末5は、システム管理者B(システム管理者B端末6)のアカウントを運営者サーバ2に登録する。
また、管理システム1を利用する際に、企業内においてシフト作成者を設ける場合には、システム管理者A端末5は、シフト作成者(シフト作成者端末7)のアカウントを運営者サーバ2に登録する(S104)。なお、企業内において、店舗ごとに勤務シフトの作成を担当するシフト作成者を設けてもよく、例えば、店舗と同数のシフト作成者端末7が登録される場合もある。即ち、運営者サーバ2に接続可能なシフト作成者端末7は、1台に限定されない。
【0025】
図3は、図1の管理システム1が勤務シフト表を作成するための事前準備の処理動作を示すシーケンス図である。この図は、企業代表者(システム管理者A端末5)のアカウント登録を行った後、また、必要に応じてシステム管理者B(システム管理者B端末6)やシフト作成者(シフト作成者端末7)などのアカウント登録を行った後、管理システム1によって勤務シフト表を作成するための事前準備を示している。
【0026】
企業端末4(例えばシフト作成者端末7)は、運営者サーバ2に勤務シフト表の作成を依頼する前に、企業のルール、即ち、企業が所有する全店舗共通の統一ルールを運営者サーバ2に登録する(S200)。
次に、例えばシフト作成者端末7は、店舗情報を運営者サーバ2へ登録する(S201)。
この店舗情報は、例えば、各店舗に定めた独自のルールや、各店舗において定めた勤務ならびに休暇の種別などを表す情報である。また、店舗情報は、各店舗において必要なスタッフの人数(マスタ人数)や、各店舗において設定した特定日、各店舗において必要になるスタッフのスキルなどの情報を含めてもよく、これらの情報のうち、必要な情報を組み合わせて、あるいは、これらの全ての情報によって構成されている。
【0027】
運営者サーバ2は、例えばシフト作成者端末7から送られた店舗情報、即ち、上記の各店舗に定めた独自のルール、勤務ならびに休暇の種別、必要人数、特定日、スキルなどの情報を店舗毎に登録(記憶格納)する(S202)。
この後、例えばシフト作成者端末7は、各店舗に所属のスタッフ(スタッフ端末8)を運営者サーバ2に登録する(S203)。シフト作成者端末7は、必要に応じて、各スタッフに設定する担当業務、スタッフが有しているスキル、応援可能な他の店舗などの情報を、個々のスタッフに関連付けて運営者サーバ2に登録する。
【0028】
この後、例えば、シフト作成者端末7は、各スタッフにアカウント登録を行わせるためのQRコード(登録商標)を各スタッフ端末8に配布する(S204)。
上記のQRコード(登録商標)は、各スタッフに関連する情報の登録が行われた運営者サーバ2が、当該各スタッフに関連する情報に基づいて、各スタッフ端末8へ配布するようにしてもよい。また、シフト作成者などから各スタッフへ、手渡しでQRコード(登録商標)を印刷したタグ等を配布してもよい。
上記のQRコード(登録商標)は、例えば、各スタッフ(各スタッフ端末8)のアカウント登録を行わせるためのURL等が記載されている。
【0029】
QRコード(登録商標)を取得(例えば受信)したスタッフ端末8は、当該QRコード(登録商標)が示すURL等にアクセスし、スタッフ自身(当該スタッフが所持するスタッフ端末8)のアカウントを運営者サーバ2へ登録する(S205)。
なお、上記S200~S204の各過程においては、シフト作成者端末7が行う各処理動作等を、システム管理者A端末5、もしくはシステム管理者B端末6によって行うようにしてもよい。
【0030】
図4は、図1の管理システム1が勤務シフト表を作成するときの処理動作を示すシーケンス図である。この図は、企業端末4(例えばシフト作成者端末7)からの依頼によって運営者サーバ2が各スタッフの勤務シフト表を作成して、スタッフ端末8へ配布する処理動作を示したものである。
前述のように各スタッフ端末8のアカウントを運営者サーバ2に登録させた後、適宜、企業端末4(例えばシフト作成者端末7)から勤務シフト表の作成依頼が運営者サーバ2へ送信される(S300)。
【0031】
シフト作成者端末7は、勤務シフト表の作成を運営者サーバ2に依頼するとき、運営者サーバ2に登録されている各店舗のなかから、勤務シフト表を作成させる店舗を選択し、当該選択した店舗を運営者サーバ2へ通知(登録)する。
また、このとき、シフト作成者端末7は、勤務シフト表を作成する期間、この期間内に予定されているイベント、必要なスタッフ人数の設定、デフォルト設定されているスタッフ人数の修正、各スタッフの指定勤務等に関する情報等の登録処理を、運営者サーバ2に対して行う(S301)。
【0032】
ここで、企業側において、例えば、勤務シフト表の作成期間内にイベントなどが予定されており、イベントに関連する店舗に登録されているスタッフだけでは人数が不足することが分かっている場合には、後述する応援スタッフの勤務を表す応援シフト表を作成する処理動作を行うようにしてもよい(S302)。
シフト作成者端末7は、必要に応じて、例えば、作成した応援シフト表等に対応するように、例えば、後述するS306の過程で作成する勤務シフト表に含まれる各スタッフ、即ち、勤務シフト表を作成する店舗や期間に関連する各スタッフについて、既に運営者サーバ2に登録されている勤務条件の修正を行う(S303)。
【0033】
この後、運営者サーバ2は、勤務シフト表を作成する店舗や期間に関連する各スタッフが所持するスタッフ端末8に、勤務希望の提出依頼を行う(S304)。
このとき、運営者サーバ2は、例えば、シフト作成者端末7から通知された提出期限の日時を含めて、各スタッフ端末8へ勤務希望の提出依頼を通知(送信)するとよい。
勤務希望の提出依頼を受信したスタッフ端末8は、勤務可能、もしくは希望する日時、勤務時間の長さ、時間帯などの勤務希望を示す情報を運営者サーバ2へ提出する(S305)。
【0034】
運営者サーバ2は、前述の勤務条件、各スタッフ端末8から提出された勤務希望を示す情報を用いて、後述する変換処理等を行って勤務シフト表の作成を行う(S306)。
例えば、運営者サーバ2は、作成した勤務シフト表を、システム管理者A端末5、システム管理者B端末6、シフト作成者端末7のいずれか、あるいは全ての端末に対して、閲覧可能に配信する。
運営者サーバ2は、作成した(配信した)勤務シフト表について変更などを要求する情報等がシフト作成者端末7などから届いていなければ、当該勤務シフト表を各スタッフ端末8に配布する(S307)。
【0035】
図5は、図1の管理システム1が作成した勤務シフト表を変更するときの処理動作を示すシーケンス図である。
例えば、シフト作成者が、図4に示したS306の過程で運営者サーバ2が作成した勤務シフト表を、シフト作成者端末7を用いて閲覧し、変更が必要な箇所を発見した場合には、シフト作成者によって操作されたシフト作成者端末7が、例えば、勤務時間の延長や勤務時間帯の変更などを要請する希望変更依頼を運営者サーバ2へ送信する(S400)。
運営者サーバ2は、上記の希望変更依頼を受信すると、S304の過程で勤務希望提出依頼を配布した各スタッフ端末8へ、例えば、勤務時間の延長や勤務時間帯の変更などを要請する希望変更提出依頼を配布(送信)する(S401)。
希望変更提出依頼を受信したスタッフ端末8は、勤務日時、勤務時間長さ、勤務時間帯などを勤務可能な範囲で変更し、変更した内容を示す希望変更に関する情報を運営者サーバ2へ提出(送信)する(S402)。
【0036】
運営者サーバ2は、各スタッフ端末8から送信された希望変更に関する情報を受信すると、当該希望変更に関する情報を用いて勤務シフト表を変更する処理を行う(S403)。
なお、運営者サーバ2が、受信した各スタッフ端末8からの希望変更に関する情報に基づいて勤務シフト表の変更処理を行うとき、運営者コンソール3を閲覧している運営者、または上記の情報処理を行っている運営者サーバ2が、スタッフの人数が不足していると判断した場合には、運営者サーバ2は、例えば、シフト作成者端末7へ、スタッフ人数の不足を示す情報を送信し、新たな勤務シフト表として応援シフト表の作成を促すようにしてもよい。このとき、運営者サーバ2は、例えば、シフト作成者端末7から応援シフト表の作成を承認する旨の情報を受信すると、新たな勤務シフト表として応援シフト表を作成する。
システム管理者A、システム管理者B、シフト作成者のいずれかが、スタッフ人数が不足していると判断したとき、企業端末4から運営者サーバ2へ応援シフト表の作成を依頼するように、管理システム1の処理動作を進行させてもよい。
【0037】
運営者サーバ2は、変更した(新たに作成した)勤務シフト表を、勤務シフトに含まれている各スタッフが所持するスタッフ端末8へ配布する(S404)。
なお、勤務シフト表に大幅な変更が必要な場合には、例えば、運営者サーバ2にリセット処理を行うアプリケーションプログラム(アプリケーションサーバ10)を設けておき、企業端末4からの依頼、または、運営者コンソール3からの指示等に応じて、新たな勤務シフト表を作成するように管理システム1、もしくは運営者サーバ2を構成してもよい。
【0038】
次に運営者サーバ2が勤務シフト表を作成する処理動作を説明する。
図6は、複数の単位時間を用いて勤務に関するシフト表を作成する処理を示したフローチャートである。この図は、整数計画法を用いて、例えば、勤務シフト表(ここでは勤務シフト表を「シフト表」と記載する)を作成する場合の各過程を表している。
【0039】
初めに、例えば、勤務時間等がX[分]単位のデータ(シフト表を作成するための各項目等に関するデータ)によって構成された入力ファイル100を取得し、入力ファイル100を構成する各データを、αi[分]単位のデータに変換する(S1001)。
次に、上記のαi[分]単位のデータを用いて、αi[分]単位のシフト表を作成する(S1002)。ここで、作成したαi[分]単位のシフト表を第1出力ファイル101とする。
次に、第1出力ファイル101を構成する各データ(αi[分]単位のデータ)をβi[分]単位のデータに変換する(S1003)。
なお、上記の各単位時間の長さは、
βi[分]=αi+1[分]、
αi[分]>αi+1[分]≧X[分]である。
【0040】
次に、βi[分]単位のデータを用いてシフト表を作成し(2回目のS1002)、βi[分]単位のシフト表を、新たな第1出力ファイル101とする。
ここで、例えば、i=i+1とし、新たなαi+1を定め、上記の新たな第1出力ファイル101の各データを、新たなβi[分](新たなαi+1[分])単位のデータに変換する(2回目のS1003)。
次に、新たなβi[分]単位のデータを用いてシフト表を作成する(3回目のS1002)。
上記のようにS1002の過程とS1003の過程とを繰り返して、例えば、シフト表をN回作成する。N回目に作成したシフト表を第2出力ファイル102として出力することにより、シフト表の作成処理を終了する。
このように各データの単位時間の長さを変換してシフト表を作成すると、短い単位時間で定められたシフト表を、即ち、処理対象となる時間帯の数が多いシフト表を短時間で作成することが可能になる。
【0041】
図7は、図1の運営者サーバ2が行うシフト表の作成処理を示すフローチャートである。
この図は、各スタッフ端末8から勤務希望などの情報が運営者サーバ2へ送信され、運営者サーバ2が勤務シフト表の作成、勤務シフト表の変更等を行う場合の処理動作を表している。
【0042】
例えば、各スタッフ端末8が操作されて、勤務希望日時、当該勤務希望日時における15[分]単位で設定された勤務時刻(勤務開始時刻、勤務終了時刻など)を示すデータが運営者サーバ2へ送信される。
運営者サーバ2は、適宜、受信した各スタッフの勤務希望日時などを示すデータを整理して、15[分]単位で定められた各データによって構成された入力ファイル200を生成し、これを例えばデータベース12に記憶格納する。
運営者サーバ2は、入力ファイル200を構成する15[分]単位で定められた各データを、30[分]単位で定められた各データに変換する(S1011)。
運営者サーバ2は、30[分]単位で定められた各データを用いて、1回目のシフト表(第1のシフト表)を作成する(S1012)。
【0043】
具体的には、運営者サーバ2は、勤務開始時刻および勤務終了時刻によって定められる時間帯別に、それぞれのスタッフを割り当てた第1のシフト表を作成する。
各スタッフ端末8から取得した勤務希望を示すデータは、15[分]単位で、勤務開始時刻、勤務終了時刻等(即ち、時間帯や時間長さ等)が表現されている。運営者サーバ2は、第1のシフト表を作成する前に、上記のように15[分]単位で定められたデータを、30[分]単位で定められたデータに変換し、このデータを用いて第1のシフト表を作成する。
なお、第1のシフト表を作成する際に、各スタッフの休憩時間を設定し、任意の時間帯における勤務スタッフの人数から、休憩中のスタッフを除くようにしてもよい。
【0044】
運営者サーバ2は、例えば、各スタッフ端末8からそれぞれ送信された勤務希望を示すデータを用いて、勤務希望に関する数理モデル(データ)を生成し、生成した各数理モデルを、例えば、データベース12に記憶格納して入力ファイル200を生成する。
前述の単位時間の変換処理(S1011)、第1のシフト表の作成処理(S1012)、後述する各処理は、運営者サーバ2が数理モデルを処理するものである。
運営者サーバ2で用いられる数理モデルは、例えば、[日付,スタッフ,勤務]の3次元で構成され、0-1整数計画問題として処理することができるものである。
詳しくは、上記の数理モデルは、例えば、「スタッフ」が、「何月何日」に、「何時から何時」まで働くことを、3次元集合[日付,スタッフ,勤務]によって定義したものである。
【0045】
具体的に、上記の数理モデルの一例を用いて説明すると、選択された任意の数理モデルの解が1、選択されなかった任意の数理モデルの解が0となる、例えば変数yを定義する。
このように定義される変数yを用いると、スタッフAが、30日に、10時から12時まで勤務する場合は、次のように記述(表現)される。
y[スタッフA,30日,10~12時]=1
また、スタッフAが、30日に、他の時間帯(例えば12時から15時まで)において勤務できない場合は、次のように記述(表現)される。
y[スタッフA,30日,12~15時]=0
なお、スタッフAが、10~12時の時間帯以外では勤務できない場合には、上記の12~15時を含む他の時間帯(10~12時以外の全ての時間帯)において、解が0となる制約式を設定する。
【0046】
運営者サーバ2は、シフト表の作成処理を行うため、予め、処理対象となる勤務開始時刻および勤務終了時刻をパターン化して、例えばデータベース12に記憶させている。
例えば、スタッフ端末8によって設定される勤務希望の単位時間が15[分]である場合、10時~11時までの勤務時間帯においては、次の10パターンが想定(設定)され、データベース12などに記憶される。
1) 10:00~10:15
2) 10:00~10:30
3) 10:00~10:45
4) 10:00~11:00
5) 10:15~10:30
6) 10:15~10:45
7) 10:15~11:00
8) 10:30~10:45
9) 10:30~11:00
10) 10:45~11:00
【0047】
上記のように単位時間を15[分]とした場合、24時間の勤務時間帯においては、97C2=4656通りの勤務開始時刻および勤務終了時刻のパターンが生じる。これらのパターンに基づいて、例えば、30人のスタッフについて半月分のシフト表を作成すると、概ね20[分]の処理時間を要した場合があった。
運営者サーバ2は、シフト表の作成を速やかに行うため、S1011の過程において、勤務希望に関するデータ(入力ファイル200の各データ)を変換し、各データの単位時間が15[分]単位から30[分]単位となるように変更している。
単位時間を30[分]とした場合、24時間の勤務時間帯において、49C2=1176通りの勤務開始時刻および勤務終了時刻のパターンが生じ、単位時間を15[分]とした場合に比べて1/4に減少する。
【0048】
運営者サーバ2は、S1011の過程において、入力ファイル200の各データを30[分]単位で定められたデータに変換するとき、例えば、勤務開始時刻については15[分]前倒しの時刻に変換し、勤務終了時刻については15[分]後倒しの時刻に変換して、各時刻を30[分]単位で定められた時刻とする。
なお、15[分]単位で定められた各時刻が、30[分]単位で定められた場合と同様な時刻である場合には、上記のような時刻の変換は行われない。
入力ファイル200の各データに、労働時間の長さの上限や下限が設定されている場合には、S1011の過程において、例えば、労働時間長さの下限設定を15[分]短く変換する。また、労働時間長さの上限設定を15[分]長く変換する。
【0049】
運営者サーバ2は、S1012の過程において、上記のように変換された各時刻、各労働時間の上限ならびに下限などに基づいて、それぞれのスタッフに関連する数理モデル(データ)を処理してシフト表を作成する。
なお、図4に示したS301の過程において必要なスタッフ人数が設定されている場合、詳しくは、例えば15[分]単位で定められた各時間帯に、それぞれ異なるスタッフ人数の下限値が設定されている場合には、シフト表を作成する時間帯に設定されているスタッフ人数の各下限値のうち、最も少ない人数の下限値を採用して第1のシフト表を作成する。
また、例えば15[分]単位で定められた各時間帯に、それぞれ異なるスタッフ人数の上限値が設定されている場合には、シフト表を作成する時間帯に設定されているスタッフ人数の各上限値のうち、最も多い人数の上限値を採用して第1のシフト表を作成する。
【0050】
このようにS1012の過程で作成した第1のシフト表を、例えば、第1出力ファイル201としてデータベース12に記憶格納する。
この後、運営者サーバ2は、入力ファイル200の各データを用いて、第1出力ファイル201の各データ(30[分]単位で定められたデータ)を、15[分]単位で定められたデータに変換し(S1013)、当該変換されたデータを用いて第2のシフト表作成を行う(S1014)。
【0051】
第1出力ファイル201の第1のシフト表は、30[分]単位で定められた各データによって構成されている。運営者サーバ2は、S1013の過程において、この30[分]単位で定められたデータを、15[分]単位で定められたデータに変換する。
例えば、図4に示したS301の過程において、指定勤務が登録されている場合には、運営者サーバ2は、当該指定勤務に関連するスタッフについて、第1出力ファイル201に含まれているデータ(30[分]単位で定められたデータ)を、入力ファイル200に含まれているデータ(15[分]単位で定められたデータ)に戻す(変換する)。
また、運営者サーバ2は、S1013の過程において、第1出力ファイル201に含まれている、例えばスタッフ人数や労働時間などに関連するデータ(30[分]単位で定められたデータ)を、入力ファイル200に含まれているスタッフ人数や労働時間などに関連するデータ(15[分]単位で定められたデータ)に戻す(変換する)。
【0052】
また、運営者サーバ2は、S1013の過程において、指定勤務に関連しないスタッフについては、次のように勤務時刻(勤務開始時刻ならびに勤務終了時刻)を変換する。
例えば、任意のスタッフについて、勤務開始時刻が9:00、勤務終了時刻が18:00であることを示すデータが、第1出力ファイル201に含まれている。
このスタッフの勤務時刻(30[分]単位で定められたデータ)を、15[分]単位で定められたデータに変換するとき、労働時間長±30[分]の範囲内において、15[分]単位で定められる全ての勤務時刻(15[分]毎の時刻)を、それぞれ選択肢として設ける。
なお、上記の労働時間長±30[分]の範囲は一例であり、労働状況等に応じて、労働時間長±60[分]の範囲内とする場合もある。即ち、上記のデータ変換を行う場合、労働状況等に応じて±N[分]の時間長範囲を設定しておき、選択肢とする勤務時刻を設ける。
【0053】
例えば、前述のように勤務時刻(第1出力ファイル201に含まれているデータ)が9:00~18:00である場合には、次の選択肢を設定する。
1) 8:30~18:00
2) 8:45~18:00
3) 9:00~17:30
4) 9:00~17:45
5) 9:00~18:00
6) 9:00~18:15
7) 9:00~18:30
8) 9:15~18:00
9) 9:30~18:00
【0054】
運営者サーバ2は、第1出力ファイル201に含まれている各スタッフ(指定勤務に関連しないスタッフ)の勤務時刻について、それぞれ選択肢を設定する(S1013)。次に、これらの選択肢の中から適当なものを選ぶ。また、同様に、第1出力ファイル201に含まれている他のスタッフの勤務時刻について、設定された選択肢の中から適当なものを選ぶ。
なお、選択肢の中から適当なものを選ぶとき、例えば、他のスタッフの勤務時刻との関連や、勤務地(店舗等)における労働状況(他のユーザの時間割り当て等)を考慮して選択するとよい。
運営者サーバ2は、S1013の過程において、第1出力ファイル201を構成するデータ(第1のシフト表)の項目ごとに、入力ファイル200を構成するデータや上記のように予め設定されている選択肢(15[分]単位で定められたデータ)を用いて所定の処理を行い、第1出力ファイル201の30[分]単位で定められたデータ(第1のシフト表を構成しているデータ)を、15[分]単位で定められたデータに変換する。
【0055】
例えば、各スタッフの勤務時間を示すデータについては、上記のように適当な選択肢を選んで(選択肢が示す15[分]単位で定められた勤務時間を用いて)、第1出力ファイル201に含まれている、30[分]単位で定められた勤務時間を示すデータを、15[分]単位で定められた勤務時間を示すデータへ変換する。
このように変換を行って、15[分]単位で定められたデータによって構成された(15[分]単位で定められた)第2のシフト表を作成する(S1014)。
【0056】
即ち、運営者サーバ2は、30[分]単位で定められたデータを用いて、概要となる第1のシフト表を作成し(S1012)、第1のシフト表を構成する各データを15分[分]単位で定められたデータへ変換し(S1013)、第2のシフト表を作成している(S1014)。
なお、上記のように、第1のシフト表を構成するデータを、15[分]単位で定められたデータへ変換するときには、入力ファイル200を構成する各データや予め設定されている選択肢などの15[分]単位で定められたデータを用いている。
【0057】
この後、運営者サーバ2は、S1014の過程で作成したシフト表を第2出力ファイル202としてデータベース12に記憶格納する。
また、運営者サーバ2は、例えば、適宜、データベース12に記憶格納されている第2出力ファイル202(第2のシフト表)を、各スタッフ端末8へ配信し、勤務予定を示すシフト表を各スタッフに配布する。
【0058】
ここで説明した管理システム1は、各スタッフ端末8から送られた15[分]単位で定められたデータを、運営者サーバ2が、30[分]単位で定められたデータへ変換し(S1011)、このデータを用いて第1のシフト表を作成する(S1012)。この後、運営者サーバ2が、第1のシフト表に含まれる各データを15[分]単位で定められたデータへ変換して(S1013)、第2のシフト表を作成する(S1014)。
このようにシフト表に関連する各データを変換することにより、スタッフ端末8などから、勤務に関連する時間等を詳細に設定できるようにした場合でも、運営者サーバ2がシフト表を作成するときの処理時間を速くする(短くする)ことができる。
【0059】
なお、例えば、同一日に15[分]のみ勤務することは、実際には無いと考えられる。また、このような短時間の勤務を含めてシフト表を作成すると、作成に要する処理時間が長くなる。
そこで、例えば、運営者サーバ2において、予め最短の勤務時間について適当な制限を設定しておき、各スタッフ端末8からの勤務希望を取得する際に、短時間の勤務希望を排除するように処理するとよい。
【0060】
本発明の時間割り当て管理システム(管理システム1)は、例えば、S1011の過程において、運営者サーバ2が、各スタッフ端末8から取得した各データ(入力ファイル200の各データ)を、1時間単位で定められたデータへ変換し、このデータを用いて第1のシフト表を作成する(S1012)。この後、第1のシフト表に含まれているデータを、S1013の過程において、30[分]単位で定められたデータへ変換し、S1014の過程において、このデータを用いて第2のシフト表を作成することも可能である。
【0061】
また、例えば、初回のデータ変換において、スタッフ端末8から取得した各データ(入力ファイル200の各データ)を、30[分]単位(第1の単位時間)で定められたデータへ変換して1回目の第1のシフト表を作成する。この後、1回目の第1のシフト表の各データを、15[分]単位時間(第2の単位時間)で定められたデータへ変換し、1回目の第2のシフト表を作成する。
さらに、1回目の第2シフト表の各データを、5[分]単位時間(第3の単位時間、新たな第1の単位時間)で定められたデータへ変換し、2回目の第2のシフト表(新たな第2のシフト表)を作成する等の処理を施し、より詳細な単位時間で設定されたシフト表を作成することも可能である。
即ち、第1の単位時間を新たに短く設定して、前回作成した第2のシフト表を構成する所定データを、上記の新たな第1の単位時間で定められるデータに変換し、当該新たな第1の単位時間で定められるデータを用いて第2のシフト表を作成する過程を繰り返し、十分に短い単位時間で定められた第2のシフト表を作成するようにしてもよい。
【0062】
なお、本開示の時間割り当て管理システムとして、勤務シフトに関する処理を行う管理システム1を例示したが、本発明は、勤務シフトに関する時間割り当てに限定されず、医療機関の予約、レンタルルームやカラオケボックスなどの予約等についても、時間割り当てに関する処理(施設、設備等の使用計画表の作成)を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 管理システム
2 運営者サーバ
3 運営者コンソール
4 企業端末
5 システム管理者A端末
6 システム管理者B端末
7 シフト作成者端末
8 スタッフ端末
9 公衆回線
10 アプリケーションサーバ
11 エンジンサーバ
12 データベース
100,200 入力ファイル
101,201 第1出力ファイル
102,202 第2出力ファイル
【要約】
【課題】勤務時間や予約時間等が詳細に設定された場合において、速やかに時間割り当てを処理することができる時間割り当て管理システムおよび時間割り当て管理方法を提供する。
【解決手段】運営者サーバ2は、スタッフ端末8から勤務希望を示す第1の単位時間で定められたデータを受信すると、このデータを第1の単位時間よりも長い第2の単位時間で定められたデータへ変換し、第2の単位時間で定められたデータを用いて第1のシフト表を作成する。その後、第1の単位時間で定められたデータを用いた所定処理を行って第1のシフト表の各データを変換し、第1の単位時間で定められた第2のシフト表を作成し、スタッフ端末8へ送信する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7