(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20220415BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2020176780
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2020-10-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月15日 楽天証券株式会社のウェブサイト https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20201015-01.html https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/pdf/info20201015-01-01.pdf https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/pdf/info20201015-01-02.pdfにおいて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100216367
【氏名又は名称】水谷 梨絵
(72)【発明者】
【氏名】大津 璃奈
【審査官】石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-009315(JP,A)
【文献】特開2004-139272(JP,A)
【文献】特開2012-141700(JP,A)
【文献】特開2010-044547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の口座への入金を行う際の入金者名義として、該第一の口座の名義、又は該第一の口座の
名義人を管理する立場にある管理者の名義を指定した入金を指示するユーザの入力を受け付ける入力受付部と、
送金元
である第二の口座の名義と送金先の名義とを照合して一致した場合に前
記第二の口座からの送金を実行する送金システムに対して、前記入力受付部によって受け付けられた入金者名義を、前記送金先である前記第一の口座の名義として示して、前記第一の口座への送金を依頼する送金依頼部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記入金者名義として前記
管理者の名義を指定する場合の留意事項を含むメッセージを前記ユーザが確認したことを示す入力を取得する確認取得部を更に備え、
前記送金依頼部は、前記確認取得部によって前記ユーザが確認したことを示す入力が取得された場合に、前記
管理者の名義を、前記送金先の名義として示して、前記第一の口座への送金を依頼する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力受付部によって、前記入金者名義として前記
管理者の名義を指定した前記ユーザの入力が受け付けられた場合に、前記メッセージを出力するメッセージ出力部を更に備え、
前記確認取得部は、前記メッセージ出力部によって出力された前記メッセージを前記ユーザが確認したことを示す入力を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記メッセージは、贈与に関する留意事項、前記第一の口座の名義人の同意に関する留意事項、入金後の資産の帰属に関する留意事項、及び前記第一の口座からの出金に関する留意事項の少なくとも一つを含む、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送金依頼部は、送金依頼を一意に識別可能な識別子を付して前記送金システムに対して送金依頼を送信し、
前記ユーザの端末に対して、前記送金システムにアクセスして前記送金の承認を与えるためのアクセス情報であって、前記送金依頼に係る前記識別子を含むアクセス情報を提供するアクセス情報提供部を更に備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第一の口座毎に、前記管理者の名義を記憶する記憶部と、
前記第一の口座の名義及び前記管理者の名義を、前記入金者名義の選択肢として出力する選択肢出力部とを更に備え、
前記入力受付部は、前記選択肢出力部によって出力された前記選択肢の何れかを選択する前記ユーザの入力を受け付けることで、前記入金者名義の入力を受け付ける、
請求項1から5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第一の口座は、該第一の口座の名義人の管理者の口座に紐付けて開設された口座である、
請求項1から6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記管理者の名義に係る第三の口座における取引が制限されているか否かを確認する制限確認部と、
前記制限確認部によって前記第三の口座における取引が制限されていることが確認された場合に、前記入力受付部による前記入金者名義としての前記管理者の名義の受け付け、又は前記送金依頼部による前記管理者の名義を用いた送金依頼、を制限する制限部と、
を更に備える、
請求項1から7の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
送金依頼に応じた前記送金システムからの送金を受け付ける送金受付部を更に備える、
請求項1から8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第一の口座は証券口座であり、前記第二の口座は銀行口座である、
請求項1から9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
第一の口座への入金を行う際の入金者名義として、該第一の口座の名義、又は該第一の口座の
名義人を管理する立場にある管理者の名義を指定した入金を指示するユーザの入力を受け付ける入力受付部と、
送金元
である第二の口座の名義と送金先の名義とを照合する照合部であって、前記入力受付部によって受け付けられた入金者名義を、前記送金先である前記第一の口座の名義として照合を行う照合部と、
前記照合部による照合の結果、名義が一致した場合に、前
記第二の口座から前記第一の口座への送金を実行する送金部と、
を備える情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータが、
第一の口座への入金を行う際の入金者名義として、該第一の口座の名義、又は該第一の口座の
名義人を管理する立場にある管理者の名義を指定した入金を指示するユーザの入力を受け付ける入力受付ステップと、
送金元
である第二の口座の名義と送金先の名義とを照合して一致した場合に前
記第二の口座からの送金を実行する送金システムに対して、前記入力受付ステップで受け付けられた入金者名義を、前記送金先である前記第一の口座の名義として示して、前記第一の口座への送金を依頼する送金依頼ステップと、
を実行する方法。
【請求項13】
コンピュータを、
第一の口座への入金を行う際の入金者名義として、該第一の口座の名義、又は該第一の口座の
名義人を管理する立場にある管理者の名義を指定した入金を指示するユーザの入力を受け付ける入力受付部と、
送金元
である第二の口座の名義と送金先の名義とを照合して一致した場合に前
記第二の口座からの送金を実行する送金システムに対して、前記入力受付部によって受け付けられた入金者名義を、前記送金先である前記第一の口座の名義として示して、前記第一の口座への送金を依頼する送金依頼部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、口座に入金を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の顧客の口座と家族の口座とを関連させる口座関連情報を記憶する口座関連情報データベースと、口座に付与される特典を関連情報口座間で割振する特典割振情報設定部とを備え、個人で利用可能な個人枠と共有枠の間で特典を顧客が移動できる手段を備える優遇サービス割振システムが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、口座への資金の入金に際して、送金元のシステムによって、送金元の名義と送金先の名義とを照合し、名義が一致する場合にのみ、送金が実行される制限が設定されている場合がある。しかし、必ずしも制限する必要のない入金についても、機械的な名義照合の結果、入金が制限されてしまう場合があり、ユーザの利便性を損なっている。
【0005】
本開示は、上記した問題に鑑み、送金元の名義と送金先の名義とを照合する送金システムを利用して口座への入金を行う場合の、利便性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例は、第一の口座への入金を行う際の入金者名義として、該第一の口座の名義、又は該第一の口座の名義とは異なる名義を指定した入金を指示するユーザの入力を受け付ける入力受付部と、送金元の名義と送金先の名義とを照合して一致した場合に前記送金元である第二の口座からの送金を実行する送金システムに対して、前記入力受付部によって受け付けられた入金者名義を、前記送金先である前記第一の口座の名義として示して、前記第一の口座への送金を依頼する送金依頼部と、を備える情報処理装置である。
【0007】
本開示は、情報処理装置、システム、コンピュータによって実行される方法又はコンピュータに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、送金元の名義と送金先の名義とを照合する送金システムを利用して口座への入金を行う場合の、利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の概略を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。
【
図4】実施形態に係る証券口座への入金処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る証券口座への入金処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】バリエーションに係る証券口座への入金処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】バリエーションに係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。
【
図8】バリエーションに係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
【0011】
本実施形態では、本開示に係る技術を、証券口座を管理するためのシステムにおいて実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る技術は、第二の口座から第一の口座に対して入金するための技術について広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、実施形態において示した例に限定されない。例えば、以下に説明する実施形態では、第一の口座が証券口座であり、第二の口座が銀行口座である例について説明しているが、第一の口座及び第二の口座は、その他の種類の口座であってもよい。また、本実施形態では、第一の口座の名義人の管理者が親権者である例について説明しているが、管理者は、親権者に限定されない。管理者は、第一の口座の名義人を管理する立場にある者であればよく、例えば、後見人やその他の者であってもよい。
【0012】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成を示す概略図である。本実施形態に係るシステムは、ネットワークに接続されることで互いに通信可能な証券口座管理サーバ1と、銀行システム5と、ビリングシステム7と、1又は複数のユーザ端末9とを備える。このうち、証券口座管理サーバ1とユーザ端末9とが証券口座管理システムを構成し、銀行システム5とビリングシステム7とが送金システムを構成する。
【0013】
図2は、本実施形態に係るシステムのハードウェア構成の概略を示す図である。証券口座管理サーバ1は、証券口座を管理するサーバであり、ユーザからの入金開始操作を受けて、当該ユーザが管理する証券口座への入金処理を開始する。証券口座管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、NIC(Network Interface Card)等の通信ユニット、等を備えるコンピュータである。但し、証券口座管理サーバ1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、証券口座管理サーバ1は、単一の筐体からなる装置に限定されない。証券口座管理サーバ1は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0014】
銀行システム5は、証券口座管理サーバ1からの入金リクエストに応じて、銀行システム5によって管理されているユーザの銀行口座から、証券口座管理サーバ1によって管理されているユーザの証券口座への振込(入金)処理を行う。銀行システム5は、証券口座管理サーバ1と同様、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信ユニット等(図示は省略する)を備えるコンピュータである。但し、銀行システム5の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、銀行システム5は、単一の筐体からなる装置に限定されない。銀行システム5は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0015】
ビリングシステム7は、証券口座管理サーバ1と銀行システム5との間の決済を代行するためのシステムである。より具体的には、本実施形態において、ビリングシステム7は、証券口座管理サーバ1から銀行システム5への入金リクエストを中継し、銀行システム5から証券口座管理サーバ1への振込(入金)を中継する。ビリングシステム7は、証券口座管理サーバ1と同様、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信ユニット等(図示は省略する)を備えるコンピュータである。但し、ビリングシステム7の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、ビリングシステム7は、単一の筐体からなる装置に限定されない。ビリングシステム7は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0016】
ユーザ端末9は、ユーザによって使用される端末装置である。ユーザ端末9は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信ユニット、入力装置、出力装置等(図示は省略する)を備えるコンピュータである。但し、ユーザ端末9の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、ユーザ端末9は、単一の筐体からなる装置に限定されない。ユーザ端末9は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。ユーザは、これらのユーザ端末9を介して証券口座管理サーバ1、ビリングシステム7及び銀行システム5によって提供される各種サービスを利用する。
【0017】
従来、証券口座への資金の入金(振込)に際しては、銀行システム5又はビリングシステム7によって、送金元である銀行口座の名義と送金先である証券口座の名義とが照合され、名義が一致する場合にのみ、送金が実行されていた。しかし、従来のシステムでは、例えば親の銀行口座から子の証券口座への入金等、法令諸規則上は必ずしも制限する必要のない入金(振込)についても、機械的な名義照合の結果、入金(振込)エラーとして処理されていた。このため、従来は、一旦証券口座の名義と同一名義の銀行口座に対して資金の贈与(移動)を行ったのち、証券口座への入金を実施する、というような煩雑な作業がユーザに対して強いられていた。
【0018】
このような問題に鑑み、本実施形態に係るシステムでは、入金者の名義を、法令諸規則に反しない所定の制限の下でユーザが指定可能とし、名義の照合を行う送金システム(銀行システム5又はビリングシステム7)に対して、送金先の名義としてユーザに指定された名義を通知することで、銀行システム5又はビリングシステム7における名義照合のエラーを回避することとしている。
【0019】
なお、本実施形態に係るシステムでは、未成年者が証券口座を開設する場合に、必ず1名以上の親権者(住民票や戸籍謄本等の公的な書面によって親子関係が証明された者)を当該証券口座に対して登録しておき、証券口座の名義又は当該親権者(以下、「登録親権者」)の名義のみを入金者の名義として選択可能とし、更に、留意事項を含むメッセージに対してユーザが同意する操作を行った場合にのみ入金処理を進めるようにすることで、上記した所定の制限としている。
【0020】
図3は、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。証券口座管理サーバ1は、証券口座管理サーバ1の記憶装置に記録されているプログラムが、RAMに読み出され、CPUによって実行されて、証券口座管理サーバ1に備えられた各ハードウェアが制御されることで、記憶部21、選択肢出力部22、入力受付部23、メッセージ出力部24、確認取得部25、送金依頼部26、アクセス情報提供部27及び送金受付部28を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、証券口座管理サーバ1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPUによって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。また、これらの機能の一部又は全部は、ユーザ端末9と協働して、証券口座管理システムとして実行されてもよい。
【0021】
記憶部21は、証券口座(第一の口座)の名義人が未成年者である場合、証券口座毎に、当該証券口座の名義人を管理する立場にある登録親権者(管理者)の名義を記憶する。
【0022】
選択肢出力部22は、記憶部21から読み出された証券口座の名義及び登録親権者の名義を、入金者名義の選択肢として出力する。
【0023】
入力受付部23は、証券口座への入金を行う際の入金者名義として、選択肢出力部22によって出力された選択肢の何れかを選択するユーザ入力を受け付けることで、当該証券口座の名義、又は当該証券口座の名義とは異なる名義(本実施形態では、登録親権者の名義)を指定した入金指示のユーザ入力を受け付ける。
【0024】
メッセージ出力部24は、入力受付部23によって、入金者名義として証券口座の名義とは異なる名義を指定したユーザ入力が受け付けられた場合に、所定のメッセージを出力する。ここで出力されるメッセージは、贈与に関する留意事項、証券口座の名義人の同意に関する留意事項、入金後の資産の帰属に関する留意事項、及び証券口座からの出金に関する留意事項の少なくとも一つを含む。贈与に関する留意事項を示すメッセージの例としては、「登録親権者名義の銀行口座からご入金する場合、贈与となります。」というものであってもよく、さらに、「税制に関する詳細は税理士、所轄の税務署にお尋ねください。」、「贈与証明書の発行は当社では行っておりません。」等の内容を含んでもよい。また、証券口座の名義人の同意に関する留意事項を示すメッセージの例としては、「入金に関して、口座開設者(未成年者)の同意を得ています。」というものであってもよい。また、入金後の資産の帰属に関する留意事項を示すメッセージの例としては、「入金後の資金は、口座開設者(未成年者)本人に帰属する資金となります。」というものであってもよい。また、証券口座からの出金に関する留意事項を示すメッセージの例としては、「未成年口座からの出金は、口座開設者(未成年者)宛てのみとなります。」というものであってもよい。
【0025】
確認取得部25は、メッセージ出力部24によって出力された、入金者名義として証券口座の名義とは異なる名義を指定する場合の留意事項を含むメッセージをユーザが確認した(メッセージにユーザが同意した)ことを示す入力を取得する。
【0026】
送金依頼部26は、送金依頼を一意に識別可能な識別子(送金依頼ID)を付して、送金元である銀行口座(第二の口座)からの送金を実行する送金システムに対して、送金依頼(振込依頼)を送信する。この際、送金依頼部26は、送金システムに対して、入力受付部23によって受け付けられた入金者名義を、送金先である証券口座の名義として示して、証券口座への送金を依頼する。即ち、本実施形態に係る送金依頼部26は、確認取得部25によってユーザが確認したことを示す入力が取得された場合に、証券口座の名義とは異なる名義を、送金先である証券口座の名義として示して証券口座への送金を依頼する。
【0027】
アクセス情報提供部27は、送金依頼に際し、ユーザ端末9に対して、送金システムにアクセスして送金の承認を与えるためのアクセス情報を提供する。ここでアクセス情報提供部27によって提供されるアクセス情報は、送金依頼に係る識別子(送金依頼ID)を含む。
【0028】
送金受付部28は、送金依頼に応じた送金システムからの送金を受け付ける。
【0029】
銀行システム5及びビリングシステム7は、銀行システム5及びビリングシステム7の記憶装置に記録されているプログラムが、RAMに読み出され、CPUによって実行されて、銀行システム5及びビリングシステム7に備えられた各ハードウェアが制御されることで、照合部61、送金承認取得部62及び送金部63を備える送金システムとして機能する。後述するフローチャートでは、ビリングシステム7が照合部61として機能し、銀行システム5が送金承認取得部62及び送金部63として機能する例について説明するが、これらの機能は送金側のシステムにおいて実現されていればよく、機能の役割分担は、本実施形態における例示に限定されない。例えば、照合部61は、銀行システム5が備えてもよい。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、各機能は、汎用プロセッサであるCPUによって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0030】
照合部61は、送金元である銀行口座の名義と送金先の名義とを照合する。ここで、照合部61は、入力受付部23によって受け付けられた入金者名義を、送金先の名義として照合を行う。
【0031】
送金承認取得部62は、送金に際して、送金元である銀行口座の名義人から送金の承認を得る。本実施形態では、送金承認取得部62は、アクセス情報提供部27によって提供されたアクセス情報に従って銀行システム5にアクセスしてきたユーザ端末9から、送金の承認を得る。
【0032】
送金部63は、照合部61による照合の結果、名義が一致し、且つ、送金承認取得部62によって、送金元である銀行口座の名義人から送金の承認が得られた場合に、送金元である銀行口座から証券口座への送金を実行する。
【0033】
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る情報処理システムによって実行される処理の流れを説明する。なお、以下に説明する処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0034】
図4及び
図5は、本実施形態に係る、証券口座への入金処理の流れを示すフローチャートである。
図4は、証券口座管理システム(証券口座管理サーバ1及びユーザ端末9)の処理の流れを示し、
図5は、送金システム(ビリングシステム7および銀行システム5)の処理の流れを示す。本フローチャートに示された処理は、証券口座管理サーバ1に予めログインしているユーザのユーザ端末9から、証券口座への入金開始操作が受け付けられたことを契機として実行される。ここで、入金開始操作を行うユーザは、入金の対象である証券口座の名義人本人であってもよいし、入金の対象である証券口座の名義人を管理する立場にある管理者(本実施形態では、証券口座の名義人が未成年者である場合の登録親権者)であってもよい。
【0035】
ステップS101からステップS103では、証券口座への入金処理が開始され、入金に用いる金融機関及び入金額の指定が受け付けられる。証券口座管理サーバ1は、証券口座管理サーバ1にログインしているユーザのユーザ端末9から、証券口座への入金開始操作を受け付けると(ステップS101)、入金に用いる金融機関及び入金額の指定を受け付けるための表示データをユーザ端末9に対して出力し、ユーザ端末9に、金融機関及び入金額を表示させる(ステップS102)。ユーザ端末9は、当該表示を確認したユーザ入力によって指定された金融機関及び入金額を証券口座管理サーバ1に通知し、証券口座管理サーバ1は、ユーザ端末9から通知された金融機関及び入金額のデータを受け付ける(ステップS103)。その後、処理はステップS104へ進む。
【0036】
ステップS104及びステップS105では、入金対象の証券口座に入金する際の入金者名義の指定が受け付けられる。選択肢出力部22は、ログイン中のユーザの証券口座に予め1又は複数の登録親権者が関連づけられて記憶部21に記憶されている場合、これらの登録親権者を全て読み出し、入金対象の証券口座の名義と、読み出された1又は複数の登録親権者とを入金者名義の選択肢として含む選択肢データをユーザ端末9に出力する(ステップS104)。ここで、登録親権者とは、未成年者の名義で証券口座を開設する際に登録される、当該未成年者の親権者であり、未成年者の証券口座は、登録親権者の証券口座に紐付けて開設される。なお、本実施形態では、入金者名義の選択肢として、入金対象の証券口座の名義と、読み出された1又は複数の登録親権者とを出力する例について説明したが、入金者名義の選択肢は、その他の方法で取得されてもよい。例えば、証券口座管理サーバ1が、口座開設の際に登録される登録親権者とは別に、入金者名義として選択可能な1又は複数の名義を予め証券口座に関連づけて記憶部21に記憶しておき、記憶されている1又は複数の名義を選択肢として出力することとしてもよい。
【0037】
ユーザ端末9は、証券口座管理サーバ1から取得した選択肢データに従って入金者名義の選択肢を表示し、ユーザ入力によって選択(指定)された入金者名義を証券口座管理サーバ1に通知する。ユーザ入力による選択(指定)には、例えばラジオボタンやプルダウンメニュー等のインターフェースが用いられてよい。そして、入力受付部23は、ユーザ端末9から通知された入金者名義を受け付ける(ステップS105)。その後、処理はステップS106へ進む。
【0038】
ステップS106からステップS108では、入金者名義が登録親権者の名義である場合に、留意事項の確認処理が実行される。証券口座管理サーバ1及び/又はユーザ端末9は、ステップS105で受け付けられた入金者名義が、当該証券口座について登録されている登録親権者の名義であるか否かを判定する(ステップS106)。ここで、選択された入金者名義が登録親権者の名義ではない(例えば、ログイン中の証券口座と同名義である)と判定された場合、ステップS107及びステップS108の処理はスキップされ、処理はステップS109へ進む。
【0039】
一方、選択された入金者名義が登録親権者の名義である(ログイン中の証券口座の名義と異なる)と判定された場合、メッセージ出力部24は、留意事項を含む所定のメッセージを出力し(ステップS107)、ユーザ端末9に表示させる。ここで、メッセージは、登録親権者の銀行口座から未成年者の証券口座宛ての入金にあたっての留意事項を確認するためのメッセージであり、例えば、贈与に関する留意事項、証券口座の名義人の同意に関する留意事項、入金後の資産の帰属(入金後の資金は証券口座の名義人本人に帰属する資金であることの確認)に関する留意事項、及び証券口座からの出金に関する留意事項の少なくとも何れかを含む。ユーザ端末9は、メッセージを確認し、メッセージの内容に同意したことを示すユーザ入力(例えば、チェックボックスへのチェック操作)を受け付けると、ユーザによってメッセージへの同意が得られたことを証券口座管理サーバ1に通知し、確認取得部25は、ユーザ端末9から送信された同意の通知を取得する(ステップS108)。その後、処理はステップS109へ進む。
【0040】
ステップS109からステップS112では、送金依頼が送信される。送金依頼部26は、送金依頼ID、入金に用いる金融機関、入金額及び送金先証券口座名義の情報を含む送金依頼を、ビリングシステム7に送信する(ステップS109)。ここで、送金依頼IDは、送金依頼を識別するために送金依頼毎に付される一意の識別情報である。また、金融機関及び入金額の情報には、ステップS103で受け付けられた情報が用いられる。なお、送金依頼に含まれる情報は上述した例に限定されず、例えば、入金対象の証券口座の口座番号等が用いられる証券口座識別情報が、送金依頼にさらに含まれてもよい。
【0041】
ここで、送金依頼部26は、送金先証券口座名義の情報として、ステップS105で受け付けられた入金者名義を用いる。即ち、ステップS105において、入金者名義としてログイン中の証券口座と同名義が選択されていた場合、送金依頼部26は、送金先証券口座名義の情報として、ログイン中の証券口座と同名義を送信する。一方、ステップS105において、入金者名義として登録親権者の名義が選択されていた場合、送金依頼部26は、送金先証券口座名義の情報として、登録親権者の名義を送信する。
【0042】
送金依頼を受信したビリングシステム7は、受信した送金依頼のデータ(入金操作データ)をデータベースに記録し(ステップS110)、送金依頼に示された金融機関に対応する銀行システム5に対して、送金依頼ID、入金額及び送金先証券口座名義の情報を含む送金依頼を送信する(ステップS111)。そして、銀行システム5は、送金依頼部26によって送信された、送金依頼ID、入金額及び送金先証券口座名義の情報を含む送金依頼を、ビリングシステム7を介して受信する(ステップS112)。
【0043】
図4のステップS113及び
図5のステップS114では、ユーザ端末9から銀行システム5へのアクセスが行われる。アクセス情報提供部27は、ステップS103で受け付けられた金融機関のサイト(銀行システム5)にアクセスするための情報をユーザ端末9に送信して、当該アクセス先へのアクセスを指示することで(ステップS113)、ユーザ端末9に銀行システム5にアクセスさせ、銀行システム5は、ユーザ端末9からのアクセスを受け付ける(ステップS114)。より具体的には、本実施形態では、アクセス情報提供部27は、対象の銀行システム5にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)としてビリングシステム7のURLをユーザ端末9に送信し、当該URLへのアクセスを指示する。そして、ビリングシステム7は、ユーザ端末9からのアクセスを、ステップS103で受け付けられた金融機関のサイト(銀行システム5)にリダイレクトすることで、ユーザ端末9に、銀行システム5へのアクセスを行わせる。
【0044】
なお、ビリングシステム7のURL及びリダイレクト用URLには、ステップS109で送信された送金依頼に含まれる送金依頼IDと同一のIDが含まれており、銀行システム5は、URLに含まれる送金依頼IDを参照することで、証券口座管理サーバ1から受信した送金依頼と、銀行システム5にアクセスしてきたユーザ端末9とを関連づける。但し、証券口座管理サーバ1から受信した送金依頼と、銀行システム5にアクセスしてきたユーザ端末9とを関連づける方法は本開示における例示に限定されず、その他の方法が採用されてもよい。その後、処理はステップS115へ進む。
【0045】
ステップS115及びステップS116では、銀行システム5へのログイン処理が実行される。証券口座管理サーバ1からの送金依頼及びユーザ端末9からのアクセスを受け付けた銀行システム5は、ネットバンキングアカウントへのログイン画面をユーザ端末9に送信し(ステップS115)、ユーザ端末9からユーザのログインを受け付ける(ステップS116)。なお、ログインのための認証処理の具体的な方法は限定されず、例えば、パスワード認証やトークン認証、生体認証等が用いられてよい。その後、処理はステップS119へ進む。
【0046】
ステップS119からステップS121では、振込(送金)の実行確認が行われる。送金承認取得部62は、ステップS114でアクセスしてきたユーザ端末9に対して、ステップS112で受け付けた送金依頼の内容を確認させるための表示データを送信し、ユーザ端末9に表示させることで、送金元となるログイン中のユーザの銀行口座(以下、「送金元銀行口座」)から送金先証券口座への送金の承認を依頼する(ステップS119)。そして、送金承認取得部62は、ユーザ端末9に表示された送金依頼の内容を確認したユーザの承認操作の入力をユーザ端末9から受信することで、送金元銀行口座から送金先証券口座への送金の承認を取得する(ステップS120)。送金の承認が取得されると、送金部63は、ステップS112で受け付けられた送金依頼ID、入金額及び送金先証券口座名義に従って送金データを作成し、ビリングシステム7に対して送信する(ステップS121)。その後、処理はステップS122へ進む。
【0047】
ステップS122からステップS124では、送金先証券口座名義と送金元銀行口座名義とが照合される。ビリングシステム7は、銀行システム5から送信された送金データを受け付けると(ステップS122)、受け付けられた送金データをデータベースに記録する。そして、ビリングシステム7の照合部61は、ステップS110で受信された送金先証券口座名義と、ステップS122で受信した送金データに含まれる送金元銀行口座名義とを照合する(ステップS123)。より具体的には、本実施形態では、照合部61は、送金先証券口座の所有者名のテキストデータと送金元銀行口座の所有者名のテキストデータとを照合し、同一であるか否かを確認する。但し、照合される情報の種類は、送金先証券口座と送金元銀行口座とが同一の名義に係るものであるかを確認可能なものであればよく、本実施形態における例示に限定されない。照合の結果、送金先証券口座名義と送金元銀行口座名義とが一致していない場合、当該送金はエラーとなり(ステップS124)、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、照合の結果、送金先証券口座名義と送金元銀行口座名義とが一致した場合、処理はステップS125へ進む。
【0048】
図5のステップS125及び
図4のステップS126では、証券口座への入金が実行される。ビリングシステム7は、送金データを証券口座管理サーバ1に対して送信する(ステップS125)。そして、ビリングシステム7によって送信された送金データを送金受付部28が受信し、証券口座に記録することで(ステップS126)、証券口座への入金処理が完了する。なお、受信された送金データに示されている送金先証券口座名義はステップS105で受け付けられた入金者名義であるため、入金されるべき証券口座の名義とは異なる可能性がある。このため、送金受付部28は、送金データに含まれる送金依頼ID及び入金額等の情報を用いて送金依頼と送金データとをマッチングさせ、対応する送金依頼に係る証券口座に対して入金する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0049】
なお、上記説明したフローチャートに含まれる処理の順序及び処理主体は、適宜変更されてよい。例えば、ステップS101からステップS108までに示された処理の順序は、適宜変更することが可能である。また、例えば、ステップS102及びステップS103に示された金融機関/入金額の指定処理や、ステップS104及びステップS105に示された入金者名義の指定処理、ステップS106からステップS108に示された留意事項の確認処理は、予めユーザ端末9にダウンロードされたデータ及びプログラムに従って、ユーザ端末9によって処理されてよい。
【0050】
<効果>
本実施形態に係るシステムによれば、従来入金(振込)エラーとして処理されていた入金処理が、エラーを生じさせることなく実行可能となる。このため、本実施形態に係るシステムによれば、一旦証券口座の名義と同一名義の銀行口座に対して資金の贈与(移動)を行ったのち、証券口座への入金を実施する、というような煩雑な作業が不要となり、顧客利便性を大幅に向上させることが可能となる。
【0051】
<第一のバリエーション>
上記説明した実施形態では、送金先証券口座名義と送金元銀行口座名義との照合を、ビリングシステム7において行う例について説明したが、照合処理は、銀行システム5において実施されてもよいし、銀行システム5及びビリングシステム7の双方で実施されてもよい。
【0052】
図6は、バリエーションに係る証券口座への入金処理の流れを示すフローチャートである。入金処理のうち、証券口座管理システム側で実行される処理の内容は、
図4を参照して説明した入金処理と概略同様であるため、説明を省略する。また、
図6に示された各処理のうち、ステップS110からステップS116の処理は、
図5を参照して説明した処理と概略同様であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。本バリエーションに係る入金処理では、ステップS116においてユーザ端末9からユーザのログインが受け付けられると、ステップS117へ進む。
【0053】
ステップS117及びステップS118では、送金先証券口座名義と送金元銀行口座名義とが照合される。銀行システム5の照合部61は、ステップS112で受信された送金先証券口座名義と、銀行システム5にログインしているユーザが送金(振込)を承認しようとしている銀行口座の名義(即ち、送金元銀行口座名義。通常、送金元銀行口座名義は、ログインしているユーザである。)とを照合する(ステップS117)。照合処理の具体的な内容は、ビリングシステム7において照合が行われる場合と概略同様であるため、説明を省略する。照合の結果、送金先証券口座名義と送金元銀行口座名義とが一致していない場合、当該送金はエラーとなり(ステップS118)、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、照合の結果、送金先証券口座名義と送金元銀行口座名義とが一致した場合、処理はステップS119へ進む。ステップS119以降の処理は、ビリングシステム7における照合処理(ステップS123及びステップS124)が省略されている点を除いて、
図5を参照して説明した処理と概略同様であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
<第二のバリエーション>
また、上記説明した実施形態では、証券口座管理サーバ1と銀行システム5との間の決済をビリングシステム7が中継する例について説明したが、証券口座管理サーバ1と銀行システム5との間の決済はビリングシステム7によって中継されることなく直接行われてもよい。この場合、名義の照合処理は、証券口座管理サーバ1又は銀行システム5において行われる。
【0055】
図7は、バリエーションに係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。本バリエーションに係る情報処理システムは、証券口座管理サーバ1bが照合部31を更に備えることを除き、上記説明した実施形態と概略同様であるため、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。但し、この場合、名義の照合は証券口座管理サーバ1bにおいて実行されるため、送金システム側の照合部61は省略されてもよい。
【0056】
証券口座管理サーバ1bの照合部31は、照合部61と同様、送金元である銀行口座の名義と送金先の名義とを照合する。ここで、照合部31は、入力受付部23によって受け付けられた入金者名義を、送金先の名義とし、送金元である銀行口座の名義を送金システムから取得して、照合を行う。
【0057】
証券口座管理サーバ1bの照合部31が名義の照合を行う場合、
図4のステップS126に相当する処理において、上記実施形態で説明した処理内容に加え、名義の照合処理が追加で実行される。より具体的には、ステップS125でビリングシステム7によって送信された送金データを証券口座管理サーバ1bの送金受付部28が受信すると、証券口座管理サーバ1bの照合部31は、ステップS105で受け付けられた入金者名義を送金先の名義として、送金データに示された送金元銀行口座の名義と照合する。照合処理の具体的な内容は、ビリングシステム7において照合が行われる場合と概略同様であるため、説明を省略する。
【0058】
照合の結果、送金先の名義と送金元の名義とが一致していない場合、証券口座管理サーバ1bは受信された送金データに基づく入金処理をエラー終了し、送金システム(ビリングシステム7又は銀行システム5)に対して送金依頼のキャンセルを通知する。一方、照合の結果、送金先の名義と送金元の名義とが一致した場合、証券口座管理サーバ1bの送金受付部28は、受信された送金データを証券口座に記録し、証券口座への入金処理が完了する。
<第三のバリエーション>
【0059】
また、登録親権者の口座が仮名借名疑義や資金不足等の状態で、未成年者の口座を利用されることを防ぐため、登録親権者の証券口座における取引が制限(ロック)されているか否かを確認することとしてもよい。
【0060】
図8は、バリエーションに係る情報処理システムの機能構成の概略を示す図である。本バリエーションに係る情報処理システムは、証券口座管理サーバ1cが制限管理部29及び制限部30を更に備えることを除き、上記説明した実施形態と概略同様であるため、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
制限確認部29は、登録親権者(管理者)の名義に係る証券口座(第三の口座)における取引が制限されているか否かを確認する。
【0062】
制限部30は、制限確認部29によって登録親権者の証券口座における取引が制限されていることが確認された場合に、入力受付部23による入金者名義としての登録親権者の名義の受け付けを制限する。即ち、登録親権者の証券口座における取引が制限されている場合、入金者名義の選択肢として登録親権者の名義を選択できないようにすることで、登録親権者の銀行口座からは入金できないように制御することが可能である。
【0063】
又は、制限部30は、制限確認部29によって登録親権者の証券口座における取引が制限されていることが確認された場合に、送金依頼部26による登録親権者の名義を用いた送金依頼を制限する。即ち、入金者名義として登録親権者の名義が選択された後に、登録親権者の証券口座における取引が制限されているか否かを確認し、取引が制限されていることが確認された場合、登録親権者の銀行口座から入金不可である旨のエラーメッセージを表示するように制御してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 証券口座管理サーバ
5 銀行システム
7 ビリングシステム
9 ユーザ端末
【要約】
【課題】送金元の名義と送金先の名義とを照合する送金システムを利用して口座への入金を行う場合の、利便性を向上させることを課題とする。
【解決手段】情報処理装置に、第一の口座への入金を行う際の入金者名義として、第一の口座の名義、又は第一の口座の名義とは異なる名義を指定した入金指示のユーザ入力を受け付ける入力受付部と、送金元の名義と送金先の名義とを照合して一致した場合に送金元である第二の口座からの送金を実行する送金システムに対して、入力受付部によって受け付けられた入金者名義を、送金先である第一の口座の名義として示して、第一の口座への送金を依頼する送金依頼部と、を備えた。
【選択図】
図3