(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】インバウンド購入注文のインテリジェントな調整による製品在庫の最適化のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220415BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
(21)【出願番号】P 2020567804
(86)(22)【出願日】2020-09-21
(86)【国際出願番号】 IB2020058780
(87)【国際公開番号】W WO2021069992
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520244544
【氏名又は名称】クーパン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ツァン,グァンヤオ
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,クリストファー
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-534990(JP,A)
【文献】特開2002-183257(JP,A)
【文献】特開2002-133232(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0143669(US,A1)
【文献】特開2007-280401(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110264297(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入注文のインテリジェントな生成のためのコンピュータによって実装されるシステムであって、
命令を格納するメモリと、
少なくとも1つのプロセッサと
を備えており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記命令を実行して、
1つまたは複数の製品識別子に対応している1つまたは複数の製品について、各単位時間における各製品の需要予測数量を含む1つまたは複数の需要予測数量を受け取り、
前記
1つまたは複数の製品の一部に関する1つまたは複数のサプライヤについて、サプライヤ統計データを受け取り、
前記
1つまたは複数の製品の現在の製品在庫レベルおよび現在の注文済み数量を受け取り、
前記需要予測数量、前記サプライヤ統計データ、および前記現在の製品在庫レベルに少なくとも基づいて、前記
1つまたは複数の製品の注文数量を決定し、
フィードフォワードループで更新される1つまたは複数のサプライヤ固有パラメータに基づいて前記注文数量に優先順位を付け、
前記優先順位が付けられた注文数量を1つまたは複数の場所に分配し、
前記分配された注文数量に基づいて、前記
1つまたは複数の製品について前記サプライヤへの購入注文を生成
し、
前記購入注文に応答して受け取った前記1つまたは複数の製品に基づいて前記1つまたは複数のサプライヤ固有パラメータを更新する
ように構成されている、コンピュータによって実装されるシステム。
【請求項2】
前記命令は、前記注文数量を制約することをさらに含み、
第1の製品の第1の注文数量を制約することは、
前記サプライヤのうちの前記第1の製品に対応する一部のサプライヤを特定することと、
前記サプライヤ統計データから、前記一部のサプライヤについて、過去の注文数量および実際に受け取った数量を抽出することと、
前記過去の注文数量に対する前記実際に受け取った数量の平均充足率を決定することと、
前記平均充足率を前記第1の注文数量に適用することと
を含む、請求項1に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項3】
第1の製品の第1の注文数量は、第1の期間にわたる前記第1の製品の需要予測数量の合計および第2の期間にわたる前記第1の製品の安全在庫数量の合計の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項4】
前記注文数量に優先順位を付けることは、
前記製品識別子を1つまたは複数のグループにグループ化することと、
前記注文数量の合計が前記場所のインバウンド能力の合計を超えるかどうかを判断することと、
前記注文数量の合計が前記インバウンド能力の合計を下回るまで前記注文数量を削減することと
を含む、請求項1に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項5】
前記注文数量を削減することは、
現在の製品在庫レベルが正である第1のグループ内の第1の一部の製品の前記注文数量を、ゼロに削減することと、
現在の製品在庫レベルがゼロである第2のグループ内の第2の一部の製品の前記注文数量を、前記需要予測数量に基づいて決定される1つまたは複数の最小数量に削減することと、
現在の在庫レベルが正である前記第2のグループ内の前記第2の一部の製品の前記注文数量を、ゼロに削減することと
を含む、請求項4に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項6】
前記優先順位が付けられた注文数量を分配することは、
前記優先順位が付けられた注文数量を前記場所へと、前記現在の製品在庫レベルに基づいて分配することと、
第1の場所のインバウンド能力を超える数量の超過分を明らかにすることと、
前記数量の超過分を1つまたは複数の残りの場所に移すことと
を含む、請求項1に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項7】
前記数量の超過分を前記残りの場所に移すことは、前記数量の超過分を均等に移すことを含む、請求項6に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項8】
前記数量の超過分を前記残りの場所に移すことは、前記数量の超過分を前記残りの場所の各々にすでに分配された注文数量の比に基づいて移すことを含む、請求項6に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項9】
前記命令は、前記製品のうちの一部について1つまたは複数の手動注文のユーザ入力を受け取ることをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項10】
第1の製品の購入注文を生成することは、
第1のサプライヤを含む前記サプライヤに前記購入注文を送信することと、
前記購入注文に応答した前記第1のサプライヤからの前記製品の1つまたは複数の出荷を受け取ることと、
前記受け取った製品に基づいて前記第1のサプライヤに関する前記サプライヤ統計データを更新することと、
前記更新されたサプライヤ統計データに基づいて前記注文数量を決定するための工程を実行し、新たな注文数量一式を得ることと、
前記新たな注文数量一式に基づいて、前記優先順位付け、分配、および購入注文の生成の工程を実行することと
を含む、請求項1に記載のコンピュータによって実装されるシステム。
【請求項11】
購入注文のインテリジェントな生成のためのコンピュータによって実装される方法であって、
1つまたは複数の製品識別子に対応している1つまたは複数の製品について、各単位時間における各製品の需要予測数量を含む1つまたは複数の需要予測数量を受け取ることと、
前記
1つまたは複数の製品の一部に関する1つまたは複数のサプライヤについて、サプライヤ統計データを受け取ることと、
前記
1つまたは複数の製品の現在の製品在庫レベルおよび現在の注文済み数量を受け取ることと、
前記需要予測数量、前記サプライヤ統計データ、および前記現在の製品在庫レベルに少なくとも基づいて、前記
1つまたは複数の製品の注文数量を決定することと、
フィードフォワードループで更新される1つまたは複数のサプライヤ固有パラメータに基づいて前記注文数量に優先順位を付けることと、
前記優先順位が付けられた注文数量を1つまたは複数の場所に分配することと、
前記分配された注文数量に基づいて、前記
1つまたは複数の製品について前記サプライヤへの購入注文を生成することと
、
前記購入注文に応答して受け取った前記1つまたは複数の製品に基づいて前記1つまたは複数のサプライヤ固有パラメータを更新することと
を含む、コンピュータによって実装される方法。
【請求項12】
前記注文数量を制約することをさらに含み、
第1の製品の第1の注文数量を制約することは、
前記サプライヤのうちの前記第1の製品に対応する一部のサプライヤを特定することと、
前記サプライヤ統計データから、前記一部のサプライヤについて、過去の注文数量および実際に受け取った数量を抽出することと、
前記過去の注文数量に対する前記実際に受け取った数量の平均充足率を決定することと、
前記平均充足率を前記第1の注文数量に適用することと
を含む、請求項11に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項13】
第1の製品の第1の注文数量は、第1の期間にわたる前記第1の製品の需要予測数量の合計および第2の期間にわたる前記第1の製品の安全在庫数量の合計の少なくとも一方を含む、請求項11に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項14】
前記注文数量に優先順位を付けることは、
前記製品識別子を1つまたは複数のグループにグループ化することと、
前記注文数量の合計が前記場所のインバウンド能力の合計を超えるかどうかを判断することと、
前記注文数量の合計が前記インバウンド能力の合計を下回るまで前記注文数量を削減することと
を含む、請求項11に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項15】
前記注文数量を削減することは、
現在の製品在庫レベルが正である第1のグループ内の第1の一部の製品の前記注文数量を、ゼロに削減することと、
現在の製品在庫レベルがゼロである第2のグループ内の第2の一部の製品の前記注文数量を、前記需要予測数量に基づいて決定される1つまたは複数の最小数量に削減することと、
現在の在庫レベルが正である前記第2のグループ内の前記第2の一部の製品の前記注文数量を、ゼロに削減することと
を含む、請求項14に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項16】
前記優先順位が付けられた注文数量を分配することは、
前記優先順位が付けられた注文数量を前記場所へと、前記現在の製品在庫レベルに基づいて分配することと、
第1の場所のインバウンド能力を超える数量の超過分を明らかにすることと、
前記数量の超過分を1つまたは複数の残りの場所に移すことと
を含む、請求項11に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項17】
前記数量の超過分を前記残りの場所に移すことは、前記数量の超過分を前記残りの場所
の各々にすでに分配された注文数量の比に基づいて移すことを含む、請求項16に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項18】
前記製品のうちの一部について1つまたは複数の手動注文のユーザ入力を受け取ることをさらに含む、請求項11に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項19】
第1の製品の購入注文を生成することは、
第1のサプライヤを含む前記サプライヤに前記購入注文を送信することと、
前記購入注文に応答した前記第1のサプライヤからの前記製品の1つまたは複数の出荷を受け取ることと、
前記受け取った製品に基づいて前記第1のサプライヤに関する前記サプライヤ統計データを更新することと、
前記更新されたサプライヤ統計データに基づいて前記注文数量を決定するための工程を実行し、新たな注文数量一式を得ることと、
前記新たな注文数量一式に基づいて、前記優先順位付け、分配、および購入注文の生成の工程を実行することと
を含む、請求項11に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項20】
購入注文のインテリジェントな生成のためのコンピュータによって実装されるシステムであって、
1つまたは複数の製品識別子に対応している1つまたは複数の製品の1つまたは複数の注文履歴および1つまたは複数の需要履歴を格納する第1のデータベースと、
前記
1つまたは複数の製品を保管するように構成された1つまたは複数の倉庫に関連付けられ、前記
1つまたは複数の製品の1つまたは複数の現在の製品在庫レベルおよび1つまたは複数の現在の注文済み数量を格納する第2のデータベースと、
命令を格納するメモリと、
少なくとも1つのプロセッサと
を備えており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記命令を実行し、
前記第1のデータベースからの前記注文履歴および前記需要履歴を使用して、前記製品の1つまたは複数の需要予測数量を決定し、
前記第1のデータベースからの前記注文履歴を使用して、前記製品に関する1つまたは複数のサプライヤについて、該サプライヤおよび前記
1つまたは複数の製品に関する1つまたは複数の充足率を含むサプライヤ統計データを決定し、
前記第2のデータベースから、前記
1つまたは複数の製品の前記現在の製品在庫レベルおよび前記現在の注文済み数量を受け取り、
前記需要予測数量、前記サプライヤ統計データ、および前記現在の製品在庫レベルに少なくとも基づいて、前記製品の注文数量を決定し、
前記充足率に少なくとも基づいて、前記注文数量に優先順位を付け、
前記優先順位が付けられた注文数量を1つまたは複数の場所に分配し、
前記分配された注文数量に基づいて、前記
1つまたは複数の製品について前記サプライヤへの購入注文を生成し、
前記生成された購入注文に応答して、前記倉庫において
前記1つまたは複数の製品を受け取り、
前記受け取った製品に基づいて
フィードフォワードループを用いて前記充足率を決定し、
前記決定された充足率で前記サプライヤ統計データを更新し、
前記更新された充足率に基づいて前記注文数量を決定するための工程を実行して、新たな注文数量一式を得、
前記新たな注文数量一式に基づいて、前記優先順位付け、分配、および購入注文の生成の工程を実行する
ように構成されている、コンピュータによって実装されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くには、入荷する製品に関する購入注文をインテリジェントに調整することによって製品在庫を最適化するためのコンピュータ化された方法およびシステムに関する。とくには、本開示の実施形態は、製品の需要予測のレベルに基づいて推奨注文数量を生成し、現実世界の制約に基づいて製品に優先順位を付け、注文のために製品を複数の場所に分配し、分配された数量について各々の場所の購入注文を生成する独創的な従来にないシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] インターネットの普及に伴い、オンラインショッピングが、商取引の主要な手段の1つになっている。消費者および企業は、これまでよりも頻繁にオンラインベンダーから商品を購入しており、取引数および売上高は、前年比で驚異的な速度で増加すると予測されている。電子商取引の範囲および量が拡大し続けるにつれて、オンラインで入手可能なさまざまな製品の数および所与の期間内で行われる購入の平均数の両方が、指数関数的に増加している。したがって、製品の在庫を維持し、たとえ需要が変動してもアイテムを在庫しておくことが、きわめて重要になっている。
【0003】
[0003] 基本的に、製品の在庫を維持するために、将来の需要を予測し、現在の在庫レベルを確認し、適切な注文数量を決定し、追加の数量を注文または製造することが必要である。多くの先行技術のシステムは、追加の数量を注文するこのプロセスを自動化している。しかしながら、適切な数量を決定するためには、将来の需要を満たすための充分な在庫を維持しつつ、余分または不必要な保管料を防止するために在庫を最小限に抑えるという微妙なバランスが必要である。例えば、事前に充分な製品を注文しないと、在庫がなくなるリスクが生じ、これは収益の損失に直結する。他方で、注文が多すぎると在庫が過剰になり、維持費用が発生し、他のより有利な製品に向けることができるスペースを占有してしまう可能性がある。サプライヤにおいて必要なリードタイムまたは出荷時間も、需要の急増に対応して新たな製品を注文するプロセスをさらに複雑にする。
【0004】
[0004] しかしながら、単に存在する需要と同数の製品を注文したり、安全のために必要以上を注文したりすることは、理想的な解決策ではない。さらに、製品の注文は、受け取り側の処理能力によっても制限される。例えば店舗自体や倉庫など、受け取り側が、所与の期間において受け取り、販売のために在庫に蓄えることができる製品の数について、制約を有する。それにもかかわらず、店舗は、需要を満たすために必要な数の商品を注文することができるが、入荷数量がインバウンド処理能力を超える場合、それらを販売することはできないと考えられる。したがって、適切な数量を決定するプロセスは、製品在庫を絶えず監視し、過去の傾向およびパフォーマンスに基づいて将来の注文のパラメータを調整するフィードフォワードループによってさまざまなパラメータを調整し、インバウンド処理能力を継続的に評価することが必要であるが、これらを人間が実行することは実現不可能であり、効率的でもない。
【0005】
[0005] したがって、複数の場所の各々について製品の適切な注文数量を決定するようにインバウンド購入注文をインテリジェントに調整することによって製品在庫を最適なレベルに保つための改善された方法およびシステムについて、ニーズが存在する。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本開示の一態様は、購入注文のインテリジェントな生成のためのコンピュータによって実装されるシステムに関する。システムは、命令を格納するメモリと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備えることができる。命令は、1つ以上の製品識別子に対応している1つまたは複数の製品について、各単位時間における各製品の需要予測数量を含む1つまたは複数の需要予測数量を受け取ることと、前記製品の一部に関する1つまたは複数のサプライヤについて、サプライヤ統計データを受け取ることと、前記製品の現在の製品在庫レベルおよび現在の注文済み数量を受け取ることと、前記需要予測数量、前記サプライヤ統計データ、および前記現在の製品在庫レベルに少なくとも基づいて、前記製品の注文数量を決定することと、前記注文数量に優先順位を付けることと、前記優先順位が付けられた注文数量を1つまたは複数の場所に分配することと、前記分配された注文数量に基づいて、前記製品について前記サプライヤへの購入注文を生成することとを含むことができる。
【0007】
[0007] 本開示のさらに別の態様は、購入注文のインテリジェントな生成のためのコンピュータによって実装される方法に関する。この方法は、1つ以上の製品識別子に対応している1つまたは複数の製品について、各単位時間における各製品の需要予測数量を含む1つまたは複数の需要予測数量を受け取ることと、前記製品の一部に関する1つまたは複数のサプライヤについて、サプライヤ統計データを受け取ることと、前記製品の現在の製品在庫レベルおよび現在の注文済み数量を受け取ることと、前記需要予測数量、前記サプライヤ統計データ、および前記現在の製品在庫レベルに少なくとも基づいて、前記製品の注文数量を決定することと、前記注文数量に優先順位を付けることと、前記優先順位が付けられた注文数量を1つまたは複数の場所に分配することと、前記分配された注文数量に基づいて、前記製品について前記サプライヤへの購入注文を生成することとを含むことができる。
【0008】
[0008] またさらに、本開示の別の態様は、購入注文のインテリジェントな生成のためのコンピュータによって実装されるシステムに関する。このシステムは、1つまたは複数の製品識別子に対応している1つまたは複数の製品の1つまたは複数の注文履歴および1つまたは複数の需要履歴を格納する第1のデータベースと、前記製品を保管するように構成された1つまたは複数の倉庫に関連付けられ、前記製品の1つまたは複数の現在の製品在庫レベルおよび1つまたは複数の現在の注文済み数量を格納する第2のデータベースと、命令を格納するメモリと、前記命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含むことができる。前記命令は、前記第1のデータベースからの前記注文履歴および前記需要履歴を使用して、前記製品の1つまたは複数の需要予測数量を決定することと、前記第1のデータベースからの前記注文履歴を使用して、前記製品に関する1つまたは複数のサプライヤについて、該サプライヤおよび前記製品に関する1つまたは複数の充足率を含むサプライヤ統計データを決定することと、前記第2のデータベースから、前記製品の前記現在の製品在庫レベルおよび前記現在の注文済み数量を受け取ることと、前記需要予測数量、前記サプライヤ統計データ、および前記現在の製品在庫レベルに少なくとも基づいて、前記製品の注文数量を決定することと、前記充足率に少なくとも基づいて、前記注文数量に優先順位を付けることと、前記優先順位が付けられた注文数量を1つまたは複数の場所に分配することと、前記分配された注文数量に基づいて、前記製品について前記サプライヤへの購入注文を生成することと、前記生成された購入注文に応答して、前記倉庫において製品を受け取ることと、前記受け取った製品に基づいて前記充足率を決定することと、前記決定された充足率で前記サプライヤ統計データを更新することと、前記更新された充足率に基づいて前記注文数量を決定するための工程を実行して、新たな注文数量一式を得ることと、前記新たな注文数量一式に基づいて、前記優先順位付け、分配、および購入注文の生成の工程を実行することとを含むことができる。
【0009】
[0009] 他のシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体も、本明細書で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】[0010]
図1Aは、本開示の実施形態による出荷、輸送、および物流作業を可能にする通信のためのコンピュータ化されたシステムを備えるネットワークの例示的な実施形態を示す概略ブロック図である。
【
図1B】[0011]
図1Bは、本開示の実施形態による検索要求を満たす1つまたは複数の検索結果をインタラクティブなユーザインターフェース要素と共に含む一例の検索結果ページ(SRP)を示している。
【
図1C】[0012]
図1Cは、本開示の実施形態による製品および製品についての情報をインタラクティブなユーザインターフェース要素と共に含む一例の単一表示ページ(SDP)を示している。
【
図1D】[0013]
図1Dは、本開示の実施形態による仮想ショッピングカート内のアイテムをインタラクティブなユーザインターフェース要素と共に含む一例のカートページを示している。
【
図1E】[0014]
図1Eは、本開示の実施形態による仮想ショッピングカートからのアイテムを購入および出荷に関する情報ならびにインタラクティブなユーザインターフェース要素と共に含む一例の注文ページを示している。
【
図2】[0015]
図2は、本開示の実施形態による本開示のコンピュータ化されたシステムを利用するように構成された例示的なフルフィルメントセンタの概略図である。
【
図3】[0016]
図3は、本開示の実施形態による製品在庫を最適レベルに維持するためのコンピュータ化されたシステムを含むネットワーク化された環境の例示的な実施形態を示す概略のブロック図である。
【
図4】[0017]
図4は、本開示の実施形態による製品在庫を最適レベルに維持するためにインバウンド購入注文をインテリジェントに調整するための例示的なコンピュータ化されたプロセスの流れ図である。
【
図5】[0018]
図5は、本開示の実施形態によるユーザが提出した注文数量をシステムが生成した注文数量と組み合わせるための例示的なコンピュータ化されたプロセスの流れ図である。
【
図6】[0019]
図6は、本開示の実施形態による仮注文数量の優先順位付けの結果を示す1対の例示的なグラフである。
【
図7A】[0020]
図7Aは、本開示の実施形態による仮注文数量の優先順位付けのための例示的な一連のルールの表である。
【
図7B】
図7Bは、本開示の実施形態による仮注文数量の優先順位付けのための例示的な一連のルールの表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0021] 以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。可能な限り、図面および以下の説明では、同一または類似の部分を参照するために、同一の参照番号が使用される。いくつかの例示的な実施形態が本明細書で説明されるが、修正、適応、および他の実装が可能である。例えば、置換、追加、または修正が、図面に示された構成要素およびステップに対して行われてもよく、本明細書に記載された例示的な方法は、開示された方法に対するステップの置換、並べ替え、除去、または追加によって修正されてもよい。したがって、以下の詳細な説明は、開示された実施形態および例に限定されない。むしろ、本発明の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0012】
[0022] 本開示の実施形態は、需要および現実世界の制約に基づいて複数の場所からの最適な注文数量を決定することによって製品在庫を最適化するためのコンピュータによって実装されるシステムおよび方法に関する。
【0013】
[0023]
図1Aを参照すると、出荷、輸送、および物流動作を可能にする通信のためのコンピュータ化されたシステムを含むシステムの例示的な実施形態を示す概略ブロック
図100が示されている。
図1Aに示すように、システム100は様々なシステムを含むことができ、その各々は、1つまたは複数のネットワークを介して互いに接続することができる。システムはまた、例えばケーブルを使用して、直接接続を介して互いに接続されてもよい。図示のシステムは、出荷権限技術(SAT)システム101、外部フロントエンドシステム103、内部フロントエンドシステム105、輸送システム107、モバイルデバイス107A、107B、107C、売り手ポータル109、出荷および注文追跡(SOT)システム111、フルフィルメント(履行)最適化(FO)システム113、フルフィルメントメッセージングゲートウェイ(FMG)115、サプライチェーン管理(SCM)システム117、労働力管理システム119、モバイルデバイス119A、119B、119C(フルフィルメントセンタ(FC)200の内部にあるものとして図示)、第三者フルフィルメントシステム121A、121B、121C、フルフィルメントセンタ認証システム(FC認証)123、労働管理システム(LMS)125を含む。
【0014】
[0024] いくつかの実施形態では、SATシステム101は、注文状態および配送状態を監視するコンピュータシステムとして実装されてもよい。例えば、SAT装置101は、注文がその約束配送日(PDD)を過ぎているかどうかを判定し、新しい注文を開始すること、配達されていない注文でアイテムを再出荷すること、配達されていない注文をキャンセルすること、注文カスタマとのコンタクトを開始することなどを含む適切な処置をとることができる。SAT装置101は、出力(特定の期間中に出荷された荷物の数のよう)及び入力(出荷に使用するために受け取った空のボール紙箱の数のよう)を含む他のデータを監視することもできる。また、SATシステム101は、システム100内の異なるデバイス間のゲートウェイとして機能し、外部フロントエンドシステム103およびFOシステム113などのデバイス間の通信(例えば、ストアアンドフォワードまたは他の技術を使用する)を可能にしてもよい。
【0015】
[0025] いくつかの実施形態では、外部フロントエンドシステム103は、外部ユーザがシステム100内の1つまたは複数のシステムと対話することを可能にするコンピュータシステムとして実装することができる。例えば、システム100がシステムの提示を可能にして、ユーザがアイテムのための注文を配置することを可能にする実施形態では、外部フロントエンドシステム103は、検索リクエストを受信し、アイテムページを提示し、決済情報を要請するウェブサーバとして実装されてもよい。例えば、外部フロントエンドシステム103は、アパッチHTTPサーバ、マイクロソフトインターネットインフォメーションサービス、NGINX等のソフトウェアを実行するコンピュータ又はコンピュータとして実施することができる。他の実施形態では、外部フロントエンドシステム103は、外部デバイス(例えば、モバイルデバイス102Aまたはコンピュータ102B)からの要求を受信および処理し、それらの要求に基づいてデータベースおよび他のデータストアから情報を取得し、取得した情報に基づいて受信した要求に対する応答を提供するように設計されたカスタムウェブサーバソフトウェアを実行することができる。
【0016】
[0026] いくつかの実施形態では、外部フロントエンドシステム103は、ウェブキャッシングシステム、データベース、検索システム、または支払いシステムのうちの1つまたは複数を含むことができる。一態様では、外部フロントエンドシステム103は、これらのシステムのうちの1つまたは複数を備えることができ、別の態様では、外部フロントエンドシステム103は、これらのシステムのうちの1つまたは複数に接続されたインターフェース(例えば、サーバ間、データベース間、または他のネットワーク接続)を備えることができる。
【0017】
[0027]
図1B、
図1C、
図1D、および
図1Eによって示される例示的な一組のステップは、外部フロントエンドシステム103のいくつかの動作を説明するのに役立つことができる。外部フロントエンドシステム103は、提示および/またはディスプレイのために、システム100内のシステムまたはデバイスから情報を受け取ることができる。例えば、外部フロントエンドシステム103は、検索結果ページ(SRP)(例えば、
図1B)、単一ディテールページ(SDP)(例えば、
図1C)、カードページ(例えば、
図1D)、または注文ページ(例えば、
図1E)を含む1つ以上のウェブページをホスティングまたは提供することができる。ユーザデバイス(例えば、モバイルデバイス102Aまたはコンピュータ102Bを使用する)は、外部フロントエンドシステム103にナビゲートし、サーチボックスに入力することによってサーチをリクエストすることができる。外部フロントエンドシステム103は、システム100内の1つまたは複数のシステムからリクエストすることができる。例えば、外部フロントエンドシステム103は、検索要求を満たす情報をFOシステム113に要求してもよい。また、外部フロントエンドシステム103は、検索結果に含まれる商品ごとに、約束配送日または「PDD」を(FOシステム113から)リクエストし、受信することもできる。いくつかの実施形態では、PDDは、特定の期間内に、例えば、その日の最後(午後11時59分)までに注文された場合、製品を含む荷物が、いつユーザの所望の場所に到着するか、または製品がユーザの所望の場所に配送されることを約束される日付かのいずれかの推定値を表すことができる(PDDはFOシステム113に関して以下でさらに説明される)。
【0018】
[0028] 外部フロントエンドシステム103は、その情報に基づいてSRP(例えば、
図1B)を準備することができる。SRPは、検索要求を満たす情報を含むことができる。例えば、これは、検索要求を満たす製品の写真を含むことができる。SRPはまた、各製品についてのそれぞれの価格、または各製品についての強化された配送オプション、PDD、重み、規模、オファー、割引などに関する情報を含んでもよい。外部フロントエンドシステム103は、(例えば、ネットワークを介して)要求側ユーザデバイスにSRPを送信することができる。
【0019】
[0029] 次いで、ユーザデバイスは、例えば、ユーザインターフェースをクリックまたはタップすることによって、または別のインプットデバイスを使用して、SRPから製品を選択して、SRP上に表される製品を選択し得る。ユーザデバイスは、選択されたプロダクトに関するリクエストを作成し、それを外部フロントエンドシステム103に送ることができる。これに応じて、外部フロントエンドシステム103は、選択された商品に関する情報をリクエストすることができる。例えば、情報は、それぞれのSRP上の製品について提示される情報を超える追加の情報を含むことができる。これには、例えば、貯蔵寿命、原産国、体重、大きさ、荷物中のアイテムの個数、取扱説明書、または生成物に関する他の事項が含まれ得る。また、情報は、(例えば、この製品および少なくとも1つの他の製品を購入した顧客のビッグデータおよび/または機械学習分析に基づく)類似の製品に対する推奨、頻繁に質問される質問に対する回答、顧客からのレビュー、製造業者情報、写真などを含むことができる。
【0020】
[0030] 外部フロントエンドシステム103は、受信したプロダクトインフォメーションに基づいて、SDP(単一ディテールページ)(例えば、
図1C)を準備することができる。SDPはまた、「今すぐ買う」ボタン、「カードに追加する」ボタン、数量欄、アイテムの写真等のような他の対話型要素を含んでもよい。SDPは、製品を提供する売り手のリストをさらに含むことができる。リストは各売り手が提供する価格に基づいて注文されてもよく、その結果、最低価格で製品を販売することを提案する売り手は最上位にリストされてもよい。リストは、最高ランクの売り手が最上位にリストされるように、売り手ランキングに基づいて注文されてもよい。売り手ランキングは、例えば、約束されたPDDを満たす売り手の過去の実績を含む、複数の要因に基づいて定式化されてもよい。外部フロントエンドシステム103は、(例えば、ネットワークを介して)要求側ユーザデバイスにSDPを配信することができる。
【0021】
[0031] 依頼元ユーザデバイスは、商品情報を記載したSDPを受け取る場合がある。SDPを受信すると、ユーザデバイスはSDPと対話することができる。例えば、要求ユーザデバイスのユーザは、SDP上の「カートに入れる」ボタンをクリックするか、あるいは他の方法で対話することができる。これは、ユーザに関連付けられたショッピングカートに製品を追加する。ユーザデバイスは、このリクエストを送信して、商品をショッピングカートに追加し、外部フロントエンドシステム103に送ることができる。
【0022】
[0032] 外部フロントエンドシステム103は、カートページ(例えば、
図1D)を生成することができる。いくつかの実施形態では、カートページは、ユーザが仮想の「買物かご」に追加した商品をリストし、ユーザデバイスは、SRP、SDP、または他のページ上のアイコンをクリックするか、または他の方法で対話することによって、カートページをリクエストしてもよい。いくつかの実施形態では、カートページは、ユーザがショッピングカートに追加したすべての製品、ならびに各製品の数量、各製品のアイテム当たりの価格、関連する数量に基づく各製品の価格、PDDに関する情報、配送方法、出荷費用、ショッピングカート内の製品を修正するためのユーザインターフェース要素(例えば、数量の削除または修正)、他の製品を注文するかまたは製品の定期的な配送を設定するためのオプション、利息支払いを設定するためのオプション、購入を進めるためのユーザインターフェース要素などのカート内の製品に関する情報を列挙することができる。ユーザデバイスのユーザは、ショッピングカート内の商品の購入を開始するために、ユーザインターフェース要素(例えば、「今すぐ買う」と読むボタン)をクリックするか、または他の方法でユーザインターフェース要素と対話することができる。そうすると、ユーザデバイスは、このリクエストを送信して、外部フロントエンドシステム103への購入を開始することができる。
【0023】
[0033] 外部フロントエンドシステム103は、購入を開始するためのリクエストの受信に応じて、注文ページ(例えば、
図1E)を発生することができる。いくつかの実施形態では、注文ページは、ショッピングカートからのアイテムを再リストし、支払及び出荷に関するインプットを要求する。例えば、注文ページはショッピングカート内のアイテムの購入者に関する情報(例えば、名前、住所、電子メールアドレス、電話番号)、受取人に関する情報(例えば、名前、住所、電話番号、配送情報)、出荷情報(例えば、配送および/または集荷の速度/方法)、支払情報(例えば、クレジットカード、銀行振込、小切手、記憶クレジット)、現金受領を要求するためのユーザインターフェース要素(例えば、税務目的のための)などを要求する区画を含むことができる。外部フロントエンドシステム103は、注文ページをユーザデバイスへ送信することが可能である。
【0024】
[0034] ユーザデバイスは、注文ページに情報を入力し、その情報を外部フロントエンドシステム103に送信するユーザインターフェース要素をクリックするか、または他の方法で対話することができる。そこから、外部フロントエンドシステム103は、ショッピングカート内の製品との新しい注文の作成および加工を可能にするために、システム100内の様々なシステムに情報を送信することができる。
【0025】
[0035] いくつかの実施形態では、外部フロントエンドシステム103は、売り手が注文に関する情報を送受信することを可能にするようにさらに構成されてもよい。
【0026】
[0036] いくつかの実施形態では、内部フロントエンドシステム105は、内部ユーザ(例えば、システム100を所有し、運営し、またはリースする団体の従業員)がシステム100内の1つまたは複数のシステムと対話することを可能にするコンピュータシステムとして実装することができる。例えば、ネットワーク101がシステムの提示を可能にして、ユーザが注文のための注文を配置できるようにする実施形態では、内部ユーザが注文に関する診断および統計情報を見たり、アイテム情報を修正したり、またはアイテムに関する統計を見直したりできるようにする、内部フロントエンドシステム105をウェブサーバとして実装することができる。例えば、内蔵フロントエンドシステム105は、アパッチHTTPサーバ、マイクロソフトインターネットインフォメーションサービス、NGINX等のソフトウェアを実行するコンピュータ又はコンピュータとして実現することができる。他の実施形態では、内蔵フロントエンドシステム105は、システム100に示されるシステムまたはデバイス(ならびに図示されない他のデバイス)からの要求を受信および処理し、それらの要求に基づいてデータベースおよび他のデータストアから情報を取得し、取得された情報に基づいて受信された要求への応答を提供するように設計されたカスタムウェブサーバソフトウェアを実行することができる。
【0027】
[0037] いくつかの実施形態では、内部フロントエンドシステム105は、ウェブキャッシングシステム、データベース、検索システム、支払いシステム、分析システム、注文監視システムなどのうちの1つまたは複数を含むことができる。一態様では、内部フロントエンドシステム105は、これらのシステムのうちの1つまたは複数を備えることができ、別の態様では、内部フロントエンドシステム105は、これらのシステムのうちの1つまたは複数に接続されたインターフェース(たとえば、サーバ間、データベース間、または他のネットワーク接続)を備えることができる。
【0028】
[0038] いくつかの実施形態では、輸送システム107は、システム100内のシステムまたはデバイスとモバイルデバイス107A~107Cとの間の通信を可能にするコンピュータシステムとして実施することができる。いくつかの実施形態では、輸送システム107は、1つまたは複数のモバイルデバイス107A~107C(例えば、携帯電話、スマートフォン、PDAなど)から受信することができる。例えば、いくつかの実施形態では、モバイルデバイス107A~107Cは、配送作業員によって操作されるデバイスを含んでもよい。配送作業員は、正社員、臨時社員、または交替社員であってもよく、モバイルデバイス107A~107Cを利用して、ユーザによって注文された製品を含む荷物の配送を行うことができる。例えば、荷物を配信するために、配送作業員は、どの荷物を配信すべきか、およびそれをどこに配信すべきかを示す通知をモバイルデバイス上で受信することができる。配送位置に到着すると、配送作業員は荷物を(例えば、トラックの後ろに、または荷物の箱に)配置し、モバイルデバイスを使用して荷物上の識別子に関連するデータ(例えば、バーコード、イメージ、文字列、RFIDタグなど)を走査または他の方法で捕捉し、荷物を(例えば、前扉に置いたままにし、警備員を置いたままにし、受信者に渡すなどによって)配信することができる。いくつかの実施形態では、配送作業員は、荷物の写真をキャプチャすることができ、および/またはモバイルデバイスを使用してシグネチャを取得することができる。モバイルデバイスは、例えば、時刻、日付、GPS位置、写真、配送作業員に関連付けられた識別子、モバイルデバイスに関連付けられた識別子などを含む配送に関する情報を含む情報を輸送システム107に送信することができる。輸送システム107は、システム100内の他のシステムによるアクセスのために、この情報をデータベース(図示せず)に記憶することができる。いくつかの実施形態では、輸送システム107は、この情報を使用して、特定の荷物の位置を示す追跡データを準備し、他のシステムに送信することができる。
【0029】
[0039] いくつかの実施形態では、あるユーザが1つの種類のモバイルデバイスを使用することができる(例えば、永久作業員はバーコードスキャナ、スタイラス、および他のデバイスなどのカスタムハードウェアと共に専用のPDAを使用することができる)が、他のユーザは他の種類のモバイルデバイスを使用することができる(例えば、一時的または移動作業員は既製の携帯電話および/またはスマートフォンを利用することができる)。
【0030】
[0040] いくつかの実施形態では、輸送システム107は、ユーザをそれぞれのデバイスに関連付けることができる。例えば、輸送システム107は、ユーザ(例えば、ユーザ識別子、従業員識別子、または電話番号)とモバイルデバイス(例えば、国際移動装置アイデンティティ(IMEI)、国際移動加入識別子(IMSI)、電話番号、汎用一意識別子(UUID)、またはグローバル一意(GUID)によって表される)との間の関連を記憶することができる。輸送システム107は、この関連付けを、配送上で受信されたデータと併せて使用して、とりわけ、作業員の位置、作業員の有効性、または作業員のスピードを決定するために、注文内のデータベースに格納されたデータを分析することができる。
【0031】
[0041] いくつかの実施形態では、売り手ポータル109は、売り手または他の外部エンティティがシステム100内の1つまたは複数のシステムと電子的に通信することを可能にするコンピュータシステムとして実装され得る。例えば、売り手は、コンピュータシステム(図示せず)を利用して、売り手が売り手ポータル109を使用してシステム100を通して売りたい製品について、製品情報、注文情報、連絡先情報などをアップロードまたは提供することができる。
【0032】
[0042] いくつかの実施形態では、出荷および注文追跡システム111は、(例えば、デバイス102A~102Bを使用するユーザによって)顧客によって注文された製品を含む荷物の位置に関する情報を受信し、記憶し、転送するコンピュータシステムとして実装されてもよい。いくつかの実施形態では、出荷および注文追跡装置111は、顧客が注文した製品を含む荷物を配送する出荷会社によって運営されるウェブサーバ(図示せず)からの情報をリクエストまたは記憶することができる。
【0033】
[0043] いくつかの実施形態では、出荷および注文追跡システム111は、システム100に示されたシステムからの情報をリクエストし、記憶することができる。例えば、出荷および注文追跡システム111は、輸送システム107にリクエストすることができる。上述のように、輸送システム107は、ユーザ(例えば、配送作業員)または乗り物(例えば、配送車)のうちの1つまたは複数に関連付けられた1つまたは複数のモバイルデバイス107A~107C(例えば、携帯電話、スマートフォン、PDAなど)から受信することができる。いくつかの実施形態では、出荷および注文追跡システム111は、フルフィルメントセンタ(例えば、フルフィルメントセンタ200)内の個々の製品の位置を決定するために、労働力管理システム(WMS)119にリクエストすることもできる。出荷および注文追跡システム111は、輸送システム107またはWMS119のうちの1つまたは複数からデータを要求し、それを処理し、要求に応じてそれをデバイス(たとえば、ユーザデバイス102Aおよび102B)に提示することができる。
【0034】
[0044] いくつかの実施形態では、フルフィルメント(履行)最適化(FO)システム113は、他のシステム(例えば、外部フロントエンドシステム103および/または出荷および注文追跡システム111)からのカスタマ注文のための情報を記憶するコンピュータシステムとして実装されてもよい。また、FOシステム113は、特定のアイテムがどこに保持されているか、またはどこに記憶されているかを記述する情報を記憶することもできる。たとえば、特定のアイテムは1つのフルフィルメントセンタにのみ格納でき、他の特定のアイテムは複数のフルフィルメントセンタに格納できる。さらに他の実施形態では、特定のフルフィルメントセンタが特定の組のアイテム(例えば、生鮮食品または冷凍食品)のみを格納するように設計されてもよい。FOシステム113は、この情報ならびに関連する情報(例えば、数量、サイズ、受領日、有効期限など)を格納する。
【0035】
[0045] また、FOシステム113は、商品毎に対応するPDD(約束配送日)を計算してもよい。いくつかの実施形態では、PDDは、1つまたは複数の要因に基づくことができる。例えば、FOシステム113は、製品に対する過去の需要(例えば、その製品がある期間中に何回注文されたか)、製品に対する予想需要(例えば、来るべき期間中にその製品を注文するために何人の顧客が予想されるか)、ある期間中にいくつの製品が注文されたかを示すネットワーク全体の過去の需要、来るべき期間中にいくつの製品が注文されることが予想されるかを示すネットワーク全体の予想需要、各フルフィルメントセンタ200に格納された製品の1つ以上のカウント、その製品に対する各製品、予想または現行注文などに基づいて、製品に対するPDDを計算することができる。
【0036】
[0046] いくつかの実施形態では、FOシステム113は、定期的に(例えば、1時間ごとに)商品ごとにPDDを決定し、それを検索または他のシステム(例えば、外部フロントエンドシステム103、SATシステム101、出荷および注文追跡システム111)に送信するためにデータベースに格納することができる。他の実施形態では、FOシステム113は、1つまたは複数のシステム(例えば、外部フロントエンドシステム103、SATシステム101、出荷および注文追跡システム111)から電子要求を受信し、オンデマンドでPDDを計算することができる。
【0037】
[0047] いくつかの実施形態では、フルフィルメントメッセージングゲートウェイ115は、FOシステム113などのシステム100内の1つ以上のシステムから1つのフォーマットまたはプロトコルで要求または応答を受信し、それを別のフォーマットまたはプロトコルに変換し、変換されたフォーマットまたはプロトコルで、WMS119または第三者フルフィルメントシステム121A、121B、または121Cなどの他のシステムに転送するコンピュータシステムとして実装することができる。
【0038】
[0048] いくつかの実施形態では、サプライチェーン管理(SCM)システム117は、予測機能を実行するコンピュータシステムとして実装することができる。例えば、SCMシステム117は、例えば、製品に対する過去の需要、製品に対する予想される需要、ネットワーク全体の過去の需要、ネットワーク全体の予想される需要、各フルフィルメントセンタ200に格納された計数製品、各製品に対する予想または現行注文などに基づいて、特定の製品に対する需要の水準を予測することができる。この予測された水準およびすべてのフルフィルメントセンタにわたるそれぞれの製品の量に応じて、SCMシステム117は、特定の製品に対する予測された需要を満たすのに充分な量を購入し、ストックするための1つまたは複数の購入注文を生成することができる。
【0039】
[0049] いくつかの実施形態では、労働力管理システム(WMS)119は、ワークフローをモニタするコンピュータシステムとして実装されてもよい。例えば、WMS119は、個別イベントを示す個別デバイス(例えば、デバイス107A~107Cまたは119A~119C)からイベントデータを受信することができる。例えば、WMS119は、荷物を走査するためにこれらのデバイスの1つの使用を示すイベントデータを受信してもよい。フルフィルメントセンタ200および
図2に関して以下で論じるように、フルフィルメントプロセス中に、荷物識別子(例えば、バーコードまたはRFIDタグデータ)は特定の段階で機械によってスキャンまたは読み取ることができる(例えば、自動またはハンドヘルドバーコードスキャナ、RFIDリーダ、高速カメラ、タブレット119A、モバイルデバイス/PDA119B、コンピュータ119Cなどのデバイス)。WMS119は荷物識別子、時刻、日時、位置、ユーザ識別子、または他の情報と共に、荷物識別子の走査または読取りを示す各々の事象を対応するデータベース(図示せず)に記憶することができ、この情報を他のシステム(例えば、出荷および注文追跡システム111)に提供することができる。
【0040】
[0050] いくつかの実施形態では、WMS119は、1つまたは複数のデバイス(例えば、デバイス107A~107Cまたは119A~119C)を、システム100に関連付けられた1つまたは複数のユーザに関連付ける情報を記憶してもよい。例えば、いくつかの状況では、ユーザ(パートまたはフルタイムの従業員など)は、ユーザがモバイルデバイスを所有する(例えば、モバイルデバイスがスマートフォンである)という点で、モバイルデバイスに関連付けられてもよい。他の状況では、ユーザは、ユーザが一時的にモバイルデバイスの管理下にある(例えば、ユーザは日の始めにモバイルデバイスを借り、日中にそれを使用し、日の終わりにそれを返す)という点で、モバイルデバイスに関連付けられてもよい。
【0041】
[0051] いくつかの実施形態では、WMS119は、システム100に関連する各ユーザの作業ログを維持することができる。例えば、WMS119は、任意の割り当てられたプロセス(例えば、トラックのアンローディング、ピックゾーンからのアイテムのピッキング、仕分け装置ワーク、パッキングアイテム)、ユーザ識別子、位置(例えば、フルフィルメントセンタ200内のフロアまたはゾーン)、従業員によってシステム内を移動されたユニットの数(例えば、ピックされたアイテムの数、パックされたアイテムの数)、デバイスに関連付けられた識別子(例えば、デバイス119A~119C)などを含む、各従業員に関連付けられた情報を記憶することができる。いくつかの実施形態では、WMS119は、デバイス119A~119C上で動作するタイムキーピングシステムなどのタイムキーピングシステムからチェックインおよびチェックアウト情報を受信することができる。
【0042】
[0052] いくつかの実施形態では、第三者フルフィルメント(3PL)システム121A~121Cは、ロジスティクスおよび製品のサードパーティプロバイダに関連するコンピュータシステムを表す。例えば、(
図2に関して以下に説明するように)いくつかの製品がフルフィルメントセンタ200に格納されている間、他の製品は、オフサイトで格納されてもよく、オンデマンドで生産されてもよく、またはフルフィルメントセンタ200に格納するために利用できなくてもよい。3PLシステム121A~121Cは、FOシステム113から(例えば、FMG115を介して)注文を受信するように構成することができ、製品および/またはサービス(例えば、配送または設置)を顧客に直接的に提供することができる。いくつかの実施形態では、3PLシステム121A~121Cのうちの1つまたは複数がシステム100の一部とすることができ、他の実施形態では、3PLシステム121A~121Cのうちの1つまたは複数がシステム100の外部(例えば、サードパーティプロバイダによって所有または運営される)とすることができる。
【0043】
[0053] いくつかの実施形態では、フルフィルメントセンタ自動システム(FC認証)123は、様々な機能を有するコンピュータシステムとして実装され得る。例えば、いくつかの実施形態では、FC認証123は、システム100内の1つまたは複数の他のシステムのためのシングルサインオン(SSO)サービスとして動作することができる。例えば、FC認証123は、ユーザが内部フロントエンドシステム105を介してログインすることを可能にし、ユーザが出荷および注文追跡系111においてリソースにアクセスするための同様の特権を有していることを決定し、ユーザが2回目のログイン処理を必要とせずにそれらの特権にアクセスすることを可能にしてもよい。他の実施形態では、FC認証123は、ユーザ(例えば、従業員)が自分自身を特定の作業に関連付けることを可能にしてもよい。例えば、従業員の中には、電子デバイス(デバイス119A~119Cなど)を持たない者もいれば、その代わりに、1日の過程中に、フルフィルメントセンタ200内でタスクからタスクへ、およびゾーンからゾーンへ移動してもよい。FC認証123は、それらの従業員は、彼らがどの仕事をしているか、および彼らが様々な時刻にどの区域にいるかを示すことを可能にするように構成されてもよい。
【0044】
[0054] いくつかの実施形態では、労働管理システム(LMS)125は、従業員(フルタイムおよびパートタイムの従業員を含む)のための出勤および残業を記憶するコンピュータシステムとして実装されてもよい。例えば、LMS125は、FC認証123、WMA119、デバイス119A~119C、輸送装置107、及び/又はデバイス107A~107Cから受信することができる。
【0045】
[0055]
図1Aに示される特定の構成は単なる例である。例えば、
図1Aは、FOシステム113に接続されたFC認証システム123を示すが、全ての実施形態がこの特定の構成を必要とするわけではない。実際、いくつかの実施形態では、システム100内のシステムがインターネット、イントラネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)、IEEE 802.11a/b/g/n規格に準拠する無線ネットワーク、専用線などを含む1つまたは複数の公衆またはプライベートネットワークを介して互いに接続され得る。いくつかの実施形態では、システム100内のシステムの1つ以上は、データセンタ、サーバファームなどに実装された1つ以上の仮想サーバとして実装されてもよい。
【0046】
[0056]
図2は、フルフィルメントセンタ200を示す。フルフィルメントセンタ200は、注文時に顧客に出荷するためのアイテムを格納する物理的な場所の実例である。フルフィルメントセンタ(FC)200は、多数のゾーンに分割することができ、その各々を
図2に示す。これらの「ゾーン」はいくつかの実施形態ではアイテムを受け取り、アイテムを保管し、アイテムを取り出し、アイテムを出荷する処理の様々な段階の間の仮想分割と考えることができ、したがって、「ゾーン」は、
図2に示されているが、ゾーンの他の分割も可能であり、いくつかの実施形態では、
図2のゾーンを省略、複製、または修正することができる。
【0047】
[0057] インバウンドゾーン203は、
図1Aの装置100を使用して製品を販売しようとする売り手からアイテムを受け取るFC200の領域を表す。例えば、売り手は、台車201を使用してアイテム202A及び202Bを配送することができる。アイテム202Aはそれ自体の出荷パレットを占有するのに十分な大きさの単一のアイテムを表すことができ、アイテム202Bは、空間を節約するために同じパレット上に一緒に積み重ねられた1組のアイテムを表すことができる。
【0048】
[0058] 作業員は、インバウンドゾーン203でアイテムを受け取り、コンピュータシステム(図示せず)を使用して、アイテムの破損および正当性を任意選択で検査することができる。例えば、作業員は、コンピュータシステムを使用して、アイテム202Aおよび202Bの数量をアイテムの注文数量と比較することができる。数量が合致しない場合、その作業員は、アイテム202Aまたは202Bのうちの1つまたは複数を拒否することができる。数量が一致すれば、作業員はそれらのアイテムを緩衝地帯205まで(例えば、1ドル、ハンドトラック、フォークリフト、手動で)移動させることができる。緩衝ゾーン205は、例えば、予測される需要を満たすのに十分な量のアイテムがピッキングゾーンにあるため、ピッキングゾーンで現在必要とされていないアイテムのための一時保管領域であってもよい。いくつかの実施形態では、フォークリフト206は、緩衝ゾーン205の周り、および入りゾーン203と落下ゾーン207との間でアイテムを移動させるように動作する。ピッキングゾーンにアイテム202Aまたは202Bが必要な場合(例えば、予想される需要のため)、フォークリフトは、アイテム202Aまたは202Bを落下ゾーン207に移動させることができる。
【0049】
[0059] ドロップゾーン207は、アイテムがピッキングゾーン209に移動される前にそれらを保管するFC200の領域であってもよい。ピッキングタスクに割り当てられた作業員(「ピッカー」)は、ピッキングゾーン内のアイテム202Aおよび202Bに接近し、ピッキングゾーンのバーコードをスキャンし、モバイルデバイス(例えば、デバイス119B)を使用してアイテム202Aおよび202Bに関連するバーコードをスキャンすることができる。次いで、ピッカーは、アイテムをピッキングゾーン209まで(例えば、それをカート上に置くか、またはそれを運ぶことによって)取り込むことができる。
【0050】
[0060] ピッキングゾーン209は、アイテム208が保管ユニット210に保管されるFC200の領域であってもよい。いくつかの実施形態では、貯蔵ユニット210は、物理的な棚、本棚、箱、運搬箱、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵庫などのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、ピッキングゾーン209は、複数のフロアに編成されてもよい。いくつかの実施形態では、作業員または機械が例えば、フォークリフト、エレベータ、コンベアベルト、カート、ハンドトラック、台車、自動ロボットもしくはデバイス、または手動を含む多数の方法で、ピッキングゾーン209内にアイテムを移動させることができる。例えば、ピッカーは、アイテム202Aおよび202Bを降下ゾーン207の手押し車または台車に載せ、アイテム202Aおよび202Bをピッキングゾーン209まで歩くことができる。
【0051】
[0061] ピッカーは、保管ユニット210上の特定の空間のようなピッキングゾーン209内の特定のスポットにアイテムを配置する(又は「収納する」)命令を受け取ることができる。例えば、ピッカーは、モバイルデバイス(例えば、デバイス119B)を使用してアイテム202Aを走査することができる。デバイスは、例えば、通路、棚、及び位置を示す装置を使用して、ピッカーがアイテム202Aを収納すべき場所を示すことができる。次に、デバイスは、アイテム202Aをその位置に格納する前に、その位置でバーコードを走査するようにピッカーを促すことができる。デバイスは、(例えば、ワイヤレスネットワークを介して)
図1AのWMS119のようなコンピュータシステムにデータを送信し、アイテム202Aがデバイス119Bを使用してユーザによってその位置に格納されたことを示すことができる。
【0052】
[0062] ユーザが注文を置くと、ピッカーは、保管ユニット210から1つまたは複数のアイテム208を取り出すための命令をデバイス119B上で受け取ることができる。ピッカーは、アイテム208を取り出し、アイテム208上のバーコードを走査し、それを搬送メカニズム214上に置くことができる。搬送機構214は、スライドとして表されているが、いくつかの実施形態では、搬送機構がコンベヤーベルト、エレベータ、カート、フォークリフト、ハンドトラック、台車、カートなどのうちの1つまたは複数として実施することができる。次いで、アイテム208は、充填領域211に到達することができる。
【0053】
[0063] パッキングゾーン211は、アイテムがピッキングゾーン209から受け取られ、最終的に顧客に出荷するためにボックスまたはバッグにパッキングされる、FC200の領域であってもよい。パッキングゾーン211において、受信アイテム(「リビン(rebin)作業員」)に割り当てられた作業員は、ピッキングゾーン209からアイテム208を受信し、それがどの注文に対応するかを決定する。例えば、リビン(rebin)作業員は、アイテム208上のバーコードを走査するために、コンピュータ119Cなどのデバイスを使用することができる。コンピュータ119Cは、どの注文アイテム208が関連付けられているかを視覚的に示すことができる。これは例えば、注文に対応する壁面216上の空間または「セル」を含むことができる。注文が完了すると(例えば、セルが注文のためのすべてのアイテムを含むため)、リビン(rebin)作業員は、注文が完了したことをパッキング作業員(または「パッカー」)に示すことができる。梱包業者は、セルからアイテムを回収し、輸送のために箱または袋に入れることができる。その後、パッカーは、例えば、フォークリフト、カート、ドリー、ハンドトラック、コンベヤーベルトを介して、又は他の方法で、箱又はバッグをハブゾーン213に送ることができる。
【0054】
[0064] ハブゾーン213は、パッキングゾーン211から全てのボックスまたはバッグ(「荷物」)を受け取るFC200の領域であってもよい。ハブゾーン213内の作業員および/またはマシンは、荷物218を検索し、それぞれの荷物が行こうとする配送領域の一部を決定し、荷物を適切なキャンプゾーン215にルーティングすることができる。例えば、配送領域が2つのより小さいサブ領域を有する場合、荷物は2つのキャンプゾーン215のうちの1つに進む。いくつかの実施形態では、作業員またはマシンは、(例えば、デバイス119A~119Cのうちの1つを使用して)荷物を走査して、その最終的な宛先を決定することができる。荷物をキャンプゾーン215にルーティングすることは、例えば、荷物が向けられている地理的エリアの一部を(例えば、郵便番号に基づいて)決定することと、地理的エリアの一部に関連付けられたキャンプゾーン215を決定することとを含むことができる。
【0055】
[0065] いくつかの実施形態では、キャンプゾーン215は、1つまたは複数の建物、1つまたは複数の物理的な空間、または1つまたは複数のエリアを備えることができ、荷物は、ルートおよび/またはサブルートに分類するためにハブゾーン213から受け取られる。いくつかの実施形態では、キャンプゾーン215がFC200から物理的に分離されているが、他の実施形態では、キャンプゾーン215がFC200の一部を形成することができる。
【0056】
[0066] キャンプゾーン215内の作業員および/またはマシンは、例えば、目的地と現存するルートおよび/またはサブルートとの照合、ルートおよび/またはサブルートごとの作業負荷の算出、時刻、出荷方法、荷物220を出荷する費用、荷物220内のアイテムに関連付けられたPDDなどに基づいて、荷物220がどのルートおよび/またはサブルートに関連付けられるべきかを決定することができる。いくつかの実施形態では、作業員またはマシンは、(例えば、デバイス119A~119Cのうちの1つを使用して)荷物を走査して、その最終的な宛先を決定することができる。荷物220が特定のルートおよび/またはサブルートに割り当てられると、作業員および/またはマシンは、出荷される荷物220を移動させることができる。例示的な
図2において、キャンプゾーン215は、トラック222、かご226、および配送作業員224Aおよび224Bを含む。いくつかの実施形態では、トラック222が配送作業員224Aによって駆動されてもよく、配送作業員224AはFC 200の荷物を配信する常勤の従業員であり、トラック222はFC 200を所有し、リースし、または運営する同じ企業によって所有され、リースされ、または運営される。いくつかの実施形態では、自動車226が配送作業員224Bによって駆動されてもよく、ここで、配送作業員224Bは、必要に応じて(例えば、季節的に)送達する「屈曲」または時折の作業員である。自動車226は、配送作業員224Bによって所有され、リースされ、または操作され得る。
【0057】
[0067]
図3は、製品在庫を最適レベルに維持するためのコンピュータ化されたシステムを含むネットワーク化された環境300の例示的な実施形態を示す概略のブロック図である。環境300は、さまざまなシステムを含むことができ、その各々は、1つまたは複数のネットワークを介して互いに接続されてよい。システムは、例えばケーブルを用いた直接接続によって互いに接続されてもよい。図示のシステムは、FOシステム311、FCデータベース312、外部フロントエンドシステム313、サプライチェーン管理システム320、および1つまたは複数のユーザ端末330を含む。FOシステム311および外部フロントエンドシステム313は、設計、機能、または動作において、
図1Aに関して上述したFOシステム113および外部フロントエンドシステム103に類似していてよい。
【0058】
[0068] FCデータベース312は、
図2に関して上述したように、FC200での種々の活動から生じる種々のデータを収集、蓄積、および/または生成する1つまたは複数のコンピュータシステムとして実装され得る。例えば、FCデータベース312に蓄積されるデータは、とりわけ、特定のFC(例えば、FC200)によって取り扱われるすべての製品の製品識別子(例えば、在庫管理ユニット(SKU))、各製品の時間につれての在庫レベル、ならびに各製品の在庫切れイベントの頻度および発生を含み得る。
【0059】
[0069] いくつかの実施形態において、FCデータベース312は、FC A~Cに関連するデータベースを表すFC Aデータベース312A、FC Bデータベース312B、およびFC Cデータベース312Cを含み得る。
図3には、3つのFCおよび対応するFCデータベース312A~Cのみが示されているが、その数はあくまでも例示にすぎず、より多くのFCおよび対応する数のFCデータベースが存在できる。他の実施形態において、FCデータベース312は、すべてのFCからのデータを収集および格納する集中型データベースであり得る。FCデータベース312が個別のデータベース(例えば、312A~C)を含むか、あるいは1つの集中型データベースを含むかにかかわらず、データベースは、クラウドベースのデータベースまたはオンプレミスデータベースを含むことができる。また、いくつかの実施形態において、そのようなデータベースは、1つまたは複数のハードディスクドライブ、1つまたは複数のソリッドステートドライブ、または1つまたは複数の非一時的メモリを含み得る。
【0060】
[0070] サプライチェーン管理システム(SCM)320は、設計、機能、または動作において、
図1Aに関して上述したSCM117と同様であってよい。これに代え、あるいはこれに加えて、SCM320は、本開示の実施形態によるプロセスにて特定の製品の需要のレベルを予測し、1つまたは複数の購入注文を生成するために、FOシステム311、FCデータベース312、および外部フロントエンドシステム313からのデータを集約するように構成されてよい。
【0061】
[0071] いくつかの実施形態において、SCM320は、データサイエンスモジュール321、需要予測生成部322、目標在庫計画システム(TIP)323、インバウンド優先順位付けおよびシャッフリングシステム(IPS)324、手動注文提出プラットフォーム325、購入注文(PO)生成部326、およびレポート生成部327を備える。
【0062】
[0072] いくつかの実施形態において、SCM320は、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のメモリ、および1つまたは複数の入力/出力(I/O)デバイスを備えることができる。SCM320は、サーバ、汎用コンピュータ、メインフレームコンピュータ、グラフィックプロセシングユニット(GPU)などの専用コンピューティングデバイス、ラップトップ、またはこれらのコンピューティングデバイスの任意の組み合わせの形態をとることができる。これらの実施形態において、SCM320の構成要素(すなわち、データサイエンスモジュール321、需要予測生成部322、TIP323、IPS324、手動注文提出プラットフォーム325、PO生成部326、およびレポート生成部327)は、1つまたは複数のメモリに格納された命令に基づいて1つまたは複数のプロセッサによって実行される1つまたは複数の機能ユニットとして実装されてよい。SCM320は、スタンドアロンのシステムであってよく、あるいは、より大きなシステムの一部であってよいサブシステムの一部であってよい。
【0063】
[0073] あるいは、SCM320の構成要素は、ネットワークを介して互いに通信する1つまたは複数のコンピュータシステムとして実装され得る。この実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステムのそれぞれは、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のメモリ(すなわち、非一時的なコンピュータ可読媒体)、および1つまたは複数の入力/出力(I/O)デバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のコンピュータシステムのそれぞれは、サーバ、汎用コンピュータ、メインフレームコンピュータ、GPUなどの専用コンピューティングデバイス、ラップトップ、またはこれらのコンピューティングデバイスの任意の組み合わせの形態をとることができる。
【0064】
[0074] データサイエンスモジュール321は、いくつかの実施形態において、SCM320の他の構成要素による使用のための種々のパラメータまたはモデルを決定するように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、データサイエンスモジュール321は、各製品の需要のレベルを決定する需要予測生成部322によって使用される予測モデルを作成することができる。いくつかの実施形態において、データサイエンスモジュール321は、FOシステム311からの注文情報および外部フロントエンドシステム313からの一瞥ビュー(すなわち、製品のいくつかのウェブページビュー)を検索して、予測モデルをトレーニングし、将来の需要のレベルを予測することができる。注文情報は、時間につれてのアイテムの販売数、プロモーション期間におけるアイテムの販売数、および通常の期間におけるアイテムの販売数などの販売統計を含み得る。データサイエンスモジュール321は、販売統計、一瞥ビュー、季節、曜日、次の休日、などのパラメータに基づいて、予測モデルをトレーニングすることができる。いくつかの実施形態において、データサイエンスモジュール321は、PO生成部326によって生成されたPOによって注文された製品を受け取るときに
図2のインバウンドゾーン203からデータを受け取ることができる。データサイエンスモジュール321は、そのようなデータを使用して、特定のサプライヤの充足率(すなわち、販売可能な状態で受け取られた製品の注文数量に対するパーセンテージ)、推定リードタイムおよび出荷期間、などのさまざまなサプライヤ統計を決定することができる。
【0065】
[0075] 需要予測生成部322は、いくつかの実施形態において、データサイエンスモジュール321によって作成された予測モデルを使用して特定の製品の需要のレベルを予測するように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。より具体的には、予測モデルは、各製品の需要予測数量を出力することができ、需要予測数量は、所与の期間(例えば、1日)に1人または複数の顧客に販売されると予想される製品の具体的な数量である。いくつかの実施形態では、需要予測生成部322は、所定の期間にわたる所与の期間ごとの需要予測数量(例えば、5週間にわたる毎日の需要予測数量)を出力することができる。各々の需要予測数量は、製品在庫レベルの最適化におけるさらなる柔軟性をもたらすために、標準偏差数量(例えば、±5)または範囲(例えば、30という最大値および25という最小値)を含んでもよい。
【0066】
[0076] いくつかの実施形態において、TIP323は、各製品の推奨注文数量を決定するように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。TIP323は、最初に製品の仮注文数量を決定し、仮注文数量を現実世界の制約で制約することにより、推奨注文数量を決定することができる。さらに、いくつかの実施形態において、IPS324は、推奨注文数量に優先順位を付け、優先順位付けされた注文数量を1つまたは複数のFC200へとそれぞれのインバウンド処理能力に基づいて分配するように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。推奨注文数量の決定、優先順位付け、および分配のためのプロセスは、
図4~
図6に関してより詳細に以下で説明される。
【0067】
[0077] 手動注文提出プラットフォーム325は、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の手動注文に関するユーザ入力を受け取るように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。手動注文提出プラットフォーム325は、
図1Aの内部フロントエンドシステム105などの1つまたは複数のコンピューティングデバイスを介してユーザがアクセスできるユーザインターフェースを備え得る。一態様において、手動注文は、ユーザが必要であると考え、仮注文数量、推奨注文数量、優先順位付けされた注文数量、または分配された注文数量の手動調整(例えば、特定の量だけ増やし、あるいは減らす)を可能にすることができる特定の製品の追加の数量を含み得る。別の態様において、手動注文は、SCM320によって決定される注文数量の代わりに、内部ユーザによって決定される注文すべき特定の製品の総数量を含み得る。これらのユーザによって決定された注文数量をSCMによって生成された注文数量と調和させる例示的なプロセスは、
図5に関して以下でさらに詳細に説明される。またさらに、いくつかの実施形態において、ユーザは、手動注文を特定のFCに割り当てることができるように、特定のFCを受け取り場所として指定することができる。いくつかの実施形態においては、手動注文提出プラットフォーム325を介して提出された注文数量の一部分に、それらがTIP323またはIPS324によって調整(すなわち、制約)されることがないように、(例えば、注文数量のその部分に関するパラメータを更新することによって)マークを付け、あるいはフラグを立てることができる。
【0068】
[0078] いくつかの実施形態において、手動注文提出プラットフォーム325は、アパッチHTTPサーバ、マイクロソフトインターネットインフォメーションサービス(IIS)、NGINX、などのソフトウェアを実行する1つまたは複数のコンピュータとして実装され得る。他の実施形態において、手動注文提出プラットフォーム325は、1つまたは複数のユーザ端末330からユーザ入力を受信および処理し、受信したユーザ入力への応答を提供するように設計されたカスタムウェブサーバソフトウェアを実行することができる。
【0069】
[0079] いくつかの実施形態において、PO生成部326は、推奨注文数量またはIPS324による分配の結果に基づいて、1つまたは複数のサプライヤへのPOを生成するように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。SCM320は、この時点までに、追加の在庫を必要とする各々の製品および各々のFC200について推奨注文数量を決定していると考えられ、各々の製品について、その特定の製品を調達または製造して1つまたは複数のFCへと出荷する1つまたは複数のサプライヤが存在する。特定のサプライヤは、1つまたは複数の製品を供給でき、特定の製品は、1つまたは複数のサプライヤによって供給され得る。POを生成するときに、PO生成部326は、サプライヤへと郵送またはファックスされる紙のPO、あるいはサプライヤへと送信される電子POを発行することができる。
【0070】
[0080] レポート生成部327は、いくつかの実施形態において、所定のプロトコルに応答して定期的にレポートを生成し、あるいはユーザ端末330または
図1Aの内部フロントエンドシステム105などを介したユーザ入力に応答してオンデマンドでレポートを生成するように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。レポートは、特定の製品の推奨注文数量などの特定の情報を出力する単純なレポートから、履歴データの分析を必要とし、グラフで視覚化された複雑なレポートまで、さまざまであってよい。より具体的には、レポート生成部327は、TIP323またはIPS324によって実行された調整の各ステップにおいて注文数量が予測数量から最終的な数量へとどのように変化したか、各FC200のインバウンド処理能力がどれだけ利用されたかについての履歴、製品カテゴリごとの予測数量と最終的な数量との間の差(すなわち、現実世界の制限に鑑みて予測数量から減らさなければならなかった数量)、などの情報を含むレポートを生成することができる。
【0071】
[0081] いくつかの実施形態において、ユーザ端末330は、FCで働くユーザなどの内部ユーザが手動注文提出プラットフォーム325またはレポート生成部327を介してSCM320にアクセスできるように構成された1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。ユーザ端末330は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、PDA、などのコンピューティングデバイスの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、内部ユーザは、1つまたは複数の手動注文を提出するために、ユーザ端末330を使用して、手動注文提出プラットフォーム325によって提供されるウェブインターフェースにアクセスすることができる。
【0072】
[0082]
図4が、製品在庫を最適レベルに維持するためにインバウンド購入注文をインテリジェントに調整するための例示的なコンピュータ化されたプロセス400の流れ図である。いくつかの実施形態において、プロセス400は、上述のように、SCM320によって他のネットワーク化されたシステム(例えば、FOシステム311、FCデータベース312、および外部フロントエンドシステム313)からの情報を使用して実行され得る。一態様において、すべてのステップは、TIP323またはIPS324などのSCM320の任意の構成要素によって実行され得る。いくつかの実施形態において、SCM320は、1日1回などの所定の間隔でステップ401~407を繰り返すことができる。またさらに、SCM320は、以前に在庫または販売されたすべての製品または実質的にすべての製品についてプロセス400を実行することができる。各製品に、在庫管理ユニット(SKU)などの一意の製品識別子を関連付けることができる。
【0073】
[0083] ステップ401において、TIP323は、需要予測生成部322から各製品の需要予測数量を受け取ることができる。いくつかの実施形態において、需要予測数量は、数値の表の形態であってよく、そのような表は、一方の次元においてSKUによって整理され、他方の次元において所与の日について販売されると予測されるユニットの数によって整理されている。この表は、標準偏差、最大、最小、平均、などの需要予測数量の他のパラメータに向けられた追加の次元をさらに含んでもよい。あるいは、需要予測数量は、SKUによって整理され、各パラメータに向けられた値の複数のアレイの形態をとることができる。同じデータを整理する他の適切な形態が、技術的に知られているように等しく適用可能であり、本発明の範囲に含まれる。
【0074】
[0084] ステップ402において、TIP323は、データサイエンスモジュール321から、製品を供給する1つまたは複数のサプライヤのサプライヤ統計データを受け取ることができる。サプライヤ統計データは、各々のサプライヤに関連する一連の情報(例えば、上述の充足率)を含み得る。いくつかの実施形態においては、特定のサプライヤについて複数組のサプライヤ統計データが存在でき、各組のデータは、そのサプライヤによって供給される特定の製品に関するデータである。
【0075】
[0085] ステップ403において、TIP323は、FCデータベース312から、各製品の現在の製品在庫レベルおよび現在の注文済み数量をさらに受け取ることができる。現在の製品在庫レベルは、データ検索の時点における特定の製品の瞬間的な数量を指すことができ、現在の注文済み数量は、過去に生成された1つ以上のPOによって注文されて、対応するFCへの配送を待っている特定の製品の合計数量を指すことができる。
【0076】
[0086] ステップ404において、TIP323は、各製品の仮注文数量を決定し、かつさまざまなパラメータに基づいて仮注文数量を減らすことによって、各製品の推奨注文数量を決定することができる。いくつかの実施形態において、特定の製品の仮注文数量は、その製品の需要予測数量、カバレッジ期間、安全在庫期間、現在の在庫レベル、現在の注文済み数量、臨界比、およびケース数量のうちの少なくとも1つの関数であってよい。例えば、TIP323は、式(1)
【数1】
によって仮注文数量を決定することができ、ここで、Q
pは特定の製品の仮注文数量であり、Q
fnは計算の時点からn日目の製品の需要予測数量であり、Q
cは製品の現在の在庫レベルであり、Q
oは現在の注文済み数量であり、P
cはカバレッジ期間であり、P
sは安全在庫期間であり、Cはケース数量である。
【0077】
[0087] 本明細書において使用されるとき、カバレッジ期間は、1つのPOによってカバーされるように計画された時間長(例えば、日数)を指すことができ、安全在庫期間は、需要の急増または配送の遅延などの予期せぬ事象が発生した場合にPOがカバーしなければならない追加の時間長(例えば、追加の日数)を指すことができる。例えば、製品Xの需要予測数量の一例としての以下の表を考えると、D日において生成されたPOのカバレッジ期間は5であってよく、安全在庫期間は1であってよく、この場合、
【数2】
は、37+37+35+40+41+34=224になると考えられる。
【表1】
【0078】
[0088] この数量、すなわち224ユニットの製品Xから、TIP323は、現在の在庫レベル(例えば、60ユニット)および現在の注文済み数量(例えば、40)を差し引くことができ、結果は124ユニットになる。次いで、この数を、ケース数量(すなわち、箱またはパレット内のユニットの数など、製品がパッケージされてもたらされるときのユニットの数)で割り算し、整数に切り上げ、再びケース数量を掛け算することによって、ケース数量の倍数に切り上げることができ、この例では、ケース数量が例えば10であると仮定して、結果は130ユニットになる。
【0079】
[0089] いくつかの実施形態において、カバレッジ期間は、対応するサプライヤがPO生成の日から製品を届けるまでに要すると予想される時間長以上の所定の時間長であってよい。これに加え、あるいはこれに代えて、TIP323は、曜日、予想される遅延、などの他の要因に基づいて、カバレッジ期間を調整することができる。さらに、安全在庫期間は、安全対策として仮注文数量を増やすように設計された別の所定の時間長であってよい。安全在庫期間は、需要の急増または予期せぬ出荷遅延などの不意の事象の場合の在庫切れのリスクを低減することができる。いくつかの実施形態において、TIP323は、カバレッジ期間に基づいて安全在庫期間を設定することができ、例えば、カバレッジ期間が1~3日である場合に、0日の安全在庫期間が追加され、カバレッジ期間が4~6日である場合、1日が追加され、カバレッジ期間が7日を超える場合に、3日が追加される。
【0080】
[0090] 上述の仮注文数量を決定する複雑なプロセスにもかかわらず、仮注文数量は、主に顧客の需要に基づいており、現実世界の制約を考慮していない可能性がある。したがって、製品在庫を最適化するために、このような制約を考慮するためのステップが望まれる。いくつかの実施形態において、TIP323は、販売統計、現在の製品在庫レベル、および現在の注文済み数量などのデータに基づいて仮注文数量を微調整するように構成された一連のルールを使用して、仮注文数量を調整することができる。
【0081】
[0091] 得られた数量、すなわち推奨注文数量を、ステップ405および406において実行される調整などのさらなる調整を伴わずに、PO生成部326に送信することができる。他の実施形態においては、
図6、
図7A、および
図7Bに関して後述されるように、得られた数量を、特定の製品に優先順位を付け、さらには/あるいは数量を1つまたは複数のFCへと分配するために、IPS324によってさらに処理することができる。
【0082】
[0092] ステップ405において、IPS324は、すべてのFCにわたる総インバウンド処理能力など、全国レベルの現実世界の制約に基づいて、推奨注文数量に優先順位を付けることができる。この優先順位付けは、2つの形態をとることができ、一方の形態は、一連のルールを利用し、他方の形態は、ロジスティック回帰モデルを利用する。2つの優先順位付けプロセスの詳細は、
図6、
図7A、および
図7Bに関して以下で説明される。
【0083】
[0093] ステップ406において、IPS324は、各FCのインバウンド処理能力などの地方レベルの制約に基づいて、優先順位付けされた注文数量を1つまたは複数のFCに分配することができる。いくつかの実施形態において、IPS324は、最初に、各FCの各製品の現在の製品在庫レベル、各FCからの特定の製品に対する需要のレベル、などに基づいて、注文数量を各FCに分配することができる。
【0084】
[0094] IPS324がすべての優先順位付けされた注文数量を分配し、各製品の予定配送日を決定すると、FCのうちの1つまたは複数において、特定の日の合計数量が、その特定の日のそのFCのインバウンド処理能力を超える結果となる可能性がある。この場合、IPS324は、数量のうちのインバウンド処理能力を超える量を決定し、対応する数量を、その特定の日のそれぞれのインバウンド処理能力に達していない1つまたは複数の他のFCに移すことができる。この場合、IPS324は、受け側のFCのインバウンド処理能力を結果として超えてしまわない限りにおいて、超過量を任意の適切なやり方で1つまたは複数の他のFCの間で分割することができる。例えば、IPS324は、例えば、超過能力を残りのFC間で均等に分割することができ、各FCの利用可能な能力の比に基づいて、FC間で利用可能な能力の比が同じになる(例えば、すべてのFCがそれぞれのインバウンド処理能力の90%に達する数量を有する)ように分割を行うことができる。いくつかの実施形態において、IPS324は、超過能力のうちのより多くの部分を、能力を超えたFCに最も近いFCに移すことができ、あるいは生じ得る追加の輸送コストを最小化するやり方で各部分を調節することができる。
【0085】
[0095] ステップ407において、PO生成部326は、分配されて各FCに割り当てられた注文数量に基づいて、POを生成することができる。一態様においては、複数のPO生成部326が存在でき、その各々が特定のFCに関連付けられる。この場合、各FCに割り当てられた特定のPO生成部326が、自身のFCへと分配された注文数量について、適切なサプライヤへのPOを生成することができる。別の態様において、PO生成部326は、上述のステップ406において特定の数量の製品がどこに分配されたかに基づいてPOの配送アドレスを変更することによって、すべてのFCのすべてのPOを生成する集中型のシステムの一部であってよい。これら2つの実施形態の組み合わせも可能であり、その場合、2つ以上のPO生成部326が存在でき、その各々が1つまたは複数のFCに関連付けられ、関連付けられたすべてのFCのPOの生成を担当することができる。
【0086】
[0096]
図5は、ユーザが提出した注文数量をシステムが生成した注文数量と組み合わせるための例示的なコンピュータ化されたプロセス500の流れ図である。
図3に関して上述したように、ユーザは、手動注文提出を使用して、任意の製品の1つまたは複数の手動注文を提出することができる。いくつかの実施形態において、手動注文は、需要の予期せぬ急増、サプライヤにおける問題、新製品、などのユーザによる手動注文の提出の理由を説明する1つまたは複数の理由コードを含むことができる。さらに、理由コードは、特定の手動注文が、TIP323によって決定される推奨注文数量に加えて注文されるべき追加の数量を指定しているか、あるいは推奨注文数量の代わりに注文されるべき置き換えの数量を指定しているかを示すことができる。
【0087】
[0097] 特定の手動注文の理由コードが、手動注文によって指定された数量で特定の製品の対応する推奨注文数量を置き換えるべきであると示している場合、IPS324は、特定の手動注文数量(MOQ501)で対応する推奨注文数量(ROQ502)を実際に置き換えるべきかどうかについて、プロセス500を使用することができる。
【0088】
[0098] ステップ503において、IPS324は、手動注文に数量の調整を防止するフラグが立てられているかどうかを判断することができる。フラグが立てられている場合、ステップ505においてROQ502の代わりにMOQ501が使用され、特定の製品の推奨注文数量は、ステップ507においてMOQ501に等しくなるように設定される。
【0089】
[0099] ステップ503における判断が否である場合、IPS324は、ROQ502がMOQ501よりも多いか否かをさらに判断することができる。否である(すなわち、MOQ501がROQ502よりも多い)場合、ステップ505においてROQ502の代わりにMOQ501が使用され、特定の製品の推奨注文数量は、ステップ507においてMOQ501に等しくなるように設定される。ステップ504における判断が肯定である(すなわち、ROQ502がMOQ501よりも多い)場合、ステップ506においてMOQ501の代わりにROQ502が使用され、ステップ507において特定の製品の推奨注文数量は変更されない。
【0090】
[0100]
図6が、仮注文数量に優先順位を付けた結果を示す1対の例示的なグラフであり、グラフ600Aは、
図4のステップ405におけるIPS324による優先順位付けの前の注文数量を示し、グラフ600Bは、優先順位付けの後の注文数量を示している。
【0091】
[0101] グラフ600Aおよび600Bを全体的に参照すると、IPS324は、特定の日付、すなわち受け取り日(D日)に関する製品の総数量をシミュレートすることができ、これは、その日付に届けられるようにスケジュールされ、あるいはその日付の需要を満たすために必要になると判断される製品の数量(例えば、推奨注文数量)を含むことができる。このシミュレーションは、受け取り日よりも所定の日数だけ前の日(すなわち、シミュレーション日またはD-X)に行われ得る。受け取り日に関して、対応するインバウンド処理能力FC A cap601、FC B cap602、およびFC C cap603を有する1つまたは複数のFC(例えば、FC A~C)が存在し得る。各FCのインバウンド処理能力は、FCの作業員の数、利用可能な保管スペース、などといったいくつかの要因に基づき得る。
図6には3つのFCだけが示されているが、この数はあくまでも例示にすぎず、IPS324は、必要に応じてより多数またはより少数のFCを考慮することができる。すべてのインバウンド処理能力の合計が、合計インバウンド処理能力604を規定し得る。この能力を超える製品の数量は、対応するFCによる処理がスケジュールどおりの販売に間に合わないかもしれない。
【0092】
[0102] グラフ600Aを参照すると、受け取り日に関する製品の合計数量は、本明細書において合計ROQ(D-1)611Aと称される受け取り日の前の日(すなわち、D-1)について決定されたすべての推奨注文数量(ROQ)の合計、本明細書において合計ROQ(D)612Aと称される受け取り日について決定されたすべてのROQの合計、および本明細書において合計オープンPO613と称される受け取り日に届けられるようにスケジュールされたすべてのオープン購入注文の合計を少なくとも含み得る。いくつかの実施形態において、合計数量は、該当する場合、製品の一部についての数量の全部または一部を例外として除外することができる。
【0093】
[0103] しかしながら、合計数量は、サプライヤによって届けられた製品の一部が販売不可能(例えば、破損、紛失、欠陥、など)である可能性があるため、受け取り日に関する製品の正確な推定でない可能性がある。したがって、IPS324は、数量のより現実的な推定を得るために、合計数量に充足率を適用することができる。本明細書において使用されるとき、充足率は、サプライヤ統計データの一部としてデータサイエンスモジュール321から決定されるパラメータであり得る。いくつかの実施形態において、充足率は、注文数量に対する販売可能な状態で受け取った製品のパーセンテージに基づくことができる。例えば、特定のサプライヤが供給する特定の製品について60%という充足率は、平均で、そのサプライヤによって届けられる製品の60%のみが販売可能な状態で到着することを示す。いくつかの実施形態において、充足率は、とりわけ、製品の脆弱性(例えば、傷みやすい、壊れやすい、など)、曜日(すなわち、週末をまたぐ配送期間を有するPOは、配送により長い時間を要する可能性があり、したがって製品の損傷のリスクが高まるため)、サプライヤの信頼度(例えば、不良品)、などに基づいて変動し得る。
【0094】
[0104] いくつかの実施形態において、IPS324は、データサイエンスモジュール321によって決定されたサプライヤ統計データから充足率を決定することができる。IPS324は、サプライヤ統計データから特定の製品の過去の注文数量および実際に受け取った数量を抽出し、過去の注文数量と実際に受け取った数量との間の比の履歴傾向(例えば、移動平均)を決定することによって、充足率を決定することができる。いくつかの実施形態において、IPS324またはデータサイエンスモジュール321は、新たな注文を受け取ると定期的に充足率を更新することができる。
【0095】
[0105] グラフ600Aに戻ると、合計ROQ(D-1)611A、合計ROQ(D)612A、および合計オープンPO613を含む合計数量は、充足率適用後(FRA)数量になるように調整され、FRA数量は、合計FRA ROQ(D-1)621A、合計FRA ROQ(D)622A、および合計FRAオープンPO623を含む。合計インバウンド処理能力604を超える数量(すなわち、削減目標630)は、数量のうち、IPS324が
図7Aおよび
図7Bに関して後述される一連のルールを使用して特定の製品に他の製品よりも高い優先順位を付けることによって削減しなければならない量であり得る。
【0096】
[0106] 優先順位付け後の数量であるグラフ600Bを参照すると、優先順位付けはインバウンド処理能力に影響を及ぼさないため、FC A cap601、FC B cap602、FC C cap603を含む合計インバウンド処理能力604は、グラフ600Aのものと同一である。同様に、合計オープンPO613および合計FRAオープンPO623は、すでに注文された注文による数量は優先順位付けによって調整されることがないため、同じままであり得る。他方で、合計ROQ(D-1)611A、合計ROQ(D)612A、合計FRA ROQ(D-1)621A、および合計FRA ROQ(D)622Aは、対応する優先順位付けされた注文数量(POQ)によって、合計POQ(D-1)611B、合計POQ(D)612B、合計FRA POQ(D-1)(図示されていない)、および合計FRA POQ(D)622Bと置き換えられる。いくつかの実施形態においては、合計FRA POQ(D-1)621Bおよび/または合計FRA POQ(D)622Bを、例えばグラフ600Bには合計FRA POQ(D-1)が存在しないことにより、図示のように0に減らすことができる。IPS324による優先順位付けの結果として、グラフ600Bの合計の優先順位付けされた数量は、グラフ600Aに示される合計の数量と比べて実質的に減少し、優先順位付け後の合計FRA数量は、合計インバウンド処理能力604よりも少ない。
【0097】
[0107]
図7Aおよび
図7Bは、それぞれ
図4のステップ405において実行されるようにROQに優先順位を付ける表700Aおよび700Bである。ルールを、上述のTIP323によって決定された各ROQに、製品ごとのやり方で適用することができる。
【0098】
[0108]
図7Aを参照すると、一連のルールは、数量が
図4のステップ404においてTIP323によって決定されたか、あるいは手動注文提出プラットフォーム325を介してユーザによって提出されたかに基づいて、各ROQに適用される表700Aに示されるルールを含むことができる。
【0099】
[0109] 最初に、TIPによって生成されたROQについて、IPS324は、ルール701を適用して、休日のPOステージングを停止し、次のPOの到着日までのカバレッジ期間を満たすために注文に切り替えることができる。POステージングは、休日または割引期間などの特別な期間を見越して需要予測数量が急激に増加する場合にインバウンド注文を平滑化するために使用されるプロセスであってよい。POステージングがオンである場合、数量の増加を複数のPOに分散させるために、ROQが通常よりも高くなる可能性がある。したがって、IPS324は、ROQを通常のレベルへと下げるために、POステージングをオフにすることができる。
【0100】
[0110] 合計FRA POQ(
図6で上述)が依然としてすべてのFCの合計インバウンド処理能力604を超える場合、IPS324は、TIPによって生成されたROQにルール702を適用し、安全在庫期間に関連するROQのすべての部分が削除されるか、あるいは合計FRA POQが合計インバウンド処理能力604を下回るか、のどちらか早い方が生じるまで、対応する安全在庫期間を短縮することができる。IPS324は、すべてのTIPによって生成されたROQについて安全在庫期間を均一に短縮することができ、あるいはすべての安全在庫期間が除去され、もしくは合計FRA POQが合計インバウンド処理能力604を下回るまで、特定の製品の安全在庫期間を短縮し、その後に順次に他の製品の安全在庫期間を短縮することができる。
【0101】
[0111] 合計FRA POQがルール702の後も依然として合計インバウンド処理能力604を超える場合、IPS324はルール703Aを適用し、すべてのROQが除去されるか、あるいは合計FRA POQが合計インバウンド処理能力604を下回るか、のどちらか早い方が生じるまで、ROQを所定のパーセンテージで削減することができる。ルール702と同様に、IPS324は、すべてのTIPによって生成されたROQについて所定のパーセンテージで均一にROQを減らすことができ、あるいはすべてのROQが除去され、もしくは合計FRA POQが合計インバウンド処理能力604を下回るまで、特定の製品のROQを減らし、その後に順次に他の製品のROQを減らすことができる。
【0102】
[0112] またさらに、合計FRA POQが依然として合計インバウンド処理能力604を超える場合、IPS324は、ユーザによって提出されたROQ(すなわち、上述の
図5のステップ507においてTIPによって生成されたROQを置き換えたMOQ)にルール703Bを適用し、すべてのROQが除去されるか、あるいは合計FRA POQが合計インバウンド処理能力604を下回るか、のどちらか早い方が生じるまで、ROQを別の所定のパーセンテージで削減することができる。ルール702および703Aと同様に、IPS324は、ROQを均一に削減しても、あるいは順番に削減してもよい。しかしながら、フラグが立てられた手動注文からのユーザによって提出されたROQは、ルール704によって指示されるとおり、削減することができない。
【0103】
[0113]
図7Bを参照すると、表700Bは、ROQの優先順位付けのための別の一連の例示的なルールを列挙している。表600の例示的なルールの各々は、表600の第1の列に示された優先順位の並びにて以下で説明される。しかしながら、一連のルール、それらのそれぞれの優先順位、またはそれらにおける値およびしきい値のいずれも、あくまでも例示にすぎず、他のルール、優先順位、または値も、開示される実施形態の範囲内にある。いくつかの実施形態において、IPS324は、或る特定のルールを、次のルールの適用を開始する前に、所与の受け取り日についての優先順位付け後の合計注文数量が合計インバウンド処理能力を下回るまで、ルールに該当するすべての製品のROQに適用することができる。
【0104】
[0114] 最初の問題として、1つまたは複数のカテゴリ(例えば、A、B、C、D、E1、E2、E3、およびF)に分割された製品のROQを、別のパラメータに基づいて別の組へとグループ化することができる。一態様において、表700Bに見られるグループAおよびBを、カテゴリに基づいて指定することができ、カテゴリA~E2の製品のROQがグループAと見なされ、カテゴリE3およびFの製品のROQはグループBと見なされる。別の態様において、現時点において在庫がある製品のROQが非OOS(在庫切れではない)と見なされ、在庫切れの製品のROQはOOSと見なされる。さらなる態様において、
図5のステップ505において決定された手動注文に基づいたROQを、例えば、特定の種類のプロモーション(例えば、ギフト、C1、Gold Box)または他のプロモーションあるいはソーシャルメディアを通じて受け取った注文など、提出の理由に基づいて異なる組に分割することができる。さらに、SCM320は、最小注文数量の組、すなわちMIN ROQおよびMIN DOCを含み得る。MIN ROQは、ベンダーの要件(例えば、注文の最小数量)に基づいて製品ごとに事前に設定されてよいROQの最小数量であり得る。他方で、MIN DOCは、予測される需要と、対応するROQがカバーするようにスケジュールされている日数とに基づいて決定される最小数量であり得る。
【0105】
[0115] ルール1、2.1、および2.2を参照すると、IPS324は、OOSグループAの製品のMIN ROQの予定配送日(EDD)をシフトさせることができる。同様に、ルール2.2に関して、IPS324は、非OOSグループAの製品のMIN ROQのEDDをシフトさせることができる。いくつかの実施形態においては、非OOSグループAの製品を、プロモーション中の製品およびプロモーション中でない製品(すなわち、非プロモ)にさらに分割でき、プロモーション中の非OOSグループAの製品のROQは、ルール2.1に関してゼロに削減される。ルール3を参照すると、IPS324は、OOSグループBの製品のROQをMIN ROQに削減することができる。
【0106】
[0116] 次に、ルール4に関して、IPS324は、それぞれのMIN DOCよりも大きいグループAのすべての製品のROQをMIN ROQへと削減することができる。いくつかの実施形態において、IPS324は、それぞれのMIN ROQに達するか、あるいは所与の受け取り日に関する優先順位付け後の合計注文数量が合計インバウンド処理能力を下回るまで、該当の各製品のROQを10%削減することができる。
【0107】
[0117] ルール5~8に関して、IPS324は、下位のカテゴリ(例えば、カテゴリD)の製品が最初に削減されるように逆順でカテゴリA~Dの製品のPOステージングをオフにすることができる。
【0108】
[0118] ルール9を参照すると、IPS324は、それぞれのMIN DOCよりも大きいグループBのすべての非OOS製品のROQをゼロに削減することができる。また、ルール10および11に関して、IPS324は、ルール5~8の場合と同様に、カテゴリEおよびFの製品のPOステージングをオフにすることができる。
【0109】
[0119] ルール12~14を参照すると、IPS324は、対応する手動注文がソーシャルメディアを通じて受信されたか、あるいはプロモーションのために受信されたかに基づいて、それぞれのMIN ROQに達するまで手動注文ROQを10%削減することができる。
【0110】
[0120] ルール15を参照すると、IPS324は、それぞれのMIN DOCよりも大きいグループBのすべての製品のROQをMIN ROQへと削減することができる。
【0111】
[0121] 次に、ルール16および17を参照すると、優先順位付け後の合計注文数量が依然として合計インバウンド処理能力よりも大きい場合、IPS324は、フロントローディングまたはリベートボリューム注文に関して受け取った手動注文からの手動注文ROQを10%削減することができる。それでも依然として合計インバウンド処理能力を満たすには不充分である場合、IPS324は、ルール18および19に関して、新たな製品および他のすべての製品について受け取った手動注文からのすべての手動注文ROQをゼロに減らすことができる。
【0112】
[0122] いくつかの実施形態において、IPS324は、
図7Aおよび
図7Bに関して上述したルールの代わりに、各製品に割り当てられた一式の緊急度スコアに基づいて、異なる製品の推奨注文数量に優先順位を付けることができる。例えば、IPS324は、緊急度スコアに基づいて製品ごとに推奨注文数量を並べ替え、対応する現在の在庫レベルに基づいて数量をさらに調整し、高い優先順位の製品から低い優先順位の製品へと順番に製品を注文することができる。いくつかの実施形態において、緊急度スコアは、機械学習モデルを通じて決定することができ、機械学習モデルは、データサイエンスモジュール321からのデータでトレーニングされ、緊急度スコアは、機械学習モデルのロジット値である。ロジット値は、技術的に知られているモデルの非正規化または生の予測または確率値を指す。例えば、ロジット値を
【数3】
と表すことができ、ここでPは特定の事象が発生する確率である。機械学習モデルは、勾配ブースティングマシン、k最近傍(kNN)モデル、最尤(ML)モデル、サポートベクターマシン(SVM)、などの適切なモデルのうちの任意の1つであってよい。
【0113】
[0123] いくつかの実施形態において、機械学習モデルは、式(1)
緊急度レベル=α+β1・order frequency+β2・fullfillment ratio+β3・lead time+β4・(current inventory+FRA open order)+β5・unit+β6・top SKU+β7・category+β8・σunits sold+β9・demand forecast quantity+β10・hourly out of stock frequency+ε (1)
によって定義されるロジスティック回帰モデルであってよく、ここでαは切片であり、εは誤差項であり、βnは各変数の重みである。いくつかの実施形態において、変数は、特定の製品が注文される頻度であるorder frequency、上述の充足率であるfullfillment ratio、対応するサプライヤが製品の出荷に要する期間であるlead time、
現在の製品在庫レベルであるcurrent inventory、充足率適用後のオープンPO数量であるFRA open order、ビジネス戦略に基づいて割り当てられた分類であるunit、製品が優先順位付けされた製品のグループに属するかどうかの表示であるtop SKU、製品のカテゴリであるcategory(例えば、カテゴリA~F)、販売されたユニットの標準偏差であるσunits sold、上述の需要予測数量であるdemand forecast quantity、および製品が在庫切れになる一時間ごとの頻度であるhourly out of stock frequencyを含むことができる。モデルを、より多数またはより少数の変数ならびに対応する数の重みを使用して定義してもよい。モデルを、SCM320によって決定されたデータを使用してトレーニングすることができる。
【0114】
[0124] ひとたびモデルがトレーニングされると、特定の製品の緊急度スコアを
【数4】
によって得ることができ、ここでP(x)は、式(2)
【数5】
によって与えられる。
式(2)において、zは、上述のトレーニング後のモデルであり、P(x)は、x
nが与えられた場合に特定の製品が緊急である確率であり、ここでx
nは、特定の製品の注文頻度およびリードタイムなどの変数である。
【0115】
[0125] 個々の製品の緊急度スコアが決定されると、IPS324は、それらのスコアを使用して優先順位付けを行い、合計FRA POQが合計インバウンド処理能力604を下回るまで、
図7Aに記載の一連のルールに基づいて、スコアの順序で各製品のROQを削減することができる。
【0116】
[0126] 本開示を、本開示の特定の実施形態を参照して提示および説明してきたが、本開示を、修正を必要とせずに、他の環境において実施できることを、理解できるであろう。以上の説明は、例示の目的で提示されている。以上の説明は、すべてを網羅するものではなく、開示された正確な形態または実施形態に限定されない。本明細書を検討し、開示された実施形態を実施することで、修正および調整が当業者にとって明らかであろう。さらに、本開示の実施形態の態様は、メモリに格納されるものとして説明されているが、これらの態様を、例えばハードディスクまたはCD-ROMなどの二次記憶デバイス、あるいは他の形態のRAMまたはROM、USB媒体、DVD、Blu-ray、または他の光ドライブ媒体などの他の種類のコンピュータ可読媒体に格納してもよいことを、当業者であれば理解できるであろう。
【0117】
[0127] 記載された説明および開示された方法に基づくコンピュータプログラムは、熟練した開発者の技術の範囲内である。さまざまなプログラムまたはプログラムモジュールが、当業者に知られた技術のいずれかを使用して作成可能であり、あるいは既存のソフトウェアに関連して設計可能である。例えば、プログラム部分またはプログラムモジュールを、.Net Framework、.Net Compact Framework(および、Visual Basic、C、などの関連の言語)、Java、C++、Objective-C、HTML、HTML/AJAXの組み合わせ、XML、またはJavaアプレットを埋め込んだHTMLにて設計でき、あるいはこれらによって設計することができる。
【0118】
[0128] さらに、例示的な実施形態を本明細書において説明してきたが、本開示に基づいて、同等の要素、修正、省略、(例えば、種々の実施形態にまたがる態様の)組み合わせ、適応、および/または変更を有するあらゆるすべての実施形態の範囲を、当業者であれば理解できるであろう。請求項中の限定事項は、請求項中で使用されている文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載され、あるいは本出願の審査の最中に説明される例に限定されない。例を、排他的であると解釈すべきではない。さらに、開示された方法の各ステップは、ステップを並べ替えること、および/またはステップを挿入または削除することを含む任意のやり方で変更可能である。したがって、本明細書および例は、あくまでも例示として考慮されるように意図され、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物の全範囲によって示される。