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特許7058790タイミング調整弁及びこれを備えるサックバックバルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-14
(45)【発行日】2022-04-22
(54)【発明の名称】タイミング調整弁及びこれを備えるサックバックバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/122 20060101AFI20220415BHJP
   F16K 23/00 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
F16K31/122
F16K23/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021118605
(22)【出願日】2021-07-19
【審査請求日】2021-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000117102
【氏名又は名称】旭有機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】吉野 研郎
(72)【発明者】
【氏名】熊田原 佑亮
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198284(JP,A)
【文献】特開2010-203618(JP,A)
【文献】特開2016-223498(JP,A)
【文献】特開平10-267147(JP,A)
【文献】特開平10-281335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 23/00,31/12-31/128
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポートと第2のポートと駆動ポートとが設けられ且つ該第1のポートと該第2のポートとの間に延びる内部流路が形成されたパイロット本体と、
前記第1のポートから前記第2のポートへの前記内部流路内の流体の流通を許容し、前記第2のポートから前記第1のポートへの前記内部流路内の流体の流通を防止する逆止弁機構部と、
前記駆動ポートに対する駆動流体の供給及び排出によって前記内部流路の開閉を行うタイミング調整機構部と、
を備え、前記タイミング調整機構部は、前記内部流路において前記逆止弁機構部と並列に配置されており、前記駆動ポートを通して前記タイミング調整機構部に対して供給及び排出される駆動流体の圧力が予め定められた値以下になっているときに前記第1のポートと前記第2のポートとの間の流体の流通を許容するように構成されていることを特徴とするタイミング調整弁。
【請求項2】
前記パイロット本体内に、前記駆動ポートと連通するパイロットシリンダ室と、前記第2のポートと連通するパイロット弁室と、前記パイロットシリンダ室と前記パイロット弁室とを接続する接続孔と、前記パイロット弁室から前記第1のポートまで延びる第1の流路と、該第1の流路と並行して延び且つ前記第1のポート及び前記第2のポートに連通する第2の流路とがさらに形成され、前記パイロット弁室への前記第1の流路の開口の周縁部にパイロット弁座が設けられており、
前記逆止弁機構部は前記第2のポートと前記第2の流路との間に配置されて前記第2のポートから前記第2の流路への流体の流通を防止し且つ第2の流路から第2のポートへの流体の流通を許容しており、前記タイミング調整機構部は、前記パイロットシリンダ室内に配置されたパイロットピストンと、該パイロットピストンから延び且つ前記接続孔に挿通されたパイロットロッドと、該パイロットロッドの先端部に設けられ且つ前記パイロット弁室内で前記パイロット弁座と対向して配置されたパイロット弁体部と、流通孔が貫通して延び且つ前記第1のポートに接続する前記第1の流路の端部に取り付けられた栓部材と、前記パイロット弁座から前記パイロット弁体部を離間させる方向に前記パイロットピストンを付勢するパイロット付勢部材とを含み、前記駆動ポートを通して前記パイロットシリンダ室に駆動流体を供給することによって前記パイロット付勢部材による付勢力に抗して前記パイロット弁座に前記パイロット弁体部を押圧して前記第1の流路の流体の流通を閉止するように構成されている、請求項1に記載のタイミング調整弁。
【請求項3】
前記パイロット付勢部材は、前記パイロット弁体部と前記栓部材との間に挟持されるように配置されている、請求項2に記載のタイミング調整弁。
【請求項4】
前記栓部材は前記第1の流路の端部に螺着されており、前記栓部材を回転させることによって前記第1の流路内における前記栓部材の位置を調整することができるようになっている、請求項3に記載のタイミング調整弁。
【請求項5】
前記パイロット本体は、第1のパイロット筐体と第2のパイロット筐体とによって構成されており、前記第1のパイロット筐体に、前記駆動ポートと、前記パイロットシリンダ室と、前記接続孔と、前記パイロット弁室と、前記第1の流路とが設けられ、前記第2のパイロット筐体に、貫通して延びる挿入孔と、該挿入孔と並行に延びる第2の流路と、前記第1のポート及び前記第2のポートとが設けられており、前記第2のパイロット筐体の前記挿入孔に前記第1のパイロット筐体が挿入されて前記挿入孔の内周面と前記第1のパイロット筐体の外周面との間に形成された隙間通路に前記第2の流路が連通するようになっていると共に、前記第1のパイロット筐体と前記第2のパイロット筐体とに跨って延びる連通路によって前記第2のポートと前記パイロット弁室とが連通し、前記隙間通路が前記連通路に接続しており、前記逆止弁機構部が前記隙間通路に配置されている、請求項2から請求項4の何れか一項に記載のタイミング調整弁。
【請求項6】
前記逆止弁機構部は前記挿入孔の内周面と前記第1のパイロット筐体の外周面との間に配置され且つ撓曲可能なリップ構造部を有したリップパッキンであり、該リップパッキンは、前記リップ構造部が前記連通路に近い側に位置するように配置される、請求項5に記載のタイミング調整弁。
【請求項7】
前記リップパッキンは、Uパッキン、Vパッキン、Yパッキンの中から選択される、請求項6に記載のタイミング調整弁。
【請求項8】
流体通路の開閉を行う開閉弁部と、該開閉弁部の下流側に配置され且つ該開閉弁部による流体通路の閉止後に前記流体通路内の流体の吸い戻しを行う吸戻機構部と、請求項1から請求項7の何れか一項に記載のタイミング調整弁とを備えるサックバックバルブであって、
前記開閉弁部と前記吸戻機構部とが共通の切換弁に接続され、前記切換弁を経て前記開閉弁部及び前記吸戻機構部に対する駆動流体の供給及び排出を行うようになっており、前記切換弁を経た駆動流体の供給が行われると、前記開閉弁部が開くと共に前記吸戻機構部が待機状態になり、前記切換弁を経た駆動流体の排出が行われると、前記開閉弁部が閉じると共に前記吸戻機構部が吸い戻し動作を行い、前記タイミング調整弁の前記第1のポート及び前記第2のポートがそれぞれ前記切換弁及び前記吸戻機構部に接続されると共に、前記タイミング調整弁の駆動ポートが前記切換弁と前記開閉弁部との間の配管に接続されていることを特徴とするサックバックバルブ。
【請求項9】
前記サックバックバルブは、入口流路及び出口流路を含む流体を流通させるための内部流路と該出口流路と連通している吸戻室とが設けられているバルブ本体をさらに備え、前記開閉弁部による内部流路内の流体の流通の閉止後に前記吸戻機構部を用いて前記吸戻室の容積を増加させることによって前記出口流路から流体を吸い戻すようになっており、
前記吸戻機構部が、内部に吸戻シリンダ室が形成された吸い戻し用駆動部筐体と、前記吸戻シリンダ室内に収容されて該吸戻シリンダ室の内周面に沿って摺動可能な吸戻ピストンと、前記吸戻シリンダ室内に配置され且つ前記吸戻室の容積を増加させる方向に前記吸戻ピストンを付勢する吸い戻し用付勢部材とを含み、前記吸戻シリンダ室に駆動流体を供給することによって前記吸い戻し用付勢部材の付勢力に抗して前記吸戻室の容積を減少させる方向に前記吸戻ピストンを移動させるようになっている、請求項8に記載のサックバックバルブ。
【請求項10】
前記吸戻機構部は、外周縁部が前記吸い戻し用駆動部筐体と前記バルブ本体との間に挟持されたダイヤフラムをさらに含み、前記ダイヤフラムが前記吸い戻し用駆動部筐体と前記吸戻室との間を区画しており、前記ダイヤフラムが前記吸戻ピストンから延びて前記吸戻シリンダ室の底部に設けられた貫通孔に挿通される吸戻ステムの先端部に接続され、前記吸戻ピストンの移動に伴う前記ダイヤフラムの変形により、前記吸戻室の容積が増減するようになっている、請求項9に記載のサックバックバルブ。
【請求項11】
前記入口流路と連通し且つ前記吸戻室と連通路を介して連通する弁室が前記バルブ本体に設けられ、弁体を接離させる弁座が前記入口流路から前記弁室への開口の周縁部に形成されており、
前記開閉弁部は、内部に開閉シリンダ室が形成された開閉用駆動部筐体と、前記開閉シリンダ室内に収容されて該開閉シリンダ室の内周面に沿って摺動可能な開閉ピストンと、該開閉ピストンから前記開閉シリンダ室の底部を貫通し前記弁室内に突出して延びる開閉ステムと、前記開閉ステムの先端部に接続された前記弁体を前記弁座に接近させる方向に前記開閉ピストンを付勢する開閉用付勢部材とを含み、前記開閉シリンダ室に駆動流体を供給することによって前記開閉用付勢部材の付勢力に抗して前記弁座から前記弁体を離間させる方向に前記開閉ピストンを移動させるようになっている、請求項9又は請求項10に記載のサックバックバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部流路の流体の流通の開閉のタイミングを調整することができるタイミング調整弁及びこれを備えるサックバックバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造装置における半導体ウエハに薬液等の液体を供給するための配管等では、液体の供給を停止した後に配管の末端部からの液だれを防止するために、配管内の液体を吸い戻すサックバックバルブが使用されている。サックバックバルブとしては、ピストンを収容するシリンダ室内に対して駆動流体の供給及び排出を行ってピストンを移動させ、ピストンに連動するダイヤフラムの弾性変形により、配管に連通する吸戻室の容積を増減させて配管内の液体を吸い戻す機構を持つものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。このようなサックバックバルブは、配管内の流体通路の開閉を行うための開閉弁の下流側に配置される。また、特許文献2や特許文献3に記載のように、流体通路の開閉を行うための開閉弁部と、流体通路内の液体の吸い戻しを行うための吸戻機構部とを一体的に備えたサックバックバルブもある。
【0003】
開閉弁とサックバックバルブの動作を個別に制御すると、開閉弁による液体の流通の閉止とサックバックバルブによる液体の吸い戻しのタイミングを合わせるのが困難で、制御が煩雑となる。このため、駆動流体の供給と排出とを切り換える共通の一つの切換弁から分岐した配管を開閉弁部と吸戻機構部とに接続し、一つの切換弁の動作によって開閉弁部と吸戻機構部の動作を制御することが多い。
【0004】
一つの切換弁の動作によって開閉弁部と吸戻機構部とを動作させる場合、例えば、サックバックバルブは、バルブ本体と、開閉弁部と、吸戻機構部とを備え、バルブ本体に、入口流路と出口流路とを含む流体通路と、入口流路が開口する弁室と、弁室と出口流路との間に位置する吸戻室とが形成されているようにすればよい。
【0005】
開閉弁部は、ピストンを収容するシリンダ室内に対して駆動流体の供給及び排出を行うことによってピストンを移動させ、ピストンに連動する弁体を弁室における入口流路からの開口の周囲に形成された弁座に接離させる。シリンダ室内には、弁体を弁座に押し付ける方向にピストンを付勢する付勢ばねが配置されている。このような構成の開閉弁部では、シリンダ室に駆動流体を供給することによって、シリンダ室内の駆動流体の圧力による力が付勢ばねの付勢力に抗してピストンを移動させて弁座から弁体を離間させる。また、シリンダ室から駆動流体を排出することによって、シリンダ室内の駆動流体の圧力よる力よりも付勢ばねによる付勢力が上回って弁体を弁座に近づける方向にピストンを移動させ、弁体を弁座に圧接させる。このようにして、流体通路の開閉が行われる。
【0006】
吸戻機構部は、ピストンを収容するシリンダ室内に対して駆動流体の供給及び排出を行うことによってピストンを移動させ、ピストンに連動して、吸戻室に面するダイヤフラムを変形させ、吸戻室の容積を増減させる。シリンダ室内には、吸戻室から離れる方向にピストンを付勢する付勢ばねが配置されている。このように構成された吸戻機構部では、シリンダ室に駆動流体を供給することによって、シリンダ室内の駆動流体の圧力による力が付勢ばねの付勢力に抗してピストンを移動させて吸戻室へ向けてダイヤフラムを膨出させて待機状態にする。また、シリンダ室から駆動流体を排出することによって、シリンダ室内の駆動流体の圧力による力よりも付勢ばねによる付勢力が上回って吸戻室からダイヤフラムを後退させる方向にピストンを移動させ、ダイヤフラムを元の形状に復帰させる。このようなダイヤフラムの変形に伴う吸戻室の容積の増減によって、流体通路(詳細には出口流路)内の液体の吸い戻しが行われる。
【0007】
上述のような構成のサックバックバルブでは、駆動流体が切換弁から開閉弁部及び吸戻機構部のシリンダ室に供給されると、開閉弁部によって弁体が弁座から離間させられて流体通路内の液体の流通が開始されると共に、吸戻機構部によってダイヤフラムが吸戻室内へ膨出させられて待機状態となる。一方、開閉弁部及び吸戻機構部のシリンダ室内の駆動流体が切換弁を通じて排出されると、開閉弁部によって弁体が弁座に圧接されて流体通路内の液体の流通が閉止されると共に、吸戻機構部によってダイヤフラムが吸戻室から後退して、吸戻室の容積が増加し、流体通路(詳細には出口流路)内の液体が吸い戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実公平08-010399号公報
【文献】実開平3-115267号公報
【文献】特開平11-37327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
開閉弁部による閉止を行わせるためには、上述したように、開閉弁部から駆動流体を排出するように切換弁を切り換える必要がある。共通の切換弁によって開閉弁部及び吸戻機構部に対する駆動流体の供給及び排出を切り換える場合、開閉弁部から駆動流体を排出するように切換弁を切り換えると、同時に吸戻機構部からの駆動流体の排出も開始される。しかしながら、開閉弁部からの駆動流体の排出を開始してもすぐに開閉弁部が閉弁状態になるわけではなく、開閉弁部が閉弁状態になるためには、開閉弁部のシリンダ室内の駆動流体の圧力を所定の値まで低下させて、付勢ばねの付勢力により弁座に弁体を着座させる必要がある。したがって、開閉弁部により流体の流通が閉止される前に吸戻機構部による吸い戻し動作が開始されてしまうことがある。この場合、サックバックバルブの下流側への液体の供給量に影響を与えてしまうので、半導体製造など液体の供給量の精密な制御が必要な場合には不都合である。
【0010】
開閉弁部による液体の流通の閉止後に吸戻機構部による吸戻動作が開始されるようにタイミングを変更する方法としては、切換弁と吸戻機構部との間に可変絞り弁を配置して吸戻機構部からの駆動流体の排出流量を調整することが一般的である。しかしながら、開閉弁部による液体の流通の閉止後に吸戻機構部による吸戻動作が開始されるように、可変絞り弁の調整を行うことは容易ではない。このため、開閉弁部の圧力に関わらず吸戻機構部へ駆動流体を供給できると共に、開閉弁部のシリンダ室の駆動流体の圧力が所定値まで低下してから吸戻機構部からの駆動流体の排出を開始できるようにすることが望ましい。吸戻機構部からの駆動流体の排出のタイミングを制御する方法としては、パイロット流体の圧力により弁の開閉を行うことができるパイロット弁の使用も考えられる。しかしながら、一般的なパイロット弁はパイロット流体の圧力が下がると閉じる機構となっているので、開閉弁部の駆動流体の圧力と同期させた場合、駆動流体の圧力が低下したときに流体の流通を開始させることができず、パイロット弁の開閉のためのパイロット流体の制御が別に必要となり、制御が煩雑となる。
【0011】
よって、本発明の目的は、従来技術に存する問題を解決するために、パイロット流体の圧力が予め定められた値以下に低下したときに流体の流通を許容することができるタイミング調整弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的に鑑み、本発明は、第1の態様として、第1のポートと第2のポートと駆動ポートとが設けられ且つ該第1のポートと該第2のポートとの間に延びる内部流路が形成されたパイロット本体と、前記第1のポートから前記第2のポートへの前記内部流路内の流体の流通を許容し、前記第2のポートから前記第1のポートへの前記内部流路内の流体の流通を防止する逆止弁機構部と、前記駆動ポートに対する駆動流体の供給及び排出によって前記内部流路の開閉を行うタイミング調整機構部とを備え、前記タイミング調整機構部は、前記内部流路において前記逆止弁機構部と並列に配置されており、前記駆動ポートを通して前記タイミング調整機構部に対して供給及び排出される駆動流体の圧力が予め定められた値以下になったときに前記第1のポートと前記第2のポートとの間の流体の流通を許容するように構成されているタイミング調整弁を提供する。
【0013】
上記タイミング調整弁では、第1のポートから第2のポートへの内部流路内の流体の流通を許容するが第2のポートから第1のポートへの内部流路内の流体の流通を防止する逆止弁機構部と、駆動ポートに対する駆動流体の供給及び排出によって内部流路の開閉を行うタイミング調整機構部とが第1のポートと第2のポートとの間に延びる内部流路において並列に配置されている。したがって、タイミング調整機構部の駆動流体の圧力に関わらずに、逆止弁機構部により第1のポートから第2のポートへの流体の流通が可能となる。一方、第2のポートから第1のポートへの流体の流通は、駆動ポートを通してタイミング調整機構部に対して供給及び排出される駆動流体の圧力が予め定められた値以下になったときに開始され、第2のポートから第1のポートへ向かう方向の流体の流通の開始のタイミングを制御することが可能となる。
【0014】
上記タイミング調整弁の一つの実施形態として、前記パイロット本体内に、前記駆動ポートと連通するパイロットシリンダ室と、前記第2のポートと連通するパイロット弁室と、前記パイロットシリンダ室と前記パイロット弁室とを接続する接続孔と、前記パイロット弁室から前記第1のポートまで延びる第1の流路と、該第1の流路と並行して延び且つ前記第1のポート及び前記第2のポートに連通する第2の流路とがさらに形成され、前記パイロット弁室への前記第1の流路の開口の周縁部にパイロット弁座が設けられており、前記逆止弁機構部は前記第2のポートと前記第2の流路との間に配置されて前記第2のポートから前記第2の流路への流体の流通を防止し且つ第2の流路から第2のポートへの流体の流通を許容しており、前記タイミング調整機構部は、前記パイロットシリンダ室内に配置されたパイロットピストンと、該パイロットピストンから延び且つ前記接続孔に挿通されたパイロットロッドと、該パイロットロッドの先端部に設けられ且つ前記パイロット弁室内で前記パイロット弁座と対向して配置されたパイロット弁体部と、流通孔が貫通して延び且つ前記第1のポートに接続する前記第1の流路の端部に取り付けられた栓部材と、前記パイロット弁座から前記パイロット弁体部を離間させる方向に前記パイロットピストンを付勢するパイロット付勢部材とを含み、前記駆動ポートを通して前記パイロットシリンダ室に駆動流体を供給することによって前記パイロット付勢部材による付勢力に抗して前記パイロット弁座に前記パイロット弁体部を押圧して前記第1の流路の流体の流通を閉止するように構成されているようにすることができる。
【0015】
上記タイミング調整弁では、第1のポートと第2のポートとの間で第1の流路と第2の流路とが並行して延びている。タイミング調整機構部のパイロットシリンダ室内のパイロットピストンは、パイロット付勢部材によってパイロット弁座からパイロット弁体部を離間させる方向に付勢されており、パイロットシリンダ室に駆動流体を供給してパイロット付勢部材の付勢力に抗してパイロットピストンを移動させることによってパイロット弁体部をパイロット弁座に押圧して第1の流路の流体の流通を閉止している。このため、タイミング調整機構部のパイロットシリンダ室内の駆動流体の圧力が低下すると、パイロット弁体部がパイロット付勢部材の付勢力によってパイロット弁座から離間して第1の流路における流体の流通が開始される。また、第2のポートと第2の流路との間には逆止弁機構部が配置されており、第2のポートから第2の流路への流体の流通が防止され、第2の流路から第2のポートへの流体の流通が許容されている。したがって、第1のポートから第2のポートへは、少なくとも第1のポートから第2の流路を経て流体の流通が確保されている。一方、第2のポートから第1のポートへは、第2のポートから第2の流路への流体の流通が逆止弁機構部によって防止されており、タイミング調整機構部のパイロットシリンダ室の駆動流体の圧力が低下したときのみ第2のポートからパイロット弁室及び第1の流路を経て流体の流通が確保される。
【0016】
前記パイロット付勢部材は、前記パイロット弁体部と前記栓部材との間に挟持されるように配置されていることが好ましい。
【0017】
この場合、前記栓部材は前記第1の流路の端部に螺着されており、前記栓部材を回転させることによって前記第1の流路内における前記栓部材の位置を調整することができるようになっていることがさらに好ましい。
【0018】
前記パイロット本体は、第1のパイロット筐体と第2のパイロット筐体とによって構成されており、前記第1のパイロット筐体に、前記駆動ポートと、前記パイロットシリンダ室と、前記接続孔と、前記パイロット弁室と、前記第1の流路とが設けられ、前記第2のパイロット筐体に、貫通して延びる挿入孔と、該挿入孔と並行に延びる第2の流路と、前記第1のポート及び前記第2のポートとが設けられており、前記第2のパイロット筐体の前記挿入孔に前記第1のパイロット筐体が挿入されて前記挿入孔の内周面と前記第1のパイロット筐体の外周面との間に形成された隙間通路に前記第2の流路が連通するようになっていると共に、前記第1のパイロット筐体と前記第2のパイロット筐体とに跨って延びる連通路によって前記第2のポートと前記パイロット弁室とが連通し、前記隙間流路が前記連通路に接続しており、前記逆止弁機構部が前記隙間通路に配置されているようにすることができる。
【0019】
前記逆止弁機構部は前記挿入孔の内周面と前記第1のパイロット筐体の外周面との間に配置され且つ撓曲可能なリップ構造部を有したリップパッキンであり、該リップパッキンは、前記リップ構造部が前記連通路に近い側に位置するように配置されることが好ましい。例えば、前記リップパッキンは、Uパッキン、Vパッキン、Yパッキンの中から選択される。
【0020】
本発明は、第2の態様として、流体通路の開閉を行う開閉弁部と、該開閉弁部の下流側に配置され且つ該記開閉弁部による流体通路の閉止後に前記流体通路内の流体の吸い戻しを行う吸戻機構部と、上記タイミング調整弁とを備えるサックバックバルブであって、前記開閉弁部と前記吸戻機構部とが共通の切換弁に接続され、前記切換弁を経て前記開閉弁部及び前記吸戻機構部に対する駆動流体の供給及び排出を行うようになっており、前記切換弁を経た駆動流体の供給が行われると、前記開閉弁部が開くと共に前記吸戻機構部が待機状態になり、前記切換弁を経た駆動流体の排出が行われると、前記開弁部が閉じると共に前記吸戻機構部が吸い戻し動作を行い、前記タイミング調整弁の前記第1のポート及び前記第2のポートがそれぞれ前記切換弁及び前記吸戻機構部に接続されると共に、前記タイミング調整弁の駆動ポートが前記切換弁と前記開閉弁部との間の配管に接続されているサックバックバルブを提供する。
【0021】
上記サックバックバルブでは、流体通路の開閉を行う開閉弁部と流体通路内の流体の吸い戻しを行う吸戻機構部とが共通の切換弁に接続され、切換弁を経て開閉弁部及び吸戻機構部に対する駆動流体の供給及び排出が行われる。また、上記タイミング調整弁の第1のポート及び第2のポートがそれぞれ切換弁及び吸戻機構部に接続されると共に、タイミング調整弁の駆動ポートが切換弁と開閉弁部との間の配管に接続されている。したがって、タイミング調整弁の駆動ポートからパイロットシリンダ室に対して供給及び排出される駆動流体の圧力は、開閉弁部内の圧力と等しくなる。開閉弁部から切換弁を経て駆動流体を排出させることにより、開閉弁部内の駆動流体の圧力が予め定められた値以下まで低下すると、タイミング調整弁の第2のポートから第1のポートへの駆動流体の流通が可能になり、吸戻機構部からの駆動流体の排出を開始させることができる。開閉弁部内の駆動流体の圧力が予め定められた値以下になったときに開閉弁部が閉弁状態になるようにタイミング調整弁を設定すれば、タイミング調整弁は、開閉弁部による流体の流通の閉止が行われた後に、吸戻機構部による吸い戻し動作が開始させるようにすることを可能とさせる。
【0022】
一つの実施形態として、前記サックバックバルブは、入口流路及び出口流路を含む流体を流通させるための内部流路と該出口流路と連通している吸戻室とが設けられているバルブ本体をさらに備え、前記開閉弁部による内部流路内の流体の流通の閉止後に前記吸戻機構部を用いて前記吸戻室の容積を増加させることによって前記出口流路から流体を吸い戻すようになっており、前記吸戻機構部が、内部に吸戻シリンダ室が形成された吸い戻し用駆動部筐体と、前記吸戻シリンダ室内に収容されて該吸戻シリンダ室の内周面に沿って摺動可能な吸戻ピストンと、前記吸戻シリンダ室内に配置され且つ前記吸戻室の容積を増加させる方向に前記吸戻ピストンを付勢する吸い戻し用付勢部材とを含み、前記吸戻シリンダ室に駆動流体を供給することによって前記吸い戻し用付勢部材の付勢力に抗して前記吸戻室の容積を減少させる方向に前記吸戻ピストンを移動させるようにすることができる。
【0023】
また、前記吸戻機構部は、外周縁部が前記吸い戻し用駆動部筐体と前記バルブ本体との間に挟持されたダイヤフラムをさらに含み、前記ダイヤフラムが前記吸い戻し用駆動部筐体と前記吸戻室との間を区画しており、前記ダイヤフラムが前記吸戻ピストンから延びて前記吸戻シリンダ室の底部に設けられた貫通孔に挿通される吸戻ステムの先端部に接続され、前記吸戻ピストンの移動に伴う前記ダイヤフラムの変形により、前記吸戻室の容積が増減するようにできる。
【0024】
さらに、前記入口流路と連通し且つ前記吸戻室と連通路を介して連通する弁室が前記バルブ本体に設けられ、弁体を接離させる弁座が前記入口流路から前記弁室への開口の周縁部に形成されており、前記開閉弁部は、内部に開閉シリンダ室が形成された開閉用駆動部筐体と、前記開閉シリンダ室内に収容されて該開閉シリンダ室の内周面に沿って摺動可能な開閉ピストンと、該開閉ピストンから前記開閉シリンダ室の底部を貫通し前記弁室内に突出して延びる開閉ステムと、前記開閉ステムの先端部に接続された前記弁体を前記弁座に接近させる方向に前記開閉ピストンを付勢する開閉用付勢部材とを含み、前記開閉シリンダ室に駆動流体を供給することによって前記開閉用付勢部材の付勢力に抗して前記弁座から前記弁体を離間させる方向に前記開閉ピストンを移動させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明のタイミング調整弁では、タイミング調整機構部の駆動流体の圧力に関わらずに、逆止弁機構部により第1のポートから第2のポートへの流体の流通が可能となる。また、逆止弁機構部は、第2のポートから第1のポートへの駆動流体の流通を許容しない一方、タイミング調整機構部は、駆動ポートを通してタイミング調整機構部に対して供給及び排出される駆動流体の圧力が予め定められた値以下になったときに第2のポートから第1のポートへの流体の流通を開始させる。したがって、タイミング調整弁により、第2のポートから第1のポートへ向かう方向の流体の流通の開始のタイミングを制御することが可能となる。流体通路の開閉を行う開閉弁部と流体通路内の流体の吸い戻しを行う吸戻機構部とが共通の切換弁に接続され、切換弁を経た開閉弁部及び吸戻機構部に対する駆動流体の供給及び排出が行われるサックバックバルブにおいては、タイミング調整弁の第1のポート及び第2のポートをそれぞれ切換弁及び吸戻機構部に接続すると共に、タイミング調整弁の駆動ポートを切換弁と開閉弁部との間の配管に接続するようにする。この場合、開閉弁部のパイロットシリンダ室内の駆動流体の圧力が予め定められた値以下になったときに開閉弁部が閉弁状態になるように設定すれば、開閉弁部による流体の流通の閉止が行われた後に速やかに、吸戻機構部による吸い戻し動作を開始させることが可能になる。また、吸戻機構部に駆動流体を供給するときには、タイミング調整弁において、タイミング調整機構部に加えて逆止弁構成部を通って流体が流通できるので、吸戻機構部からの排出時と比較して大きな流量で吸戻機構部に駆動流体を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明によるタイミング調整弁とこれを備えるサックバックバルブの全体構成の概念を示した概念図である。
図2図1に示されているサックバックバルブのバルブ本体と開閉弁部と吸戻機構部の構成を示す縦断面図である。
図3図1に示されているサックバックバルブのタイミング調整弁の一つの実施形態の構成を示す縦断面図であり、タイミング調整弁のタイミング調整機構部が開いた状態を示している。
図4図1に示されているサックバックバルブのタイミング調整弁の一つの実施形態の構成を示す縦断面図であり、タイミング調整弁のタイミング調整機構部が閉じた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明によるタイミング調整弁及びこれを備えるサックバックバルブの実施の形態を説明するが、本発明が図示されている実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0028】
最初に、図1を参照して、本発明の一つの実施形態によるサックバックバルブ11の全体構成を説明する。サックバックバルブ11は、流体通路が設けられているバルブ本体13と、流体通路の開閉を行う開閉弁部15と、流体通路内の流体を吸い戻す吸戻機構部17と、分岐した配管を経て開閉弁部15及び吸戻機構部17の両方に接続されている切換弁83と、吸戻機構部17と切換弁83との間を接続する配管上に配置されているタイミング調整弁101とを備え、バルブ本体13の上部に開閉弁部15と吸戻機構部17とが取り付けられている。吸戻機構部17は、開閉弁部15の下流側に配置されており、開閉弁部15によって流体通路を閉じて流体の流通を閉止した後に、流体通路内の流体を吸い戻し、流体通路の末端のノズルから流体が漏れ出て滴下するのを防止できるようになっている。切換弁83と開閉弁部15との間及び切換弁83とタイミング調整弁101との間の配管上には、それぞれ、チェック弁付き可変絞り弁85,87が設けられていることが好ましい。
【0029】
開閉弁部15は、開弁状態にされるときには、図示されていない駆動流体源から切換弁83を経て駆動流体を供給される一方、閉弁状態にされるときには、切換弁83を切り換えて切換弁83を経て駆動流体を排出されるようになっている。また、吸戻機構部17は、駆動流体源から切換弁83を経て駆動流体が供給されるようにすると待機状態になる一方、切換弁83を切り換えて切換弁83を経て駆動流体が排出されるようにすると流体通路内から流体を吸い戻す吸い戻し動作を行うようになっている。すなわち、切換弁83を経て駆動流体が供給されるように切換弁83が切り換えられると、開閉弁部15が開弁状態になるのと同期して、吸戻機構部17が待機状態になる一方、切換弁83を経て駆動流体が排出されるように切換弁83が切り換えられると、開閉弁部15が閉弁状態になるのと同期して、吸戻機構部17が吸い戻し動作を開始する。
【0030】
タイミング調整弁101は、流路上に並列に配置されたタイミング調整機構部101aとチェック弁機構部101bとを含んでいる。チェック弁機構部101bは、配管を経て切換弁83と吸戻機構部17とに接続されており、切換弁83から吸戻機構部17への駆動流体の流通を許容する一方、吸戻機構部17から切換弁83への駆動流体の流通を防止するように構成されている。タイミング調整機構部101aは、パイロット流体によって開閉動作を行う一種のパイロット弁であり、配管を経て切換弁83と吸戻機構部17との間に接続されると共に切換弁83と開閉弁部15との間を結ぶ配管にも接続され、当該配管内の駆動流体をパイロット流体として開閉動作を行い、切換弁83と吸戻機構部17との間の流体の流通と閉止とを切り換えられるようになっている。また、タイミング調整機構部101aは、切換弁83と開閉弁部15との間を結ぶ配管からパイロット流体として供給及び排出される駆動流体の圧力が予め定められた値(開閉弁部15が閉弁状態になったときの開閉弁部15内の駆動流体の圧力)以下になったときに開弁状態となって切換弁83と吸戻機構部17との間の駆動流体の流通を許容するように構成されている。すなわち、タイミング調整機構部101aは、実質的に、開閉弁部15が閉弁状態のときに駆動流体の流通を許容し、開閉弁部15が開弁状態のときに駆動流体の流通を防止する。
【0031】
したがって、駆動流体が供給されるように切換弁83が切り換えられたときには、開閉弁部15に駆動流体が供給されて開閉弁部15内の駆動流体の圧力が上昇し、開閉弁部15が閉弁状態から開弁状態に変化するので、タイミング調整弁101は、タイミング調整機構部101a及びチェック弁機構部101bの両方を通して吸戻機構部17へ駆動流体を供給する。一方、駆動流体が排出されるように切換弁83が切り換えられたときには、開閉弁部15から駆動流体が排出されて開閉弁部15内の駆動流体の圧力が低下し、開閉弁部15が開弁状態から閉弁状態に変化する。したがって、タイミング調整弁101は、開閉弁部15が閉弁状態になるまではタイミング調整機構部101a及びチェック弁機構部101bともに駆動流体の流通を許容しないので、吸戻機構部17から駆動流体を排出させず、開閉弁部15が閉弁状態になった後はタイミング調整機構部101aが駆動流体の流通を許容するようになるので、タイミング調整機構部101aのみを通して吸戻機構部17から駆動流体を排出させる。このように、タイミング調整弁101は、開閉弁部15が閉弁状態になった後に吸戻機構部17が吸い戻し動作を行うことを可能とさせる。
【0032】
また、タイミング調整弁101は、吸戻機構部17への駆動流体の供給時には、タイミング調整機構部101a及びチェック弁機構部101bの両方を通して吸戻機構部17へ駆動流体を流通させるので、吸戻機構部17からの駆動流体の排出時よりも多くの流量の駆動流体を流通させることができ、吸戻機構部17を迅速に待機状態に戻すことができる。
【0033】
なお、チェック弁付き可変絞り弁85は、流路上に並列して配置された可変絞り弁部85aとチェック弁部85bとを含んでおり、チェック弁付き可変絞り弁87も、同様に、流路上に並列して配置された可変絞り弁部87aとチェック弁部87bとを含んでいる。可変絞り弁部85aは、通過する駆動流体の流量を調整して変化させることが可能となっており、開閉弁部15に対する駆動流体の供給及び排出時の流量を調整することによって、開閉動作の開始及び完了のタイミングや開閉動作の速度を調整することができる。同様に、可変絞り弁部87aは、通過する駆動流体の流量を調整して変化させることが可能となっており、吸戻機構部17に対する駆動流体の供給及び排出時の流量を調整することによって、吸い戻し動作の開始及び完了のタイミングや開閉動作の速度を調整することができる。また、チェック弁部85b,87bは、駆動流体源から開閉弁部15、吸戻機構部17へ駆動流体を供給する方向には駆動流体の通過を許容するが、開閉弁部15、吸戻機構部17から外部へ駆動流体を排出する方向には駆動流体の通過を防止するようになっている。これにより、開閉弁部15の開弁状態への復帰及び吸戻機構部17の待機状態への復帰を迅速に行うことができるようにしている。
【0034】
次に、図2から図4を参照して、サックバックバルブ11の具体的な構成について説明する。
【0035】
図2は、図1に示されているサックバックバルブ11のバルブ本体13、開閉弁部15及び吸戻機構部17の構成の詳細を示している。
【0036】
バルブ本体13の内部には、入口流路19と出口流路21とを含む流体通路が設けられている。また、入口流路19の下流側には、上方に開口した弁室23が設けられていると共に、出口流路21の上流側には、上方に開口した吸戻室25が設けられており、弁室23と吸戻室25との間は連通路27によって接続されている。このように構成されたバルブ本体13では、入口流路19に供給された流体が弁室23、連通路27及び吸戻室25を介して出口流路21から排出される。図示されている実施形態では、入口流路19が弁室23の底面に開口し、出口流路21が吸戻室25の底面に開口している。また、連通路27は、弁室23の側面と吸戻室25の底面に開口している。弁室23への入口流路19の開口の周囲には、後述する弁体49が接離する環状の弁座29が形成されている。さらに、入口流路19の上流側端部及び出口流路21の下流側端部には、それぞれ、チューブなどの配管を接続するための継手31,33が設けられている。しかしながら、入口流路19に流入した流体が弁室23、連通路27及び吸戻室25を介して出口流路21から排出されるようになっていれば、流体通路は図示されている構成に限定されるものではない。
【0037】
開閉弁部15は、内部に開閉シリンダ室37が形成された開閉用駆動部筐体35と、開閉シリンダ室37内に収容された開閉ピストン39と、開閉ピストン39を付勢する開閉用付勢部材41とを含んでいる。開閉用駆動部筐体35は、内部に断面円形状で概略円筒形状の収容空間が形成された開閉用ボンネット35aと、開閉用ボンネット35aの上部に取り付けられて開閉用ボンネット35aの上部の開口を閉鎖する開閉用蓋部材35bとによって構成されており、開閉用ボンネット35aの収容空間の内周面及び底面と開閉用蓋部材35bの底面とによって囲まれた空間によって開閉シリンダ室37が形成されている。開閉ピストン39は、概略円板形状を有し、開閉シリンダ室37内にその周壁(すなわち内周面)に沿って図中上下方向に摺動可能に収容されている。開閉シリンダ室37は、開閉ピストン39(詳細にはその底面)と開閉シリンダ室37(詳細には開閉用ボンネット35a)の内周面と開閉シリンダ室37の底面(すなわち開閉用ボンネット35aの底部)とによって囲まれ且つ弁室23に近い側に位置する第1の気室37aと、開閉ピストン39(詳細にはその頂面)と開閉シリンダ室37(詳細には開閉用ボンネット35a)の内周面と開閉シリンダ室37の天井面(すなわち開閉用蓋部材35bの底面)とによって囲まれ且つ弁室23から遠い側に位置する第2の気室37bとに区画されている。図2に示されている実施形態では、第1の気室37aは開閉ピストン39の下方に位置し、第2の気室37bは開閉ピストン39の上方に位置する。
【0038】
開閉ピストン39には、開閉ピストン39よりも細く且つ弁室23に近づく方向に図中下方へ延びている開閉ステム43と共に、開閉ピストン39よりも細く且つ開閉ステム43とは逆方向に弁室23から離れる方向に図中上方へ延びている案内軸45とが連結されている。開閉ステム43は、開閉用駆動部筐体35の開閉シリンダ室37(詳細には開閉用ボンネット35a)の底部を貫通して設けられた貫通孔47に摺動可能に挿通されて、弁室23内まで延びており、その先端部には弁体49が接続されている。弁体49は、円柱上に円錐台が連結されたような形状を有しており、底面が弁座29に対向するように配置されている。案内軸45は、開閉用蓋部材35bを貫通して設けられた貫通孔51に挿通されて外部まで延びており、開閉ピストン39の往復動を案内するように構成されている。弁体49は、開閉シリンダ室37内における開閉ピストン39の上下方向の往復動に伴って、開閉ステム43を介して弁室23内に形成された弁座29に接離して流体通路の開閉を行えるようになっている。
【0039】
開閉用付勢部材41は、第2の気室37b内において開閉シリンダ室37の天井面(すなわち開閉用蓋部材35bの底面)と開閉ピストン39(詳細にはその頂面)との間に圧縮された状態で配置されており、開閉ステム43の先端に接続された弁体49を弁座29へ向かって接近させる方向に開閉ピストン39を常時付勢している。図2に示されている実施形態では、開閉用付勢部材41としてコイルばねが使用されており、コイルばねが第2の気室37b内において案内軸45の周囲を螺旋状に延びるように配置されている。しかしながら、開閉用付勢部材41は、弁体49を弁座29へ向かって接近させるように開閉ピストン39を付勢することができれば、コイルばねに限定されるものではなく、例えば筒状の弾性体などとすることも可能である。
【0040】
開閉シリンダ室37(詳細には開閉用ボンネット35a)の周壁には、開閉ピストン39によって閉鎖されない位置に、開閉用駆動流体ポート53が設けられている。開閉用付勢部材41の付勢力によって弁体49が弁座29に圧接された状態のときに、開閉用駆動流体ポート53を通して第1の気室37aへ駆動流体を供給することによって、第1の気室37a内の駆動流体の圧力を増加させたとき、第1の気室37a内の駆動流体の圧力により開閉ピストン39に作用する力(以下、「駆動流体による力」と記載することがある。)が開閉用付勢部材41により開閉ピストン39に作用する力(以下、「開閉用付勢部材41による付勢力」と記載することがある。)を上回り、開閉ピストン39が開閉用付勢部材41による付勢力に抗して弁室23から離れる方向に移動して第1の気室37aの容積が増加する。これによって、開閉ステム43を介して開閉ピストン39に連結された弁体49が弁座29から離間して流体通路の流体の流通を開始させることができ、第1の気室37a内の駆動流体の圧力が最大となるときに開閉ピストン39が開弁位置で停止する。一方、弁体49が弁座29から離間した状態のときに、開閉用駆動流体ポート53を通して第1の気室37a内の駆動流体を排出することによって、第1の気室37a内の駆動流体の圧力を減少させると、駆動流体による力が開閉用付勢部材41による付勢力を下回り、開閉ピストン39が開閉用付勢部材41による付勢力に従って弁室23に接近する方向に移動して第1の気室37aの容積が減少する。これによって、開閉ステム43を介して開閉ピストン39と連結された弁体49が弁座29に圧接されて開閉ピストン39が閉弁位置で停止し、流体通路の流体の流通を閉止させることができる。駆動流体としては、例えば圧縮空気などを使用することができる。
【0041】
なお、第2の気室37b内の空気は、案内軸45の外周面と開閉用蓋部材35bの貫通孔51の内周面との隙間から外部に放出されるようになっており、第2の気室37b内の空気が開閉シリンダ室37における開閉ピストン39の摺動を妨げにくくしている。また、開閉ピストン39の外周面には、シール部材55が装着されており、第1の気室37aから第2の気室37bに駆動流体が漏出しないように、開閉ピストン39が開閉シリンダ室37の内周面に対してシールされた状態で摺動できるようになっている。さらに、開閉ステム43の外周面にもOリングなどのシール部材56が装着されおり、第1の気室37aから外部へ駆動流体が漏出しないように開閉ステム43が貫通孔47の内周面に対してシールされた状態で摺動できるようになっている。
【0042】
図2に示されている実施形態では、弁体49の上端部の外周部から半径方向外方へ延びる薄膜状のダイヤフラム部49aが設けられている。このダイヤフラム部49aの外周縁部がバルブ本体13と開閉用ボンネット35aとの間に挟持され、弁体49がダイヤフラム部49aを介して弁室23内に支持された状態となっている。このように弁体49をダイヤフラム部49aを介して弁室23内に支持する形態にすることによって、弁室23と開閉用駆動部筐体35との間がダイヤフラム部49aによって区画される。したがって、流体通路を流通させる流体が腐食性の流体などであるときに、弁室23内の流体が開閉シリンダ室37内などに侵入して、開閉用駆動部筐体35などを腐食させることを防止することができる。
【0043】
吸戻機構部17は、内部に吸戻シリンダ室59が形成された吸い戻し用駆動部筐体57と、吸戻シリンダ室59内に収容された吸戻ピストン61と、吸戻ピストン61を付勢する吸い戻し用付勢部材63とを含んでいる。吸い戻し用駆動部筐体57は、内部に断面円形状で概略円筒形状の収容空間が形成された吸い戻し用ボンネット57aと、吸い戻し用ボンネット57aの上部に取り付けられて吸い戻し用ボンネット57aの上部の開口を閉鎖する吸い戻し用蓋部材57bとによって構成されており、吸い戻し用ボンネット57aの収容空間の内周面及び底面と吸い戻し用蓋部材57bの底面とによって囲まれた空間によって吸戻シリンダ室59が形成されている。吸戻ピストン61は、概略円板形状を有し、吸戻シリンダ室59内にその周壁(すなわち内周面)に沿って図中上下方向に摺動可能に収容されている。吸戻シリンダ室59は、吸戻ピストン61(詳細にはその底面)と吸戻シリンダ室59(すなわち吸い戻し用ボンネット57a)の内周面と吸戻シリンダ室59の底面(すなわち吸い戻し用ボンネット57aの底部)とによって囲まれ且つ吸戻室25に近い側に位置する第1の気室59aと、吸戻ピストン61(詳細にはその頂面)と吸戻シリンダ室59(すなわち吸い戻し用ボンネット57a)の内周面と吸戻シリンダ室59の天井面(すなわち吸い戻し用蓋部材57bの底面)とによって囲まれ且つ吸戻室25から遠い側に位置する第2の気室59bとに区画されている。図2に示されている実施形態では、第1の気室59aは吸戻ピストン61の下方に位置し、第2の気室59bは吸戻ピストン61の上方に位置する。
【0044】
吸戻ピストン61には、吸戻ピストン61よりも細く且つ吸戻室25に接近する方向に図中下方へ延びている吸戻ステム65が連結されている。吸戻ステム65は、吸い戻し用駆動部筐体57の吸い戻し用ボンネット57aの底部を貫通して設けられた貫通孔67に摺動可能に挿通されて、吸戻室25内まで延びており、その先端部にはダイヤフラム69が接続されている。ダイヤフラム69の外周縁部は、バルブ本体13と吸い戻し用ボンネット57aとの間に挟持され、ダイヤフラム69が吸戻室25と吸い戻し用駆動部筐体57との間を区画するようになっている。このように構成されたダイヤフラム69は、吸戻シリンダ室59内における吸戻ピストン61の上下方向の往復動に伴って、吸戻ステム65を介して吸戻室に対して膨出又は後退して吸戻室25の容積を増減させ、吸戻室25の容積を増加させることによって吸戻室25の下流側に接続される出口流路21内の流体を吸い戻すことができるようになっている。
【0045】
吸い戻し用付勢部材63は、第1の気室59a内において吸戻シリンダ室59の底部(すなわち吸い戻し用ボンネット57aの底部)と吸戻ピストン61(詳細にはその底面)との間に圧縮された状態で配置されており、吸戻ステム65の先端に接続されたダイヤフラム69を吸戻室25から後退させる(すなわちバルブ本体13から離れる)方向に吸戻ピストン61を常時付勢している。図2に示されている実施形態では、吸い戻し用付勢部材63としてコイルばねが使用されており、コイルばねが第1の気室59a内において吸戻ステム65の周囲を螺旋状に延びるように配置されている。しかしながら、吸い戻し用付勢部材63は、ダイヤフラム69を吸戻室25から後退させるように吸戻ピストン61を付勢することができれば、コイルばねに限定されるものではなく、例えば筒状の弾性体などとすることも可能である。
【0046】
吸戻シリンダ室59(詳細には吸い戻し用駆動部筐体57)には、吸戻ピストン61によって閉鎖されない位置に、吸い戻し用駆動流体ポート71が設けられている。図示されている実施形態では、吸い戻し用駆動流体ポート71は、吸戻シリンダ室59の天井面に開口するように、吸い戻し用駆動部筐体57の吸い戻し用蓋部材57bに設けられている。吸い戻し用付勢部材63の付勢力によってダイヤフラム69が吸戻室25から後退した状態のときに、吸い戻し用駆動流体ポート71を通して第2の気室59bへ駆動流体を供給することによって、第2の気室59b内の駆動流体の圧力を増加させると、第2の気室59b内の駆動流体の圧力により吸戻ピストン61に作用する力(以下、「駆動流体による力」と記載することがある。)が吸い戻し用付勢部材63により吸い戻しピストン61に作用する力(以下、「吸い戻し用付勢部材63による付勢力」と記載することがある。)を上回り、吸戻ピストン61が吸い戻し用付勢部材63による付勢力に抗して吸戻室25へ接近する方向に移動して第2の気室59bの容積が増加する。これによって、吸戻ステム65を介して吸戻ピストン61と連結されたダイヤフラム69が吸戻室25内へ膨出し、第2の気室59b内の駆動流体の圧力が最大となるときに吸戻ピストン61が待機位置で停止する。一方、吸戻ピストン61が待機位置に位置してダイヤフラム69が吸戻室25内へ膨出した状態のときに、吸い戻し用駆動流体ポート71を通して第2の気室59b内の駆動流体を排出することによって、第2の気室59b内の駆動流体の圧力を減少させると、駆動流体による力が吸い戻し用付勢部材63による付勢力を下回り、吸い戻し用付勢部材63による付勢力に従って吸戻ピストン61が吸戻室25に接近する方向に移動して第2の気室59bの容積が減少する。これによって、吸戻ステム65を介して吸戻ピストン61に連結されたダイヤフラム69が吸戻室25から後退して、吸戻室25の容積を増加させて吸戻室25に連通する出口流路21内の流体を吸い戻し、吸戻ピストン61が吸戻位置に到達すると吸い戻し動作を完了させる。
【0047】
吸戻機構部17では、吸戻ピストン61は吸戻シリンダ室59内の上側(吸戻室25から遠い側)に位置する上死点位置と下側(吸戻室25に近い側)に位置する下死点位置との間で摺動可能となっている。「死点位置」とは、吸戻ピストン61が他の部材の特定の部位に当接して移動を規制されることによる移動限界位置を意味する。図示されている実施形態では、吸戻シリンダ室59が、吸戻ピストン61を収容する大径部と、大径部よりも直径が小さい小径部とを含み、大径部と小径部との間に段差部が設けられており、吸戻ピストン61が段差部に干渉することによって吸戻ピストン61の下死点位置が規定されるようになっている。また、図示されている実施形態では、吸い戻し用蓋部材57bの中央部には、貫通して延び且つ内周面の少なくとも一部にねじ溝を有した貫通孔75が形成されており、この貫通孔75に調整ねじ77がシール状態で吸戻シリンダ室59の天井部から第2の気室59b内に突出可能に螺合されている。吸い戻し用蓋部材57bから外部へ突出した調整ねじ77の部分にはロックナット79が螺着され、ロックナット79を締め付けることによって調整ねじ77の回転をロックできるようになっている。調整ねじ77が第2の気室59b内に突出しているときには、吸戻ピストン61(詳細にはその頂面)が調節ねじ77に当接して移動が規制され、調整ねじ77が第2の気室59b内に突出していないときには、吸戻ピストン61が吸戻シリンダ室59の天井部(詳細には吸い戻し用蓋部材57bの底部)に当接して移動が規制され、吸戻ピストン61の上死点位置となる。すなわち、吸戻機構部17による吸い戻し動作が完了するときの吸戻ピストン61の位置である吸戻位置及びそのときの第2の気室59b内の駆動流体の圧力は調整ねじ77によって調整することが可能となる。
【0048】
なお、吸戻シリンダ室59の小径部の周壁すなわち吸戻ピストン61によって閉鎖されることがない位置には、通気孔81が設けられており、第1の気室59aと外部との通気を可能とさせ、第1の気室59a内の空気が吸戻ピストン61の移動を妨げにくいようになっている。
【0049】
開閉弁部15の開閉用駆動流体ポート53及び吸戻機構部17の吸い戻し用駆動流体ポート71は、分岐した配管によって共通の切換弁83に接続されており、切換弁83を介して共通する一つの駆動流体源(図示せず)に接続されている。切換弁83は、駆動流体源から開閉用駆動流体ポート53及び吸い戻し用駆動流体ポート71への駆動流体の供給と、開閉用駆動流体ポート53及び吸い戻し用駆動流体ポート71から外部への駆動流体の排出とを切り換えられるようになっている。
【0050】
また、吸戻機構部17では、シール部材73として、リップパッキンが使用されている。ここで、リップパッキンとは、シール部(受圧部)に可撓性のリップ構造部分を有するパッキンであり、リップ構造部分が摺動面の動きや圧力の変化に対して変形追随することでシール面の接触圧力を適正に維持するものを指す。シールパッキンとしては、Jパッキン、Lパッキン、Uパッキン、Vパッキン、Yパッキンなどが含まれる。図示されている実施形態では、シール部材73としてYパッキンが使用されている。Yパッキンを使用する場合には、Yパッキンの分岐したリップ構造部分を第2の気室59bへ向けて配置する。これにより、第2の気室59bの駆動流体が第1の気室59aに漏出することを防ぐ機能が高められる。
【0051】
なお、吸戻機構部17では、開閉弁部15と比較して可動部材と静止部材との間において要求されるシール性能が低いことから、可動部材と静止部材との間のシール部材はシール部材73以外には設けられておらず、吸戻ステム65の外周面にもシール部材が装着されていない。また、開閉弁部15でも、図示されている実施形態のように、シール部材55として、シール部材73と同様に、リップパッキンを使用してもよい。
【0052】
図3及び図4は、図1に示されているサックバックバルブ11のタイミング調整弁101の一つの実施形態の構成を示す。
【0053】
タイミング調整弁101は、第1のポート105と第2のポート107と駆動ポート109とが設けられ且つ第1のポート105と第2のポート107との間に延びる内部流路が形成されたパイロット本体103と、タイミング調整機構部101aと、チェック弁機構部101bとを備えており、内部流路上でタイミング調整機構部101aとチェック弁機構部101bとが並列に配置されている。パイロット本体103内には、駆動ポート109と連通するパイロットシリンダ室111と、第2のポート107と連通するパイロット弁室113と、パイロットシリンダ室111とパイロット弁室113とを接続する接続孔114と、パイロット弁室113と第1のポート105との間に延びる第1の流路115と、第1の流路115と並行に延び且つ第1のポート105及び第2のポート107に連通する第2の流路117とが形成されている。パイロット弁室113への第1の流路115の開口部の周縁部にパイロット弁座119が設けられている。
【0054】
図示されている実施形態では、パイロット本体103は、第1のパイロット筐体121と第2のパイロット筐体123とによって構成されている。第1のパイロット筐体121は、拡大部121aと、拡大部121aよりも細い縮小部121bと、拡大部121aと縮小部121bとの間に設けられ、拡大部121aよりも細く且つ縮小部121bよりも太い中間部121cとを含んでいる。第1のパイロット筐体121には、端部に設けられて外部に開口する駆動ポート109と、パイロットシリンダ室111と、パイロット弁室113と、第1の流路115とが設けられている。パイロットシリンダ室111は、駆動ポート109に開口している。図示されている実施形態では、駆動ポート109に第1の継手141が装着されている。第2のパイロット筐体123には、第1のポート105及び第2のポート107と、貫通して延びる挿入孔125と、挿入孔125と並行に延びる第2の流路117とが形成されている。挿入孔125は、拡大孔部125aと、拡大孔部125aよりも細い縮小孔部125bとを含んでいる。第2のポート107は、第2のパイロット筐体123の側部に形成され、後述する連通路129の一部により拡大孔部125aに連通するようになっている。
【0055】
第1のパイロット筐体121の縮小部121bを第2のパイロット筐体123の挿入孔125の縮小孔部125bに挿入し且つ中間部121cを拡大孔部125aに挿入することによって、拡大部121aが挿入孔125から突出した状態で、第1のパイロット筐体121と第2のパイロット筐体123とが接続される。第1のパイロット筐体121が第2のパイロット筐体123の挿入孔125に挿入された状態では、第1のパイロット筐体121の中間部121cの外周面と第2のパイロット筐体123の拡大孔部125aの内周面との間に隙間通路127が形成され、第2の流路117が隙間通路127に連通するようになっている。また、第1のパイロット筐体121のパイロット弁室113から側壁を貫通して延びる貫通孔と第2のパイロット筐体123の第2のポート107から挿入孔125の拡大孔部125aまで延びる貫通孔とによって連通路129が形成されており、第2のポート107とパイロット弁室113との間が連通路129を介して連通するようになっている。また、連通路129には隙間通路127が接続されている。
【0056】
第1のポート105は、挿入孔125の縮小孔部125b及び第2の流路117の両方に接続するように第2のパイロット筐体123の端部に設けられており、第1のポート105には、第2の継手143が装着されている。
【0057】
パイロットシリンダ室111には、パイロットピストン131が収容されている。パイロットロッド133がパイロットピストン131から接続孔114を通ってパイロット弁室113内に突出するように延びている。パイロット弁室113内に突出しているパイロットロッド133の先端部にはパイロット弁体部135が設けられており、パイロット弁体部135はパイロット弁室113内でパイロット弁座119と対向するように配置されている。図示されている実施形態では、パイロット弁体部135は、パイロットロッド133の先端部の外周面に装着されたOリングによって構成されており、このOリングを第1の流路115からパイロット弁室113への開口の周縁部に形成されたパイロット弁座119に押圧することによって、第1の流路115の流体の流通を閉止している。しかしながら、パイロット弁体部135の構成は、パイロット弁座119に着座して第1の流路115の流体の流通を閉止できるのであれば、限定されるものではなく、例えばパイロットロッド133の先端部に固定した円錐台形状の弾性体とすることも可能である。
【0058】
なお、パイロットピストン131及びパイロットロッド133の外周面には、それぞれ、シール部材145及びシール部材147が装着されており、パイロットシリンダ室111の内周面とパイロットピストン131の外周面との間及び接続孔114の内周面とパイロットロッド133の外周面との間をシールするようになっている。
【0059】
第1のポート105と連通するパイロット本体103の第1の流路115の端部には、栓部材137が取り付けられている。栓部材137には、貫通して延びる流通孔137aが形成されており、第1の流路115の端部に栓部材137が取り付けられた状態でも、第1のポート105と第1の流路115とが連通するようになっている。第1の流路115において、パイロット弁体部135の先端部と栓部材137との間には、パイロット付勢部材139が圧縮された状態で配置されており、パイロットロッド133を介して、パイロット弁座119からパイロット弁体部135を離間させる方向にパイロットピストン131を常時付勢するようになっている。図示されている実施形態では、パイロット付勢部材139としては、コイルばねが使用されている。しかしながら、パイロット弁座119からパイロット弁体部135を離間させる方向にパイロットピストン131を常時付勢することができ且つ流体を通過させることができれば、パイロット付勢部材139はコイルばねに限定されるものではなく、例えば筒状の弾性体とすることも可能である。また、パイロット弁座119からパイロット弁体部135を離間させる方向にパイロットピストン131を常時付勢することができれば、パイロット付勢部材139は、パイロット弁体部135の先端部と栓部材137との間に配置されている必要はなく、例えばパイロットシリンダ室111内に配置されていてもよい。
【0060】
栓部材137の外周面及びこれが取り付けられる第1の流路115の端部には、ねじ山が設けられており、螺着により第1の流路115の端部に栓部材137を取り付けていることが好ましい。第1の流路115内に栓部材137を螺着する場合、第1の流路115に対して栓部材137を回転させることによって、第1の流路115内における栓部材137の位置を調整することが可能となる。
【0061】
このような構成により、駆動ポート109からパイロットシリンダ室111に駆動流体を供給することによって、駆動流体による力がパイロット付勢部材139による付勢力を上回るようになり、パイロット付勢部材139による付勢力に抗してパイロット弁室113へ接近する方向にパイロットピストン131を移動させることができるようになる。この結果、パイロットロッド133を介してパイロット弁体部135をパイロット弁座119に圧接させて、第1の流路115の流体の流通を閉止させることができる。また、パイロットシリンダ室111から駆動流体を排出することによって、駆動流体による力がパイロット付勢部材139による付勢力を下回るようになり、パイロット付勢部材139による付勢力に従ってパイロット弁室113から離れる方向にパイロットピストン131を移動させる。この結果、パイロットロッド133を介してパイロット弁体部135をパイロット弁座119から離間させて、パイロット弁座119とパイロット弁体部135との隙間を通して第1の流路115とパイロット弁室113との間の流体の流通を許容するようにできる。すなわち、第1の流路115、パイロット弁室、連通路129を経て第1のポート105と第2のポート107との間で流体が流通することが可能になる。
【0062】
また、パイロット付勢部材139による付勢力を調整することによって、パイロットシリンダ室111から駆動流体を排出してパイロット弁体部135がパイロット弁座119から離間するときのパイロットシリンダ室111内の駆動流体の圧力を調整することが可能となる。パイロット付勢部材139による付勢力の調整は、例えば、適した付勢力を有したパイロット付勢部材139を選択して、パイロットシリンダ室111内の駆動流体が所望の圧力以下になったときにパイロット弁体部135がパイロット弁座119から離間して流体の流通を許容するようにすればよい。また、図示されている実施形態のように栓部材137が第1の流路115内に螺着されており且つパイロット付勢部材139が栓部材137とパイロット弁体部135との間に配置されている場合、栓部材137を回転させて第1の流路115内における栓部材137の位置を変化させることによって、パイロット弁体部135がパイロット弁座119に着座しているときのパイロット付勢部材139の圧縮状態を変化させることができる。したがって、栓部材137を回転させて第1の流路115内における栓部材137の位置を変化させることによって、パイロットシリンダ室111から駆動流体を排出してパイロット弁体部135をパイロット弁座119から離間させるときのパイロットシリンダ室111内の駆動流体の圧力を調整することが可能となる。
【0063】
図示されている実施形態では、駆動ポート109、パイロットシリンダ室111、パイロット弁室113、接続孔114、パイロットピストン131、パイロットロッド133、パイロット弁体部135、栓部材137、パイロット付勢部材139がタイミング調整機構部101aを構成している。
【0064】
また、図示されている実施形態では、駆動ポート109を通してパイロットシリンダ室111から駆動流体を排出して、開閉弁部15において弁体49が弁座29に着座したときの開閉シリンダ室37(詳細にはその第1の気室37a)の駆動流体の圧力以下までパイロットシリンダ室111内の駆動流体の圧力が減少したときに、パイロット付勢部材139の付勢力がパイロットシリンダ室111内の駆動流体による力を上回ってパイロット弁体部135がパイロット弁座119から離間するように、パイロット付勢部材139による付勢力を調整すれば、タイミング調整機構部101aは、開閉弁部15が閉弁状態になると、第2のポート107から第1のポート105への駆動流体の流通を許容するようになる。この結果、吸戻機構部17の吸戻シリンダ室59(詳細にはその第2の気室59b)からタイミング調整弁101と切換弁83を介して駆動流体を排出して、吸戻機構部17による吸い戻し動作を開始させることができるようになる。
【0065】
チェック弁機構部101bは、隙間通路127内に配置される。チェック弁機構部101bは、例えば、図示されている実施形態のように、第1のパイロット筐体103aの外周面と第2のパイロット筐体103bの挿入孔125の拡大孔部125aの内周面との間に配置されたUパッキン、Vパッキン、Yパッキンなどの撓曲可能なリップ構造部を有したリップパッキン149によって構成することができる。この場合、隙間通路127において、リップパッキン149のリップ構造部が連通路129に近い側に配置されるようにする。これにより、リップパッキン149は、第1のポート105から第2の流路117及び隙間通路127を経て第2のポート107へ向かう方向の流体の流れを許容する一方、第2のポート107から隙間通路127及び第2の流路117を経て第1のポート105へ向かう方向の流体の流れを防止するようになる。図示されている実施形態では、チェック弁機構部101bは、Yパッキンによって構成されている。
【0066】
次に、図1に示されている構成のサックバックバルブ11の動作を説明する。ここで、タイミング調整弁101の第1のポート105が切換弁83に接続され、第2のポート107が吸戻機構部17の吸い戻し用駆動流体ポート71に接続されているものとする。また、タイミング調整弁101のタイミング調整機構部101aでは、開閉弁部15において弁体49が弁座29に着座したときの開閉シリンダ室37(詳細にはその第1の気室37a)の駆動流体の圧力を閉弁圧力Pとするとき、パイロットシリンダ室111内の駆動流体の圧力が閉弁圧力P以下まで減少したときに、パイロット付勢部材139による付勢力がパイロットシリンダ室111内の駆動流体による力を上回ってパイロット弁体部135がパイロット弁座119から離間して、第2のポート107からパイロット弁室113及び第1の流路115を経て第1のポート105への駆動流体の流通を許容するように設定されているものとする。
【0067】
サックバックバルブ11の開閉弁部15を開弁状態にさせるときには、切換弁83は、図示されていない駆動流体源から開閉用駆動流体ポート53及び吸い戻し用駆動流体ポート71に駆動流体を供給するように切り換えられる。すると、開閉用駆動流体ポート53を通して開閉シリンダ室37の第1の気室37aに供給された駆動流体による力が開閉用付勢部材41による付勢力を上回って、開閉ピストン39は第1の気室37a内の駆動流体による力によって開閉用付勢部材41による付勢力に抗して弁室23から離れる方向に押し上げられて弁開位置に移動させられる。これにより、開閉ステム43の先端に接続された弁体49が開閉ピストン39の上昇に伴って弁座29から離間して、入口流路19に流入する流体が弁室23,連通路27及び吸戻室25を経て出口流路21から流出するようになる。
【0068】
このとき、開閉弁部15の開閉シリンダ室37内の駆動流体の圧力は閉弁圧力Pよりも高くなっていることになる。その結果、タイミング調整弁101の駆動ポート109を経てパイロットシリンダ室111内に供給される駆動流体の圧力は閉弁圧力Pよりも高くなる。したがって、タイミング調整弁101のタイミング調整機構部101aでは、パイロットシリンダ室111内の駆動流体による力がパイロット付勢部材139による付勢力を上回って、パイロットピストン131がパイロット付勢部材139による付勢力に抗してパイロット弁室113に接近する方向に移動され、図4に示されているように、パイロット弁体部135がパイロット弁座119に圧接される。すなわち、タイミング調整弁101のタイミング調整機構部101aは、第1のポート105と第2のポート107との間での駆動流体の流通を許容しなくなる。一方、チェック弁機構部101bは、第1のポート105から第2のポート107へ向かう駆動流体の流通を許容する。これにより、切換弁83を経て供給される駆動流体は、タイミング調整弁101の第1のポート105から流入してチェック弁機構部101bを経て第2のポート107から流出し、吸い戻し用駆動流体ポート71にも供給される。この結果、吸い戻し用駆動流体ポート71を通して吸戻シリンダ室59の第2の気室59bに供給された駆動流体による力によって、吸戻ピストン61は吸い戻し用付勢部材63による付勢力に抗して吸戻室25へ接近する方向に押し下げられて待機位置に移動させられる。これにより、吸戻ピストン61の先端に接続されたダイヤフラム69が吸戻室25へ膨出した状態となり、吸戻機構部17は待機状態となる。
【0069】
サックバックバルブ11の開閉弁部15を閉弁状態にして、流体の流通を閉止させるときには、切換弁83を切り換えて、開閉用駆動流体ポート53及び吸い戻し用駆動流体ポート71に接続されている配管から駆動流体を外部へ排出できるようにする。
【0070】
開閉用駆動流体ポート53を通して開閉シリンダ室37の第1の気室37aから切換弁83へ向けて駆動流体を排出すると、第1の気室37a内の駆動流体の圧力が低下して、第1の気室37a内の駆動流体による力が開閉用付勢部材41による付勢力を下回り、開閉用付勢部材41による付勢力に従って開閉ピストン39が弁室23に接近する方向に押し下げられる。第1の気室37a内の駆動流体の圧力が閉弁圧力Pまで低下すると、開閉ステム43の先端に接続された弁体49が弁座に圧接され、入口流路19から弁室23への流体の流入が閉止される。
【0071】
一方、切換弁83を経て駆動流体を外部へ排出できるように切換弁83が切り換えられても、開閉弁部15が閉弁状態になるまでは、開閉弁部15の開閉シリンダ室37内の駆動流体の圧力は閉弁圧力Pよりも高くなっている。このとき、タイミング調整弁101の駆動ポート109を経てパイロットシリンダ室111内に供給される駆動流体の圧力は閉弁圧力Pよりも高くなる。したがって、タイミング調整弁101のタイミング調整機構部101aでは、パイロットシリンダ室111内の駆動流体による力がパイロット付勢部材139による付勢力を上回っているので、パイロット弁体部135が依然としてパイロット弁座119に圧接された状態となる。すなわち、タイミング調整弁101のタイミング調整機構部101aは、第1のポート105と第2のポート107との間での駆動流体の流通を許容しない。また、チェック弁機構部101bも、第2のポート107から第1のポート105へ向かう駆動流体の流通を防止する。したがって、切換弁83を経て駆動流体を外部へ排出できるように切換弁83が切り換えられても、開閉弁部15が閉弁状態になるまでは、タイミング調整弁101は、第2のポート107から第1のポート105への駆動流体の流通を許容しない。この結果、吸戻機構部17の吸戻シリンダ室59の第2の気室59bから駆動流体を排出することができなくなり、待機状態のままとなるので、吸い戻し動作も行われない。
【0072】
切換弁83を経て駆動流体を外部へ排出できるように切換弁83が切り換えられて、さらに開閉弁部15が閉弁状態になると、開閉弁部15の開閉シリンダ室37内の駆動流体の圧力は閉弁圧力P以下まで減少する。このとき、タイミング調整弁101のパイロットシリンダ室111内の駆動流体の圧力も閉弁圧力P以下まで減少する。したがって、タイミング調整弁101のタイミング調整機構部101aでは、パイロット付勢部材139による付勢力がパイロット弁室113内の駆動流体による力を上回り、パイロットピストン131がパイロット付勢部材139による付勢力に従ってパイロット弁室113から離れる方向に移動され、図3に示されているように、パイロット弁体部135がパイロット弁座119から離間する。これにより、タイミング調整弁101のタイミング調整機構部101aは、第1のポート105と第2のポート107との間での駆動流体の流通を許容するようになる。一方、チェック弁機構部101bは、第2のポート107から第1のポート105へ向かう駆動流体の流通を防止する。したがって、タイミング調整弁101は、第2のポート107からタイミング調整機構部101aを経てのみ第1のポート105への駆動流体の流通を許容するようになる。これにより、吸戻機構部17の吸い戻し用駆動流体ポート71を通して吸戻シリンダ室59の第2の気室59bから切換弁83へ向けて駆動流体が排出されるようになる。この結果、吸い戻し用付勢部材63による付勢力が吸戻シリンダ室59の第2の気室59b内の駆動流体による力を上回るようになり、吸戻ピストン61が吸い戻し用付勢部材63による付勢力に従って吸戻室25から離れる方向に上方へ向かって移動させられる。吸戻ピストン61が上方へ向かって移動するのに伴って、吸戻ステム65を介して吸戻ピストン61に連結されるダイヤフラム69が吸戻室25から後退して、吸戻室25の容積が増加する。この結果、吸い戻し動作が行われる。
【0073】
このようにして、サックバックバルブ11は、開閉弁部15による流体の流通の閉止後に、吸戻機構部17による吸い戻し動作を行うことを可能とさせ、閉弁後に出口流路21に連通するノズルから流体が漏れ出たり滴下したりすることを防止している。
【0074】
以上、図示されている実施形態を参照して、本発明によるサックバックバルブ11を説明したが、本発明は図示されている実施形態に限定されるものではない。例えば、図示されている実施形態では、パイロット付勢部材139が第1の流路115内でパイロット弁体部135と栓部材137との間に配置されているが、パイロットシリンダ室111内に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
11 サックバックバルブ
13 バルブ本体
15 開閉弁部
17 吸戻機構部
19 入口流路
21 出口流路
23 弁室
25 吸戻室
29 弁座
35 開閉用駆動部筐体
37 開閉シリンダ室
39 開閉ピストン
41 開閉用付勢部材
43 開閉ステム
49 弁体
57 吸い戻し用駆動部筐体
59 吸戻シリンダ室
61 吸戻ピストン
63 吸い戻し用付勢部材
65 吸戻ステム
67 貫通孔
69 ダイヤフラム
83 切換弁
101 タイミング調整弁
101a タイミング調整機構部
101b チェック弁機構部
103 パイロット本体
105 第1のポート
107 第2のポート
109 駆動ポート
111 パイロットシリンダ室
113 パイロット弁室
114 接続孔
115 第1の流路
117 第2の流路
119 パイロット弁座
121 第1のパイロット筐体
123 第2のパイロット筐体
125 挿入孔
127 隙間通路
129 連通路
131 パイロットピストン
133 パイロットロッド
135 パイロット弁体部
137 栓部材
137a 流通孔
139 パイロット付勢部材
【要約】
【課題】パイロット流体の圧力が予め定められた値以下に低下したときに流体の流通を許容することができるタイミング調整弁を提供する。
【解決手段】タイミング調整弁101は、第1のポートと第2のポートと駆動ポートとが形成されたパイロット本体と、第1のポートから第2のポートへの流体の流通を許容し、第2のポートから第1のポートへの流体の流通を防止する逆止弁機構部101bと、駆動ポートに対する駆動流体の供給及び排出によって内部流路の開閉を行うタイミング調整機構部101aとを備える。タイミング調整機構部101aは、内部流路において逆止弁機構部101bと並列に配置されており、駆動ポートを通してタイミング調整機構部に対して供給及び排出される駆動流体の圧力が予め定められた値以下になっているときに流体の流通を許容するように構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4