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特許7058859商品販売データ処理装置、商品販売データ処理装置を備える商品販売データ処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、商品販売データ処理装置を備える商品販売データ処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220418BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20220418BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20220418BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220418BHJP
【FI】
G07G1/12 321M
G07G1/06 B
G07G1/01 301C
G06Q30/02 446
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017205680
(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2019079274
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(72)【発明者】
【氏名】大野 哲夫
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-063465(JP,A)
【文献】特開2002-183833(JP,A)
【文献】特開2012-155364(JP,A)
【文献】特開平10-208154(JP,A)
【文献】特開平10-289269(JP,A)
【文献】特開平07-325976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置であって、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記特別情報を出力する出力手段と、
前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う閉設手段を備え、
前記出力手段は、前記閉設手段による電源オフ処理の際に、翌営業日に適用される前記特別情報を出力す
商品販売データ処理装置。
【請求項2】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置であって、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記特別情報を出力する出力手段と、
前記特別情報を含む実際の商品に付く特別情報を読み取る入力手段を備え、
前記出力手段は、前記検索手段によって検索された前記特別情報に、商品の特別価格に関する情報が含まれている場合に、前記特別価格を含む商品の特別情報を表示手段に一覧表示し、
前記入力手段が読み取った実際の商品の特別情報と前記表示手段に表示された特別情報とに基づいて特別情報を確定する手段をさらに備える
商品販売データ処理装置
【請求項3】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置であって、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記特別情報を出力する出力手段と、
前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う閉設手段を備え、
前記出力手段は、前記検索手段によって検索された前記特別情報と、前記特別情報についての操作部を表示手段に表示し、
前記操作部が操作されることで前記特別情報の確定を行う手段をさらに備え、
前記閉設手段は、前記特別情報の確定が行われない場合には、電源オフ処理を行わない
商品販売データ処理装置。
【請求項4】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置であって、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記特別情報を出力する出力手段と、
前記特別情報の確定を行う手段と、
前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う閉設手段を備え、
前記出力手段は、前記検索手段によって検索された前記特別情報を表示手段に表示するとともに、前記特別情報に印刷イメージ情報が含まれている場合に、前記表示手段に前記印刷イメージ情報を表示し、
前記閉設手段は、前記特別情報の確定が行われない場合には、電源オフ処理を行わない
商品販売データ処理装置。
【請求項5】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置であって、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記特別情報を出力する出力手段と、
前記特別情報の確定を行う手段と、
前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う閉設手段を備え、
前記出力手段は、前記検索手段によって検索された前記特別情報に、商品の特別価格に関する情報が含まれている場合に、前記特別価格を含む商品の特別情報を表示手段に一覧表示し、
前記閉設手段は、前記特別情報の確定が行われない場合には、電源オフ処理を行わない
商品販売データ処理装置
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の商品販売データ処理装置を備える商品販売データ処理システムであって、
さらに、商品販売データ処理システム全体の情報管理、制御を行う上位サーバーを備える
商品販売データ処理システム
【請求項7】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置を制御するプログラムであって、
コンピュータに、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する手順と、
検索された前記特別情報を出力する手順と、
電源オフ処理の際に、翌営業日に適用される前記特別情報を出力する手順と
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置を制御するプログラムであって、
コンピュータに、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する手順と、
検索された前記特別情報を出力する手順と、
前記検索された前記特別情報に、商品の特別価格に関する情報が含まれている場合に、前記特別価格を含む商品の特別情報を表示手段に一覧表示する手順と、
実際の商品に付く特別情報を読み取る入力手段によって読み取られた実際の商品の特別情報と前記表示手段に表示された特別情報とに基づいて特別情報を確定する手順と
を実行させるためのプログラム
【請求項9】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置を制御するプログラムであって、
コンピュータに、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する手順と、
検索された前記特別情報を出力する手順と、
検索された前記特別情報を前記特別情報についての操作部とともに表示する手順と、
前記操作部が操作されることで前記特別情報の確定を行う手順と、
前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う手順と、を実行させるものであり、
前記特別情報の確定が行われない場合には、電源オフ処理を行わない
プログラム。
【請求項10】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置を制御するプログラムであって、
コンピュータに、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する手順と、
検索された前記特別情報を表示手段に表示する手順と、
検索された前記特別情報に、印刷イメージ情報が含まれている場合に、前記表示手段に前記印刷イメージ情報を表示する手順と、
前記特別情報の確定を行う手順と、
前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う手順と、を実行させるものであり、
前記特別情報の確定が行われない場合には、電源オフ処理を行わない
プログラム。
【請求項11】
顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置を制御するプログラムであって、
コンピュータに、
任意の営業日に適用される特別情報を検索する手順と、
検索された前記特別情報を出力する手順と、
前記特別情報の確定を行う手順と、
前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う手順と、を実行させるものであり、
前記特別情報に、商品の特別価格に関する情報が含まれている場合には、前記特別情報を出力する手順において、前記特別価格を含む商品の特別情報を表示手段に一覧表示し、
前記特別情報の確定が行われていない場合には、電源オフ処理を行わない
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量販店・スーパーなどで使用するPOS等の商品販売データ処理装置、商品販売データ処理装置を備える商品販売データ処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
量販店・スーパーマーケットなど小売業の店舗では、開店もしくは閉店時には、POSレジスタ・会計機能付き計量装置等の商品販売データ処理装置に対して、特売データ、クーポン特典等の反映や、当日の販売明細データの上位システムへの送信、販売明細データ等のバックアップ処理等を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4990953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の装置等においては、開店前に、当日のレシート等に印刷する特典イベントに伴うクーポン券の印刷内容を確認する作業や、当日の広告等の特売価格がPOSレジスタ等に反映されているかなどを確認する作業を行う必要がある。
【0005】
しかし、これら情報の確認作業は、煩雑なものであって、店舗の開店前に行うことは、店員に大きな負担をかけるものであった。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑みたものであり、店舗の開店前に行っていた特典イベントに伴うクーポン券の印刷内容の確認作業や、広告の特売価格の確認作業の全部又は一部を営業日より前に行うことを可能にして、店舗の開店前に行う前記確認作業の負担を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、顧客が購入する商品を登録する商品販売データ処理装置であって、任意の営業日に適用される特別情報を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された前記特別情報を出力する出力手段と、前記商品販売データ処理装置の電源オフ処理を行う閉設手段を備え、前記出力手段は、前記閉設手段による電源オフ処理の際に、翌営業日に適用される前記特別情報を出力する商品販売データ処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記実施形態によれば、特典情報やクーポン券の印刷内容の確認作業や、広告の特売価格の確認作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、本発明の実施形態の商品販売データ処理装置を含むシステムの全体構成を示す模式図であり、(b)は、本発明のひとつの実施形態の商品販売データ処理装置のハード構成図である。
図2】本発明の実施形態の商品販売データ処理装置であるPOSレジスタの機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態の商品販売データ処理装置であるPOSレジスタにおける閉設処理のフロー図の一例である。
図4】本発明の実施形態のPOSレジスタの表示手段に表示される画面の図であり、データ出力モードの初期画面の図の一例である。
図5】本発明の実施形態のPOSレジスタの表示手段に表示される画面の図であり、(a)は、クーポン印字情報を確認するための画面の一例であり、(b)は、確認するクーポン印字情報がポップアップ表示された画面の一例である。
図6】本発明の実施形態のPOSレジスタの表示手段に表示される画面の図であり、(a)は、特別価格情報を確認するための画面の一例であり、(b)は、商品を登録する際に使用するプリセット画面の一例である。
図7】(a)は、本発明の実施形態のPOSレジスタを含むシステムにおける広告に掲載された商品の情報を検索する模式図の一例であり、(b)は、広告商品の情報を確認するためにPOSレジスタの表示手段に表示される画面の図の一例である。
図8】(a)、(b)は、本発明の実施形態のPOSレジスタによって表示もしくは印刷されるクーポン印字のサンプルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のひとつの実施形態に係る商品販売データ処理装置について、図面を参照して説明する。
(商品販売データ処理装置を含むシステムの全体構成)
本実施形態に係る商品販売データ処理装置を含む商品販売データ処理システムは、図1(a)に示すように、店舗内に配置される上位サーバー10と、上位コントローラ20と、商品販売データ処理装置としてのPOSレジスタ30とを含んで構成されている。
【0011】
上位サーバー10と、上位コントローラ20と、POSレジスタ30とは、有線又は無線のLAN(Local Area Network)などのネットワーク40を介して相互に接続されている。
【0012】
なお、上記の商品販売データ処理システムの構成は一例であって、例えば、POSレジスタ30は、一台、複数台のいずれでもよく、また、登録装置と精算装置とが分離したセパレートタイプのものであってもよい。また、商品販売データ処理装置30は、包装計量値装置や会計機能付きの計量装置(対面計量装置)、店舗内モバイル端末装置などであってもよい。
【0013】
また、上位サーバー10と上位コントローラ20を一体とした上位システムとしたものであってもよく、複数台の商品販売データ処理装置30のうちの一台に上位システムとしての機能を兼用させたものであってもよい。
なお、以下の説明においては、商品販売データ処理装置30として、POSレジスタ30の実施形態を用いて説明する。
【0014】
上位サーバー10は、商品販売データ処理システム全体の情報管理、制御を行うコンピュータであり、商品マスタ、クーポンマスタ、特売マスタ等の各種マスタの情報を記憶している。商品マスタとは、各商品の商品識別情報、例えば商品コード(JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの情報を格納したファイルである。
【0015】
クーポンマスタとは、特典イベント時等に顧客に配られるクーポン券の情報、例えばクーポン券の発行条件、クーポン券のイメージ情報を格納したファイルである。特売マスタとは、特売に関する情報、例えば特売日、特売条件、対象商品、まとめ割引(バンドル割引)、よりどり割引(ミックスマッチ割引)、セット割引(セットマッチ)などの特売情報を格納したファイルである。また、特売条件には会員・非会員などの会員ランク条件などが記憶されていてもよい。
【0016】
上位サーバー10は、最新の商品情報が反映された各種マスタの情報を外部(例えば、本部のサーバー、CD-ROM等の媒体)から取得して各種マスタの更新を行っている。更新された各種マスタの情報は、POSレジスタ30に送信される。
【0017】
上位コントローラ20は、上位サーバー10に記憶された各種マスタ情報の設定や分析等を上位サーバー10に対して要求するコンピュータである。ユーザーは、上位コントローラ20によって、上位サーバー10に記憶されたマスタ情報の追加、変更等の業務を行うことができる。
【0018】
POSレジスタ30は、顧客が購入する商品を登録する登録処理を実行し、登録した商品の情報に基づいて精算処理を実行する。商品の登録は、例えば、スキャナ等の入力手段を用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、表示手段312の商品登録画面に表示されたプリセットボタンを操作することなどにより行われる。
【0019】
また、POSレジスタ30は、登録された商品の精算処理に用いられる情報(以下、「精算情報」という)を記憶手段に記憶する。精算情報には当該精算情報を識別するための精算情報識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)等を含む。また、商品の代金の支払い情報、顧客情報を含んでもよい。
【0020】
図1(b)に示すように、本実施形態に係る商品販売データ処理システムのPOSレジスタ30において、CPU31は、ソフトウエアプログラムの命令を実行する。ROM32は、CPU31上で動作するためのプログラム等を予め記憶している。なお、プログラム等は、CD-ROMなどの可搬型記憶媒体に記憶させ、CD-ROMドライブなどの外部装置により読み取るように構成してもよい。
【0021】
RAM33は、プログラムの記憶及びソフトウエアが動作するために必要なワーク記憶エリアとして使用される。
メモリ34は、ハードディスク装置等から構成され商品マスタ等の情報を記憶している。
ネットワークI/F35は、ネットワーク40上に接続された手段とデータのやり取りを行うための回路である。
入力手段I/F36は、バーコードスキャナ等の入力手段311との入出力を行うための回路である。
表示手段I/F37は、タッチパネル等の表示手段312との入出力を行うための回路である。
【0022】
(機能ブロック図)
図2は、本実施形態のPOSレジスタ30の機能ブロック図の一例である。
POSレジスタ30は、商品登録制御手段301、開設手段302、閉設手段303、更新手段304、検索手段305、出力手段306、記憶手段307を備える装置として機能する。
【0023】
前記商品登録制御手段301は、POSレジスタ30を総括して制御する手段であり、入力手段311により入力された情報に基づいて顧客が購入する商品を登録して記憶したり、登録した商品の情報を表示手段312に表示したり、前記購入する商品の合計金額を算出して精算したりする。
【0024】
開設手段302は、ユーザーの操作に従ってPOSレジスタ30を開設する手段である。なお、「開設」とは、営業日の開店時等にPOSレジスタ30のシステムの初期設定処理等の処理を行って立ち上げることをいい、例えば、開設処理においては、営業日いわゆる当日日付の確認をしたり、上位システムや他の各装置との疎通の確認をしたりする。
【0025】
閉設手段303は、ユーザーの操作に従ってPOSレジスタ30を閉設する手段である。なお、「閉設」とは、当日営業日の閉店時等にPOSレジスタ30のシステムの当日の明細データ等のバックアップ等の処理をして電源OFFの処理を行うことをいい、例えば、閉設処理においては、当日の履歴ログや実績データの上位システムへの送信、未送信データの有無を確認して未送信データがあれば送信するなど売上計上処理、当日の売上データ等のバックアップ処理等を行い、電源をOFFにする。
なお、開設処理や閉設処理は1日に複数回実行されることもある。
【0026】
更新手段304は、上位システムの各種マスタの情報に基づいて、POSレジスタ30の各種マスタを更新する。各種マスタの更新に関しては、新規に追加された情報や修正等された情報のみが上位システムから送信され、更新手段304は、受信した更新情報に基づいて各種マスタを更新する。
【0027】
検索手段305は、上位システムの各種マスタやPOSレジスタ30の各種マスタ等の情報から、特定の条件に該当する特別情報、例えば翌営業日に特売となる商品の情報などを検索する。
【0028】
出力手段306は、更新手段304により更新されたPOSレジスタ30の各種マスタの更新情報や検索手段305により検索された特別情報等を出力する手段である。具体的には、更新された更新情報や検索された特別情報等を表示手段312に表示したり、印刷手段313により印刷したりする。ユーザーは、出力手段306により出力された情報を目視により確認することができる。
記憶手段307は、各種マスタの情報や精算情報等を記憶する手段である。
【0029】
(開設処理と閉設処理)
本実施形態の商品販売データ処理装置(POSレジスタ)30は、店舗の開店時及び閉店時に開設処理及び閉設処理が行われる。複数のPOSレジスタ30が親機と子機とから構成されている場合には、親機から子機の順番に開設処理が行われる。なお、一つの子機を親機のバックアップ機として使用している場合には、親機、バックアップ機、子機の順番に開設処理が行われる。なお、システムの状態によっては、開設順番が特に決定されていなくてもよい。
【0030】
一日の営業を始める際の開設処理にあたっては、営業日の確認、上位システムとの疎通確認、日計データの累計の加算処理、日計データのクリア処理等を行い、開設処理が終了し、通常業務モードで立ち上がる。
【0031】
一日の営業が終了した際の閉設処理にあたっては、当日の履歴ログや実績データの上位システムへの送信、未送信データの有無の確認及び未送信データの送信など売上計上処理、上位システムに送信した当日の売上データ等のバックアップ処理等を行い、電源OFF処理が行われる。なお、バックアップ処理したデータは、POSレジスタ30の稼働状態を向上させるために、所定期間後に消去して、装置内のデータベース等のスリム化を行ってもよい。
【0032】
また、必要に応じて、プログラムのバージョンアップファイルの取得を行う。バージョンアップは、更新内容によっては所要時間を要するので、閉設処理で行うことが好ましい。
開設処理が行われてから閉設処理が行われるまでの各種処理が、決定された営業日において行われた処理として管理される。
【0033】
(マスタの更新処理)
店舗で販売する商品は、日々新しい商品が追加されたり、削除されたりする。
また、特売セール等が開催され、セール品が期間限定で特別価格での販売がなされたりする。そのため、それら商品の情報や特売情報が記憶されたPOSレジスタ30の各種マスタの情報は、日々更新される。
【0034】
本実施形態の商品販売データ処理装置(POSレジスタ)30においては、開設処理と閉設処理のいずれかの処理において、各種マスタの情報の更新処理が行われる。更新処理は、上位システムにおいて更新された各種マスタの情報、例えば更新された商品マスタ、クーポンマスタ、特売マスタ等の情報を、各POSレジスタ30に送信して行われ、以後、更新された情報に基づいて商品の登録処理が行われる。
【0035】
(各営業日に適用される特別情報の確認処理)
日々更新されるマスタの情報に基づいて、各営業日に特売等が行われる。特売としては、例えば特典イベントに基づいてクーポン券が発行されたり、特別価格による特価セール等が行われたりする。
ユーザーは、店舗において、各営業日に適用されるクーポン券の発行や特別価格による特価セール等の特別情報について、営業日当日の開店前に確認する必要がある。例えば、特典イベントにおいて印刷されるクーポン券の印刷イメージ(クーポンマスタに記憶)は適切であるか、チラシ等の広告に表示した特売価格は、店舗の商品に添付されたバーコードを読み込んだ時の価格と一致しているかどうかなどを確認する。
【0036】
各営業日に適用される特別情報の確認は、POSレジスタ30の通常モードとは異なる訓練モードによって行うことができる。訓練モードとは、売上計上されないモードであり、実際の商品についているバーコードを読み取ることによって、疑似的に商品登録処理を行うことで、新人のユーザーやユーザーの熟練度向上のために使用されるモードである。
【0037】
上記訓練モードにおける疑似的な商品登録処理によって、発行されるクーポン券の発行条件や印刷イメージに誤りがないか、画像データのサイズは適切であるか、前記読み取った商品の価格は、広告に表示されている特売価格と一致しているかなど商品マスタの特別情報を確認することができる。
しかし、訓練モードでの確認は、POSレジスタ30が更新されて特別情報等が反映される営業日当日の開設処理後でしか行うことができず、営業日によっては特別情報等の量が膨大となって、非常に手間と時間がかかることがある。また、通常モードへ切替忘れによって、売上データに不具合が生じる可能性があった。
【0038】
そこで、本実施形態の商品販売データ処理装置(POSレジスタ)30においては、営業日当日前に営業日に適用される特別情報等を確認することができるように、特別情報等を検索、出力するデータ出力モードが設けられている。
データ出力モードは、任意の営業日前に当該営業日に適用される特別情報等を検索、出力することで、ユーザーが当該営業日当日に適用される特別情報をあらかじめ確認することを可能にしたモードである。
データ出力モードの初期画面5の一例を、図4(a)に示す。本実施形態の初期画面5では、例えば、「クーポン印字情報出力」ボタン51、「特別価格情報出力」ボタン52,「広告商品情報出力」ボタン53等を有している。
【0039】
「クーポン印字情報出力」ボタン51は、ユーザーが、特典イベント等により発行されるクーポン印字の情報を確認等する際に操作することができる。また、「特別価格情報出力」ボタン52は、例えば当該営業日に特売となるセール品等の特別価格情報を確認等する際に操作することができる。また、「広告商品情報出力」ボタン53は、広告に掲載された商品の価格情報を確認等する際に操作することができる。
出力手段306は、前記データ出力モードにおいて、ユーザーの操作に基づいて、当該営業日に適用される特別情報を表示もしくは印刷等する。
【0040】
本実施形態のPOSレジスタは、以上のようなデータ出力モード等を設けることによって、訓練モードを利用して特別情報等の確認を行う必要がなくなり、ユーザーは、営業日前に当該営業日に適用される特別情報等の確認を行うことができる。また、訓練モードから通常モードへ復帰することを忘れるなどの作業ミスの発生を回避することができる。
【0041】
そして、閉設手段303による閉設処理において、自動的にデータ出力モードへの移行処理を含ませるなどして、特別情報の確認が行われなければ電源OFF処理ができないようにして、ユーザーに対して営業日に適用される特別情報等を確実に確認させることもできる。
また、バージョンアップファイルの取得や当日の売上データのバックアップ等を行うルーチン内に、自動的にデータ出力モードへの移行処理を含ませることで、ユーザーによる特別情報の確認を促すこともできる。
そして、所定時間特別情報の確認が行われない場合には、表示手段312に表示するなどして、ユーザーに確認を促す報知を行ってもよい。
【0042】
なお、POSレジスタ30で起動するプログラムのバージョンアップと各種マスタの情報の更新を行う際には、バージョンアップの内容にレシート印刷等に関連するものも含まれていることがあるので、データ出力モードによる特別情報の確認は、バージョンアップ後に行うことが望ましい。
【0043】
(特別情報の確認処理を伴う閉設処理)
図3は、本実施形態のPOSレジスタ30の各種マスタの更新処理、及び、翌営業日に適用される特別情報の検索処理、出力処理を、閉設処理のルーチンとして含めたフローチャートの一例である。
【0044】
まず、ユーザーによってシャットダウンの操作がされると(s101)、閉設手段303は、当日の履歴ログや実績データを上位システムへ送信する。なお、POSレジスタ30は同一の営業日に複数回シャットダウンの処理を行う可能性もあるので、2回目以降の処理では、未送信データの有無を確認して未送信データがあれば送信するなどの処理も行う。この様に、売上計上処理を行うとともに、上位システムに送信した当日(営業日)の売上データ等のバックアップ処理等閉設のための準備を行う(s102)。
【0045】
次に、更新手段304は、プログラムのバージョンアップファイル及び上位システムに記憶された各種マスタの更新情報の送信を上位システムに要求する (s103) 。
更新手段304は、上位システムから前記バージョンアップファイル及び前記更新情報を取得すると、バージョンアップファイルに基づいてプログラムのバージョンアップ処理を行う(s104)。
更新手段304は、バージョンアップ処理が終了したら、POSレジスタ30の各種マスタを更新情報に基づいて更新する(s105)。
【0046】
次に、検索手段305は、POSレジスタ30の各種マスタから翌営業日に関する特別情報を検索する(翌営業日関連情報の検索処理) (s106) 。
【0047】
次に、出力手段306は、検索手段305によって検索された翌営業日に関する特別情報を表示手段312に表示したり、もしくは、印刷手段313により印刷したりする(翌営業日関連情報の表示、印刷処理)(s107)。
出力手段306が、前記特別情報を表示、印刷することで、ユーザーは該特別情報等の確認ができる。
【0048】
なお、検索手段305による前記特別情報の検索、及び、出力手段306による前記特別情報の表示や印刷は、データ出力モード等に移行するなどしてユーザーの操作に応じて行ってもよく、また、自動的行ってもよい。
【0049】
また、検索、出力する特別情報は、翌営業日に関するものに限られるものではなく、ユーザーが検索する日にちを設定することなどにより任意の営業日に関する特別情報を検索できるようにしてもよい。その際に、検索対象とした営業日の特別情報の更新がまだ行われていないときなどには、エラー表示等してユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0050】
ユーザーが、出力手段306によって出力された特別情報等を確認し、後述する「良否判定」ボタン等を操作するなどしたら、商品登録制御手段301は、特別情報等を確定し(s108)、閉設手段303は、POSレジスタ30の電源オフ処理を行う (s109) 。なお、ユーザーが確認した結果、特別情報に誤りがある場合には、エラー情報を印刷するなど出力するとともに、上位システムに送信して、電源オフ処理を行うようにしてもよい。
【0051】
(特典イベントにおけるクーポン印字情報の確認処理)
次に、上記図3に示す閉設処理における「翌営業日関連情報の検索処理」(s106)及び「翌営業日関連情報の表示、印刷処理」 (s107)、すなわち商品販売データ処理装置における特別情報の出力処理について、さらに詳細に説明する。
【0052】
まず、翌営業日に適用される特別情報として、特典イベント等に伴ってなされるクーポン印字情報についての出力処理について説明する。
クーポン印字とは、例えば図8(a),(b)に示すような、顧客が精算した際に印刷されるレシート(サンプル)100等に次回の購入の際に使用できるクーポン券(サンプル)100a等を印刷することなどをいい、クーポン印字情報とは、クーポン印字に関する情報をいう。
【0053】
クーポン印字情報の確認処理において、「翌営業日関連情報の検索処理」として、検索手段305は、翌営業日に適用されるクーポン印字情報をPOSレジスタ30のクーポンマスタ等から検索する。なお、クーポン印字情報の検索は、上位システムのマスタ等から行ってもよく、その場合には、閉設処理のルーチンに更新手段304による更新処理を含めなくてもよい。すなわち、POSレジスタ30の閉設処理に更新処理を含ませることなく、特別情報の出力処理を含ませることもできる。
【0054】
上記クーポン印字情報の検索は、例えば、データ出力モードに移行し、その初期画面5(図4)において、ユーザーが「クーポン印字情報出力」ボタン51を操作することなどで、実行することができる。また、クーポン印字情報の検索は、翌営業日に適用されるクーポン印字情報のすべてについて検索してもよいが、翌営業日に新たに適用されるクーポン印字情報について検索するようにしてもよい。
また、クーポン印字情報の検索は、更新手段304によって行われたマスタの更新情報として翌営業日以降に適用されるクーポン印字情報の更新処理が含まれていた場合に自動的に行うようにしてもよい。
【0055】
そして、POSレジスタ30のクーポンマスタ等に翌営業日に適用されるクーポン印字情報が存在する場合には、出力手段306は、「翌営業日関連情報の表示、印刷処理」として、表示手段312に、図5(a)に示す、クーポン印字情報出力画面6を表示する。
【0056】
クーポン印字情報出力画面6は、検索した翌営業日に適用されるクーポン印字情報を一覧形式で表示する。本実施形態の例では、クーポン印字情報出力画面6は、「対象日時」欄61、「クーポン発行条件」欄62、「印刷イメージ」欄63、「サンプル発行」ボタン64、「良否判定」ボタン(操作部)65等を有する。
【0057】
なお、上記実施形態では、表示手段312は、タッチパネル式の表示手段であり、「サンプル発行」ボタン64及び「良否判定」ボタン65等の操作部は、表示画面中にタッチ式ボタンとして表示されているが、表示画面外に機械的に操作されるボタンとして備えられていてもよい。なお、クーポン印字情報出力画面6は、上記一覧形式による表示に限られるものではなく、対象商品が一品ずつ順番に画面を変えて表示されるものでもよい。
【0058】
出力手段306は、クーポン印字情報出力画面6の「対象日付」欄61に、クーポン印字がなされる日時の情報を表示する。また、出力手段306は、同「クーポン発行条件」欄62に、レシート等にクーポン印刷をするための条件を表示する。図5(a)に示す例の第1行目のクーポン印字情報では、10月1日から10日までの間、顧客が「ポイント会員」であって、購入金額が3,000円以上であるとの条件を満たすことで、クーポン券を発行することが設定されている。
【0059】
出力手段306は、「印刷イメージ」欄63に、レシート発行時にレシートに続けて印刷されるクーポン券の印刷イメージをビットマップやJpegなどで表示する。なお、「印刷イメージ」欄63aをタッチすることなどで、図5(b)に示すように、クーポン券の印刷イメージをポップアップ画面6a等に大きく表示できるようにしてもよい。
また、ユーザーが「サンプル発行」ボタン64を操作することにより、出力手段306は、印刷手段313から、図8(a)、(b)に示す、レシート(サンプル)100及びクーポン券(サンプル)100aを発行するようにしてもよい。
【0060】
なお、上記発行されるレシート(サンプル)100及びクーポン券(サンプル)100aは、実際に使用するレシート及びクーポン券との判別が可能なように、レシート等の背景色等を通常のレシートとは異なる色にするなどの処理が施されている。その他の処理としては、例えば、異なる色の帯100bを印刷したり、サンプルであるマーク100cを印字したりするなどが考えられる。つまり、通常のクーポン券と混同することがないように印刷されていればよい。
【0061】
そして、ユーザーは、出力手段306によってクーポン印字情報出力画面6に表示された印刷イメージもしくは発行されたクーポン券(サンプル)、具体的には、クーポン券のサイズ、解像度、イメージ画像が適当であるか否かを目視により確認することができる。
【0062】
ユーザーが、クーポン券(サンプル)が適当であると確認して、「良否判定」ボタン65を操作すると、商品登録制御手段301は、クーポン印字情報を確定し、出力手段306は、「良否判定」ボタン65の表示を「適合」などの表示に変化させる。
なお、出力手段306は、ユーザーが「良否判定」ボタン65を操作することによって、「良否判定」ボタン65の表示を変更するのではなく、確認されたクーポン印字情報を消去するようにしてもよい。
【0063】
商品登録制御手段301によって、全てのクーポン印字情報が確定され、出力手段306によって、全ての「良否判定」ボタン65の表示の変更がなされるか、すべてのクーポン印字情報が消去されたら、他の特別情報の出力画面に移行等するか、もしくは、他の特別情報が存在しない場合には、処理を完了する。
なお、所定時間特別情報の確認が行われない場合には、その旨をユーザーに報知する手段を設けてもよい。
【0064】
なお、上記説明は、レシートに連続して印刷されるクーポン券の印刷イメージ情報の確認について説明したが、レシートや領収書自体の印刷イメージ情報の更新時に、該レシートや領収書等の印刷イメージ情報の確認の際にも利用することができる。
【0065】
(特売価格情報の確認処理)
次に、翌営業日に適用される特別情報として、特別セール等に伴う特別価格情報についての出力処理が行われる場合について説明する。
特別価格とは、期間限定の激安セール時や対象商品についての特別セール時等の通常価格とは異なる特別な価格のことをいい、まとめ値引(バンドル値引)セットマッチ値引(セット値引)ミックスマッチ値引(よりどり値引)なども含まれる。特別価格情報とは、特別価格に関する情報をいう。
【0066】
特別価格情報の出力処理において、「翌営業日関連情報の検索処理」として、検索手段305は、翌営業日に適用される特別価格情報をPOSレジスタ30の特売マスタ等から検索する。
なお、特別価格情報の検索は、上位システムのマスタ等から行ってもよく、その場合には、閉設処理のルーチンに更新手段による更新処理を含めなくてもよい。すなわち、商品登録手段の閉設処理に更新処理を含ませることなく、特別情報の出力処理を含ませることもできる。
【0067】
上記特別価格情報の検索処理は、例えば、データ出力モードに移行し、その初期画面5(図4)において、ユーザーが「特別価格情報出力」ボタン52を操作することなどで、実行することができる。また、検索する特別価格情報としては、翌営業日に適用される特別価格のすべてについて検索してもよいが、翌営業日に新たに適用される特別価格について検索するようにしてもよい。
【0068】
また、特別価格の検索は、特売マスタに基づいて行うものに限らない。例えば、特売マスタの特売フラグが設定されていなくても通常売価と異なる特別な価格で販売されることもあり、検索手段305は、通常売価と異なる商品などをすべてのマスタから検索してもよい。
また、特別価格情報の検索処理を、更新手段304によって行われたマスタの更新情報として翌営業日以降に適用される特別価格の更新処理が含まれていた場合に自動的に行うようにしてもよい。
【0069】
POSレジスタ30の特売マスタ等に翌営業日に適用される特別価格情報が存在する場合には、出力手段306は、「翌営業日関連情報の表示、印刷処理」として、表示手段312に、図6(a)に示す、特別価格情報出力画面7を表示する。
【0070】
特別価格情報出力画面7は、特別価格で販売される商品を一覧で表示する。一覧表示は、特別価格で販売されるすべての商品を一覧に表示もよいが、例えば、特売商品であるものや、特売商品ではないが通常価格とは異なる特別価格で販売される商品であるものを分けて表示することもできる。また、例えば、生鮮野菜、菓子等の商品種別や商品の配列されている領域別等、特定の区分ごとに表示するようにしてもよい。また、チラシ等の広告に表示された特別価格の商品をまとめて一覧表示してもよい。
【0071】
本実施形態の例では、特別価格情報出力画面7は、「商品名」欄71、「JANコード」欄72、「PLU」コード欄73、「特別価格」欄74、「実価格」欄75、「良否判定」ボタン76等を有する。
図6(a)に示す特別価格情報出力画面7は、営業日(平成29年9月15日)に特別価格となる商品の特別価格情報を一覧表示している。
【0072】
出力手段306は、特別価格情報出力画面7の「商品名」欄71に、商品名を表示し、同じく「JANコード」欄72に、該当商品のJANコードの内容数字を表示し、「PLU」コード欄73に、呼び出し番号等を含む6桁のPLUコードを表示し、「特別価格」欄74に、当該商品の特別価格を表示する。
なお、特別価格情報出力画面7は、上記一覧形式による表示に限られるものではなく、商品を一品ずつ順番に画面を変えて表示するようにしてもよい。
【0073】
そして、ユーザーが、特別価格情報出力画面7の商品欄に記載された実際の商品に添付されているバーコードをスキャナ等の入力手段311で読み取ることで、「実価格」欄75に実際の価格が表示される。
【0074】
なお、商品によっては、メーカー等が登録している共通のEAN(JAN)コードとは別に、店舗内で使用されるインストアバーコードを使用している商品が存在する。例えば、生鮮商品や店内加工品などには、このインストアバーコードが印刷されており、販売金額や期限確認用のデータが印刷されているものがある。そのようなインストバーコードをスキャンした時は、エラー表示してもよい。また、「実価格」欄75に誤った売価を表示したり、間違いをレシート発行したりするなどして、ユーザーに報知してもよい。
また、このような商品には、営業日当日にならなければ実際の商品に添付されるバーコードが添付されない商品も存在するが、商品に添付される予定のバーコードをテスト印字するなどして、確認してもよい。
【0075】
また、商品には、生鮮野菜等の商品等、バーコードが添付されておらず、プリセットボタンにより登録する商品も存在するので、そのような商品については、出力手段306は、特別価格情報出力画面7の「JANコード」欄72に、「JANコード」に代えて「プリセット移行」ボタン77を表示してもよい。ユーザーは、表示された「プリセット移行」ボタン77を操作することで、図6(b)に示す、対象の商品のプリセット画面8が表示されるようにしてもよい。
【0076】
その際、プリセット画面8において、出力手段306は、対象の商品のプリセットボタン81を他の商品のプリセットボタンと画面と異ならせるように表示するようにしてもよい。
ユーザーが、対象の商品のプリセットボタン81を操作することで、出力手段306は、特別価格情報出力画面7の「実価格」欄75に当該商品の販売価格を表示するようにしてもよい。
【0077】
さらに、出力手段306は、翌営業日に適用される特別価格情報を、特別価格とバーコード(JANコード)が記載された特別価格一覧リストなどとして紙出力することができるようにしてもよい。
ユーザーは、紙出力された特別価格一覧リストのバーコードをスキャンすることで、特別価格の確認を仮に行うことができる。これにより、すべての商品の特別価格の良否の判定ができないことによる電源OFFの禁止処理を解除することができる。
【0078】
そして、ユーザーは、出力手段306によって表示もしくは印刷された特別価格情報出力画面7等の「特別価格」欄74と「実価格」欄75とを照合することなどで、「特別価格」欄74の情報が適当であるか否かを確認することができる。
【0079】
ユーザーが、特別価格の情報が適当であることを確認して、「良否判定」ボタン76を操作すると、商品登録制御手段301は、特別価格情報を確定し、出力手段306は、「良否判定」ボタン76の表示を、「適合」などの表示に変化させる。
【0080】
なお、出力手段306は、ユーザーが「良否判定」ボタン76を操作することによって、「良否判定」ボタン76の表示を変更するのではなく、特別価格情報出力画面7の一覧のうち、確認済の商品と未確認の商品とを態様を変えて表示してもよいし、確認された特別価格情報を消去するようにしてもよい。
【0081】
また、全商品表示と未確認商品の表示を切り替えるボタンなどを備えて、表示する商品を切替えても良い。未確認商品の表示に切り替えた場合には、ユーザーによって、すべての商品の特別価格情報についての「良否判定」ボタン76が操作されることで画面上の商品リストから商品が表示されなくなる。また、ユーザーによって、すべての商品の特別価格情報についての「良否判定」ボタン76が操作されることで、「翌日の特価価格の確認は終了しました」などの表示にて報知しても良い。また、例えば所定時間にすべての特別価格情報の確認が行われない場合には、その旨をユーザーに知らせる報知する手段を設けてもよい。
【0082】
上記の例では、入力手段311によって読取られた「実価格」情報を特別価格情報出力画面7の「実価格」欄75に表示して、ユーザーが目視により確認しているが、入力手段311によって読取られた実価格情報と、検索された特別価格情報とを自動的に比較して、特別価格情報の良否の判定を自動的に行ってもよい。その際には、出力手段306が、自動的に「良否判定」ボタン76に「適合」等の表示をするようにしてもよく、読み取られた実価格情報と検索された特別価格情報とが異なっている場合には、エラー表示などしてもよい。その際、エラー情報を上位システムに送信してもよい。
【0083】
また、どうしても翌営業日に入荷される商品を実物(実際の物品)で販売金額のチェックを行う場合はスキップして次の処理へ進むこともできる。但し、この場合は、翌営業日、つまり当日の開店処理のルーチンにおいてデータ出力モードへの移行を自動的に実行して当日特別価格情報の確認を促すように制御してもよい。また、事前に当日に確認すべき商品にはデータ上でフラグ管理することで、自動的に閉設処理時に画面表示しない方法でも良い。
【0084】
(広告に掲載された商品情報の出力処理)
次に、翌営業日に適用される特別情報として、広告に掲載された商品情報(広告商品情報)についての出力処理が行われる場合の実施形態について説明する。
広告商品情報の出力処理において、「翌営業日関連情報の検索処理」として、検索手段305は、実際に印刷された広告を読み取ることで広告商品情報を検索することができる。
【0085】
広告の読み取りによる広告商品情報の検索は、例えば、データ出力モードにおいて、ユーザーが「広告商品情報出力」ボタン53を操作することにより、行うことができる。
ユーザーが、「広告商品情報出力」ボタン53を操作すると、検索手段305は、図7(a)に示すように、カメラ等の撮像手段90によって広告Aに記載された商品情報及び価格情報を読み取ることで、広告商品情報を検索することができる。
【0086】
そして、出力手段306は、「翌営業日関連情報の表意、印刷処理」として、検索手段305が、広告から読み取って作成した前記広告商品情報に基づいて、図7(b)に示す、広告商品情報出力画面9の一覧を表示することができるようにしてもよい。
なお、広告商品情報の出力処理においても、検索手段305は、広告商品情報を、翌営業日に適用される広告商品情報をPOSレジスタ30の各種マスタ等から検索して抽出してもよく、各種マスタ等から検索した広告商品情報を基にして、図7(b)に示す、広告商品情報出力画面9の一覧を表示することができるようにしてもよい。
【0087】
その後の確認処理については、実際の商品Bを入力手段311で読み取るなど、特売価格情報についての処理と同様であるので、説明を省略する。
なお、本実施形態においては、広告Aを読み取って作成した広告商品情報と、マスタ等に記憶されている商品の価格情報を自動的に比較して、広告に記載された商品の価格情報がマスタの情報と一致しているか否かを自動的に判断することもできる。
【0088】
なお、以上の商品販売データ処理装置における特別情報の出力処理は、閉設処理と関係なく、ユーザーの操作等によって、適宜のタイミングで行うようにすることもできる。
【0089】
以上のように、本実施形態の商品販売データ処理装置においては、翌営業日に適用されるクーポン券の情報や特別価格情報等を営業日当日の前に行うことができ、開店前の忙しい時間に情報の確認を行う必要がなく、開店準備をスムーズに行うことができる。
また、特別情報を確認するためのデータ出力モードを備えることによって、情報の確認をスムーズに行うことができ、また、確認もれを防止することができる。
【0090】
なお、検索手段による情報の検索は、更新手段によって更新された商品登録装置のマスタを対象に検索するのではなく、上位サーバーから翌営業日に適用される特別情報を直接抽出して行ってもよい。その場合には、更新手段によるマスタの更新処理を営業日の開設前に行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10 :上位サーバー
20 :上位コントローラ
30 :POSレジスタ
301 :商品登録制御手段
302 :開設手段
303 :閉設手段
304 :更新手段
305 :検索手段
306 :出力手段
307 :記憶手段
311 :入力手段
312 :表示手段
313 :印刷手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8