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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】電子負荷ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20220418BHJP
   G01R 31/34 20200101ALI20220418BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R31/34 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018030111
(22)【出願日】2018-02-22
(65)【公開番号】P2019144171
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000128094
【氏名又は名称】株式会社エヌエフホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100119312
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 栄松
(72)【発明者】
【氏名】笠原 政史
(72)【発明者】
【氏名】石橋 雅博
(72)【発明者】
【氏名】今田 悟
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-134619(JP,A)
【文献】特開平4-16780(JP,A)
【文献】特開2013-36998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0165329(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
G01R 31/34
H02P 4/00
H02M 7/42
H02P 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験体の負荷として動作する電子負荷ユニットにおいて、
前記被試験体から前記電子負荷ユニットに出力される電流または電圧を検出する検出手段と、
外部からの設定信号を受けて、前記被試験体から見た前記電子負荷ユニットのインピーダンスを決めるパラメータを設定し、このパラメータに基づいて、前記検出手段からの検出結果をディジタル演算処理するディジタル制御手段と、
前記ディジタル制御手段からの演算結果を増幅して、前記電子負荷ユニットから前記被試験体に電流を出力する増幅回路と、
を備え
前記増幅回路は、単独の電流増幅器を含んで構成され、
前記電流増幅器は、二つの出力端子の少なくとも一方にインダクタが接続されることを特徴とする、電子負荷ユニット。
【請求項2】
被試験体の負荷として動作する電子負荷ユニットにおいて、
前記被試験体から前記電子負荷ユニットに出力される電流または電圧を検出する検出手段と、
外部からの設定信号を受けて、前記被試験体から見た前記電子負荷ユニットのインピーダンスを決めるパラメータを設定し、このパラメータに基づいて、前記検出手段からの検出結果をディジタル演算処理するディジタル制御手段と、
前記ディジタル制御手段からの演算結果を増幅して、前記電子負荷ユニットから前記被試験体に電圧を出力する増幅回路と、
を備え、
前記増幅回路は、単独の電圧増幅器を含んで構成され、
前記電圧増幅器は、二つの出力端子間にバイパスコンデンサが接続されることを特徴とする、電子負荷ユニット。
【請求項3】
前記増幅回路は、複数の増幅器を含んで構成され、
前記被試験体の動作状態に応じて、前記複数の増幅器の何れか一つと前記ディジタル制御手段との接続を切替える切替え手段を備えたことを特徴とする、請求項1または2に記載の電子負荷ユニット。
【請求項4】
前記パラメータは、前記電子負荷ユニットのインピーダンスの種類を決定する第一因子と、前記増幅回路からの出力レベルを決定する第二因子とを含み、
前記ディジタル制御手段は、前記設定信号を受けて、前記第一因子と前記第二因子をそれぞれ可変する構成としたことを特徴とする、請求項1乃至請求項の何れか一つに記載の電子負荷ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被試験体の負荷として動作する電子負荷ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被試験体に負荷を接続したときの試験を簡便に行なうために、実際の負荷に代わって電気的に動作する電子負荷ユニットが、特許文献1~4などにそれぞれ開示されている。
【0003】
特許文献1には、ロータの回転に伴いインダクタンス値が周期的に変化するSR(スイッチトリラクタンス)モータを模擬するために、複数の固定リアクトルに開閉スイッチをそれぞれ接続し、制御手段からの切換信号により個々の開閉スイッチの開閉を切換えて、固定リアクトル全体のインダクタンス値を変化させる電子負荷ユニットが提案されている。また特許文献2でも、SRモータを模擬する電子負荷ユニットとして、制御手段からの制御信号により第2コイルに供給する電流量を変化させることで、第2コイルと同じ鉄心に巻装された第1コイルのインダクタンスを変化させる考えが示されている。
【0004】
特許文献3には、交流電源電圧を昇圧する昇圧トランスと、昇圧した交流電源電圧を周波数可変電圧に変換して出力するマトリックスコンバータと、マトリックスコンバータからの出力電力を正弦波状に濾波するフィルタと、一端がフィルタに接続するインダクタとの組み合わせにより、制御手段からマトリックスコンバータに適切なスイッチ制御信号を送出することで、モータの電気的特性を模擬した電子負荷ユニットが提案されている。
【0005】
特許文献4は、電源装置や電源などの被試験体に接続される電子負荷ユニットであって、当該ユニットに流れる電流値の検出出力と、負荷電流の設定出力との差が小さくなるように、半導体素子をリニア動作させて、電子負荷ユニットに流れ込む電流を一定量に制御すると共に、半導体素子と直列に接続したバイアス電源が、被試験体の電圧とは逆極性の場合に、バイアス電源で消費される電力を外部に回生する考えが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-195667号公報
【文献】特開2015-195666号公報
【文献】特開2011-182554号公報
【文献】特開2003-167015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の電子負荷ユニットは、実際の固定リアクトルを多数用意し、その中から被試験体に作用させるリアクトルを、開閉スイッチで切換える構成となっている。しかし、SRモータの回転に同期して、多数のリアクトルを高速で選択的に切換えるのは困難で現実的ではなく、リアクトルの切換え前後で電流の連続性を保つのも困難である。
【0008】
また特許文献1~3は、何れもモータなどの誘導性負荷を模擬するのに、実際のインダクタやトランスなどのインダクタンス素子を組み込んだ構成となっており、電気的な特性は良好なものの、電子負荷ユニットそのものの小型化や軽量化を達成できない。
【0009】
実際のインダクタを用いずに、インダクタと同等の電気的特性を得る手法として、FDNR(周波数依存負性抵抗)を利用した回路構成が知られている。これは、演算増幅器を用いてFDNR素子となるGIC(一般化インピーダンス変換器)を構成し、抵抗を変換して等価的にインダクタを実現するもので、抵抗値を変更することでインダクタンスを可変し、そこに流れる電流を連続的に変化させることができる。しかし、FDNRは負荷接続箇所の何れか一方が接地電位である必要があり、フィルタ回路に組み込まれるインダクタを集積回路に置き換える目的には良いものの、誘導性負荷として動作する電子負荷ユニットのような電力応用には不向きで、簡単には利用できない。
【0010】
さらに特許文献1~4では、同一の電子負荷ユニットで誘導性負荷だけでなく、抵抗負荷や容量性負荷を模擬することはできず、多様なインピーダンスをパラメータ設定で行なえる電子負荷ユニットを提供できない。
【0011】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、電力応用に好適な回路構成で、多様なインピーダンスをパラメータ設定で簡単に行なうことが可能な電子負荷ユニットを提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、過渡応答特性を改善した電子負荷ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、被試験体の負荷として動作する電子負荷ユニットにおいて、前記被試験体から前記電子負荷ユニットに出力される電流または電圧を検出する検出手段と、外部からの設定信号を受けて、前記被試験体から見た前記電子負荷ユニットのインピーダンスを決めるパラメータを設定し、このパラメータに基づいて、前記検出手段からの検出結果をディジタル演算処理するディジタル制御手段と、前記ディジタル制御手段からの演算結果を増幅して、前記電子負荷ユニットから前記被試験体に電流または電圧を出力する増幅回路と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、ディジタル制御手段は、外部からの設定信号を受けて設定したパラメータに基いて、被試験体から見た電子負荷ユニットのインピーダンスを、アナログ的な回路変更を行なうことなく、ディジタル信号処理により抵抗性や誘導性や容量性などに自由に変更できる。また、ディジタル制御手段での演算結果は、後段の増幅回路で増幅し出力されるので、電力応用に好適な回路構成で、多様なインピーダンスをパラメータ設定で簡単に行なうことが可能になる。
【0015】
請求項2の発明によれば、電流増幅器の出力端子間の浮遊容量に起因した周波数特性の低下を抑制して、電子負荷ユニットとしての過渡応答特性を改善できる。
【0016】
請求項3の発明によれば、電圧増幅器の出力端子より先のインダクタンスに起因した周波数特性の低下を抑制して、電子負荷ユニットとしての過渡応答特性を改善できる。
【0017】
請求項4の発明によれば、被試験体の動作状態に応じて、複数の増幅器の何れかを動作させて、個々の増幅器で負荷を再現する電力を分担させることが可能となり、増幅回路の周波数特性を改善して、電子負荷ユニットとしての過渡応答特性を改善できる。
【0018】
請求項5の発明によれば、外部からの設定信号により、被試験体から見た電子負荷ユニットのインピーダンスZの種類だけでなく、増幅回路からの出力レベルを瞬時に変更することができ、被試験体の動作中に第二因子を様々なパターンで時間変化させることで、急変負荷や非線形負荷も模擬できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の各実施の形態に共通する電子負荷ユニットの基本構成を示す回路ブロック図である。
図2】同上、電子負荷ユニットの別な基本構成を示す回路ブロック図である。
図3】第1の実施の形態において、インダクタとして模擬動作する電子負荷ユニットの等価的な回路図である。
図4】同上、単アンプ方式で構成した電子負荷ユニットの要部回路図である。
図5】第2の実施の形態において、コンデンサとして模擬動作する電子負荷ユニットの等価的な回路図である。
図6】同上、実際の太陽光パワーコンディショナーの概略構成を示す回路図である。
図7】同上、図6に示すコンデンサの電流と電圧の波形図である。
図8】同上、図6の太陽光パワーコンディショナーに適用される単アンプ方式で構成した電子負荷ユニットの要部回路図である。
図9】第3の実施の形態において、実際の昇圧コンバータの概略構成を示す回路図である。
図10】同上、図9の昇圧コンバータの各部波形図である。
図11】同上、図9の昇圧コンバータに適用される多アンプ方式で構成した電子負荷ユニットの要部回路図である。
図12】第4の実施の形態において、被試験体としてパルス信号発生器に適用される多アンプ方式で構成した電子負荷ユニットの要部回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の電子負荷ユニットに関する実施の形態について、添付図面を参照しながらその詳細を説明する。なお、以下の説明で「増幅器」とは、例えばオペアンプIC等のように、帰還抵抗や利得抵抗を追加することによって増幅機能を実現するためのものを指し、また「増幅回路」とは、増幅器に帰還抵抗や利得抵抗などを追加することによって、回路全体として増幅機能を有するものを指す。
【0021】
〔全ての実施の形態に共通する電子負荷ユニットの特徴〕
図1は、本発明の各実施の形態に共通する電子負荷ユニットの基本構成を示したものである。同図において、1は試験対象となる被試験体であり、被試験体1は負荷が接続される端子2A,2B間に、電圧vを印加する電圧源3を備えて構成される。一方、10は現実の負荷に代わって被試験体1に接続され、被試験体1に現実の負荷を再現する電流iを供給する電子負荷ユニットである。ここでの電子負荷ユニット10は、電圧検出手段21と、ディジタル制御手段22と、コントローラ23と、電流増幅回路24とを主な構成要素とする。
【0022】
電圧検出手段21は、電子負荷ユニット10の両端に印加される電圧を検出するもので、その電圧検出信号Vsensは後段のディジタル制御手段22に送出される。ディジタル制御手段22は、コントローラ23からの設定信号を受けてパラメータAを設定し、それにより被試験体1の電圧源3から見た電子負荷ユニット10のインピーダンスZを決定するもので、設定されたパラメータAと、電圧検出手段21からの電圧検出信号Vsensとの積が、演算結果として後段の電流増幅回路24に送出される。電流増幅回路24は、ディジタル制御手段22からの演算結果を所定の増幅率(ゲイン:Gm)で増幅して、電圧源3からの電圧vに応じた電流iを被試験体1に供給するものである。
【0023】
電子負荷ユニット10の好ましい内部構成は後程詳しく説明するが、電流増幅回路24は、被試験体1の動作状態に関係なく、1個の電流増幅器で負荷を再現する全ての電力(電圧・電流)をまかなう単アンプ方式とするか、或いは被試験体1の動作状態に応じて、2個以上の電流増幅器の何れかを動作させて、個々の電流増幅器で負荷を再現する電力を分担させる多アンプ方式の何れかの構成とする。電流増幅回路24を多アンプ方式で構成した場合、主パラメータAを持つ回路としてのディジタル制御手段22を、アナログ信号で電流増幅器の一つに接続する切替え部(図1では図示せず)が必要となる。
【0024】
ディジタル制御手段22は、電圧検出手段21からのアナログ電圧検出信号Vsensをディジタル信号に変換するA/D変換器31と、コントローラ23からの設定信号により設定したパラメータAを利用して、A/D変換器31からのディジタル信号を演算処理する演算処理部32と、演算処理部32のディジタル演算結果をアナログ信号に変換するD/A変換器33とにより構成される。
【0025】
以上のように構成される電子負荷ユニット10では、電流増幅回路24から被試験体に流れ込む電流iが、前述の電圧検出信号Vsensと、パラメータAと、電流増幅回路24のゲインGmとにより、次の式で表される。
【0026】
【数1】
【0027】
被試験体1の電圧源3から見た電子負荷ユニット10のインピーダンスZは、次の式で表される。
【0028】
【数2】
【0029】
上記数2によれば、コントローラ23からの設定信号で、ディジタル制御手段22がパラメータAを設定すれば、電子負荷ユニット10のインピーダンスZを外部から任意に変更できる。
【0030】
具体的には、電流増幅回路24のゲインGmの周波数特性がフラットであるとすると、演算処理部32でパラメータAを定数として演算処理するように設定すれば、被試験体1に対する電子負荷ユニット10のインピーダンスZは抵抗値Rを含む抵抗性となり、電子負荷ユニット10は抵抗として動作する。また、演算処理部32でパラメータAを積分器として演算処理するように設定すれば、被試験体1に対する電子負荷ユニット10のインピーダンスZはインダクタンスLを含む誘導性となり、電子負荷ユニット10はインダクタとして動作する。さらに、演算処理部32でパラメータAを微分器として演算処理するように設定すれば、被試験体1に対する電子負荷ユニット10のインピーダンスZはキャパシタンスCを含む容量性となり、電子負荷ユニット10はキャパシタとして動作する。これらのパラメータAを適宜組合せることで、原理的には多様なインピーダンスZを、パラメータAの設定で簡単に行なえる交流の電子負荷ユニット10が実現可能となる。
【0031】
また、電流増幅回路24の様々な制限に応じた保護手段や補正手段を、電子負荷ユニット10に設けてもよい。例えば、電流増幅回路24の出力電圧や出力電流の制限に応じて、クリッパやリミッタなどの波形整形による保護手段を子負荷ユニット10に組込むと、電流増幅回路24の電圧特性や電流特性を改善できる。同様に、電流増幅回路24のゲインGmの周波数特性に応じて、パラメータAの設定値を補正するような補正手段を電子負荷ユニット10に組込むと、電流増幅回路24の周波数特性を改善できる。なお、こうした保護手段や補正手段は、図1に示す電流増幅回路24に限らず、後述する電圧増幅回路にも同様に適用できる。
【0032】
図1に示す被試験体1および電子負荷ユニット10は、回路の双対性により、図2に示す被試験体101および電子負荷ユニット110と等価に置き換えることができる。ここでの被試験体101は、端子102A,102B間に、電流iを印加する電流源103を備えて構成され、被試験体101に接続する電圧負荷ユニット110は、被試験体1に現実の負荷を再現する電圧vを印加するのに、電流検出手段121と、ディジタル制御手段122と、コントローラ123と、電圧増幅回路124とを備えている。ディジタル制御手段122は、電流検出手段121で検出したアナログ電流検出信号Isensをディジタル信号に変換するA/D変換器131と、コントローラ123からの設定信号により設定したパラメータAを利用して、A/D変換器131からのディジタル信号を演算処理する演算処理部132と、演算処理部132のディジタル演算結果をアナログ信号に変換するD/A変換器133とにより構成される。
【0033】
図2に示す回路構成は、回路の双対性を考慮すれば、図1の回路構成とほぼ同じ議論が可能であるため、同様の説明は省略する。最終的には、演算処理部32でパラメータAを定数として演算処理するように設定すれば、被試験体101に対する電子負荷ユニット100のインピーダンスZはコンダクタンスGを含む抵抗性となり、演算処理部132でパラメータAを積分器として演算処理するように設定すれば、被試験体101に対する電子負荷ユニット100のインピーダンスZはキャパシタンスCを含む容量性となり、演算処理部132でパラメータAを微分器として演算処理するように設定すれば、被試験体101に対する電子負荷ユニット100のインピーダンスZはインダクタンスLを含む誘導性となる。
【0034】
次に、上述した図1に示す電子負荷ユニット10を、インダクタやキャパシタとして模擬動作させる具体的な実施の形態を説明する。
【0035】
〔第1の実施の形態〕
図3は、図1の電子負荷ユニット10をインダクタとして模擬動作させる場合の等価的な回路図を示している。ここでの電子負荷ユニット10は、電圧源3から模擬負荷となるインダクタ12の両端に印加される電圧を積分して、電流増幅回路24で電流を流す。このときの時間tにおける電流値i(t)と電圧値v(t)との関係は、インダクタ12のインダクタンスをLとすると、次のように表わせる。
【0036】
【数3】
【0037】
図4は、図3に示すインダクタ模擬を実現するような、単アンプ方式で構成した電子負荷ユニット10の要部回路図である。同図を図1と比較すると、41A,41Bは模擬負荷の両端にかかる電圧を検出するための電圧検出手段21に相当する電圧検出用ライン、42はディジタル制御手段22に含まれる積分器、44は電流増幅回路24に含まれる電流増幅器であり、コントローラ23は存在するものの、図示を省略している。ディジタル信号処理が可能な積分器42は、演算のためにコントローラ23からの設定信号により可変する積分係数(数3に示すインダクタンスL)を含んでいる。この積分係数の値は、電圧検出手段21からの検出結果を積分する積分器42と共に、被試験体1から見た電子負荷ユニット10のインピーダンスZを決めるパラメータAで設定され、ディジタル制御手段22からの演算結果が、後段の電流増幅回路24により電子負荷ユニット10から流れる電流iとして、端子2Aから端子2Bに出力される構成となっている。
【0038】
本実施の形態における電子負荷ユニット10は、1個の電流増幅器44だけで全ての電流iを取扱う単アンプ方式の構成を有する。また、電流増幅器44は2つの入力端子と2つの出力端子、すなわち反転入力端子および非反転入力端子と、反転出力端子および非反転出力端子をそれぞれ有し、2つの出力端子を介して被試験体1に電流iを流すために、被試験体1の一方の端子2Aを電流増幅器44の一方の非反転出力端子に接続し、被試験体1の他方の端子2Bを電流増幅器44の他方の反転出力端子に接続している。なお図4では、積分器42に接続される一方の入力端子は図示されているものの、基準電位に接続される他方の入力端子の図示を省略している。
【0039】
単アンプ方式で2つの出力端子を有する電流増幅器44を用いる場合、出力端子間に発生する浮遊容量に起因して、電流増幅器44の周波数特性が制限され、電子負荷ユニット10として実用的に問題が生じる場合がある。そこで本実施の形態では、電流増幅器44の周波数特性を改善するために、電流増幅器44の各出力端子にインダクタ45A,45Bをそれぞれ追加接続している。インダクタ45A,45Bは、電流増幅器44の出力端子の両側で、電流iが流れるラインに挿入接続されており、一方のインダクタ45Aは、端子2Aと電流増幅器44の非反転出力端子との間の出力ライン46Aに挿入接続され、他方のインダクタ45Bは、端子2Bと電流増幅器44の反転出力端子との間の出力ライン46Bに挿入接続される。ここでは電流増幅器44の2つの出力端子の両方にインダクタ45A,46Aを接続した例を挙げたが、接続するインダクタはいずれか一方であっても構わない。
【0040】
そして、上記構成の電子負荷ユニット10を被試験体1の端子3A,3B間に接続し、被試験体1から電子負荷ユニット10に電圧vを印加すると、この電圧vが電圧検出用ライン41A,41Bを通して検出され、ディジタル制御手段22にアナログの電圧検出信号Vsensが送出される。積分器42は、電圧検出用ライン41A,41Bからの電圧検出信号Vsensをディジタルの電圧値として取込み、コントローラ23からの設定信号を受けて、インダクタンスLのインダクタに電圧vが印加されたときの電流値を数式3から演算する。積分器42の演算結果はアナログ信号に変換されて電流増幅器44の入力端子に取込まれ、電流増幅器44は実際のインダクタに相当する電流iが被試験体1に流れるように、積分器42からの演算結果となるアナログ信号を電流増幅する。また、電圧源3からの電圧供給が途絶えた場合には、それまでインダクタに蓄積されたエネルギーをディジタル制御手段22で算出し、インダクタの両端間に発生する電圧値の演算結果をアナログ信号に変換して、電流増幅器44の入力端子に送り出すことで、電流増幅器44は実際のインダクタンスに相当する電圧を被試験体1に印加する。これにより、インダクタンスLを有するインダクタとして、被試験体1に接続した電子負荷ユニット10を模擬動作させることが可能になる。
【0041】
ディジタル制御手段22で設定されるインダクタンスLは、コントローラ23からの設定信号により任意に変更できる。したがって、被試験体1の動作中にインダクタンスLを様々なパターンで時間変化させることで、急変負荷や非線形負荷も模擬できる。また、単アンプ方式の構成では、電流増幅回路24に含まれる一つだけの電流増幅器44が、被試験体1に流す全ての電流iをまかなう必要があり、そのままでは電流増幅器44の出力端子間に発生する浮遊容量により周波数特性が制限される問題が生じうるが、本実施の形態では、電流増幅器44の各出力端子にインダクタ45A,45Bをそれぞれ追加して接続することで、そうした周波数特性の低下を抑制して、電子負荷ユニット10の過渡応答特性を改善することができる。
【0042】
〔第2の実施の形態〕
図5は、図2の電子負荷ユニット110をコンデンサとして模擬動作させる場合の等価的な回路図を示している。ここでの電子負荷ユニット110は、電流源103から模擬負荷となるコンデンサ112を流れる電流を積分して、電圧増幅回路124で電圧を印加する。このときの時間tにおける電圧値v(t)と電流値i(t)との関係は、コンデンサ112のキャパシタンスをCとすると、次のように表わせる。
【0043】
【数4】
【0044】
図6は、図2の電子負荷ユニット110をコンデンサとして模擬動作させる一応用例として、実際の太陽光パワーコンディショナーの要部回路図を示したものである。同図において、141は太陽電池(PV)のPV等価回路で、これは周知のように、光の強さに応じた電流が発生する電流源142の両端間に、ダイオード143を接続して表記される。144は、太陽電池の直流出力を交流出力に変換するインバータで、インバータ144を構成する各スイッチ素子144A~144Dは、太陽電池が最大出力を得られるように、図示しない制御手段からのパルス駆動信号によりMPPT(最大電力点追従)制御される。
【0045】
インバータ144の入力側ラインは、PV等価回路141の両端間に接続されるが、太陽電池が本質的に電流源142であることから、太陽電池をインバータ144に接続するには、インバータ144の入力側に直流電圧を印加するためのコンデンサ145が必要となる。これによりインバータ144の動作時には、コンデンサ145を流れる電流Icと両端間に発生する電圧Vcが、図7に示すような波形となる。なお146は、インバータ144の出力側ラインに挿入接続される交流リアクトルであり、この交流リアクトル146を通してインバータ144で変換された交流電圧が出力される。
【0046】
こうした太陽光パワーコンディショナーでは、インバータ144のスイッチング速度の高周波化により、有寿命部品となる電解コンデンサに代わり、高誘電率系セラミックコンデンサがコンデンサ145として使用できる。高誘電率系セラミックコンデンサは小型ではあるものの静電容量が小さく、電圧や温度によって静電容量が変化する、したがって、太陽電池の発電量に応じてコンデンサ145の静電容量となるキャパシタンスCも変化するが、それでもMPPT制御により動作が可能であるか否かを試験する必要が有る。
【0047】
その試験を実現するために、図6に示す実際のコンデンサ145に代わって、図2に示すコンデンサを模擬する電子負荷ユニット110を接続した一応用例を、図8に示す。
【0048】
同図を図2と比較すると、151は模擬負荷に流れる電流を検出するための電流検出手段121に相当する電流検出抵抗、152はディジタル制御手段122に相当する積分器、154は電圧増幅回路124に含まれる電圧増幅器であり、コントローラ123は存在するものの、図示を省略している。ここではPV等価回路141とインバータ144が被試験体101に相当し、その端子102A,102B間に電子負荷ユニット110で再現されるコンデンサ112が、ラインとなるケーブル156を介して接続される。ディジタル信号処理が可能な積分器152は、演算のためにコントローラ123からの設定信号により可変する積分係数(キャパシタンスC)を含んでいる。この積分係数の値は、電圧検出手段21からの検出結果を積分する積分器152と共に、被試験体101から見た電子負荷ユニット110のインピーダンスZを決めるパラメータAで設定され、ディジタル制御手段122からの演算結果が、後段の電圧増幅回路124によりインバータ144に印加される電圧Vcとして、端子102A,102B間に出力される構成となっている。
【0049】
本実施の形態における電子負荷ユニット110は、1個の電圧増幅器154だけで全ての電圧Vcを取扱う単アンプ方式の構成を有する。また、電圧増幅器154は2つの入力端子と出力端子、すなわち反転入力端子および非反転入力端子と、反転出力端子および非反転出力端子をそれぞれ有し、2つの出力端子間から被試験体1に電圧vを印加するために、被試験体101の一方の端子102Aを電圧増幅器154の一方の非反転出力端子に接続し、被試験体101の他方の端子102Bを電圧増幅器154の他方の反転出力端子に接続している。なお図8では、積分器152に接続される一方の入力端子は図示されているものの、基準電位に接続される他方の入力端子の図示を省略している。
【0050】
電子負荷ユニット110で模擬動作されるコンデンサ112とインバータ144とを繋ぐケーブル156はインダクタンスLxを持つので、そのままではインバータ144への電流が急変したときに、電圧増幅器154の両端間の電圧にケーブル156のインダクタンスLx分の電圧が重畳して、インバータ144に過電圧が印加されてしまう。そこで本実施の形態では、電圧増幅器154の各出力端子と被試験体101の端子102A,102Bとの間を接続するケーブル156間に、過電圧防止用のバイパスコンデンサ157を接続することができる。この場合、インバータ144への電流が急変したときに、それまでケーブル156のインダクタンスLx分に蓄えられていたエネルギーがバイパスコンデンサ157に吸収され、インバータ144への過電圧印加を防止できる。
【0051】
また、単アンプ方式で2つの出力端子を有する電圧増幅器154を用いる場合、出力端子より先のインダクタンスに起因して、電圧増幅器154の周波数特性が制限されるが、本実施の形態では、前述のバイパスコンデンサ157を追加接続することで、電圧増幅器154の周波数特性を改善できる。
【0052】
そして、上記構成の電子負荷ユニット110を被試験体101の端子102A,102B間に接続し、被試験体101から電子負荷ユニット110に電流Icを流し込むと、この電流Icが電流検出抵抗151により検出され、ディジタル制御手段122にアナログの電流検出信号Isensが送出される。ディジタル制御手段122は、インバータ144を構成する各スイッチ素子144A~144Dのスイッチング動作に伴い、その値が変化する電流検出信号Isensに基づいて、インバータ144がオン期間であるか、或いはオフ期間であるかを判断する。
【0053】
そしてインバータ144がオン期間である場合、積分器152は、電流検出信号Isensをディジタルの電圧値として取込み、コントローラ123からの設定信号を受けて、キャパシタンスCのコンデンサ112に電流Icが流れたときの電圧値を数式4から演算する。積分器152の演算結果はアナログ信号に変換されて電圧増幅器154の入力端子に取込まれ、電圧増幅器154は実際のコンデンサ145に相当する電圧Vcが被試験体101に印加されるように、積分器152からの演算結果となるアナログ信号を電圧増幅する。
【0054】
またインバータ144がオフ期間である場合、ディジタル制御手段122は、インバータ144のオン期間中にインダクタに蓄積されたエネルギーから、キャパシタンスCのコンデンサ112に生じる電圧値を算出し、その算出結果に基づくアナログ信号を電圧増幅器154の入力端子に送出する。積分器152の演算結果はアナログ信号に変換されて電圧増幅器154の入力端子に取込まれ、電圧増幅器154は実際のコンデンサ145に相当する電圧Vcが被試験体101に印加されるように、積分器152からの演算結果となるアナログ信号を電圧増幅する。これにより、キャパシタンスCのコンデンサ112として、被試験体101に接続した電子負荷ユニット110を模擬動作させることが可能になる。
【0055】
ここでも、ディジタル制御手段122で設定されるキャパシタンスCは、コントローラ123からの設定信号により任意に変更できる。したがって、被試験体101の動作中にキャパシタンスCを様々なパターンで時間変化させることで、急変負荷や非線形負荷も模擬できる。また、単アンプ方式の構成では、電圧増幅回路124に含まれる一つだけの電圧増幅器154が、被試験体101に流す全ての電圧vをまかなう必要があり、そのままでは電圧増幅器154の出力端子より先のインダクタンスにより周波数特性が制限される問題が生じうるが、本実施の形態では、電圧増幅器154の出力端子間にバイパスコンデンサ157を追加して接続することで、そうした周波数特性の低下を抑制して、電子負荷ユニット110の過渡応答特性を改善することができる。しかもこのバイパスコンデンサ157は、インバータ144への電流が急変したときの過電圧防止にも利用できる。
【0056】
なお、本実施の形態における電子負荷ユニット110は、太陽電池からの直流電力をインバータ144に適した直流電力に変換する昇圧コンバータ付きの太陽光パワーコンディショナーにも適用できるし、それ以外のコンデンサ112を負荷とするあらゆる被試験体101に適用可能である。
【0057】
〔第3の実施の形態〕
次に、図3に示すインダクタ模擬を実現するような、多アンプ方式で構成した電子負荷ユニット10を、電力変換器となる昇圧コンバータに適用した一応用例について説明する。
【0058】
図9は、一般的な非絶縁型の昇圧コンバータ51の回路図を示している。同図において、昇圧コンバータ51は、直流電源52の両端間に接続するインダクタ53とスイッチ素子54との直列回路と、スイッチ素子54の両端間に接続するダイオード55とコンデンサ56との直列回路とにより構成され、コンデンサ56の両端間に昇圧コンバータ51の負荷となる抵抗57が接続される。また、ここには図示しないが、昇圧コンバータ51はスイッチ素子54へのパルス駆動信号を生成するための制御手段を備え、制御手段のディジタル信号処理により、パルス駆動信号の導通幅や周波数が制御される構成となっている。
【0059】
図10は、図9に示す昇圧コンバータ51の各部の波形を示したものである。同図において、Vinは昇圧コンバータ51の直流入力電圧となる直流電源52の両端間電圧、Voutは昇圧コンバータ51の直流出力電圧となる抵抗57の両端間電圧、VLはインダクタ53の両端間電圧、Vswはスイッチ素子54の両端間電圧、VFはダイオード55の順方向電圧降下、ILはインダクタ53から流れ出る電流、Iswはスイッチ素子54を流れる電流、IDCは昇圧コンバータ51の出力電流となる抵抗57を流れる電流である。
【0060】
昇圧コンバータ51の動作時には、制御手段からのパルス駆動信号によりスイッチ素子54のオン・オフが繰り返される。スイッチ素子54がオン、すなわち図10に示す「モード2」になると、スイッチ素子54の両端間電圧は0Vになって、インダクタ53に直流電源52の電圧Vinが印加され、インダクタ53の両端間電圧VLは、直流電源52側を基準として-Vinになる。また、「モード2」の期間中は、直流電源52からのエネルギーがインダクタ53に蓄えられるので、インダクタ53を流れる電流ILは時間の経過と共に傾斜増加し、スイッチ素子54にもインダクタ53を流れるのと同じ値の電流Iswが発生する。
【0061】
その後、スイッチ素子54がオフ、すなわち図10に示す「モード1」になると、それまでインダクタ53に蓄えられていたエネルギーと直流電源52からのエネルギーが、ダイオード55を通して平滑用のコンデンサ56に送り出され、直流電源52の電圧Vinよりも高い電圧Voutを、抵抗57に供給することが可能になる。このときのインダクタ53の両端間電圧VLは、直流電源52側を基準としてVout+VF-Vinになり、スイッチ素子54の両端間電圧Vswは、直流電源52の電圧Vinよりも高くVout+VFになる。また、「モード2」の期間中は、スイッチ素子54を流れる電流Iswが遮断され、インダクタ53にそれまで蓄えられていたエネルギーは、ダイオード55を通して出力側に放出するので、インダクタ53を流れる電流ILは時間の経過と共に傾斜減少する。
【0062】
本実施の形態では、昇圧コンバータ51の制御手段となるディジタルスイッチングコントローラを開発するために、実際のインダクタ53に代わって、多アンプ方式で構成したインダクタを模擬する電子負荷ユニット10を接続する。図11は、その一応用例を示す要部回路図であり、ここでは図示しない昇圧コンバータ51の制御手段を含めて、電子負荷ユニット10を除く全ての構成が、試験対象となる被試験体1に相当する。なお本実施の形態では、直流電源52からの電流は模擬せず、昇圧コンバータ51に流れる電流だけを模擬している。
【0063】
同図を図1と比較すると、61A,61Bは模擬負荷の両端にかかる電圧を検出する電圧検出手段21に相当する電圧検出用ライン、62はディジタル制御手段22に含まれる積分器、64A,64Bは電流増幅回路24に含まれる2個の電流増幅器であり、ここでも電圧検出手段21やコントローラ23は存在するものの、図示を省略している。また本実施の形態では、低周波高電圧用の第1電流増幅器64Aと高周波低電圧用の第2電流増幅器64Bの何れかを、ディジタル制御手段22の出力端子に接続して動作させるために、切替え部(ここでは図示せず)を組み込んでいる。ディジタル信号処理が可能な積分器62は、演算のためにコントローラ23からの設定信号により可変する積分係数(数3に示すインダクタンスL)を含んでおり、積分器62からの演算結果が、後段の電流増幅回路24により電子負荷ユニット10から流れる電流iとして、端子2Aから昇圧コンバータ51に流れ込む構成となっている。
【0064】
本実施の形態における電子負荷ユニット10は、2個以上の電流増幅器64A,64Bの何れかを動作させて、個々の電流増幅器で負荷を再現する電流や電圧を分担して取扱う多アンプ方式の構成を有する。また、それぞれの電流増幅器64A,64Bは2つの入力端子と1つの出力端子、すなわち反転入力端子および非反転入力端子と、出力端子をそれぞれ有し、電流増幅器64A,64Bの出力端子には、それぞれ逆流防止用のダイオード67A,67Bが接続される。なお図11では、それぞれの電流増幅器64A,64Bについて、積分器62に接続される一方の入力端子は図示されているものの、基準電位に接続される他方の入力端子の図示を省略している。
【0065】
本実施の形態では、電圧検出手段21からの電圧検出信号Vsensに基づき、ディジタル制御手段22がスイッチ素子54の動作状態を認識して、スイッチ素子54のオン期間中、すなわち前述の「モード2」の期間中は、スイッチ素子54に図10に示す大きな電流Iswが流れるように、インダクタンスLの模擬負荷に生じる電圧を積分器62で積分し、切替え部によりディジタル制御手段22と第2電流増幅器64Bとを接続して、模擬負荷に流れる電流を第2電流増幅器64Bから昇圧コンバータ51に出力する。一方、スイッチ素子54のオフ期間中、すなわち前述の「モード1」の期間中は、スイッチ素子54の両端間に図10に示す大きな電圧Vswが印加されるように、それまで模擬負荷に蓄積されたエネルギーをディジタル制御手段22で算出し、切替え部によりディジタル制御手段22と第1電流増幅器64Aとを接続して、ディジタル制御手段22からの算出結果を受けて、直流電源52の両端間電圧Vinに模擬負荷の両端間電圧を加えた電圧を、第1電流増幅器64Bから昇圧コンバータ51に印加する構成となっている。
【0066】
多アンプ方式で複数個の電流増幅器64A,64Bを用いる場合、例えば本実施の形態のように、スイッチ素子54のオン期間中には、第1電流増幅器64Aよりも周波数特性の優れた第2電流増幅器64Bを動作させて、実際のインダクタを模擬した電流を被試験体1に供給する一方で、インダクタに高い電圧がかかるスイッチ素子54のオフ期間中には、別な第1電流増幅器64Aを動作させて、被試験体1に直流電源52の両端間電圧Vinよりも高い電圧を被試験体1に印加することができる。このように、被試験体1の動作状態に応じて、「モード1」では最大出力電圧の大きい電流増幅器64Aを、「モード2」では最大出力電圧の小さい64Bを動作させることで、大電圧出力が可能な増幅器で小電圧を出力するときに比べ、それぞれのモードでの動作形態で増幅器が高精度に出力することが可能となる。さらに、大電力容量増幅器よりも電力容量の小さい増幅器の方が広帯域の周波数特性を持つ増幅器の設計が容易になり、電流増幅回路24としての周波数特性を改善して、電子負荷ユニット10の過渡応答特性を改善することができる。
【0067】
またこれは、多アンプ方式で複数個の電圧増幅器を用いる場合にも同じことが言える。例えば前記第2の実施の形態で、図8に示す電圧増幅器154を複数個の構成とし、インバータ144のスイッチ素子の動作状態に応じて、動作する電圧増幅器を切替えることで、出力電流の大きさに応じて出力電圧を高精度に制御可能な電圧増幅器を用いることにより、電圧増幅回路としての周波数特性を改善して、同様に電子負荷ユニット10の過渡応答特性を改善することができる。
【0068】
そして、上記構成の電子負荷ユニット10を、インダクタ53の模擬負荷として被試験体1の端子2A,2B間に接続し、被試験体1の直流電源52から電子負荷ユニット10に電圧Vinを印加した状態で、スイッチ素子54をスイッチング動作すると、図10に示すインダクタ53の両端間電圧VLに相当する模擬負荷の両端間電圧が電圧検出用ライン61A,61Bにより検出され、ディジタル制御手段22にアナログの電圧検出信号Vsensが送出される。ディジタル制御手段22は、スイッチ素子54のスイッチング動作に伴いその値が変化する電圧検出信号Vsensに基づいて、スイッチ素子54がオン期間であるか、或いはオフ期間であるかを判断する。
【0069】
スイッチング素子54がオン期間である場合、ディジタル制御手段22に組み込んだ切替え部は、ディジタル制御手段22と第2電流増幅器64Bとを接続する。このときディジタル制御手段22の積分器62は、電圧検出用ライン61A,61Bからの電圧検出信号Vsensをディジタルの電圧値として取込み、コントローラ23からの設定信号を受けて、インダクタンスLのインダクタに電圧が印加されたときの電流値を数式3から演算する。積分器62の演算結果はアナログ信号に変換されて第2電流増幅器64Bの入力端子に取込まれ、第2電流増幅器64Bは実際のインダクタ53に相当する電流が、ダイオード67Aを通して端子2Aからスイッチ素子54に流れ込むように、積分器62からの演算結果となるアナログ信号を電流増幅して被試験体1に出力する。
【0070】
一方、スイッチング素子54がオフ期間である場合、切替え部はディジタル制御手段22と第1電流増幅器64Aとを接続する。このときディジタル制御手段22は、スイッチ素子54のオン期間中にインダクタに蓄積されたエネルギーを算出し、その算出結果に基づくアナログ信号を、第1電流増幅器64Aの入力端子に送出する。第1電流増幅器64Aは、直流電源52の両端間電圧Vinに加えて、実際のインダクタ53の両端間に発生する電圧が、ダイオード67Bを通して端子2Aからスイッチ素子54の両端間に印加されるように、ディジタル制御手段22からの算出結果となるアナログ信号を電圧増幅して被試験体1に出力する。したがって、第1電流増幅器64Aは実質的に電圧増幅器と言える。
【0071】
これにより、インダクタンスLを有するインダクタとして、スイッチ素子54のスイッチング動作中に被試験体1に接続した電子負荷ユニット10を模擬動作させることが可能になる。
【0072】
本実施の形態でも、ディジタル制御手段22で設定されるインダクタンスLは、コントローラ23からの設定信号により任意に変更できる。したがって、被試験体1の動作中にインダクタンスLを様々なパターンで時間変化させることで、急変負荷や非線形負荷も模擬できる。また、多アンプ方式の構成では、被試験体1の動作状態に応じて、電流増幅器64A,64Bの何れかを動作させて、個々の電流増幅器64A,64Bで負荷を再現する電圧、電流領域を分担させることが可能となり、電流増幅回路24としての出力設定精度や周波数特性を改善して、電子負荷ユニット10の過渡応答特性を改善できる。
【0073】
〔第4の実施の形態〕
図12は、図3に示すインダクタ模擬を実現するような、多アンプ方式で構成した電子負荷ユニット10を、被試験体1となるパルス信号発生器に接続した一応用例を示している。被試験体1は、前述の電圧源3に代わって、インダクタの一種であるソレノイド駆動用の単極性パルス信号を発生させる信号源4を備えており、実際のソレノイド(図示せず)を端子2A,2B間に接続すると、信号源4からのパルス信号によりソレノイドが通電動作する構成となっている。
【0074】
ソレノイドの模擬負荷として被試験体1に接続する電子負荷ユニット10は、第3の実施の形態と同じく、模擬負荷の両端にかかる電圧を検出する電圧検出手段21としての電圧検出用ライン61A,61Bと、ディジタル制御手段22の演算処理部32に含まれる積分器62と、電流増幅回路24に含まれる低周波高電圧用の第1電流増幅器64Aおよび高周波大電流用の第2電流増幅器64Bと、第1電流増幅器64Aの出力端子に接続するダイオード67Aと、第2電流増幅器64Bの出力端子に接続するダイオード67Bとを備えているが、ここではより詳細な構成を示している。
【0075】
ディジタル制御手段22は、電圧検出用ライン61A,61Bからの電圧検出信号をディジタル信号に変換するA/D変換器31と、コントローラ23からの設定信号に基づき、A/D変換器31からのディジタル信号を演算処理する演算処理部32と、電流増幅器64A,64Bに合せた個数を有し、演算処理部32のディジタル演算結果をアナログ信号に変換するD/A変換器33A,33Bと、被試験体1の動作状態に応じて、電流増幅器64A,64Bの何れか一つとディジタル制御手段22との接続を切替える切替え部34とを備える。この中で、演算処理部32と切替え部34は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)により構成される。D/A変換器33Aからのアナログ出力端子は、第1電流増幅器64Aの一方の入力端子に接続され、D/A変換器33Bのアナログ出力端子は、第2電流増幅器64Bの一方の入力端子に接続される。電流増幅器64A,64Bの他方の入力端子は、共通する端子2Bからのラインに接続する。
【0076】
電子負荷ユニット10はさらに、信号源4から所定の駆動電流を流すためのインダクタ35と可変抵抗36の直列回路が、端子2A,2B間に接続される。また、電流増幅器64A,64Bにはそれぞれ、前述した保護手段として電圧リミッタ68A,68Bが付加される。電圧リミッタ68A,68Bは、電流増幅回路24の電圧特性を改善するために、電流増幅器64A,64Bからの出力電圧が設定値を超えないように制限するものである。
【0077】
本実施の形態では、電圧検出手段21からの電圧検出信号Vsensに基づき、ディジタル制御手段22が信号源4の動作状態を認識して、信号源4がパルス信号を出力している期間中は、実際のソレノイドの通電時に発生する大きな電流が被試験体1に流れるように、インダクタンスLの模擬負荷に生じる電圧を演算処理部32の積分器62で積分し、切替え部34によりディジタル制御手段22と第2電流増幅器64Bとを接続して、模擬負荷に流れる電流を第2電流増幅器64Bから被試験体1の端子2Bに出力する。一方、信号源4からのパルス信号が途絶えた期間中は、実際のソレノイドの逆起電力により発生する大きな電圧が被試験体1に印加されるように、それまで模擬負荷に蓄積されたエネルギーをディジタル制御手段22で算出し、切替え部34によりディジタル制御手段22と第1電流増幅器64Aとを接続して、ディジタル制御手段22からの算出結果を受けて、実際のソレノイドの逆起電力により発生するような電圧を、第1電流増幅器64Bから被試験体1の端子2Bに印加する構成となっている。
【0078】
本実施の形態では、信号源4がパルス信号を出力する期間中には、第2電流増幅器64Bよりも周波数特性の優れた第1電流増幅器64Aを動作させて、実際のソレノイドの通電時を模擬した電流を被試験体1に供給する一方で、信号源4からのパルス信号の出力を停止する期間中には、別な第2電流増幅器64Bを動作させて、実際のソレノイドの電流遮断時を模擬した電圧を被試験体1に印加することができる。そのため、被試験体1の動作状態に応じて、電流増幅器64A,64Bの何れかを動作させて、個々の電流増幅器64A,64Bで負荷を再現する電力を分担させることで、図4で示した単アンプ方式のようなインダクタ45A,45Bを追加することなく、電流増幅回路24としての周波数特性を改善して、電子負荷ユニット10の過渡応答特性を改善することができる。
【0079】
そして、上記構成の電子負荷ユニット10を、ソレノイドの模擬負荷として被試験体1の端子2A,2B間に接続すると、ソレノイドの両端間電圧に相当する模擬負荷の両端間電圧が電圧検出用ライン61A,61Bにより検出され、ディジタル制御手段22にアナログの電圧検出信号Vsensが送出される。ディジタル制御手段22は、パルス状の電圧検出信号Vsensが発生しているか否かによって、被試験体1の信号源4からパルス信号が出力されているか否かを判断する。
【0080】
信号源4からパルス信号が出力されている場合、切替え部34はディジタル制御手段22と第2電流増幅器64Bとを接続する。このときディジタル制御手段22の積分器62は、電圧検出用ライン61A,61Bからの電圧検出信号Vsensをディジタルの電圧値として取込み、コントローラ23からの設定信号を受けて、インダクタンスLのソレノイドに電圧が印加されたときの電流値を数式3から演算する。積分器62の演算結果はアナログ信号に変換されて第2電流増幅器64Bの入力端子に取込まれ、第2電流増幅器64Bは実際のソレノイドに相当する電流が、ダイオード67Aを通して信号源4の端子2Bに流れ込むように、積分器62からの演算結果となるアナログ信号を電流増幅して被試験体1に出力する。
【0081】
一方、信号源4からパルス信号が出力されていない場合、切替え部34はディジタル制御手段22と第1電流増幅器64Aとを接続する。このときディジタル制御手段22は、信号源4からパルス信号が出力されていた期間中にソレノイドに蓄積されたエネルギーを算出し、その算出結果に基づくアナログ信号を、第1電流増幅器64Aの入力端子に送出する。第1電流増幅器64Aは、実際のソレノイドの逆起電力により発生する電圧が、ダイオード67Bを通して信号源4の端子2Bに流れ込むように、ディジタル制御手段22からの算出結果となるアナログ信号を電圧増幅して被試験体1に出力する。したがって、ここでも第1電流増幅器64Aは実質的に電圧増幅器と言える。
【0082】
なお第1電流増幅器64Aは、信号源4からパルス信号が出力されない期間中に、実際のソレノイドを模擬した電圧を信号源4の端子2Bに印加することを目的としているため、第1電流増幅器64Aから信号源4の端子2Bに流れ込む電流は、実際のソレノイドを組み込んだものよりも小さくてよい。これにより、インダクタンスLを有するインダクタとして、被試験体1に接続した電子負荷ユニット10を模擬動作させることが可能になる。
【0083】
本実施の形態でも、ディジタル制御手段22で設定されるインダクタンスLは、コントローラ23からの設定信号により任意に変更できる。したがって、被試験体1の動作中にインダクタンスLを様々なパターンで時間変化させることで、急変負荷や非線形負荷も模擬できる。また、多アンプ方式の構成では、被試験体1の動作状態に応じて、電流増幅器64A,64Bの何れかを動作させて、個々の電流増幅器64A,64Bで負荷を再現する電力を分担させることが可能となり、電流増幅回路24としての周波数特性を改善して、電子負荷ユニット10の過渡応答特性を改善できる。
【0084】
〔まとめ〕
図1で示したように、本発明は被試験体1の負荷として動作する電子負荷ユニット10において、被試験体1から電子負荷ユニット10に出力される電圧を検出する検出手段としての電圧検出手段21と、設定指示手段となるコントローラ23からの設定信号を受けて、被試験体1から見た電子負荷ユニットのインピーダンスZを決めるパラメータAを設定し、電圧検出手段21からの検出結果となる電圧検出信号Vsensをディジタル信号に変換して、このディジタル信号による値を、設定したパラメータAを用いて演算処理するディジタル制御手段22と、ディジタル制御手段22からの演算結果を増幅して、電子負荷ユニット10から被試験体1に電流を流す増幅回路としての電流増幅回路24とを備えている。
【0085】
そのためディジタル制御手段22は、コントローラ23のような外部からの設定信号を受けて設定したパラメータAに基いて、被試験体1から見た電子負荷ユニット10のインピーダンスZを、アナログ的な回路変更を行なうことなく、ディジタル信号処理により抵抗性や誘導性や容量性などに自由に変更できる。また、ディジタル制御手段22での演算結果は、後段の電流増幅回路24で増幅し出力されるので、電力応用に好適な回路構成で、多様なインピーダンスZをパラメータAの設定で簡単に行なうことが可能になる。
【0086】
そしてこれは、図2で示したように、被試験体101の負荷として動作する電子負荷ユニット110においても同じことが言える。電子負荷ユニット110は、被試験体101から電子負荷ユニット110に出力される電圧を検出する検出手段としての電流検出手段121と、設定指示手段となるコントローラ123からの設定信号を受けて、被試験体101から見た電子負荷ユニットのインピーダンスZを決めるパラメータAを設定し、電流検出手段121からの検出結果となる電流検出信号Isensをディジタル信号に変換して、このディジタル信号による値を、設定したパラメータAを用いて演算処理するディジタル制御手段122と、ディジタル制御手段122からの演算結果を増幅して、電子負荷ユニット110から被試験体101に電圧を流す増幅回路としての電圧増幅回路124とを備えている。
【0087】
図4で示したように、本発明の電子負荷ユニット10に組み込まれる電流増幅回路24は、単独すなわち一つだけの電流増幅器44を含んだ構成となっているが、インダクタ45A,45Bにより、電流増幅器44の出力端子間の浮遊容量に起因した周波数特性の低下を抑制して、電子負荷ユニット10としての過渡応答特性を改善できる。
【0088】
図8で示したように、本発明の電子負荷ユニット110に組み込まれる電圧増幅回路124は、単独すなわち一つだけの電圧増幅器154を含んだ構成となっているが、バイパスコンデンサ157により、電圧増幅器154の出力端子より先のインダクタンスに起因した周波数特性の低下を抑制して、電子負荷ユニット110としての過渡応答特性を改善できる。
【0089】
図11図12で示したように、本発明の電子負荷ユニット10に組み込まれる電流増幅回路24は、複数の増幅器として2個の電流増幅器64A,64Bを含んで構成され、ディジタル制御手段22には、被試験体1の動作状態に応じて、電流増幅器64A,64Bの何れか一つとディジタル制御手段22との接続を切替える切替え手段としての切替え部34を備えている。
【0090】
そのため、被試験体1の動作状態に応じて、電流増幅器64A,64Bの何れかを動作させて、個々の電流増幅器64A,64Bで負荷を再現する電力を分担させることが可能となり、電流増幅回路24の周波数特性を改善して、電子負荷ユニットとしての過渡応答特性を改善できる。
【0091】
本発明のディジタル制御手段22,122で設定されるパラメータAは、前述のインピーダンスZの種類(抵抗性、容量性、誘導性)を決定する第一因子と、電流増幅回路22から出力する電流レベルや、電圧増幅回路122から出力する電圧レベルを決定する第二因子(積分係数)とを含み、ディジタル制御手段22,122はコントローラ23,123からの設定信号を受けて、第一因子と第二因子をそれぞれ可変する構成となっている。
【0092】
したがって、コントローラ23,123からの設定信号により、被試験体1,101から見た電子負荷ユニット1,101のインピーダンスZの種類だけでなく、電流増幅回路22や電圧増幅回路122からの出力レベルを瞬時に変更することができ、被試験体1,101の動作中に第二因子を様々なパターンで時間変化させることで、急変負荷や非線形負荷も模擬できる。
【0093】
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、多アンプ方式の電子負荷ユニットでは、3個以上の増幅器を備えた構成としてもよい。増幅器は、電流増幅器または電圧増幅器の何れでもよく、多アンプ方式ではそれらを組み合わせた構成としてもよい。また、各実施の形態では、電子負荷ユニットにコントローラを組み込んだ構成を示したが、電子負荷ユニットとは別体にコントローラを備えてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1,101 被試験体
10,110 電子負荷ユニット
21 電圧検出手段(検出手段)
22,122 ディジタル制御手段
24 電流増幅回路(増幅回路)
34 切替え部(切替え手段)
44 電流増幅器
64A,64B 電流増幅器(増幅器)
121 電流検出手段(検出手段)
124 電圧増幅回路(増幅回路)
45A,45B インダクタ
145 バイパスコンデンサ
154 電圧増幅器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
図12