(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】製品単体を加工するための切断装置
(51)【国際特許分類】
B26D 3/30 20060101AFI20220418BHJP
B65G 15/08 20060101ALI20220418BHJP
B65G 15/14 20060101ALI20220418BHJP
B65G 17/46 20060101ALI20220418BHJP
B26D 1/547 20060101ALI20220418BHJP
B26D 1/553 20060101ALI20220418BHJP
B26D 7/08 20060101ALI20220418BHJP
B26D 7/32 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
B26D3/30
B65G15/08
B65G15/14
B65G17/46 A
B26D1/547 G
B26D1/553
B26D1/547 F
B26D1/547 D
B26D7/08 A
B26D7/32 Z
(21)【出願番号】P 2019559039
(86)(22)【出願日】2018-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2018064540
(87)【国際公開番号】W WO2018224410
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-21
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513314207
【氏名又は名称】エー オー シャリノックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カラスコ,セザール
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511258(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0993918(EP,A2)
【文献】米国特許第5485772(US,A)
【文献】国際公開第2009/084093(WO,A1)
【文献】特許第5221800(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第105538389(CN,A)
【文献】中国実用新案第203380933(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/26 - 3/30
B65G 15/08
B65G 15/14
B65G 17/46
B26D 1/46 - 1/553
B26D 7/02 - 7/32
A23L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品単体(8)を切断するための関連する作業空間(500)内で可動するブレード(11)と、前記製品単体(8)を前記ブレード(11)の前記作業空間(500)に別々に搬送することができる搬送装置(5)とを備えた装置(1)であって、前記搬送装置(5)は、前記ブレード(11)に関連した少なくとも1つの2つの部分からなる搬送路(51A;51B)を備え、そこに、一方に第1のコンベア要素(511A、512A)、および他方に第2のコンベア要素(511B、512B)が対で互いに割り当てられ誘導されることと、前記第1および第2のコンベア要素(511A、512A;511B、512B)は分離された製品単体(8)を部分的に収容するために提供される凹部(5180)を各々有することと、互いに対向する前記第1および第2のコンベア要素(511A、512A;511B、512B)の側面はその間で前記自由な作業空間(500)の境界を定め、そのため、前記ブレード(11)は、互いに対応する前記第1および第2のコンベア要素(511A、512A;511B、512B)で保持される前記製品単体(8)を部分的または完全に通過して、前記作業空間(500)内で誘導可能であること、を特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記第1および第2のコンベア要素(511A、512A;511B、512B)は、一般的なエンドレス部材(584A、584B)、エンドレスベルト、もしくはエンドレスチェーンに接続しているか、または、前記第1のコンベア要素(511A、512A)は、第1のエンドレス部材(584A)、エンドレスベルト、またはエンドレスチェーンに接続して、前記第2のコンベア要素(511B、512B)は、第2のエンドレス部材(584B)、エンドレスベルト、またはエンドレスチェーンに接続していることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第1のコンベア要素(511A、512A)の前記凹部(5180)および/または前記第2のコンベア要素(511B、512B)の前記凹部(5180)に、弾性挿入物(519)が配置され、前記凹部(5180)は、分離された製品単体(8)を収容することを可能にし、その寸法は、許容範囲内にあり、好ましくは、遊びのないことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記第1のコンベア要素(511A、512A)および前記第2のコンベア要素(511B、512B)は、前記凹部(5180)を備え、支持プレート(585A;585B)に開位置と閉位置との間で回転可能に接続しているホルダ(518)を各々有しており、支持プレート(585A;585B)は、前記エンドレス部材(584A、584B)に接続していることを特徴とする、請求項1、2、または3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記ホルダ(518)および前記支持プレート(585A;585B)は、ばね(5852A、5852B)によって相互接続し、ばね(5852A、5852B)を用いて前記ホルダ(518)が前記開位置へと回転することを特徴とする、請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記ホルダ(518)はガイド要素(517)を備え、前記コンベア装置(5)は少なくとも1つのガイドトラック(595A;595B)を有する一体成形または2つの部分からなるガイドプレート(590;590A、590B)を備え、ガイドトラック(595A;595B)に沿って、前記ガイド要素(517)を、前記閉位置へと前記関連するホルダを回転させるために案内することができることを特徴とする、請求項4または5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記ホルダ(518)および/または前記挿入物(519)は、制御可能な吸引装置(1112)に接続されるか、または接続可能である吸引路(5188、5199)を備えていることを特徴とする、請求項4、5、または6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記第1のコンベア要素(511A、512A)および前記第2のコンベア要素(511B、512B)は、回転可能に装着されるか、または前記第1のコンベア要素(511A、512A)および前記第2のコンベア要素(511B、512B)は、少なくとも切断表面におおよそ垂直に延びる軸のあたりに回転可能に装着され、切断表面に沿って前記ブレード(11)は変位可能であることを特徴とする、請求項1~7のうちの一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記ブレード(11)は、フレームワーク(6)によって保持される駆動装置(4)に接続しており、前記駆動装置(4)を用いて、前記作業空間(500)内で回転して、および/または直線的にもしくは曲線に沿って延在する作業経路に沿って誘導されるブレードホルダ(2)に取り付けられることを特徴とする、請求項1~8のうちの一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記駆動装置(4)は、複数のアクチュエータ(41、…、46)を備えており、複数のアクチュエータ(41、…、46)は個別に制御可能であり、前記ブレードホルダ(2)が前記アクチュエータ(41、…、46)のみによって保持されるような方法で、一方では第1のスイベルジョイント(31;…;37)を介して前記ブレードホルダ(2)に各々接続して、他方では第2のスイベルジョイント(51;…;57)を介して前記フレームワーク(6)に各々接続していることを特徴とする、請求項9に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記ブレードホルダ(2)は少なくとも2つのブレード(11A、11B)を保持しており、各々は少なくとも2つのブレード(11A、11B)は搬送路(51A;51B)およびそれに関連する作業空間(500)に関連して、前記関連する作業空間(500)内で可動であることを特徴とする、請求項9または10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記ブレード(11A、11B、…)は、張力制御装置(9、91、92)を用いて、関連するフレーム(110A、110B、・・・)に張力下に保持されることを特徴とする、請求項10に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記ブレード(11A、11B、・・・)のうち少なくとも1つは、カップリング要素(12)およびエネルギー変換器(13)を介して超音波源に接続するか、または接続可能であることができることを特徴とする、請求項1~11のうちの一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
分離装置(7)が設けられており、少なくとも1つの分離ツール(72)および前記分離ツール(72)を作動させるための作動装置(71)を備え、前記作業空間(500)に導入させることができて、製品単体(8)の殻を分離するために作動させることができ、前記少なくとも1つのブレード(11A、11B、・・・)を用いて断ち割られることを特徴とする、請求項1~13のうちの一項に記載の装置(1)。
【請求項15】
前記分離装置(7)は、フレーム(110A、110B、・・・)のうち1つによって保持されることを特徴とする、請求項12~14のうちの一項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製品を加工するための、特にナッツを加工するための切断装置に関し、そのナッツは、分割され、必要であれば、殻が除かれなければならない。
【背景技術】
【0002】
多くの産業的用途では、特に食品産業では、特定の寸法を備えた製品を提供しなければならない。パン、ソーセージまたはチーズといった食品は、多くの場合薄切りに分割されて、梱包される。野菜、果物、ナッツなどといった天然物も、多くの場合加工される。
【0003】
本目的のために、例えば回転切断ディスクを備えた切断装置が提供されており、必要な切断を行うために、回転切断ディスクが、高いサイクル周波数で製品に対して誘導される。この種類の切断装置は、大きな欠点を有する。いくつかの切断ディスクの並行操作は困難を伴う。さらに、低い切断品質は、相当な材料損失になる。したがって、ナッツのような小さな製品は、ほとんど加工されることができない。さらに、切断ディスクは、多くの空間および対応する安全距離を必要とする。
【0004】
国際公開第2015150260号(特許文献1)による、駆動装置に接続されたブレードを備えた加工材料を切断するのに役立つ装置が公知であり、駆動装置はフレームワークによって保持され、いくつかのアクチュエータを備えており、アクチュエータは、ブレードホルダがアクチュエータによってのみ保持され、可動範囲内で移動することができ、必要に応じて回転することができるような方法で、一方で第1のスイベルジョイントを介してフレームワークに各々接続され、他方では第2のスイベルジョイントを介してフレームワークに各々接続されている。可動範囲内で、ブレードは、前方および後方へ、下方へおよび上方へ、ならびに好ましくは横にも移動させることができる。この装置は、より大きな対象物を任意に切断することを可能にし、より大きな対象物は例えばコンベヤベルトを介して送り込まれる。この切断装置は、ナッツのような小さな製品には適していない。
【0005】
米国特許第5671661号明細書(特許文献2)は、搬送装置を開示しており、搬送装置を用いて、小さな対象物、例えばヘイゼルナッツを、いくつかの列に分けて搬送することができる。開口部を備えたプレートが、本目的のために設けられており、開口部は、加工処理の間、1つの製品、例えばヘイゼルナッツを保持することができる。しかしながら、ヘイゼルナッツのような製品は、そのような搬送装置で別々に搬送されるが、例えば、切断や殻を除く等、加工ができないか、または効率的に加工ができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2015150260号
【文献】米国特許第5671661号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、少なくとも1つのブレードを備えた改善された切断装置を創出する目的に基づいている。
【0008】
特に、個々の製品単体が、有利な方法で加工され、例えば、殻から除かれ、および/または割られ、もしくは切断されることが可能な切断装置が創出されるべきである。
【0009】
ヘイゼルナッツのような製品単体は、殻から除かれて、および/または損失の発生なしに、両半分に正確に分割されるべきである。食品の加工も、その寸法が例えば10%~50%の広い許容範囲内で変化する場合であっても、最適に成功すべきである。
【0010】
所望の大きさに食品を正確に分割することが常に可能であるべきである。あるいは、製品単体が周期的に検査されることができるように、製品単体からサンプリングすることが可能であるべきである。
【0011】
分離された食品は、不必要な衝撃にさらされることなく、最適な品質で供給されるべきである。
【0012】
殻がナッツのような食品から分離されることになる場合、これは食品またはナッツの実に損傷を与えることのなしに行わなければならない。さらに、殻と食品が別々に蓄積されることができるように、殻と食品との間の確実な分離が可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、請求項1に定めた装置によって解決される。本発明の有利な実施形態は、さらなる特許請求項に記載される。
【0014】
装置は、製品単体を切断するための関連する作業空間または可動範囲内で可動であるブレード、および製品単体がブレードの作業空間に別々に搬送されることができる搬送装置を備える。作業空間は、ブレードの刃先が、食品、任意には殻を部分的にまたは完全に切断するように所望通り移動できる可動範囲である。
【0015】
本発明による搬送装置は、ブレードを伴う少なくとも1つの2つの部分からなる搬送路を備えており、2つの部分からなる搬送路に、一方に第1のコンベア要素および他方に第2のコンベア要素が誘導され、コンベア要素は、一対で相互に割り当てられ、分離された製品単体を部分的に収容するために用意された凹部を各々有する。第1および第2のコンベア要素の側面は、互いに対向し、その間で自由な作業空間の境界を定め、そのため、ブレードは、互いに対応する第1および第2のコンベア要素で保持される製品単体の中を部分的にまたは完全に通過して、作業空間内で誘導されうる。
【0016】
未加工または加工された食品といったいかなる製品単体も、捕らえられかつ加工されることができるような方法で、コンベア要素を設計することができる。製品単体は、例えば、カカオ豆、コーヒー豆、トマトおよびジャガイモのような野菜、調理された卵、具が入ったパン生地、冷凍または乾燥肉、ヘイゼルナッツのようなナッツ、オレンジ、マンダリン、グレープフルーツ、メロンのような皮を剥く果物、マンゴーの種のような果物の種子、チーズのような乳製品、ならびに、金属、木材、石、ガラス、セラミックなどのような非生体物質でできている部品であることができる。コンベア要素内の凹部は、球状または立方形のセグメントを含み得る。
【0017】
好ましくは、個々の製品単体は、作業空間に順次導入されて、加工される。より広い作業空間が選択される場合、同時にいくつかの製品単体を作業空間に導入して、それらを加工することが可能である。しかしながら、1つの製品単体のみを作業空間に導入する場合は、好ましくはこの目的のために設計される切断装置を用いて、製品単体を別々に加工することができる。刃先は、曲線に沿って側方からおよび/または正面から誘導され得る。例えば、ブレードの刃先を、波状に前方へ、および/または、刃先に平行な平面おける直線もしくは曲線に沿って誘導し、製品単体の殻に切れ目を入れることができる。例えば、ブレードのシーソー運動を実装することもできる。切断動作は組み合わせることもでき、そのため、側方動作は、正面動作と組み合わせて実行されることができる。したがって、製品単体を周方向に加工することができるが、部分的または完全に切断することも、分割することもできる。さらに、製品単体の誤った取り付け位置は、測定され、ブレードを移動させることにより補正され得る。
【0018】
製品単体の個別加工は、ブレードおよび/またはコンベア要素が動作を選択的に実行できる場合、特に有利である。したがって、殻は、製品単体へと周方向にブレードを導入して、その次にコンベア要素を動かすことで製品単体を回転させることによって分離させることもできる。好ましくは、コンベア要素は軸を中心に回転し、軸は、少なくとも切断面にほぼ垂直に延び、切断面に沿って、ブレード又はブレードの刃先を移動させることができる。
【0019】
また、有利には、サンプルを製品単体から切り抜くことができる。例えば、ケーキの形状を有するサンプルを切り抜くことができる。これは特に、ワイヤ型ブレードを使用する場合に、容易に行われ得る。
【0020】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのブレードが、ブレードホルダに取り付けられており、ブレードホルダは、フレームによって保持されている駆動装置に接続し、駆動装置を用いて回転しておよび/または作業空間内の作業経路に沿って誘導されることができ、作業経路は直線的にまたは曲線に沿って延びる。
【0021】
好ましくは、駆動装置はいくつかのアクチュエータを備えており、アクチュエータは個別に制御可能であり、一方で第1のスイベルジョイントを介してブレードホルダに各々接続し、他方で第2のスイベルジョイントを介してフレームワークに各々接続しており、そのため、ブレードホルダはアクチュエータによってのみ保持される。
【0022】
好ましくは、ブレードホルダは、少なくとも2つのブレードを有しており、2つのブレードは、搬送路および対応する作業空間に各々割り当てられ、それを用いて、割り当てられた搬送路を介して製品単体を加工するか、または切断するか、または刈り込むことができ、必要に応じて、殻から除くことができる。
【0023】
よって、適切にアクチュエータを制御することによって、このように、必要に応じて可動範囲内でブレードを誘導して、整列させ、適切に配置することができる。ブレードで、何列にも並行して送り込まれる製品単体、例えばヘイゼルナッツを、有利に切断することができ、必要であれば半分に分割することができる。
【0024】
ブレードは、例えば0.1mm~5cmの範囲のいかなる振幅によって、および0.1Hz~1,000Hzのほとんどいかなる周波数によっても、前後に動かすことができる。したがって、ブレードがより容易に製品単体内に入りこむことができるように、ブレードに振動運動を与えることもできる。
【0025】
したがって、アクチュエータは、空間内でブレードを動かすために使用されるだけでなく、切断加工に影響を及ぼすためにも使用される。
【0026】
状況に応じてアクチュエータを選択することによって、作業空間の大きさを決定することができる。好ましくは、円筒状アクチュエータまたはリニアドライブが設けられており、それらは軸方向に変位可能なピストンロッドを有する。アクチュエータを選択することによって、特に、ピストンロッドの長さおよび配列、ブレードの実行可能な動作および回転を決定することができる。例えば、ブレードを2方向または3方向に前後に動かし、少なくとも1本の軸によって回転させることが可能であるように規定できる。両面に刃先を有し、したがって、第1または第2の製品単体または両方の動作方向において第1および第2の製品単体に切れ目を入れることが可能なブレードを設けることができる。2つ切刃を有するブレードの選択によって、1つの平面だけでなく作業空間全体の範囲内において作業性を倍増させる。
【0027】
アクチュエータは、制御ユニットに備えられた制御プログラムを用いて制御される。好ましくは、全アクチュエータは、個別に制御可能である。実行される動作および振動に応じて、いくつかのアクチュエータを全く同様に制御することもできる。ブレードが平行に動き、同一方向に保持されるだけである場合、移動方向と平行に整列されたアクチュエータは、全く同様に制御される。アクチュエータの一様でない制御によって、ブレードを傾け、または回転させることができる。
【0028】
アクチュエータに接続しているスイベルジョイントは、同一または異なっており、アクチュエータが実行すべき動作により選択されることができる。ブレードホルダに接続されている第1のスイベルジョイントは、例えばボールジョイント、ヒンジジョイント、フォークジョイント、アングルジョイント、または2つのジョイント機能との組み合わせである。第2のスイベルジョイントは、フレームに接続しており、好ましくはボールジョイント、ヒンジジョイント、フォークジョイント、アングルジョイント、または2つのジョイント機能を備えたこれらのジョイントの組み合わせである。
【0029】
アクチュエータは、電気で、液圧または空気圧で、可能なこれらの組み合わせで駆動させることができる。電気で作動させるアクチュエータのピストンロッドは、特に正確に伸長させることができる。例えば、ピストンロッドは、必要なストロークに対応しているステッパモータを用いた複数の回転数で回転するスピンドルに連結される。
【0030】
アクチュエータは、電気で、液圧または空気圧で、可能なこれらの組み合わせで駆動させることができる。電気で作動させるアクチュエータのピストンロッドは、特に正確に駆動させることができる。例えば、ピストンロッドは、必要なストロークに対応しているステッパモータを用いた複数の回転数で回転するスピンドルに連結される。
【0031】
ブレードホルダは少なくとも1つの横材によって互いに接続されている2つのサイドプレートを有するのが好ましく、好ましくは、サイドプレートに第1のスイベルジョイントが取り付けられている。エネルギー変換器は、装着装置を用いて横材に一対で装着されるのが好ましい。
【0032】
好ましい実施形態では、超音波発生器は、カップリング要素によってブレードに接続されている。カップリング要素は、エネルギー変換器をブレードに接続しており、好ましくは円弧状であり、正面または裏面に接続され、好ましくは溶接されている。
【0033】
製品単体の最適な加工は、最適なブレードの誘導ならびに製品単体の最適な供給および提示によって達成される。
【0034】
製品単体の連続的な搬送のために、第1および第2のコンベア要素は、一般的なエンドレス部材、エンドレスベルト、またはエンドレスチェーンに接続されていることが好ましい。あるいはまた、第1のコンベア要素は、第1のエンドレス部材、エンドレスベルト、またはエンドレスチェーンに接続されており、第2のコンベア要素は、第2のエンドレス部材、エンドレスベルト、またはエンドレスチェーンに接続されている。第1および第2のコンベア要素は、同期して動くことが好ましい。しかしながら、非同期的動作を、製品単体を積み込む、または取り出すために実行することもできる。
【0035】
したがって、製品単体は、分配器または分離装置から対応する対のコンベア要素に送られ、対応するブレードの作業領域に搬送されることができる、好ましくは、互いに並行して配置された多数の搬送路が、各々にブレードを備え、設けられる。したがって、本発明による切断装置は、自由に拡大縮小が可能である。
【0036】
自然に得られる製品単体は、多くの場合、それらの寸法および形状において大いに異なるので、弾性挿入物が、第1および/または第2のコンベア要素の各凹部に配置されることが好ましく、それにより、寸法が許容範囲内にある製品単体を、遊びなしで収めることができるようになる。したがって、異なる寸法および形状を有する製品単体を、確実に収容し、正確に加工することができる。
【0037】
特に好適な構成では、第1のコンベア要素および/または第2のコンベア要素は、ホルダを各々有しており、ホルダは、凹部およびその中に選択的に挿入される挿入物を備え、エンドレス部材に接続している支持プレートに開端位置と閉端位置との間で回転可能に接続している。一対で互いに割り当てられる第1および第2のコンベア要素によって製品単体を収めるために、それらのホルダは外側に回転させることができる。製品単体の加工のために、互いに割り当てられる第1および第2のコンベア要素のホルダは、互いに対向して回転し、通常は垂直に整列されてブレードの作業空間を限定するに至る。したがって、ホルダの正面は、第1および第2のコンベア要素の側面を形成しており、向かい合い、ブレードの作業空間を限定する。したがって、ホルダの正面の間に製品単体の一部が存在しており、製品単体は、ブレードを用いて機械加工され、必要に応じて切断される。
【0038】
ホルダを、いかなる方法でも、例えば空気で、磁気で、または機械で、例えばばねの力によって開きおよび/または閉じることができる。異なる方法および装置を、ホルダを開閉するために提供することができる。
【0039】
好ましくは、ホルダおよび支持プレートはバネによって接続されており、それを用いて、ホルダは開位置へと自動的に回転する。閉じる動作は力の印加によってもたらされ、それはばね力とは反対に作用する。好ましくは、ホルダは、ガイド要素、例えばガイドローラを備え付けている。さらに、一体成形または2つの部分からなるガイドプレートが設けられており、ガイドプレートは少なくとも1つのガイドトラックを有し、ガイドトラックに沿って、ガイド要素が誘導されて、関連するホルダを閉位置へと回転させることができる。
【0040】
製品単体の加工は、それらがコンベア要素内に固定および/または吸引される場合、特に有利である。例えば、割られた殻は、製品単体が重力によって取り除かれる間、コンベア要素に保持されることができる。続いて、殻は、吸引を中断することによって、または、圧縮空気を加えることによってコンベア要素から取り除かれることができる。したがって、ホルダおよび/または挿入物は、制御可能な吸引装置に接続されるか、または、接続可能であることができる吸引路を備え付けていることが好ましい。
【0041】
本発明の装置を用いた製品単体の加工操作は、制御ユニットによって制御されるさらなるモジュールを用いて最適化されることができる。この目的のために、第1の測定装置を設けることができ、それを用いて、互いに対応するコンベア要素で使用される製品単体の位置が測定される。この製品単体の個別加工を最適化するために、測定に従いブレードの動作を適合させることができる。あるいはまた、コンベア要素を動かすことができる。
【0042】
第2の測定装置を用いて、加工された製品単体またはその一部は、例えば、ホルダを開いた後に光学的に検査されて、検査結果に応じて、適切な場所で放出されることができる。
【0043】
以下に、本発明は、図面を参照してさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】国際公開第2015150260(A1)号(特許文献1)に開示された装置1’を示し、装置1’は、少なくとも1つの加工材料を加工するのに役立ち、したがって、7つのアクチュエータ41、・・・、47に連結されるブレードホルダ2によって保持された少なくとも1つのブレード11を含み、アクチュエータはフレームワーク6に枢着され、それを用いて、ブレード11が、加工材料を加工、特に切断するかまたは粉砕するするために、可動範囲内において、ほぼいかなる動作も実行することができる。
【
図2a】
図1のブレードホルダ2だけでなく記号を使って示された駆動装置4を示し、ブレードホルダは2つのサイドプレート21A、21Bを有し、2つのサイドプレートに、アクチュエータ41、・・・、47のピストンロッド411、・・・、471が、第1のスイベルジョイント31、・・・、37を介して連結されて、横の支柱22によって互いに接続しており、横の支柱は8つのエネルギー変換器13を保持し、エネルギー変換器は一体成形のブレード11にカップリング要素12を介して接続している。
【
図2b】後ろ側からの
図2aのブレードホルダ2を示す。
【
図3】ブレードホルダ2を備えた発明の装置1を示めし、ブレードホルダ2はブレード11を保持し、その8つのユニットは、常に、装着フレーム110A、110B内に張力下に保持されている。
【
図4】4つ装着フレーム110A、110Bを備えた
図3のブレードホルダ2を示し、その各々に、8つのブレード11が張力下に保持されている。
【
図5】クランプ装置9、91、92を備えた装着フレーム110Aを示し、それを用いて、ブレード11が張力下に保持されている。
【
図6a】発明5による搬送装置に連結した
図4の装着フレーム110Aを示し、発明5は8つの搬送路51A、51Bを備え、その各々に、ブレード11が割り当てられている。
【
図6b】対応するブレード11の係合領域における
図6aの第1の搬送路51の一部を示す;
【
図7a】好ましい実施形態における、ワイヤ型ブレード11および搬送装置5の搬送路51Aを保持する装着フレーム110を備えたブレードホルダ2を示し、搬送装置5は第1および第2の搬送要素511A、511B、・・・、を備え、製品単体を収容して取り囲むように互いに対して横方向に回転可能である;
【
図7b】
図7aの対応するコンベア要素511A、511Bを示しており、製品単体を取り囲み(図示なし)、ワイヤ型ブレード11が中に挿入されている作業領域500の境界を定める。
【
図7c】第1および第2のコンベア要素541A、541Bを備えた
図7aの搬送装置5を示しており、第1および第2のコンベア要素は、モータ510A、510Bを用いて、ならびに、測定装置1111および変位装置561によって回転可能である。
【
図7d】製品単体8を備えた
図7cのコンベア要素541A、541Bを示しており、製品単体は、ワイヤ型ブレード11およびウェッジ71を用いて殻880から除かれる。
【
図8a】好ましく設計された搬送装置5および制御ユニット1002を備えた発明の切断装置1を示す。
【
図8b】切断装置1および 分配装置52、第1および第2の収容装置521、522、第1および第2の測定装置1111、1112、ならびに吸引装置1113を備えた
図8aの搬送装置5を示し、好ましくは、それらは全て、制御ラインおよび/またはデータラインを介して制御ユニット1002に接続している。
【
図8c】
図8bの搬送装置5を示し、搬送装置は2つの部分からなるガイドプレート590を有し、それによって、その上に設けられているコンベア要素511A、511Bまたはホルダは、製品単体8を収容して、加工後に再びそれらを放出できるように回転可能である。
【
図8d】
図8aの第1のコンベア要素511A、および、断面図にて第2のコンベア要素511Bを示し、各々にホルダ518を備え、それは支持プレート585A、585Bに回転可能に接続している。
【
図8e】分解図における
図8dの第1のコンベア要素511Aを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、国際公開第2015150260(A1)号(特許文献1)に開示された装置1’を示しており、装置1’は少なくとも1つの加工材料を加工するのに役立ち、加工材料は、例えば異なる面におよび異なる方向から装置1に送られる。装置1は、少なくとも1つのブレード11を備えており、ブレード11は、超音波エネルギーが供給され得、ブレードホルダ2によって保持される。本実施形態では、ブレードホルダ2は、7つのアクチュエータ41、・・・、47に枢着されており、アクチュエータも、フレームワーク2にも枢着されて、保持される。アクチュエータ41、・・・、47は、ピストンロッドを備えたリニアアクチュエータであり、ピストンロッドを電動モータによって駆動して、段階的に伸長し収縮することができることが好ましい。したがって、ピストンロッドを使用して、ブレード11は、加工材料を加工、特に切断または粉砕するために、可動範囲内でほとんどいかなる動作も実行することができる。動作シーケンスは、プログラム可能であり、制御ユニット7によって制御され、使用するアクチュエータの数によって決まり、アクチュエータの制御は適切に調整される。制御ユニット7は、回転アームによって保持されており、好ましくは、スクリーンまたはタッチスクリーンを有し、それを介して、ブレード11に対する予めプログラムされた動作シーケンスを選択するか、または新たな動作シーケンスを定めるためのコマンドを入力することができる。
【0046】
装置1のプログラミングは、いくつかの方法で行われることができる。例えば、ブレード11を、所望の切断表面に沿って誘導することができ、それによって、ピストンロッドの動作が、測定されて記録される。さらに、湾曲表面を、幾何学的空間で定めることができ、その後、第1のボールジョイントの位置が決定され、対応する第1と第2のボールジョイントとの距離を決定することができる。アクチュエータ41、・・・、47、特に第7のアクチュエータ47は、軸方向にブレードを移動することができて、揺動運動を実行することもできる。
【0047】
図1は、装置1が、アクチュエータ41、・・・、47のピストンロッドの長さによって決定される比較的広い可動範囲内で移動することができる比較的長い一体成形のブレード(
図2a参照)またはマルチピースのブレード11(
図3a参照)を有することを示す。好ましくは、一体成形のブレード11が使用される。ブレード11の大きな寸法および広い可動範囲ならびに多種多様な適用可能性にかかわらず、選択的にいくつかの加工商品を加工することに関して、本発明は、ブレード11の大きさによって基本的に決定される空間的寸法を備えた装置1からなる構造物を可能にする。円柱状アクチュエータ41、・・・、47は、フレームワークまたはフレーム6の要素と平行に配列されることができ、わずかだけその寸法を拡大することができる。
【0048】
装置1は、保護カバーおよびフード65も含み、それらを後ろへ押しやり、折り畳むことができる。
【0049】
図2aは、アクチュエータ41、・・・、47からなる駆動装置4ならびに一体成形のブレード11を備えた
図1のブレードホルダ2を、記号を使って示す。ブレードホルダ2は、2つのサイドプレート21A、21Bを備え、サイドプレートに、アクチュエータ41、・・・、47のピストンロッドが411、・・・、471が、第1のスイベルジョイント31、・・・、37を介して連結される。サイドプレート21A、21Bは、2本の横切る支柱22によって互いに接続されており、支柱22に、8つのエネルギー変換器13が4つの装着装置23を用いて一対で装着される。エネルギー変換器13は、カップリング要素12を介して一体成形のブレード11に接続される。カップリング要素12は半円弧部を各々有しており、半円弧部は、ブレード11に垂直であり、ブレード11に溶接されている。カップリング要素12は、一様な格子状に配置されており、超音波発生器によってエネルギー変換器13に分配される超音波エネルギーが、ブレード11に一様に連動されるのを確実にする。このように、ブレード11は、8つのカップリング要素12によって保持されており、カップリング要素12を介して、超音波エネルギーが同時に供給される。
【0050】
ブレード11およびブレードホルダ2をよりよく示すために、アクチュエータ41、・・・、47は、記号で一まとめに、すなわち駆動装置4に組み合わされた。アクチュエータ41、・・・、47のピストンロッド411、・・・、471のみが示されており、アクチュエータ41、・・・、47は、ブレードホルダ2のサイドプレート21A、21Bに連結された第1のスイベルジョイント31、・・・、37を介して連結される。第1のスイベルジョイント31、・・・、37は、ボールジョイントであることが好ましく、それゆえ、ピストンロッドは411、・・・471は、開放角内で回転することができる。対応する開放角でのピストンロッド411、・・・、471の最大偏向および回転時には、ピストンロッド411、・・・、471は、錐体の円周方向表面に沿って動作する。開放角は、非常に大きくなることができて、180°を超えることさえできる。個々のピストンロッド411、・・・、471は、ブレード11の特定の動作中に異なる角度範囲を通過することができる。スイベルジョイント31、・・・、37のいくつかに対して、異なる開放角を設けることができる。ブレード11を所望の可動範囲内で移動させることができ、必要に応じて回転させることができることが重要である。
図2aは、第1のジョイント31および33または32および34の個々のものを、互いの隣に直接配置することもできることをさらに示しており、そのため、アクチュエータ41、43または42、44は、同一の位置でブレードホルダ2に実質的に連結される。
【0051】
図2aは、基本的な動作、変位V1、V2、V3、V4、V5、および回転D1、D2、D3を示しており、それを、ブレード11が、別々にまたは組み合わせて実行することができる。
【0052】
互いに平行して水平に整列され、各々がブレードホルダ2の片側に連結されている第1および第2のピストンロッド411、421を用いて、ブレード11の左側および右側は、互いに独立して、または組み合わせて等しく(V1=V2)もしくは異なって(V1≠V2)、必要に応じて、反対方向に、前方に、および後方に移動させることができる。ピストンロッド411、421の異なる動作は、結果として回転運動D1をももたらす。
【0053】
互いに平行して水平に整列され、各々がブレードホルダ2の片側に(第1および第2のピストンロッド411、421と同じ位置で)連結されている第3および第4のピストンロッド431、441を用いて、ブレード11の左側および右側は、互いに独立して、または組み合わせて等しく(V3=V4)もしくは異なって(V3≠V4)、場合によっては、反対方向に、下方に、および上方に変位させることができ、結果として回転運動D1をもたらす。
【0054】
第1の2つのアクチュエータ41、42が作動するときに、ブレード11の回転を防止するために、第5のアクチュエータを設けることが好ましく、第5のアクチュエータは、第1および第2のアクチュエータ41、42と平行に整列されて、第1のスイベルジョイント35のうち対応する一つを介して、ブレードホルダ2に中心を外して接続される。第5のアクチュエータ45が第1および第2のアクチュエータ41、42に同様に作動する場合、ブレード11の前方へまたは後方への平行移動が行われる。第5のアクチュエータ45が異なって制御される場合、1本の軸を中心に回転D3が起こり、軸は、第1の2つのアクチュエータ41、42のカップリング位置によって定められる。ブレード11の回転D3によって、切断を実行することができる。あるいは、ブレード11は、水平に整列させた状態で安定に保たれることができ、そのため、粉状の加工材料をその上に載せることができ、その後、粉状の加工材料は、超音波エネルギーの影響を受けて粉砕される。
【0055】
ブレード11とほぼ平行に整列された第6のピストンロッド461を作動させることによって、例えばその長手方向軸に沿って、ブレード11の横方向の変位が実行され得る(V5)。これは、垂直方向の切断が水平方向の切断と組み合わせて実行され得ることを意味し、最も困難な加工材料さえ正確に切断され得ることを意味する。切断加工を容易にするため、横方向の振動を上下運動に付加することもできる。
【0056】
図2bは、2つのサイドプレート21A、21Bならびに2つの横切る支柱22、および
図2aの4つの関連する装着具23を備えたブレードホルダ2を示しており、装着具23はエネルギー変換器12およびそれに接続したブレード11を後方から保持する。
【0057】
図3は、搬送装置5のない、ブレードホルダ2を備えた本発明の装置1を示しており、ブレードホルダ2は32のブレード11を保持する。8つのブレード11は、装着フレーム110A、110Bにて張力下に各々保持される。ブレード11は、それらが後述する搬送装置5と相互作用することができるように、保持されて整列される。
【0058】
図4は、4つの装着フレーム110A、110B、110C、110Dを備えた
図3のブレードホルダ2を示しており、各々は張力下にある8つのブレード11保持する。アクチュエータを備えた駆動装置4は、記号を使って示される。4つの装着フレーム110A、110B、110C、110Dを備えたブレードホルダ2は、
図1の装置に装着され、上記のようなシーケンスで制御されることができる。
【0059】
ブレード11は、任意にいかなる切断動作も実行して、切断加工に同時に影響を与えるために、空間内で移動させることができ、例えば0.1mm~5cmの範囲内の振幅、および0.1Hz~1,000 Hzの周波数で、前後に変位させることができる。振動を、ブレード11の動作に任意に付加することができる。
【0060】
図5は、張力制御装置9、91、92を備えた
図4の装着フレーム110Aを示しめしており、張力制御装置を用いてブレード11は張力下に保持されている。ブレード11は、例えば張力ロッドおよびナット91、92で接続される。好適な設計では、超音波エネルギーはブレード11に供給され、されに切断加工を容易にする。超音波発生器に接続しているカップリング要素は、ブレード11またはクランプ装置9もしくはそれらの要素91、92、例えば張力ロッドに直接に接続して、超音波エネルギーを導入できる。
【0061】
図6aは、本発明の搬送装置5に連結された
図4の装着フレーム110Aを示しており、搬送路5は、8つの搬送路51A、51Bを有し、各々に割り当てられたブレード11を備える。分離装置によって、分離された製品単体8、例えばヘイゼルナッツは、各搬送路51A、51Bに送り込まれる。
【0062】
装着フレーム110Aを、駆動装置4を用いて搬送装置5に連結することができ、作業中に必要などんな切断動作も実行することができる。
【0063】
図6bは、関連するブレード11の係合領域で、第1の搬送路51を示す。搬送路51A;51Bは、収容開口部50有し、収容開口部が製品単体8、例えば球状ナッツを収容することを示す。
【0064】
本実施形態では、搬送路は、51A、51Bは、2つの部分からなり、そのため、ブレード11A、11B、・・・は、搬送路51A、51B内に少なくとも部分的に挿入可能である。
【0065】
搬送路は、組み合わせ設計であり、コンベア要素511、512または2つ一組のコンベア要素511A、511B;512A、512Bを有し、各々は、収容開口部50を取り囲むか、または制限することが好ましい。したがって、ブレード11は、コンベア要素511A、511B;512A、512Bの対の間に挿入され、製品単体8を切断することができる。
【0066】
コンベア要素511、512;511A、511B;512A、512Bは、ガイド要素に沿って連続的に誘導することができ、および/または、例えば、エスカレータの要素の方法で、鎖のようにつなぎ合わせることができる。
【0067】
好ましくは、収容開口部50を有する搬送路51A;51Bおよびブレード11A、11B、・・・は、収容開口部50に収容して格納される分離された製品単体8を両半分88に切断することができるような方法で、整列されて、かつ互いに対して変位可能である。
【0068】
光学検査装置を、加工製品88を検査するために使用することが好ましい。
【0069】
図7aは、好ましい実施形態における装着フレーム110を備えたブレードホルダを示しており、装着フレーム110は、ワイヤ型ブレード11ならびに第1および第2のコンベア要素511A、511Bを備えた搬送装置5の搬送路51Aを保持し、各々は、エンドレス部材583上に配置され、閉路に沿って周期的に誘導される。コンベア要素511A、511Bは、互いに反対側に横方向に回転して、製品単体8を捕らえ、加工後に再びそれを解放することができる。分離装置52から分離された製品単体8は、一対のコンベア要素511A、511B各々に送られる。加工された製品単体88は、第1のピックアップ装置521に送り込まれる。分離された殻880は、第2のピックアップ装置522に送られる。
【0070】
この好ましい実施形態において、ブレード11の作業空間500および分離ツール71のそれぞれの作業領域に二対のコンベア要素511A、511B;512A、512Bが常に存在しており、そのため、例えば第1の工程において、製品単体8の殻880を、ブレード11を用いて切断して、分離ツール71を用いて割ることができ、第2の工程において、露出した芯は、ブレード11を用いて両半分88に分割することができる。さらに、コンベア要素511A、511Bに連結されたギアホイール55に係合して、コンベア要素511A、511Bまたはその一部を回転させることができるギアロッド1105を示す。フレーム110が引き下ろされるとき、その結果コンベア要素511A、511Bに含まれる製品単体8が、切断面に垂直な軸を中心に回転し、そのため、製品単体8が周方向に、例えば、円を描く線に沿って切り取られる。分離ツール71、例えばウェッジまたは一対のはさみを用いることで、切り開かれた殻部分を、互いから容易に分離することができる。永続的に装着された分離ツール71を作動させるために、軸型機能性ロッド72が設けられており、それは、軸腹部721および軸節部722(
図7b参照)を有する。殻部分880の分離後に、製品単体8の芯を、完全にまたは部分的に切断することができる。
【0071】
図7bは、
図7aの一対の対応するコンベア要素511A、511Bを示しており、製品単体を取り囲んで(図示なし)、作業空間500の境界を定め、その中に、ワイヤ型ブレード11が挿入されている。2つの部分からなる分離ツール71は、ツール軸73(点線)によって保持され、波型機能性ロッド72によって作動され、波形機能性ロッドは、上下移動中に、分離ツール71の一部を回転させ、好ましくは、分離ツール71に、ツール軸73の周囲で、バネによって張力がかけられる。
【0072】
図7cは、第1および第2のコンベア要素541A、541Bを備えた別の好適な外形における
図7aの搬送装置5を示しており、コンベア要素は、モータ510A、510Bを用いて回転され得る。ギアロッドおよびギアホイールを、本実施形態において省略することができる。さらに、第1の測定装置1111、例えばレーザー測定装置は、図式的に示されており、第1の測定装置を、コンベア要素541A、541Bにおける各製品単体8の位置を測定するために使用することができる。誤った位置付けを補正するために、モータ560によって駆動する変位装置561が設けられており、変位装置は、搬送装置5を変位させて、誤った位置決めを補正することができる。あるいは、位置付けのずれを、ブレード11の位置を変えることによって補正することができる。第1の測定装置1111からの測定信号が制御ユニット1002に送信されて、そこで処理されることをさらに示す。その後、モータ560または駆動装置4は、配列のずれを補正するために制御される。
【0073】
図7dは、製品単体8を備えた
図7cの回転可能なコンベア要素541A、541Bを示しており、製品単体は、ワイヤ型ブレード11およびウェッジ71を用いて殻880から除かれる。
【0074】
図8aは、好ましくは、設計された搬送装置5および制御ユニット1002を備えた本発明の切断装置1を示す。搬送装置5は、第1および第2の搬送プレート585A、585Bに装着される第1および第2のコンベア要素511A、511B;・・・;541A、541Bを備えた搬送路51Aを含む。搬送プレート585A、585Bは、駆動軸582および歯車583A、583Bを介してモータ581によって駆動されるエンドレス部材または第1および第2のエンドレスチェーン584A、584Bに各々接続している。コンベア要素511A、511B;・・・;541A、541Bは、枢動可能に支持されたホルダ518を各々備えており、コンベア要素は、コンベア経路に沿った、2つの部分品590A、590Bを有するガイドプレート590を用いて、互いに反対方向に回転して、両側に製品単体を保持するために閉じられている。その後、取り囲まれた製品単体は、カッタ1のブレード11によって加工される。
【0075】
図8bは、異なる機能ユニットを備えた
図8aの切断装置1および搬送装置5を示す。分離装置または分配器52は、製品単体8を分配するために設けられる。第1の収容装置521は、分割された製品単体88を収容するために設けられている。第2の収容装置522は、分離された殻880を収容するために設けられる。第1の測定装置1111を用いて、コンベア要素511A、511B;・・・;541A、541Bに保持される製品単体8の位置を測定することができる。第2の測定装置1112を用いて、加工された製品単体は、状況に応じて搬送装置5を制御することによって、光学的に記録されて、検査されて、格納されることができる。加えて、吸引装置1113が設けられており、それによって、製品単体8またはその一部を、コンベア要素511A、511B;・・・;541A、541Bに保持することができ、または、送り出し位置に、例えば収容装置521、522に放出することができる。本目的のために、記載のモジュールは、データラインおよび制御ラインを介して制御ユニット1002に接続していることが好ましい。
【0076】
図8cは、ガイドプレート590を備えた
図8bの搬送装置5を示しており、ガイドプレートは、互いに対向する2つのガイドプレートの一部590A、590Bを有し、対向するガイドトラック595A、595Bによって、ガイドプレート路591の境界を定めている。コンベア要素511A、511Bは回転式ホルダ518を備え、回転式ホルダは上部にガイド要素またはガイドローラ517を備えている。ガイドプレート路591に侵入するとき、ガイドローラ517は、関連するガイドトラック595A、595Bに沿って誘導され、それによって、ホルダ518は、互いに対向して回転して、示されるようなガイドプレート590の中央に整列されて垂直に閉じられる。ガイドプレート95の中央では、ホルダ518は、ブレード11の作業空間500の境界を定め、ブレード11は、ホルダ518の間に挿入され、固定された製品単体8を加工することができる。搬送プレート585A、585Bは、ガイドローラ5851A、5851Bも備え付けており、ガイドローラ5851A、5851Bは、ガイドチャネル592A、592B内のガイドプレート部品590A、590Bによって、下面に誘導される。したがって、製品単体8は、正確に搬送されて、保持されて、正確に加工され得る。ホルダ518は、再びガイドプレート95の出口側で開けられ、そのため、加工された製品単体88または一部880を、取り除くことができる。
【0077】
図8dは、
図8aの第1のコンベア要素511Aおよび断面図にて第2のコンベア要素511Bを示しており、各々は支持プレート585A、585Bに枢着されるホルダ518を備える。各ホルダ518は、両側に関節軸5181を有しており、関節軸5181は、ホルダ518が回転できるような方法で、支持プレート585Aまたは585Bのフランジ用開口部5853内に保持される。関節軸5181は、バネによって囲まれており、関節軸5181の一端は、支持プレート585A、585Bに対向して置かれ、関節軸5181の他端は、ホルダ518の凹部5183で保持されて、ホルダ518を支持プレート585A、585Bに対して外側へ回転させる。ホルダ518がガイドプレート590と接触していない場合、ホルダ518は、離れ離れに回転して、製品単体8を受け入れる準備が整う。各ホルダ518は、このために凹部5180を備えており、凹部5180に、挿入物519が、はめ込まれることが好ましい。挿入物519は、肉厚のスピーカ膜の形態で設計されることが好ましい。あるいは、弾性セグメントを、凹部に使用することもできる。弾性および圧縮性インサート519は、製品単体8の寸法の違いを補正するのを可能にする。このように、製品単体8は、その寸法が比較的広い許容範囲内で変化して、好ましくは遊びのない状態で保持されたコンベア要素511A、511B;・・・;541A、541Bによって捉えられることができる。挿入物519または代わりに使用される挿入要素は、軟弾力性ゴムまたは軟弾力性エラストマでできていることが好ましい。
【0078】
ホルダ518および選択的に提供される挿入物519は、各々が空気ダクト5188、5190を有しており、空気ダクト5188、5190が吸気ダクトを形成し、吸気ダクトが吸引装置1113(
図8b参照)に接続しているか、または接続可能であることをさらに示す。したがって、空気が吸引路から吸い込まれて、凹部5180または挿入物519にて製品単体8またはその殻880を保持することができる。吸引装置1113は、製品単体8を吸引または放出するために、空気を吸引または放出させることができるように制御可能であることが好ましい。
【0079】
図8eは、分解図における
図8dの第1のコンベア要素511Aを示す。支持プレート585Aは、凹部5850を有し、その中へとホルダ518を回転させられることが分かる。