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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】蓋付き包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/26 20060101AFI20220418BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
B65D1/26 120
B65D43/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2016153572
(22)【出願日】2016-08-04
(65)【公開番号】P2018020816
(43)【公開日】2018-02-08
【審査請求日】2019-07-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391011825
【氏名又は名称】中央化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(72)【発明者】
【氏名】木村 貴一
(72)【発明者】
【氏名】本田 香菜
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-051325(JP,A)
【文献】特開2003-063573(JP,A)
【文献】特開2012-171657(JP,A)
【文献】特開2015-20784(JP,A)
【文献】特開2016-64853(JP,A)
【文献】特開2016-55884(JP,A)
【文献】米国特許第4300700(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/26
B65D 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部の周囲から側壁が立設する容器本体に開閉自在な蓋が内嵌合される蓋付き包装用容器であって、
前記容器本体には、前記側壁の上側に外側に向かって延びる段差部が周設され、前記段差部の外端から上方に向かって起立する起立部が周設されており、
前記蓋には、端面視で下方に凸の略コ字形の嵌合部が周囲全体に亘って形成され、前記嵌合部が前記容器本体の起立部の内側に着脱自在に内嵌合可能になっており、前記嵌合部を容器本体の上方に向かって内側に傾斜する起立部に嵌め込むことにより、容器本体を内嵌合で閉鎖可能になっており、
前記段差部は、内側の略水平な平面部と外側の上方に向かって外方に傾斜するテーパ部とから構成され、
前記蓋が前記容器本体に内嵌合された状態で、前記嵌合部の底部と前記段差部の前記平面部とが小間隙を開けて対向するように形成され、
前記嵌合部の底部と対向する前記段差部の前記平面部との間の小間隙の距離と、前記段差部の前記テーパ部とが、前記蓋が下方に押されて前記嵌合部が下方に付勢されたときに前記嵌合部の底部を前記段差部の前記平面部で支持することが可能に形成されていることを特徴とする蓋付き包装用容器。
【請求項2】
前記嵌合部の底部の外端近傍が前記テーパ部の上部で支持されるように前記蓋が前記容器本体に内嵌合されることを特徴とする請求項1記載の蓋付き包装用容器。
【請求項3】
前記嵌合部の底部の外端近傍が上方に向かって外方に傾斜する嵌合テーパ部になっており、前記嵌合テーパ部が前記テーパ部の上部で支持されるように前記蓋が前記容器本体に内嵌合されることを特徴とする請求項2記載の蓋付き包装用容器。
【請求項4】
前記嵌合テーパ部の傾斜が前記テーパ部の傾斜よりも緩やかになっていることを特徴とする請求項3記載の蓋付き包装用容器。
【請求項5】
前記容器本体の側壁が、全周に亘って設けられる主側壁部と、前記主側壁部と前記段差部の前記平面部との間に全周に亘って設けられる補助側壁部を有し、
前記主側壁部と前記底部とで囲まれる領域で前記容器本体の主収容部が構成され、
前記主側壁部と前記補助側壁部との間に前記補助側壁部よりも上方に突出する突条が全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の蓋付き包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、食材等が収容される合成樹脂製の蓋付き包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器本体の側壁の上側に、外側に向かって水平に延びる段差部が周設され、段差部の外端から上方に向かって起立する起立部が周設され、起立部の上端から外側に向かって外周部が周設されていると共に、蓋の周囲全体に亘って容器本体に内嵌合される嵌合部が形成されている蓋付き包装用容器がある。この嵌合部は端面視で下方に凸の略コ字形に形成されており、嵌合部を容器本体の起立部の内側に嵌め込むことにより、容器本体に蓋を内嵌合して閉鎖可能になっている。
【0003】
このような蓋付き包装用容器として特許文献1には、蓋の内嵌合する嵌合部の底部と、容器本体の水平に延びる段差部とが、僅かな隙間を開けて対向するように形成される蓋付き包装用容器が開示されている(特許文献1の参考A-A’拡大断面図参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】意匠登録第1530203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、蓋の内嵌合する嵌合部の底部に対応する箇所に設けられる容器本体の水平に延びる段差部は、容器本体に収容された食品、食材等の収容物を広がりを持って消費者に見せることができる、蓋が下方に押されて嵌合部が下方に付勢された場合に嵌合部の底部を段差部で支持することができるという有利性があり、更に、特許文献1のように嵌合部の底部と対向する段差部との間に僅かな隙間を開ける場合には、嵌合部の底部と段差部との間に、サラダの葉物等が噛み込まれて取れなくなることを防止することができるという有利性もある。
【0006】
しかしながら、特許文献1のように嵌合部の底部と対向する段差部との間に僅かな隙間を開けるだけでは、嵌合部の底部と対向する段差部との間にサラダの葉物等が噛み込まれること自体を防止することは可能であるものの、嵌合部の底部と対向する段差部との間の隙間にサラダの葉物等がそのまま残って配置され、この見た目の良くない状態で蓋付き包装用容器に食品、食材等が収容された商品が店舗に陳列されることが多々生ずる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、内嵌合される嵌合部の底部と対向する段差部との間に隙間が設けられる蓋付き包装用容器において、嵌合部の底部と対向する段差部との間の隙間にサラダの葉物等が残って配置されることを極力抑制し、食品、食材等が容器に収容された商品が店舗に陳列された際の美しく優れた見栄えを安定して得ることができる蓋付き包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の蓋付き包装用容器は、底部の周囲から側壁が立設する容器本体に開閉自在な蓋が内嵌合される蓋付き包装用容器であって、前記容器本体には、前記側壁の上側に外側に向かって延びる段差部が周設され、前記段差部の外端から上方に向かって起立する起立部が周設されており、前記蓋には、端面視で下方に凸の略コ字形の嵌合部が周囲全体に亘って形成され、前記嵌合部が前記容器本体の起立部の内側に着脱自在に内嵌合可能になっており、前記嵌合部を容器本体の上方に向かって内側に傾斜する起立部に嵌め込むことにより、容器本体を内嵌合で閉鎖可能になっており、前記段差部は、内側の略水平な平面部と外側の上方に向かって外方に傾斜するテーパ部とから構成され、前記蓋が前記容器本体に内嵌合された状態で、前記嵌合部の底部と前記段差部の前記平面部とが小間隙を開けて対向するように形成され、前記嵌合部の底部と対向する前記段差部の前記平面部との間の小間隙の距離と、前記段差部の前記テーパ部とが、前記蓋が下方に押されて前記嵌合部が下方に付勢されたときに前記嵌合部の底部を前記段差部の前記平面部で支持することが可能に形成されていることを特徴とする。
これによれば、段差部の外側のテーパ部により、サラダの葉物等を底部と側壁で囲まれる本来の収容部内に自然に落下させることや容易に振り落とすことが可能となる。従って、嵌合部の底部と対向する段差部との間の隙間にサラダの葉物等が残って配置されることを極力抑制することが可能となり、食品、食材等が容器に収容された商品が店舗に陳列された際の優れた見栄えを安定して得ることができる。また、容器本体は平面部とテーパ部とから構成されて外側に延びる段差部を有することから、容器本体に収容された食品、食材等の収容物を広がりを持って消費者に見せることができる。また、嵌合部の底部と対向する段差部との間の隙間は小間隙であることから、蓋が下方に押されて嵌合部が下方に付勢された場合に嵌合部の底部を段差部で支持することが可能である。
【0009】
本発明の蓋付き包装用容器は、前記嵌合部の底部の外端近傍が前記テーパ部の上部で支持されるように前記蓋が前記容器本体に内嵌合されることを特徴とする。
これによれば、別途に容器本体に蓋を外嵌合させずとも、蓋の嵌合部の底部と容器本体の段差部の平面部とが小間隙を開けて対向する状態を安定して確実に得ることができる。尚、特許文献1は蓋の嵌合部の底部と容器本体の段差部との間の隙間を得るために、内嵌合の外側で蓋を容器本体に外嵌合している。
【0010】
本発明の蓋付き包装用容器は、前記嵌合部の底部の外端近傍が上方に向かって外方に傾斜する嵌合テーパ部になっており、前記嵌合テーパ部が前記テーパ部の上部で支持されるように前記蓋が前記容器本体に内嵌合されることを特徴とする。
これによれば、蓋の嵌合テーパ部が容器本体のテーパ部の上部で少なくとも部分的に面状で支持される状態とすることが可能となり、蓋の嵌合部の底部と容器本体の段差部の平面部とが小間隙を開けて対向する状態をより安定させることができる。また、部分的な面状支持により、容器本体の段差部のテーパ部に局所的に大きな応力が負荷されることを防ぎ、容器本体の破損を防止することができ、又、容器本体或いはその段差部に求められる強度の許容範囲を広げることができる。
【0011】
本発明の蓋付き包装用容器は、前記嵌合テーパ部の傾斜が前記テーパ部の傾斜よりも緩やかになっていることを特徴とする。
これによれば、嵌合部の嵌合テーパ部が段差部のテーパ部から内方に向かうに従って離れて開いていき、逆に外方に向かうに従って近づいて閉じていく状態にすることが可能となるから、蓋を閉める際にサラダの葉物等の収容物を開いて離れた方向に誘導し、容器本体の本来の収容部内に誘導して押し込むことができると共に、収容物の噛み込みをより一層抑制することができる。
【0012】
本発明の蓋付き包装用容器は、前記容器本体の側壁が、全周に亘って設けられる主側壁部と、前記主側壁部と前記段差部の前記平面部との間に全周に亘って設けられる補助側壁部を有し、前記主側壁部と前記底部とで囲まれる領域で前記容器本体の主収容部が構成され、前記主側壁部と前記補助側壁部との間に前記補助側壁部よりも上方に突出する突条が全周に亘って形成されていることを特徴とする。
これによれば、主収容部からはみ出したサラダの葉物等を突条で上向きにして主収容部により落下させやすくすることができ、サラダの葉物等が内嵌合部分に近づく可能性を一層低下させ、収容物の噛み込みをより一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内嵌合される嵌合部の底部と対向する段差部との間に隙間が設けられる蓋付き包装用容器において、嵌合部の底部と対向する段差部との間の隙間にサラダの葉物等が残って配置されることを極力抑制することが可能となり、食品、食材等が容器に収容された商品が店舗に陳列された際の美しく優れた見栄えを安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態の蓋付き包装用容器の平面図。
図2】第1実施形態の蓋付き包装用容器の正面図。
図3】第1実施形態の蓋付き包装用容器の分解斜視図。
図4】(a)は第1実施形態の蓋付き包装用容器における容器本体の側壁の中央部分に相当する位置の拡大端面図、(b)は同図(a)のB部拡大図。
図5】(a)は本発明の第2実施形態の蓋付き包装用容器における容器本体の側壁の中央部分に相当する位置の拡大端面図、(b)は同図(a)のC部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1実施形態の蓋付き包装用容器〕
本発明による第1実施形態の蓋付き包装用容器10は、図1図4に示すように、平面視略矩形で上方に開口する箱型の容器本体20と、容器本体20に開閉自在に内嵌合される平面視略矩形の蓋30とから構成される。容器本体20、蓋30は、それぞれ合成樹脂で形成され、図示例の容器本体20、蓋30は、それぞれ透明な可撓性の合成樹脂で形成されている。
【0016】
容器本体20は、平面視略矩形の底部21を有し、底部21の周囲からは側壁22が起立するように形成され、側壁22は上方に向かって外側に拡がるように形成されており、その上寄りに外側に屈曲する段部221が形成されている。側壁22のうち、段部221よりも下側に位置して全周に亘って設けられている側壁部分は主側壁部222、段部221よりも上側に位置し且つ主側壁部222と後述する段差部23との間に位置して全周に亘って設けられている側壁部分は補助側壁部223を構成し、全周に亘る主側壁部222と底部21とで囲まれる領域が容器本体20の主収容部となっている。
【0017】
段部221よりも上側に位置する側壁22の上側には、外側に向かって延びる段差部23が形成され、段差部23は容器本体20の周状に形成される側壁22に倣って周設されている。段差部23は、側壁22の上端から略水平で外側に延びる平面部231と、平面部231の外端から上方に向かって外側に拡がるように傾斜する略テーパ状のテーパ部232とから構成され、段差部23の内側は平面部231、その外側はテーパ部232になっている。
【0018】
段差部23の外端、換言すればテーパ部232の外端或いは上端からは、上方に向かって僅かに内側に傾斜するように起立する起立部24が形成され、起立部24の上端から端面視で上方に凸の略山形である外周部25が形成されている。起立部24と外周部25も、平面部231とテーパ部232で構成される段差部23と同様に、容器本体20の全周に亘って周設されている。
【0019】
蓋30は、天板31と、天板31の周囲から下方に向かって外側に拡がるように傾斜する略テーパ状の側壁32と、側壁32の下端から外側に向かって略水平に延びる段部33と、段部33の外端から形成された嵌合部34とから構成される。嵌合部34は、端面視で下方に凸の略コ字形に形成されており、側壁32、段部33と同様に、蓋30の周囲全体に亘って形成されている。
【0020】
嵌合部34は、容器本体20の起立部24の内側に着脱自在に内嵌合可能になっており、蓋30は、嵌合部34を容器本体20の上方に向かって僅かに内側に傾斜する起立部24に嵌め込むことにより、容器本体20を内嵌合で閉鎖可能になっている(図4参照)。そして、第1実施形態の蓋付き包装用容器10では、蓋30が容器本体20に内嵌合された状態において、嵌合部34の底部341と段差部23の平面部231とが距離Lの小間隙を開けて対向するように形成されている。この小間隙の距離Lは、仮に蓋30が下方に押されて嵌合部34が下方に付勢された場合に嵌合部34の底部341を段差部23或いはその平面部231で支持することを可能にすると共に、嵌合部34の底部341と段差部23との間にサラダの葉物等が噛み込まれて取れなくなることを防止することを可能にする双方の機能を確保する観点から、例えば1mm~10mmとすることが好ましく、1mm~6mmとするとより好ましく、1.5mm~5mmとするとさらに好ましい。
【0021】
嵌合部34の底部341の外端近傍は、上方に向かって外方に傾斜する嵌合テーパ部342になっており、本実施形態の嵌合テーパ部342の傾斜は、容器本体20の段差部23のテーパ部232の傾斜よりも僅かに緩やかになっている。そして、嵌合部34が起立部24の内側に内嵌合されて蓋30が容器本体20に内嵌合された状態においては、嵌合部34の底部341の外端近傍、本実施形態では嵌合テーパ部342が、段差部23のテーパ部232の上部で支持されると共に、嵌合部34の嵌合テーパ部342が段差部23のテーパ部232から内方に向かうに従って離れて開いていき、逆に外方に向かうに従って近づいて閉じていく状態となる。
【0022】
第1実施形態によれば、嵌合部34の底部341と段差部23の平面部231との間に小間隙を開け、段差部23の外側にテーパ部232を設けることにより、サラダの葉物等を底部21と側壁22で囲まれる容器本体20の本来の収容部内に自然に落下させることや容易に振り落とすことが可能となる。従って、嵌合部34の底部341と対向する段差部23との間の小間隙或いは隙間にサラダの葉物等が残って配置されることを極力抑制することが可能となり、食品、食材等が容器に収容された商品が店舗に陳列された際の美しく優れた見栄えを安定して得ることができる。また、容器本体20は平面部231とテーパ部232とから構成されて外側に延びる段差部23を有することから、容器本体20に収容された食品、食材等の収容物を広がりを持って消費者に見せることができる。また、嵌合部34の底部341と対向する段差部23との間の隙間は小間隙であることから、蓋30が下方に押されて嵌合部34が下方に付勢された場合に嵌合部34の底部341を段差部23或いはその平面部231で支持することが可能である。
【0023】
また、嵌合部34の底部341の外端近傍が段差部23のテーパ部232の上部で支持されるように蓋30が容器本体20に内嵌合されることから、別途に容器本体20に蓋30を外嵌合させずとも、蓋30の嵌合部34の底部341と容器本体20の段差部23の平面部231とが小間隙を開けて対向する状態を安定して確実に得ることができる。
【0024】
また、段差部23のテーパ部232の上部で支持される嵌合部34の底部341の外端近傍を嵌合テーパ部342とすることにより、蓋30の嵌合テーパ部342が容器本体20のテーパ部232の上部で少なくとも部分的に面状で支持される状態とすることが可能となり、蓋30の嵌合部34の底部341と容器本体20の段差部23の平面部231とが小間隙を開けて対向する状態をより安定させることができる。また、部分的な面状支持により、容器本体20の段差部23のテーパ部232に局所的に大きな応力が負荷されることを防ぎ、容器本体20の破損を防止することができ、又、容器本体20或いはその段差部23に求められる強度の許容範囲を広げることができる。
【0025】
また、嵌合部34の嵌合テーパ部342の傾斜を段差部23のテーパ部232の傾斜よりも緩やかにすることにより、嵌合テーパ部342がテーパ部232から内方に向かうに従って離れて開いていき、逆に外方に向かうに従って近づいて閉じていく状態にすることが可能となるから、蓋30を閉める際にサラダの葉物等の収容物を開いて離れた方向に誘導し、容器本体20の本来の収容部内に誘導して押し込むことができると共に、収容物の噛み込みをより一層抑制することができる。
【0026】
〔第2実施形態の蓋付き包装用容器〕
本発明による第2実施形態の蓋付き包装用容器10aでは、その容器本体20aの側壁22aが底部21の周囲からは起立するように且つ上方に向かって外側に拡がるように形成されており、その上寄りに上方に突出する突条224aが形成されている点で第1実施形態と異なる。第1実施形態における段部221に代えて設けられる突条224aは、側壁22aにおいて部分的に上側に突出するように形成されていると共に、容器本体20の全周に亘って形成されている。突条224aは、端面視で丸みを帯びた形状で突出形成されており、サラダの葉物等を滑動し易くしている。
【0027】
側壁22のうち、突条224aよりも下側に位置して全周に亘って設けられている側壁部分は主側壁部222a、突条224aよりも上側に位置し且つ主側壁部222aと段差部23との間に位置して全周に亘って設けられている側壁部分は補助側壁部223aを構成し、全周に亘る主側壁部222aと底部21とで囲まれる領域が容器本体20aの主収容部となっている。第2実施形態の蓋付き包装用容器10aのその他の構成は第1実施形態の蓋付き包装用容器10と同一であり、その蓋30は第1実施形態と同じである。
【0028】
第2実施形態によれば、容器本体20aの主収容部からはみ出したサラダの葉物等を突条224aで上向きにして主収容部により落下させやすくすることができ、サラダの葉物等が内嵌合部分に近づく可能性を一層低下させ、収容物の噛み込みをより一層抑制することができる。その他、第1実施形態と対応する構成から対応する効果を奏する。
【0029】
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
【0030】
例えば第1、第2実施形態の蓋付き包装用容器10、10a、及びその容器本体20、20a、蓋30は平面視略矩形としたが、この矩形は正方形或いは長方形とすることが可能であり、又、本発明の蓋付き包装用容器とこれを構成する容器本体と蓋の平面視形状はこれ以外にも適宜であり、例えば矩形以外の五角形、六角形、八角形など平面視略多角形、或いは平面視略円形、平面視略楕円形等とすることが可能である。
【0031】
また、第1、第2実施形態では、嵌合部34の底部341の外端近傍に嵌合テーパ部342を設けたが、嵌合テーパ部342を設けない嵌合部とすることも可能であり、又、嵌合テーパ部342の傾斜をテーパ部232の傾斜と略同一にするなど嵌合テーパ部342の傾斜をテーパ部232の傾斜とよりも緩やかにしない構成も本発明に含まれる
【0032】
また、本発明の蓋付き包装用容器に収容する食品、食材はサラダ、惣菜など適宜である。また、本発明の蓋付き包装用容器は透明なものとすると好適であるが、容器本体と蓋のいずれか一方又は双方を不透明なものとすることも可能である。また、本発明の蓋付き包装用容器の容器本体、蓋を形成する合成樹脂は適宜であり、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等、並びにこれらの2種類以上の樹脂のブレンドを用いることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、例えば惣菜、サラダ等の食品や食材を収容する蓋付き包装用容器として利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10、10a…蓋付き包装用容器 20、20a…容器本体 21…底部 22、22a…側壁 221…段部 222、222a…主側壁部 223、223a…補助側壁部 224a…突条 23…段差部 231…平面部 232…テーパ部 24…起立部 25…外周部 30…蓋 31…天板 32…側壁 33…段部 34…嵌合部 341…底部 342…嵌合テーパ部 L…小間隙の距離
図1
図2
図3
図4
図5