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特許7059066自動車用風防ガラスワイパーアームおよびキャップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】自動車用風防ガラスワイパーアームおよびキャップ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/46 20060101AFI20220418BHJP
【FI】
B60S1/46 Z
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018060530
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2018167826
(43)【公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】1752524
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ロレ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ピコ
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-370624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0013533(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03028906(EP,A1)
【文献】特開2002-059813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00
F16L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ワイパー装置のワイパーアーム(14)の駆動部(6)に収容されるように意図されたキャップ(1)であって、
前記キャップ(1)を、前記駆動部(6)を固定するための固定手段(15)に取り付けることが可能な、少なくとも1つの協調手段(17)を備え、
流体輸送パイプ(4)を収容するための少なくとも1つの収容手段(18)を備え
体は、前記ワイパーアーム(14)によって支持されたワイパーブレードに向かって搬送されるか、または前記ワイパーアーム(14)によって支持されたスプレー手段に向かって搬送され
前記流体輸送パイプ(4)を収容するための前記収容手段(18)は、前記キャップ(1)の上壁(3)に配置された溝(5)からなり、
当該溝は、前記流体輸送パイプ(4)が前記キャップに取り付けられたときに、前記流体輸送パイプ(4)が前記キャップ(1)の前記上壁(3)と同一平面に位置するように形成されることを特徴とするキャップ(1)。
【請求項2】
前記溝(5)は、前記流体輸送パイプ(4)の少なくとも1つの長手方向部分(19)の形状を補完する形状を有する、請求項に記載のキャップ(1)。
【請求項3】
前記流体輸送パイプ(4)を前記溝(5)内に保持するための少なくとも1つの維持手段(23)を含む、請求項またはに記載のキャップ(1)。
【請求項4】
前記流体輸送パイプ(4)を保持するための前記維持手段(23)は、前記溝(5)の開口部(50)を画定する縁部(24)を越えて突出する少なくとも1つの突起部(52a、52b)からなる、請求項に記載のキャップ(1)。
【請求項5】
前記維持手段(23)は、前記溝(5)の開口部(50)を画定する各々の前記縁部(24)に対面するように配置され、当該開口部(50)の部分的な閉鎖を形成するために、互いに向かって延びる第1突起部(52a)および第2突起部(52b)を含む、請求項4に記載のキャップ(1)。
【請求項6】
前記協調手段(17)は、前記キャップ(1)の一部を形成する基部(2)の内壁(21)から出現するとともに、前記キャップ(1)によって画定される内部容積(V)内に延びる少なくとも1つの突出部(20)からなる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のキャップ(1)。
【請求項7】
下端部(16)で開口するとともに、前記上壁(3)によって上端部で閉鎖された基部(2)を含み、当該上壁(3)は、前記流体輸送パイプ(4)を収容する、請求項乃至のいずれか一項に記載のキャップ(1)。
【請求項8】
前記キャップ(1)の頂部から見たときに、前記基部(2)は円筒形状または円錐台形状であり、前記上壁(3)は凸状である、請求項に記載のキャップ(1)。
【請求項9】
少なくともワイパーアーム(14)と、請求項1乃至のいずれか一項に記載のキャップ(1)とを備える、ワイパー装置。
【請求項10】
前記ワイパーアーム(14)は、ロックナット(8)を使用して、前記ワイパーアーム(14)の回転を駆動する駆動軸(7)に固定されるように意図された駆動部(6)を含み、
前記協調手段(17)は、前記キャップ(1)の一部を形成する基部(2)の内壁(21)から出現する少なくとも1つの突出部(20)からなり、
当該突出部(20)は、前記ロックナット(8)の面の1つに接触して支持するように寸法決めされている、請求項に記載のワイパー装置。
【請求項11】
少なくとも1つの流体輸送パイプ(4)を備え、前記流体輸送パイプ(4)の少なくとも長手方向部分(19)が、前記キャップ(1)の上壁(3)に形成された前記収容手段(18)内に挿入されている、請求項または10に記載のワイパー装置。
【請求項12】
前記駆動部(6)は、少なくとも1つの通路開口(61)を備え、前記流体輸送パイプ(4)は、前記ワイパーアーム(14)に沿って長手方向に延びるように、前記通路開口(61)を通過する、請求項10または11に記載のワイパー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用ワイパー装置の分野に関する。より詳細には、拭き取られる表面を清掃するために液体を分配する機能を組み込んだワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、一般に、ガラス表面、特に車両のフロントガラスおよびリアウインドウを洗浄するとともに拭き取り、運転者の周囲の視界が妨げられることを抑制するために、ワイパーシステムが装備されている。これらのワイパーは、慣例的に、ワイパーアームによって運動が駆動される、弾性材料で作られたワイパーブレードラバーを支持する細長いブレードを備え、これらは、適切な接続組立体によってワイパーアームに取り付けられている。このワイパーアーム自体は、ある角度における往復運動を駆動する駆動装置に接続されている。ワイパーブレードラバーは、ガラス表面に擦り付けられて水および汚れを取り除き、運転者の視界からこれらを掃除する。このようなワイパーの性能を改善させるために、拭き取られる表面を清掃するための清掃液が、ワイパーブレードラバーに可能な限り近づけて搬送され得ることが有利である。このような液体は、車両のボンネットの下方に位置するリザーバに貯蔵され、可撓性のパイプを介してワイパーブレードまたはワイパーアームに搬送され、適切な分配組立体を使用して、清掃される表面に可能な限り近づけて分配される。したがって、対処すべき問題は、可撓性パイプがワイパーアームの角度的往復運動中に損傷を受ける危険性がなく、同時に、液体を清掃され/拭き取られる表面に可能な限り近づけて到達させるように保つように、ワイパーブレードラバーおよび/またはワイパーアームと共に動く可撓性パイプを駆動することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、この問題に対処する装置を提案することであり、このような装置の信頼性は商業的開発にとって重要な要因である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のために、本発明の主題の1つは、車両ワイパー装置のワイパーアームの駆動部を収容されるように意図されたキャップであって、キャップを、駆動部を固定するための固定手段に取り付けることが可能な、少なくとも1つの協調手段を備え、流体輸送パイプを収容するための少なくとも1つの収容手段を備え、当該液体は、好ましくは、ワイパーアームによって支持されたワイパーブレードに向かって搬送されるか、またはワイパーアームによって支持されたスプレー手段に向かって搬送されるキャップである。有利には、問題になっている流体は、拭き取られる表面を清掃するための液体である。
【0005】
キャップは有利には、単独または組み合わせて考えられる以下の特徴の少なくとも1つを示す:
-流体輸送パイプを収容するための収容手段は、キャップの上壁に配置された溝からなり、当該溝は、好ましくは、流体輸送パイプがキャップに取り付けられたときに、流体輸送パイプがキャップの上壁と同一平面に位置するように形成される。
-溝は、流体輸送パイプの少なくとも1つの長手方向部分の形状を補完する形状を有する。
-上壁は、キャップによって画定される内部容積に連絡する溝によって画定される容積を収容する少なくとも1つの開口部を示している。
-流体輸送パイプを溝内に保持するための少なくとも1つの維持手段を含んでいる。
-パイプを保持するための維持手段は、溝の開口部を画定する縁部を越えて突出する少なくとも1つの突起部からなる。
-維持手段は、溝の開口部を画定する各々の縁部に対面するように配置され、当該開口部の部分的な閉鎖を形成するために、互いに向かって延びる第1突起部および第2突起部を含んでいる。
-協調手段は、キャップの一部を形成する基部の内壁から出現するとともに、キャップによって画定される内部容積内に延びる少なくとも1つの突出部からなる。
-下端部で開口するとともに、上壁によって上端部で閉鎖された基部を含み、当該上壁は、流体輸送パイプを収容する。
-キャップの頂部から見たときに、基部は円筒形状または円錐台形状であり、上壁は凸状である。
【0006】
また、本発明は、少なくともワイパーアームと、上述したキャップとを備える、ワイパー装置にまで及んでいる。
【0007】
有利には、ワイパーアームは、ロックナットを使用して、ワイパーアームの回転を駆動する駆動軸に固定されるように意図された駆動部を含み、協調手段は、キャップの一部を形成する基部の内壁から出現する少なくとも1つの突出部からなり、当該突出部は、ナットの面の1つに接触して支持するように寸法決めされている。基部は、例えば中空である。
【0008】
上述した装置は、少なくとも1つの流体輸送パイプを組み込み、流体輸送パイプの少なくとも長手方向部分が、キャップの上壁に形成された収容手段内に挿入されている。
【0009】
例示的な一実施の形態によれば、駆動部は、少なくとも1つの通路開口を備え、流体輸送パイプは、ワイパーアームに沿って長手方向、特にワイパーアームと窓パネルとの間に延びるように、通路開口を通過する。
【0010】
本発明の更なる特徴、詳細および利点は、以下の図面とともに示された説明を読むことにより、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施の形態によるキャップの上部の概略斜視図である。
図2図2は、ワイパーアームの駆動部上に置かれた、本発明によるキャップの概略斜視図である。
図3図3は、流体輸送パイプが固定されたワイパーアームに取り付けられたキャップを上方から示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、図面は、本発明を実施するために本発明を詳細に説明しているが、必要に応じて、当該図面が本発明をより良く定義するために使用されても良いことに留意されたい。
【0013】
以下の説明では、長手方向または横方向といった名称は、ワイパーアームの方向に対して定義される。長手方向はワイパーアームの主軸が延びる方向に対応し、横方向は、長手方向に交差し、特に、ワイパーアームの長手軸に対して垂直に交差する。上方、下方との名称は、ワイパーアームが車両に設置されたときに、使用者の視界に対して定義され、上方からの視界は、車両の外側から視認可能なものに対応する。上部または下部として参照される方向、並びに頂部および底部の方向は、ワイパーアーム駆動スピンドルに対して定義され、下部との名称は、拭き取られる表面を含む。
【0014】
上述した方向は、図示されている直交座標系OXYZにおいても見られることができる。
【0015】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施の形態によるキャップ1は、円筒部分によって形成された、全体として円筒形状の基部2を備えている。また、この基部2は、中空であり、その下部において開口している。基部2の上部は、閉鎖されている。この上部は上壁3の形態をとり、上壁3の全体の形状は例えば凸状である。より具体的には、上壁3の凸形状は、半球形であり、上壁3は、キャップ1によって画定された中空内部容積Vから離れるように延びている。ここで、上述した方向を参照して、上壁3は、外方かつキャップ1の頂部に向かって延びていることが理解されよう。
【0016】
あるいは、基部2は、円錐台形状であってもよく、下部においてより大きい直径を有していてもよい。
【0017】
1つの代案によれば、上壁3は凹形状であってもよい。このような場合、上壁3は、キャップ1の頂部から見てカップを形成する。
【0018】
両方の場合において、基部2が上壁3と交わる場所で形成される角部は、丸みを帯びた形状となる。これにより、歩行者への衝撃に関する法律(pedestrian-impact legislation)によって禁止されている鋭い縁部を回避する。
【0019】
有利には、キャップ1は、後述するように、適所に嵌合および保持されることが可能になるように、適切な弾性と適切な剛性の両方を示すポリマー材料で作られている。
【0020】
本発明では、流体輸送パイプ4を収容する収容手段18が、キャップ1の上壁3に配置されている。
【0021】
図示された実施の形態によれば、収容手段18は、例えばこのようなパイプの長手方向部分19の形状を補完する形状の溝5の形態をとる。より具体的には、図2に示すように、溝5は、軸がキャップ1の基部2の回転軸に垂直に延び、その直径が流体輸送パイプ4の外径よりわずかに大きい円筒の一部分の形状を実質的に有している。
【0022】
長手方向には、溝5は、それが配置される上壁3の全直径にわたって延びている。OZ軸に沿って、溝5は、有利には、本発明によるキャップ1の上壁3の凸形状または凹形状の頂部に構成されている。溝5は、有利には、上壁3を画定する上面30の頂部における開口部50内に、その上部を開口するように構成されている。
【0023】
溝5は、流体輸送パイプ4がその中に収容されているとき、このパイプの外面の最上部が、キャップ1の上壁3の上面30と同一平面に位置するように構成されていることに留意されたい。言い換えれば、一旦、流体輸送パイプ4がキャップ1の溝5内に収容されると、このパイプ4はキャップ1の頂部の上方には延びない。換言すれば、キャップがパイプ4に嵌合されているか否かにかかわらず、キャップ1が占める全体の空間は、特に高さに関して同じままである。
【0024】
図1においてより詳細に示す本発明の実施の形態によれば、溝5は、その下部において、キャップ1によって画定された内部容積Vに開口する孔51を備えている。他の実施の形態によれば、キャップ1の上壁3の厚みは、溝5が、その下部において、キャップ1の内部容積Vに開口しないように選択され得る。このような場合、溝5は、キャップ1の一方の側から他方の側まで連続的に延びる底部を備えている。
【0025】
本発明の1つの有利な特徴によれば、溝5の形状および寸法は、一旦、その中に収容されると、流体輸送パイプ4がその中に維持され、使用者の意図的な動作によってのみ、そこから取り除かれることができるように画定される。この目的のために、少なくとも1つの維持手段23が、開口部50を画定する少なくとも1つの縁部24に構成されている。
【0026】
図示された本発明の実施の形態によれば、この維持手段23は、少なくとも1つの突起部、特に第1突起部52aおよび第2突起部52bの形態をとり、各突起部52a、52bは、開口部50を画定する縁部24を越えて延びている。これらの突起部52aおよび52bは、上壁3の上面30の頂部において、溝5に対して対称的に配置されてもよい。
したがって、第1突起部52aおよび第2突起部52bは、キャップ1の回転軸を通り、溝5が長手方向に延びる平面に対して対称であってもよい。本発明はまた、別の対称性も提供する。第1突起部52aおよび第2突起部52bは、キャップ1の回転軸を通り、溝5が沿って延びる長手軸に垂直な平面に関して対称であってもよい。
【0027】
第1突起部52aおよび第2突起部52bは、例えば、対面するように、開口部50の両側に配置される。この場合、2つの突起部52a、52bは、互いに向かって延び、キャップ1の頂部に、溝5の開口部50の部分的な閉鎖を作り出す。パイプ4が溝5内に案内されることができるような小さな寸法のものであっても、第1突起部52aおよび第2突起部52bは、一旦、流体輸送パイプ4がこの溝5に係合されると、このパイプの上方への移動を抑制し、それにより溝5から離れることを抑制することを可能にする。これにより、パイプ4を所定位置に保持する機能が果たされる。
【0028】
本発明の他の実施の形態によれば、第1突起部および第2突起部は、溝5の開口部50の両側に対面するように設置されるのではなく、本発明を損なうことなく、この開口部50に対してオフセットされた位置、すなわち溝の長手軸に沿ってオフセットされて配置されてもよい。この解決策は、パイプを溝内に挿入することを容易にし、溝5のほぼ全長にわたって、このパイプを保持するので有利である。
【0029】
更に他の実施の形態によれば、溝5の縁部24の1つに単一の突起部が構成されていてもよい。この代替案では、溝5の他の縁部は突起部を有していない。
【0030】
流体輸送パイプ4は、このパイプの長手方向部分19と溝5との協調によって、パイプ4に、図2の矢印Fで示される方向への単純な圧力を作用させることにより、本発明によるキャップ1と共に組み立てられている。この圧力の影響下かつパイプ4が作られる材料の弾性により、このパイプは変形して、それぞれ52aおよび52bで参照される第1突起部および第2突起部を克服する。したがって、パイプ4は、第1および第2突起部52a、52bがパイプ4を少なくとも部分的に覆うとき、溝5に挿入されるようになり、クリッピングによって保持される。有利には、上壁3の断面の厚みおよび形状は、第1および第2突起部52a、52bにおいて、パイプ4が溝5内に挿入されているときに、それらが互いに分離しないように、これらの第1および第2突起部52a、52bがある程度の剛性を有するように確定されることに留意されたい。また、パイプ4は、自由端部を有する場合には、この端部によって長手方向に沿って溝5内に案内されてもよく、第1および第2突起部52a、52bは、パイプ4を溝5内に案内する役割を果たす。
【0031】
本発明の別の特徴によれば、キャップ1は、ワイパーアーム14を構成する駆動部6と協調する少なくとも1つの手段17を備えている。より具体的には、協調手段17は、キャップ1を、アーム14を回転駆動装置に取り付ける少なくとも1つの固定手段15に対して、可逆的に接続または取り付ける。
【0032】
図2に詳細に示すように、ワイパーアーム14の駆動部6は、回転駆動装置の軸7が通る孔を含んでいる。この軸7は、ワイパーアーム14がある角度において往復運動で駆動される軸Xが中心にくるように置かれている。図示された実施の形態によれば、軸7は、ワイパーアーム14の駆動部6に形成された孔に収容され、固定手段15によってその中に係止される。固定手段15は、例えば、ナット8およびワッシャ9の形態を取り得る。ここに示す実施の形態によれば、キャップ1の回転軸は、ワイパーアーム14の回転軸Xと一致する。
【0033】
本発明によれば、キャップ1は、ナット8およびワッシャ9、より一般的には駆動部6を軸7に固定するための手段15と協調する手段17を備えている。第1に、より詳細に図示された実施の形態によれば、キャップ1の基部2の壁の厚みと、基部2の下端部16の外径とは、ワッシャ9が、キャップ1によって画定される内部容積V内に収容され得るように、画定されている。言い換えれば、キャップ1は、ワッシャ9上で嵌合され、ワッシャ9を内部容積V内に完全に収容することができ、このキャップ1の基部2の下面22が、駆動部6の上面60に接触して支持するようになる。キャップ1は、例えば、塵、ゴミ、外部から来る雨水のしぶきから、ワッシャ9とナット8とによって形成された組立体を保護することができるようになる。
【0034】
図2により詳細に示す実施の形態によれば、駆動部6を軸7に固定するための、キャップ1と固定手段15との協調手段17は、少なくとも1つの突出部、潜在的に複数の突出部20を備えている。突出部20は、キャップ1の基部2の内壁21から出現する。言い換えれば、これらの突出部20は、キャップ1の内壁から出現するリブを形成し、これらの突出部は、キャップ1によって画定される内部容積V内に延びている。
【0035】
図2に示す実施の形態によれば、突出部20のレイアウトは、一旦、キャップ1がナット8およびワッシャ9上に置かれると、少なくとも1つの突出部、有利には突出部20の各々がナット8の一の表面を押圧するように、画定されている。突出部20の集合体は、ナット8上のキャップ1を半径方向に係止し、基部2の下端部は、ワッシャ9の周りにおけるキャップ1の半径方向への係止部を形成する。概して、本発明は、1つ以上の突出形状が基部2の内壁21から出てくるように配置されることを提案し、かつ、これらの突出形状の寸法が、一旦、キャップ1が固定手段15上に置かれると、キャップ1がこの固定手段15に対して半径方向に係止されるように画定されることを提案する。
【0036】
本発明によるキャップ1は、駆動部6、より一般的にはワイパーアーム14を駆動装置の軸7に固定するための固定手段15のためのカバー及び保護の両方を作り出すことを可能にし、ワイパーブレード本体に流体を輸送するための可撓性パイプ4を適所に収容して保持することを可能にする。可撓性パイプ4はまた、ワイパーアーム14によって支持されたスプレー手段に流体を搬送することを可能にし得る。
【0037】
図3は、フロントガラスタイプの拭き取られる表面10の下部に取り付けられた流体輸送パイプ4およびワイパーアーム14を含むキャップ1のレイアウトを上方からより正確に示している。この図は、ワイパーアーム14の駆動部6、すなわち、その駆動装置の最も近い部分、キャップ1、および、ワイパーアーム14の反対側の端部に取り付けられた図示しないワイパーブレードに洗浄流体を輸送するためのパイプ4を示している。
【0038】
流体輸送パイプ4は、車両の窓パネル13の取付部12に形成された開口11を介して出現し、パイプ4は、例えばボンネットの下方に位置付けられた貯蔵装置に収容された流体を搬送する。ワイパーアーム14を駆動するための装置の回転軸7も取付部12を介して出現しており、この軸はキャップ1によって覆われている。また、パイプ4は、キャップ1の上壁3に配置された溝5に挿入されている。
【0039】
有利には、駆動部6を固定するための固定手段上に予め置かれたキャップ1は、溝5がその長手方向の延長部に沿って、ワイパーアーム14の長手方向に平行に延びるように置かれている。一旦、第1および第2突起部52a、52bの存在により溝5内に挿入され保持されると、流体輸送パイプ4は、上述した方向を参照して、ワイパーアーム14上にそれ自体を見出す。
【0040】
有利には、本発明は、パイプ4が、上述した方向を参照して、下方に向けられ、ワイパーアーム14の駆動部6においてこの目的のために製造された通路開口61に挿入されることを提案しており、パイプがワイパーアーム6の下を通過することによりワイパーブレードに向かって搬送され、パイプ4がワイパーアーム14と窓パネル13との間に延びるようになる。
【0041】
本発明の一実施の形態によれば、長手軸OXに沿って測定される、キャップ1と通路開口61との間の距離は、一旦、溝5内に挿入されて保持された可撓性パイプ4が、可撓性パイプ4が湾曲することなく、また、可撓性パイプ4に損傷を与えるか、あるいはその動作を損なう可能性のある屈曲を加えることなく、この通路開口を通って案内されることができるように、画定されている。パイプ4はワイパーブレードに続く経路において、ワイパーアーム14によって潜在的なノッキングから保護され、外部環境から発生し得る汚れおよび/またはゴミには殆ど曝されない。
【0042】
キャップ1は、協調手段17によって駆動部6に締め付けられていることに留意されたい。これにより、パイプ4と駆動部6との間に動きがないことを確実にすることができ、この特定の領域におけるパイプの完全性を保証する。パイプ4は、ワイパーアーム14の往復運動中にキャップ1によって加えられる運動を吸収するように設計された専用ループ(dedicated loop)25を含んでいる。
【0043】
従って、本発明は、上述したようなキャップ1の存在により、駆動部をその駆動装置に固定するための固定手段、および、例えば1つ以上の分配ノズルを介して、拭き取られる表面に可能な限り近づけて分配され得る洗浄流体を、ワイパーブレードに輸送するためのパイプの両方を保護するための、単純であって信頼でき、かつ低コストな解決策を提案することを可能にする。
【0044】
また、図3に示すように、本発明により提案された配置は、拭き取られる表面の下部において、外部体積が小さく、さらに、例えば歩行者への潜在的な衝撃により損傷を引き起こす可能性がある鋭い端部を含まないことに留意されたい。
【0045】
しかしながら、本発明は、記載および説明された手段や構成に減縮されるべきではなく、すべての均等な手段や構成およびそのような手段の任意の組み合わせにも適用されるべきである。特に、溝5は、上述の説明において、本発明によるキャップ1の上壁3の頂部に構成されているが、本発明を損なうことなく、この上壁の別の領域に、またはこのキャップの底壁にも構成することができ、拭き取られる表面の下部の体積および設置に関する特定の問題に適するように、例えば、キャップ1、駆動部6および流体輸送パイプ4によって形成される組立体の形状に適合することができる。
図1
図2
図3