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特許7059194検体モニタリングシステムのためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】検体モニタリングシステムのためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1486 20060101AFI20220418BHJP
【FI】
A61B5/1486
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018545895
(86)(22)【出願日】2017-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2017023081
(87)【国際公開番号】W WO2017172391
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】62/315,539
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ウィリアム・バーネット
(72)【発明者】
【氏名】ハリ・ハンパプラム
(72)【発明者】
【氏名】アプルフ・ウーラス・カマート
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・ラヴェンズ
(72)【発明者】
【氏名】アディチャ・マンダパカ
(72)【発明者】
【氏名】ゼベディア・マクダニエル
(72)【発明者】
【氏名】トム・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・アール・ヴェーデキント
(72)【発明者】
【氏名】ヨンファン・ゼン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・アラン・ライシャート
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-527093(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164371(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0192751(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0043598(US,A1)
【文献】特表2002-514452(JP,A)
【文献】特表2007-533346(JP,A)
【文献】特表2002-529742(JP,A)
【文献】特表2016-502420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/145-5/1486
G01N 27/28-27/327
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体濃度データを送信するのに適合している検体センサであって、前記検体濃度データは、グルコース濃度データを含む、検体センサと、
前記センサから検体濃度データを受信して、前記検体濃度データの変化を検出するのに適合しているセンサ計測回路であって、前記検体濃度データにおける予め定められた閾値を超えている変動を補償する、センサ計測回路と
オフセット電流を、前記検体濃度データを表す信号および前記変動と関連したノイズ信号成分に、前記検体濃度データおよび前記ノイズ信号成分がゼロ値を上回るレベルにシフトされるように追加するのに適合している、オフセット電流回路と
を含み、
前記ノイズ信号成分のゼロ-ピーク値のある割合が前記検体濃度データを表す前記信号より大きいという判定に応じて、前記オフセット電流回路を使用して前記オフセット電流が追加されることにより、前記センサ計測回路が前記変動を補償する、システム。
【請求項2】
前記検体濃度データの前記変動に関連した情報を格納するのに適合しているメモリならびに、リモートサーバおよび異常な変動またはそこから引き出される情報を示すのに適合しているディスプレイ装置のうちの少なくとも1つに前記変動に関連した情報を発信するのに適合している送信器、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検体濃度データの前記変動を潜在的に引き起こしている環境条件を判定する1つ以上の環境センサを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記オフセット電流回路は1つ以上のプログラムされたオフセット電流に従って前記オフセット電流を追加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ノイズ信号成分を補償し、前記追加したオフセット電流を前記受信検体濃度データから減算して、前記ノイズ信号成分の無い実際の検体濃度を表す検体濃度データを取得するために適合されるプロセッサをさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記検体濃度データが測定されるサンプリング間隔の少なくとも1つを減らして、前記検体センサの回路をオーバークロックすることによって前記ノイズ信号成分の詳細を取り込むのにさらに適合している、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記検体センサの少なくとも2つの電極の間に存在するのと同じ電圧差を有していて前記電圧差全体のアーチファクトによって誘発された電流の流れを補償するガードバンドをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
異常な変動を引き起こしている1つ以上の要因に基づく予め定められた調整量によって検体濃度データを直接調整するのに適合しているプロセッサをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
出願データシートまたはそのいかなる修正においても識別されるすべての優先権請求項は、37 CFR 1.57のもとに参照により本明細書に引用したものとする。本出願は、2016年3月30日に出願の米国仮出願第62,315,539号の利益を請求する。上記の出願は、参照により完全に本明細書において引用したものとし、本明細書により明白に本仕様の一部とする。
【0002】
各種実施形態は、一般に、検体センサシステムから受信した検体値の持続的モニタリングに関し、特に、送信器故障検出およびこのような故障に対する応答に関する。
【背景技術】
【0003】
真性糖尿病は、膵臓が充分なインスリンを作ることができない(1型すなわちインスリン依存型)、および/または、インスリンが効果的でない(2型すなわち非インスリン依存型)障害である。糖尿病の状態において、犠牲者は高い血糖で苦しむ。そして、それによって小さい血管の劣化と関連した多くの生理的乱調(腎不全、皮膚潰瘍または目の硝子体への出血)が生じる。インスリンの不注意による過剰投与によって、または、過剰な運動または不十分な食物摂取に伴うインスリンまたはグルコース降下薬剤の通常の服用の後に、低血糖反応(低い血糖)が誘発され得る。
【0004】
従来は、糖尿病の人は血糖自己測定(SMBG)モニタを持ち運んでおり、それは概して不快な指細胞穿刺法を必要とする。快適さおよび便利さが欠けているので、糖尿病の人は、通常自分のグルコースレベルを1日につき2~4回しか測定しない。残念なことに、これらの時間間隔は非常に間が離れているので、糖尿病の人が、時には危険な副作用を招く高血糖であるか低血糖の状態にあることに気づくのが、遅すぎることになりがちである。事実、糖尿病の人がタイムリなSMBG値を取ることはありそうにないばかりではなく、糖尿病の人が従来のモニタリングシステム及び方法を利用して自分の血糖値が上昇(より高く)、または、下降(より低く)しようとしているかどうかを分かることもありそうにない。
【0005】
従って、血糖値を持続的に検出しかつ/または定量化するために、様々な非侵襲性、経皮(例えば、経皮性の)および/または、移植可能な電気化学センサが開発されている。これらのデバイスは一般に、ディスプレイを含むことができる遠隔装置での次の分析のために、生であるか最小限の処理をしたデータを送信する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この仕様に記載されている内容の1つ以上の実装の詳細は、添付の図面および下記の記述に記載される。他の特徴、態様および利点は、記述、図面および請求項から明らかになる。以下の図の相対寸法が一定の比率で描画されていない場合があることに注意されたい。
【0007】
一実施形態によれば、コンピュータによる実行方法は、検体センサから宿主の検体濃度を表す信号を受信して、その信号をモニタすることを含む。コンピュータによる実行方法は、さらに、信号の変化があるかどうか決定することと、信号の表示が宿主の検体濃度を反映するようにこの信号の変化を補償することとを含む。
【0008】
一実施形態によれば、方法は、検体センサシステムのセンサ計測回路の動作の中断に見舞われた後に、現在のクロックタイムを以前に格納されたクロックタイムと比較することを含む。方法は、さらに、現在のクロックタイムを以前に格納されたクロックタイムに同期させることと、以前に格納されたクロックタイムに基づいてEGVデータ転送と関連したタイムスタンプをインクリメントすることとを含む。
【0009】
一実施形態によれば、システムは、検体濃度データを送信するのに適合している検体センサを含む。システムは、センサから検体濃度データを受信して検体濃度データの変化を検出するのに適合しているセンサ計測回路をさらに含み、センサ計測回路は検体濃度データにおいて予め定められた閾値を超えている変動を補償する。
【0010】
一実施形態によれば、センサ電子装置は、プロセッサおよびオフセット回路を含む。オフセット回路は、ノイズの存在がプロセッサにより判定されると、ノイズによって影響を受ける受信した検体濃度信号にオフセット電流を印加するように、構成される。
【0011】
一実施形態によれば、方法は、バッテリにより提供される電源の下で作動しているシステムのプロセッサで、バッテリと関連した1つ以上の動作パラメータを受信することを含む。方法は、バッテリの性能特性をモニタすることと、1つ以上の受信した動作パラメータに基づく基準性能特性から、モニタされた性能特性が逸脱するかどうか決定することとをさらに含む。またさらに方法は、モニタされた性能特性が基準性能特性から逸脱しているという判定されると、1つ以上の動作パラメータをワイヤレスで更新することを含む。
【0012】
一実施形態によれば、方法は、センサ計測回路を制御しているプロセッサでバッテリプロファイルを表す1つ以上の動作パラメータを受信することを含む。さらに方法は、1つ以上の動作パラメータに基づく境界入力を受信することと、1つ以上の受信した動作パラメータが受信した入力境界の範囲内に入るかどうか決定することとを備える。さらにまた方法は、1つ以上の受信した動作パラメータが受信した境界入力の範囲外になると判定されると、センサ計測回路と関連したユーザインタフェースに、1つ以上の動作パラメータが更新処理を必要とするという通知を送付することを含む。
【0013】
一実施形態によれば、方法は、検体センサシステムの動作のスケジュール情報を決定して、動作と関連したペイロード情報を識別することを含む。方法は、さらに、ペイロードとスケジュール情報に従って電荷ポンプの動作周波数を算出することを含む。さらにまた方法は、電荷ポンプに動作の発生の間、算出動作周波数で作動するように指示することを含む。
【0014】
本明細書において指定される態様の特徴のいずれも、本明細書において識別される他のすべての態様および実施形態に適用可能である。さらに、態様の特徴のいずれも、いかなる形であれ、本明細書において記載されている他の態様と部分的にまたは、完全に、それぞれに組み合わせ可能であり、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の態様が全体的にあるいは部分的に組み合わせ可能でもよい。さらに、態様の特徴のいずれも、他の態様に対して任意のものとすることができる。方法のいかなる態様も別の態様のシステムまたは装置によって実行することができ、そしてシステムのいかなる態様も、別の態様の方法を実行するように構成することができる。
【0015】
詳細な説明は、添付図面を参照して記述する。図面は、説明の目的のみに設けられており、単に典型的または例示の実施形態を表すだけである。これらの図面は、本明細書において記載されているシステムおよび方法のリーダの理解を容易にするために設けられていて、各種実施形態の幅、範囲または適用可能性で制限的であるとみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本開示に記載されている各種の技術による、少なくとも1つのディスプレイ装置と通信している例示の持続的検体センサシステムの特定の実施形態を示している図である。
図2A図2Aは、図1の例示の持続的検体センサシステムの例示のセンサ電子装置モジュールのブロック線図である。
図2B図2Bは、図2Aの例示のセンサ電子装置モジュールの透視図および側面図である。
図2C図2Cは、図2Aの例示のセンサ電子装置モジュールの透視図および側面図である。
図3図3は、本開示の各種実施形態による、互いに通信している例示の持続的検体モニタリングシステムおよびディスプレイ装置の要素を示しているブロック図である。
図4A図4Aは、本開示の各種実施形態による、検体濃度信号の変動のための補償のために実行される例示の動作を示しているフローチャートである。
図4B図4Bは、本開示の各種実施形態による、検体濃度信号の変動を検出するために実行される例示の動作を示しているフローチャートである。
図4C図4Cは、本開示の各種実施形態による、検体濃度信号の変動の原因を判定するために実行される例示の動作を示しているフローチャートである。
図5A図5Aは、本開示の各種実施形態による検体濃度信号およびノイズおよびオフセット電流の付加を例示する。
図5B図5Bは、本開示の各種実施形態による検体濃度信号およびノイズおよびオフセット電流の付加を例示する。
図5C図5Cは、本開示の各種実施形態による検体濃度信号およびノイズおよびオフセット電流の付加を例示する。
図5D図5Dは、本開示の各種実施形態による検体濃度信号およびノイズおよびオフセット電流の付加を例示する。
図6図6は、本開示の各種実施形態による、実行される例示の較正動作を示しているフローチャートである。
図7図7は、本開示の各種実施形態による、ガードバンドの実装を示す。
図8図8は、本開示の各種実施形態によって実行される例示のクロック再同期動作を示しているフローチャートである。
図9A図9Aは、図2Aの例示のセンサ電子装置モジュールのバッテリ関連の態様のブロック図である。
図9B図9Bは、本開示の各種実施形態による、バッテリ構成を達成するために実行される例示の動作を示しているフローチャートである。
図9C図9Cは、境界を利用して、動作パラメータが誤って入力されているかという、潜在的なバッテリ問題を判定するために実行される、本開示の各種実施形態による例示の動作を示しているフローチャートである。
図9D図9Dは、例示の電荷ポンプの素子を示している回路図である。
図9E図9Eは、本開示の各種実施形態による、電荷ポンプと関連したリップルを伴う例示の出力電圧を示す。
図9F図9Fは、本開示の各種実施形態による、電荷ポンプと関連したリップルのない例示の出力電圧を示す。
図10図10は、本開示に記載されている実施形態の各種の特徴を実装するために用いることができる、例示のコンピューティングモジュールのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の記述は、詳細に開示された技術のいくつかの例示の実施形態を説明する。当業者は、その範囲によって含まれる開示された実施形態の多数の変形および変更があることを認識するであろう。従って、特定の例示の実施形態の記述は、本開示の範囲を制限すると考えるべきではない。
【0018】
概要
血糖値の上述した持続的検出または数量化は、持続的検体センサの1つの例である持続グルコースモニタ(CGM)を使用して達成することができる。特に、持続的検体センサは宿主の中の所与の検体(例えば、グルコース)の濃度を測定し、そして、生の信号は持続的検体センサと関連した電子装置(センサ電子装置モジュールと呼ばれることもある)によって生成される。センサ電子装置モジュールは、持続的検体センサに物理的に接続することができ、生の信号/生のセンサデータ、変換されたセンサデータおよび/または、それらから引き出されるあらゆる他のセンサデータ、例えば、予測または傾向データを含むセンサ情報を生成するために、持続的検体センサにより測定される検体濃度と関連したデータストリームを処理するように構成される電子装置/センサ計測回路を含む。センサ電子装置モジュールはそれぞれのディスプレイ装置のためにカスタマイズされるセンサ情報を生成するようにさらに構成することができ、それにより、異なるディスプレイ装置が宿主、宿主看護者などへの提示のための異なるセンサ情報を受信することができる。さらにまた、センサ電子装置モジュールは、センサ情報をディスプレイ装置に送信するためのワイヤレス無線送信機などの1つ以上の通信モジュールを含む。ディスプレイ装置は、リモートサーバまたはデータベースに対してセンサ情報または、故障もしくはエラー情報(以下でさらに詳細に記載される)などの他のデータを送信するための、1つ以上の通信モジュールを含むことができる。
【0019】
上記説明では、信頼性が高くかつ真の生の信号がセンサ電子装置モジュールによって受信されると仮定している。しかしながら、いくつかの場合では、故障またはエラーは発生することがあり、生の信号はもはや信頼性が高くなく真ではない。これらの故障またはエラーは、信号、臨床状況、またはその両方の分析によって検出可能でもよい。これによって、実際の測定信号挙動から、ならびに故障に従って変化し得る対応する信号処理に対してそのことを区別するために、識別を実行することができる。従って、適切な故障識別および対応する処理技術が使用される。
【0020】
故障またはエラーは多くの方法で生じる場合があり、それらが宿主の生理的活性、例えば、代謝反応と関連しているか、および/または持続的検体センサの生体内の部分が、使用様の間に時間と共に宿主環境に定着するのでそれに関連しているか、などによる。それらは、患者のコントロールの範囲内の一過性の事象、または、持続的検体センサを囲んでいる外部環境と関係していてもよい。従って、各種実施形態は、持続的検体センサシステムにおける故障またはエラー検出、および検出した故障またはエラーに応じた1つ以上の補正/補償の措置の実施を目的としており、その結果検体センサシステムのユーザが正確な検体測定データを提供される。例えば、各種実施形態によれば、宿主の検体濃度を表す信号の特異であるか異常な変化または変動を検出することができる。一旦検出されると、信号の変化の原因を決定することができ、そして、信号の変化は、宿主の検体濃度が正確に表されるように計上することが出来る。
【0021】
本明細書で用いられる「検体」という用語は、幅広い用語であり、当業者にその通常のおよび慣習的な意味を与えられるべきであり(そして、特別であるかカスタマイズされた意味に限られるべきではなく)、限定されるものではないがさらに、分析することができる生物学的流体(例えば、血液、組織液、脳脊髄液、リンパ液または尿)の中の物質または化学的成分を指す。検体は、自然発生物質、人工物質、代謝産物および/または反応生成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサヘッド、デバイスおよび方法による測定のための検体は、検体である。しかしながら、他の検体も同様に企図されており、限定するものではないが、以下のものを含む:
アカルボキシプロトロンビン(acarboxyprothrombin)、アシルカルニチン(acylcarnitine)、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(adenine phosphoribosyl transferase)、アデノシンデアミナーゼ(adenosine deaminase)、アルブミン(albumin)、アルファフェトプロテイン(alphafetoprotein)、アミノ酸プロファイル(amino acid profiles)(アルギニン(arginine)(クレブス回路(Krebs cycle))、ヒスチジン(histidine)/ウロカニン酸(urocanic acid)、ホモシステイン(homocysteine)、フェニルアラニン(phenylalanine)/チロシン(tyrosine)、トリプトファン(tryptophan))、アンドレノステンジオン(andrenostenedione)、アンチピリン(antipyrine)、アラビニトールエナンチオマー(arabinitol enantiomers)、アルギナーゼ(arginase)、ベンゾイルエクゴニン(benzoylecgonine)(コカイン(cocaine))、ビオチニダーゼ(biotinidase)、ビオプテリン(biopterin)、C-反応性タンパク質(c-reactive protein)、カルニチン(carnitine)、カルノシナーゼ(carnosinase)、CD4、セルロプラスミン(ceruloplasmin)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、クロロキン(chloroquine)、コレステロール(cholesterol)、コリンエステラーゼ(cholinesterase)、共役型1-βヒドロキシコール酸(conjugated 1-β hydroxy-cholic acid)、コルチゾール(cortisol)、クレアチンキナーゼ(creatine kinase)、クレアチンキナーゼMMイソ酵素(creatine kinase MM isoenzyme)、シクロスポリンA(cyclosporin A)、d-ペニシラミン(d-penicillamine)、ディエチルクロロキン(de-ethylchloroquine)、硫酸デヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandrosterone sulfate)、DNA(アセチル化多型(acetylator polymorphism)、アルコールデヒドロゲナーゼ(alcohol dehydrogenase)、α1-抗トリプシン(alpha 1-antitrypsin)、嚢胞性線維症(cystic fibrosis)、デュシェンヌ/ベッカー型筋ジストロフィー(Duchenne/Becker muscular dystrophy)、検体-6-リン酸塩デヒドロゲナーゼ(analyte-6-phosphate dehydrogenase)、ヘモグロビンA(hemoglobin A)、ヘモグロビンS(hemoglobin S)、ヘモグロビンC(hemoglobin C)、ヘモグロビンD(hemoglobin D)、ヘモグロビンE(hemoglobin E)、ヘモグロビンF(hemoglobin F)、D-パンジャブ(D-Punjab)、ベータサラセミア(beta-thalassemia)、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus)、HCMV、HIV-1、HTLV-1、レーバー遺伝性視神経障害(Leber hereditary optic neuropathy)、MCAD、RNA、PKU、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、性分化(sexual differentiation)、21-デオキシコルチソル(21-deoxycortisol))、デスブチルハロファントリン(desbutylhalofantrine)、ジヒドロプテリジンレダクターゼ(dihydropteridine reductase)、ジフテリア/破傷風抗毒素(diptheria/tetanus antitoxin)、赤血球アルギナーゼ(erythrocyte arginase)、赤血球プロトポルフィリン(erythrocyte protoporphyrin)、エステラーゼD(esterase D)、脂肪酸/アシルグリシン(fatty acids/acylglycines)、遊離β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(free β-human chorionic gonadotropin)、遊離赤血球ポルフィリン(free erythrocyte porphyrin)、遊離サイロキシン(free thyroxine)(FT4)、遊離トリヨードサイロニン(free tri-iodothyronine)(FT3)、フマリルアセトアセターゼ(fumarylacetoacetase)、ガラクトース/ガル1リン酸(galactose/gal-1-phosphate)、ガラクトース1リン酸ウリジルトランスフェラーゼ(galactose-1-phosphate uridyltransferase)、ゲンタマイシン(gentamicin)、検体6リン酸デヒドロゲナーゼ(analyte-6-phosphate dehydrogenase)、グルタチオン(glutathione)、グルタチオンペリオキシダーゼ(glutathione perioxidase)、グリココール酸(glycocholic acid)、グリコシル化されたヘモグロビン(glycosylated hemoglobin)、ハロファントリン(halofantrine)、ヘモグロビン異型(hemoglobin variants)、ヘキソサミニダーゼA(hexosaminidase A)、ヒト赤血球炭酸脱水酵素I(human erythrocyte carbonic anhydrase I)、17-α-ヒドロキシプロゲステロン(17-alpha-hydroxyprogesterone)、ヒポキサンチンホスホリボシル転移酵素(hypoxanthine phosphoribosyl transferase)、免疫反応性トリプシン(immunoreactive trypsin)、ラクタート(lactate)、鉛(lead)、リポタンパク(lipoproteins)((a)、B/A-1、13)、リゾチーム(lysozyme)、メフロキン(mefloquine)、ネチルマイシン(netilmicin)、フェノバルビタール(phenobarbitone)、フェニトイン(phenytoin)フィタン/プリスタン酸(phytanic/pristanic acid)、プロゲステロン(progesterone)、プロラクチン(prolactin)、プロリダーゼ(prolidase)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤(purine nucleoside phosphorylase)、キニーネ(quinine)、逆トリヨードサイロニン(reverse triiodothyronine)(rT3)、セレン(selenium)、血清膵リパーゼ(serum pancreatic lipase)、シソマイシン(sissomicin)、ソマトメジンC(somatomedin C)、特異抗体(specific antibodies)(アデノウイルス(adenovirus)、抗核抗体(anti-nuclear antibody)、反ゼータ抗体(anti-zeta antibody)、アルボウイルス(arbovirus)、アウジェスキー病ウイルス(Aujeszky's disease virus)、デング熱ウイルス(dengue virus)、メジナ虫(Dracunculus medinensis)、い粒条虫(Echinococcus granulosus)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、エンテロウイルス属(enterovirus)、ランブル鞭毛虫(Giardia duodenalisa)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus)、ヘルペスウイルス(herpes virus)、HIV-1、IgE(アトピー性疾患(atopic disease))、インフルエンザウイルス(influenza virus)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)、レプトスピラ菌(leptospira)、はしか(measles)/流行性耳下腺炎(mumps)/風疹(rubella)、らい菌(Mycobacterium leprae)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumomae)、ミオグロビン(Myoglobin)、回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)、パラインフルエンザウイルス(parainfluenza virus)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、ポリオウイルス(poliovirus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、RSウイルス(respiratory syncytial virus)、リケッチア(rickettsia)(恙虫病(scrub typhus))、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、梅毒トレポネーマ(Trepenoma pallidium)、クルーズトリパノソーマ/ランゲルトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi/rangeli)、水胞性口炎ウイルス(vesicular stomatis virus)、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)、黄熱ウイルス(yellow fever virus))、特異抗原(specific antigens)(B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus)、HIV-1)、スクシニルアセトン(succinylacetone)、スルファドキシン(sulfadoxine)、テオフィリン(theophylline)、チロトロピン(thyrotropin )(TSH)、サイロキシン(thyroxine)(T4)、サイロキシン結合グロブリン(thyroxine-binding globulin)、微量元素(trace elements)、トランスフェリン(transferrin)UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ(UDP-galactose-4-epimerase)、尿素(urea)、ウロポルフィリノーゲンIシンターゼ(uroporphyrinogen I synthase)、ビタミンA(vitamin A)、白血球(white blood cells)、亜鉛プロトポルフィリン(zinc protoporphyrin)。本来血液または組織液注に存在する塩類、糖、タンパク質、脂肪、ビタミンおよびホルモン類も、特定の実施形態の検体を構成することができる。検体は、生物学的流体、例えば、代謝産物、ホルモン、抗原、抗体などに、自然に存在し得る。あるいは、検体は体内にもたらされることもあり得て、例えば、画像撮影のための造影剤、ラジオアイソトープ、化学薬剤、フルオロカーボンベースの合成血液、または薬または医薬品組成物があり、限定するものではないが、以下のものを含む:
インスリン(insulin)、エタノール(ethanol)、大麻(cannabis)(マリファナ(marijuana)、テトラヒドロカンナビノール(tetrahydrocannabinol)、ハシッシュ(hashish))、吸入剤(inhalants)(亜酸化窒素(nitrous oxide)、亜硝酸アミル(amyl nitrite)、亜硝酸ブチル(butyl nitrite)、クロロ炭化水素(chlorohydrocarbons)、炭化水素(hydrocarbons))、コカイン(cocaine )(クラックコカイン(crack cocaine))、覚醒剤(stimulants)(アンフェタミン(amphetamines)、メタンフェタミン(methamphetamines)、リタリン(Ritalin)、サイラート(Cylert)、プレルジン(Preludin)、ジドレックス(Didrex)、プレステート(PreState)、ボラニル(Voranil)、サンドレックス(Sandrex)、プレジン(Plegine))、抑制剤(depressants)(バルビツレート(barbiturates)、メタカロン(methaqualone)、例えばバリアム(Valium)、リブリウム(Librium)、ミルタウン(Miltown)、セラックス(Serax)、エクワニル(Equanil)、トランジーン(Tranxene)などの精神安定剤(tranquilizers))、幻覚剤(hallucinogens)(フェンシクリジン(phencyclidine)、リセルギン酸(lysergic acid)、メスカリン(mescaline)、ペヨーテ(peyote)、シロシビン(psilocybin))、麻酔薬(narcotics)(ヘロイン(heroin)、コデイン(codeine)、モルヒネ(morphine)、アヘン(opium)、メペリジン(meperidine)、パーコセット(Percocet)、パーコダン(Percodan)、タシオネックス(Tussionex)、フェンタニル(Fentanyl)、ダルボン(Darvon)、タルウィン(Talwin)、ロモティル(Lomotil))、合成麻薬(designer drugs)(フェンタニル(fentanyl)、メペリジン(meperidine)、アンフェタミン(amphetamines)、メタンフェタミン(methamphetamines)およびフェンシクリジン(phencyclidine)(例えば、エクスタシー(Ecstasy))の類似体)、筋肉増強剤(anabolic steroids)、そして、ニコチン(nicotine)。薬および医薬品組成物の代謝産物も、意図された検体である。身体内部で発生する神経化学物質および他の化学物質などの検体も、分析することができ、例えば、アスコルビン酸、尿酸、ドーパミン、ノルアドレナリン、3-メトキシチラミン(3-methoxytyramine)(3MT)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(3,4-Dihydroxyphenylacetic acid)(DOPAC)、ホモバニリン酸(Homovanillic acid)(HVA)、5-ヒドロキシトリプタミン(5-Hydroxytryptamine)(5HT)および5-ヒドロキシインドール酢酸(5-Hydroxyindoleacetic acid)(FHIAA)などがある。
【0022】
いくつかの実施形態では、宿主の検体の持続的測定のために、持続的に宿主の検体の濃度を測定するように構成される持続的検体センサと、検体濃度測定値を受信して、ディスプレイ装置にそれらを伝達するために物理的に持続的検体センサに接続しているセンサ電子装置モジュールとを含むシステムが提供される。特に、センサ電子装置モジュールは、持続的検体センサで測定されて、生のセンサデータ、変換されたセンサデータおよび/または他のあらゆるセンサデータまたはそこから引き出されるデータ、例えば、予測または傾向データを含むセンサ情報を生成する、検体濃度と関連したデータストリームを処理するように構成される電子装置を含む。センサ電子装置モジュールはそれぞれのディスプレイ装置のためにカスタマイズされるセンサ情報を生成するようにさらに構成することができ、それによって、異なるディスプレイ装置が、宿主、宿主看護者などに表示するための異なるセンサ情報を受信することができる。さらにまた、センサ電子装置モジュールは、センサ情報をディスプレイ装置に送信するためのワイヤレス無線送信機などの、1つ以上の通信モジュールを含む。
【0023】
本明細書で用いられる用語「生データ」、「生データストリーム」、「生データ信号」、「データ信号」および「データストリーム」は、限定されるものではないが、測定された検体に関連した持続的検体センサからのアナログまたはデジタル信号を指すことができる。例えば、センサ電子装置モジュールに対して持続的検体センサにより提供される生データストリームは、検体濃度を表すアナログ信号(例えば、電圧または電流)からA/D変換器によって変換される「カウント」のデジタルデータでもよく、それは実質的に持続的な検体センサからの複数の時間の間隔をあけたデータポイントを含むことができて、そのそれぞれは、1秒の何分の1から、例えば、1分、2分または5分以上の範囲までの時間間隔で取得される個別の測定値を含む。いくつかの実施形態では、生データ/カウントは、ある期間(例えば、5分)にわたって集積されたかまたは平均されたセンサ情報を表してもよい。さらに、「カウント」という用語は、デジタル信号の計測単位を指すことができる。例えば、カウントで測定される生データストリームまたは生データ信号は、電圧(例えば、A/D変換器によって変換される)に関連付けられ、それは作用電極(後でさらに詳細に記載される)からの電流に直接関連付けられる。
【0024】
いくつかの実施形態では、センサ電子装置モジュールは、ディスプレイ装置を探索し、および/またはワイヤレスでディスプレイ装置と通信することを試みるように構成することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ装置の探索および/またはそれとのワイヤレス通信の試みは、予め定めた、および/またはプログラム可能な順序で(例えば、徐々に、および/または段階的に)生じることができる。センサ電子装置モジュールが必ずしも単一のディスプレイ装置に結び付けられているというわけではない点に留意する必要がある。むしろ、センサ電子装置モジュールは、複数の異なるディスプレイ装置と通信するように構成され、その方法は、直接に、系統的に、同時に(例えば、ブロードキャストを介して)、定期的に、周期的に、ランダムに、オンデマンドで、問い合わせに答えて、アラートもしくはアラームに基づいて、および/または同様な形による。
【0025】
実施形態に応じて、センサ電子装置モジュールは、持続的検体センサからセンサ情報を受信する。このセンサ情報は、推定検体値を生成し、および/または表示するために、例えば、1つ以上のアルゴリズムによって、ディスプレイ装置が受信して処理する生データであってもよい。持続的グルコースモニタリングの局面においては、推定検体値は、推定グルコース値(EGV)データでもよい。例えば、いくつかのディスプレイ装置は、その上にある表示可能なセンサ情報の表示を有効にするように構成されるソフトウェアを含んでいる表示命令(センサ情報を表示して、任意にセンサ電子装置モジュールに問い合わせて表示可能なセンサ情報を取得するように構成される命令を含むソフトウェアプログラミング)を含むことができる。
【0026】
他の実施態様において、生データの処理は、センサ電子装置モジュールで実行することができる。すなわち、生データを推定検体値データに変換するための必要なアルゴリズム、ソフトウェアおよび/または他の処理機能性は、ディスプレイ装置でよりもむしろセンサ電子装置モジュールで行うことができる。センサ電子装置モジュールで生データを変換することは、例えば、2台以上のディスプレイ装置の間での、矛盾している較正による矛盾している推定検体値データの可能性を回避することができる。さらに、センサ電子装置モジュールでこの機能性を実装することは、処理アルゴリズムおよびソフトウェアを不正操作するかまたは変更することを、第三者ディスプレイ装置/薬物送給装置プロバイダに思いとどまらせることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、特定のディスプレイ装置はセンサ電子装置モジュールと直接のワイヤレス通信をしてもよく、但し、中間のネットワークハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアが直接のワイヤレス通信の中に含まれることができる。いくつかの実施形態では、リピータ(例えば、Bluetooth(登録商標)リピータ)を用いて、送信されたセンサ情報をセンサ電子装置モジュールのテレメトリモジュールの隣接した航続距離より遠くに離れた位置に再送信することができる。いくつかの実施形態では、レシーバ(例えば、Bluetooth(登録商標)レシーバ)を用いて、送信されたセンサ情報を、テキストメッセージなどのおそらく異なるフォーマットでディスプレイ装置(例えば、テレビスクリーン)に再送信することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイ装置はセンサ電子装置モジュールにセンサ情報に対する問い合わせを行うように構成され、ここで、ディスプレイ装置は「オンデマンドの」やり方で、例えば、問い合わせに答えて、センサ電子装置モジュールからのセンサ情報を要求する。いくつかの実施形態では、センサ電子装置モジュールは、1つ以上のディスプレイ装置に対して(例えば、1分、2分、5分または10分以上ごとに)センサ情報の周期的であるか、系統的であるか、定期的であるか、不定期的もしくは非周期的な送信のために構成される。いくつかの実施形態では、センサ電子装置モジュールは、起動された(例えば、1つ以上のアラート条件によって起動された)アラートと関連したデータパッケージを送信するように構成される。しかしながら、データ転送の上記の記載されている状態のいかなる組合せも、センサ電子装置モジュールおよびディスプレイ装置のあらゆる組合せによって行うことができる。
【0029】
持続的検体モニタリングシステムの例示構成
グルコースセンサなどの検体センサは、検体の濃度測定ができるいかなるデバイスであることもできる。1つの例示的実施形態は後述するが、それは移植可能グルコースセンサを利用する。しかしながら、本明細書において記載されているデバイスおよび方法が、グルコース濃度または別の検体の濃度または存在を表す物質を検出して、グルコース濃度を表す出力信号を出力することができるいかなるデバイスにも、適用することができることを理解すべきである。
【0030】
いくつかの実施形態では、グルコースセンサは、持続的装置、例えば皮下、経皮、経皮性、非侵襲性、眼内および/または、血管内(例えば、静脈内)のデバイスである。いくつかの実施形態では、複数の間欠的な血液サンプルを分析することができる。グルコースセンサは、酵素、化学的、物理的、電気化学的、光学的、光化学的、蛍光ベース、分光光度的、分光学的(例えば、光吸収スペクトルスコープ、ラマン分光法など)、偏光測定、熱量測定、イオン導入、放射分析、などを含むいかなるグルコース測定の方法も使用することができる。
【0031】
グルコースセンサは、浸潤性、最小限浸潤性および非侵襲性検知技術を含むいかなる既知の検出方法も使用することができ、宿主の検体の濃度を表すデータストリームを提供する。データストリームは、上記のように、概して、センサを使用している可能性のある患者または医療専門家(例えば、医師)などのユーザに、検体の有用な値を提供するために用いる生データ信号である。
【0032】
1つの好適な実施形態において、検体センサは、例えば米国特許第6,001,067号および米国特許公開第2005/0027463号により記載されているような、移植可能グルコースセンサである。別の好適な実施形態において、検体センサは、例えば米国特許公開第2006/0020187号により記載されているような、経皮性グルコースセンサである。さらに他の実施形態において、センサは宿主の血管または肉体内に移植されるように構成され、それは例えば、米国特許公開第2007/0027385号、米国特許公開第2008/0119703号、米国特許公開第2008/0108942号および米国特許公開第2007/0197890号に記載されている。1つの別の実施形態において、持続的グルコースセンサは、例えば米国特許第6,565,509号に記載されるような、経皮性センサを含む。他の代替実施形態では、例えば、該持続的グルコースセンサは、米国特許第6,579,690号または米国特許第6,484,046号により記載されるような、皮下センサを含む。他の代替実施形態では、持続的グルコースセンサは、例えば、米国特許第6,512,939号により記載されるような、補充可能な皮下センサを含む。他の代替実施形態では、持続的グルコースセンサは、例えば、米国特許第6,477,395号により記載されるような、血管内センサを含む。他の代替実施形態では、持続的グルコースセンサは、米国特許第6,424,847号により記載されるような、血管内センサを含む。
【0033】
図1は、本開示の特定の態様に従って動作上宿主120および複数のディスプレイ装置134a~eに接続している検体センサシステム124を含む例示の持続的検体モニタリングシステム100を表している図である。ディスプレイ装置134eが、ディスプレイ装置であることの代わりに、またはそれに加えて、検体センサシステム124と協力して、行って薬を宿主120に届けることができる薬物送給装置でもよい点に留意する必要がある。検体センサシステム124は、センサ電子装置モジュール126およびセンサ電子装置モジュール126に関連した持続的検体センサ122を含むことができる。センサ電子装置モジュール126は、ワイヤレス通信信号を経て複数のディスプレイ装置134a~eの1つ以上と直接のワイヤレス通信をしていてもよい。以下に詳述するように、ディスプレイ装置134a~eは、互いの間で、および/または互いを介して検体センサシステム124と通信することもできる 。参照の便宜上、検体センサシステム124からディスプレイ装置134a~eへのワイヤレス通信信号は、「アップリンク」信号128と呼ぶことができる。例えば、ディスプレイ装置134a~eからの検体センサシステム124に対するワイヤレス通信信号は、「ダウンリンク」信号130と呼ぶことができる。2つ以上のディスプレイ装置134a~e間のワイヤレス通信信号は、「クロスリンク」信号132と呼ばれてもよい。加えて、ワイヤレス通信信号は、1つ以上のディスプレイ装置134a~dによって1つ以上のリモートサーバ140またはネットワークエンティティ、例えばクラウドベースのサーバまたはデータベースに「長距離」アップリンク信号136(例えば、セルラー信号)を経て送信されるデータを含むことができて、リモートサーバ140によって送信される長距離ダウンリンク信号138を受信することができる。
【0034】
センサ電子装置モジュール126は、センサ情報を処理して、変換したセンサ情報を生成するように構成されるセンサ電子装置を含む。ある実施形態では、センサ電子装置モジュール126は持続的検体センサ122からのデータを測定して処理することと関連した、持続的検体センサデータの処理および較正と関連した見込みアルゴリズムを含む電子回路を含む。センサ電子装置モジュール126は、持続的検体センサ122に一体化する(取り外し不可能に取り付ける)か、または取り外し可能に取り付けることができ、その間での物理的な接続を達成する。センサ電子装置モジュール126は、検体レベルの測定を可能とするハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。例えば、センサ電子装置モジュール126は、ポテンシオスタット、持続的検体センサ122へ電力を供給するための電源、信号処理およびデータ記憶に役立つ他のコンポーネントおよびそれ自体から1つ以上のディスプレイ装置134a~eへデータを送信するためのテレメトリモジュールを含むことができる。電子装置は、プリント回路基板(PCB)等に固定することができて、様々な形態とすることができる。例えば、電子装置は、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロコントローラおよび/またはプロセッサなどの集積回路(IC)という形をとることができる。センサ検体データを処理するためのシステムと方法の実施例は、本明細書と、米国特許第7,310,544号および第6,931,327号、ならびに米国特許公開第2005/0043598号、第2007/0032706号、第2007/0016381号、第2008/0033254号、第2005/0203360号、第2005/0154271号、第2005/0192557号、第2006/0222566号、第2007/0203966号および第2007/0208245号にさらに詳細に記載され、そのすべてはすべての目的のために参照により本明細書に引用したものとする。
【0035】
ディスプレイ装置134a~eは、センサ電子装置モジュール126によって(例えば、1つ以上のディスプレイ装置134a~eにそれらのそれぞれのし好に基づいて発信されるカスタマイズされたデータパッケージで)送信されたセンサ情報に薬物送給を表示し、アラームを伝え、および/または、根拠をおくために構成される。各ディスプレイ装置134a~eは、ディスプレイ、例えばユーザ(多くの場合宿主120または看護者/医療専門家)にセンサ情報を示し、および/またはユーザから入力を受信するためのタッチスクリーンディスプレイを含むことができる。いくつかの実施形態において、ディスプレイ装置134a~eは、他のタイプのユーザインタフェース、例えばセンサ情報をディスプレイ装置134a~eのユーザに伝達し、および/またはユーザ入力を受信するためのタッチスクリーン表示の代わりの、またはそれに加えた音声ユーザインタフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ装置134a~eの1つ、一部もしくは全部が、センサ情報の較正および実時間ディスプレイのために必要とされるいかなる付加的な見込み処理なしでも、センサ電子装置モジュール126から(例えば、それぞれのディスプレイ装置134a~eに発信されるデータパッケージで)伝達されるにつれてセンサ情報を表示するかまたは伝達するように、構成される。
【0036】
図1の実施形態では、複数のディスプレイ装置134a~eの1つは、センサ電子装置モジュール126から受信した検体値と関連した特定のタイプの表示可能なセンサ情報(例えば、いくつかの実施形態では数値および矢印)を示すことのために特別に設計されたカスタムメイドのディスプレイ装置134aでもよい。いくつかの実施形態では、複数のディスプレイ装置134a~eの1つは、Android、iOSオペレーティングシステムまたは他のオペレーティングシステムに基づく携帯電話、パームトップコンピュータなどの携帯用デバイス134cでもよく、ここで、携帯用デバイス134cは、比較的より大きなディスプレイを備えていることができ、持続的センサデータ(例えば、現在および履歴データを含む)のグラフィック表示を示すように構成することができるものである。他のディスプレイ装置は、タブレット134d、スマートウォッチ134b、薬物送給装置134e、血糖計量器および/またはデスクトップまたはラップトップコンピュータなどの携帯用デバイスその他を含むことができる。
【0037】
上記のように、異なるディスプレイ装置134a~eが異なるユーザインタフェースを提供するので、データパッケージ(例えば、表示されるデータの量、フォーマットおよび/またはタイプ、アラームなど)のコンテンツは、特定のディスプレイ装置および/または表示デバイスディスプレイ装置タイプごとにカスタマイズする(例えば、製造によっておよび/またはエンドユーザによって異なってプログラムされる)ことができる。従って、図1の実施形態で、ディスプレイ装置134a~eの1つ以上はセンサ電子装置モジュール126と直接的または間接的なワイヤレス通信をすることができて、センサ情報と関連した複数の異なるタイプおよび/またはレベルの表示および/または機能性を可能とすることができ、それは本明細書において他でさらに詳細に記載されている。
【0038】
持続的検体センサ
通常、持続的検体センサ122は、電流測定電気化学センサ技術を利用してグルコース濃度を測定する移植可能検体(例えば、グルコース)センサでもよい。持続的検体センサ122を含む電極は、作用電極、カウンタ電極および基準電極を含むことができる。実施形態において、作用電極で測定されている種によって発生する電流のバランスをとるために、カウンタ電極は、設けられている。グルコースオキシダーゼベースのグルコースセンサの場合、作用電極で測定されている種は、H2O2である。グルコースオキシダーゼは、酸素およびグルコースの過酸化水素およびグルコナートへの変換に以下の反応に従って触媒作用を及ぼす:
グルコース+O2 グルコナート+H2O2
【0039】
代謝されるグルコース分子ごとに生成物H2O2の比例する変化があるので、H2O2の変化をモニタしてグルコース濃度を決定することができる。作用電極によるH2O2の酸化処理は、カウンタ電極で周囲酸素、酵素生成されたH2O2または他の減少可能な種の還元と釣り合う。さらにグルコースオキシダーゼ反応から作り出されるH2O2は、作用電極の表面で反応して、2つの陽子(2H+)、2つの電子(2e)および1つの酸素分子(O2)を生じる。
【0040】
いくつかの別の実施形態において、追加電極は、アセンブリの中に、例えば、三電極システム(動作、基準およびカウンタ電極)および付加的な作用電極(例えば、基本的な減算電極として構成されるか、または、付加的な検体を測定するために構成される、酸素を生成するために用いることができる電極)の中に含まれ得る。米国特許第7,081,195号、米国特許公開第2005/0143635号、および米国特許公開第2007/0027385号は、それぞれが参照により本明細書に引用されているものであり、追加の作用電極、カウンタ電極および基準電極を実装して使用するためのいくつかのシステムおよび方法を記載している。2つ以上の作用電極が設けられているいくつかの実施形態において、第2の作用電極は、第1の作用電極と実質的に類似しているように構成することができるが、酵素なしでその上に配置される。このようにして、基本的な信号は決定することができて、第1の信号から減算されて、差信号、すなわち、信号上の基本的であるか干渉する種の変動に実質的に影響を受けないグルコースのみの信号を生成することができ、それは例えば、米国特許公開第2005/0143635号、米国特許公開第2007/0027385号、米国特許公開第2007/0213611号および米国特許公開第2008/0083617号に記載されており、そして、それらは参照により完全に本明細書に引用したものとする。
【0041】
センサ電子装置モジュール
図2Aは、センサ電子装置モジュール126(図1)の実施形態を例示しているブロック図である。センサ電子装置モジュール126は、特定用途向け集積回路(ASIC)205、ユーザインタフェース222、温度センサ252、動作センサ254、ボディセンサ256およびクロック258を含むことができる。ASIC205は、通信ポート238およびバッテリ234とも結合することができる。図2Aが電子回路部品の多くを含むASIC205を示すにもかかわらず、ASIC205はいかなる適切な論理装置、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロプロセッサ、アナログ回路または他のデジタルおよび/またはアナログ回路の1つ以上とも置き換えることができる。さらに、ASIC205は本明細書において他で述べられるセンサ電子装置モジュール126の1つ以上の追加機構を含むことができ、または、テレメトリモジュール208、ポテンシオスタット210、オフセット/較正モジュール232、データ記憶メモリ220およびクロック258などのASICの一部であるとして図2Aに図示される1つ以上の特徴はASICとは分離することができる。
【0042】
本実施形態において、ポテンシオスタット210(アナログフロントエンド(AFE)の1つの実施例)は、持続的検体センサ122によって取得/測定されるセンサ情報を受信するために、例えば、データライン212を介して持続的検体センサ122に結合される。いくつかの実施形態において、ポテンシオスタット210は、データライン212を介して持続的検体センサ122に電圧を与えて、持続的検体センサ122をバイアスして宿主(アナログ部分とも呼ばれる)の検体濃度を表す電流値の測定を有効にする。ポテンシオスタット210は、例えば、作用電極の数に応じて、1つのチャネルまたは多重チャネル(そして、対応する1つまたは複数のデータライン212)を有することができる。いくつかの実施形態では、ポテンシオスタット210は、電流から電圧に変換する抵抗器(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、例えば、電荷計数装置を用いて測定された電流を持続的に集積するように構成される電流対周波数変換器が提供される。いくつかの実施形態では、A/Dコンバータは、処理のための「カウント」(前述)に、アナログ信号をデジタル化する。従って、結果として得られる生データストリームのカウントは、ポテンシオスタット210によって測定される電流に直接関連付けることができる。
【0043】
プロセッサ214は、センサ電子装置モジュール126の処理を制御する。いくつかの実施形態では、プロセッサ214はASICなどのカスタムチップの一部として形成されるが、しかしながらASIC以外のコンピュータシステムを用いて本明細書において記載されているようにデータを処理することができ、例えば、マイクロプロセッサはセンサ電子装置モジュール処理の一部もしくは全部に対して用いることができる。プロセッサ214はプログラムメモリ216を通常提供し、それはデータ、例えば、センサ識別子(ID)などの格納データ、およびデータストリームを処理するためのプログラミング(例えば、フィルタリング、較正、フェイルセーフ検査、など)の半永久的記憶を提供する。プロセッサ214は、例えば一時的に最近のセンサデータを格納するための、持続的検体モニタリングシステム100のキャッシュメモリのために、加えて用いることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ214は、ROM、RAM、ダイナミックRAM、スタティックRAM、非スタティックRAM、EEPROM、再書き込み可能なROM、フラッシュメモリなどの記憶ストレージコンポーネントを含む。一実施形態において、RAM218は、例えば一時的に最近のセンサ情報を格納するための、持続的検体モニタリングシステム100のキャッシュメモリのために用いることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、プロセッサ214は、AIDコンバータから生データストリームを平滑化するように構成される、ディジタルフィルタ、例えば、無限または有限インパルス応答(IIRまたはFIR)フィルタを含む。通常、ディジタルフィルタは、所定の時間間隔(サンプルレートとも呼ばれる)でサンプルをとられるデータをフィルタリングするようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、ポテンシオスタット210が別々の時間間隔で検体を測定するように構成されるときなどに、これらの時間間隔はディジタルフィルタのサンプルレートを決定する。いくつかの別の実施形態において、ポテンシオスタット210が、例えば電流対周波数変換器を用いて持続的に検体を測定するように構成されるときに、プロセッサ214は獲得時間とも呼ばれる所定の時間間隔で積分器からデジタル値を要求するようにプログラムすることができる。これらの別の実施形態において、プロセッサ214によって取得される値は、電流測定の持続性に与えられるべきものである獲得時間を通じて平均することができる。従って、獲得時間は、ディジタルフィルタのサンプルレートを決定する。
【0045】
一実施形態において、プロセッサ214は、1つ以上のディスプレイ装置への送信用のデータパッケージを生成するようにさらに構成することができる。さらにまた、プロセッサ214は、これらの外部のソースへの送信のためのデータパケットを、例えばテレメトリを介して生成することができる。上記のように、データパッケージは、例えば、各ディスプレイ装置134a~eのためにカスタマイズ可能とすることができ、カスタマイズされたセンサデータおよび/または変換されたセンサデータを有するセンサ情報、センサ/センサ電子装置モジュールIDコード、生データ、フィルタ処理済データ、較正されたデータ、変化率情報、傾向情報、エラー検出または修正、および/または同様のものなどの、いかなる利用できるデータも含むことができる。
【0046】
データ記憶メモリ220は、プロセッサ214に動作可能に接続され、様々なセンサ情報を格納するように構成される。いくつかの実施形態では、データ記憶メモリは、例えば、1日、5日、9日、14日、15日、20日、30日あるいはそれを超える持続的検体センサデータを格納する。いくつかの実施形態では、データ記憶メモリ220は、生のセンサデータ(1つ以上の生の検体濃度値)、較正されたデータ、フィルタ処理済データ、変換されたセンサデータおよび/または他のあらゆる表示可能なセンサ情報などのセンサ情報を格納する。別々のデータ記憶メモリ220およびプログラムメモリ216が図2Aに示されているが、当業者は、センサ電子装置モジュール126のデータ処理および必要メモリをサポートする必要な記憶空間を提供する1つまたは複数のメモリを含む各種の構成を認める。
【0047】
テレメトリモジュール208は、プロセッサーモジュール214に動作可能に接続され、センサ電子装置モジュール126と1つ以上のディスプレイ装置134a~eの間のワイヤレス通信を可能にするハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを提供する。テレメトリモジュール208で行うことができる様々なワイヤレス通信技術は、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)、スペクトラム拡散通信方式、周波数ホッピング通信、ジグビー、IEEE802.11/802.16、ワイヤレス(例えば、セルラ)電気通信、ページングネットワーク通信、近距離無線通信(NFC)、無線周波数ID(RFID)磁気誘導、衛星データ通信、GPRS、ANT、および/または同様のものを含む。1つの好適な実施形態において、テレメトリモジュール208は、Bluetooth(登録商標)チップを含む。いくつかの実施形態では、Bluetooth(登録商標)技術は、テレメトリモジュール208およびプロセッサ214の組合せで行う。
【0048】
バッテリ234は、プロセッサ214(そして、おそらくセンサ電子装置モジュール126の他のコンポーネント)に動作上接続しており、必要な電力をセンサ電子装置モジュール126に提供する。いくつかの実施形態において、バッテリは、二酸化マンガンリチウムバッテリであるが、いかなる適切なサイズおよび電力のバッテリも、用いることができる(例えば、AAA、ニッケルカドミウム、亜鉛炭素、アルカリ属、リチウム、ニッケル金属水素化物、リチウムイオン、亜鉛空気、亜鉛酸化水銀、銀亜鉛、または密封密閉)。いくつかの実施形態において、バッテリ234は、再充電可能である。いくつかの実施形態では、複数のバッテリをシステムに電力を供給するために用いることができる。いくつかの実施形態では、バッテリ234はセンサ電子装置モジュール126用に最適化されるカスタマイズされたサイズ、形状および/または容量のうち1つ以上を有するカスタムメイドのバッテリでもよく、そして、センサ電子装置モジュール126が低エネルギー所要量を有する場合、容量低減したものを含む。
【0049】
可撓性電子装置またはフレックス回路技術を用いて、バッテリ234をプリント回路板アセンブリ(PCBA)(その上にセンサ電子装置モジュール126の1つ以上のコンポーネントが置かれる)に接続するかまたは組み込むことができる点に留意する必要がある。フレックス回路技術の使用により、従来求められていたPCBA上へのバッテリ234の固いはんだ付けの必要が無くなり、より自由にバッテリ234をその上に配置することができ、そして、それがさらにセンサ電子装置モジュール126の形状ならびにセンサ電子装置モジュール126のサイズの低減に関してより多くの柔軟性を可能にする。さらに、PCBA上へのバッテリの従来のインストールの間、バッテリは、通常はPCBAの上に固くはんだ付けされて、エポキシ樹脂加工される。バッテリが周囲の回路とは異なる熱特性を有し得るので、エポキシプロセスによるバッテリの加熱によってPCBAおよび/またはその上にインストールされる他のコンポーネントのたわみを生じさせることがあり得る。対照的に、フレックス回路技術の使用によって、周囲の回路に影響を及ぼすこと無くバッテリ234がエポキシ硬化過程の間、移動することができる。
【0050】
充電器および/またはレギュレータ236は、内部および/または外部充電器からエネルギーを受信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、バッテリレギュレータ(またはバランサ)236は過剰電荷電流をブリードオフすることによって充電プロセスを調整して、センサ電子装置モジュール126のすべてのセルまたはバッテリ234が他のセルまたはバッテリを過充電せずに完全に充電されることを可能にする。いくつかの実施形態では、バッテリ(または複数バッテリ)234は、誘導および/またはワイヤレス充電パッドを介して充電されるように構成される。当業者はバッテリを充電する様々な既知の方法を認識しており、それは本明細書において記載されているシステムに、有線接続(ケーブル/プラグ)およびワイヤレス方法を含んで実装することができる。
【0051】
1つ以上の通信ポート238(外部コネクタとも呼ばれる)が、他のデバイスとの通信を可能にするために設けられ、例えばPC通信(com)ポートを設けることができて、センサ電子装置モジュール126と分離されているか、または一体化されたシステムとの通信を可能にする。通信ポートは、例えば、シリアル(例えば、汎用シリアルバスすなわち「USB」)通信ポートを含むことができて、別のコンピュータシステム(例えば、PC、スマートフォン、パーソナル携帯情報機器つまり「PDA」、サーバ、または同様のもの)と通信することを可能にする。一実施形態では、センサ電子装置モジュール126は、患者および/または医師による履歴データの後方分析のために別々のコンピューティング装置に発信することが可能である。
【0052】
環境センサもまた、様々な実施形態によって利用することができる。例としては、温度センサ、例えば温度センサ252を、宿主120および/またはセンサ電子装置モジュール126の温度を測定するために用いることができる。動作センサ254は、持続的検体センサ122が移植される、または、それに動作上接続される宿主120の変化を、感知するかまたは判定することができる。圧力センサ256は、持続的検体センサ122への圧力および/または隣接組織への圧力を検出するために用いることができる。より多くの、例えば他のタイプのセンサまたはより少ないセンサが、信号の1つ以上の変動または変化を引き起こすかもしれない、宿主および/または持続的検体システムと関連した変化を感知するかまたは検出するための様々な実施形態において実装され得る、という点に留意する必要がある。
【0053】
クロック258は、プロセッサ214が命令を実行する速度を制御することができる。後述するように、クロック258の速度は、必要に応じて設定することができる。さらに、オフセット/較正モジュール232は、電流/カウントを測定するときにオフセット電流を与えてポテンシオスタット210で受信信号を移すこと、ならびにその追加的なオフセット電流に対してポテンシオスタット210を較正することのために用いる、回路/論理コンポーネントとすることができる。一実施形態において、オフセット電流はオフセット/較正モジュール232によって調整することもできる。
【0054】
従来の持続的検体センサシステムにおいて、センサ電子装置の表皮接触部分は、表皮上の電子装置の複雑さおよび/またはサイズを最小化するために全般に単純化されており、センサ情報を表示するために要求される較正および他のアルゴリズムを実行するように構成されるディスプレイ装置134a~eに対して、例えば生の、較正された、および/またはフィルタ処理されたデータだけを提供する。対照的に、センサ電子装置モジュール126は、変換したセンサデータおよび/または表示可能なセンサ情報を生成するために用いる見込みアルゴリズムを実行するが、そのアルゴリズムとして含まれるものは例えば、基準および/またはセンサデータの臨床受容性を評価し、包含基準に基づく最善の較正のための較正データを評価し、較正の質を評価して、推定検体値を時間が対応する測定された検体値と比較し、推定検体値の変動を分析し、センサおよび/またはセンサデータの安定度を評価し、信号アーチファクト(ノイズ)を検出し、信号アーチファクトを置換し、センサデータの変化率および/または傾向を判定し、動的かつ知的な検体値推定を実行し、センサおよび/またはセンサ情報に診断を実行し、動作モードをセットし、逸脱に対するデータを評価し、および/または同様のことを行うことであり、それらが、米国特許第7,310,544号、米国特許第6,931,327号、米国特許公開第2005/0043598号、米国特許公開第2007/0032706号,米国特許公開第2007/0016381号,米国特許公開第2008/0033254,米国特許公開第2005/0203360,米国特許公開第2005/0154271号,米国特許公開第2005/0192557号,米国特許公開第2006/0222566号、米国特許公開第2007/0203966号および米国特許公開第2007/0208245号においてさらに詳細に記載されており、これらのそれぞれは参照により完全に本明細書に引用したものとする。さらにまた、センサ電子装置モジュール126は、変換されたセンサデータ(例えば、推定検体値、傾向情報)を格納して、複数の異なるディスプレイ装置134a~eにセンサ情報を伝達するように構成される。いくつかの実施形態では、ディスプレイ装置は、いかなる付加的なセンサデータ処理もせずに、センサ電子装置モジュール126から受信したままのセンサ情報を示すように構成される。
【0055】
ユーザインタフェース222は、1つ以上のボタン224、液晶ディスプレイ(LCD)226、バイブレータ228、オーディオ変換器(例えば、スピーカ)230、バックライト(図示せず)、および/または同様のものなどの様々なインタフェースを含むことができる。ユーザインタフェース222を含むコンポーネントは、ユーザ(例えば、宿主)と対話するための制御を提供することができる。1つ以上のボタン224は、例えば、トグル操作、メニュー選択、オプション選択、状態選択、スクリーン上の質問への可否応答、「停止」機能(例えば、アラームに対して)、「認知」機能(例えば、アラームに対して)、リセットおよび/または同様のことを可能とすることができる。LCD226は、ユーザに、例えば、視覚のデータ出力を提供することができる。オーディオ変換器230(例えば、スピーカ)は、現在の、および/または予測される高血糖および低血糖条件などの、特定のアラートの起動に応答して可聴信号を提供することができる。
【0056】
図2Bおよび2Cは、いくつかの実施形態における、マウントユニット240を含む検体センサシステム124およびそれにアタッチされたセンサ電子装置モジュール126の斜視図および側面図であり、その機能的な位置を示し、その内部で嵌合して係合するマウントユニットおよびセンサ電子装置モジュールを含む。いくつかの実施形態では、ハウジングまたはセンサポッドとも呼ばれるマウントユニット240は、宿主の表皮に固定するように適合されるベース242を含む。ベース242は、様々な硬質か軟質の材料から形成することができて、好ましくは、使用の間宿主120から検体センサシステム124の突起を最小化するための薄型のものを含む。いくつかの実施形態では、ベース242は部分的に少なくとも可撓性材料から形成され、それは従来の、宿主120が検体センサシステム124を使用しているときに残念なことに、宿主120の動きと関連した動作関連のアーチファクトという欠点を有し得る経皮性センサに対して、多数の利点を提供すると考えられている。マウントユニット240および/またはセンサ電子装置モジュール126は、センサ挿入部位上に置いて、部位を保護し、および/または最小の設置面積(宿主の表皮の表面積の利用)を実現することができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、マウントユニット240とセンサ電子装置モジュール126間の着脱可能な接続が提供され、これによって製造容易性が改善可能となり、すなわち、持続的検体センサ122をその使用可能時間の後交換するときに、比較的廉価なマウントユニット240が廃棄可能である一方で、比較的より高価なセンサ電子装置モジュール126を再使用可能とすることができる。いくつかの好適な実施形態において、センサ電子装置モジュール126は、信号処理(プログラミング)によって構成されて、例えば、フィルタ処理、較正および/または前に言及したような、センサ情報の較正および/または表示に役立つ他のアルゴリズムで構成される。しかしながら、一体化(着脱不可能な)センサ電子装置モジュール126は、他の実施形態に従って構成することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、接点244は、マウントユニット240のベース242とヒンジ248の中に適合するように構成される、以下で接点サブアセンブリ246と呼ぶサブアセンブリの上にまたはその中に取り付けられ、ヒンジ248は、接点サブアセンブリ246がマウントユニット240に対して(挿入のための)第1の位置と(使用のための)第2の位置の間で軸回転することを可能にする。本明細書で用いられる「ヒンジ」という用語は幅広い用語であり、あらゆる様々な軸回転、関節動作および/またはヒンジ機構(例えば接着性ヒンジ、スベリ継手など)を指すその通常の意味を含んで使わるが、これに限定されるものではなく、用語ヒンジが、関節動作が発生する支点または固定点を、必ずしも意味するというわけではない。いくつかの実施形態では、接点244はカーボンブラックエラストマーなどの導電性エラストマー材から形成され、それによって持続的検体センサ122は伸びる。
【0059】
一定の実施形態では、マウントユニット240は、マウントユニット240の背面に配置されている、取り外し可能な支持体層を含む粘着性パッド250を備えている。このようにして、支持体層を取り除いて、宿主120の表皮上へマウントユニット240のベース部242を押圧することで、マウントユニット240を宿主120の表皮に付着させる。加えて、または代わりに、粘着性パッド240は、持続的検体センサ122の挿入が完了した後に、検体センサシステム124の一部もしくは全部にわたって配置して、粘着を確実にし、そして任意には創傷出口部位(または挿入部位)(図示せず)周辺で気密シールまたは水密シールを確実にすることができる。適切な粘着性のパッドを選択あるいは設計して、することができて、部位(例えば、宿主120の表皮)を広げて、延ばし、順応させ、および/または通気するようにすることができる。図2Bおよび2Cに関して記載されている実施形態は米国特許第7,310,544号を参照するとさらに詳細に記載されており、それは参照により完全に本明細書に引用したものとする。
【0060】
ワイヤレス通信
図3は、検体センサシステム124の例示コンポーネントと、複数のディスプレイ要素134aの少なくとも1つ、ならびにその間の通信を示すブロック図である。検体センサシステム124は、センサデータを処理および管理するためのセンサ測定回路310に結合された移植可能持続的検体センサ312(図1の持続的検体センサ122の一実施形態)を含むことができる。センサ測定回路310は、プロセッサ314(図1のセンサ電子装置モジュール126の一部)に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ314は、移植可能持続的センサ312からセンサ測定値を取得して処理するための、センサ測定回路310の機能の一部または全体を実行することができる。プロセッサはさらに、センサ情報をユーザに示すかまたは提供するために用いるディスプレイ装置134aなどの外部デバイスに対するセンサ情報の送信およびその外部デバイスからの要求とコマンドの受信ための、無線ユニットまたはトランシーバ316(テレメトリモジュール232が一実施形態であり得る図1のセンサ電子装置モジュール126の一部)に結合されてもよい。本明細書において使用する場合、用語「無線ユニット」および「トランシーバ」は互換的に用いられて、一般に、データをワイヤレスで送信および受信することができる装置を指す。このようなデータの送信および受信は、アンテナ324の利用をさらに含む。複数のアンテナが検体センサシステム124で利用することができる点に留意する必要がある。検体センサシステム124は、センサ情報を格納して、追跡するためのメモリ318(図1のセンサ電子装置モジュール126の一部でもある)およびリアルタイムクロック(RTC)320(図2Aのクロック205の例示の実施形態)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、検体センサシステム124は、近距離無線通信(NFC)機能をさらに含む。いくつかの実施形態では、NFCタグ322は、検体センサシステム124の電子装置に実装/一体化されるかまたは、例えば、ハウジングまたはマウントユニット240に組み込まれる。明示的に図示されてはいないが、NFCタグ322はトランシーバ316の一部として含むことができて、トランシーバ316を「高機能トランシーバ」とする。
【0061】
ワイヤレス通信プロトコルは、検体センサシステム124とディスプレイ装置134aの間でデータを送信および受信するために用いることができる。使用するワイヤレス通信プロトコルは、近距離(例えば、パーソナルエリアネットワーク(PAN))の複数デバイスとの間の定期的なおよび少量のデータ送信(必要に応じて低い率で送信することができる)のために最適化されるワイヤレスセンサネットワークでの使用向けに設計することができる。例えば、ワイヤレス通信プロトコルは、トランシーバが短い間隔の間にデータを送信して、その後に長い間隔の間は低電力モードに入ることができる定期的なデータ転送のために、最適化することができる。ワイヤレス通信プロトコルは、通常のデータ転送のため、そして、初めに通信チャネルをセットアップすることのための両方に対して(例えば、ヘッダオーバーヘッドを低減することによって)、低いオーバヘッド要件を有して、電源消費を減らすことができる。いくつかの実施形態では、バーストブロードキャスト方式(例えば、片方向通信)を用いることができる。これにより、肯定応答信号のために必要とされるオーバヘッドを除去することができて、ほとんど電源を消費しない周期的送信を可能とすることができる。
【0062】
ワイヤレス通信プロトコルは、複数のディスプレイ装置、例えば、2つ以上のディスプレイ装置134a~eと通信チャネルを確立して、その一方で、干渉回避方式を実装するようにさらに構成することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤレス通信プロトコルは、ディスプレイ装置134a~eのいくつかとの通信のための各種のタイムスロットおよび周波数帯を定める適応型等時ネットワークトポロジを、利用することができる。ワイヤレス通信プロトコルは、干渉に応答して、そして、ディスプレイ装置134a~eの複数との通信をサポートするために、伝送ウィンドウおよび周波数をこのようにして修正することができる。従って、ワイヤレスプロトコルは、時間および周波数分割多重(TDMA)ベースのスキームを使用することができる。ワイヤレス通信プロトコルは、直接スペクトラム拡散(DSSS)および周波数ホッピングスペクトラム拡散方式を使用することもできる。各種のネットワークトポロジは、ピアツーピア、スタート、ツリーまたはメッシュネットワークトポロジ(例えばWiFi、Bluetooth(登録商標)およびBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE))などの短距離および/または低出力ワイヤレス通信をサポートするために用いることができる。ワイヤレス通信プロトコルは、各種の周波数帯、例えば2.4GHzなどのオープンISMバンドにおいて作動することができる。さらにまた、電源使用を減らすために、ワイヤレス通信プロトコルは、電源消費に従ってデータレートを最適に構成することができる。検体センサシステム124のアンテナ324のように、対応するアンテナ340は、検体センサシステム124との間のデータの送信/受信のためにディスプレイ装置134aにおいて利用される。また、アンテナ340に加えて1つ以上のアンテナを用いて、各種の上述した通信プロトコルがそれらの必要な周波数/周波数範囲で作動するのを可能とすることができる。
【0063】
ディスプレイ装置134aは、宿主120などのユーザにアラートを出してセンサ情報を提供するために用いることができ、センサ情報を処理および管理するためのプロセッサ330を含むことができる。ディスプレイ装置134aは、センサ情報をそれぞれ、表示し、格納し、追跡するための、ディスプレイ332、メモリ334およびリアルタイムクロック336を含むことができる。ディスプレイ装置134aは、センサ情報を受信するための、そして、検体センサシステム124に要求、命令およびデータを送信するための、無線ユニットまたはトランシーバ338をさらに含むことができる。トランシーバ338は、ワイヤレス通信プロトコルをさらに使用することができる。メモリ334はまた、例えば、トランシーバ316などのトランシーバとディスプレイ装置134aの間のワイヤレスデータ通信のために設計されるオペレーティングシステムおよび/またはカスタムの(例えば、所有権のある)アプリケーションを格納するために、用いることができる。メモリ334は、単一のメモリ装置または複数のメモリ装置でもよく、ソフトウェアプログラムおよびアプリケーションのためのデータおよび/または命令を格納するための揮発性または不揮発性メモリでもよい。命令は、コントロールにプロセッサ330によって実行することができて、トランシーバ338を管理することができる。
【0064】
ディスプレイ装置に加えての、またはそれの代わりの薬物送給装置であってもよいディスプレイ装置134eの場合、センサ電子装置モジュール126と向かい合う持続的検体センサ122によって提供されるアラートおよび/またはセンサ情報は、宿主120への薬の配送を開始し、および/または調整するために用いることができることを理解すべきである。
【0065】
いくつかの実施形態において、標準化された通信プロトコルが使われるときに、データのコード化、送信周波数、ハンドシェイクプロトコルの管理などの低レベルデータ通信機能を扱うための処理回路を組み込んだ市販のトランシーバ回路を利用することができる。これらの実施例では、プロセッサ314および330は、これらの作業を管理する必要が無く、むしろ送信のための所望のデータ値を提供して、電力の増減、メッセージの送信速度などの高レベル機能を管理する。これらの高レベル機能を実行するための命令およびデータ値は、トランシーバ回路316および338の製造業者によって確立されたデータバスおよび転送プロトコルを介して、トランシーバ回路316および338に、それぞれ提供することができる。
【0066】
検体センサシステム124のコンポーネントは、周期的に交換を必要とし得る。例えば、センサ測定回路310、プロセッサ314、メモリ318およびトランシーバ316をそれ自体が含むセンサ電子装置モジュール126に取り付けることができる移植可能持続的検体センサ312、およびバッテリ(図示せず)は、定期的な交換(例えば、7~30日ごと)を必要とし得る。センサ電子装置モジュール126は、バッテリが交換を必要とするまで、移植可能連続検体センサ312よりもかなり長い間(例えば、3ヵ月、6ヵ月またはそれを超えて)電源を入れて作動しているように構成することができる。これらのコンポーネントを交換することは、困難で、訓練された従事者の援助が必要となり得る。このようなコンポーネントを、交換可能である場合はバッテリを含んで、交換する必要を減らすことは、宿主120に対して検体センサシステム124の利便性を大幅に向上させる。
【0067】
センサ電子装置モジュール126が初めて用いられる(またはいくつかの場合では一旦バッテリが交換されて再起動される)ときに、それは移植可能持続的検体センサ312に接続することができる。さらに後述するように、ディスプレイ装置134aとセンサ電子装置モジュール126の間の通信を、それが最初に用いられるかまたは再起動される(例えば、バッテリが交換される)ときに、初めに確立するための方法があり得る。一旦ディスプレイ装置134aおよびセンサ電子装置モジュール126が通信を確立すると、ディスプレイ装置134aおよびセンサ電子装置モジュール126は、いくつかの移植可能な持続的検体センサ312の使用可能期間にわたって、例えば、センサ電子装置モジュール126のバッテリまたは全部が交換必要となるまで、周期的におよび/または持続的に通信することができる。持続的検体センサ312が交換されるたびに、新規な持続的検体センサ312の通知はセンサ電子装置モジュール126とディスプレイ装置134aの間の前に確立した通信を介して送信/交換することができる。
【0068】
一実施形態によれば、検体センサシステム124は、持続的検体センサ312から検体測定を取集して処理し、検体測定値を表すセンサ情報を周期的にディスプレイ装置134aに送信する。測定値は、持続的検体センサ312(例えば、1~30日以上の範囲で)の使用可能期間を通じて収集されて、送信される。新規な測定値は、適切に検体レベルをモニタするのに十分なように頻繁に送信されることを必要とし得る。持続的に通信する各検体センサシステム124およびディスプレイ装置134aの送信および受信回路を有するよりはむしろ、検体センサシステム124およびディスプレイ装置134aはそれらの間の通信チャネルを定期的に、そして周期的に確立してもよい。このように、検体センサシステム124は、所定の時間間隔でディスプレイ装置134aとワイヤレスで通信することができる。所定の時間間隔の長さは十分に長く選択することができ、そのため、検体センサシステム124は必要以上に頻繁にデータを送信することによって多くの電力の消費が大きくなり過ぎることがなく、それでも、実質的にリアルタイムのセンサ情報(例えば、測定された検体値)を、ユーザに出力(例えば、表示)するための1つ以上のディスプレイ装置134a~eに提供するのに十分である。所定の時間間隔がいくつかの実施形態では5分ごとであるが、この時間間隔がいかなる所望の長さの時間でもあるように変化することができることが理解される。他の考察された実施形態が、例えば検体センサシステム124から1つ以上のディスプレイ装置134a~eへの、不規則であるか非周期的なセンサ情報の送信を含む点に留意する必要がある。
【0069】
故障検出、識別、補償
以前に言及したように、各種実施形態は、宿主の検体濃度の測定値と関連した誤差を検出して、宿主の検体濃度が正確に表されるように、修正処置をする。特にユーザに示されるような、検体濃度値の不正確な表示は、ユーザが不適当な措置をとって、予測アルゴリズムまたは閉ループアルゴリズムのパフォーマンスを悪化させ、持続的検体システムのユーザの信頼を悪化させる原因となり得る。
【0070】
図4Aは、本明細書において開示される実施例方法に従って実行される動作を図示しているフローチャートである。動作400で、宿主の検体濃度を表す信号を検体センサから受信する。動作402で、信号はモニタされ、そして、動作403で、信号の変化があるかどうかが判定される。言い換えれば、宿主の検体濃度を表す信号の変動が検出される。動作410で、信号の変化または変動の原因が判定される。動作420で、信号の変化は、宿主の検体濃度が正確に表されるように補償される(すなわち、例えば、ノイズのない宿主の検体濃度を表す信号(例えば、補償信号)の表示で)。別の例では、変動に対する補償は1つ以上のタイプの変動またはノイズのための補償を含むことができ、そして、補償された信号は1つ以上のタイプのノイズのない検体濃度を表すことができる。これらのステップの順序は変化することができる点に留意する必要がある。例えば、上述したセンサの1つ以上は持続的検体モニタリングシステム100の異常状態(例えば、予め定められた閾値を超えている変動)を検出することができ、それは信号のその後検出される変動と関連付けることができる。故障検出および応答に対処している特定実施例は、以下でさらに詳細に述べられる。動作410が、それが任意の動作であることを示す点線で表されている点に留意する必要がある。すなわち、そして、以下に詳述するように、変動またはノイズは、前もって変動またはノイズの原因を判定することを必ずしも必要とせずに、補償することができる。すなわち、特定の実施形態は、信号の変動を検出することができ、それに応じて、より正確な検体濃度読取り値を生成する何らかの手法で信号を調整することで補償することができる。
【0071】
故障検出および識別
測定された検体、例えば、ポテンシオスタット210によって受信するグルコース信号またはデータは、各種の要因に影響を受ける可能性がある。これらの各種の要因の影響は、測定された検体信号またはデータの、大きなスパイクおよび/またはノイズの増加などの、異常な変動または変化に現れる。従って、各種実施形態は、これらの異常な変動または変化を検出し、それらに対して責任がある。いくつかの実施形態では、異常な変動または変化の原因はまた、異常な変動または変化に対する補償を行い、および/または、例えば、検体センサシステム124の動作を最適化するための統計情報などの情報を収集するための根拠として、識別することができ、利用することができる。
【0072】
例えば、静電放電(ESD)事象の間に、または、ユーザによって実行される通常の身体活動/動作のため、測定されたグルコース信号は、激しい変動を受けるか、または、失われることさえあり得る。加えて、測定された検体信号は、センサ電子装置モジュール126の1つ以上の要素(例えば、トランシーバ316)での問題のため影響を受けることがあり得る。例えば、トランシーバ316は、測定された検体信号にノイズをもたらすことがあり得て、このことにより測定手順の間に作用電極によって取り込まれる測定検体信号に影響を及ぼす。別の例として、センサ電子装置モジュール126はバッテリの予想外の消耗のため電源停止に見舞われることがあり得て、それは持続的検体モニタリングの中断に結果としてなる場合がある。
【0073】
ノイズの問題に関して、検体センサシステム124の「内部」側面、例えば、オフセット/較正モジュール232などの回路は、もともとその性質上、測定された検体信号にノイズをもたらすことがあり得る。すなわち、ノイズは、すべての電子回路の特性であり、オフセット/較正モジュール232を含むような追加回路の導入はノイズをもたらす結果となる。例えば、熱ノイズは電子の熱運動のためもたらされることがあり得て、その一方で、ショットノイズは回路を通って流れる電流のランダムな変動のため結果として生じることがあり得る。さらに他のノイズは、製造欠陥または異なっている質(例えば、導電率変動)から生じることがあり得る。後述の摩擦電気ノイズおよび寄生漏れなどのノイズによって問題が生じることもあり得る。加えて、「外部」要因(外部、とは宿主120などの、検体センサシステム124の外側に発生/由来している要因を指す)、持続的検体センサ122および/またはセンサ電子装置モジュール126の運動または動作もノイズおよび/またはそれ以外で不正確な読取り値を生じさせることがあり得る。特に、センサ電子機器モジュール126が宿主120の通常の動作のため偶然に押圧されるかまたは移動する場合、測定された検体信号/観測されたレベルの位相変動(ノイズとみなされる)に結果としてなることがあり得る。
【0074】
図4Bは、宿主の検体濃度を表す信号の変動または変化を検出するために実行される例示動作(図4Aの動作400、402および403)を示す。前述したように、動作402で、宿主の信号(例えば、測定されたグルコース信号)がモニタされる。動作404で、変動の存在は、宿主の信号とリファレンス情報の比較(すなわち、識別)に基づいている。上述の通り、リファレンス情報は、なんらかの関連した予め定められた閾値、臨床状況データ、既知のグルコースレベルなどでもよい。動作406で、変動に関するデータが取り込まれる。いくつかの実施形態では、変動データの取り込みは、より正確な変動データを取得するためにサンプリングレートを低下させることおよび/またはASIC205(後でさらに詳細に記載される)をオーバークロックすることを含むことができる。
【0075】
異常な変動または変化の検出は、異常であるか特異な検体濃度レベルと、「正常」であるか予想される検体濃度レベルとを識別することによって、達成することができる。識別することは、受信信号もしくは受信データが予め定められた基準と一致するかもしくはそれを満たすかどうかを判定すること、または検体濃度レベル/測定値を除く利用者データに対応する臨床状況情報の間の比較を実行することを、含むことができる。識別することは、時系列技術、周波数ベースの技術またはウェーブレットベースの技術を用いて信号を分析することを含むことができる。識別することは、生の信号解析、残留信号解析、パターン解析および/または低速対高速サンプリングを含むことができる。識別することは、受信信号を、各テンプレートが故障モードに対応する複数のテンプレートに投射することを含むことができる。識別することは、変動解析またはあいまい論理分析を含むことができる。受信臨床状況データは、年齢、人体測定学上のデータ、現在患者に作用している薬、基準と比較した温度、患者の障害履歴、患者の活動レベル、患者の運動レベル、グルコースモニタとの患者のインタラクションのレベル、グルコース信号値のパターン、臨床グルコース値およびその派生値、期間全体での患者グルコースレベルの範囲、患者グルコースレベルがある範囲に維持される期間、患者グルコース状態、血糖尿意切迫インデックス、時刻または血圧からなるグループから選択することができる。臨床状況データは移植以来の時間を含むことができ、臨床状況基準は沈下および回復障害がありそうである移植以来の時間の範囲を含むことができる。臨床状況データは、年齢、人体測定学上のデータ、動作、運動、データの臨床使用または検体モニタとの患者のインタラクションからなるグループから選択される臨床グルコース値およびデータを含むこともできる。本明細書における各種実施形態に従って利用することができる識別の例示システム及び方法は、米国特許出願第14/717,643号に記載されている。
【0076】
図4Cは、信号の変動の原因を判定するとき(図4Aの動作410)に実行される例示の動作を示す。概して、変動を引き起こした可能性がある検出状態または発現に検出変動を関連付けるための試みが実行される。従って、動作412で、1つ以上の検出器、例えば上述した温度センサ252、動作センサ254などに問い合わせがなされて、宿主および信号の変動を検出した持続的検体センサシステムの少なくとも1つに影響を及ぼしている少なくとも1つの検出状態に関して情報を取得することができる。
【0077】
例えば、圧力センサ256は、容量性感知を用いて圧力または圧縮を検出することができる。圧力センサ256は、センサ電子装置モジュール126に埋め込まれていて、圧縮性膜によって切り離されるセンサ電子装置モジュール126の底部の対向する金属プレートを有する、金属箔を含むことができる。このようにして、センサ電子装置モジュール126への圧力は膜を圧縮し、それによって、対向する金属プレートおよび箔によって検出される容量を変える。
【0078】
動作センサ254は、ユーザ活動/動作を検出するための3軸アクセロメータなどのアクセロメータでもよい。動作センサ254はまた、圧縮検出のために使われることもでき、例えば、センサ電子装置モジュール126が逆転位置においてあることを感知する。このセンサデータ(検体濃度に関連した、持続的検体センサ122によって測定したかまたは判定したセンサ情報とは区別される)のプロセッサ214による分析の結果、プロセッサ214はユーザがセンサ電子装置モジュール126の上に横たわっていると判定することがあり得る。それから、プロセッサ214は、識別するステップ(後でさらに詳細に記載される)をとることができ、それは、酸素の欠乏のため、例えば、センサ電子装置モジュール126の近くのユーザの組織領域が押されているかまたははさまれているために、センサ電子装置モジュール126が測定された検体濃度の誤った読取り値を与えることがあり得るからである。動作センサ254は、3軸アクセロメータと連動してより良好にユーザの活動レベルを判定するために用いることができる3軸コンパスをさらに含むことができる。
【0079】
さらに他の外部要因、例えばセンサのドリフトの結果、信号変動が起きることがあり得る。例えば、センサドリフトは、持続的検体センサ122で生じることがあり得る。センサドリフトは、感度情報(例えば、単位時間当たりの測定電流とグルコースレベルの関係)が温度の変化により影響を受け得る事象を指すことができる。温度がグルコースの代謝に影響を及ぼし得るので、温度のあらゆる変化(ユーザまたは検体センサシステム124のいずれで生じても)は持続的検体センサ122の感度を変えることがあり得て、それにより不正確なグルコース測定またはレベルがユーザに示され得る。
【0080】
温度の変動は、外部要因(例えば、ユーザの体温の変化)および/または内部要因(例えば、センサ電子装置モジュール126を含む回路または持続的検体センサ122自体の温度の変化)によるものであり得る。従って、温度センサ252を用いて、センサドリフトによって障害か変動が生じている可能性があるかどうか検出することができる。特に、特定の温度または温度領域と関連したドリフトの特定量に関する予め判断された知識が、その特定温度または温度領域の存在または発生を検出した際に、いかなる変動またはノイズも補償する(後でさらに詳細に述べられる)ための基礎として、使用可能である。
【0081】
温度センサ252が、宿主、持続的検体センサ122の移植部位に隣接する組織などの皮膚温を測定することができる点に留意する必要がある。従って、温度センサ252は、さまざまな方法で実装することができ、および/または、限定するものではないが、マウントユニット240を通して見えるようにセンサ電子装置モジュール126の下(宿主の表皮のすぐ近く)に配置される赤外線温度センサ、センサ電子装置モジュール126の底部から突出してマウントユニット240を通って宿主の表皮との接触を可能にする熱電対温度センサ、マウントユニット240に埋め込まれて直接的な表皮接触を可能とする半導体温度センサを含む、センサの配列を参照することができる。いかなるセンサ自体またはデータ記憶メモリ220もセンサ製造および較正情報(それが温度センサ252か、例えば、動作センサ254、圧力センサ256などの別のセンサであるかにかかわらず)を格納することができる点にさらに留意する必要がある。このような格納されたセンサ製造および較正情報は、工場出荷時較正設定または情報、センサ識別情報などを含むが、これに限定されるものではない。このような情報は、比較の目的ために、または、例えば、センサ電子装置モジュール126が、センサおよび/または温度ドリフトの判定、ノイズ、障害、変動の判定などの基礎とすることができる、基線もしくは閾値として、格納することができ、使用することができる。さらにまた、温度センサ252は、持続的検体センサ122の近く、または先端の温度を感知するための皮下温度センサとして実装することができる。各種の上述した温度センサは、他のセンサの温度を測定するために利用することもでき、変動と原因の関連付けおよび補償の努力のために用いることもできる。
【0082】
測定グルコース値のスパイクおよび/またはノイズなどの問題は、液体進入から生じることがあり得る。すなわち、水などの液体が、偶然にセンサ電子装置モジュール126にしみ込むことがあり得て、変動が生じ、および/またはグルコース信号のノイズをもたらすことがあり得る。特に、センサ電子装置モジュール126またはマウントユニット240の中/その場所/そこを通っての水の漏れは、例えば、測定されたグルコース信号を、ノイズを導くほど「通常の」レベルを上回ってスパイクするように一時的にさせることがあり得る。例えば、水の浸透の結果として、測定されたグルコース値において大きいスパイクの後に重篤なノイズが生じることがあり得る。乾燥した後に、重篤なノイズが、測定グルコース値の段階的な正常化の前に再び現れることがあり得る。水分を検出することができる湿度センサ(図示せず)を、センサ電子装置モジュール126内および/またはマウントユニット240の一部として実装して、液体の存在を検出することができる点に留意する必要がある。本明細書において図と共に説明される各種センサ、例えば圧力センサ256、動作センサ254などが、別々のセンサとして、または、合わせた機能性を有するセンサとして実施することができる点に留意する必要がある。
【0083】
動作414で、変動は、変動の少なくとも1つの特性に基づく少なくとも1つの検出状態と関連付けられる。例えば、例として変動が発生する時間は、センサによって取り込まれるいくつかの状態の発生を変動と関連づけるために用いることができる。加えて、変動(例えば、内部ノイズまたは外部ノイズ)のタイプおよび/または量、あるいは変動(例えば、突然の押しまたはESDによる大きいスパイク)の頻度は、関連付けのための基礎を提供することができる。動作416で、変動を表すデータが記録される。例えば、変動が、いつどのようにもたらされたかに関するデータは、取り込んで記録することができて、グルコース値の変動のさらなる理解を提供するために(または後で使用して将来の変動に対して補償するかまたはよりよく調整するために)用いることができる。記録は、ローカルに発生することがあり得て、および/または技術者、医師、看護者などによるデータの使用/分析のためにリモートサーバへワイヤレスで転送することが必要となり得る。一旦変動または変化が検出されると、障害は受信信号、臨床状況情報、または両方ともに基づいてカテゴリ化することができて、ここで障害をカテゴリ化することは、障害をセンサ環境障害として、または、システムエラー/アーチファクト障害としてカテゴリ化すること、および/または障害を、例えば、圧縮障害または早期創傷反応としてサブカテゴリ化することを含む。言い換えれば、変動または変化の原因を判定することができる。例えば、変動は、プロセッサ214により測定されるいくつかの信号基準の存在を判定することによって起こり、通常生理的変化、例えば、生のセンサ信号の変化率(急落)と関係していないいくつかのパターンに続く。プロセッサ214は、時刻に関して、そして、(例えばある期間にわたる動作の全体的な欠如を感知している動作センサ254から)ユーザが眠っている可能性があること、および、(例えば圧力センサ256から)ユーザが持続的検体センサ122上に転がった可能性があることを示すセンサ情報に関して、知識を有することができる。このようなセンサデータを受信して、センサデータをプロセッサ214にとって既知のその情報(すなわち、時刻)と比較するとすぐに、プロセッサ214は、ユーザが眠っていて持続的検体センサ122上に転がり、そして、グルコース読取り値の急落を引き起こしたのはこれである(すなわち、持続的検体センサ122の移植部位の酸素欠乏による)、と判定することができる。
【0084】
障害の原因を判定するとすぐに、プロセッサ214は、ユーザに原因を通知して、例えば、修正応答を示唆するために、1つ以上の措置を行うことができる。例えば、グルコース読取り値の急落が発生し、(上記のように)ユーザが持続的検体センサ122上に転がっている結果によるものであると判定される場合には、プロセッサ214は、ユーザインタフェース222および/またはディスプレイ装置134a~eの1つ以上にアラートまたは通知を起動するように指示することができる。例えば、ユーザインタフェース222は、バイブレータモーター228を動かしてユーザにアラートを出し、および/または同時にユーザに位置を変えるように指示する通知をLCD226に表示することができる。このようにして、ユーザは、修正措置をとることができる。プロセッサ214は、ユーザインタフェースおよび/またはディスプレイ装置134a~eの1つ以上に、いかなる修正処置もする前により多くの正確な結果を待つべきであるとそのユーザに通知するように、さらに指示することができる。さらにまた、情報は障害の発生および/またはそのような障害の原因について収集することができ、そのため、プロセッサ214は、EGVデータを1つ以上のディスプレイ装置134a~eに送信するためのより良いまたはより最適な時間をより良好に予測または推定することができる。例えば、プロセッサ214は、プロセッサ214がユーザは持続的検体センサ122上に転がったと判定する場合、現在のEGVデータを送信する前に遅延を発生させることができる。
【0085】
障害、例えば、信号の異常であるか変則的な変動または変化が検出され、そして、障害の原因が判定されると、信号の変動または変化は、宿主の検体濃度が正確に表されるように計上される。
【0086】
補償
ノイズ補償
前述のように、ノイズは、検体センサシステム124の中の回路からであるか外因によるかにかかわらず、作用電極によって取り込まれる検体濃度信号に影響を及ぼすことがあり得る。従って、各種実施形態はオフセットを利用して、このようなノイズを補償することができる。
【0087】
持続的検体センサ122は、通常、非常に低い電流(例えば、ピコアンペア(pA)の範囲)で作動するように構成される。図5Aは、時刻tにわたるグルコース信号500(pA単位の電流I)を示す例示のグラフである。図5Aは、約100pAでの例示の検体測定値を示す。内部ノイズ源(例えば回路および/または上述した摩擦電気効果)によってもたらされるノイズレベルは、グルコース信号レベルのそれをはるかに超えることができて、グルコース信号レベルをゼロ未満にすることもあり得る。これの例は図5Bに図示され、ここで、ノイズ信号502は200pAと-200pAの間で発振する。センサ電子装置モジュール126が正信号値だけを計測するように構成される場合、グルコース信号レベルをゼロ未満にするいかなるノイズも観測されず、補償されない。
【0088】
図5Cにおいて例示される実施形態において、実際のグルコース信号(すなわち、グルコース信号500およびノイズ信号502)を含む測定信号が示される(すなわち、測定信号=グルコース信号+ノイズ)。図5Aに図示される例示グルコース信号(グルコース信号=100pA)および図5Bに図示される例示ノイズ信号(200pAと-200pAの間で発振しているノイズ)を想起すると、図5Cの結果信号504はいかなるオフセットもなしで300pAと-100pAの間で発振する。0pAと-100pA間の測定信号の部分は、観測されないかまたは計上されない。このように、測定信号(例えば、信号504)を平均する(例えば、フィルタリング処理する)ことから取得される値は、誤差を含み得る。例えば、測定信号504を平均すること(例えば、負部分はその中で計上されない)から結果として得る平均値は、誤ってより高い(すなわち、正側にバイアスされた)値となり得る。
【0089】
従って、いくつかの実施形態では、オフセット電流が導入されて、実際のグルコース信号およびあらゆるノイズに加え、測定信号もまたオフセットを含むようにする(すなわち、測定信号=グルコース信号+ノイズ+オフセット)。図5Dはこのような測定信号506の実施例を例示しており、ここで、例えば100pAのオフセットの加算は測定信号を増加させ、その結果すべてのノイズが取り込むことができて(測定信号が全くゼロ未満に低下せず)、補償することができる。このような実施形態においては、測定信号を平均することで、正確な値を得る。いくつかの実施形態において、オフセット値は、測定信号を平均した後に減算することができる。
【0090】
いくつかの実施形態が、測定信号が平均されるフィルタ機構を利用する点に留意する必要がある。いくつかの場合では、ノイズが増加するにつれて、測定信号の平均値は正の向きにバイアスすることがあり得る。図5Cにおいて例示される上記例を想起すると、測定信号のいかなる負部分も計上されない。上でしめしたように、これは、平均算出誤差を引き起こす。従って、各種実施形態は、オフセット回路の利用によって平均算出誤差を補償することもできる。
【0091】
摩擦電気ノイズは、前に言及された。摩擦電気効果は、電荷が異なる材料の間の摩擦によって発生する事象である。摩擦電気ノイズの場合、平均された合計は、0とすることができる。例えば、測定信号に存在するすべてのノイズを取り込むによって、摩擦電気ノイズは、効果的に相殺することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、持続的検体センサ122は測定信号の負部分を取り込むことができず、従って、平均算出誤差に至る。測定信号(電流)がグルコース濃度に比例するので、不正に高い読み込み値は問題を含む(特にユーザが低血糖状態であった場合)。
【0092】
オフセット電流を実装することは、プログラム可能なオフセット電流(例えば、0nA、10nA、20nA、40nA)を用いることにより達成することができる。オフセット電流はピコからナノアンペアのオーダの範囲であり得て、上述したオフセット電流は単に例にすぎない点に留意する必要がある。このようなプログラム可能なオフセット電流は、オフセット/較正モジュール232によって製造段階の間に実現することができる。あるいは、ノイズ測定値に基づいて、例えば、新規な持続的検体センサ122が用いられるたびに、または検体センサシステム126のリアルタイム使用の間、適切なオフセット電流は、オフセット/較正モジュール232によって選択/利用することができる。真のグルコース信号およびノイズ信号を含む測定信号が正のみの値の間で発振するシナリオでは、オフセット電流が利用される必要がない点に留意する必要がある。従って、上述したオプションは、0nAのオフセット電流を有する。一実施形態において、プロセッサ214はグルコースおよびノイズ信号値ならびにこのような信号に関して予め定められた閾値をモニタすることができ、本明細書において記載されているようにオフセット電流の選択/利用が生じる。いくつかの実施例において、ノイズ信号のゼロ-ピーク値またはゼロ-ピーク値のある割合(例えば、ゼロ-ピーク値の半分)がグルコース信号またはグルコース値のそれを超える場合、プロセッサ214はグルコースおよびノイズ信号を含む測定信号をモニタすることができる。プロセッサ214は、持続的に、ある予め定められたスケジュールに従って周期的に、非周期的に、または、持続的検体センサ122からポテンシオスタット210によって受信する信号をサンプリングすることによって、測定信号をモニタすることができる。プロセッサ214が測定信号を分析して、ノイズ信号のゼロ-ピーク値またはゼロ-ピーク値のある割合がグルコース信号またはグルコース値を超えると判定するとすぐに、プロセッサ214は、適切なオフセット電流を注入するようにオフセット/較正モジュール232に指示する。
【0093】
また、オフセット電流はゼロを超えるようにグルコースおよびノイズ信号(測定信号)を上にシフトし、そして、オフセット無しでは切り捨てられたはずの測定信号のいかなる部分も取り込むことができる。それから、プロセッサ214またはオフセット/較正モジュール232は、適切なソフトウェア/アルゴリズムに依存して、真のグルコース信号レベルを読み出すために、既知のオフセットを測定信号および、いくつかの場合では、平均された測定信号から減算することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ214および/またはオフセット/較正モジュール232は、単にオフセット電流を追加するだけのために動作することができるが、一方で、他の実施形態では、プロセッサ214および/またはオフセット/較正モジュール232はオフセット電流を追加して、かつあらゆる追加したオフセット電流を減算するように構成することができる。
【0094】
前述したように、電気回路は本質的にノイズを生じるものである。従って、同じことがオフセット/較正モジュール232にも成り立つ。すなわち、オフセット/較正モジュール232のオフセット回路の使用が測定信号に別の変数(オフセット電流)を追加して、そのことで、補償されない場合、それ自体において、そしてそれ自体の、さらなる誤差/ノイズの追加に結果としてなることがあり得る。言い換えれば、真のオフセット値は、オフセット回路から取得することができない。従って、いくつかの実施形態は、オフセット回路で生じるノイズの補償もする。
【0095】
特に、プロセッサ214は、適切なソフトウェア/アルゴリズムに依存して、作用電極の動作を「遮断する」かまたは禁止する。それから、ポテンシオスタット210(および/またはプロセッサ214)は「真のゼロ」(例えばオフセット電流)のために調整することができる。いくつかの場合では、プロセッサ214および/または較正モジュール232は、オフセット電流の判定のために較正手順を与える場合がある。すなわち、ソフトウェア/アルゴリズムは作用電極に対する外部接続(データライン212)を無効にすることができ、その結果それは、作用電極とカウンタ電極の間の通常に算出した電流の流れの代わりにオフセット/較正モジュール232からオフセット電流を算出することができる。較正が、新規な持続的検体センサ122などのインストールの後、ある予め定められたスケジュールに基づいて開始することができる点に留意する必要がある。較正を開始するための他のトリガは、ますますより多くのオフセット電流がある閾時間にわたって生じていることを示す、プロセッサ214で判定される傾向とすることができる。これは、オフセット/較正モジュール232が起動される回数をモニタし、および/またはデータ記憶メモリ220において使用するオフセット電流の量を記録することで、判定することができる。
【0096】
図6は、各種実施形態に従ってオフセット電流補償較正を達成するために実行される例示の動作を示す。動作600で、作用電極の動作が禁止される。上述のように、作用電極は、実質的に、遮断されるかまたは無効にされ、その結果、真のゼロ電流が作用電極とカウンタ電極の間の通常に算出された電流の流れの代わりにオフセット/較正モジュール232から算出することができる。例えば、ノイズを無視すると、
I(合計、すなわち、測定値)=I(作用電極、WE)+I(オフセット)
【0097】
作用電極をオフにするとすぐに、検体測定はもはや取得されておらず、そして、オフセット値は動作602で決定することができる。
I(測定値)=I(オフセット)
【0098】
一旦較正されると、動作604で作用電極は有効にすることができる。平均検体濃度レベルを算出するとすぐに、グルコース信号レベルを読み出すために、動作606でオフセット値は、上述のように平均された結果から減算することができる。すなわち、それから、プロセッサ214またはオフセット/較正モジュール232は適切なソフトウェア/アルゴリズムに依存して、実際のグルコース信号レベルを読み出すために、既知のオフセットを平均された測定信号から減算することができる。
【0099】
較正がさまざまな方法で実行することができる点に留意する必要がある。例えば、較正は、ある予め定められたスケジュールを基に実行することができる。例えば、適用される電流オフセットは変化するが、電流オフセットの変動は特定の時間にわたる特定量に対するものあることは分かっている場合、較正はそれに応じてスケジュールされてもよい。あるいは、1回限りの較正を実行することができる(例えば、製造中に)。あるいはまた、リアルタイム較正を実行することができる。例えば、オフセット電流がしばしば変化する場合、プロセッサ214またはオフセット/較正モジュール232は追加の較正手順を実行することができる。
【0100】
特に、液進入問題と関連したノイズおよび/またはスパイクに応じて、ユーザ起動の較正は、補償の措置として実行することができる。重篤なノイズ(上述のように、水進入後の結果として起こり得る)の後に推定グルコース値(EGV)データの大規模な上昇があるときに、EGVに対するユーザ信頼は、低いと見なすべきである。従って、検体センサシステム124は、ユーザに持続的検体センサ122の較正を実行するように促し、および/またはアラートを送るかまたは、例えば、現在の活動に関してユーザに質問し、または偶然の水漏れの発生があったことを確認することができる。さらに、プロセッサ214は、ユーザに要求を示して、それぞれに取得された血糖値を入力するように、ユーザインタフェース222に指示することができる。血糖値がEGVと非常に異なる場合、プロセッサ214は、ユーザに潜在的障害のアラートを出すかまたは警告して、持続的検体センサ122が適切な動作条件にあることを確実にするために、時間較正を実行することができるある所定の時間を待つように、ユーザインタフェース222に指示することができる。いくつかの実施形態では、上述したアラートおよび/または質問は、ディスプレイ装置134a~eの1つ以上に発信することができ、および/またはそれによって提供することができる点に留意する必要がある。従って、ディスプレイ装置134a~3の1つ以上は、1つ以上の入力メカニズム、ディスプレイ、通知メカニズムなどを含むそれ自身のユーザインタフェースを有することができる。
【0101】
オフセット電流の導入によって起こり得る別の問題は、センサ(温度)ドリフトである。上述の通り、センサドリフトは、温度の変化により、持続的検体センサ122で経験され得る。温度がグルコースの代謝に影響を及ぼし得るので、温度のあらゆる変化(ユーザまたは検体センサシステム124のいずれで生じても)は持続的検体センサ122の感度を変えることがあり得て、それにより不正確なグルコース測定またはレベルがユーザに示され得る。従って、温度ドリフトを補償するために温度較正を実行することができる。
【0102】
この例では、追加的な(オフセット)電流の導入によってセンサ電子装置モジュール126内での温度ドリフトの発生が引き起こされる可能性があり、結果として得られる温度差はオフセット値に不都合な影響を与え得る。あるいは、オフセット電流は、センサ電子装置モジュール126そのものの回路内での温度の変動のため発生する場合がある温度ドリフトという欠点があり得る。補償するために、オフセット/較正モジュール232を製造(例えば、工場較正)の間に用いてセンサ電子装置モジュールの温度によって生じるオフセット値の変動に対処することができる。すなわち、温度センサ252を用いて温度変動を取り込むことができ、そして、予め定められた温度変動閾値(例えば、ルックアップテーブルにおいて示されるか、適切なアルゴリズムなどに予めプログラムされるなど)を検出するとすぐに、プロセッサ214はオフセット/較正モジュール232に較正手順を実行するように指示することができる。いくつかの実施形態では、較正手順を実行するのはプロセッサ214であることができ、それらの較正手順がオフセット電流問題、温度ドリフトなどのため開始される較正手順であるかどうかにかかわらない。本明細書において開示される較正が、様々なタイプまたは方法の較正を指すことができる点に留意する必要がある。いくつかの実施形態では、較正は、1点較正プロセス、3点較正プロセスなどを指すことができる。例えば、3点較正は異なる値域を含むオフセットに対して実行することができるが、1点較正は、例えば、センサ電子装置モジュール126が単一の動作温度/範囲を有する場合、アドレス指定温度ドリフトに対して実行することができる。
【0103】
別のタイプの補償によれば、プロセッサ214は、持続的に(宿主、持続的検体センサシステム124の1つ以上のコンポーネントなどの)温度を検出することができ、そして、ルックアップテーブルを参照することによって、またはグルコースレベルおよび/または電流値を温度に結びつけるリアルタイムアルゴリズムに基づいて、温度変動によって生じる場合があるグルコース情報の変化を補償することができる。あるいは、プロセッサ214は、測定されたグルコース読取り値の変動があるときはいつでも温度センサ252を参照することができ、温度の所与の変動に従って、その変化を補償する。すなわち、プロセッサ214は、センサドリフトの結果としてノイズを補償するよりはむしろ(または、そうすることに加えて)、測定された検体レベルを温度測定に基づいて、「直接」補償することができる。例えばプロセッサ214であるが、特定温度が検出されたとの温度センサ252からの情報を受信するとすぐに、プロセッサ214は温度センサ252が、温度がデフォルト値または範囲に戻ったことを感知するまで、感知温度に相応した方法で、受信したグルコース値を調整することができる。一実施形態において、プロセッサ214は、例えば、ルックアップテーブルにアクセスして、温度または温度領域に基づいて受信したグルコース値が調整されるべき量を決定する。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、センサ電子装置モジュール126の温度は持続的検体センサ122の温度と関連付けられ、そして、センサ電子装置モジュール126の温度を用いて、検体濃度読取り値のオフセット電流温度ドリフト障害を修正/補償する。例えば、プロセッサ214は、センサ電子装置モジュール126の現在温度に関して、温度センサ252から温度情報を受けることができる。プロセッサ214またはオフセット/較正モジュール232は次に、持続的検体センサ122較正値を更新し、持続的検体センサ122較正値(各種の温度値に対して設定される可能性がある)を調整することができる。言い換えれば、グルコース読取り値のいかなる変化または変動も、感知することができて、センサ電子装置モジュール126に影響を及ぼしている温度変化と関連付けることができる。
【0105】
補償のさらにもう1つの方法は、インピーダンス測定に依存することができる。インピーダンスは、センサの特性を変える1つの方法として利用することができる。言い換えれば、インピーダンスの変化は、センサの何らかの変化と関連付けることができる。従って、インピーダンスに基づいて、補償の措置をとることができる。インピーダンスは、追加電極または作動および基準電極自体に基づいて判定することができる。例えば、持続的検体センサが宿主120に最初に嵌入されるときに、組織の損傷は起こるので、組織の損傷に対する生理反応はセンサ動作に影響を及ぼし得る。従って、プロセッサ214は、基準電極のインピーダンスを判定することができる。プロセッサ214はさらに創傷反応を測定することができ、例えば、宿主120の温度を測定することができ、そのため、創傷反応および測定インピーダンスを関連付けることができる。このようにして、プロセッサ214は、インピーダンスが通常であるかデフォルトのインピーダンスに戻るまで、例えば、基準電極のインピーダンスを測定し続けることができる、その時には、プロセッサ214が持続的検体センサ122から検体測定値を取得し続けることができる。
【0106】
測定信号(ノイズを含む)をシフトするためにオフセット電流を利用するいくつかの実施形態に代わるものとして、または、それと組み合わせて、持続的検体センサ122の感度は、高電流出力を可能とすることによって効果的に増加させることができる。すなわち、電流範囲を増加させる(すなわち、高い出力電流を測定する)ことによって、測定された(電流)信号にもたらされる可能性があるいかなるノイズも、全電流範囲の僅かな割合になる。複数の範囲が1つのセンサ設計の中でカバーすることができるかまたは複数の世代のセンサによってカバーすることができる点に留意する必要がある。例えば、複数のプログラム可能な電流範囲、例えば、50nA、80nA、170nA、240nAを、デフォルト電流範囲の例である、通常16nAの、ただ1つの代わりに利用することができ、この場合電流範囲は測定されたグルコース信号およびあらゆる加算オフセット電流値の合計となる。増加した電流範囲に対するノイズの割合が少ないので、増加した電流範囲はノイズを先取りして補償することができる。これらの電流範囲の実装は、ソフトウェア制御プログラミングレジスタで行うことができる。1つの実施形態において、プロセッサ214は、検体センサシステム124の新規な検体センサ122の存在を検出することができる。検出に基づいて、適切な電流範囲を実装することができる。例えば、プロセッサ214は、様々なタイプのセンサおよび対応するタイプのセンサに対する電流範囲に関連した情報を含むデータメモリを参照することができる。参照に基づいて、プロセッサ214は、選択された検体センサ122に対する適切な電流範囲を実装することができる。
【0107】
上述のように、図4Bの動作406は、変動に関するデータを取り込むことを含み、それは、ノイズの場合、より高速のクロック258を用いるか、またはクロック258をより高速に作動させることによって、変動を起こしているノイズのより正確な測定をすることを含むことができる。ノイズのより正確な測定は、変動を検出することに限られておらず、よりよくそのノイズを補償するために用いることができる。
【0108】
いくつかの実施形態において、そのポテンシオスタット210はノイズの詳細を必ずしも常に、あるいは十分に取り込むことができるわけではない。さらに、大きいノイズ信号は、一般に周波数がより高い。非摩擦電気(非一時的)ノイズの場合、例えば、そのとき、宿主が持続的検体センサ122の上に横になっていて、持続的検体センサ122の酵素がグルコースを代謝することができるために受け取られる酸素が十分でないとき、測定されたグルコース信号は異常となる。
【0109】
これらの問題に対処するために、より高速のサンプリングレートを用いてノイズの詳細、例えば、摩擦電気ノイズの詳細、それ自体を相殺する傾向がない非摩擦電気/非一時的ノイズの詳細を(上記の電流オフセットの使用にも関わらず)取り込むことができて、より高いサンプリング(サンプリング間隔を減らすことおよび/またはオーバークロックすることによって)が、より遅いサンプリングレートでは通常認識されずに過ぎるノイズの傾向/特性を判定することを可能にする。これらの識別されたノイズ傾向/特性を用いて、よりよくノイズの原因/ソースを判定することができ、そして、適切な補正/補償の措置を実行することができる。
【0110】
上述のように、動作404で、変動が存在するという判定は、プロセッサ214により、以前の検体測定値傾向などのリファレンス情報を現在の検体測定値と比較して決定される。プロセッサ214が異常なデータの存在またはデータの変動を判定すると、プロセッサ214は測定/サンプリング間隔を調整することができる。すなわち、ポテンシオスタット210により用いられる測定/サンプリング間隔は、例えば、30秒から2秒まで減らすことができる。加えて、ASIC205は、例えば、クロック258をより高速に作動させてオーバークロックすることができる。例えば、0.5Hzの信号周波数では、2秒毎に1つのサンプルしか受信されない。受信するサンプルの数を増加させるために、オーバークロックすることを用いることができ、ここで、クロック258の基本周波数(32kHz)は、例えば、2倍、4倍、8倍などに増加される。
【0111】
別の内部ノイズ源は、製造工程中に、電極の間に取り残されるいくつかのアーチファクトまたは粒子(すなわち、ある種の抵抗)に由来するものであり得る。これらのアーチファクトのため、アーチファクトによりもたらされるこの抵抗により、若干の電流が電位差(電圧)にわたって流れることがあり得る。この電流は次に、測定されたグルコース信号における誤差をもたらす。従って、いくつかの実施形態では、寄生漏れによるノイズを低減する。
【0112】
上述の通り、持続的検体センサ122は、例えば、基準および作用/電流電極を含む各種の電極を有することができる。同様に、温度センサ252、動作センサ254、圧力センサ256などのセンサも、例えば、ASIC205を実装することができるPCBに接続する電極を有する。寄生漏れ電流を減らすために、作用電極信号は、同じ電圧電位の信号によって囲むことができる。すなわち、センサ回路は同一の電圧電位(ガードバンド)によって囲まれて、リーク電流(例えば、作用電極から接地面への電流の流れ)を排除することができる。言い換えれば、不必要な測定電流の流れが生じることがあり得る電位電圧差は、除去される。図7は、このようなガードバンドの例示の実装を示す。図7は電極700を示し、その周辺にはガードバンド702が実装されている。一実施形態において、プロセッサ214は、各種の電圧信号値、例えばセンサ電子装置モジュール126上の電圧信号値、電極上の電圧信号値をモニタすることができて、さらに各種のモニタされた電圧信号値を比較することができる。比較は周期的に、および/または、信号の変動が検出された時に実行することができる。一実施例において、プロセッサ214またはASIC205の適切な実体は次に、ガードバンド702の電圧電位の接続、切断および/または変更を適切に引き起こすことができる。いくつかの実施形態において、ガードバンドは、PCBの多層に実装することができて、作用電極を囲むことができ、そこではビアを使用して多層を接続することができる。
【0113】
タイミングおよびバッテリ障害補償
測定された検体/グルコース信号のノイズおよび/または変動を補償することに加えて、いくつかの実施形態は、タイミングエラーおよびバッテリ関連の中断および障害などを検出してそれに応じることも対象としている。
【0114】
タイミングエラーは、センサ電子装置モジュール126が破壊的な事象のためその時間を失うときに、発生することがあり得る。このような事象に応答して、クロック258を再同期するための処置をとることができる。例えば、センサ電子装置モジュール126は、ESD事象に見舞われることがあり得る。その結果、EGVデータは、間違った時間に送信されることがあり得て、および/または間違ったタイムスタンプと関連付けられることがあり得る。すなわち、ESD事象はクロック258のリセットに結果としてなることがあり得るので、ESD事象の発生の後に送信されるEGVデータは、「実際の」タイムスタンプの代わりに、「リセットされた」タイムスタンプに基づいて誤ってタイムスタンプが行われている。
【0115】
このタイプのタイミングエラーに対処するために、そして、図3および8を参照して、動作800で、プロセッサ314は、センサ電子装置モジュール126の動作において中断に見舞われた後に、現在のクロックタイム(すなわち、リアルタイムクロック320からの時間)を以前に格納されたクロックタイム(すなわち、メモリ318の格納された時間)と比較することができる。センサ電子装置モジュール126が、例えば、ESD事象のため時間を失ったならば、動作802で、現在のクロックタイムは前に格納されたクロックタイムに同期され、動作804で、EGVデータ転送に関連付けられたタイムスタンプは以前に格納されたクロックタイムに基づいてインクリメントされる。すなわち、プロセッサ314は、メモリ318から格納された時間を読み出すことができて、リアルタイムクロック320の時間ではなく格納された時間に基づいてインクリメントすることができる。このように、タイムスタンピング目的のために、次のEGV値に対してはこの値が使われる。加えて、プロセッサ314はリアルタイムクロック320をリセットすることができ、それがEGVデータのタイムスタンピングのために再び使用可能である。データ記憶メモリ220またはプロセッサ314の何らかのメモリがタイムスタンプをバッファリングすることができ、その結果、あらゆるクロックリセットはプロセッサ314によって判定することができ、そのポイントでプロセッサ314が上述した比較を実行して「実際の」クロック/タイムスタンプを取得することができる点に留意する必要がある。プロセッサ314は、ある期間の間リセットまたは「オフライン」状態にある他のコンポーネント検体センサシステム124に起因するESD事象を認識することもできる。さらに、あるタイプの監視回路を実装して、検体センサシステム124が正しく作動していることをプロセッサ314に知らせることができる。監視回路が(例えば、クロック320によって)正常動作していない場合には、プロセッサ314はESD事象のような事象が起こったとみなすことができる。
【0116】
バッテリ-関連エラーに関して、ESD事象によって、高電流ドレインのため異常に高いグルコース値に結果としてなっているセンサ電子装置モジュール126における誤差が生じる場合がある。従って、いくつかの実施形態はこのような高い電流モードを検出し、センサ電子装置モジュール126は高電流ドレインモードを出るために処置をとることができる。特に、いくつかの実施形態は汎用入出力(GPIO)ポート/ピンをモニタして、高電流ドレインモードを検出する。いくつかの実施形態では、例えば、「適切な」バッテリ寿命プロファイルはデータ記憶メモリ220に格納することができ、その結果、それは比較アルゴリズムを使用してサンプルバッテリ寿命測定値と比較することができる。サンプルバッテリ寿命測定値は、取得して、(通常であるかまたは適切な使用を仮定して)特定の時間において予想されるバッテリ寿命に基づいた適切なバッテリ寿命プロファイルと比較することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ234は、センサ電子装置モジュール406から切断することができ、既知のインピーダンスまたは電流ドロー特性を有する擬似負荷に接続して、その現在の電力レベルを判定することができる。他の実施態様において、クーロンカウンタを用いて、現在の電力レベルを判定するためにバッテリ234から引き出される電荷の累積量を表す値を提供することができる。バッテリ234が、センサ電子装置モジュール126またはそのコンポーネントと同様に、温度のために歪められたバッテリ寿命時間予測の犠牲になり得る点に留意する必要がある。従って、上で述べた実施形態に非常によく似て、温度センサ252を利用してセンサ電子装置モジュール126、持続的検体センサ122などの温度を判定する所では、温度センサ252をバッテリ234の動作温度を判定するために用いることもでき、そして、算出バッテリ寿命はこの動作温度に基づいて補償することができるかまたは調整することができる。
【0117】
この比較によって、プロセッサ214が、例えば、現在のバッテリ寿命プロファイルは適切なバッテリ寿命プロファイルから予想されるより速い腐食を示していると判定することを可能にでき、それは、センサ電子装置モジュール126が高電流ドレインモードを経験していることを示すことができる。一旦高電流ドレインモードが検出されると、プロセッサ214はセンサ電子装置モジュール126をリセットすることができる。前述のように、これが前に格納された時間に基づくクロック258のリセットまたは再同期を促すこともできる点に留意する必要がある。センサ電子装置モジュール126のような超低電流デバイスに対しては、従来のバッテリモニタリング機器がバッテリ寿命を減らし、上述した比較アルゴリズムは、バッテリ寿命にそれほど影響を与えない検出のための論理に依存する、ということにさらに留意する必要がある。上記のように、このような回路を追加することが付加的な補償を必要とするノイズを追加し得るので、このような実施形態はヒューズ/回路ブレーカを使用する上での改良でもある。
【0118】
製造中に、例えば、テスト/品質管理目的のために、電力はバッテリ234から引き出すことができる。従って、センサ電子装置モジュール126が宿主により用いられる前に、それはバッテリパワーの喪失に見舞われているであろう。従って、いくつかの実施形態は、ワイヤレス充電モードと、通常の、ばったり電力供給モードの間で切り替わることができる。特に、そして、図9Aにて図示したように、センサ電子装置モジュール126は、例えば、ASIC205の一部として実装されるエネルギーハーベスティングチップ280および充電チップ282を有することができる。このようにして、第1のモードの間(例えば、製造中に)、ワイヤレス充電器286を用いてワイヤレスで、センサ電子装置モジュール126に電力供給し、このことによりバッテリ234を消耗させることを回避することができる。エネルギーハーベスティングチップ280は、ワイヤレス充電器286から、そして、充電チップ282、ASIC205を介して電力を集めることができる。第2のモードにおいて(例えば、通常の使用の間)、ASIC205は、バッテリ234から電力を引き出すことができる。モード選択器284は、第1のモードから第2のモードに交互切替えするために用いることができる。モード選択器284は、第1のモードではバッテリ234をバイパスし、第2のモードではバッテリ234がASIC205に接続することを可能にする、スイッチ、論理的コンポーネントまたはトレースなどの永続しない回路でもよい。いくつかの実施形態では、バッテリ234は充電式バッテリでもよく、または別の充電式バッテリ234’を付加的な電源として使用してもよい。第1のモードの間、モード選択器284は、ASIC205および/またはASIC205に電力供給する充電式電池234’のワイヤレス充電を可能とすることができる。このモードの間、充電式電池234’はワイヤレス充電によって再充電することもできる。第2のモードにおいて、バッテリ234および/または充電式バッテリ234は、ASIC205に電力供給するために用いることができる。
【0119】
また、製造中に、情報またはデータログ作成の不足がある可能性があり、その結果として、通常の使用(宿主による)の間、バッテリ誤動作問題をトレースバックすることを困難にする。従って、いくつかの実施形態は、強化したデータログ作成を使用して製造段階の間にセンサ電子装置モジュール126および/またはバッテリ234について詳細を取り込み、それにより、これらの詳細を調査することができ、および/または通常の使用の間に発生したセンサ電子装置モジュール126および/またはバッテリ234に関する課題とおそらく関連付けることができる。特に、プロセッサ214は、宿主による使用の前に記憶モードに入れられる前と後の両方で、契約製造ステップならびにセンサ電子装置モジュール126および/またはバッテリ234の状態(例えば、バッテリレベル、リセット回数、モードスイッチングなど)に関するデータを(データ記憶メモリ220または、その中の、センサ電子装置モジュール126の寿命の全体にわたって持続する特殊パーティションに)ログ記録することができる。あるいは、このようなデータは、データ記憶メモリ220上の記憶空間に影響を与えないように、通信ポート238を介して特定のセンサ電子装置モジュールおよび/またはバッテリを識別する情報とともに、外部記憶装置に、例えば、クラウドベースのサーバに送信することができる。センサ電子装置モジュール126および/またはバッテリ234の後半の検査は、この以前に格納されたデータと関連付けることができる。この目的で、バッテリ234は、バッテリ234についての識別情報を提供することができるバッテリ集積回路(IC)を有することができる。この追加のデータログ作成は、ワイヤレス充電の上述した第1のモードのため、バッテリ234の寿命に、悪影響を与えるわけではない。契約製造ステップをログ記録することに加えて、データは、例えば、温度センサ252から集めることができ、製造工程の間、センサ電子装置モジュール126および/またはバッテリ234で生じる温度を示す気温データを取得することができる。さらに、そして、製造中の受信センサ情報、試験検体測定信号などに従って、プロセッサ214は、前述したように通常使用前オフセット、較正および他の補償の措置を実施することができる。
【0120】
さらにまた、バッテリが異なるバッテリ化学性質を有することができ、バッテリが、異なる製造業者から製造されるかまたは取得することができる。さらに、異なるモデルまたはセンサ電子装置モジュールのバージョンが、これらの異なるタイプのバッテリで使われ得る。バッテリ特性のこの変わりやすさならびにセンサ電子装置モジュールの特性の結果として、全体的に共通点がない性能特性となることがよくある。従って、いくつかの実施形態は、センサ電子装置モジュール126における可変なパラメータの再構成を考慮に入れる。
【0121】
特に、各タイプまたはモデルまたはセットのバッテリは、それら自身固有のバッテリ性能特性またはバッテリプロファイルを有することができる。これに含まれ得るのは、電圧範囲、持続的定格電流、パルス定格電流、電圧閾値などの動作特性であるが、これに限定されるものではない。センサ電子装置モジュール126において所与のバッテリはいつ充電が切れるか/バッテリはどれくらいの時間持続するかについて予測することを可能としておくために、センサ電子装置モジュール126の寿命の過程にわたってセンサ電子装置モジュール126のファームウェア/プロセッサによって実行される算出の際に、このようなバッテリパラメータが用いられる。後述するように、いくつかの実施形態では、(例えば、異なるタイプのバッテリに対する)1つ以上のバッテリ動作パラメータは、サーバ138からセンサ電子装置モジュール126に(例えば、ディスプレイ装置の1つを介して)送信することができる。
【0122】
センサ電子装置モジュール126の最適な性能を確実にするため、例えば、1つ以上のディスプレイ装置134a~eに、センサ情報の伝送の予想外のバッテリ消耗および潜在的な中断を回避するために、いくつかの実施形態では、センサ電子装置モジュール126をバッテリインストールの後でアップデートすることができる。図9Bは、センサ電子装置モジュール126によって実行されてバッテリ構成を達成する例示動作を示す。前に言及したように、1つ以上の動作パラメータが動作900で受信される。動作902で、時間とともに、バッテリ(例えば、バッテリ234)の性能特性がモニタされる。動作904で、センサ電子装置モジュール126は、1つ以上の受信動作パラメータに基づいて、バッテリ234のモニタされた性能特性が基準性能(例えば、データ記憶メモリ220に格納された既知のバッテリプロファイル)から逸脱するかどうかを判定する。もし逸脱する場合は、動作906で、1つ以上の動作パラメータは、例えば、通信ポート238を通じてワイヤレスで更新することができる。このようにして、センサ電子装置モジュール126の動作、例えばEGV伝送特性、ディスプレイ装置134a~eの1つ以上に対する接続プレファレンスなどは、バッテリ234の適切な性能特性に合わせて構成することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、動作パラメータが誤って入力される場合、境界を用いて潜在的なバッテリ問題を判定することができる。すなわち、そして、図9Cで動作910にて示すように、バッテリプロファイルを表す1つ以上の動作パラメータは、センサ電子装置モジュール126によって受信される。これらの動作パラメータは、その例は上で記載されているが、センサ電子装置モジュール126のファームウェアにより用いられて、バッテリプロファイルを特徴づけることができる。加えて、境界は、動作912で1つ以上の動作パラメータに基づいて入力される。これらの境界は、特定のバッテリと関連した1つ以上の動作パラメータに対する最小/最大の予想される性能特性を参照することができる。動作914で、センサ電子装置モジュール126は、1つ以上の動作パラメータが入力される境界を上回るかどうかを判定する。もし上回らない場合には、916で措置がとられる必要はない。すなわち、判定が製造中に実行される場合、センサ電子装置モジュール126はユーザによって電源投入されるまで、スリープまたは低消費電力記憶モードになることができる。センサ電子装置モジュール126がすでに作動中であるときに判定が実行される場合、それは作動し続けることができる。しかしながら、受信した1つ以上の動作パラメータが入力された境界を上回るとセンサ電子装置モジュール126が判定する場合、プロセッサ214は動作918で、ユーザインタフェース222またはディスプレイ装置134a~eに指示して、通知を表示するか、警告を発するかまたは、ユーザまたは製造従事者に動作パラメータが更新処理を必要とするというアラートを出すようにすることができる。いくつかの実施形態では、センサ電子装置モジュールは、異なるタイプのバッテリのための再構成可能なバッテリ動作パラメータ(例えば、電圧閾値)の1つに基づいて、いつアラート通知(例えば、低電圧に対して)を提供するべきかについて、決定することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、図9Aに示すように、電荷ポンプ288は、電力集中的な動作を行うために単一のバッテリ(例えば、バッテリ234)のバッテリ電圧を増加させる(例えば、2倍にする)可能性のある検体センサシステム124において実装することができる。このように、それらの実施形態で、追加バッテリが必要でない可能性があり、従って都合よく検体センサシステム124の物理的スペースを節約する(すなわち、余分のバッテリをインストールしないことによって)。電荷ポンプ288は、ASIC205に内部的に結合されてもよい。さらに、図9Dは、電荷ポンプ(電圧倍化器)920の等価なモデルの実施形態を示す。例えば、モデル920において、等価な抵抗器926は抵抗値が、Requiv=1/Cext*Fclockで、ここでCextはコンデンサ928の値であり、Fclock(Hz)は、クロックの周波数である。1つの実施形態においてCextの固定コンデンサ値によって、Fclockの値が電荷ポンプ288または920の等価抵抗Requivを決定し、これが電荷ポンプの出力電流容量(すなわち、それがどれだけの負荷を駆動することができるか)を決定する。言い換えれば、FclockおよびRequivは、出力電圧Vpを基本的に決定する。
【0125】
いくつかの実装において、電荷ポンプは、Fclock周波数を増加させることによってロードの急増に反応することができるフィードバック制御ネットワークを介して、作動することができる。しかしながら、制御機構の反応性質のため、出力電圧930は、図9Eに示すように、望ましくないリップルまたはグリッチが生じ得る。いくつかの実装において、出力電圧の望ましくないリップルは排除することができる。このような実装においては、プロセッサ214は、電力集約型の動作(例えば、センサデータのワイヤレス送信および/またはセンサデータの内部データベースアクセス)が発生するスケジュールまたはタイミングを識別して決定することができる。加えて、プロセッサ214は、それらの動作のペイロード(例えば、センサデータのワイヤレス送信および/またはセンサデータの内部データベースアクセスに関連した電力または電流消費量)を決定することができる。動作のスケジュールおよびペイロード情報に基づいて、プロセッサ214は、ペイロード情報に従って電荷ポンプ920の動作周波数、すなわち、Fclockの対応する値をそれらのスケジュールされた時間でのそれぞれの動作に算出して設定することができる。1つの実施形態において、プロセッサ214は、複数の動作のスケジュールおよびペイロード情報のためにデータベースにアクセスすることができて、さらにそれぞれの動作のための対応する算出動作周波数Fclockを保存することができる。例えば、プロセッサ214は、動作の1つに対応する算出周波数の1つで(ペイロード情報に基づく予め定められたスケジュールで)作動するように、電荷ポンプ288に指示することができる。このような方法の実装は、出力電圧932の電圧リップルまたはグリッチを(図9Fに示すように)最小化するかまたは、いくつかの場合では、除去して、センサ検体システム124の定常運転を確実にする。
【0126】
上述した実施形態/動作上のシナリオの各種の組合せは、異なる方法で組み合わせて、持続的検体計測システムにおいて1つ以上の所望の動作特性を成し遂げることができる点にも留意する必要がある。各種実施形態が持続的検体測定、例えば、持続的グルコースモニタリングの状況において記載されてきたにもかかわらず、各種実施形態は他の状況、例えば、生命信号のモニタリングのためにも適合することができる。
【0127】
本明細書において使用する場合、用語「モジュール」は、本出願の1つ以上の実施形態により実行することができる機能性の所与のユニットを説明するものであり得る。本明細書において使用する場合、モジュールは、あらゆる形のハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせを利用して実装され得るものである。例えば、1つ以上のプロセッサ、コントローラ、ASIC、PLA、PAL、CPLD、FPGA、論理的コンポーネント、ソフトウェアルーチンまたは他の機構は、1つのモジュールを形成するために実装されるかもしれない。モジュール、回路、プロセッサなどは、プリント回路基板(PCB)などに固定することができて、様々な形態をとることができる。実装において、本明細書において記載されている各種のモジュールは別々のモジュールまたは機能として実装してもよく、そして、記載されている特徴は1つ以上のモジュールの中で部分的に、または全体として共有することができる。言い換えれば、この記述を読んだ後に当業者にとって明らかであるように、本明細書において記載されている各種の特徴および機能性はいかなる所与のアプリケーションでも行うことができて、各種の組合せおよび置換の1つ以上の別々であるか共用のモジュールで行うことができる。機能性の各種の特徴または要素が別々のモジュールとして個々に記載されているかまたは請求されている場合であっても、これらの特徴および機能性が1つ以上の共通ソフトウェアおよびハードウェア要素間で共有することができるということ、そして、このような記述は別々のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントがこのような特徴または機能性を実装するために用いられることを必要とするかまたは意味するものではない、ということを当業者は理解するであろう。
【0128】
アプリケーションのコンポーネントまたはモジュールがソフトウェアを使用して全体的にあるいは部分的に行われる場合、一実施形態において、これらのソフトウェア要素は、それに関して記載した機能性を実行ができるコンピューティングまたは処理回路で動作するために、実装することができる。本明細書において開示されるシステムおよび方法の各種の機能を実装するために用いることができるそのような1つの例示コンピューティングモジュールは、図10に示される。各種実施形態が、この実施例コンピューティングモジュール1000に関して記載されている。この記述を読んだ後に、どのように他のコンピューティングモジュールかアーキテクチャを用いたアプリケーションを実装するべきかが、関連技術の当業者にとって明らかになるであろう。
【0129】
ここで図10を参照すると、コンピューティングモジュール1000は、例えば、自動調整のディスプレイ、デスクトップ、ラップトップ、ノートブックおよびタブレット型コンピュータの範囲内で見つかるコンピューティングまたは処理能力、携帯コンピューティング装置(タブレット、PDA、スマートフォン、携帯電話、パームトップなど)、ディスプレイを有するワークステーションまたは他のデバイス、サーバ、または所与の用途または環境に対して望ましいか、適当であり得る他のタイプのいかなる特殊目的または汎用のコンピューティング装置も表すことができる。例えば、コンピューティングモジュール1000は、ディスプレイ装置134a~eまたはセンサ電子装置モジュール126の1つの一実施形態でもよい。コンピューティングモジュール1000は、所与のデバイスの中に埋め込まれるかまたは利用できるコンピューティング能力も表してもよい。例えば、コンピューティングモジュールは、例として、携帯型コンピューティング装置および処理能力のいくつかの形を含み得る他の電子デバイスなどの他の電子デバイスで見つけてもよい。
【0130】
コンピューティングモジュール1000は、例えば、プロセッサ1004などの、1つ以上のプロセッサ、コントローラ、制御モジュールまたは、他の処理デバイスを含んでもよい。プロセッサ1004は、汎用または特殊目的処理エンジン、例えば、マイクロプロセッサ、コントローラまたは他の制御ロジックを使用して実装してもよい。図の例では、プロセッサ1004はバス1002に接続しているが、コンピューティングモジュール1000の他のコンポーネントとの対話を容易にするかまたは外部的に通信するために、いかなる通信媒体も用いることができる。
【0131】
コンピューティングモジュール1000はまた、本明細書においては単にメインメモリ1008と称する、1つ以上のメモリモジュールを含んでもよい。例えば、好ましくは、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミックメモリを、情報およびプロセッサ1004によって実行される命令を格納するために用いてもよい。メインメモリ1008はまた、プロセッサ1004によって実行される命令の実行中に一時的変数または他の中間の情報を格納するために用いてもよい。コンピューティングモジュール1000は、プロセッサ1004のための静的情報および命令を格納するための、バス1002に結合された読出し専用メモリ(「ROM」)または他の静的記憶装置を同様に含んでもよい。
【0132】
コンピューティングモジュール1000はまた、1つ以上の様々な形の情報記憶機構1010を含んでもよく、それは、例えば、媒体ドライブ1012および記憶装置インタフェース1020を含んでもよい。媒体ドライブ1012は、固定であるか着脱可能な記憶媒体1014をサポートするためのドライブまたは他の機構を含んでもよい。例えば、ハードディスクドライブ、固体ドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)またはディジタルビデオディスク(DVD)ドライブ(RまたはRW)、または、他の着脱可能であるか固定媒体ドライブは設けてもよい。従って、記憶媒体1014は、例えば、媒体ドライブ1012により読み出され、それに書き込まれ、またはそれによってアクセスされる、ハードディスク、集積回路アセンブリ、磁気テープ、カートリッジ、光ディスク、CDまたはDVDまたは他の固定または着脱可能媒体を含んでもよい。これらの実施例が示すように、記憶媒体1014は、その中にコンピュータソフトウェアまたはデータを格納している、計算機が使用可能な記憶媒体を含むことができる。
【0133】
別の実施例では、情報記憶機構1010は、コンピュータプログラムまたは他の命令またはデータがコンピューティングモジュール1000へロードされることを可能とする他の類似の手段を含んでもよい。このような手段は、例えば、固定であるか着脱可能な記憶装置1022およびインタフェース1020を含んでもよい。このような記憶装置1022およびインタフェース1020の実施例は、ソフトウェアおよびデータを記憶装置1022からコンピューティングモジュール1000へ転送することができる、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェース、着脱可能なメモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他の着脱可能なメモリモジュール)およびメモリースロット、PCMCIAスロットおよびカード、そして、他の固定またはリムーバブル記憶域ユニット1022およびインタフェース1020を含むことができる。
【0134】
コンピューティングモジュール1000はまた、通信インタフェース1024も含んでもよい。通信インタフェース1024は、ソフトウェアおよびデータがコンピューティングモジュール1000と外部デバイス、例えばクラウドベースのサーバまたは他の遠隔に配置される実体の間で転送可能とするために用いてもよい。通信インタフェース1024の実施例は、モデムまたはソフトモデム、ネットワークインタフェース(例えばイーサネット(登録商標)、ネットワークインタフェースカード、WiMedia、IEEE 802.XXXもしくは他のインタフェース)、通信ポート(例えば、USBポート、IRポート、RS232ポートBluetooth(登録商標)インタフェースもしくは他のポート)または他の通信インタフェースを含んでもよい。通信インタフェース1024を介して転送されるソフトウェアおよびデータは通常は信号で搬送されてもよく、それは所与の通信インタフェース1024によって交換することができる電子的、電磁的(光学的を含む)または他の信号であることができる。これらの信号は、チャネル1028を介して通信インタフェース1024に提供されてもよい。このチャネル1028は、信号を搬送してもよく、有線接続であるかワイヤレス通信媒体を用いて実装してもよい。チャネルのいくつかの実施例は、電話線、セルラリンク、RFリンク、光リンク、ネットワークインタフェース、ローカルまたは広域ネットワークおよび他の有線接続であるかワイヤレス通信チャネルを含んでもよい。
【0135】
本文書において、用語「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能な媒体」は、一般に一時的であるか非一時的媒体(例えば、メモリ1008、記憶装置1020、媒体1014およびチャネル1028)を指すために用いる。コンピュータプログラム媒体または計算機が使用可能な媒体のこれらの、そしてまた他の各種形式は、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のための処理デバイスへ伝達することに関係することができる。媒体に具体化されるこのような命令は、一般に、「コンピュータプログラムコード」または「コンピュータプログラム製品」(コンピュータプログラムまたは他のグループ化の形で分類することができる)と呼ばれる。実行されると、このような命令はコンピューティングモジュール1000が本明細書において述べられるような、本出願の特徴または機能を実行することを可能にしてもよい。
【0136】
方法およびシステム
以下の方法、センサ電子装置およびシステムが提供される。
【0137】
方法1: 検体センサから宿主の検体濃度を表す信号を受信することと、該信号をモニタすることと、該信号に変化があるどうかを判定することと、該信号の表示が該宿主の該検体濃度を少なくとも表すように該信号の該変化を補償することとを含む、コンピュータによる実行方法。
【0138】
方法2: 該信号の該変化の原因を判定することをさらに含む、方法1に記載の実施形態。
【0139】
方法3: 該信号の該変化の該原因を判定することは、該信号の該変化を検体センサシステムの1つ以上のセンサによって識別される事象に関連付けることを含む、方法2に記載の実施形態。
【0140】
方法4: 該信号の該変化の該原因および該信号の該変化のうち少なくとも1つに関する情報を、記録することとリモートサーバ、ローカルデータ記憶メモリおよびディスプレイ装置の少なくとも1つに送信することとのうち、少なくとも1つをさらに含む、方法2または3に記載の実施形態。
【0141】
方法5: 該信号の該変化は該宿主の該検体濃度を表す該信号に追加されるノイズ信号成分を含む、方法1に記載の実施形態。
【0142】
方法6: 該ノイズ信号成分のソースは該宿主の該検体濃度が判定される検体センサシステムの内部にある、方法5に記載の実施形態。
【0143】
方法7: 該ノイズ信号成分の該ソースは該検体センサシステム内部の回路を含む、方法6に記載の実施形態。
【0144】
方法8: 該信号の該変化を計上することは、該宿主の該検体濃度を表す該信号および該ノイズ信号成分が該オフセット電流に相応した量によって移されるように、該宿主の該検体濃度を表す該信号および該ノイズ信号成分にオフセット電流を追加することを含む、方法5に記載の実施形態。
【0145】
方法9: 該宿主の該検体濃度を測定するための検体センサの感度を増加することによって該ノイズ信号成分を相対的に低減することをさらに含む、方法5に記載の実施形態。
【0146】
方法10: 該検体センサの該感度を増加させることは該検体センサが作動する電流範囲を増加させることを含む、方法9に記載の実施形態。
【0147】
方法11: 該ノイズ信号成分のソースは該追加されるオフセット電流を含む、方法8に記載の実施形態。
【0148】
方法12: 較正手順を実行して該オフセット電流の該追加から生じている該ノイズ信号成分を少なくとも補償することにより該オフセット電流を決定することをさらに含む、方法11に記載の実施形態。
【0149】
方法13: 該較正手順の該実行は、該オフセット電流だけの測定を可能にするために該宿主の該検体濃度を測定するための検体センサの作用電極の動作を禁止することを含む、方法12に記載の実施形態。
【0150】
方法14: 該較正手順の該実行は、該作用電極の動作を有効にし、該オフセット電流を含む該宿主の該検体濃度を測定し、該測定されたオフセット電流を該宿主の該測定された検体濃度から減算することをさらに含む、方法13に記載の実施形態。
【0151】
方法15: 該較正手順は、予め定められたスケジュール、1回限りのベース、または、リアルタイムのうちの1つに従って実行される、方法14に記載の実施形態。
【0152】
方法16: 該信号の該変化は該宿主の該検体濃度を測定するための検体センサの温度ドリフトによって生じる変動を含む、方法1に記載の実施形態。
【0153】
方法17: 温度による該宿主の該検体濃度を表す該信号に追加されるオフセット電流の変動を補償するための温度較正を実行することをさらに含む、方法16に記載の実施形態。
【0154】
方法18: 該検体センサの該温度ドリフトは、該検体センサの基準電極のインピーダンス測定値に基づいて決定される、方法16に記載の実施形態。
【0155】
方法19: 該宿主の該検体濃度が測定されるサンプリング間隔の少なくとも1つを減らして、該宿主の該検体濃度を測定するための検体センサの回路をオーバークロックすることによって、該ノイズ信号成分の詳細を取り込むことをさらに含む、方法5に記載の実施形態。
【0156】
方法20: 該ノイズ信号成分のソースは、該宿主の該検体濃度を測定するための検体センサの少なくとも2つの電極の間の、電圧差全体のアーチファクトによって誘発された電流の流れを含む、方法5に記載の実施形態。
【0157】
方法21: 同じ電圧差を有するガードバンドを実装してアーチファクトによって誘発された電流の流れを補償することをさらに含む、方法5に記載の実施形態。
【0158】
方法22: 該ノイズ信号成分のソースは該宿主の該検体濃度が判定される検体センサシステムの外部にある、方法5に記載の実施形態。
【0159】
方法23: 1つ以上のセンサを介して該検体センサシステムの外部の該ノイズ信号成分を検出し、該宿主および該ノイズ信号成分の該検体濃度を表す該信号にオフセット電流を追加すること、および較正手順を実行して少なくとも該オフセット電流の該追加から生じている該ノイズ信号成分を補償することによって該オフセット電流を決定すること、のうち少なくとも1つによって該ノイズ信号成分を補償すること
をさらに含む、方法22に記載の実施形態。
【0160】
方法24: 該信号の該変化は該宿主の該検体濃度のスパイクを含む、方法1に記載の実施形態。
【0161】
方法25: 該スパイクを引き起こしている1つ以上の要因に基づく予め定められた調整量によって検体濃度値を直接調整することをさらに含む、方法24に記載の実施形態。
【0162】
方法26: 検体センサシステムのセンサ計測回路の動作の中断に見舞われた後に現在のクロックタイムを以前に格納されたクロックタイムと比較することと、該現在のクロックタイムを該以前に格納されたクロックタイムに同期させることと、該以前に格納されたクロックタイムに基づくEGVデータ転送と関連したタイムスタンプをインクリメントすることとを含む方法。
【0163】
方法27: 該現在のクロックタイムがそれにより決定されるリアルタイムクロックは該センサ計測回路の該動作の該中断によりリセットされ、該センサ計測回路の該動作の該中断は静電破壊事象を含む、方法26に記載の実施形態。
【0164】
システム28: 検体濃度データを送信するのに適合している検体センサと、該センサから検体濃度データを受信して、該検体濃度データの変化を検出するのに適合しているセンサ計測回路であって、該検体濃度データにおける予め定められた閾値を超えている変動を補償する、センサ計測回路とを含むシステム。
【0165】
システム29: 該検体濃度データの該変動に関連した情報を格納するのに適合しているメモリならびに、リモートサーバおよび異常な変動またはそこから引き出される情報を示すのに適合しているディスプレイ装置のうちの少なくとも1つに該変動に関連した情報を発信するのに適合している送信器、のうちの少なくとも1つをさらに含む、システム28に記載の実施形態。
【0166】
システム30: 該検体濃度データの該変動を潜在的に引き起こしている環境条件を判定する1つ以上の環境センサを含む、システム28または29に記載の実施形態。
【0167】
システム31: オフセット電流を、該検体濃度データを表す信号および該変動と関連したノイズ信号成分に、該検体濃度データおよび該ノイズ信号成分がゼロ値を上回るレベルにシフトされるように追加するのに適合している、オフセット電流回路をさらに含む、システム28または29に記載の実施形態。
【0168】
システム32: 該オフセット電流回路は、該ノイズ信号成分と関連したゼロピーク値が該検体濃度データを表す該信号より大きいという判定に応じて該オフセット電流を追加するために起動される、システム31に記載の実施形態。
【0169】
システム33: 該オフセット電流回路は1つ以上のプログラムされたオフセット電流に従って該オフセット電流を追加する、システム31に記載の実施形態。
【0170】
システム34: 該ノイズ信号成分を補償し、該追加したオフセット電流を該受信検体濃度データから減算して、該ノイズ信号成分の無い実際の検体濃度を表す検体濃度データを取得するために適合されるプロセッサをさらに含む、システム33に記載の実施形態。
【0171】
システム35: 該プロセッサは、該検体濃度データが測定されるサンプリング間隔の少なくとも1つを減らして、該検体センサの回路をオーバークロックすることによって該ノイズ信号成分の詳細を取り込むのにさらに適合している、システム34に記載の実施形態。
【0172】
システム36: 該検体センサの少なくとも2つの電極の間に存在するのと同じ電圧差を有していて該電圧差全体のアーチファクトによって誘発された電流の流れを補償するガードバンドをさらに含む、システム28に記載の実施形態。
【0173】
システム37: 該異常な変動を引き起こしている1つ以上の要因に基づく予め定められた調整量によって検体濃度データを直接調整するのに適合しているプロセッサをさらに含む、システム28に記載の実施形態。
【0174】
センサ電子装置38: プロセッサと、ノイズに影響を受けた受信検体濃度信号に該プロセッサによる該ノイズの存在の判定に応じてオフセット電流を印加するように構成されるオフセット回路とを含む、センサ電子装置。
【0175】
センサ電子装置39: オフセット回路によって生じるノイズを補償することによって該オフセット電流を決定する較正回路をさらに含む、センサ電子装置38に記載の実施形態。
【0176】
センサ電子装置40: 該プロセッサまたは該較正回路の1つは、該検体濃度信号に結果としてなる該オフセット電流だけの測定を有効にする該宿主の該検体濃度を測定するために検体センサの作用電極の動作を禁止する、センサ電子装置39に記載の実施形態。
【0177】
センサ電子装置41: 該プロセッサまたは該較正回路の1つは、該作用電極の動作を有効にして、該オフセット電流を含む該宿主の該検体濃度を測定し、該宿主の該測定された検体濃度から該測定されたオフセット電流を減算する、センサ電子装置39に記載の実施形態。
【0178】
センサ電子装置42: 該プロセッサまたは該較正回路の1つは、温度較正を実行して温度による該オフセット電流の変動を補償する、センサ電子装置39に記載の実施形態。
【0179】
センサ電子装置43: エネルギーハーベスティングチップ、充電チップおよびワイヤレス充電モードとバッテリ電力供給モードの間の切替えのためのモード選択器をさらに含む、センサ電子装置39に記載の実施形態。
【0180】
センサ電子装置44: ワイヤレス充電器が、第1のモードの間、該充電チップから電力を集めるのに適合している該エネルギーハーベスティングチップを介して、該センサ電子装置をワイヤレスで駆動する、センサ電子装置43に記載の実施形態。
【0181】
センサ電子装置45: バッテリが、第2のモードにおいて該センサ電子装置に電力を供給し、そして該バッテリは該第1のモードにおいてバイパスされる、センサ電子装置44に記載の実施形態。
【0182】
方法46: バッテリと関連した1つ以上の動作パラメータを、該バッテリにより提供される電力の下で作動しているシステムのプロセッサで受信することと、該バッテリの性能特性をモニタすることと、該1つ以上の受信した動作パラメータに基づいて、該モニタされた性能特性が基準性能特性から逸脱するかどうかを判定することと、該モニタされた性能特性が該基準性能特性から逸脱するという判定に応じて該1つ以上の動作パラメータをワイヤレスで更新することとを含む方法。
【0183】
方法47: 該基準性能特性は該バッテリと関連した既知のプロファイルを含む、方法46に記載の実施形態。
【0184】
方法48: 該バッテリの該更新された性能特性に従って該バッテリによって電源供給されるセンサ電子装置の動作を適合することをさらに含む、方法46に記載の実施形態。
【0185】
方法49: バッテリプロファイルを表す1つ以上の動作パラメータを、センサ計測回路を制御するプロセッサで受信することと、該1つ以上の動作パラメータに基づいて境界入力を受信することと、該1つ以上の受信した動作パラメータが該受信した境界入力の範囲内であるかどうかを判定することと、該1つ以上の受信した動作パラメータが該受信した境界入力の範囲外になると判定されると、該センサ計測回路と関連したユーザインタフェースに、該1つ以上の動作パラメータが更新処理を必要とするという通知を送付することとを含む方法。
【0186】
方法50: 該境界入力は該1つ以上の動作パラメータと関連した最小および最大の予想される性能特性を含む、方法49に記載の実施形態。
【0187】
方法51: 検体センサシステムの動作のスケジュール情報を決定することと、該動作と関連したペイロード情報を識別することと、該ペイロードおよびスケジュール情報に従って電荷ポンプの動作周波数を算出することと、該電荷ポンプに該動作の発生の間は該算出した動作周波数で作動するように指示することとを含む方法。
【0188】
方法52: 該動作は該検体センサシステムからのセンサデータの送信を含む、方法51に記載の実施形態。
【0189】
本開示が図面および前述において詳細に例証および記述されているが、このような例証および記述は、例証的であるか例示的であり、限定するものではないと考えるべきである。本開示は、開示された実施形態に限られていない。開示された実施形態に対する変形は、図面、開示および添付の請求の範囲の研究から請求された開示を実践する際に当業者によって理解することができて、遂行することができる。
【0190】
本明細書において引用されるすべての参照は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれているものとする。参照により引用したものとする刊行物および特許または特許出願が本仕様に含まれる開示に矛盾する範囲では、本仕様は、あらゆるそのような矛盾している材料に対して取って代わり、および/または優先することを意図している。
【0191】
定められない限り、すべての用語(専門的および科学的な用語を含む)は当業者にとってそれらの通常のおよび慣習的な意味を与えられるべきであり、本明細書において明白にそのように定められない限り、特別であるかカスタマイズされた意味に限られるべきではない。本開示の特定の特徴または態様を記載するときの特定の用語の使用は、用語が、その用語が関連する本開示の機能または態様のいかなる具体的特徴も含むために制限されるように本明細書において再定義されている、ということを意味すると解釈されるべきではない点に留意する必要がある。本出願およびその変形において使用する用語および表現は、特に添付の請求の範囲において、明白に述べられない限り、制限することとは反対に、拡張可能なものとして解釈されるべきである。前述の例として、用語「含んでいる(including)」は、「限定せずに含んでいる(including, without limitation)」、「含んでいるが、これに限定されるものではない(including but not limited to)」、などを意味するものとして読むべきである。本明細書で用いられる用語「含む(comprising)」は、「包含する(including)」、「有する(containing)」、または「特徴とする(characterized by)」と同義であり、そして、包含的または拡張可能なものであり、かつ、付加的で詳述されない要素または方法ステップを除外しない。用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at lest)」と解釈されるべきである。用語「含む(includes)」は、「含むが、これに限定されるものではない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである。用語「例(example)」は、考察の項目の典型的な例を提供するために用い、その網羅的または制限的なリストではない。形容詞(例えば「既知の(known)」、「通常の(normal)」、「標準の(standard)」などの形容詞ならびに類似の意味の用語は、記述される項目を、所与の期間に、または、所与の時点において利用可能な項目に、制限するものとして解釈されるべきではなく、その代わりに、現在あるいは将来のいつにおいても利用可能であり得る、既知であるか、通常であるか、標準の技術を包含するものとして読むべきである。そして、「好ましくは(preferably)」、「好ましい(preferred)」、「所望の(desired)」または「望ましい(desirable)」のような用語および類似の意味は、特定の特徴が本開示の構造または機能にとって決定的であるか、本質的であるか、重要でさえあるということを意味するように理解すべきではなく、しかし、その代わりに、特定の実施形態において利用されるか、利用されないかもしれない代替または追加的な特徴を協調することを単に意図していると理解すべきである。同様に、接続詞「および(and)」と連結されたグループの項目は、それらの項目のどの1つもグループ化の中に存在するということを必要とすると読むべきではなく、明示的に別段の定めをした場合を除き、むしろ「および/または(and/or)」と読むべきである。同様に、接続詞「または(or)」と連結されたグループの項目は、そのグループの間で相互の排他性を必要とするとして読むべきではなく、明示的に別段の定めをした場合を除き、むしろ「および/または(and/or)」と読むべきである。
【0192】
値の範囲が与えられている場合は、上限値および下限値ならびに、範囲の上下限の間に入る各値が実施形態の中に含まれると理解される
【0193】
本明細書において実質的にいかなる複数および/または単数用語の使用に関しても、当業者は、前後関係および/または用途にふさわしいように、複数から単数へ、および/または単数から複数へ変換することができる。各種の単数/複数の置換は、明確化のために本明細書において明白に記載することができる。不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。単一のプロセッサまたは他のユニットは、請求項において詳述されるいくつかの項目の機能を実現することができる。特定の手段が相互に異なる従属クレームにおいて詳述されるという単なる事実は、これらの手段の組合せが有効に使われることができないということを示すものではない。請求項のいかなる参照記号も、範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【0194】
導入される請求項記載において具体的な数が意図される場合はそのような意図は請求項において明示的に記載され、そのような記載が無い場合はそのような意図は存在しない、ということが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの」および「1つ以上の」の使用を含んで、請求項記載を導入することができる。しかしながら、同じ請求項が導入句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」および、「a」または「an」などの不定冠詞を含むときでも、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項記載の導入が、そのような記載だけを含む実施形態に対して、このような導入された請求項記載を含むあらゆる特定の請求項を制限することを意味する、と解釈されるべきではない(例えば、「a」または「an」は、通常は、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」ということを意味すると解釈されるべきである)。請求項記載を導入するために用いる定冠詞の使用についても、同じことが当てはまる。加えて、導入された請求項記載の特定の数が明示的に記載される場合であっても、当業者は、このような記載が通常は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語なしで、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、少なくとも2つの記載事項または2つ以上の記載事項を通常は意味する)。さらに、「A、BおよびCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記法が使用される例では、一般的に、そのような構造は、当業者がその表記法を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、BおよびCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCの全て、などを有するシステムを含むがこれに限定されない)。「A、BまたはCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記法が使用される例では、一般的に、そのような構造は、当業者がその表記法を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、BまたはCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCの全て、などを有するシステムを含むがこれに限定されない)。2つ以上の選択可能な用語を表す実質的にあらゆる離接語および/または離接句は、説明文内か、請求の範囲内か、または図面内かにかかわらず、それら用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、または用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という句は、「AまたはB」または「AおよびB」の可能性を含むことが理解されるであろう。
【0195】
仕様において使われる成分の量、反応条件などを表しているすべての数は、用語「およそ」によってすべての例において修正されると理解されるべきである。従って、相反して示されない限り、本明細書において記載される数値的なパラメータは、取得されようとする所望の特性によって変化し得る近似値である。少なくとも、そして、本出願に優先権を主張しているいかなる出願のいかなる請求項の範囲にも均等論の出願を制限する試みではなく、各数値的なパラメータは有効数字の数および通常の丸めの方法を考慮して解釈されるべきである。
【0196】
さらにまた、前述が明快さおよび理解のために図と例によってある程度詳細に記載されていたにもかかわらず、一定の変更および修正を実践することができることは当業者にとって明らかである。従って、記述および実施例は、本明細書において記載されている特定実施形態および実施例に本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、本開示の真の範囲および趣旨に付随するすべての修正および変形例をカバーするためのものである。
【符号の説明】
【0197】
100 持続的検体モニタリングシステム
122 持続的検体センサ
124 検体センサシステム
126 センサ電子装置モジュール
128 「アップリンク」信号
138 長距離ダウンリンク信号
140 リモートサーバ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10