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特許7059210車両設備管理システムおよび車両設備管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-15
(45)【発行日】2022-04-25
(54)【発明の名称】車両設備管理システムおよび車両設備管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220418BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220418BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20220418BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 350
H04L67/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019009924
(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公開番号】P2020119275
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】渡 光之介
【審査官】岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-238941(JP,A)
【文献】特開2013-195708(JP,A)
【文献】特開2018-150724(JP,A)
【文献】国際公開第2018/230720(WO,A1)
【文献】浦田 耕二 外7名,質問応答技術に基づくマルチモーダルヘルプシステム,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会 ,2004年04月16日,Vol.2004 No.36,pp.23-29
【文献】筒井 秀樹 外5名,質問応答型検索の音声認識誤りに対するロバスト性向上,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会,2005年04月15日,Vol.2005 No.22,pp.31-38
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 13/00
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用可能な設備が搭載され、ユーザに貸し出される車両の前記設備に関する管理を行う車両設備管理システムであって、
事前の契約に基づく使用の許可/非許可を前記設備ごとに管理する使用可否管理部と、
使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことを検出する使用意思検出部と、
前記使用意思検出部により、使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことが検出された場合、警告する警告部と、
使用が許可されていない前記設備をユーザが所定の態様で使用した場合、その使用について発生する追加料金を算出する追加料金算出部とを備える
ことを特徴とする車両設備管理システム。
【請求項2】
ユーザが使用可能な設備が搭載され、ユーザに貸し出される車両の前記設備に関する管理を行う車両設備管理システムであって、
事前の契約に基づく使用の許可/非許可を前記設備ごとに管理する使用可否管理部と、
使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことを検出する使用意思検出部と、
前記使用意思検出部により、使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことが検出された場合、警告する警告部と、
前記車両が返却された後、問い合わせに応じて、ユーザにより使用された設備を通知する使用状況通知部とを備える
ことを特徴とする車両設備管理システム
【請求項3】
前記使用可否管理部は、前記設備ごとに使用の許可/非許可を管理する一方、前記警告部により警告が行われた場合、ユーザが使用しようとしていたまたは使用した前記設備についての契約の変更を指示できるインターフェースを提供し、前記インターフェースに対する入力に応じて契約を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の車両設備管理システム。
【請求項4】
ユーザにより前記設備の使用方法を問い合わせる音声が発話され、その音声が前記車両の車内に設けられたマイクにより収音された場合、その音声を認識し、所定の手段で応答する応答部を更に備えることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の車両設備管理システム。
【請求項5】
前記応答部は、ユーザの発話音声を認識して回答文を生成し、回答文に対応する音声を前記車両の車内に設けられたスピーカから出力させることを特徴とする請求項に記載の車両設備管理システム。
【請求項6】
ユーザが使用可能な設備が搭載され、ユーザに貸し出される車両の前記設備に関する管理を行う車両設備管理システムによる設備管理方法であって、
前記車両設備管理システムの使用可否管理部が、事前の契約に基づく使用の許可/非許可を前記設備ごとに管理するステップと、
前記車両設備管理システムの使用意思検出部が、使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことを検出するステップと、
前記車両設備管理システムの警告部が、前記使用意思検出部により、使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことが検出された場合、警告するステップと、
前記車両設備管理システムの追加料金算出部が、使用が許可されていない前記設備をユーザが所定の態様で使用した場合、その使用について発生する追加料金を算出するステップと、
を含むことを特徴とする車両設備管理方法。
【請求項7】
ユーザが使用可能な設備が搭載され、ユーザに貸し出される車両の前記設備に関する管理を行う車両設備管理システムによる設備管理方法であって、
前記車両設備管理システムの使用可否管理部が、事前の契約に基づく使用の許可/非許可を前記設備ごとに管理するステップと、
前記車両設備管理システムの使用意思検出部が、使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことを検出するステップと、
前記車両設備管理システムの警告部が、前記使用意思検出部により、使用が許可されていない前記設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことが検出された場合、警告するステップと、
前記車両設備管理システムの使用状況通知部が、前記車両が返却された後、問い合わせに応じて、ユーザにより使用された設備を通知するステップと、
を含むことを特徴とする車両設備管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両設備管理システムおよび車両設備管理方法に関し、特に、車両に搭載された設備に関する管理を行う車両設備管理システムおよび車両設備管理方法に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに車両を貸し出すサービスとしてレンタカーサービスや、カーシェアリングサービスが存在する。各サービスでは、基本的には、ユーザが車両を借り受けて使用し、その対価を支払う。
【0003】
なお、特許文献1には、ユーザの旅行や観光を支援する旅行システムについて、ユーザの入力に基づいて、訪問する観光地や、使用する交通手段等の項目を含むプラン案を生成して保存しておく一方、ユーザの実際の活動記録に基づいて事後的にプラン案を変更し、ユーザに提案する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-139263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザに車両を貸し出すサービスの普及に応じて、今後、乗用車のみならず、様々な種類の車両が貸し出されるようになる(または貸し出しが行われることがより普及する)ことが想定される。特に、ユーザが使用したりしなかったりする設備が設けられた車両(以下、このような車両を「設備搭載車両」という)も貸し出しの対象となる(または貸し出しが行われることがより普及する)ことが想定される。設備搭載車両の一例はキャンピングカーであり、キャンピングカーには設備として、冷蔵庫や、コンロ、バスルーム、トイレ、キッチン、外で使用するテント等の設備が搭載されている。この他、設備搭載車両の例としては、冷蔵庫やカラオケシステムが設けられた大型車等がある。
【0006】
設備搭載車両を貸し出す場合、設備に関してどのように課金するかが問題となる。この点に関し、ユーザが全ての設備を使用するものとして、全ての設備に対応する料金を課金した場合、ユーザによっては使用する設備としない設備があるため、ユーザにとって不必要な費用負担が発生する可能性がある。これを踏まえ、使用できる設備と使用できない設備とを事前に厳密に取り決め、使用できるとした設備についてのみ対応する料金を課金するようにすると、ユーザは、設備搭載車両を借り受ける際、自分が何を使用でき、何を使用できないのかを完全に把握した上で使用する必要があり、ユーザの利便性が低下する可能性がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、設備が搭載された車両の貸し出しに関し、不必要な費用負担が発生することを抑制すると共に、ユーザの利便性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、事前の契約に基づく使用の許可/非許可を設備ごとに管理し、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとしていることまたは使用したことを検出し、警告するようにしている。更に使用が許可されていない設備をユーザが所定の態様で使用した場合、その使用について発生する追加料金を算出するか、或いは、車両が返却された後、問い合わせに応じて、ユーザにより使用された設備を通知するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、使用の許可/非許可が設備ごとに管理されるため、この管理の下、使用が許可された設備についてのみ課金することが可能となり、ユーザにとって不必要な費用負担が発生することを抑制できる。その上で、本発明によれば、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとした場合または使用した場合、警告がなされ、ユーザは警告に基づいて、使用が許可されていない設備を使用しようとしたこと(または使用したこと)を認識できる。このため、ユーザは、設備搭載車両を借り受ける際、自分が何を使用でき、何を使用できないのかを完全に把握する必要がなく、ユーザの利便性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るカーシェアリングサービス提供システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る制御サーバおよび携帯端末の機能構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る車載装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4】契約変更画面の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る携帯端末および制御サーバの動作例を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る車載装置および制御サーバの動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る車載装置および制御サーバの動作例を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る制御サーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るカーシェアリングサービス提供システム1(特許請求の範囲の「車両設備管理システム」に相当)の構成例を示す図である。図1に示すように、カーシェアリングサービス提供システム1は、制御サーバ2を有する。この制御サーバ2は、インターネット、電話網、その他の通信網を含んで構成されたネットワークNに接続されている。このネットワークNには、複数の車載装置3と、複数の携帯端末4とが接続されている。
【0012】
カーシェアリングサービス提供システム1は、ユーザに対してカーシェアリングサービスを提供するシステムである。説明の便宜のため、本実施形態でカーシェアリングサービスによりユーザに貸し出される車両は全て、キャンピングカーであるものとする。一般に、キャンピングカーには、冷蔵庫や、コンロ、バスルーム、トイレ、キッチンシンク、外で使用するテント等のユーザが使用を希望したりしなかったりする設備が設けられている。本実施形態では、ユーザに貸し出される車両は全て、設備として、冷蔵庫、トイレ、および、テントが設けられているものとする。後に明らかとなる通り、本実施形態では、カーシェアリングサービス提供システム1は、ユーザが使用を希望したりしなかったりする設備が設けられているというキャンピングカーの特徴に適した態様でカーシェアリングサービスを提供する。
【0013】
制御サーバ2は、カーシェアリングサービスを提供する会社(以下、「カーシェアリング提供会社」という)が管理するサーバ装置であり、カーシェアリングサービスの提供に関する各種処理を実行する。なお、図1および後述する図2では、制御サーバ2を1つのブロックにより表しているが、これは制御サーバ2が単一のサーバ装置により構成されることを意味するものではなく、制御サーバ2は、複数のサーバ装置により構成されてもよい。
【0014】
車載装置3は、カーシェアリング提供会社が貸し出すキャンピングカーに搭載された装置である。車載装置3は、制御サーバ2に対するクライアントとして機能する。
【0015】
携帯端末4は、ユーザが所持する携帯型の端末である。本実施形態では、携帯端末4は、前面の広い領域にタッチパネルが設けられた板状の端末(例えば、いわゆるスマートフォンや、タブレット型コンピュータ)であるものとする。ただし、携帯端末4の形態は、本実施形態で例示する形態に限られず、一例として、タブレット型ではないモバイル型コンピュータや、腕時計型のウェアラブル端末等であってもよい。
【0016】
本実施形態では、携帯端末4を所持するユーザは、カーシェアリング提供会社に事前に会員登録をしており、カーシェアリング提供会社が提供するカーシェアリングサービスを利用できる。本実施形態において、ユーザは、以下の態様でカーシェアリングサービスを利用する。すなわち、キャンピングカーを借り受ける場合、ユーザは、事前にキャンピングカーを予約する。キャンピングカーの予約については後述する。次いで、ユーザは、待機施設に赴き、必要な手続きを行ってキャンピングカーを借り受ける。待機施設とは、キャンピングカーのユーザへの貸し出し、および、ユーザからの返却が行われる施設であり、カーシェアリング提供会社により各地に設けられている。ユーザは、借り受けたキャンピングカーを所望の期間、使用した後、返却する。キャンピングカーを返却する場合、ユーザは、キャンピングカーで待機施設に赴き、必要な手続きを行ってキャンピングカーを返却する。なお、カーシェアリングサービスでは、車両の返却に関し、返却する待機施設を特定の待機施設とするラウンドトリップ方式や、任意の待機施設とするワンウェイ方式がある。
【0017】
図2は、制御サーバ2および携帯端末4の機能構成例を示すブロック図である。図3は、車載装置3の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、制御サーバ2は、機能構成として、通信部10、使用可否管理部11、使用意思検出部12、警告部13、応答部14、追加料金算出部15および使用状況通知部16を備えている。図2に示すように、携帯端末4は、機能構成として、通信部20および専用アプリ実行部21を備えている。図3に示すように、車載装置3は、機能構成として、通信部30、センサ検出値送信部31および統括制御部32を備えている。
【0018】
上記各機能ブロック10~17、20、21、30~32は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック10~17、20、21、30~32は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0019】
制御サーバ2の通信部10、携帯端末4の通信部20および車載装置3の通信部30は、所定の通信規格に従って、ネットワークNと接続する外部装置と通信する機能ブロックである。また、携帯端末4の専用アプリ実行部21は、カーシェアリング提供会社から提供されて、携帯端末4にインストールされた専用のアプリケーション(以下、「専用アプリ」という)の機能により各種処理を実行する機能ブロックである。
【0020】
図2に示すように、制御サーバ2は、記憶手段として、記憶部18を備えている。記憶部18は、ハードディスク等の不揮発性記憶装置を備え、少なくとも、設備管理データベース19を記憶する。設備管理データベース19の内容については後述する。
【0021】
以下、キャンピングカーの予約が行われる予約段階、予約されたキャンピングカーが実際に貸し出されて使用される使用段階、および、キャンピングカーの返却が行われる返却段階(返却後の期間を含む)に分けて、各装置の各機能ブロックの機能について説明する。
【0022】
<予約段階>
まず、予約段階における各装置の各機能ブロックの機能について説明する。キャンピングカーを予約する前に、ユーザは、専用アプリを自身の携帯端末4にインストールする。そして、ユーザは、キャンピングカーを予約する場合、専用アプリを起動し、所定の操作を行って、予約ページの表示を指示する。当該指示に応じて、携帯端末4の専用アプリ実行部21は、図示しない予約管理システムの所定のURLにアクセスする。当該所定のURLへのアクセスに応じて、予約管理システムは、画像情報(HTMLファイル等)を携帯端末4に送信し、予約ページを表示させる。なお、詳細は省略しているが、当該所定のURLへのアクセスがあった際に適切にユーザ認証が行われる。
【0023】
予約ページは、キャンピングカーの借り受けを開始する日時(年月日+時刻)を入力する入力欄と、キャンピングカーを借り受ける待機施設を指定する情報を入力する入力欄とを有する。ユーザは、自身が待機施設を訪問しキャンピングカーを借り受ける日時と、自身が訪問する待機施設を指定する情報を各入力欄に入力する。また、予約ページは、キャンピングカーに設けられた設備(本実施形態では、冷蔵庫、トイレおよびテント)を選択する選択欄を有する。当該選択欄により、全ての設備を選択することも可能であり、1つの設備も選択しないことも可能である。ユーザは、当該選択欄を利用してキャンピングカーを借り受けた後、自身が使用することを希望する設備を選択する(ただし、1つも選択しなくてもよい)。本実施形態では、予約ページの選択欄を利用して、ある設備を選択することは、その設備の使用について契約することに相当する。従って、予約ページの選択欄を利用してユーザが選択した設備は、契約の下で使用が許可され、選択していない設備は、契約の下で使用が許可されないことになる。
【0024】
予約ページへの入力が確定すると、図示しない予約管理システムにより、予約ごとに一意な予約IDが発行されると共に、予約ID、ユーザID、貸し出しを開始する日時、貸し出しが行われる待機施設、契約により使用可能な設備の種類、その他の予約に関して管理すべき情報の管理が開始される。予約管理システムによる予約の管理についての詳細は割愛する。
【0025】
また、予約ページへの入力が確定すると、予約管理システムから使用可否管理部11に対して、予約IDと対応付けて、予約ページの選択欄で選択された設備を示す情報が通知される。使用可否管理部11は、予約管理システムからの通知に基づいて、予約ID、および、予約ページの選択欄で選択された設備を認識する。次いで、使用可否管理部11は、記憶部18に記憶された設備管理データベース19にアクセスし、1件のレコードを生成する。
【0026】
設備管理データベース19の1件のレコードは、ユーザにより行われた予約ごとに、予約IDと、冷蔵庫契約フラグと、トイレ契約フラグと、テント契約フラグと、冷蔵庫追加料金フラグと、トイレ追加料金フラグと、テント追加料金フラグとを有する。以下の説明では、冷蔵庫契約フラグ、トイレ契約フラグおよびテント契約フラグを総称して「契約フラグ」という。また、冷蔵庫追加料金フラグ、トイレ追加料金フラグおよびテント追加料金フラグを総称して「追加料金フラグ」という。使用可否管理部11は、生成するレコードの予約IDの値を、予約管理システムにより発行された予約IDの値とする。使用可否管理部11は、予約ページの選択欄でユーザに選択された設備の契約フラグをオンする一方、選択されなかった設備の契約フラグをオフする。例えば、冷蔵庫が選択された一方、それ以外の設備が選択されなかった場合、使用可否管理部11は、冷蔵庫契約フラグをオンする一方、トイレ契約フラグおよびテント契約フラグをオフする。また、使用可否管理部11は、冷蔵庫追加料金フラグ、トイレ追加料金フラグおよびテント追加料金フラグをオフする。
【0027】
以上のように、使用可否管理部11は、ユーザに貸し出されるキャンピングカーについて、記憶部18に記憶された設備管理データベース19を利用して、事前の契約に基づく使用の許可/非許可を設備ごとに管理する。
【0028】
<使用段階>
次に、予約されたキャンピングカーが実際に貸し出されている使用段階における各装置の各機能ブロックの機能について説明する。以下では、ユーザが、指定した日時に、指定した待機施設に訪問し、ユーザへのキャンピングカーの貸し出しが行われている状態であるものとする。また、以下において、ユーザにキャンピングカーが貸し出されてから、返却されるまでの期間を「使用期間」という。
【0029】
図3に示すように、車載装置3は、車内の音声を収音するマイク35、車内に音声を出力するスピーカ36、および、画像の表示とタッチ操作の検出とを行うタッチパネル37を備えている。また、車載装置3は、冷蔵庫関連センサ38、トイレ関連センサ39およびテント関連センサ40を備えている。
【0030】
冷蔵庫関連センサ38は、冷蔵庫の電源がオフからオンに切り替わった場合に、そのことを示す検出値を出力する。本実施形態では、使用する設備として冷蔵庫が選択されている場合には、冷蔵庫の電源がオンされた状態でキャンピングカーが貸し出される一方、選択されていない場合には、冷蔵庫の電源がオフされた状態でキャンピングカーが貸し出される。使用する設備として冷蔵庫が選択されていない場合(冷蔵庫の使用が許可されていない場合)において、冷蔵庫の電源がオンされた場合、ユーザが冷蔵庫を使用しようとしているものと想定される。また、冷蔵庫関連センサ38は、冷蔵庫の電源がオフからオンとなった後、一定期間以上、オンの状態が継続した場合、そのことを示す検出値を出力する。電源がオンされた状態が一定期間継続した場合、ユーザが、物の冷却のために、冷蔵庫の機能が発揮されるような態様で冷蔵庫を使用したものと想定される。
【0031】
トイレ関連センサ39は、トイレのドアが閉状態から開状態へと変化した場合に、そのことを示す検出値を出力する。トイレのドアが閉状態から開状態へと変化した場合、ユーザがトイレを使用しようとしているものと想定される。また、トイレ関連センサ39は、トイレに使用する水を貯留するタンクの貯水量が初期値から一定量以上低下した場合、そのことを示す検出値を出力する。タンクの貯水量が初期値から一定量以上低下した場合、ユーザが、トイレの機能が発揮されるような態様でトイレを実際に使用したものと想定される。
【0032】
テント関連センサ40は、キャンピングカーの車内でテントを位置決めするロック機構のロックが外された場合に、そのことを示す検出値を出力する。本実施形態では、テントがロック機構にロックされた状態でキャンピングカーが貸し出される。ロック機構のロックが外された場合、ユーザがテントを使用しようとしているものと想定される。また、テント関連センサ40は、ロック機構のロックが外された後、ロック機構の収納部からテントが取り外された場合に、そのことを示す検出値を出力する。ロック機構の収納部からテントが取り外された場合、ユーザが、テントの機能が発揮されるような態様でテントを使用するために取り外したものと想定される。
【0033】
以下の説明では、冷蔵庫関連センサ38が出力する「冷蔵庫の電源がオフからオンに切り替わったことを示す検出値」、トイレ関連センサ39が出力する「トイレのドアが閉状態から開状態へと変化したことを示す検出値」、および、テント関連センサ40が出力する「ロック機構のロックが外されたことを示す検出値」を総称して「使用意思検出値」という。
【0034】
また、以下の説明では、冷蔵庫関連センサ38が出力する「冷蔵庫の電源がオフからオンとなった後、一定期間以上、オンの状態が継続したことを示す検出値」、トイレ関連センサ39が出力する「タンクの貯水量が初期値から一定量以上低下したことを示す検出値」、および、テント関連センサ40が出力する「ロック機構の収納部からテントが取り外されたことを示す検出値」を総称して「実際使用検出値」という。
【0035】
車載装置3のセンサ検出値送信部31は、キャンピングカーに設けられたセンサから使用意思検出値を入力した場合、制御サーバ2の使用意思検出部12に使用意思検出値関連情報を送信する。使用意思検出値関連情報は、予約IDと、設備の種類を示す情報と、入力した使用意思検出値に対応する情報とを含む情報である。なお、予約IDは、キャンピングカーがユーザに貸し出される前の所定のタイミングで、車載装置3に登録される。例えば、冷蔵庫の電源がオンからオフに切り替わったことを示す使用意思検出値を冷蔵庫関連センサ38から入力した場合、センサ検出値送信部31は、予約IDと、設備の種類が冷蔵庫であることを示す情報と、冷蔵庫の電源がオンからオフに切り替わったことを示す情報とを含む使用意思検出値関連情報を制御サーバ2の使用意思検出部12に送信する。
【0036】
制御サーバ2の使用意思検出部12は、使用意思検出値関連情報を受信した場合、以下の処理を実行する。すなわち、使用意思検出部12は、記憶部18に記憶された設備管理データベース19を参照し、当該データベースのレコードのうち、受信した使用意思検出値関連情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する。次いで、使用意思検出部12は、特定したレコードの契約フラグ(冷蔵庫契約フラグ、トイレ契約フラグまたはテント契約フラグ)のうち、使用意思検出値関連情報に含まれる情報が示す設備の種類に対応する契約フラグがオンであるかオフであるかを判定する。
【0037】
契約フラグがオンの場合、使用意思検出部12は、受信した使用意思検出値関連情報を破棄する。なお、契約フラグがオンの場合、事前の契約により使用が許可されている設備をユーザが使用しようとしたものと想定される。一方、契約フラグがオフの場合、使用意思検出部12は、使用意思検出値関連情報を警告部13に出力する。なお、契約フラグがオフの場合、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとしたものと想定される。
【0038】
例えば、使用意思検出部12は、所定値の予約IDと、設備の種類が冷蔵庫であることを示す情報と、冷蔵庫の電源がオンからオフに切り替わったことを示す情報とを含む使用意思検出値関連情報を受信した場合、以下の処理を実行する。すなわち、使用意思検出部12は、設備管理データベース19のレコードのうち、所定値の予約IDに対応するレコードを特定する。次いで、使用意思検出部12は、特定したレコードの契約フラグのうち、冷蔵庫契約フラグがオンであるかオフであるかを判定する。契約フラグがオンの場合、使用意思検出部12は、受信した使用意思検出値関連情報を破棄する。一方、契約フラグがオフの場合、使用意思検出部12は、使用意思検出値関連情報を警告部13に出力する。
【0039】
警告部13は、使用意思検出部12から使用意思検出値関連情報を入力した場合に、以下の処理を実行する。すなわち、警告部13は、車載装置3の統括制御部32に警告情報を送信する。本実施形態では、警告情報は、スピーカ36から案内用音声を出力させるための音声情報と、タッチパネル37に案内用画像を表示させるための画像情報とを含む。
【0040】
案内用音声は、(1)現時点の契約ではユーザが使用しようとしている設備の使用が許可されていないこと、(2)設備を使用する場合は、契約内容を変更する必要があること、を伝える音声である。一例として、案内用音声は、「契約プランでは、本設備は利用することはできません。利用する場合は、契約内容の変更を実施してください。」という文言の音声である。案内用画像は、案内用音声と同様の事項を伝えるための画像であり、一例として、上述した文言が表示された画像である。更に、案内用画像には、タッチ操作可能な契約変更指示ボタンが含まれる。契約変更指示ボタンは、契約を変更する場合にタッチ操作されるボタンである。
【0041】
車載装置3の統括制御部32は、制御サーバ2の警告部13から警告情報を受信した場合、受信した警告情報に含まれる音声情報に基づいて、スピーカ36から案内用音声を出力する。更に、統括制御部32は、受信した警告情報に含まれる画像情報に基づいてタッチパネル37に案内用画像を表示する。この結果、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとした場合、スピーカ36から案内用音声が出力されると共に、タッチパネル37に案内用画像が表示され、ユーザが、使用が許可されていない設備をしようとしていることを認識することになる。
【0042】
ここで、キャンピングカーの利用料金に関し、使用できる設備と使用できない設備とを事前に厳密に取り決め、使用できるとした設備についてのみ対応する料金を課金するようにすると、ユーザは、キャンピングカーを借り受ける際、自分がどの設備を使用でき、どの設備を使用できないのかを完全に把握した上で使用する必要があり、ユーザの利便性が低下する可能性がある。一方、本実施形態によれば、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとした場合、警告がなされ、ユーザは警告に基づいて、使用が許可されていない設備を使用しようとしたことを認識できる。このため、ユーザは、キャンピングカーを借り受ける際、自分が何を使用でき、何を使用できないのかを完全に把握する必要がなく、ユーザの利便性の低下を抑制できる。
【0043】
なお、本実施形態では、キャンピングカーの車内に設けられたスピーカ36により音声で警告が行われると共に、車内に設けられたタッチパネル37により画像で警告が行われる構成であるが、警告が行われる方法は本実施形態で例示する方法に限られない。一例として、ユーザの携帯端末4の専用アプリに対するプッシュ通知や、メールにより通知されるようにしてもよい。また、キャンピングカーのテレビや、リアビジョンへ等のタッチパネル37以外の表示装置に画像を表示する(その際、音声を出力するようにしてもよい)ことにより、警告を行う構成でもよい。
【0044】
警告情報に基づく警告を行った後、統括制御部32は、案内用画像に含まれる契約変更指示ボタンがタッチ操作されたか否かを監視する。契約変更指示ボタンがタッチ操作された場合、統括制御部32は、予約IDと、契約変更指示ボタンがタッチ操作されたことを示す情報とを含む契約変更要求情報を制御サーバ2の使用可否管理部11に送信する。
【0045】
制御サーバ2の使用可否管理部11は、契約変更要求情報を受信した場合、以下の処理を実行する。すなわち、使用可否管理部11は、記憶部18に記憶された設備管理データベース19を参照し、契約変更要求情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する。次いで、使用可否管理部11は、特定したレコードに基づいて、タッチパネル37に契約変更画面45(図4)を表示させるための画像情報を生成する。契約変更画面45の内容については後述する。使用可否管理部11は、生成した画像情報(契約変更画面45を表示させるための画像情報)を車載装置3の統括制御部32に送信する。
【0046】
車載装置3の統括制御部32は、画像情報を受信し、画像情報に基づいてタッチパネル37に契約変更画面45を表示する。図4は、契約変更画面45の一例を示す図である。図4に示すように、契約変更画面45は、キャンピングカーに設けられた設備ごとに、現時点の契約の状況、つまり、使用が許可されているか否かが明示されると共に、使用が許可されていない設備については、チェック欄にチェックを入れることにより、契約を変更して使用が許可されていない状態から許可された状態へと変更できるようになされている。
【0047】
ユーザは、タッチパネル37に表示された契約変更画面45を参照し、自身が使用しようとした設備や、他の使用が許可されていない設備について、契約を変更すること(使用が許可された状態とすること)を望む場合には、契約変更画面45の対応するチェック欄にチェックを入れ、確定ボタン46をタッチ操作する。なお、ユーザは、契約変更を望まない場合、何れのチェック欄にもチェックを入れずに確定ボタン46をタッチ操作する。統括制御部32は、契約変更画面45の確定ボタン46がタッチ操作されたことを検出すると、入力結果情報を制御サーバ2の使用可否管理部11に送信する。入力結果情報は、予約IDと、チェック欄にチェックが入れられた設備の種類を示す情報とを含む情報である。ただし、何れのチェック欄にもチェックが入れられていない場合、そのことを示す情報が、チェック欄にチェックが入れられた設備の種類を示す情報に代えて入力結果情報に含められる。
【0048】
使用可否管理部11は、入力結果情報を受信すると、以下の処理を実行する。すなわち、使用可否管理部11は、何れのチェック欄にもチェックが入れられなかったことを示す情報が入力結果情報に含まれている場合には、入力結果情報を破棄する。一方、使用可否管理部11は、チェック欄にチェックが入れられた設備の種類を示す情報が入力結果情報に含まれている場合には、設備管理データベース19のレコードのうち、入力結果情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する。
【0049】
次いで、使用可否管理部11は、特定したレコードに含まれる契約フラグのうち、チェック欄にチェックが入れられた設備の種類(契約を変更し使用が許可された状態とすることをユーザが希望する設備の種類)に対応する契約フラグの値をオフからオンに変更する。この結果、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとしたことに起因してユーザに対して警告がなされた場合において、ユーザによりその設備についての契約の変更が指示された場合、使用可否管理部11の機能により、その設備に対応する契約フラグが書き換えられ、以後、その設備は、使用が許可された設備として管理され、管理上、ユーザがその設備を使用できるようになる。
【0050】
以上のように、使用可否管理部11は、設備ごとに使用の許可/非許可を管理する一方、警告部13により警告が行われた場合、ユーザが使用しようとしていた設備についての契約の変更を指示できるインターフェース(契約変更画面45)を提供し、インターフェースに対する入力に応じて契約を変更する。
【0051】
なお、契約に変更があった場合、使用可否管理部11は、予約管理システムに対して予約の管理に必要な情報を送信し、予約管理システムは、適宜、予約の管理に必要な情報を更新する。
【0052】
また、車載装置3のセンサ検出値送信部31は、キャンピングカーに設けられたセンサから実際使用検出値を入力した場合、制御サーバ2の追加料金算出部15に実際使用検出値関連情報を送信する。実際使用検出値関連情報は、予約IDと、設備の種類を示す情報と、入力した実際使用検出値に対応する情報とを含む情報である。例えば、「冷蔵庫の電源がオフからオンとなった後、一定期間以上、オンの状態が継続したこと」を示す実際使用検出値を冷蔵庫関連センサ38から入力した場合、センサ検出値送信部31は、予約IDと、設備の種類が冷蔵庫であることを示す情報と、冷蔵庫の電源がオフからオンとなった後、一定期間以上、オンの状態が継続したことを示す情報とを含む実際使用検出値関連情報を制御サーバ2の使用意思検出部12に送信する。
【0053】
制御サーバ2の追加料金算出部15は、車載装置3のセンサ検出値送信部31から実際使用検出値関連情報を受信した場合、以下の処理を実行する。すなわち、追加料金算出部15は、記憶部18に記憶された設備管理データベース19を参照し、当該データベースのレコードのうち、受信した実際使用検出値関連情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する。次いで、追加料金算出部15は、特定したレコードの契約フラグのうち、実際使用検出値関連情報に含まれる情報が示す設備の種類に対応する契約フラグがオンであるかオフであるかを判定する。
【0054】
契約フラグがオンの場合、追加料金算出部15は、受信した実際使用検出値関連情報を破棄する。なお、契約フラグがオンの場合、事前の契約、または、事後的に変更された契約により使用が許可されている設備をユーザが使用したものと想定される。一方、契約フラグがオフの場合、追加料金算出部15は、特定したレコードの追加料金フラグのうち、実際使用検出値関連情報に含まれる情報が示す設備の種類に対応するフラグをオフからオンへと変更する。なお、契約フラグがオフの場合、ユーザが、使用が許可されていない設備を、その設備の機能が発揮されるような態様で使用したものと想定される。
【0055】
例えば、追加料金算出部15は、所定値の予約IDと、設備の種類が冷蔵庫であることを示す情報と、「冷蔵庫の電源がオフからオンとなった後、一定期間以上、オンの状態が継続したことを示す情報」とを含む実際使用検出値関連情報を受信した場合、以下の処理を実行する。すなわち、追加料金算出部15は、設備管理データベース19のレコードのうち、所定値の予約IDに対応するレコードを特定する。次いで、追加料金算出部15は、特定したレコードの契約フラグのうち、冷蔵庫契約フラグがオンであるかオフであるかを判定する。契約フラグがオンの場合、追加料金算出部15は、受信した実際使用検出値関連情報を破棄する。一方、契約フラグがオフの場合、追加料金算出部15は、特定したレコードの追加料金フラグのうち、冷蔵庫追加料金フラグをオフからオンへと変更する。なお、「冷蔵庫の電源がオフからオンとなった後、一定期間以上、オンの状態が継続したことを示す情報」の一定期間について、期間の長さは、契約の変更に要する時間等を考慮した十分に長い値とされる。
【0056】
以上のように、使用が許可されていない設備について、ユーザが、その設備の機能が発揮されるような態様で使用した場合には、そのことが検出された上で、追加料金算出部15により、設備管理データベース19が用いられて、そのことが管理される。なお、テントについては、ロック機構から取り外された直後は、未だ機能が発揮されているような態様で使用されているとは言えないが、いずれ使用されることになるため、機能が発揮されているような態様で使用しているとみなすことができる。
【0057】
また、使用期間の間、ユーザは、発話によって、任意の設備の使用方法を問い合わせ、音声によりその回答を得ることができる。以下、ユーザの発話があり、その発話に対して音声により回答があることを「音声対話」という。詳述すると、ユーザは、所定の設備の使用方法を問い合わせる場合、ウェイクワードを発話し、ウェイクワードに続けて、その所定の設備の使用方法を問い合わせる文言を発話する。ウェイクワードとは、音声対話を開始する際に、ユーザが発話する特定の文言である。一例として、冷蔵庫の使用方法を問い合わせる場合において、ユーザは「○○、冷蔵庫の使い方を教えて」(○○は、ウェイクワードを表している。)と発話する。以下、ウェイクワードに続く、設備の使用方法を問い合わせる文言を「リクエスト」という。
【0058】
使用期間の間、車載装置3の統括制御部32は、車内に設けられたマイク35により収音された音声の音声データを分析し、ユーザによりウェイクワードが発話されたか否かを監視する。音声データの分析は既存の技術により適切に行われる。統括制御部32は、ウェイクワードが発話されたことを検出すると、ウェイクワードに続くリクエストの音声データを、定められたプロトコルに従って制御サーバ2の応答部14に送信する。
【0059】
制御サーバ2の応答部14は、音声データを受信すると、音声認識を含む分析を行って、ユーザによるリクエストに対するレスポンスを生成する。レスポンスの生成は既存の技術に基づいて適切に実行される。例えば、レスポンスは、「冷蔵庫の使い方を教えて」というリクエストに対して、「冷蔵庫の使い方は、××です」(××は、冷蔵庫の使用方法を表している。××の部分は、複数の文章で構成されていてもよい)というものである。この場合、応答部14は、人工知能による音声認識処理や、自然言語処理、情報要約処理等を通してリクエストの内容を認識し、リクエストを生成するために必要な情報を収集し、収集した情報に基づいてレスポンスを生成する。
【0060】
レスポンスを生成した後、応答部14は、レスポンスに対応する音声が記録された音声データ(以下、「レスポンス音声データ」という)を生成する。次いで、応答部14は、レスポンス音声データを車載装置3の統括制御部32に送信する。車載装置3の統括制御部32は、応答部14からレスポンス音声データを受信すると、受信したレスポンス音声データに記録されたレスポンスに対応する音声をスピーカ36から出力させる。レスポンスに対応する音声の出力が完了することにより、一連の音声対話が完了する。
【0061】
車載装置3と制御サーバ2により以上の処理が行われるため、ユーザは、キャンピングカーに搭載された設備について、その使用方法が分からない場合、マニュアルを参照したり、インターネットで調べたりするといった煩雑な作業を経ることなく、迅速にその使用方法について知ることが可能である。
【0062】
なお、本実施形態では、音声により設備の使用方法の案内が行われる構成であるが、タッチパネル37を使用した画像を利用したり、ユーザの携帯端末4に情報が通知されるようにしたりすることによって案内が行われるようにしてもよい。
【0063】
<返却段階>
次に、返却段階における各装置の各機能ブロックの機能について説明する。キャンピングカーを返却する際、ユーザは、任意または特定の待機施設にキャンピングカーを走行させ、待機施設においてキャンピングカーを返却する。
【0064】
キャンピングカーの返却後、ユーザは、利用料金を支払う。利用料金の支払いは、待機施設における現金払いや、電子マネーによる支払い等の種々の方法で行うことが可能であるが、本実施形態では、事前に登録されたクレジットカードから自動で支払いが行われるものとする。本実施形態では、利用料金は、基本使用料金と、追加料金とからなる。基本使用料金とは、事前に定められた固定料金や、使用期間の長さや走行距離に応じて変動する変動料金、契約により使用が許可された設備に関する料金等を含む。キャンピングカーが返却されると、予約管理システムは、基本使用料金を算出するために必要な情報を収集し、適切な方法で基本使用料金を算出する。
【0065】
ここで、本実施形態では、使用の許可/非許可が設備ごとに管理されるため、この管理の下、使用が許可された設備についてのみ課金することが可能である。このため、ユーザにとって不必要な費用負担が発生することを抑制できる。
【0066】
一方、追加料金とは、使用が許可されていない設備について、ユーザが、設備の機能が発揮されるような態様で使用した場合に、その使用について課す料金である。追加料金算出部15は、以下の方法で追加料金を算出する。
【0067】
すなわち、キャンピングカーが返却されると、待機施設の所定の装置から、制御サーバ2の追加料金算出部15に対して、返却通知情報が送信される。返却通知情報は、予約IDと、キャンピングカーが返却されたことを示す情報を含む。追加料金算出部15は、返却通知情報を受信すると、設備管理データベース19を参照し、返却通知情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する。次いで、追加料金算出部15は、特定したレコードの追加料金フラグを参照し、追加料金フラグがオンとなっている設備の種類を認識する。追加料金フラグがオンとなっている設備は、ユーザが、その設備の使用が許可されていない状況で、その設備の機能が発揮されるような態様で使用した設備である。
【0068】
本実施形態では、設備ごとに、使用が許可されていない状況で使用された場合に、その設備について追加すべき料金が予め定められている。この料金は、使用が許可された設備について発生する料金よりも割高とすることができる。追加料金算出部15は、追加料金フラグがオンとなっている設備のそれぞれに追加すべき料金を加算することにより、追加料金を算出する。追加料金を算出した後、追加料金算出部15は、算出した追加料金を予約管理システムに通知する。
【0069】
予約管理システムは、自ら算出した基本使用料金と、追加料金算出部15から通知された追加料金とを加算することにより利用料金を算出する。予約管理システムは、図示しないクレジットカードシステムと連携して、予め登録されたクレジットカードから自動で利用料金の支払いを受ける。
【0070】
なお、本実施形態では、説明の便宜のため、追加料金算出部15により追加料金が算出される方法を非常に単純化しているが、追加料金の算出は、設備の種類や、ユーザの使用態様、その他の要素に応じて適切に行われる。例えば、冷蔵庫に関しては、冷蔵庫に供給された電力量に応じて料金が変動するようにしてもよく、トイレに関しては使用された水の量に応じて料金が変動するようにしてもよい。
【0071】
このように、本実施形態では、キャンピングカーが返却された後、追加料金が自動で算出されて請求される。このため、例えば、キャンピングカーが返却された後、カーシェアリング提供会社の担当者が人為的に使用状況をチェックし、チェック結果に基づいて追加料金を算出し、請求する場合と比較して、カーシェアリング提供会社側の負担が小さく、また、迅速に追加料金を請求することができる。
【0072】
また、キャンピングカーが返却された後に、キャンピングカーのメンテナンスを行う担当者は、自身が所有する携帯型装置にインストールされた所定のアプリケーションの機能により、キャンピングカーに搭載された設備のうち、使用された設備と、使用されていない設備とを認識することができる。これにより、担当者は、使用された設備についてのみクリーニングしたり、消費物を補充したりする等の効率よいメンテナンスを行うことができる。
【0073】
詳述すると、担当者は、携帯型装置の所定のアプリケーションを起動し、当該所定のアプリケーションが提供する所定のユーザインターフェイスに予約IDを入力し、確定する。すると、携帯型装置の所定のアプリケーションは、予約IDを含み、使用結果画面(後述)を表示するための画像情報の送信を要求する使用結果画面送信要求情報を制御サーバ2の使用状況通知部16に送信する。
【0074】
使用状況通知部16は、使用結果画面送信要求情報を受信すると、記憶部18に記憶された設備管理データベース19のレコードのうち、当該情報に含まれる予約IDに対応するレコードを参照し、契約フラグがオンの設備の種類と、追加料金フラグがオンの設備の種類とを認識する。ここで、契約フラグがオンの設備は、事前の契約の下、または、事後的に変更された契約の下、ユーザが使用した設備であり、追加料金フラグがオンの設備は、契約に反してユーザが使用した設備であり、契約フラグがオンの設備と追加料金フラグがオンの設備との集合は、ユーザが使用した設備を示している。
【0075】
使用状況通知部16は、契約フラグがオンの設備の種類と追加料金フラグがオンの設備の種類とを認識した後、使用結果画面を表示するための画像情報を生成する。使用結果画面とは、契約フラグがオンの設備の種類と追加料金フラグがオンの設備の種類とが明示された画面である。例えば、契約フラグがオンの設備の種類が冷蔵庫であり、追加料金フラグがオンの設備の種類がトイレである場合、使用結果画面は、冷蔵庫およびトイレが明示された画面である。使用状況通知部16は、生成した画像情報を担当者の携帯型装置に送信する。
【0076】
携帯型装置は、画像情報を受信すると、所定のアプリケーションの機能により、画像情報に基づいて使用結果画面を表示する。担当者は、携帯型装置に表示された使用結果画面の内容を確認することにより、使用された設備を認識することができ、当該認識に基づいて効率よくキャンピングカーをメンテナンスすることができる。
【0077】
なお、本実施形態では、使用状況通知部16は、契約により使用が許可された設備については、ユーザにより使用されたものとして、問い合わせに応じて、使用された設備として通知する(使用結果画面に情報を表示する対象とする)。しかしながら、使用が許可された設備であっても実際に使用されないケースもあり得る。これを踏まえ、使用状況通知部16が、センサ検出値送信部31からの情報を受け取り、実際に使用された設備を管理し、問い合わせに応じて、実際に使用された設備のみを、使用された設備として通知する構成でもよい。
【0078】
次に、カーシェアリングサービス提供システム1の各装置の動作例についてフローチャートを用いて説明する。図5は、予約段階における携帯端末4の動作例、および、制御サーバ2の動作例を示すフローチャートである。図5において、フローチャートFAは携帯端末4の動作例を示し、フローチャートFBは制御サーバ2の動作例を示している。
【0079】
図5に示すように、ユーザは、予約ページを利用して、借り受けを開始する日時を指定し、キャンピングカーを借り受ける待機施設を指定する情報を入力するほか、使用する設備を選択する(ステップSX1)。予約ページへの入力が確定すると、専用アプリ実行部21は、予約ページに入力された情報を予約管理システムに送信する(ステップSA1)。使用可否管理部11は、予約管理システムを介して、予約ページの選択欄で選択された設備を示す情報を受信し、予約ページの選択欄で選択された設備を認識する(ステップSB1)。更に、使用可否管理部11は、予約管理システムからの通知に基づいて、予約管理システムにより発行された予約IDを取得する(ステップSB2)。次いで、使用可否管理部11は、記憶部18に記憶された設備管理データベース19にアクセスし、1件のレコードを生成する(ステップSB3)。
【0080】
次に、使用段階におけるカーシェアリングサービス提供システム1の各装置の動作例についてフローチャートを用いて説明する。図6は、車載装置3のセンサ検出値送信部31が、キャンピングカーに設けられたセンサから使用意思検出値を入力した場合の車載装置3および制御サーバ2の動作を示すフローチャートである。図6においてフローチャートFCは車載装置3の動作例を示し、フローチャートFDは制御サーバ2の動作例を示している。
【0081】
図6に示すように、車載装置3のセンサ検出値送信部31は、キャンピングカーに設けられたセンサから使用意思検出値を入力した場合、使用意思検出値関連情報を送信する(ステップSC1)。制御サーバ2の使用意思検出部12は、使用意思検出値関連情報を受信した場合、記憶部18に記憶された設備管理データベース19を参照し、当該データベースのレコードのうち、受信した使用意思検出値関連情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する(ステップSD1)。次いで、使用意思検出部12は、特定したレコードの契約フラグのうち、使用意思検出値関連情報に含まれる情報が示す設備の種類に対応する契約フラグがオンであるか否かを判定する(ステップSD2)。
【0082】
契約フラグがオンの場合(ステップSD2:YES)、使用意思検出部12は、受信した使用意思検出値関連情報を破棄する(ステップSD3)。ステップSD3の処理後、フローチャートFDの処理は終了する。一方、契約フラグがオンではない場合(オフの場合)(ステップSD2:NO)、使用意思検出部12は、使用意思検出値関連情報を警告部13に出力する(ステップSD4)。なお、契約フラグがオフの場合、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとしたものと想定される。
【0083】
警告部13は、使用意思検出部12から使用意思検出値関連情報を入力した場合、警告情報を送信する(ステップSD5)。車載装置3の統括制御部32は、制御サーバ2の警告部13から警告情報を受信した場合、受信した警告情報に含まれる音声情報に基づいて、スピーカ36から案内用音声を出力する(ステップSC2)。更に、統括制御部32は、受信した警告情報に含まれる画像情報に基づいてタッチパネル37に案内用画像を表示する(ステップSC3)。
【0084】
次いで、統括制御部32は、案内用画像に含まれる契約変更指示ボタンがタッチ操作されたか否かを監視する(ステップSC4)。契約変更指示ボタンがタッチ操作された場合(ステップSC4:YES)、統括制御部32は、契約変更要求情報を制御サーバ2の使用可否管理部11に送信する(ステップSC5)。
【0085】
制御サーバ2の使用可否管理部11は、契約変更要求情報を受信した場合、記憶部18に記憶された設備管理データベース19を参照し、契約変更要求情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する(ステップSD6)。次いで、使用可否管理部11は、特定したレコードに基づいて、タッチパネル37に契約変更画面45(図4)を表示させるための画像情報を生成する(ステップSD7)。次いで。使用可否管理部11は、生成した画像情報を車載装置3の統括制御部32に送信する(ステップSD8)。
【0086】
車載装置3の統括制御部32は、画像情報を受信すると、画像情報に基づいてタッチパネル37に契約変更画面45を表示する(ステップSC6)。ユーザは、タッチパネル37に表示された契約変更画面45を参照し、自身が使用しようとした設備や、他の使用が許可されていない設備について、契約を変更すること(使用が許可された状態とすること)を望む場合には、契約変更画面45の対応するチェック欄にチェックを入れ、確定ボタン46をタッチ操作する(ステップSX3)。統括制御部32は、契約変更画面45の確定ボタン46がタッチ操作されたことを検出すると、入力結果情報を制御サーバ2の使用可否管理部11に送信する(ステップSC7)。
【0087】
使用可否管理部11は、入力結果情報を受信すると、入力結果情報に、何れのチェック欄にもチェックが入れられなかったことを示す情報が含まれているか否かを判定する(ステップSD9)。当該情報が含まれている場合(ステップSD9:NO)、使用可否管理部11は、入力結果情報を破棄する(ステップSD10)。ステップSD10の処理後、フローチャートFDは終了する。
【0088】
一方、当該情報が含まれていない場合(チェック欄にチェックが入れられた設備の種類を示す情報が入力結果情報に含まれている場合)(ステップSD9:NO)には、設備管理データベース19のレコードのうち、入力結果情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する(ステップSD11)。
【0089】
次いで、使用可否管理部11は、特定したレコードに含まれる契約フラグのうち、チェック欄にチェックが入れられた設備の種類(契約を変更し使用が許可された状態とすることをユーザが希望する設備の種類)に対応する契約フラグの値をオフからオンに変更する(ステップSD12)。
【0090】
図7は、車載装置3のセンサ検出値送信部31が、キャンピングカーに設けられたセンサから実際使用検出値を入力した場合の車載装置3および制御サーバ2の動作を示すフローチャートである。図7においてフローチャートFEは車載装置3の動作例を示し、フローチャートFFは制御サーバ2の動作例を示している。
【0091】
車載装置3のセンサ検出値送信部31は、キャンピングカーに設けられたセンサから実際使用検出値を入力した場合、実際使用検出値関連情報を送信する(ステップSE1)。制御サーバ2の追加料金算出部15は、車載装置3のセンサ検出値送信部31から実際使用検出値関連情報を受信した場合、記憶部18に記憶された設備管理データベース19を参照し、当該データベースのレコードのうち、受信した実際使用検出値関連情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する(ステップSF1)。次いで、追加料金算出部15は、特定したレコードの契約フラグのうち、実際使用検出値関連情報に含まれる情報が示す設備の種類に対応する契約フラグがオンか否かを判定する(ステップSF2)。
【0092】
契約フラグがオンの場合(ステップSF2:YES)、追加料金算出部15は、受信した実際使用検出値関連情報を破棄する(ステップSF3)。ステップSF3の処理後、フローチャートFFは終了する。契約フラグがオンではない場合(オフの場合)(ステップSF2:NO)、追加料金算出部15は、特定したレコードの追加料金フラグのうち、実際使用検出値関連情報に含まれる情報が示す設備の種類に対応するフラグをオフからオンへと変更する(ステップSF4)。
【0093】
<返却段階>
次に、返却段階におけるカーシェアリングサービス提供システム1の各装置の動作例についてフローチャートを用いて説明する。図8のフローチャートFGは、追加料金の算出に関連する処理を実行するときの制御サーバ2の動作を示すフローチャートである。
【0094】
キャンピングカーが返却されると、待機施設の所定の装置から、制御サーバ2の追加料金算出部15に対して、返却通知情報が送信される(ステップSX4)。追加料金算出部15は、返却通知情報を受信すると、設備管理データベース19を参照し、当該情報に含まれる予約IDに対応するレコードを特定する(ステップSG1)。次いで、追加料金算出部15は、特定したレコードの追加料金フラグを参照し、追加料金フラグがオンとなっている設備の種類を認識する(ステップSG2)。次いで、追加料金算出部15は、追加料金フラグがオンとなっている設備のそれぞれに追加すべき料金を加算することにより、追加料金を算出する(ステップSG3)。追加料金を算出した後、追加料金算出部15は、算出した追加料金を予約管理システムに通知する(ステップSG4)。
【0095】
以上詳しく説明したように、カーシェアリングサービス提供システム1は、事前の契約に基づく使用の許可/非許可を設備ごとに管理し、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとしていることを検出し、警告する。
【0096】
この構成によれば、使用の許可/非許可が設備ごとに管理されるため、この管理の下、使用が許可された設備についてのみ課金することが可能となり、ユーザにとって不必要な費用負担が発生することを抑制できる。その上で、上記構成によれば、使用が許可されていない設備をユーザが使用しようとした場合、警告がなされ、ユーザは警告に基づいて、使用が許可されていない設備を使用しようとしたことを認識できる。このため、ユーザは、キャンピングカーを借り受ける際、自分が何を使用でき、何を使用できないのかを完全に把握する必要がなく、ユーザの利便性の低下を抑制できる。
【0097】
以上、本発明の一実施形態説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0098】
例えば、上記実施形態では、利用料金は後払いであったが、確定的に発生する料金については、先払いとする構成でもよい。この場合において、事後的に契約を変更し使用可能となった設備に関して発生する料金や、使用できないにもかかわらずユーザが使用した設備に関して発生する料金については後払いとすることが可能である。また、この場合において、ユーザに対して警告が行われた後、ユーザが契約を変更することを望んだ場合、ユーザにより支払い(例えば、クレジットカードを利用した支払い)が行われたり、ユーザが料金を支払うことについて合意した場合にのみ、設備が使用可能となるようにしてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、カーシェアリングサービスにおいて貸し出される、設備が搭載された車両を「キャンピングカー」としたが、貸し出される車両は、キャンピングカーに限らず、設備が設けられた車両であればよい。例えば、貸し出される車両は、冷蔵庫やカラオケシステムが設けられた大型車であってもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、キャンピングカーの貸し出しが行われるサービスをカーシェアリングサービスとしたが、これをレンタカーサービスであってもよい。
【0101】
また、設備を使用しようとしたこと、および、設備の機能が発揮されるような態様で設備を使用したことを検出する方法は、上記実施形態で例示した方法に限らず、設備の種類や、設けられたセンサに応じて、適切な方法とすることができる。一例として、車室内カメラで車室内の様子を検出し、このカメラが出力する画像データを分析することにより、検出するようにしてもよい。この場合、プライバシーを考慮して、車室内カメラが出力する画像データを、画素ごとに温度に関する情報を有する画像データであり、解像度が非常に低い画像データとすることが可能である。
【0102】
また、上記実施形態では、ユーザが設備を使用しようとした場合に、そのことを検出し、警告する構成であったが、使用しようとしたことを検出する構成に代えて、少しだけ使用したことを検出し、警告する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 カーシェアリングサービス提供システム(車両設備管理システム)
10 使用可否管理部
12 使用意思検出部
13 警告部
14 応答部
15 追加料金算出部
16 使用状況通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8